1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十九年三月二十七日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
一月二十三日
辞任 補欠選任
柄谷 道一君 井上 計君
二月三日
辞任 補欠選任
井上 計君 柄谷 道一君
三月二十六日
辞任 補欠選任
穐山 篤君 赤桐 操君
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出席者は左のとおり。
委員長 高平 公友君
理 事
亀長 友義君
坂野 重信君
小野 明君
太田 淳夫君
委 員
板垣 正君
岡田 広君
沢田 一精君
林 寛子君
林 ゆう君
桧垣徳太郎君
堀江 正夫君
野田 哲君
内藤 功君
柄谷 道一君
国務大臣
国 務 大 臣
(内閣官房長官) 藤波 孝生君
国 務 大 臣
(総理府総務長
官) 中西 一郎君
国 務 大 臣
(行政管理庁長
官) 後藤田正晴君
国 務 大 臣
(防衛庁長官) 栗原 祐幸君
政府委員
人事院総裁 内海 倫君
人事院事務総局
管理局長 服部 健三君
内閣総理大臣官
房会計課長
兼内閣参事官 渡辺 尚君
北方対策本部審
議官
兼内閣総理大臣
官房総務審議官 橋本 豊君
宮内庁次長 山本 悟君
皇室経済主管 勝山 亮君
行政管理庁長官
官房総務審議官 古橋源六郎君
行政管理庁長官
官房会計課長 前山 勇君
行政管理庁行政
管理局長 門田 英郎君
行政管理庁行政
監察局長 竹村 晟君
防衛庁長官官房
長 佐々 淳行君
防衛庁経理局長 宍倉 宗夫君
防衛施設庁総務
部長 梅岡 弘君
事務局側
常任委員会専門
員 林 利雄君
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本日の会議に付した案件
○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調
査並びに国の防衛に関する調査
(今期国会における本委員会関係の内閣提出予
定法律案に関する件)
(防衛庁の基本方針に関する件)
(総理府関係の施策に関する件)
(昭和五十九年度内閣、総理府関係予算に関す
る件)
(行政管理庁の基本方針に関する件)
(昭和五十九年度防衛庁関係予算に関する件)
(昭和五十九年度皇室費に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/0
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001・高平公友
○委員長(高平公友君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
昨二十六日、穐山篤君が委員を辞任され、その補欠として赤桐操君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/1
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002・高平公友
○委員長(高平公友君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を議題といたします。
まず、今期国会における本委員会関係の内閣提出予定法律案について説明を聴取いたします。藤波内閣官房長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/2
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003・藤波孝生
○国務大臣(藤波孝生君) 今国会の内閣提出予定法律案は、三月二十七日現在、総件数八十三件であり、うち予算関係法律案は四十三件でございます。
このうち、既に国会に提出されておりますものは四十六件でございます。
なお、現在国会に提出されていない法律案につきましては、できる限り早期に提出するよう努力中でございます。
これら内閣提出法律案のうち、参議院内閣委員会に付託が予想されます法律案は六件、そのうち予算関係法律案は五件になることと思いますが、これらの法律案の件名及び要旨はお手元の資料のとおりでございます。
なお、委員会への付託は、議院において決定される問題でございますので、若干の変更もあろうかと存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/3
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004・高平公友
○委員長(高平公友君) 次に、防衛庁長官から所信を聴取いたします。栗原防衛庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/4
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005・栗原祐幸
○国務大臣(栗原祐幸君) 先般、防衛庁長官を拝命いたしました栗原祐幸でございます。
厳しい内外の情勢下に国の基本にかかわる防衛行政を担うことになり、責任の重大さをひしひしと感じております。微力ではございますが、委員長を初め委員各位の御鞭撻のもとに全力を挙げてこの大任に取り組む覚悟であります。
重ねて各位の御理解と御協力をお願いして、就任のごあいさつといたします。
次に、我が国当面の防衛政策につき、この際、若干所見を申し述べさせていただきたいと思います。
御案内のとおり、米ソ両大国を軸として東西両陣営に強い不信感が存在し、国際情勢の流動化の中で世界各地に紛争と緊張が続いておりますことは冷厳な事実でございます。特に、我が国周辺においてはソ連極東軍の増強が顕著であり、我が国といたしましても重大な関心を持たざるを得ない状況であります。
我が国は西側諸国の有力な一員として現実的に世界の平和と安定に寄与しなければならないと考えますが、このためには、まずもって憲法の許容する範囲においてみずからの国はみずからが守るの気概で防衛力の整備を着実に図らなければならないと思います。
もちろん、米国との協力関係を揺るぎなきものとするため、日米安全保障体制を堅持し、その円滑な運用に努めてまいることは当然であります。かかる観点に立って我が国の防衛力の現状を見ますと、防衛計画の大綱水準にいまだ到達しておらぬのみか、装備の老朽化、継戦能力、抗堪性、あるいは即応態勢の不足等、改善を要する点が多く残されております。
昭和五十九年度防衛予算は、一、五六中業の第二年度として引き続き質の高い防衛力の着実な整備に努めること、二、練度の維持向上等、現態勢の維持に努めること、三、基地周辺対策及び提供施設の整備等に必要な経費の確保に努めること、以上三点を基本方針として作成いたしましたが、大綱水準への到達にぎりぎりの努力をしたものであります。厳しい財政状態ではありますが、国防の重要性にかんがみ、各位の御理解と御協力を切に願うものであります。
言うまでもなく、国の安全保障は政治、経済、教育、文化等各部門が整然として秩序ある営みをすることによって実現されるものでありますが、その中で、他国からの侵略を排し、国民の平和と安全を守る自衛力の整備は極めて重要な役割であります。国民各位にこの認識をさらに深めていただけるかどうかが今後の防衛政策の大きな課題でございます。
このため、私は自衛隊の統括責任者として、シビリアンコントロールに意を用い、隊の規律を厳正にし、教育訓練に力を用い、国民各位から頼りにされる存在になるよう、自衛隊の指導をする所存であります。
ここで、先般の事件、事故について御報告を申し上げます。
第一に、去る二月二十七日、陸上自衛隊山口射撃場で、兼信雄一二等陸士が、訓練中、小銃を隊員に向け発砲し、隊員四名を死傷させた事件であります。
私は、この事件が社会に与えた影響の大なることにかんがみ、三月九日、現地部隊関係者のみならず、上級司令部、陸上幕僚監部、内部部局を含め総員二十五名を処分いたしました。
また、この事件との関係で種々反省すべき事項が明らかとなりましたので、先般一連の対応策をまとめたところであります。
第二に、同じ二月二十七日、海上自衛隊の対潜飛行艇PS1が、瀬戸内海伊予灘に墜落し、乗員十二名が殉職した事故であります。
昨年四月のPS1型機の事故から一年を経ないうちに再びかかる事故により貴重な隊員の生命と航空機とを失ったことは、まことに遺憾であります。現在、未収容の遺体、機体の捜索、揚収に引き続き全力を挙げる一方、PS1及びUS1全機について特命検査を鋭意実施させているところであります。私は、この事故の原因を徹底的に究明して再発防止に万全を期し、国民の信頼を損なうことのないよう努めてまいる所存であります。
防衛二法を初め国の防衛に関する万般の事項を所管されている当委員会での御論議を通じ、御指導、御忠告をいただければ甚だ幸いであります。
一言申し述べて、ごあいさつといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/5
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006・高平公友
○委員長(高平公友君) 次に、総理府総務長官から所信及び昭和五十九年度内閣、総理府関係予算の説明を聴取いたします。中西総理府総務長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/6
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007・中西一郎
○国務大臣(中西一郎君) 所信を表明いたします前に、一言就任のごあいさつをさせていただきます。
私は、昨年暮れの第二次中曽根内閣の発足に際しまして、総理府総務長官を拝命いたしました。微力ではございますが、所管事項について誠心誠意努力してまいる所存でございますので、委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げます。
総理府本府の所管行政につきまして、所信の一端を申し述べます。
初めに、今国会において御審議いただいております恩給法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
この法律案は、昭和五十八年度の公務員給与の改善を基礎として恩給年額を増額するとともに、戦没者遺族に支給する公務扶助料等についてもでき得る限りの配慮をし、現下の厳しい財政事情のもとではございますが、恩給受給者の処遇の一層の充実を図ろうとするものであります。
次に、法律案以外の事項について申し上げます。
今日、青少年の非行の増加が深刻な社会問題となっており、また青少年を取り巻く社会環境は俗悪な出版物のはんらんや享楽的施設が増加するなど悪化しつつあり、我が国の将来を考えるときまことに憂慮すべき状況にあります。
総理府としては青少年の健全育成に携わる省庁の総合調整を図る立場から、青少年非行防止について家庭、学校、地域社会及び地方公共団体の協力連携を呼びかけ、全国民的な運動を展開しているところであり、引き続き施策の充実に努めることといたしております。また、昭和六十年は国連の定めた国際青年年でありますが、先般国際青年年事業推進会議の設置を閣議決定し、関係省庁の御協力を得ながら、その準備を進めることといたしております。
次に、緑化の推進につきましては、昨年緑化推進連絡会議におきまして、地域住民に密着した市町村が主体となり、広く地域住民、民間団体等の参加を得て全国的に幅広い緑化運動を展開すること等を内容とした緑化推進運動の実施方針を決定したところでありますが、この実施方針に基づきまして、引き続き政府、民間相まって国土の緑化がより効果的に実現されるよう努めてまいる所存であります。
また、公務員制度に関しましては、行政に対する国民の信頼を確保するため、官庁綱紀の厳正な保持及び公務能率の増進に一層努力するとともに、公務員に対する適切な処遇の確保に努めてまいる考えてあります。
その他の所管事項につきましても、諸施策の推進に一層の努力を傾注してまいる所存でありますが、ここに所信の一端を申し述べ、委員各位の深い御理解と格段の御協力をお願いする次第でございます。
引き続いて、昭和五十九年度における内閣及び総理府所管の歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。
内閣所管の昭和五十九年度における歳出予算要求額は百五億三千八百五十六万五千円でありまして、これを前年度歳出予算額百二億九千八百二十二万五千円に比較いたしますと二億四千三十四万円の増額となっております。
以下、順を追って申し上げますと、内閣官房に必要な経費四十三億一千五百五十三万一千円、内閣法制局に必要な経費五億五千三百九十六万円、人事院に必要な経費五十五億四千四百九十万六千円、国防会議に必要な経費一億二千四百十六万八千円であります。
次に、総理府所管の昭和五十九年度における歳出予算要求額は六兆四千六百九十七億一千七十八万四千円でありまして、これを前年度歳出予算額六兆二千八百三十八億八千二百八十三万二千円に比較いたしますと一千八百五十八億二千七百九十五万二千円の増額となっております。
このうち、当委員会において御審議を願っております総理本府、青少年対策本部、日本学術会議、宮内庁、行政管理庁及び総務庁の歳出予算要求額は一兆八千百十二億六千三百八十万三千円でありまして、これを前年度歳出予算額一兆八千百七十七億三千九百七十七万五千円に比較いたしますと六十四億七千五百九十七万二千円の減額となっております。
なお、総務庁が昭和五十九年七月一日発足するため、総理本府の一部、青少年対策本部及び行政管理庁につきましては、それぞれ昭和五十九年四月から六月までの三カ月予算を計上しておりますが、前年度との増減比較のため、便宜上従来の組織に年間分が計上されたものとして御説明申し上げることといたします。
以下、順を追って申し上げますと、総理本府に必要な経費一兆七千七百八十八億二千八万四千円、青少年対策本部に必要な経費二十一億六千六百十八万一千円、日本学術会議に必要な経費七億八千七百五十七万二千円、宮内庁に必要な経費七十二億二千九百三十五万三千円、行政管理庁に必要な経費二百十八億六千七百九十七万二千円であります。
また、総務庁に必要な経費につきましては再掲でありますが、一兆三千四百五億六千九百三十一万二千円であります。
次に、これらの経費について、その概要を御説明いたします。
総理本府に必要な経費は、交通安全対策、広報及び世論調査、恩給の支給、統計調査等のための経費でありまして、前年度に比較して七十四億七千九百三十万四千円の減額となっております。
青少年対策本部に必要な経費は、青少年非行防止活動、青少年健全育成国民運動、青年の国際交流及び国民健康体力増強等のための経費でありまして、前年度に比較して九百十九万八千円の減額となっております。
日本学術会議に必要な経費は、科学に関する重要事項の審議、内外の研究連絡調査と国際共同事業の協力に関する業務等に必要な経費でありまして、前年度に比較して六千七百七十一万七千円の減額となっております。
宮内庁に必要な経費は、皇室の公的御活動、皇室用財産の維持管理に附帯して必要となる経費等でありまして、前年度に比較して二億八千七百七十九万九千円の増額となっております。
行政管理庁に必要な経費は、行政管理庁一般行政及び国の行う統計調査事務に従事する地方公共団体職員の設置の委託等のための経費でありまして、前年度に比較して三億九千九百八十万七千円の増額となっております。
総務庁に必要な経費は、総務庁一般行政、恩給の支給、統計調査及び青少年対策等のための経費であります。
また、以上のほかに国庫債務負担行為として、総務庁において二十二万九千円を計上いたしております。
以上をもって、昭和五十九年度内閣及び総理府所管の歳出予算要求額の概要の説明を終わります。
よろしく御審議くださるようお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/7
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008・高平公友
○委員長(高平公友君) 次に、行政管理庁長官から所信を聴取いたします。後藤田行政管理庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/8
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009・後藤田正晴
○国務大臣(後藤田正晴君) 先般の第二次中曽根内閣の発足に当たりまして、行政管理庁長官を拝命いたしました後藤田正晴でございます。
行政改革は、今や実行の段階であり、大変難しい時期に差しかかっております。誠心誠意この国民的課題に取り組んでいきたいと存じますので、委員長初め皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。
次に、第百一回国会における内閣委員会の御審議に先立ちまして、行政管理庁が所管する業務運営の基本的考え方につきまして御説明申し上げます。
まず第一に、行政改革について申し上げます。
政府は、かねてから行政改革を内政における最重要課題の一つとして位置づけ、臨時行政調査会の各答申の趣旨を踏まえつつ、誠実にその推進に努めており、逐次その具体的成果を上げてきているところであります。
昨年秋の第百回臨時国会におきましては、国家行政組織法の改正、総理府本府と行政管理庁の統合再編成等行政改革関連の七件の法律案の御審議をお願いし、幸いにして、これら法律案の成立を見たところであります。
さらに、今回の昭和五十九年度予算編成に際しては、行政組織の再編合理化、現業、公社、特殊法人等の改革合理化、行政事務の整理、国と地方を通ずる行政の簡素化、効率化等広範に及ぶ改革課題に関し、政府としての当面の実施方針を取りまとめたいわゆる昭和五十九年行政改革大綱を決定したところであります。
既に、この方針に沿って順次所要の法律案が各所管省庁において取りまとめられつつあり、逐次今国会に提案されてきているところでありますが、行政管理庁といたしましては、今後とも既定の方針に沿って所要の改革施策が着実に実施に移されるよう改革の推進に積極的に取り組んでまいる所存であります。
第二に、昭和五十九年度の行政機構、定員等の審査について申し上げます。
まず、行政機構につきましては、機構の膨張を厳に抑制しつつ、内外の新たな政策課題に対応するため、臨時行政調査会の答申の趣旨に沿って省庁内部部局の再編成を行うこととし、十省庁について二十局十八部の新設を認めるとともに二十局十九部の廃止を行うこととしたほか、附属機関等及び地方支分部局の整理合理化を図ることといたしました。
次に、特殊法人につきましては、臨調答申等に基づき三件六法人の統合を行うこととしております。
国家公務員の定員につきましては、第六次定員削減計画に基づく定員削減を強力に推進するとともに、新規行政需要に係る増員につきましても必要最小限度に厳しく抑制いたしました。この結果、行政機関等の職員につきましては昭和四十四年の総定員法施行以降で最大規模の三千九百五十三人の純減を図ることとしております。今後とも、行政機構、定員等の審査に当たりましては、膨張抑制の方針を堅持しつつ、新しい時代の要請に即応した行政組織の実現に努めてまいる所存であります。
第三に、行政監察について申し上げます。
現在、政府の各分野において行政改革が実行に移されつつありますが、その推進を図るため、実証的な資料に基づき行政の効率化、適正化を推進するという行政監察の機能を最大限に発揮してまいる所存であります。
そこで、昭和五十九年度の行政監察につきましては、効率的かつ重点的な業務の実施に配慮しつつ、行政改革の推進を主眼として運営してまいる方針であります。
具体的には、各省庁共通的分野の問題として許認可の整理合理化、特殊法人、附属機関の事務事業の合理化、国の地方行政への関与の改善等を取り上げるほか、主要な行政分野の諸問題につきましても、その制度、施策、役割等について思い切った見直しを行っていく考えてあります。
次に、地域における行政監視、苦情救済業務につきましては、地域における行政運営の改善を積極的に推進するため、両者の積極的な連携を図り、一体的、有機的に運用してまいる所存であります。
このうち、地域における行政監視につきましては、国民生活に密接に関連する行政運営上の問題等について、地域住民の意見、要望等を的確に把握し、適時適切な監察を行うほか、行政の窓口サービスの向上を一層推進することとします。また、苦情救済業務につきましては、苦情事案の解決に当たり、必要に応じて監察機能の積極的な活用、民間有識者の意見の反映、関係機関との連携の強化などの措置をとることとしております。これら監視、救済業務を通じ、国民の行政に対する信頼の確保に努めてまいる所存であります。
第四に、行政情報システムの総合調整業務について申し上げます。
最近のように、情報化社会が著しく進展している状況にあっては、行政情報システムは行政運営の合理化を推進するために欠くことのできない手段となっており、また国民生活にも密接なかかわりを持つに至っております。
そこで、当庁としましては、時代の変化、情報関連技術の進展に即応できるよう、行政情報システムの総合調整機能の一層の強化に努めることとし、特にOA等事務処理の近代化、情報公開、プライバシー保護等の諸問題について積極的に取り組んでまいる所存であります。
最後に、統計の総合調整についてでありますが、申すまでもなく、統計は社会経済の現状を把握する手段として欠くべからざるものであり、このため、社会経済情勢の変化に伴う行政上の需要に的確に対応した精度の高い統計を作成し、その活用を推進することが極めて重要であります。
一方、統計調査に伴う国民負担の軽減や行政の簡素化の観点から、効率的な統計調査を実施することも強く要請されているところであり、当庁といたしましては、この両面に配慮しつつ、昭和五十九年行政改革大綱において決定された統計の整理再編の着実な実施を図るなど、統計調査の改善合理化を積極的に推進してまいる所存であります。
以上、当庁所管行政の業務運営の基本的考え方につきまして申し述べましたが、当庁といたしましては、政府部内にあって、行政改革、行政運営の改善を推進する全般的な責任を負っている立場から、国民の期待にこたえるべく簡素で効率的かつ適正な行政の実現を目指して最善の努力を傾けてまいる所存であります。
委員各位におかれても、一層の御理解と御支援をいただきますようお願いをする次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/9
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010・高平公友
○委員長(高平公友君) それでは次に、昭和五十九年度の防衛庁関係予算について政府委員から説明を聴取いたします。宍倉防衛庁経理局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/10
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011・宍倉宗夫
○政府委員(宍倉宗夫君) 昭和五十九年度の防衛庁予算について、その概要を御説明いたします。
まず、防衛本庁について申し上げます。
昭和五十九年度の防衛本庁の歳出予算額は二兆六千二百三十八億七千三百万円で、前年度の当初予算額に比べますと一千六百八十四億四千二百万円の増加となっております。
次に、新規継続費は、昭和五十九年度甲型警備艦建造費等で一千四百八十七億八千六百万円、国庫債務負担行為は、武器購入、航空機購入、艦船建造、装備品等整備等で九千八百十六億九千三百万円となっております。
次に、防衛本庁の予算の内容について申し上げます。
昭和五十九年度予算においては、防衛計画の大綱の水準をできるだけ早く達成する必要があるとの認識のもとに、他の諸施策との調和を図りつつ、質の高い防衛力を着実に整備することといたしております。
その際、現下の厳しい財政事情にかんがみ、練度の維持向上等現態勢の維持に努めつつ、五六中業の第二年度として引き続き質の高い防衛力を着実に整備していくために必要最小限の経費を計上したものでありますが、特に重点を置いた事項は次のとおりであります。
第一に、陸上装備、航空機、艦船等の主要装備については、更新近代化を中心としてその整備を進めることとし、特に対潜哨戒機P3C及び要撃戦闘機F15の第五次調達を行うほか、護衛艦隊の近代化のため護衛艦三千四百トン型三隻の建造に着手するとともに、輸送能力の確保、強化のため輸送ヘリコプターCH47の導入を図ることとしております。
第二に、防衛力を効果的に発揮させるため、弾薬の備蓄、魚雷、機雷の実装化を初めとする継戦能力、即応態勢の着実な充実に努力するとともに、航空機用掩体の建設等抗堪性の向上にも配慮しつつ、中央指揮システムの充実等指揮通信能力の向上のための諸施策を引き続き進めることとしております。
第三に、教育訓練関係経費については、平時における自衛隊業務の中心をなす教育訓練の重要性にかんがみ、練度の維持向上を図るため、必要な経費を計上しております。
第四に、隊員施策については、前年度に引き続き自衛官の停年延長、就職援護施策等を実施することとしております。
第五に、研究開発を推進し、防衛力の質的水準の維持向上に努めることとし、引き続き、新戦車、地対艦誘導弾、中等練習機、新対潜ヘリコプターシステム等の開発を実施するとともに、新たに装甲戦闘車及び水上艦用ソーナーの開発に着手することとしております。
以下、機関別の主な内容について申し上げます。
陸上自衛隊の歳出予算額は一兆七百七十五億三千九百万円、国庫債務負担行為は二千百七十六億一千万円となっております。
陸上装備については、七四式戦車六十両、七三式装甲車十五両、七五式百五十五ミリ自走りゅう弾砲十三門、二百三ミリ自走りゅう弾砲十二門、新百五十五ミリりゅう弾砲三十八門等の調達を予定しております。
地対空誘導弾については、一個群の改良ホークへの改装及び〇・五個群の改良ホークの改善を予定するとともに、八一式短距離地対空誘導弾七セット等の調達を予定しております。
航空機については、対戦車ヘリコプター五機、観測ヘリコプター九機、多用途ヘリコプター四機、輸送ヘリコプター二機、合わせて二十機の調達を予定しております。
海上自衛隊の歳出予算額は七千五十九億八千四百万円、新規継続費は一千四百八十七億八千六百万円、国庫債務負担行為は二千七百十七億一千万円となっております。
艦艇については、護衛艦三千四百トン型三隻、潜水艦二千二百トン型一隻、掃海艇四百四十トン型二隻、補給艦八千三百トン型一隻、合わせて七隻の建造に着手するほか、艦艇の近代化二隻を予定しております。
航空機については、対潜哨戒機八機、救難飛行艇一機、訓練支援機一機、計器飛行練習機一機、対潜ヘリコプター七機、救難ヘリコプター一機、初級操縦練習ヘリコプター二機、新対潜ヘリコプター用機体一機、合わせて二十二機の調達を予定しております。
航空自衛隊の歳出予算額は七千五百八十七億二千百万円、国庫債務負担行為は四千四百六十一億九千百万円となっております。
航空機については、要撃戦闘機十七機、支援戦闘機三機、輸送機二機、輸送ヘリコプター一機、救難ヘリコプター三機、合わせて二十六機の調達を予定しております。
なお、F4型機について、構造安全管理態勢を整備するとともに、能力向上のための試改修を終了し、実用試験を行うことといたしております。
地対空誘導弾については、八一式短距離地対空誘導弾三セット等の調達を予定しております。
内部部局、統合幕僚会議及び施設等機関等の歳出予算額は八百十六億三千万円、国庫債務負担行為は四百六十一億八千二百万円となっております。各種装備品等の研究開発費、その他各機関の維持運営に必要な経費であります。
以上のうち、昭和五十一年十一月五日に閣議決定された「防衛力の整備内容のうち主要な事項の取扱いについて」に基づき国防会議に諮り決定されたものは、七四式戦車等主要陸上装備の調達、地対空誘導弾ホークの改装、八一式短距離地対空誘導弾の調達、対戦車ヘリコプター、輸送ヘリコプター、対潜哨戒機、要撃戦闘機等航空機五十八機の調達及び護衛艦三千四百トン型等艦艇七隻の建造であります。
続いて、防衛施設庁について申し上げます。
昭和五十九年度の防衛施設庁の歳出予算額は三千百六億四千七百万円で、前年度の当初予算額に、比べますと百十九億六千八百万円の増加となっております。
また、国庫債務負担行為は、提供施設整備及び提供施設移設整備で五百九十七億二千九百万円となっております。
次に、防衛施設庁の予算の内容について申し上げます。
昭和五十九年度予算において、特に重点を置いた事項は次のとおりであります。
第一に、基地周辺対策事業については、住宅防音工事の助成に重点を置き、基地周辺地域の生活環境の整備等を図ることとしております。
第二に、在日米軍駐留経費の負担については、日米安全保障体制の円滑な運営に資するため、地位協定の範囲内で前年度に引き続き実施することとし、特にF16三沢配備に伴う施設整備費については、配備計画の円滑な実施のために所要の経費を計上しております。
以下、各項別の主な内容について申し上げます。
施設運営等関連諸費は二千五百八十七億二千百万円となっております。
このうち、基地周辺整備事業については、基地問題の実態に有効に対処し得るように、個人住宅の防音工事費五百二億二千四百万円を含め、一千四百六十八億二千六百万円を計上しております。
このほか、日米安全保障体制の円滑な運営に資するため、提供施設の整備として歳出予算に五百十三億三千四百万円、国庫債務負担行為で五百三十三億六百万円をそれぞれ計上しております。
調達労務管理費については、駐留軍従業員の離職者対策及び福祉対策等に要する経費として二百四億八千七百万円を計上しております。
提供施設移設整備費については、提供施設の整理統合の計画的処理を図るため、歳出予算に九十四億一千百万円、国庫債務負担行為で六十四億二千二百万円をそれぞれ計上しております。
その他、相互防衛援助協定交付金一億四千二百万円、一般行政事務に必要な防衛施設庁費二百十八億八千六百万円を計上しております。
以上申し述べました防衛本庁及び防衛施設庁予算に国防会議予算を加えた昭和五十九年度防衛関係費は二兆九千三百四十六億四千五百万円となり、前年度の当初予算額に比べますと一千八百四億一千万円、六・五五%の増加となっております。
以上をもちまして、防衛本庁及び防衛施設庁の予算の概要説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/11
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012・高平公友
○委員長(高平公友君) 次に、昭和五十九年度皇室費について政府委員から説明を聴取いたします。山本宮内庁次長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/12
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013・山本悟
○政府委員(山本悟君) 昭和五十九年度における皇室費の歳出予算について、その概要を御説明いたします。
皇室費の昭和五十九年度における歳出予算要求額は二十七億八千百十六万七千円でありまして、これを前年度予算額二十八億二千四百六十七万八千円に比較いたしますと四千三百五十一万一千円の減少となっております。
皇室費の歳出予算に計上いたしましたものは、内廷に必要な経費、宮廷に必要な経費及び皇族に必要な経費であります。
以下、予定経費要求書の順に従って事項別に申し述べますと、内廷に必要な経費二億三千九百万円、宮廷に必要な経費二十三億七千百八十八万七千円、皇族に必要な経費一億七千二十八万円であります。
次に、その概要を御説明いたします。
内廷に必要な経費は、皇室経済法第四条第一項の規定に基づき、同法施行法第七条に規定する定額を計上することになっておりますが、前年度に比較して一千八百万円の増加となっております。これは内廷費の定額二億二千百万円を昭和五十九年度においては二億三千九百万円に増額改定することを予定していることによるものでありまして、これに伴う皇室経済法施行法の一部を改正する法律案は、今次国会に提出いたし、御審議を願うことになっております。
宮廷に必要な経費は、内廷費以外の宮廷に必要な経費を計上したものでありまして、その内容といたしましては、皇室の公的御活動に必要な経費三億五千七百十二万六千円、皇室用財産維持管理等に必要な経費二十億一千四百七十五万一千円でありまして、前年度に比較して六千九百二十万三千円の減少となっております。
皇族に必要な経費は、皇室経済法第六条第一項の規定に基づき、同法施行法第八条に規定する定額によって計算した額を計上することになっておりますが、前年度に比較して七百六十九万二千円の増加となっております。これは、内廷費と同様に、年額算定の基礎となる定額二千四十万円を昭和五十九年度においては二千二百万円に増額改定することを予定していること等によるものでありまして、これに伴う皇室経済法施行法の一部を改正する法律案は、今次国会に提出いたし、御審議を願うことになっております。
以上をもちまして、昭和五十九年度皇室費の歳出予算計上額の説明を終わります。
よろしく御審議くださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/13
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014・高平公友
○委員長(高平公友君) 以上で所信及び予算の説明聴取は終わりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/14
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015・高平公友
○委員長(高平公友君) この際、内海人事院総裁から発言を求められておりますので、これを許します。内海人事院総裁。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/15
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016・内海倫
○政府委員(内海倫君) ごあいさつを申し上げたいと存じます。
先般、国会の御同意を得まして、人事院総裁を拝命いたしました内海倫でございます。浅学非才の身を省みまして、大変身の引き締まるような思いをいたしております。
国家公務員法の掲げております公務の民主的かつ能率的な運営の保障という目的を実現いたしますため、人事院総裁として新たな決意を持って人事行政に取り組み、人事院の使命達成のために非力にむちうちまして全力を傾けてまいりたい所存でございます。
内閣委員会の委員諸先生には特にいろいろお世話をかけることと存じますが、何とぞよろしくお教えをいただき、御鞭撻をいただきますよう心からお願いを申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/16
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017・高平公友
○委員長(高平公友君) 本日はこれにて散会いたします。
午前十時三十九分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110114889X00219840327/17
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