1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和五十九年八月八日(水曜日)
午前十時二分開議
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○議事日程 第三十号
昭和五十九年八月八日
午前十時開議
第一 租税特別措置法の一部を改正する法律案
(衆議院提出)
第二 風俗営業等取締法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
第三 社会福祉・医療事業団法案(内閣提出、
衆議院送付)
第四 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を
改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第五 保健所法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
第六 北朝鮮帰還の日本人妻の安否調査及び里
帰りに関する請願
第七 サハリンの朝鮮人の訪日実現に関する請
願(十二件)
第八 法務局、更生保護官署、入国管理官署の
大幅増員に関する請願(人件)
第九 農業土地基盤の整備拡充に関する請願
第一〇 昭和五十九年度畜産物政策価格及び畜
産経営の強化等に関する請願
第一一 農産物の輸入自由化・枠拡大阻止並び
に国民食料の安定確保に関する請願
第一二 米穀政策の見直しに関する請願
第一三 食料の安定供給並びに米穀政策の確立
に関する請願
第一四 食糧自給力の維持強化に関する請願
第一五 昭和五十九年産米の政府買入価格並び
に食糧・農業基本政策の確立に関する請願
第一六 畜産・養蚕経営の安定強化に関する請
願
第一七 従軍看護婦に対する恩給法に準じた処
遇に関する請願(七十三件)
第一八 旧満州棉花協会等を恩給法による外国
特殊機関指定に関する請願(十一件)
第一九 引揚者在外財産の補償に関する請願
第二〇 旧軍人軍属恩給欠格者の救済に関する
請願
第二一 傷病恩給等の改善に関する請願(二十
八件)
第二二 元日赤救護看護婦に対する慰労給付金
に関する請願
第二三 台湾人元日本軍人軍属の補償に関する
請願(五件)
第二四 重度重複戦傷病者に対する恩給法の不
均衡是正に関する請願(十件)
第二五 戦後強制抑留者の補償実現に関する請
願
第二六 障害児教育センターの設置に関する請
願
第二七 私学助成の大幅増額に関する請願(二
十七件)
第二八 教育条件の整備等に関する請願(三件
)
第二九 私学の学費値上げを抑え、父母負担の
軽減等に関する請願(二件)
第三〇 大幅私学助成に関する請願(七件)
第三一 大幅な私学の助成に関する請願(二件
)
第三二 てんかんに悩む児童・生徒の教育充実
に関する請願(二件)
第三三 私学の学費値上げを抑え、父母負担軽
減等に関する請願
第三四 私学助成の充実に関する請願
第三五 常磐自動車道の建設促進等に関する請
願
第三六 昭和五十九年度公共事業の上期前倒し
執行及び下期事業量の確保に関する請願
第三七 第四次全国総合開発計画策定における
豪雪地帯振興対策確立に関する請願
第三八 町村の実施する公共下水道の整備促進
に関する請願(八十八件)
第三九 官公需に関する中小企業者の受注増大
に関する請願
第四〇 中小印刷工業の振興に関する請願
第四一 地方自治機能の充実、強化に関する請
願
第四二 住居表示に関する法律改正に関する請
願
第四三 地方財政確立に関する請願
第四四 地方財政対策に関する請願
第四五 昭和六十年度地方財政対策等に関する
請願
第四六 保育所制度の充実に関する請願(二十
五件)
第四七 民間保育事業の振興に関する請願(二
十一件)
第四八 腎疾患総合対策の早期確立に関する請
願(三十四件)
第四九 保育内容の向上と施設運営の改善に関
する請願(十九件)
第五〇 学童保育に対する国庫負担の制度化に
関する請願(二件)
第五一 身体障害者福祉法における聴覚言語障
害者の一級格づけに関する請願(九件)
第五二 在宅重度障害者の介護料に関する請願
(二十五件)
第五三 重度障害者の終身保養所設置に関する
請願(二十四件)
第五四 労災重度被災者の脊髄神経治療技術研
究に関する請願(二十四件)
第五五 脊髄損傷者の脊髄神経治療技術研究に
関する請願(二十四件)
第五六 国立腎センター設立に関する請願(十
四件)
第五七 食品の安全確保に関する請願
第五八 ベーチェット病調査研究班の存続等に
関する請願(五件)
第五九 小規模障害者作業所の助成に関する請
願(二十八件)
第六〇 保育料の大幅引下げ等に関する請願
(二十三件)
第六一 年金、医療の改善に関する請願
第六二 保育行政の充実に関する請願(二件)
第六三 保育所の増設等に関する請願
第六四 現行保育制度の堅持と充実に関する請
願
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○本日の会議に付した案件
一、日程第一より第五まで
一、国民生活・経済に関する調査の中間報告
一、外交・総合安全保障に関する調査の中間報
告
一、日程第六より第六四までの請願及び北方領
土返還促進に関する請願外百六十二件の請願
一、委員会の審査及び調査を閉会中も継続する
の件
一、常任委員長辞任の件
一、常任委員長の選挙
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/0
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001・木村睦男
○議長(木村睦男君) これより会議を開きます。
日程第一 租税特別措置法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長伊江朝雄君。
〔伊江朝雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/1
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002・伊江朝雄
○伊江朝雄君 ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
最近、フエル等と称するいわゆる代替ガソリン、すなわち、ベンゼン、トルエン、キシレシ等と灯油とを混和した揮発油類似品が自動車用燃料として各地で販売され、量的にも相当拡大する傾向にありますが、この揮発油類似品は、通常のガソリンに比べ比重が重いことから、揮発油税法において比重〇・八〇一七以下と定義されている揮発油には該当せず、揮発油税及び地方道路税の課税対象外とされております。
本法律案は、衆議院大蔵委員長提出によるものでありまして、揮発油税制度等の円滑な維持に資するため、この揮発油類似品の揮発油とみなして、揮発油税法及び地方道路税法を適用する等の措置を講じようとするものであります。
なお、本法律は本年十二月一日から施行することとし、法施行日において一定数量以上の揮発油類似品を所持する販売業者等に対して手持ち品課税を行うこととしております。
委員会におきましては、本法律案を議員立法として会期末に提出した理由と背景、代替ガソリンの生産コスト及び小売価格の実態、石油販売業界の経営実態と構造改善の必要性、石油代替エネルギーとしてのアルコール燃料開発の状況等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
質疑を終了し、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告を申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/2
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003・木村睦男
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/3
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004・木村睦男
○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/4
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005・木村睦男
○議長(木村睦男君) 日程第二 風俗営業等取締法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長大河原太一郎君。
〔大河原太一郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/5
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006・大河原太一郎
○大河原太一郎君 ただいま議題となりました法律案は、最近における風俗環境の悪化と少年非行の実態に対処するため、目的規定を新設するとともに、ゲームセンター等の遊技場を風俗営業の許可対象営業とすること、従来都道府県の条例事項とされていた風俗営業及び深夜飲食店営業に対する規制を法律事項として所要の措置を講ずること、個室付浴場、ストリップ劇場その他の性風俗に関する営業を風俗関連営業と規定し、営業の禁止区域の設定その他の規制を行うこと、公安委員会に対する業務報告、警察職員の立ち入りについて規定すること、遊技機の認定、型式の検定及び試験機関、少年指導委員、風俗環境浄化協会の指定等の制度を設けること、罰則規定を整備すること等を主な内容とするものであります。
委員会におきましては、政府の提案理由及び衆議院の修正趣旨の説明を聴取した後、警察行政の基本姿勢、少年非行の実態と対策、風俗営業の許可、風俗関連営業の規制強化、警察職員の立ち入り、少年指導委員及び風俗環境浄化協会のあり方等の諸問題について熱心な質疑が行われました。
その間、問題の重要性にかんがみ、青少年問題対策、風俗環境浄化対策等について、二日にわたり関係各界の参考人の出席を求め意見聴取を行うなど、慎重な審査を行いました。
質疑を終局し、次いで、日本共産党提案の修正案について趣旨説明があり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して佐藤委員より、修正案及び原案に反対、民社党・国民連合を代表して三治委員より、修正案に反対、原案に賛成、日本共産党を代表して神谷委員より、修正案に賛成、原案に反対の意見がそれぞれ述べられました。
討論を終え、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、委員会におきましては、本法律案の審議経過等を踏まえ、風俗営業の規制等の改善対策確立に関する決議を行うとともに、風俗営業等に関する小委員会を設置して風俗営業等に関する制度及び運用について今後も調査、検討を行うことといたしました。
以上、御報告いたします。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/6
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007・木村睦男
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/7
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008・木村睦男
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/8
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009・木村睦男
○議長(木村睦男君) 日程第三 社会福祉・医療事業団法案
日程第四 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案
日程第五 保健所法の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上三案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長石本茂君。
〔石本茂君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/9
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010・石本茂
○石本茂君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、社会福祉・医療事業団法案の主なる内容は、医療金融公庫を社会福祉事業振興会と統合して社会福祉・医療事業団とし、社会福祉事業施設の設置等に必要な資金の融通その他社会福祉事業に関する必要な助成、社会福祉施設職員手当共済制度の運営、心身障害者扶養保険事業の実施、病院、診療所等の設置等に必要な資金の融通並びに社会福祉事業施設及び病院、診療所等に関する経営指導の業務を行わせること等であります。
次に、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案の主なる内容は、障害年金、遺族年金等の額を引き上げるとともに、戦傷病者等の妻に引き続き特別給付金を支給すること等であります。
次に、保健所法の一部を改正する法律案の主なる内容は、保健所に関する経費の一部について、国の補助方式を従来の定率負担方式から定額交付金方式に改めることであります。
委員会におきましては、以上三案を一括議題として審議を進め、社会福祉事業振興会と医療金融公庫統合によるメリット、戦後処理問題としての一般戦災者の取り扱い、保健所強化のための具体策等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終了し、まず、社会福祉・医療事業団法案について諮りましたところ、討論はなく、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
次いで、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について諮りましたところ、自由民主党・自由国民会議を代表して佐々木理事より、遺族年金等の再度の引き上げの施行期日について、公布の日と改め、八月一日にさかのぼって適用する旨の修正案が提出されました。
討論はなく、採決の結果、修正案並びに修正部分を除く原案はそれぞれ多数をもって可決され、本法律案は修正議決すべきものと決しました。
次いで、保健所法の一部を改正する法律案について諮りましたところ、討論はなく、多数をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
なお、以上三法律案に対し、それぞれ附帯決議が付されております。
以上、御報告いたします。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/10
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011・木村睦男
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。
まず、社会福祉・医療事業団法案の採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/11
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012・木村睦男
○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。
次に、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/12
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013・木村睦男
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。
よって、本案は委員長報告のとおり修正議決されました。
次に、保健所法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/13
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014・木村睦男
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/14
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015・木村睦男
○議長(木村睦男君) この際、国民生活・経済に関する調査特別委員長から国民生活・経済に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/15
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016・木村睦男
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。国民生活・経済に関する調査特別委員長寺田熊雄君。
〔寺田熊雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/16
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017・寺田熊雄
○寺田熊雄君 本調査特別委員会の中間報告につきまして、その概要を御説明いたします。
本委員会は、参議院改革の一環といたしまして、去る九十九国会において新たに設置せられ、議案審査は行わず、専ら国民生活・経済に関する総合的かつ長期的調査を行い、その結果を議長に報告するとともに、その間、調査の経過について年一回の報告を行うものとせられております。
何分、調査対象が国民生活・経済という広範なもので、外交、防衛などを除く社会の森羅万象がことごとくその視野に入ってまいりますので、何を調査すべきか、当初は混沌たるものでありましたが、各党理事によるかんかんがくがくたる論議の末、調査テーマを「技術革新に伴う産業・雇用構造」、「高齢化社会」、「生活条件整備」の三つに絞り、それぞれに対応する小委員会を設置して全委員をこれに配分し、各小委員会に共通する事項その他全体的事項は本委員会において取り扱うことといたしました。
各小委員会は、競争原理も働いたのでしょうか、それぞれが驚くほど精力的に担当する課題に取り組み、参考人や政府機関の意見聴取、委員派遣及び現地調査などを行ってまいりました。
もちろん、各テーマともまだ結論を得る段階ではありませんが、今国会終了までの一年間の調査を踏まえ、梶木又三君、安永英雄君、亀長友義君の各小委員長より本委員長あて報告書が提出せられ、これらを中心に本委員会における意見を取りまとめ、中間報告を作成いたしました。
この中間報告の主な内容を御紹介いたしますと、第一部は、「日本経済・国民生活の現状と長期的課題」と題し、今後予測される日本経済の一層の国際化、ソフト化の進行等に関連し、長期的投資の動向、海外への資本の流出並びに家計の目標や収支構造の変化などについて述べております。
次に、第二部「技術革新と産業・雇用」は、マイクロエレクトロニクス、ファインセラミックス、バイオテクノロジーなどの技術革新に伴う産業構造の変化、サービス化、ソフト化の急速な進行と情報化社会の到来を描写するとともに、雇用の構造的変化の実態を量的、質的側面から分析し、種々の問題点を指摘しております。
次に、第三部「高齢化社会の諸問題」は、平均寿命の伸長と出生率の低下により、我が国の人口構造が急激に高齢化するとともに核家族化し、家庭による扶養機能が縮小化しつつある現状にかんがみ、国民が安定かつ充実せる老後の生活を享受し得る諸条件、すなわち、年金、雇用、疾病の予防と医療、介護、住みよい環境の造成などを検討し、各省庁の施策の総合、調整の必要を説いております。
次に、第四部「二一世紀のまちづくり」は、我が国三大都市圏のうち、東京圏は中枢管理機能を中心に再び集積度を高めつつあり、適正な機能配置を持つ首都圏を形成する必要があること、自然環境の保全とともに、立ちおくれている住宅、公園、街路、下水道等居住環境の水準を向上させる必要があることを強調するとともに、都市化社会における地域コミュニティーに新しい動きが見られることなどを述べております。
最後に、本委員会の調査報告は、最終的には国の施策に積極的寄与を果たすことを目的とするものでありますがゆえに、政府のとりつつある施策に厳しい批判を加えることも当然あり得るのであります。したがって、委員会の運営や調査報告の取りまとめには、各党の寛容さと、委員相互間の活発なディスカッションが望まれるものであることを付言して、委員会報告を終わります。(拍手)
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/17
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018・木村睦男
○議長(木村睦男君) この際、外交・総合安全保障に関する調査特別委員長から外交・律令安全保障に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/18
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019・木村睦男
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。外交・総合安全保障に関する調査特別委員長植木光教君。
〔植木光教君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/19
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020・植木光教
○植木光教君 外交・総合安全保障に関する調査特別委員会における調査の概要を御報告いたします。
本委員会は、参議院改革の一環として、外交・総合安全保障に関する総合的かつ長期的な調査を行うため、昨年七月、第九十九回国会において設置せられたものであります。
委員会は、まず、「総合安全保障」について参考人から意見を聴取し、委員派遣を行った後、調査テーマとして「平和の確保」、「国際協力」及び「資源・エネルギー、食料問題」の三つを選定いたしました。
委員会は、これらの三つのテーマについて参考人からの意見聴取及び政府から説明聴取に行い、さらに外交・総合安全保障全般について関係大臣に質疑を行った上、委員長がそれまでの主要な論議を取りまとめて委員会に報告し、これに対し各会派所属委員が意見を開陳いたしました。
昨日、以上のようなほぼ一年にわたる調査の概要を中間報告として議長に提出した次第であります。
以下、委員会における主なる論議を申し上げます。
まず、「総合安全保障」について、総合安全保障の概念と我が国の平和と安全を確保するための方途、総合安全保障における防衛力の非代替性と防衛力以外の外交、経済等の施策の重要性、総合安全保障政策の実施体制と総合性の確保等が論ぜられました。
次に、三つのテーマについて申し上げます。
第一に、「平和の確保」については、力の均衡による抑止の問題、我が国に対する脅威の問題、非核三原則の遵守、自衛隊と憲法の関係、防衛力の整備、日米安保体制、軍縮についての基本的な考え方と具体的な政策、核兵器の廃絶、国連の平和維持活動への参加の問題等が論ぜられました。
第二に、「国際協力」については、経済協力の理念、特に我が国の安全保障との関係、開発途上国の自助努力に資する援助、政府開発援助の量的拡大と質的改善、十分な事前調査と事後の評価の必要性、技術協力の重要性と、これに関連して青年海外協力隊員の身分の安定化、留学生受け入れ等の拡充、国連大学への協力等が論ぜられました。
第三に、「資源・エネルギー、食料問題」については、国際協力の必要性、安定供給のための方策、レアメタル、石油、米の備蓄問題、安全保障の見地からの農政のあり方、代替エネルギーの開発、特に原子力発電の問題、経済安全保障のための新技術開発の重要性等が論ぜられました。
主なる論議は以上のとおりでありますが、これらの論議を通じて問題の所在が明らかになると同時に、なお解明すべき多くの問題を残しております。委員会は今後一層その解明に努める所存であります。
申し上げるまでもなく、平和と安全の確保は日本国民全体の切なる願望であります。委員会は、今後さらに調査を進めることによって、これを国の施策に反映させ、国民の期待にこたえてまいりたいと念願する次第であります。
以上で報告を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/20
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021・木村睦男
○議長(木村睦男君) これにて休憩いたします。
午前十時二十七分休憩
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午後四時四十九分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/21
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022・木村睦男
○議長(木村睦男君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
外務委員長外八委員長から報告書が提出されました日程第六より第六四までの請願及び本日沖縄及び北方問題に関する特別委員長外二委員長から報告書が提出されました北方領土返還促進に関する請願外百六十二件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/22
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023・木村睦男
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/23
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024・木村睦男
○議長(木村睦男君) これらの請願は、各委員長の報告を省略して、各委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/24
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025・木村睦男
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/25
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026・木村睦男
○議長(木村睦男君) この際、委員会の審査及び調査を閉会中も継続するの件についてお諮りいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/26
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027・木村睦男
○議長(木村睦男君) まず、地方行政委員会において審査中の地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案、社会労働委員会において審査中の雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を促進するための労働省関係法律の整備等に関する法律案、運輸委員会において審査中の船員法の一部を改正する法律案及び逓信委員会において審査中の日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案、日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決をいたします。
六案の委員会審査を閉会中も継続することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/27
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028・木村睦男
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。
よって、六案の委員会審査を閉会中も継続することに決しました。
次に、各委員長要求に係るその他の案件について採決をいたします。
これらの案件は、いずれも委員会の審査または調査を閉会中も継続することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/28
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029・木村睦男
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。
よって、いずれも委員会の審査または調査を閉会中も継続することに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/29
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030・木村睦男
○議長(木村睦男君) この際、常任委員長の辞任についてお諮りいたします。
内閣委員長高平公友君、地方行政委員長大河原太一郎君、外務委員長後藤正夫君、大蔵委員長伊江朝雄君、文教委員長長谷川信君、社会労働委員長石本茂君、農林水産委員長谷川寛三君、商工委員長斎藤栄三郎君、逓信委員長大木正吾君、建設委員長青木薪次君、予算委員長西村尚治君、決算委員長安恒良一君、懲罰委員長小林国司君から、それぞれ常任委員長を辞任いたしたいとの申し出がございました。
いずれも許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/30
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031・木村睦男
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。
よって、いずれも許可することに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/31
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032・木村睦男
○議長(木村睦男君) つきましては、この際、欠員となりました常任委員長の選挙を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/32
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033・名尾良孝
○名尾良孝君 常任委員長の選挙は、その手続を省略し、いずれも議長において指名することの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/33
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034・浜本万三
○浜本万三君 私は、ただいまの名尾君の動議に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/34
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035・木村睦男
○議長(木村睦男君) 名尾君の動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/35
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036・木村睦男
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。
よって、議長は、内閣委員長に大島友治君を指名いたします。
〔拍手〕
地方行政委員長に金丸三郎君を指名いたします。
〔拍手〕
外務委員長に平井卓志君を指名いたします。
〔拍手〕
大蔵委員長に藤井裕久君を指名いたします。
〔拍手〕
文教委員長に真鍋賢二君を指名いたします。
〔拍手〕
社会労働委員長に遠藤政夫君を指名いたします。
〔拍手〕
農林水産委員長に北修二君を指名いたします。
〔拍手〕
商工委員長に降矢敬義君を指名いたします。
〔拍手〕
逓信委員長に松前達郎君を指名いたします。
〔拍手〕
建設委員長に本岡昭次君を指名いたします。
〔拍手〕
予算委員長に長田裕二君を指名いたします。
〔拍手〕
決算委員長に佐藤三吾君を指名いたします。
〔拍手〕
懲罰委員長に志村愛子君を指名いたします。
〔拍手〕
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/36
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037・木村睦男
○議長(木村睦男君) 今期国会の議事を終了するに際し、一言ごあいさつを申し上げます。
今特別会は、会期延長を含め長期間にわたりましたが、重要議案を初め数多くの案件を処理いたし、特に会期末は限られた期間に極めて精力的に審議を尽くされ、円満に会期を終わる運びとなりましたことは、各党各会派の諸君が互譲の精神にのっとり円滑な運営に努力されたたまものでありまして、この御協力と御労苦に対し心から感謝の意を表する次第であります。
今や我が国議会制度における二院制、特に参議院のあり方及び運営について種々論議がなされておりますとき、我々は一層の工夫と努力を重ね、国民の期待にこたえ、使命達成に邁進すべきであると考えます。
各位におかれましては、酷暑の折から御自愛、御健勝の上、今後の御活躍をお祈りして、ごあいさつといたします。(拍手)
これにて散会いたします。
午後四時五十七分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110115254X03019840808/37
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