1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和六十年十一月十九日(火曜日)
午前九時五十一分開議
出席委員
委員長 粕谷 茂君
理事 田原 隆君 理事 森 清君
理事 渡辺 秀央君 理事 後藤 茂君
理事 長田 武士君 理事 宮田 早苗君
尾身 幸次君 奥田 敬和君
奥田 幹生君 加藤 卓二君
梶山 静六君 高村 正彦君
佐藤 信二君 椎名 素夫君
仲村 正治君 野上 徹君
野田 毅君 林 大幹君
原田昇左右君 上坂 昇君
水田 稔君 横江 金夫君
和田 貞夫君 木内 良明君
福岡 康夫君 青山 丘君
野間 友一君
出席国務大臣
通商産業大臣 村田敬次郎君
出席政府委員
通商産業大臣官
局長 児玉 幸治君
通商産業大臣官
房総務審議官 鎌田 吉郎君
資源エネルギー
庁長官 野々内 隆君
資源エネルギー
庁石油部長 畠山 襄君
委員外の出席者
商工委員会調査
室長 倉田 雅広君
—————————————
十一月十八日
特定石油製品輸入暫定措置法案(内閣提出第四号)
は本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
特定石油製品輸入暫定措置法案(内閣提出第四号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110304461X00319851119/0
-
001・粕谷茂
○粕谷委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、特定石油製品輸入暫定措置法案を議題といたします。
これより趣旨の説明を聴取いたします。村田通商産業大臣。
—————————————
特定石油製品輸入暫定措置法案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110304461X00319851119/1
-
002・村田敬次郎
○村田国務大臣 特定石油製品輸入暫定措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
石油は、我が国一次エネルギーの約六割を占める重要物資であり、その安定供給の確保は我が国エネルギー政策の根幹をなすものであります。
我が国は、石油の安定的かつ低廉な供給の確保を図るとの観点から、原油を輸入し、国内で精製し、製品にして供給する方式、いわゆる消費地精製方式を基本として採用してまいりましたが、他方、その補完として石油製品の輸入を進めてきております。現在、輸入は重油、ナフサ、LPGの三油種について行われており、我が国の輸入量は米国、西独に次ぎ世界第三位にあり、内需に占める輸入の比率も二〇%弱で欧米諸国と遜色のない水準となっております。
しかしながら、この他の油種、すなわちガソリン、灯油、軽油については、輸入が行われないできております。その理由としては、第一に、これまでこれらの油種については国際的に貿易の規模が小さく、量的にも価格的にも供給が不安定であること、第二に、ガソリン等の輸入がふえればその国内生産が減るため、石油製品の連産品としての特性から他の油種の供給もあわせて減るおそれがあること、第三に、粗悪な品質の製品が流入した場合の問題が大きいことなどによるものであります。
しかるに、近年、国際石油情勢が緩和基調で推移しているもとにおいて、ガソリン等の石油製品貿易も拡大する傾向にあり、特に、中東における輸出用製油所の完成等により中東産油国からの輸出は今後増大するものと予測されております。これをいかに円滑に輸入するかは現在石油消費国各国共通の課題となっており、特に我が国に対する輸出圧力は近年とみに強くなってきております。こうした状況を踏まえ、本年七月の国際エネルギー機関閣僚理事会においては、「供給の安全保障に留意しつつ、市場機能を基本として円滑に石油製品が流通する条件を創出すべし」との趣旨のコミュニケが取りまとめられたところであります。
また、本年七月の臨時行政改革推進審議会答申においては、「所要の条件整備を行った上で漸進的国際化を図っていくべきである。」との趣旨の指摘も行われております。
こうした内外情勢を踏まえ、石油製品輸入問題について検討を行ってきた石油審議会では、本年九月に中間報告を取りまとめ、本問題についての対応につき提言がありました。その内容といたしましては、第一に、安定供給の基本となる消費地精製方式を基本としつつ、市場機能を尊重して、国際協調の観点から石油製品輸入の調和ある拡大を図ること、第二に、これまで輸入が行われないできたガソリン等についても、時期を逸することなく、輸入の道を開くこと、第三に、輸入の道を開くに際しては、石油製品輸入と国内精製との弾力的な選択、組み合わせによって需給の変動に対応し得ること、消費者利益のため十分な品質確保能力を有すること、緊急時のための備蓄を確保し得ること等の要件を充足する輸入主体による輸入を推進することとなっております。同報告は、欧米各国から高い評価を受けており、同報告に沿って条件整備が急がれ、ガソリン等の輸入が早期に実現されることが国際的にも強く期待されております。本法律案は、かかる観点から適格な輸入主体を登録に係らしめる等の暫定措置を講ずることにより、市場機能を尊重しつつガソリン等の輸入を開始させようとするものであります。
次に、この法律の要旨につきまして御説明申し上げます。
第一は、用語の定義であります。この法律案における基本的用語である「特定石油製品」の定義を置くこととしております。
第二は、特定石油製品輸入業者の登録についてであります。特定石油製品の輸入の事業を行おうとする者は、通商産業大臣の登録を受けなければならないものとしております。登録の要件としては、石油製品輸入と国内精製との組み合わせが図り得ること、貯蔵を行い得ること、品質調整を行い得ることの三点としております。
第三は、品質に関する勧告であります。特定石油製品輸入業者が輸入し販売しようとする特定石油製品の品質が使用者の需要に適合していないと認めるときは、品質の確保に関し必要な措置をとるべきことを勧告することができることとしております。
第四は、特定石油製品輸入業者の努力であります。国際的な石油製品市場の動向に応じて特定石油製品の円滑な輸入に努めることを求めております。
第五は、本法は、内外の石油情勢の見通しが不透明であることを踏まえ、恒久的措置としてではなく、五年間の暫定措置法としております。
以上のほか、登録を受けないで輸入の事業を行った者に対する罰則に関する規定等の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110304461X00319851119/2
-
003・粕谷茂
○粕谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
次回は、明二十日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前九時五十八分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110304461X00319851119/3
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。