1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和六十一年二月二十日(木曜日)
午後一時二分開会
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委員氏名
委員長 成相 善十君
理 事 浦田 勝君
理 事 北 修二君
理 事 星 長治君
理 事 藤原 房雄君
大城 眞順君
岡部 三郎君
亀井 久興君
熊谷太三郎君
小林 国司君
坂野 重信君
坂元 親男君
高木 正明君
谷川 寛三君
初村滝一郎君
水谷 力君
稲村 稔夫君
菅野 久光君
八百板 正君
山田 譲君
刈田 貞子君
塩出 啓典君
下田 京子君
栗林 卓司君
喜屋武眞榮君
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委員の異動
十二月二十四日
辞任 補欠選任
栗林 卓司君 田渕 哲也君
一月二十二日
辞任 補欠選任
亀井 久興君 川原新次郎君
二月十四日
辞任 補欠選任
稲村 稔夫君 上野 雄文君
二月十七日
辞任 補欠選任
上野 雄文君 稲村 稔夫君
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出席者は左のとおり。
委員長 成相 善十君
理 事
浦田 勝君
北 修二君
星 長治君
菅野 久光君
委 員
岡部 三郎君
熊谷太三郎君
小林 国司君
坂元 親男君
水谷 力君
稲村 稔夫君
八百板 正君
山田 譲君
刈田 貞子君
塩出 啓典君
下田 京子君
国務大臣
農林水産大臣 羽田 孜君
政府委員
農林水産政務次
官 福田 宏一君
農林水産大臣官
房長 田中 宏尚君
農林水産大臣官
房総務審議官 眞木 秀郎君
農林水産省経済
局長 後藤 康夫君
農林水産省構造
改善局長 佐竹 五六君
農林水産省農蚕
園芸局長 関谷 俊作君
農林水産省食品
流通局長 鴻巣 健治君
農林水産技術会
議事務局長 櫛渕 欽也君
食糧庁長官 石川 弘君
林野庁長官 田中 恒寿君
水産庁長官 佐野 宏哉君
事務局側
常任委員会専門
員 安達 正君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○農林水産政策に関する調査
(昭和六十一年度の農林水産行政の基本施策に
関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110415007X00119860220/0
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001・成相善十
○委員長(成相善十君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告をいたします。
村沢牧君及び亀井久興君が委員を辞任され、その補欠として八百板正君及び川原新次郎君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110415007X00119860220/1
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002・成相善十
○委員長(成相善十君) 次に、理事の補次選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例によりまして、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110415007X00119860220/2
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003・成相善十
○委員長(成相善十君) 異議ないと認めます。
それでは、理事に菅野久光君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110415007X00119860220/3
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004・成相善十
○委員長(成相善十君) この際、羽田農林水産大臣及び福田農林水産政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。羽田農林水産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110415007X00119860220/4
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005・羽田孜
○国務大臣(羽田孜君) 昨年暮れの内閣改造におきまして農林水産大臣を拝命いたしました羽田孜でございます。
我が国農林水産業を取り巻く内外の情勢が厳しさを増す折から、その責務は極めて重大であり、身の引き締まる思いをいたしております。私は皆様方の御指導また御支援をいただきまして、農林水産行政の責任者として諸問題の解決に専心努力をしてまいるつもりであります。どうかよろしくお願いを申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110415007X00119860220/5
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006・成相善十
○委員長(成相善十君) 福田農林水産政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110415007X00119860220/6
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007・福田宏一
○政府委員(福田宏一君) このたび農林水産政務次官を拝命いたしました福田宏一であります。
我が国の農林水産行政は幾多の困難な課題を抱えておりますが、羽田大臣を補佐いたしまして全力を傾けてこの難局に当たりたいと存じております。委員各位の御支援のほどをお願い申し上げましてごあいさつとさせていただきます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110415007X00119860220/7
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008・成相善十
○委員長(成相善十君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
本委員会は、今期国会におきましても農林水産政策に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110415007X00119860220/8
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009・成相善十
○委員長(成相善十君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110415007X00119860220/9
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010・成相善十
○委員長(成相善十君) 次に、農林水産政策に関する調査のうち、昭和六十一年度農林水産省関係の施策に関する件を議題といたします。
農林水産大臣から所信を聴取いたします。羽田農林水産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110415007X00119860220/10
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011・羽田孜
○国務大臣(羽田孜君) 農林水産委員会の開催に当たりまして私の所信の一端を申し上げます。
我が国の農林水産業は、国民生活にとって最も基礎的な物資である食糧の安定供給を初め、健全な地域社会の形成、国土・自然環境の保全など、我が国経済社会の発展や国民生活の安定のため、重要な役割を果たしております。
農林水産業を取り巻く最近の経済情勢について見ますと、我が国経済は、その景気動向にはなおばらつきが残されているものの、全体として緩やかな景気拡大を続けております。しかしながら、財政は依然として不均衡の状態にあり、また経常収支の大幅な黒字が続いていることなどから、諸外国との間で経済摩擦が生じているなどの諸問題を抱えております。
こうした中で、我が国農林水産業は、食糧消費の伸び悩み、経営規模拡大の停滞、担い手の高齢化などの諸問題に直面しております。また行財政改革の観点から、効率的な農政の推進が求められるとともに、諸外国からの市場開放要求が依然として絶えないという状況のもとにあります。
このような状況のもとで、一億二千万人に及ぶ国民に食糧を安定的に供給するためには、国内で生産可能な農産物は極力国内生産で賄うという方針のもとに、農業生産の担い手の育成、農地や水資源の確保、技術の向上を含めた総合的な食糧自給力の維持強化を図ることが肝要であると考えております。
この場合、次の時代に農林水産業を担う若い人たちが誇りと生きがいを持って農林水産業に邁進できるよう、我が国農林水産業の体質強化と生産性の向上を積極的に推進し、産業として魅力ある農林水産業を確立していくことが重要と考えております。
また、今日の経済社会において農林水産行政を展開するに当たっては、農林水産業の役割や施策の内容等について広く国民全体の理解を得ることが必要であります。このための努力を積極的に行い、信頼される農林水産行政を確立してまいりたいと存じます。
以上のような基本的な考え方のもとに、二十一世紀へ向けて将来の明るい展望が開ける農林水産業・農山漁村の実現を図るため、厳しい財政事情にはありますが、創意工夫の上、各般の施策を展開してまいります。
以下、昭和六十一年度における主要な農林水産施策について申し上げます。
まず、農業の振興についてであります。
第一は、土地利用型農業の体質強化を中心として、農業生産基盤の整備、農業構造の改善、技術の開発普及等を通じて生産性の向上を一層推進することであります。
このため、農業生産基盤の整備につきましては、土地改良事業の進度の促進を図るため、国営土地改良事業の財源として財政投融資資金を活用する制度の拡充等の措置を講じ、事業の着実かつ効率的な推進を図る所存であります。
また、農業構造の改善につきましては、地域の実情に即した構造政策の方向づけを組織的に行うなど構造政策の推進体制を充実整備することとしております。
さらに、中核農家への利用権の集積による経営規模の拡大を促進するため、農用地利用改善団体等が農地の改良等を実施するのに必要な資金を無利子で貸し付ける制度を新たに創設することとしております。
バイオテクノロジー、ニューメディア等先端技術につきましては、農林水産業・食品産業等における生産性の飛躍的向上、農山漁村の活性化等を図る上で極めて重要な役割を果たしていくことが期待されております。このため、産・学・官の連携強化によって、これまでも総合的なバイオテクノロジー等先端技術の開発を図ってきておりますが、あわせて民間の技術研究に対する支援体制を強化してまいりたいと考えております。
また、ニューメディア等の情報化対策につきましては、農村地域等における先駆的、モデル的な情報システム化の構想を推進するとともに、各分野における情報システム化に関し所要の措置を講じてまいります。
第二は、需要の動向に応じた農業生産の再編成を地域の実態に即して進めることであります。
まず、水田利用再編対策につきましては、今後の農業生産の基本方向に即し、米の生産を計画的に調整するとともに、需要の動向に安定的に対応し得る農業生産構造の確立を期するため、水田利用再編第三期対策を引き続き実施することとし、地域の実態に即した転作の定着化の一層の促進と他用途利用米制度の定着を図ってまいります。
なお、米については、生産力と需要とのギャップは一層拡大する方向にあり、今後とも米の需給を均衡させつつ、農産物の総合的な自給力の向上を図っていくことが重要でありますので、水田利用再編第三期対策後の対策のあり方につきましては、長期的かつ総合的な観点から農業の将来を展望し、また関係各方面の意見を十分お聞きしながら当面する農政の最重要課題として鋭意検討し、結論を得てまいりたいと考えております。
また地域の主要作物に係る各般の生産対策を総合的、有機的に実施することとしております。
このため、新地域農業生産総合振興対策を引き続き実施するとともに、酪農・肉用牛生産近代化基本方針に即し、酪農及び肉用牛生産について総合的な振興合理化を図ってまいります。さらに農業改良資金について、農業者の自主性と創意工夫を生かした活用を積極的に推進するため資金の内容及び貸付枠の拡充を図ってまいります。
このほか、最近における技術開発の進展等の状況に対応するとともに、農業の生産性の一層の向上を図るため、種苗関係業務を一体的、総合的に実施する体制を整備するとともに、国及び都道府県の主導的役割を堅持しつつ、主要農作物の種子の生産・流通に民間事業者が参入する道を開く等のため必要な制度の整備を行ってまいる所存であります。
第三は、多様化している食糧需要に適切に対応しつつ国民の健康的で豊かな食生活を保障することであります。
このため、我が国の風土に適し、国民の健康にもかなった日本型食生活の定着促進を図ることを基本として、各般の消費者・食生活対策を推進するとともに、農水産物の消費拡大と価格の安定に努めることとしております。また食糧の安定供給の上で重要な役割を果たしている食品産業につきましても、食生活の多様化に対応した食糧供給が円滑に行えるよう流通・加工対策を推進し、その体質強化を図ってまいります。
第四は、地域の創意と工夫を生かしつつ農山漁村の活生化を図ることであります。
農林水産業に携わる人々が意欲と生きがいを持てる健全な地域社会をつくるため、生産基盤と生活環境の一体的、計画的な整備、都市と農村の交流の促進、地場産業の育成等を通じ特色と活力ある村づくりを進めてまいります。
以上申し上げました各般の施策のほか、長期的観点に立って開発途上地域における農林水産業開発への協力を一層推進することとしております。また国土資源に制約のある我が国として、輸入に依存せざるを得ないものについてはその安定的輸入の確保に努めるとともに、輸入障害等の事態に備えて備蓄の確保を図ることとしております。
このほか、金融自由化等に対応して、系統信用事業の整備を図ってまいる考えであります。
林業につきましては、木材需要の低迷、経営諸経費の増高など厳しい情勢のもとにありますが、森林の果たしている公益的機能に対する国民の要請はますます高まり、かつ多様化しております。また戦後営々と植林された森林は、現在間伐期を迎えており、林業生産活動の活性化とこれによる適正な森林の管理を図り、国産材時代を確実なものとすることが重要な課題となっております。
このような森林・林業の課題に対し、国民の幅広い理解を得つつ、昨年の「国際森林年」の成果を踏まえ、森林資源の保全・涵養に努めるため各般の施策を積極的に推進してまいります。
特に、森林・林業、木材産業をめぐる最近の厳しい状況の中で、その活力を回復させるため、「森林・林業、木材産業活力回復五カ年計画」に基づき、木材需要の拡大及び木材産業の体質強化に努めるとともに、間伐を緊急に実施するため事業量を大幅に拡充する等林業の活性化を積極的に推進してまいることとしております。
また、造林、林道などの林業生産基盤の整備と治山事業の推進、水源林の整備を図るとともに、国民の森林に対するニーズの多様化に対応した森林整備及び森林空間の総合利用の推進に取り組んでまいります。
国有林野事業につきましては、昭和五十九年に策定した改善計画に基づき、経営改善の一層の推進を図ってまいることとしております。
水産業につきましては、現下の二百海里体制の世界的な定着、漁業経営の悪化などにより厳しい環境下にありますが、周囲を海に囲まれた我が国において、国民の摂取する動物性たんぱく質の約半分を供給し、また世界一の漁獲量を上げる重要な産業であることから、その振興を積極的に図っていくことが肝要であります。
このため、漁港、沿岸漁場等の漁業生産基盤の整備を行うとともに、「つくり育てる漁業」を中心として我が国周辺水域の漁業の開発を推進するため、栽培漁業の振興、先進的技術開発の展開等を行うこととしております。
また、厳しい漁業経営の現状にかんがみ、漁業生産構造の再編、漁業経営の再建の促進など各般の水産業経営対策を展開してまいります。
さらに、消費者ニーズを十分に踏まえつつ、水産物の消費、価格、流通・加工対策を推進してまいります。
このほか、粘り強い漁業交渉を展開するとともに、海外漁業協力を推進する等により、海外漁場の確保に努めてまいります。
これらの農林水産施策を推進するため、厳しい財政事情のもとで、農林水産予算につきましては各種施策について優先順位の厳しい選択を行いつつ、我が国農林水産業に新たな展望を切り開いていけるよう必要な予算の確保を図ったところであります。
また、施策の展開に伴い必要となる法制の整備につきましては、今後、当委員会の場におきましてよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
最後に、農林水産物の市場開放問題につきましては、関係国との友好関係に留意しながら、我が国農林水産業の健全な発展との調和を図りつつ、国内の需給動向等を踏まえ適切に対処してまいりたいと考えております。
以上、所信の一端を申し上げましたが、私は農林水産業に携わる方々を初め、国民各界各層の理解を得つつ、我が国農林水産業の未来を切り開いていくため全力を傾けてまいる覚悟であります。
委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第であります。
以上であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110415007X00119860220/11
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012・成相善十
○委員長(成相善十君) 本件に対する質疑は次回に譲ります。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時十八分散会
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