1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和六十一年十月二十三日(木曜日)
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昭和六十一年十月二十三日
午後一時 本会議
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○本日の会議に付した案件
国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出)
国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
午後一時三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/0
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001・原健三郎
○議長(原健三郎君) これより会議を開きます。
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/1
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002・谷垣禎一
○谷垣禎一君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
内閣提出、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/2
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003・原健三郎
○議長(原健三郎君) 谷垣禎一君の動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/3
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004・原健三郎
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。
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国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/4
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005・原健三郎
○議長(原健三郎君) 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
委員長の報告を求めます。内閣委員長石川要三君。
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国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔石川要三君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/5
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006・石川要三
○石川要三君 ただいま議題となりました国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本案は、本年八月一日に行われた人事院の国家公務員災害補償法の改正に関する意見の申し出にかんがみ、年金たる補償に係る平均給与額について、年齢階層ごとに最低限度額及び最高限度額を設定するとともに、通勤災害について、保護の対象となる通勤の範囲を人事院規則で具体的に定め、また、監獄等に収容されている者には、休業補償を支給しないこととする等の措置を講じようとするものであります。
本案は、九月十七日本委員会に付託され、十月九日玉置総務庁長官から提案理由の説明を聴取し、同月二十一日質疑に入り、平均給与額に最低、最高の限度額を設ける理由、民間企業における法定外給付の実情並びに公務員との比較、通勤災害の保護の対象となる通勤の範囲等、広範多岐にわたる質疑応答が行われましたが、その詳細につきましては会議録によって御承知願いたいと存じます。
かくて、本二十三日質疑を終了し、採決いたしましたところ、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
なお、本案に対し附帯決議が付されました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/6
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007・原健三郎
○議長(原健三郎君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/7
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008・原健三郎
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/8
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009・原健三郎
○議長(原健三郎君) この際、内閣提出、国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生大臣斎藤十朗君。
〔国務大臣斎藤十朗君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/9
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010・斎藤十朗
○国務大臣(斎藤十朗君) 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
国立病院・療養所は、昭和二十年の発足以来、国民医療の確保に大きな役割を果たしてきたところでありますが、近年、疾病構造の変化、医学医術の進歩等により医療内容はますます高度化、多様化してきております。また、この間、他の公私医療機関の整備が年々進められ、マクロ的に見れば、我が国の医療機関の量的な確保はほぼ達成されつつあると言えます。
このような情勢の変化を踏まえ、適切かつ効率的な医療供給体制の確立が喫緊の課題となっておりますが、国立病院・療養所については、今後他の公私医療機関と連携しつつ国立医療機関にふさわしい役割を積極的に果たしていくために、昭和六十一年度を初年度として今後おおむね十年を目途に、相当数の施設の移譲または統合を行うなど再編成を進めていくこととしております。このため、資産の譲渡等に関する措置を内容とする国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案を第百四回国会に提出したのでありますが、継続審議となった後、第百五回国会において衆議院の解散に伴い廃案となり、成立を見るに至らなかったものであります。
しかしながら、再編威の円滑な実施を図るとともに、再編成に伴う地域医療の確保に資するため、ここに再度この法律案を提案し、御審議を願うこととした次第であります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一は、国立病院等の移譲に係る資産の譲渡の特例についてであります。国は、公的医療機関の開設者等が国立病院等の移譲を受け、医療機関を経営しようとするときは、当該国立病院等の資産を、地方公共団体に対しては無償で、地方公共団体以外の者に対しては時価からその七割を減額した価額で譲渡することができることとしております。
第二は、その他の資産の譲渡の特例についてであります。国は、公的医療機関の開設者等が国立病院等の資産の譲渡を受け、引き続きその者の開設する医療機関の用に供しようとするときは、当該資産を、地方公共団体に対しては時価からその五割を減額した価額で、地方公共団体以外の者に対しては時価からその三割五分を減額した価額で譲渡することができることとしております。
第三に、国の補助についてでありますが、移譲を受けて医療機関を開設する公的医療機関の開設者等に対し、国は当該医療機関の運営に要する費用を補助することができることとしております。
以上のほか、国立病院等の資産の譲渡を受けて開設される医療機関の運営が円滑に行われるように医師を派遣する等の必要な配慮を行うことなどを規定しております。
なお、この法律の施行期日につきましては、公布の日としているところであります。
以上が国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案の趣旨でございます。(拍手)
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国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/10
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011・原健三郎
○議長(原健三郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。田口健二君。
〔田口健二君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/11
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012・田口健二
○田口健二君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま提案されました国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案について、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
私の出身地長崎県は、御承知のように離島の数が七十五と日本一多く、また、離島における医療の現状は、医師の数一つをとってみても全国平均の半分という水準であり、それだけに医療に対する関心もまた最も強いところであります。このため、統廃合や経営移譲の対象となる施設が公表され、その中に壱岐、対馬などが含まれていることを知ると各地に国立病院を守る会が誕生し、自治体はもちろんのこと、青年団、婦人会、商工会、農協、漁協などを初めとして、まさに島ぐるみ、地域ぐるみの運動の盛り上がりが今日あっておるわけであります。
そもそも、国立病院・療養所の経営移譲または統廃合はなぜ今必要なのでしょうか。中曽根総理は、去る四月十八日、竹村泰子議員に答えて、我が国の医療供給体制が量的な面でかなりの水準に達したと指摘しています。これが有力な根拠だというなら、離島や僻地を初め過疎地の国立病院・療養所は、量的水準の未達成を理由にむしろ拡充強化を図るべきではないでしょうか。まず総理にお尋ねをしたいのであります。(拍手)一体政府は、国立病院・療養所一つ一つについて統廃合やむなしと判断する量的水準はどの程度と考えているのでしょうか。この際、総理にはっきり示していただきたいのであります。
次に、医療施設の不足する地域であって仮に経営移譲をせざるを得ないときには、満足なレベルに到達するまでの間、国は財政的な責任をとり続けるべきではないでしょうか。なぜならば、病院または診療所が不足をしている地域については、医療法第五条の二によって、国及び地方公共団体が「計画的に病院又は診療所を整備するように努めなければならない。」とあるからであります。
厚生省の方針によれば、基本的、一般的な医療しか担えない施設は、真っ先に統廃合ないし経営移譲の対象となってしまうのであります。しかし、このような病院こそ、一般市民の生活の中に溶け込んだいわゆる中堅的な地域医療の機能を果たしており、むしろ地域中核病院のモデルとして国が拡充すべきであると思いますが、いかがでしょうか。特に、医療過疎地の需要にこたえている病院については、高度あるいは特殊な医療を担えないからといって廃止してしまうことは、過疎地住民に対する差別であり、絶対許すことのできない人権侵害であると言わなければなりません。(拍手)
そこで、厚生大臣にお尋ねいたします。
あなたは一般的な地域医療については国立以外の医療機関にゆだねると言っておられますが、一体だれにどのようにそれをゆだねるのか、また本当にゆだねることが可能か、具体的に示していただきたいのであります。そもそも、現行の医療法などのもとでは、医療機関の設置者ごとに担うべき医療の範囲が定められているわけではありません。したがって、厚生省が勝手にゆだねると宣言してみても、それは地域医療もそれだけ衰退するだけのことであり、したがってまた、地域の生活水準がそれだけ低くなるだけではないでしょうか。
なお、医療施設の連携が繰り返し強調されているにもかかわらず、国立病院・療養所から見た地域での相互連携に関する方針が何も示されず、政府はどのような連携の仕方をモデルにしようとしているのか不明なままになっているのはまことに遺憾であります。
ところで、国立病院・療養所を設置する目的な厚生省設置法第八条に定められており、ここから読み取れるのは、国立病院・療養所に共通する使命は「医療の向上に寄与すること。」すなわちモデル的な医療の拠点となることでありましょう。厚生大臣は、このような役割を持つ国民共有の財産を維持管理すべき職責にあり、したがって、国立病院・療養所を全体として拡充強化をするための中長期的な計画を持つことこそ本務だと言うべきではないでしょうか。しかるに、政府の施策を振り返ってみますと、特段の計画、特別な法律を用意をしたのは、一九五二年に六十施設の経営移譲を計画化したとき、そして今回の二回しか見当たらず、拡充整備のための計画や立法はただの一度もなかったのであります。
さて、高度、特殊、専門的な医療や過疎地の一般的な医療について共通して言えることは、採算に合わないという一点でありましょう。これについて、厚生省の基本方針は次のように指摘しています。本来採算に乗らない分野を明確化し、これについては一般会計からの繰り入れで賄い、その他の経費については診療収入等で賄う。厚生大臣、ここで示された原則に従って、採算に合わない分野とはどの範囲の医療を言うのか、これまで検討された結果を示していただきたいと思います。
もともと、交通不便なところで採算に合わない医療を引き受けてきた国立病院・療養所をお譲りしますと言ってみても、引き受けましょうということにはならないと思います。この一月に経営移譲対象施設三十四カ所を発表しても、今日に至るまで、申し出のあったのは医療法人がただ一つというのが実情であります。名のりを上げた自治体が一つもないという理由として、昨年六月に早々と自治大臣が全国に通知を出し、引き受けることについては慎重になれと指導していることが考えられます。確かに、今日自治体には赤字覚悟で新たな病院経営を引き受けるほどのゆとりはありません。しかし、医療法の原則に基づき、量的水準の低い地域にあっては自治体もまたその責任を果たさなければならない以上、自治省のこのような消極的な姿勢は間違っておると思いますが、いかがでしょうか。自治大臣は、むしろ引き受けるためにはどのような条件、どのような方法でなければならないかを検討し、これを厚生省に示して協議すべきと考えますが、いかがでしょうか。
不採算医療といえば、象徴的な存在と言える養護学校を併設をする国立病院・療養所のうち四十施設が統廃合の対象となり、また四施設が経営移譲対象となっていることは深刻な問題であります。養護学校の存廃が病院側の事情で一方的に決められてしまうというのはいかにも不都合と考えますが、文部大臣、あなたはどうしてこのような計画に賛成をされたのですか。そこに学んでいる児童生徒の立場を思えば、不採算医療のシンボルとしてぜひとも存続をさせるべきではないでしょうか。また、やむを得ず統廃合する場合にも、児童生徒を必ず居住地の学校で受け入れるようにすべきだと考えますが、文部省の方針を承りたいと思います。
ところで、一九五二年に政府は、国立病院六十施設を経営移譲する方針を立て、特別措置法を制定しましたが、一九五三年までにわずか十施設を移譲したにすぎず、その後今日に至るまで、法律はあれど執行されずという状況が続いておるのであります。問題は、このときの移譲対象には一般の法人は含まれず、公的医療機関の設置者に限られました。これは、著しく公共性の高い病院として引き続き安定的に運営をされるための条件としては当然であったと思うのであります。今回の法案がこの点を踏襲しなかったのはどういうわけでありましょうか。かつての政府はこの程度の慎みと節度を持っていたのに比べますと、買い手がつけばどこでもいいという今日の中曽根内閣の現在の姿勢は、国鉄の所有地とともに、国民的な財産の切り売り内閣と批判されてもけだし当然だと言わなければなりません。
要するに、たとえ経営移譲する場合であっても、将来恒久的に病院として機能する保証が必要なのであります。政府の方針では、十五年間は病院として経営することを条件にするということを言っておるようでありますが、十五年たってしまえばどうなっても仕方がないというやり方は、国民から預かった財産の処分の仕方としては到底許すことができないのであります。経営移譲をしても、将来恒久的に病院として機能する保証が必要だと思いますが、いかがでしょうか。一般には、民間移譲になれば差額ベッド料、世話料など入院患者の負担増が心配されておりますが、厚生大臣はこの点をどのように考えておられるのでしょうか。
また、医療労働者の側から言えば、移譲対象となる施設だけで四千人余りとも言われる職員の身分、勤務条件、給与等がどうなるのかと大変に不安を持っております。したがって、移譲後の勤務先については、労働者一人一人の意向を尊重する旨の約束を今この場でしていただきたいと思うのであります。
以上のように、問題だらけのこの政府案に反対している市町村議会は全国で約三千、九割にも上っていると言われております。その旨の意見書が厚生大臣に届けられておるわけであります。一体政府は、これら自治体及びその住民の意向をどのようにしんしゃくしたというのか、納得のいく御答弁をいただきたいと思います。(拍手)
厚生省設置法第四条によれば、厚生省というところは「社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進を図る」ために設置されているのであります。事もあろうに、厚生省みずからこれに違反して、明らかに地域の医療水準を引き下げる挙に出たことは、言語道断であるばかりか、違憲、不法であり、このようなことなら厚生省の存在価値は一体どこにあるのか、疑わざるを得ないのであります。(拍手)
以上、私は、本法案は医療供給の格差を増大させ、国民の貴重な財産を切り売りし、医療水準の低下を招く悪法であり、即時全面撤回を求めるものであります。これをもって私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/12
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013・中曽根康弘
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 田口議員にお答えをいたします。
まず、再編成の目的いかんということでございます。今回の再編成は、国立病院・療養所が国立医療機関にふさわしい役割を果たせるよう質的機能強化を図るためのものであります。離島、僻地等の医療の確保については国としても十分配慮すべきであり、地方自治体等と一緒になって努力してまいりたいと思っております。目標数につきましては別に決めておるわけではございません。機能中心によって適正配置を行っていく、そういう考えに立っております。
次に、医療供給体制の量的水準の問題でございますが、我が国の病院、病床は、マクロ的には欧米諸国に匹敵する水準に既に達しており、今後は質的強化及び医療機関相互の機能分担と連携を図っていくことが重要な課題であり、今回の再編成はそのような観点に立つものでございます。
次に、僻地地帯の財政援助の問題でございますが、医療過疎地域における医療機関の整備及び運営については、従来から所要の助成、政策融資等地域の実情に応じた措置を講じているところでございますが、今後とも対策の充実に努めてまいりたいと思います。
地方自治体の反対でございますが、国立病院・療養所の再編成は、今から実施していかなければならない大きな課題であると考えております。計画の実施に当たっては、地元関係者と十分協議して、理解と御協力を得ながら円滑に進めてまいる所存でおります。
再編成計画を撤回せよという御議論でございますが、撤回する考え方はございません。
残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
〔国務大臣斎藤十朗君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/13
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014・斎藤十朗
○国務大臣(斎藤十朗君) まず、国立病院をモデル的な地域中核病院とすべきではないかとのお尋ねでございますが、国立病院・療養所は、より広い範囲、広域な範囲を対象とした高度または専門医療等国立医療機関にふさわしい機能を担い、地域における一般的な医療は、基本的には他の医療機関にゆだねることが適当であると考えております。また、医療機関相互の連携のあり方については、このような基本的な考え方に立って行うべきものであると考えております。
地域における一般的医療の確保についてでありますが、国、地方公共団体その他の医療機関の相互理解と協力によって進められるべきものと考えております。
中長期的計画の策定につきましては、今回の再編成計画は、これまでの国立病院・療養所の機能を根本的に見直し、今後国立医療機関にふさわしい役割を積極的に果たしていくため、まさに中長期的視点に立って質的強化を図ることを目的といたしておるものでございます。
不採算部門の明確化につきましては、国立病院・療養所の運営に当たって本来採算に乗らない分野については、御指摘のとおり一般会計からの繰り入れで賄い、その他の経費については診療収入等によって賄うことが基本の原則でございます。今後経費の負担区分の明確化を図るべく検討いたしてまいりたいと考えております。
次に、昭和二十七年の特別措置法との比較についてでございますが、今回提案している法案におきましても、移譲先としては、公的医療機関のほか、後医療の確保を図る見地から、安定的に運営できる基盤を有する公的性格の強い法人に限定する考えでございます。
移譲後医療機関として使用すべき期間を少なくとも十五年間とすることにつきましては、国有財産に関する一般的な取り扱いなどに照らして妥当なものであると考えております。
また、差額ベッド料、お世話料など保険外負担の問題につきましては、従来からその負担を適正な範囲のものとする等指導、是正に努めており、今後ともその徹底を図ってまいります。
最後に、再編成に伴う職員の勤務先についてでございますが、でき得る限り職員の希望を尊重いたしてまいります。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣葉梨信行君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/14
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015・葉梨信行
○国務大臣(葉梨信行君) 国立病院・療養所の統廃合に対します自治省の対応についてお答え申し上げます。
国立病院等の再編成の実施に当たりましては、厚生省におきまして地元と十分協議し、統廃合後の地域医療の確保等に十分配慮するものとされておるところでございます。再編成に伴う移譲の相手方の一つといたしまして地方公共団体も挙げられておりますが、該当する地方公共団体におきましては、公立病院を取り巻く厳しい経営環境、地方財政の厳しい現状等にかんがみ、経営移譲の問題につきましては慎重に対処することが必要であろうと考えているところでございます。
次に、移譲の際の条件等についてお答えします。
国立病院等を地方公共団体に移譲する際の条件、方法等につきましては、国立病院・療養所再編成問題等懇談会の意見書の趣旨が実現されるよう厚生省と十分協議をしてまいりたいと存じているところでございます。(拍手)
〔国務大臣塩川正十郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/15
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016・塩川正十郎
○国務大臣(塩川正十郎君) 統廃合の対象となります療養所に併設されております養護学校、この児童生徒の問題は重要でございまして、この点につきましては、生徒の教育に支障がないように教育委員会並びに養護学校当局と病院あるいは療養所との間で鋭意協議をしておる次第でございまして、なお、この問題につきましても文部省としては重大な関心を持ち、積極的な話し合いを進められるようにいたしておるところでございます。
なお、療養所等が万一統合されるというような事態になったといたします場合には、この児童たちは長期にわたって療養しなければならないものでございますので、その点についての配慮も十分いたさなければならないということで、教育委員会並びに養護学校等に指示をいたしておるところでございまして、協議を続けさしていく予定でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/16
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017・原健三郎
○議長(原健三郎君) これにて質疑は終了いたしました。
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/17
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018・原健三郎
○議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
午後一時三十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110705254X00819861023/18
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