1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和六十一年十二月十六日(火曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
十二月十一日
辞任 補欠選任
志苫 裕君 小野 明君
十二月十三日
辞任 補欠選任
青木 幹雄君 遠藤 要君
大島 友治君 下稲葉耕吉君
永田 良雄君 板垣 正君
永野 茂門君 木宮 和彦君
十二月十五日
辞任 補欠選任
遠藤 要君 本村 和喜君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 岩本 政光君
理 事
大城 眞順君
亀長 友義君
村上 正邦君
久保田真苗君
委 員
板垣 正君
岡田 広君
木宮 和彦君
小島 静馬君
古賀雷四郎君
下稲葉耕吉君
堀江 正夫君
本村 和喜君
小野 明君
野田 哲君
飯田 忠雄君
峯山 昭範君
内藤 功君
柳澤 錬造君
国務大臣
国 務 大 臣
(総務庁長官) 玉置 和郎君
政府委員
人事院総裁 内海 倫君
人事院事務総局
給与局長 鹿兒島重治君
総務庁長官官房
長 古橋源六郎君
総務庁長官官房
審議官兼内閣審
議官 勝又 博明君
総務庁人事局長 手塚 康夫君
総務庁行政管理
局長 佐々木晴夫君
総務庁行政監察
局長 山本 貞雄君
厚生省生活衛生
局長 北川 定謙君
厚生省児童家庭
局長 坂本 龍彦君
林野庁次長 松田 堯君
自治大臣官房審
議官 森 繁一君
事務局側
常任委員会専門
員 林 利雄君
説明員
外務省中近東ア
フリカ局審議官 久米 邦貞君
大蔵大臣官房参
事官 森田 衞君
大蔵大臣官房企
画官 川又新一郎君
大蔵省主計局調
査課長 永田 俊一君
文部省学術国際
局学術課長 長谷川善一君
厚生省社会局庶
務課長 瀬田 公和君
農林水産省構造
改善局農政部農
政課長 中村 光弘君
林野庁指導部治
山課長 岡本 敬三君
運輸大臣官房文
書課長 豊田 実君
建設大臣官房文
書課長 鈴木 政徳君
自治大臣官房文
書広報課長 石川 嘉延君
─────────────
本日の会議に付した案件
○地方公共団体の執行機関が国の機関として行う事務の整理及び合理化に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○臨時行政改革推進審議会設置法案(内閣提出、衆議院送付)
○一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/0
-
001・岩本政光
○委員長(岩本政光君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る十二月十一日、志苫裕君が委員を辞任され、その補欠として小野明君が、同じく十三日、青木幹雄君、大島友治君、永田良雄君及び永野茂門君が委員を辞任され、その補欠として板垣正君、遠藤要君、木宮和彦君及び下稲葉耕吉君がそれぞれ選任されました。
また、昨十五日、遠藤要君が委員を辞任され、その補欠として本村和喜君が委員に選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/1
-
002・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 地方公共団体の執行機関が国の機関として行う事務の整理及び合理化に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/2
-
003・柳澤錬造
○柳澤錬造君 最初にお聞きをしておきたいのは、この法案の提案理由というのが国、地方を通ずる行政改革の一環としてということが一番のまくら言葉にあるわけです。
そこでお聞きしたいのは、これだけ十一省庁にまたがっておやりになっているんですから、各省庁で持たれた会議というのは相当な数があると思うんです。それからあわせて、地方の団体との関係でも至るところで会議を持たれてこれだけのをおまとめになったんだから、どのくらいのそういう会合をお持ちになったのか。そうして、これは記録がないから無理だと思うんですが、私が一番知りたいのは、そのためにどれだけの経費をかけたのか。また、この法案なんかでも、これだけの分厚いものが何回か用意をされるんですから大変な経費をかけたので、その経費の総額というものはおよそどのぐらいを予定しておるのか。法改正することによって、言うならば各省庁、地方を通じてどれだけ仕事が簡素化されて、仕事が軽減されて、言えば経費の節約になるのか、そのバランスシートをお示しいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/3
-
004・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) おっしゃいますように、今回のこの法律案は、今お示しのとおり、各省にまたがる事務のいわば整理合理化あるいは地方への権限委譲等を目的にいたしておるわけであります。今先生から、経費の合理化効果はどの程度あるかというお話がまずございました。これは
後の方で御質問がございましたわけでございますけれどもこれが一番肝心なところなんだと思いますが、今回の法律案は、従来から御答弁申し上げておりますように、地方の自主性、自律性を強化する、それによって地方がいわば総合性を確保して、かつまたそれに基づいて地方の行政改革をみずから進めるというふうなことをそのねらいとしておるわけでありまして、その趣旨から機関委任事務の整理合理化と地方への権限委譲を行うものでありますから、いわば経費節減を直接的に主たる目的としているわけではない、これをひとつ御理解をいただきたいと思うわけであります。
したがいまして、経費節減効果について定量的にお答えするのは大変困難でありますけれども、例えば試験事務の廃止、これは調理師試験の受験者が毎年約七万人、それから宅地建物取引主任者資格試験の受験者は毎年約十万人といったようなことが、これは民間団体にその試験を委譲することによって都道府県の事務としてはなくなってまいるわけですから、当然、経費節減効果があるわけであります。また、国から地方に権限を委任することによって節減効果はあるわけでありますけれども、そのあたりのいわば計量的な集計というのは、事柄の性質上やや困難でありますものですから、これは実は計測をいたしていないわけであります。その点は御理解をいただきたいと思います。
それで、この法律案にかかった経費はどの程度であるかというお尋ねでございます。
これは実は、行革審とそれから各省との折衝段階ではいろいろと大変熾烈な交流があったというふうに話を承っております。私ども行政管理局といたしましては、それを受けまして各省に対してこれはやってもらうよということでやったわけでありまして、今御指摘のようないわば会議といったようなことは直接には行っていないわけであります。
今回どの程度の経費がかかったかというのは、これは印刷費等でありまして、ざっと私ども計算しておりますのは四百二十六万円であります。国会関係の説明資料等、これの百五十八万円を初めとしまして、閣議、次官会議等の資料で百四十八万円、そうしたようなことを合わせますとトータルざっと四百二十六万円程度がこれにかかったものと、このように一応積算をいたしている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/4
-
005・柳澤錬造
○柳澤錬造君 佐々木局長ね、これ以上深入りするつもりはないけれども、経費の節減を直接の目的としたのではなくて地方の自主性、自律性をねらったんだという今の御答弁なんですが、もしそういうことならば、提案の冒頭の本法律案は国、地方を通ずる行政改革の一環としという言葉をお消しになっていただかなければだめだ。行政改革ということはそういうことが目的なわけです。一つのことをやろうとするのに、一億お金をかけて結果的には五千万の経費しか浮かないようなことをやって、それでは行政改革と言わないわけです。
それから、地方の自主性、自律性ということは当然いいことたけれども、それは例えば財政の問題になれば、国の補助金はどんどん減らしていって、国の財政の方は減ったかもわからぬ、それでその分をみんな地方自治体に持たしちゃうでしょう。そんなやり方というのは地方にとってありがた迷惑なんですよ。だから、こういうことをおやりになるということは、政府にとっても極力むだなことをやめて、都合がいい、効率がよくなる、同時に地方自治体の方もいろいろの点でもって従来よりかも行政について効果があるようなことができなくちゃいかぬことなんで、ですからその辺は、これ以上お聞きはしませんけれども、そういう理解だけはしておっていただきたい。
経費はどのくらいかかったか。それは印刷費で四百二十六万円ですと、そんなばかげた答弁はないですよ。私は恐らく、これだけ十一省庁にまたがって、各地方のあれからあって、会議が一つもないと言う。会議を一つも開かないでどうしてこの法案ができるんですか。会議を一つもやらない、各省庁が。じゃだれが出してきたんですか。大臣が独断でもって、こういうことをやれと言ってやって通るような今の日本の行政機構じゃないわけでしょう。必ずそれは会合が開かれておるわけです。私はそういう点で、これだけのものの改革の法案をといって私なりの計算をしていったのでは数千万円になるんですよ、国、地方を通じて。またそのくらいの金がかかって行われるような性格のものだと思う。ですから、その辺はこれ以上言いませんけれども、かかった経費は印刷費の四百二十六万円でございますなんというふうなばかげた答弁をなさらないでいただきたい、その辺は御訂正を賜りたい。
それから次にお聞きしたいことは、今内外の情勢の変化というのは甚だしいと思うんですよ。技術革新は進んで、社会生活もどんどん今変わっていくんですから。ただ、世の中がそれだけ技術革新、社会生活がみんな変わっていく中で、一番おくれているのは私は政治だと思うんです。そういう点に立って、中央の政府だろうがあるいは地方だろうが、いろいろ許認可事項なんかも見直しを少しずつやってきたわけです。しかしそのテンポたるや微々たるものでしょう。
一つお聞きしたいのは、昭和三十九年に第一次の臨調ができましてそれから逐次いろいろとそういう点で、行革審の答申なんかもついこの間出されたわけだけれども、指摘をされてやってきた。それは全部合計してどのくらいそういう点でもって許認可事項のそういうものを減らしたのかどうか、余り細かい数字がなにだったならばおよその見当でいいですから、三十九年以来約二十年ちょっとの間でどれだけやりましたと答えを聞かせてくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/5
-
006・山本貞雄
○政府委員(山本貞雄君) 先生が御指摘の、国の許認可等一万件と俗に言うわけでございますが、国の許認可等一万件と言いました場合は二つございまして、一つは国の行政機関が処分権者となっております許認可、これと、もう一つは国の機関委任事務として地方公共団体の長が処分権者となっております許認可、この両方を含めて一万件、こう言っております。この許認可等一万件に対しまして一体どれだけ整理合理化がされたのかという御指摘でございますが、当然のことながら、先生は二つの点を御指摘だと思います。一つは、このうち国が処分権者となっております許認可等を地方に委譲する場合、それから国及び地方公共団体の長が処分権者となっております両方の許認可、これ全体につきまして廃止、緩和、合理化、これは一体どれだけかと、このような御指摘でございます。
まず、最初の権限委譲、これにつきましては、従来から数次にわたりまして御指摘のとおり推進が図られておるわけでございますが、このうち三十九年の第一次臨調、それから行政監理委員会、それからさらに第二次臨調、また四十三年以来かつての木村大臣が行われました許認可等の整理合理化計画、これで地方に委譲すべきだと指摘されました百九十一事項、これにつきましては百五十事項が一応実施済みと、こうなっております。さらに、今回の行革審におきまして、既往の権限委譲に関する意見、要望、これを総洗いいたしました。九十事項を総洗いいたしまして、そして実態調査をやりまして、このうち合理化すべきだ、権限委譲すべきだと指摘いたしましたものが五十五事項でございまして、このうち四十九事項が既に政省令で措置済み、またはただいまこの委員会で御審議いただいております法律で措置予定でございまして、残りの六事項は、中期的課題として答申されました一事項を除きまして本年度中に措置される予定でございます。
後段の、国及び機関委任事務として地方公共団体の長が処分権者となっております全体の許認可等の整理合理化についてはどうか、こういう点につきましては、このうち第一次臨調、それから行政監理委員会、それから第二次臨調、さらに四十三年以来の許認可整理合理化計画で整理合理化すべきだと指摘されました事項は、数は相当多うございまして、約八千事項ございます。でこのうち
約七千七百事項が整理合理化されております。
一向に数は減らぬではないかと、こういうことでございますが、国から地方に権限委譲されましても、これは数は減りません。それから、規制を緩和する、認可制を届け出制にする、これも件数は一応減らない。さらに、いろんな添付書類の合理化等が相当ございますから、そういうものは件数は減りませんが、廃止されたものが唯一件数が減る、こういうことになっております。
さらに、今回の行革審で規制緩和として答申されました二百五十八事項のうち二百一件が措置済みまたは一部措置済みでございまして、これは既に法律が成立しておりますが、残る事項につきましては、中期的課題七事項を除きまして六十一年度または六十二年度中に大部分が措置される、現在のところそのようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/6
-
007・柳澤錬造
○柳澤錬造君 ありがとうございました。お話を聞いていると随分進んだように見えるからあれですが、これは一番最後にまた問題提起していきたいと思います。
次に、厚生省の方は、余り難しいことじゃないんだけれども、この法案の関係からお聞きしていきたいのは、民生委員の委嘱とか解嘱の権限、それから、あわせてお聞きしちゃうけれども、水道事業の認可の権限、こういうものはもう知事に委譲なさったらいいと思うんだけれども、それを委譲しないでもって厚生大臣のところでお持ちになっているんだけれども、その理由はどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/7
-
008・瀬田公和
○説明員(瀬田公和君) 非常に難しい御質問なんですが、先生のような御意見の方も非常に大勢いらっしゃるわけなんですが、また同時に、民生委員というものは社会奉仕の精神を持って社会福祉の第一線において活動している民間の方々でございまして、民生委員の活動は社会福祉の増進にとっても極めて重要なものでございますし、また同時に御苦労の多いものである。したがって総括的に社会福祉に責任を持つ厚生大臣が直接委嘱を申し上げるのが一番適当だというふうなことを考えていらっしゃる方も非常に多いわけでございまして、したがいまして、当面のところはこれを市町村の事務とする考えを持っていないわけでございまして、従来のような形でやっていきたいというふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/8
-
009・柳澤錬造
○柳澤錬造君 自治省の方はそれについてどういうお考えかお聞きしたいんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/9
-
010・森繁一
○政府委員(森繁一君) ただいまの先生の御指摘でございますが、私どもとしましては、国、地方を通じます事務配分とかあるいは関与のあり方につきましては、社会経済情勢なりあるいは地方公共団体の行政能力の向上なり、こういうことを考えまして住民に身近な行政はできる限り住民に身近な地方団体において処理されるべきである、こういうことを基本として考えておるわけでございます。
そこで、御指摘の民生委員の委嘱事務やあるいは水道事業の認可業務につきましては、これは既に地方制度調査会などの答申でも指摘されておるところでございますので、これらの答申を踏まえまして関係省庁で十分検討していただきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/10
-
011・柳澤錬造
○柳澤錬造君 厚生省に申し上げるんだけれども、言わんとするのはわかるんですよ。それで、いわゆるボランティア精神でこういうことを社会奉仕でやっていただいているんだから、同じなにをもらうのでも厚生大臣のなにでもらった方が値打ちがあるからというか何というか、そういう面があると。ただ、本当にもうああいう奉仕でやっていただいているんですから、そういうものに報いるということは私はあっていいと思う。しかしながら、あなたに民生委員になっていただきますよと、そういうことは今日のこれだけ行政改革が進む世の中で大臣権限でもって持っていなくちゃならぬものでは私はないと思う。当然また一々そんなことはできるわけではない、それぞれ市町村から推薦いただかなきゃできないんですから。だから、そういう点でもって、社会奉仕をしていただいていることについては本当に感謝をして、そういうことに報いるについてはどういう方法をとるかということは当然お考えいただくことがいいと思うけれども、その任免の権限というものはいつまでも大臣がお持ちになるんじゃなくて、そろそろもう地方の方におろしたらよろしいではないかという希望だけ申し上げておきたいと思うんです。
それから次に、児童福祉法の関係の方でお聞きをしていくんですけれども、団体委任事務化によって、保育に欠ける児童を入所措置する市町村の義務というんですか、今度の改正でもってこれはどういう変化をするのか。何かあいまいにされてしまうというような、そういう心配はないのかどうか、その辺お聞きしたいんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/11
-
012・坂本龍彦
○政府委員(坂本龍彦君) 保育所の入所措置につきましても、今回、国の機関委任事務から市町村への団体委任事務にするということを予定いたしておりますが、保育に欠ける児童を保育所に入所させて保育するという義務につきましては、現行法において市町村長の義務となっておりますけれども、今後法律が改正されますと市町村の義務になるわけでございます。しかしそれは、形式的に権限の所在が国の機関としての市町村長から地方公共団体たる市町村になったというだけで、実質は全く変わらないわけでございます。
そこで、法律の規定にいたしましても、基本的には、国が、保護者の疾病あるいは労働等によって保育に欠ける児童があるということを基本にいたしまして、さらにそれを政令でより明確にした上で市町村が条例をもって具体的な措置の条件を決める、こういうことになっております。したがって、現在の措置の条件というものは実質的に法律が変わった後も引き継がれるわけでございまして、その上で、さらに市町村の実情に応じて、市町村の自主的な考え方によってそれぞれの地方の事情に見合った措置が行われるようになる、こういう形になるわけでございます。
したがいまして、先生のおっしゃいましたように、この措置の内容、条件等があいまいになるとか、そういう心配は全くございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/12
-
013・柳澤錬造
○柳澤錬造君 じゃ、保育に欠ける児童の入所措置ということについては決してあいまいにはならない、実質的には現在と同じだという理解をしてよろしいということなんですね。
それでもう一つ。今もお話があった「保育に欠ける」という要件が今度は政令にゆだねられるわけでしょう。そちらの政令にゆだねられていって、この入所措置の基準が狭められるというか変わっていくというか、その辺の心配もいかがなんですか、ないという判断をしてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/13
-
014・坂本龍彦
○政府委員(坂本龍彦君) 法律の条文としては、例えば市町村長の義務が市町村の義務になるというような変化はございますけれども、児童福祉法の考え方というものは全く変わらないわけでございます。
政令でどういうことを決めるかという問題でございますが、現在法律で、保護者の疾病あるいは労働等によって保育に欠ける児童があるときは保育所に入所させて保育をしなければならない、こういう規定がございますけれども、これに新しく、政令の定める基準によって条例に基づいて決めると。この政令と申しますのは、現在法律の基本的要件である「保育に欠ける」ということが、これはやや抽象的な表現で、具体的にはどのように考えるかという点をさらに明確にする必要があるという意味で、法律の基本的要件を明確に決めるという趣旨のものでございます。したがって、その範囲を狭めるとかあるいは別の制約を加えるとか、そういう考えは全くございません。
現在どうやっているかという点につきましては、現行の法律に基づきまして厚生省が地方に通達を出しまして、こういう条件に該当するものについては保育所に入所させる、こういうことを示しております。現在その通達によって示しております内容をそのまま、これは政令になりますので表現等字句の点には多少変更があるかと思いますが、内容としてはそのまま政令において決める、その上でさらに地方の実情に応じて地方ごとの自
主性が反映できるような仕組みにしていく、こういう考えでございますので、現在の措置の基準、内容というものを狭めるという考えは全くございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/14
-
015・柳澤錬造
○柳澤錬造君 じゃ、「保育に欠ける」ということについては、いろいろ政令にゆだねたりなんかするけれども実質的にいくならば今やっていることと少しも変わらないと、そういう判断をしてよろしいということなんですから、通達なり何なり、決して狭めるようなことはない、今と同じことなんだよと。それで、十分そういう点を配慮してやるようにということを、機会を見て地方の方にも指示をしてやっていただきたいと思います。
それからもう一つそれに関係をして、いわゆる団体委任事務化に伴って児童福祉施設の最低基準、今度はこれは省令でもってお決めになるようなんだけれども、その簡素合理化をすることによって児童の処遇の水準が低下するようなことがないかどうか、特に給食の調理員の配置というものを最低基準から外さないようにしてほしいという要望が出ているんですけれども、その辺についての御見解はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/15
-
016・坂本龍彦
○政府委員(坂本龍彦君) 最低基準の見直しにつきましては、団体委任事務化に伴って行うというよりは、これは直接団体委任事務化したから当然そうなるというのではなくて、この機会にやはり行政改革の一環として現在の最低基準をもう一度見直して、簡素合理化できる面についてはそういう方向を出そうというものでございます。しかしながら、この最低基準というのは児童福祉の処遇の水準を決めるものでありますから、その見直しに当たっても福祉の水準というものは低下させないという基本的な考え方を持って臨むことにいたしております。
そういたしますと、どういう点を見直すかということになるわけでありますけれども、現在の最低基準について、余りにも詳細にわたって規定している点がないかどうか、もう少し施設の創意工夫を生かせるように弾力的に実行できる部分があるかどうかという問題や、あるいは既に他の法令等によって十分な規定があるために改めて複雑な最低基準の規定を置く必要がないのではないかとか、あるいは時代の変化とともにさらに実態に見合って見直す部分があるのではないか、そういった点について考慮を加えることにいたしております。現在こういった問題について検討をしておる段階でございまして、いずれにしても児童処遇の水準を低下させないような見地に立って検討を進めておるわけでございます。
お尋ねの施設の給食のための職員の問題でございますけれども、この点については、私どもも児童福祉施設における給食の意義というものについて十分に配慮をいたします。また、いろいろな御意見もあるわけでございます。そういう点を十分踏まえまして、この最低基準改正問題については中央児童福祉審議会の御審議をいただくことになっておりますので、その御審議に際しましても私どもとしてはそういう観点から審議をお願いし、またその結論をいただきまして対処をしてまいりたいというように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/16
-
017・柳澤錬造
○柳澤錬造君 趣旨はわかりましたので、ぜひお願いしておきますけれども、町のレストランやああいうところのコックさんと違って、この人たちというものは、言えば小さい子供たちの給食のことをやっているわけですから、中には離乳期の子供がおったり、アレルギー体質の子供なんかだったら、特別に食事のそういうことに気を使ってやらなきゃいけない。ですから、そういう点で普通の町のレストランのコックなんかと違って相当配慮をして、またそういう小さい子供のときというのは、言うならば食事をすること、そういうものを通じて、大きな言葉で言えば人格形成につながっていくような価値もあるんですから、そういう点でどうか最低基準を低下させて、それでせっかく今まで一生懸命そういう幼子のためにやっておった人たちが手が足りなくなったがゆえになおざりにされるということなんかが起きないように、この点は十分配慮をしてやっていただきたいということを御要望申し上げておきます。その点はよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/17
-
018・坂本龍彦
○政府委員(坂本龍彦君) 今御質問のあった趣旨は私どもも十分理解をさせていただいておりますし、そういう見地に立って検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/18
-
019・柳澤錬造
○柳澤錬造君 ありがとうございました。厚生省の方は終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/19
-
020・北川定謙
○政府委員(北川定謙君) 先ほど御質問のございました水道事業の点につきまして補足をさせておいていただきたいと思います。
水道事業は最近非常に規模が大きくなっておるところでございまして、そのため多目的ダムによる水資源開発及び広域的な運用あるいは水利の調整、水質の汚濁防止等々いろんな関係行政機関、あるいは他の水道事業と調整をしながら広域的に指導、判断すべき事項がまだ多い、こういうことから厚生大臣が認可をしておるところでございます。ただ、給水人口が五万人以下の水道事業及び一日最大給水量が二万五千立方メートル以下の水道用水供給事業の認可につきましては、厚生大臣の権限を都道府県知事に委任しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/20
-
021・柳澤錬造
○柳澤錬造君 よくわかります。その大きな多目的ダムを通じて云々というのは、かなり範囲の広いのは私そういうことでいいと思うんです。しかし地方のだんだん小さいところで水道事業が行われるようになっているわけですから、余り細かいところまで厚生大臣がいつまでもお持ちにならないで結構じゃないんですかということを言いたかったんですから、今の御答弁を聞いておおよそのことはわかりました。厚生省の方、いろいろありがとうございました。
それで、農水省いらっしゃいますか。——農地転用の許可権、それから保安林を指定したり解除したりする、そういうことについて、この辺もいつまでもお持ちになつていないで、そろそろもう知事の方に権限委譲したらいいと思うんですが、それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/21
-
022・中村光弘
○説明員(中村光弘君) 御指摘のとおり、農地の転用につきましては二ヘクタールを超える農地の転用の場合は、農林水産大臣の許可とされておるところでございます。でございますので、二ヘクタール以下の場合は、都道府県知事の許可ということでございます。
二ヘクタールを超えるような大規模な農地転用案件につきましては、既に土地改良事業等の国の投資が行われた農地を含むという場合が多うございますので、優良農地の確保の観点から国が責任を持って転用の可否について判断をする必要があるというようなこと。さらにまた、大規模な転用案件につきましては、都道府県の行政が何らかの形で関与しておるという地域開発関係でございますか、そういう関連で取り上げられる場合が多うございますので、そういう農地転用許可制度の適正な運営を確保するというためには、地元の開発の期待に距離を置いた判断を行う必要があろうということで、農林水産大臣の許可ということになっておるところでございます。
さらにまた、二ヘクタールを超えるような大規模な開発につきましては、例えば通常の一戸建て住宅用地でございますと百二十戸程度に相当するわけでございますが、このような開発につきましては、やはり適正な国土利用の実現を図るために、都道府県の利害を超えまして国において広域的あるいは総合的な見地から国土の計画的な利用と優良農地の確保という点での調整を図るという趣旨で、二ヘクタールを超える農地の転用につきましては農林水産大臣の許可と、こういうことになっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/22
-
023・岡本敬三
○説明員(岡本敬三君) 保安林の指定につきまして、全面的に知事に委譲すべきではないかというお尋ねかと思いますが、保安林は、水源の涵養とかあるいは災害の防備、生活環境の保全といった公共目的を達成するために、特にそういった機能を発揮させる必要がございます森林を指定しているというものでございます。そういう意味から、
保安林の指定の解除につきましては、国有の保安林あるいは民有林のうち水源の涵養あるいは土砂の流出の防備、あるいは土砂の崩壊の防備といったような目的の保安林につきましては、これを農林水産大臣が行っております。保安林には十七種類ございますけれども、そのほかの十四種の保安林につきましては直接その機能が及ぶ範囲が比較的狭い、こういった見地に立ちまして知事に権限を委任しているところでございます。
大臣が直接その指定を行っております水源涵養保安林などにつきましては、国土保全の根幹となります流域保全保安林ということでございまして、上流の保安林の影響が下流にも及ぶということでございますので、広域的な見地に立ちましての判断が必要だということから、全面的にこれらの保安林も知事に委譲するということは適当でないと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/23
-
024・柳澤錬造
○柳澤錬造君 自治省の方からもそれについて御見解をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/24
-
025・森繁一
○政府委員(森繁一君) 先ほども申し上げたことでございますが、私どもとしましては、住民に身近な行政主体であります地方公共団体にできるだけ事務を移譲させて、そこで執行するというのが一番いい姿ではないかと考えております。
今お話しの農地転用の許可の事務だとか、あるいは保安林の指定業務だとかいうものにつきましては、これも臨調、第一次臨調やあるいは地方制度調査会等で既に答申をいただいておりますので、その辺を踏まえて関係省で十分検討していただきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/25
-
026・柳澤錬造
○柳澤錬造君 最後に総務庁の方に。この各省庁の認可事項というのはこれは総務庁が一番おつかみになっているはずですから、そういう点で国、地方公共団体別で処分権者の総数が各省庁別に分けてどのくらいいるのか発表していただきたいと思う。きょうは時間がないですから、もしあれならば大筋だけなにして後で資料でいただければそれで結構です。
それから長官の方にもお願いしておくんですが、許認可のそういうことをまだ進めなくちゃいけないと思いますし、そういう点で今後どの程度おやりになろうとしているか、今お考えの御見解をお聞かせいただければありがたいですけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/26
-
027・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 私は今柳澤先生の農地転用、それから保安林の問題を聞いておりまして、私も保安林を持っておるんです、こんな私の保安林まで一々なぜ国がやらにゃいかぬのかという強い気持ちを持っております。農地転用についてもそうです。こんなものは一番よく知っているのは知事ですよ。林野庁なんか私の保安林がどこだか何も知りゃせぬ、そうですよ。だから、そんなものまで一々国にお伺いを立てて、そしてどうのこうのと言うのはこれは間違っておるんです。これはもう中央集権の最たるものです。だから、こういう問題については、やはり総務庁の長官としてはできるだけ権限を委譲してそしてしっかりした自治体をつくっていきたいと、こう考えています。
数については政府委員がお答えします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/27
-
028・山本貞雄
○政府委員(山本貞雄君) 御指摘の許認可等の総数の問題でございますが、昨年の行革審答申に基づきまして総務庁で統一的な把握作業を進めてまいりまして、このほど総数のみにつきましてその結果がまとまりましたので御報告させていただきます。
今回の許認可等の統一的把握作業の結果、許認可等を所管しておりますのは二十三省庁で、許認可の総数は一方五十四件となっております。多いところだけ申しますと、大蔵省の千百十六件、厚生省の九百三十六件、農水省の千三百六十三件、それから運輸省の二千十七件、通産省の千八百七十件、建設省の七百四十二件等々となっております。
なお、先生が処分権者別に出せと。実はこれはただいま全体の総数は把握しておりますが、処分権者その他につきまして今台帳整備で実態作業中でございますので、もう少しお時間をちょうだいいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/28
-
029・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 時間が参りました。
他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/29
-
030・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 御異議があるようですから、これより挙手により採決をいたします。
本案に対する質疑を終局することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/30
-
031・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 多数と認めます。よって、本案に対する質疑は終局することに決定いたしました。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/31
-
032・内藤功
○内藤功君 私は日本共産党を代表して、機関委任事務の整理合理化に関する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。
反対理由の第一は、本法案が、全体として地方自治の拡充や国民生活の向上に奉仕するものではなく、さきに施行された国庫負担率大幅削減一括法と表裏一体となって、国民に犠牲を強いるものであるからであります。
すなわち本法案には、児童福祉法に基づく保育所を初め身体障害者更生援護施設、老人ホーム、児童福祉施設、助産施設、母子寮、精神薄弱者援護施設の入所措置や、母子保健事業などを機関委任事務から団体委任事務に改めることが盛り込まれているからであります。これらの施設はいずれも、運営費などの国庫負担率を二分の一に減らされております。その結果、政府が進める地方行政改革大綱の強要、福祉施設の職員配置や設備の最低基準の見直しと相まって、保育所を初めとする福祉施設の統廃合、現在でも高額な入所費用の引き上げあるいは母子保健体系の全国的水準の後退、地域格差の拡大を促進し、福祉の後退を招くことは必至であり、憲法第二十五条二項に違反するものであります。保育所に対する国庫負担率の削減に反対して百十万に上る署名が集まっている事実を厳しく認識すべきであります。
反対理由の第二は、本法案には知事に対しては機関委任事務を十一法律、十一事項、市町村長に対しては五法律、五事項それぞれ新設していることであります。このことにより、国が地方自治体への指揮監督権を強め、事務経費の自治体負担を重くして地方財政を圧迫するからであります。
反対理由の第三は、宅地建物取引主任者、調理師などの資格取得試験を民間団体において実施できるようにしていることであります。これは消費者保護の立場から、また試験の公平性の確保、適正な受験料の確保等の観点から到底賛成できるものではありません。
反対理由の第四は、本法案が、四十三法律、六十一事項を一まとめにしたもので、十一省庁、本院においては九つの常任委員会の所管にまたがることであります。このような法案提出の仕方は、常任委員会中心の議会制民主主義に基づく国民審議権を侵すものであります。しかも当委員会では、このような重要かつ膨大な内容の法案を委員一人わずか四十分という極めて短時間の質疑で、我が党の反対にもかかわらず質疑を終局して採決に入ろうとしているのであります。参議院内閣委員会の審議権の権威にもかかわる甚だ遺憾なことであることを厳重に指摘するものであります。
個別的に是非を言うならば、我が党は四十三法律中二十一法律については賛成、二十二法律に反対の考えであります。しかし、このようにすべて一括して提案された本法案に対しては、以上の理由により全体として強く反対するものであります。
これをもって反対討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/32
-
033・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
地方公共団体の執行機関が国の機関として行う事務の整理及び合理化に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/33
-
034・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
久保田君から発言を求められておりますので、これを許します。久保田真苗君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/34
-
035・久保田真苗
○久保田真苗君 私は、ただいま可決されました地方公共団体の執行機関が国の機関として行う事務の整理及び合理化に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
地方公共団体の執行機関が国の機関として行う事務の整理及び合理化に関する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、次の諸点について配慮すべきである。
一、国民福祉のナショナル・ミニマムに係る行政事務の整理に当たっては、国民の福祉水準と行政水準が低下しないよう、特段の配慮を払うとともに、そのための財源措置について十分な手当を行うこと。
一、機関委任事務については、臨時行政改革推進審議会答申及び地方団体の意見等を踏まえ、一層の整理合理化に努めること。
一、機関委任事務、団体委任事務、団体事務等の相違については、行政の混乱を招くことのないよう、その性格について周知徹底を図るとともに、行政事務配分が複雑化し、その責任があいまいとならぬよう特段の留意を払うこと。
一、国の機関委任事務を団体委任事務とするに当たっては、地方自治の本旨にのっとり、地方の条例制定権等を尊重し、国の関与を極力避けるよう特段の配慮を払うこと。
一、政省令を定めるに当たっては、従前の福祉水準の維持を基本とし、多様なニーズにきめ細かく対応できるよう、地方公共団体の意見も踏まえるとともに、地方公共団体の自主性を尊重するため、地方公共団体の自主的努力を損ねることのないよう十分配慮すること。
一、施設等に係る入所者等からの費用の徴収については、過大な負担により法の主旨が歪められることのないよう、国及び地方公共団体は適切な補助に努めること。
一、入所措置に係る処分に対する審査請求、再審査請求の廃止については、行政不服審査法に基づく異議申立ての権利について周知徹底を図ること。
一、高齢化等に的確に対応し、住民福祉の向上・発展を図り、福祉水準を多様なニーズに適合するよう、福祉施設、給付、サービスの充実について、さらに一層の推進に努めること。
右決議する。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/35
-
036・岩本政光
○委員長(岩本政光君) ただいま久保田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/36
-
037・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 多数と認めます。よって、久保田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、玉置総務庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。玉置総務庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/37
-
038・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) ただいまの附帯決議につきましては、御趣旨を踏まえまして今後誠意を持って検討してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/38
-
039・岩本政光
○委員長(岩本政光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/39
-
040・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/40
-
041・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 臨時行政改革推進審議会設置法案、一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。
まず、政府から三案の趣旨説明を聴取いたします。玉置総務庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/41
-
042・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) ただいま議題となりました法律案のうち、まず臨時行政改革推進審議会設置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
政府は、かねてから行政改革を国政上の緊要な課題の一つとして位置づけ、これに取り組んできたところでありますが、引き続き行政改革の推進が要請されている現下の情勢にかんがみ、今後とも所要の施策の実施に努めてまいらなければなりません。
そのためには、各界有識者の御意見を聴取しつつ諸般の施策を推進することが重要かつ有益であると考える次第であります。
去る六月二十七日をもって存置期限を迎え、解散した臨時行政改革推進審議会(行革審)も、その最終答申において、国民の全般的協力を得つつ改革の推進を図る観点から、行政改革のための審議機関を引き続き設置することが必要である旨を提言しているところであります。
そこで、政府といたしましては、今般、総理府に改めて臨時行政改革推進審議会を設置することとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
今般設置しようとする、いわば新行革審とも言うべき臨時行政改革推進審議会は、行政改革に関し臨時行政調査会の行った答申並びにさきに解散した臨時行政改革推進審議会の述べた意見及び行った答申を受けて講ぜられる行政制度及び行政運営の改善に関する施策に係る重要事項について調査審議し、その結果に基づいて内閣総理大臣に意見を述べるほか、内閣総理大臣の諮問に応じて答申することを任務としており、審議会の意見または答申については、内閣総理大臣はこれを尊重しなければならないこととしております。
審議会は、行政の改善問題に関してすぐれた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する委員七人をもって組織することとしております。
また、審議会は、行政機関の長等に対して資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができることとしているほか、特に必要があると認めるときはみずからその運営状況を調査することができることとしております。
なお、審議会は臨時の機関として設置されるものであり、政令で定める本法律の施行期日から起算して三年を経過した日に廃止されることとしております。
このほか、関係法律について所要の改正を行うこととしております。
次に、一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
本年八月十二日、一般職の職員の給与について、俸給及び諸手当の改定等を内容とする人事院勧告が行われました。政府としては、その内容を検討した結果、人事院勧告どおり本年四月一日から給与改定を実施することとし、このたび一般職の職員の給与等に関する法律について所要の改正を行おうとするものであります。
次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、全俸給表の全俸給月額を引き上げることといたしております。
第二に、初任給調整手当について、医師及び歯科医師に対する支給月額の限度額を二十三万五千円に引き上げるとともに、いわゆる医系教官等に対する支給月額の限度額を四万二千五百円に引き上げることといたしております。
第三に、扶養手当について、配偶者に係る支給
月額を一万五千円に、配偶者のない職員の扶養親族のうち一人に係る支給月額を一万円に引き上げることといたしております。
第四に、宿日直手当について、勤務一回当たりの支給限度額を、通常の宿日直勤務にあっては二千三百円に、入院患者の病状の急変等に対処するための医師または歯科医師の宿日直勤務にあっては一万二千円に、人事院規則で定めるその他の特殊な業務を主として行う宿日直勤務にあっては四千二百円にそれぞれ引き上げるとともに、常直的な宿日直勤務についての支給月額の限度額を一万三千円に引き上げるなどの改善を図ることといたしております。
第五に、非常勤の委員、顧問、参与等に支給する手当について、支給の限度額を日額二万五千四百円に引き上げることといたしております。
第六に、筑波研究学園都市移転手当の改廃に関する措置についての人事院の勧告の期限を昭和七十一年十二月三十一日に改めることといたしております。
以上のほか、附則において、施行期日、俸給表の改定に伴う所要の切りかえ措置等について規定することといたしております。
最後に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、ただいま御説明申し上げました一般職の職員の給与改定に伴い、特別職の職員の給与について所要の改正を行おうとするものであります。
次に、法律案の内容について、その概要を御調明申し上げます。
第一に、特別職の職員の俸給月額を引き上げることといたしております。
具体的には、内閣総理大臣等の俸給月額については、内閣総理大臣は百七十六万六千円、国務大臣等は百二十八万八千円、内閣法制局長官等は百二十三万千円とし、その他政務次官以下については、一般職の職員の指定職俸給表の改定に準じ、百四万九千円から九十一万千円の範囲内で改定することといたしております。
また、大使及び公使の俸給月額については、国務大臣と同額の俸給を受ける大使は百二十八万八千円、大使五号俸は百二十三万千円とし、大使四号俸以下及び公使四号俸以下については、一般職の職員の指定職俸給表の改定に準じ、百三万九千円から六十七万五千円の範囲内で改定することといたしております。
さらに、秘書官の俸給月額についても、一般職の職員の給与改定に準じてその額を引き上げることといたしております。
第二に、委員手当については、常勤の委員に日額の手当を支給する場合の支給限度額を四万五千二百円に、非常勤の委員に支給する手当の支給限度額を二万五千四百円にそれぞれ引き上げることといたしております。
第三に、内閣総理大臣及び国務大臣の給与の一部返納について、所要の特例措置を講ずることといたしております。
第四に、旧国際科学技術博覧会政府代表の俸給月額を百三万九千円に引き上げることといたしております。
以上のほか、附則において、この法律の施行期日、適用日等について規定することといたしております。
以上がこれらの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/42
-
043・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。
一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、以上二案の質疑は後日に譲ります。
これより臨時行政改革推進審議会設置法案の質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/43
-
044・久保田真苗
○久保田真苗君 私、この新行革審の法案を拝見しておりまして、今三度目にまた行革審をつくるということについて恐らく総務庁の立場というのはかなりジレンマに陥ったものではないか、そんなふうに拝察せざるを得なかったのであります。つまり、臨調の答申以来経済その他の情勢が非常に大きく変化しておりまして、これに対応しまして財政赤字、こういったものの解決のためにいろいろな税制等も今ここで大きく転換するという提案がなされつつあるわけでございます。そういう中で行革を進めていくということに対して総務庁長官はどのような姿勢を持ってやっていかれるのか、そのことを中心にお伺いいたしまして、また新行革審ができるといたしますとそこでは実際に何をやるのか。これまでの行革審の行革の結果、国民にとって極めて重要であった部分が多く取り残されたような気がいたしますが、そういうものを集中的にやられるつもりなのか、そういったことをきょう伺ってまいりたいと思います。
まず、旧行革審にかわって新行革審ができるということが提案されておるわけですけれども、臨調二年、旧行革泰三年とこれで都合五年やってまいりました。この五年間で幅広く行革の審議が行われ、改革する課題というのはもう幾ら何でも出尽くした後なんじゃないか、こういう考え方をする人が多いわけでございます。そこで、何ゆえのこの行革審なのか、もう後は政府が総務庁の旗振りでどんどんと実行していくことだけが残っているんじゃないかと思うんですが、今また改めて三年の期限で行革審をやるというのはこれはどういう理由なのかお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/44
-
045・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 今おっしゃいますように、臨調二年間それから行革審三年間の審議が行われたわけであります。政府はかねてから行政改革を国政上の重要な課題の一つとして位置づけましてこれに取り組んできたわけでありますけれども、臨調、行革審のいわば御答申あるいは御意見はこれは大変貴重な御意見といたしましてこれを最大限に尊重しつつやってまいったわけであります。
今後とも新行革審を設けることが必要であるというゆえんのものは、確かに臨調、旧行革審の御審議を通じまして改革課題の洗い出しが相当程度行われたわけでありますけれども、その諸課題のうちにはなお具体性を欠くものもないではない、またその答申の政府の実行のフォローフップというのはこれはやはり大変重要なことである、こういうことから、改めまして臨調、旧行革審にありましたように各界の有識者の御意見を聴取しつつ諸般の施策を進めたい、こういうことでもって改めて今回新行革審の御提案を申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/45
-
046・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 先生のお話に対して私の方から一言お答えを申し上げたいと思いますが、行革というのはこれはやはり政府が存在し自治体が存在する限りもう永久に続くものだと私は考えております。それだけに、いついかなるときでも、国民の奉仕者としての政府、また地域住民の奉仕者としての自治体、これはできるだけ安上がりのしかも効率のよい、そういう政府、自治体をつくっていくのが行革の私は基本のねらいだとこう思っていまして、その方向で努力をしてきましたが、恐らく先生のおっしゃられるのは、増税なき財政再建なんて言ったってそんなものは今度の税制の問題で吹っ飛んだじゃないかというふうな御心配があってのことじゃないかなというふうな推測もさせていただいておるのでありますが、これとて、けさ閣議で話がありましたが、減税総額が四兆五千億でございます、一応党で考えているのが。そのほかに円高に伴うところの大変な収益を上げております電力、ガス、これは一月一日から実施をするんですが、国民の皆さんに対してクリスマスのプレゼントとしてそのときにははっきりした数字を出せるということでございまして、約二兆円、これが国民のそれぞれの家庭に還元をされていくということでございまして、これなんかを含めますと減税幅は相当なものになるというふうに私は理解をいたしております。そういう方
向で今後とも一生懸命総務庁としては努力をしてまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/46
-
047・久保田真苗
○久保田真苗君 長官が今おっしゃいました、行革は永久に続くと、こういうことになりますと、この新行革審の法案もまた三年の時限立法で出されておるわけでございますね。そうしますと、これはその後にもまた新しい行革審が起こされなければならない、そんなふうな感じで行革のための審議会をとらえておいでになるのでございますか。つまり、これが終わるとまたもう一つのその先にと、そういうように、永久に続くということになりますと常設ということになるんじゃないかと思いますけれども、その点はどういうふうにとらえておいでですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/47
-
048・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 今度お願いをしておりますこの法案の中で三年という限度を切っております。それはやはり過去二年臨調、そして行革審三年お願いをしてきました。そして行革の基本の理念、精神的原型、これを我々受けてやってきたのがNTTであり、日本たばこであり、その他の政府、国家公務員それから地方公務員のスリム化であり、また効率化であるということであります。それだけに、総理も言っておりますように、行革といるものは重い荷物を載せた車が五合目に来た、やっとこさそこまで来たんだと、手を放せばもとのもくあみだということでございます。それはなぜか。日本の国は御承知のようにこれは大変官僚が強い。官僚が強いということの中にまたこれは、我が党を批判して党員の皆さんにも恐縮ですが、それぞれ部族がついています。運輸族、農林族、数え上げれば切りがない。これが非常に強い。今度の郵貯問題でもこれはもう大変なものでありまして、あそこまで大げんかをする、そういうことを考えていきますと、単に政党政治の中の政府がああしようこうしようと言ったってなかなかできるものじゃない。
そこで、世の中一般から見てなるほどこの人たちは有職者だと、この人たちの考え方をやはり政府が総理大臣以下十分尊重してやらなきゃならぬ。しかしそれはいつまでもやるのでなしに、三年ということで言うと、今までの流れを切りかえてよりフレッシュな、より実行力のある、こういうものを具体的に一つずつ取り上げて、そして画然としてやっていくというのが今度の三年のねらいだというふうに私自身が考えて、そういうような法案を私はお願いしている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/48
-
049・久保田真苗
○久保田真苗君 長官、先回りして増税なき財政再建の堅持がどうなのかということを聞きたいのだろうとおっしゃってくださったのですが、まさにそうでございまして、いろいろおっしゃいますけれども、旧行革審の評価でも一つ非常に不十分といいますか、だめだった点としまして、まず財政再建が前途ほど遠い、こういう評価が出ております。確かに国債残高が六十一年度末でまたまた百四十三兆円に膨れ上がる、そして利払い費が一般会計の二割を占めるというような圧迫要因になっておりますね。この事実を見ますと、やっぱりこれは本当に増税なしで臨調行革の実施ということが本当に可能なんでしょうか。長官、本当にそう思っていらっしゃるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/49
-
050・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 私は、過去臨調から行革審ができまして、さらにこれからまた審議をお願いしております法案を皆さんのお力添えで成立させていただきますならば、一例を挙げましてもおわかりのように、NTTですね。NTTは今一株が百何万、しかし私はそれでも決して高いものじゃないと思っています。それは、余り不動産を持たない、ただ衛星を使ってそして国際的に通話のできる国際電電いわゆるKDDでございますが、KDDの株価が今三万六千七百円かな、大体七十二、三倍しています。だから、そういうふうにしてNTTを考えていきますと、現在の一株百何万の価格でもこれは九兆八千億得られるのです、政府は、株を放出できますと。
そして、日本たばこの方はいろいろ制限がありますからこれは放出は今していませんが、またできませんが、将来放出することは間違いありません、民営ですから。また近く我々が特殊法人を廃止し、そしていよいよ民営の株式会社、日本航空株式会社となりましたときに、今株価が九千六、七百円、これが、私たち権威のある証券会社の研究所で評価してもらっていますが、大体四、五十倍になることは間違いがない。そういうことになりました場合、これだけでやっぱり一兆二千億ぐらいできてきます。さらに、これから考えていく電源開発株式会社、これは含み資産が膨大でございます。さらに私たち考えておるのは住宅・都市整備公団、これは今のところざっと計算して大体十一兆です。これを民間にもし払い下げていったり、そこにまた新しいビルを建設して、そして現在の住居者を優先して入れますが、その上の方は時価でもって入っていただく、分譲をするというようなことになりましたら、これまた大変な資産です。
こういうことをやれるならば、新行革審ができて具体的提案ができてきまするならば、百四十三兆の累積の赤字でございますが、かなり貢献ができる。ましてや国鉄の、簿価で今答えておりますが、簿価はあくまでそのときの買った価格でございますから、現在価格に評価したらこれは大変な資産です。それだけに、こうした問題につきましても、これからいよいよ分割・民営になっていく新会社でございますが、大変な資産になる。
かてて加えて、大蔵大臣が最近答弁しておりますように、赤字国債は昭和六十五年度をめどにしてこれはなくす。そのかわり、内需を拡大するためには建設国債を増発してやっていくという、この手法は私は間違いがないと思います。国民のための社会資本ができていく。そういう形でもって今宮澤さんがやっている財政、金融、為替、これを取り合わせた、ポリシーミックスと言いますが、この手法は非常に手がたい、それでうまくやっていっている。こういうものを全部総合してそして考えていく民間の知恵というものをやっぱりこの際、官僚の縄張りじゃなしに我々大いに勉強していきたい、それを受けて具体的に実行していきたい、こう考えておりますので、そこに私は新行革審の大きな使命があると、このように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/50
-
051・久保田真苗
○久保田真苗君 これはどうも大変なことを伺うものですね。大変株にも詳しくて財テクの大家でいらっしゃるらしいんですが、国有財産を切り売りするということで、私ども国鉄の国有財産の問題につきましてさんざんいろいろな目に遭いました。
つまり都市部の地価の暴騰を招いているとか、それからその切り売りに関連してそれぞれの引きのあるところの業者が非常に得をする、あるいは業者が今ここへ群がり寄ってくるというような、大変騒々しい思いをしてまいりました。そしてしかも、どうも適正な価格でなく安い価格でダンピングをされるのではないかという、国有財産を憂えるという風潮が国民に今広まっているところでございますからね。この上にまた電源開発でございますとか首都の住宅整備公団でございますとか、こういったところの財産を売りに出すということを含んで、この行革審はそういうことを主としてやっていくんだ、そういうふうにお考えになって、それが新しい使命だと、こういうふうにお考えになっていらっしゃるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/51
-
052・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 臨調、行革審で増税なき財政再建ということを申しております。今長官がいろいろと具体的な構想等についてお話しになったわけですけれども、基本は久保田先生のお話の、要するに臨調、それから旧行革審で増税なき財政再建と言っておるけれどもこれを一体今後の指針としてどう考えるかということに一応関連をする問題であります。
臨調で増税なき財政再建の定義を下しておりますけれども、それは要するに今後の財政の運営にあっては基本的に歳出の抑制によって財政再建を行うべきである、こういう主張であることは御承知のとおりであります。
ただ、臨調は、また行革審の思想もそうでありますけれども、それをさらに敷衍いたしておりま
して、これも御承知のとおり、中期的に見れば、あるいは長期的に見た場合に、我が国の現在の、当時五十六年から八年にかけてでありますけれども、租税負担率がおおむね二五%、それから社会保障負担率がおおむね一〇%から一一%、つまり国民の負担率はGNPに対しましてほぼ三五、六%という水準である。諸外国は既に五〇%を上回っておる。こうしたような状況になればいわゆる先進国病を招来するということから、今後ともこの国民の負担率の増を避けるべきである。つまり、租税負担は特におおむね二五、六%、このあたりでもって財政を運営し、財政再建を行うべきであるということを言っておられるわけであります。恐らくそのあたりの御主張につきましては、皆さんほぼ同様の感じを持っていらっしゃるんだろうと思います。
〔委員長退席、理事亀長友義君着席〕
そこで、今の長官からの御発言というのは、要するに臨調も行革審も歳出の抑制に大いに努めるべきである、それだけに今後の政策運営にあっては、いわば歳出増を招くことについては極力慎重に、それから諸般の財政運営における工夫を行うようにということを主眼としまして、主要行政施策あるいは社会資本等についてあるいは特殊法人につきまして諸般の指摘をいたしておるわけでありまして、今後ともそうしたいろいろな工夫が財政運営あるいは行政運営に必要になってまいると思います。今長官がお話を申し上げましたのは、臨調でも旧行革春でも社会資本における民間活力の必要性を述べておるわけでありますけれども、そうした趣旨から今後ともいろんな工夫をしてまいらなきゃならぬ、こういうことを申し上げたものと理解するわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/52
-
053・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 私の言ったことは舌足らずでございまして、基本は今のような官中心主義な考え方でいくよりも、いわゆる民間の知恵、それから民間の経験、競争の原理、こういうものを入れていくことによって活力が出てくるということでありまして、そもそも臨調ができた背景というのは、このままほっておいたら国家財政がパンクしてそのツケが国民に回る、これは大変だというふうな発想からできたということ。私は当時、自民党の方の行財政改革の筆頭副会長をしておりましたので、土光さんや皆さんとお会いしてそういう話を聞きました。この際に、大変な発展をしておる知恵のある、そして本当によく働く勤勉な労働者、そういうものの力を国有財産を持っておる国あるいは地方自治体の財産を持っておるそういうところに入れようじゃないかというのが基本の流れでございます。
ただ表現が、お金で、株の話で言ったらはっきりわかると思いまして、少し言い過ぎたかもわかりませんが、その辺は私専門家ですから。私はずっとやってきましたが、大体そういうところから入れていく。さらに、私もう一つ加えますが、金融資本にメスを入れるという背景は、やっぱりそこからも新しい財源を見出そうというふうな発想から出ておるということも御理解を賜りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/53
-
054・久保田真苗
○久保田真苗君 金融資本にメスを入れていただくのは大いに結構でございます。財テクで大変景気のいいという面がございますし、天下の回りものとしてのお金が末端の血管までなかなか回ってこないというのが今の経済の悩みですから、それは大いにやっていただきたいと思うんです。
さっき長官が言われました、土地とか不動産といった国有財産を片っ端から売り食いをしていくというのなら、何も行財政改革なんというものを五年もかかって審議する必要はないと思うんです。これほど簡単なことはない。土地を売ります、あるいは国有林を売ります、日本じゅう部会も田舎も不動産という不動産をどんどん売り払っていくのであれば、何も財政の赤字に悩んでいる必要はないのでありまして、そういうことをただやっていただきますと、これはもう二十一世紀に差し支えてしまいます。土地は国のものとしていろいろな施策を行うためのてこにするために持っていてこそ初めて国であり政府なのであって、それを民活側に移動させるということが行革の内容ならこんなに簡単なことはない。私どもが今悩まされているのは何といったって土地の値段でございますね。
三十年、四十年働いて退職金を一千万、二千万やっといただいたからといって、土地の半坪も買えないような地価が出現しているわけです。公営のものでもだんだん億ションに近いマンションになってきておりまして、これを一体どうやって償うのか、そこのところが私どものいわゆる国民生活にとって最大の悩みなんでございますから、三年の行革審の審議をなさいます中で、ただもう財政の穴埋めなするために不動産を手放せばいい、まさかそんなことはお考えになっていないと思いますけれども、そういう安易な方向で赤字を消していくというふうなことはぜひお考えにならないように慎重の上にも慎重にしていただきたい。なぜなら、一度そういうことが起こればもはや取り返しがつかないからでございます。ぜひそこのところはよろしく慎重にお願いしたいと私は思います。
そして、今私が申し上げたかったのは、臨調が始まりましたときには初めは財界も、行革だ行革だ、小さい政府がいいんだということで大いに推進する側におられたんですが、最近、円高不況などの痛みからどうもがらっと空気が変わってきたように思われる。
〔理事亀長友義君退席、委員長着席〕
それから、官僚ももう非常に耐えがたいという気持ちになってきている。自民党の中でも景気対策待望という空気になってきているのではないか、こういうふうに思うわけです。
ところで、臨調の初めのてこは、財政再建が困難だから、税収状況が悪化したから、だから本格的な行革を実現する絶好の機会がこの財政状況だ。むしろ糧道を断っていや応なしに行革を強制するというところに一つのかぎを見つけていたということだと思うんです。事実そういう旗を上げて発足したわけです。ところが、今自民も財界もそういう風潮にたっているときに、総務庁長官、本当に今新しくつくる行革審というものが臨調路線あるいは旧行革審の意見答申を踏まえた形でその路線を踏襲してできるというふうに判断なさっていらっしゃるんでしょうか、非常に難しいところだと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/54
-
055・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 私たちは、最近のいろんな流れに対してこれは緊急性のあるものだと。例えば国鉄問題にしてもそうですね。このままほっておいたら大変なことになるということで取り組んだわけです。そうして、人員削減を叫んでおります我々として、国鉄の職員の雇用に対してあれだけ踏み切って、そうして私ども努力してきたところです。それだけに、臨調、旧行革審の精神というものをあくまでも堅持しつつ、しかし今の事態ではこれはやむを得ない、いわゆる臨調、行革審といえどもこれは国民のためのものであるということでありましたら、内需を拡大して雇用を安定さす、そういうことに力点を層かなきゃいかぬというふうに考えてやってきておるものであります。
それから、ついででございますが、これも舌足らずですが、先生からありました土地の問題にしましても、民間の有識者のいろいろ苦労してきた御意見なども拝聴しておりますが、一遍に売るわけじゃありません。株も一遍に放出するわけじゃない。なかなか上手にやりますよ、あの人たちは。自分のところの株を操作してきておるんだし、自分のところの不動産も操作してきておるんだし、だから一遍にやるというわけでなしに、ここでどういうふうな値段でいって国民が納得していただけるのか。それから、地価暴騰の状況がありますが、それに対してどのようにブレーキがかかるのか。こういうことも考えておやりになっていただけるというふうに考えておりまして、とにかく今申しましたように、我々は臨調、旧行革審の精神を踏まえながらしっかりやっていきたい。そして、基本的理念を示していただいた臨調、行革審のこの路線になるべく早く沿うような形のも
のをつくっていきたいというふうに考えておりまして、再度申し上げますが、今いろいろやっておりますことについては、緊急性、国民のためにはやむを得ないというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/55
-
056・久保田真苗
○久保田真苗君 長官、張り切っていただいて行革も大変お進めいただいている様子で私敬意を表しておりますけれども、土地の問題について民活でいろいろブレーキをかけながらやっていただけるということですが、それは私などから見ますと、多分ブレーキをかけたがらない人にブレーキをかけることを期待するというようなことになっては大変困りますので、私この土地問題に深入りしていくつもりはないんですけれども、もしそういう地価の暴騰などに歯どめをかけていこうとすれば、それは公的な政府といったような立場の責任だと思うんですよ。民活をやっている方に、地価が暴騰してその方たちの利益になることをその方たちが自粛するというような、そういう期待をするような政策がとられては困ると思っているんです。ですから、行革審の中で取り上げていただくことについては、私も後から御注文をいたしますけれども、そこのところをどうか余り行き過ぎないようなことをお考えいただきたいと思うんです。
それで、さっき途中になりましたけれども、今度補正予算で五千五百億円ばかりの建設国債増発ということになっておりますね。それで補正予算も組まれたのでございますけれども、円高それから景気停滞という中でかなり苦しくなっておるわけでございます。そして、特に失業率なんかも三%に手が届いたと。これはことし、戦後最高の失業率を記録したと思うんです。そしてこれからも多分、この春にかけての見通しは労働省も非常に厳しい、こう言っておりますね。
そんな中で行革より景気対策に重点を移すという声も強いんですけれども、私の感じですと、景気対策というものと行革というものは、臨調がてことした糧道を断つという考え方からすれば、ある程度綱引きで引っ張り合っているような関係だと思う。そうしますと、例えば税制改正、間接税導入というようなことで大蔵省が税収をふやしていく、やりよい税制をとっていくということは行革にとっては非常にやりにくい条件になる、こういう綱引きの関係になるんじゃないかと思いますが、景気それから行革の関係については今どんなふうな視点でごらんになっていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/56
-
057・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 今先生からお話のあったとおりでございまして、ここで今総務庁が今のように士気が上がってきて張り切らなかったらどこへ流れていくのかなという心配を私は常にしております。それだけに総務庁の持っておる権限といいますものは、定員をどうするかということは各省とも非常に顕の痛い問題であります。さらに余り行儀が悪かったら監察調査を入れますよということで、大蔵省も今大変驚いておるような状態でございますが、私たちはある程度、言うことを聞いてくれなかったらそれもやる腹でおります。大蔵省はお金ですからね。お金を持っておる役所、そして定員を持っておる、さらに監察調査権を持っておる総務庁というのは全く綱引きです。その綱引きの中でどのようにやっていくのかというふうな、高い識見を持っておられる民間の方々のお知恵も拝借したいというのが私たちの真のねらいでありまして、どっちかというとそういうふうな経済一点張りのいわゆる近代経済至上主義的な考え方の中に総務庁の位置づけをしっかりさしていきたい、こう考えておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/57
-
058・久保田真苗
○久保田真苗君 臨調答申の路線踏襲の問題ですが、大蔵省はどういうふうにお考えになるんでしょうか。結局、臨調答申で詰めるだけ詰めた、ゼロシーリングで防衛庁を除いて各省ぎゅっと詰めた、そういうような財政緊縮、今日の経済情勢、この問題がそういうところから発生しているんじゃないかと思われるわけですが、大蔵省はこの点はどういうふうに見ていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/58
-
059・永田俊一
○説明員(永田俊一君) お答え申し上げます。
ただいまいただきました御質問でございますが、行財政改革路線と景気対応と申しますか、その二つの調和をどう考えるのかということになるかと思いますが、先生御存じのとおり、現在の経済情勢というのは大変なものでございまして、したがいまして、先ほどちょっとお触れになりましたように、六十一年度の補正予算案におきましても、財政改革の基本路線の枠内におきまして臨時緊急の措置といたしまして一般公共事業関係費の追加を行う、あるいは災害を含む公共事業の追加を行ったところであります。来年度の予算案につきましても、財政を取り巻く環境には大変厳しいものがございまして、その中で引き続き財政改革を強力に推進するという緊要な課題を抱えております。このため六十二年度予算におきましても、これまでの財政改革の努力を水泡に帰せしめないという観点に立ちまして一層の経費の節減合理化に積極的に取り組んでまいる所存でございます。
しかしながら、先生おっしゃいましたような景気との調和といった問題につきましては、例えば公共事業につきまして、厳しい財政事情のもとに国費は抑制せざるを得ませんが、経済情勢に適切に対応するため事業費の確保について種々の工夫を検討する必要があると考えておりますし、先ほど大臣もお触れいただきましたような雇用情勢に対する配慮ということも十分考えていかなければならないと思っております。
ちょっと長くなって恐縮でございますが、先ほど佐々木局長からおっしゃっていただきましたような、臨調、行革審で御答申いただきました財政再建の基本路線のもとで経済情勢への臨機対応を行っていくという二つの調和を目指しまして、我我といたしましては六十五年特例公債依存体質からの脱却というものに向けて努力していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/59
-
060・久保田真苗
○久保田真苗君 総務庁長官、今間接税の問題が出てきております。所得税とか法人税、相続税減税と間接税増税をセットしたという政府税調から答申が出されまして、自民党の方でもついに売上税という名の大型間接税が決められました。それで、この売上税というものが非常に幅の広いものであるからこれは自民党の中でもいろんな激論があったと伺うんですよ。大型間接税ではないと言っていらっしゃるようだけれども、これは総理の選挙公約に反しているのではないかと。つまり、総理は国会で繰り返し、多段階、包括的、網羅的、普遍的で大規模な投網をかけるような消費税はやりませんと言われてきたんですが、長官はこれをどういうふうにお考えですか、御所見をひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/60
-
061・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 税制改革については私は直接の責任者ではありません。しかし、巷間伝えられておりますように売上税、いわゆる間接税でございますが、私はもともと総務会におりましたときから、直間比率を見直す、そして減税要求には我々立派にこたえていかなきゃいかぬ、それには国民の意識というか、重税感をなくするということについては、間接税を少し御負担を願うというふうなやり方が一番いいんじゃないかと言ってやってきた一人です。今度の売上税の問題については、御承知のように一億円以下の者は対象としない、こうなっておりまして、事業者数の約九割はこの中に入っちゃうんです。それだけに当初見込んだ売上税の金額から大分落ち込んでおりまして、今大体三兆五千億ぐらいを見込んでおるわけです。
こういうことから考えてみますと、私は、総理が自身で言っておりますように、決して公約違反でもないというふうに考えております。この売上税の一つの流れを見ながらこれからさらに税制調査会としては詰めていかなければなりませんが、今各品目についてどうするかああするかということは例によって激しい議論の中で進行しておるわけでありまして、しばらくこれ見守っていかないと中身についてはどうこうと言うことはできないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/61
-
062・久保田真苗
○久保田真苗君 大蔵省がいらっしゃいますから
ちょっと伺いますけれども、今おっしゃいました三兆円を超える間接税、売上税ですね。ところで、売り上げ一億円以下は九割がカバーされてそこのところはかからないんだ、こういうことなんですけれども、これはもし免税なしで売上税なかけた場合と、一億円以下を免税とした場合と、税収はどのくらい違いますか。どういう試算が出ますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/62
-
063・森田衞
○説明員(森田衞君) お答え申し上げます。
売上高一億円以下の事業者を免税にするといたした場合でございますが、税制調査会の試算によりますと約八七%の業者が免税になるということになっておりまして、売上高で申しますと約一割が一億円未満であるということになっております。この売上高にほぼ比例いたしまして税収というものが確保されると考えられますので、仮に免税点を課税売上高一億円以下とした場合でございますが、非課税取引の範囲とか税率等が決まっていない段階では正確なる計数を申し上げられませんが、それを除きまして考えます場合には、税収面につきましても売上高に応じた程度の税収がほぼ確保できるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/63
-
064・久保田真苗
○久保田真苗君 つまり、今のお答えですと、売り上げ一億円以下の事業者は八七%の事業者になるわけですね。九割近く占めるわけですよ。それを売上高で見た場合は、その対象になる売上高は約一割だと、こういうことでございましょう。もう一回確認してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/64
-
065・森田衞
○説明員(森田衞君) 先生御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/65
-
066・久保田真苗
○久保田真苗君 ですから、結局九割の売り上げには税がかかるんですよ。間接税がかかる。そうなると、国民、私どもが買うのはどこの店から買うかが問題じゃなくて、何をどれだけの量買うかということが問題でして、九割の売り上げに間接税、売上税がかかっているという状態は、これはやっぱり包括的、網羅的、普遍的で大規模な間接税である、私はそういうふうに見ざるを得ないんですね。ですから、総理が八七%の事業者は逃れるんだとおっしゃっているけれども、それは日本の非常に多い零細事業者という観点からはそうかもしれないけれども、消費者の立場から見たらこれはもう九割に売上税がかかるんですね。私はそこのところをはっきりしていただぎたいんです。そうすると、これは総理がやらないと選挙前におっしゃった大型間接税だと、大臣、そういうふうにお思いになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/66
-
067・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 私も、売上税のこれからいろいろ検討していく過程というものはどういうふうになっていくかまだわかりません。見通しは私は持っていません。ただ、国民の皆さんが日常どうしても必要な食料品だとかそういった物、これについては十分に配慮されていくというふうに思いますので、余り大げさな心配は要らぬのじゃないかなというふうに思います。
これが一番うまくいっているのは、国交のない台湾なんですよ。台湾は間接税の問題は非常にうまくいっていまして、国交がないから皆勉強に行かぬのですが、私は前から知っておるんです。台湾の税制というのはもう全く間接税でもっておると言って決して過言じゃない。そういうふうに、税制というものが国民の間に知らず知らずの間に定着していく、いわゆる軟着陸さすというのが僕は一番いい方法だと、こう考えておりまして、この際、そうした成功した例、今ヨーロッパの例を盛んに勉強しておるようですが、意外に近い国に成功した例がある。これは立派なものでありまして、うまく操作されております。
そういうことから、これから先生の言われるようなことが起きないように、国民の生活に余り大きな影響を与えないようにというような配慮は一国務大臣としても考えていきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/67
-
068・久保田真苗
○久保田真苗君 ぜひ総務庁長官の総合調整の立場で、こんな九割の売り上げにほっと間接税が投網のようにかかってくるというようなことは何が何でも公約に反しているんですから、ここのところは何とかしていただかなければならないと思うんです。長官もそういうお立場から私御尽力いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/68
-
069・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 今の税制の問題につきまして、これまた私どももその所管の立場じゃございませんけれども、長官のお言葉を若干補足いたしたいと思います。
臨調の基本答申その他でもって、増税なき財政再建のあり方ということの意味につきましては先ほど私から申し上げたとおりでありますけれども、租税の負担のあり方につきまして臨調答申もまた指摘をいたしておるわけであります。それは、臨調答申では、税負担の公正確保の観点から税制のあり方を検討してもらいたいということを言っておるわけであります。その意味で、その具体的な内容としては、直間比率の見直しやそれから負担の適正化、これはよく言われておりますが、直接税が多いために勤労者の負担が非常に多くなっていくといったようなことは臨調のときにも随分議論をされた経緯があります。今直接税の比率が高いということは、要するに勤労者のいわば負担率が非常に高くなる、そのあたりの負担の公正というものを考える必要があるということが当時議論をされ、臨調答申の中に検討課題として明記されておるわけであります。
今般の税制改正は、私どもの伺うところでは公平、公正、簡素、選択、活力の理念に立脚して行われると承知をいたしておりますけれども、そういう意味で臨調答申の趣旨を踏まえつつ検討が行われておるのだろうと思います。
もちろん、先ほど久保田先生が、いわば公約との関連において大臣に御注文をおつけになるというお考えはわかることはわかるわけでありますけれども、そういういわは直間比率の是正、それによる勤労者の負担の軽減という効果は臨調答申で税制改正の一つの課題として掲げた課題であるということについても御理解おきを願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/69
-
070・久保田真苗
○久保田真苗君 臨認答申が、おっしゃっているようなことを言っていることは確かですよ。ただ、そのこと自体について大いに議論がございました。そして、それは大衆課税であるという反論が非常に強かったわけです。それであるから、総理も選挙前に大型間接税はやらないとおっしゃって、そして自民党の方々も選挙のときに運動の中で、そういうことはやらないとおっしゃってきた方が多分大部分であろうと思うんですね。それで今度は、それは八七%の事業者から取らないんだからと事業者だけに対しておっしゃっているのは幾ら何でも詭弁過ぎやしないかということを申し上げているわけです。そして、逆に九割の消費物資の売上高に間接税がかかっていくものが何ゆえに大型間接税ではないのかということを私は言っている。臨調がそう言ったにもかかわらず、自民党の政治家の皆さんがそれを否定なさるお約束を国民になすってきたんですよ。そこのところを私は申し上げているわけです。ですから、私が今文句をつけているのは、臨調に対してではなくて自民党に対して申し上げているわけです。
それで、台湾のことを言われました。確かに台湾は物価も安いし非常に暮らしよいところかもしれません。日本はその意味では物価は世界の中でも有数に高いところだと思います。
長官、私ちょっと脱線しますけれども、この際ぜひ申し上げておきたいのは、特に日本は食料の高い国だと思うんです。それはこの間の農水省の試算でも出ましたとおり、生産者の経費に関して言えば二倍から八倍くらいの間に入っていますね、いわゆる他の国との比較ですけれども。消費者価格に対してもやはり二倍から三倍ぐらいの間にいろいろな食料品がレンジしているわけです。ところが、そういう基礎的に高いものが最近そんなに上がっていないからという理由で間接税をいろいろなものにおかけになっていくということは大変なことです。なぜならば、輸入品の還元率も電気、ガスを除けば非常に遅々たるもので、私どもがG5以来かねて不満に思っていたことが一年たってもちっとも解決されておらない。こういう
物価の中で、つまり初めから上げ底になって高いものにですね、高い物価なんだということを台湾との比較では私は特に申し上げたいんです。
それから、ここに農水省をお呼びしていないのに名を挙げては恐縮なんですけれども、例えば牛肉、乳製品、こういったものの価格が今円高差益で関係の事業団に非常にたまり込んでいるわけですね。しかし、それを消費者に還元するように放出は決してなさらない。法律で決まっている安定価格帯の上限を超えた値段で、ここG5から一年、上限を超えた値段でずっと推移しているんです。私には全く理解ができない。こういうことが許されながら、何ゆえに一方において大型間接税がなおかつその上に諸物価にかかってくるのか。私は、これでは余りに国民は踏んだりけったりだと思うんですね。
間接税あるいは増減税の問題につきまして、所得階層その他についてやりたいと思っておりましたけれども、もう時間が午前中は終わりかけますので、今述べましたように、日本は基礎的な物価がもともと高い国なんだ、だからそれに関連して、いろいろな税制あるいは行政改革というようなことにこれからまた踏み出していかれるわけなんですけれども、そういうことを考えていただいて、少しは国際水準にさや寄せをしたような物価が出現するように、ぜひそのことを念頭に置いていただきたいと思いますが、長官、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/70
-
071・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) ちょうどきょう、先生のおっしゃったことが閣議で問題になりました。総理から特に、確かに円高それから原油安ということで電力、ガスは還元ができるが、農産物は一体どうなんだ、もっと国際競争力をつけるような方法で加藤君考えなさいというような発言がありました。小麦の問題についても、今鋭意農水省とそれから大蔵省の間で詰めております。そば、うどん、そういうめん類、パン、そういうものについてもうんと競争力をつけるようにしなさいと。それから食肉、こういうことについても総理から発言がありまして、それぞれの担当者はまず食料品について本当に政府がよく努力してくれておるなということがわかるように、具体的な数字を挙げて、各省大臣は先頭を切って指揮をしてくれという発言がありましたけれども、これはかなり深刻に受けとめておりました。
私はきょうの閣議はよかったなと、こう思います。先生の意見はきょうの中曽根総理と全く同じ意見でございます。めったにないことでございますので、ぜひそのことを申し上げて、御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/71
-
072・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時三十分まで休憩いたします。
正午休憩
─────・─────
午後二時三十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/72
-
073・岩本政光
○委員長(岩本政光君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、臨時行政改革推進審議会設置法案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/73
-
074・久保田真苗
○久保田真苗君 初めに、外務省、この間私はこの委員会で、イランに対する特使の問題で旅券等のことについてお伺いしました。それについて後から御訂正がありましたので、それならばこの席で再答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/74
-
075・久米邦貞
○説明員(久米邦貞君) 十二月四日の本委員会におきまして久保田先生から、本年一月の藤尾前政調会長のイラン訪問及び昨年八月の中山前大使のイラン訪問につきまして御質問がありました際に、この御両名の旅券につきましての先生の御質問に対しまして私から、お二方とも外交旅券で行かれたということをこの席で申し上げたわけでございまして、これは私ども関係者一同そういうふうに記憶しておりましたのでそうお答えしたわけでございますけれども、その後旅券発給の記録を調べてみましたところ、中山前大使につきましては外交旅券を確かに発給しておりますけれども、藤尾前政調会長につきましては公用旅券が発給されておることがわかりましたので、早速久保田先生の方に訂正を兼ねておわびを申し上げた次第でございますけれども、本席をおかりしまして本委員会に対しましても右訂正を確認させていただくとともにおわび申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/75
-
076・久保田真苗
○久保田真苗君 したがいまして、藤尾特使といいますかの旅行と外務省の関係というのは便宜供与ということに理解できるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/76
-
077・久米邦貞
○説明員(久米邦貞君) 藤尾前政調会長のイラン御訪問につきましては、外務省でいろいろ準備をさせていただきました。同時に、この機会を利用いたしましてイラン側のいろんな要人と会われましたので、これは藤尾前会長のお立場として意見交換をしてみたいということでございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/77
-
078・久保田真苗
○久保田真苗君 外務省は結構です。
それでは、先ほどのポスト行革審法案に戻ります。
総務庁長官が三十分ぐらいおくれられますね。——そういたしますと、ちょっと順序を変えまして、主として事務当局からお答えいただけることを先にやってまいります。
行革の成果というものを振り返ってみますときに、いろいろとおやりになった、確かに一部については非常に積極的かつ拙速でおやりになったという印象を持っておりますけれども、しかし臨調の御答申から見ますと、国民にとって、私どもに大変関心の深い事項についての行革は意外に進んでいないんですよ。その一つは中央官庁の統配合の問題、もう一つは情報公開、それから行政手続の問題だと思います。つまり、国民に対して行政情報を公開する、あるいは行政から受けた国民の被害を救済するという面の手続については、答申の中に強調されているにもかかわらずその面が進んでいないと思うんです。
それでまず、情報公開のために調査審議の機関を設けるということをうたっている答申の内容に対して、総務庁は何をしたかということを伺わせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/78
-
079・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 情報公開問題研究会というものを、これは学識経験者を集めまして開催いたしておるわけであります。
〔委員長退席、理事亀長友義君着席〕
何分にも新しい制度でありまして、なかなか難しい問題がありますので、ただいま種々調査研究をそうしたような会合を持ってやっておるというのが今の段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/79
-
080・久保田真苗
○久保田真苗君 調査研究のための会合は幾つ持たれましたか。幾つの会合、研究会が発足されたんでしょうか。そのことをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/80
-
081・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 昭和五十九年三月から七人の専門家の参集をいただきまして開催いたしております。年間八回程度開催しておりまして、本年度は十二月までに五回開催いたしております。こういうふうな経緯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/81
-
082・久保田真苗
○久保田真苗君 今、とっさにお答えが出なかったんですけれども、このことはそれくらい忘れられているんじゃないかという疑いを私は持っています。
それで、今おっしゃいました五十九年三月発足の情報公開問題研究会は最終的にはどういう形で終わることになっていますのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/82
-
083・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) この情報公開の問題は、御承知のとおり検討の領域も広くてまた今後とも各般の検討を進める必要があるわけでありまして、これからも諸般の検討を続けざるを得ないだろうと思います。具体的に申しますと、例えば、諸外国における情報公開制度とか、地方公共団体における制度の運用とか、あるいは判例の動向とか、また関連する諸制度等まだ研究する分野が多いわけでありまして、具体的に今どういうふうな結論あるいはどういう見通しであるかということについてお答えができるような段階ではないことについて御理解を賜りたいと存ずるわけであります。
〔理事亀長友義君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/83
-
084・久保田真苗
○久保田真苗君 こういうものについてなぜ一定の研究終了年月をあらかじめ予定しないんでしょ
うか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/84
-
085・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 臨調の最終答申でもって情報公開、あるいはプライバシー問題、それから行政手続問題、こうしたようなことにつきまして御答申が出ております。その中でこれは先生御承知のとおり、この領域は我が国にあっては全く新しい分野であるということ、それだけにいろいろと関係領域が広いしまた研究をしなければならない分野が多いというふうなことで、専門家の研究の場を設けてこのあたりについて検討する必要があるという御指摘をいただいてただいま申し上げたような研究会を開催いたしておるわけであります。
それだけに、先ほど申しましたように、諸外国の制度あるいは地方公共団体の運用実態、それから我が国の関連する諸制度、やはり相当研究を要する分野であろうと思うわけであります。なまじっか拙速によって制度を組み立てるというふうなことには恐らくなじまない。それだけに私どもとして専門家に御参集いただきましていろいろと研究をいたしておるということでありまして、その点御理解をいただきたいと存ずるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/85
-
086・久保田真苗
○久保田真苗君 集めていらっしゃる委員の方は大学教授ですね。大学教授ばかりの人選が本当に適当なんでしょうか。つまり、こういうことを学問的に取り上げておりましたら数十年もかかるんではないかと、気の遠くなるような思いがするわけです。しかし一方、情報公開というものは民主主義の政府の前提として非常に強く求められてきましたし、地方自治体において国よりも先んじてこのような方法を取り入れているところが出ておるわけでございますから、長くかかるといっても、およそ三年なのか、五年なのか、それともそれよりももっともっと研究を続けるのか、その辺のめどは一体どうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/86
-
087・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 確かに、おっしゃるように、今お集まり願っておりますのは皆さん行政法あるいは憲法、政治学、民事訴訟法、こうした分野につきましての専門家の方々であります。要するに事柄がそれだけ専門的であり、また十分な検討を要する課題であるということで、そういう方々に御参集を願って検討願っておるということであります。
臨調の答申のときにも当時、一体こういう新しい制度についての研究はどの程度かかるだろうかというふうな議論があったやに承知をいたしております。ただ、やはり新しい分野であるだけに、今直ちにその研究の年限を切ってしまってもこれはいささかいかがなものであろうか、そういうふうな御論議があったやに承知をいたしておりますけれども、これにつきましては相当程度の諸般の研究を続ける必要があるものと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/87
-
088・久保田真苗
○久保田真苗君 そうしますと、大体何年ぐらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/88
-
089・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 何回も申し上げて大変恐縮なのでありますけれども、率直に言いまして、この間衆議院でも御質問がありましてお答えをしたんですが、実際問題としてむしろこういう問題についてのファクトファインディングの段階である、そこでいわば理論構成を十分に行える段階に実はまだ至っていないわけであります。
先ほど先生から一体何回ぐらいやったんだというお話がありまして、私から年間八回程度ということを申し上げましたけれども、今ちょっと記録を見ますと現在まで実は二十一回やっておるんです。しかしながら、いろいろとまだ諸外国の制度その他の研究を続ける段階であって、ファクトファインディングをまずしっかりやらなけりゃならぬ、こういうことでありますので、今は時期につきましての見通しを申し上げられる段階にないことを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/89
-
090・久保田真苗
○久保田真苗君 ファクトファインディングでしたら事務局の方がアタッシェを通じて——ともかく主要国はみんな情報公開法という法律をちゃんと持っているわけですよ。アメリカなんかに参りましても、一つの省の例えば一階のかなり見えやすいところにファイリングとそれから棚のある情報公開の部屋がありまして、そこへ市民はもう容易にアクセスが持てるという状態でございましょう。そんなことは、事務局の方がお調べになったらもう一カ月、二カ月ぐらいの間にすぐできてしまうんじゃないかと思うんです。ファクトファインディングというのは一体どういう方法でやっていらっしゃるんでしょうか。
私、何もそんな難しいことじゃないと思うんです。これは行政が持っている情報の公開ですから、役所の方が一番よくわかっていらっしゃる。それに対して学者の方が一定の基準を提言していらっしゃるということだと思うんですよ。ファクトファインディングに二年以上もかかるなんてそんなことがあるんでしょうか、その辺どろなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/90
-
091・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) この情報公開制度につきまして、今ファクトファインディングと申し上げたゆえんは、おっしゃるように各国でいろいろとその制度が設けられておる、この制度はいわば各国の法制の中でぽつんとただ一つ孤立しているわけでありませんで、いろいろな制度と関連性を持ってこれが運営されているわけですね。その意味で、今二十一回の研究会を一応やったと申し上げましたけれども、例えば、欧州諸国、オーストラリア等における情報公開制度の運用と問題点とか、それから地方公共団体における問題点とか、そういうたぐいのものにつきまして、一つの体系の中の運用のあり方等について諸般の調査結果を学者の方から承っておる、そういう話がいろいろとあるということでありまして、そうしたものを整理してこれから順次いわば体系づけていくのだろうと思うわけであります。
なお、そうしたような研究につきまして、御承知のとおりあちこちでやっているわけでありますけれども、またそのバックグラウンドとなる諸制度もいろいろと違うわけでありますからそのあたりの整理をやる。それからもう一つ重要なことは、運用に当たってのいわば費用効果の問題が多分にあると思います。要するに関係機関の意見とか、あるいは実際の費用効果の問題とか、そのあたりについてもいろんな分析を一応行っておるというのが現状であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/91
-
092・久保田真苗
○久保田真苗君 ファクトファインディングはこれで終わるわけですか。まだまだこれからファクトファインディングをなさるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/92
-
093・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 今の研究会のメンバーの方々のお考えを個人的に幾人かにお伺いをしたわけでありますけれども、まだまだ大分勉強する領域があるよというふうな御感想であります。私どもとしてもそうしたような研究をさらに続ける必要があるだろう、このよつに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/93
-
094・久保田真苗
○久保田真苗君 学者の方がいろいろおやりになれば、それは切りがないことなんです。でも、これは国のお金を使ってやっている行政の諮問機関なんですよ。ですから一定のめどをつけて——いつどうなるというめどがないんじゃ、これ何十年もこのまま研究会を転がしていただくというわけにいかないと思うんですね。ですから私、大体のめどを伺いたいんです。今、道半ばなのか、それとも三分の二ぐらいは来ているのか、その辺の見当はどういうふうにおつけになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/94
-
095・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 先ほどから何回も同じような御答弁をしているんですけれども、そのめどのっけ方がなかなか難しいのが率直なところであります。ただ、もちろんこれは臨調のときの課題でありますから、そんなに遅くまでほっておくわけには私はまいらないと思うんです。今御審議をいただいております。ポスト行革審でもこのあたりのお話についてはいろいろと御聴取を願いまして、これからの方向づけ等もまた議論していただくというふうな話にはなってまいるのだろうと思います。これはおっしゃるようにまさしく、ファクトファインディングと申しましたけれども、今これを積み重ねていくことが大変重要ではありますけれども、これを切りなく続けるという話にもなかなかまいらないというふうな認識はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/95
-
096・久保田真苗
○久保田真苗君 ともかく、国庫補助を一律削減するというような法案は、何十本も束にして、私どもの審議時間を極端に制限してがあっと押し通していらっしゃる。その反面にこの情報公開という特定の分野については何年でもいいというわけにはまいらないんですよ。これは私どもは早くから待望していることでして、これは局長の御責任でポスト行革審でけりをつける、そのぐらいの決心はしていただかたさゃならないと思うんですけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/96
-
097・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) ポスト行革審でどういう御論議ないただくかということについては、その行革審が一応できた段階で、当然のことながら委員の方々が政府側から今までの推進状況につきまして御聴取をいただいてお決めいただくということが基本になるんだろうと思います。
ただし、おっしゃるとおり、この情報公開あるいは行政手続の問題、こうしたいわば行政のソフト面につきまして政府が当初臨調で言われたような水準までまだ十分にいっていないこともまた確かに事実だと思います。その意味で、こうしたものにつきましては当然御論議をいただかたさゃならぬということに一応なってくるんだろうと思いますね。私どもとしてもこうしたものにつきまして、今後とも整理をつけてまいるようにいろいろと努力をしてまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/97
-
098・久保田真苗
○久保田真苗君 オンブズマン制度研究会というものをやっておいでですね。そしてことしの六月に報告書を出していらっしゃる。これは大分前から始めていますね、昭和五十五年からですか。そしてこれはオンブズマン機能の導入を図るべきであるという結論が一応出ているんです。そうしますと、一応事は行政レベルに移ったと考えていいと思うんですけれども、総務庁としてはこれをどういうふうに生かしていくおつもりでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/98
-
099・山本貞雄
○政府委員(山本貞雄君) ただいま御指摘のオンブズマン制度の問題でございますが、御指摘のとおり臨調、行革審の答申でも指摘されておりますし、また政府といたしましてもその検討方について累次の閣議決定を行っておるわけでございます。ただいま仰せのとおり、先般のオンブズマン制度研究会、本年の六月に研究会としての報告が出ております。その中におきまして既存苦情救済制度の活性化方策、ただいま行政相談制度とかいろんな制度がございますが、そういった救済制度の活性化方策につきまして提言いたしますとともに、新しい仕組みについての構想が提示されております。導入することが望ましい、こう言っておるわけでございます。同じころ、行革審の最終答申におきましては、これを踏まえましてさらに具体的な検討を政府において進めるべきである、こういうふうにまた言っておるわけでございます。
ただいまのこの報告書のうち、新しい仕組みの導入に関しましては、同研究会の報告も指摘いたしておりますごとく、実際にこれが有効に機能する仕組みといたしますためには、総務庁の行政相談等の既存制度との連携のあり方あるいは取り扱う事案の範囲等々、これをさらに具体的に検討すべき点がいろいろ残されておると思います。御案内のとおり、ゲルホンのその著書におきまして我が国の行政相談制度を日本におけるオンブズマンと、こう位置づけておるわけでございまして、さらに新しいオンブズマンの制度を設ける場合に、その相互の関係を一体どうするか、さらに扱う問題の範囲をどうするか、現実の行政ベースに乗せます場合は相当具体的な検討が必要でございます。したがいまして、現在いろいろ検討いたしておりますが、結論の時期につきまして現在必ずしもお答えできる段階ではございませんが、総務庁といたしましてはこの研究会報告を踏まえまして、できるだけ速やかに結論を得るということでただいま局内において鋭意検討会を開催しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/99
-
100・久保田真苗
○久保田真苗君 結局、国民の信頼を行政に持ってもらうということのためには、今の制度が十分でないということは明らかなんですね。総務庁でも行政相談をやっていらっしゃるし、いろいろな行政訴訟とか行政不服審査といったような制度もあるんですが、このリポートにあります内容を見ますと、物によって違うけれども、しかし普通の民事事件に比べて行政事件の場合というのは原告敗訴の率が非常に高いんですね。棄却されたり却下されたり、そういう比率が非常に高いんです。そしてこのリポートとしては、最終的に裁判所が国民の救済のとりでだとしても、行政事件というのは敗訴が多い、あるいは長期間を要するという意味合いにおいて国民の利用しやすいものではないということです。
それだけに、せっかく行政改革が行われている中で、いたずらにいろいろな行政相談等の種類が多いけれども、要は国民がここへ行けば何とかなる、そしてその人が国民に事件の取り上げ方というものについて十分適切なアドバイスができる、それだけの資格あるいは知識があってしかも国民のサイドに立って事件を扱ってくれるという人が、そういう機能が欠けているんじゃないかと思うわけです。
ですから、もうこれだけの結論が一応出ているわけですから、私は総務庁としてこれをどう生かすかということでぜひ早く手を打っていただきたいものだ、こう思うわけですね。そのことをお願いしておきたいんです。これは大変簡素、効率的な制度であると思いますから、日本の実情に即して、国民がそこへ行けば助力を得られる、そのようなものにしていただきたい、そういう制度を早く設けていただきたい、こういうふうに思いますが、いかがなものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/100
-
101・山本貞雄
○政府委員(山本貞雄君) 極めて尊重すべき御意見だと思います。
御指摘のとおり、この研究会報告で言っておりますオンブズマンの制度といいますものは、必ずしも行政事件訴訟あるいは行政不服審査のようないわば法的な制度ではございませんで、極めて簡便にして、いわば国民の有識者の御意見を伺いながら処理していく、こういう制度であろうと思います。
御案内のとおり、私どもが行っております行政相談制度はもちろん役所が行政ベースで受けて処理いたすわけでございますが、同時に、全国に四千七百八十九名の行政相談員、これは民間有識の全国の方々でございますが、こういった方々がお受けになり、その方々のいわば国民サイドでの立場での取り扱い、こういうものが一方においてございます。同時にまた、全国の管区におきまして、私ども運用上いわばミニオンブズマンと言っておりますが、その中には弁護士、大学教授あるいは民間の各界の有識者数名でもって、非常に難しい事案を国民的な有識者の立場で取り扱って運用していただいておる。現実に何十万件とございます事案を必ずしも単一の中央のオンブズマン委員会だけで処理できるわけではございませんで、全国的な広がりの中での民間有識の意見も反映さしていく、こういった現在の制度との関連もございます。
したがいまして、本年六月の研究会の報告も踏まえまして、先ほど私が申し上げましたように、既存の救済制度との連携、関係の問題、あるいは仮にオンブズマン委員会のようなものを設けました場合にその取り扱う範囲を一体どうするかとか、行政ベースに乗せます場合は相当いろいろ問題がございます。この点は、そういった研究会の報告を踏まえまして今後鋭意詰めてまいりたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/101
-
102・久保田真苗
○久保田真苗君 それで、見通しはいつごろですか、いつごろになりそうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/102
-
103・山本貞雄
○政府委員(山本貞雄君) 私ども決してこの検討を引き延ばしておるわけではございませんで、先ほど申し上げましたように、いろいろ詰めるべき問題、具体的には例えば取り扱うべき事案の範囲とか、具体的に相当検討してまいる必要がございますので、今の段階で何年何月と申し上げるのは率直に申し上げまして差し控えさせていただきますが、いずれにいたしましても、私どもはできるだけ速やかに鋭意検討を進めたい、このように
思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/103
-
104・久保田真苗
○久保田真苗君 総務庁長官がお戻りになりましたので。今まで政府委員の方に、行革のうち残された課題というものの一つとして非常に関心があります情報公開制度が、待望されながらまだ本当に検討を始めたという程度の段階で残されていることを残念に思っている。そこで見通しなどを伺っていたところなんです。
それで、今回のこれまでの行革ですけれども、ある面では非常に精力的かつ拙速に過ぎると思われるほどにやられているんですけれども、しかし残された課題というものがまだいろいろとございます。その中で、一つは中央官庁の統廃合の問題が残されているんじゃないか、私はこういうふうに思うんです。つまり、例えば総務庁ができたということが一つですし、それから内閣官房の権限と人員がふえて、いわば行革の中での焼け太りという状態だということもございます。それから、地方行革というのを随分突出してお進めになっていることもわかります。しかし中央官庁の統廃合の問題は、官僚の抵抗が多いせいですか、ほかのものよりどうも甘くなっているんじゃないか、そういう印象を持っているわけです。
それで、旧行革審では国土三庁——国土庁、北海道開発庁、沖縄開発庁の統合の問題を取り上げているんですけれども、率直に言いまして、この二つの開発庁は、資金の手当ては必要ではあるにしても、今や地方公共団体がやってよろしいんじゃないかという感じを持っておりますけれども、これは今後どのようにお進めになるおつもりでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/104
-
105・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 御指摘のように、臨調答申では国土に係る行政体制のあり方につきまして、整合的、効率的な行政の展開を図る必要があるということで、国土開発三庁の企画調整機能の強化のために国土庁、北海道開発庁、沖縄開発庁の統合を提言した次第であります。統合につきましては、北海道、沖縄県はともに地域的特殊性がありますので、その機関が担当する行政の特殊性にも配意し各方面の意見を聴取しつつ検討を進めていく必要がある、このように思いまして今諸般の検討を進めているわけでありますが、政府におきましては、その答申の趣旨を踏まえまして、まず国土開発関係三庁連総会議を設けまして、関係行政施策及び計画の円滑な調整と整合的かつ効率的な運営に努めているところであります。
このようないわば連絡会議での調整を進め、それからまた関係機関といいますか、都道府県あるいは市町村、そうしたところの御意見も承りつつ、今後さらに考えてまいりたい、このように存じておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/105
-
106・久保田真苗
○久保田真苗君 総務庁長官、結論的に申しまして国土三庁の統合はこれからも続けて推進されるというふうに考えてよろしいのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/106
-
107・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 今管理局長が御答弁申し上げましたが、第三次中曽根内閣の閣僚の配分を見ましたときに、この国土庁に沖縄それから北海道というものを加えて、そして担当大臣を綿貫国務大臣一人にした、これが一つのあらわれか、このように理解をしていただきたいと思います。
それだけに、今局長が答弁しましたように、連絡会議などを開いてそして意思の疎通を図りながら答申の方向に向かって進んでいくということはほぼ間違いがない、このようにお考えいただいて結構かと思います。
それから公開の問題、私からもちょっとお答えしておきますが、実はきのうだったかおとといだったか、私三十八度ぐらいの熱を出して寝ておりましたら、ちょうどこの人たちがやってきて、官房長もやってきて、かくかくしかじかで早くやりたいということを言っていましたが、これはなかなか難しい問題があります。各省のいろいろな問題が絡んでおります。しかし、やりたいということは、いずれかの日に法律をつくって出したいという考えでございまして、これだけはまだどこにも言っておりませんが、そういう考え方で総務庁は本当に前向きで検討しておるということを御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/107
-
108・久保田真苗
○久保田真苗君 もう一つ残されてしまって非常に残念な行革に、さっきから質問に出しております情報公開というのがあるんですね。この情報公開にしましてもプライバシーの保護にしましても、国民のサイドに立ちまして、政府に都合の悪いものは検討中、検討中というふうに出てくるんですよ。そして、行革の推進状況の報告にも検討、検討と続いて書かれておりますし、また旧行革審の中では臨調で出されたほどの情報公開の旗振りというものはすっかり影を潜めまして、ただ「推進中のもの」「今後の課題」と、一覧表の中で数行出ている程度に落とされてしまっている。これは一体どういうことなのか。
どうも、旧行革審は情報公開については余り熱意がなかったというふうに断言せざるを得ないのではないかと思うんです。情報を公開するということは官僚にとって非常に都合の悪いことが多いことは事実かもしれない。しかし、そこが国民の知る権利でございますし、官庁としてはそれを知らせなければならない義務があるというふうに思うものですから、このように抵抗の多い部分が先送りされてしまったということを私は今この際強く申し上げまして、情報公開をポスト行革審あるいは総務庁の立場で強力に取り上げていただきたいということをお願いしたいのでございますが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/108
-
109・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 情報公開問題についていろいろと御質問をいただいたわけであります。先生の御趣旨については私どもある程度理解をしておるつもりであります。
今の、臨調とそれから旧行革審、臨調では積極的にこれを提言したけれども旧行革審では余りこの点は触れていないではないかという御指摘については、旧行革審は臨調答申の推進であって、臨調答申で具体的に一応出ているものにつきましては直接取り上げることは実は余りやらなかったという経緯もあるわけでありますけれども、政府としてはこれは課題であるというふうに受けとめておるわけであります。先ほどからいわば制度化の問題だけについて御質問もあり、私もお答えを申し上げたわけですけれども、実はこの機会にちょっと申し上げたいのであります。いろいろと運営上の当面の措置は一応とっているわけであります。これは久保田先生ももう御承知をいただいている話でありますけれども、念のために申し上げます。
臨調答申では情報公開につきまして、当面行政運営上実施する措置として、文書閲覧窓口の整備充実等をしろ、こういうお話をし、これにつきまして政府は、行革大綱によりましていろいろと窓口の整備だとか閲覧目録の充実などをやってまいったわけであります。文書閲覧窓口につきましては、昭和六十年十二月には十八万件にまでなっております。当初始めました時期に比べまして八倍とかいう水準まで一応上がっておるわけであります。それから、「国立公文書館への公文書の移管を一層促進する」というようなことについても、いろいろと手当てはいたしておるわけであります。また、「白書類の充実等」につきましても、各省庁相連携してやっておるわけであります。その他、「行政情報のリスト化」によって国民の皆様方の御照会にこたえるというふうな仕組みについても実はやっておるというふうなことで、いろいろとやっておるわけなのであります。
ただ、今先生から御指摘のありましたいわば諸外国同様の情報公開制度というものを設けるということにつきまして、先ほどから私申し上げておりますように、これは臨調でも言われておりますように、全く新しいこれからの制度でありますから、そのための研究会を設けましていろいろと勉強をいたしておる。この時期についてなかなか、研究会は二十一回も開催したわけでありますけれども、まだ見通しがつかない。これは大変申しわけないと思いますが、そんな状況であります。これからもいろいろと努力をいたしてまいりたい、このように考えておりますので御理解を賜りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/109
-
110・久保田真苗
○久保田真苗君 現在自民党の中で、さきに廃案
となったスパイ防止法案、これに多少の手直しをして通常国会に再提出する動きがあるということを承っておるわけでございます。
それで、このスパイ防止法案は幾ら手直ししてもその本質は変わらないと思うんですけれども、情報公開に関連してこのスパイ防止法案というものが一つのネックになって、情報公開は、臨調答申の中でせっかくいいことも答申しているのに、そのいいことは残してしまったというその原因になっているんじゃないかと思いますけれども、この点はどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/110
-
111・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 臨調で出されました情報公開制度は、先生先ほどからお話しのとおり、国民に対して行政情報を公開することによって、一層公正で民主的な行政運営を実現し、行政に対する国民の信頼を確保するということを目的として答申されたものと理解をいたしているわけであります。
一方、これは私ども直接の関係はないわけでありますけれども、いわゆるスパイ防止法案は、スパイ行為等を防止することによって我が国の安全に資することを目的として検討をしつつあるというふうなお話として承知をいたしておるわけであります。したがいまして、両者それぞれその目的なり必要性という点はいわば別々の問題であるというふうに私ども理解をしているわけでありまして、情報公開制度の検討が、例えば今のスパイ防止法の法案というふうなものに絡んで検討がおくれているというふうなことは全くございません。情報公開の問題は、それはそれとして私ども一応検討をいたしておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/111
-
112・久保田真苗
○久保田真苗君 総務庁長官、もしそういうことでありますならば、情報公開制度の重要性は今さら申し上げるまでもないことだと思うんですけれども、やはりこれは開かれた政府というものを確保していただくという意味合いにおきまして、各省庁いろいろございます、いろいろございますけれども、そこに共通の情報公開制度をつくっていらっしゃるのは総務庁だと思うんですね。そういう意味で私は、ぜひ総務庁長官に開かれた政府を国民に対して保障していただく立場でこのことに臨んでいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/112
-
113・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 御趣旨は全くもっともでございますので、そのような方向で今検討をしておる最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/113
-
114・久保田真苗
○久保田真苗君 今総務庁長官がおっしゃった検討なんですが、昭和五十五年五月二十七日の閣議了解にございますんですよ。これはこういうことを了解しているんです。「我が国の実情に合つた情報公開に関する法制化の諸問題について幅広く検討を進める。」と。「検討を進める。」ということは目的に向かっていくということでしょうし、この場合、目的というのは「情報公開に関する法制化の諸問題」ということになりまして、一応法制化というものを前提として幅広く検討を進めていく。これが昭和五十五年でございます。でございますから私は、総務庁長官のお答えは、当然この線に沿って、しかもこれよりも何歩か進んだものであってほしい、こう思います。ぜひ積極的なお取り上げをもう一度お約束いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/114
-
115・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 先ほども御答弁申し上げましたが、総務庁としてはなるべく早い時期にということで、私はそのときには首になって、おらぬでしょうけれども、しかしその基礎だけはつくっていきたい、このように考えております。本当に検討、検討でなしに、検討は具体性を帯びた検討である、このように御理解をいただいて結構かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/115
-
116・久保田真苗
○久保田真苗君 どうもありがとうございました。
次に、新行革審の委員の任命についてなんですが、総理はかねてから特定の財界人とか一部の特定の学者を繰り返し登用していらっしゃるんですね。これは総理の思っていらっしゃる方向に政策を誘導する役割としては極めて有効だったと思うんですが、今回設置しようとしておいでの新行革審の委員については、一体どういう視点で人選をなさるおつもりでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/116
-
117・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 私は、かねてから申し上げておりますように、フレッシュなということであります。党とよく相談をする。これからいろいろ具体的な問題に入っていきます。農政の問題もしかり、金融資本の問題もしかり、それからODAの問題もしかり、自治体の問題もしかり、そういうことでそれぞれ応援団がついていまして、その族、何々族というのを納得させないとなかなか難しい問題でございますが、そういう問題について政府に対しても果敢にいろいろなお言葉をいただくような具体的行動性のある方、そういうことを基準にしながらやってきたわけでありまして、また自民党としても行財政調査会というのがありまして、そこで相談をしながらやってきましたが、とにかく八十歳以上の人はこの際やっぱりそれぞれの偉い立場についていただきまして一応七人の委員から外れてもらうというような、そういう基本路線をしいてそして人選に当たるつもりでございますが、何せ今審議をお願いしておる最中でございますので、ついでに申し上げて恐縮ですが、白紙でございます。本会議で申しましたように、富士山の白雪のごとく白紙でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/117
-
118・久保田真苗
○久保田真苗君 本当にそうであるべきですよ。ところが、これが新聞でもう既に会長も決まり、会長代行も決まっちゃっているんですね。そしてそれは決して一紙ではなくて各紙が一斉に報じております。こういう情報は一体どこから出ますんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/118
-
119・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 今のマスコミ、いわゆる新聞、テレビ、ラジオ、そういうのを見ておりますと、過去においても、新行革審が成立した暁にはという予測でございますが、人事についていろいろと名前が出ておりましたが、その方々が消えてしまったりすることが非常に多うございます。今度もうたかたの泡のごとく消えてしまうかもわからぬし、あるいはそのまま残るかもわからぬし、これからの御審議を願った後の勝負でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/119
-
120・久保田真苗
○久保田真苗君 前回、臨教審のときも、国会でもってまだ法案を審議しているときにもう委員の名前が出てきたんです。そしてこれは国会の審議を大変に軽視しているんだというそういう批判を受けておるわけです。また今度こういう状態なんですね。これは私はとても遺憾なことだと思います。そして国会に対してばかりでなく、この法案を読みますと、会長は互選ということになっているわけですね。それから会長代理はあらかじめ会長が指名する委員が代理する。だから、会長が決まって、そしてその方があらかじめ指名をしておくという手順が決まっておるその法案が今ここでかかっているわけでございましょう。それなのに、何かもう委員の方が会長の互選をなさったのか、会長は代理を指名されたのかという、そういう状態になっています。これは大変私は遺憾だと思うんですが、どういうふうに御説明なさいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/120
-
121・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 私はあの報道を見まして、これは五島さんにも御迷惑をかけたなというのでおわびに参りましたことはあります。それは翌日でございましたが、そのとき五島さんに半年ぶりで会ったわけであります。また代行だと言われております瀬島さんにつきましては、きのうの夕方外国へ行ってお帰りになったので、まだ会ってもいなければ電話もかけていません。今ここではっきり言えることは、こういう先進国では非常に強くなったマスコミ、これを私たちは第四権力とも呼んでおりますが、第四権力に対して、国権の最高機関の国会のメンバーであるし、ましてやまた行政府の私らメンバーですが、それがああでないこうでないと言うことはまた僣越至極でありまして、そういうことを言おうものならあしたの日に玉置このやろうと言ってやられることは間違いがございませんので、この辺も十分警戒をしながら今後進めてまいりたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/121
-
122・久保田真苗
○久保田真苗君 マスコミの方がこれお選びになったわけではないと思うんですけれども、こう
いうことがないようにしていただきたいんですね。これはどこからそういうことが漏れたので、多分そのとおりになるのではないかなどと私どもは思っております。
そして、それでしたら、もし富士の白雪でしたらば注文がございます。長官がおっしゃるようにフレッシュな人選というのは非常にいいことなんでございます。そして、日本には各界に有識者だのそれから人材はたくさんいらっしゃる、その中にフレッシュな方はもちろんたくさんいらっしゃるわけです。そうなりますと、前回の臨調とそれから旧行革審、この両方に重ねて委員を二度なさった方が三人あるんですよ。そういう方は今度はもう御遠慮をいただいてよろしいんじゃないか、こう思うんですが、長官どうお考えになりますでしょうか。フレッシュにひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/122
-
123・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) これとても貴重な御意見として承りますが、全く白さも白し富士の白雪でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/123
-
124・久保田真苗
○久保田真苗君 余り古い方が何度も登場なさいますと白さも白しになりませんのでどうぞよろしくお願いいたします。
それから次に、ちょっと細かいことになりますのですけれども、旧行革審の中で一つ私は非常に問題があると思うんです、その運営のやり方に。それは小委員会方式が取り上げられていることなんですね。もちろん専門的な事項を審議するのに小委員会が全く悪い、そういうことを言うわけではございませんけれども、しかし前回は、実に十三の小委員会とか分科会とかいう名前でつくられまして、審議会の委員のほかに五十九人の参与がこれに参加しておられるわけです。例えば機関委任事務に関する小委員会ですとか、第一次地方行政推進小委員会ですとか、そういったものが十三もあるわけです。ところがこの構成を見ますと、五十九人の参与のうち三十九人が元官僚なんです。これは六六%、ちょうど三分の二に当たるんです。そして財界人が十六人、二七%、労働界が四人、たった七%なんですね。こういうふうに見ますと、行政改革というものが、役人の手でみずから自分の座っているいすを上げることができないということでこういう有識者の会合を持っているということであるにもかかわらず、元官僚が三分の二加わるということはこれは実際問題だし、自己撞着だと思うんですね。この点については長官、どういうふうにお考えになりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/124
-
125・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) これはまだ内容的に詰めていませんが、私は、今後は思い切ったことをやらなきゃならぬからやっぱり相なるべくは余り官界出身の方にお世話にならない方がいいんじゃないか。基本的にはこう考えておりますし、前回十三あったようでございますが、そんなに多くならないでタブーに絞ってそして必ず成果を上げる。それで国民に、なるほど政府はよくやっているなというふうな御支持、御声援を得たい。そこで、初めて政治の信を国民につなげるじゃないか、こう思っていますので、今の分科会の問題につきまして、また官僚の問題につきまして、労働界の希望につきましては、また十分参考にして考えてまいりたい、このように思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/125
-
126・久保田真苗
○久保田真苗君 特に、小委員会制度をとります場合に、小委員会の数が十三もありますと、例えば労働界が四人なんという状態では、これは労働界が代表されていない委員会というものが容易に出てくるわけですね。そういうことになるわけでして、小委員会をこのように多くとりながらこれに対応する労働界の出身者がたった四人だというような状態では、これはお飾り物にするために入れたとしか思われないんです。くどく言って申しわけありませんが、こういう非常に技術的な策を弄しまして、それぞれの行政出身者三十九人もある元官僚の方というのは確かに行政組織には詳しいでしょう。しかしそれは同時に、利害関係を有する官庁の出身者だということなんです。ですから、この利害関係を有する人を大量に入れる、まず元官僚、それから例えば補助金を受けているような団体の代表というような者は極力排除していただきたいんです。本当にそういう意味で富士の白雪のような公正な審議ができる状態を私ぜひ期待いたします。よろしくお願いします。
それからもう一つ。衆議院でそういう質問が出たそうですけれども、この審議会委員のほかに五十九人もの参与がいて、これ女性というのは何人かいましたんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/126
-
127・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) そのお答えを申し上げます前に、臨調、行革審の小委員会の数について、ちょっと数字が合いませんものですから、そのことについてお答えをひとつしておきたいと思います。
臨調では、御承知のように基本的には四つの部会がありまして、あと分科会が若干置かれておりました。したがいまして、部会、分科会を合わせましても九つにしかなりません。それで、確かに五十九人の参りがいらっしゃった。ほかに専門委員が二十一人いらしたわけであります。五十九人の参与のうち、たしか三十八人程度が御出席になる。したがいまして、二十一人と合わせますと、大体五十人程度がそれぞれの部会に分属してやられたことは事実であります。
それから旧行革審にありましては、これは時期によりましてでありますけれども、例えば機関委任事務、それの小委員会が後で地方行革推進小委員会になった。それからまた、行財政改革の小委員会が後で総合調整の小委員会になった。若干の部会が置かれたというふうなことはありますがトータルしまして、今計算してみますと十二ですか、小委員会、分科会、研究会、そんなものが合わせまして十二ぐらいありますけれども、一時期にそんなにたくさん置かれたわけではありません。一時期は大体二つとか、あるいは分科会がありましても四つとか、そんなような状態になっておったということをまず一つ御承知をいただきたいと思います。
ただ、これらは要するに、臨調あるいは当時の行革審から、本委員会かち依頼を受けましていろいろと専門的に御研究を願った、その決定はあくまでもそれは調査会なりそれから審議会だということについても、ひとつ当時の事情として御理解を賜りたいと思います。
それから今、この臨調の専門委員あるいは参与につきまして、女性が何人いたかという御質問でございます。今手元に数字がないわけでありますけれども、専門委員の中には、御承知の二十一人ですけれども、そのうちに縫田嘩子さんがいらして、これがお一人。ただし、参与の中にはたしか三人ほどの参与がいらしたように記憶をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/127
-
128・久保田真苗
○久保田真苗君 一つは、女性の数が相変わらず非常に少ないということなんです。お願いしてもお願いしても、審議会の女性の数というのはなかなかふえません。これは総務庁長官、内閣官房の方で今調整する婦人問題担当室のいうのがあるんですけれども、今やっと五%を超えた程度ですね、審議会。全部の官庁の審議会合わせてその程度なんでございます。なかなかこれは進まないんですけれども、行革審というのは、やはりこれからの行政をどういうふうに変えていくかというお話でございます。私、今度の二度にわたる臨調それから旧行革審の結論を見まして、それは財政が困難であったには違いないけれども、非常に生活からのはぎ取り行革になっていると思うんです。
そういう視点から、女性の立場あるいは生活人としての立場と申しますか、そういう観点から具体的な問題を掲げることのできる人を私はもう少し入れていただきたい。そうでございませんと、せっかくこれからの行革の仕上げの時期にますます生活、暮らしの面がこれ以上悪くなるというようなことではかないませんので、その点もどうぞよろしくお願いしておきたいと思います。
ただいま局長の御答弁にございました、行革審からの委託を受けての小委員会だ、こうおっしゃいますのですけれども、それは局長もょく御存じのとおり、小委員会でリポートなり中間報告なりというようなものが出されますと、その大筋を親委員会の方で変えるなどということは、実際日本の審議会のあり方としては非常に困難なのでござ
います。ですから私は、小委員会ができた場合は、そこが勝負だと思っているんです。これは御賛成いただけると思うんです。そうなりますと、その小委員会、いろいろな仮に利益代表あるいは各界の代表がそこに行くといたしますと、それ相応の構成が小委員会において既につくられていなきゃならない、こう思います。ですから私は、小委員会を余りたくさんつくるというようなことは、少数者を大多数の小委員会からシャットアウトするという結果になりますので、その点は厳に戒めていただきたいし、それからなおそれ以上に、少数者の密室審議というような状態は絶対に前回の旧行革審を踏襲しないでいただきたい。これはできるだけ公開にしていただきたい。そして小委員会をもしおつくりになるのであれば、その中で各界が公平に代表されるような方法をとっていただきたい。そして利害関係を直接有する官庁出身者はできるだけ御遠慮願いたい。
私大変もっともなことを申し上げていると思うんですけれども、長官、いかがなものでしょうか。こういう点お気をつけいただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/128
-
129・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 衆議院でもお答えしましたが、御婦人の方にお願いをするというこういう場所は、できるだけ多く考えていきたいと思います。まだまだこれから人選をいろいろやるわけですが、その際にも、もう少し一格上げた立場で考えていくことも真剣に今考えております。
そしてまた、今の小委員会の問題ですが、これは先生と若干意見が違いますが、ここで公開をした場合に、これはやはりもう各役所利害関係がなかなか絡み合っておりますのでつぶしにかかる。役所だけでなしに、国会議員がつぶしにかかる。それだけに非常に難しい。今おっしゃいましたように、我々自民党に所属してもう二十数年になりますが、やはり小委員会が中心です。小委員会で決まったことがほとんど決まっていくということでございますので、小委員会というものは非常に大事だというふうに考えておりますので、その辺のところにも御婦人の起用というものは十分考えてやっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/129
-
130・久保田真苗
○久保田真苗君 次に、法案の八条ですね、必要事項は政令で定めるとしているんですけれども、政令でどんな事項を定めようとしているのか、内容を明らかにお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/130
-
131・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 政令で定めることを予定いたしております事項は、審議会の庶務に関する事項と、それから審議会の議事運営に関する事項であります。要するに、審議会で細部は審議会みずから定めるというふうなことを政令でもって定めたい、このように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/131
-
132・久保田真苗
○久保田真苗君 庶務に関する事項はどのように書かれるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/132
-
133・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 審議会の庶務は総務庁の行政管理局でこれをつかさどる、このようなことを予定いたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/133
-
134・久保田真苗
○久保田真苗君 つまり局長のところが事務局になるわけですね。これは前回一応事務局を別途つくったのに比べましてこの点が違うんですけれども、これはどういう御趣旨でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/134
-
135・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 臨調で二年間、それから旧行革審で三年間、やはりこの間行政改革の課題というのは相当洗い出しをされておる、このように認識をいたしております。そこで、いわば長官のしばしば申し上げておりますように、やはりこれから実行段階という部分が多分にございます。数を申し上げて恐縮でありますけれども、臨調で答申事項、これは数え方にもよりますけれども、大体千三百五十と言われております。それから行革審でほぼ千、合わせまして単純にトータルしますと二千三百五十ということになりますけれども、重複部分もありますからそのあたりをあれしましても大体二千ぐらいになる、要するに項目はそれだけ一応出ておるわけであります。もちろんその中には具体化を要するものもかなりございます。しかしながら、いわばそういう課題の摘出につきましてはおおむねこれはもう出されたものとこのように理解をいたします。
したがいましてこれからは、まだ宿題になっているような事項、あるいは新しい見方でもって具体化をしていかなきゃならぬ部分、こうしたものはこれからも当然やらなければなりませんが、基本的にはそういう課題の洗い出しが一応終えておりますので、いわば政府部内における実行部局であるところの総務庁行政管理局がこの庶務を行った方がこれは実質的であり、かつまた行政のいわば簡素、効率性という要請にも合うものと、このように考えまして今回は事務局を独立させなかったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/135
-
136・久保田真苗
○久保田真苗君 つまりその違いは、調査事項というよりは実行だからという性格によるという御答弁ですね。それで実際問題として、事務局を別途つくったときにはこれは各省庁からの出向だったわけでございますか、今度はその点は総務庁の職員が多い、こういう違いになりますんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/136
-
137・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 臨調のときには当時の行政管理庁からの出向が半分でありまして、あと各省からいろいろと出向をしていただいたというふうな経緯がございます。また行革審でも総務庁からの出向がほぼ半分、それから各省からの出向も大体半分というふうな構成でやっておったわけであります。臨調のときは恐らく数が最盛期百二十名程度、それから行革春のときにはこれは四十名程度、大分その数は少なくなっておったわけであります。これはトータルでございます。
今回は、先ほど申しましたようにおかげさまで課題の洗い出しが相当終わっておりますので、そういう意味で総務庁行政管理局においてこれを担当する。したがいまして、各省からの出向というのは原則的には予定をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/137
-
138・久保田真苗
○久保田真苗君 政令事項はその事務局の問題と、もう一つ議事規則とおっしゃいましたですね、議事規則の制定の問題ですか、これが政令の中に入るということでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/138
-
139・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) これは大体各審議会の組織令の書き方なんですけれども、いろいろと組織構成等をまず書きまして、それで、これによらざるところは審議会の定めるところによるというふうな決め方をするわけであります。そういう根拠がありませんと審議会でみずから定めるということについての責任の所在が不明確になりますから、今回の場合、法律の中に大体組織構成等については、あるいは審議事項についてはもう書いてあるわけでありますから、あとはその庶務部局をまず書くということと、それから法律並びに政令に定められない部分については審議会の定めるところによるというふうなことを一応定めまして、あとは、おっしゃる議事規則その他は審議会がみずから定める、このような構成に一応なってまいるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/139
-
140・久保田真苗
○久保田真苗君 議事規則は審議会の定めるところによる、こうありますけれども、これはつまり議決の仕方ですね、それから少数意見の取り扱いというようなことにも恐らく触れるのであろうと思います。その場合旧行革審の議事規則では、原則として出席委員全会一致により決するとしまして、しかし多数決による場合は少数意見を付することを一応確認しているわけでございますか。その辺はどういうふうになっておりましたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/140
-
141・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 旧行革審の議事規則をちょっと読み上げてまいりますと、議事についてはこれは第二条に定めているところでありまして、この場合委員数は七人でありますから、そこで「会議は、会長及び三人以上」つまり四人以上「の委員の出席がなければ、開くことができない。」「議事は、原則として、出席委員全員の一致により決するものとする。 ただし、出席委員全員の一致が見られない場合にあっては、会長の裁断により、出席委員の三分の二以上の多数によって決することができる。」、これだけを定めているわけであります。今おっしゃいました少数意見云云ということにつきましては特段の定めはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/141
-
142・久保田真苗
○久保田真苗君 今回、このポスト行革審におきましては、議事規則についてはどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/142
-
143・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 議事規則は、先ほども申し上げましたように結局委員会が発足いたしまして委員の方々の御協議によって定まることになるわけであります。ただし、率直に申し上げますけれども、今行革審の議事規則をお読み申し上げましたけれども、実はこれはほぼ臨調の議事規則を踏襲したものであります。大体同じようなパターンでもって今まで参っておりますので恐らく新行革審の議事規則も同様の定め方がされるものと、前例からしましてこのように推察をするわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/143
-
144・久保田真苗
○久保田真苗君 私は、実行段階でございますので、やはりできるだけ全会一致が望ましいと思いますし、三分の二の多数決で、そして必要に応じて少数意見の付記も可能だというようなやり方をぜひとっていただきたいと思います。今のお考えは、前例ではあるけれども一応事務局のお考えとして承ってよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/144
-
145・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 先ほども申しましたように、臨調も全会一致が原則だったわけです。それから旧行革審も全会一致が原則であったわけであります。委員の方々が十分御論議を尽くされましてできるだけ全会一致の結論にしていただくというふうに御努力を願いたいものだと、私どもとしても考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/145
-
146・久保田真苗
○久保田真苗君 ちょっとまとめのようなことになりますんですけれども、この臨調の行革路線に乗ってやってまいりました、そして医療改革にしろ年金改革にしろ、政府としてはこういったものの制度の長期的な安安を図ったと、こうおっしゃっているんですが、その一方で、財政再建を至上命令にしていました関係上、結局一番やりやすいところ、そして一番財政を圧縮するのに適当なところ、つまり結局は国民大衆の負担増をもたらすということに終わっているという現状は、私は大変残念だと思います。総務庁長官は、今までのこの行革につきまして、やっぱり結局は国民大衆の負担に終わってきたということを御認識になっていらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/146
-
147・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 長官からお答えいたします前に私からお答えをいたします。
先生からお話がありましたように、臨調は増税なき財政再建ということで今まで頑張りたわけであります。政府はそういうことでもっていろいろと施策を推進してまいったわけでありますね。それだけに、歳出の抑制には相当大きく臨調、行革審を通じて役立ったんだろうと思います。今おっしゃいました例えば社会保障、年金、医療保険、こうしたものについて、立場によっていろいろな御批判が一応あると思います、ただし、これはもう先生大変よく御承知のように、そういうふうないろんな工夫をしなければ恐らく次の世代に持っていけないような仕組みですよね。例えば医療保険につきましても、本人負担についていろいろと立場の面からの御批判はあります。しかし、これは臨調でも言ったわけでありますけれども、御承知のとおり、みんながそれぞれ自覚症状を持つということだったわけです。それぞれが監視をしながら医療のいわば負担増を抑えていこう、不正その他について監視をしていこうということが一つのねらいであったと思います。
そういうことでありますから一概に——お立場によっていろいろの御批判はありますけれども、やはり制度の安定化のためにこれは大変役立ったのだと思います。増税なき財政再建、それから負担増をできるだけ国民に帰さないというふうな一つの方法として、仕組みの面でいろいろと工夫をしたのが今までの、先生方のお立場によって批判はありますけれども、行革の仕組み変更の部分であったかと私どもとしては考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/147
-
148・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 例で申しますと、これは衆議院でも御議論があったんですが、医療についてこれだけのたくさんの金が出ておる。それは乱診乱療に基づくものじゃないかというような御意見もありまして、監察もやれと、こういうことでありました。しかし、当面すぐやれることは何かといったら、国民の負担を医療の関係で軽くするというのは薬価の見直しであります。こういうことはやっぱり今までなかなか一つのタブー視をされていまして手をつけられなかった。また教育におきましても、学校教育、いわゆる小、中の義務教育、そういうところで学校に対する支弁をする父母の負担、それよりも最近では残念ながら塾に通う、そういうものが大変な負担になってきておるわけであります。そういう塾制度が本当に子供のためになるのかならないのか、将来の展望を期待しましてそういうものがいいのか悪いのか、この辺の検討をしながら、教育の関係においてもやはりそれぞれの総務庁の考え方、いわゆる新行革審の考え方、こういうものを出していきたい、このように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/148
-
149・久保田真苗
○久保田真苗君 私、ぼつぼつ時間がなくなりましたから、一点だけ高齢化社会との関連において、これは総務庁長官のところで老人対策室というのがございまして総合調整をやっていらっしゃるんですけれども、その観点だけを申し上げたいと思うんです。
それは、増税なき財政再建といってやられたことを大ざっぱにレビューしてみますと、結局税、社会保障費は西欧水準よりかなり低い水準に抑える、先進国病なんだ、そういうことから始まりまして、上昇分は税ではなく社会保障費の負担に重点を置く、これは自分で出せよと。大衆負担増です。それから次に、民活を促進するために社会保障は最低限のものとする。つまり給付は最低限に抑え込む、自立自助なんだよと、こういうふうに言っておられる。それから次に、医療は自己負担分をふやす、それから地方へ責任と機能を移す、費用負担も地方に移す。そして、それでいながら今度地方財政も圧縮させる、こうなっているんです。もう逃げようがないんですね。もちろん農業、それから福祉、教育、公共事業の削減というのが四つの柱、圧縮のターゲットでございますね。そういうことでやっていらして、今ここでもってまた間接税なんですよ。
さっきも申し上げましたように、既に物価の高い国において売り上げの九割を押さえる間接税がふえるわけです。そしてこの間接税というのは、一たん導入されますと今度は、税率を少しならアップしていいだろう、また少しならアップしていいだろう、こういう誘惑が絶えず働く。そして最も増税のしやすい、そういう状況でございます。ですから総務庁長官のお立場としてぜひお気をつけにならなければならないのは、そういうことで今まで行革がやりやすかった、いわばやりやすかったという条件が崩壊しつつあるんじゃないか、こういうことが一つなんですね。
そして、先ほどの高齢化社会の関連で言いますと、こういうふうにしてずっと押し詰められている高齢化社会の基盤整備なんですけれども、ともかくことし七十歳以上の人口は八百五十二万です、七%。でも、二〇〇〇年にはこれは千四百二十四万、一一%。二〇二〇年までいきますとピークになりまして二千四百万、一八%。この三十年間が大変な時期なんですね。ところが、私が大変残念だと思いますのは、中期防のように一種の中期計画を立てて聖域化されるものがある反面、これだけ国民生活の将来像が極めてはっきり、七十歳以上今のざっと三倍、これに対応するだけの中期計画がないんです。
それで、長官のところでやっていらっしゃる長寿社会対策大綱というのを私、前に予算委員会で要求しまして、それが一年たって同日選挙前に出ましたんですけれども、中を見て本当にがっかりだったんです。それは大体今やっている施策のかき集め。そして国民に向かって非常に説教臭の強いものだったと思うんです。そして具体的なものは、七十年に年金を一元化する。それ以外に具体的な目標も数字も何も載っていないんですね。これはもう少し具体化し、計量化し、計画化していただかないと私は御責任が果たせないのじゃないかと思うんですよ。少なくともこの人口の構成の
態様に対応する程度のそのような一種の予算の聖域化、当然あり得ると思うんですが、その点について長官の御尽力をぜひお願いしたいと思いますんですけれども、どういうふうにお考えでしょうか。これで私の質問を終わりますが、どうぞよろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/149
-
150・勝又博明
○政府委員(勝又博明君) 長寿社会対策大綱は、二十一世紀初頭を展望しながら、広範な分野にわたる経済社会システムの改革の基本的な方向を示したものでございます。今後は、これを踏まえまして関係省庁において具体的な施策を推進していくことになるといったものでございます。したがって、このような大綱の性格からいたしまして、先生御指摘のような定量的な見通しを示すということは非常に困難だということでございます。しかしながら、長寿社会対策の実効性を確保するために、その実施状況を関係閣僚会議におきましてフォローアップしまして、あわせまして総務庁といたしましてもこのフォローアップを通じまして大綱に示された政策の実効性の確保というものについて努力してまいりたいと、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/150
-
151・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 長寿者社会への対応というものはこれは必然的に来るわけでございます。二十一世紀を展望しましたときにこの対応が今のままでいいのかといったら、私は決していいとは思いません。
〔委員長退席、理事村上正邦君着席〕
それだけに、御意見を踏まえながら、それこそ真剣に、総務庁を中心にしながら各省を督励してそれでまとまったものに仕上げたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/151
-
152・峯山昭範
○峯山昭範君 本案の質疑の前にきょうは二、三お伺いしておきたいのでありますが、当内閣委員会におきまして国家行政組織法の第八条のいわゆる審議会と私的諮問機関の問題につきまして何回か質問をしてまいりました。余りこういう機会がございませんので、私的諮問機関といわゆる八条で言う諮問機関との関係を詳細に、きょうは管理局長もいらっしゃいますのでお伺いをしておきたいと思います。
特に、先般大臣が閣議でこの問題についての御発言をいただいたそうでございますので、それを踏まえまして、大体どういうふうなお話だったのかをちょっと初めにお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/152
-
153・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 先生、答弁する前に、私うれしいのは、村上さんがこうして偉くなって真ん中で座っておる。これはやっぱり十七年間一緒におったわけですからうれしいです。その前で御答弁を申し上げます。
それは予算委員会でも先生やられましたね。それで総理も、その当時のことを知っておる連中も閣議で、これは何とかせにゃいかぬと。あれだけ熱心に長い間言われ続けてきた審議会、それから私的なもの、そういうふうなものについては何とかして閣議で統一見解をということで、実は先生の御趣旨を踏まえまして、総務庁で作文をいたしまして御提案を申し上げました。提案をする前に官房長官それから総理とも打ち合わせをしておりまして、この辺で閣議として最高の権威のある御答弁を申し上げることがやっぱり責務であると、こういう形から私が読み上げまして、そして閣議でどなたも反論はなし、十分趣旨を踏まえ、それから整理すべきものは整理しよう、そういうことで決まったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/153
-
154・峯山昭範
○峯山昭範君 そこで、これは局長ですが、やっぱり一番の問題はこの私的諮問機関と八条機関の区分のところだと思いますね。これは何もこれから問題にしようというわけじゃなしに、これからのために、ここら辺がこういうふうに違うんだということを明確にわかりやすく一遍御説明いただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/154
-
155・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) これは峯山先生からの累次にわたる御指摘をいただきまして、私どもも何回か各省に対して注意をいたしておるわけであります。
端的に申しまして、これはもう先生とも何回か御議論をいたしたわけでありますけれども、審議会というのは、これを構成する個々の委員の意思とは別の合議機関そのものの意思決定が行われて、これが答申等として公の権威を持って表明される。つまり、個々の委員の意思とは別に、一本の意思としてこれが表示をされる、それが公の権威を持つ、こういう性格のものでありますのに対しまして、懇談会等は、あくまでも行政運営上の意見交換あるいは懇談等の場として性格づけられるべさものでありますので、その運用にありましても、これは基本的には議事規則等が設けられてそれぞれの委員の意見として提示をされるというのが原則であります。ただ、もちろん懇談等であるいは研究等の場でいろいろと御論議があった場合にあってそのあたりの整理が行われるという場合もありますけれども、これは原則的に先ほど申しましたように個別の委員の意見が基本になる、このようなものとして理解をいたしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/155
-
156・峯山昭範
○峯山昭範君 それはよくわかります。
そこで、これは行政管理庁の通達の中にもあるわけですけれども、特に私的諮問機関というのは「出席者の意見の表明又は意見の交換の場であるにすぎないのであります。」と、そのことを今あなたが説明されたわけです。これをもう少し詳しく言ってくれませんか。要するに、意見交換の場であるにすぎないということはどういうことですか。例えば今までいっぱいありますね、ここのところがどうもはっきりしていないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/156
-
157・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 今先生から仰せの懇談会の性質でありますけれども、これは先般予算委員会でも先生から聞かれた話でありますが、昭和三十八年に政府部内である程度の調整をいたしまして、「懇談会は、出席者の意見の表明又は意見の交換の場であるにすぎないのであります。」と、確かにこのような言葉を使っております。したがいまして、基本的には、懇談会のいわば記録というのは出席者の個別の意見が提示をされるということが、これが審議会の先ほど申しました合議機関として一本の意見が表示されるということに対する顕著な違いであろうと思います。
ただ、先生、もう一つ念のために一応申し上げておきますけれども、懇談の進行によりましては、いろいろと意見の一致を見る部分があると思います。そのあたりの整理をそれぞれの事務当局でもって行われるということが一応あるわけであります。ただ、この場合にも個別の意見について当然これが表記されるというのが原則である、このように理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/157
-
158・峯山昭範
○峯山昭範君 そのくらい詳しくおっしゃっていただいておけば間違いないでしょう。
しかし、今まで私たちが指摘をした経構研にいたしましても、それからそのほかいっぱい出てまいりました、例えば平和問題懇談会にいたしましても、そういう点は非常にあいまいだし、そういう点に配慮したとは言いながら、出てきた報告書というのはいわゆる八条機関の報告書とほとんど変わらない。そこら辺のところを私は今まで問題にしてきたわけです。
そこでもう一点ちょっと聞いておきたいのでありますが、国家行政組織法の改正のときに、従来は審議会の設置は法律事項だったわけですね。ところが国家行政組織法の改正によりまして、御存じのとおり「法律又は政令の定めるところにより、」ということによりまして、政令でもできるようになったわけですね。
そこで私はお伺いしたいんですが、現在国家行政組織法第八条による審議会が幾らあるのかというのが一つ。それからもう一つは、この政令ができてから随分になるわけでありますが、政令によってつくられた審議会が幾つあるのか、これを一遍お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/158
-
159・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 六十一年七月一日現在でたしか二百十四の審議会がございます。
今言われました国家行政組織法改正後新しくつくられた審議会はございません。今までの所掌事務の変更等は随所に行われておりますけれども、新しくつくられたものはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/159
-
160・峯山昭範
○峯山昭範君 これはやっぱり一番問題なのは、新しくつくられたものがないということが問題なんです、ほんま言うたらね。
これは今までは法律事項だったわけですから、非常につくりにくい点もあったわけです。しかしながら、国家行政組織法が国会で議論をされてから随分になるわけですけれども、その後できたものはほとんど全部私的諮問機関ばっかり。そこら辺のところに中曽根政治の四年間の問題があるわけです。まあ、そこまで言っていいかどうかわかりませんけれども、それはどうしても必要なものもあると私は思うんですね。必要なものについてはそれなりに私はやっぱり法律に基づき政令に基づいてつくるべきであって、あいまいな審議会はつくるべきではない。この点だけはぜひ申し上げておきたいと思いますし、そういう決意で取り組んでいただきたい。これは大臣、そういうふうに私思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/160
-
161・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 大臣から今後の運営につきましての御答弁を申し上げます前にこれは大変お詳しい峯山先生にいわば弁解がましいお話をちょっと申し上げさせていただきたいと思いますが、結局先ほど申しました八条機関の性格から、国家行政組織法第八条として位置づけられます審議会というのは、例えば非常に基本的な問題とか、あるいは非常に各国民の権利、利益に関係をするといったようなことにある程度もう特化しておるというのが現実の姿だろうと思います。したがいまして、これは課題があってもなくてもちゃんとつくっておかなきゃならぬ、こういうふうな審議会が大多数であります。
それに対しまして今御指摘の懇談会等は、これはわりかし短期間に、また部分的な問題についてもある程度懇談会を聞いて、研究の結果が出ればそれはもうそれで解散というふうなものが実は大多数であるというふうなことも、確かに今峯山先生から硬直的な運営ではないかというおしかりでありますけれども、実態としてはそんなようなことになっておるということについてもひとつ御理解を賜りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/161
-
162・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 御答弁は管理局長で尽きておると思います。大体峯山先生、長いつき合いですが、私に国家組織法だとかなんとか聞くのが、これちょうど受験期に苦しんでおる若者が、どうしたらうまいこといくのかなという苦しみの方が先に立って、なかなかいい答弁が出てこないのであります。しかしお話を聞いておりますと、なるほどな、なるほどなというところが多いものですから、きょうはよく勉強させていただくことにとどめておきまして、今後御趣旨を踏まえながらよく勉強してまいりたい、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/162
-
163・峯山昭範
○峯山昭範君 局長の前段の答弁には一言あるんです、やっぱりね。そんなこと言うてるからあかんのですよ、ほんま言うたらね。まあよろしいわ、それはもう。
それでは次に、これは本来ならば機関委任事務のときに質問したらよかったんですけれども、そういう問題に関連いたしまして質問をしたいと思うんですが、国の関与の問題についてお伺いをしたいと思います。
これは先国会、百二国会の六月、昨年の六月、参議院の附帯決議の中でも、特に三項目目に「地方公共団体の事務処理に対する許認可、承認等国の関与については、その全体像の把握に努めるとともに、現地性、効率性及び総合性という基本的視点に立って今後とも不断の見直しを行い、必要最小限にとどめるよう整理合理化を図ること。」、こういうふうにありまして、これは衆議院の附帯決議にも「その全体像の把握に努める」という問題についてはなかったはずであります。特に参議院においてこの文言が入っているわけでありますけれども、まず総務庁としてはこの問題についてどういうふうに取り組んでいらっしゃるのか、お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/163
-
164・山本貞雄
○政府委員(山本貞雄君) ただいま御指摘の点でございますが、仰せのとおり国の関与の全数把握につきましては、昨年の当委員会におきまする原田先生の御質問及び附帯決議を受けまして、ただいま総務庁におきましてその作業中の段階でございます。
御案内のとおり国の関与につきましては、私もいろいろ本を調べてみたわけでございますが、いわゆる地方自治法上の国の関与につきましては語学上比較的整理されておるところでございますが、問題は個別法上の国の関与の問題でございまして、これは法律は千五百、政令、省令等何千とあるわけでございますが、個別法上の国の関与の範囲あるいは類型、これにつきましては必ずしも講学上よく整理されておらないわけでございます。したがいまして国の関与の総数の実態を把握いたしますためには、まずテスト的に相当数の法律や政省令を調査いたしまして、統一的な把握のための範囲、類型、数え方、把握内容等々の基準等を定めました上で、すべての法令につきまして洗い出し作業をする必要がございますので、これは相当の膨大な作業と時間を要するわけでございます。現在この総数把握のための統一的基準を作成いたしますために、テスト的に数十の法令、法律並びにそれに基づく政省令を洗っておる段階でございまして、残念ながらただいま全数把握には至っておらない、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/164
-
165・峯山昭範
○峯山昭範君 きょうは本来ならば全省庁来ていただいてそれぞれどうなっておるか全部お伺いしようと思っておりましたけれども、各省庁みんな嫌がるんですよね。全然できておりませんので大臣の前でそんなことを言わさんといてくれと。
これは大変なことでございまして、私も実は随分調べたんです。調べてみましたら、これはもう臨時行政改革推進審議会が答申をしたこの法律の基本になる国の関与について、基本的な考え方とか関与の目的要件とか関与の方式要件とか、こういうようなものから、要するにいかにしてこれを見直すかあるいは廃止すべきかという中身をずっと読みまして、いろんな法律から随分調べてみました。そうしましたら、これは大臣も聞いておいていただきたいんですけれども、とにかくようけありまんねん。
どないのがあるかといいますと、例えば権力的関与の、まず用語からこれは整理せにゃいかぬな、そう思っているわけですが、用語も本来ならここで後で管理局長に説明してもらってもいいんですけれども、例えば一つの問題としては用語の問題がありまして、まず第一項目としては「国の行政機関が、地方公共団体の行う行為に対し行政処分に類する許認可等を行うもので、当該行為をしなければ法律上の効果が発生しないもの又は違法な行為となるもの」、これは法律用語を調べましたら、法律に戦っている用語は全部で八種類ある。それは許可、認可、承認、同意、指定、認定、確認、登録、こうあるわけです。
それでまた二番目に、ちょっとこれは違うんですけれども、「国の行政機関が、一方的強制的に地方公共団体の活動を制限し、規制し又は地方公共団体に代わって当該行為を行うもの」、これはまず一番に命令、命令の中には廃止命令、停止命令、改善命令、変更命令等を含む、二番目から、指示、取消、差し止め、停止、解除、指揮監督、代行、代執行。ようけありまんな、これほんまに。全部読んでいたら切りがないぐらいようけありますね。
まだもうちょっとだけ読んでみますと、三番目に、「国の行政機関が行政の適正な執行を図るため一方的、強制的に監督を加えるもの」、これには検査、立入検査、監査、検閲、罷免。全部こういうふうなことで日本の法律の中に使われているわけです、実際に。これは難儀をしてみんな一生懸命ひっくり返して出てきたわけでございまして、今これは権力的介入の用語ですけれども、それ以外にも非権力的関与の用語の中には、例えば一番の中には届出、報告、提出、送付、通知——通報、通告を含む、こういうふうな問題から始まりまして、二番目の類としては指導、助言、勧奨、求める、要請、意見、勧告、措置要求、援助と、こうあるわけですね。それから三番目には協議、調整、連絡。四番目の項目として審査、調査。こ
れはとにかく一つ一つこれとこれとどない違うねん、全部これは法律の中にあるわけです。それだけ長い期間にわたって法律ができたということをあらわしているんだろうと私は思いますけれども、これはやはりどこかのところで本気になってこの問題について取り組んでいかないといけない。
私きょうここで申し上げたい主眼は何かというと、先般から機関委任事務のいわゆる整理合理化だとか許認可の整理合理化だとかいうのがいっぱい出てきておるわけです。出てきて、それでこれだけ整理しましたと我々に一生懸命言うていて、物すごくようけやったように見えるけれども、全体が幾らあるかわかりません、とにかくこれ調べてないんですから。幾らあるかわからへんのにやりましたやりましたと言ったってそんな、例えば全体で百あります、そのうち五十ぐらい整理しました、あと五十残っています、これは明確なんですけれども、全体が一つもわからないのに整理合理化もへったくれもないのと違うかと。
それからもう一つは、各省庁に十分御協力をいただいて基準を早急に決めて、そして本気になって調査をやらないといけないんじゃないか。それともう一つは、専門家の皆さんに集まっていただいて、この中の例えば許可と認可はどう違うのか、あるいは認可と承認はどう違うのか、あるいは同意と指定と認定、これはもう本当に同じような言葉がいっぱいあるわけです。指定、認定、確認、登録とこうあるわけですが、どれがどういうふうに違うのか、あるいは一つに統一してもいいんじゃないか、そういう問題もいっぱいあるわけですね。
こういうふうなのはこれはやり出すと切りがないぐらいようけあるわけでございまして、そういうことも含めてやっぱり総務庁として本気になって取り組んでいただきたいと思うし、そこら辺のところを明確にしないと本当の行革というのは進まないんじゃないかな、こう思っているわけでありますが、そこら辺のところをあわせて御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/165
-
166・山本貞雄
○政府委員(山本貞雄君) 非常に先生専門的に御検討でございまして敬服いたすわけでございますが、先ほども申し上げましたように、私ども附帯決議に基づきまして全体の把握の作業の現在実施途上にございます。
私どもが国の関与として把握しようと考えておりますのは、ただいま先生が御指摘のようなものはすべて包含いたしまして、地方公共団体あるいはその機関委任事務として執行機関が事務を行うに当たりまして、国の行政機関が全国的、統一的あるいは広域的調整、あるいは行政事務の適正な執行を図る等の目的で、法律、政令、省令に基づいて、権力的または非権力的な手段を用いて個別、具体的に地方公共団体の行政に関与しているものと、こういうことで全体をまず把握しようと考えております。
現在総務庁が行っておりますのは、把握対象となりますただいまの国の関与の範囲、数え方、把握内容等につきまして統一的な基準を策定いたしますために、国の関与が多いと思われます約六十の法律並びにこれに基づきまする政省令、これについて基礎的な拾い出し作業を行っております。今後はこれに基づきまして把握基準等につきまして各省庁と協議をやりまして、全法律約千五百、それから政省令含めまして数千ございますが、これにつきまして第一次的な拾い出し作業を総務庁において行いまして、これを各省庁に御連絡しまして必要な確認作業等を行ってもらうことを考えております。
この把握作業は、単に用語別の総数を把握するにはとどまらず、国の関与の態様等々の内容をも把握するものでございまして、膨大な作業を要します。したがいまして、政府全体として統一的な基準のもとに国の関与の総数把握作業が完了しますのは恐らく昭和六十二年度中であろうと考えておりますが、いずれにいたしましても先生御指摘の趣旨を踏まえまして作業を鋭意進めてまいるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/166
-
167・峯山昭範
○峯山昭範君 それでは詳細の質問はもうやめることにしますが、いずれにしましてもこの問題は、昨年の五月、六月ごろ、これは衆議院、参議院とも含めまして当時の後藤田総務庁長官が最大限の努力をして総数を把握するよう政府として努力をする、こういうふうにも御答弁いただいているわけでございますし、ぜひとも本気で取り組んでいただきたいと思います。
そこで、関与の範囲ですね。これは先ほど私いろいろずっと申し上げましたが、私が申し上げた部分からはみ出している部分が何かありますか。または、私が申し上げた部分で、いやこれは掌握の範囲に入らないという部分。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/167
-
168・山本貞雄
○政府委員(山本貞雄君) 非常に峯山先生専門的に御研究でございまして、先ほど申されました部分はまず把握の対象の範囲内に入る、このように考えております。
またその他の点につきましても、例えば権力的な関与といたしまして、国の行政機関が行政の適正な執行を図るために一方的あるいは強制的に監督を加える検査とか立入検査、監査、検閲、こういったものもあろうかと思います。また非権力的なものといたしまして、これも多々あるわけでございますが、国の行政機関が義務的ないしは任意的に地方公共団体に負担を課しいるものといたしまして届出、報告、提出、送付、通知、あるいは国の行政機関が地方公共団体の活動に対して一定の措置を促しまたは与えるものといたしまして指導、助言、勧奨、要請、意見、勧告、措置要求、援助、あるいは地方公共団体の行う行為につきましてあらかじめ国の行政機関の了解を求めるということで協議、調整。その他幾つかあろうと思いますが、大体こういったものをほぼ全体の母集団といたしまして、これをもう少し論理的に整理いたしまして、そして調査の統一的な基準をつくりまして把握作業を進めたい、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/168
-
169・峯山昭範
○峯山昭範君 私はもうこれ以上申し上げませんが、いずれにしてもこれは早急に取り組んでいただきたいと思います。本来ならばこれは、基準をいつごろまでにつくって、いつごろまでに調査を終えて、そしてどういうふうにやるのかとお伺いしたいわけですが、それはきょうはやめておきます、大体六十二年度じゅうかかるというような意向の話がございましたからね。
それで、きょうはせっかく各省庁にお見えになっていただいておりまして、何も質問せぬがと後で怒られそうですから、まず大蔵省から今のこの国の関与の問題ですね。大蔵省と建設省と運輸省それから自治省、お見えになっておりますね。それぞれのところ、今総務庁の方から御説明がございましたが、前の総務庁長官の時代からの懸案事項でもございますし、ぜひともそれぞれの省庁が協力をして取り組んでいただきたいと思いますが、順番に御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/169
-
170・川又新一郎
○説明員(川又新一郎君) 大蔵省でございますが、ただいま総務庁の方からお話がございましたように、国の関与と申しましても、どのようなものをこれに含めるのか、あるいはどのような態様をもってこれを一件と数えるのかというような問題がございまして、今基準をつくっていただいているようでございますので、それの提示を受けましてから大蔵省といたしましても適切に対処してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/170
-
171・鈴木政徳
○説明員(鈴木政徳君) 建設省でございますが、国の関与の総数把握につきまして総務庁から協力要請を受けております。建設省におきましても、総務庁で現在試行あるいは検討を続けております基準ができましたら、それに従いまして適切に対応していく考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/171
-
172・豊田実
○説明員(豊田実君) 運輸省におきましても、総務庁の方の検討の状況をよくお聞きしまして、その状況を踏まえながら適切に対応してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/172
-
173・石川嘉延
○説明員(石川嘉延君) 自治省におきましても、総務庁の方から統一的な分類基準が示されれば、それに基づきまして実態把握に努めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/173
-
174・峯山昭範
○峯山昭範君 この問題の最後、大臣、これはいずれにしましても国の関与の問題、整理合理化をどういうふうに進めていくかという中では非常に大事な問題だと思うんです。全体をきちっと掌握をして、そして言葉やいろんな問題だけではなしに、言葉の裏にはみんな行政のいろんなあれがついているわけです、そのために地方の自治体やいろんなところは非常な思いをしているわけですから、そういうような意味ではきちっと掌握をしていく。
それで、これは大変な作業だと思うんですね。今まで長年法治国家として、法律ができるたびに積み重なってきて、結局は長い間整理をしなかったために言葉も重なってきたし、内容もいろんな角度から出てきているし、また許認可の数なんというものは想像を絶するほどたくさんの許認可があるのじゃないかと思うんです。そういう意味では、そういう問題をきちっとするためには非常に大事な問題だと思うんです。それぞれ担当する官庁の皆さんは多少しんどい思いをしなきゃなりませんが、これはぜひとも、先ほどもお話がございましたが早急に取り組んでいただいて早くそういうような問題ができるようにやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/174
-
175・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) きょうはいい勉強をしました。こんなに各省がおとなしいというのは初めてでございまして、総務庁の事務方と各省の事務方がやっておったらなかなかこんなものじゃない。激しい火花が散るほどのことでございますので、これは言うことを聞かなかったらやっぱり参議院内閣委員会に呼びつけてやっつけてもらわなければしようがないなと、実はこう思っておりますので、どうかひとつ先生方御協力のほどを切にお願い申し上げる次第です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/175
-
176・峯山昭範
○峯山昭範君 それでは次に、今度の法案の中身についてお伺いをしたいのであります。
まず、これは大臣、新行革審というんですか、今度の法案ね。この法案の性格づけの問題が難航しておるとかなんとかいって新聞にも随分出ておるわけです。これはやっぱり大事な問題だと思いますので、大臣としてはどういうふうにお考えか、新しい行革審の法案についての基本的なお考えをお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/176
-
177・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 過去、臨調二年、旧行革審が三年、ここで土光先生が中心になりまして、行革の基本法的なもの、いわゆる基本的な理念、これをお示しいただいたわけであります。それに基づいてひたすらいろんな法律をお願いしていたわけでございます。それだけに、行革というものに対しては成果が上がってきたんじゃないかというふうな評価を受けております。しかし、最後の行革審の答申の中に、まだ道半ばだと、だからしっかりしなさい、そしてまた新しい行革審みたいなものを置くことだというふうに答申を受けております。
総理もまたこの点を踏まえましてそれぞれの場所で御答弁申し上げておるのは、重い荷物をひっ提げてそして坂道を上がっていく車のようなもので、ちょうど五合目だ、ここで手を放したらもとのもくあみになってしまうというふうなことでございますので、私たちは従来からの、御答申をいただいた、お示しをいただいた臨調、行革審の精神をしっかり踏まえながら、行革というものはいついかなるときでもやはりやっていかんならぬ問題である、こう考えております。
とにかく、マンネリに陥ったらいかぬというので、一応三年で区切っておりますが、今度私が就任させていただきまして、タブー視されておりますものに新しく挑戦をしていく、そして具体的成果を上げていくということな考えておりますので、やはり今度は実行部隊、実効性の上がるもの、こういうものに目をつけてやっていきたいものだなと考えておりまして、あれでないこれでないと全部を網羅していく、そしてああでないこうでないという議論よりも、具体性の上がるもの、しかも国民が本当に、今までなぜ政治家が手をつけられなかったのかという、そういう問題に取り組んでいきたい、こういう決意で新行革審議言い法案を今御提示申し上げまして、そして御審議を願っておる最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/177
-
178・峯山昭範
○峯山昭範君 今の大臣のお話の中でもう全部尽きているわけでありますけれども、これは法案の中身だけ読んでみますと多少あいまいなところがあるわけです。
〔理事村上正邦君退席、理事館長友義君着席〕
今回の設置法の第二条によりますと、臨調答申、旧行革黄の「意見及び行った答申を受けて講ぜられる行政制度及び行政運営の改善に関する施策に係る重要事項について調査審議し、」と、こういうふうにあるわけですね。そして「その結果に基づいて内閣総理大臣に意見を述べるほか、内閣総理大臣の諮問に応じて答申する。」と、こういうふうにあるわけでありまして、これはこれだけじっと読んでおりますと、今大臣がおっしゃったようなことは何も書いてないわけですよ。
それで、そういうふうな意味では、私はやっぱり大臣が今おっしゃいましたようなことは非常に大事なことでございまして、新聞報道の中にもありますように、ただフォローアップだけなのか、いやそうじゃない、今大臣がおっしゃいましたように、実効性の上がるもの、具体性のもの、国民がなぜと思っているもの、そしてタブーは設けない、そういうところへきちっと挑戦をしていく、そういうふうな方向であってもらいたいと僕らも願っているわけですが、この点再度意見をお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/178
-
179・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) かねてから申し上げておりますように、タブー視されておるものというものは、先生御承知のとおり、これは農協の問題、そして農政全般の問題、米を含む、これが一つ。これにはもう既に監寮が入っておりまして、事務的に粛々として進めております。そういう結果かどうかわかりませんが、系統農協におきましても自助努力が一生懸命になされておりますし、先般農林省からも説明を受けましたが、農政審の答申というものはかなりよくできております。それだけに、これを打ち上げて、そして事務的に今粛々と進めております監察調査について対応が出てきたなということが一つ。
それから次に、年間一兆三千億、この五年間で六兆五千億ODA、政府開発援助にお金を割いておりまするが、一体この金ほどこへ行ったのかわからない。そしてまた被援助国においてもなかなか問題があり過ぎる、そういった問題を考えておりましたときに、たまたまJICAの汚職が出た。それに対応が外務省はなかなか鈍いというので、私たちは、これはやっぱりやるべきことはやらなきゃいかぬというのでぶち上げました。そうしたら外務省自身がいろんなことを言ってきまして、外務大臣とも四回ほど会談をしましたが、私は断固として聞かなかった、一歩も譲らなかった。そこで、外務省ではやはりこれじゃいかぬというので恐らくやられたんだと思います、内部的な意見の交換を済ませまして。最初は、総務庁何を言うておるか、ODAは聖域だ、我々はそんなものに、よその者に干渉されることはないという外務省の幹部の中に強い意見がありました。しかし、今では外務省自身がやはりいろんな対応を考えておりまして、かなり成果の上がる自助努力というものが出てきたんじゃないか、こう思っております。しかし、それで我々がやめておるわけじゃありませんで、これも事務的に監察調査、そして六十二年度には在外公館にも調査が及ぶというふうに今進めておるところであります。
〔理事亀長友義君退席、委員長着席〕
それで三番目には、まだこれからぶち上げなきゃならぬのは金融資本の問題であります。銀行、証券、損保、生保、こういうものについても基本的にどう考えていくのか、どういうことが一番国民から要望されておるのか、それを踏まえて、本当に銀行は銀行らしく、証券会社は証券会社らしく、生保は生保らしく、損保は損保らしくというふうなこと、これに持っていきたい、そこからまた新しい税収を考えております。これはまだ発表いたしませんが、それぞれ大蔵大臣、官房
長官、それから総理と相談をいたしております。それだけにこれも恐らく成果が上がってくるんじゃないかなと。しかしなかなか大蔵省というのはびっくりせぬところでありまして、少々のことでは驚かぬ。なかなか根回しのうまい役所ですから努力を要するところでございますが、これはやっぱり緒につけます。
それから四番目には、自治体の問題であります。富裕県と貧困県の問題、こういった問題についても近くこれの考え方を出していこう、こう思っておりまして、各都道府県知事さん方にも御協力を願いたい、このように考えておるところであります。
五番目には、これもなかなか聖域タブー視されておりましたが、ここで新しく考えていかなきゃならぬのは地域改善対策の問題であります。これも最初はいろいろな反対があってどうにもしようがないなと思いましたが、参議院の堀内君を初め皆さん方の大変な御協力も得て、どうにかこうにか前向きでやれるような方向になってきたんじゃないかと、こう思いまして、これから私の最後の正念場でございますので、これについても新立法を考えて鋭意やっていきたい、こういうことをやります。そのかわり、団体におきましても、それぞれの政治に携わっておる方々におきましても御協力願うところは御協力願う、そして完全解決の方向に持っていきたい、このように考えておりまして、とりあえずこのタブー五つに挑戦をしていく。
それからさらに、委員先生方のこれからの御意見があろうと思いますが、そういう御意見についても踏まえまして、新しい項目を設けるについても、各野党の先生方にも御協力を願って、そしてやっていくものはやっていく、このように考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/179
-
180・峯山昭範
○峯山昭範君 今大臣からおっしゃっていただきました一つ一つの問題は、どれ一つをとらえてもそう簡単にできるような問題じゃないんじゃないか、非常に厳しい問題じゃないかなと思っております。
そこで大臣、ぜひこういうふうな問題一つ一つに具体的に取り組んでいただきたいと思いますしきちっとやっていただきたいと思うんですが、自民党の皆さん方のいろんなお話をお伺いしておりますと、もう行革はいい、今は景気が悪いんだから内需拡大と景気対策に相当力を入れなきゃいかぬぞ、そんなことを言うているときと違う、そういうような感じの報道がたくさんあるわけでありますが、こういう点大臣どういうふうにお考えになっていらっしゃるかというのが一つ。
それからもう一つは、大臣、行革の中でも経済問題、特に財政問題をどういうふうにお考えになっていらっしゃるかという問題があると思うんですね。例えば増税なき財政再建というのがやっぱり柱として通っておりました。ところが先般の建設国債の発行等から多少そこら辺のところが緩やかになり、あるいはその柱が多少崩れてきたんじゃないかという感じがしているわけですが、そこら辺のところのお考えはどうお考えか、これもお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/180
-
181・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 総理が常に言っておりました、行革という重い荷物を車に積んでちょうど坂道の五合目まで来た、手を放せばもとのもくあみになるという、それよりもっと悪くなる、これが今の恐らく内需拡大を叫んでおるこういう人人の考え方であろうかと思います。
私も実は自民党の公共事業議連の会長代行でございます。それだけに公共事業については一かどの文句を言うんですが、総務庁長官になったらなかなかこれは言えない。そこがいいところなんですよ。政府と党、この関係を考えましたときにやっぱりどうしてもやすきにつきやすいのが党です。それは選挙です、選挙。選挙が一体完全にいいものかといったら、私は決してそうじゃないと思う。ギリシャにおきましても、ローマにおきましても、滅んだのは選挙のために滅んだんです。国が滅んでいくんです。そして迎合主義になって、衆愚政治になって、ついに滅んでいくんですから、選挙は決して万全のものではない。
その甘えを取り除くのはやはり行革しかないというふうに考えておりますので、行革というものはやはり、政府が存在する限り、自治体が存在する限り常に厳しく見張りをしながら、削るべきものは削る。しかし、今の場合はやっぱり緊急事態でございまして、今内需を拡大して生きるか死ぬかの人々に対して政府が温かい手をというよりも、少しは温かさのにおいのあるようなところを見せて元気づけなかったら日本の社会は大混乱すると、こう考えておりまして、私たちは片目をつぶるところは片目をつぶる、しかし必ず両眼をあいてだるまさんのようにまたがっちりにらみ返すときがあるというふうに考えておるのが基本の姿勢でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/181
-
182・峯山昭範
○峯山昭範君 これは局長にちょっとお伺いしたいんですが、法律の第七条にこれは特に「審議会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、行政機関及び地方公共団体の長並びに総務庁設置法第四条第十一号に規定する法人(同号の規定の適用を受けない法人を除く。次項において「特殊法人」という。)の代表者に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。」とあるんですが、その中の括弧の「同号の規定の適用を受けない法人を除く。」というところがありますね。これはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/182
-
183・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 御承知のように、特殊法人というのはこれは総務庁設置法におけるところの概念でございまして、特別の設立行為を行うというふうなことで考えられておる概念であります。端的に申しまして、国がすべての設立委員を命じましてつくる法人がこれが特殊法人でございます。
ところで、その法人の中にも、臨調でいろいろと御論議をいただいたところでは、これはもう民間法人化した方がよかろうというふうな御指摘がございました。民間法人化というのは、例えばこれは独占性を持たないものであって、国が資金を出さない、出資をしない、経常的な補助金を出さないということを条件といたしましてこれを民間法人化することが自立性を強化するために望ましいという御答申が出ました。そういう趣旨から、これは臨調で出されました法人の中で、私どもそれぞれその内容を見ましていわゆる民間法人化をしてまいったわけであります。これが今まで特殊法人と言われる中で七法人ございます。具体的な名前を申し上げましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/183
-
184・峯山昭範
○峯山昭範君 いや、いいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/184
-
185・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) はい。ということで、こうしたものについてはいわば自立化したものであるから、総務庁の審査、これを除外するということにいたしておりますので、この法案の中でもこの資料の提出その他の協力の中からはこれは一応除外をいたしたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/185
-
186・峯山昭範
○峯山昭範君 結局これはこういうことですか、七つの法人については、要するに資料の要求とか説明とかそういうのを除くということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/186
-
187・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 法律的な意味においては、こうしたようないわば強権としての資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めるということについてはこれは除外をする。もちろん、事実上いろいろと御協力をいただくということは任意的には当然あると思いますが、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/187
-
188・峯山昭範
○峯山昭範君 これは大臣、ちょっと僕気になるのは、七つの法人を除外しておるわけですけれども、七つの中に農林中央金庫があるんですよ。それ以外のところは問題ないとしましても、農林中央金庫というのはこれから非常に大きな問題になるんじゃないか。そういうような意味では、僕は今回の法案でわざわざ括弧書きしてそこを除いた、特殊法人、これはやっぱり問題があるんじゃないかなという気がしているわけです。
何でかといいますと、これから食管問題とかあるいは農協のいろんなあり方の問題を議論するときには、必ずそこら辺の金融資本の問題とかいろんな絡みがいっぱい出てくるわけですね。そうい
うような意味では農林中金も、国から何にも出ていないにしても、やっぱり資料の要求とか調査とかいういろんな問題の今度は御協力をしていただかなきゃいかぬようになるわけですね、この法律の除外規定になっていますが。そこら辺のところが多少気になる。何というか、今後のいろんな作業を進めていく上で、例えば農業問題あるいは農協問題あるいは食管問題等を取り扱う場合に、その根幹になるのは、やっぱりこの農林中央金庫というのが非常に大きな役割を果たしていると僕は今思っているわけです。
そういう意味で問題にならないかなということを心配しておるわけですが、その点ちょっとどうでしょうかなという感じがするわけです。これは局長で結構ですけれども、そこら辺のところは多少手を打っておるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/188
-
189・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 確かに先生の御指摘の意味は理解できるわけであります。
これにつきまして、臨調の答申が出ました後、いわゆる民間法人化をするという段階で、農林中金は御承知のように出資はいわば名目的なもので、これももうない、それから人事につきましてもこれは中で一応決める、補助金その他も一応出されていない。こういうふうなことでありますところからこれを民間法人化したわけでありますが、その際にも、これは先生の御心配の点については、当然農林省からまたいろいろとその監督行政に絡んで御説明を承るというふうなことは当然できるわけでありますから、その点の御心配はないものではないかと、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/189
-
190・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 先般、系統農協の幹部と私の対談の中でも私は森本理事長に申し上げたんですが、大変な預金量で、たしか十八兆ぐらいの預金を持っています。そこでその際に、失礼でございましたが、私の郷里の大先輩です、森本さんに言ったんですが、あなたの方はこれは農業基本法というものの中の一つの金融機関なんだと。こういう位置づけを考えたときに、十八兆の中でパーセンテージにしたら大したことはないが、三千五、六百億株式に投資をしておる、これは普通の銀行なら当然のことでございますが、彼のことですから手がたい手法でやっておりまして恐らく資産なんかも確定したそういうものに投資をしておるんだと思いますが、しかしそれとて、私たちの田舎に参りますと、株をやっておるやつは悪いやつだ、こうなんです。僕はぼろくそに言われるんです。それほどに田舎に行ったときには都会の人の考え方と違うんだから、株の投資についてもやはり慎重になさったらどうですかと申し上げました。
そしてまた、今のお話の問題でございますが、既に農林省本省に対しては事務的な監察が進められております。そういうことで、農林中金とてその枠外ではない。それだけにこれからやはり農林中金に対しては一段格を下げたところで協力を求めながら調査をしていくこと、これは間違いがございません。しかし、非常に協力的でございまして、ありがたいことだなと、この辺からやはりいろんな批判を十分はね返すだけのものが出てくるんじゃないだろうか、こういうふうに期待をしておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/190
-
191・飯田忠雄
○飯田忠雄君 御質問申し上げます。
このたびの法律の内容を見てみますと、旧法と違うところがほとんどないように見えます。事務局の点だけが違いますかな、そうではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/191
-
192・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) おっしゃるとおり、事務局がこの法律の中に書かれていないという以外は全く同じであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/192
-
193・飯田忠雄
○飯田忠雄君 そうしますと、この旧法と新法というものがほとんど内容は同じで事務局の点だけだということになりますと、法律を制定する形式としましてわざわざ新法をつくる必要がないので、附則の改正をすれば済むことではなかったかと思うのですが、これはそういう従来からやられた方式をとらないで特に新法を立法する方式をとられた、その意味はどこにあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/193
-
194・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) これは若干経緯的な問題がございます。
それについて御説明を申し上げますけれども、旧行革審が最終答申を出しましたのが本年の六月の十日でございまして、それで本年の六月二十七日に、これは法律でもともと三年間で失効ということになっておりましたけれども、その三年間の時期が参りましてそれでこれが解散をしたということであります。ところで六月十日の段階で、やはりこれはその前の段階で、行革審が解散した後一体いわゆるフォローアップの機関をどうするのかということが行革審の委員の方の問題意識にあったと思います。そこでいろいろと御論議をした結果が本年の六月の十日の最終答申となって出まして、今後とも国民と協力しながら行革を推進していく必要がある、まだ道半ばである、したがって新しい審議機関を設ける必要があるという御提言をいただいたわけであります。
これが、国会の会期中でありますとおっしゃるようにこれを継続するという話が出てくるのが筋であったように思います。たまたまもうその時期には国会は終了いたしておりましたものですから、この六月の二十七日の失効の時期までの間に延長その他のお話も申し上げることができないままにこれが失効いたしましたものですから、改めてこの新行革審を設けるべく御提案を申し上げたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/194
-
195・飯田忠雄
○飯田忠雄君 それはわかりました。失効したから新しく出したということですね。それは、失効する前に手を打てば打てることであったんだけれども、何か手違いがあったんでしょうね。
その問題につきましてはそのぐらいにしておきまして、次にお尋ねいたしたいと思いますのは、この法案によりますと、先ほども御議論が出たんですが、第二条の所掌事務のところでございますが、この「所掌事務」を見る限りなぜまた新しいものをつくるかということが非常にわからないのは、臨時行政改革推進審議会というものの性質が、臨調の答申を実施するのを推進するための審議機関か、あるいは新しい提言をするための審議機関かという点が実は明確ではないんですよ。もし臨調の行った答申を推進するためのものであるなら、これは押す方ですわね。政府が怠けておるから、悪い言葉ですけれども、ひっぱたくというあれでしょう。そういう形のものとしておつくりになったのかあるいはそうでないかという点が非常に重要な意味を持ちますのは、もしひっぱたくものであるということになると、それは政府が実はやる気がないのでひっぱたくということでしょう。政府にやる気があるなら、臨調の答申をそのまま総務庁で実行するように御指導なさっていけばできるのではなかったかという問題があるんですが、この点についてどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/195
-
196・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 今御指摘の第二条には、「審議会は、行政改革に関し臨時行政調査会の行った答申並びに臨時行政改革推進審議会の述べた意見及び行った答申を受けて講ぜられる行政制度及び行政運営の改善に関する施策に係る重要事項について調査審議」をする、このようになっておるわけであります。臨調の二年間のいわば行政改革に関する答申というのは、これはもう先生御承知のように、五次にわたり、大変膨大なものであります。数え方にもよりますけれども、大体千三百五十項目の答申が出されたというふうに言われておるわけであります。旧行革審は、これを推進することを役割といたしたわけでありますけれども、その中には、もちろん言葉どおりこれの推進ができるものもあれば、いや、課題としては出されているけれどもやや抽象的だな、したがってそれを実際に具体化するについてはこれをさらに詰めなければならないなという、そうしたような両様のものがあったわけであります。
政府としましては、具体的に出されているものについては、これを政府として最大限尊重ということを閣議決定いたしておりましたから、これを実行してまいった。ただ、具体性を欠くものについては、旧行革審にあってもさらに具体化をお願いしたという経緯がございます。ところで、何分にも、臨調千三百五十項目、それから旧行革審で改めて出されましたのがざっと千項目あるというふうに言われておりますけれども、これは臨調との重複部分もありますから、まあ両方合わせまして二千項目。その中にはやはり、そのまま実行し、または推進中のものもありますけれども、いまだにやや具体性を欠くものもある。
ですから、そのあたりはやはり新しい目で見ながら対応を考えていただくというふうなことがこれからの行革審の一つの役割であろうかと思います。要するに、フォローアップとそれから新しい目で見たいわば答申の具体化といったようなことをお願いすることになるのではなかろうか、このように思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/196
-
197・飯田忠雄
○飯田忠雄君 新しいことをやるということにつきまして従来臨調でいろいろ意見具申をしておりますことに、例えば一つ例を挙げますというと、食管制度がございます。これも意見を出しておりました。しかし、これにつきましては全然手をつけられないということになりますと、せっかくこういう審議会を設けてやろうとしても進捗しないことになりますし、進捗せいと言うても政府の方でやる気がなければ進捗できないでしょう、という問題があるんです。政府の方ではいろいろ意見を求める内容として、例えば地方行政制度、それから郵政の問題とか郵便貯金の問題、あるいは米価とか食管制度の問題、農協問題、それから学校制度の問題、そのほかいろいろの問題があると思いますが、臨調でいろいろ意見を具申したけれども手がつけられていないという問題が相当ありますが、こういう問題について新しく意見を求められる御計画はございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/197
-
198・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) これはむしろ大臣からお答えをいただいた方がいいわけでありますけれども、まず、臨調答申の実施状況につきまして今御指摘の点の各般の問題についてごく大ざっぱなことを一応申し上げますと、これは率直に言いましてというよりも、むしろ立場による見方の違いはあるけれども、客観的に見て相当程度一応行政改革は進んでいるのだろうと思います。
例えば、今おっしゃいました食管制度につきましては、補助金の整理合理化みたいなものはそれ自体としてはある程度行われておる。ただし、中期的な課題として、例えば米の全量買い入れ制度の問題につきましては、これはなおその検討十分ならざるものがある。また、それは具体化をする必要がある部分があるだろうと思います。
それから、地方行革の話につきましても、これは御承知のように政府は地方行政大綱というのを自治省でもっておつくりになって地方公共団体に対していろいろと御指導をお願いいたしておる。その結果としてもろもろの、例えば定数その他につきましてもこれは減少を見つつあるというふうに承知をいたしております。
郵政事業なんかにつきましても、これは機械化とかそれからいわば事務の合理化というのは随分進んでおる。もちろんいろんな議論がありまして、さらに合理化を要すると私ども思っておりますけれども、相当合理化をいたしておる。
その他、文教につきましては、これは臨教審のそれが一応ありますけれども、やはりそれ相応にいろいろな論議が活発に起こっておるというのが今の実態ではなかろうかと思います。
先ほど申しましたように、客観的に申しまして相当進んでいるけれども、今申しましたように、なおさらに具体化を要するものがあることもまた事実である。これらについては、政府としてはこういう状況について率直に審議会に御報告を申し上げて、またいろんな御検討を煩わさなきゃならぬだろうと、そのように思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/198
-
199・飯田忠雄
○飯田忠雄君 こういう問題は総理にお尋ねをすることかもしれませんけれども、長官はこういう問題について新しく意見を求めるということをお考えになっておりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/199
-
200・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) よく聞かれることですが、食管制度におまえは手をつけるのか、こういうことでございますが、これは臨調、行革審の答申の中にも盛られておりますように、ほっとくわけにはいかぬ、やはり手をつけるべきであるということの答申を受けております。きっかけをつくったのは私でございますが、しかしなかなかこの食管法の基本に触れるということは非常に難しい。というのは、総理自身が食管法の基本には私は触れたくないということをたびたび答弁をいたしております。
しかし、そばにおります総務庁長官として考えておりますのは、今管理局長が答弁申し上げましたように、米の集荷、それから保管、運送、そういうものについては今もう既に監察が入っておりまして、それでいい方向に向かっておる。というのは、先ほど答弁しましたように、農政審の答申を読んでいただきますと、農林省もよく勉強しておられまして、その方向に向かってまず第一に考えていきたいというふうに、今実施の段階に入ろうとしておるところでございまして、これがまた一つの成果だろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/200
-
201・飯田忠雄
○飯田忠雄君 先ほども実は議論になりましたが、委員の問題、第四条関係ですが、委員になられる方の質の問題ですが、これからいろいろ答申を求められる内容によりまして、委員の能力というものも考えないとだめでございましょう。ここに従来の委員の名簿がございますが、この方々でこういう、今言うたような問題に的確に意見具申できるような経歴などをお持ちであろうかどうかということがございますが、そういう点はどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/201
-
202・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) これは臨調で九人の委員の方がいらっしゃいました。それから旧行革審で七人の委員の方がいらっしゃいました。これは私どもこういうことを言うのはもう大変恐縮なんでありますけれども、すべて大変すばらしい方であったように私どもは思っております。これは実際に例えば経営の御経験をお持ちの方であり、あるいは地方行政なりそれから官界のいわば最高のポストまで一応お過ごしになった方であり、あるいは労働界で組合のナショナルセンターの長をなさった方であり、能力としても人間としてもすばらしい方であったのではなかろうかと私どもとしては思っておるわけであります。今先生が言われるのは具体的な個別問題についてまでそれぞれ専門的知識をお持ちになっておるかということであるとすれば、それは実は先ほどお答えしましたように、専門委員なり参与の方にいろいろと専門的な立場から御検討をいただいた、それについてさらに御判断をいただいたわけでありますから、そういう意味での御識見という意味については欠けるところは私はなかったであろうと、このように思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/202
-
203・飯田忠雄
○飯田忠雄君 今お話がございました委員は七人ですけれども、それを助ける参与とか補助員の方ですね。これはどのぐらいの規模をお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/203
-
204・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) ある程度臨調、行革審を経過しまして相当程度課題は出たものだと思います。臨調で二十一人の専門委員と大体四、五十人の参与の方がいらっしゃいました。これが部会に分かれていろいろと御検討をいただいた。行革審では大体五十名程度の参与の方がやっぱり部会に分かれていろいろとやっていただいたわけでありますが、今度は事柄の性質上フォローアップとそれから具体的な課題が一応出てくるかと思いますが、やはり数はそんなに多くの課題が出てくるということでもないのだろうと思っております。もちろん課題によってそういう参与の方々の数は考えられるべきものであるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/204
-
205・飯田忠雄
○飯田忠雄君 総務庁が立派な総務庁長官のもとで総務庁の指標がございまして、総務庁でいろいろ行政部面の御指導もなさるのではないかと思いますが、そこで、そういうことをおやりになるのであるなら、別に事務局を設けないのですから、事務局を設けないということは結局総務庁で全部下ごしらえをやるということでしょう。そこまで準備をなさって後は委員の人に意見をちょっと聞くということである程度なら、これは総務庁中心の行政をおやりになる方がむしろ手っ取り早いの
じゃないか、こういう意見もあるわけですね。事務局を設けないのは結局、口が悪い言い方をすれば、総理大臣の御意向を、圧力団体が目立つのでその圧力団体を抑えるために委員に総理大臣の御意向を言わせる、そして改革を進めようという、そういう行政テクニックの問題なのかどうかというふうに考える向きもあるんですがね。こういう点についてどうなんでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/205
-
206・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 長官からこれは御答弁を申し上げるべき課題かもしれませんけれども、事実関係だけちょっと先に申し上げます。
臨調、行革審の答申がこれがこれだけ推進できたゆえんのものは、臨調、行革審の答申が出るたびごとに自民党並びに政府においてこれを最大限に尊重するという閣議決定あるいは党議決定を行って、そういうことによって順次やってきたから各省庁とも協力をし、こうしたものが実行されてきたという経緯があるわけであります。やはり具体的な課題について十分綿密な検討を、例えば小委員会あるいは部会で御論議をいただき、かつまたそれだけの識見を持った方々がそれについて取捨選択をしていただいた、それを政府としては最大限尊重したというふうなことがなければ、これはなかなか行革というものはできるものじゃないと思います。今回の新行革審を設けるについても、やはりいろいろと専門的な知識を承るような機会をつくり、かつ委員の方々の十分活発な御論議を経た上で、一つの御論議の集約があった段階で政府としてそれを実行していくというふうなことで初めて行政改革というのは強力なものが推進できるのだろうと、このように思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/206
-
207・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 先ほども管理局長から御答弁申し上げましたが、臨調、行革審におきましてもそれぞれ国会が承認をしていただきました人たちにお願いをしておるのであります。その人たちのここまで来た行き方というかそれは、それぞれの立場が違います、違いましても高い次元から御検討願って満場一致の原則を一回も崩していないというのがこれは権威でございまして、そういうところからこれは当然政権政党の自民党もそれから内閣も意見を尊重しながらやっていかなきゃならぬということで、先ほどからも言っております。
とにかく、先生のところはいいですが、うちはもうそれは部族が大変ですよ、個々みんな部族にいっぱい分かれておりましてこれはもう大変なものでありまして、こういうものがなければ私は二十一年間の体験からしてなかなかできないと思います。私なんかが党におったら、公共事業をやれ、何やっておるかというような、今どきやっている最中ですよ。それだけにこういうものを抑えるにはやはり新行革審というのは必要だなと、私は実感として、自分の体験として、言われたら仕方がないな、最後は折れなきゃならぬなというねらいがここにあるということ、これはどうかひとつ御理解を賜りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/207
-
208・飯田忠雄
○飯田忠雄君 その点はよくわかりました。
それで最後に一つだけお尋ねをしたいんですが、増税なき財政再建ということを言っておる人がございますね。ところが実際に増税なき財政再建ということはできるかどうかという問題ですがね、できぬことを言ってもしようがないですが、この点はどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/208
-
209・佐々木晴夫
○政府委員(佐々木晴夫君) 増税なき財政再建というのは臨調、行革審を通じての一つの理念であったと、このようなことであります。それで、政府として歳出を最大限圧縮しつつ財政再建に努めていく一つのこれはめど、めどというかてこでもあったということでありまして、そうしたような姿勢というのはこれからも行革を進める以上続けていくべきであろう、このように思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/209
-
210・飯田忠雄
○飯田忠雄君 長官、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/210
-
211・玉置和郎
○国務大臣(玉置和郎君) 私に総理をやらせればできますよ。私はやってみせる。しかしそれだけに、私にでもできるんだからこれからの手法によったらできないことはないということで、最近宮澤さんのやり方に対して、私は余り好きな人じゃないが賛意を送っておるところであります。その手法は六十五年にこれは赤字国債の解消をする、しかし建設国債だけは増発して内需拡大をしてそこから税収を上げるものは上げていくというふうなこと、また減税も、先生専門家でございますが、減税をしたその経済効果というものは何年間か出てくることもやっぱり間違いないんです。そういうことを考えると同時に、さっき私が久保田先生の質問に答えましたが、政府の持っているものを売るんだというような——あれは土地を売るんじゃないんですよ。私言葉が少なかったんですが、あれは株を売るんです、土地は残っておるんですよ、株を売るんです。さらにそれで国鉄のように土地を売ってくれればこれは相当なものが上がってくるということでありまして、株式を公開して民間に放出するという、それでこれだけのものが上がりますよということですね。あれでざっと考えたら大変なものですよ。
だから、そういう手法をもってすれば僕はできないことはない。そして余り国民の皆さんに御迷惑をかけないで、それで空前の利益を上げておる証券会社、野村証券なんかじゃ三千八百億これは利益を上げておるんですからね。銀行皆しかり、それから損保、生保しかり。そろいうところからどうしたら取るものが取れるかという考え方、ここに私のねらいがあるんですよ。だから、そういうことを考えていきましたらやっぱり知恵の出し方、知恵を出して、それで力でもって押すものは押す、それで取るべきものは取る、しかし国民の負担は軽くするというふうなことを考えていきましたらできないことはない、こう考えておりますので、決して増税なき財政再建は不可能ではない、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/211
-
212・飯田忠雄
○飯田忠雄君 長官、いいです、御退席を。
きょうはせっかくいろいろ各省からおいで願いましたのでお尋ねいたしますが、行政改革につきまして、中央官庁の機構を縮小したらどうだという話が先ほどもございました。それから、いろいろ官庁の性質を変えて、国の行政と地方自治団体の行政というものをはっきりと見分けて区別して共同管轄をやめたらどうだということ、言いかえれば機関委任事務だとか団体委任事務といったようなものはもうやめて全部自治体に任せたらどうだということですね。そして、国が行うのはもう国でなければできない事務に限るということをすれば相当縮小できるのではないかという問題がございますが、こういう問題についてはどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/212
-
213・森繁一
○政府委員(森繁一君) 今の先生のお話は、国家行政と地方行政というのをはっきり峻別して両者の共管というような形というのはやめた方がいいではないかと、こういう御趣旨だろうと思います。
私ども、国と地方公共団体との基本的な関係につきましては、国民福祉の向上という共通の目標に向かいましてそれぞれが機能と責任を分かちつつ相協力する関係としてこれはとらえるべきである、こういうふうに理解をしておるわけでございます。そうすれば、国が一体どういうふうな事務をするかと申しますと、国の存立のために直接必要な事務とか、あるいは全国的視野における政策の企画立案だとか、あるいは全国的規模において統一的な処理を必要とする事務だとか、あるいは都道府県の区域を超えて広域にわたる事務で都道府県では有効に処理できないもの、あるいは都道府県の区域とは無関係な事務だとか、さらには国の経営いたします公営企業的なものだとか、こういうものは国が処理するものとしまして、それ以外の事務はすべて地方公共団体の事務としてできる限り重複しないように事務配分をするということが国、地方を通じます全体としての行政の簡素効率化に資することになるのではなかろうか、こういうふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/213
-
214・飯田忠雄
○飯田忠雄君 官庁、例えば林野庁でいろいろ森林行政をやっておいでですが、そういう森林行政というようなものは国がやらないで、国は、林野庁は自然環境保護庁のような形にして林野を守ると
いう立場のお役所にするということは難しいかどうか。そして、森林を守るんですから、もちろん伐採も森林を守るという立場からの伐採であって売買をするためのものではないという考え、そういうことをお考えになって機構改革をなさる御意向はないかどうか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/214
-
215・松田堯
○政府委員(松田堯君) 先生御案内のとおり、森林は木材生産を初めといたしまして国土の保全、水資源の涵養等々非常に多様な機能を持っているわけでございます。それぞれの森林の置かれております条件に応じまして多様な機能を長期的観点から総合的かつ高度に発揮させていくためには、伐採、造林、また保育といったような一連の林業生産活動を通しまして健全な森林を造成、維持していくことが基本であると考えておるところでございます。御指摘の森林保全につきましても、このような林業生産活動を通しまして十分実現されるものと考えているところでございます。
また、森林には国有林もあり民有林もあるわけでございまして、森林計画の作成、あるいは木材の需給調整、さらには病害虫の被害対策等、国有林と民有林が協力して進めていかなければならない課題が多いわけでありまして、森林林業行政全体の中での一環といたしまして今後とも林野庁が一元的にその運営を行っていくことが肝要であると考えているところでございます。
このような考え方に基づきまして、自然環境の保全にも十分配慮しつつ、今後とも林産物の安定供給、また公益的機能の発揮、さらには地域振興への寄与といった使命を総合的に果たすべく適切に運営してまいりたい、このように考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/215
-
216・飯田忠雄
○飯田忠雄君 どうもありがとうございました。
最後に一つだけお尋ねするのは、行政改革といいましても行政にもいろいろの行政がございまして、当然縮小したらいいようなものもありますが、同時に、むしろ強化して、実質的には今日の世界における進み方に負けないようにしていくということが必要ではないかと思われる部分もあるんですね。
例えば我が国は貿易立国と言われておりますけれども、貿易といいましても、外国と同じようなものを生産してつくっておったのではこれは負けますわね。やはり外国よりは進んだものをつくってそして進んだ技術でやるしかないということになりますと、私は学問が非常に大事だと思うんですよ。基本的な研究と同時に応用的な研究も必要だと思いますが、従来大学には大学院というものがありまして研究者の養成をやっておりますけれども、これは程度が低くてとても実用には足らぬようなものでしょう、大学院あたりでは。実際のこの貿易界において世界を相手に闘えるようなそういう基礎をつくる研究というものは、私は各省が研究員を持つべきだと思うんですね。各省が研究員を持って、そして新しい分野の研究をどんどん進めるということが必要だろうと思いますね。
そして学校制度も、今のような遊び人をつくるような学校制度をやめて、本当に勉強する者の学校にしてほしいということですね。現在なぜ遊ぶかということは、お考えになればわかります。遊べばいいようになっているんです、今の学校制度は。それじゃ困るのでどうかそういう点も文部省で——おられるどうかわからぬけれども、文部省の方へよく言うて、改革するようにしていただきたいと思いますが、特に学校制度は私は小学、中学、大学三つあったらいいと思うんです。あとは要らぬと思います。大学院は研究者養成で必要ですが、そのほかに研究員をつくったらどうだという問題です。
そういう点につきまして、政府の方ではどういうふうに今後改革をしていこうと考えておられるのか、御意見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/216
-
217・長谷川善一
○説明員(長谷川善一君) 先生の、大学は必要ないということに対して直接お答えするわけではございませんですけれども、大学、大学院、それから大学に附置されております研究所あるいは大学共同利用の研究所、そういったところにおきましては、いろいろな意味で社会的な要請にこたえる必要があるということで、関係の国立の研究機関あるいは民間等とも共同研究を行うように最近受託研究の制度とか共同研究の制度、そういったものをどんどんと充実してまいっております。それから研究所の整備に当たりましても、大学だけではなく広く民間の研究者も利用できます大学共同利用研究所というような研究機関に重点を置きまして整備を図ってまいっておりまして、大学が社会の期待にこたえ得るようにできるだけそういう意味の政策を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/217
-
218・飯田忠雄
○飯田忠雄君 きょうはここでやめます。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/218
-
219・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後五時三十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110714889X00719861216/219
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。