1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和六十三年十二月一日(木曜日)
午後三時開議
出席委員
委員長 三塚 博君
理事 村岡 兼造君 理事 原田昇左右君
理事 桜井 新君 理事 小杉 隆君
理事 大島 理森君 理事 清水 勇君
理事 阿部未喜男君 理事 鳥居 一雄君
理事 中野 寛成君
井上 喜一君 江口 一雄君
片岡 武司君 川崎 二郎君
北村 直人君 鴻池 祥肇君
自見庄三郎君 二田 孝治君
宮里 松正君 石橋 大吉君
田口 健二君 井上 和久君
森本 晃司君 大矢 卓史君
東中 光雄君
出席国務大臣
国 務 大 臣
(内閣官房長官)
外務大臣臨時代
理 小渕 恵三君
出席政府委員
内閣総理大臣官
房審議官 稲橋 一正君
警察庁警備局長 城内 康光君
法務大臣官房審
議官 東條伸一郎君
外務省条約局長 斉藤 邦彦君
委員外の出席者
議 長 原 健三郎君
副 議 長 多賀谷真稔君
事 務 総 長 弥富啓之助君
法 制 局 長 上田 章君
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委員の異動
十二月一日
辞任 補欠選任
石渡 照久君 片岡 武司君
中山 成彬君 宮里 松正君
三原 朝彦君 北村 直人君
木下敬之助君 大矢 卓史君
同日
辞任 補欠選任
片岡 武司君 石渡 照久君
北村 直人君 三原 朝彦君
宮里 松正君 中山 成彬君
大矢 卓史君 和田 一仁君
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本日の会議に付した案件
国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律案起草の件
国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律案の提出に伴う決議の件
次回の本会議等に関する件
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/0
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001・三塚博
○三塚委員長 これより会議を開きます。
まず、国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する件についてでありますが、本件につきましては、これらの地域の静穏を保持し、国会の審議権の確保と良好な国際関係を維持するため、各党間において鋭意協議を行い、このたび、自由民主党の村岡兼造君から起草案が提出されました。その内容につきまして、村岡君から御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/1
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002・村岡兼造
○村岡委員 自由民主党で取りまとめました起草案につきまして、簡単に御説明申し上げます。
まず第一に、国会議事堂等周辺地域、すなわち国会議事堂周辺地域並びに指定された政党事務所周辺地域及び外国公館等周辺地域における拡声機の使用については、当該地域の静穏を害するような方法での拡声機の使用を規制しようとするものであります。
第二に、内閣総理大臣は、衆議院議長または参議院議長のいずれかの要請があったときは、衆議院議員または参議院議員が所属している政党の主たる事務所及びその周辺の地域のうち、静穏を保持することが必要であると認める地域を、期間を定めて、政党事務所周辺地域として指定しようとするものであります。
第三に、外務大臣は、外国の使節団の公館、外国の領事機関の公館等及びその周辺の地域のうち、静穏を保持することが必要であると認める地域を、期間を定めて、外国公館等周辺地域として指定することができるものといたしております。
第四に、国会議事堂等周辺地域等における拡声機使用の制限の適用除外といたしましては、公選法に定める選挙運動、選挙における政治活動、災害、事故等発生の場合の危害の防止及び国または地方公共団体の業務を行うためにする拡声機の使用は、制限を受けないものとしております。
第五に、警察官は、これに違反して拡声機を使用している者があるときは、その者に対し、拡声機の使用をやめるべきこと等必要な措置をとるべきことを命ずることができるものとし、その命令に違反した者は、六月以下の懲役または二十万円以下の罰金に処するものとすることであります。
第六に、この法律の適用に当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意するとともに、法令の規定に従って行われる請願のための集団行進については何らの影響を及ぼすものではないものといたしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行しようとするものであります。
以上であります。
何とぞ、委員会提出の法律案として決定されるようお願い申し上げます。
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国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律案
〔本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/2
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003・三塚博
○三塚委員長 それでは、御協議を願います。
清水勇君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/3
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004・清水勇
○清水委員 この際、理屈を言わず、要点を絞り、若干の問題点についてお尋ねをいたしたいと思います。
まず最初に、若干のこれまでの経過に触れて提案者にその認識を承っておきたいというふうに思います。
国会周辺の静穏を確保しようという十余年前からの議院運営委員会理事会等の論議の焦点は、言うまでもなく、右翼の拡声機による著しい騒音を規制しようとするものであったと私は理解をしておりますが、その理解でよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/4
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005・村岡兼造
○村岡委員 昭和四十五年以来、国会においてしばしば右翼による国会周辺における拡声機騒音の問題が取り上げられ、その規制のあり方について検討が行われてきたことは、御質問のとおりであります。
事は憲法第二十一条の表現の自由にかかわる事柄でございますので、慎重に事態の推移を見守ってまいりましたが、その後も国会周辺のみならず、特定の外国公館周辺等においてもその街宣活動は一向に鎮静化しないという状況が続いております。このような状況を踏まえまして、この際、国権の最高機関たる国会の審議権を確保し、良好な国際関係の維持に資する見地から、不当に言論の自由を制約することとならないようさまざまな
配慮を加え、必要最小限度の規制にとどめることを旨として本法案を作成した次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/5
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006・清水勇
○清水委員 るるお答えがありましたが、要するにその発端は、右翼の音の暴力をどう取り締まっていくか、規制をするか、それが基本的な発想であったということがわかりました。
さてそこで、今新たに立法しようとしているこの法案は、国会や行政官庁に対する国民の請願等通常行われている集団行動については、いささかも規制、影響を与える意図はない、こういうふうに認識をしてよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/6
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007・村岡兼造
○村岡委員 ただいまの御質問につきまして、本法は、デモについての規制を目的とするものではなくて、あくまでも当該地域における拡声機の使用の規制について定めるものであります。
現在、東京都公安委員会の許可を受けて国会議事堂周辺で行われている労働団体等によるデモにつきましては、そこで使用される拡声機の場合、通常はその音量、使用の形態等から見まして、本法による規制の対象には当たらないものと考えられます。また、国会請願につきましては、憲法上平穏な請願が保障されているところでありまして、国会請願に伴って静穏を害するような方法で拡声機が使われるということは通常あり得ないと思われます。
したがいまして、通常行われております請願行進についていささかの影響も及ぼす意図はございません。また、陳情につきましても、同様に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/7
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008・清水勇
○清水委員 これは取り締まり当局といいましょうか、警察庁に伺いたいと思うのでありますけれども、率直に言って右翼の拡声機による騒音の規制、これはやる気があれば現行の軽犯罪法あるいは都条例によって十分行い得ると判断をしております。そこで問題は、警察当局にその気があるかどうか、つまり警察当局の態度にあるという見方があるのでありますが、この点どのように認識をされておられるか、承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/8
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009・城内康光
○城内政府委員 お答えいたします。
警察といたしましては、違法行為は看過しない、こういうことで対処してまいってきておるわけでございます。しかしながら、軽犯罪法あるいは都の公害防止条例などは、もともと右翼によるこうした特異な行為というものは前提にしてできておらないわけでございます。そういうことで、法令の構成上もあるいは取り締まり技術上もいろいろ問題点があるわけでございます。
まず、軽犯罪法の第一条第十四号によりますと、「公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者」は「これを拘留又は科料に処する。」と規定しておるわけでございます。そこで、近隣に迷惑をかけたことを現場で立証することが大変難しいのであります。騒音を出しましてから近隣のそういう証人を確保するというようなことをやりましても間に合わないというようなことがございまして、大変ここで苦労するわけでございます。
それからまた、犯人の住所、氏名が明らかな場合とか逃亡のおそれのない場合というのは現行犯逮捕ができません。これは刑事訴訟法の二百十七条で、軽微な罪については現行犯逮捕が制限されるようになっております。ところで、右翼の騒音の場合には、だれも住所、氏名を名のらないということはないわけでございまして、むしろそれをはっきりと示している場合が多いわけでございます。したがいまして、強い措置がとれないということがございます。
それからまた、軽犯罪法の罰則が拘留または科料ということでございますので、一般的に刑罰による威嚇効果は少なくて、予防効果が上がらない、こういった点が指摘できると思います。そういうことで、この軽犯罪法の適用による対処というのは大変限界のあるものであるというふうに私ども考えて、苦労しておるわけでございます。
それから都条例の関係でございますが、確かにおっしゃるように、五十一条で「何人も、直接に屋外に騒音を発する状態で拡声機を使用してはならない。」ということでありますが、それに違反した場合には知事さんによって停止命令が下されて、それに違反した場合に罰則が科せられる、こういうことになっておるわけでございます。しかしながら、都といたしましては、右翼の街宣車両のような政治的な活動について都の条例を適用するということについては消極でございます。そこで問題があるわけでございますが、仮に都の方で知事さんの委任を受けた都の職員がそういう措置命令をするというようなことになりましても、現場にはそういう人たちがおらないわけでございますから、いざというときには一つも間に合わない、こういうようなことで、大変苦慮しながら実務をやっておるわけでございます。
また、そういうことで、軽犯罪法違反などでやはりこういったことについてのこれまでの取り締まりの実績もそれなりにあるわけでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/9
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010・清水勇
○清水委員 今の答弁についても若干重ねて触れておきたいこともございますが、時間の関係もありますから、これに関連をして警備局長の御見解をお尋ねしておきたいと思います。
実は右翼について、五十三年十月でありましたか、当議運委員会の理事会で、当時の鈴木警備局長がこういうことを言っております。これは、当時の我が党の広瀬理事のどう規制をするかということに関連をして答えているわけですが、「おっしゃるとおりです。まあ、大声でやることに生きがいを感じている連中であり、検挙されることを覚悟でやっている連中なんです。」これは、当理事会に提出をされている資料で証言をしているわけであります。
そうだとすると、本法を新たに制定をしても、規制の実効を果たして確保できるのか、疑問を持たざるを得ません。今警備局長がるる軽犯罪法等について説明をされましたが、現行軽犯罪法と同様に本法が右翼に対してざる法にならないという保証が果たしてあるかどうか、ざる法にならないと言い切れるかどうか危惧するものでありまして、この点の御判断を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/10
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011・城内康光
○城内政府委員 お答えいたします。
ただいま御指摘の当時の鈴木警備局長の答弁の趣旨は、先ほど御答弁いたしましたように、程度も非常に軽い刑罰では右翼はあらかじめ検挙されても大したことにならないということで威嚇効果が上がらないという趣旨のことを述べたというふうに私ども理解しております。これに対しまして、現在問題になっております本件の罰則は、「六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金」ということで、軽犯罪法に比較いたしますと大変重くなっておるわけでございます。
御承知と思いますが、拘留、科料ということでございますと、拘留というのは、一日以上三十日未満の拘置でございます。それから科料というのは、二十円以上四千円未満のお金でございます。そういう程度でございますので、それに比べて大変実効が上がるのじゃないか。特に、先ほど申し上げましたように、いざというときには現行犯逮捕ができる、これは大変大きなことでございまして、特効薬というふうには言えないと思いますが、大変私どもとしては現場では助かるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/11
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012・清水勇
○清水委員 次に、本法案の立法作業に当たられた法制局長にお尋ねをしたいと思います。
本法案の第五条で拡声機の使用の制限を規定しております。この基準が極めてあいまいであります。静穏を害さぬという目安というものを、当然に音量規制の基準を設ける、そういう形で明らかにしなければならないのではないかと重ねて打ち合わせの前後に指摘をしたのでありますが、結局は音量規制が盛り込まれない。この辺はいかなる理由であったのか、お尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/12
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013・上田章
○上田法制局長 お答えを申し上げます。
今お話がございましたとおり、拡声機の使用を制限するということがこの法律のポイントでございます。しかし、音量規制だけでは所期の目的を達成することが困難であるということから、いろいろ苦心をいたしたところでございます。
と申しますのは、音量規制だけでは、まず第一に、複数の団体の間に共謀関係のない、いわゆる複合騒音と言われているものに対しまして有効に対処することができません。外国公館等の周辺では、複数の団体が相互に連絡なしに同時に押しかけてくる場合が多くございます。このような場合には、音量測定の困難性があるということばかりではなく、全体として基準を超える音量を測定できたといたしましても、個々の街宣車の拡声機の音量が基準を超えていなければ規制は不可能と考えられるわけでございます。
第二点といたしましては、音量規制は、音量的にはさほど大きくなくても、同一の場所で長時間にわたりまして、しかも聞く人に不快感を与えるような形で拡声機が使用される場合につきまして十分に対処することができません。
第三に、音量規制は一見客観的なように見えるのでございますけれども、移動する街宣車の場合につきましては、測定方法によりまして測定値がかなり変わり得るものでございます。これを唯一の基準とすることが適当と言えるかどうか問題があると考えまして、このような案にいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/13
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014・清水勇
○清水委員 次に、提案者の村岡先生にお伺いをし、また、ただしておきたいことがございます。
冒頭の質疑と関連をしているのでありますけれども、法案の第五条において「何人も、」云々と規定がなされておりますが、その第二項に適用除外、先ほどの提案の際にも公職選挙法等々の選挙運動、例示がされております。さてそこで、通常集団で行われている請願行進等は、先ほどの提案の趣旨からいえば当然にこの適用除外事項として明文化すべきではなかったのか、この点どうしても理解に苦しむところがございますので、改めて提案者の趣旨を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/14
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015・村岡兼造
○村岡委員 御質問の趣旨は我々といたしましても十分理解できるところでありますが、先ほどお答えいたしましたとおり、国会請願につきましては、憲法上平穏な請願が保障されているところでありまして、国会請願に伴って静穏を害するような方法で拡声機が使用されるということは、通常あり得ないと思われます。したがいまして、第五条で適用除外事由として規定するよりも、確認的に規定するのが適当と考え、第八条第二項にその旨を定めた次第であります。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/15
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016・清水勇
○清水委員 今までの質疑についてもそうでありますが、特にそれぞれのお答えに対する意見はこの機会に差し挟みません。最後に触れさせていただくことにいたします。
これは法制局長に聞いた方がいいのかもしれませんが、私はどうしても本法で問題があるのは第六条の規定である、こう思います。この規定によると、静穏を害するか否かの判断がすべて現場の警察官にゆだねられている、何らの判断基準についての定めもないわけでありますから、本規定の運用が現場警察官の恣意によって行われる、あるいはゆがめられるという危険性があると言わなければなりません。そういうことを通して、右翼の俗に言われる騒音を規制するという美名のもとで、善良な国民の基本的人権を含む基本的な諸権利が侵害をされるということになると、これは大変なことでありますから、私は、憲法二十一条の規定及び憲法全体の立場から、そういう侵害があってはならない、侵害されることは許されない、こういうふうに厳格に認識をするのでありますが、この点についてどう思われるか、所信をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/16
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017・上田章
○上田法制局長 お答え申し上げます。
この法律案におきましては、先ほどからお話がございますように、表現の自由との関係等を考慮いたしまして、第五条に違反する行為を直ちに処罰するということにはいたしませんで、まず警察官が是正命令を発し、そしてその命令に違反した者を処罰するという間接罰の手法をとったわけでございます。
命令を発する者を警察官といたしました理由は、まず警察法第二条第一項におきまして、公共の安全と秩序の維持に当たることが警察の責務と定められているからでございます。ちなみに、このような警察の責務にかんがみまして、現行の軽犯罪法の静穏妨害罪の公務員というものも警察官が典型的なものと解されております。
また、国会周辺等の地域の静穏を害するような方法による拡声機の使用があったかどうかということは、拡声機が使用された路上などの現場におきまして、その現場にいる者しか判断することができない、そういう理由からでございます。
ただ、先ほどから御質問のように、現場の警察官の運用がまちまちであったり、また、恣意にわたったりするようなことは絶対にあってはなりません。そこで、その統一的、客観的な運用を確保するために、取り締まり当局におきまして、現場の警察官に対しましてこの法律案の統一的解釈、運用、取り締まり方法といったような事柄につきまして十分に指導徹底が図られるものと確信しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/17
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018・清水勇
○清水委員 最後に、二、三の点について確認を求めておきたいと思います。第八条の第一項、第二項の規定に関連をする、そういうふうに受けとめていただいて結構でありますが、次の三点について明らかにしていただきたい、こう思います。
一つは、これまで請願行進において、街宣車は大蔵省上の地点まで乗り入れて、そこで行進と分かれて左折をしているという慣行がございます。この点は引き続き認められると解するのでありますが、それでよろしいかどうか。
二つ目は、行進と分かれた街宣車が行進の解散地点である永田町小学校前で待機をし、行進参加者に対して拡声機を使用することを引き続き認められると解していいかどうか。要するに、ここが流れ解散の地点です、御苦労さまです、こういうことを通常やっているわけでありますが、そうした行為は引き続き認められると解していいか。
三つ目は、国会請願行進が秩序正しく行われる、その秩序保持に必要なハンドマイクの使用、これは従来どおり認められると解してよいか。
この三点についてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/18
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019・上田章
○上田法制局長 まず最初に私から一般的なお答えをさせていただきまして、具体的な問題につきましては警察庁の方からお答えを願うことにいたします。
今三点御質問がございましたが、先ほどから村岡先生から御答弁がございましたように、国会請願につきましては憲法上平穏な請願が保障されているところでございます。国会請願に伴って静穏を害するような方法で拡声機が使われるということは、通常あり得ないと思っております。したがいまして、通常行われております請願行進についていささかの影響も及ぼすものではないと考えておるわけでございます。
なお、先ほど村岡先生から御答弁がございましたように、八条の二項におきまして、「この法律の規定は、法令の規定に従って行われる請願のための集団行進について何らの影響を及ぼすものではない。」という規定を設けまして、この趣旨を確認的に規定をいたしたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/19
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020・城内康光
○城内政府委員 お答えいたします。
本件の法律案で規定されておりますのは、社会通念上当該地域においては受忍し得ないような形態での拡声機の使用ということであろうかと思います。
御質問が非常に具体的でございまして、あらかじめそのことについて私が一般的に申し上げるのもなんでございますので、現在の時点でできるだけの御答弁をいたしたいと思います。
まず、平穏に行われる請願行進を規制する趣旨のものではないと私どもは受けとめております。ただいま法制局長のおっしゃったとおりであろうと思います。
それから、御指摘の地域におきまして、例えば宣伝車が拡声機のボリュームをいっぱいに上げて静穏を害するような方法で拡声機放送を行うような場合は別であろうかと思いますが、現在デモ等に伴って使用されているものは、その音量とかあるいは形態などから見て、本法で規制される程度
には至らない場合が多いのじゃないか、こんなふうに考えております。
それからまたハンドマイクの点でございますが、性能的にもそんな大きな出力を持っているわけでもございませんし、通常の使用であれば問題にならない。
いずれにいたしましても、私ども取り締まり官庁でありますが、防犯指導というのも私どもの任務でございますから、やはりケース・バイ・ケースでいろいろと御連絡し、また、いろいろと御案内するということで努力させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/20
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021・清水勇
○清水委員 今の点で、これが現に通常行われている労働団体であるとか市民団体であるとか、こういう方々の一番の懸念のところでして、現在行われている普通の国会請願デモ行進というのでしょうか、これはさっき申し上げたように大蔵省の上だとか永田町小学校前だとか、こういうことで何のトラブルもなしにこれがなされている。だから、これはこれで当然これまでの慣行に沿うて認められる、こういうふうに認識をしてよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/21
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022・城内康光
○城内政府委員 そういうことでよろしいと思います。というのは、社会通念上当該地域において受忍し得ないような形態での拡声機の使用を規制するものだということを冒頭に申し上げたのはその趣旨でございまして、やはり地域の状況などをいろいろ見ながら対処してまいりたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/22
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023・清水勇
○清水委員 質問は以上で終わりますが、一言意見を添えておきたいと思います。
率直に申し上げて、国民から選出をされ、国会にある議員たる者は、ある意味で国民のさまざまな行為、行動を通して一定の受忍の義務というものを持たざるを得ないのじゃないか、うるさいからといって一々それを法律で規制をしていいのか、憲法二十一条の表現の自由との兼ね合いがどうなるのか、こういう率直な批判というか見方があることもまた事実であります。
しかし現実には、過去の長い経過を踏まえてここに提案をされたわけでありますから、この点は了といたしますが、ただ問題は、法律ができてしまうと、どうしてもこれがひとり歩きをするおそれがある。今ここで言われているような明確な確認、これがやがて時の経過を通じてどうもあいまいになって、あるいは運用がゆがめられるというようなことが懸念をされる。そこで私どもは、そうならないように幾つかの点で厳格な規定、基準等を求めたわけでありますが、残念ながらこれが盛り込まれなかったといううらみを感じております。この点、仮にこの法律が成立を見た場合、万遺憾なきを期する、こういうことを提案者に申し上げるというよりも、行政当局に強く促しておきたい、こういうふうに思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/23
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024・三塚博
○三塚委員長 桜井新君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/24
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025・桜井新
○桜井委員 私は、自由民主党を代表して質問をさせていただきます。
先ほど清水理事からもお話がございましたけれども、本法案の趣旨については、十数年来にわたって私どもの先輩が議論をしてきたところであるそうでございます。私も当選して八年になりますが、主権者たる国民の代表として、立法府として最高機関の役割を務めておる国会の環境としてはまことに情けない、まともな審議もできないほど大変騒音に悩まされておる状況であることを極めて遺憾に思ってきたところであります。
そういう中にあって、きょうこの法案が提案をされてきたことは、まことに時宜を得た感がいたします。しかも、先ほど村岡理事からるる詳細な説明があり、一々理解をしたところでございます。しかしながら、私は二点ほどについてただしておきたいと思うわけであります。
今までも清水理事の方から右翼のことについて特に強調されたのでありますが、私どもがこのことを議運で議論をした後、新聞等マスコミに右翼のみの取り締まりであるかのごとき誤解を受けるような報道があり、事実そういうような感じで私も何人かにただされた経緯がございます。しかし、憲法十六条、二十一条で表現の自由やら請願、陳情の自由が保障をされておるわけであります。しかし、最近私どもの感ずるところでは、ややもすると国民すべてが、権利の主張のみが先行して、十三条でうたっております「公共の福祉に反しない限り、」という点についての配慮が余りにも足りな過ぎる、こういう感もいたしておるわけでありますが、そういう観点からすると、特定の団体のみを指摘して取り締まるような法律をつくるとすれば、これはまさに憲法上大いに疑義を感ぜざるを得ない、こういうことにもなるかと思いますので、本法が右翼の街宣活動における拡声機の使用のみを規制対象としておるのかどうか、この点についてお尋ねをしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/25
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026・村岡兼造
○村岡委員 この法律は、右翼の街宣活動による拡声機の使用によって、国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏がしばしば害されている事実を契機として立法しようとするものでありますということは、先ほども申し上げました。しかし、この法律により規制される行為は、それらの地域において静穏を害するような方法で拡声機を使用する行為一般であり、特に限定しておりません。いわゆる右翼の街宣活動による拡声機の使用のみが規制されるわけではないということを明言しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/26
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027・桜井新
○桜井委員 わかりました。これは、しかとひとつそういうことで、私どもが国会審議、政治活動に支障のないような静穏な環境を保つために、ひとつ行政府はこの法律で取り締まっていただきたい、こう思うわけでございます。
それからもう一点。私どもが国会審議をするに当たっては、まさに日本の政治機構は政党政治で行われておるわけでありますが、今度のこの法律で国会周辺と指定される区域の中には、我が党の自由民主党本部やあるいは野党第一党の社会党本部は入っておるわけでありますが、その他の政党本部はここに入っていないわけであります。しかし、これらの政党本部、たまたまウィーン条約に基づいた外交官の身分の保全についても、今度の規定の中で守ろうということになった。これは相当離れたところもあるし、所によっては東京以外の地域だってあり得るだろうと思うのでありますが、それと同じような立場で、まさに政党政治に基づいて行われておる我が国の政治活動においては、政党本部というものはそういう意味で事前審査等極めて重要な役割を果たすわけであります。
かつて私どもの自由民主党もしばしば騒音に悩まされ、法案審議も何もできないほど大騒ぎをさせられたこともあったわけでありますが、こういうことでは、世界の先進国だ、文化国家だなんということはまことに情けない限りだ、こう思います。そういう意味で、この中身に規定されたことは大変私はこれまた結構なことだと思っておるわけであります。まさに審議の静穏を守っていただきたいと思うわけでありますが、この国会周辺から離れた政党本部の静穏を守ることができるのかどうか。
先ほど清水さんの質問で、軽犯罪法、都条例等でも、今までの法律でも守れるのではないかというお話がありましたが、今までの法令ではなかなかできない。しかし、今度の法令では守れるという答弁はありましたけれども、もう一回、政党本部はまた環境がいささか異なっておりますから、この点について確認をしたい。守れるか、どうやって守るか、この点について政府側に確認を求めておきたいと思いますので、御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/27
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028・城内康光
○城内政府委員 お答えいたします。情勢に応じまして所要の警察官を配置いたしまして、この法の趣旨にのっとった静穏の確保に努めてまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/28
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029・桜井新
○桜井委員 私の質問は以上で終わらしていただきますが、どうぞこの法の精神に基づいて、これなら日本の最高機関としての政治活動並びに外交活動の静穏環境を守れる、こういうことで立法するわけでありますので、万遺憾のないように努力をしていただきたいとお願いを申し上げて、終わらしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/29
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030・三塚博
○三塚委員長 東中光雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/30
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031・東中光雄
○東中委員 もう社会党、自民党の方から質問がありまして、できるだけ重複しないようにやりたいと思うのですが、条文に則しまして若干趣旨をはっきりさせていただきたい、こう思っております。
第一条の問題では、目的が書かれておりますが、「国会の審議権の確保と良好な国際関係の維持に資することを目的とする。」というふうに書かれておるのですが、国会の審議権という言葉は今度初めてで、その内容は具体的にはどういうことを言っておられるかという点で、国会の審議そのものと国会審議に当たる国会議員の審議のための議員活動、それからその国会議員の所属する政党本部での政党活動、そういうものが妨げられないようにというのが目的に書かれている審議権、国会の審議権と言っておる内容はそういうことだと理解しておりますけれども、そういうことでよろしいのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/31
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032・村岡兼造
○村岡委員 御質問のとおり、第一条において「国会の審議権の確保」といいますのは、国会における本会議や委員会における審議が円滑に行われるというだけではなくて、国会や政党本部における国会審議のための議員活動が騒音により支障を来すことになれば国会における審議権も十分に確保できないということになりますので、これらの議員活動が円滑に行われることも当然含むものと考えております。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/32
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033・東中光雄
○東中委員 三条、四条関係についてでありますが、政党事務所周辺地域や外国公館等の周辺地域のうち規制される指定地域の範囲であります。これは外務大臣と内閣総理大臣が決められることになっておりますが、範囲として何の基準もない状態になっておりますが、その範囲は具体的にはどういうことなのか、基準はあるのかないのかという点について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/33
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034・上田章
○上田法制局長 お答え申し上げます。
規制対象となります地域は、国会議事堂周辺地域、政党事務所周辺地域、それから外国公館等周辺地域でございます。
このうち、国会議事堂周辺地域といいますのは、お手元にお配りしてございますように、法律中の別表第一に定める地域でございます。この地域は、周辺の道路状況、行政区画、拡声機の性能等を勘案いたしまして、国会議事堂の周囲おおむね五百メートル前後の距離の範囲内の地域において定めたものでございます。
政党事務所周辺地域は内閣総理大臣が、それから外国公館等周辺地域は外務大臣が指定することになっておりますが、この場合におきましても、国会議事堂周辺地域の場合を参考にして指定されるものと思われます。なおさらに、政党事務所周辺地域、外国公館等周辺地域の居住環境なども勘案して定められるものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/34
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035・東中光雄
○東中委員 次に五条関係ですが、問題の規定があるわけです。当該地域の静穏を害するような方法での拡声機の使用が規制の対象であるということになっておりますが、この静穏を害するような拡声機の使用という程度、軽犯罪法にも静穏を害するという言葉が使われておりますが、その概念が極めて不明確である。
それでまず伺いたいのは、どういう態様のものを考えておられるのか。それはあらゆる態様を言えと言っても無理だと思いますが、どういう態様のどういう程度の音を発する拡声機を規制対象とするのか、この概念を、これは構成要件そのものですので、できるだけわかるように明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/35
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036・城内康光
○城内政府委員 お答えいたします。
この法案に言います静穏を害するような方法による拡声機の使用といいますのは、いろいろ幾つかのメルクマールがあるというふうに考えております。まず、拡声機の音量がやはり問題になると思います。音量で規制するということができなかったことにつきましては先ほど法制局長の方でお答えになったとおりでございますが、それから音質もやはり問題になると思います。ハウリングということで、キンキンキンキン拡声機で放送したものがまたマイクに入るというようなことがございます。それからあと、放送される場所もやはり問題である。同じ区域の中でもどういう場所で放送がされるか。それから時間でございます。静けさが時間によって違う。それから周囲の状況はどうか。それからさらにまた、放送の継続時間等々も問題になります。
そういったいろいろな点を総合的に判断して、結局は社会通念上当該地域において受忍し得ないような形態での拡声機の使用、こういうことになるわけでございまして、なかなか一概に言うことはできないわけでございます。しかし、典型的なものとしては、右翼が反ソデー等で街宣車を連ねてソ連大使館周辺に押しかけたりしているようなことがいろいろ問題になっておりますので、そういったような形態を考えながら、先ほど法制局長が申されたように、内部的ないろいろな検討をやってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/36
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037・東中光雄
○東中委員 隊列を組んで宣伝車が非常な高音でやる場合、あるいは一定の場所をぐるぐる回って高音でやる場合、それからあるいは一定の場所に固定して長時間政党なり国会なりに向かって使用する場合、そういう態様、それに限られるとは言えないと思いますが、そういう態様なんだろうというように私は思っているのですが、そういうことかどうかということと、そうだとすれば、先ほど来話に出ておりますような示威行進における携帯拡声機の使用というのは、これはもう隊列の関係のために使うわけですから、そういうものは構わない。
それから通常の拡声機の使用、伝える相手方がおってそれに対して使われる通常の使用は、静穏を害するような拡声機の使用というものではないというように言えるかどうか、それを確かめておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/37
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038・城内康光
○城内政府委員 まず、御指摘がありましたように、隊列を連ねて音を出すということでございますが、個々の車から発する音はさほど大きくなくても全体として競合して大きな音になる、こういうことで問題になるわけでございます。それからまた長時間——長時間とは一体どのくらいかということは、これから法務、検察とも打ち合わせをしていろいろ詰めてまいらなければならないことである。いずれにしても、罰則の適用ということになりますので、厳格に考えていかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。いずれにしましても、そんなに高くない音でも長時間続けてやられますと大変迷惑をするということもありますので、そういったものもその態様になると思います。
それから携帯拡声機のことにつきましては、先ほども御答弁したわけでございますが、通常の使い方であれば大した出力があるわけでもございませんので、そういうものは通常問題にならないことではないのかというふうに考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/38
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039・東中光雄
○東中委員 六条関係ですが、一番問題のところであります。それは、静穏を害する程度の拡声機の使用であるかどうかということを判断するのは現場の警察官である。現場の警察官が静穏を害するというふうに判断して中止命令なり措置の命令をした場合に従わなければならない。非常に大きな音が出ても命令をしなければ、これは犯罪にも何にもならない。私どもの党本部にも右翼が来てがんがんやる。取り締まりできるじゃないかと言ってもなかなかやってくれないということがありますので、そういう点では、そういう問題については警察官の判断で、小さい音でも軽犯罪法で、ハンドマイクでもちょっとキンキンやるとばっと来られる。その判断も警察官にゆだねられる。だから、社会通念上という概念を適用する人が現場の警察官である。そういう点で、これは白地刑法的な内容にさえなってくるということで、私たちは非常に危惧しているわけです。
憲法上の罪刑法定主義の原則あるいは適用基準の法律手続の点からいっても問題があると考えておりますので、それの基準というようなものをつ
くれるかつくれないかわかりませんけれども、現場の警察官の恣意に任せないというためにどういう措置が考えられているのか、明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/39
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040・城内康光
○城内政府委員 社会通念上当該地域においては受忍し得ないようなと、こういうことがやはり基本でございますので、一体社会通念上受忍し得ないというのはどういうことなのかということを、先ほどもちょっと御答弁いたしましたように、法律ができましたら、法務、検察とよく打ち合わせをしてまいりたいと思います。
それからなお、実はこういう国会の周辺とかあるいは警備対象になるような周辺というのは、個々の警察官がばらばらに勤務しているわけではございません。ほとんどの場合、それは部隊として配置になっておるわけでございまして、やはり部隊における責任のある者がその判断をする、こういう仕組みになろうかと思います。とりわけ新しい法でございますので、私ども適用するにつきましてはいろいろな慎重な検討をして対処してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/40
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041・東中光雄
○東中委員 言われていることは言われている範囲で、それ以上のものでもそれ以下のものでもない答弁と承りました。
法律をつくる場合に、立法の目的というのは、例えば暴力行為等処罰法なんという法律をつくるときには、労働組合運動や農民運動には一切適用しないのだと国会で言われておって、できたらそっちの方ばかりやるという経緯がありますから、そういう点でいうならば、白地刑法的な意味で処罰の対象になるかならないかを現場の警察官の判断にゆだねるということは法制上非常に危険である、私たちはそういう考えを持っておるわけです。なるほど限定されているとはいっても、現行法でやれることさえやられてない状態でこれをつくって逆の方向に作用されたのではまことに許されない、そう思っておりますので、この立法には反対せざるを得ないということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/41
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042・三塚博
○三塚委員長 それでは、国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する件につきましては、お手元に配付の自由民主党の村岡兼造君提案の起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/42
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043・三塚博
○三塚委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/43
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044・三塚博
○三塚委員長 次に、ただいま提出することに決定いたしました法律案に対し、原田昇左右君外四名より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五派共同提案による国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律案の提出に伴う決議を行うべしとの動議が提出されております。
提出者より趣旨の説明を求めます。原田昇左右君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/44
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045・原田昇左右
○原田(昇)委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同を代表して、ただいま決定いたしました国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律案の提出に当たりまして、これまでの議論を踏まえ、委員会決議を提案する次第であります。
御承知のとおり、本問題につきましては、長年にわたる当委員会の懸案事項でありました。このたび、各党の御協力を得ましてここに委員会提出の法律案を決定することができました。関係各位の御努力に敬意を表します。
この際、決議案文の朗読により、趣旨の説明にかえさせていただきます。
国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律案の提出に伴う決議(案)
政府は、本法の実施に当たり、本法が国民の基本的人権に深くかかわるものであることにかんがみ、拡声機の使用制限については、国民の権利を不当に侵害しないよう慎重に行うべきである。
右決議する。
以上であります。
何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/45
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046・三塚博
○三塚委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
本動議について採決いたします。
本件を委員会の決議とするに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/46
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047・三塚博
○三塚委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
この際、小渕内閣官房長官から発言を求められておりますので、これを許します。小渕内閣官房長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/47
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048・小渕恵三
○小渕国務大臣 ただいまの決議につきましては、その趣旨を踏まえ対処いたしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/48
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049・三塚博
○三塚委員長 なお、ただいまの決議の関係各方面への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/49
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050・三塚博
○三塚委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/50
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051・三塚博
○三塚委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、明二日金曜日午後一時から開会することといたします。
また、同日午前十一時理事会、正午から委員会を開会いたします。
本日は、これにて散会いたします。
午後四時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111304024X02219881201/51
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