1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和六十三年十二月二日(金曜日)
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議事日程 第十六号
昭和六十三年十二月二日
午後一時開議
第一 国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律案(議院運営委員長提出)
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○本日の会議に付した案件
日程第一 国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律案(議院運営委員長提出)
午後一時三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111305254X02119881202/0
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001・原健三郎
○議長(原健三郎君) これより会議を開きます。
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111305254X02119881202/1
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002・原健三郎
○議長(原健三郎君) 日程第一は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111305254X02119881202/2
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003・原健三郎
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。
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日程第一 国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律案(議院運営委員長提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111305254X02119881202/3
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004・原健三郎
○議長(原健三郎君) 日程第一、国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律案を議題といたします。
委員長の趣旨弁明を許します。議院運営委員長三塚博君。
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国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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〔三塚博君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111305254X02119881202/4
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005・三塚博
○三塚博君 ただいま議題となりました国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
まず、本法律案を提案をいたします理由は、国会の審議権の確保と良好な国際関係の維持に資するため、国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域における拡声機の使用について必要な規制を行い、これらの地域の静穏を保持しようとするものであります。
その主な内容につきまして御説明申し上げます。
まず第一に、国会議事堂等周辺地域、すなわち国会議事堂周辺地域並びに指定された政党事務所周辺地域及び外国公館等周辺地域における拡声機の使用については、当該地域の静穏を害するような方法での拡声機の使用を規制しようとするものであります。
第二に、内閣総理大臣は、衆議院議長または参議院議長のいずれかの要請があったときは、衆議院議員または参議院議員が所属している政党の主たる事務所及びその周辺の地域のうち、静穏を保持することが必要であると認める地域を、期間を定めて、政党事務所周辺地域として指定しようとするものであります。
第三に、外務大臣は、外国の使節団の公館、外国の領事機関の公館等及びその周辺の地域のうち、静穏を保持することが必要であると認める地域を、期間を定めて、外国公館等周辺地域として指定することができるものといたしております。
第四に、国会議事堂等周辺地域等における拡声機使用の制限の適用除外といたしましては、公選法に定める選挙運動、選挙における政治活動、災害、事故等発生の場合の危害の防止及び国または地方公共団体の業務を行うためにする拡声機の使用は、制限を受けないものといたしております。
第五に、警察官は、これに違反して拡声機を使用している者があるときは、その者に対し、拡声機の使用をやめるべきこと等必要な措置をとるべきことを命ずることができるものとし、その命令に違反した者は、六月以下の懲役または二十万円以下の罰金に処するものとすることであります。
第六に、この法律の適用に当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意するとともに、法令の規定に従って行われる請願のための集団行進については何らの影響を及ぼすものではないものといたしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行しようとするものであります。
以上が本法律案の概要であります。
御承知のとおり、国会周辺及び外国公館等周辺地域における静穏の保持につきましては、長年にわたる懸案事項でありまして、しばしば議院運営委員会においてその対策が論議されていたところであります。
本問題については、今臨時国会におきまして、関係機関との調整を行うなど、精力的に協議を進め、昨日、議院運営委員会において、自由民主党、公明党・国民会議、民社党・民主連合の賛成を得て、委員会提出の法律案と決した次第であります。
なお、その際、起草案の提案者及び政府当局等に対し、各党から質疑が行われました。
その主なものについて申し上げます。
まず、本法律案は、国会や行政官庁に対する国民の請願等集団行動については規制、影響を与える意図はないと認識してよいかなど、規制の対象に関する質疑に対し、提案者から、現在、東京都公安委員会の許可を受けて国会議事堂周辺で行われている労働団体等による請願及び陳情については、規制の対象には当たらない旨の答弁がありました。
また、政府当局から、本法律案で規制されているのは、社会通念上当該地域において受忍し得ないような形態での拡声機の使用であり、平穏に行われる請願行進を規制する趣旨のものではないと受けとめている旨の答弁がありました。
また、何人も法のもとの平等との観点から、いわゆる右翼団体だけを対象とするのでは憲法上問題があるとの質疑に対しては、提案者から、本法
律案により規制される行為は、当該地域において静穏を害するような方法で拡声機を使用する行為一般であり、特に一部の団体を対象としたものではない旨の答弁がありました。
また、質疑の中で、政府に対し、本法律案の運用に当たっては現場の警察官が恣意によって判断することがないよう、統一的、客観的な運用を行うよう要望がありました。
なお、本法律案の提出に伴いまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合、日本共産党・革新共同の五派共同提案による委員会決議を行いました。
決議を朗読いたします。
国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律案の提出に伴う決議
政府は、本法の実施に当たり、本法が国民の基本的人権に深くかかわるものであることにかんがみ、拡声機の使用制限については、国民の権利を不当に侵害しないよう慎重に行うべきである。
右決議する。
また、本決議に対し、小渕内閣官房長官から、ただいまの決議につきましては、その趣旨を踏まえ対処してまいりたい旨の発言がありました。
以上であります。
何とぞ、議員各位の御賛同をお願いを申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111305254X02119881202/5
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006・原健三郎
○議長(原健三郎君) 採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111305254X02119881202/6
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007・原健三郎
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111305254X02119881202/7
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008・原健三郎
○議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
午後一時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111305254X02119881202/8
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