1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和六十三年十一月八日(火曜日)
午後二時五十二分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 前島英三郎君
理 事
佐々木 満君
宮崎 秀樹君
山本 正和君
中西 珠子君
委 員
石井 道子君
石本 茂君
斎藤 十朗君
関口 恵造君
田中 正巳君
対馬 孝且君
浜本 万三君
渡辺 四郎君
中野 鉄造君
沓脱タケ子君
内藤 功君
藤井 恒男君
衆議院議員
社会労働委員長 稲垣 実男君
国務大臣
厚 生 大 臣 藤本 孝雄君
政府委員
厚生省保健医療
局長 北川 定謙君
事務局側
常任委員会専門
員 此村 友一君
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本日の会議に付した案件
○医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
○後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案(第百八回国会内閣提出、第百十三回国会衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314410X00219881108/0
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001・前島英三郎
○委員長(前島英三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
提出者衆議院社会労働委員長稲垣実男君から趣旨説明を聴取いたします。稲垣実男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314410X00219881108/1
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002・稲垣実男
○衆議院議員(稲垣実男君) ただいま議題となりました医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
本案は、血液製剤によるエイズ患者等の救済の実施に当たり、その給付の事務を特別認可法人である医薬品副作用被害救済・研究振興基金に行わせることにより、救済業務の迅速かつ円滑な実施を期するとともに、あわせて、給付を受ける者のプライバシーの確保等に資することを目的とするもので、その主な内容は次のとおりであります。
第一に、基金は、当分の間、従来からの業務に加え、医薬品に混入したエイズウイルスによる健康被害の迅速かつ円滑な救済を図るため、厚生大臣の認可を受けて、救済のために必要な事業を行う者から委託を受けて医薬品副作用被害救済制度による給付に準じた給付の事業を行うことができること。
第二に、エイズ患者等の救済のために基金が行う給付については租税その他の公課を課することができないこと、その他所要の規定の整備を行うこと。
以上が本案の提案理由及び内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314410X00219881108/2
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003・前島英三郎
○委員長(前島英三郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314410X00219881108/3
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004・前島英三郎
○委員長(前島英三郎君) 次に、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案を議題といたします。
まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。藤本厚生大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314410X00219881108/4
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005・藤本孝雄
○国務大臣(藤本孝雄君) ただいま議題となりました後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。
現在、後天性免疫不全症候群すなわちエイズの蔓延は、欧米を初めとして世界的に深刻な状況にあり、特にアメリカ合衆国では、一九八一年に最初の患者が確認されて以来、既に七万人以上の患者が発生していると言われております。我が国におきましては、現在までに確認されているエイズ患者は欧米諸国等に比べるとなお少数にとどまっておりますが、最近では女性患者の発生等エイズの一般への感染が懸念される状況も見られ、現段階において緊急に総合的な対策を講じ、エイズの蔓延を防止することが喫緊の課題となっております。
このため、政府においては、昨年二月に「エイズ問題総合対策大綱」を策定し、国民に対する正しい知識の普及を初めとして、感染源の把握、二次感染防止対策の強化、国際協力及び研究の推進等の総合的な対策を講じているところであります。
この法律案は、人権の保護に配慮しつつ、エイズの伝染の防止その他その予防に関し、法律上の措置が必要な事項について定めることにより、エイズの蔓延の防止を図ろうとするものであります。
以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
まず、予防に必要な施策、知識の普及、研究の推進等について国等の責務を規定し、総合的な対策に取り組む関係者の役割を明らかにするとともに、患者等の人権の保護について留意しなければならないことを規定しております。
次に、感染源の把握及び二次感染の防止に関して必要な事項を規定することであります。エイズは一たん感染し、発症すると重篤な経過をたどる疾病でありますが、その感染力は比較的弱く、感染経路が限られていることにかんがみ、この法律案では、医師と感染者の信頼関係の上に立った保健指導の徹底により、二次感染の防止を図ることを対策の基本としております。これに対し、都道府県知事は、医師との相互の連携のもとに、感染者の発生に関する疫学情報を常に的確に把握することを原則とし、感染者が医師の指導に従わない等公衆衛生上特に問題が生ずる場合に限り、健康診断の勧告及び命令、二次感染防止のための指示等を行うことができることとしております。
さらに、患者等のプライバシーを保護するという観点から、医師の都道府県知事に対する報告には原則として感染者の氏名等を含めない等の配慮をするとともに、エイズの治療等を行った医師、予防事務に従事した公務員その他の関係者に厳しい守秘義務を課すこととしております。
このほか、出入国管理及び難民認定法の一部を改正し、エイズに関する出入国管理上の措置について規定することとしております。
なお、この法律の施行期日は、公布の日から一
月を経過した日としております。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては、衆議院において、国及び地方公共団体の責務、感染者に関する医師から知事への報告、並びに知事の行う健康診断の勧告、命令及び質問について修正が行われたところであります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314410X00219881108/5
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006・前島英三郎
○委員長(前島英三郎君) この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院社会労働委員長稲垣実男君から説明を聴取いたします。稲垣実男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314410X00219881108/6
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007・稲垣実男
○衆議院議員(稲垣実男君) 後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案に対する衆議院の修正部分について、その内容を御説明申し上げます。
修正の要旨は、第一に、国及び地方公共団体は、教育活動等を通じてエイズに関する正しい知識の普及を図らなければならないこと。第二に、国及び地方公共団体は、エイズに関する施策が総合的かつ円滑に実施されるよう、相互に連携を図らなければならないこと。第三に、医師の都道府県知事への報告については、感染者が血液凝固因子製剤の投与により感染したと認められる場合には、これを要しないこと。第四に、都道府県知事の健康診断の受診の勧告については、医師がその診断に係る感染者にエイズの病原体を感染させたと認められる者がさらに多数の者にエイズの病原体を感染させるおそれがあることを通報した場合に行うこと。第五に、都道府県知事が行う質問については、健康診断の受診の勧告、健康診断の受診の命令または必要な指示を行おうとする場合に行うこと。以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314410X00219881108/7
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008・前島英三郎
○委員長(前島英三郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314410X00219881108/8
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009・前島英三郎
○委員長(前島英三郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314410X00219881108/9
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010・前島英三郎
○委員長(前島英三郎君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314410X00219881108/10
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011・前島英三郎
○委員長(前島英三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314410X00219881108/11
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