1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和六十三年十一月二十二日(火曜日)
午前十時二十分開会
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委員の異動
十月十二日
辞任 補欠選任
山口 哲夫君 久保田真苗君
十月十三日
辞任 補欠選任
久保田真苗君 山口 哲夫君
十一月二十一日
辞任 補欠選任
山口 哲夫君 小野 明君
上野 雄文君 田渕 勲二君
十一月二十二日
辞任 補欠選任
神谷信之助君 吉井 英勝君
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出席者は左のとおり。
委員長 向山 一人君
理 事
田辺 哲夫君
松浦 功君
佐藤 三吾君
抜山 映子君
委 員
加藤 武徳君
海江田鶴造君
金丸 三郎君
佐藤謙一郎君
沢田 一精君
谷川 寛三君
出口 廣光君
田渕 勲二君
片上 公人君
吉井 英勝君
秋山 肇君
国務大臣
自 治 大 臣
国 務 大 臣
(国家公安委員
会委員長) 梶山 静六君
政府委員
警察庁長官官房
長 森田 雄二君
警察庁交通局長 内田 文夫君
自治大臣官房長 持永 堯民君
自治省行政局長 木村 仁君
自治省行政局公
務員部長 芦尾 長司君
消防庁長官 矢野浩一郎君
事務局側
常任委員会専門
員 竹村 晟君
説明員
労働省労働基準
局賃金時間部労
働時間課長 畠中 信夫君
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本日の会議に付した案件
○地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/0
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001・向山一人
○委員長(向山一人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
昨日、山口哲夫君及び上野雄文君が委員を辞任され、その補欠として小野明君及び田渕勲二君が選任されました。
また、本日、神谷信之助君が委員を辞任され、その補欠として吉井英勝君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/1
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002・向山一人
○委員長(向山一人君) これより地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。梶山自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/2
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003・梶山静六
○国務大臣(梶山静六君) ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
政府は、国全体として労働時間を短縮することを当面の重要課題の一つとして位置づけ、その推進に取り組んでいるところであります。その一環として国の行政機関と並んで地方公共団体についても、公務の円滑な運営を図りつつ週休二日制を推進するため、土曜閉庁方式を導入することが必要であると考え、地方公共団体が日曜日、国民の祝日等と合わせて、毎月の第二土曜日または第四土曜日を条例で休日として定めることができることとするとともに、期限の特例について必要な措置を講じることとしたものであります。
以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。
次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。
第一に、地方公共団体の休日に関する事項であります。
地方公共団体の休日は、条例で、日曜日及び一定の土曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日並びに年末または年始の日について定めるものといたしております。
なお、土曜日を地方公共団体の休日として定める場合には、当分の間、国の行政機関の休日と同様、毎月の第二土曜日または第四土曜日を定めなければならないものといたしております。
第二に、地方公共団体の行政庁に対する申請、届け出等の期限が地方公共団体の休日に当たるときは、原則として、その翌日をもってその期限とみなすことといたしております。
なお、この法律は公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとするとともに、地方公共団体の休日に関する条例が制定施行されるまでの間について、必要な経過措置を定めております。
以上が地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/3
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004・向山一人
○委員長(向山一人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/4
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005・佐藤三吾
○佐藤三吾君 土曜閉庁法案については我が党は基本的に賛成なんですが、取り扱いを含めて私どもの方で若干不明な点もございますので、その点を中心にただしてまいりたいと思うんです。
この法文の中で「毎月の第二土曜日又は第四土曜日」、こういう表現になっておるんですが、これは何かとりようによっては分離してとられるような、そういうものを含んでいるような感じがするんですけれども、これはどういう理解なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/5
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006・木村仁
○政府委員(木村仁君) 「及び」と「又は」の両方の意味を意味している言葉でございまして、通常「及び」と「又は」の両方の意味を表現する場合には立法技術上「又は」という言葉を使うことになっているそうでございます。したがって、そういう意味で使われておりますので、第二及び第四土曜日を両方することも可能であり、あるいはどちらかを一方だけすることも可能であるという意味でございますが、私どもといたしましては、土曜閉庁を実施することによりまして四週六休制の早急な実施を図ってまいる所存でございますので、各地方公共団体に対しては、事情の許す限りできるだけ早く第二及び第四土曜の両方を条例で定められるよう指導してまいる予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/6
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007・佐藤三吾
○佐藤三吾君 今あなたがおっしゃったように、第二土曜日、第四土曜日二日間という場合には「及び」と一般的に使いますね。ところが、今度は法律用語としては「又は」というふうになっておるので、同じことだというふうにとれるのかと思うと、さっきの答弁の中では別の場合もある、自治体の自主性に任せるというような意味もあるような感じがしたんですが、そこはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/7
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008・木村仁
○政府委員(木村仁君) 地方公共団体の休日を定めることは地方公共団体の最も基本的な権能であろうと思いますので、基本的には地方公共団体が自主的に決めることでございます。
ただ、土曜閉庁を推進いたします趣旨は四週六休を実現しようということでございますから、そのように指導いたしてまいりますけれども、どうしてもやはり地域の実情からして若干の機関でも一日だけというところが出てくる可能性を法文上否定することはできないという判断で、「及び又は」を詰めて「又は」という形にいたしているわけでございまして、「又は」が「及び又は」であるということにつきましては、通知等でも明確にいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/8
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009・佐藤三吾
○佐藤三吾君 どうもやっぱりその答弁は気に食わぬですね。四週六休制ということが閣議決定の基調でもありますし、しかもこれは「当分の間」という前提ですから、もう来年二月には例えば銀行関係を含めて完全週休二日制に移るわけです。その一つの「当分の間」という前提に立っておるわけですから、これはすっきりした方がいいんじゃないですか。国並みとか、もしくは国と同様の措置をするという意味で週休二日制、二日間休日ということを前提として、表現的にはこういう表現を使いました、これの方が素直じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/9
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010・木村仁
○政府委員(木村仁君) 四週六休を推進する趣旨からは御指摘の方が素直であると思います。しかし、いろいろ地域の実情がありますし、また地方公共団体の基本的な権能を定める法文としてはゼロか二でなきゃいかぬと決めつけてしまう理屈が若干乏しい。理論的には間の一があるという形にしておかなければいけないだろうということで「又は」という形にいたしたわけでございますから、私どもの全体的な指導と申しますか慫慂することは、第二及び第四土曜を条例で定められるということでございますので、若干理論的な部分がございますので御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/10
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011・佐藤三吾
○佐藤三吾君 理論的とかいうんじゃなくて、どうもあなたの表現の中にはそこら辺が、端的に言うならば、指導は第二、第四土曜日ということで指導する、しかし、自治体の実態からいってそうできないところがあるという場合については自主性を尊重してやむを得ないというふうに聞こえるんですよ、率直に言って。だから、そういうことになると自治体によって大変なアンバラも出てくるわけです。それはやっぱり閣議決定の趣旨なり五カ年計画の趣旨からいうと出てくるわけです。そこら辺は後ほど関連した問題も出てきますから聞きますが、やっぱりすっきりした方が私はいいと思うんですね。そこら辺についてあなたの本意というか、例えば準則はどういう表現になるんですか。準則出てくると思うんですが、これはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/11
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012・木村仁
○政府委員(木村仁君) まだ準則完全に固めておりませんけれども、準則では「及び」と書くことになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/12
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013・佐藤三吾
○佐藤三吾君 そういうようにすっきり言えばいいんだけれども、あなた何か学者みたいなこと言うものだから、まあいいでしょう。
それでは「及び」というふうに私は理解して進めてまいりたいと思いますが、実施時期の問題について、たしか私の記憶では六十三年度中に実施という閣議決定で、総務庁長官の発言では六十四年一月実施が妥当と、こういうふうに聞いておったんでございますが、これは国の場合として一つの姿勢を示しておると思うんですが、そういう前提に立って自治体の場合の条例化を進める、こういうふうに理解していいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/13
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014・木村仁
○政府委員(木村仁君) 国の施行日と合わせて施行することにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/14
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015・佐藤三吾
○佐藤三吾君 国の実施時期というのは一体どういう認識なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/15
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016・木村仁
○政府委員(木村仁君) まだ国の方で明確に決まっていないようでございまして、私どもも知らされていない次第でございます。一月になるのか、年度内という閣議決定でございますから、いずれ年度内だろうと考えておりますが、いつになるかということを承知いたしていない状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/16
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017・佐藤三吾
○佐藤三吾君 これは大臣、たしか総務庁長官は一月実施が妥当というようなことを閣議で発言したというふうに私は記憶しているんですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/17
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018・梶山静六
○国務大臣(梶山静六君) 残念ながら詳細を今ここで記憶を呼び戻すことはできないでおりますが、一月にやることが望ましいという発言をしたように記憶をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/18
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019・佐藤三吾
○佐藤三吾君 そういう理解でいいんですか、局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/19
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020・木村仁
○政府委員(木村仁君) 私どもも閣議で総務庁長官が一月に実施することが望ましいという発言をされたと聞いておりますけれども、その後の経過では、まだ明確に総務庁として意思決定をしていないということのようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/20
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021・佐藤三吾
○佐藤三吾君 そこで、国の実施時期と合わしたいと、こういうことですね。
そこで、自治体のこの下敷きになる四週六休制の実施状況を見ますと、試行団体を含めて七七%、二千五百五十三団体の段階にあるようですね、十一月一日現在は。その中身を見ると、都道府県が一〇〇%、市町村が七六・八%であるのに対して、指定都市が五〇%という状況だということを聞いておるんですが、これはどういうふうに受け取ったらいいのかちょっと私も戸惑っておるんですけれども、何か特別な理由でもございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/21
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022・芦尾長司
○政府委員(芦尾長司君) 御承知のとおり、現在御審議いただいておりますこの四週六休制でございますけれども、私どもとしてはその職員の勤務条件等を定めるに当たりましては、国や他の地方公共団体との職員の間に均衡を図る必要があるということで指導をいたしておるわけでございますが、その点について指定都市の場合にはいささか問題があるというところもあり、その是正を図るように私どもの方も指導をいたしておるわけでございますが、指定都市の方もそういう点について一応配慮しておるということからおくれておるのではないかなというふうに見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/22
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023・佐藤三吾
○佐藤三吾君 何を言っているかさっぱりわからないんだけれども、端的に言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/23
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024・芦尾長司
○政府委員(芦尾長司君) 四週六休制を実施する場合には、勤務時間といたしましては週四十二時間ということになっておるわけでございますけれども、その四十二時間につきまして指定都市の場合には四十時間を実施すれば切ってしまうといったようなところもあるやに聞いておるわけでございまして、その点が問題になっておるというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/24
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025・佐藤三吾
○佐藤三吾君 であれば、実質的には四週六休制に何か逆行したようなものではなくて、むしろその四週六休制の期待にこたえて先進的役割の部分もある、こういうふうに理解していいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/25
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026・芦尾長司
○政府委員(芦尾長司君) 私どもとしてはもとより勤務時間、労働時間の短縮という方向では、そういうふうに進めていくという点には変わりないわけです。しかし、いずれにいたしましても、地方公務員といたしましては、やはり国との均衡を図りながら勤務時間を下げていくということでやっていただかなければならないというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/26
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027・佐藤三吾
○佐藤三吾君 ですから、私が聞きたいのは、さっき木村局長の答弁で、いわゆる「及び又は」の問題の議論のときに若干後退姿勢の発言がございましたが、そのことと関連があるのかと思って聞いたわけですけれども、それはそういうことではないという理解でいいわけですね。
そこで、国の場合に一月が妥当であるという総
務庁長官の発言を機に実施態勢に入っておるとするならば、これはひとつ自治体も同一時期という前提に立てば、十二月議会の条例化という具体的な日程に入らないと、自治体の場合に間に合わなくなるんじゃないかというような気がしてならぬのですが、今申し上げたこの準則とあわしてそこらに対する指導のめどというか、これはどういうふうに理解していますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/27
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028・木村仁
○政府委員(木村仁君) 法律が成立していない時点で余り先走ったことを言うのは差し控えたいと思いますが、私どもとしては諸条件が地元で整えば、十二月議会にかけることが可能なような仕事ができればいいなと考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/28
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029・佐藤三吾
○佐藤三吾君 その場合には全自治体一斉にという理解でいいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/29
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030・木村仁
○政府委員(木村仁君) それはとても無理であろうと考えております。条件が整った地方公共団体がおやりになるのであれば、十二月の議会にかけられるような形に持っていきたいという願望を持っておりますが、全地方公共団体が十二月に条例を制定するということは私どもは無理だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/30
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031・佐藤三吾
○佐藤三吾君 そうすると、全自治体が一斉に実施するという前提に立っていないわけですか。それはちょっとおかしいんじゃないですか。例えばそれなら逆の方から見ましょう。実施をしないという自治体があるかもしれませんね、あなたの論法からいくと。その場合には具体的に野放しなんですか、法律に違反というふうな措置をとるのか、そこら辺はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/31
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032・木村仁
○政府委員(木村仁君) 私どもは、基本的に全地方公共団体が足並みをそろえて粛々と実施していただければ一番よろしい、これが望ましい姿であると考えております。しかしながら、土曜閉庁はあくまで四週六休制の実績を踏まえながら実施していくものでございますので、現在四週六休制を実施していない団体がなお二三%あるということ、さらには四週五休すらやっていないところもあるということを踏まえますれば、完全に全団体が歩調を合わせていくとすればかえってずっと全体がおくれてしまうことになりはせぬかと思いますので、やはり地域のバランスとかそういうものを図りながら、できるだけばらばらにならないような形で進めていくという前提のもとに、一斉にならなくともいたし方がない部分があるというふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/32
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033・佐藤三吾
○佐藤三吾君 だから、あなたの言わんとすることは、こういうふうに理解していいんでしょう。原則としては全自治体一斉に国と同時にやりたい、またそれが望ましい、しかし四週五休制もできていないところがある、実態が。七七%のところはそれでいきましたけれども、それ以外のところはなかなかそういっていないという格差がある。こういうところについては、その原則に基づいて、自治体全部が実施する、それに基づいて指導を強化して、できるだけ早く土曜閉庁体制に入ってほしい、こういうことじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/33
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034・木村仁
○政府委員(木村仁君) 御指摘のとおりでございます。ただ、四週六休というのと役所を閉めてしまうという部分とでは、やはり地域に抵抗感の違うところがあると思いますので、そういうところは御理解をいただいておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/34
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035・佐藤三吾
○佐藤三吾君 それは確かに地域によっていろいろ違いがあることはわかります。しかし、これは率直に言って、この前提としては、五月のあの閣議決定にあるように国際的な条件もございまして、できるだけひとつ早く完全週休二日体制に入っていきたい。もう既に銀行や農協や郵便局は来年の二月から完全週休二日体制に入るわけですから。 そういうことを考えると、実態に応じて対応するということも大事ですけれども、原則はきちんと置かなきゃいかぬと思うんですよ。
ですから、そこら辺はさっき私が申し上げたように、全自治体一斉に、全公務員が国家公務員同様に一斉に土曜閉庁体制に入る、それを原則にしながら、そこまで体制ができていないところについては早急に指導を強化して、その状態を完全に全自治体ができるような指導をやっていく、そういうふうにきちんとした姿勢を持っていかないと、こういった問題は地域の実情ということが優先されるようなことでは乱れが出てくるんではないかという感じがしますからね。そこら辺は共通の理解でいいんでしょう発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/35
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036・木村仁
○政府委員(木村仁君) そのような意気込みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/36
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037・佐藤三吾
○佐藤三吾君 そこで、休日条例準則はいつ提出いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/37
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038・木村仁
○政府委員(木村仁君) 法律成立とともに、できるだけ早く通知及び準則も示したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/38
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039・佐藤三吾
○佐藤三吾君 これは本当はその準則を見てすればこんなむだな議論も省けてくるんじゃないかと思うんですが、早急にひとつお願いしておきたいと思います。
もう一つ聞いておきたいと思うんですが、法の施行後に条例化をしないというような自治体が若干出てくると思います。 これは法違反というふうになるんじゃないかと思うんですが、この辺についてはどういう御見解もしくは対応の措置をとるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/39
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040・木村仁
○政府委員(木村仁君) 法律案の附則にございますように、条例が制定できない団体は当分の間従来のやり方で休日を考えていくような経過措置になっているわけでございますから、条例ができないからといって違法状態ということはないわけでございます。しかしながら、四週六休制及び土曜閉庁制を実施していきます限りは、そういう団体が残らないように努力をしていくというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/40
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041・佐藤三吾
○佐藤三吾君 しかし、自治法全体の体制から見るとちょっとおかしいですね、その解釈は。やはり法に違反することは事実なんですからね、実施していないところについては。 そこら辺はやはりそういう立場を堅持して指導していただくことでぜひひとつ強めていただきたいことをつけ加えておきたいと思います。
そこで、週休二日制、いわゆる土曜閉庁の二日というのができまして、銀行その他の農協などのように完全二日制へのめどというんですか、計画というんですか、これについてはどういう理解ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/41
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042・木村仁
○政府委員(木村仁君) 経済運営五カ年の計画にございますように、できるだけ早く完全週休二日制に進んでいくというのが国としての大きな方針であろうと理解いたしますが、まだ具体的に計画が進んでおりませんで、当面は四週六休をベースとする土曜閉庁を実施していこう、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/42
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043・佐藤三吾
○佐藤三吾君 これは大臣に聞いた方がいいでしょうかね。
六十七年度に総労働時間を千八百時間に短縮するという経済運営五カ年計画それから土曜閉庁方式の導入という閣議決定の際に確認されておるわけですが、また労基法の改正の国会論議の中でも一九九〇年代前半に週四十時間という方向も出されておるんですけれども、自治体の場合にこれについてどういうふうに今後進めていくのかを聞いてこの問題について終わりたいと思うんですが、大臣いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/43
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044・梶山静六
○国務大臣(梶山静六君) 今佐藤委員が御指摘になりましたように、諸外国とのバランス、こういうのを見てみますと、確かに日本は労働時間が大変多うございます。ですから、国際化の時代を控えましてもろもろのいろんな摩擦が起きている一つの大きな原因に、この労働時間が日本が多いということもあるわけでございます。そういうものを展望しながら、これから長期的に計画を立てながら労働時間の短縮をしていこうということはもうお説のとおりでございます。
ただ、具体的な手法につきましては、なかなかこれ国と地方それぞれの環境の違う点もございますので、今行政局長からお話がありましたように、国としては、あとう限り足並みをそろえて地方団体がそういうものに取り組めるような環境形成を一生懸命行っているわけでございますが、他
面、やはり地方自治体の自主性と申しますか、そういう点を考慮に入れないわけにはまいりません。全く国から押しつけるということはできませんので、その辺の事情をお互いに勘案をしながら、そして画一的なものはできないにしても、先導するものがあることによってその環境形成ができる、そういうものを期待をしながら、一日も早くできるところはやってもらいたい。まず、そういうパイロット的な地域が出ることによってほかの地域がやりやすくなる、こういうことを期待をし、また民間においてもそういうことで国ないしは地方公共団体がそういうものに踏み切ればそれと同じ環境が醸成をされる、こういうものを期待をしながらこれからこの問題に取り組んでまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/44
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045・佐藤三吾
○佐藤三吾君 ぜひひとつそういう決意と精力的な取り組みを要請しておきたいと思うんです。
そこで、閉庁によらない交代制職場として警察庁、消防庁として土曜閉庁に伴う所要の措置をどういうふうに考えているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/45
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046・森田雄二
○政府委員(森田雄二君) 都道府県警察におきましても、基本的にはそれぞれの知事部局と足並みをそろえて土曜閉庁の導入を図るという方針を持っております。
ただ、言うまでもなく、警察はその業務の性格上、突発的な事件一事故等にも迅速的確に対処する必要がございますので、閉庁土曜日におきましても、現在の日曜日、祝日等と同様に交代制勤務、宿日直体制等によりまして必要な人員を確保し、治安維持に支障を来さないよう万全を期する方針をとっておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/46
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047・矢野浩一郎
○政府委員(矢野浩一郎君) この法案が成立をいたしました場合において、消防につきましては、地方公共団体の土曜閉庁に関する研究会報告が出ておりまして、これの中で消防の交代制勤務の部門につきましては土曜閉庁になじまないという答えが出ております。その報告を踏まえて消防の交代制勤務の部門につきましては土曜閉庁によらない方法ということになろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/47
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048・佐藤三吾
○佐藤三吾君 土曜閉庁によらない職場の消防として、私はもっと細かいところを聞きたかったんですが、やむを得ぬでしょう、きょうは時間ございませんから。
ただ、消防にしても警察にしてもそうですし、これは自治体でもそうですが、土曜閉庁イコール時間短縮となりますと、当然それに伴って定員増、人員増というのもつきまとってくると思うんです。ヨーロッパなどの場合には雇用という観点からの短縮という積極的なとらえ方もされておるわけですからね。そういう意味での検討は、今回の場合は定員増を伴わないという前提にあるようでございますから、これはおかしなことなんですが、そのことは労働強化その他の面でいろいろ出てくるんじゃないかと思いますよ。そこら辺の配慮は十分しながら、やはり必要な定員増は堂々と要求していくという姿勢はひとつ堅持をしてほしいと思います。 これは私の要請です。
そこで、きょうちょっと関連して、これは週休二日制と関連はないんでございますが、せっかく警察庁の官房長もおいでですから、一つ二つ聞いておきたいと思うんです。
昨日、衆議院の証人喚問で江副さんが警察関係者が一人ということをわざわざ証言なさって、それに対する官房長の記者会見で、それは元警視庁方面本部長で、現在リクルートコスモス社の常任監査役に天下っておる麻野忠雄氏のことだと、こういう発表がなされておりますね。そして、これは一万株を取得しておる、そういうこともあわせて報道されておるわけでございますが、そういうことで間違いございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/48
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049・森田雄二
○政府委員(森田雄二君) 実は私どももきのうの証人の証言でまことにびっくりしたところでありまして、早速リクルート側と連絡をとりまして、リクルートの責任者と直接私が会いまして事情を調べてまいりました。きょう新聞に出ておるところでございますが、聞きましたところ、警視庁を退官いたしました麻野忠雄という男が五十九年の暮れにリクルート本社の顧問でまず就職をいたしまして、それから一年ほどたってリクルートコスモスの方へ監査役ということで移ったわけでございます。
ところが、あのリクルートコスモスという会社は、設立後日が浅く、役員の自社持ち株の割合が極めて少なくてバランスが悪いということで、リクルートの方で考えまして、麻野監査役にも、あなたも自分の会社の株を少し持ったらどうだということを申し入れ、リクルート本社の役員が持っておりましたリクルートコスモスの株一万株をほかの役員とあわせて麻野監査役にも譲り受けさせた、そういう説明を受けてきたわけでございます。
余計なことかもしれませんが、したがいまして、これは警察の業務とは全く関係のない話で、相当前にやめてリクルート関係の会社へ就職した人間がその会社の都合で自分のところの株を持っておったということが明らかになった、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/49
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050・佐藤三吾
○佐藤三吾君 そのような発表になっておりますね。
そこで、ちょっとお聞きしたいんですが、この一万株というのをだれから、いつ譲渡を受けたのか。それからその際に資金は自分のポケットから出したのか、それとも例のリクルートの方のあれから借りたのか。そこら辺の扱いはどういうふうに、あなた何か現地へ行って調べたようですから、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/50
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051・森田雄二
○政府委員(森田雄二君) まず時期はいつかということでございますが、麻野氏は、さっきちょっと申しましたように、五十九年の十一月にリクルート本社に入りまして、次の年の六十年の七月にコスモスへ移っております。株を取得したのは、それからさらに一年余りたちました六十一年の九月だそうでございまして、その際だれから譲り受けたのかということでございますが、これはリクルート本社の役員ということだけでありまして、きのう聞いてきたところではよくわからない、きのうの段階ではよくわからないということでございました。
それから資金はどうしたのかということにつきましても、これはリクルート側としてはきのうの段階ではよくわかっていないということしか聞けなかったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/51
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052・佐藤三吾
○佐藤三吾君 わざわざあなた電話して確認して、そしてリクルート本社まで行って調べて、よくわからない、肝心なところだけわからないというのは、ちょっと私は理解しにくいんですが、それ以上言う考えはなさそうな顔していますから——ありますか、どうぞひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/52
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053・森田雄二
○政府委員(森田雄二君) ちょっとおしかりを受けるかもしれませんけれども、何せ会社の社内事情で社の役員が社の株を取得したということがわかったものですから、それ以上警察庁としては特に問いただす必要は必ずしもないだろうと思って引き揚げてきたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/53
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054・佐藤三吾
○佐藤三吾君 しかし、新聞にも報じてございますように、警察関係者と江副さん本人が言っているわけですね。そういうことで、しかも取り調べる側の警察官ということを言われて、そんな感覚じゃやっぱりちょっとおかしいんじゃないですか。それは言えないんでしょう、知っておっても。だから、また別の機会に言う機会をつくりたいと思いますから、きょうはこの程度でこれはとどめます。
ここでもう一つおかしいと思いますのは、江副さんはきのうの中で、早坂さんが抜けておったのは申しわけないと。それはなぜかというと二つある。一つは現在政党関係ではない。一つは当時秘書をやめたものと思っておったと。そこまできちんと分析する江副さんが、きのう警察関係者が一人、こう言った。もし今あなたがおっしゃるような麻野さんであったなら、それはもっと表現が江副さん違うんじゃないかと私は思うんです。元警察官だったけれども、今は私どもの常任監査役をしている者が一人、こう言うかもしれない。ところが警察関係者一人、こう言っておる。これは麻野さんではないのじゃないかと私は思うんです
が、違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/54
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055・森田雄二
○政府委員(森田雄二君) 私が御答弁申し上げる筋合いの話じゃないのかもしれませんが、昨日私が聞いてきましたところによりますと、麻野忠雄氏が取得した株は、リクルートから国会に提出されましたリストには関係のない話であったということでございまして、江副前会長が若干混乱をしてああいうことを証言したのである、これは江副氏本人にも確認したところそういうことであったということでございました。
それから、これだけの大問題ですから、私も心配でございますから、会社側に麻野以外に警察関係者は一人もいないのだろうなということを確認いたしましたけれども、会社側の答えでは一人もいないと明確に答えておりました。
それから、あわせて私どもも内部的にいろいろと職員を調べてみましたけれども、そちらの方からもそういう話は全然出ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/55
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056・佐藤三吾
○佐藤三吾君 本年の三月に天下った顧問の田村さんですね。それとか、盛岡の東署長からリクルートの自動車教習所の方の社長になっておる佐々木さん、この方はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/56
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057・森田雄二
○政府委員(森田雄二君) 取得していないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/57
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058・佐藤三吾
○佐藤三吾君 そのほかに現職の中には一人もおりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/58
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059・森田雄二
○政府委員(森田雄二君) 私どもの調べでは一人もいないと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/59
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060・佐藤三吾
○佐藤三吾君 きょうは証人喚問じゃございませんから、またひとつ別のところでこの続きをさせていただきたいと思いますが、いずれにしても最近警察関係のいろいろな不祥事が出てまいりますし、それに今度また上塗りしたというような印象を与えると私はよくないと思うので、さっき言ったようなあいまいなことじゃなくて、だれから、そして売り抜けたのかどうしたのか等を含めてきちっと調べていただいて、そして今国民から出ておる疑惑に真正面からこたえていただく。そういった姿勢でないといけないんじゃないかと思うので、これは時間の関係もございますけれども、ひとつまた別の機会にさせていただくということで終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/60
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061・片上公人
○片上公人君 法案の質問に入る前に、民間の労働時間の実態につきましてお聞きしてみたいと思います。
労働省にお伺いしますが、労働時間の短縮を推進する上におきまして、中小企業の時短を今後どのように進めるかということが大きな課題であると思います。そこで、企業規模別に見ました年間総実労働時間数、二つ目には週休二日制の普及状況、三つ目に年次有給休暇の付与日数及び取得日数につきまして御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/61
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062・畠中信夫
○説明員(畠中信夫君) 労働省のいわゆる毎勤、毎月勤労統計調査によりまして、労働者の一人当たり平均年間総実労働時間というものを事業所の規模別に見てみますと、昭和六十二年の数字でございますが、五百人以上では二千八十七時間となっております。それに対しまして三十ないし九十九人というところを見ますと二千百三十二時間ということで、それほどの格差は見られない、そういう状況でございます。ただ、これは所定内、外別に見ますと、所定内の労働時間は五百人以上の事業所におきまして千八百七十七時間、それに対しまして三十ないし九十九人といいますのは千九百七十五時間ということで、規模が小さいほど所定内の労働時間といいますのは長くなっている。所定外はその逆の状態になっているということでございます。
それから、週休二日制の普及状況でございますが、同じく昭和六十二年でございますが、賃金労働時間制度等総合調査というもので見てみますと、一千人以上の企業でございますが、何らかの形での週休二日制の適用を受けておる労働者割合といいますのは九五・九%でございます。それに対しまして三十ないし九十九人というところでは四三・七%ということで、この週休二日制の適用割合では相当の格差があるということでございます。
それから、年次有給休暇でございますが、同じく昭和六十二年の制度調査で見てみますと、一千人以上の企業では、年次有給休暇の付与日数が十七・一日、取得日数が八・一日、それに対しまして三十ないし九十九人のところにおきましては、付与日数が十二・六日、それから取得日数が六・一日ということで、やはり企業規模が小さいほど付与日数、それから取得日数ともに少なくなっております。ただ、取得率は規模のいかんにかかわらず約五〇%程度というところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/62
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063・片上公人
○片上公人君 中小企業におきます労働時間の短縮は、労使の自主的な努力に加えまして国の積極的な取り組み、支援が必要になると思います。中小企業におきます労働時間の短縮の具体的施策を示していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/63
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064・畠中信夫
○説明員(畠中信夫君) 先生御指摘のとおり、大企業に比べまして中小企業では独自で労働時間の短縮を進めるというのはなかなか困難な事情にございます。それはいろいろと分析してみますと、経営基盤の問題というものももちろんでございますが、それだけではなしに、例えば経営者の意識あるいは取引先との関係、あるいは同業他社との関係、あるいは時短を進める上での知識、経験を欠いておるというような問題等もあるわけでございます。
そういう意味で、私ども、中小企業のそういう困難な状況というものを認識した上で、積極的な指導、援助を進めておる。中小企業の場合には特に集団的な取り組みというのが非常に効果的でございます。げすな言葉を使いますと、いわゆるみんなで渡れば怖くないという面がこの時短の面でも非常に大きく働いてくるということで、中小企業を集団としてとらえまして、専門の指導員を配置し、そして具体的な時短の進め方について指導、援助、情報の提供などを行うという幾つかの事業を行っておりまして、積極的な対策を進めておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/64
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065・片上公人
○片上公人君 労働時間の企業別格差が生ずる原因、言いかえれば中小企業の長時間労働の原因はどこにあると労働省は考えておられるかお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/65
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066・畠中信夫
○説明員(畠中信夫君) 先ほども申し述べましたけれども、基本的には経営基盤の面で大きな問題があるのではないかと思っておるわけでございますが、それ以外にも、私どもいろいろ調査をいたしておるわけですが、そういう調査の中で明らかになっておりますのは、例えば取引先、関連企業との関係で時短を進めることが困難であるというような、あるいは同業他社が余り実施していないので我々も実施する考えがないというような、そういう答えの比率などが非常に高い状況になっております。
そういう意味でも、集団的にとらえた対策というのが非常に重要であり、かつ効果的ではなかろうか。あるいは社会的機運の醸成ということで、幅広くいろいろな形で機運を醸成していくということも非常に効果的ではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/66
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067・片上公人
○片上公人君 今回提案されました自治省の考える土曜閉庁方式の持つ意義をお聞きしたいと思います。「公務の効率的な運営を図りつつ週休二日制を実施するため」に導入するとしておりますけれども、もっと具体的にどのようなメリットがあるのか、これをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/67
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068・梶山静六
○国務大臣(梶山静六君) 政府としては、国全体として、ただいま労働省からも話がございましたように、労働時間を短縮することを当面の重要課題の一つとして位置づけてその推進に取り組んでいるところでございます。佐藤委員にもお答えをいたしましたように、ともすると私どもの年代は、勤労は美徳あるいは先憂後楽というような思想をずっと私自身は持っております。ですから、何か日曜日でも働いていないと気が落ちつかないという、私はそういう貧乏人の気持ちを持っているわけでございますが、やはり諸外国とのバランス、特に働きバチ的な日本の要素、しかもその中
で貿易の黒字が極めて大きい、いろんな意味で経済大国になると摩擦が起きているわけであります。その一つがやはり労働時間が長いということが起因をしているのではないかという気がいたしますので、こういう問題に大きな国の方針を見出しながら取り組んでいかなければならないというふうに考えております。
ですから、地方公共団体の土曜閉庁方式も、その一環として地方公務員の週休二日制を円滑に推進する観点から導入をしようとするものでございまして、これにより各地域の民間における週休二日制、こういうものの推進への社会的な機運の高まることをも期待しながら、ぜひひとつこういうものをさらに強力に推進してまいりたいと考えているのがこの土曜閉庁の意義であり、これから将来に向けての展望であろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/68
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069・片上公人
○片上公人君 土曜日の現在の事務量についてでございます。つまり、今回の法案によりまして影響を受ける事務量について自治省はどのように把握していらっしゃるのか伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/69
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070・芦尾長司
○政府委員(芦尾長司君) 御質問ございました土曜日におきます地方公共団体の業務量でございますが、きちっと定量的に把握した資料は、私どもではちょっと時間の関係もございましてそこまで調べはついていないわけでございますが、ただ、私ども事あるごとにいろんな方々、地方団体の方々の御意見も聞くわけでございますが、民間の週休二日制が普及しております、主として都市部ということになろうかと思うわけでございますが、そういうところでは現在のところ、窓口部門の来訪者数でございますけれども、ある程度増加しておる傾向にあるというところもあるというふうに聞いております。特に週休二日制に熱心に取り組んでおられる市の方々なんかいろいろ統計もとっておられるようなところもあるようでございますけれども、まあまあそういうところでも一割とか二割ぐらいふえているんじゃないかなといったようなお話も聞くことは聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/70
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071・片上公人
○片上公人君 次に、行政サービス水準の確保につきましてお伺いします。
地方公共団体が土曜閉庁方式を導入するに当たりましては、行政サービスを低下させない、現行の定員または予算の範囲内で行う、そして地域住民を初め各界団体の理解と協力を得るよう努めることが必要になってくると思いますが、自治省として今後適切な指導を行っていくと思いますけれども、特に行政サービス水準を極力下げない方策としてどのようなことを検討していらっしゃるのか、具体的に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/71
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072・木村仁
○政府委員(木村仁君) 土曜閉庁の導入に際しましては、行政サービスを極力低下させないために必要な措置を講ずるよう指導してまいりたいと思いますが、特に緊急時における業務体制を整備しておくこと。それから、行政事務の簡素合理化に今後とも努めて、住民の立場に立った行政サービス運動の推進と日ごろからの行政サービスの改善向上に努め、全体として住民の不満を招かないように努力をしてまいりたいと考えております。
具体的に申しますと、埋火葬許可証の発行あるいは死亡届、婚姻届等につきましては従来どおり閉庁の日も受け付けるようにするということでありますとか、あるいは平日の執務時間外のサービス、ターミナル、デパート等への職員の出張によるサービスあるいは電話によるサービスを行政サービスの工夫例として示しまして、そういうことを地域の実情に応じて検討していただくようにするとか、あるいはOA化による待ち時間の短縮、出張所での証明書の即時交付等、全体のサービス水準を上げていくように努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/72
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073・片上公人
○片上公人君 土曜閉庁方式の導入に当たりましては、住民が当初は誤って閉庁日に窓口を訪れることがないように周知方を徹底する必要があると思いますけれども、この点についてどのような方法を考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/73
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074・木村仁
○政府委員(木村仁君) 住民に対する周知徹底の必要性につきましては御指摘のとおりでございます。このために各団体におきまして各種広報媒体あるいはポスター、パンフレット、各種会議等を利用して周知徹底を図る、あるいは地域の関係諸団体への協力依頼等を通じまして十分な周知徹底を図ってまいりたいと思います。
また、各職員につきましても土曜閉庁方式導入の意義でありますとか、実際に閉庁している分野あるいは開庁している部分、そういう振り分け等につきまして十分、個々の職員が聞かれれば説明できるように周知徹底を図っておくというようなことについて指導をいたしてまいりたいと思いますし、また自治省としても国民全体としての御理解を得られるような宣伝活動に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/74
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075・片上公人
○片上公人君 市町村等の窓口を利用する人というのは地域外の人々も随分多いと思います。戸籍事務の申請や司法書士業等で地域外から訪れることも考えられますけれども、地域外への周知方法というのは十分な対応策がとられておるのかどうか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/75
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076・木村仁
○政府委員(木村仁君) 先ほど来御議論がございますように、もし全地方公共団体の閉庁がきちっと足並みがそろわない場合には御指摘のような不都合が生じる可能性はございます。そういうことにつきましては現在のところこうするという決め手を私どもも考えつきませんけれども、できるだけ全国的にそういう事態があるのだということを周知徹底いたしまして、そして、郵便等で処理される部分には余り影響がございませんし、また地元に親戚等がおられまして代理人を立てるような場合も余り不都合はないと思いますけれども、たまたま遠くへ行ってしまっているというようなことがありますと非常に困りますので、そういったことを確かめてからお出向きになるような全国的なPRが必要かなと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/76
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077・片上公人
○片上公人君 地方公共団体によりましては独自に記念日などを設けているところもございますけれども、こうした記念日等は今回の法案が通った場合どういうことになるのか、ひとつお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/77
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078・木村仁
○政府委員(木村仁君) お盆でありますとかお祭りあるいは市制記念日等を職員の休日休暇として定めて、そういう措置をとった結果、役所が閉まっているという団体が全国的に幾つか見られるようでございます。
実は、これらにつきましては、従来から地方公務員法第二十四条第五項の国、他の地方公共団体との均衡の関係から是正してそういう休みはつくらないようにという指導をいたしておりますので、今後、地方公共団体の休日という観点から土曜閉庁を導入し、祝日を閉庁にするというような場合にはそういったものは改めていただくということが原則でございます。もちろん、念のために申し上げるわけでありますが、市制記念日等を設けること自体は個々の地方公共団体の自由でございまして、そのために閉庁するというのはちょっと困るということでございます。御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/78
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079・片上公人
○片上公人君 以上で終わります。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/79
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080・吉井英勝
○吉井英勝君 国と違いまして地方自治体の場合は住民サービスの直接の接点ということになっておりますし、したがって、また業務内容も住民生活に密着したものが多いわけですが、この点で土曜閉庁となりますと住民の皆さんの側がそれに対してどういうふうに考えているのか、また土曜閉庁となってもこういう分野についてはこうしてほしいといういろんな要望が当然あろうかと思うんですが、この点について自治省としてはどのような調査をなさっておられるか、まずこの点から伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/80
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081・木村仁
○政府委員(木村仁君) 自治省として全国的な調査をいたしたわけではございませんが、土曜閉庁に関する研究会を設けまして、しかるべき資料を整え審議をしていただきまして、一つの報告と申しますか、御提案をいただいているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/81
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082・吉井英勝
○吉井英勝君 具体的な調査としてはやっていらっしゃらないようなんですが、大阪の例で調べて
みますと、実は市民の皆さんに対するアンケート調査をやったことがあるんです。守口市の場合ですと、閉庁すべきでない分野として挙げている中に、例えば窓口職場、こういうものについては六一・二%、それから保健医療施設については六九・四%。また吹田市の例で見ますと、やはり同じように閉庁すべきでないという答えの多いところは、窓口職場では六〇・九%、それから保健医療施設が六三・三%。他の例は長くなりますので省略いたしますが、こういうふうに市町村で住民の皆さんにアンケート調査をやっても、土曜日でもこういう分野は開いてほしいという声の非常に強いところがあるわけです。
あわせまして、これは既に衆議院の地行では我が党の経塚議員が紹介も一部いたしておりますが、民間の方で週休二日制が進んできたということで逆に土曜日の窓口業務が忙しくなっているようです。
これも大阪の例でちょっと御紹介しますと、大阪の松原市というところでは窓口業務が、ことしの六月の調査ですが、平日は一時間当たり七十七件、土曜日は一時間当たり百五十四件と二倍なんです。それから羽曳野市の支所で見ましても、これは平日が、一日でですが二百七十四件に対して、土曜日は、半日なんだけれども二百三件。だから時間当たりでいきますとやはり平日の倍ぐらいお客さんが多いわけです。したがって、地域地域の実情に応じて、また役所の業種によっては土曜閉庁どころか土曜日の執務体制を強化しないとなかなか住民要望にこたえられないというところもあるわけですが、そういう事情については十分御承知いただいているかどうか、この点を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/82
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083・木村仁
○政府委員(木村仁君) 全国的なつぶさな数字まで把握いたしているわけではございませんが、そのような実情があることは承知をいたしております。これは民間部門で週休二日が先行をいたしまして、役所の方が土曜日に開いているとなると、自分は土曜日休みでございますから、それを利用して当然役所にそういう諸証明等をとりにいくということは十分考えられることでございまして、どうもそういう需要に一〇〇%こたえようとして窓口を閉庁分野から外すということになりますと、実は地方公共団体、特に市町村の場合には実際上は土曜閉庁ができないような分野がほとんどだろうと思います。土曜閉庁の研究会の報告でも、原則として窓口は閉じるんだというような報告をいただいております。したがいまして、先ほども御質問がございましたが、いろんな工夫をしながら行政サービス全体の向上を図っていく中で、土曜の窓口の閉庁は原則として住民の御理解をいただくようにしなければいけないのではないかと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/83
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084・吉井英勝
○吉井英勝君 本改正案につきましては、週休二日制の第一歩となるものでありますし、我が党も賛成をするわけですが、その実施に当たっては、それぞれのこういうアンケート調査もやって「市町村の当局の側においても、それから労働組合側においても住民サービスを低下させちゃならないと、むしろ土曜日について直接住民と接している現場ですから、そういう点では十分な住民サービスに対する配慮は必要だという、こういうことを積極的にやろうとしているところもあるわけです。ですから、こういう点では地域地域の実情、住民要望をよく把握して、それぞれの自治体ごとに住民や職員団体の意見をよく聞いて合意をまず得るということです。そして、特に必要な窓口業務の確保などについては、これは体制のとり方によっては可能になるわけですから、こういうものについてはやはりきちっと確保するということが必要だと思うんですが、この点についてのお考えはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/84
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085・木村仁
○政府委員(木村仁君) 基本的に土曜閉庁につきましても自主的な御決定をいただきますし、それから閉庁分野と開庁分野の振り分けにつきましても個々の地方公共団体が自主的に判断をしていくということを指導の上で尊重してまいりたいと考えているわけでございまして、大筋としては御指摘のとおりであろうと思いますが、先ほど申しましたように、窓口は原則として閉めないというようなことでは恐らく閉庁方式が進んでいかないので、その実態に合わせて、原則として閉庁ということをやりながら、いろいろ工夫をしたり、あるいは実態に応じては開庁をするというようなことになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/85
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086・吉井英勝
○吉井英勝君 土曜閉庁といいましても、実際上保育所とか保健医療部門などで直ちに閉庁ができないという職種もございますし、そうすると、四週六休でしかも土曜の開庁となりますと、休む人もいるが出てくる人もいる、こういうことになるわけですから、やはり必要な予算とか定員の確保を図らないと、地方公共団体では現実に即した実施ができないということも出てくるわけでして、自治省は法改正だけでなく、そういう配慮を自治体ごとに自主的な努力なり検討を加えて進めるようにという、こういう点で臨まれる、そういうことでいいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/86
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087・木村仁
○政府委員(木村仁君) そのような諸般の地域の事情を勘案しながら土曜閉庁方式を導入していただくわけでございますが、民間における週休二日制というものが事務の合理化、あるいは労働生産性の向上を図るということを前提として実施されておりますので、週休二日制の推進、土曜閉庁方式の導入に当たりましても、予算、定員の増加を来さないということはもとより、行政事務の簡素合理化等を通じて公務能率の向上に努めることを進めることによりまして、初めて土曜閉庁に対する住民の御理解と協力を受けることになると思うのでございます。
この考え方は、土曜閉庁の前提となる四週六休の導入につきましても同様でございまして、そういう前提で四週六休が進められてきた実績がございますので、地域の実情に応じながら懸命な対処がなされるのではないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/87
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088・吉井英勝
○吉井英勝君 今おっしゃったような考え方でうまくいく分野もあれば、例えば予算、定員の範囲内ということを一般的議論としてだけやっていると、保育所の場合、土曜日、週によって交代で休むということでやっていく。しかし、その場合には国の方で保母配置基準とかきちっと決めているわけですから、いや、半分休んでおりますので基準きょうはとってますと、それは国が率先して認めるというわけにはいかないわけですから、やはりそれぞれの地域の実情、分野に応じて一律に予算、人員の範囲内ということだけじゃなくて、必要な措置は講じて、実情に応じて対応していくという、これは当然のことじゃないかと思うんですが、この点はそういうことでいいんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/88
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089・木村仁
○政府委員(木村仁君) 四週六休制の推進につきまして広い国民の支持を得ます上からも、やはり定員、予算の範囲内で実施するという建前は、国もそうでございますし崩せないのではないかと考えます。現に四週六休はそういったことを前提にして、いろいろ創意工夫を凝らして七七%の実績を上げてきているわけでございますから、その線で努力をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/89
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090・吉井英勝
○吉井英勝君 窓口の話ですとまだあなたのおっしゃるような方法も可能だと思うんですが、例えば保育所になるとそうもいかないんですね。もし保育所について、保母でない人がその日たまたま応援に来るとか、こういうわけにもまいりませんし、さりとて国が決めている基準を崩すというわけにもいきませんし、ですからあなたの先ほどおっしゃったのは一般の話として、考え方としては仮に一応お聞きしておくにしても、しかし分野によって、あるいは地域によっては必ずしもそうならないところもあるわけですから、それについては実情に応じた措置が必要だという、これは当然そこまでは否定されないと思うんですが、それはそれでいいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/90
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091・木村仁
○政府委員(木村仁君) そういった分野がございますので、自治省といたしましても病院でありますとか保育所でありますとかそういうところで、どのような創意工夫によって大原則を守りながら四週六休が実施できるかというモデルを示したりして努力をしておるところでございまして、御指
摘のような気持ちは共通でございますが、そういう努力をいたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/91
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092・吉井英勝
○吉井英勝君 そういう努力は努力としてやるにしても、しかしこうでなきゃいけないということで強制してしまうと国の基準から外れる問題が出てきますので、それはそういう強制はしない、この点だけはひとつ確認しておきたいんですが、これはいいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/92
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093・木村仁
○政府委員(木村仁君) 四週六休制の導入につきましては、強制というようなことはいたしておりませんで、原則を示して、その原則に従っておやりいただくようにという指導をいたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/93
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094・吉井英勝
○吉井英勝君 もともと国が土曜閉庁を打ち出した背景には、先ほども少し出ておりましたが、地方公共団体の土曜閉庁に関する研究会報告というのをまとめられて、それを私も読ませていただきましたが、「世界とともに生きる日本 経済運営五カ年計画」これを引かれて、「我が国の労働時間は欧米に比べて年間二百—五百時間長く、生活の豊かさを実感できない要因の一つとなっている。労働時間の短縮は、生活のゆとりを生み出し、多様性に富んだ創造的な国民生活の実現や、先進国としてよりふさわしい労働条件の確保、内需の拡大の観点から、最も重要な課題の一つである。」として、途中飛ばしますが、「これらにより、おおむね計画期間中に週四十時間労働制の実現を期し、年間総労働時間を計画期間中に、千八百時間程度に向けできる限り短縮する。」と。
この根底にあるのは、土曜閉庁の考え方は労働時間の短縮ということですね。 これを挙げておられるわけですが、こういう点から、地方公務員の年間平均労働時間は、衆議院の地行委では超過勤務時間を除いても千九百七十二時間と答弁しておられるわけです。ですから、このことから見て、土曜閉庁が労働時間の延長になるようなものじゃないというのは当然としても、さらに土曜閉庁を契機に国が示した目標千八百時間を目指すべきだという、これは当然の大前提としてあると思うんですが、この点についてほどのような短縮計画といいますか、千八百時間への、とりあえずの千八百ですね、さらに将来もっと縮まるわけですが、その短縮する計画をお持ちなのか、あればお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/94
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095・芦尾長司
○政府委員(芦尾長司君) ただいま御質問ございましたように、土曜閉庁方式を導入するといいますのは、週休二日制の推進に向けてこれを円滑に進めていこうという過程での話であるというふうに理解をいたしております。土曜閉庁方式を導入すること自体、現在のところ四週六休をベースとして、土曜閉庁方式が導入されたからといって、これ勤務時間が短くなるというわけではないわけでございますが、これを一つの足がかりとして、さらに完全週休二日制に向けて進むための一つの足がかりであるということでは、土曜閉庁方式はそういうことになろうかと思うわけでございます。ただ、その千八百時間に向けて具体的にこれからどういうふうに進めていくかという具体的な計画というのは、今の段階では私どもも持っておりません。
いずれにいたしましても、まずは四週六休をベースとした土曜閉庁方式というものをとにかく広げていくのだ、一〇〇%実施していくのだということが一つの大きな目標になろうかと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/95
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096・吉井英勝
○吉井英勝君 大臣にもいろいろ現場の実情と申しますか住民との接点のところで出てくる問題も含めて、ずっと質問を通じてお聞きいただいたわけですが、以上、私は土曜閉庁を実際に地方自治体で実施する上での具体的な問題で問うたわけですが、この改正案に賛成するという、もちろんそういう立場なんですが、週休二日制の第一歩となるものだと私は思っているわけです。その立場からすると、実施する上での幾つかの基本点を整理して見ておく必要があると思うんです。
私は、四点ほどちょっと整理して大臣のお考えを伺いたいんですが、一つは、住民や職員団体の意見をよく聞いて合意を得るということ。そして、住民の要望の強い必要な窓口業務については、土曜日だって創意工夫も発揮してやはり実施するという点が一点です。
それから、住民サービスの低下を来さないための予算や定員の確保、それから地方公共団体の自主性の確保、総枠としてお示しになるにしても、こういう点は非常に大事な点だと思います。
それから、労働時間延長等職員の労働強化や現行の労働条件の引き下げにならないということと、あわせて、今も問題にいたしました、全体としてこれは短縮を目指しているわけですから、その方向に向かうという点が三つ目の大事な点じゃないか。
四つ目に、地方公務員の、政府目標であります、先ほども触れましたが、千八百時間早期達成など労働時間短縮と完全週休二日制の早期実現に努力していく。当面すべての自治体でまず四週六休制の導入が必要だ。まだ四週五休もやっていないところもあるわけですから、そういうことが必要だ。
この四点ぐらいにまとめて、こういう四つの基本点についての大臣の御見解を伺ってみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/96
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097・梶山静六
○国務大臣(梶山静六君) 御指摘のように住民や職員の意見をよく聞くことは当然でございます。しかし、私が懸念をする問題は、やはり住民と職員の間の意見が多分食い違う部分が出てくるところがあるのではないかという気がいたします。
一つには、これ妥協でございますけれども、大きな意味で、やっぱり一般の民間というかそういうものの考え方からいうと、役所というのは間違いのないところではあるけど非能率のところだという一般的な常識感がございます。ですから、何とか定員や予算をふやさないで、その枠内でやってもらいたいという期待、願望があることもこれは否定し得ないことではないかという気がいたします。それともう一つはやっぱり、週休二日を目指す、労働時間を短縮をする、世界の先進国並みになっていく。その二つの接点を求めていくのが現在の段階ではないかと思いますから、これはいい言葉か悪い言葉かわかりませんが、いずれにしても、現実に週休二日というのを完全に実施をし、しかも何もかもうまくいくというためには、果たして定員や予算をふやさないでできるのかしらという疑問も私もあります。
しかし、それじゃ一方、民間の方々が今日まで能率化や合理化を進めながらこれだけの日本の経済や社会環境を築いてきてくれたわけでありますから、これを全く無視するわけにもいかない。その第一歩が四週六休制でございますから、その接点に立ちますと、いろいろ御議論があろうかとも思いますが、とにもかくにも発足をしてみて、そしてできるだけの努力をして、なおかつ残る問題点があろうかという気がいたします。
そういうことで、住民と職員の意見を聞けば、恐らく相対立する部分も厳密な部門では出てこよう、そしてサービスの低下をすべきではないという住民側の意向が必ず出てくると思いますし、そうすれば、これは定員や予算をふやさなければできないという別個な意見も出てくるわけでございますから、そういうもののいわば接点を見出しながら、今回四週六休を第一歩として週休二日へ進んでいくんだと。そしてやっている間にもろもろの問題点の指摘がなされ、その改善がなされ、どうしてもその枠内におさまらないときどうするかという問題がございますので、お互いにこの議論を、必ずしも全部きちっと截然と割り切って発足ができるかといいますと、私自身、実際は自信がございません。しかし、いずれにしても始まることが大切でございますので、ぜひそういう点の御理解をいただきながら進めていただきたいという気がいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/97
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098・吉井英勝
○吉井英勝君 最後に、一点だけちょっと一言。
昼休みの窓口のサービスなどについて、これはもう時間がありませんので自治省の方で調べられたものを見ていきますと、市町村レベルでは昭和五十六年の八七%から現在は九七・二%で開いておられますね。私の知っております大阪などで
も、これは住民サービスにこたえなきゃならない、全体の奉仕者として本来自治体労働者はそういう立場で頑張らなきゃならぬということで、組合側からどんどん提起して窓口を昼休みに開いたりとかやっているわけです。そういう影響が、大阪などでは警察の方でも例えば免許証の更新業務を昼休みに窓口やっておるという例もあるんですが、東京などでは、ちょっと聞いてみますと余りやっていないんですね。全国的に必ずしもこれはそうは進んでいないわけで、現在警察庁の方でつかんでおられる数字ですが、運転免許の保有者が五千五百七十二万人。そのうち、運転免許の更新のときに、無事故、無違反については警察署で更新ができるようになっている。だから昼休みに開いていただくと便利なんだが、都道府県によって随分違いがあるんですね。 ですから、全国的にもこういう警察署の昼休み窓口についても、免許業務等改善を図るということだけぜひやっていただきたいと思うんですが、最後にこの点についてのお考えだけ伺って、質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/98
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099・内田文夫
○政府委員(内田文夫君) 免許の更新窓口でございますけれども、これにつきましては基本的には通常の窓口業務と同様に昼休みの間は閉めているということになりましょうか、ということで、これは一般の住民の方々にもそういうことで昼休みはやっていないということで御協力をいただいているところでございますが、ただ、昼休みにたくさん来るという行政需要の実態に応じまして、署において、先生今大阪と言われましたけれども、交代委員を窓口に配してやっているというところもございます。そういったように、各都道府県で需要の実態に応じて対応しているところでございます。
この週休二日制といいますか土曜閉庁の問題に絡みまして、先生御承知のように、現在、県の免許関係では、運転免許センターなど各県で一カ所は少なくとも日曜日もやって、土曜日の午後もやっております。これは、今後週休二日制、四週六休でしょうか、そういうことになりましても維持をしていく、土曜日も開いていくということで、現在それを各県で努力するよう求めているわけでございますが、そういう方向で検討されているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/99
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100・秋山肇
○秋山肇君 各委員から質問がありましたけれども、共通しているのは土曜閉庁方式を導入する上で行政サービスの低下があってはならないということだと思います。私自身もそのとおりだと思うわけですが、総務庁がことし五月に行ったさわやか行政サービスに関する行政相談報告書が八月に出されました。 これは五月に実施した行政サービス推進月間中に特別行政相談などを通して寄せられた苦情の内容や改善状況をまとめたものです。これを見ると、推進期間中に申し出のあった行政サービスに関する行政相談等は六千百五件ありまして、このうち国、特殊法人の事務に関するものは二千八百六件ありました。
改善要望事項の中には、病院の食事時間の改善や道路案内標識の整備に関するものから、窓口事務の改善に至るまでいろいろ事項がありましたけれども、ここで細かく触れませんが、例えば申請窓口事務の例では、ある労働基準監督署に用事で行った人が、窓口職員が昼休みで人に会う用事があり外出するので書類を受け付けてもらえなかったということも申し出てありました。これは一つの例かもしれませんが、逆に氷山の一角と考えることもできると思うわけです。
現時点ですら住民からこれだけの苦情、要望が出ているのに、今回の土曜閉庁方式を導入して果たしてサービスの低下を防ぐことができるのかどうか疑問なのですが、これに対して具体的にどのような指導方法、対策をお考えになっていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/100
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101・木村仁
○政府委員(木村仁君) 行政サービスを極力低下させないように、緊急時における業務体制の整備をまず図っていただく、そして、その他いろいろな創意工夫によりまして住民の立場に立った行政サービス運動の推進等を行いまして、日ごろからの行政サービスの改善、向上に努める必要がありますので、そのような御指導をいたしてまいりたいと考えておりますが、具体的にはOA化による待ち時間の短縮あるいはOA化による支所、出張所等での証明書の即時交付、昼休みの窓口開設の推進、こういったことによりまして住民に便宜を図っていくほか、郵便による住民票の写しの申請及び交付、さらにはデパート、駅前等における出張サービス等、住民に便利な行政サービスの周知に努める必要があると考えております。
自治省といたしましては、このような考え方に立って各地方公共団体の指導を行ってまいりたいと考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/101
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102・秋山肇
○秋山肇君 今御答弁にもありましたけれども、いろいろOA化によって行政サービスの向上を図っていくということは最も大事だし、人員の補充ということがままならないときにおいてそういうことの効率化ということを図るべきだと思うんですが、そういう中でカードシステムというのがもっと徹底をしていけば休みのときにカバーができるんではないかというふうに思うんですが、機械化というか、機械を利用しての事務処理というのを各地方自治体に自治省としてどのような指導といいますか、研究、検討をしているというのか、その辺のことをおわかりになっている範囲で御答弁いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/102
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103・木村仁
○政府委員(木村仁君) 御指摘のように、OA機器の活用によりまして事務処理の効率化あるいは住民サービスの向上を進めていきますことは極めて重要なことであろうと考えております。したがいまして、自治省といたしましては、現在事務革新と申しますか、オフィスイノベーションというような標語のもとにこういったOA化の指導に当たっているところでございます。
御指摘のカードを活用した諸証明の発行につきましても非常に可能性の高い分野であろうと思って研究を進めているところでございますが、ただ、カードの活用につきましては、前提として電算機を利用した住民記録システム等をかなり高度に整備しなければいけないということ、それから、機械の購入、維持等に相当の経費がかかるということ、そしてさらに、プライバシー保護等につきましてやや深刻な問題があるというふうなことがございますので、そういった点を踏まえながら、少し時間をかけて勉強さしていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/103
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104・秋山肇
○秋山肇君 民間は週休二日ということについて事務の合理化や生産性の向上等、努力をしてきているわけですが、先ほどもちょっと御答弁がありましたけれども、逆に休みのときに行政に行ってサービスを受けたいということが多いと思うんです。そういう中で、これに先駆けて、先ほどもありましたけれども、警視庁でも免許試験場では土日も免許の更新をしている。おかたい警視庁がサービスの先取りをしたというふうに、褒めるわけではないんですが、そう理解をするんですが、そういうことがこれからの週休二日に向けてあわせて考えていかなければいけない大事なことだろうと思うんですが、納税をしている住民が理解をする、役所が週休二日、今度の土曜閉庁案から一歩前進をしていくということが恐らく前提でしょうから、そういう理解を得るということにおいても、サービスの休みのときの、時間のとれたときに行政に行ってサービスを受けられるということだろうというふうに思うんですが、これについて大臣、先ほどの御答弁を聞いておりますと、住民と職員との整合というのはなかなか難しいというお答えがありましたけれども、運転免許試験場だけじゃない、ほかのところにもこうやっていただくと、免許を持っている人たちが多いわけだし、そういうことを一例ですけれども、踏まえながら御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/104
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105・梶山静六
○国務大臣(梶山静六君) 確かに国家公務員も地方公務員も国民に対する奉仕者というか、そういう立場にあることは当然でありますが、その反面また納税者でもありますし、労働者でもございます。そういう観点から考えて、労働時間の短縮ということを大前提に考えるならば、土曜閉庁すれ
ば必ずどこかでサービスの低下があることは万々やむを得ないという感じがいたします。しかし、最小限度のどうしても緊急必要なもの、これはどんなことがあってもサービスを低下させてはいけない。知恵を出せば、慢性的に土曜、日曜にやった方がいいと思うものもほかの時期にできる方法が考えればあり得ると思うんです。そういうものを考え合わせながらやることによって、とにもかくにも土曜の週休二日に向けての今回の四週六休制度を定着をさせたい。それには大前提である現行の予算や定員の範囲を超えない、あるいは行政事務の簡素合理化を進める、そして今申し上げましたように極力行政サービスの低下をさせないように努力をしながら今日の四週六休制度を定着をさせていきたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/105
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106・向山一人
○委員長(向山一人君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
午後零時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314720X00219881122/106
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