1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和六十三年十二月一日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
十一月二十八日
辞任 補欠選任
及川 一夫君 野田 哲君
十一月三十日
辞任 補欠選任
峯山 昭範君 猪熊 重二君
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出席者は左のとおり。
委員長 大城 眞順君
理 事
板垣 正君
名尾 良孝君
永野 茂門君
久保田真苗君
委 員
大島 友治君
大浜 方栄君
岡田 広君
亀長 友義君
古賀雷四郎君
桧垣徳太郎君
山口 哲夫君
飯田 忠雄君
猪熊 重二君
吉川 春子君
柳澤 錬造君
国務大臣
国 務 大 臣
(内閣官房長官) 小渕 恵三君
国 務 大 臣
(総務庁長官) 高鳥 修君
政府委員
総務庁長官官房
長 山田 馨司君
総務庁行政管理
局長 百崎 英君
総務庁行政管理
局行政情報シス
テム参事官 重富吉之助君
総務庁統計局長 田中 宏樹君
事務局側
常任委員会専門
員 原 度君
説明員
警察庁長官官房
企画課長 菅沼 清高君
警察庁刑事局保
安部防犯企画課
長 横尾 敏夫君
警察庁刑事局保
安部外勤課長 西山 正樹君
経済企画庁国民
生活局消費者行
政第一課長 川名 英子君
法務大臣官房秘
書課長 長山 頼興君
公安調査庁総務
部審理課長 櫻井 正史君
大蔵省銀行局銀
行課長 鏡味 徳房君
通商産業省産業
政策局商政課長 塩谷 隆英君
通商産業省機械
情報産業局電子
政策課長 中野 正孝君
自治大臣官房情
報管理官 小林 紘君
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本日の会議に付した案件
○行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律案(第百十二回国会内閣提出、第百十三回国会衆議院送付)
○統計法及び統計報告調整法の一部を改正する法律案(第百十二回国会内閣提出、第百十三回国会衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/0
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001・大城眞順
○委員長(大城眞順君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る十一月二十八日、及川一夫君が委員を辞任され、その補欠として野田哲君が選任されました。
また、昨三十日、峯山昭範君が委員を辞任され、その補欠として猪熊重二君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/1
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002・大城眞順
○委員長(大城眞順君) 前回に引き続き、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律案及び統計法及び統計報告調整法の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/2
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003・大城眞順
○委員長(大城眞順君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
両案審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/3
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004・大城眞順
○委員長(大城眞順君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/4
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005・大城眞順
○委員長(大城眞順君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/5
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006・大城眞順
○委員長(大城眞順君) それでは、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/6
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007・久保田真苗
○久保田真苗君 初めに、民間保有の個人情報についてお伺いしたいと思います。
現在、国が持っております電算機の数は、総務庁の統計で見ますと八百三台ということです。そのほかに特殊法人や都道府県、市町村の分は、特殊法人千二百十八台、都道府県八百八十三台、市町村二千九十三台ということになりまして、これを合わせますと四千九百九十七台、こういう資料をいただいているんです。これに対しまして、同じ総務庁の資料で見ますと、民間の保有する電算機の数は八万一千七十九台となっております。比較にならないほど民間が多いわけですね。また、先日及川委員が質問しましたのに対して通産省の御答弁では、民間保有は三十万五千台であるというふうにたしか答えられているんですけれども、この総務庁の統計と通産省の御答弁と定義が多分違うのかどうかと思いますけれども、ちょっとそのことを初めに教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/7
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008・重富吉之助
○政府委員(重富吉之助君) お答え申し上げます。
総務庁で申し上げましたコンピューターの台数は、周辺機器等を入れまして一千万円以上のコンピューターでございます。通産省は、恐らくオフコンとかパソコンも入れた数字ではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/8
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009・久保田真苗
○久保田真苗君 通産省、それでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/9
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010・中野正孝
○説明員(中野正孝君) 今おっしゃられました八万台は、私どもでは中型機以上の数字かと思います。現在、コンピューター、パーソナルコンピューターも大分大きくなりましたが、これは一千万台近くあるわけでございますが、八万台というのは大きなシステムを運営するに足るコンピューター、大体その程度であるというふうにお考えいただければよろしいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/10
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011・久保田真苗
○久保田真苗君 同じ総務庁の統計で見ましても民間保有というのが九割以上、九五%、そんなふうなものになると思うんですね。この相当部分はもちろん情報処理に使われていると考えられます。民間の保有する情報量は想像もつかないくらい膨大な量になっているんじゃないかと思いますけれども、国の方でも八百三台の電算機でもって十二億五千万件というものを処理していらっしゃる。国民一人当たり十件になりますね。これの何十倍という民間の保有する個人情報をどのくらいのものかというふうに推測していらっしゃるのか、その辺を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/11
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012・重富吉之助
○政府委員(重富吉之助君) お答え申し上げます。
民間の保有されるコンピューターシステムといいますか、コンピューター台数というものは、必ずしも個人情報の処理だけではなくていろいろな計算とかその他の作業にお使いになっているのも相当数あるのではないかと考えております。
したがいまして、コンピューターの台数に比例して民間で個人情報をお持ちになっているというふうには私どもはにわかには断定できないのではないかと思いますが、国の行政機関が持っている以上に個人情報をお持ちになっているのではないかとも考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/12
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013・久保田真苗
○久保田真苗君 おおむねどのくらいというような概算というものはつかめていないんですか。どうなんですか、その辺は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/13
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014・重富吉之助
○政府委員(重富吉之助君) お答えを申し上げます。
現在のところ、把握いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/14
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015・久保田真苗
○久保田真苗君 総務庁長官、私、総務庁長官が御自分で外国までおいでになって御自分の目でごらんになっていらして、その上でこういう立法案をお出しになっていらっしゃるということに大変敬意を表するんですけれども、ただ、ずうっと今までの衆議院段階等での議事録を見てみますと非常に気になることがあるんですね。それは何かといいますと、この莫大な民間の個人情報につきまして、御答弁が非常に心もとないんです。
どういうことかといいますと、もし私なりに総括さしていただきますと、民間情報を取り扱うのは総務庁の手の届かないところにあるんだ、こうおっしゃっている。そして、それは関係の省庁がそれぞれにおやりになっているんだ、これからもそうなんでしょうというところで切れているように思うんですよ。そうしますと、総務庁は、今回、行政機関の保有する電算機処理の個人情報のみについて立案をなさった。そしてそれは総務庁の権限の中にあることだ。でも、そうしますと、民間の情報についてはそこから先どうなるのかということに全く展望がないんですね。たびたび引き合いに出されていますOECD理事会の勧告によりますと、それは明らかに公的部門、民間部門を問わずという形で出されているわけです。そして各国の中には、民間のものに現実に取り組んでいる。そうすると、国際交流、国際情報というような面からいいましても、日本は非常に大きな部分が欠落してしまっているという状況なんです。
そういう状況を考えますと、それではなぜそういうことについて意思も権限もない総務庁がこのことをスタートなさったのか、私はそこのところが甚だ疑問に思わざるを得ないんです。それとも総務庁長官は将来のこととしては何かの展望をお持ちなのか、お考えがあればぜひ聞かせていただきませんと、これは何か先に伸びる可能性のないところで芽が出た、すぐ天井につかえるだろうというそういう危惧を禁じ得ないんです。
御答弁をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/15
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016・高鳥修
○国務大臣(高鳥修君) 民間部門が電算処理をされた非常に膨大な個人情報を持っているであろうということはただいま御指摘のとおりでありますし、私どもといたしましてもその民間部門の持っております個人情報について適切な規制が行われるべきであるという考えは持っておるところであります。
ただ、委員もお役所の御経験がおありで大変よく御存じのところでありますが、例えば総務庁が民間部門にまで手を出してということになりますと、一体何の権限があってそんなところにまで手を出すのかなというそういうおしかりを受けるわけでありますので、私どもといたしましては、とりあえず国が持っておりますものについて適切な規制をしなければならない事態になっておると考えまして国の持っておりますものについての規制を今回法案としてお願いをしたわけであります。それぞれ関係省庁において今後さらに検討さるべきものであると考えておりますし、そうした際には、私どもが今回提出いたしました法案を成立させていただけますならば民間部門についての規制についても前進させるための一歩になるではないか、このように思っておる次第であります。
あえて申しますならば、民間部門について各省庁いろいろなところにまたがっておりますので、それらについて今後規制をするということでありますれば私どもの勉強の成果というものも十分生かしていただくようにしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/16
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017・久保田真苗
○久保田真苗君 民間の情報は、それぞれ所管の官庁、全省庁というものがそこにくっついていると思うんですね。そうなりますと、総務庁長官とされましては、それは、これを参考にして各省がそれぞれ個別に一つ一つの立法に進むというふうにお考えなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/17
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018・高鳥修
○国務大臣(高鳥修君) ただいま私の立場として申し上げられますことは、いわば権限外のことについて口出しをしては相ならぬことでありますので今御答弁申し上げたようなところが限界かというふうに考えておりますが、国会の御議論等の中でそういうことについて国として統一的に規制を考えるべきであるしどこかの省庁で統一的な立法の措置なり何なりをとるべきであるという御議論が高まってまいりますれば、政府としてそれなりの対応はしなければならないものだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/18
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019・久保田真苗
○久保田真苗君 御議論は既に高まっていると思うんですよ。衆議院のしょっぱなからそういうことだと思うんですね。これは何とかしなきゃいけないんじゃないかと。
で、総務庁長官は確かに権限外のこととおっしゃるんですけれども、既に必要を認めてこの立法を手がけられたわけですから、それじゃこれの行く先はどういうところへ落ちついていくのか、また総務庁のお立場としてどういう意見なり勧告なりそういうものが内閣の中でお述べになれるのか、その辺の見通しは御答弁を全く避けていらっしゃるけれども、それでは私どもはちょっと納得ができないんですね。なぜなら、だれかがそれは言い出さなきゃならないんです。だれかが言い出さなきゃならない。実際問題としてこの情報の取り扱いというのは、今後、民間それから官界を含めまして恐らく大変な草刈り場だと思うんですよ。情報は力なりという時代なんですから。そういうときに、それぞれのところがそれぞれのところでやる、やらないところは全くやらない、そういう状態のままほうっておかれるのかどうか。これ以上の答弁は難しいとおっしゃるんですけれども、総務庁長官個人としてどういうふうなビジョンをお持ちかということはおっしゃってもよろしいんじゃないですか。それは、何もそのまま言質にとるとかそういうことじゃなくて、ずっと外国へ行っていらして、この立法をやって、確かにそういう収穫がおありになるはずだと思うんです。
どういう方向に政府、内閣は進むべきでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/19
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020・高鳥修
○国務大臣(高鳥修君) 民間部門について規制をしていないというかまだそこに及んでいないのは、アメリカでありますとかカナダでありますとかそういうところは現に規制対象の中に加えていないわけでありますけれども、規制をしております西ドイツなどの例について私もいろいろと実施の状況を調べてまいったのでございますが、大体届け出制である。届け出制で実態をどの程度把握しているのかということについては、西ドイツで伺いましたところ大体六〇%ぐらいであろう、実効性必ずしも上がっている状況ではないというまことに率直なお話もあったわけであります。
総務庁長官として今、私、その立場にありますので、長官個人としての見解はどうかというふうに言われても長官の見解みたいになってしまいますので、大変恐縮でありますが少し差し出がましいことを申しますれば、これは個人情報保護局みたいな形で政府がどこかで統一的にやるべきなのかなということも考えてみたりしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/20
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021・久保田真苗
○久保田真苗君 そういう状態の中で個人情報保護局というようなものを、将来的にはそういう感想をお持ちだということなんですけれども、ここでもって各省にずっと一わたり伺っていきたいと思うんです。
まず、大蔵省なんですが、大蔵省は金融機関の持つ個人情報の保護についてどういう対処をしているか。いろいろ通達もお出しになっているし、調査研究もやっていらっしゃるということなんですが、どういう対処をしていらっしゃるのか、ちょっと御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/21
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022・鏡味徳房
○説明員(鏡味徳房君) 今御指摘がございましたように、金融機関が一般的に業務遂行上知り得ました信用情報等につきましては、基本的にはまず金融機関みずからの責任において適正に管理されるべきであると考えております。とりわけ金融機関につきましては、消費者信用を供与するという機能を果たしておりますので、その機能の中で、個人信用情報についてそれが個人の返済または支払い能力にかかわるものでありますので、プライバシー保護の観点から特に慎重かつ適切な取り扱いが必要ではないかと思っております。このような観点から、ただいま先生からも御指摘がございましたように、大蔵省としては、消費者信用の円滑かつ健全な発展に資するため、金融機関等により設置される信用情報機関について六十一年三月に通達を発出いたしまして、プライバシー保護に配慮した適正な業務運営体制の整備に努めてきているところでございます。
また、御指摘がございましたように、近年、コンピューターを利用した情報処理等の進展の中で個人データの大量かつ迅速な処理が可能になっておりますが、反面こういった個人情報の保護を自主的に確保していくという必要もございますものですから、六十二年の三月に金融情報システムセンターという公益法人が金融機関等における個人データ保護の取り扱い指針を作成しているところでございます。大蔵省といたしましては、各金融機関がこの指針に沿って個人データの保護のために適正に対処することを期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/22
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023・久保田真苗
○久保田真苗君 金融機関の持つ個人情報というのは大きく分けて二つになると思うんですね。一つは信用情報、それから一つは顧客情報だと思うんです。
信用情報としての対処は通達などをお出しになっておるところですが、顧客情報の外部流出については最近も問題がございました。東洋信託銀行の件ですけれども、顧客の名簿がダイレクトメールに利用されて、そのままそっくりよその会社で使われていた、そういうことで民事訴訟事件が起こっているんです。この事情は今は結構ですけれども、こういう顧客情報の外部流出は非常に好ましくないと思うんですが、こういうことが行われないというそういうことが今の状態でできるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/23
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024・鏡味徳房
○説明員(鏡味徳房君) 一般的に申し上げまして、先ほど申し上げましたように金融機関が保有する顧客情報の保護につきましては、いろんな指針等もございますし、それから顧客との契約の趣旨に基づいて金融機関みずから自主的な判断のもとに適切な配慮が払われるべきものでありますので、そういう中で私どもとしても預金者保護とか信用秩序の維持の観点から必要があれば適正な対応を図っていく必要がある、そのように考えておりますが、現状におきましては金融機関の自主的な判断のもとでこれが適正に守られることを期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/24
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025・久保田真苗
○久保田真苗君 これは、こういう行政指導的なことで本当に間に合うんでしょうかね。
こういう外部流出事件がたくさん積み重なるまでこのままにしておかれるのかどうか、その辺の見通しはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/25
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026・鏡味徳房
○説明員(鏡味徳房君) 現在、先生が御指摘の係争中の案件につきましては、先生も述べておられますように民事訴訟の問題でございますものですから、私どもとしてはその内容が適切であったかどうかは裁判所の法廷の中で争われるべきものだと考えております。
ただ、一般論としまして、こういった先ほど来申し上げていますような行政指導あるいは銀行当局の枠内での監督指導においてこういった問題も適切に対応される必要があると考えておりますけれども、事態の推移等に応じながらさらに適切な対応が図られる必要があるかどうか、さらに検討してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/26
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027・久保田真苗
○久保田真苗君 自治省に伺いたいんですが、自治省は第二次個人情報保護対策研究会を発足させたと伺います。
この研究会の対象となる個人情報がどういう種類のものなのか、また民間が所有する個人情報を対象とするのか、まずそこをお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/27
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028・小林紘
○説明員(小林紘君) 個人情報の保護に関しまして地方公共団体が保護のための条例を制定いたしております。ただいまのところでは、多くの条例の内容は、ほぼ地方公共団体内部の行政機関で使用しております個人情報を対象にして保護を行っているという状況でございますが、民間企業等が保有いたしております個人情報につきましても保護の対象にするという例がふえてきている状況にございますので、私どもでこれから設置いたします第二次個人情報保護対策研究会におきましては、こういう状況を踏まえまして民間企業等が保有いたしております個人情報の保護につきましても研究の対象といたしまして検討を加えてまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/28
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029・久保田真苗
○久保田真苗君 したがって、例えば銀行とか百貨店、クレジット会社などの民間企業の持つそういう顧客リスト、そういったものも対象に含めてお考えになる、こういう意味ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/29
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030・小林紘
○説明員(小林紘君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/30
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031・久保田真苗
○久保田真苗君 私、自治省が民間の情報について関心をお持ちになり研究会を発足させるということは大変結構だと思うんですけれども、ただ、自治省がこの研究会を経て例えば指針をおつくりになる、その指針が民間部門の情報を含めて自治体の条例化される。その条例の中での具体化はどうするんですか、自治体自治体それぞれの判断に任せる、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/31
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032・小林紘
○説明員(小林紘君) 何せ保護の対象が大変広範囲にわたります。それから、対策の内容等もこれは大変複雑になる可能性が多うございますので、どのようなやり方でどういう保護の内容を準備すべきか、あるいはまた当省といたしましても、研究会では御議論をいただくわけでありますが、研究会の成果を踏まえまして当省としての指針をどうするかということ等につきましてはまだ決めておりませんので、研究会の席上そのような点につきましても委員の方々の御議論をいただいた上で方向を決めていきたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/32
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033・久保田真苗
○久保田真苗君 なぜ自治省なのかということが私には余りまだぴんときていないんですね。
なぜかといいますと、その場合、自治体ごとにいろいろむらがあるでしょう。一つの会社の情報が自治体ごとにいろいろむらがある。そして、その欠落も多分当分あるでしょうね。自治体がやるということは、その現場現場で、その地域地域でやれるという利点があるんですけれども、自治体ごとにいろいろな判断、扱いの違いというものが当然出てくるであろうと思われますけれども、その辺はどういうふうにお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/33
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034・小林紘
○説明員(小林紘君) これからの保護対策の制度上のあり方の問題、ただいま御指摘いただきましたような問題点が多々あると認識いたしております。
ただ、問題点が大変多岐にわたりますし、それから法制上の基本的な問題にかかわる問題もあるように私ども考えておりますので、そうした基本的な問題を踏まえまして各界の権威の方々の研究会の場で御議論をいただいた上で問題点を整理していきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/34
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035・久保田真苗
○久保田真苗君 官房長官にいらしていただきましたので、お時間に限りがありますので、各省の分が途中なんですけれども、伺わせていただきます。
民間での個人情報が今ほとんど野放しになっております。各省庁ともこれではいけないと考えていらっしゃるということは推しはかられるわけです。一方、個人情報の保護とかプライバシー保護について国民の関心がこのごろ非常に高まってきているんです。特に消費者情報に関する縦横無尽の情報の飛び交い、ブラックリストの作成というようなことが民間会社の手でばりばりと行われるというようなことで非常に懸念されているわけですね。何しろ東京都の中だけでもダイレクトメールが一日に百五十万通も飛び交っているという現状なんです。
今、まだ自治省、大蔵省のところぐらいしかいっていないんですけれども、先ほど総務庁長官にもお伺いしたんですけれども、恐らくこういう状態で政府の全省庁にかかわりのあるこの民間情報の問題をそれぞれの省庁がみんなばらばらに立法にお進みになるのか。つまり、今の時代では情報は力なりですから、そこは非常に大きい草刈り場になるだろうと思う。国民の立場からしましたら、そういう民間部門に勝手に情報を集められ、そしてそれを好きに伝達されて利用されるということは甚だ迷惑なことなんです。 各省庁がそれぞれにつかさつかさでやればいいというようなことでは、一方に欠落がありまた一方にはやり過ぎがあるというようなことも考えられます。
今これはもう非常に差し迫った問題になっておるんですけれども、官房長官はこれについて内閣として統一された基本方針、保護対策を考えるというお考えはございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/35
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036・小渕恵三
○国務大臣(小渕恵三君) 個人情報の電子計算機処理に伴う国民の不安感、権利利益の侵害のおそれに適切に対応することは、官、民を問わず、共通的に必要な課題であるとまず認識をいたしております。
そこで、民間部門における個人情報の保護対策につきましては、閣議決定されておりますように「それぞれの関係省庁において所要の連絡調整を図りつつ、引き続き検討を進める。」ということで推進をいたしているところでございます。
そこで、今般提出いたしております法案が行政機関の保有するものについてのプライバシーの保護に関する法案ということで、先ほど来委員の御質問もお伺いしておりましたけれども、民間につきまして極めて重要であるということの認識をいたしておりますことはこの閣議決定もその趣旨に基づくものでございます。
ただ、民間におけるプライバシー保護につきましては、それを保有する民間の金融機関その他と個人との間の信頼関係に基づいて存在しておるわけでございまして、その個人の情報を保有する民間の各機関、企業等に関して、政府がこの際一挙にその保護のための法律を制定するかにつきましては、諸外国の例その他を勘案しながら今般法案を提出いたしておるわけでございます。先ほど総務庁長官から御答弁ございましたように、アメリカ、カナダ等におきましてはまだ民間部門についてはその保護立法がなされておらないようなこともございまして、とにもかくにも今般諸外国の例に基づいて政府としては行政機関のプライバシーの保護に関して行うということでいたしておるわけでございまして、この法律が制定されてまいりますればあるいは今後におきまして民間部門についてもそれぞれいかに対処すべきかということが起こってまいると思いますが、当面はそれぞれ関係省庁におきましてそれぞれの民間の機関等に対する対処につきましては十分その現実の姿等も勘案しながら現在努力中だということでございます。
そこで、御質問にありましたように、政府で一貫して対処いたしたらどうかということでございますが、先ほど総務庁長官の御答弁をお聞きいたしておりまして何らかの保護局みたいなものというお考えも申し述べられておりましたが、いずれにしても政府としても強い関心を寄せていることは事実でございます。繰り返しになりますが、当面は大蔵、通産その他各省庁におきまして、それぞれ関連する民間の機関との話し合いの中でその民間の持つ個人の情報の保護については勘案していくべきものではないか、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/36
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037・久保田真苗
○久保田真苗君 官房長官、さっきプライバシーの問題とおっしゃいましたけれども、実はプライバシーの保護という目的に十分奉仕する法案ではないということをたびたび総務庁の方から伺っているわけです。私どもが非常に異議を申し立てなきゃならないのはそこなんですよ。官房長官は幸いプライバシー保護に非常に御留意されているようですけれども、今のこの法案ではそこまでいっていない。しかも、電算機の情報量の九五%を占める民間情報について全く野放しである。官房長官は、官民の信頼関係の上に立って考えていくんだとおっしゃるんですが、今やそんな時代は過ぎちゃっているんです。
先に進まなきゃなりませんけれども、経済企画庁の国民生活審議会がお出しになっているこの資料で見ましたら、ブラックリストをそれぞれの会社がつくって、それをまたお互いにやりとりしている。その中にいっぱい間違った情報があって大変な脅威を受けている、そういう消費者がたくさんあるんですね。これは幾ら信頼関係、民間会社の一つの責任だとおっしゃっても、片方に国民があってその国民が一人一人非常に無力であるところから、そういうものに人権の侵害を明らかに受けているんですよ。そうなりますと、政府としてはどういう立場に立っていただくかといったら、これは明らかに国民の人権の保護という観点に立って各省庁、そして民間のいろいろな情報機関を規制していただかなきゃならないと私は思うんです。
そういう統一したことを内閣でスタートなさるおつもりがあるかどうかということ、総務庁長官に伺いますと、つまりこの電算機処理の行政情報だけが総務庁の範疇でそれ以上はできないとおっしゃるから、それじゃどこがやるんですか、それはどこが一体考えてくださるんですかということを私はお伺いしているんです。それはどこなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/37
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038・小渕恵三
○国務大臣(小渕恵三君) 先ほども御答弁申し上げましたが、それぞれ民間部門におきます問題につきましては、金融情報その他それぞれ先ほど各省に御質問なされておられましたですけれども、民間の情報を取得されておられる機関との関係はそれぞれの役所において十分調査し、また国民一人一人の情報の保護につきましては検討していくというのが現在の政府の立場でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/38
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039・久保田真苗
○久保田真苗君 何といいますか、もう本当に一部でしかないこういった情報についての立法をやっと他の国におくれてなされるわけでございますから、そういう意味では民間の大企業のすごい情報収集、伝達力というものを念頭に置いて、ぜひ国民のプライバシーの立場に立って御尽力いただきたい。このことは官房長官、総務庁長官、両方にお願いしておきます。
次に、経企庁に伺います。
国民生活審議会消費者政策部会報告というのがあります。六十三年九月。この審議会の結論を見ますと、最終的には保護のための法規制が必要であるという結論を出しておりますね。
経企庁としては、この報告に基づいてこれから何をなさるおつもりか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/39
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040・川名英子
○説明員(川名英子君) お答えいたします。
今先生が言われましたように、ことしの九月に取りまとめられました国民生活審議会消費者政策部会報告におきましては、消費者取引に係る個人情報のための法的規制を講ずる方向で考慮すべきだとしております。ですけれども、当面はこの報告で示されました「個人情報保護の在り方」を踏まえまして行政、事業者、消費者がそれぞれ個人情報保護のために具体的に対応を行っていく必要があるとしております。
当庁としましても、この報告の指摘に従いまして既に関係各省に対しまして所管業界の監督等をお願いしたところであります。それから、個人情報保護のため事業者、消費者に対する啓発活動を行っておりますし、また消費者トラブル、苦情につきましては迅速に対処してまいりたいと思っております。それから、こうした施策を具体化しながら立法化のための国民的コンセンサスの形成に努めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/40
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041・久保田真苗
○久保田真苗君 経企庁も立法化に向かっての努力をされる、こういうことなんですね。
この部会報告、消費生活相談の概要というのをいただいていまして、これを読むとまさにぐずぐずはしていられないという気がするんです。特に恐ろしいのはブラックリストなんですね。いろいろな商品の購入を勧誘されて、それを解約したり品物が違うといって支払い拒否をするとブラックリストに載せるぞとおどかされるという状態がどうもあるようです。
「ブラックリスト」ということばが一人歩きをしてしまって、「一度載ってしまったら、ずっと不利益を被り、訂正も困難なもの。」というイメージを、一般の消費者が抱いていることをいいことに、販売会社側が不当な脅し文句に使う事例である。
ということがこの報告書に紹介されているのですね。
それが間違った情報というのがかなり多いようでして、例えばこういう例があります。男性からなんですけれども、
全く身に覚えのない自動車のクレジット代金の督促が半年続いたので調べてみると、何者かに自動車の購入契約の名義を冒用されていた。裁判により無実がわかり債務は免れたが、ブラックリストに載せられているので就職試験に差し支える。
こういうおそれが出ているわけですね。
また、例えば
カタログを見て血圧計を購入したが、調子が悪いのですぐ返品したのに代替品が送られず、支払わなければブラックリストに載せると言われた。
女性の方からもございます。
こういったものが横行しているわけでございますから、こういうものの法的規制、立法化にお進みになるということなんだけれども、法的規制を伴わないでこういうのは対処していけるというそういう感想をお持ちでしょうか。経企庁の方、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/41
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042・川名英子
○説明員(川名英子君) 将来的には法的規制を講ずる必要があると考えておりますが、当面は消費者、事業者、行政がこの報告の趣旨に沿って具体的に対応していくことが重要だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/42
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043・久保田真苗
○久保田真苗君 それに関連して衆議院で取り上げられた本がありますので、私も読んでみたのです。これはフリーランスのジャーナリストの馬場恭子さんという方の本なんですけれども、アメリカから日本に向かっていろいろな警告をしているんですね。その中にこういうことが出ているんですね。
ある銀行協会内の個人情報センターで、テレクレジット・インクと同様に、銀行ローンを踏み倒したりする不良ローン客名を収集し、ブラック・リストを作成、保存し、銀行、その他の金融機関のために信用調査エージェンシーの役割を果たしていた。そして、この分野ででも大蔵省が、この種の情報センターを拡大充実させろ、とハッパをかけたというのである。銀行関係者たちは、日本の調査機関は外国に比べるとまだ「赤ン坊並み」だから、プライバシー侵害の心配はない、というような口調であったが、当時約一六万件のブラック・リストを五年後までには五〇〇万件に増やすという。しかも、金融機関を利用したローン客すべてをリストにする計画を年内には実行するということであったので、私は大いに気がもめた
ということがあるんです。
それで、私もそういうことがあるのかなと思って大蔵省の通達を拝見したのですけれども、大蔵省としては確かに銀行局長名で「金融機関等が信用情報機関を設置又は利用する場合の信用情報の取扱い等について」、これは慎重に取り扱うという側面もあるんですけれども、その一方、何といいますか、こういった銀行協会のようなところに情報機関としての個人情報を集めて会員であるところの銀行、金融機関がそれによって被害をこうむらないような一大センターをつくって、会員に積極的に情報を伝えるということを奨励していらっしゃるというふうにも見える。
この点についてはどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/43
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044・鏡味徳房
○説明員(鏡味徳房君) 銀行が個人信用を供与するということにつきましては、これは、個人の生活の安定とか国民生活一般の安定等の観点から、従来、金融機関は個人の信用供与に消極的ではないかというような御批判も種々ございましたものですから、こういった個人消費者ローンを金融機関が進めやすくする必要がございまして、そういう観点から申しますと、金融機関としては個人消費者ローンを進める際に返済能力等を個々に審査していくということになりますとやはり手間もかかりますし時間もかかってしまう。したがいまして、こういった個人消費者ローンを進めていくという要請と、他方、こういった返済能力等の審査を行っていかなければならないという両者の要請を勘案しますと、やはり、個人信用情報センターというようなところでこういった情報機関が個人情報を集めて会員に利用させていくというのは大変必要なシステムではないかと考えてはいるわけでございます。
ただ一方、個人のプライバシー保護という観点もございますものですから、今御指摘の著者の方が御経験された後の話だと思いますけれども、六十一年三月に大蔵省としてはこういった個人信用情報の利用に関しまして通達を発しました。これは、OECDの八原則に基づきまして、収集の制限とかそれから利用の制限、それから個人のそういった情報が入っているかどうかについて開示の請求がありますとその開示をしてもし間違った情報があれば訂正をさせるとか、そういった形でOECDで世界的にルールがつくられておりますけれども、そのルールにのっとった通達を発して個人のプライバシー保護の観点に万全を期しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/44
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045・久保田真苗
○久保田真苗君 これはお互いに今後勉強していかなければならないことだと思いますけれども、私の今の感じを申し上げますと、要するに、国だけでも十二億五千万件という情報がある、それの何倍もの民間情報がある、その情報を全部だれかがコントロールするなんてことはなかなか難しいことで、そしてまたそれに対してどういうセーフガードができるかということを考えますと、これは個人の開示請求それから誤った情報を訂正削除される、それを権利として確立することは個人がそのために相当闘う勇気を持たなければ到底できないことだと思うんです。国としてはその個人の権利がやかましい裁判の手続を経て一々訴訟事件にしなければ解決しないというようなことでは甚だ困るのであって、私は、単なる行政指導ではいわば上からのお慈悲で個人が守られるという姿勢しかないわけですから、個人の権利というそこをしっかり押さえていただいて開示請求と訂正させる権利が迅速に行われる、裁判に一々持っていかなくてもそれはもう自明の理としてやられるということが唯一の担保なんじゃないかと、そう思うわけです。
総務庁長官はその辺はどういう御認識ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/45
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046・高鳥修
○国務大臣(高鳥修君) 民間部門の規制を考えます場合には、民間がそのような個人の情報を保有する制度を仮に設けるといたしますれば、自分のところではどういう目的を持って個人の情報ファイルを保有するかという保有目的を明確にしなければならないということが当然のことながらあろうと思います。それから、当該本人に対する開示を認めるという開示請求権を当然保障する、さらにまた間違った情報であれば訂正をさせる権利を認める、さらにまた民間にありましては本来これは法律に基づいて強制している場合と違うわけでありますから本人の同意権ないし削除請求権というようなものがあるいは認められるのかなというふうに考えます。それらの内容を盛った規制をすべきものであろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/46
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047・久保田真苗
○久保田真苗君 通産省は非常に大きい情報官庁なんですけれども、このガイドラインをお出しになっていらっしゃいますね。
そのガイドラインが持っている効力についてちょっと御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/47
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048・中野正孝
○説明員(中野正孝君) ガイドラインの効力というお尋ねでございますが、これは、法的な拘束力とかそういうものはございませんで、まさに民間の事業者、関係者が自主的にこういう個人情報の保護について配慮して仕事をしていくというそういういわば任意の遵守事項というような性格のものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/48
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049・久保田真苗
○久保田真苗君 それをやっている当事者に自粛を求めるという趣旨なんですけれども、これは、政治倫理と一緒で、とても守られそうもないという感じを受けるんですね。当然強制力はないわけですけれども、通産省が扱っていらっしゃるこういう民間部門の個人情報保護、国民のプライバシー、それから情報を開示請求する権利、訂正する権利、そういうものは立法化しないでできるとお思いでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/49
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050・塩谷隆英
○説明員(塩谷隆英君) 通産省では割賦販売を担当しておりまして、割賦販売では消費者信用というものが供与されるわけでございますが、消費者の支払い能力を超える過剰与信というものの発生を未然に防止するために割賦販売業者等が共同で信用情報機関を設立いたしまして、これが購入者の支払い能力に関する情報を収集して共同利用する仕組みができ上がっております。これは昭和五十九年に割賦販売法の改正によりまして導入されたものでありまして、その改正の折には、同時に信用情報を購入者の支払い能力の調査以外の目的のために使用してはならないという規定が設けられております。こういう趣旨を踏まえまして昭和六十一年三月に信用情報の管理等に関する詳細な項目を定めた通達を発しておりまして、先生が御指摘になりましたような情報の開示あるいは誤った情報の訂正といったようなことも迅速に処理するようにというような項目を詳細に定めておるところであります。
で、通産省が関係しておりますこの信用情報の関係では、信用情報機関はこれまでのところ一社でございまして、この通達を徹底させることによりまして十分実効は確保されるであろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/50
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051・久保田真苗
○久保田真苗君 通産省は有名な行政指導官庁なんですけれども、非常に過信していらっしゃるんじゃないかと思うんです。
通達がぴっしり守られてそしてそれが完全に行われるというようなことは、それは本当に望ましいことなんでしょうか。それは行政立法と同じじゃありませんか。もしそれに対して何らかの隠然たる制裁があるというふうに仮に考えたとしますと、そうじゃないんでしょうか。これは、立法化によって国民の側にも官庁の側にもまた取り扱う企業の側にもそのことのルールが公明正大にはっきりしているということが非常に大切なので、おっしゃっている行政指導では国民の側の知識というものは何らこれによってふえていかないわけですね。行政指導の通達ではその身を守るための盾にならないんですね。ですから私は、通産省が指導すればそれでみんな草木もなびくんだというような御姿勢では困るのであって、仮にも通産省が消費者保護という消費者問題を取り扱う部門をお持ちになっているからには、消費者にそのゆえによって権利を主張する十分な根拠を与えるべきだと思います。
その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/51
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052・中野正孝
○説明員(中野正孝君) 御指摘にございましたガイドライン、これは先ほどから御議論になっておりますOECDの八原則に沿った内容をベースにしておりますけれども、このガイドラインも、私どもの関係しております財団法人の日本情報処理開発協会というところで関係の業界代表の方、消費者団体の方、学識経険の方々で御議論いただいてつくり上げたものでございます。
それを受けまして私どもの機械情報産業局で、特にコンピューター処理に伴って個人の情報をいかに当該個人のコントロールできるような仕組みにするかというようなことでこのガイドラインをさらに見直しをいたしまして、さらに実効ある遵守のあり方といいますかを、ことしの五月から委員会をつくりましてここで各主要な業界の方あるいは学識経験の方、消費者団体の方々に幅広く集まっていただきまして、現在精力的に御検討いただいております。年内ないしは年度内にはこちらの専門家の皆さんのお考えもまとまろうか、私どもそれを受けましてさらに勉強していきたいというふうに思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/52
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053・久保田真苗
○久保田真苗君 法務省の方に進みます。
衆議院の議論を拝見しますと、法務省は三十九ファイルというふうに答えていらっしゃるんです。また、総務庁の御答弁では六十二年一月現在で二十五ファイル、情報量で三千七百七十九万件というふうに伺っています。ところが、衆議院の江田議員の質問による資料では、ファイル数三十七、情報量二千六百三十四万件というふうに答えていらっしゃる。
これは法務省の保有していらっしゃる個人情報で公開しないものがファイル数で二つあって情報量で一千三百四十五万件以上あるというふうに見られますけれども、そう考えてよろしいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/53
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054・長山頼興
○説明員(長山頼興君) 先生御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/54
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055・久保田真苗
○久保田真苗君 この公開しないファイル二つについては、この法律案の何条何項何号によるものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/55
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056・長山頼興
○説明員(長山頼興君) 今、先生から御指摘がありましたように、法務省が保有しているファイルの中でいわゆる事前通知の対象外とされ、したがいまして公開、開示されないファイルが二つございます。
その一つは、いわゆる犯歴ファイルでございまして、これは本法律案の第六条第二項第二号に言うところの犯罪の捜査または公訴の提起もしくは維持のために作成する個人情報ファイルに当たるというふうに考えます。
もう一つは、入国審査ファイルでございまして、これは本法律案の第六条第二項第一号に言う国の安全または国の重大な利益に関する事項を記録する個人情報ファイルに当たるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/56
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057・久保田真苗
○久保田真苗君 犯歴ファイルと入国審査ということでした。後でまた戻りますけれども。
ところで、公安調査庁は法務省の外局ですね。そこでもってある政党本部への人の出入りをビデオカメラで長期間隠し撮りをした事件が発覚したんですが、私としてはこういう角度からちょっと伺ってみたいんです。
それは、その撮ったビデオテープは、どういうふうに解析して、どういう情報として整理するのか。このことは国民のプライバシーにとって非常に大事なんですね。なぜかというと、不特定多数の人がそういうところへは行っているからなんです。どういうふうに整理なさるのか、それをちょっと伺わせていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/57
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058・櫻井正史
○説明員(櫻井正史君) 御説明申し上げます。
まず、公安調査庁といたしましては、破壊活動防止法の適正な施行のための調査の一環といたしまして、いわゆる監視活動というものを行っているものでございますが、この監視活動というものは肉眼による観察が主でございます。肉眼を補助する意味におきましてビデオ等の利用がなされているわけでございます。したがいまして、このようなビデオにつきましても、あくまで監視の限りにおいて利用しているわけでございます。
また、撮影しましたその他のものにつきましても、人物の確定それから調査団体、対象団体の構成員の特定のための資料という形で必要最小限度のものに限りまして公安調査庁内部で保有保管しておることでございます。
不要なものにつきましては速やかに廃棄するということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/58
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059・久保田真苗
○久保田真苗君 私、この中身については当事者がなさると思いますけれども、一体この情報は電算機に入れて処理なさるのか、それともマニュアル情報のまま処理なさるのか、こういうものの扱いはどういうふうにしていらっしゃいますのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/59
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060・櫻井正史
○説明員(櫻井正史君) 御説明申し上げます。
公安調査庁といたしましては、公安調査庁が破防法、破壊活動防止法に基づきます調査の結果、収集しました資料、情報につきましては、それをどのような形で電子計算化処理するかということについて現在研究、検討中の段階でございます。したがいまして、現段階でこれが具体的にどのようなことになるかということをお答えできるには至っていないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/60
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061・久保田真苗
○久保田真苗君 これはちょっとおかしいのですね。
合法政党で国会にもちゃんと議員が出ているんですよ。だれでも自由に出入りできる場所、そういう場所じゃないんですか。そういう場所の情報を集めて、いわばブラックリストに載せて、そしてその扱いについてはお返事できない。こういうことが本当に正当だと言えるでしょうか。やっぱりこれはプライバシーの重大な侵害だというふうに総務庁長官はお考えになりませんでしょうか。一体どういうことなんですか、これ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/61
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062・高鳥修
○国務大臣(高鳥修君) 公安調査庁が何をやっているのか、私は所管でございませんのでわかりませんので、どうもお答えはできない立場でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/62
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063・久保田真苗
○久保田真苗君 総務庁長官、そもそも総務庁長官がお出しになったこの法律案は適用除外が大変多いんですよ。通知も要らないし、一般の閲覧にも供しなくていい、そういうものが非常にたくさんあるんですね。そういう状態の中で、これは、要するにOECDの諸国の、何といいますか、一つのレベルに押されておつくりになったものなのでしょうけれども、この中にははっきりと書いてありますね。例えば、情報の収集は、適法にしかも公正な手段、フェアミーンズというふうに書いてありまして、そういうふうに集められるものでなくちゃならない。多分さっきおっしゃっているお言葉からしますとこれは適法に集めているとおっしゃるんでしょうけれども、しかしこれは明らかにフェアなやり方じゃありませんよ。正当じゃないんじゃないですか。私どもがどこかに出入りしている、それをいつでもどこで隠し撮りのカメラで撮られているかわからないというようなことでは、全くこれは今人種差別なんかで問題になっている国でやっているようなことと何ら変わらないんじゃないですか。それは個人に対する非常な脅迫ですよね。私どもの行動の自由というものがこういうことによって本当に妨げられる。それと、こういうことが明らかになってもだれも責任をとらない、そしてこれは適法だなどと開き直っていらっしゃる、そういう状態の中でこういう適用除外だらけの立法をすることに一体どういう意味があるんでしょうか。
総務庁長官、それは総務庁長官は公安調査庁の責任者ではないかもしれない。でも、この個人情報によって国民の権利と利益は守られるということを目的にうたっていらっしゃるのに、それについてお答えがないということはないと思いますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/63
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064・高鳥修
○国務大臣(高鳥修君) まず、プライバシー全体の保護ということになりますと、これは、第一義的には法務省、法務大臣が責任を持つべきものであろうと思いますし、公安調査庁がやっておられますことについて私が今この場で批判的なことを申し上げる立場にございませんので、その点についてはお許しをいただきたいと存じます。
なお、国の行政が適法かつ公正な手段で行われなければならないことは当然のことでありますので、それを大前提とした上で私どもとしてはこの個人情報の保護法案というものを考えておるわけであります。でありますから、適法でもないし公正でもないようなことをやって集めた情報というものをしかも秘匿をするというような考え方は全く持っておらないところであります。
なおまた、適用除外を非常にたくさんの項目にわたってつくっているではないかという御指摘につきましては、むしろ除外例を明定することによりましてそれ以外のものは必ず入れるんですよということを明らかにするためにそのようにいたしたところであります。
かつまた、これは委員が行政府におられた御経験がおありでよくおわかりのところでありますが、今の内閣の仕組みといたしましては全省庁の合意がなければ法案が出せないという中で、私どもとしてはぎりぎりの折衝をした結果このようにまとめたものでありますので、その点はひとつ御了解を賜りたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/64
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065・久保田真苗
○久保田真苗君 ともかく適法でもないあるいは公正でない集め方をするというような、そういうだれが見てもひんしゅくを買うような集め方をする、そういうことについては総務庁長官はこれから、乏しい法律ではあるけれども、どんどんと積極的に意見をお述べになっていただきたい、私はこう思います。
警察庁に伺います。
巡回連絡の問題なんです。警察では派出所、駐在所の外勤警察官が家庭や事業所を訪問して巡回連絡をやっていらっしゃるわけですけれども、これはどういう法的根拠でやっていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/65
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066・西山正樹
○説明員(西山正樹君) 警察法二条に規定されております警察の責務を達成するために住民の協力を得て行っております活動でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/66
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067・久保田真苗
○久保田真苗君 警察法二条、警察の責務というところなんですけれども、この巡回連絡の目的はどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/67
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068・西山正樹
○説明員(西山正樹君) 派出所、駐在所の警察官が、自己の担当する地域に所在します各家庭や事業所を訪問いたしまして、警察の方から防犯や事故防止上の指導、連絡をしましたり、また住民の方からの困り事相談や警察に対する意見、要望などを伺うということを目的としているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/68
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069・久保田真苗
○久保田真苗君 これはもちろん個人情報の収集になりますね。家庭の事情、職場その他すべていろいろと聞いていらっしゃるわけですから。
で、警察庁としては、この外勤警察官の任務、こういうものをどういうふうに見ていらっしゃるのか。また、巡回連絡について、管内の実態を把握するという目的がその中に当然おありだと思いますけれども、その点もどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/69
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070・西山正樹
○説明員(西山正樹君) 外勤警察官の任務の方でございますけれども、常に警戒態勢を保持いたしまして、自己の受け持ちの管内に起こります犯罪でありますとか交通事故を含めた警察事象に即応する活動を行うことによりまして、国民の日常生活の安全と平穏を確保するということを任務にしております。
それから、管内実態の把握という点についていかがということでございますけれども、この管内実態の把握という意味につきましては、巡回連絡ということを通じてということだけではございませんで、警ら、いわゆるパトロール活動でございますが、こういった活動を通じまして、管内の地形、地物でありますとか、住民の困り事、要望、あるいは管内の犯罪や事故の発生状況、それから犯罪防止上注意を要する場所はないか、それから保護、救護を要する人の居住実態はどうか、そういった点につきまして掌握するという意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/70
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071・久保田真苗
○久保田真苗君 ところで、例えば管内の実態把握について、いろいろなことをお聞きになるわけです。最低年一回は全戸を訪問しろとか、警察上必要なすべての情報や資料を入手するとか、具体的に言いますと氏名、生年月日、本籍、職業、家族構成、それから情報収集源を確保するという意味もあるらしいですね。それから不審情報の収集といったようなこと、それは警察の活動に関連があるとしておやりになっているんだと思います。
けれども、警察庁の持っているそのファイルなんです。そのファイル数を会議録で見ると六と答えていらっしゃいますね。そのうち四つのファイル名は明らかにされておるんです。例えば運転免許に関するもの、情報量五千六百万件。風俗営業に関するもの、銃砲に関するもの、家出人に関するもの、それだけはわかっているんです。そのほか犯罪捜査のための個人情報ファイルの存在もお認めになっている。
で、この犯罪捜査のファイルの中には、例えばこういうものがあるのかどうか。指紋ファイルは入っている、そういうことでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/71
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072・菅沼清高
○説明員(菅沼清高君) お答えいたします。
犯罪捜査に関する情報、個人情報ファイルの中には指紋に関するものもその一部として含まれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/72
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073・久保田真苗
○久保田真苗君 捜査に協力していただいた方の指紋、それもファイルしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/73
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074・菅沼清高
○説明員(菅沼清高君) 捜査に協力していただいた方の指紋といいますのは、具体的に言いますと、犯罪の現場で遺留指紋等を収集いたしましたときに、どれが被疑者の指紋であるのかということを見きわめる必要があるわけでございまして、その現場に出入りしている可能性のある家族の方とかそういった方の指紋はもちろんそのときは収集するわけでございます。しかし、それは犯罪に関係のない方のものとして順次落としていくわけでございまして、そういったものはその時点ではっきりすれば焼却しあるいは本人から要望があれば採取したものを返還する等のことをいたしておりますので、その後、捜査関係の資料として残るということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/74
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075・久保田真苗
○久保田真苗君 じゃ、刑事訴訟法上身柄を拘束された者のうち、不起訴処分となった者の指紋はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/75
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076・菅沼清高
○説明員(菅沼清高君) お答えいたします。
不起訴処分の内容についてはいろいろございますけれども、犯罪捜査のために必要なものは残すということもございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/76
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077・久保田真苗
○久保田真苗君 済みません、今ちょっとよく聞こえなかったのと、もう一つ伺いたいのは、無罪が確定した者の指紋はどうですか。さっきのお答えはちょっと聞き取りにくかったので、もう一度。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/77
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078・菅沼清高
○説明員(菅沼清高君) お答えいたします。
不起訴にもいろいろなケースがございます。そのケースに応じて取捨選択する可能性があるということでございます。また、無罪についても同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/78
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079・久保田真苗
○久保田真苗君 こういう指紋をそんなに長く残しておく必要はないんじゃありませんか。どうなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/79
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080・菅沼清高
○説明員(菅沼清高君) お答えいたします。
犯罪捜査のために必要な指紋を維持する期間でございますけれども、一定の年齢に達したものについては落としていくということはやっておりますけれども、私どもやはり相当期間そういうものは保有しておる必要があるというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/80
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081・久保田真苗
○久保田真苗君 大変気味の悪い話だと思います。
自殺に関するマスターファイル、それは持っていらっしゃるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/81
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082・菅沼清高
○説明員(菅沼清高君) 確認をさせていただきますが、自殺でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/82
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083・久保田真苗
○久保田真苗君 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/83
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084・菅沼清高
○説明員(菅沼清高君) 自殺に関するものは保有いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/84
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085・久保田真苗
○久保田真苗君 自殺に関するファイルは持っていないということですが、それは、その個人名はなくてもその場所とか手段とかそれから家族関係に関することとかほぼ本人を特定するような情報は入っているのではありませんか、その点はどうなんですか。この自殺のファイルというのは、どういうふうな形で情報として扱っていらっしゃるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/85
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086・菅沼清高
○説明員(菅沼清高君) ただいまお答えいたしておりますのはこの法案で言われておりますコンピューター処理をされたファイルということでお答えをしているわけでございまして、自殺に関するものもマニュアルなものとしては当然ある時期は持っているわけでございまして、自殺ということがはっきりし、犯罪に関係がないということかわかれば、その段階においてそれはなくなる、このように考えていただいてよろしいんじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/86
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087・久保田真苗
○久保田真苗君 それで、この情報も非常に高度な重大なプライバシーにかかわるものだと私は認識するんですね。
さてもう一度、衆議院で明らかにされた数字を確認しておきますと、警察庁所有の個人情報は、ファイル数で六つ、情報量で一億一千六百十六万件ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/87
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088・菅沼清高
○説明員(菅沼清高君) お答えいたします。
今お話のありました数字は、これは総務庁において調査されたときのファイルの数と情報の数量というように承知いたしております。警察庁で御答弁いたしましたのは、委員が先ほどおっしゃいました四つのファイル、それから犯罪捜査に関する情報ファイルをそのほか保有いたしております、このようにお答えをいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/88
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089・久保田真苗
○久保田真苗君 所有の情報は、さっき私が読んだもの、そして衆議院で提出された資料によるものは、ファイルで四つ、情報量で五千七百三万件、つまりここにファイル数で二つ減り、情報量で半分になっているんです。非常に激減しているんですね。
これはどういう理由なのか、教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/89
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090・菅沼清高
○説明員(菅沼清高君) お答えいたします。
警察庁で保有しているファイルが六ファイルということでお答えをしたわけではございませんで、四つのファイル、それからそのほかに犯罪捜査に関するファイルを保有しておる、このようにお答えいたしましたのでよろしく御理解をいただきたいと思います。
それから、情報の件数についてかなり差があるのではないか、このようなお話がございますけれども、犯罪捜査に関する情報の中には車両に関するものがございます。これが相当量ございますので、その旨御理解をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/90
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091・久保田真苗
○久保田真苗君 犯罪捜査に関する情報量というのは、どのくらいの情報量がありますか、二千万件くらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/91
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092・菅沼清高
○説明員(菅沼清高君) お答えいたします。
犯罪捜査に関する情報の総数については、犯罪捜査というものの性質上、具体的にお答えすることについては御容赦をお願いいたしたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/92
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093・久保田真苗
○久保田真苗君 犯罪の予防に関するファイルというのはあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/93
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094・横尾敏夫
○説明員(横尾敏夫君) 現在、警察庁で保有しておりますのは、家出人に係る個人情報ファイル、それから銃砲に関する個人情報ファイルでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/94
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095・久保田真苗
○久保田真苗君 犯罪予防に関するファイルというのはその二つということなんですね。
先ほどから伺っていました巡回連絡によって得た情報はもちろん個人情報ですよね。これは電算機処理されるものなのかそうでないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/95
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096・西山正樹
○説明員(西山正樹君) 巡回連絡で得ました情報といいますか、それにつきましては、巡回連絡カードに記載するわけですが、このカードはそれぞれ自己の派出所、駐在所で保管いたしまして、その派出所、駐在所で勤務する警察官が自己の活動に活用するというものでございます。それから、カード自体も創意工夫が凝らされて一定の様式ではございません。そういうことから非常に地域性のあるものでございまして、その内容をコンピューターに入力して集中して保管するというような必要はございませんし、考えてもおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/96
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097・久保田真苗
○久保田真苗君 必要はないし考えてもいない、将来とも電算機に載せるつもりはない、こういうことでよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/97
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098・西山正樹
○説明員(西山正樹君) 私の考えとしてはそうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/98
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099・久保田真苗
○久保田真苗君 そうしますと、マニュアル情報だと。
マニュアル情報は本法律では保護の対象にならないんですね。ですから、この間及川委員が指摘されましたように、興信所等へ流されるというようなことがあったら、これはゆゆしい問題なんですね。この場合、一体どういうふうにこれが現制できるのか。総務庁長官、こういう場合はどうなるんでしょう。これは地方公務員法による処罰の対象となるのか。その辺の歯どめはどういうことになりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/99
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100・高鳥修
○国務大臣(高鳥修君) マニュアル情報につきましては、当然のことながら公務員には法令遵守義務ないし職務上知り得た秘密をみだりに漏らしてはならないという守秘義務があるわけでございますので、それらによって規制をされ、違反があった場合には処罰をされるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/100
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101・久保田真苗
○久保田真苗君 マニュアル情報というものはこの場合抜かしているんですが、実はそのマニュアル情報がこの場合には非常に膨大なんですね。
日本には約三千七百万軒の世帯があります。そしてそれぞれの警察でもってこういうカードとして集められているものは恐らく個人個人の件数にしてみれば全住民をカバーしている、そういう形になるわけですね。そういうものについて、ただ電算機じゃないんだから保護をする必要がないと言われても、私なんかどうもぴんとこない。むしろばらばらにあって、そういう形で存在しているものの方がいろいろな形で漏えいし利用されやすい条件にあるんじゃないかということを思うんです。つまり、マニュアル情報も保護しなければならないのではないか、立法によって規制しなければならないのではないか、それがなければちょっと無責任になるんじゃないかと思いますけれども、御所見はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/101
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102・高鳥修
○国務大臣(高鳥修君) マニュアル情報につきましては、国によりましてはそうしたものも含めて規制の対象にしているところもございますが、一方また、OECDの勧告などにおきましても、どうしてもマニュアル情報を入れなければならないというわけではなくて、電算処理したものに限ってもよろしいというようなことを言っておるわけであります。
その理由といたしましては、電算処理されたものについては、その性質上、オンライン化されたりあるいはまた検索が容易であるというようないろいろな電算処理の特殊性に着目をして電算処理をまずもって規制すべきであるという考えに立っておると思うのであります。
それに対しましてマニュアル処理されたものにつきましては、これは日本の場合特にそうでありますけれども、役所のいわゆる縦割り行政の中で他に流出するという可能性はほとんどないのではないかというふうに判断をいたしましたし、それからまた、マニュアル情報そのものをどこまで線を引くかということもなかなか難しいことでありまして、これはイギリスなどでもそうでありますが、行政の実効性を確保するという観点からマニュアル情報については除外をしておるというふうに承知をしておるわけであります。しかし、国会におきまして今日までマニュアル情報についても対象にすべきではないかという重ね重ねの御議論もございますので、私どもといたしましては将来そうした面についても検討を進めてまいりたいというふうに考えてはおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/102
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103・久保田真苗
○久保田真苗君 マニュアル情報といいましても、これだけ膨大な数になりまして、しかも縦割り行政だから他の官庁に出る出ないというような問題よりも、やっぱり地元の警察というものは地元の業者とか興信所とかその他いろんな人たちと非常に密接なかかわりを持っていますし、大変恐縮なんですけれども近ごろ警察の不祥事というものが次々出てまいりますと、やっぱりこれは目を光らして早いとこマニュアル情報を、特に膨大なものについてはこれを抑えるということをやっていただかないといけないと思うんです。省庁というものは、特に自分のところを規制するということは自分の座ったいすを持ち上げるようなものでできませんから、やっぱりこれは今回非常に残念なところだったと思います。
少し技術的なことになるんですけれども、これは五十一年一月二十九日「事務次官等会議申合わせ」で電子計算機処理データ保護管理準則というのがありますね。この法律案提出の有無にかかわらず、今まで個人情報を含めていろんな情報が電算機で処理され、その数がもう年々末広がりに広がっているという実態があるわけですね。
で、この準則というようなものを決めてやっていらっしゃっているんですけれども、「この準則で対象とするデータは、個人、法人等に関するデータのうち外部に知られることを適当としないもの」というふうな書き方がしてあるんです。つまり、現在やっていらっしゃる申し合わせでは、外部に知られることが適当でない個人情報というのはどういうものなのか、それは簡単に言えといっても無理だと思いますけれども、どういうポイントなのか、ちょっと説明していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/103
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104・重富吉之助
○政府委員(重富吉之助君) 現在、「外部に知られることを適当としないもの」といいますのは、大きいものとしては個人情報データがございますし、それからそのほかに、例えば公共事業の入札価格、そういうものが外部に知られては困るという情報でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/104
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105・久保田真苗
○久保田真苗君 この準則に従って保護管理者とか保護担当者とかというふうなものを指定することになっています。この外部に知られることを適当としないかどうか、そういう判断はだれが実際にするんでしょうか。保護管理者なのか、保護担当者なのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/105
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106・重富吉之助
○政府委員(重富吉之助君) お答え申し上げます。
保護管理準則において各機関に置かれますデータ保護管理者の判断によるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/106
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107・久保田真苗
○久保田真苗君 つまりこの通達にいうところの保護管理者ですね。
この一つ一つの情報は非常に当たり前の情報のように見えるんです、だから外部に知れても構わなさそうだというふうに見えているんですけれども、そういう情報が十も二十も集まってくる、そういうときにその個人のいろんなものが全部透けて見えてくるというそういう効果があるんですね。
現在の対応ではそれを個別の保護管理者が判断していく、要するに役所側の判断でこれをやっていらっしゃるということなんですけれども、現在の対応でそういう集合された情報から人のプライバシーが見えるという点は、それは防ぐことができているのかできていないのか、その辺はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/107
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108・百崎英
○政府委員(百崎英君) 御質問の趣旨を必ずしも的確に受けとめていないかもしれませんけれども、現在は各省庁におきましてそれぞれの行政目的の達成に必要な範囲内で個人情報を電算処理しておりますので特段の問題はなかろうかと思いますが、ただ、幾つかの情報が今おっしゃいましたように集積されまして、いわば個人に関する虚像のようなものが形成されて不測の不利益を受けるというおそれもないとはいたしません。
したがいまして、そういうこともございますので今回こういう法律案を出しまして、一つは各行政機関が保有する個人情報ファイルの制限を設けるとかあるいは他の機関に対する個人情報の利用、提供の制限を設ける、そういうようなことを考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/108
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109・久保田真苗
○久保田真苗君 情報がたくさん集められた場合その個人のプライバシーがそっくり浮き彫りになってくるという点では、この法律案で実施しても全く同じなのかどうか。そういう点はどこが現在よりも法律案ができるとすぐれているというふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/109
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110・百崎英
○政府委員(百崎英君) 現在のところは法律による規制は非常に特殊な場合を除いて全くございませんけれども、今回この法律ができますことによって各行政機関としては所掌事務の範囲内で必要なファイルしか保有できない、そういうことになりますので、ある意味では野放しになっております個人情報等々がそういった規定の効力によりまして各行政機関それぞれ自主的に判断されて不必要なものは廃棄されるというようなことになろうかと思います。
それからまた、個人情報ファイルを一定の場合以外には他の機関等に利用、提供してはならない、そういうような規定が設けられますのでそれなりの制限が課せられる、そういったようなメリットがあるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/110
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111・久保田真苗
○久保田真苗君 端末機の問題なんですが、端末機は管理責任者を指定していますね。取り扱いは管理責任者の指示または承認を受けた者のみが扱うということになっているんです。これからも同じだと思いますので、現在の端末機の取扱人数というのは相当の数に上るんじゃないかと思うんですが、人数が多くなればなるほど情報の流出の可能性は高くなるわけなんですね。
政府全体で一体どの程度の端末機取扱者がいるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/111
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112・重富吉之助
○政府委員(重富吉之助君) データ端末機の取扱者につきましては、かなりオフィスオートメーション等が普及しておりましてかなりの方がお使いになっていると思いますが、現在私どもの方で統一した形で把握はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/112
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113・久保田真苗
○久保田真苗君 把握は正確にはしていらっしゃらないけれども、電算機の数とかそれから情報量とかから考えて一定の推測はできるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/113
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114・重富吉之助
○政府委員(重富吉之助君) お答え申し上げます。
端末の取扱者というような形では正確に把握しておりません。オフィスオートメーションが進んでまいりますといろんな業務で必要があれば例えば局長でも課長でも端末の取り扱いを行うということがございますので、そういうのは把握しておりませんが現段階で私どもが行政情報システム関係を専担している職員の数は把握しておりまして、SEとかプログラマーとかオペレーターとかパンチャーとか、そういう方々が六千百三十二人おられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/114
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115・久保田真苗
○久保田真苗君 六千人余りいらっしゃるオペレーター、そしてその上に何層にもある管理者それから保護担当者、保護管理者といったようなこういうピラミッドがあるわけですね。今の時代の一つの特徴というのは、実は管理する人が管理するだけの知識を持っていないということなんじゃないでしょうか。それは、ある信用金庫の、何といいますか、お金を三年間も不正にある知り合いの口座に送り込んでいたのがわからなかった。その金額が九億円とかいう数に上っている。そういうことがわからなかったということもやっぱり今の一つの時代の特徴として十分戒心すべきことだと思うんですね。
それで、こういうことについては、一体、例えばしっかりしたマニュアルなりガイドラインなどができるのかどうか。外部への利用とか外部への提供、外部への委託、こういったことがいろいろ行われるんですけれども、これはどうやって担保されますか。今そういうことが漏えいしないというような担保はあるんでしょうか。その辺をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/115
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116・重富吉之助
○政府委員(重富吉之助君) お答え申し上げます。
先生、先ほどから御指摘ございますデータ保護管理準則には、第三章の第二項第六号で「保護管理者は、データへのアクセスを制限する必要がある場合は、そのための技術的措置の整備を図る。」ということが定められておりまして、これにつきましては現在いろいろな方がデータにアクセスされておるわけでございますけれども、データへのアクセス制限を行うために、技術的にはパスワードを使用する方法や本人あるいは端末装置の識別コードの設定などの方法でそれを制限しているわけでございますが、現在、各省庁におきましては必要に応じましてそれぞれの情報システムにつきましてこれらの方法を単独あるいは複数の形を組み合わせることによってデータへのアクセスの制限を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/116
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117・久保田真苗
○久保田真苗君 技術的措置は現在で十分とお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/117
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118・重富吉之助
○政府委員(重富吉之助君) 技術的装置は必ずしも十分でない面があろうかと思います。
と申しますのは、コンピューターその他の技術発展が非常に急速でございまして、またハッカーとかその他の技術も進んでおるというふうに考えられますので、私どもとしては、この問題については従前から各省庁と連絡をとりながら検討をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/118
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119・久保田真苗
○久保田真苗君 各省庁の行政機関内部の間のデータというのはこの法案で見ますとほとんど自由に相互に利用できるというふうな感じを受けるんですね。それは相当な理由があると認めるときというような留保があるけれども、実際にはそこの長が判断する。そうかといって実際には総務庁長官御自身が判断するというようなことでもないと思います。大臣がするわけでもない。そうすると、省の中はかなりツーツーカーカーになる、そう思わざるを得ないんですね。
その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/119
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120・重富吉之助
○政府委員(重富吉之助君) お答え申し上げます。
先生がおっしゃいましたように、そういう御理解でこの九条の二項の二号を読む見方もあろうかと思いますけれども、私どもは、例えば局あって省なしというような言葉がございますし、各省庁、局なり課なりのセクショナリズムは相当強うございまして、この間の情報といいますのは、例えば当該行政を局単位で遂行する、課単位で遂行する際にできるだけ漏れないようにするというようなことではそこでの流通というのは余り行われていないというのが実態ではなかろうかと考えておるわけでございます。したがいまして、その間で情報を相互に利活用する、提供するというような場合には「相当の理由のあるとき」ということでかなりの歯どめがかかるのではないか、こんなふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/120
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121・久保田真苗
○久保田真苗君 お答えいただいていないも同然なんですよ。利用するときは相当な理由がある。その相当な理由というのはどういうことですかと伺っているわけです。
それともう一つは、現在準則でやっていらっしゃるんですけれども、これは、データの外部提供については覚書を取り交わすことになっているんですね。この覚書、これが担保になるなんて私は到底思いませんけれども、この場合の外部とは何を指すのか。つまり、保護管理者、電算機処理の課室の長と課室以外は外部になるんじゃないんですか。その辺の扱いはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/121
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122・重富吉之助
○政府委員(重富吉之助君) お答え申し上げます。
この準則の場合の外部と申しますのは当該省庁以外でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/122
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123・久保田真苗
○久保田真苗君 当該省庁の中は覚書がなくても自由自在に情報が動き回る、つまり相当な理由でとおっしゃるけれども、それは口でまあまあこれに使うんだからという程度で省庁内には情報が全部動いてしまう、こういうことになるんじゃないでしょうかね。省といったって広いんですね。省には、出先機関もあるし外局もあるしいろいろございます。事実上非常に広範囲に広がっている。そして集める情報の方も、設置法をよくお使いになるんですが、所掌事務に関連のある情報だから法的に集めたのだとおっしゃる。だけれども、所掌事務というのは、実際問題として行政は森羅万象ですよ。これは全省庁を集めたらひっかからざるものなしという状態ですね。私は、所掌事務を設置法の所掌事務というふうに、その範囲で集めることはいいんだというふうに解釈するのはいかにも解釈があいまいでひど過ぎると思うんですね。だから、法律によってそのデータを利用できるというのは、はっきりと目的を特定されたそういう法律でなければならないと思うんです。その点、本法の書き方は、所掌事務の範囲でというようなことは実際には何も特定していないのと同じだと私は思うんですよ。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/123
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124・重富吉之助
○政府委員(重富吉之助君) お答え申し上げます。
準則でなくて御提案申し上げております本法に関して申し上げますと、第九条の第一項では原則、目的外利用禁止ということを書いておりますが、第二項で「前項の規定にかかわらず、」次の四つの場合は利用、提供することができるということが書いてございまして、「ただし、処理情報をファイル保有目的以外の目的のために利用し、又は提供することによつて、処理情報の本人又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。」という規定をいたしておりますので、先生の御心配は非常に薄らぐのではないか。
それから、この第九条の四項にこういう規定も置いております。「保有機関の長は、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、処理情報のファイル保有目的以外の目的のための保有機関の内部における利用を特定の部局又は機関に限るものとする。」そういう規定も置いておりまして、先生の御心配は非常に薄らぐのではないか、こんなふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/124
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125・久保田真苗
○久保田真苗君 今おっしゃった御説明で、現行の準則と比べて懸念は大分薄らぐのだということなんですけれども、じゃ実際問題としてそれは出先機関も含むのか、外局等も含むのかその範囲と、今の準則でやっている省庁の中は覚書なしという状態と今度の法案をやったときとこの省庁の中を動くときにどのようなものが交わされるのか、細かいけれどもそこの説明をしていただけますか。もしそうでないと準則時代と何にも変わらないことになっちゃいますよね、現実の担保がなければ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/125
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126・重富吉之助
○政府委員(重富吉之助君) お答え申し上げます。
基本的には、行政を執行いたします際には法律に基づいて行政は執行されるわけでございますので、御懸念の向きは少ないと思いますけれども、私どもは、本法を施行するに当たって必要という御意見等もございますので所要のガイドライン等をつくって、そういう御懸念のないように各省庁に対してお示しするというようなことをいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/126
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127・久保田真苗
○久保田真苗君 ガイドラインのことを伺う時間がなくなっちゃいましたけれども、総務庁長官、本法の施行に関するガイドラインの中身は大体どういうことをポイントにして一体何を押さえようというふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/127
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128・百崎英
○政府委員(百崎英君) ガイドラインもいろいろな種類のものが考えられますけれども、一つは、個人情報の安全確保の具体的な措置というようなことで、中身としましてはいわばデータ管理をする組織とかあるいは管理規定を整備するとかあるいはそのための要員を訓練するといったような管理的な保護措置、これが先ほどからお話が出ております五十一年の保護管理準則とほぼ似たようなことだろうとは思いますけれどもそういった側面の管理的な保護措置、それからもう一つは、アクセスの制限とかあるいは暗号化するとかいったような技術的な保護措置、それからもう一つは、電算関係の施設あるいは設備の整備面等に関するいわば物理的な保護措置、そういった各方面にわたる安全確保のための具体的な措置を一つはガイドラインで示したい。
それからもう一つは、利用提供に関するガイドラインというようなことでございまして、先ほど御質問もございましたが、目的外利用提供の場合の相当な理由とかあるいは特別な理由とかいうのは一体どういう場合なのかといった理由の範囲、あるいは利用提供状況等を記録するとかそういったようないわばデータの利用提供に関するガイドライン、そのほかにいろいろ考えられますけれども、例えばデータの正確性を確保するためのガイドライン、そういったようなものをこの法律が施行された暁には私どもとしてぜひつくりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/128
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129・久保田真苗
○久保田真苗君 総務庁長官に今ガイドラインを御研究中と思いますのでお願いしておきますけれども、このガイドラインで法律の不備だったところ、それは法律が不備なんだからガイドラインでそれ以上に踏み込める余地は少ないと思いますけれども、しかし実際に具体的にどういう手段方法で国民の権利利益を守っていくことができるかというのはやっぱりガイドラインに相当かかっていますね。そこのところが全くざるだったらば、何も行われないで、ただただこういうものを集めていいんだ、隠していいんだというふうなものだけがひとり歩きすると思うんです。私は、適法で公正なというそこの適法は政令とかそれぞれの行政機関の長の判断に相当任されるという内容になっていますから、総務庁としては間違ってもそれが所堂掌務にかかる森羅万象について何でもいいんだというようなことはこの法の趣旨じゃないと思いますから、収集に関して適法公正な集め方をしなきゃいけないということ、目的を特定してそれのみについて絞っていくということ、それから国民の開示請求権それから訂正請求権、こういったものが実地に迅速に親切に利益が守られるように行われる、そういう点について全く疑問の余地のないようなそういうマニュアルをつくっていただきたい、そして行政官庁に徹底していただきたい、そういうことを思うわけです。もちろん、この法案がこのまま通ることについては、私どもは先日から申し上げておりますように非常に危惧を持っております。どうぞ私どもの心配が杞憂になるような御対処をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/129
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130・高鳥修
○国務大臣(高鳥修君) 今回私どもこの法律をお願いした大前提として、当然のことながら適法かつ公正な手段による収集というものが行政に課せられた責務であるというふうに考えておりますので、そうした趣旨が実現されますように、今までやってまいりましたいろいろな準則なり何なりは全面的に見直しをして新たな政令なりガイドラインなりを設定したいというふうに考えております。
なおまた、いろいろ各方面から寄せられております御意見につきましては、私どももまた今後の検討課題としてこれを十分踏まえまして、今後、適時適切な見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/130
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131・大城眞順
○委員長(大城眞順君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
午後零時六分休憩
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午後一時八分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/131
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132・大城眞順
○委員長(大城眞順君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
これからの委員会の運営につきまして協議する事項がございますので、暫時休憩いたします。
午後一時九分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111314889X01019881201/132
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