1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和六十三年十二月二十日(火曜日)
午前十一時四分開会
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委員の異動
十二月十五日
辞任 補欠選任
本岡 昭次君 久保 亘君
十二月十九日
辞任 補欠選任
杉元 恒雄君 林田悠紀夫君
十二月二十日
辞任 補欠選任
林田悠紀夫君 久世 公堯君
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出席者は左のとおり。
委員長 杉山 令肇君
理 事
仲川 幸男君
林 寛子君
粕谷 照美君
佐藤 昭夫君
委 員
小野 清子君
木宮 和彦君
久世 公堯君
山東 昭子君
世耕 政隆君
田沢 智治君
竹山 裕君
寺内 弘子君
柳川 覺治君
久保 亘君
安永 英雄君
高木健太郎君
中野 鉄造君
勝木 健司君
下村 泰君
国務大臣
文 部 大 臣 中島源太郎君
政府委員
文部大臣官房長 加戸 守行君
文部大臣官房総
務審議官 菱村 幸彦君
文部省生涯学習
局長 齋藤 諦淳君
文部省初等中等
教育局長 古村 澄一君
文部省教育助成
局長 倉地 克次君
文部省高等教育
局長 國分 正明君
文部省高等教育
局私学部長 野崎 弘君
事務局側
常任委員会専門
員 佐々木定典君
説明員
防衛庁人事局人
事第一課長 三井 康有君
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本日の会議に付した案件
○教育職員免許法等の一部を改正する法律案(第百十二回国会内閣提出、第百十三回国会衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/0
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001・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る十二月十五日、本岡昭次君が委員を辞任され、その補欠として久保亘君が選任されました。
また、昨十九日、杉元恒雄君が委員を辞任され、その補欠として林田悠紀夫君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/1
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002・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) 教育職員免許法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/2
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003・久保亘
○久保亘君 文部大臣も、もう任期も非常に短くおなりになったと伺っておりますが、今回の高石前次官の数々の問題、そしてこれにまた関連して、文部省に対する国民の不信を生むようないろいろなことがたくさん問題にされてまいりました。このことは、今教育の現場においてもまた国民の間においても、文部省そして文部行政に対する非常な不信感を生んでおるのでありますが、文部大臣として、この高石問題を初めとして文部省の責任について、御在任中にこの問題には決着をおつけになるべきだと思うのでございますが、文部大臣はどのようにお考えになっておりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/3
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004・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) おっしゃいますように、私どもが一番心を痛めておりますのは、今回の一連の事態と申しますものが文教行政を預かります文部省に対する信頼を著しく損ねておる、こういうことであります。特に教育改革を進める上につきまして、まず国民の方々の御理解が必要であります。また、現場の教職員の皆様方の御理解も必要であります。何よりも、そこで学んでおられる青少年の方々の心を傷つけているのではないかという点もまた私の心が一番痛む点でございます。この信頼を回復し取り戻すためにはどれだけの努力をいたせばまずその信頼を回復することができるのか。私は三倍も五倍もと申し上げておりますけれども、何倍努力すれば取り戻せるというものではございません。全力を傾けていかなければならぬ、こう思っておるわけでございます。
そこで、この高石氏の行為を含めまして、また一連の事態というものを考えますと、その責任の大部分は私自身が大いに自戒すべきもの、私自身がまずこの事態を反省して、そしてその信頼の回復に取り組まなければならない、これは事実でございます。しかし、私を初め現職職員が一丸となりまして気を引き締めて信頼を取り戻すことに全力を傾注するために、やはり一つの引き締めるための自戒の策をまずとるべきであろうと、こう思いまして、実は本日、文部省阿部事務次官並びに加戸官房長に対しまして、この一連の事態に対しまして服務上対処が不十分であったという意味を含めまして、書類による文書による厳重注意を行ったところでございます。これはまた私に対します自戒の意も含めてというつもりでございます。
ただ、それだけでいいのだろうかということがありまして、それで終わりではない、今後さらに再びこういうことがありませんように服務規律の厳正を期さなければならないという意味で、せめて自助努力と申しますか自浄作用を生むような機関をつくるべきであろうということで、服務規律に照らしましてこれからの全職員が再び過ちを犯しませんように事前に調査し指導する機関といたしまして服務調査指導委員会というものを省内に設けて、今後にさらに備えていくということをきょう取り計らった次第でございます。
もちろん、それを主にいたしまして私ども万全の努力をいたしてまいるということをつけ加えさしていただき、とりあえず現在の御報告にさせていただきたいと思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/4
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005・久保亘
○久保亘君 文部大臣はその後高石さん本人から直接釈明を受けられたりしたことはございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/5
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006・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 直接というのは文書でなくと、こういう意味でございますと、私もぜひ高石氏と人間としても一度会って人間同士で真意を聞きたいと思っておりましたが、これは結果的に、御質問に端的にお答えをいたしますと、直接そのような真意を聞くに至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/6
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007・久保亘
○久保亘君 高石さんは文部次官であっただけでなく、臨教審の事務方の責任者でもございましたし、また今回、臨教審の答申を受けるという形で提案をされましたこの教育改革と称する法案の提出に当たっても重要な責任を持たれた方であります。この方が、全くみずから今度の問題について文部大臣に対しても釈明を行うことなく、また私どものこの当委員会への出席要請に対してもおこたえにならずに、そのままになっているということは、私大変遺憾なことだと思っております。これが文部省を代表された方のとるべき態度であろうか、こう思っておりまして、なぜ文部大臣が高石さんと会うことができないのか、また高石さんはなぜこの委員会に私どもからもお願いを申し上げているのにおいでいただけないのか、この点については委員長からもひとつお答えをいただきたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/7
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008・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) ただいまの久保君の質問に当たりまして、私ども委員会といたしまして積極的に努力を進めてきたところでありますが、御本人が病気療養中ということでございまして、残念ながら現在まで環境が整っておりません。
以上、御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/8
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009・久保亘
○久保亘君 その病気療養中というのは委員長として御確認になっておるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/9
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010・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) 確認をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/10
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011・久保亘
○久保亘君 その確認されたものをひとつお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/11
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012・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) その件につきましてはいろいろと問題点もございまして、御本人は別といたしましても病院側にもいろいろと御迷惑をかける点もございまして、ちょっとその点は差し控えさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/12
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013・久保亘
○久保亘君 私はそのことには納得できないのであります。みずからこれだけ日本の教育界、そして国民全体に対して大きな影響を及ぼすことを引き起こした方としては堂々と出てみえるべきでありまして、もし本当に御病気ならその病気の状況等についても、江副さんでも病名などはちゃんと発表されておりますよ。病院が逃避の場所になるようなことでは困るのでありまして、横綱の休場と同じようなことをやられては困るんです。ぜひこのことについてはきちんとしていただくように。きょう私が与えられております時間が非常に短いのでこれ以上は申し上げませんが、理事会においてしかるべき御協議をいただいた上、当委員会に正式に御報告をいただきますよう強く要請をいたしておきます。
それから文部大臣、生涯学習振興財団なるものについて、私は文部省としてこの設立の経緯や帝京大学の寄附などをめぐって、極めてこの財団の設立の経緯並びにその設立された場所とか、そういうものについてもいろいろ問題がある。そして今後私学の関係についても非常に深刻な影響を及ぼすものであるから、この際高石さんが設立に当たられた生涯学習振興財団なるものは解散をさせる指導をすべきではないかと申し上げましたら、傾聴に値する意見だとお答えになったと思っておりますが、その後この問題についてはどのように指導をされておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/13
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014・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 今おっしゃった中に三つあると思います。
一つは、この財団の設立の経緯から現在まででございますが、当初高石氏自身が理事長としてこの財団にかかわっておったわけであります。その後理事長を辞任されました。そこで、この現在あります財団、これを解散すべきかどうかという御意見も私は一つの傾聴すべき御意見と、こう思っておりますが、高石氏が理事長をやめられた。同時に、この設立の目的に、せっかくつくった財団がさらにその設立趣旨に向かって何びとにも理解できるような方向で向かうのであれば、これはあえて解散という道をとる以外にも道があるのではないか、そういう気はいたしておるわけでございます。
ただ、最後に申し上げたいのは、この財団がどのような形であれ、これと私学助成とは全く別物でありまして、一般の私学助成につきましては、委員会の附帯決議にもありますように、二分の一補助を目指して努力しろということは十分心に置きまして、一般の私学助成の重要性と、その拡大については今後とも努力をいたしてまいりたい、こう思っております。
なお、この財団について、細かい経緯その他について、もしお答えすべき点があればお許しを得て政府委員から補充させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/14
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015・久保亘
○久保亘君 非常に短い時間でやっておりますから、もう詳しいことについては結構です。
で、私はこの高石さんの問題を考えていきますときに、今文部省と地方の教育委員会や学校との関係において、やはり文部省の方に少し反省し検討をされるべき点があるのではないかなと思うことがございます。高石さんも若くして北九州市の教育長になられてらつ腕を振るわれたということがしばしば伝えられておりますけれども、文部省から各県の教育委員会に当然のごとくに教育長や課長等に出向されることが今非常に多くなっております。で、親子ほども年の違う若い課長が長年にわたって教育の現場で苦労している教職員、管理職を含めて教職員の人たちに法律と人事権を持っていろいろと統制をしていくというやり方が強くなり過ぎているのではないか。
ここに一つ私は申し上げて教育委員会の御参考に供したいと思うんでありますが、「連続窃盗の元高校長 上司接待費で転落」という新聞の報道がございます。そしてこの高校長は地方の高等学校の教頭から教育委員会の学校教育課に指導主事として転勤を命ぜられて、そこへ行きましてから出世のためにいろいろと上司に対しても気を使ってきた。それに必要な金をわかっただけでも三十五回にわたって窃盗を重ねて、その窃盗の金で上司を接待したりいろいろなことをやってきた。その中に、本人が供述をしたと言われている中に、文部省から出向した若い東大卒の課長を家まで送り届けることもあった。その奥さんの証言です。若くてすごく頭の切れる課長さんに仕えた時期があり、それまで仕事を楽しんでいる様子だったのが、悩みがあるような口ぶりになりました。そして、しかし彼は必死に窃盗で稼いだ金でいろいろとやってまいりまして、本人も言っておるんですが、将来、自分の出世に大きく影響するからということで努力をした結果、窃盗にも非常に頑張りまして、それで期待したとおり二年後には課内ナンバーッーの指導監になり、そして道徳教育を指導したのであります。彼はその後、若くして高等学校の校長に転出し、この高等学校の校長時代も窃盗を重ねてまいりました。その後、ある事件に遭遇して、突如として辞任をいたしまして、私立学校に勤め、今度は勤めました私立学校でまたやりまして、それがその逮捕の原因になりました。
そういう、だからこの新聞は「出世の度、犯行重ねる 問われる県教育界の体質」ということで書かれてあります。彼は最近裁判の結果懲役一年六カ月、執行猶予三年の判決を受けたのでありますが、どうもこういうことを考えてまいりますと、人事権というものをやたらに振り回して、そして教育界を若い官僚の卵のような人たちが支配をしている、そういうことが教育そのものに大きな悪い影響を及ぼしつつあるのではないかという点において私は一つの憂慮がございます。これはきょうは時間がございませんから御意見を求めませんが、ぜひ文部省の今後の地方教育委員会との関係について御検討をいただきたいことでございます。
次に、提案されております免許法の改正の問題について二、三点ぜひ伺っておきたいことがございます。
先般も私が御質問をいたしたのでございますが、今回の免許法の改正によるこの三種別の免許状というのは、改正に当たって給与や人事に連動させることを意図して提案をされているものではない、先般来の御答弁をお聞きいたしますと、そのようにも受け取れるのでありますが、そのように理解をしてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/15
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016・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 今回審議をお願いをしておりますのは、免許状につきまして専修免許状を設けるなどいたしまして三種類の免許状を設けるということを御提案し、御審議していただいている次第でございます。これを給与制度上どう評価するかということがあるわけでございますけれども、これは免許状の改正そのものとはまた別の問題であるというふうに私どもは理解している次第でございます。そういうことでございますし、また給与上のほかに人事制度上これをどう扱うかということは、先ほど来申し上げておりますように、人事についてはその勤務成績の実情などに基づいて措置すべきものというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/16
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017・久保亘
○久保亘君 聞いていることにストレートに答えてもらえばいいんです。
今度の免許法改正は、この改正によって免許状の種別を給与や人事に連動させることを意図して提案したものではない、こう言ってもらえばいいんです。意図して提案されているならそう言いなさい。それなら私が言うことがある。そのどちらかはっきりしてもらえばいいんです。文部大臣お答えいただいた方が一番いいんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/17
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018・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 私からお答えいたします。
質問に端的にお答えをいたしますと、給与その他を変更するという意図で出したものではないんではないか、こういう御質問であります。それにつきましては、私どもはこの免許法を御提出したということによってそのような給与その他に変更が生ずるということは現在考えていない、これが正しい答えであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/18
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019・久保亘
○久保亘君 いや、そういうことじゃなくて、私はこの免許法改正を提案されるに当たって、この免許法の三種別への改正によって給与や人事に連動さしていくということを提案者として意図されておりますかどうかということを聞いているんです。意図されて出されたんですかと。そうでなければ、そうではない、こう言ってもらえばいいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/19
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020・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先生のおっしゃる連動を意図するかどうかということについて、若干連動がどういう意味かという議論もいろいろあるわけでございますけれども、私どもといたしましては免許状の三種類化などを御提案し、それを御審議していただいているわけでございまして、それをどう評価するかというのはまた別の観点からの問題であるというふうに理解している次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/20
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021・久保亘
○久保亘君 なぜそういう持って回った言い方せにゃならぬのですか。あなた方のこの提案に当たっての考えを聞いておるんですよ。そのことを文部省として法改正を提案するに当たって、この免許の種別を給与や人事に運動させるというような意図で出したのではない、そのことをはっきりすればいいじゃないですか。それなぜそういうふうに持って回った、それは実は意図しているんだが、今それ言うとぐあいが悪いから言わぬというようなことにも聞こえるじゃないですか。痛くもない腹を探られたくなかったらはっきり言いなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/21
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022・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 連動を意図しているかどうかということについてもっと正確に私どもは申し上げたいと思って今までの答弁をしているわけでございますけれども、要するに三種類の免許状化があるわけでございますけれども、それを給与上どう評価するかということはまた別の制度の問題であるということを申し上げている次第でございます。それで、それを給与上どう扱うかにつきましては、正確に申し上げれば当面現状を変更することは考えていない、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/22
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023・久保亘
○久保亘君 その当面というのは、法律的な用語によれば、当分の間そういうことはあり得ない、こういうことになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/23
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024・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 当面という言葉でございますけれども、私どもといたしましては当分と同じというふうに理解していただいて結構だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/24
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025・久保亘
○久保亘君 当分の間そういう給与や人事に連動することはないというなら、それを意図して出したのではないということが言えるじゃないですか。何でそれを持って回ったような言い方をせにゃならぬのですか。当分の間給与や人事にこの免許の種別の改正を連動させるということはない、こういうふうにおっしゃったんだから、それじゃ、そういうことを目的にして意図して出したのではない、こういうことをあなた何で答えられないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/25
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026・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 連動と申しますと、いろいろとその言葉自体の響き、それからいろいろな解釈があり得るかと思う次第でございますが、そういうことで私どもとしては正確に申し上げるために、その三種類化をどう給与制度上または人事制度上評価するかというのはまた別の問題であるというふうに申し上げている次第でございます。ただ、当面現状を変更することは考えていないと申し上げている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/26
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027・久保亘
○久保亘君 それじゃ、この法律を提出するときにそのことを念頭に置いて出したのではない、そういうことになるじゃないですか。それをなぜはっきり言わぬ。そうでしょう。あなた方の考え聞いておるんで、それ別の問題であって、人事院やなんかのことを聞いているんじゃない。それをはっきりしなさいよ。この法改正を提案した意図にはそういうことを含んではいない、こういうことですね。それで当分の間はそのようなことはあり得ない、こういうことも言われたんだからね。だから、それではっきり、大臣、そこは御確認いただいていいんじゃないですか。私は何か無理なこと言っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/27
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028・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 大変恐縮でございますけれども、連動を意図したかどうかということになりますと、なかなかいろいろ議論が出てくる余地もございますので、私どもとしては、正確に申し上げれば、先ほど制度としては別個の問題でございますと。ただ、給与をどうこうということは当面そういうような現状を変更することは考えていないと、その結論の部分でひとつ御理解いただきたいというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/28
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029・久保亘
○久保亘君 よろしい。結論の部分で給与や人事に連動することは考えていない。今その結論の部分で御理解いただきたいということだから、その結論の部分で理解しましょう。それで大臣よろしいですね、今の局長の答弁で。―あんたに聞いているんじゃない、大臣に聞いているんだ。いや、だめだ。時間ないから大臣やってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/29
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030・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 結論の部分でと申し上げましたのは、本当に大変恐縮でございますけれども、当面、私どもは本当に現状を変更することは考えていないということでございます。そこで御理解いただきたいというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/30
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031・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) せっかく御提案をしている関係でございます。政府委員が一生懸命正しく申し上げようとして御答弁を申し上げました。政府委員の御答弁申し上げたことと同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/31
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032・久保亘
○久保亘君 正しくというのはあいまいにごまかすということではない。それで正しくというのは、腹の中をできるだけ正確につかまれないように、本当に思っていることを隠して言うということじゃないんですか。今言葉で表現されたように、この当面とは当分の間と理解してもらってもいい、この人事や給与に連動させるということは考えていない、こういうことでございますから、そのように理解をいたしておきます。
二番目に、この免許状の二種から一種への、上進という言葉は私は大変嫌いでありますが、あなた方が使っておられるから上進という言葉で言っておきましょう。なぜ十五年間の教職経験というものが、一種免許を取得しないということによって、その十五年間の教職経験が、正確に言えば十二年ですね。十二年間の教職経験が、その経験の評価として与えられた三十五単位が、なぜ十五年たったら消えるのか。これは非常にわかりにくい。しかも法律は努力義務となっている。努力義務と説明されている。法律には努力義務と書いてないが、これは努力義務だと言われておる。努力義務になぜそういうペナルティーが課せられなきゃならぬ。
そして、十二年間やってきたことで、三十五単位に当たるという単位の認定をやったはずなのに、それがなぜ一種免許状を取得しなければ三十五単位消えるのか。これが私はどうしても理解ができません。これはその免許状によって区別し、そして教師をあなた方の思うとおりに管理しようとする、そういうような思惑と重なっていくわけです。やっぱり十二年間の教職の経験というものが三十五単位に当たるということならば、その取得した三十五単位というのは、これは教師自身が固有に持っている権利ですよ。それをあなた方が罰則として取り上げることは、どうしてもおかしい。
このことについては、今度の法改正で、実際にそのことが該当してくるのは数年後のことですね。十年以上の人は、十五年で変わっていくんですから、関係ございませんね。今の一けたの経験年数の人が十五年に達するとき生じてくる問題です。だから、まだ相当な期間があるが、もしこの制度をどうしてもおやりになるという場合に、その不合理な点については、今後十分現場の意見等も聞きながら、検討を加えるというお気持ちはおありになりませんか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/32
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033・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 若干御説明さしていただきたいことがあると思うわけでございます。
それは、十年以上たった方については、十五年ゼロ単位が適用されるわけでございます。それから、十五年末満の方については十五年ゼロ単位は適用されませんが、ということは、最終的には十単位お取りにならなければならないわけでございますけれども、それが十五年超えても三十五単位がなくなるということはないわけでございます。それはもうずっと十単位お取りになればいいということでございます。それで、今先生のおっしゃいました三十五単位のいわゆるそれがなくなるという誘導措置が適用される方は、来年の四月からお入りになる先生方につきまして、それが適用されるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/33
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034・久保亘
○久保亘君 それははっきりしてくださいよ。
そうすると、今在職中の人は在職年によって認定される三十五単位というのは、これは十五年を超えてもそのまま権利として認められるということですね。そうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/34
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035・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 今、先生のおっしゃいましたように、この取得したものとみなされる単位がなくなるという方は、来年の四月一日からお入りになった方についてのみでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/35
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036・久保亘
○久保亘君 それでも非常に不合理があるわけですよ。なぜ、それじゃ今教師でやっている人は十五年過ぎても経験年によって三十五単位が認められ、来年から教師になる人はそれはだめだ、それはおかしいじゃないですか。そんなことはあり得ないんであって、それを教師としての経験が三十五単位として振りかえられるということならば、その三十五単位は、すべての人に、生涯にわたって保障されていなければ、私は問題だと思うんですよ。そんなことを、非常に不合理な点があるわけです。
まだ、話をすればいろいろございますよ。一体二種免許の人が二種免許のまま生涯教師を続けるということは問題があるのかどうか。その人の置かれた状況によって、研修の機会にも恵まれず、非常にまじめに教師としてはすぐれた教育活動をやっている人で、二種免許のままずっとやる人もいるんですよ。こういう人たちを、あなたはだめだというような判定を文部省が一片の法律で下すなんということは、これは実に私は許せぬことだと思っています。だから、こういう問題については、十分今後検討を加えるということでお考えになってしかるべきだと思うんですが、大臣、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/36
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037・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 先生の御質疑の意味を伺うのにやぶさかではございません。ただ、いろいろ質疑をもういただいてまいりました。ここで私が精神論でお答えしてかえって間違うといけませんので、法律文言上、誤りなくお答えをした方がいいと思いますので、その点は事務的に政府委員からお答えをいたすことをお許しいただきたいと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/37
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038・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先ほど来、来年の四月一日からお入りいただく方に、いわゆる先生のおっしゃっておられた措置が適用されるということを申し上げておったわけでございますけれども、具体的に法文に沿って申し上げますと、それは附則の十一項に書いてある次第でございます。そういうことでございますけれども、これは来年の四月一日からお入りいただいた方に十単位を、まあお入りいただいた早々から、計画的にお取りいただくことはそんなに無理なことではないかというふうに思うわけでございます。私どもとしても、来年四月一日からお入りいただく方々につきましては、認定講習などにつきまして十分留意して御単位をお取りいただくように努力してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
ただ、最終的にやはり誘導措置として今先生が申し上げているような措置は講じておりますけれども、そういうことになる以前の段階として、私どもとしては十単位の単位をお取りいただくよう十分努力してまいりたいと、そのように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/38
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039・久保亘
○久保亘君 最後にもう一つ伺いたいのは、例えば今度の免許法の改正がもしも成立するということになった場合に、研修の機会というのは、義務を課するならば教職員の権利として十分保障されなければならぬと思うんですが、大学院等への進学について私は一つの事例を先般申し上げました。これらの問題について、休暇の制度とか休職の制度とか、身分を保全しつつ研修の機会を保障されるということについて、文部省として十分御検討いただけますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/39
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040・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) いわゆる研修の休職とか研修の休暇の制度のことだと思うわけでございますけれども、これにつきましては、昨年の教育職員養成審議会の答申におきましても「他の職種との均衡など慎重に検討すべき問題も多いことから、今後の検討課題とする。」というふうにされている次第でございます。文部省といたしましては、今後、数養審における審議状況なども勘案いたしながら、この問題については慎重に検討してまいりたいと、そのように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/40
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041・久保亘
○久保亘君 慎重にということはやらぬということだからね。そうではなくて、この問題については、あなた方が教師に対して研修を求めるのであれば、その研修の権利については本人の意思も尊重しつつ、十分保障していくという、そういう立場でやらなきゃだめです。
ユネスコの教員の地位に関する勧告九十五条、あなたも御存じと思いますが、教員は給与全額または一部支給の研修休暇を時々与えられなければならない、このことは、日本も加わっておる教員の地位に関する勧告の中で、きちっと九十五条に定められていることであります。だからこういう点について、教師の身分さえも研修のために保障されない、こういうようなことがあってはならない。この点について大臣、あなたのお考えをお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/41
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042・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 大変恐縮でございますけれども、先生が前回申された件につきましては、これは教員の大学院への派遣の問題だと思う次第でございます。これについては、大変恐縮でございますが、初中局長通知が随分前に出ておるわけでございまして、私どもとしては本人の積極的な勉学意欲、これはもうぜひ基本的なものとして配慮するわけでございますけれども、やはり組織体としての学校運営上の問題も十分考えつつ、こういうことについては適切に対処してまいりたい、そのように考えておりますので、ひとつその
辺を御理解いただきたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/42
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043・久保亘
○久保亘君 それでは大臣、いいお答えを期待したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/43
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044・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 私も精神的には理解できるわけでありますが、先生が具体におっしゃいました研修休暇とか研修休職、これにつきましては教養審でも言っておりますように、他の職種との均衡上検討すべき点がある、こう明記しておるわけでございますので、それに従って先ほど政府委員がお答えをいたしましたように、私どもも教養審の検討を見ながらというのは前提にありますが、慎重に検討してまいる、こうお答えして、これが正しい答えであろうと私も思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/44
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045・安永英雄
○安永英雄君 先ほど文部大臣の方から、高石前文部次官の文部行政に対する誤った行為、こういったものについての今後の文部大臣としての考え方をお述べになりました。私は、この前の委員会で四点、高石問題とは別に文部省自身が誤った方向をとっておるのではないかということで文書で出していただくようにお願いをして、昨日受け取りました。この点について、余り時間がありませんので、意見と、それから簡単な答弁をお願いしたい。
一番目は、リクルート社の講演会、セミナー等で歴代の文部大臣が講演に出かけておる。大臣は全然報酬はもらってないそうですけれども、百万ぐらいもらった大臣もいるという調査の結果もありますが、今後この問題についてどうするかという問題については、これはもう大臣の見解でございますし、私はあえて、先ほどの決意でわかりますから、文書にも来ておりませんが、それは当然だと思うんであります。
そこで私は、大臣だけじゃなくて部長クラス、局長クラスがこのリクルート社の今日までの講演等にも出かけていっておるという事実も知っているわけです。大臣にとどまらず、そういったリクルートという会社に特定せずに、いわゆるそういう一つの商社とか企業とか、こういったところに一国の文部行政の最高責任者あるいは文部省のお役人がそこに出かけていって、そして内容は私は問いません。行くこと自体がやはりこれは一つの企業に対してこれは近い色をしておると言われても、これはあれなんですから、この点について、まず一番に大臣の今後のこのようなことに対する反省と、それから方針、こういったものをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/45
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046・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) おっしゃる意味はよくわかります。私自身がこの一年二カ月、職を得ております間にいろいろなところに、むしろこちらからいい機会と思って出かけました中に、もちろん相手先が企業の場合も幾つかはございました。また学校法人の場合もありますし、宗教法人の場合もございます。それを一切いけないと言い切れるかどうかというのは非常に難しい問題でございますが、これからおっしゃいますように新大臣も含めまして職員そのものがいろいろなことに遭遇すると思うんですね。その場合に、一概に規律的に決めるということよりも、職員自体がこの点はどうすべきであるかということを、また問い合わせる場所も今までなかったわけでございますので、そういうものを、先ほど申しましたように、これからは服務規律に準拠いたしまして、これはどう対処すべきかということを調査もする、また指導もするという機関を設けましたのは、まさに先生のおっしゃることを、これから服務規律に照らして過ちないようにということを念頭に置いてつくりましたものでございまして、先生の御意思はよくその中に伝えてまいりたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/46
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047・安永英雄
○安永英雄君 短くていいですから。
次に、文部省の審議会委員の人選のあり方について私はお聞きしておったわけでありますが、回答は、いわゆる関係法令に規定された要件に基づいて当面する課題について各分野から選考しているということで、この点につきましては、この文からいけば今までどおりやりますよということなんですよ。今までのことも間違っていなかった、これはもう関係法規に従って今までやっておることだし、今後もそうやりますということなんだけれども、問題は、このリクルート問題をめぐって、リクルート社からたくさんな文部省関係の公式なあるいは私的諮問機関、あなた方も認めておるわけですね。これは多過ぎると。これはいけない、公平欠いていると。そういうことで、実際基本の法規はあるかもしれないけれども、運用面で大きく考えなきゃならない面がたくさんあるんじゃないか。
私どもが常に言っておる公平の原則、ガラス張りの人事をやりなさい、偏ったような企業ばかりをやって、教育関係では現場の実際にやっておる教育関係の人を入れなさいと言っても入れない。こういったことについて今後考えなきゃならぬのじゃないかということを私は聞いておったんです。今後のこの反省について、これをどう進めていくのか。とにかく今までも間違っていませんし、法規に基づいて今後もやります、こんな官僚らしい回答が来ていますけれども、リクルート問題で起こったいろいろな数々の人事関係、特に当面する大学審、三名も抱えている、リクルート問題で抱えてしまった、この後の人選等もこれは十分直ちに反省して決めなきゃならぬ、こういったところに反省はないのかということを私は聞いたわけです。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/47
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048・加戸守行
○政府委員(加戸守行君) 委員会のあるいは私的諮問機関の委員の人選に関しまして今回いろいろ御指摘を承っているわけでございます。基本的には関係法令の規定に照らして公正な運用を期すべきものでございますが、ともすれば特定の人、これが有能な方だからということで各課がばらばらに任用し、結果的には例えば千二百名中のうち四人がリクルート関係の方というような状況も出たわけでございますし、その辺は全体的な目配りで、特定の企業に偏るというようなことは今回の反省にかんがみまして、省内全体として意識し、具体的な運用につきましては誤解を招かないような一層適切な運用に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/48
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049・安永英雄
○安永英雄君 次に、財団法人の日本女子社会教育会館という問題について質問をいたしたいと思います。
これは内容は申しませんけれども、文部省の態度として、日本女子社会教育会館がその目的を達成するための管理運営上の問題であり、財団法人自身が判断すべきことと考える、これでいいですか。リクルート社の方が、この関係が、これが行き詰まったからといって肩がわりしておる。文部省とリクルート社との密接な関係があるじゃないか、疑わしい。こういう疑わしいことについては反省しなきゃならぬのじゃないか。こういうことを私はこの前聞いておるわけです。
これはついでに申しますが、先ほど久保委員の方から質問がありましたけれども、生涯学習振興財団解散したらどうか、ここまで言ったんでありますが、その点についてははっきりしなかったわけですけれども、そもそも財団法人を認可するあるいは解散させる、こういったことはこれは文部行政としてやらなきゃならぬ問題なんです。私は直ちにこの女子社会教育会館がどうのこうのと言うんじゃない。今度の高石問題で出てきた振興財団、こういったものを認可するときに行政指導が要るわけですよ。この点あたりは私は認可、解散、こういった節目節目で行政というのはぴしっとやらなきゃならぬのじゃないかということを私は聞いておるわけです。そうしないと、生涯学習振興財団なんというのは、これは地元では迷惑ということに今なっています。こんなのは地元の人が迷惑至極、こんなのはもうやめてもらいたい、こういうふうな雰囲気にもある。
文部省としては生涯教育という問題は大きく取り上げて今からやらなきゃならぬ問題。そういったところの振興財団の認可、こういったときにはよほど慎重にやらなきゃいかぬ。これは福岡県の教育委員会の問題だけれども、この際文部省が指導しなきゃならぬ。あるいは、今申し上げた日本女子社会教育会館、これあたりも簡単に借金出たからといって民間会社の肩がわりをホテルに頼んでやってもらった、結構じゃないか、自身が判断すべきことだというふうに切り捨てていいものかどうか。文部行政がここに働かなければならぬ問題じゃないかということを私は言っておるわけです。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/49
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050・齋藤諦淳
○政府委員(齋藤諦淳君) 日本女子社会教育会館につきましては、その会館の運営としまして民間の経営ベースでいろいろ話をいたしまして、たまたま晴海グランドホテルというのがそれを引き受けてくれたわけでありますが、それがリクルートの関連会社で結果的にあったという、こういうことでございまして、完全に民間ベースに基づいて行っているところでございますので、文部省としては自主的な判断で運営を任せていきたい、こういうふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/50
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051・安永英雄
○安永英雄君 そういうことを聞いているんじゃないんですよ。ただ単に女子社会教育会館の問題じゃなくて、こういった財団の問題について、端的でいいですよ。今から起こる問題で、生涯学習振興財団も含めて表に出てきた財団というのは失敗なんですよ。その失敗の責任を私は言っているんじゃない。今後文部省として行政するときに、これは認可をするときに非常に慎重にいかなきゃならぬ問題も反省しなきゃならぬじゃないか、手をつけられるまでは解散させなきゃならぬじゃないか、こういう決意ありますかということを聞いているんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/51
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052・加戸守行
○政府委員(加戸守行君) 財団法人のあり方に関します当委員会におきますいろいろな御意見、私ども十分承っておるわけでございまして、例えば生涯学習振興財団でございますと、所管は福岡県の教育委員会でございますけれども、当委員会の御議論の空気も十分伝えておりますし、また現時点におきまして、福岡県教育委員会といたしましてはこの財団が寄附行為に定められました目的、事業に従いまして、その財団の活動が適切かつ効果的に進められるような必要な援助と助言を行っていただきたいということで取り組みをいただいているところでもございますし、先生の御意見の趣旨を踏まえまして、法人の設立の許可あるいは今後の運営等につきましての目配り等も十分させていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/52
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053・安永英雄
○安永英雄君 財団の問題は、これは今たまたま福岡県の問題のようにおっしゃったけれども、文部省の責任ですよ。二県にまたがるような財団の範囲のときには文部省がやるんでしょう、はっきり言って。文部省にたくさん来ているわけですよ、こういう財団の認可をしてくれという。財産問題その他の問題もよく考えなければ、帝京あたりから私学の助成をもらっておって、その中から八億も持っていくというルートはこれは認可をするときに調べてみればわかることなんです。金さえ入っていればよろしいというわけじゃないでしょう。そういった問題は、たまたま福岡一県の中で影響する財団だから福岡県教育委員会がやったけれども、これが二県にまたがるときには全部文部省に来るわけなんだ、文部省が何件も取り扱っている。そういった指導というものを認可の段階でよく今後は検討しなきゃならぬ。
書類がそろっておりましたから二日間でやりましたと福岡県は言っている。書類がそろっておるからといって二日間で認可なんということはできるはずがないんです。どこから金が入ってくるのか、帝京じゃないか、帝京というのは私学なんで助成もらっておる。そこから八億も入れられることはこれはおかしいと福岡県の教育委員会は気づかなきゃならぬ。そういった手落ちが今度起こっておるので、この財団の認可あるいは悪いところは解散させる、こういう強い指導性を発揮するというふうに私は要求しておるわけですが、大臣、その点についてはこれはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/53
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054・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) おっしゃいますように、今まで幾つかの問題があった中で反省をし、先生のおっしゃいますことは今後特に心すべきことであるというふうに伺いました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/54
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055・安永英雄
○安永英雄君 これも同じような私は質問をさせていただいたわけですが、高等教育研究所、これは内容は申しませんけれども、ほとんどただで、そしてリクルート社から基金なんというのはほとんど全部もらっている。これは御存じと思いますが、基本財産三千万、そのうち二千万はリクルート社から出ている。こういった財団の認可、解散ということは、先ほど申したとおりの中に私は入れて考えなきゃならぬ問題ですが、しかし文部省の私に対する回答というのは、財政が苦しい、この研究所の場合も重要な研究をして苦しい財政の中で続けている、だからこういうことは認められるんだ、こういう回答が私に来ているんです。
大臣、それでよろしいですか。これの責任者というのは、これはこの前も申しましたが、天城さんですよ。これは文部省の顧問かなんかしているんです。普通の財団じゃないんです。研究する内容そのものを私は言っているんじゃない。事務所は無償で借りて、そして高等研究所は二千万のリクルート社から金もらってそして研究している。そして、文部省の今の考え方は、法人というのはなかなか金が入らないで苦しいんですから、今も一生懸命苦しい中で頑張っています、こういう回答なんです。今と同じようなやり方をさせようとしている。私は、これは明らかに解散をさせるべきである、あるいはまた再認可を要求しなきゃならぬのです。認可するときには、こんなにあなた、三千万の金のうち二千万がリクルート社から入ってくる、事務所も全部ただで貸す、こういったことを、今さっきの論法からいけば、文部省、好ましい状態、金がないのでただで貸してくれるならそれは結構、金も出してくれるのならそれは結構、さらに、今後も続けていきます、こういう態度で大臣、いいですか。
これは今の直接の高等教育研究所の問題に限らず、こういった状態のがよくも財団を認可したものだと私は思う。また、今の状態でやっていけるはずはない、解散をさせるべきだというふうに思いますが、どうですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/55
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056・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 先生、具体の例を出して全体のことをお尋ねであろうと思いますので、今までのもろもろのことを踏まえまして、反省点があれば、今後特に留意、慎重に心すべきことであろう、このように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/56
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057・安永英雄
○安永英雄君 今まで短期間のうちに答弁をいただいたわけで、私としても釈然としない点がたくさんあるわけですが、時間がありませんから以上でとどめますけれども、適当に、大臣おっしゃったように、文部省としてはこの服務規律をチェックするような、この名前はおっしゃらなかったんですけれども、新聞報道によりますと調査委員会という名前がついているようでありますが、ここあたりは私はこの前知らなかったものですから、だから多少無理な注文で、十九日まで出してくれと、だから今みたいな文書になったかもしれません。私の方が焦ったかもしれないんだけれども、この委員会あたりでは今みたいな問題等はまとめられますか。いわゆる文部省としてのはっきりした見解というふうなものがこの調査委員会等でまとまっていくものかどうか、この機能をちょっとおっしゃってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/57
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058・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) はっきり申しまして、現在、名前は服務調査指導委員会というふうにさせていただきました。実はきょう私がサインをいたしまして、本日発足をさせたわけでございます。
その中では、これから具体にしてまいりますが、趣旨は、服務規律に照らしまして全職員が職務執行上誤りありませんように調査し指導し、その指導の中には事前に指導する場合もあれば、個個に聞いてくる場合に答える窓口として機能しよう、もう一つは、また声なき声というものがありましょうから、これもよく耳を大きくして過ちないようにしていこうということでございまして、これから、本日実は発足したわけでございますので、先生が十九日までとおっしゃったのは無理からぬことでございます。これから一生懸命やらしていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/58
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059・安永英雄
○安永英雄君 それで、先ほどから久保君がしつこく質問をしたわけで、最後まで明確にならないのですが、いわゆる専修免許状と一種免許状との関係について、これの両者の間には上下の関係はないというふうに私は聞いたんでありますが、その意味をもう少し説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/59
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060・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 一種免許状でございますけれども、これは大学卒業程度を基礎資格としているわけでございますが、教員の資質として求められるものの標準的なものを成すというふうに考えられている次第でございます。また、二種免許状でございますけれども、これは短大卒を基礎資格としておりますけれども、これにつきましては、一種免許状との関係におきましてなお一層の研さんの必要があるというふうに位置づけて、今回規定がされている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/60
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061・安永英雄
○安永英雄君 そうであれば、給与面あるいは身分の上でもこの点については差はないというふうにとってよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/61
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062・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 職務の面につきましては同じ教諭でございまして、学校教育に携わる点において、その範囲におきましても別に差異はない次第でございます。給与につきましては、それぞれ短大卒、それから大学卒に応じまして給与は定まっているというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/62
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063・安永英雄
○安永英雄君 これは将来にわたって優遇措置というふうな、連動するような措置というのは絶対にとらない、今のお話から言えばそうなるんですが、改めて聞き直します。先ほどの話は聞かないことにしておりましたので、優遇措置は絶対に講じないということが言い切れますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/63
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064・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) その一種と二種の関係でございますけれども、私ども、その優遇措置と言われますその具体的な内容がどうこうということになるわけでございますけれども、人事とか給与とかということでございますれば、先ほど来申し上げていますように、人事については勤務実績に基づいて措置するということになりますし、給与につきましては当面現状を変更することは考えていないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/64
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065・安永英雄
○安永英雄君 当面という言葉がいつもつくわけで、私が先ほど言ったように、将来にわたって絶対に差はないかと言えば、必ず今つくわけですね。これは不思議ですけれども、この点はあなた方必死になって守っておるわけです。私なんかも中教養の答申あたりからずっとこの審議には加わってきているんですけれども、それはもうある時期は差をつけるために免許法を出すんだ、優遇措置をするためにというふうなことまで言い切った人もおる。私は、これは政府として、文部省として口が裂けても当面の間は免許状の種類によって差はつけない、当面というのがこれはもうあなた方の絶対に守らなきゃならぬ答弁のあれになっているようですし、大臣に質問しましても政治的発言もこの点はない。
そこで、この当面という問題は、将来見通しておるわけでございましょうけれども、どういった場合にそういった給与の問題で差がつくというふうに想定されますか、将来にわたって。言い切れないというのは、将来ひょっとするとということじゃなくて、もう初めから頭の中で将来はこれは免許状の種類によって給与の問題については差をつけなきゃならぬ、理由は言えない。そういった将来の展望というものについてあなた方はどういうことを考えているのか、お知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/65
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066・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 大変恐縮でございますが、率直に申し上げますと、当面その給与制度について現状を変更することは考えていないということでございまして、将来こうすることをしたいとか、こういうことをしないとか、そういうことが私ども念頭にあるわけではございませんので、率直に当面現状を変更することは考えていないということを申し上げているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/66
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067・安永英雄
○安永英雄君 とにかく将来これが差がつく、免許状に連動してくるというふうなことは今の状態では好ましいことじゃないという。だから皆目先はわからない。私は現在のところはもう絶対に差をつけちゃいかぬと思っている。将来どうかわからぬから言っているんだ。だから将来のことについては断言できないので、それで現時点においてはとか、こういう言葉を使っているんですか。今の局長の考え方というものは、免許状に上下はない、免許状の種類によって給与の差が出てはならないというふうに私は思っている、先のことは不安だから予測はつかないけれども、現時点ということをつけておかなきゃならぬので、これは非常に形式的な問題として今つけているんだというふうに受け取ってよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/67
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068・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 大変恐縮でございますが、先ほど申し上げましたように、率直に申し上げまして現時点におきまして将来こういうことをするとかしないとかいうことは念頭にあるわけじゃございませんので、そこで当面給与について現状を変更することは考えていないということを申し上げている次第でございまして、私どもとしては当面現状を変更することを考えていないということを申し上げるほか、ほかに言葉はございませんので、ひとつ御理解をいただきたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/68
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069・安永英雄
○安永英雄君 言いようがないじゃないんじゃないですか。現在、この免許法を審議しているが、現在あなたは将来にわたってでも免許状の種類によって差がつくことはいけないんだと思っているのか、差がつくべきだと思っているのかという立場を聞いている。それなら言えるでしょう、今の現時点で。この免許法が成立するときの局長として個人の考え方、あなたの今の時点の考え方については、将来差がついてはいけないと思っているのか、将来差がつくべきだと思っているのか、これは言えるわけでしょう。どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/69
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070・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 私ども今お願いしているのは、この免許法を改正いたしまして、免許状について三種類の免許状を設けようということでお願いをしておるわけでございます。これについてどういう給与上の評価を行うかということは、もう現時点において私どもも実際の話がいろいろ検討しているわけでもございませんし、私の念頭にこうしたらいい、こうあったらいけないということがあるわけではございませんので、率直に現状を変えることは当面考えていないということを申し上げている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/70
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071・安永英雄
○安永英雄君 これ繰り返したって大変時間をとるばかりですけれども、そんな答弁はないですよ。あなたは本当に空気みたいな人ですな。提案するときは信念があるわけでしょう、これは。どっちです。言いようがないということはないでしょう、あなたが提案して実際にこれをやっていて。あんた空気みたいな何にも今のところ頭の中にありませんと言えるような立場じゃないでしょう。これが通ればあなた直ちに実施するでしょう、この免許法は。大混乱でしょうが。将来の見通しも立たないで、とにかく今私はこれ通せばよろしゅうございます、それで絶対に将来のことは言わぬということで通せると思いますか、これが。あなたの考え方を聞いている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/71
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072・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 率直に申し上げまして、私ども現行の給与制度を踏まえまして今これ提案しているわけでございまして、それを将来どうこうするということは率直に申し上げましてまだ現在念頭にないわけでございますので、そのことを率直に申し上げている次第でございますので、そのことをよろしく御理解のほどをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/72
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073・安永英雄
○安永英雄君 念頭にないなんて、そういう言葉は総理大臣が使うんですよ。局長、一生懸命法案をつくったんでしょうが。
そこで、私はこれは名前言いませんし、非公式な話ですけれども、例えば将来にわたってあなた方の考え方としては小学校中学校の教員全部をこの専修免許に持っていきたい、全部先生は。そういう時期にはこの給与の問題も考えなきゃならぬ、そういう時期ではなかろうかと、次の差をつけるときに。こういうことを聞いたことがあるが、これが一つの将来にわたっての目標なんだけれども、まあ前段の全員が小学校の先生も中学校の先生も全部将来はあなた方が言う有能な専修免で埋め尽くしたい、そういう時期が来れば給与の
問題も考えなきゃなるまいがと、こういうことを聞いたことがあるが、どうですか、将来の問題。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/73
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074・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 一種免許状の性格でございますけれども、これは教員として期待される資質能力としては標準的な水準を示す者ということでございます。また専修免許状でございますけれども、これは特定の分野について深い学識を積み、高度の資質能力を備えた方ということでございますので、私どもは、一種免許状が標準的な者である限り、先生がおっしゃいましたように、その大部分の者が専修ということはなかなか難しい問題ではないか、そういうことはこの制度上考えられないことではないかというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/74
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075・安永英雄
○安永英雄君 当面という問題が出たから私は聞くんだけれども、例えば、これはきのう文部省の方に大学審の大学院部会から答申が出ているんですね。この答申を見ますと、答申の内容、性格そのものについて触れおったら時間がありませんけれども、結局、大学院入学資格は現在学部卒業を条件としているけれども、改革案では所定の単位数を取れば大学三年から飛び級を認める、あるいは修士課程の修業年限は二年を基準とするけれども、優秀な学生の場合は一年で卒業させる。そのほかたくさん部外からもやれるような答申が、三項目が柱になっています。これによると、やっぱり答申も受けているんですから、文部省としては、これはできればもう来年あたりから具体的にどうするかという問題の審議に入ると思うし、これは先ほど言ったように、全部の小中学校の先生が専修免を持つような時期というふうなまあ漠とした言い方じゃなくて、これは一つの例ですが、これが実施をされる。そうすると、飛び級飛び級で行った大学院を修了した者、これが教員になった場合、この給与はどう決めるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/75
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076・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 詳細にはよく検討してみないと私どもなかなか難しいわけでございますけれども、現在の給与制度を前提とすれば、学歴、経験年数ということでございますので、やはり修士課程を修了していれば修士課程修了ということで評価されるのではないか、そのように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/76
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077・安永英雄
○安永英雄君 これはしかし、給与下がりゃしませんか。皆が、あなた、四年でいくところを三年で過ぎちゃって、一年でまた過ぎちゃう。 それで卒業して教員になると、今の現行の計算方法からいけばこれは低いでしょう。どういう計算になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/77
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078・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 現在の給与の格付とそれから方法の決定というところから見てまいりますと、修士修了につきましては修士修了として評価されるということになっておりますので、まあ現在の給与制度が今先生のおっしゃいましたようなことを予想してないということもあるわけでございますけれども、現在の規定をそのまま適用すれば修士修了ということはなるんじゃないかというふうに思われる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/78
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079・安永英雄
○安永英雄君 私は宙に浮いたような将来の話をしているわけじゃなくて、具体的にちょっと持ってきたんです。これもまだ今からの問題だとは思うけれども、一番近い機会だと思うんですね、これ、給与決定が。これは今、私も予告してなかったから計算もあれでしょうけれども、明らかにこれは今あなた方が給与の設定については差はない、当面差はないと言うけれども、一つのこれは近い将来の、まあ近い将来というよりももう近々のうちでしょう、これ。このときには必ず私は差をつける機会になるんじゃないかというふうに考えるが、これははっきりきのうですか答申が出て、あなた方はもう答申が出ると忠実にそれをやるんでね、これは必ず一つの制度としてできてくるんですよ、これは。
そうすると賃金決定と、こういった場合には、非常に現在の給与決定と、特に大学院を卒業した、いわゆる我々から言えば専修免、こういった者の給与決定というものについては大きくあなた方も頭をひねってやらなきゃならぬ機会が近くあると思うんです。こんなことは関係なしに、こういうことも通り過ぎて、いつの時点に、あなた頭クールだと、こう言っているけれども、この法律が通って重苦しい空気というのは置いちゃいかぬですよ。立派に、あなた方は一級と専修免との間は上下の差はない、今は給与の差というのはこれは絶対につけません。それで、例えば法律が通って、それからずっとその時期がいつだろうかいつだろうか、下手するとあなた方は隠しておるから、通ったら一週間もしたら給与改定やるんじゃないの。私はそう思うんですよ。
少なくともこれで非常に動揺を与えたらいかぬと思う。しつこく私がそういうのを聞くのはそこなんです。将来にわたって絶対に差はつけないんだと、そう思っていますと言うことが一番はっきりしておる。何で当面とつけるのか。先のことは全く頭の中、片隅にも想像できませんと、こういう言い方でしょう。責任がありますよ、あなた。当分の間とかなんとかといったそんな怪しげなことじゃだめです。これまでもあるし、こういうことは。こういうことはすぐ研究しなきゃならぬ問題です。当分の間、ひょっとすると、先はありますと言ったら、そういう場合はこういう場合のときがありますと答えなきゃうそですよ、それは。無責任です。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/79
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080・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先生に大変おしかりを受けて恐縮しているわけでございますけれども、実際のところは現在以後のことが念頭にあるわけでございませんので、どうかひとつ、当面は現状を変更することは考えていないということで、御理解のほどをいただきたいということでございます。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/80
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081・安永英雄
○安永英雄君 理解ができないんですよ、これは。無責任ですよ。それだけは言っておきます。何か気がかりなことを残してこの法律なんというのは通せません、絶対に。はっきりしなきゃ。今からのことでしょう。一寸先はやみみたいな答弁がありますか。わからぬって言うんだ。
今まで審議した研修の問題にしたって、大学院大学をつくるにしても、将来展望というのはこういうことなんだと、これはいろいろ意見の食い違いはあるにしても、そう明示してきていますよ。免許法だけの問題について、給与の差がつくのかつかぬのか、これは今度の免許法のポイントですよ、これ。あなた方がいうならば大学院の卒業生を現場に優秀な者を入れていきたい、誘致したいという提案でしょう。誘致するためには金がつく、給与の差がつく、これが一番どうっと来る手でしょう。これはそして今始まった問題じゃないんですよ。中教審時代からそう言っておる。急に、あなたのところでは現時点では考えていませんと、こう来た。だから今始まった問題じゃなくて、何回ここで審議しましたか。そういう意図があると思っているから、私どもとしてはそれではどういう場合にこの給与に差がついてくるのか、それはやっぱり明らかにしなきゃ、このごろ始まった免許法の提案じゃないんですよ、論議じゃないんです。あなたはどうなんですか、あなたは。将来にわたって差はつくべきでない、この法律の趣旨なんだということは言えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/81
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082・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 再度おしかりをいただいて大変恐縮しているわけでございますが、私もそんなにうそのつける男でもございませんので本当のところを申し上げているわけでございますが、現在具体的なことが念頭にあるわけでございませんので、当面現状を変更することは考えていないということでひとつ御理解のほどをいただきたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/82
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083・安永英雄
○安永英雄君 話を変えますけれども、今でも大学院を卒業して現場に帰ってくる、そういうときに給与というものについて特別昇給の手だてでもってやっているところが、私も知っているが、多いんですが、そういうことは御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/83
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084・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 今先生のおっしゃいました大学院へ行って帰ってきた人につきまして一号アップするという事例については、私ども現在のところ把握してない状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/84
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085・安永英雄
○安永英雄君 ちょっとわからなかったけれども、現にあるんですよ。これは本来、特別昇給という給与上の制度、こういったものはどういう趣旨ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/85
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086・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 一般的に申し上げますと、特別昇給というのは、勤務実績が非常にいいということで、それに基づく特別昇給というのが一番一般的なものではないかというふうに考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/86
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087・安永英雄
○安永英雄君 特別昇給の制度というのは、今おっしゃったようなこととはちょっと違うような私も気がするんだけれども、財源、これあたりは文部省の予算あるいは各県の予算、これではどういうふうに確保いたしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/87
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088・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 財源でございますけれども、これはおおむね一五%の範囲内で特別昇給を行うということが通例になっているというふうに聞いている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/88
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089・安永英雄
○安永英雄君 一五%、間違いないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/89
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090・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 突然のお尋ねで大変恐縮でございますけれども、若干訂正させていただきますと、人員につきまして一五%の範囲内で特別昇給を行うということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/90
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091・安永英雄
○安永英雄君 それで結構です、人員でしょう。そうすると、この特別昇給財源としてどれだけ文部省は確保しているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/91
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092・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 大変恐縮でございますが、現在その数字を資料として持ってきておりませんので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/92
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093・安永英雄
○安永英雄君 これはどういう使い方をするんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/93
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094・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 率直に申し上げまして、私の記憶しているところでは、教員については一般的な特別昇給というのは余り行っていないのではないかと思う次第でございます。ただ、僻地などへおいでになった方々につきまして特別昇給をこれまで行っている例があるということは承知している次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/94
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095・安永英雄
○安永英雄君 そうすると、先ほど私が申し上げましたように、現場の教師が大学院に行って、そして専修免を取得して帰ってくる。この人について特別昇給の制度で他よりも一号俸高くなった、こういうことはしてはならないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/95
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096・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 特別昇給の制度でございますけれども、これは都道府県によりまして、条例などの規定によりまして、相当いろいろな事由について特別昇給ができるような措置が講じられているというふうに思う次第でございます。ただ、運用の実態といたしまして、私が先ほど申し上げましたけれども、教員については一般的に余り特別昇給をやっていないのが現状である。ただ、僻地などにつきまして特別昇給をやったという事例を承知していることがあるということを申し上げている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/96
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097・安永英雄
○安永英雄君 局長、その点については指導しますか、各県。あなたが今言ったように各県。現に私が先ほど言ったように、そういった人が一号俸を特別昇給でつけている、それは好ましいことじゃないとあなたは言ったけれども、好ましくないのなら、各都道府県にこの免許状の種類によって違ったときに、免許状の専修免を持っておる人に特別昇給措置をして一号俸つけて差をつける、こういうことはやっちゃいけないというふうにあなたは指導しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/97
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098・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 特別昇給と申しますのは、やはりそこの服務監督権者または任命権者が具体的な事情に応じまして、その職員の意識を盛り上げるといいますか、そういう観点から個々具体の事情に応じて行うものというふうに私ども考えるわけでございますが、余り一律に国でどうこうと指導することよりも、各都道府県の実態に応じた、現場の実態に応じたそういう昇給制度の運用というのが好ましいのじゃないかというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/98
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099・安永英雄
○安永英雄君 指導しないということですけれども、各教育委員会のそれぞれの立場でやれということですけれども、局長は、少なくとも免許状の差、種類によって特別昇給によって差をつける、こういうことは余り好ましくないというふうに先ほどちょっと私はとったんだけれども、これは特別昇給というのは、あなたも言ったように僻地に行ったり、教育の活動に困難なところにおったり、あるいは本当の事務上のミスによって不合理が給与に出てきたときにそれを補てんする、こういった立場のときに使う。あなたもいみじくもそう言ったじゃないか。それを特別昇給の制度があるから、おう、よう帰ってきた、専修免を持っておるからあなたに一号俸つける。文部省の方は当面差をつけることはできぬと言うが、これは特別昇給の措置によって差をつけましょうと、こういう教育委員会が出たら私はこれはだめだと思うんです。あなたの信念は当面は差をつけないと、こういった範囲内においてもここの行為は私はいけないと思うが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/99
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100・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 大変繰り返しになって恐縮でございますけれども、やはり特別昇給につきましては、各都道府県が実態に応じておやりになるのが一番その制度の本来の趣旨を生かすことになるのではないかというふうに考える次第でございます。私どもが一律にどうこうと申し上げるのは、余りこの制度から見て現在の段階では妥当ではないというふうに思っている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/100
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101・安永英雄
○安永英雄君 私がなぜ言うかというと、教育委員会の方で、これは文部省からの指導はないし、勝手に使っていいというふうにとっているんですよ。私どもの権限内なんだ、だから免許よう取ってきた、あんた一号俸つけてやろうと、こういうふうに勝手気ままに教育委員会の方で、あなた方は差はないと、こう言っても、地方教育委員会の方で特昇で差をつける。これはあなたたちの志と違うわけでしょう。だから、教育委員会に任せるわけにはいかぬのじゃないですか。特昇を使うときにはということで、これこれこれという私は指導をしなきゃならぬのじゃないか。
もう時間がありませんから私は一つの例を言いますと、まだ生々しいから私は県の名前は言いませんけれども、ある県で、教頭が非常に苦しい立場にあるし、給与も見てやらなければならないということで、県下の教頭に全部特昇財源をばらまいたんですよ。しかも、ばらまくと格好が悪いものですから、教育委員会でわざわざ印鑑持ってこいというわけで、貯金通帳を二百冊ぐらいつくって、各人に教育委員会がその特昇財源を配分したんです。それに判こを押して教育委員会が保管しているんです。
だから、その年の僻地に行った人に対しては、特昇財源からそれを出しておった。いろいろな特昇をいろいろな各方面で使っておったけれども、その年は全然特昇財源がなくなってしまって大騒ぎになった。そのときに文部省の方は、この人の名前も言うと生々しいから言わないけれども、再度同額をその県に出しているという、それで事なきを得たという表向きだけは終わったんですよ、特昇財源で。こういうことで、文部省は各県でどんなふうにしても使いなさいといっても、これは任せるわけにはいかないんですよ。
私は、時間がもうありませんからあれですけれども、少なくとも二つのことだけは私は局長に要望しておきます。
一つは、先ほど申しましたように特昇財源というのは今度の免許法に連動して使ってはならないということ。これだけは各県の教育委員会に頑として言っておかなければ、あなたの現在の頭の中にある、免許法の種類によって差はつけない、当面つけないとあなたは言ってもこういう行為は現在でもあるんだから、ましてや免許法でも成立すれば直ちにやりますよ。これはやっちゃいかぬということは私は局長の方から各都道府県には厳に言わないと画竜点を欠きますよ。将来のことについては頭の中に全然ありませんといっても、現在の場合でも現時点においても起こった。特昇財源でその差がついておったということは、これは文部省の現在の局長の頭の中には置いておかなきゃならない、趣旨と違うんだから。
この点について最後、文部省として指導するかどうか、局長の意見を聞いて終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/101
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102・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 率直に申し上げまして、先生のおっしゃっていることも広い意味では給与の問題になるのではないかと思うわけでございますけれども、私ども、そうした給与の問題につきましては当面現状を変更するということは考えておりませんので、それによりましてひとつ御理解をいただきたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/102
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103・粕谷照美
○粕谷照美君 私は、五十八分まであと幾らも時間がありませんので、要点を絞って質問をいたします。
まず、この三種の免許法をつくるということは現場の教員にとってもこれは大変な問題でありますし、教員を養成して出していくという大学側にとっても非常に大変な問題が含まれているというふうに思います。したがいまして、これは十分に審議をし、十分な各界方面の意見を聞き、そして立派な法律をつくるべきであろう。現状でよろしいなどとだれも申しているわけではありませんから、そういう立場に立ってまず質問いたします。
先ほど久保委員の方から、二種免から一種免に移るときに十五年ゼロ単は来年の採用者からだと、こういうお話がありました。私は、ことし採用された人と来年採用された人との間になぜ現場教職員経験というものが差別をされて扱われるのか、そういう意味では納得がいくものではありません。まさにペナルティー、見せしめの法律だと、こういうふうに思っております。
それで、二種免というのは短大卒でありますから標準的には二十歳で教師になるわけであります。十二年たちますと三十二歳、十五年が来るときは三十五歳、ちょうど女性でいいますと、まあ普通で、このごろ結婚しない人もいますしいろいろあるわけですけれども、本当に子育ての大変な時期なんですね。子育てを理由にして単位がとれないなどということではありませんが、産休だとか育児休業という、こういう法律に認められた休みもあるわけであります。こういう期間もまた単位をとらなければならない。こんな期間に入れられたんでは大変だと思うんですね。それから病気休職というのがありますね。結核だったら、あれは四年まで休むことができるんだけれども、闘病しながら単位をとりなさいなんて、こういうことにもならないというふうに思うのですが、その辺はどういうふうに文部省としては考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/103
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104・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 今先生の御指摘は、十二年ないしその後の三年の期間の計算につきまして、病気休職でありますとか産休、育児休業などの事由に基づき勤務しなかった期間をどうするのかというお尋ねだと思うわけでございますけれども、私ども、こうした御指摘の期間につきましては、こういう十二年とか十五年の算定の基礎には算入しないということで措置していきたい、そのように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/104
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105・粕谷照美
○粕谷照美君 この提案理由を見ますと、今回の改正は臨時教育審議会の答申及び教育職員養成審議会の答申を受けて法律を出した、こう述べられております。しかしながら、臨時教育審議会は、専修免についてはたしか否定的な意見がたくさん出されたために答申をしていないというふうに思うのであります。教養審の答申の中には確かにあります。その辺文部省はどういうふうに理解をしておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/105
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106・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 臨時教育審議会の御答申でございますけれども、これは第二次答申、六十一年四月二十三日の御答申でございますが、そこに「現職研修の体系化」というものがございまして、そこの②のところでございますけれども、「大学院での現職研修の充実に努める必要があり、大学院の修士課程を現職研修や教員養成の過程の中に適切に位置付け、」ということを言っておられる次第でございまして、私どもこうした趣旨をさらに養成審議会でも御審議いただいて今回の成案を得たというふうに理解している次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/106
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107・粕谷照美
○粕谷照美君 臨教審は直接答申をしていないということだけは、私は今の局長の答弁で理解をいたしました。
この専修免許というものの創設というのは、学歴社会是正の方針とは逆行するわけであります。いじめや非行や生徒の悩み、生徒指導に、一体専修免許状取得者と学部の卒業生のいわゆる一種免の教員との間にどれだけの違いがあるんだろうか、そんなことを思うわけであります。専修免許を取っている人と一種免の人で数学や国語やその他の教科、一体どれだけの違いをもって教えるのだろうか。そういうことを考えてみますと、給与に差をつけるなどということは考えないでもいいのではないか、こう思いますが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/107
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108・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 専修免をお取りいただく方は、一種免をお取りいただいて、さらに直接養成の観点から見れば二十四単位程度教科または教職について単位を修得される次第でございます。その単位の修得の仕方もいろいろな取り方があるわけでございますけれども、特定の分野について深い学識を積むという観点から勉強されるわけでございまして、私どもそうした学習がやはり教員の指導力の上において意義があるものというふうに考えている次第でございます。そうした観点から今回専修免許状を設け、できるだけ現職の方々も自発的にそうした研修を積まれまして専修免をお取りいただけることは有意義ではないかというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/108
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109・粕谷照美
○粕谷照美君 有利の利というのは一体どういうふうに考えるのかということもあるわけでありますが、私どもも教員が高い学歴を持つということは非常に大事なことだというふうに思います。そのことを否定しないんですけれども、専修免を取ったから、学部卒だからということで、現場の生徒から見てみれば本当にいい先生というのは、別に専修免を持っているからいい先生だというふうには思わないんですね。文部省なんかと違って局長先生だとか課長先生、いや補佐先生なんという、そういうのはないんですよ。生徒から見れば、専修免であろうと二種免であろうと一種免であろうと、やっぱり立派な先生で自分たちをかわいがってくれて、そして本当に勉強していてもらって、そして自分たちからも何か学んでもらいたいという、文部大臣のいろいろないい教師とは何かという四項目のお話がありましたけれども、そういうことで私は評価がされるものだというふうに思いますから、今申し上げた次第であります。
しかし、先ほどの安永質問にもありましたように、この間の参考人のときに私は上越教育大の学長さんにも申し上げましたが、上越教育大の学部を卒業して、そして教員になりたくて採用試験を受けた、Aさんは合格、Bさんは採用されなかった。採用されなかったので上越教育大の大学院に入った。二年して出てきたら合格したAさんよりは二年前に不合格であったBさんの方が一号俸高かった。ここでもう学歴の差が出ているんです、専修免で。そして、その最初に採用されたAさんはそれから何年かたって、私も勉強したいと思って大学院へ行った、二年して帰ってきた、あの人はなぜ大学院だったのに私よりも月給が高いのだろう、私も大学院出たのになぜ一号俸低いのだろう、こういう疑問は確かに出てくると思うんです。
じゃ、そういうことを簡単に認めるかということになりますと、私は非常に否定的なんです。大学院へ行くというのは、専修免が欲しくて行ってもらいたくない。大学院へ行くというのは、やっぱり現場の教育経験をもうちょっと勉強することによって深いものにしていきたいという、そういう学びたいという姿勢で大学院へ行ってきてもらいたい。だから、行ってきたことが即給料にはね返るなんということは本当は考えてもらいたくないというふうに思っているわけであります。しかし、これからそういうような人たちが出てきたときには一体どういう条件を現場の教員たちが要求するか、それはまた今では私はわかりません。しかし、そのときになって給料の問題などいろいろあっても、それはそのときの教職員の団体、いろいろな教育関係の団体があるわけですから、そういうところと管理者側とが話し合って決めていけばいいことだというふうに思っているんです。
さて、そういう中で私がなぜ反対をするかという一つの理由に、大学院へ行くという道筋がだれにも公平に開かれていないということであります。今、月給をもらいながら大学院へ行くという制度がありますね。しかも学費も出してくれるという。これ今どのくらいの数字がありますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/109
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110・國分正明
○政府委員(國分正明君) 現職教員の大学院への入学状況でございますけれども、いわゆる三つの新教育大学、上越、兵庫、鳴門について見ますと、大学院の入学者総数が六百十四人でございますが、このうち現職教員の入学者は四百五十五人というふうになっております。それから、この新教育大学以外の教員養成系の大学院でございますが、入学者総数が八百八十六人でございまして、うち現職教員の入学者は九十一人というふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/110
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111・粕谷照美
○粕谷照美君 国立の教員養成系大学大学院における現職教員の入学というのが九十一人と非常に少ないですね。この少ない理由を一体どういうふうにお考えになりますか。
もう一つ、その新教育大学、兵庫、上越、鳴門ですね。この現職教員の受け入れの枠というのはそれぞれ二百ずつあるわけですけれども、この二百が満たされているかどうか、それはどういうふうに受け取っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/111
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112・國分正明
○政府委員(國分正明君) 後段の方から申しますと、現在、ただいま先生お話しのように、三つの新教育大学につきましては三分の二、具体的には各大学二百人というのを現職教員の受け入れ枠というふうに想定しているわけでございますが、三大学で六百人でございますが、そのうちの七六%という状況になっております。
それから、それ以外の教員養成系大学院への入学者数が少ないのではないかということでございますが、これはこの大学院自体はそもそも現職教員の入学を主たる目的とするというわけではなくスタートしたわけではございますけれども、極力各大学におきまして現職の教員が入学しやすいように、例えば夜間等におきまして教育研究指導を行うとか、あるいはまたそれぞれの大学によって事情は異なりますけれども、特別の入学定員枠を設けるとか、あるいは入学試験につきましても、例えば外国語科目を免除するというような特別の措置を講じて、できるだけ現職教員に入っていただけるような工夫はしておりますが、各県の教育委員会におきます派遣数がまだまだ十分ではないのではないかということで、私ども今後とも、各県の教育委員会に現職教員の積極的な派遣方について御指導申し上げたいし、促してまいりたいというふうに考えております。ただ、年々少しずつではございますけれども、数はふえているという状況にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/112
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113・粕谷照美
○粕谷照美君 少しずつふえていますといったって九十一人しかになっていないのに、そんなに少しずつなんてものじゃない、もうごくごく少数ですね。まことに少数だというふうに思います。特に、兵庫教育大学、上越教育大学、鳴門教育大学、兵庫につきましては六十三年度は一一〇%入っているようですね。ところが、上越教育大学は六六%、鳴門教育大学は五三%、定員を大幅に割っているわけです。こんな評判の悪いの初めてですね。つくられるときから、この文教委員会でも大問題だったわけです。これ専修大学の免許状が取れる、そして学びたいという人が入れる。なぜこんなに定員を満たすことができないような状況になっていると思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/113
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114・國分正明
○政府委員(國分正明君) 大学におきましては、十分現職教員を受け入れる用意、また先ほど申し上げましたいろいろな配慮等もしているわけでございますが、現在のところ応募者数が少ないというようなことでございまして、ただいま御指摘の上越教育大学につきましては、受け入れ枠二百人に対しまして応募者が百四十三人ということで、このうち入学者が百三十一人という状況になっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/114
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115・粕谷照美
○粕谷照美君 ですから、原因はどこにあるかという問題が大事だと思うんですね。文部省としてはどういうふうに考えているんですか。
私は、この「兵庫教育大学への教員の派遣について」という募集要項みたいなものを見ましたけれども、一つには「入学志願者が大学院修了後も当該都道府県において教員として勤務する意思を有すること。」、その県の教育委員会がお金を出すんですからその県に戻ってもらいたいと。それは当たり前の話であります。三番目に「入学志願者の心身が長期研修に耐え得るものであること。」、二年間行くんですから、二年間の教育に耐えられないような心身では困りますから、これも当然だと思います。
ところが、二番目に「入学志願者の大学院への派遣が学校運営上支障がなく、かつ有益であること。」と、こう書いてありました。大学院へ行くのは、行く人にとってみれば大変有益だと思うんですね。その先生が大学院へ行くことが有益であるということは、一体どういうことなんだろうか。それとその前に、大学院への派遣が学校運営上支障がないことといったって、その人が大学院へ行ったところで、ちゃんと後補充をしてやればその学校が問題があるわけないんですけれども、ここのところが一番ひっかかるのではないかというふうに思います。
一体、上越教育大学へ行きなさいというんじゃありませんけれども、これがこんな五三%ぐらい、半分ぐらいしか生徒が入っていない。ここの原因はどこにあると思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/115
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116・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 今、先生、兵庫教育大学などへの教員の派遣のときの通知を御指摘されたわけでございますけれども、ここにございますように、私どもといたしましては、やはり勉学をしたいという御本人の意欲、これを一番基本にあるものというふうに考えているわけでございます。それが基本であって、それに十分配慮することはもちろんでございますけれども、やはり大学院への派遣ということになりますと長期でございますので、今先生の御指摘になりましたような後補充の問題でございますとか、学校の中の校務分掌の問題でございますとか、いろいろ具体的には指摘することはなかなか難しいわけでございますけれども、学校運営上の問題もあるかと思うわけでございます。
やはり、学校が組織体である以上はそういう点も考えざるを得ないわけでございますので、そうしたいろいろな要素のバランスを考慮しつつ、服務監督権者または任命権者と御相談されて派遣することになるというふうに考えるわけでございまして、そこのところはひとつ御理解のほどをお願いしたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/116
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117・粕谷照美
○粕谷照美君 純粋に理解するということはいいんですけれども、この間の久保質問のように、もう入学したのに許可をしないという、そういうこともあるんですから、私は大変恣意的に扱われているんではないか、こういうふうに思っているわけであります。したがいまして、この大学院への入学は、本人の希望をまず優先をすること。そして定員もあります、予算もあります。だから、志望者がそれをオーバーしたときには、公平な基準で選んでいくこと、これ大事だと思いますけれども、文部大臣いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/117
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118・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先生のおっしゃることもよくわかるわけでございますけれども、やはり本人の勉学の意欲というのが基本にあることは事実だと思う次第でございます。ただ、それを基本としつつ、それに配慮しつつも、やはり学校が組織体として運営されていく以上は、そのほかのいろいろな要素も考えなければいけませんので、そうしたもののバランスの上において適切に派遣というものがなされるよう、私どもとしても留意していくべきものであるというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/118
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119・粕谷照美
○粕谷照美君 それでは、あと三分ぐらいしかありませんから、この問題これで質問終わりますけれども、しかしやっぱり本人の勉学をしたいという気持ちを殺すような、そういう行政だけはやめてもらいたい。文部省としても十分に指導してもらいたい。そうでなければ生きてこないわけでありますから、この法律が。
最後に、法律からちょっと外れますけれども、先回通りました初任者研修制度について伺います。
さきの第百十二国会の本委員会で審議されました際に、竹下首相や中島文部大臣から総括的に答弁をされました十五項目、私と高木委員と二人で質問いたしました。それから附帯決議、これは各県に十分御指導いただいておるんでしょうか。どうも私ども聞くところによれば、指導が行き届いていないのではないか、あるいは各県数委が十分耳を傾けていないのではないか、こういうことが感じられることがありますのでお伺いします。
二番目に、初任者研修の本格実施に当たりましては、教職員の団体と十分に協議すべきであるというふうに思いますが、この協議を拒否しているところもあるわけですね。この辺のところについて文部省の見解を伺いたいと思います。
先日、「内外教育」版を見ておりましたら、長崎で「初任研の非常勤講師の採用に登録制」をしたと。あそこは離島が多いものですから。それで、そういうところを一人でやると、指導教員を一人つけなきゃいけない。そうすると、非常勤講師を採用しなきゃいけない。ところが、なかなか適当な人がいないので、もう、一人のところはだめだ、初任者二人あれば一人指導教員ができる。こういうことで、そんなことも考えなきゃならないんだろうかなんという、一生懸命になっているんですね。それで、指導者もいないような初任者が出てくるんではないかという私は危惧もあるわけであります。したがいまして、現場を本当によく知っているそういう教育関係の団体と、ちゃんと話し合いをするということは極めて重大なことだと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/119
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120・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先生の御指摘の附帯決議の問題、それから総括的な質疑の問題でございますけれども、これは法律成立後の六月と、それからつい先月、十一月でございますけれども、都道府県指定都市の主管課長会議において、私どもその内容を十分御説明し、その趣旨の徹底を図ったつもりでいる次第でございます。
それからもう一つの、関係教育団体の件でございますけれども、やはり初任者研修の効果的な実施を図るためには、教育関係団体の御意見を十分聞くことが大切だと思っておりますので、そうしたことによりまして適切に対処するよう今後も十分留意してまいりたいと、そのように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/120
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121・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 粕谷先生から具体の御質問でございましたので、まず政府委員からお答えをさせましたが、御質疑の中でいろいろ御指摘いただいた点は、できるだけ心して今後指導してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/121
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122・粕谷照美
○粕谷照美君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/122
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123・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。
午後一時休憩
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午後二時一分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/123
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124・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、教育職員免許法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/124
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125・高木健太郎
○高木健太郎君 また高石さんの話で恐縮なんですけれども、十一月の二十四日に、東大で、職組と東大の総長との大学改革に関する会談がございました。その中でこの高石問題が論議されたということでございますが、聞くところによりますと、例の高石さんが東大の総長と対談したという対談集があるそうですが、その中に東大の総長の名前があった、あるいはまたポスターが出たということで、職組の方からは前次官が選挙運動に利用したんじゃないかと、そういうことが主目的であったと思うのです。これに対していろいろと東大総長が答えておられるようですけれども、私も前に大学紛争のときに、いろいろそういう目に遭ったことがございますけれども、まことにつらいものであるということをよく身にしみているわけでございますが、これは甚だお気の毒なことだと。いわゆるとばっちりであるというふうは思うわけです。
それで、これにつきまして東大以外のところでもこういうことが起こっているんじゃないかなというふうに思いますし、ほかにどういうところがあったでしょうか。また、これに対して文部省、何かお聞きになっておるでしょうか。それからまた、その対応はどうされておりますか。これは大学の自治に任して、全くこれに対しては何らの措置もとらないと、そういうことでございますか。
しかし、事はやっぱり文部省の信頼に関係しておりますし「総長そのものの人格にも関係することでございます。すなわち人格を傷つけるということにもなりますので、そういう印象を受けます。まことにこれは遺憾なことであると思いますので、これに対して文部省としてはどのような情報をつかんでおられますか。また、どのように対応されましたか。また、文部大臣としてはこのようなことについてどんなふうにお考えでございますか。その点についてまず最初にお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/125
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126・加戸守行
○政府委員(加戸守行君) 高石前次官が退官後でございますけれども、対談集を刊行されました。もちろん、その対談の内容は、次官在任中にいろいろな方と対談されたようでございますけれども、その対談集をめぐりましては、今先生御指摘のような、東大の件は承知しているわけでございます。大学からの報告によりますと、東大の学長と職員組合の定例の交渉の場におきまして、組合側から高石前次官と東大総長との対談が本になり、選挙区でばらまかれていることについて、高石氏に抗議すべきであるという旨の申し入れがございまして、これに対しまして東大総長の方から、対談集のような出版物については、どのように利用されてもやむを得ない、選挙運動への利用について、迷惑はしているが抗議するつもりはないという旨の回答をしたと承知しているわけでございます。
それ以外の事柄で、対談集につきましては、例えば地元の高等学校で、この対談集の購入を生徒を通じて父兄に勧められたということで問題になったというような事例もございますが、対談集に取り上げられました人物の方からは、例えばマスコミの報道によりますと、迷惑しているというようなこと、あるいは選挙目的のものであるとは知らなかったというような感想が掲載されておりますが、このような、今申し上げたようなケースでのトラブルということはほかには聞いてはおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/126
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127・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 大要は政府委員からお答えしたとおりでございますが、私も資料を通じまして、この対談なさった方々が、そのような政治活動に使われるとは知らなかったということをおっしゃっている面を拝見しております。私は当事者の判断ではございますけれども、やはりその対談をなさる方々の、相手の方に対する礼儀もございますから、これがどのようなときに、どのような時期に出版するかということもあらかじめお話をしておくのが礼儀ではないかなという感じはいたしておるわけでございます。
なお、東大総長が、今御指摘の点が実際あったことは私もつぶさには存じませんでした。ただ、私から国大協の会議で森学長にお会いしましたときに、文部省の事務次官のことで御迷惑をかけて申しわけありませんということを、個人的に謝意を表しましたことはございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/127
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128・高木健太郎
○高木健太郎君 次は、直接法案とちょっと関係ございませんが、私も知らなかったわけですけれども、日本テレビで十一月の二十日、日曜日の夜だと思いますが、「巨泉のこんなモノいらない?!」という番組があるんだそうです。その中で、渡部恒三元厚生大臣とか樋口恵子さんも同席をしておられた席のように画面では見えるわけですけれども、荒川区において福祉切り捨てということの実情をいろいろやっている中で、献体の話が出た。
で、あるケースワーカーと思いますが、献体をすると言うと、葬式代は要りませんよ、あなたも献体をしたらどうだというようなふうに聞こえる、そういう放送があったというふうに、私もビデオで見ましたけれども。しかも私は、非常によくないのは、この言われた女性が答えることの一番最後に、役所の方は、何もしゃべるなと、そう言われました、役所の方からですね。そういうふうに非常にそこのところが聞きにくいところなんですけれども、そう言われたと。私、それをある大学の解剖の教授から指摘をされまして、献体法をつくりますときに、献体というのは本人の善意によりまして、無条件、無報酬に自分の体を医学歯学の研究教育のために提供するという、非常にとうとい心根から、本人の意思から出たものである、これがこの法律の一番中心になる部分でございまして、葬式代が出してもらえるから自分の体を出すんだと、そんなことではせっかく、今何万の人が献体のための登録をしておられますけれども、その人たちは大きな衝撃を受けたんじゃないか、こう思うわけです。そういう意味では、もしもこれが本当だとすると、非常にけしからぬ話である、こう思いますが、この点について文部省の方は何か調査をされまして、その結果はどういうふうになっておるのか、お聞きいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/128
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129・國分正明
○政府委員(國分正明君) 先生ただいま御指摘の番組におきまして、生活保護行政との関連で献体に触れた部分があるということ、私もビデオで拝見させていただきました。その事実関係あるいは内容につきましては、荒川区側におきまして、自分の意思で献体の登録をしているにもかかわらず、ナレーターが葬儀代を節約するため区が献体を強要したかのような表現をしているということで、テレビ局に抗議を行っておりまして、現在テレビ局におきましてその事実関係を調査中というふうに承っております。先生お話にございましたように、献体は無条件、無報酬で行われるということで、現在献体法に基づきまして、六十一年度現在でございますけれども、毎年二千体程度の献体が行われているわけでございます。献体の趣旨というものについて、私ども今後とも十分周知徹底方をしていかなければならないということを、ただいまの事件を通じましても感じた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/129
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130・高木健太郎
○高木健太郎君 この番組、一時間ぐらいのかなり長い番組なんですけれども、ほかにもたくさんのいわゆる福祉切り捨ての事実を報道されているわけでございまして、その一連の流れからいいますというと、献体は荒川区の方ではそんなことを言った覚えはない、これはナレーターがそのものをつくったのだと、そういうふうにも思えるわけですけれども、全体の流れからいうと、何かそれが我々の方では明らかにどうも区の方でそういうことをやったんじゃないかなという、そういう印象を非常に受けるわけです。これが私は怖いというふうに思うわけです。一遍あれ放送されてしまいますと、後でいろいろなことを荒川区の区報であるとか、あるいはある程度新聞にもちょっと載っているようでございますけれども、後で打ち消しできないというところにこういうのは問題がある。もしも、これがNTVのそういう故意のことであるなら、これは本当に厳重に言って、今後そういうことは十分気をつけてやっていただくように、文部省の方からもこの事実関係を調べて厳重に注意を促していただきたい、こう思いますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/130
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131・國分正明
○政府委員(國分正明君) 先ほど申し上げましたように、荒川区長が区の名誉と信用が著しく傷つけられたということで文書で抗議いたしているわけでございます。これを受けまして、テレビ局の方で現在調査中でございますので、その調査結果によりましては私どもからもまたお願いをする場合もあろうかと思いますが、事実関係が現在はっきりいたしておりませんので、そういうことで御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/131
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132・高木健太郎
○高木健太郎君 ぜひ、その点厳しく取り締まっていただきたい、注意をしていただきたいと思います。まだ、何も献体ばかりじゃないわけで、非常に倫理問題がやかましい折から、こういうことであっては非常に私困ったことである、こう思います。
次は、法案にちょっと戻りますが、今度新しく非常勤講師というものが置かれる。教職課程をとらなかった学生や社会人の中で教職免許状の取得を希望する者のために、必要に応じて半年から一年程度の教職に関する特別の課程を設置することができるというのが今度の法案の中にあるわけでございます。これについて二、三御質問を申し上げます。
これは、もちろん教員養成課程の大学にはすべて置かれるわけでしょうか。いわゆる特別教育課程ですね。それからもう一つは、一般の大学にも置かれるものでしょうか。希望があればそこにも置くということをおやりになるのかどうか。これは特別の課程でございますから、特別の課程というのは幾らもあるわけでございますから、それをまんべんなく置くということになると非常に大変なことじゃないかと思いますし、また、かといってある特定の大学だけに置きますと、せっかくその課程を受講したいという人たちが、地域によりましては大変不便をするわけでございます。
そこで、第一の御質問は、特別の課程というのは一体どういうものなのか、どういうものを特別課程としてお考えになっておるのか。それはどういう大学に置かれるのか。地域の実情はどれぐらいこの中に加味されておられるのか。そうして、これに対する教官の手当てといいますか、教官をどのように配当されるおつもりなのか。現在ある定員の中でこれを賄っていかれるおつもりなのか。これが第二点です。
第三点としましては、まあ思い出したように、社会人の中である程度の学歴を持っている人で、教員免許状を取りたい、あるいは非常勤講師になりたいという人がおられまして、この人が半年か一年の教職に関する特別課程を受けられたとしましても、例えば私のような者が、もう五十年も前に医学教育を受けた者が、今さら半年か一年ある特定のところを勉強しても、さあ人を教えるというようなことができるだけの実力がつくだろうか。これに対してはある程度の年齢制限とか、そういうものをお考えになっているかどうか、そのことについて、三点についてお伺いをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/132
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133・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 教職特別課程のお尋ねでございますが、これは別表第一の備考六号に記載されておるところでございます。その趣旨でございますけれども、これは教員に広く人材を求めるという観点から、一たん大学を卒業されて、教科に関する専門教育科目は既に履修されているという方につきまして、その方が教職に関する専門教育科目の全部または一部を履修されておらない、そういう方について教職科目をこの特別課程で履修していただいて、それで免許状を授与しようということでございます。そういうものでございますけれども、地域の実情というお尋ねがございましたけれども、これはこういう課程を置きたいという大学の申請を待ちまして、その申請に基づいて認可するということになるわけでございますから、何と申しましても第一義的な御判断は大学の側にあるということになる次第でございます。
それから、教員の配当ということでございましたけれども、私ども教職特別課程というのは、先ほど申し上げましたように、大体そこで修得される方は教職課程十九単位程度を修得されるということでございますので、現在課程認定を受けている大学であれば、既存の教員組織で十分これに対応することが可能ではないか、そういうふうに考えている次第でございます。
それからもう一つ、随分前に大学を卒業された方についてはどうかというお尋ねでございますけれども、これは教科については、既に修得されているわけでございますけれども、教職については、新しく十九単位程度を勉強されるわけでございます。教科ということになりますと、これは理科系なんかにつきましては、特に日進月歩ということでございますけれども、それ相当の勉強を続けられておるのがやはり社会に出たときの一般の人の心がけではないかと思うわけでございますので、そういう方が新しく教職に関する勉強をされて、それで免許状をお受けになるということは妥当ではないかというふうに考える次第でございます。そういうことでございますので、特にこれについて年齢制限ということは、免許状の授与ということについては設けていないわけでございます。
ただ実際問題といたしまして、各都道府県教育委員会におきましては、教員を採用する場合に、おおむね一定の年齢制限的なものを考えておりますので、採用の段階におきましてやはりなかなか難しいという点はあるのではないか、そのように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/133
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134・高木健太郎
○高木健太郎君 なかなか私、考えはいいんですけれども、実際問題としては大学側で希望があれば、ある特別課程を置くと言われますけれども、文化系のことならば何とかなるかもしれませんが、理科系の方になりますと、今局長言われたように日進月歩でございますから、二十年ぐらいも前に習っているものはもう全然役に立たぬということで、新たに勉強しなきゃならない。しかし、その意志があって自分は受けたいという者を拒むことはこれはできないんですか、これは初めからあなたはもうそういうことをやる資格はありませんというふうに断ることは。ただ、単位だけはもっと取っているわけですね。それは私も卒業免状もらったんだからある程度のことはやっているわけですけれども、しかしそんな知識はもう全く古くなってしまっておって、さあ新たに特別課程の単位を取ろうと、こんなことは実際にはできるでしょうか。こういう非常勤の講師を採用するとか、あるいはそういう課程を設けるとなれば、それ相当のもう少し詳しい内規といいますか、選考の過程といいますか、そういうものが必要なんじゃないかなと、こういうふうに思うんですが、その点はどういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/134
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135・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) この教職特別課程は免許状を与えるかどうかということでございますし、免許法の中で免許状を与えるというときにはやはり所定の学歴とそれから単位の修得ということが基本でございますので、教職課程の単位は取っていながら、教科の課程はその単位を取っているということでございますと、やはり本人が御希望になるならば、教職の課程の単位をお取りいただいて、免許状を与えるということが妥当ではないかと思うわけでございます。
ただ、採用の段階になりますと、これは教職に限らず専門についてもそれぞれ採用試験があるわけでございますので、そこで全く用を足さないような教科の知識でございますと、採用ということはなかなか難しいわけでございますから、教員の資質という問題も免許状の問題だけじゃなくて、採用の問題等両方、両々相まって担保していくべきものではないかというふうに考えるわけでございますから、やはりそれ相当の教科の勉強も続けておられないと採用という段階にまでは至らないのではないかというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/135
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136・高木健太郎
○高木健太郎君 この点ももう少し時間がたってみなければ、いろいろ問題があるんじゃないかと思うんですね。そういう意味では、やっぱり地域性ということも考え、地域の社会人の人で自分は教えてみたいという希望を持っている人がある。ところがその地域にはないということになると、やはり私は何か不公平なような気がするわけなんですよ。だからといって、どこの大学でも置けるというわけでもないでしょうけれども、そういう希望がある人を入れてやる。しかもそれが教師として、立派な教師が勤まる人じゃなきゃならぬというようなことで、単に社会人を取り入れようというような、臨教審の言うものを取り入れちまって、後でいろいろ問題を起こしてくるというようなことのないように、ひとつ今から十分これ検討しておいていただきたいと思います。
次は、これは非常勤講師ではないんですけれども、御存じのように外国人の英語教師を置いているわけですね。外国から呼んで、かなりの厳しい審査を通って教師として採用しておられるわけです。これはアシスタント・イングリッシュ・ティーチャー、AETと、こう言っているようでございますから、これはアシスタントでございますし、チームティーチングの一員でございますから、これは非常勤講師とも言えないわけでございましょうけれども、講師に近いような存在になっているわけです。これは今度の教免と直接関係はないようだけれども、高等学校あたりで教えられるわけですけれども、無関係では私はないと思うんですね。そういう意味でお聞きしたいと思います。
AETは現在大体どれぐらいおられるのでしょうかということが第一問です。そして、今後どの程度にこれをふやしていかれるおつもりなのか。そしてそれは、現在は高等学校なんですけれども、語学教育というようなことになれば、中学あたりでもいいのではないかなという気もいたします。いわゆるもっと中、小まで考えることはこれはできないものであろうか。この受け入れに対しまして、受け入れた結果につきましては功罪いろいろ評判があるわけですが、その点についてはどのような情報を得ておられますか。
例えば、まだまだAETの人数が足りないというようなことも聞いております。あるいはヒアリングであるとかスピーキングであるとか、こういうことはできるけれども、受験に対しては全然これが役に立たない。だからしてもっと文法とか読解力を与えた方が生徒あるいは学生にはいいと、こういうふうな苦情といいますか、不満もある。
もう一つは、日本人の英語の教師がついておられて、それは文法、読解力ともに立派な技能を持っておられるでしょうけれども、会話が不得手であるという点でこのAETとうまくぴったりいかない。それから先生そのものがヒアリングが余り達者でない。そうすると生徒の前で何か恥をかくとか、そういうことも起こってくるのではないだろうか。すなわち、先生とAETとの間はどういうふうにうまく今後協力してやっておいでになるおつもりなのか。
第四番目としましては、外国から呼ぶわけですが、試験もあるわけでしょうけれども、ティーチングの方法というものは余りよく御存じでない。あるいはアメリカ式、あるいは欧米式のティーチングの方法をおとりになって、学生は大変おもしろいということを言っているようなんですね。しかし、おもしろいだけでは実際は大学には入れない。大学というのがどうしても頭の中に父兄はあるわけですから、そんなものはやらなくてもいいじゃないかというような気持ちのこともある。そういう意味で、先生の資格の審査あるいはティーチングのやり方ということについては、何か方法をとっておられますか。
それからまた、来られたAETの待遇ですね、処遇はどういうふうになっていますか。例えば宿舎であるとか、その人が子供を連れているときにどうするのか、そういうことはどういうふうに考えておられますか。
以上、四つ五つお聞きしましたが、最後に、初めに申し上げましたように、もう少し初期、いわゆる初級状態ですね。中、小状態でAETというようなものを取り上げるおつもりはございませんか。これだけをお聞きいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/136
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137・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 今の中学校、高等学校の英語を何年間やってもなかなか実用英語にならない、しゃべれない、聞けないという批判が英語教育について強くあるわけでございます。したがって、そういった点で英語の先生のそういった能力を養うと同時に、やっぱりネーティブスピーカーのじかの声を聞かせるのが一番いいだろうということからこの仕事を始めたわけでございまして、ことしイギリス、アメリカ等六カ国から千三百八十四人参っております。
それから将来計画といたしまして近い将来三千人にしたい。来年は概算要求によって千八百人の招致を予定しておるということでございまして、学校への張りつけは、中学校、高等学校というところでやっておりますが、小学校までには向けておりません。小学校というのは、やっぱり英語というものをまだ教えるのは早いのではないかという基本的に教育課程の問題もございます。そういった点ではなお慎重に検討を要する問題だろうと。中学校、高等学校については積極的に張りつけていきたいということがございます。
これの評判というのはどうだということですが、まあ生きた英語を聞けるということから、子供の感じでは非常に自分の会話能力、自分の言ったことが外国人に通じたといったことから非常に自信を持っているとか、持ったとか、あるいは英語を勉強する動機づけに役立ってきたとかという、割といい評判を聞いております。
ただそこで、受験英語との関係をおっしゃいましたが、確かに高等学校から大学受験というのはまだヒアリングというものがそういった比重を占めてないという現状のままでは、やはり読解あるいは文法といったものが主体になってくると思いますが、しかしながら、今も大学入試の傾向はかなりそういったヒアリングのテストというものが大学入試の中に比重を占めつつある。生きた英語をいかにして試すかということに変わってきているんではないかというふうに思っているわけでございます。
そこで、英語の先生との間は私もそういったことを聞きます。英語の先生がAETの前でしゃべるのが非常に気が引けるとか、あるいはAETの方がおっしゃることが英語の先生がよく聞けなかったとか、そういったことはございますが、こういった問題は徐々に克服していくよりしようがない問題だろうと。具体的にこうしたらいい、ああしたらいいというふうな方策があるわけじゃございませんが、現実問題、なるべく英語の先生もAETの方とよくそういったコミュニケーションを交わされて、よく聞けるようにしていくということも必要じゃないかというふうに思うわけでございます。
それから、今大体待遇の関係では、給料は一律年額三百六十万円ということを交付税で組んでおりますので、そういった経費が出ている。
宿舎等につきましてはこれは要請しております地方公共団体において適宜その宿舎について御面倒願うということで、なるべく快適な環境を提供すべく御尽力をいただいておるという現状でございます。
また、来られた方も日本のことがよくわかっていない、それから日本の教育方法もよくわからないということでございますので、まず、日本に来られたときには当初四日間、日本の教育制度それから日本の教育のあり方、やり方、そういった授業方法等についてもオリエンテーションをいたします。そういうオリエンテーションをまず四日間やって、そして現地に散っていただく。そして年度の中間期にまた二日間のそういった情報交換あるいはオリエンテーションのようなことをやって、そして、いわゆる授業に実際に役に立つようなそういった協議もしていくというふうなシステムで現在動かしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/137
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138・高木健太郎
○高木健太郎君 大体わかりましたけれども、このAETの人たちが一年に何回か集まって研修会を開いているというようなことを聞いております。ことしは十二月六日から三日間、静岡でそういうAETの先生方が集まって何か研修会を開かれたということですが、そういうところに文部省側としてはお出になって、彼らの注文なりなんかをお聞きになったことがございますか。あるいはまた、AETを置いたいわゆるチームティーチングにつきまして、教師の人たちのじかの声をお聞きになったことがございますか。あるいはまた、生徒の感想を何かでお調べになったことがございますか。私は、そういうことは毎年これやる、あるいは何回かこれやるべきことであると思いますので、お聞きいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/138
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139・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 年度の真ん中ぐらいに地区別にいわゆる講習会というようなことをやりまして、その地区のAETの方々に集まっていただくということでそういう会を設けておりますので、そこには文部省の教科調査官が行きまして、いろいろな苦情とか、あるいはいわゆる日本教育に対するいろいろな御意見というものは逐一承ってまいるようにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/139
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140・高木健太郎
○高木健太郎君 いや、それから生徒の方、それからまた父兄の方、それからまた日本の教師の方の言い分も聞いて、今後これがうまくいく、せっかくこういう制度をおつくりになったのなら、これがうまく動くようにすべきじゃないかと、その点は答弁が落ちておったんじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/140
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141・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 今おっしゃった点、私たちも県の教育委員会を通じていろいろな現場での父兄とか、あるいは教師の御意見というものを吸い上げるようにいたしておりますが、なおそういった点に十分目配りをしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/141
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142・高木健太郎
○高木健太郎君 去年ですか、これは八百名くらいが最初に来られたようなんですね、昨年八百名。だから、もうそろそろ何か結果が出ているわけで、ことしももう十二月になっているわけですから、そういうことはこういうふうになっておりますという、そういう返事を、御答弁をぜひいただきたかったわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/142
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143・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) もう一年半ぐらい、去年からですから一年ちょっとたっておりますが、そういった去年の状況につきまして調査を求めておりまして、それの今集計の途中でございます。したがって、そういった点で、どういった意見が集約されるか、ひとつそういったことができましたら、また御報告さしていただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/143
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144・高木健太郎
○高木健太郎君 ぜひそういうことを、せっかくつくった制度ですから、それを活用して、まあいろいろな注文があるでしょうから、全部を満足させるようなことはなかなか面倒だとは思いますけれども、しかし父兄の方から言うと、英語はうまくなったけれども、全然高校には入らなくなったなんというようなことで文句が出るというようなこともあるでしょう。だからいろいろの方面に気を回すためには、日本の教師、それからAETの人たち、子供の要求、父兄の要求というようなものを十分調査を今後続けていかれて、そして少しずつこれを活用していかれるように、この点の努力をひとつ私要請をしておきます。
それからもう一つは、英語は今のところは中学というけれども、中学はどれぐらい教えておられますか、中学では。どれくらい行っておりますか。高等学校のことは私知っておりましたけれども、中学は余り知らなかったんですが、どれくらいやっておられるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/144
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145・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 中学校での英語は選択教科ということにしておりますが、現実はまず一〇〇%近い子供が中学校で英語を学んでいる。数ではそういうことでございますが、一週間に三時間の授業ということを標準にいたしておりますので、どこまでという程度はなかなか示しにくいわけでございますが、一週間に三時間、三年間という英語の授業でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/145
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146・高木健太郎
○高木健太郎君 いや、そうじゃなくて、AETの人が入った授業ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/146
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147・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) これはその配置ということにつきましては、都道府県の教育委員会に任しておるわけでございまして、ある程度中学校、高等学校のバランスをどうとるかというのは、まさに都道府県の教育委員会に任しておりますから、私どもで、平均的に言えば月に何回、一つの学校を見れば何回来るというふうなことを言える状況ではございませんが、まあ全体が千三百人でございますから、それが中学校とそれから高等学校に行くということになりますと、非常に数は、頻度は少ないということになりますので、これからこういったものについてはもっとふやしていかなきゃいけないというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/147
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148・高木健太郎
○高木健太郎君 その点も十分検討をしていただきたい。
言葉というものは、我々は初め文法習って日本語がしゃべれるようになったんじゃないわけなんですね。まあそんなことは言わぬでもわかっていることなんですけれども。昔から人力車英語というのがありまして、横浜の人力車の車夫の人が英語をやるわけですね、外人に。その中の言葉に揚げ豆腐というのがあるわけです。揚げ豆腐というのは、私初めわからなかったんですけれども、アイ・ゲット・オフというのを揚げ豆腐と言うんですね。そういうふうに覚えると、これなかなか忘れないんです。私は英国へ行きまして、バスに乗りまして、次の駅でおりるときに、揚げ豆腐と言ったわけです。非常によくわかったんですね、それが。バス、とまってくれたんです。こういう英語が通じるということに私、意を強くしたんですね。
そういうことが私はスピーキングであり、ヒアリングであると思うんです。だから文法というものが入って、それから言葉を覚えるというのは言葉になっておらぬのですね、それは。そういう意味で私は、小学校ぐらいから何も文法なんかを教えるんじゃなくて、揚げ豆腐で教えたらどうかと、こういうふうに思うんです。それで、小学校あたりのこともお考えになったらどうだと。本当の生きた英語というなら、そこら辺から少しずつ入れておく必要があるんじゃないか。あるいはまた、今の父兄の人たちは、やはり英語を覚えさした方がいいというので、英語の塾に行っているわけですね。それで、外人が来ていろいろな小さな塾があります。そういうところへもう子供のときから入れているわけですね。
だから、それを学校でやるのはどうかとお考えになるかもしれませんけれども、何かの形で、その子供のまだナイーブな頭にそういうふうな形で英語を入れておいた方が私は将来は生きた英語になるのではないか。高等学校に行くと文法を知っていますからね。だから、文法を知ったり字を知っていたりするとどうしても継ぎはぎの英語になるんですね、生きた英語にはならない。だから、今局長が言われたように、生きた英語ということがもしもこれの本当の目的であるならば、もっと小さいときからこのような制度をひとつ活用してみる、これもひとつぜひお考えいただきたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/148
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149・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 確かに、そういった小学校の段階から英語をやったらどうだという御意見があることもよく承知いたしておりますが、片方、今の子供は少しいろいろなことを教え過ぎている、詰め込み過ぎではないかという御意見もあるわけでございまして、言葉で言いますと、国語の能力が足りない、作文能力が悪い、これで英語なんかやる暇があるかというふうなお話も片方あるわけでございまして、私たちはいろいろなことを考えて、やっぱりおっしゃるとおりなるべく語学というのは小さいときから教えた方がいいのでございますが、これについては今後の検討課題にさしていただきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/149
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150・高木健太郎
○高木健太郎君 いや、何も学校の教科を無理するというのではなくて、このAET制度で、生徒の中には大変おもしろいと言っているわけですね。だから、そのおもしろいということであればそんなに負担にならないし、そのために国語の能力が落ちるとは私は思わないですね。だから、そんなに怖がらなくて、もう実際に塾なんか行っているんだから、そういう意味ではもっと低学年から入れることも、何らかの形で入れることをひとつ考慮していただきたい、こういうことでございます。これ以上はあれですが、もうよくおわかりでしょうから、ひとつ御考慮をお願いしたい。
次は、ちょっと幼稚園のことでございますが、幼稚園の目的というのは、これは私、古いやつから引きましたからわかりませんけれども、「心身をして健康なる発育を遂げ、善良なる習慣を得せしめ、以て家庭教育を補う」というような、そういう定義が書いてあるようですが、今もこれは変わらないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/150
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151・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 基本的にはそういうことだというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/151
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152・高木健太郎
○高木健太郎君 それで、この前私、大臣に対しても幼児教育が必要であるというふうなことを、脳の機能というものとの発達と比べながらお話をしたわけですね。レクチャーみたいになって甚だ恐縮でございましたけれども、今は現在幼児教育が大変抜けているんじゃないか。それが小中学校に来て影響が出てきているんじゃないか。いろいろの非行問題とかその他は、そういうことも考えておかないと単に社会が悪い、学校教育が悪いだけでは済まないのではないか。こういうことをお話ししました。
また、家庭教育が重要であるということは大臣もよく御存じでございましょうけれども、現在の婦人というのは、女性は、ウーマンリブというような傾向がございまして、あるいは男女雇用均等法ですか、そういうものができまして、外で働く人、女性が自分を生かして生きていくという、そういう傾向も多い中で、だんだん子供を早くからそういう幼稚園なり保育園なりに預けていく人が多い。だから、家庭教育を補うということでは非常に私重要な意味を持ってきていると思うわけです。そういうことで、幼稚園についてお伺いをいたします。
現在、幼稚園には大体全国でどれぐらいの入園率があるのか。都会と田舎ではもちろん違うと思います。それの傾向はどうなっているか。これが第一点です。それから、公私立の幼稚園の数はどれくらいですか。次は、公私立の比率はどうなっていますかということです。
この二つを最初お聞きをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/152
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153・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 幼稚園の数は全体で一万五千百十三園でございます。そこで国立が四十八、公立が六千二百五十一、それから私立が八千八百十四ということで、その比率でいきますと、公立が四一・四%、私立が五八・三%ということで、幼稚園の数ではそうでございますが、今度は園児数ということで比較してみますと、在園児の数が全体で二百四万二千人でございますが、そのうち公立が四十六万七千人、私立が百五十六万人ということで、園児の数では圧倒的に私立が多くて、私立は大体七六・八%、公立が二二・九%という状況になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/153
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154・高木健太郎
○高木健太郎君 同じ年ごろの人の何%ぐらいが幼稚園に入っておられますか。その傾向をお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/154
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155・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 就園率ということでございますが、三歳児、四歳児、五歳児という三つありまして、三歳児では大体一六・八%ぐらいが就園率でございます。それから、四歳児にまいりますと五六%、それから五歳児にまいりますと七四%ぐらいということでございまして、これは地域別にどうだということはございましたが、これは保育所と幼稚園とは両方でいろいろな似たような機能をやっておりまして、保育所の多いところは幼稚園の就園率は低い、保育所の少ないところは幼稚園の就園率は高いということで、大体合わせますと九十数%の子供が保育所、幼稚園どっちかに入っているという現状だというふうに認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/155
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156・高木健太郎
○高木健太郎君 九十何%ですか、そんなにたくさん入っているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/156
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157・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) ちょっとここに保育所と掛け合わせた数字がございませんが、九〇%ぐらいにはいっているというふうに私たちは思っております、両方幼稚園と保育所と合わせますと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/157
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158・高木健太郎
○高木健太郎君 私もっと少ないかと思っておりましたら、ほとんどの子供が幼稚園か保育所で幼児教育を受けている、保育教育を受けている、こういうことになるわけですね。そうすると、ますますこれは私は大事なことだと思うようになりました。もっと私は少ないのかと思っておりました。
そこで、時代も変わってきまして、子供のときから家庭で教育をしようというのは父兄も考えているわけですね。そうすると、昔のままのいわゆる幼稚園の教育課程といいますか、いわゆる短期大学の卒業の方が多いわけですけれども、その教育課程が今までの従来のままでよいのかという、そういう問題が起こってきますし、また、この前も言いましたように、脳の発達というようなものの科学あるいは医学といいますか、生物学が非常に発達してきた現代で、昔の教育課程をそのままおいておくと、例えば心理学であるとか単なる経験による教育課程というんではなくて、もう少し科学的な見地に立った教育課程の作成が必要だと思うんですけれども、そういう教育課程の改定については、どういう審議会なりあるいはそういう委員会なり、どういうところで検討をしておられるでしょうか。教育課程改定の何か委員会、何かそういうのをおつくりになるとか、あるいはそういうものをしようとしているという、そういうことを聞いておりますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/158
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159・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 現在、教育課程の改定につきましては、昨年十二月に、教育課程審議会が幼稚園から高等学校まで全体を見通した教育課程の改定ということを提言いたしたわけでございます。したがいまして、幼稚園につきましては昨年の十二月に教育課程審議会の答申があった、その答申を受けて今度は学習指導要領を具体的に決めていくという作業を今やっておるわけでございまして、それはいろいろな専門家を集めて学習指導要領を告示いたしたいということで、今鋭意最後の詰めに入っておりますが、具体的に申し上げますと、今度の改定の考え方といたしましては基本的にはいわゆる就学前教育でございますから、そういった知識といったようなことを教えるということはやりません。これは前と同じでございますが、考え方といたしましては、環境を通して行うということを幼稚園の基本とすることを明確にいたしまして、幼児期にふさわしい生活が展開されるように、あるいは遊びを通して総合的な指導が行われるように、あるいは幼児一人一人の発達の特性に応じた指導が行われるようにということを環境を通して行う教育の中でやっていきたい。
それから、今後社会が変化いたします。そういった変化に対応してやっぱり人とかかわりを持つ力を養う、対人関係の力を育成する、あるいは自然との触れ合い、あるいは身近な環境というものに対して十分理解をするといいますか、そういったかかわり合いについて深める、あるいは基本的な生活習慣や態度を育成する、こういったことを今度の改定の柱にいたしたいというふうに思っております。
なお、いろいろなことがございまして、一日の教育時間というのは大体今一日四時間ということを基本に考えておりますが、地域的に言いますと、もうちょっと長くあってほしいというふうな御意見もございます。そういった点については幼稚園や地域の実情はよって弾力的に運用できるように、ある程度その弾力的運用の幅を広げておきたいということを考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/159
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160・高木健太郎
○高木健太郎君 今環境というお話ございましたけれども、やっぱり広さというのが大事なんですが、幼稚園というのは町の中にあるわけですけれども、そんなことできますかね。そういうことはどういうふうに処置されますか。環境がいいところでというと苦しい幼稚園を私たくさん見ますけれども、あんなところでいいのかなと思いますけれども、それは言葉では言えてもなかなかやれないんじゃないでしょうか。そこら辺もひとり何とかこれ工夫をされることが必要だと思います。
それから、短期大学を出てきた方はいろいろの知識は持っておられるでしょうけれども、結局実習というものが余りよくなかったんじゃないか。そこで、実習の時間を短期大学のカリキュラムの中にもっとふやしていく、あるいはまた幼稚園の教師になってから子供を育てる実習のようなことを特にやっている幼稚園もあると聞いております。それらはどのように把握されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/160
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161・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 幼稚園の教員になられる方の教育実習の問題でございますけれども、これは現在の基準では、小学校の場合と同じように四単位の教育実習を行りていただくということになっている次第でございます。
それで、今回提案をしております免許法の改正でございますけれども、これにおきましても、小学校などと同じように事前事後の指導ということで一単位増加することを予定している次第でございます。こうしたことによりまして、従来の教育実習がさらに構造的にしっかりしたものになっていくことを私どもとしては希望している次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/161
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162・高木健太郎
○高木健太郎君 幼稚園の方にお聞きしますと、先ほど私立と公立のお話がございました。で、私立の方が非常に大勢の子供さんを持っておられるというお話でしたですね。ところが、私立と公立とのいわゆる父兄の負担費ですね。 それからいわゆるファカルティーレシオといいますか、先生と子供の数の比ですね。そういうものはどうなっておりますか、平均的でいいんですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/162
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163・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 父兄が負担するお金の額でございますが、いわゆる授業料と入園料というのが二つございまして、幼稚園は一年保育あるいは二年保育ということが主体でございますので、その二つを合わせて申し上げますと、公立の幼稚園では五万七千円ぐらいでございます。それから私立の幼稚園では十八万五千円ということで、その格差は十二万八千円ぐらいの差が、いわゆるその父兄が負担する金においてはこれが一年間の格差でございます。
それから、いわゆる先生と幼児の数で比率でございますが、公立の幼稚園におきましては本務教員一人当たり十八・三人の子供の数でございます。それから私立の幼稚園では二十一・三人ということでして、やはり公立の幼稚園の方がいわゆる先生一人当たりの子供の数は少ないというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/163
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164・高木健太郎
○高木健太郎君 ここに私、公私立幼保の教育費というのを、これはいつのものかはっきりいたしませんけれども、六十二年、六十三年を比較したのがございます。もちろん文部省の方でもお持ちでございましょうけれども、父兄の負担額は、今局長言われたように、大体父兄負担というのは、私立の幼稚園とそれから公立の幼稚園と比べると倍以上なんですね。ところが、実際の合計を見ますというと、今度は実際のお金から見ますと公立の方がはるかに多いわけです。例えば、これ川崎で言いますと、全体の合計を見ますというと、市立のいわゆる公立の幼稚園では十万ぐらいですね、十万九百九十円。ところが私立の方で見ますと二万三千円ぐらい。そうすると五倍ぐらいもう公立の方は全体の経費を使っている。しかも授業料の方は、授業料といいますか、父兄の負担費の方からいいますというと、公立の方は四千四百円、ところが私立の方は一万八千円で、これは四倍ぐらいになっているわけですね。だから父兄負担の方が非常に多くて、しかも全体の経費としては今度は公立の方がはるかに多いということなんです。
これはどこへしわ寄せがいっているかというと、結局設備だとか、それから今さっきおっしゃった生徒とそれから教師の数の比であるとか。ということは、教師一人が受け持っている子供に対する世話がまあ多いから行き届くというわけじゃないでしょうけれども、常識的に考えて子供一人に対する先生の負担が大きいし行き届きかねる。だから、私立の方では園長さんというんですか、園長さんとか理事長さんとか、そういう人たちが一生懸命お手伝いしている。例えば子供の送り迎えにいわゆるマイクロバスみたいなバスか何か出ていますね。その運転は私立の幼稚園では校長さんがやるというわけですね。だから、そういうふうなところで経費を節約して、そしてやっている。それからまた、幼稚園に入ってからやっぱり研修をやりたいと思ってもなかなか経費が出てこないというようなこともありまして、全体として比べますと公立と私立の差が格段に開いてくる。
そこで、今幼稚園に入りたいという子供の入学試験というんでしょうか、入園試験ですね。それは公立の方がずっと難しいんじゃないかと思いますが、朝から並んで札取ってというような話もよく聞くわけですね。こういうふうなことはどこにあるんだろうかと思ってみますと、公立の方は市であれば市費の援助が非常に大きいわけです。それから県費はほとんど出しているところはございませんけれども、名古屋なんかは出ているんですね。国費というのはゼロというわけではないですけれども、まあゼロですね。国費は全然出ておりません。国費はやっぱりこれも名古屋で、何か名古屋ばかりもらっていて悪いですけれども、名古屋がごくわずか、スズメの涙ほどもらっているということなんです。
これは私はこういうことを申し上げるのは、先生のいい人を集める、ここのきょうの教員免許法からいうと、教員の資質であるとかを高めるということが今度の法律改正の非常に大きな目的の一つなんですけれども、手ぶらではなかなかやれないんですね。だから実習を、足りないから研修をさせてやろうと思ってもお金かないというようなことから公立と私立の間に非常に大きな格差が出てくる。集まる先生の方もいい先生が集まってこない。九〇%も行っている。ほとんど半分ぐらいは私立の幼稚園に行っているんですか、もっとたくさん行っている。そういうところで全然経費が足りない。これは私は幼児教育という面から考え、それが将来大人になっていく一番重要な時期の教育政策としてはよくない、何とかここにもっと力を入れなきゃいかぬ、こう思うんです。
これは私立の幼稚園ですから、国費は出しにくいということがおありかもしれませんが、名古屋は出してもらっている。しかし、私立大学はかなりたくさん、二分の一補助というようなことを目指して、それでも足りませんけれども、八〇%から七〇%の大学生を私立の大学は引き受けている。それは人件費という意味で、いわゆる二分の一補助をやっておられますが、幼稚園に対してはどうしてこんなに少ないんでしょうか。それから、これを上げていくということはできぬものでしょうか。その点について何か大臣、これどうお考えになるか、ひとつお聞きしておきたいと思うんです。
私は、幼児教育というのは、今まで老人の方の話ばかりしておりまして、脳死だとかなんかそんなことばかり言っておりまして、不景気なことばかり言っておりましたが、やはりこれから伸びる若い人たちを立派にしなきゃいかぬ。それから、非行だとかなんかも総務庁からもこの間何か出てきました。それでも非行少年は問題であって、総理府調査をしまして、いじめ、深夜遊び、家出、無断外泊、校内暴力、家庭内暴力というのがまだあるわけですね。これが少しも減っていない。それの非行の原因を分析、これが合っているかどうかわかりませんけれども、家庭のしつけが不十分だということをここに統計としては載っているわけです。その家庭が実は日本では、アメリカ式に婦人が外に出て働くというようなことがだんだんふえていく。じゃ、だれが一体子供を見るのだ。そこにはスキンシップも何もないじゃないか。それは幼稚園で一人の先生が二十人の子供を持っている。公立でも十八人の子供を持っている。その中でスキンシップが得られるのだろうかというようなことを私は思うわけです。それに国庫の補助が全くない。名古屋にちょっとある、そういうことで本当にいいのか。
だから、幾ら後で校則というものをたくさんつくりまして、中学にも高等学校にも校則をつくって、髪の毛はここまで、スカートのひだは幾つある、朝は何時までに出てこいとか、そういうばかな校則をつくって人を縛りつけて、そんなことで人間というものは私できていかないと思うんですね。だから、ぜひ幼児のうちにもっと、お金は大したお金じゃないんです。だから、ぜひ幼児教育というものをもう一遍見直していただきまして、ここにお金をつぎ込んで、先生が少ない生徒を自分たちの本当の肌身で世話をしてあげられるというような形のことをひとつぜひお考えを願いたいものだな、こう思ってきょうは御質問申し上げたわけですが、大臣に御感想をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/164
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165・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 大臣が御答弁申し上げる前に私ちょっと現状について御説明いたしますが、私立の幼稚園に対する国の予算というものの重立ったものを申し上げますと、一つは私立幼稚園の施設整備費補助金、これが十三億五千九百万円ございます。それから二番目が私立高等学校等経常費助成費の補助の幼稚園分、私立の幼稚園に対する経常費補助が百五十三億一千五百万円ございます。それから三つ目が私立の特殊教育に関する補助、いわゆる特殊教育の子供に対して特別の補助をするということで、これは二億七千六百万円ございます。それから四番目に、幼稚園の就園奨励費補助として百二十八億六千九百万円という経費がございまして、大体合わせますと三百億ぐらい、この金が私は十分であるというふうに申し上げているわけでございませんが、こういった経費でもって一生懸命に幼児教育について今やっておりますという御報告をまずいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/165
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166・高木健太郎
○高木健太郎君 それじゃ、私が持っているのは、これは政令都市であるから出ないということでしょうか。どういうことでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/166
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167・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 政令都市であっても出ることは出るはずでございまして、経常費補助は都道府県の補助になりますから、都道府県に対しての補助金である、都道府県が補助する場合には国が補助します、こういうことですから、そこが抜けているんだろうというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/167
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168・高木健太郎
○高木健太郎君 それは交付金としてやっておられるんじゃないですか。幼稚園に直接それが必ず行くようになっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/168
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169・野崎弘
○政府委員(野崎弘君) 高校以下の助成につきましては、これは幼稚園も含めまして都道府県に対して補助いたしまして、この都道府県に対する補助の意味というのは、都道府県の行う経常費助成での水準の格差是正を図る、それと同時に引き上げを図るということで、都道府県が補助する場合に国がそれを補助するということで、したがって道府県からの補助というのは当然私立幼稚園の方にも行っておるわけでございます。むしろ国の補助とそれから地方交付税で見ておりますそういう財源措置と両方相まって、私立幼稚園に対する経常費助成が行われているというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/169
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170・高木健太郎
○高木健太郎君 私の持っている資料と大分食い違っているわけですね。これは私の見方が悪いんだと思います。百三十億も三百億も出しておられる。結構なことなんですけれども、ここで見る限り国費というところが保育園には出ているんですけれども幼稚園に出ておらぬですが、さっきのはそれは保育園と幼稚園と一緒にされた数字じゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/170
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171・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 私が申し上げましたのは文部省の予算でございまして、これは私立の幼稚園に対する補助金でございます。したがって、保育所とは関係がない予算でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/171
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172・高木健太郎
○高木健太郎君 ここのところがよくわかりませんので、また後でよく私の方も調べまして、どうしてこれが抜けているのかということを、もちろん自治体からはかなりの補助が出ているんですが、国から出たものを市に回して、そこから出ているということではないんですね、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/172
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173・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 施設設備の補助でありますと直接国から学校法人に向けて出ます。それから、先ほど申し上げましたように、経常費補助の補助金は都道府県に行きまして、都道府県がそれの上に継ぎ足しをしましてそれを学校法人に、私学に持っていく、こういうシステムになります。それから、就園奨励費の場合も同じように市町村に就園奨励費の金が文部省から行きます、一人当たり幾らという形で。それに市町村は継ぎ足しをしまして、そして幼稚園に行くということですから、幼稚園側から見ると市からお金が来ているということになるわけですが、その財源のある部分は国が負担をしているということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/173
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174・高木健太郎
○高木健太郎君 そうすると、それはわかるんですが、保育園の方は非常にたくさんの国費が来ている。これは恐らく厚生省から来ていますから割と多いんでしょうが、それは実はたくさんあってせっかく文部省お出しになってもこういうものには何にも載っておらぬのですよ。それは市費として載っているわけですね、市が補助している。こういうふうに載っているんで、こんなところははっきりしないと、国は何にもしていないと私のような素人はそう思うわけです。これはぜひこういうところもはっきりさせていただきたいし、それから市が出しているといいましても、例えば市立の幼稚園とそれから私立の幼稚園とを比べましても、市費といいましても市立の幼稚園には物すごく多いわけですね。例えばさっき川崎で言いましたけれども、川崎の六十三年度の市費としての補助は公費負担額として九万六千五百九十円。ところが私立の方には六百四十六円しか来ていない。これはどういうわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/174
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175・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 確かにおっしゃいますように、いわゆる公立の幼稚園というのは全部市が経営するわけでございますから、それはその市が全部金を持たなきゃいかぬわけですね。ですからそれは多くなる。私立の場合には、原則的には学校法人が経営をするということでございますから、学校法人がその金を出すという、それは授業料収入であれ入学金収入であれ、いろいろな収入をサイドに置きながら、そういうものを本体に置きます。それに市としては補助をしますということですから、そこの格差は当然大きくなってくるんではないかというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/175
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176・高木健太郎
○高木健太郎君 何回も言うようですけれども、それにしても少ないというのですね。私立の方は六百何十円というのはちょっと考えられないですね。三百億も出していて片方は六百四十円。これは何も川崎ばかりじゃないんですね。ほかの私立のところでも非常に少ないのです。例えば京都ですと、京都の市立の、公立のやつは五万四千幾らとすると、今度は私立のは千四百円ですね。おかしいじゃないかと。それで国費というのはゼロなんです。だから、どうも私は文部省は何もしてないんじゃないかなというふうな印象を受けちゃった。ところが今お聞きすると、三百億も出していますよということですから、それは結構ですけれども、しかしそれはやっぱり怠慢じゃないかなという、結論的にはそう思うのです。
そこで、時間もなくなりましたから、文部大臣から幼児教育につきまして将来どういうふうにしたらいいか。もちろん臨教審の方でもお考えでしょう。いろいろの審査会でもお考えでしょうけれども、何だか大学とかそういうものに比べて幼児というのは置いていかれちゃうんじゃないかというような、やっぱり弱いですからね。自分自身は主張できないわけなんですね。そういう意味では非常に弱い立場にあるから、これは百年の計として文部大臣にぜひひとつ認識をしておいていただきたい。これについての大臣のひとつ御所感をお伺いしたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/176
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177・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 高木先生からの幼児教育の重要性というものを伺っておりまして、私もそう思います。中学、高校になってからいろいろな問題が起きますが、それを目前のこととして対策をとるのも大切であるけれども、その幼児期の影響が出てきておることも多いのではないかというお話もございました。実はこの間の百四十億の脳細胞のお話とか、縦線横線だけしか見せないで育てる猫のお話ですとか、あれは私も伺いまして、うちへ帰りまして、うちの女房に、やっぱり幼児教育というのは大変だというお話をきょう聞いたという話をいたしたところでございます。
そういう面では、家庭の重要性ももちろん大事でありますし、文部省としては三歳児、四歳児、五歳児から始まるわけでございますが、これは金目で申し上げることばかりではないと思いますけれども、今申しましたように、経常費補助あるいは施設整備の補助あるいは市町村が行います就園奨励事業に対します補助、これを含めて今やっておりますが、三百億ということではまだまだ道遠いという感じがいたしますので、今後とも幼児教育の重要性にかんがみまして、その面でも六十四年度概算要求はしておりますけれども、これからさらに努力をいたしてまいりたいとつくづく感じながら拝聴いたしておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/177
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178・高木健太郎
○高木健太郎君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/178
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179・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 官房長、もう出ますか。ちょっとあなたの顔を見ておるといろいろ言いたいことがあるから、じゃ、あっちの内閣委員会が終わったら早く帰ってきてください。
法案に即して質問します。
前回も免許状なし非常勤講師の問題について質問をいたしまして、この新しい制度によりますと、自衛隊員が教科の一部を担当する道が法律の仕組みとしてあり得るんだということを答弁の中で言われているわけでありますが、その前に聞きますが、この免許状なし非常勤講師、クラブ活動及び教科の一部を担当するというのですが、教科の一部、具体的には何を指しますか。何が想定されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/179
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180・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 私ども「教科の領域の一部に係る事項」として想定しておりますのは、家庭科については例えば調理でございますとか、社会科では郷土史でございますとか、英語では英会話がございますし、音楽では器楽実技指導といったようなものが考えられるだろうと思います。
それから、この条文はちょっと読みにくいわけでございますけれども、「教科に関する事項で文部省令で定めるもの」というのがございまして、これは広い意味の教科でございまして、教育課程というふうにお考えいただいてもよろしゅうございますけれども、これにつきましては、特活の中のクラブ活動なんかを予定しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/180
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181・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 意識的にあなた抜かしているけれども、体育の中の剣道、柔道、こういうものも想定されるわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/181
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182・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 体育の中の、今御指摘のようなものも想定される次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/182
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183・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 そこで問題が出てくるので、防衛庁おられますか。――自衛隊法の五十四条で「隊員は、何時でも職務に従事」「できる態勢になければならない。」という定めをしておりますけれども、自衛隊員でこの免許状なし非常勤講師としての仕事についた人はこの五十四条は適用免除されるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/183
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184・三井康有
○説明員(三井康有君) 私どもは、本件につきましていまだ文部省あるいは都道府県の教育委員会から御相談とか御調整をいただいているわけでございませんので、具体的な問題としての検討は一切行っておりません。
したがいまして、純粋に条文解釈の問題としてお答えさせていただきますが、この第五十四条の趣旨といいますのは、防衛ということの任務の特性上、隊員はその職務に従事していない場合、つまり勤務時間の外におきまして、もっと具体的に申しますと、平日の夕方から翌朝まで、あるいは日曜、祭日ですとか、あるいは休暇をとっている日といったようなときにおきましても、もし必要が生じますれば努めて早く職務に従事できるような態勢をとっておらなくちゃいけない。したがいまして、そういった勤務時間外におきましても連絡態勢をはっきりさせる、居場所を明確にするといったようなことを求めているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/184
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185・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 この法案は文部省提出法案というよりは内閣として出した法案でしょう。だから、当然防衛庁も含む内閣、そこでこの法律によって今私が質問している事項がどうなるかということを子細に検討もしておらぬという。法案出して何日たっておるんですか、春から出しておるじゃないですか、この法案は。全く怠慢ですよ。
しかも言うなら、次行きましょう。自衛隊法六十条の第一項「法令に別段の定がある場合を除き、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職務遂行」に用いると。こうなりますと、さっきもあなた、できるだけ早く本務に戻るように職務に従事できる態勢をとらぬといかぬと言いましたけれども、学校の授業というのは、授業をする前にいろいろな準備が要るんですよ。それから、授業が終わった後に生徒がいろいろな質問に来
る、それに対して答えるとか、こういう事前事後の指導のための時間をとる。あるいは、当然新しい勤務場所に勤めるわけだから、そのための通勤の時間がかかる。こういう時間というのは、その六十条一項で言う職務専念義務は免除されるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/185
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186・三井康有
○説明員(三井康有君) お答え申し上げます。
まず、その勤務態勢を維持するための五十四条の規定でございますが、これは具体的に何時間たてば、あるいは何分たてば職務に戻れることを要求しているかといったようなことは一概には申し上げることができないわけでございまして、例えば海外に旅行しているような隊員もあるわけでございまして、そういった隊員につきましては当然日にち単位で帰ってくるということになろうかと思うわけでございます。
他方、今、後半にお尋ねがございました職務専念義務でございますけれども、これは自衛隊員に限らず公務員というものはすべて負っておるわけでございますが、この職務専念義務につきましても、もとより条文上に明記されておりますようは、法令は別段の定めがある場合にはこれは当然に解除されておるわけでございまして、その解除の最も代表的、典型的な例といいますのは休暇といったことなのでございますけれども、それ以外にも同じ自衛隊法の中に明記されておりますようは、兼業あるいは兼職といったことを正規の手続を経て、防衛庁長官等の承認を得て兼業、兼職に従事するといった場合には職務専念義務から解除されるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/186
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187・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 そういう一般論を聞いているんじゃなくて、繰り返し言うようですが、内閣として法案を出したんだから、この法律に基づいて非常勤講師として学校に行く、そういう場合に事前事後の指導もあるでしょう。それなくしては、非常勤講師とはいえ教育の務めは務まらぬわけですから、そういうものは六十条で言う職務専念義務から外れるのか、外してもらえるのか、そこをイエス、ノーで答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/187
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188・三井康有
○説明員(三井康有君) その事前の準備等というものが必ず防衛庁職員としての勤務時間中に行われなければならないものというふうには考えておりませんので、それは十分に両立し得ることではなかろうか、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/188
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189・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 あいまいな答弁で納得できませんよ。
次に、自衛隊法六十四条の一項、これは組合加入の禁止を定めておるんです。世界にも例のない、我が国は自衛隊員、警察職員、消防、こういう者の組合加入を一切禁止している。こうなりますと、学校の授業をやる者の中で特定の人たちだけは組合に入ったらいかぬということが、学校というところは教師がお互いに腹蔵なく話し合って、いかにして子供に役に立つ教育をやるかという職場でしょう。これが特定の者だけ組合に入ったらいかぬ、のけ者だということになる。この点、文部大臣どう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/189
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190・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 政府委員からまず答えさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/190
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191・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 非常勤講師の制度でございますけれども、これは社会的経験を有しておって、特定の分野につき専門的知識、技能を有する方をできるだけ活用しようということで設けられている規定でございます。そういうことでございますので、一定の職業についてどうこう申し上げるよりも、その個々の方がこの制度に適しているかどうかという観点から考えるべきものだというふうに考える次第でございます。そういうことで、特に必要があると認めるときは、そういう非常勤の講師として任用することができるわけでございますけれども、その場合はおきましても授与権者の許可を得てそういうことをするということになって、慎重な手続をとってやっておるわけでございますから、一概に一律にどうこうということにはならないのではないか、そういうふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/191
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192・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 ちょっとおかしな答弁をするね。個々の者とはいえ、柔道、剣道は自衛隊の人なんかは割合得意な人がいますね。だから、そういう人が入ってくるというのはあり得ることなんだ。教育委員会、任命権者が任命したらできるんです。しかし、個々のケース云々というのは、最初の方に言ったのはケースによっては労働組合に入ってもいいということですか、自衛隊員、警察が。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/192
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193・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 自衛隊員が労働組合に入ってもいいかどうかということは自衛隊法の問題であるかと思いますけれども……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/193
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194・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 問題であるから入ったらいかぬのですよ。あいまいにするな、問題を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/194
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195・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) この非常勤講師の規定によって非常勤講師として任用するかどうかは、その方がこの規定の趣旨に合った方かどうかという個々の判断に従うものだというふうは考えるものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/195
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196・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 それは私も認めているんです、そういう法律の仕組みになっておるんだから。だから、仕組み上はあり得るんですよ。自衛隊員の人が柔道、剣道など特定の科目の一部を担当する。しかし、その人に限って労働組合に入るなというわけでしょう。一体職場の団結の関係はどうなるのか。それが教育にどういう影響をもたらすかという問題なんです。
四番目。自衛隊の服装規則というものがあります。この第六条で服装の着用を除外する場合について六つほど定めていますね。その場合に、兼職の職務を行う場合というのは制服を着なくてもいいという特例として入っていないんですよ。そうすると、どうですか、これは。学校の非常勤講師で行くときには制服を着てのこのこ行くんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/196
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197・三井康有
○説明員(三井康有君) 自衛官に対しましては、自衛隊法の第五十八条によりまして、「長官の定めるところに従い、制服を着用し、服装を常に端正に保たなければならない。」という規定がございます。
これを受けまして、自衛官の服装規則と申します、これは防衛庁の訓令でございますが、これの中で長官が具体的に着用の場面等について細部定めておるわけでございますが、確かにその第六条というところには、先生御指摘のように兼業、兼職のときにどうするかといったような書きっぷりというのはないわけでございますけれども、そのかわりと申しますか、自衛官が勤務することなく自衛隊の施設外にある場合は制服を着用しないことができるというふうに明記されておりまして、現にこういった場合はほとんど制服を着用しないでおるというのが実情でもあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/197
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198・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 そんなことは書いてないよ。素人だと思ってごまかしてもだめだ。第六条の第二項には「営舎内又は船舶内」、宿舎とか何とかということは書いてあるけれども、自衛隊と違うところへ働いておるときには着ぬでもいいとかそんなことは書いてないよ。確かに官房長または隊長が許可をした場合には制服を着なくてもいいというのが第六項に入っている。しかし学校長が学校といる場には自衛隊の制服を着てのこのこ来てもらったらふさわしくないということを言う権限がないんですよ。私はこれは教育上大問題だと思います。そう思いませんか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/198
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199・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 自衛隊の服を着られるかどうかというのは自衛隊の方の御判断でございますけれども、仮に先生がおっしゃったように、非常勤講師となった方について、学校の方でいろいろ御要望があればそれを申し上げることは別にやぶさかではない、そのように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/199
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200・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 意見を述べることはできるかもしらぬけれども、法律ないし規則でそのことの判断権は自衛隊側にあるんです。学校側にはないんです。あるんならあると言ってみてごらん、どの法律の根拠に基づいてあると言えるか。意見は述べられるよ、それは言論の自由だから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/200
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201・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先ほど申し上げましたように、それは自衛隊の方の御判断でございます
けれども、学校側がいろいろ御意見があれば幾らでも申し上げることは可能だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/201
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202・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 だから、権限は自衛隊側にあるんですよ、最終的な判断権は。
大臣、いろいろ例を申し上げてきました。学校の教科の一部を担当するということで自衛隊の職員、警察の職員、この警察の中には公安を任務とする、いわばスパイ活動を任務とする、そういう職員も含む警察ですから、こういう人たちが学校なんかへ入ってくるという、こういうことは、教育基本法の理念に照らして反することだと私は思うんですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/202
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203・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 私どもは受け入れる方でございますので、したがって、佐藤委員は限定しておっしゃるわけでありますが、私どもは幅広い分野から教育の社会にいろいろな方を受け入れたい、こういうことでありまして、今申し上げているのは、特定分野で社会的な経験を有する方方をその教育の分野を定めて、しかも授与権者が許可をいたしまして、そして教室に迎え入れよう、それは今までの、免許状を持っていない方でも、そういう社会の職業についたままで、そういう方の知識もそれから経験も技術も教員として教室に受け入れよう、こういうことでございまして、それをお願いをしておるので、やみくもにというわけではございません。したがって、先生が特定分野の、特定の服装の者をおっしゃられても……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/203
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204・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 いや、しかし、そこが問題だからそこに集中して聞いているんだよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/204
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205・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) しかし集中と言われても、それに対して具体にお答えする今知識も立場もございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/205
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206・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 提案者の責任者は文部大臣ですよ。内閣を代表して提案しているんだ。それが何だ、そのことについてお答えする知識も能力もない、そんなことでは困りますよ。そんな提案者はのいてほしいというふうに言いたくなるんですよ、そこまで言わぬにしても。
自衛隊については合憲論、違憲論両論があるということは御存じですね、大臣。これは政治家に聞いた方がいい、政治家。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/206
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207・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 私どもは……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/207
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208・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 黙れ。黙れ、黙れ。文部大臣指名したんだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/208
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209・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 後段の御質問に対しては、違憲論、合憲論両方あることは存じております。
それから、せっかくですから先ほどの件は、私が申し上げる知識も立場にもないと申し上げたのは、具体の問題につきましては、例えば服装については防衛庁なら防衛庁の方にお決めになる定めがあるはずでありますし、ただ私どもは、そういう社会的な経験のある方々を幅広く受け入れようということを御提案をいたしておるわけでございまして、それにはそういう社会的な経験、それから分野で秀でたものを持っておられる方を特定の分野に限ってということと、それから授与権者の許可を必要としてという、こういう幾つかのハードルがございますから、そういう方々の知識がそこに入ってくるわけでありますから、私が個別で決めてしまうというのは、これは問題でございまして、私が今どういう時点で、こういう方をこの学校に入れるについて私が決めてしまうというような知識と立場にはない、こう申し上げたわけでありまして、その点は御理解をいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/209
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210・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 そういう一般論でごまかしたらいかぬと思うんですよ。
とにかく特定の技術や能力に秀でた人を幅広く受け入れようという趣旨だと。だってまさか泥棒の技術に秀でた人を、これも幅広く受け入れようというような、そういうことにはならぬでしょう。どこかで線があるんでしょう、教育の場にふさわしい人という。この点で、自衛隊をめぐっては違憲論もある。こういう状況のもとでこういうことがどんどん起こってきたら、これはこの教育基本法が侵されるおそれがあるんじゃないかということを言っているんです。
そこで、こればかり議論しておるわけにもいかぬから聞きますが、決めるのは教育委員会ですね。そういう法律の仕組みになっていますが、文部省としては自衛隊員や警察職員がどんどんと授業を担当するという方向に進んでくることを好ましいと思いますか、好ましくないと思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/210
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211・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) まだ現段階では自衛隊員の方々がどんどん来るということを予想して御提案しているわけではございませんから、そのことについて特段の判断をしているわけではございません。ただ、この規定の趣旨はあくまでも、「教授又は実習について特に必要があると認めるとき」にその適任の方をお迎えするということでございますので、そういう意味でひとつ御理解をいただきたいというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/211
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212・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 現在の段階では予測つかぬといったって、そういう人たちが入ってくるということが法律の仕組み上あるわけでしょう。そこで、実際に任命するのは教育委員会だけれども、そういうことがどんどんとふえる、そういう人たちがふえるということを、せめて私は余り好ましいことじゃないと思いますという答弁があってしかるべきだと思うんですが、そういう答弁できないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/212
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213・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先生は余り好ましくないとおっしゃいますけれども、特段それの根拠となるようなことも見出せないわけでございますので、特段のことをお答えするわけにはまいらないんじゃないかというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/213
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214・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 もうあなたは局長失格だ。
この機会に聞きますけれども、大学などにおける教職課程、必修科目に憲法はありますね。しかし教育基本法は必修科目に入ってない。なぜですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/214
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215・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 憲法は国の基本にかかわるものでございますので、これは高校教育を担当する方につきましては、やはり一般的かつ基礎的な教養として履修していただくのが適当だというふうに考える次第でございます。そういう観点から、今回の改正案では、一般教育科目について必修ということで義務づけようということで御提案している次第でございます。
教育基本法は大変重要な法律でございますけれども、これは教育関係法規の一環をなすものでございますので、そういう観点から、教職に関する専門教育科目として扱うことが適当と考える次第でございます。特にその具体的な取り扱いにつきましては、教職科目全体の原則に従いまして大学の御判断にまつのが適当ではないかというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/215
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216・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 教育法規という大枠の中で、大学の御判断でどう扱うかをお決めになる問題だということですけれども、そういうことであればやらない大学があってもいいということですね。帝京大学みたいなああいうひどい大学あるんですから。ということで、どういうことが起こるかわからぬ。その教育法規の中で、教育基本法はまさに教育の基本を定めておる、事教育に対してはまさに基本の法律ですから、教育法規の中でも特別に必修だよと、なぜそういう指導をしないんですか、文部省として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/216
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217・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 教育課程の中でどういうものを履修すべきかということはいろいろあるかと思いますけれども、これについてはいろいろの御審議を通じてたくさんの御要望をお聞きしているところでございますけれども、やはり大学における教員養成という観点から見ますと、そうした具体的科目の設置の問題につきましては大学当局が御判断いただくのが一番適切ではないかというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/217
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218・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 その教育法規の中で、教育基本法はぜひ重視をすべきだということを文部省として指導すべきや否やということについて、検討する意思ないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/218
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219・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 重ねてのお尋ね大変恐縮でございますけれども、やっぱり教育法規の一環としての話になるかと思いますので、そうした観点から大学御当局でいろいろ御検討いただくのが適切ではないかというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/219
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220・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 まさに文部省の教育基本法軽視の思想のあらわれだと思うんですよ。
念のため、文部大臣としてはどう思われますか。今は必修科目に指定しておらない、しかし必修科目に指定すべきでないかどうかということを検討の俎上に上せるという気持ちないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/220
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221・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 二つ御答弁申し上げます。
一つは、私ども文教行政にあります者は、教育基本法の精神を遵守してまいっておるつもりでございます。
二番目は、今の点でございますが、教育基本法は、日本国憲法、その憲法に示された理想の実現は根本において教育の力にまつべきものである、こういうことでございます。その受け取り方でございますが、まず憲法がある。そして、それを受けたものでございますから、教育法規の一つとして学校の自主的な判断に任せる、この政府委員の答弁で正しいのではないかと私も考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/221
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222・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 教育法規の中で、ぜひ教育基本法が教えられることが望ましいということは言えませんか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/222
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223・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 大変恐縮でございますけれども、教育基本法は大変重要な法律だということは十分私どもも認識しておるわけでございますけれども、やはり個別の科目をどうこうということになりますと教育法規との関連が非常に重要だということになるわけでございます。私どもといたしましては、教育法規ということを履修するのであれば当然教育基本法も履修されていくというふうには考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/223
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224・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 臨教審でさえ教育基本法というのは大事だということを言って、それは確かに大学の判断の問題であるにせよ、それが教えられることは望ましいということを明言ができないというのは、もうあなた方は文部省の行政を担当する能力と資格なしというふうに私は宣言をしておきます。
特別免許状制度について聞きます。この特別免許状、教科の一部について発行するというんですけれども、想定をされる教科目、逆に与えてはならない教科目、具体例を言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/224
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225・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 特別免許状の与えられる教科でございますけれども、これは四条の六項に規定されている次第でございます。小学校につきましては音楽と図工と家庭と体育でございますし、中学校でございますと、これは全教科ということになる次第でございます。それから高等学校につきましては全教科と、それから教科の領域の一部に係る事項についての免許状がございますので、それに相当するものについても与えることができるということになる次第でございます。それから、盲学校、聾学校、養護学校につきましては、特殊の教科について授与することができるということになる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/225
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226・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 そのあなたの言うた教科の一部についてというそこなんですよ。教科の一部について、与えてはならない教科の一部、何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/226
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227・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 免許法で定める「教科の領域の一部に係る事項」と申しますのは、現行法では柔道、剣道、インテリア、デザイン、建築、計算実務ということでございまして、これがいけない領域の一部というのは別段法令上決まっていない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/227
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228・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 だから、与えてはならない領域というのは特別に定めていないと言うんだから、ここが危険、危険なんです。別に定めてないから、まさか冗談でしょうというふうに言うかもしらぬけれども、例えば泥棒学、殺人学、戦争の仕方、兵器のつくり方、こういうようなものについてもしも免許状が出たらどういうことになるかという点で、これについてはよろしいという場合には、こういうものはいけませんよという逆の歯どめをちゃんとしておくというのが本来の法律なんですよ。欠陥法なんですよ、この法律は、この点からいっても。
もう一つ聞きましょう。この社会的信望、それからいろいろな特別免許状を出すあれについて、学士号を持っている者、それから何とかと、こうあって、その要件に社会的信望のあること、教職への熱意と識見云々という用語が出てくるんですよ、そういうくだりが法律に。これをどういう客観的物差しではかるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/228
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229・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 御指摘の社会的信望、それから必要な熱意と識見という文言でございますけれども、これは法律の五条の三項の推薦の要件として掲げられているものでございます。こうした立法例はほかにもたくさんあるわけでございまして、社会的信望、必要な熱意、識見という文言が各法律に出てくるわけでございます。いずれの法律におきましても、この文言をさらに細かい基準に分けているという例はないわけでございまして、私どももこの文言どおり受け取るべきものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/229
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230・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 だから、それが横着だと言うんだよ、それが。そんなことを言うたら社会的信望とは何か、熱意とは何か、識見とは何か、任命権者が恣意的な解釈をしてどんどん特別免許状の発行をし出したらどういうことになるの。
では逆に聞きましょう。社会的信望というのはお金持ちを含むのか。それから教育愛、教育に対する熱意、かつて勤務評定のときに京都の蜷川知事が言ったんです。教育愛という項目があったんです。教育愛とは抱きつく力だ、こう言った。教育に対する熱情とは抱きつく力。識見とは何か、例えば本をたくさん持っておるということか。イエス・ノーで答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/230
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231・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) この社会的信望、それから熱意、識見というのは売春防止法以下幾つかの法律にも載っているわけでございまして、その解釈自体につきましては、この文言どおり解釈すべきものだというふうに考える次第でございます。そして、これは具体的な問題に当たりまして、その個別のケースについて判断していけば足りる問題ではないかというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/231
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232・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 全然説明になってない。それでは本当に恣意的な解釈でとんでもないことが、とんでもない者に特別免許状が発行されかねない。物差しがないんです、物差しが。物差しを示さずしてこんな法律を出してきたということは、この点でも私は欠陥法、この法律は撤回すべきです。ということを強く言っておきたいと思います。
そこで、こういうわざわざ特別免許状というものを片方でつくるわけですけれども、片一方に膨大な臨時教員がおるんでしょう。教員の免許状も取った、それから採用試験も受けたけれども定員の枠の関係で本採用ができないので、常勤的非常勤講師ということで長年本採用になれないまま悲哀をかこっておる諸君がいるわけです。今回、特別免許状という、こういう制度を出すんですけれども、その後あなたが言ったように、小学校だったら音楽だとか図工だとか体育だとか何かこう言ったね。それから中学校に至っては大体全教科が該当するわけでしょう。そうしたらこの臨時教員を優先採用するという指導を、と言うのは、任命するのは教育委員会だから、各県教育委員会に指導する意思はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/232
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233・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 採用試験を受けられまして採用候補者名簿に登載された方々の実態を若干御説明さしていただいた方がよろしいかと思うわけでございますけれども、六十二年でございますと約三万一千五百人の方は採用試験に合格しまして、候補者名簿に登載されている次第でございます。それで、六十三年五月一日現在でこのうち約二万八千四百余名が採用されたわけでございまして、約三千人の方々はまだ名簿に残っているわけでございますけれども、これはやはり毎年相当数の辞退者があるということや、退職者の見込み、それから翌年度の定数の関係などで若干程度
上回った名簿を登載しているわけでございます。ただ、実際問題としては、大体この名簿に載った方につきましては、多くの県では当該年度中に正式採用になっているというのが実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/233
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234・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 いやいや、そんな甘い状態じゃないんです。全国でそうやって待ちぼうけされておる諸君がたくさんいるんだから。だから組織をつくってどんどん各県で運動をやっておることは耳に入っておるでしょう。私が聞いているのは、そういう人たちを優先採用すべく各都道府県教育委員会を文部省として指導する気はありますかと、これを聞いている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/234
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235・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) その優先採用というのがちょっと私理解できないわけでございますけれども、特別免許状においてそういうことを、採用試験でございますから、残った方々を次の試験の場合に優先的に採用するということは、やはり試験制度の趣旨から若干問題があるのではないかと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/235
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236・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 あんた、臨時教員というのを余りよく知らぬのだね。臨時教員というのは採用試験受かっているんだよ。しかし定員の枠の関係で本採用ができないという諸君なんだ。だからそういう諸君だから、片一方で特別免許状なんという制度をつくるんだったら、その中で臨時教員の諸君をせめて優先採用するという、こういう方向とったらどうだと、こう言った。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/236
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237・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 私ども候補者名簿に載っかった方につきましてはできるだけ採用するようにという御指導はしている次第でございます。ただ、先生のおっしゃっておられる臨時的任用の先生の方の話ですと、これは採用候補者名簿に載っていない方々の臨時的任用の問題ではないかというふうに私は考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/237
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238・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 私はそういう名簿に載っておる人を問題にしているんだ。だから常勤講師になっておるんじゃないか。だから正確に人の言っていることを聞きなさいよ。
もう時間がないから、次、官房長戻ってきたからあなたに言わなくちゃいけない。あの高石問題です。本来は理事会一致の確認で高石氏を当委員会に早く出席をさせて真実を明らかにするということになっておったんですけれども、日たつ中で病気と称して出席できない旨のそういう連絡が先週来ました。しかし診断書の提出もないということで、ようやく本日着いた。着いたのを見ると、見るとというのは、明らかにされている範囲内では病院名も氏名も伏せたまま、おまけにその診断書には何日間の静養を要するかということも書いてないような、ちょっと通常の診断書としては通らぬような、そういう私、欠陥欠陥と言いますけれども、欠陥診断書ということで、やっと昼の理事会で委員長がわざわざ電話で尋ねたところによると、一カ月の静養を要するという口頭補足があった。こっちから尋ねてみて初めてですよ。ということで、高石氏というのは、文部大臣が今度の日曜日会いたいと言ったってけっちん食らわすような、そういう本当にけしからぬ男ですけれども、事この段階では参考人として出てこいというようななまぬるいような態度だから、のさばり返っておるんですよ。だから私はこの段階ではもう証人喚問に切りかえて、そしてドクターつきで呼び出すなりなんなり、病院行って臨床尋問をするなり、こういう強硬手段をとるべきだというふうに思うんですけれども、それはさておきまして、いろいろ資料要求したんですよ。これに対して、せめて大臣がワープロ打ったというあの五十項目のこの質問項目だけでもどういうことを質問しているのかということを資料で出してくれ言ったらこれ出さないというんです。私は本当にけしからぬということで、なぜそうするのか、これは大臣にお尋ねします。
それから官房長に聞きます。高石氏の退職金問題ですよ。新聞にも朝日新聞に出ました。プライバシーだとか称して依然として数字を明らかにしようとしないんだけれども、朝日新聞に六千五百万というんでしょう。これが事実と違うなら違う。とにかく三割増しにしたわけだ、定年前退職だから。それで明らかに三月の段階で福岡では出馬をにおわす記者会見やっておる。そして四月では議運で問題になったでしょう。在職中のくせに事前運動みたいなことやっておって何だと。おまけに政治家たるものは参議院よりも衆議院の方がええというようなことで議運で問題になったんですよ。ということから、本当を言えば総務庁の通達に照らしても三割の割り増し退職金なんというものは出すべきじゃない。それを出しておる、三割というとこの六千五百万の三割といったら千五百万円です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/238
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239・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) 佐藤君、時間ですから簡潔に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/239
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240・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 ということで以上申し上げて答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/240
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241・加戸守行
○政府委員(加戸守行君) まず五十項目の質問書でございますが、これは文部省として実情を把握したいという観点で文部省対高石前次官の間におきまして公表を前提としないで質問申し上げた事柄でございますのでお許しをいただいたということでございます。
それから高石前次官の退職金に関する事柄でございますけれども、先ほど参議院の内閣委員会でも同じような質問ございまして答弁申し上げましたが、個人の事情に属する事柄でございますので、従来から各省とも事務次官等の退職手当について金額を公表いたしておりませんのでお許しいただきたいと思います。それから、この事柄につきましては、国家公務員の退職手当法の規定により正規に計算されたものでございます。
なお、政治的な立候補との関係の問題でございますが、高石前次官は六十一年に就任いたしまして二年を経過したわけでございまして、従来から文部省の事務次官は一年ないし二年で定年以前に御勇退をいただいて後進に道を譲るという慣例がございます。そういう意味でいわゆる人事の刷新あるいは後進に道を譲るという視点から行われ、勧奨退職として取り扱われている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/241
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242・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/242
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243・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 私に対する御質問は五十項目のものはなぜ表に出せなかったかということであります。これも官房長からお答えをいたしましたけれども、私はもう一つちょっと理由がありまして、その五十項目をつくりました時点が十一月の十三日でございました。その時点はまだ奥様がということでございましたから、重要な点は例えば奥様がだれから聞いたのであるか、それから三千万の融資を受けたときの利子は幾らだったか、その値上がりをするかしないかわからないのに、御主人に相談せずにというようなことがずっとあったわけであります。ところが、そのときは私は奥様ということを信じて設問をいたしたわけでありますので、十八日にその重要なところがひっくり返った途端に、私はもうこれはちょっと難しい、表現、言いにくいところでありますが、以後はどうぞ御自分で公表なさってくださいという気持ちに切りかえたのも御理解いただけるかな、現在そういう心境でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/243
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244・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/244
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245・勝木健司
○勝木健司君 それでは、最初に中島文部大臣にお伺いしたいというふうに思います。
〔委員長退席、理事林寛子君着席〕
初任者研修はもう既に導入が決まっておるわけでありまして、続いて今免許法の改正ということで、いわゆる教員の資質向上に関する二つの大改革が日の目を見ようとしておるわけでありますが、私どもは教育のかなめは教師にありということで、国家百年の計と子供たちのよりよき将来を願う観点から、教育改革に本腰を入れて取り組んできたところであります。しかし今国会では今問題となっておりますリクルート問題におきまして、文部省とリクルートとのかかわりが取りざたされるという状況でありまして、本当の意味での教育改革にもう若干憂慮せざるを得ないという状況であります。一日も早くさまざまな疑念というものを解消してもらって教育改革の推進に全省挙
げて取り組んでいただきたいところでありますけれども、けさほどの理事懇で大臣発言メモをいただいておりますが、改めて中島文部大臣からこの問題に対する御見解と御決意のほどをお伺いしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/245
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246・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 勝木委員おっしゃいますように、高石前文部事務次官の問題から派生をいたしておりますが、その後一連の事態がふくそういたしまして、複合して文部省に対します信頼が著しく損なわれておる状態であるというふうに認識をいたします。
高石氏のことを含めまして、また文部省とリクルートと今おっしゃったように思いますが、確かにそういう感覚でとらえられているとするならば、これはもういち早く私どもはそれを精査し、そして今後再びこのような疑念を持たれることがないように払拭していかなければならないということから出直しまして、特に教育改革を進める上におきましては、多くの国民の方々の御理解、または現場の教員の方々の御理解、そういうものを含めてまいりませんと、とても教育改革は進められるものではない、そういう状態の中でございますので、私が考えまして今とり得る方法というのは三つあると。
その一つは、まず責任者たる私自身がみずから自戒をいたさなければならない。同時に、全職員に綱紀の粛正を求めるには幹部職員がまず改めなければならないということで、とり得る方法としては、私から事務次官、官房長に対して厳重注意を申し渡した。同時に、それで終わるのかということではいけませんので、今後服務規律に照らしまして、再び過ちがないようにいたしますために、服務調査指導委員会というものをみずから省内に設け、これからの事態に再び誤りないように備えていこう、そういうことをいたしました上で全職員が一丸となって信頼の取り戻し、回復に全力を傾けようということを誓い合ったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/246
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247・勝木健司
○勝木健司君 この問題につきましては、朝の理事懇でも、この法案の中でやるということも大事でありますけれども、切り離して引き続き文教委員会で問題として取り上げていこうということを理事懇でも確認をされつつありますので、このぐらいにして、時間の関係で次に進ませていただきたいと思います。
次に、文部省の予算等々についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
ことしの十一月十日付の時事通信社の官庁速報によりますと、大蔵省は学校事務職員や学校栄養職員の人件費を国庫負担の対象から外していこう、そして地方交付税による一般財源化措置に切りかえる方向で検討をし始めたというふうな記事が戦っておりましたけれども、これが事実なのかどうかお伺いをいたしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/247
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248・加戸守行
○政府委員(加戸守行君) これは例年のことでございますが、予算編成に当たりまして最大の難点になりますのが公務員のベースアップ、特に文部省関係でございますと、教職員の給与ベースアップの財源が多額に上るわけでございます。それをどういった形で措置するかという絡みもございまして、文部省のいろいろな切り詰めた予算要求の中で、しかもそれを飲み込んで行うということは事実上不可能でございますので、いつも予算編成時期になりますと、事務職員あるいは学校栄養職員の国庫負担を廃止して一般財源化すればその分がベースアップの財源に充てられるのではないかという観点で例年このような動きが出てまいるわけでございまして、本年につきましても当然財政当局からそのようなお話があることは事実でございます。
ただ、文部省といたしましては、事務職員あるいは学校栄養職員が学校の基幹的な職員であるという考え方の基本のもとに、この制度を堅持したいという対応をしているわけでございまして、財政難の中でございますが、厳しい状況の中で文部省なりの努力をしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/248
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249・勝木健司
○勝木健司君 義務教育費の国庫負担金というのが文部省予算の中でも二兆四千六百二十一億円、五三・八%を占めておるということで、割合が確かに高いということで抑制策を検討するのかどうかということでありますけれども、こういうことじゃないんだということで、やっぱり教育費の中で最も重要なことは優秀な人材を確保することじゃないかということで、人件費が高い割合を占めるのは当然であるというふうに私も思います。そういった意味で、義務教育費の国庫負担制度の対象の見直しということじゃなしに、国庫負担率を検討してはどうかというふうに思うわけでありますけれども、お伺いをいたしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/249
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250・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 義務教育費国庫負担金の負担率のお話でございますけれども、申すまでもないことでございますけれども、義務教育は国民として必要な基礎的資質を養うものであるというふうに考えている次第でございます。これは憲法上の国民の権利義務にかかわるものでございますので、国は義務教育について地方団体と責任を分かって最終的な責任を負うものであるというふうに考えるわけでございます。こうした観点から公立義務教育諸学校の教職員の給与費については地方と責任を分かってその二分の一を国庫負担するということになっているわけでございます。
このような基本的な考え方でございますので、私どもとしてはこの負担率についてどうこうするということは考えていないわけでございまして、事務職員、栄養職員が従来どおり基幹的職員ということを考えると同時に、負担率についても従来どおりの考え方で要求をしてまいりたい、そのように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/250
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251・勝木健司
○勝木健司君 それでは法案の方に移らしていただきますが、非常勤講師の問題ということで、免許状がなくても授与権者の許可があれば教科の領域の一部に係る事項の教授または実施を担任する非常勤講師として社会人が教壇に立てることになるとされておるということでありますが、この「教科の領域の一部に係る事項等」とはどういうものなのかということ、そしてまたこの問題についての具体的な事例を挙げて説明をいただきたい。そしてまたいわゆる非常勤講師として一年間特定の科目を受け持つというようなことは可能であるのかどうかということ。また大学の先生が小中高校で、高校の先生がまた小中学校でといった他の学校段階での先生が教えるということも、この制度で可能になるのかどうかということもあわせてお伺いをいたしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/251
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252・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 今御指摘の「教科の領域の一部に係る事項等」の「等」の問題でございますけれども、これは免許法三条二項ただし書きに規定をしております「教科に関する事項で文部省令で定めるもの」を指す次第でございます。
それで、その内容でございますけれども、これは特別活動のうちのクラブ活動というようなものを予定している次第でございます。
それから、免許状を有しない非常勤講師が教科の領域の一部に係る事項の教育を一年間担当するということは、これは可能だというふうに考えている次第でございます。
それからまた、特定の学校の先生が他の学校の非常勤講師、この規定によった非常勤講師になれるかというお話でございますけれども、制度上はこれによってなることは可能だというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/252
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253・勝木健司
○勝木健司君 今回の改正で免許状授与に必要な単位数の引き上げというものがかなり大幅になっておりますが、どのような科目がふえておるのかということ。そしてまた、ただ単に単位数をふやすだけでなく、養成段階で教師として動機づけを高めていく、そしてまたより実践的な指導力を身につけるという観点からカリキュラム編成が必要ではないかというふうに思うわけでありますが、これについての見解をお伺いしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/253
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254・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先生御指摘のように、最近、社会におきましては情報化の進展でございますとか、それから学校の教育内容の問題、それから児童生徒の状況などという問題もございまして、学校におきまして実践的指導力を身につけた教師というのが非常に熱望されているところでございます。そうした考え方から、養成段階におきましても実践的指導力の基礎を養うことが必要だという考え方に立ちまして、今回免許基準の引き上げということを考えている次第でございます。
それでございまして、主に一般大学にも関係のあります中学校、高等学校の例をとりますと、これは五単位の引き上げということになっているわけでございますけれども、これは昨年十二月の教育職員養成審議会の御答申にもありますように、教育の方法、技術でございますとか、特別活動に関する科目でございますとか、それから生徒指導に関する科目でございますとか、それから教育実習の事前、事後指導などについて単位を引き上げるという考え方をとっている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/254
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255・勝木健司
○勝木健司君 現在教員免許を取得するためには取得しなければならない科目というのは、いわゆる教育原理とか教育心理学等の教職に関する専門科目、また教科ごとに定められている教科に関する専門科目、そういうふうに大きく分かれておるように思うわけでありますけれども、いわゆる教科に関する専門科目について、免許法の施行規則の中で「一般的包括的な内容を含むものでなければならない。」というふうにされておるわけでありますけれども、しかし実態としてそれぞれの学問の専門家が担当することになるため、極めて狭くまた特殊な内容の講義になることもままあるんじゃないかということで、教員志望者にとって不満なものになっているというふうにも聞いておるわけでありますが、この教科教育法等、また教科に関する専門科目との連携というものも十分図られているとは言いがたいのじゃないかというふうにも思われるわけであります。
〔理事林寛子君退席、委員長着席〕そういった意味で教員養成過程における専門科目のあり方についてどういうふうにお考えなのか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/255
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256・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先生御指摘の点は大変重要な点だというふうに私どもも認識しているわけでございます。教科専門科目が「一般的包括的な内容を含むものでなければならない。」わけでございますけれども、先生御指摘のようなものがままあることも否定しがたい事実ではないかというふうに考えるわけでございまして、私ども今後ともこういう点につきましてはいろいろな会議で大学側に御要望してまいりたい、そのように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/256
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257・勝木健司
○勝木健司君 今言いましたように一般教育、そして教科に関する専門科目、そしてまた教職に関する専門科目というものも大事だということで、この三領域だけで本当に果たして十分であろうかどうかということでもあります。
例えば社会科の、特に歴史の先生になろうとする学生がいるとしますと、歴史の事実について知っておく必要というものはもちろんあるわけでありますけれども、子供たちに歴史についての正しい認識を持たせるためのそういう歴史意識に関する知見というものも持っていなければならないというふうに思うわけであります。一般教育の歴史学やあるいは社会学、また教科の専門科目における哲学あるいは倫理学あるいは日本史、外国史、また教職の専門科目における社会科教育法といった領域にすべてにまたがる、例えばそういう歴史意識の形成過程といった、そういう三つがそれぞればらばらじゃなしに総合的に、また学際的な科目、言ってみれば学際的な科目もこの際必要じゃないかというふうに考えられるわけでありますけれども、お伺いをしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/257
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258・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) この免許法で定めております単位でございますが、これは例えば中学校の一種免許状をとってみますと、教科に関するものが四十単位、それから教職に関するものが十九単位ということで五十九単位を取るように規定されているわけでございます。ただ、大学を卒業するということになりますと最低でも百二十四単位を取得しなければならないわけでございまして、私どもが規定しております五十九単位については先生のおっしゃいますような学際的な分野とか、そういうことを学習するようにはなっていないわけでございますけれども、百二十四単位という広い枠の中では一般教育科目または専門教育科目の中におきまして先生の御指摘のような点についての学習が可能だと思う次第でございまして、まさに先生の御指摘のような点については大学当局におかれて十分留意されて対処されるべき話ではないかというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/258
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259・勝木健司
○勝木健司君 学習指導要領の改定に伴って現在の高校社会科は地歴と公民とに再編されるということになるというふうに聞いておりますけれども、この再編は免許法改正の中ではどのように対処されていくつもりなのか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/259
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260・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 教育職員養成審議会の答申が昨年の十二月に出ているわけでございますけれども、ここでは高等学校の教育課程において社会科が再編成され、教科として地歴及び公民が設けられた場合には、免許教科として地歴及び公民を設ける必要があるというふうに指摘されているわけでございます。私どもは教育課程の改定によります省令の改正が行われました場合には、免許法を改正いたしまして地歴とそれから公民の教科を免許教科として規定していく必要があるのではないか、そのように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/260
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261・勝木健司
○勝木健司君 次に、今回の法案は六十四年の四月から施行ということでありますけれども、六十九年の三月三十一日までは経過措置として現在のゼロ単位上進が存続するというふうに聞いておりますけれども、これは事実であるかどうかということでありますと同時に、この経過措置が置かれますと現在経験十年以上の現職教員は経験年数のみで上級免許を取得できることになるわけでありますけれども、十年未満の人は二種免許所持者の場合は単位取得の努力義務が課せられるというわけでありまして、この点の不均衡とか不公正に何らかの配慮が必要じゃないかということで、先ほども同僚先生からもありましたけれども、そういうところでの配慮というのが必要になってくるんじゃないかというふうに思われますけれども、お伺いをいたしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/261
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262・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先生御指摘のように、十年以上おたちの方につきましては十五年ゼロ単位がそのまま適用されるわけでございます。それから、四月一日からお入りになる方については十五年ゼロ単位の規定はもう適用になりませんし、それから十二年過ぎたときに単位を修得すべき課程の指定とかいろいろな措置がある次第でございます。その真ん中の措置といたしまして、現に教職にある方であってしかも十二年未満の方については、いわゆる三十五単位の軽減措置がなくなるというような規定は適用されない、こういう特別な経過措置を設けているわけでございまして、現職の方についてはその経験年数に応じて経過措置を設けているという立場をとっている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/262
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263・勝木健司
○勝木健司君 この法案と離れて、少し若干時間も余りありませんけれども、教員養成の全般について質問をしたいと思いますが、教員養成の年限の問題でありますけれども、教養審の答申の中でも教員養成の年限の延長というものが今後の検討課題となっておるというふうに思います。現在の大学学部四年間プラス一年間の初任者研修で果たして十分なのかということであります。現在の初任研をさらに試補制に改めるなり、また養成期間を延長するなりしなければ、今この法律で言う専門性が高くなるあるいは視野の広い教員というものが養成できないんじゃないかというふうに危惧されるわけでありますが、これについてお伺いをしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/263
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264・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 最初に試補制度の問題でございますけれども、これは昭和四十六年の中教審の答申で「特別な身分において一年程度の期間任命権者の計画のもとに実地修練を行なわせ、その成績によって教諭に採用する制度」というふうにあるわけでございまして、試補制度といいますと、これが試補制度ではないかというふうに考える次第でございますけれども、これは特別な身分の導入ということが現行の公務員制度の基本にかかわってくる、そういうことからその実施が見送られてきたものだというふうに考えておる次第でございます。
それから、教員養成年限の延長の問題でございますけれども、これは他の学部との関連もいろいろあるわけでございますし、大学制度全般にもかかわっていく問題であるという認識から教育職員養成審議会の御答申におきましても、今後引き続き検討すべき課題とされているところでございまして、これは慎重に対応していく必要があるんじゃないかというふうに考える次第でございます。
また、初任者研修制度が創設された次第でございますけれども、これは実践的な研修でございまして、実践的指導力を養おうというものでございます。六十四年度から校種ごとに実施されることになっておりますので、私どもはその円滑かつ効果的な実施に十分努めてまいりたい、そのように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/264
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265・勝木健司
○勝木健司君 次にお伺いしますが、現在免許状を持ちながら教職についていない人の数はどれぐらいあるのか、いわゆるペーパーティーチャーの存在について文部省はどういうお考えなのかお伺いしたい。そしてまた、一つの考え方でありますけれども、このペーパーティーチャーを排除して、本当に先生になろうという人が免許取得するためにはやっぱり免証状に期限を付すべきだというやり方も考えられると思われるわけでありますけれども、文部省の見解をお伺いしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/265
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266・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) いわゆるペーパーティーチャーの数字をちょっと今持ち合わせておりませんので大変恐縮でございますけれども、私ども大学における開放制の原則のもとに教員養成を行うということであれば、いわゆるペーパーティーチャーが出てもそれはやむを得ないのではないかという考え方を持っている次第でございます。
それから、免証状に期限を付して更新時に研修を義務づけるという問題でございますけれども、これは我が国の医者でございますとか弁護士などのいろいろな職業の資格があるわけでございますけれども、そうしたものにほとんど例がないわけでございます。それから、更新できない場合に、さてどうするかということがあるわけでございますけれども、これは我が国の雇用慣行とか、公務員における身分保障の関係なんかから大変大きな問題があるのではないかというふうに考える次第でございます。こうしたことから教養審の答申におかれましても、今後の検討課題ということにされている次第でございます。
それから、そうしたことでございますので、この問題については私どもも慎重に対応していく必要があるのではないかというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/266
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267・勝木健司
○勝木健司君 教育実習についてでありますけれども、現在の教育実習は実習生の受け入れ側にとって大変な負担になっておるというふうに聞いております。事前指導またオリエンテーションというものが各大学あるいは短大で十分行われておるのかどうかということ。また実習生を送り出す大学側と受け入れる学校側との連絡調整というのは具体的にどのように図られておるのか、お伺いをしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/267
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268・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先生御指摘のように、教育実習の問題はいろいろな問題を抱えているというふうに私どもも認識している次第でございます。ただ、そういうことのために今回の改正では、教育実習の一環といたしまして事前及び事後指導というのを一単位新たに設けるようにしている次第でございます。この中で、オリエンテーションでございますとか、学習指導案の作成等の準備、それから模擬実習などにつきまして、事前に適切な指導をしていただきたいというふうに考えている次第でございます。
それから、大学と教育実習校との連絡の問題でございますけれども、これは大学に教育実習連絡指導教員を配置するようにお願いしているわけでございまして、この方が実習校側との連絡や実習生の指導に当たっているということでございまして、必要に応じては実際に学校まで出かけていって指導するという建前をとってやっておるわけでございますけれども、必ずしも十分に行われていないということも聞くわけでございますので、今後とも十分大学側に要望を続けてまいりたい、そのように考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/268
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269・勝木健司
○勝木健司君 実習生になろうと思う人はやっぱり本当に教師になろうとする者に限定すべきじゃないかというふうに思うわけであります。ペーパーティーチャーにしかならない者を受け入れさせられる学校というものは大変迷惑をしておるということも聞き及んでおります。そういった意味では、採用試験を早期化していく、そして筆記の第一次試験合格者のみ教育実習を課して、その実習を面接、実技等とあわせて二次試験として採用を決定するというようなやり方も考えられるんじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、お考え方をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/269
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270・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先生のお考えも一つのお考え方かと思うわけでございますけれども、一番の問題は、教育実習というのは大学の教育課程の一部をなしているというところに一番の問題があると思う次第でございます。
それから教育実習の重要性の問題でございますけれども、これはやはり児童生徒と直接接触することによって初めて大学で学びました知識や理論というものを現実の学校教育に適用する能力の問題でございますとか、それから現場での問題解決能力を養うには教育実習が欠かせないというふうに言われている次第でございます。また、教員として自分自身が本当に適性があるかどうか、そういうことを大学の養成段階で自覚するためにも教育実習が必要だというふうに言われているわけでございまして、やはり免許状を授与する前段階の話といたしまして、この教育実習は欠かせないのではないかというふうに考える次第でございまして、御指摘のような制度をとるということになりますと免許制度の根幹にもかかわってくるわけでございまして、なかなか困難な点が多いというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/270
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271・勝木健司
○勝木健司君 それでは、現在教員養成学部で教員需要の減少に伴って学部の衣がえをしておるというところもふえておるというふうに聞いておりますが、これらの動向についての所見をお伺いしたいというふうに思います。
同時に、一般の大学学部でかつて教職専門科目に最低限の教員しか置かない、形だけの事務で安易に免許を出しているところが見かけられた傾向があったわけでありますけれども、最近はその辺どう改善されておるのか、あわせてお伺いをしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/271
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272・國分正明
○政府委員(國分正明君) 国立の教員養成大学学部の改組の問題でございますが、御案内のように、地域によって事情は違っておりますけれども、我が国全体としまして児童生徒数が減少しているわけでございまして、これに伴いまして教員採用数の減少ということから国立の教員養成大学学部の卒業生の教員就職率というのは低下している状況にございます。現在六〇%を切っているというような状況になっているわけでございます。
こういう状況を見てみまして、この点については本委員会でも附帯決議がございました。これらを踏まえまして文部省におきまして調査研究会議を持ちまして、そこで取りまとめました報告、具体的には、地域の実情に応じ教員養成大学学部の入学定員の一部を他学部等に振りかえる。または教員養成学部の中に教員以外の職業分野への進出を想定した課程等を設置する。こういう報告をいただいたわけでございまして、この報告に沿って現在改組を進めている、こういうことでございます。
既に、昭和六十二年度に三大学、それから六十三年度に十三大学につきましてただいま申し上げました方法での改組を図ったわけでございますが、六十四年度におきましても、これはまだ概算要求段階でございますけれども、十三大学についてただいま申し上げました方法での整備をしようということで概算要求をしている、こういう段階でございます。
これらにつきましては、今後とも、ただいま申し上げました報告、これに沿いまして、ただ地域によって随分実情も違うわけでございますし、また各大学の御意向というものもございますので、それらを踏まえて対処してまいりたい、こんなふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/272
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273・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 養成課程におきます教員組織の問題かと思うわけでございますけれども、これにつきましては課程認定の際にその教員組織についても御提出いただき、私どもが審査している次第でございます。ただ、その後の問題につきましても、私ども課程認定を受けられましたときの組織を維持されるように今後とも十分留意し御指導してまいりたい、このように考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/273
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274・勝木健司
○勝木健司君 時間がありませんので次に進ませていただきますが、いわゆる六年制中高一貫の中等学校について教養審でも新たな免許状の設置というものが求められておるように思います。教育課程や教員免許など六年制中等学校設置にはいろいろの問題があるというふうに思うわけでありますが、その最大のネックの一つは、やはり教育基本法の第四条の義務教育を九年とするという条項があるため、前期三年あるいは後期三年の接続をどうするかという問題であるというふうに思うのであります。仮に、学校教育法を改正して現在の中学、高校と並んで六年制中等学校を創設するといたしますと、既存の中学、高校との関係また目的が問題になってくるというふうに思うわけでありますが、これらの問題についてどうお考えなのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/274
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275・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) 六年制中等学校の問題については臨教審の第一次答申におきまして、こういったことを考えたらどうかという御提案をいただいたわけでございますが、そのうち文部省といたしましては中等教育改革の推進に関する調査研究協力者会議という、そういった外部の方も入った形で御検討いただきましたが、結論的にはもうちょっと検討を要する問題がある。その問題点は三つございまして、一つはその意義と課題というものをもう少し詰めるべきだということが一つ。それから、後期中等教育が今後多様化、弾力化していくだろう、そのときの動向に合わせてここのところをどう考えるんだという基本的な視点を考える。それから三番目として、いわゆる設置者というのは都道府県になるか市町村になるか、その設置者側の意向というものはまだ十分来ていないということから、もうちょっと検討すべきであるというふうな御意見をいただきました。
したがいまして、私たちといたしましては、現在高等学校の教育の個性化の推進に関する研究会議を持っておりますので、そこでも後期中等教育全体の問題として今後なお検討すべき問題であるというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/275
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276・勝木健司
○勝木健司君 最後になりますけれども、免許状の失効及び取り上げについてお伺いをしたいというふうに思います。
教育職員免許法第五条、第十条、第十一条からして、明らかに教員としての資質に欠ける者が父母や生徒に大きな迷惑をかけているという例が見受けられるわけでありますが、これらに対しての免許状の取り上げ、失効ができるのかどうか、お伺いをしたいというふうに思います。
またあわせて、いわゆる成田闘争などに参加している過激派に地方公務員が見られるというふうに聞いておりますが、果たして教員は含まれておるのかどうか。もしいた場合に、第五条第一項に該当するのかどうか、あわせてお伺いをいたしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/276
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277・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 免許状の失効の問題でございますけれども、これは第五条に規定されておりますように、禁治産者、準禁治産者に該当する場合、それから禁錮以上の刑に処せられた場合、それから政府を暴力で破壊することを主張する団体を結成し、またはこれに加入した者に該当する場合ということになっている次第でございます。それから、免許状を取り上げる処分の場合でございますけれども、これは、法令の規定に故意に違反した場合、それからふさわしくない非行があって、その情状が重いと認められる場合ということになっている次第でございます。
それで、今先生成田闘争のことを御指摘になったわけでございますけれども、私ども、その具体的な事情について、大変恐縮でございますけれども、まだつまびらかにしておりませんので、ひとつその点については御検討の時間を与えていただきたいというふうにお願いする次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/277
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278・勝木健司
○勝木健司君 時間ありますけれども、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/278
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279・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) 午後五時まで休憩いたします。
午後四時三十一分休憩
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午後五時六分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/279
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280・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、教育職員免許法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/280
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281・下村泰
○下村泰君 まず、大臣にお伺いしたいと思うんですが、本当に御苦労さんです、あちらこちら飛んで歩いて。それこそ何といいますか、脈拍も落ちつかない状態じゃないかと思うんですけれども。
いわゆる文部省ですね、大臣の頭の中に描いていらっしゃるこの先生、教師というのは、一体どういう像を考えていらっしゃるのか。教師の、先生の資質向上なんということが書いてありますけれども、資質向上にとどまらず、つまり文部省として期待している先生の姿、この教師像というのはどういう姿を描いて、この法をつまり改正されるんでしょうか。まずひとつ、それを聞かせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/281
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282・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 二つ申し上げますが、一つはやはり文部省的なお答えをまず申し上げます。
それにはやはり、教育に対する使命感あるいは発達段階に応じた理解力、それから子供たちに対する愛情、それから専門的な知識、それと豊かな教養とそれをもとにした実践的な指導力、こういうことに相なります。やや役所的なお答えになります。
で、私自身から申しますと、私が子供であったら、やはり愛情と、それから先生自身があすに向かって活力ある進み方をしている、この先生についていきたいと、こういう感じの先生じゃなかろうかというふうに思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/282
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283・下村泰
○下村泰君 大臣も、何ですか、私が質問するときはうれしそうなお顔をしてお答えになりますけれども。
そこで、ある週刊誌の記事なんですがね。改正に賛成する立場の、これは全ニホンと読むんですか、全ニッポンと読むんですか、教職員連盟の幹部の方に聞くと、ある記事の記者がお尋ねになっているんですけれども、この幹部の方は、非常に話を歴史的に解釈している。
「昔、教員が尊敬されたのは、父母より教員の方が学歴が高かったことにもよる。かつては教員の標準は師範学校卒だった。教員というのは、医師と同じく、目的養成だった。ところが戦争で人材が払底し、仕方なく、女学校を出てさらに臨時教員養成所で二年勉強すれば教員になれるようにした。戦後も先生が足りないから、目的養成から開放制に変り、どこの大学でも教員を養成することができるようになった。しかし、今は父母の方も学歴が高くなって、教員免許を取っている父母もどんどん増えている」
で、この記者は
従って、父母の信頼を得るために教員の学歴を引き上げようというのだろうか。
というふうに書いていましてね。
ある教員養成大学の教授は、「学歴の高い親から突っ込まれると、短大出の先生などはシドロモドロで答えられないことがある。基礎学力が足りないから当然です。日教組は先生同士の競争を嫌うが、それが事なかれ主義の先生を増やしている。今度の改正のねらいは、短大卒の先生を減らしていき、それと共に、向上心のない先生を排除しようということです。一つの試みとしてはいい」
こういうことを言っていますね。
問題は学歴そのものより先生の”やる気”なのだ。その点に関して、先の全日本教職員連盟の幹部は、「本当は、教員の給料を上げるのが一番いい。四十九年の人材確保法で、教員の給与を五〇%上げた。そのため「五十四年ごろ採用された先生は優秀です。大勢集まって競争が起ったからです。だが、今はまた下って、教員の給与は、一般行政職の人より一七%高に過ぎない」
教員の質の向上には決め手はないといわれる。
こういうふうに書かれているんです。あとはくどくどアメリカの方でもこんなことがあるなんていうふうに書いてございますけれども、これをお聞きになって大臣はどういうふうな御感想をお持ちになりましたでしょうか、今私が読んだものをお聞きになって。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/283
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284・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 全く否定もいたしませんけれども、しかしそういう中で私どもは今せっかく免許法をお願いいたしておるところでございますので、それに沿って言えば教育のことをあずかっております文部省としては、やはり教育の質の向上と活性化を考えますと、人を教えるのは教員でございますから、教員の方々の、教員になられましてもやはり現職研修ということでさらに研修をしていただく。同時に、幅広いところからふさわしい方々を教育の場にお呼びして、そして活性化をする、その二つを大きな目標にしてこの免許法の一部改正をお願いいたしておるところでございますので、今せっかくお読みになったことに直接のお答えにならなくて申しわけないんですが、以上のように考えながら伺っておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/284
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285・下村泰
○下村泰君 それじゃ、また障害者の教育の問題に触れてまいりますけれども、先日大臣に御紹介しましたカニングハム・久子さん、この方が、ニューョークの特殊教育の担任は修士以上の資格が必要なんだそうです、あちらでは。しかし学歴と資質は別でチームワークが悪いとかいろいろな問題があるんだそうです、向こうでも、修士以上でもですね。ですから、学歴差というものが果たして教師においてどれほど有効かということになると考えざるを得ないというような発言をなさっていますけれども、この点はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/285
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286・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 今先生おっしゃいましたように、学歴と指導力が直接的に結びつくかどうかということになるとなかなか難しい問題もあると思う次第でございます。ただ、学歴と関係なしに非常に学校の現場でやっぱり立派にやっておられる、子供もしっかり把握して指導的にやっておられるという先生が、さらにいろいろな経験を踏んだ上でまた若干でも勉強していただく、勉強する中で疑問を解決していくということを重ねていっていただいた方がより立派な授業ができるんじゃないかと、そういうふうに思う次第でございます。今度の免許状の改正もそういう観点から、現職の先生方ができるだけ自発的にいろいろな研修をやっていただくといいんじゃないかと、そういう観点からいろいろな免許状も設けておりますし、現職研修の制度ということも考えて免許法の改正をやっている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/286
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287・下村泰
○下村泰君 あなたの御意見は御意見として伺いますけれども、実際のことを言ってさほどに私もそう学歴は関係ないと思いますよ、人の教育というものは。その人に本当にどれだけの熱意があるかないかの方が私は大きなウエートがかかると思うんです。
たしか、いつかここでもお話ししたと思いますけれども、何の表情も示さない、まるで植物的にただ寝ているお子さんの耳もとで、それは聞こえないんですよ、本当は聞こえない、幾ら言っても。それで、ある先生が一生懸命その子の名前を呼んで、そしてほおをスキンシップしながら毎日毎日大体五分か十分間ぐらい続けていって、三カ月目には笑ったというんですからね。これが私は本当の教育だと思うんですよ、こういうあり方が。ですから、これは学歴は要らないんです、こういうことには。だから、そういった状態、状況を見ますと、いかに教育者というのは愛情が一番の根本であるかということになりますと、そう学歴というものは関係ないような気がするんですがね。
それで、初任者研修の問題のときにもお話ししたんですけれども、特殊教育における特殊教育免許の取得ですね。この率が非常に低いんですけれども、その理由はどういうふうにお考えになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/287
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288・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 一つの理由でございますけれども、特殊教育の免許を取るためには、まず小学校とか中学校とか高等学校、いわゆるこれは基礎免許状というんですけれども、それを取った上でさらに二十三単位程度の単位を取らなければいけないということになっております。そういうことでございますので、非常にたくさんの勉強をしなきゃいかぬということが、まず第一に学生の負担となってなかなか特殊教育関係の免許は取りにくい、そういうことになっているんじゃないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/288
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289・下村泰
○下村泰君 事実ここにも、六十一年の十月一日現在になっているんですけれども、私、一応表を持っているんですけれども、盲学校、聾学校、養護学校でもとにかく、パーセンテージでいくと盲学校が七三%、聾学校が五七%、養護学校が五一%の方が要するに資格のない方々ですね。こういう方たちが特殊学級とかそういった子供さんたちの面倒を見る。だから、これ当分こういう形になっているんでしょうけれども、これではいけないと思うんですよ、やっぱり。この問題についてどういうふうに今お考えになっていますか、これから先の問題として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/289
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290・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 今先生御指摘の点につきましては、私どももそうでございますし、各都道府県の免許状の授与権者もそうでございますけれども、何とかして基礎免許状だけじゃなくて特殊教育免許状もお取りいただきたいと、そういうふうに考えておるのが実情でございます。それで、各都道府県も認定講習ということをやっているわけでございますけれども、その実情を見ますと、やはり全然特殊な免許を持っていない人にぜひ免許を取ってもらいたいということで、二級の免許状をお取りいただくような講習会をやっているのが実情でございます。これは、他のいろいろな免許の認定講習会に比べると比較的たくさんやられているのが実情ではないかと考えている次第でございますけれども、さらにそれを一層私どもとしては拡充するように努力していきたいと、そういうふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/290
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291・下村泰
○下村泰君 今お話しになりましたけれども、認定場所、いわゆる実地の講習を受ける場所ですな、これは各県にないんでしょう。都道府県に必ずありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/291
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292・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 今資料を持ち合わせなくて大変恐縮でございますけれども、今先生御指摘いただきましたように、養護学校で二級免許状をやっているところは三十一県、それから一級と二級と両方やっているところが十三県ということでございまして、盲聾唖はもうちょっとそれより少なくなりますから、やはり全県というところまでにはいっていないという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/292
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293・下村泰
○下村泰君 大臣、こういうところにも問題があるわけですね。先生方の中には実際にそういった障害児の教育に当たりたいと思われて先生になる方もいると思うのです。そういう方たちがそういう認定講習を受けようと思っても現在のあのとおりなんですから。そうしますと、いつも申し上げますけれども、こういった教育の充実した姿が、世界の方から見れば、日本というのは大変すばらしい国である、そういうことに対するすばらしい先進国であるという姿として映るわけですけれども、この間のニューヨークの問題でもそうですし、おくれていますわ。こういう状態ではこういった先生方が育たない。まして遠くの方へ行かなきゃならない、行ってはいられないというような事情もありましょう。ですから、少なくとも私はこれは各県にそれこそ一カ所ぐらいずつなきゃいけないんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/293
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294・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) 私も率直に言ってそう思います。ただ具体にどのような方策がとれるのか、もしも補足があれば政府委員から答えさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/294
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295・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先生御指摘の点は、私ども真剣に受けとめなきゃいかぬ問題ではないかというふうに考える次第でございます。率直に申し上げて、各県の実情もよく調べまして、推進の方策などを今後いろいろと検討してみたいというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/295
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296・下村泰
○下村泰君 しかし、実際は、私は基本的にはこれ逆だと思うんですね。すべての教師が障害児のことを知る、学ぶ、触れ合う、これを必修とすべきだと思うんです、本来。基礎免許を取得する上で、障害児教育を知るため、経験するための時間を十分に確保するべきだと思うんですね。もっと広く解釈して、福祉教育とかいわゆる社会保障教育、それから環境教育といった人間そのもののあり方がテーマになるこういう学習が欠けているような気がします。
この前、前回たしか御紹介しましたけれども、内村鑑三先生のお話をここでさせていただきましたけれども、多くの人が障害児教育の重要性を訴えているんです、私もその一人ですけれども。この世には障害を持った子供と持たない子供と、これ二通りしかないんですよね。ところが、今の養成課程では持たない子、それもいわゆる平均な子供のことしか学べない。いきなり多様な子供に接すると、それはもう先生なんかも大変、お手上げになるわけですね。ですから、教師になる前からいろいろな経験を持って教員になってもらうことが一番大事だと私は思うんです。ですから、初任者研修もそうすれば必要ないと思いますよ。例えば、後で触れますけれども、教員実習の一部を障害児教育の実習にするというのも一つの方法だと思うんです。先生の中には、意外と同僚のお仲間には障害を持った先生方も少ない。したがって、先生自身も障害児というものに対する感覚もない。ですから、いきなり障害児に触れると驚いたりなんかして手も足も出ない、こういうことになるんですね。ですから、そういうことを基本にしてひとつ先生の教育をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/296
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297・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 率直に申し上げて、先生の御指摘は、教員養成課程の中で特殊教育関係のことももっと勉強させたらどうかということも含めての御質問だと思う次第でございます。
それで、今回の教職に関する専門科目の改正でございますけれども、これは教育の本質と目標とかをそういうように分野とそのねらいを明らかにして、その中身はひとつ大学で御研究いただいてつくってもらいたいということにしたわけでございますので、そういう特殊教育を学生に勉強させるということも大学は今後やりやすくなっていくのは事実でございます。だから、基本的には大学の判断でございますけれども、現在のところ三十二程度の大学で特殊教育の科目が設けられているわけでございますが、ちょっと個人的な感想にもなるわけでございますけれども、先生御指摘のように、特殊教育というのは教育の原点に当たるのではないかというふうに感ずる点もあるわけでございます。そういうことでございますので、できるだけ養成課程の学生が何らかの形で特殊教育にかかわりを持った方がベターではないかというふうに感ずる次第でございます。
ただ、実際にそのかかわり方の問題でございますけれども、先生がおっしゃるように、養成課程で勉強するのも一つの方法でございますし、それから教育実習の事前事後指導で、そんなことを言ったら恐縮でございますけれども、養護学校を見学するとか、重度心身障害児施設を見学させていただくとか、そういうかかわり方でも私は非常に有意義ではないかというふうに思うわけでございます。
そういうことで、基本的にはどういう勉強をさせるかは大学が自主的に御判断になることではありますけれども、いろいろな大学との会議などがありましたときには、先生の御質問も含めていろいろ御要望はしてまいりたい、そのように考える次第でございます。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/297
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298・下村泰
○下村泰君 大分局長も進んできましたな。結構なことです。
もう一つ、私気になるのは、この障害児の特殊教育、殊に特殊学級なんかありますね。こういうところの専門に携わっていらっしゃる先生の担任する期間が非常に短いということですよ。こういう子供たち、例えば知恵おくれのお子さんなんかがそうですが、もう繰り返し繰り返し何回でもやらなきゃいかぬわけでしょう。ですから、先生が接触している時間が長ければ長いだけ効果が上がってくるわけです。それが大阪あたりの例でいきますと、大体三年間ぐらいでぐるぐる回ってしまうんですね。そうしますと、やっとなれてきたころにはいないんですね、先生が。こういうこの三年周期、何か税務署の署長がよく二年ぐらいでかわりますが、余り長くやっていると癒着するというので、業者からいろいろなものをもらってとか。そんなことはこっちへ話をおきまして、先生はそんな関係じゃないんだから、やはりそういったクラスを担当している先生の担任年限というのは、もうちょっと長くてもいいというような感じがするんですがどうなんでしょうか、そういうところは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/298
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299・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先生のお尋ねの点の実態をまず申し上げたいと思うわけでございますけれども、特殊学級の大半を占めます精神薄弱、特殊学級の担任期間というものを調べてみますと、大体三年以上の方が五五%程度を占めているわけでございます。それで三年未満の方は四五%程度というふうになっている次第でございます。
ただ、この特殊学級を担任なさるという方は、やはり特殊教育について熱意と識見を持った方が一番適任であるというふうには思うわけでございます。そういう点で、一方では非常に長い方がおられることもベターでございますけれども、一方でできるだけ多くの方にその特殊教育を経験していただく、そういう観点から、やはり余り長いというだけでもない適切な期間、特殊学級を担任していただくという人事上の配慮も必要じゃないかというふうに考える次第でございます。そういったことで、両々相まってやっていくべきだと思いますけれども、極端に短い特殊学級の担任というものは、これはやはり適当ではないんじゃないか、そういうふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/299
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300・下村泰
○下村泰君 やはりそういうお答えしか返ってこないと思いますし、中にはいきなりそういうところへ派遣されて戸惑う先生もいらっしゃいましょうし、なかなか大変だろうと思いますけれども、昨年でしたか、日本特殊教育学会が盲、聾、養護の三免許制度を一本化することで一致したという報道がありましたけれども、この専門的判断はわかりませんけれども、障害の重度重複が進むことの一つのあり方かとは思いますけれども、文部省はこれにどういう見解を持っていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/300
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301・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 特殊教育学会の御意見は、先生御指摘のように、重度障害児の関係から免許状を一本にしてはどうかということが御議論になっているというふうに私どもも伺っている次第でございますけれども、免許状を一本にするということは、学校ごとにその障害について専門を深めていくという観点からはなかなか難しい問題があるのじゃないかということは考えるわけでございます。
それで、昨年の教育職員養成審議会の答申におかれましても、これがいろいろ議論された末でございますけれども、一本化して、障害の種類に対応した専攻分野を表示したらどうかということが議論になったわけでございますけれども、これは今後の検討課題としたいということが答申の最終的な結論になっている次第でございます。そういうことでございますので、私どももその審議会の答申の趣旨を尊重して、今後とも慎重に対処していく問題ではないか、こういうふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/301
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302・下村泰
○下村泰君 教員養成における教育実習についてちょっと伺いますが、その前に、この前お伺いしていてお伺いできなかった放送大学それから通信大学における障害学生の入学者数を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/302
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303・國分正明
○政府委員(國分正明君) 放送大学、通信制大学における障害者の入学状況でございますが、現在大学通信教育を実施しておりますのは、放送大学のほか、大学で十二校、それから短期大学で九校でございますが、全入学者数が十三万九千人でございます。そのうち、障害を持った大学生の数は五百六十二名というふうになっております。これは六十三年五月一日現在でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/303
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304・下村泰
○下村泰君 そういう人たちのいわゆるスクーリングですとか認定試験、さらに点字教科書、こういうものに対する保障というようなものはどうなっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/304
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305・國分正明
○政府委員(國分正明君) 身障者に対します配慮といたしまして、例えば放送大学におきましては学習センターにエレベーターとかスロープの設置はもとよりでございますけれども、再視聴設備の点字表示の整備、それから単位認定試験受験の際には点字あるいは音声テープによる出題の措置というような配慮、あるいは通常一時間単位の試験でございますと一時間半の余裕があるとか、そういうような配慮をして実施しておるわけでございます。
また、一般の通信制の大学あるいは短大におきましても、これはそれぞれの大学の実情にもよりますけれども、やはりエレベーターとかあるいは身障者用のトイレ、スロープ、手すりの施設の整備というような点でそれぞれ大学が工夫して配慮しているという実情にございます。
ただ、点字の教科書等につきましては、例えば放送大学について見ますと、開設科目数が二百七十五科目というような大変な数でございますので、今後検討していかなければならない課題ではあろうと思いますけれども、なかなか当面難しい問題を抱えておるという実情にあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/305
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306・下村泰
○下村泰君 お答えそれで結構ですけれども、やっぱりそういうところが完全にされておりませんと、いわゆる門戸の開放なんというのは口先ばかりで中身が伴わないということになりますから、それはしっかりお願いしたいと思います。
現在、障害を持つ学生の教育実習、大抵これは出身校方式による事例が多いと聞いているんですが、その実情はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/306
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307・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 先生御指摘のように、教育実習でございますけれども、出身校にゆだねているのが多いというのが事実ではないかというふうに考える次第でございます。それで私どもといたしましては、障害を持った方々の実習についていろいろ考えなければならない問題があるのではないかという意識は持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/307
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308・下村泰
○下村泰君 障害を持った学生が教育実習を受ける際にいろいろと整えなければならない問題や条件がありますが、例えばこういう記事があったんですね。これは全盲の方なんですけれども、千葉の県立千葉盲学校理療科の教諭で全盲の伊藤和男さんという方がいらっしゃるんですね、四十歳になる。この方が高校社会科の教員資格を取るために習志野の市立習志野高校の教壇に立っているんだそうです。教育実習はぜひ普通校でという伊藤さんの希望を、有名な市立習志野の野球部の監督で石井という人がいますけれども、その監督さんとこの盲学校ということよりも、この市立習志野校と盲学校とが大変交流をしていて、この先生の希望を入れてこの先生が習志野の高校でいわゆる教壇に立っている、こういう記事があるんです。
京都の方へ行きますと、ここ数年九千五百人ほどの教育実習生が送り出されているんですが、そのうち十数名前後が障害を持った学生なんだそうです。それぞれが受け入れについてケース・バイ・ケースで対応しているんですが、中には障害の種別や程度によって教育実習にかかわる条件から困難だと言われているんですね。事前に学生の希望や熱意とは反対に履修を断念せざるを得ないというケースも出ているんだそうです。
障害があろうとなかろうと、将来教員になろうとして強い希望と教育的熱意のある学生について、その希望を実現するよう努力すべきだと思うんですが、こういう特に卒業生しか受け入れないとする出身校方式などが壁になっている。いわば現場で負担になるからということがあるんだろうと思いますけれども、事前に十分な話し合いをして理解を得るようにすることが大切だと思うんですが、単に個々のケースによる解決を求めるんじゃなくして、文部省としてできる限りのことをすべきだと思うんですが、いかがでしょうね。例えばそういう方に介護者をつけるとか、そういうことをすればできるように思うんですけれども、どうですか、文部省の方ではそんなような指導をするような御意思はございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/308
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309・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 教育実習の問題でございますけれども、これは何と申しましてもその大学の教育課程の一部ということになっておりますので、教育実習をどこでどのように受けていただくかというのはやはり第一義的には大学の責任だというふうに思うわけでございます。
それで、まず第一に大学でございますけれども、これは課程認定のときに実習協力校などというのもお申し出になっているわけでございますから、出身校に限らずそうした学校についてもいろいろとひとつそういう方については、まず御相談をしていただくのが第一のことじゃないかと思う次第でございます。その後どうしても難しいというときには大学と教育委員会と、それから学校の三者の協議会もあるわけでございますから、そういうところでひとつ十分御相談いただいて、まず対処していただくのが適当ではないかというふうに思うわけでございまして、そうした御相談ができるよう私どもとしてもいろいろ配慮していきたい、そのように考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/309
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310・下村泰
○下村泰君 大体私は三十分に限られておりますのでもうおしまいなんですけれども、採用後に心身の障害によって教壇から去る方も多いと聞いておるんですけれども、復職を困難にしている面がどこにあるのか、きちんと分析をする必要があると思うんです。
例えば視覚障害者になった場合、その点訳テキストですとか活字を大きくするテキストとか、それから黒板に何か塗る方法がある。何かを考えれば復職ができると思うんですね。例えば、もう文部省の方は御存じだと思うんだけれども、たしか桜美林大学でしたか、桜美林にそういう目の御不自由な方の先生がいらして、奥さんが御一緒に行って奥さんが黒板に字を書いて教育しているというような話も聞きましたけれども、そういったような対応策というのは考えられないかなと思うんですけれども、そういうものはいかがでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/310
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311・古村澄一
○政府委員(古村澄一君) これは具体的にケース・バイ・ケース、その障害の程度とかあるいはその学校の環境とか、いろいろなことが影響すると思いますが、そういった中で例えば盲人になられたというような方が今度は一般の学校で教えるというのは非常に難しいだろう。となれば盲学校でやっていただくとか、そういった具体的なケース・バイ・ケースでもって処理をしていく。そしてそういった先生方の、例えば車いすという状況になれば、車いすが動くのは肢体不自由の学校でご
ざいますから、そういったところで勤務をしていただくとか、せっかく身につけられた教育者としての経験をそういうところで生かしていただくというふうな具体的な人事配置ということで、やっぱりよくその方の身になって検討すべき問題だろうというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/311
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312・下村泰
○下村泰君 次に、障害学生の教育採用についてちょっと伺いますけれども、一般校、普通校と特殊教育関係諸学校を分けて、障害を持った教諭の雇用率というのはどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/312
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313・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) これ先生の今のお求めに適切な資料になるかどうか疑問でございますけれども、私どもが教員採用試験実施状況の調査ということで十九県のデータとして持っているものでございますと、これは盲、聾、養護学校については二・六%、それから小学校、中学校、高校については〇・二六%という状況になっている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/313
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314・下村泰
○下村泰君 私は、この場合の雇用率というのは、一般校の方にもこういう、先ほど申し上げましたように障害を持った先生方が多く入ってもいいんじゃないかというような気がするんですね。そうしますと、前に文部大臣にもお話ししましたけれども、今統合教育とか交流教育ということがたくさん行われています。いわゆるいじめたとか、それからいびりだとかということをなくそうとするには、子供のときから人を愛するという教育が一番大事なんですね。そうすると、先生の中にもやっぱりそういう障害を持った先生がもしいらして、その先生にその子供が接することによって、その先生から本当に愛情のある教育を受けたとする。そうすると、その子供たちが果たして仲間をいじめたり何かするような子になるだろうかと。私は人間というのは善意だと思いますから、そういうふうに物を考える。そうしますと、やっぱりそういう先生が普通校におってもいいんじゃないか、またむしろいなければいけないんじゃないか、こういう感じを抱くんです。これに関してひとつ大臣のお考えを聞いて私は終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/314
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315・倉地克次
○政府委員(倉地克次君) 障害者の雇用の問題については法律があるわけでございますけれども、そこではやはり小学校ということになりますと、これは全教科担当でございますので、小学校とか聾学校とか養護学校については、その適用がされないという建前になっている次第でございます。そういうことでございますので、それ以外の中学校とか高等学校とか盲学校につきましては、先生御指摘のように、障害であるということによって採用されないということでは適当ではないと思っておりますので、やはりその法律の趣旨に従いまして、今後とも都道府県を指導してまいりたいと、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/315
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316・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) おっしゃる意味、私も素直にわかります。ただ実際には今政府委員がお答えしたような若干の壁があるようでございますけれども、しかしあらゆる意味で全教科でない場合もありましょうし、そういう方々との触れ合いというのはぜひ必要だと、このように考えながら伺っておりました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/316
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317・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、林田悠紀夫君が委員を辞任され、その補欠として久世公堯君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/317
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318・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。(「異議あり」「異議なし」「反対」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
佐藤君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/318
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319・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 ただいまの委員長提案による質疑終局に反対の意見を述べます。
その理由は、第一に、本委員会理事会では臨教審答申を背景に出された本法案の審議に当たっては、臨教審の取りまとめ責任者をしていた高石前事務次官を招致し、リクルート疑惑等の解明をするのが前提であることを全会派一致で申し合わせてきましたのに、彼の病気と称するあいまいな理由で、その実施を見ないままに質疑終局をする、私は臨床尋問などの方法を提起をしましたが、それも行うことなく質疑終局することは断じて賛成ができないということであります。
第二に、本法案の質疑は、臨教審関連六法案の中でも極めて重要な一つであります。確かに一定の審議はしましたが、どの会派も時が時であるだけに、大なり小なりさきの高石問題質疑に時間を費やさざるを得ず、法案自体の審議は極めて不十分なまま残っているということであります。
第三に、文教委員会の定例日としては会期末まで二十二日、二十七日となお二日間もあるのに、なぜ本日議了、採決を急ぐのか、委員長からも与党側からも納得できる説明がありません。推測するところ、二十一日税特委で消費税法案の強行採決となると、二十二日以降の文教委員会の開催も怪しくなる、そのため本日じゅうに採決をという党略が働いているのではないかと思わざるを得ません。もしそうならば、まさに文教行政に無責任な運営であり、いずれにいたしても審議不十分なままの議了提案には断固反対をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/319
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320・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) 御異議がありましたので、これより採決を行います。
本案に対する質疑を終局することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/320
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321・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) 多数と認めます。よって、本案に対する質疑は終局することに決定いたしました。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/321
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322・粕谷照美
○粕谷照美君 私は、日本社会党・護憲共同を代表しまして、教育職員免許法等の一部を改正する法律案につきまして反対の討論を行います。
戦後、我が国の教員養成制度は、学問の自由と大学の自治が保障された大学における教員養成の原則と教員養成を特定の大学に限定することなく、所定の単位修得者には資格を付与するという開放制の原則の二大原則のもとに発足し、昭和二十四年に教育職員免許法が制定されたのであります。
今回の改正案は免許法制定以来の大改正であり、さらにほぼ同趣旨の法案が昭和五十九年の第百一国会に提出はされたものの、教育関係者等の強い反対があり、廃案になったのであります。このような経緯から、何にも増して国民の合意を得る慎重な対応が求められておりますが、政府・自民党はそうした努力を払うどころか、異例の超長期国会を利用して強引に成立を図ろうとしているのであります。
本委員会において私どもが指摘した多くの問題点、危惧等は何ら払拭されないまま質疑が打ち切られたことは極めて遺憾と言わざるを得ません。
また、提案理由によれば、本法案は臨時教育審議会の答申を受けて提出されたとのことであります。しかし、臨時教育審議会では今回の改正の中心である専修免許状の創設について否定的な意見が多かったため答申では何ら触れられていないのであります。にもかかわらず、臨時教育審議会の答申を受けて提出したというのは臨時教育審議会を悪用した法律案と言わざるを得ません。
次に、法案の内容について反対理由を申し述べます。
まず第一は、大学院修士課程修了者のための専修免許状の新設についてであります。
政府は事あるごとに受験地獄を初めとした教育荒廃の元凶は学歴偏重社会にあると言ってきました。しかし、大学院を修了したという形式的な学歴により、新たな免許状を設けることは学歴社会是正の理念に逆行するものと言わざるを得ません。
また政府は、専修免許状と一種免許状との間に上下関係はないと説明します。しかし、専修免許状の創設が大学院修了者を教育界に誘致することを目的としている以上、処遇等で有利に扱われることになる危惧はまことに強いのであります。その結果、教員の上下関係は一層鮮明になり、教員相互のチームワークや教員に対する父母や子供の評価、信頼関係に悪影響を与えるばかりではなく、教員は上級の免許状取得を志向し、本来の授業や自主的な研究を軽視するおそれも出てくるのであります。
また、仮に制度化するとしても、専修免許状取得の機会がすべての教員や学生に平等に付与されていなければならないことは当然であります。しかし、教育学関係の大学院を設置している例は私立大学で非常に少ないばかりか、国立大学でも全国で二十一大学にすぎません。絶対数の不足と地域格差が著しいのであります。これでは制度発足の前提条件が整っていないと断ぜざるを得ません。
なお、現職教員が大学院を受験する際には教育委員会の同意が必要でありますが、受け皿が少ないために同意条件は厳しく、恣意的に行われていることの懸念も極めて大きいのであります。その結果、教員は子供より教育委員会や校長の方に目を向けざるを得なくなり、学校の管理化は一層進むことになります。
第二は各免許状の免許基準の引き上げについての問題です。
現行教職課程のカリキュラムですら免許法でがんじがらめであるとの指摘が強いにもかかわらず、この上さらに取得単位数を引き上げることは、一般大学における教員養成が困難になり、開放制の原則が脅かされるとともに、教育技術偏重の教員養成とならざるを得ないのであります。その結果、詰め込み教育を余儀なくされ、創造的な授業方法の改善等に取り組むことが至難になるなど、大学における自主的、主体的な教員養成が困難になることが予想されるのであります。
第三は、二級免許状の教員が十五年間の教員経験のみで一級免許状を取得できた特例措置を廃止することについてであります。
現職教員が十五年間に一種免許状を取得できない場合は、教員経験年数により取得した三十五単位を一切認めないとしているのであります。僻地や教育困難校の勤務など、やむを得ない事情を考慮せず、今までの教職経験による実践的指導力の向上等の成果を全て否定する措置はペナルティーであり、一種の見せしめであります。およそ教育的、合理的措置とは言えません。
この特例措置を廃止すれば、大学等における単位修得が義務づけられることになります。しかしながら、単位修得の間の授業を穴埋めする代替教員の補充も行わず、受け入れる大学側に対しても教官定数や施設設備等の整備拡充策は講じない方針なのであります。これでは夏休みなどにおける安易な認定講習に依存させられ、行政研修の強化につながり、一種免許状への移行が円滑に進むことに懸念を感じるものであります。
第四は、社会人を教員に登用する問題であります。社会で活躍する人々の協力を得て学校教育を運営することは有意義なことであります。しかし、教職員検定で特別免許状を社会人に付与する制度、免許状を持っていなくとも都道府県教育委員会の許可で授業ができる特別非常勤講師制度を創設することについては、基本的に免許法の根本精神である免許状主義との関係が整理されていないばかりか、教員の指導力向上を理由に教職科目の単位数の引き上げを図ろうとしている考え方とは論理的に矛盾しているではありませんか。
最後に、高石前文部事務次官のリクルート問題に絡む疑惑は、国民や教育関係者に教育行政に対する強い不信感を抱かせました。今国民が最も求めているのは、リクルート疑惑の徹底的な解明、信頼できる教育行政の再構築をおいてほかにないのであります。文教委員会の果たすべき役割は重かつ大であります。
したがって、教員免許制度についても、国民の教育行政に対する信頼を回復した後、再検討すべきであります。その際は、戦後の大学における教員養成、開放制の原則を再確認すること、さらにその制度の維持、発展を基本として教員養成制度全体のあり方、教員養成機関の充実策等について国民的論議を喚起することが不可欠であります。
優秀な教員を育て、教育界に誘致するためには、教員自身が教員という職業に誇りを持つことができるようにすることが肝要であります。そのための教育行政、学校現場の環境づくりこそ先決であることを指摘して、反対討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/322
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323・林寛子
○林寛子君 私は、自由民主党を代表いたしまして、教育職員免許法等の一部を改正する法律案につきまして、賛成の討論を行います。
我が国は、社会経済、科学技術などあらゆる分野で国際化、情報化、高学歴化などが急速に進展しているのであります。さらに、学校教育についても、入試地獄、受験準備偏重教育、いじめ、非行、登校拒否の多発など、困難な問題が山積しております。このように、教員や学校教育を取り巻く環境は厳しいものがあるために、教員の資質能力の向上の必要性は高まり、それを求める国民の声も切実なものになってきております。こうした国民的要請にこたえることは、国、とりわけ教育行政の大きな責務であります。
こうした状況のもとにおいて、臨時教育審議会及び教育職員養成審議会の答申を受けて、教員免許制度の改善を図り、真に教員にふさわしい人材を育成することは、時宜にかなった必要な措置と確信するものであります。
次は、法案の内容についてであります。
まず、第一は、大学院修了者のための専修免許状の創設についてであります。
高い資質能力の教員を求める国民の声が高まる中で、大学院修士課程で特定分野について高度の資質能力を修めた人を教員に誘致することは非常に重要なことであります。
しかし、高学歴化が進んでいるにもかかわらず、教員採用者全体の中で大学院修了者はわずか三%にすぎないのであります。こうした状況を改め、大学院修士課程修了者を積極的に教育界に誘致するとともに、現職教員が大学院において研修することを促進するためには、専修免許状の創設が不可欠であります。
なお、専修免許状は特定分野における高度の専門性を示すものであり、一種免許状との間に上下関係はないとのことであります。したがって、学校における教員間の協力関係等に悪影響を与える懸念はないと確信しております。
第二は、各免許状の免許基準の引き上げを図ることについてであります。
現在、学校現場からも、父母あるいは養成している大学側からも、教員の指導力向上の必要性が指摘されております。そのため、大学の養成においても、実践的指導力の修得を重視することが求められております。したがって、開放制の原則に立ち、一般大学でも可能な範囲でそうした科目の単位数を引き上げることは、社会の要請、教職の重要性に配慮した適切な措置と考えるのであります。
第三は、二級免許状の教員が、十五年間の教員経験のみで一級免許状を取得できる特例措置の廃止についてであります。
このたびの改正では、学部卒業者に対する一種免許状を、教員の資質能力の標準的な水準を示すものと位置づけております。そのため、短期大学を卒業程度とする二種免許状の教員は、さらに研さんが必要であり、一種免許状の取得の努力義務を課していることは当然であります。すなわち、教員それぞれの意見を聞いて単位修得の機会を指定することこそ、長い教職経験を生かし、その資質向上に一層資する措置であるからであります。
第四は、社会人を教員に登用する問題についてであります。
経済社会の激しい変化、科学技術の進展等に学校教育が適切に対応していくためには、広く一般社会から教育に熱意を持ち、特定の教科の領域について専門的な知識技能を持ったすぐれた人材を導入することが不可欠なのであります。特別免許状制度、特別非常勤講師制度などは、生徒の好奇心、勉学意欲をかき立てるとともに、現職教員自身の知識の修得、資質向上に資するなど学校教育の活性化や教員の意識の変革をもたらす有意義な制度と考えるものであります。
以上の理由をもちまして、本法律案に賛成でありますが、最後に、教員養成を行う大学の教育、研究諸条件の整備充実、現職教育の機会の拡充等に取り組むことを申し述べまして、賛成の討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/323
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324・佐藤昭夫
○佐藤昭夫君 私は、日本共産党を代表して、教育職員免許法改正案に対して、反対討論を行います。
まず、初めに指摘しなければならないのは、政界、官界を巻き込んだ未曾有の大疑獄事件であり、本法案の基礎となっている臨教審教育改革の中枢に広がるリクルート疑惑について、中曽根前首相を初め、森元文相、高石前文部事務次官など汚職の疑惑が未解明なまま、特に理事会で全会派で一致していた高石氏の招致を実現しないまま、法案も不十分な質疑で採決を強行することには断じて反対するものであります。戦後最大の教育反動化法案とも言える本法案の質疑時間は、高石問題を除けば十時間にも満たない極めて不十分なものであります。
次に、法案の内容についてであります。
第一に、戦後の教師養成と免許制度の原則を根本から変え、初任者研修制度とともに教師の分断支配と国家統制を一段と強化しようとするものであります。
普通免許状の三種類化によって、一九七一年の中教審答申の人事上の五段階格差と賃金導入の構想をベースにして、若手管理職層の登用と給与の改善をうたう臨教審答申を受けて、教師間に学歴による給与上、人事上の格差を持ち込みを意図していることは、文部省のこれまでの発言からも明白であります。
十二月六日の当委員会での私の質問に対し、人事院は、職務内容の違いがない限り給与の違いはないと答え、文部省も免許状の種類の違いで職務内容の違いはないと答えているのに、今後とも給与差をつける考えはないと明言しないことから、その危惧が強いのであります。
それは教師が子供に対し科学的真理、真実のみに従って教育の使命に専念し、学力向上やいじめなど深刻な教育荒廃に立ち向かって互いに対等、平等に協力し、励まし合わなければならない教師相互の関係を破壊し、非教育的な競争主義を教育現場にもたらすものであり、さらに教師に対する子供と父母の信頼関係も損なわざるを得ないのであります。
一種免許状の教師が希望する専修免許状を取得できるように大学院を拡充する計画も示さずに、免許状を三種類化することは、管理職養成と教師の権力統制の強化をねらっているものと言わざるを得ないのであります。
第二に、社会人の活用を口実とした特別免許状と免許状なしの非常勤講師制度の創設は、大学における教員養成の原則のじゅうりんであるばかりか、学校の体育教科やクラブ活動などへの現職の自衛隊員、警察職員の導入にも道を開くものであります。これは教育基本法の精神をじゅうりんし、教育の軍国主義化に新たな局面をつくるものとして極めて重大であります。
戦前の師範学校が学問研究を軽視し、国家主義的、軍国主義的な教育を担う教師の養成機関となったことへの厳しい反省に立ち、憲法、教育基本法に基づく教師養成は、原則として大学において行うことによって広い教養と専門性を身につけた平和的で民主的な教師づくりを目指したのであります。この大学での教員養成の原則を無視し、都道府県の基準もあいまいな教育職員検定試験にかえ、その専門的な技術、知識のゆえに免許状のない教師を採用しようとするもので、教職の人間形成という本来の任務の否定でもあります。
それはまた、財界が求める産業構造の転換に見合った多様な労働力の養成のために、企業戦士を学校に送り込む道をも開こうとするものであります。
第三に、大学における免許状取得に必要な専門教育科目の修得単位数の大幅引き上げは、大学が教員養成に必要と考える自主的で個性的なカリキュラムを編成することを妨げるのみならず、画一的な教員養成へと変質させるものです。さらに、すべての大学での教員養成という開放制の原則を崩し、私立大学などでの教員養成をも困難にするものであります。
以上述べた理由により、本法案に断固反対する意見を表明して、討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/324
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325・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/325
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326・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認めます。
これより採決に入ります。
教育職員免許法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/326
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327・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、粕谷君から発言を求められておりますので、これを許します。粕谷君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/327
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328・粕谷照美
○粕谷照美君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び二院クラブ・革新共闘の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読します。
教育職員免許法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、教員免許制度の重要性にかんがみ、次の事項について、特段の配慮をすべきである。
一 本改正の実施に当たっては、学歴社会の助長につながったり、学校における教職員の協力体制の支障にならないよう努めること。
二 普通免許状の三種別化により、人事、給与上の不利益な取扱いを行わないこと。
三 二種免許状を有する教員が一種免許状を、一種免許状を有する教員が専修免許状を取得しようとする場合は、本人の意見、教職経験等を配慮して適切に行うとともに、必要な諸条件の整備に努めること。
なお、教員免許状取得等にかかる教育休暇制度については、今後の課題として検討を進めること。
四 特別免許状、特別非常勤講師等社会人を教員に採用する制度の実施に当たっては、大学における教員養成の原則、免許状主義の原則、本制度創設の趣旨にかんがみ、処遇面の配慮等適切な人材の確保に努めること。
五 省令で免許教科を定める場合には、免許教科法定主義の趣旨を尊重して行うこと。
六 教員養成大学・学部についてその大学院を含め整備充実に努めるとともに、教員養成における開放制の原則が堅持できるよう一般の大学における教員養成のための諸条件の一層の充実に努めること。
右決議する。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/328
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329・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) ただいま粕谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/329
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330・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) 多数と認めます。よって、粕谷君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、中島文部大臣より発言を求められておりますので、これを許します。中島文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/330
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331・中島源太郎
○国務大臣(中島源太郎君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処いたしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/331
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332・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/332
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333・杉山令肇
○委員長(杉山令肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後六時八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315077X01219881220/333
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