1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和六十三年十月二十六日(水曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第八号
昭和六十三年十月二十六日
午前十時開議
第一 著作権法の一部を改正する法律案(第百十二回国会内閣提出、第百十三回国会衆議院送付)
第二 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案(第百十二回国会内閣提出、第百十三回国会衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、請暇の件
一、国土審議会委員の選挙
一、国家公務員等の任命に関する件
以下 議事日程のとおり
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/0
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001・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
この際、お諮りいたします。
丸谷金保君から海外旅行のため十四日間の請暇の申し出がございました。
これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/1
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002・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
よって、許可することに決しました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/2
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003・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) この際、国土審議会委員一名の選挙を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/3
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004・柳川覺治
○柳川覺治君 国土審議会委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/4
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005・鈴木和美
○鈴木和美君 私は、ただいまの柳川君の動議に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/5
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006・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 柳川君の動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/6
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007・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
よって、議長は、国土審議会委員に井上吉夫君を指名いたします。(拍手)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/7
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008・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
内閣から、公安審査委員会委員長に川島一郎君を、同委員に末松謙一君、中谷瑾子君及び山崎敏夫君を、
また、日本放送協会経営委員会委員に石井幹子君を
それぞれ任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
まず、公安審査委員会委員長の任命について採決をいたします。
内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/8
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009・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
よって、これに同意することに決しました。
次に、公安審査委員会委員の任命について採決をいたします。
内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/9
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010・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
よって、これに同意することに決しました。
次に、日本放送協会経営委員会委員の任命について採決をいたします。
内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/10
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011・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
よって、全会一致をもってこれに同意することに決しました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/11
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012・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 日程第一 著作権法の一部を改正する法律案(第百十二回国会内閣提出、第百十三回国会衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。文教委員長杉山令肇君。
〔杉山令肇君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/12
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013・杉山令肇
○杉山令肇君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、実演、レコード等の著作隣接権の保護期間を現行の二十年から三十年に延長するとともに、ビデオソフト等の海賊版を頒布の目的をもって所持する行為を著作権の侵害とみなすものであります。
委員会におきましては、参考人の意見を聴取するとともに、著作隣接権の保護期間のあり方、近年の複写複製機器の発達に伴う新たな課題、視聴覚障害者が著作物を適切に利用するための方策、著作権思想の普及などの諸問題について熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、隣接権条約への早期加入など六項目から成る附帯決議を行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/13
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014・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/14
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015・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/15
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016・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 日程第二 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案(第百十二回国会内閣提出、第百十三回国会衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長大城眞順君。
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防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案
防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律
(防衛庁設置法の一部改正)
第一条 防衛庁設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。
第八条中「四万五千七百九十人」を「四万六千八十五人」に、「四万七千三百三十二人」を「四万七千五百五十六人」に、「二十七万三千二百七十八人」を「二十七万三千八百一人」に改める。
(自衛隊法の一部改正)
第二条 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
第二十条第一項中「飛行教育集団、輸送航空団、保安管制気象団」を「航空支援集団、航空教育集団、航空開発実験集団」に改め、同条第七項を削り、同条第六項を同条第七項とし、同条第五項中「飛行教育集団」を「航空教育集団」に、「飛行教育集団司令部」を「航空教育集団司令部」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項の次に次の一項を加える。
5 航空支援集団は、航空支援集団司令部及び航空救難団、輸送航空隊、航空保安管制群、航空気象群その他の直轄部隊から成る。
第二十条第八項を次のように改める。
8 航空開発実験集団は、航空開発実験集団司令部及び飛行開発実験団その他の直轄部隊から成る。
第二十条の七及び第二十条の八を削り、第二十条の六第二項中「飛行教育集団」を「航空教育集団」に、「飛行教育集団司令官」を「航空教育集団司令官」に改め、同条を第二十条の八とし、第二十条の五を第二十条の七とし、第二十条の四を第二十条の六とし、第二十条の三の見出しを「(航空教育集団司令官)」に改め、同条中「飛行教育集団」を「航空教育集団」に、「飛行教育集団司令官」を「航空教育集団司令官」に改め、同条を第二十条の四とし、同条の次に次の一条を加える。
(航空開発実験集団司令官)
第二十条の五 航空開発実験集団の長は、航空開発実験集団司令官とする。
2 航空開発実験集団司令官は、長官の指揮監督を受け、航空開発実験集団の隊務を統括する。
第二十条の二の次に次の一条を加える。
(航空支援集団司令官)
第二十条の三 航空支援集団の長は、航空支援集団司令官とする。
2 航空支援集団司令官は、長官の指揮監督を受け、航空支援集団の隊務を統括する。
第二十条の九中「飛行教育集団」を「航空支援集団、航空教育集団、航空開発実験集団」に、「、航空団、輸送航空団及び保安管制気象団」を「及び航空団」に改める。
第二十一条第一項中「飛行教育集団」を「航空支援集団、航空教育集団、航空開発実験集団」に、「、航空団、輸送航空団及び保安管制気象団」を「及び航空団」に、「飛行教育集団司令部」を「航空支援集団司令部、航空教育集団司令部、航空開発実験集団司令部」に、「、航空団司令部、輸送航空団司令部及び保安管制気象団司令部」を「及び航空団司令部」に改める。
第二十四条第二項中「術科教育本部及び」を削る。
第二十五条第五項中「術科教育本部長」を「航空教育集団司令官」に改める。
第二十七条の二を削り、第二十七条の三を第二十七条の二とする。
第二十八条中「、術科教育本部長」を削る。
第六十六条第二項中「四万六千四百人」を「四万七千九百人」に改める。
空団の項及び保安管制気象団の項を削る。
附 則
この法律のうち、第一条の規定及び第二条中自衛隊法第六十六条第二項の改正規定は公布の日から、第二条の規定(自衛隊法第六十六条第二項の改正規定を除く。)は公布の日から起算して十月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
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〔大城眞順君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/16
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017・大城眞順
○大城眞順君 ただいま議題となりました防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、第百十二回国会に提出され、衆議院において継続審査となっていたものでありまして、その内容は、第一に、艦艇の就役、航空機の取得及び日米防衛協力の推進等に伴い必要となる自衛官の定数を確保するため、海上自衛隊二百九十五人、航空自衛隊二百二十四人、統合幕僚会議四人、合わせて五百二十三人増加することにより、自衛官の総定数を二十七万三千八百一人とすること。第二に、自衛隊の予備勢力を確保するため、予備自衛官の員数を千五百人増加することにより、予備自衛官の総数を四万七千九百人とすること。第三に、航空自衛隊の有効な機能発揮及び効率的な隊務運営のため、飛行教育集団、輸送航空団、保安管制気象団及び術科教育本部を廃止し、新たに航空支援集団、航空教育集団及び航空開発実験集団を置こうとするものであります。
委員会におきましては、竹下内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行うなど慎重な審査が行われました。
質疑の主な内容は、自衛官及び予備自衛官増員の理由、予備自衛官制度のあり方、航空自衛隊の組織改編のメリット、防衛費及び次期防衛力整備のあり方、非核三原則をめぐる諸問題のほか、朝鮮半島情勢を初め現下の国際情勢に対する認識、潜水艦と遊漁船の衝突事故に関する問題等でありますが、その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
採決により質疑を終局することを決定した後、討論に入りましたところ、日本社会党・護憲共同を代表して久保田理事より反対、自由民主党を代表して板垣理事より賛成、公明党・国民会議を代表して峯山委員より反対、民社党・国民連合を代表して柳澤委員より賛成、日本共産党を代表して吉川委員より反対の旨の発言がありました。
討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/17
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018・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。久保田真苗君。
〔久保田真苗君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/18
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019・久保田真苗
○久保田真苗君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案に対し反対の討論を行うものであります。
反対理由の第一は、日本の防衛政策は現在の世界情勢への認識を全く欠いていることであります。
INF全廃条約批准以来、戦略核半減への対話の進展、イラン・イラク戦争の終結を初め、各地の紛争に停戦、和解の展望が開けております。アジアにおいても中ソ関係の改善の兆しが見られ、朝鮮半島においても雪解けが見られようとしております。このようなデタントへの努力と潮流をただに歓迎するのみならず、防衛政策においても一片の寄与の実を上げるべきは当然であります。
反対理由の第二は、我が国の防衛政策が、このような世界情勢への認識を欠くのみか、ますます危険な方向へ走っていくことであります。
トマホーク搭載艦の母港化、FSXの共同開発、日米共同軍事大演習など平和憲法の精神は踏みにじられ、集団自衛権の禁止、武器輸出三原則、非核三原則という我が国の基本政策は次々と空洞化されつつあります。また、安保条約下、沖縄における最近の民家の被弾など国民生活を脅かす被害も一向に改まるところがありません。
核の存在を一切明らかにしないというアメリカの政策をそのまま妄信することは、トマホークの攻撃目標とされる国に対して一向に説得力がないばかりでなく、これらの国からの攻撃に日本国民をあえてさらすことになりかねないのであります。これは日米間においても、政府と国民との間においても、許されない重大な違約であります。ファイフ、バンカーヒルを初め核搭載可能のすべての艦船につき、政府は核の有無を検証し、内外に明らかにすべきであります。
次に、毎年六%もの防衛費の膨張による巨額化は、近隣諸国に脅威を与えているのみならず、キッシンジャー氏をして二十一世紀には日本は軍事大国となると言わしめているのであります。
さらに、アジアを戦禍に巻き込みかねないアメリカの安全保障政策への無批判な同調であります。ヨーロッパの危急に際してアジアで第二戦線を構築しソ連軍を極東にくぎづけにするというような構想は、アメリカにとっての安全保障であり得ても、日本にとっては決して安全保障ではあり得ず、政府は断固抗議すべきであります。
反対理由の第三は、国民世論に反する自衛隊の増強政策であります。
総理府の世論調査によって、国民の七割以上がこれ以上の防衛費の増額も自衛隊の増強も望んでいないことは明白であります。国民は、F15やイージス艦や戦車で日本を守れるとは思っていないのであります。日本の真ん中に軍事基地をつくっても、日本の安全が確保されるとは思っていないのであります。政府は、このような国民の声に真摯に耳を傾け、広範な海空域に拡大しつつある軍事優先の政策を即時中止すべきであります。
反対理由の第四は、防衛二法の内容であります。
一般行政官は増員が厳しく抑制され、事務の合理化、効率化がひとしく要求されているのであります。一方、自衛隊については、毎年安易な増員要求が際限もなく続けられ、しかも増員の理由について、委員会審議を経ても結局明らかにはされませんでした。予備自衛官に至っては、いつの間にか発足当初の三倍以上の人員になりながら、いまだその将来規模や役割について全く明らかにされておりません。自衛官、予備自衛官ともその増員は安易であり、けじめがなく、余りにも無節操であると言わなければなりません。
竹下首相は、第三回国連軍縮特別総会において、軍備管理及び軍縮について演説をしました。しかし、御自身の日本は軍備増強に走り、今や防衛予算の規模においては世界有数となり、その伸び率は世界一であります。平和憲法下、首相が軍縮を説かれるのであれば、日本みずから軍縮への努力をしていることを実績をもって示すべきであります。
折から西ドイツのコール首相が、外相、国防相、環境相等五閣僚と経済人多数を伴って訪ソ中であります。経済、環境、軍縮等内外の広範な諸問題が検討されると考えられます。軍縮については、両国の国防相間で通常兵力削減交渉を早急に開始すべきであるとの認識の一致が報ぜられております。フランスのミッテラン大統領とゴルバチョフ書記長のトップ会談も近く予定されていると聞いております。
このように、世界は今デタント、軍縮の方向へ意欲的に動いているのであります。このとき我が国のなすべきことは、アジアにおける軍縮と信頼醸成の機運を守り立て、みずからその実を上げることでなければならないはずであります。本法律案は、このような世界情勢に反し、国民の意思に沿わず自衛隊をなし崩しに増大せしめるものであり、強く反対の意思を表明して、討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/19
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020・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) これにて討論は終局いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/20
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021・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/21
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022・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。
本日はこれにて散会いたします。
午前十時二十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X00819881026/22
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