1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和六十三年十二月二十三日(金曜日)
午後四時十分開議
━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十五号
昭和六十三年十二月二十三日
午前十時開議
第一 医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
第二 後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案(第百八回国会内閣提出、第百十三回国会衆議院送付)
第三 税制改革法案(内閣提出、衆議院送付)
第四 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第五 消費税法案(内閣提出、衆議院送付)
第六 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第七 消費譲与税法案(内閣提出、衆議院送付)
第八 地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
一、日程第一及び第二
一、議院運営委員長嶋崎均君解任決議案(浜本万三君外一名発議)(委員会審査省略要求事件)
一、内閣総理大臣兼大蔵大臣竹下登君問責決議案(野田哲君外一名発議)(委員会審査省略要求事件)
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/0
-
001・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) これより会議を開きます。
日程第一 医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
日程第二 後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案(第百八回国会内閣提出、第百十三回国会衆議院送付)
以上両案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長前島英三郎君。
〔前島英三郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/1
-
002・前島英三郎
○前島英三郎君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部を改正する法律案は、医薬品に混入したエイズウイルスによる健康被害の救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度による給付に準じた給付の事業を医薬品副作用被害救済・研究振興基金に行わせるものであります。
次に、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案は、エイズの蔓延の防止を図るため、エイズの伝染の防止その他その予防に関し所要の措置を講ずるものであり、その主な内容は、第一に、予防に必要な施策、教育活動等を通じた知識の普及、研究の推進等に関する国等の責務及び患者等の人権の保護について規定すること。第二に、感染源の把握及び二次感染の防止に関し、血液凝固因子製剤による感染者を除く都道府県知事への報告、感染者が医師の指導に従わない等公衆衛生上特に問題が生ずる場合の医師の通報、都道府県知事の健康診断の勧告及び命令、指示等を規定すること。第三に、医師、公務員その他の関係者に守秘義務を課すこと。第四に、出入国管理及び難民認定法の一部を改正し、エイズに関する出入国管理上の措置について規定すること等であります。
委員会におきましては、両案を一括して審議を進め、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案について参考人からの意見聴取を行うとともに、法案の必要性と効果、感染者等の人権擁護、感染者の潜在化、血液製剤による感染者への対応、我が国の血液行政等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案について、日本社会党・護憲共同山本理事、公明党・国民会議中西理事及び日本共産党沓脱委員よりそれぞれ反対、自由民主党宮崎理事より賛成する旨の意見が述べられました。
討論を終わり、まず、医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部を改正する法律案について諮りましたところ、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
次に、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案について諮りましたところ、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
なお、本法律案に対し、附帯決議が全会一致をもって付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/2
-
003・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) これより採決をいたします。
まず、医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/3
-
004・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。
次に、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律案の採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/4
-
005・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/5
-
006・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) この際、お諮りいたします。
浜本万三君外一名発議に係る議院運営委員長嶋崎均君解任決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/6
-
007・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
よって、本案を議題といたします。
まず、発議者の趣旨説明を求めます。浜本万三君。
〔浜本万三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/7
-
008・浜本万三
○浜本万三君 私は、提案者を代表いたしまして、議院運営委員長嶋崎均君解任決議案の提案理由を御説明申し上げます。
一昨日、税制問題等に関する調査特別委員会におきまして、税制法案とリクルート疑惑に関する質疑が過半数を占める自由民主党により強引に打ち切られ、税制六法案が強行採決されるという暴挙が行われたのであります。
これは自民党竹下内閣の、リクルート疑惑の真相究明を避け、その政治責任を回避し、今臨時国会中に税制法案を成立させようとする野望に従った行為であることは、今さら繰り返すまでもありません。このような暴挙が衆議院に続き当院でも反復されることを断じて容認することはできません。
委員会での強行採決を白紙に戻し、質疑途中の税制法案の審議を続行しなければならないことは申すまでもありません。それを行わず、税制六法案を本日の本会議の議題とし、税制問題等に関する調査特別委員会での税制法案の強行採決を追認し、不当にも本会議開催を職権で強行いたしました議院運営委員長の責任は重大であります。解任されて当然であると考えるわけでございます。
そもそも消費税導入を強行しようとすること自体、大型間接税である消費税を柱とした税制法案を提案し、審議すること自体に無理があったのであります。
大型間接税を導入しないとした自民党政府の公約違反は明らかでありますから、衆議院解散総選挙で民意を問うのは当然のことであります。我々は、税制法案提案、税制法案成立をねらって臨時国会が開会される前からこのように主張してきたところであります。これは議会制民主主義にのっとった当然の主張と言えるのであります。
それに加えて、税制法案の立案責任者でありました宮澤前大蔵大臣、さらには竹下総理みずからがリクルート疑惑に関与していた事実が明らかにされている現在、その真相の究明や政治責任の明確化がなければ、到底歴史的な税制改革論議などできようはずがないのであります。
宮澤前大蔵大臣が職を辞したのは当然でありますが、これで政治責任問題に決着がついたわけでは決してなく、国会での疑惑解明が終わったわけでもないのであります。宮澤前大蔵大臣は税制法案成立のための犠牲になったとも言われておりまするが、税法担当大臣がリクルート疑惑にまみれていた事実が明白となった今日、むしろ消費税法案などを撤回するか、総選挙で民意を問うべきであることは当然であります。
ところが竹下内閣は今臨時国会中に消費税導入を成功させることにますます執心しているのでありますが、こうした態度は国民の認めるところでは断じてありません。リクルート疑惑や減税、弱者救済などをてこに、さらには天皇陛下の御病気さえもその目的達成のために利用しているのであります。
こうした竹下内閣の態度に直面し、我々ばかりでなく、多くの国民が驚き、政治に対する不信感を募らせているところであります。国民の多くが、リクルート疑惑の究明、その政治責任の明確化、そして不公平税制の是正を期待しておるところでございます。
とりわけリクルート疑惑は、ロッキード疑獄をはるかに上回る政権の構造的な汚職であります。この究明、政治責任の貫徹なくして、大型間接税の導入に国民の賛同が得られることはありません。竹下総理を初めとしたリクルート汚職にまみれた税制、そして消費税を進んで受け入れようとする国民はだれ一人いないのであります。
また、今臨時国会での税制法案の審議そのものもいまだに全く不十分であります。
衆議院の税制問題等に関する調査特別委員会では、リクルート疑惑、不公平税制の是正、税制の基本問題に関する論議が中心だったのであり、これらの問題についてさえまだ何の結論も出されていない状態でありました。本院におきましてもそれらの結論はまだ出されてはおりません。審議途上にあったのであります。竹下総理を初め政府首脳、自民党首脳は、それでも税制法案に関する審議は十分行ったと申しておるのであります。
しかし、国民世論でも明らかなように、そのような強弁は通じるものではありません。審議が不十分な状態で今国会中に消費税を成立させようとするから、強行採決を繰り返さなければならないのではありませんか。初めに消費税ありきで、しかも成立時期まで確定して国会に提案し、審議に臨むこと自体が既に大きな問題と言わなければなりません。
税制問題等に関する調査特別委員会においては税制法案の審議はまだまだ不十分な状態であり、これから本格的にリクルート疑惑に関して質疑が行われ、所得税、法人税、資産課税、消費課税と個別的に集中的な審議が行われようとしていたやさき、自民党によって審議が打ち切られ、強行採決が行われたことはまことに遺憾であり、極めて重要な違反行為でございます。法案成立を最優先課題とし、そのための日程合わせのための強行採決を我々は到底認めるわけにまいりません。本会議での強行採決の繰り返しを黙って見過ごすことはできないのであります。
税制法案、リクルート問題が審議されているにもかかわらず、税制法案成立後の内閣改造までも既に取りざたされている状況は、全く異常としか言いようがないのであります。内閣総辞職、解散総選挙の考えがないというのであれば、委員会での強行採決を白紙に戻し、税制論議を徹底的に継続することが政府・与党の必要最低限の責務ではありませんか。
不公平税制を放置したまま、竹下総理みずからが、所得に対して逆進的で、中小零細事業者などの価格転嫁は困難、物価は上昇し、地方財政を困らせるなど矛盾が多く、六つの懸念どころではなく、八つの懸念と言って、その根本的欠陥を認めざるを得ない消費税という大型間接税が強行導入されようとしておることは、到底許すことができないのであります。
我々は、リクルート疑惑の究明を避け、その政治責任を逃れようとし、さらには国民に対する約束をほごにし、不公平を拡大する消費税導入を強行しようとする竹下内閣の暴挙を許すわけにまいりません。
竹下内閣の消費税強行導入の野望に国会が追随することが、議会制民主主義を破壊することに帰着し、そして国民の政治不信を助長させることは明らかでございます。我々はこれまでの経過を真剣に反省し、国会での論議を再開しなければなりません。さきに指摘しましたように、議会運営の重責を担う議院運営委員長の責任は重大であり、その解任は当然のことであると思います。
以上が提案の理由であります。
何とぞ賛同を賜りますようお願いし、趣旨説明を終わらせていただきます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/8
-
009・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。山本正和君。
〔山本正和君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/9
-
010・山本正和
○山本正和君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました議院運営委員長嶋崎均君解任決議案に対しまして、賛成の討論を行うものであります。
衆議院に引き続き、今月二十一日の夕刻、本院の税制問題等に関する調査特別委員会におきましても、税制六法案の強行採決が繰り返されたのであります。歴史的に見ても、租税は、議会制民主主義の最も重要な課題であります。この重要な税制改革の論議が突然自民党によって強引に打ち切られ、異常な状態で法案の採決が行われたかに見えたことはまさに歴史的暴挙であり、認めることはできません。議会は全く異常な状態に陥っていると言わざるを得ないのであります。こうした状況を打開するには、不正常な状態で強行可決されたと称する税制六法案を税制特別委員会に差し戻し、税制論議とリクルート疑惑の真相究明を続けることが要請されているのであります。
ところが議院運営委員長である嶋崎均君は、議会運営に責任を持つ重要な立場にありながら、税制六法案を税特委員会への差し戻しを行わないばかりか、強引に本日の本会議の議題にしたのであります。余りにも無責任な議会運営であり、竹下内閣の野望に一方的に加担する議会運営であると言わなければなりません。こうした議会運営が続けられれば、国民の政治に対する不信、国会に対する不信感はますます増幅されるに違いありません。嶋崎均君は、議院運営委員長を解任されても仕方がないのであります。
ところで、税制改革問題を振り返ってみれば、竹下総理は、中曽根前内閣において長い間大蔵大臣を務め、その後与党幹事長として売上税導入の総指揮をとり、それ以前の大平内閣時代におきましても大蔵大臣として一般消費税の導入を画策いたしました。しかしながら、そのいずれもが、我が党を中心とする野党を初め広範な国民の皆さんによって挫折せざるを得なかったのであります。
御承知のように、大平内閣の当時の一般消費税は導入しないとした国会決議は、竹下総理を初め自民党を含む全会一致で可決されたものであります。その後、中曽根前総理当時の大型間接税に関する政府統一見解、並びに一昨年六月の総選挙における大型間接税は導入しないとした自民党の選挙公約など、竹下総理はいずれの場合においても最高責任者の一人として重要な役割を果たしたのであります。
昨年、中曽根内閣が提起した売上税は、こうした経緯を全く無視し、選挙公約を真っ向からほごにしようとしたために、自民党の三百を超える圧倒的優位の衆議院において廃案に追い込まれ、中曽根退陣に道を開いたことは記憶に新しいところであります。
内閣が交代した、売上税廃案で公約問題などの洗礼は受けたなどという強弁は、自民党内では通用しても、国会や国民に受け入れられるものではありません。そもそも竹下内閣には、大型間接税の導入を中心とする税制改革を提案する資格がないのであります。我が党などが、大型間接税の導入を強行するのであればまず国会を解散し信を国民に問えと繰り返し強調してきたのは、そうした国民との約束事を重視したからで、議会制民主主義を担う政党として当然の主張なのであります。これを全く無視して竹下総理が政治生命をかけるとして提案している消費税は、この憲政の原則に対する挑戦にほかならず、断じて許すわけにはまいりません。
さて、消費税法案は、竹下総理が政治生命をかけるに値する内容でありましょうか。これは既に、消費税法案には多くの欠陥があり早晩見直しが必要であるとの竹下総理・大蔵大臣の答弁で明々白々となっておるのであります。つまり、抜本的見直しを予定した法案を提案し、強引に成立させようとしているわけで、こんな法案を抜本税制改革と称すること自体、厚顔無恥も甚だしいと言わざるを得ません。
この法案はまた、憲法違反の疑いすら指摘されているのであります。租税法律主義というのは、強制的に国民の財産から国が取り上げるという強制措置を持っているだけに、租税に関する法律は明確で公正で、執行についても公平なものが確保されている、これがあって初めて租税のていをなすのであります。この要件が極めて妥当を欠いていることについては、税制改革特別委員会の中でのたびたびの指摘によって明らかであります。このような、まさに憲法に反する疑いのある法案が上程されようとしていることに対して、議院運営委員会は十分にその内容を検討し、差し戻しをすべきは当然であります。
加えて、高齢化社会への対応をうたいながら、事もあろうに年金支給開始年齢を六十五歳に繰り延べするという考えを明らかにしているのであります。高齢化社会の進展に向けて消費税が必要だとしながら、結局は弱者いじめが進められようとしているのであります。年金などの完全物価スライドや福祉・介護一時金など歳出面での配慮が必要とされることを見れば明らかなように、消費税の欠陥は政府みずからも認めざるを得ないのであります。我々の、消費税導入論議の前に防衛費の突出優遇の問題を初めとした財政の洗い直しが必要であるとの主張に対しては、税制は歳出とは関係がないなどと答弁しておきながら、この消費税の問題については歳出問題を持ち出してこれを糊塗しようとしているのであります。
竹下総理は、大型間接税である消費税が持つ基本的欠陥、すなわち所得に対する逆進性の問題を初め八つの懸念について再三言及しています。しかし、何回答弁を繰り返してもそうした矛盾の解決策は見つからず、結果としては、消費税の弾力運用などという、租税法律主義を無視した税務当局の恣意にゆだねたびほう策に帰着しているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/10
-
011・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 山本君、時間が超過いたしております。簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/11
-
012・山本正和
○山本正和君(続) はい、わかりました。
竹下内閣の消費税法案が公正でなく公平でないという指摘は、議論が進めば進むほどかえってふえているのであります。このような消費税法案の強行採決を認める人はほとんどいません。公約に違反し、内容的に重大な欠陥を持つ消費税法案は棚上げにし、もう一度国民の意見を謙虚に聞き、民主的な討論の上に高齢化社会に備えた税制のあり方を探求すべきではないかと確信するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/12
-
013・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 山本君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/13
-
014・山本正和
○山本正和君(続) 少なくとも税制法案を委員会に差し戻すべきなのであります。
また、自民党による強行採決がリクルート隠しではないかとも考えられるのであります。リクルート疑惑の究明はあらゆる問題に最優先するのであります。また、税制論議の大前提でもあります。
言うまでもなくリクルート疑獄は、内閣総理大臣が関与したロッキード疑獄に比べものにならない広さと深さを持ち、政権全体を巻き込んだ構造汚職にほかなりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/14
-
015・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 山本君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/15
-
016・山本正和
○山本正和君(続) リクルート疑獄は、前政権である中曽根内閣の臨調行革、民活、規制緩和路線と密接に関係する政権汚職であることは明らかであります。
この政権汚職は、政界、官界、財界、地方自治体などにまで及び、とりわけ政界では前内閣の中曽根総理……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/16
-
017・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 山本君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/17
-
018・山本正和
○山本正和君(続) 官房長官、副長官等の中枢が関与し、現内閣でも竹下総理、宮澤前大蔵大臣を初め、与党幹事長、政調会長ら首脳陣が軒並み名を連ね、ぬれ手にアワの……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/18
-
019・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 山本君、山本君、時間が大幅に超過いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/19
-
020・山本正和
○山本正和君(続) 巨大な利益を一夜にして手にしているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/20
-
021・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/21
-
022・山本正和
○山本正和君(続) 簡単にやります。
店頭登録前の未公開株の譲渡が単純な経済行為ではないことは、一人前の良識ある人ならばだれでも判断できることでありましょう。
このため、NTT会長初め民間の関係者の多くが職を辞しているにもかかわらず、政治家は、宮澤前大蔵大臣をスケープゴートにしたのみで……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/22
-
023・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 山本君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/23
-
024・山本正和
○山本正和君(続) だれ一人として責任をとらず、疑惑解明に目をつぶり、消費税導入を強行してきたことに国民は心底怒っているのであります。
しかるに竹下総理は、自民党総裁という立場を
背景に、リクルート疑惑の解明にふたをし、消費税導入の強行採決を繰り返し……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/24
-
025・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 山本君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/25
-
026・山本正和
○山本正和君(続) 国民世論の風向きが厳しくなると、憲法違反につながりかねない政治臨調を打ち出し、あたかも政治改革に熱心であるかのようにポーズをとっているのであります。今、竹下内閣のこうした野望に良識の府である本参議院が手をかすことは、参議院みずからの存在意義を喪失させる行為であり、憲政史に一大汚点を残すことは明らかであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/26
-
027・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 山本君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/27
-
028・山本正和
○山本正和君(続) もうすぐ終わります。
国民が期待しているのは、税制法案の成立ではなく、議会の正常化であります。それをあえて無視してきた議院運営委員長の責任は重大であり、解任されるに十分相当する態度であると言わざるを得ません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/28
-
029・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 山本君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/29
-
030・山本正和
○山本正和君(続) 最後に、リクルート疑惑隠しと……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/30
-
031・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) このままですと発言を禁止しなければなりません。簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/31
-
032・山本正和
○山本正和君(続) 消費税の強行導入に徹底的に反対していくことを強調いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/32
-
033・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 下田京子君。
〔下田京子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/33
-
034・下田京子
○下田京子君 私は、日本共産党を代表し、日本社会党浜本万三君提出の嶋崎均議院運営委員長解任決議案に賛成の討論を行います。
まず最初に申し上げたいことは、今国会の最大の任務は何か。それはリクルート疑惑の徹底解明であり、このことこそ国会が国民の信頼にこたえる道であります。また、やってはならないことは、国民の圧倒的多数が反対している公約違反、弱い者いじめの天下の悪税、消費税の審議強行、採決強行であります。
そこで、議院運営委員長嶋崎均君解任決議案に賛成する第一の理由は、議院運営委員会で消費税等六法案を、我が党と社会党の強い抗議にもかかわらず、一方的に本会議に上程することを強行決定したことであります。
そもそも議院運営委員長は、議長を補佐し、国会運営のかなめとして、その職責の極めて大なることは申し上げるまでもありません。さらに、良識の府参議院は、十二分に審議を尽くし、問題を解決することこそが国民から求められているのであります。しかも、本院税制問題等に関する調査特別委員会において審議されていた消費税等六法案は、国民の圧倒的多数が反対していることが各種世論調査でも明らかです。また、委員会審議を通じても、消費税法案の欠陥、反国民的な本質がますます明らかになっており、本法案は撤回する以外にはありません。
それにもかかわらず自民党は、税制問題等調査特別委員会で委員が質疑中、突如、質疑打ち切り動議を提出したと称し、消費税等六法案の採決なるものを単独で強行しました。しかし、この採決なるものは全く存在しておりません。私はこの目と耳で、斎藤文夫委員が「委員長」と言っただけで、質疑打ち切り動議なるものについて発言していない事実をはっきりと確認しております。また、二十二日に明らかになった速記録でも、強行採決の瞬間は「発言する者多く、議場騒然、聴取不能」となっており、とても採決などと言えるものではありません。にもかかわらず消費税法案を本会議に上程するなど言語道断です。
しかるに、議院運営委員長嶋崎均君は、消費税法案に関する税制問題等調査特別委員会での議了、採決なるものは不当きわまりない無効なものにもかかわらず、自民党の意向のまま本会議を職権で設定し、共産党、社会党の強い抗議にもかかわらず本会議上程を決定したものであります。これは議会制民主主義を根底からじゅうりんする暴挙以外の何物でもなく、良識の府参議院の自殺行為にも等しいものであります。
議院運営委員長嶋崎均君は、国会法に定める「委員会の議事を整理し、秩序を保持する」ことの委員長の職務を著しく怠ったばかりか、公正なる委員会運営の責任を放棄したもので、議院運営委員長の資格がないことは言うまでもありません。
第二に、消費税法案は、一九七九年十二月の本院における決議、いわゆる一般消費税は導入しないとの決議に真っ向から反するものであります。
全会派一致で決定したこの決議が否定した一般消費税と仕組み、構造の基本が全く同じものであるにもかかわらず、議院運営委員長嶋崎均君が消費税等六法案の本会議上程を議院運営委員会で強行したのは、議会制民主主義に反し、断じて認められません。しかも、消費税はまさに大型間接税そのものであり、八六年六月の衆参同時選挙で当時の中曽根首相が掲げた、大型間接税は導入しないという公約に反するものです。現在の自民党の衆参両議院の議席はこの公約によって得られたものであり、本来、国会を解散して国民の真意を問うのが議会制民主主義の基本であります。
議院運営委員長嶋崎均君が公約違反の消費税法案を強行上程することは、主権者である国民に対する重大な背信行為であり、議院運営委員長の資格に欠けることは明白であります。
解任決議案に賛成する第三の理由は、十二月九日の議院運営委員会で、我が党、社会党の強い反対を押し切って消費税法案についての公聴会を承認したことであります。
公聴会は本来、論議を尽くし、論点を明らかにした上、賛成、反対の国民の意見を広く聞くために開会するべきものであります。ところが、消費税法案を審議する税制問題等に関する調査特別委員会での論議を一度も実施していない段階で、理事会での協議さえ尽くさず、自民党、民社党で公聴会日程を強行採決したのです。
以上述べてきたように、嶋崎議院運営委員長は、国会法に定める委員長の職務に忠実であるならば、消費税等六法案を当然税制特別委員会に英断を持って差し戻すべきであります。
今、国民は、採決は無効、委員会に差し戻せ、まずやるべきことはリクルート疑惑の真相解明、さもなくば内閣総辞職、国会解散で国民に信を問えと、自民党の強行採決を怒り、消費税法案の撤回をこそ望んでいるのであります。リクルート疑惑は、竹下首相、宮澤前蔵相、中曽根前首相を初め政界、官界、経済界の指導者が特権を利用して、庶民が一生かかっても手にすることができない巨額の利益を得ている戦後最大の一大疑獄事件であります。この解明なくして国会が国民に義務を果たす道はありません。
今回の消費税法案を提案した宮澤蔵相が疑惑で辞任したばかりか、法案作成に参画した政府税制調査会のメンバーに疑惑関係者がいることからしても、税制改革のうたい文句である公正、公平すら担保されておりません。
しかるに、議院運営委員長嶋崎均君は、参議院としても審議を十分に尽くさず質疑打ち切りを重ね、強行採決に次ぐ強行採決による消費税法案を上程する本会議を開かせたことは、議院運営委員長として越権行為であるばかりか、委員会の公正な運営に責任を負う委員長の名に値しないと断ぜざるを得ないことを指摘して、議院運営委員長嶋崎均君の解任決議案に対する賛成討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/34
-
035・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) これにて討論は終局いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/35
-
036・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) これより議院運営委員長嶋崎均君解任決議案の採決をいたします。
表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
〔議場閉鎖〕
〔参事氏名を点呼〕
〔投票執行〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/36
-
037・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 速やかに御役票願います。——速やかに御投票願います。——まだ御役票なさらない諸君は速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御役票願います。——御静粛に願います。御投票なさる方はお立ちの上速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——御静粛に願います。速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。ただいま行われております投票につきましては、自後五分間に制限いたします。時間が参りますれば投票箱を閉鎖いたします。速やかに御投票願います。——速やかに御投票をお願いいたします。——速やかに御役票願います。——御静粛に願います。——速やかに御役票願います。——まだ投票なさらない諸君は速やかに御投票願います。速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——まだ投票をなさらない諸君は速やかに御投票願います。——速やかに御役票願います。——速やかに御投票ください。——まだ投票なさらない諸君は速やかに御投票をお願いいたします。——速やかに御投票をお願いします。——速やかに御投票願います。——まだ投票なさらない諸君は速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——まだ投票なさらない諸君は速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票をお願いいたします。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかに御投票をお願いいたします。——速やかに御投票願います。——続いて御投票願います。——速やかに御投票願います。——速やかにお願いいたします。——続いて投票をお願いいたします。——速やかに投票をお願いいたします。——速やかに投票をお願いいたします。——引き続き速やかに投票をお願いいたします。——速やかにお願いいたします。——続いて投票をお願いいたします。——速やかに投票をお願いいたします。——投票をお願いいたします。——投票をお願いいたします。——投票をお願いいたします。——投票をお願いいたします。——引き続き投票をお願いいたします。——投票をお願いいたします。——続いて投票をお願いいたします。——速やかに投票をお願いいたします。——速やかに投票ください。——速やかに投票ください。——引き続き御投票ください。——速やかに御役票ください。——速やかに投票ください。——速やかに投票ください。——速やかにお願いいたします。——直ちにお願いいたします。——引き続きお願いいたします。——速やかに御役票願います。——直ちに投票願います。——直ちにお願いいたします。——直ちに投票をお願いいたします。——直ちに投票をお願いいたします。——直ちに投票をお願いいたします。——直ちに投票ください。——投票漏れはございませんか。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。——お願いします。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。(発言する者あり)わかっていたらお願いします。お願いします。——直ちに投票をお願いします。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。——上田君、直ちに投票ください。——直ちに投票をお願いいたします。——直ちに投票をお願いいたします。——直ちに投票願います。——直ちにお願いします。——投票をしてください、投票を。——直ちに投票をお願いいたします。——上田君、直ちに投票をお願いいたします。——直ちに投票をお願いいたします。——直ちにお願いします。——上田君、直ちに投票をお願いいたします。——上田君、直ちに投票ください。——上田君、投票ください。——上田君、投票ください。——上田君、直ちに投票ください。——投票ください。——投票ください。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。直ちに投票ください。——引き続き投票ください。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。——直ちに投票ください。
投票漏れはございませんか。——投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
〔投票箱閉鎖〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/37
-
038・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
〔議場開鎖〕
〔参事投票を計算〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/38
-
039・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十七票
白色票 百票
青色票 百三十七票
よって、議院運営委員長嶋崎均君解任決議案は否決されました。(拍手)
—————・—————
〔参照〕
賛成者(白色票)氏名 百名
青木 薪次君 赤桐 操君
秋山 長造君 穐山 篤君
一井 淳治君 糸久八重子君
稲村 稔夫君 上野 雄文君
小川 仁一君 小野 明君
及川 一夫君 大木 正吾君
大森 昭君 梶原 敬義君
粕谷 照美君 久保 亘君
久保田真苗君 小山 一平君
佐藤 三吾君 志苫 裕君
菅野 久光君 鈴木 和美君
田渕 勲二君 高杉 廸忠君
千葉 景子君 対馬 孝且君
中村 哲君 野田 哲君
浜本 万三君 福間 知之君
松前 達郎君 松本 英一君
丸谷 金保君 村沢 牧君
本岡 昭次君 八百板 正君
矢田部 理君 安恒 良一君
安永 英雄君 山口 哲夫君
山本 正和君 渡辺 四郎君
飯田 忠雄君 猪熊 重二君
及川 順郎君 太田 淳夫君
片上 公人君 刈田 貞子君
黒柳 明君 塩出 啓典君
多田 省吾君 高木健太郎君
高桑 栄松君 鶴岡 洋君
中西 珠子君 中野 明君
中野 鉄造君 馬場 富君
広中和歌子君 伏見 康治君
三木 忠雄君 峯山 昭範君
矢原 秀男君 和田 教美君
諫山 博君 市川 正一君
上田耕一郎君 小笠原貞子君
沓脱タケ子君 近藤 忠孝君
佐藤 昭夫君 下田 京子君
立木 洋君 内藤 功君
橋本 敦君 宮本 顕治君
山中 郁子君 吉井 英勝君
吉岡 吉典君 吉川 春子君
井上 計君 勝木 健司君
栗林 卓司君 小西 博行君
関 嘉彦君 田渕 哲也君
抜山 映子君 橋本孝一郎君
藤井 恒男君 柳澤 錬造君
山田 勇君 野末 陳平君
青島 幸男君 喜屋武眞榮君
下村 泰君 青木 茂君
木本平八郎君 平野 清君
西川 潔君 山田耕三郎君
—————————————
反対者(青色票)氏名 百三十七名
青木 幹雄君 井上 吉夫君
井上 孝君 井上 裕君
伊江 朝雄君 石井 一二君
石井 道子君 石原健太郎君
石本 茂君 板垣 正君
岩崎 純三君 岩本 政光君
上杉 光弘君 植木 光教君
浦田 勝君 遠藤 要君
遠藤 政夫君 小野 清子君
大河原太一郎君 大木 浩君
大島 友治君 大城 眞順君
大鷹 淑子君 大塚清次郎君
大浜 方栄君 岡田 広君
岡野 裕君 岡部 三郎君
長田 裕二君 加藤 武徳君
海江田鶴造君 梶木 又三君
梶原 清君 金丸 三郎君
亀長 友義君 川原新次郎君
河本嘉久蔵君 木宮 和彦君
木村 睦男君 北 修二君
久世 公堯君 工藤万砂美君
沓掛 哲男君 熊谷太三郎君
倉田 寛之君 小島 静馬君
古賀雷四郎君 後藤 正夫君
佐々木 満君 佐藤謙一郎君
斎藤栄三郎君 斎藤 十朗君
斎藤 文夫君 坂野 重信君
坂元 親男君 沢田 一精君
山東 昭子君 志村 愛子君
志村 哲良君 嶋崎 均君
下稲葉耕吉君 下条進一郎君
陣内 孝雄君 杉山 令肇君
鈴木 省吾君 鈴木 貞敏君
世耕 政隆君 関口 恵造君
曽根田郁夫君 添田増太郎君
田沢 智治君 田代由紀男君
田中 正巳君 田辺 哲夫君
高木 正明君 高橋 清孝君
高平 公友君 竹山 裕君
谷川 寛三君 坪井 一宇君
出口 廣光君 寺内 弘子君
名尾 良孝君 中曽根弘文君
中西 一郎君 中村 太郎君
仲川 幸男君 永田 良雄君
永野 茂門君 成相 善十君
西村 尚治君 野沢 太三君
長谷 川信君 服部 安司君
初村滝一郎君 鳩山威一郎君
林 健太郎君 林 寛子君
林 ゆう君 林田悠紀夫君
原 文兵衛君 桧垣徳太郎君
平井 卓志君 福田 宏一君
藤井 孝男君 二木 秀夫君
降矢 敬義君 星 長治君
堀内 俊夫君 堀江 正夫君
真鍋 賢二君 前島英三郎君
前田 勲男君 増岡 康治君
松浦 功君 松浦 孝治君
松尾 官平君 松岡滿壽男君
水谷 力君 宮崎 秀樹君
宮澤 弘君 宮島 滉君
向山 一人君 村上 正邦君
最上 進君 守住 有信君
森田 重郎君 森山 眞弓君
矢野俊比古君 柳川 覺治君
山岡 賢次君 山崎 竜男君
山内 一郎君 山本 富雄君
吉川 博君 吉川 芳男君
吉村 眞事君
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/39
-
040・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) この際、お諮りいたします。
野田哲君外一名発議に係る内閣総理大臣兼大蔵大臣竹下登君問責決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/40
-
041・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 御異議ないと認めます。
よって、本案を議題といたします。
まず、発議者の趣旨説明を求めます。野田哲君。
〔野田哲君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/41
-
042・野田哲
○野田哲君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました内閣総理大臣兼大蔵大臣竹下登君問責決議案の提案理由並びにその趣旨について説明をいたします。
まず、冒頭、問責決議案の主文を読み上げ、その理由を申し上げます。
本院は、内閣総理大臣兼大蔵大臣竹下登君を問責する。
理由
一、内閣総理大臣兼大蔵大臣竹下登君は、大型間接税を導入しないとした国会決議、政府統一見解、選挙公約を破り、消費税法案を国会に提出するとともに、不公平税制の是正に手をつけず、また自由民主党総裁として、消費税法案成立のため異例の臨時国会の会期延長を二度にわたって強行し、さらに、十分な審議も行わぬまま、衆議院に続き、本院においても法案の強行採決を繰り返す暴挙を重ねている。
二、内閣総理大臣兼大蔵大臣竹下登君は、みずからの関係者が戦後最大の政権構造汚職とも言えるリクルート疑惑に関与しており、また疑惑徹底解明の国民の声に反し、必要な調査、資料の公表を行わず、宮澤前大蔵大臣の辞任をもって疑惑解明を隠ぺいしようとしている。
三、竹下登君の以上のような態度は、国民の政治不信を増大させ、内閣への信頼を根底から覆し、税制民主主義を崩壊させ、議会制民主主義を破壊するものにほかならない。
これが問責の理由であります。
次に、問責決議案を提案いたしました趣旨について説明いたします。
竹下総理、あなたが中曽根内閣を引き継いできょうまで一年一カ月余を経過するのでありますが、この間、あなたは取り返しのつかない三つの大きな過ちを犯しました。この政治責任たるや極めて重大であります。
すなわち、その第一は、政界、官界、財界のトップリーダーを巻き込んだ戦後最大の疑獄事件に発展してきたリクルート事件に、総理みずから疑惑を招く一人として登場してきているという重大な過ちであります。しかも総理は、事件の発覚以降、疑惑の真相究明についぞ積極的になすことなく、これを隠ぺいする姿勢に終始してきたのであります。
第二は、竹下内閣と自民党が国民から大きな疑惑を持たれているにもかかわらず、さきの選挙公約をほごにして、しかも参議院の議会ルールさえ無視して、大型間接税を導入するため、税制改正六法案を強行採決した過ちであります。
そして第三は、こうした恥も外聞もなくした竹下政治によって、国民の政治に対する不信感を最悪の状況に追い込んでいるという過ちであります。
総理が犯したこの三つの過ちは、我が国の政治、経済、社会、文化のあらゆる面にわたって根幹をなす民主主義、議会政治を真っ向から否定するものであります。もはや、国民と永田町の間における信頼感の欠如の深刻な拡大を放置することは許されないのであります。
竹下総理、先ごろテレビの視聴者参加番組でこんなことがありました。今、ばかやろうと大声で叫びたいのはだれかというアンケートに対して、何と一番に挙げられたのは政治家であったのです。総理はこのことを何と受けとめられていますか。私は、今、本院の先輩諸氏がよき伝統を築くことに議会人として絶えず知恵を出し合い、英知を集め、その実績を誇ってきた本院本会議場の壇上から、竹下政治に対する国民の激しい怒りの声とともに、総理の政治責任を厳しく問うものであります。
以下、さらに具体的に述べます。
リクルート事件の真相究明は、政府・自民党の執拗なリクルート隠しにもかかわらず、この六カ月間にわたる国会審議、証人喚問を通して、あるいは我が党の独自調査を通じて、あるいは新聞、テレビ、雑誌等を通じて、この事件が戦後最大の疑獄事件であることを明らかにするところまで来ています。
リクルート関連会社から非公開株の譲渡を受け、労せずしてぬれ手にアワどころか懐手で巨額の譲渡益を得ていた物的証拠や情況証拠から見て、竹下総理を初め宮澤前大蔵大臣、中曽根前総理、藤波元官房長官、安倍元外務大臣、渡辺元通産大臣、加藤前農林水産大臣、加藤元防衛庁長官、森元文部大臣、渡辺前官房副長官の十人にわたる現、前、元の主要閣僚の周辺に対する疑惑は動かしがたい事実であります。この方々はいずれも今日の竹下総理・自民党総裁を支える要職にある人たちばかりであります。
総理、あなたが大蔵大臣、幹事長として支えてきた中曽根前総理は、戦後政治の総決算を掲げ、行政改革、民間活力の導入を声高らかに叫んできたのでありますが、その中心テーマが税制改革であり、教育改革であり、土地を含む行財政改革であったことは御承知のとおりであります。しかし、これらのテーマの具体化に際して、ことごとく江副前リクルート会長がばらまいた非公開株譲渡が絡んでくるのであります。
さきに指摘いたしました政治家に加え、高石前文部事務次官、加藤前労働事務次官、真藤NTT会長らや、あるいは政府税制調査会や土地臨調など各種審議会の委員を含め、いずれも事業展開をめぐって許認可や公的な便宜供与と不可分のかかわりのあったことがうかがえるのであります。例えば、NTTを通じて米国から購入したスーパーコンピューターの導入や、回線リセール事業に便宜供与を与えたという問題の背景には、日米貿易摩擦、政府のイニシアによる日本側のドル減らしが巧妙に絡んでおり、田中ロッキード汚職に極めて類似した構造が見え隠れするのであります。
総理、リクルート疑惑はまさに中曽根前内閣が金看板とした行政改革、教育改革、民間活力の導入を食い物にした構造汚職であって、この疑惑を隠すことに狂奔したのが竹下内閣ではないのかと世間が思うのももっともなことではないでしょうか。しかも総理は、総理みずからにかかわる疑惑について何一つ積極的に解明する姿勢がないのは一体どういうことでありましょうか。
総理はいまだに、李下に冠を正さずの教えどおり十分心していくと繰り返すのみでありますが、李下に冠を正さずとは、スモモの木の下で手を上げて冠の曲がっているのを直すとスモモの実を盗むのかと疑われることから、他人の嫌疑を受けやすい所業は避けよとの意味であります。既に総理の周辺は疑われる行動をしてしまっているのであります。もし総理にやましい点がないというのであれば、積極的にその立証に当たるべきであります。
ロッキード事件の反省として国会で決議された政治倫理綱領の第四項には、次のように書かれているのであります。「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/42
-
043・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、時間が超過いたしております。簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/43
-
044・野田哲
○野田哲君(続) その責任を明らかにするよう努めなければならない。」と約束しているのであります。国会議員全員が……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/44
-
045・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/45
-
046・野田哲
○野田哲君(続) はい。
約束事として決めた政治倫理綱領を守らない、守ろうとしない竹下さんには、総理としての……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/46
-
047・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/47
-
048・野田哲
○野田哲君(続) 資質そのものが厳しく問われて当然であります。
総理はさきに公務員に対する綱紀粛正についての指示を出されたようでありますが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/48
-
049・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/49
-
050・野田哲
○野田哲君(続) はい。
それ以上に大事なことは、政界みずから、政党、議会、内閣それぞれがみずからの自浄作用機能を……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/50
-
051・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、時間が超過しております。簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/51
-
052・野田哲
○野田哲君(続) 発揮することへの努力を主権者である国民の前に見える形で提起することではないでしょうか。厳しく問われているのは、まず何よりも政界の浄化であることを忘れてもらっては困るのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/52
-
053・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/53
-
054・野田哲
○野田哲君(続) 二十一日、税制問題等に関する調査特別委員会における自民党による税制改革六法案の強行採決は、許しがたい行為であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/54
-
055・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/55
-
056・野田哲
○野田哲君(続) 消費税の導入は……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/56
-
057・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/57
-
058・野田哲
○野田哲君(続) 七九年十二月の財政再建に関する国会決議、そして八五年二月の政府統一見解、さらに八六年の……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/58
-
059・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/59
-
060・野田哲
○野田哲君(続) 衆参同時選挙における選挙公約に違反していることは明らかではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/60
-
061・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、時間が大幅に超過いたしております。このままですと発言を禁止せざるを得ません。簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/61
-
062・野田哲
○野田哲君(続) 我々は、このような国民を欺く消費税の導入を認めることはできません。
リクルートの問題についての竹下総理の対応は……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/62
-
063・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/63
-
064・野田哲
○野田哲君(続) 総理の側や自民党の側から見ると常識の範囲に入ることかもしれませんが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/64
-
065・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/65
-
066・野田哲
○野田哲君(続) はい。
これを主権者国民の側に立って見ると、全く異常な世界以外の何物でもありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/66
-
067・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、野田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/67
-
068・野田哲
○野田哲君(続) はい。
私は、竹下総理に向かって声を大にしてこうした総理の犯した過ちを指摘しなければならないことを非常に残念に思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/68
-
069・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/69
-
070・野田哲
○野田哲君(続) はい。
本院議場における同僚の皆さん、政治的立場を超えて……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/70
-
071・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/71
-
072・野田哲
○野田哲君(続) 議会制民主主義を守り、政治への信頼を回復するために……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/72
-
073・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/73
-
074・野田哲
○野田哲君(続) その良心に従ってこの問責決議
案に賛同されることを強く訴えて……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/74
-
075・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 野田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/75
-
076・野田哲
○野田哲君(続) 提案の趣旨説明を終わります。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/76
-
077・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。下条進一郎君。
〔下条進一郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/77
-
078・下条進一郎
○下条進一郎君 私は、自由民主党を代表して、ただいま上程されました内閣総理大臣竹下登君問責決議案に対し、断固反対の討論を行うものであります。
反対の第一の理由は、本問責決議案を提出する目的、趣旨が極めて不明確で、かつあいまいである点であります。
国民が期待し、待望している税制改革案が本院税制問題等調査特別委員会において可決されたものを、単にその成立を遅延または阻止せしめるために、その手段として本決議案を利用せしむることは公党としてとるべき態度ではありません。会期末を目前にして、反対のための反対という、党利党略的な議会政治の原点にもとるこのような行為は、健全な議会制民主政治のあるべき姿からほど遠いものでありまして、まことに残念至極であります。
反対の第二の理由は、税制改革に対する考え方、認識に相違があることであります。
今回我々が提案した税制の抜本改革は、少なくとも現行税制が抱える問題点を是正して、国民の租税に対する不公平感を払拭するとともに、所得、消費、資産の間で均衡のとれた安定的な税体系を確立し、二十一世紀へ向けて活力ある経済社会、長寿社会の構築に資するものと確信できるものであります。
各政党は、それぞれよって立つ基盤が異なるだけに、税制改革の取り組み方も相違するのはやむを得ないことでありましょう。しからば、ただ政府提案を批判するだけでなく、おのれの信ずる具体的な代案をまず示すべきではないでしょうか。代案を示さず、次善の策を求める話し合いにも参加せず、さらに理由なき本決議案を提出するがごとき非現実的な政治対応はまことに遺憾であります。
以下、提案理由に即して我々の意見を申し述べます。
まず、消費税につきましては、これが国会決議等に反するものとは理解いたしておりません。
昭和五十四年の財政再建に関する国会決議の言わんとしていることは、財政再建は、一般消費税によらず、行政改革による歳出の削減合理化によって図るべしとの趣旨でありまして、自来、予算編成においてゼロシーリング、マイナスシーリングを行ってきたところであり、この決議に今回の消費税が抵触するものでないことは明らかであります。
また、提案者は不公平税制のことについて言及されました。
およそ税制の改革に当たって最も留意すべきことは、公平、公正、簡素の確保であることは申すまでもありません。我々が党内において論議した中心も実はこの点にありました。ただ、この問題は、人により、立場により認識の差があるということであります。今回の税制改革において、サラリーマン諸君の減税を初め、キャピタルゲイン課税の是正、相続税等の改正を行って、差し引き二兆六千億円の減税先行を断行していることは高く評価すべきであります。
次は、会期延長の件であります。
今期国会が当初、会期七十日間をもって七月十九日に召集されていますが、税制改革六法案が衆議院税制問題等調査特別委員会に付託されたのが九月二十二日の会期末であることからすれば、今期国会の最重要法案である税制改革六法案の両院における実質審議を確保するために、国会法の規定に基づいて会期延長を行うことは当然のことであります。
さらに、参議院における税制改革案についての審議が不十分ではないかとの指摘があります。
本院における税制問題等調査特別委員会における税制六法案等に関する質疑は実質九十時間に及び、関連を含む延べ質疑者数は百二十一人、全会派一巡は九回、証人喚問、公聴会、参考人の招致等、粛々と濃密な審議を展開してまいったことは各位御案内のとおりであります。国会が会期制を採用しているからには、十分な審議を尽くした後は民主主義のルールにのっとり採決を行うことは国民から負託された国会の責務であります。
次は、リクルート問題であります。
本件は、公正な責任政治の確立の観点から厳しく受けとめております。もとより、これが純粋な経済行為であるとしても、これに政治家や行政官などがかかわることにより政治不信、行政不信を招来することは極めて遺憾なことと存じ、直ちに取り入れるべき再発防止策として、今般、税制改革案の衆議院委員会の段階で我が党の提案により創業者利得の問題や未公開株の公開後売却について修正を行ったことは御承知のことと存じます。我が党としては、引き続き、政治に対する国民の信頼確保のために党、内閣を挙げて政治改革に取り組む決意であります。
最後に、竹下総理は就任以来、誠実な実行の政治を標榜して、世界に貢献する日本、豊かさを実感できる社会、「ふるさと創生」を目指して、内政外交の重要政策、殊に行財政改革、教育改革、税制改革に取り組んでおり、着実に実績を積み上げております。今回の税制論議においても、竹下総理は税制改革の理念について極めてわかりやすく説明を行い、国民の理解を深めるとともに、例えば消費税について国民の抱く漠然とした不安を七つの懸念として明快に説明されております。
以上申し上げました状況にかんがみれば、提案者の言う竹下総理に対する批判は全く的外れであります。
私は、ここに竹下内閣総理大臣を強く信任し、いわれなき理不尽極まる本問責決議案に断固反対し、討論を終わるものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/78
-
079・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 安恒良一君。
〔安恒良一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/79
-
080・安恒良一
○安恒良一君 私は、ただいま議題となりました内閣総理大臣兼大蔵大臣竹下登君の問責決議案に対し、日本社会党・護憲共同を代表し、賛成の討論を行うものであります。
竹下内閣が発足して一年有余、この間、総理がやってきたことあるいはやらなかったこと、やろうとしなかったことをつぶさに振り返ってみると、あなたの政治姿勢が極めて明瞭になってまいります。
一昨日の税制問題等に関する調査特別委員会における税制改正六法案の自民党単独による強行採決、一体あれは何ですか。選挙では金の力に物を言わせ、今度は数の力で議会さえも封じようとしているのであります。断じてあのやり方は間違っています。責任は重大であります。政党のそれぞれの立場の違いとしても、先輩の方々が築いてこられた良識の府である本院の議会運営のルールを一瞬にしてめちゃくちゃにしてしまったのが一昨日の強行採決であります。
総理、あなたは絶対やってはならないことをやってしまったのであります。国民が強く反対する消費税を導入し、国民が強く求めているリクルート疑惑の徹底究明にふたをしてしまおうとしているではありませんか。私は、竹下政治に対するむなしさと怒りに燃えたぎる気持ちの重なりで、複雑にして憤りのやり場がないのであります。私自身、はらわたが煮えくり返る思いで今この壇上で総理の責任を問いただしているのであります。
新聞、テレビ等の報道機関が最近行った国民の政治意識調査は、そのことを端的に裏づけているのであります。ある新聞社の調査で見ますと、国民の八六%はリクルート疑惑についてまだ解明されていないと言っております。税制改革の議論を不十分だとする国民の皆さんは八一%であります。竹下内閣の支持率が急落して二九%であります。逆に、竹下内閣を支持しないとする者は急増して四七%になっております。他の調査結果を見ましても、ほぼ同じ傾向にあることがわかります。
その理由は、竹下内閣の悪いところとして、国民は、消費税導入を盛り込んだ税制改革案を強行しようとしていること、あるいはリクルート疑惑の究明に消極的であることなどを挙げています。これらの数字はまるで政権末期を思わすものだとさえ言われているのであります。
リクルート疑惑の真相究明に当たって、政府・自民党の取り組む姿勢は非協力の連続、いや妨害の連続と言っていいくらいひどいものであります。それでも、今日までの国会の審議や証人喚問あるいは我が党の独自調査、新聞、テレビ等の取材と調査の結果、疑惑は政界、官界、財界のトップリーダーを巻き込んだ戦後最大の疑獄事件であることを明らかにするところまで迫ってきているのであります。
この間、総理には、大きく分けて積極的に果たすべき二つの役割があったと考えます。
一つは、この疑獄事件に総理みずから疑惑を招く一人としてあるわけですから、みずから進んで疑惑の真相究明に取り組むという役割であります。
この点、総理は、李下に冠を正さずの姿勢、つまり疑惑を受けていないという立場で終始振る舞ってきたのであります。総理が聖人君子でありたいとする気持ちはわからないわけではありません。しかし、そうはまいりません。妻が妻が、秘書が秘書が、こういう言葉は国民だれ一人として信じていないのであります。さらに、さきの参考人の御意見の中で、リクルートコスモスという花を植えてください、お金がなるそうです、こういったことを言ったという幼稚園の生徒の意見の紹介がありました。総理、このことをあなたは何として受けとめられますか。さきのロッキード事件を反省して国会で、もちろん竹下さんも加わって全国会議員の賛同を得て決議した政治倫理綱領を守っていないのであります。人の上に立つ者であればあるほど、みずから決めた約束事を守れないで、どうして国民の信頼を得ることができるでしょうか。
政治倫理綱領の第四項は、国会議員として次のように約束しているのであります。「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」。私は、この約束を守らなかったという一点からいっても、総理はその職をやめるべきだと思うのであります。それほど政治倫理綱領はずしりと重い。私はそのことを強く総理に申し上げておきます。
そして、総理として果たすべきもう一つの役割についてであります。
リクルートに関連会社の非公開株の譲渡を受け、ごく短期間のうちに巨額の株売却利益を懐に得て疑惑の渦中にある二十人が既に公職を辞していますが、政界、とりわけ自民党における自浄作用の欠如はいかんともしがたい状況にあります。現段階で疑惑を持たれている自民党議員は十数名います。しかもこの方々は、いずれも中曽根内閣の主要閣僚として、また現在の竹下内閣を支える自民党の要職にあることに私は恐ろしい思いがするのであります。
世の中の常識が竹下総理にわずかでもあるものと私は期待したいものでありますが、中曽根前内閣の構造汚職の徹底的究明にこそあなたの仕事はあったのではないのでしょうか。残念ながらあなたのもとではできないということであります。この間総理がこの疑惑ある人たちを大事に大事にして、この人たちの力を得て消費税法案を強行採決してきた以上、私はこれ以上竹下内閣の継続を許すわけにはまいりません。
消費税の導入を柱とする税制改正六法案は、財政再建に関する国会決議、八五年の政府の統一見解、さきの衆参同時選挙における選挙公約などにことごとく違反しているではありませんか。自民党が国会に約束し、国民に公約してきたことではありませんか。
政治家が議会や国民の前でうそをついたとき一体どんな結果を招くことになるか、一例を申し上げましょう。ウォーターゲート事件で大統領を辞任させられることになったニクソン氏の場合は、その直接の要因は、事件にどうかかわったかということ以上に、国民に対する説明の中にうそがあったことによるものであります。イギリスのプロヒューモ陸相の辞任も、議会でうその説明をしたことを問われたものであったのであります。
残念ながら我が国の場合は議会政治がまだ未熟というか、そこまでいっていませんが、竹下氏が公約を破ったことの責任を我々は執拗に責め続けてまいります。
税制改正六法案は、審議を通して不公平税制の是正に何らの前進もなく、また消費税の導入が新たな矛盾と不公平の拡大にほかならないことも明らかにされてきたところであります。強行採決は、これらを無理に隠そうとする以外の何物でもありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/80
-
081・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 安恒君、時間が超過いたしております。簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/81
-
082・安恒良一
○安恒良一君(続) 以上、私は、竹下総理・大蔵大臣の問責決議案に熱烈に賛成する立場から、リクルートの疑惑、税制改革問題を中心に、その政治責任のあり方について指摘をしてまいりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/82
-
083・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 安恒君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/83
-
084・安恒良一
○安恒良一君(続) それは、総理が衆議院の三百の議席と金権政治におごるもので、救いがたい政治にひた走りに走っているということではないでしょうか。権力は腐敗すると言いますが、竹下内閣は、自民党の長期政権のもとで積もりに積もった腐敗が噴き出し始めたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/84
-
085・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 安恒君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/85
-
086・安恒良一
○安恒良一君(続) それがリクルート疑獄であると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/86
-
087・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 安恒君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/87
-
088・安恒良一
○安恒良一君(続) 主権者である国民に信頼されない政治をこれより以上続けることは、国と国民にとって最大の悲劇であります。
私は、重ねて申し上げたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/88
-
089・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 安恒君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/89
-
090・安恒良一
○安恒良一君(続) 竹下内閣は、消費税法案を撤回し、リクルート事件の真相究明に徹底して取り組むか、あるいは速やかに国会を解散するか……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/90
-
091・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 安恒君、時間が超過いたしております。簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/91
-
092・安恒良一
○安恒良一君(続) しからずんば退陣するかのいずれかであります。
私は、総理・大蔵大臣の賢明なる決意を促して、私の賛成討論を終わりたいと思います。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/92
-
093・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 上田耕一郎君。
〔上田耕一郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/93
-
094・上田耕一郎
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表し、また広範な国民の強い憤りの声を代弁して、野田哲君外一名の発議に係る内閣総理大臣兼大蔵大臣竹下登君問責決議案に賛成の討論を行います。
そもそも議会制民主主義のよって立つところは、国民の政治に対する信頼であります。今、それが大音響を立てて揺らいでいます。原因の第一は、竹下総理などにかかわるリクルート疑獄であり、第二は、選挙での公約をかなぐり捨てて恥じない政府・自民党の姿勢であります。こうした状況を放置するなら、我が国の議会制民主主義は根底から崩壊することになりかねません。
リクルート疑獄の徹底解明、公約違反の消費税の廃案こそ国会と国政に課せられた最も緊急かつ重大な責務であります。私は、我が国の議会政治の歴史に重大な汚点を記そうとする竹下内閣を満身の怒りをもって糾弾するものであります。
問責決議案に賛成する第一の理由は、竹下内閣・自民党が議会政治の根本である選挙公約及び国権の最高機関としての国会の全会一致の決議にも反する大型間接税・消費税の導入を図り、強行採決を連発するなど、議会制民主主義の乱暴な破壊行為を繰り返してきたことであります。
今回の税制改革の中心である消費税は、一昨年の衆参同時選挙の際、時の中曽根総理や現竹下総理を初めとする大多数の自民党候補者がやりませんと約束した大型間接税そのものであります。大型間接税反対を公約して当選した議員で構成される現国会には、大型間接税導入を決定する資格は全くありません。しかも、この消費税の仕組み、構造などは、七九年の総選挙で国民から明確に拒絶され、十二月二十一日の国会決議で、国民の理解を得るに至らなかったとして否定されたものであります。消費税という名の大型間接税を平然として導入しようとする竹下総理兼蔵相には、総理はおろか民主政治を担う一員たる資格がないと断ぜざるを得ません。
さらに重大なことは、このような税制六法案を十分な審議もしないまま強行採決の連続で強引に押し切ろうとしていることであります。衆議院の強行採決に続いて、参議院では一切法案の審議がないまま公聴会の設定を強行し、さらに二十一日の税制特別委員会では、事もあろうに委員の審議の続行中に、多数の横暴でこれを打ち切り、採決を強行するという前代未聞の暴挙を重ねました。二重三重に議会制民主主義を破壊した竹下総理兼蔵相・自民党総裁の責任は極めて重大であります。
議会制民主主義を踏みにじる多数党のこうした横暴に対しては、あらゆる合法的な手段を駆使して抵抗し闘うのは、どこの国の国会でも極めて当然の、世界の常識であることを私は指摘しておきたいと思います。
問責決議案に賛成する第二の理由は、シャウプ以来の税制改革などと称して、直接税中心、総合・累進制、生計費非課税など税制の基本原則を覆す税制改革を強行し、国民の圧倒的多数の反対を無視して消費税を導入しようとしていることであります。
食料品や飲み水、お産にまで税金をかける消費税は、世界にも例を見ない、日本の税制史にも例を見ない最悪の大衆課税であって、低所得者ほど重い税負担をかける最大の不公平税制であります。中小零細事業者にとっては煩雑きわまりない納税事務員担が課せられるだけでなく、転嫁できずに税金そのものの自己負担を余儀なくされるおそれが大きいことも一層明白になりました。このような本質的問題点はかつて政府税調の答申さえ厳しく指摘していたことであり、これを中和できるなどという竹下首相兼蔵相の主張は国民を欺くものであります。
政府が持ち出してきた公平論、減税超過論、高齢化社会論、国民所得平準化論、国際化対応論など数々の主張は、いずれも全く論拠のないごまかしであることが我が党の追及で完膚なきまで論証されました。それにもかかわらず、破綻した論拠を振りかざしてしゃにむに税制改革を強行しようとする竹下首相兼蔵相の態度は、まことに言語道断であります。
今回の税制改革の真の目的がレーガン政権の要求にこたえた日本の軍備大増強、戦略援助の拡大のための財源づくりであることは、消費税の沿革をひもとくまでもなく火を見るより明らかであります。他方では、大企業や高額所得者、大資産家
に対しては、法人税や所得税の減税、有価証券取引税の引き下げ、キャピタルゲイン等の低率分離課税など、至れり尽くせりの税制改革をやろうというのであります。消費税導入で生活保護世帯や年金生活者にまで税金をかけ、それを大軍拡、大企業や大金持ちの減税に回すなどという大悪税を押し通そうとする竹下総理兼蔵相には、国民の代表たる資格は一かけらもありません。
問責決議案に賛成する第三の理由は、リクルート疑惑の真相をうやむやのうちにやみの中に葬って、自民党政治の構造的な金権汚職体質を温存しようとしていることであります。
リクルート疑惑は、竹下総理、中曽根前総理など政権の中枢が、わいろに等しいリクルートコスモス社の未公開株譲渡を受けていたという、総額何と七十億円を超えるのではないかという一大疑獄事件であります。NTTのスーパーコンピューター導入の疑惑は、日米首脳会談まで絡んだロッキード事件以上の国際的な汚職事件の様相をも呈しており、絶対にあいまいにすることはできません。その解明は、竹下内閣が第一に果たさねばならない重大な責務であるはずであります。
また、税制関連法案提出の責任者である宮澤前蔵相を初め、自民党の安倍幹事長、渡辺政調会長や政府税調のメンバーまでリクルート疑惑にかかわっており、今回の税制改革案そのものが汚辱にまみれているのであります。ぬれ手どころか懐手でアワの甘い汁を吸った政治家に税制改革を語る資格はないという国民の声こそ、竹下総理が真剣に受けとめなければならないものではありませんか。
ところが、竹下内閣・自民党は、一貫して疑惑解明を妨害してきたのであります。そればかりか、ごまかしのリスト——我が党は昨日その全貌を発表しましたが、その提出を衆議院本会議開会の道具に使うなど、リクルート疑惑解明を求める国民の声を税制改革強行に利用するという許すことのできない態度に終始したのであります。これ以上、竹下総理に日本の政治を任せておくことができないのは余りにも明白ではありませんか。
第四の理由は、国民的批判によって辞任せざるを得なかった宮澤前蔵相と同様、竹下総理ないしはその周辺がわいろに等しいリクルートコスモス株の譲渡を受け、総理自身に重大な疑惑の目が向けられているにもかかわらず、事実を隠し、資料の提出を拒否し、偽りの答弁を行った疑惑があることであります。
総理は当初、青木秘書が購入した二千株だけだと釈明し、事実が暴露されるまで縁戚関係にある福田勝之氏名義の一万株譲渡を隠してきました。しかも、リクルート関係者からの譲渡を否定し、第三者の経済人からだと偽り続けたのであります。重大な答弁を後で翻し、見たような気がするという福田氏名義の通帳についても、売却代金さえ二千万円から五千二百万円に訂正するなど、真相解明にかかわる重要事項について答弁訂正を繰り返しました。
このような不可解な答弁訂正は、虚構に基づく答弁のほころびと考える以外に説明のつかないものです。あの宮澤前蔵相とどこが違うのですか。しかも、竹下首相は、こうした矛盾を追及されるや一切の事実関係について知らぬ存ぜぬと貝のように口を閉ざし……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/94
-
095・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 上田君、時間が超過いたしております。簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/95
-
096・上田耕一郎
○上田耕一郎君(続) 政治的、道義的責任を究明すべき国会の使命を……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/96
-
097・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 上田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/97
-
098・上田耕一郎
○上田耕一郎君(続) 露骨に妨害し続けたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/98
-
099・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 上田君、時間が超過いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/99
-
100・上田耕一郎
○上田耕一郎君(続) こういう態度が、首相自身も賛成した……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/100
-
101・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/101
-
102・上田耕一郎
○上田耕一郎君(続) 政治倫理綱領に反するばかりでなく、大臣の国会出席と答弁、説明の義務を定めた……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/102
-
103・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 上田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/103
-
104・上田耕一郎
○上田耕一郎君(続) 憲法第六十三条の規定に抵触することも明白です。
イギリスのエコノミスト誌は……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/104
-
105・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 上田君、時間が超過いたしております。簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/105
-
106・上田耕一郎
○上田耕一郎君(続) 日本社会の上層部の腐敗は底なしに深まって、国際的に自由経済の民主主義国とは認められない危険があると論評しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/106
-
107・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 上田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/107
-
108・上田耕一郎
○上田耕一郎君(続) もはや一刻も竹下総理を日本の首相としていただいているわけにはいきません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/108
-
109・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 上田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/109
-
110・上田耕一郎
○上田耕一郎君(続) 内閣の即時総辞職、国会解散、総選挙こそ国民が痛切に求めているものであり、議会制民主主義を守り抜く……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/110
-
111・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 上田君、簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/111
-
112・上田耕一郎
○上田耕一郎君(続) 唯一の道であることを強く強調して、賛成討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/112
-
113・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) 喜屋武眞榮君。
〔喜屋武眞榮君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/113
-
114・喜屋武眞榮
○喜屋武眞榮君 私は、ただいま議題となりました内閣総理大臣・大蔵大臣竹下登君問責決議案に対して、二院クラブ・革新共闘を代表して、短い時間でありますけれども、万感の思いを込めて賛成の討論を行います。
その前に、私が去る十二月二十一日にリクルート疑惑の解明と税法関連六法案について問題を明らかにしようとし、質問している途中に、突如として自民党より質疑打ち切りの動議が提出され、質問権を封殺された上、税法六法案の採決が強行されたのであります。まさに、議会制民主主義と良識の府としての参議院の自殺行為にほかなりません。
したがいまして、今回の採決は、私の質問を再関し、なお慎重に審議するよう強く要求するものであります。
さて総理、今あなたの心に国民の声が聞こえますでしょうか。私の心には国民の叫ぶ声が伝わってまいります。国民の声とは、リクルート疑惑を解明せず、政治腐敗を正さず、消費税導入を強行することは絶対に許さないという声であり、なぜあなたに届かないのでしょうか。
世論の声はあらしとなり、今や政治台風と化し、ここ参議院本会議場に渦巻き、目に見えぬ国民の鎖がこの国会を取り巻き、私たちに厳しい正義の目を向けております。国民世論に背を向けた欠陥だらけのこの法案を強引に成立させようとする政府・与党の焦りを理解できる国民はいないでしょう。
我々政治家がなすべきことは、みずからを正し、リクルート疑惑を解明し、税制改革については国民の意見を聞き、その納得と理解を得るまで十分な時間と議論を尽くすことであります。それが議会制民主主義であり、民主国家の基本であります。今あなたが民主政治をじゅうりんし、国民の理解と信頼を失った中で、数の力に任せ参議院の良識を踏みにじり、暴挙を重ねる責任は極めて重大であり、断じて許されるものではありません。
総理、もはやあなたに残された道は退陣か解散か、この二つに一つの道であります。
以上のことを申し上げ、私は竹下総理・大蔵大臣の問責決議案に対し、心から賛成し、討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/114
-
115・土屋義彦
○議長(土屋義彦君) これにて討論は終局いたしました。
本日はこれにて延会することとし、次会は明日午前零時十分より開会いたします。
これにて延会いたします。
午後十時五十五分延会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111315254X01519881223/115
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。