1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成元年六月十五日(木曜日)
午前十時十二分開議
出席委員
委員長 吹田 愰君
理事 井上 喜一君 理事 榎本 和平君
理事 斉藤斗志二君 理事 笹川 堯君
理事 宮里 松正君 理事 田口 健二君
理事 竹内 勝彦君 理事 塚田 延充君
天野 公義君 有馬 元治君
大村 襄治君 竹中 修一君
古屋 亨君 森下 元晴君
角屋堅次郎君 井上 和久君
鈴切 康雄君 浦井 洋君
柴田 睦夫君
委員外の出席者
議 員 中山 太郎君
議 員 畑 英次郎君
内閣委員会調査
室長 林 昌茂君
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委員の異動
六月十四日
辞任 補欠選任
井上 和久君 草野 威君
同日
辞任 補欠選任
草野 威君 井上 和久君
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六月十四日
旧軍人恩給の改定に関する請願(戸塚進也君紹
介)(第二六一六号)
国家機密法制定反対に関する請願(矢島恒夫君
紹介)(第二七二〇号)
傷病恩給等の改善に関する請願(三原朝彦君紹
介)(第二七二一号)
は本委員会に付託された。
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六月十三日
スパイ防止法制定に関する陳情書
(第一五六号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
臨時脳死及び臓器移植調査会設置法案(中山太
郎君外四名提出、第百十三回国会衆法第八号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111404889X00719890615/0
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001・吹田愰
○吹田委員長 これより会議を開きます。
第百十三回国会、中山太郎君外四名提出、臨時脳死及び臓器移植調査会設置法案を議題といたします。
提出者より趣旨の説明を求めます。中山太郎君。
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臨時脳死及び臓器移植調査会設置法案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111404889X00719890615/1
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002・中山太郎
○中山(太)議員 臨時脳死及び臓器移植調査会設置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
現在、医学等の進歩によって、諸外国では、脳死を個体死とする認識が社会通念として定着し、人間愛に基づく生存中の意思により、脳死状態において移植用の臓器を提供しての臓器移植も多数行われており、また、それに必要な社会システムが整備されております。
我が国においては、臓器移植以外ではその生命を救う方法のない患者の方々、重い疾病により臓器移植を受けることのできる日を待ちわびている患者の方々が多数存在しております。また、医療の現場では、脳死状態からの心臓、肝臓、膵臓等の臓器を摘出して移植を必要とする患者に移植を行いたいという声も多数上がっており、そのため大学附属病院等においては、人的、物的設備を整え、あるいは倫理委員会を設置するなどして、臓器移植のための体制を整えつつあります。しかし、一定の基準に基づいて診断された脳死は個体の死であるという新しい死の概念については、国民の十分な理解が得られているとは断言しがたく、また、脳死状態からの臓器の摘出が殺人罪に該当するとする刑事告訴もなされております。
その結果、死体腎及び親族からの生体腎の移植がわずか年間六百例ほど行われているにすぎず、他の臓器の移植はほとんど行われておりません。このため、我が国の患者の中には外国に渡って臓器移植を受ける方がおり、外国でも移植用の臓器が必ずしも十分でないという事情もあって摩擦が起きているということも聞いております。
このような状況の中で、脳死及び臓器移植に関する国の施策が確立されないままに推移するときは、大きな社会的問題が生ずるおそれがあります。
以上の状況を踏まえ、今後我が国が脳死及び臓器移植についてどう対応していくべきかについては、脳死の概念、判定基準、脳死は人間の個体死と認められるか、臓器移植に関する施策のあり方等、広い視野から総合的に検討しなければならない問題が多数存在しております。
そこで、このような諸問題について調査審議していただくため、各界の識見のすぐれた方々を委員にお願いして、臨時脳死及び臓器移植調査会を総理府に設置することとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
まず第一に、脳死及び臓器移植に係る社会情勢の変化にかんがみ、臓器移植の分野における生命倫理に配慮した適正な医療の確立に資するため、臨時脳死及び臓器移植調査会を総理府に置くこととしております。
第二に、調査会は、内閣総理大臣の諮問に応じ、脳死及び臓器移植に関する諸問題について、広く、かつ、総合的に検討を加え、脳死及び臓器移植に関する施策に係る重要事項について調査審議して答申するとともに、意見を述べることをその所掌事務としており、また、内閣総理大臣は、この答申または意見を尊重しなければならないこととしております。
第三に、調査会は、脳死及び臓器移植に関する諸問題についてすぐれた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する十五人以内の委員をもって組織することとしております。
第四に、調査会は国の行政機関の長に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができることとしております。
なお、この法律は、施行の日から二年を経過した日に失効することとしております。
このほか、関係法律について所要の改正を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111404889X00719890615/2
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003・吹田愰
○吹田委員長 これにて本案についての趣旨の説明は終わりました。
次回は、来る二十日火曜日午前十時二十分理事会、午前十時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十時十七分散会
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111404889X00719890615/3
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