1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成元年十一月二十二日(水曜日)
午前十時八分開議
出席委員
委員長 鳩山 邦夫君
理事 臼井日出男君 理事 船田 元君
理事 中西 績介君 理事 鍛冶 清君
理事 中野 寛成君
青木 正久君 木村 義雄君
岸田 文武君 工藤 巌君
古賀 誠君 斉藤斗志二君
杉浦 正健君 高橋 一郎君
渡海紀三朗君 松田 岩夫君
江田 五月君 馬場 昇君
有島 重武君 石井 郁子君
山原健二郎君
出席国務大臣
文 部 大 臣 石橋 一弥君
出席政府委員
文部大臣官房長 國分 正明君
文部大臣官房総
務審議官 佐藤 次郎君
文部省生涯学習
局長 横瀬 庄次君
文部省高等教育
局長 坂元 弘直君
文部省高等教育
局私学部長 野崎 弘君
委員外の出席者
参 考 人
(私立学校教職
員共済組合理事
長) 保坂 榮一君
文教委員会調査
室長 多田 俊幸君
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委員の異動
十一月二十一日
辞任 補欠選任
斉藤斗志二君 塩崎 潤君
同日
辞任 補欠選任
塩崎 潤君 斉藤斗志二君
同月二十二日
辞任 補欠選任
長谷川 峻君 高橋 一郎君
平泉 渉君 古賀 誠君
渡辺 栄一君 木村 義雄君
同日
辞任 補欠選任
木村 義雄君 渡辺 栄一君
古賀 誠君 平泉 渉君
高橋 一郎君 長谷川 峻君
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十一月二十一日
文化政策の拡充等に関する請願(瀬長亀次郎君紹介)(第五〇一号)
同(中路雅弘君紹介)(第五〇二号)
同(中野寛成君紹介)(第五〇三号)
同(西村章三君紹介)(第五〇四号)
同(有島重武君紹介)(第五二一号)
同(石井郁子君紹介)(第五二二号)
同(大久保直彦君紹介)(第五二三号)
同(岡崎万寿秀君紹介)(第五二四号)
同(金子満広君紹介)(第五二五号)
同(経塚幸夫君紹介)(第五二六号)
同(工藤晃君紹介)(第五二七号)
同(権藤恒夫君紹介)(第五二八号)
同(柴田弘君紹介)(第五二九号)
同(柴田睦夫君紹介)(第五三〇号)
同(辻第一君紹介)(第五三一号)
同(寺前巖君紹介)(第五三二号)
同(中村正雄君紹介)(第五三三号)
同(林保夫君紹介)(第五三四号)
同(藤田スミ君紹介)(第五三五号)
同(山田英介君紹介)(第五三六号)
同(吉田之久君紹介)(第五三七号)
同(安倍基雄君紹介)(第五五九号)
同(大野潔君紹介)(第五六〇号)
同(近江巳記夫君紹介)(第五六一号)
同(岡崎万寿秀君紹介)(第五六二号)
同(木下敬之助君紹介)(第五六三号)
同(経塚幸夫君紹介)(第五六四号)
同(工藤晃君紹介)(第五六五号)
同(柴田睦夫君紹介)(第五六六号)
同(藤田スミ君紹介)(第五六七号)
同(藤原ひろ子君紹介)(第五六八号)
同(藤原房雄君紹介)(第五六九号)
同(宮地正介君紹介)(第五七〇号)
同(渡部一郎君紹介)(第五七一号)
同(五十嵐広三君紹介)(第五八七号)
同(井上一成君紹介)(第五八八号)
同(井上普方君紹介)(第五八九号)
同(伊藤茂君紹介)(第五九〇号)
同(伊藤忠治君紹介)(第五九一号)
同(石橋政嗣君紹介)(第五九二号)
同(稲葉誠一君紹介)(第五九三号)
同(岩垂寿喜男君紹介)(第五九四号)
同外一件(上田哲君紹介)(第五九五号)
同(上原康助君紹介)(第五九六号)
同(江田五月君紹介)(第五九七号)
同(小川国彦君紹介)(第五九八号)
同(小野信一君紹介)(第五九九号)
同(緒方克陽君紹介)(第六〇〇号)
同(大出俊君紹介)(第六〇一号)
同(大原亨君紹介)(第六〇二号)
同(岡田利春君紹介)(第六〇三号)
同(奥野一雄君紹介)(第六〇四号)
同外二件(加藤万吉君紹介)(第六〇五号)
同(角屋堅次郎君紹介)(第六〇六号)
同(金子みつ君紹介)(第六〇七号)
同(川崎寛治君紹介)(第六〇八号)
同(川端達夫君紹介)(第六〇九号)
同(河上民雄君紹介)(第六一〇号)
同外一件(河野正君紹介)(第六一一号)
同(菅直人君紹介)(第六一二号)
同(木内良明君紹介)(第六一三号)
同(経塚幸夫君紹介)(第六一四号)
同(串原義直君紹介)(第六一五号)
同外一件(小林恒人君紹介)(第六一六号)
同(児玉健次君紹介)(第六一七号)
同(左近正男君紹介)(第六一八号)
同外一件(佐藤観樹君紹介)(第六一九号)
同(佐藤徳雄君紹介)(第六二〇号)
同(坂口力君紹介)(第六二一号)
同(沢田広君紹介)(第六二二号)
同(沢藤礼次郎君紹介)(第六二三号)
同(嶋崎譲君紹介)(第六二四号)
同(清水勇君紹介)(第六二五号)
同外一件(竹内猛君紹介)(第六二六号)
同(新村勝雄君紹介)(第六二七号)
同(新盛辰雄君紹介)(第六二八号)
同(多賀谷真稔君紹介)(第六二九号)
同(田口健二君紹介)(第六三〇号)
同(田中恒利君紹介)(第六三一号)
同(高沢寅男君紹介)(第六三二号)
同(竹内猛君紹介)(第六三三号)
同(辻一彦君紹介)(第六三四号)
同(戸田菊雄君紹介)(第六三五号)
同(土井たか子君紹介)(第六三六号)
同(中沢健次君紹介)(第六三七号)
同(中西績介君紹介)(第六三八号)
同(野口幸一君紹介)(第六三九号)
同(野坂浩賢君紹介)(第六四〇号)
同(東中光雄君紹介)(第六四一号)
同(広瀬秀吉君紹介)(第六四二号)
同(細谷治嘉君紹介)(第六四三号)
同(三野優美君紹介)(第六四四号)
同(水田稔君紹介)(第六四五号)
同(村山喜一君紹介)(第六四六号)
同(村山富市君紹介)(第六四七号)
同(安田修三君紹介)(第六四八号)
同(山花貞夫君紹介)(第六四九号)
同(吉原米治君紹介)(第六五〇号)
同(吉井光照君紹介)(第六五一号)
同(渡部行雄君紹介)(第六五二号)
小・中学校における言語障害児学級の通級制に関する請願(工藤巌君紹介)(第五五八号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
私立学校教職員共済組合法及び昭和六十二年度及び昭和六十三年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百十四回国会閣法第六八号)
教育職員免許法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百十四回国会閣法第四九号)
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/0
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001・鳩山邦夫
○鳩山委員長 これより会議を開きます。
第百十四回国会、内閣提出、私立学校教職員共済組合法及び昭和六十二年度及び昭和六十三年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
本案審査のため、本日、私立学校教職員共済組合理事長保坂榮一君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/1
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002・鳩山邦夫
○鳩山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/2
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003・鳩山邦夫
○鳩山委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。有島重武君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/3
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004・有島重武
○有島委員 ただいま議題となっております私立学校教職員共済組合法及び昭和六十二年度及び昭和六十三年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案、大変長い名前の法案でございますけれども、せんだって石橋文部大臣よりこの御提案がございました。その折に、大体五つにわたって、第一から第五までにわたって、それから「最後に」というのが六項目ですか、御説明がございましたので、その順番でもって質疑をさせていただきます。なお、これは農林とか地行とか、いわゆる横並びになっておるという法案でございまして、この場でもって何か詰めて決着ということよりもここでもって問題点を明らかにしておく、そういうような立場でもって質問をさせていただきます。
それで、第一に、私立学校教職員共済組合の役員の任命について、行政改革の趣旨に沿って、理事は理事長が文部大臣の認可を受けて任命することとなった、こういうことでございます。これは、せんだって審査をいたしました国立第二劇場なんかの場合にも同じであったと思いますけれども、別に問題はないと思うのですけれども、この法律に限って申しますと、以前よりも理事長の権限が強化された、したがって責任も強化された、そんなふうに受け取ってよろしいのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/4
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005・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 お答え申し上げます。
現在、私立学校共済組合の理事の選任の方法につきましては、文部大臣が直接任命をするという仕組みになっておるわけでございますが、今回改正でお願いをいたしておりますのは、私立学校共済組合の理事長が文部大臣の認可を得て任命をする、こういう仕組みに改めさせていただきたい、こういう内容でございます。
先生御指摘になりましたように、この改正につきましては、行政改革の一環といたしまして各特殊法人の活性化を図るという観点から今のような仕組みに変えておるということになっているわけでございまして、これと同じような規定が文部省のほかの特殊法人、それから各省の関係の特殊法人についても既に改正をされている、こういう状況にあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/5
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006・有島重武
○有島委員 つまりは権限が強化された、そういうふうに受け取ってよろしいのですねという質問だったのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/6
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007・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 そういうふうに理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/7
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008・有島重武
○有島委員 きょうは委員長から御紹介がありましたように、私学共済の理事長の保坂さんがここに参考人としてお見えでございますので、せっかくですから、この問題について少し質問をさせていただきます。
ここに持ってまいりましたけれども、「私学時代」という月刊雑誌がございますね。これは、理事長さんは私学関係の方ですからずっと毎月目を通していらっしゃるのじゃないかと思いますけれども、御存じですね。(保坂参考人「はい、存じております」と呼ぶ)これの十月号に、私学共済につきましてとりわけ詳しくいろいろ書かれて、私も目を通しました。この内容ですけれども、大体妥当な記事じゃないのだろうか。一番目が「私学共済組合の業務」、二番目が「三十年の歴史」、三が「残る未加入校」、四が「必要な経営組織の大改革」、五が「巨大化した事務局」、こんなふうになっておりましたね。
理事長さん、これの御感想といいますか、大体この記載は妥当なものであると私は思っておりますけれども、理事長さんの御判断。それで、もし特にこういった点だけはちょっと間違っておるということがあったら、先に指摘をしておいてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/8
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009・保坂榮一
○保坂参考人 お答え申し上げます。
ただいまの「私学時代」に掲載されました記事につきましては、これが発行される前に、私、理事長と総務部長とがこの編集記者に会って面接いたしましたその結果でございます。
発行されましたとき、私、それを読みましたが、私学共済の背負っておる業務の内容、重要な使命について、またその三十年史についての記載、それらは的確に記載されていると思います。そのほか、書きました記者の批判、感想的なものも入っておりますけれども、それについては記者の報道の自由でございますし、全体的にいいまして、「私学時代」のこの記事は大体適正なものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/9
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010・有島重武
○有島委員 そこでこの中の、特に、経営組織を改革しなければならないのじゃなかろうかという点で、この中に「法制上は常勤、非常勤の別はないが、予算上、常勤理事の増員はむずかしい。それに非常勤理事は出身母体が決まっており、常勤化しにくい。」こんなようなことがありました。
それで理事長さん、率直に理事のこれからの任命などについて、従来それぞれ御見識のある方々を理事になっていただいていると思いますけれども、事務局出身の理事の方がいらっしゃらないように聞いておりますが、そういったような必要が出てきておるのじゃなかろうか。それを妨げる要素があるのだろうか。私学財団の方などは既にそういったことをなさっておるやに聞いておりますけれども、その辺の事情はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/10
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011・保坂榮一
○保坂参考人 ただいまの理事組織は、理事六名ということの中で常任理事が一名でございます。あとの五名は、それぞれの私学団体の代表者が出ており、一名が学識経験者で構成しておりまして、私学団体それぞれの団体は、理事にその代表者を出すということで私学団体の意向その他も十分反映して、理事会の協議は毎月開きまして長時間協議を続けております。そして、現状に関する限り、それでよりよい運営がなされてきていると思いますし、努力してまいりました。
しかし、これから先の年金一元化等を迎えていろいろ厳しい状況が出てまいりますと、やはり理事組織の強化ということは当然考えなければならないと思っております。そういう点では、部内からという今の御指摘もございましたが、理事組織の一層の強化充実という点から、そのことも含めましてより適材を、今度こういう任命方式になりましたので、そのことについての私の責任はますます大きくなりましたが、今の御指摘のことも含めまして理事組織の一層の強化充実を考えていきたいと思っております。
ただ現状では、私学団体のそれぞれの代表が出ている、そういう組織を持っておりますので、それとのかかわり合いも出てまいりますし、この記事にあります予算の問題もございますので、そういう点で文部省、関係官庁ともいろいろ相談といいますか、打ち合わせもいたし、私学団体との打ち合わせ、了解という点も含めまして、さらに一層の充実を図っていきたい。今御指摘のようなことも私の頭の中にありますけれども、具体的にその点をどうのということはまだ考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/11
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012・有島重武
○有島委員 文部大臣、お聞きになったように、従来それで精いっぱいやっていたわけですけれども、この法改正を提案された。これはどういうふうになるか知らぬけれども、これを機に、今までの延長線でやっていけばいいわということだけでなしに、工夫をなされて一緒に考えていってやるということを、大臣、ひとつ御努力いただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/12
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013・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 事前にちょっと御説明をさせていただきます。
私学共済組合の業務というのは、当初発足したときには組合員が五万名でございましたが、現在は三十八万名を超えるということに示されておりますように、非常に増大をいたしているわけでございます。そういう意味で、その運営に当たる事務局なりあるいは理事の組織なりというのは今後いろいろ充実を図っていかなきゃいけないと思うわけでございますが、具体的に先生御指摘がございました常務理事等の点につきましては、私ども、今のような状況の中で課題意識としては持っているわけでございます。
一方、特殊法人の役員の問題につきましては、行政改革の一環として政府全体の特殊法人の役員を削減していく、あるいは抑制していくということでやってきておりまして、文部省関係におきましても、現にいる理事の数を減らしていく、こういうことをやってきている中でございますので、ただいま御指摘いただきました点については、問題意識としてはあるわけでございますが、実現となりますと、短期間にこれを実現するというのはなかなか難しい問題があるのではないかと思うわけでございます。課題として受けとめてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/13
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014・石橋一弥
○石橋国務大臣 お答えいたします。
ただいまの御質問でありますが、さらに常務理事をもう一名置いたらいかがか、こう解してよろしゅうございますか。——であるとするならば、一にかかって組合そのものの状態と申しますか、考え方と申しますか、その考え方を重んじていくべきであるな、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/14
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015・有島重武
○有島委員 それから、事務局についてですけれども、発足当時は三つ課があったんだそうですが、これが二室六部一センター十五課一班何とかと大変膨大になっているというふうにこれには出ております。それで、この最後のところに、事業の内容と規模が大きいので、事務局自体の組織の強化とともに、周辺の関連事業体をつくることも必要になるだろうというようなことがあります。民間で言えば下請さんということですかね。それでもって湯島サービスという会社が発足した。これは幹部と一部OBの出資でできた。
理事長さんに伺いますけれども、これはどういう目的でもってつくった会社でしょうか。それと、株式会社ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/15
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016・保坂榮一
○保坂参考人 湯島サービス株式会社につきましては、設立が行われたわけでございますけれども、これは私学共済が設立した組織ではございませんし、また私もその設立に参加をしておりませんので、的確なといいますか、ここではっきりしたことを私の立場から申し上げることができないわけでありますけれども、その機関をつくって、私どもの会館や宿泊設備についての外の業者とのいろいろな関係もありますし、そういう関係の組織を代行といいますか、仲介できるようなものはそれを行い、そのほか、私学共済の事業の中で湯島サービスが行うことによって私学共済のためにもさらによりよい運営ができるようなことを考えていこう、そういう趣旨で設立したものだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/16
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017・有島重武
○有島委員 大臣、こういう場ですから、建前を言わなければならない理事長のお立場だと思うのです。ですから、営利会社であることについて、こういうものだとか、直接説明なさるお立場ではない。そうだと思いますよ。
ただ、その実態ですね。そういった会社が一つある。今後またさらにそういうものができてくるかもしれない。そういうものの存在ないしは所在については責任も権限も全くないのか。形式上はないかもしれないけれども、実体的というのか、社会的にそういった責任を問われることはあるかもしれない。これは大臣も今初めてお聞きになったかもしれませんけれども、やはり一通り知っておいていただいて、助言すべきことがあれば本来の会社設立の目的に沿って本当にうまく運営されていくように知っていてもらいたい。ですから大臣、それはお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/17
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018・石橋一弥
○石橋国務大臣 不勉強でまことに恐縮でありますけれども、今の御発言の中身をよく勉強させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/18
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019・有島重武
○有島委員 勉強していただければ大変結構である。私の方も勉強しますから。
では、先に行きます。
二番目は、標準給与の等級上限の引き上げ。これは最高金額がどういうふうになるかというものをちょっと具体的な数字をやろうかと思っていたのですけれども、何か時間が非常になくなってしまったような気がするから……。
この標準給与の等級の上限を引き上げるということは、細かい話は全部抜いて、給付される方も今までよりかいささかふえる、だけれども、これは掛金の方もふえる、こういうものですね。これは佐藤さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/19
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020・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 先生が今御指摘されたとおりでございます。給付の際の基準、それから掛金の際の基準ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/20
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021・有島重武
○有島委員 それから、三番目の標準給与の月額の再評価ですね。この再評価が大体五%程度ということを聞いておりますけれども、これは掛金にかかわりなく給付だけがアップする、こういうものですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/21
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022・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 今回のこの再評価のことでございますが、これは厚生年金の措置に倣いまして、これは国家公務員の場合も同様でございますが、最近の直近の平均標準給与の月額を基準といたしまして過去の標準給与月額の再評価を行うことによりまして報酬比例部分の年金額を改定をしよう、こういうものでございます。したがいまして、掛金そのものにはストレートに関係するものではないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/22
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023・有島重武
○有島委員 第四番目の、今度は六十五歳になれば在職をしておっても年金を支給しましょう、これも結構なことだと思いますね。それで、この六十五歳以上、しかも在職であるということは、これは公務員の場合、横並びだとはいうけれども、国家公務員、地方公務員なんかの場合には、六十五歳以上で、しかも現役でいるということは少ないのじゃないかと思われます。したがって、六十五歳以上の現職に支給されるというこの規定は、私学には非常に影響が多いと思うのですね。
これは給付される方にとっては非常にいいことなのですけれども、将来これが相当ふえてくるのではないだろうか。しかも高齢化社会である。それで、公務員関係の方々が自分のキャリアを生かすために私学の方にも行かれるというような場合が今後とも起こるかもしれないですね。だからこれのケアは、ケアといいますか、その見通しといいますか、ここにある数字を拝見しましたけれども、それの増加率の見通し、そんなものについてももう既に御研究であろうか、あるいはこれから研究していかれるのであろうか、これは一つ大きな問題点ではなかろうかと思います。
それで、その先に行きましょう。
第五番目に、この法律に非常に長々しく六十二年度及び六十三年度の特例改定措置、これも平成元年四月から同じように適用しよう、そういう内容でございますね。それで六十三年度の物価上昇率が〇・七%である、こう言われておりますね。そうすると、この改正によりましてこれが平成元年四月から〇・七%ずっと上がる、そうなんだなというふうに大体みんな思っている。それで先ほどの再評価の問題がございましたね。これは再評価の方とは性質が全く違うわけですね。だから〇・七%は〇・七%で上がっていく、それから再評価は再評価でもってそれに加算されるのじゃないかな、こういう期待を持っておられる方が、あるいはそういうふうに理解をしている、そう思い込んでおる、そういう方が相当多いのですよね。
ところが、そうではない。この法律どおりでいけば、四月からずっと十月ですか、これの最後の施行期日が十月ということにここではなっているから、そうすると再評価の方は十月以降、それでもって〇・七%の物価スライドの方は四月から十月以前、こんなふうに継ぎ足しにするのだ、こういうふうに御説明をいただいたと思うのですけれども、私の理解、それでよろしいのですか。簡便にやってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/23
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024・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 物価スライドの関係と再評価の関係についてちょっと御説明させていただきますが、再評価というのは、先ほどちょっと申し上げましたように、六十一年度当時の標準給与と六十三年度の現行の価格との比較において、ベースで見た場合に五%という数字が出ているわけでございます。一方、物価スライドというのは毎年の物価の上昇に応じまして従来から引き上げてきているわけでございまして、六十二年は〇・六、六十三年度は〇・一、そして今回お願いをしております法案、政令によりますと〇・七ということでございます。したがいまして、これを累積しますと一・四%という数字が出ます。
したがいまして、十月から再評価による実質的な引き上げ率は五%ということでございますが、今の物価のスライドで既にこの四月から一・四引き上げられておるわけでございますので、仮に十月に施行されるということになりました場合も、実質はその差額の三・六ということに相なろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/24
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025・有島重武
○有島委員 この標準給与の月額の再評価ということとこの特例の物価スライドとの関係を規定した法律の条文というのはどこかにあるのですか。片一方をこういうふうにしたときにはこっちはやめるのだとか、そういうことが法律にあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/25
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026・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 これはその関係が法律に書いてあるわけでございませんけれども、物価スライドが法律に基づく政令で毎年上げてきている、それから今回の法律で再評価をするということを、全体を考えますと先ほど申し上げましたような結果になる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/26
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027・有島重武
○有島委員 だから、これは法律でもってきちっとそういうふうになっているのではない、ただ、全体から考えればこれが妥当ではないか、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/27
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028・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 繰り返しになりますけれども、再評価については、先生に先ほど取り上げていただきましたように、今回の法律で規定をいたすわけでございます。それから物価スライドについては、従前から毎年法律あるいは政令の措置によってやっているということでございまして、その関係を新たに法律で書かないとこの結論が出てこない、こういうものではございませんで、再評価の考え方は今度は法律で規定するわけでございますので、それと従来のやり方とを解釈するとそういう結論が出てくるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/28
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029・有島重武
○有島委員 大臣、こういった誤解を現に生んでいる、それから期待がある。これはどういう筋道で、十月以降は五%アップされるならば物価スライドはなくなってしまうとか、それのしっかりした根拠法といいますか根拠がやはり必要なのではないだろうかと思います。しかも、これは我々立法府のことですけれども、十月の施行をもっとさかのぼるというようなことも話が出ておるわけですね。そうなってくると、これは四月にさかのぼって全部物価スライドもなくなってしまうというようなことにもなろうかということを言われておりますね。この辺はもう少しきちんとみんなが本当に納得いく説明ができるようにしておいてもらいたい。これはもう細かい説明はいいです。大臣から一言。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/29
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030・石橋一弥
○石橋国務大臣 お答えいたします。
お答えになるかどうかわかりませんけれども、法制度でそこまであるかないかということについてはないということでありますが、保険数理そのものは、やはり将来を見越して、これはどのような形の支出が出ていくだろうか、それをきちっと制度の上であらわして収入支出のバランスをとるにはどのようにやったらいいだろうかという統計の上から収入支出バランスをつくっていくのが基本であろうと私は考えております。そこでいろいろな支出を考える、脱退する人がどのくらい出る、長期の場合はいつから年金支給をやるか、また短期の場合もどの程度の病人が出て、それは今の医療の上からいってどのくらいのものがかかるということで、短期の収入支出、そして長期の収入支出をあらかじめ計算しておく、一番もとは私はやはり統計からだと考えております。
その場合、どうしても捕捉のできないものがありますね、捕捉し切れないものがある。支出の中で、例えば物価スライド等についても、これもスライドに応じて給付はするけれども、収入は入ってこない部分になりますね。そこでいろいろな統計の中からあらかじめ算出することのできないようなものがどうしても出てくるので、法制度の中で五年ごとに一遍の見直しをきちっとやっていくというのがそこに出てきたのではないかな、私はそんな考え方でおります。よろしくどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/30
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031・有島重武
○有島委員 それでは、あと私学に関連した質疑を時間の許す限りさせてもらいます。
大学、短大の志望者が非常に増加しておる。高校を卒業した人たちの約半分、四八・四%が高等教育、大学、短大を志向しておる。こうした高等教育をみんな受けていくんだという志向、大臣、これはどう評価なさいますか。
今までの文部省のいき方だと、大体三六%、三分の一程度の人が高等教育を受ければいいではないか、そういった政策でずっと進んでおられるのですね。時代はどんどん変わっているわけなので、こうした高等教育志向について、大臣は、これは歓迎すべきものであると思われるか、それはやはりちょっと行き過ぎだから三分の一程度に抑えておいた方がいいかなと思っていらっしゃるか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/31
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032・石橋一弥
○石橋国務大臣 お答えいたします。
たしかこの春の入学希望者が四十万人も希望を満たすことができなかった。つまり入学ができなかったということは事実であります。これは原因はどこまでも十八歳人口の急増、あるいはまたその後の急減ということもあるわけでありますけれども、六十一年度から、このようなことがありますので入学定員の整備を行ってまいりました。本年度までに約九万五千人の入学定員の整備、つまり増ということになるわけでありますが、そんなことを行って、計画そのものは八万六千人増ぐらいでいいだろうと思っておりましたが、事実的には九万五千人の増を行ってまいっているわけであります。そこでもなお、大変大きな人数が入学ができないという現実の形がありますので、さらに入学定員超過率の改善、そして入学者数が大幅に増大して多数の不合格者が生じていることから、ことしの二月の大学審議会において、計画期間中は期間を限った定員増も含めて今後とも整備を図っていきたいということが了承されておりますので、文部省といたしますと、その方向に沿って整備を行っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/32
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033・有島重武
○有島委員 それで、物理的にいわゆる浪人はどんどんふえるわけですね。累加していくのです。何か去年の浪人、その中でもって相当入学はしたのだけれども、またそれは累加して四十万人以上の浪人がおる。これが来年になるとまたもっとふえるかもしれない、こういったことに対してこのままでいいのか、ほったらかしておいていいのかといった問題があると思いますね。
時間があと何分しかないよという紙が回ってきたから、ゆっくりやっていられないのですけれども、それで今度将来の見込みですね。大学に入る人、確かに高校の新卒の人が大学に入る、これが一番レギュラーだと思われているわけですね。その次に浪人が入ってくる、これも当たり前ということ。社会人入学というのがこれからふえますね。相当なパーセンテージを持ってくる。これは既にアメリカなんかではそういうことがもう来ているわけですよね。もう一つは、留学生の入学というのがございますね。留学生というのは若いのもいれば結構年食っているのもいる、こういうのもありますね。それからもう一つは、こちらで浪人した人々、あるいは日本の青少年の中の新卒者の中でも、日本の大学より外国の大学に行くよといって留学をする人、これは今までも非常に少数だったわけですけれども、こういうように今までのいわゆる高校を出て大学というだけの計算では間尺が合わなくなってくるような時代に今や突入しようとしているのじゃないかと思うのですね。
そういった将来見込み、文部当局でなさっていらっしゃる将来見込みというのは、だんだんベビーブームが終わって、あと五年もするとちょうど高校の卒業者はどんどん下がっていくから、だから今多少ヒートしても、志望者が多くて多少トラブルがあろうともじっと我慢していれば、五年もすればどうにかなるわい、これが本音じゃないかと私は思うわけです。
だけれども、文部省の今までの行き方を守っていてくださる、これは非常に大事なんですけれども、僕たち政治家としては、あるいは大臣のお立場としては将来見通しをもう一遍どこかでちゃんと計算させ直すというか、あるいは環境の変化に対応していくというだけでなしに、日本の行き方としてはむしろ積極的にこうしなければいけないということを今から考えていかなければならないのではなかろうか、こう思うわけです。これも長く議論していくと厄介になってしまうから、大臣の考えていらっしゃることを簡単に一言だけ承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/33
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034・坂元弘直
○坂元政府委員 ちょっと私から簡単にお答えさせていただきますが、今先生が御指摘になりました浪人の割合あるいは社会人がどういうふうにふえていくか、あるいは留学生がどういうふうに増加していくかという予想は大変難しい問題ではありますけれども、先生御承知のとおりに、十八歳人口がピークになります平成四年度を目途に昭和六十一年度から高等教育計画、七年計画で、先ほど大臣が御説明したような、若干計画のそごはございましたけれども、整備を進めてきているわけでございます。今先生が御指摘になりました点などを含めまして、平成五年以降の将来の我が国の高等教育のあり方あるいは見通しを含めてどういう計画で整備を進めていくかという点につきましては、現在大学審議会に新高等教育計画部会というものを設置いたしまして、そこで鋭意検討している最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/34
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035・有島重武
○有島委員 では、また一番最後に大臣から聞きましょう。
それで、そういった計画も手がたい計画とかなり意欲的な計画とあろうと思うのです。僕は今の御説明、大変立派だと思うのですけれども、むしろ意欲的な計画といった点について特に大臣には御留意をいただきたいと思うわけです。
それからもう一つは、単位の互換について、その進捗状況がどういうふうになっているかをここでもやろうと思っていたのだけれども、大体報告は受けております。わずかでございますけれども、どんどんふえているということはある。大学全体の計画の中に単位の互換の要素が非常に重要になるのじゃなかろうか。それが一つです。
それからまた、単位の互換の中枢機関となるべき放送大学の普及、全国化を急がなければいけないのではないでしょうか。県によって少しずつやっておる。今の技術、十年前考えておりました技術と全く違うし、コストの点につきましても随分安くなっておるのは事実でございますし、これを速急に急ぐべきじゃなかろうか、そういうふうに思うんですよ。
もう時間が来ちゃったから、大臣に、放送大学、これからの全国化を急いでもらいたい、このお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/35
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036・横瀬庄次
○横瀬政府委員 私から最初に御説明申し上げます。
放送大学の全国化につきましては、私どもも生涯学習体制整備のために非常に重要な問題だと思っております。それで、全国化に当たって解決しなければならない問題が、委員も御承知のように、二つ大きくございまして、一つは放送網の整備でございます。それからもう一つは、学習センター、面接授業等を実施する学習センターを各地域に整備する。この二つでございます。
それぞれ私どもにおきましては、例えば電波網の方につきましては、六十三年度に調査会の結論が出ておりまして、放送衛星を利用するという方向が有効であろうというようなことがございますので、それに向けて本年度からそういう放送計画調査というのを実施しておりまして、その準備を行っております。
それから、学習センターの方につきましては、これは放送大学が持っております放送教材を利用するという観点もございますけれども、学習センターの整備の準備的なこともございまして、広島大学にビデオ学習センターの整備を進める。それから、関西地区におきましても、ビデオ学習センターの設置調査を実施しているというようなことがございまして、これは来年度要求におきましては、一挙に六ケ所にふやして、そしてぜひその準備が進むようにやっていきたいというふうに考えておりまして、そういった意味で、全国化に向けていろいろ努力をしているところでございます。そういう実情について御説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/36
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037・石橋一弥
○石橋国務大臣 考え方について御答弁をいたしたいと思います。
放送大学設立のときの考え方、委員も一緒にやっていただいたのでよく御承知のとおりであります。いずれ電波割り当てをもらって、そして衛星を飛ばすこと、これをやりませんと、結局日本国全体、あるいはいろいろな地方にまでやることができないだろうな、そのようなことを常に思い続けております。
もう一点の問題につきましては、先ほど政府委員から答弁されましたので、それで御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/37
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038・有島重武
○有島委員 終わります。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/38
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039・鳩山邦夫
○鳩山委員長 次に、中野寛成君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/39
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040・中野寛成
○中野委員 私学共済についての質疑でございますが、まず先に、私学全般、とりわけ私学助成の問題についてお伺いしておきたいと思います。とりわけ大臣の御見解といいますか、私学に対する御認識をまずお聞きしたいと思います。
私学は今日、幼稚園児の七五・八%、高校生の二八%、短大生の九〇・一%、そして四年制大学生の約七二・五%もの教育を担当しているわけであります。私学が担っている役割の重要性、それから私学の量と質、もう私学はこのくらいでいいというのか、もっとふやしたいというのか、ちょっと抑えぎみの方がいいというのか。質の問題も、最近少々レベルが上がっているのか下がっているのか、また中身についても、こういう工夫が私学ではあった方がいいというふうに何かお考えがあるのか。そのことについて、まず大臣の私学に対する御見解、御認識をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/40
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041・石橋一弥
○石橋国務大臣 お答えいたします。
委員ただいま御指摘のとおり、我が国における教育の中において、私学に依存と言うと言葉が適当ではないと思いますが、示されたとおり大変重要なことをやっていただいているわけであります。
そうしたことの中において、さて幼稚園あるいは大学に至るまでの数をもっとふやすかどうかという問題ですね、第一問は。これについては、幼稚園、小学校、中学校あるいは高校、大学、短大それぞれの日本国国民全体の要望、要求というものがどのようなことであろうか。少なくとも今までの動きを見ておりますと、ますます学を修めたいという要望が非常に強くなってきているな、こんな感じであります。それでは国公私立の中においてどのような形のものをとっていくかということについてのところまでは、私自身まだきちっとしたものは持っておりません。ただ、国民全般の学問をやりたいという考え方、これはだんだん強くなっていくことであろう、そしてまたそれはいいことであろうという考えを持っております。
そこで、第二点の、一体、助成はどんな考え方かということでありますが、これにつきましては、委員御承知のとおり、ここ全くどうも日本国全体の財政の中において、いわゆるシーリングということで枠を縛られて、私だけでなく文部省全体、本当のことを言って全くやきもきしているというのが現実の姿であります。であっても、その中においても私学の重要性をよく認識をして、でき得る限り私学助成を充実させたいという考え方でやってもおりますし、これからもそれを筋を適していきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/41
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042・中野寛成
○中野委員 私学全般についての認識についてまだ固まった考え方を大臣としておまとめではない、こういうことでございますが、しかしこれは早急にやはり一つの文部省としての方針というものを出すべきではなかろうか、こう思いますね。もちろんその努力はされていると思うのです。いろいろな審議会等、私学のあり方について御論議をいただいているわけでありますから。
大臣でなくても結構ですから、最近の私学のあり方、いわゆる質と量、両面において、もし今おわかりでしたら、最近の各種審議会の答申等全般的な傾向はどういう方向にあるか、おわかりの方いらっしゃればお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/42
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043・野崎弘
○野崎(弘)政府委員 私学につきましては、それぞれが個性を持ち、特色ある教育、研究をしていただいておるわけでございますので、私学のあり方自体をどうということではなしに、私が今承知しておりますのは、それに関連して私学助成というものをどう考えたらいいのかという形では、例えば臨時行政改革推進審議会が昭和六十二年に答申を出しておりますが、その中では私学に対する効率的な助成ということを求めております。それから、臨時教育審議会の第三次答申、この中では「高等教育財政」ということの中で「私学振興は国の重要な責務」であるということを述べ、「私立学校振興助成法に基づく経常費補助を基本的に維持・充実しつつ、特色ある教育研究プロジェクトに対する補助の大幅な拡充を図る。」というようなことで、私学がそれぞれ特色ある発展をしてほしい、それに対して国もやはりそういうものに対する効率的な助成なりプロジェクト助成というものをすべきではないか、こういうような考え方があるのではないか、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/43
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044・中野寛成
○中野委員 今のお答えの次に続く質問は後ほどいたします。
まず全般的なこととして、この私学助成につきまして経常的経費の二分の一を助成の目標としているのか、法制度上は二分の一までならば助成をしてもいいという考え方なのか、両面あると思うのですね。これは五〇%という数字は一つの限界を示しているというとり方と、それをそこまでいく目標、できるだけ二分の一までには近づけるように努力するという目標、その両面があると思うのです。
現在のところは残念ながら二分の一ではなくて、同じ数字は二でありますけれども、二〇%何とかならぬかという話に落ち込んでしまっているわけですね。しかも、これは昭和六十三年度でいくと一六%にまで落ち込んでいる、ピークのときは五十五年で二九・五%、いつの間にやら二〇%割ってしまって最近は何とか二〇%に戻せないかという論議にすら落ち込んでいる。これが現状だと思うのですね。
本当は我々も何とか二分の一、二〇%じゃなくて二分の一、五〇%を目指せないかというのが本来の各党の政策にも大体似通ったところがあるのではないかと思うのですが、文部省は、もちろんここ数年来に二分の一なんて夢物語であることはよく承知しておりますが、しかし、恒久的目標は二分の一なのか、二〇%なのか。それとも、最近の報道によりますと私大助成、いわゆる私立大学に対する助成は五%削減という来年度予算についての大蔵方針がある、そして配分の見直しをし、選別化をする、どこが選別をするのか知りませんけれども、この選別の仕方によってもこれは大問題が起こると思いますが、結局財政当局の傾向はますます減らす方向、文部省はどっちの方向を目指しているのか。ふやすにこしたことはないという程度の考え方なのか、究極の目的は五〇%というのか、もう五〇%というのは夢物語だからとっくの昔にそんなことはさらさら考えなくなって二〇%くらいは何とかというお考えなのか、その辺の文部省の決意はいかがなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/44
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045・野崎弘
○野崎(弘)政府委員 私の方から、少し制度の仕組みあたりのところからちょっと御説明をさせていただきたいと思います。
委員御指摘のように、私立学校振興助成法に基づいて今補助が行われているわけでございますが、その振興助成法の規定は、「学校における教育又は研究に係る経常的経費について、その二分の一以内を補助することができる。」こういうことになっておるわけでございます。片や、この法律が制定されますときに附帯決議がございまして、「私立大学に対する国の補助は二分の一以内となっているが、できるだけ速やかに二分の一とするよう努めること。」こういうことでございます。
私どもといたしましては、こういう法律、そしてまた附帯決議の趣旨にのっとりまして毎年予算要求をし、努力しているわけでございますが、なかなか財政状況が厳しいということで委員御指摘のようになかなかこの予算が伸びない、こういう状況にあるわけでございますけれども、目標はどうかというのは大変難しい議論でございますが、今後財政事情もありますのでなかなか難しい状況でございますけれども、私どもとしてはこれを最大限努力をして伸ばしていくということが今の私どもの責務である、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/45
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046・中野寛成
○中野委員 それはよく承知しておって、そのことをこちらからも申し上げてお尋ねをしたわけであります。しかし、最近の報道では、先ほども申し上げましたように大蔵当局はなお一層厳しい状況があります。これに対して文部省はどう対応しようとしているのか、私どもから見ますと、また、最近の国民の皆さんからの陳情、請願等々を見てみますと、この傾向に対して大きないら立ち、不満、そういうものを募らせて、何とかしろと大変厳しい要請が続いているわけであります。こういうことについて文部省はその期待にどうこたえようとしているのか、大臣の御決意を特にお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/46
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047・石橋一弥
○石橋国務大臣 お答えいたします。
御指摘のとおり確かに二九%までいったことがあります。個人的なことを申し上げて恐縮ですが、たしか私の政務次官のときであったと思います。その後しばらくしてすぐ財政再建というのが始まったわけですね。そこで縛られてしまって、全く文部省としても何とかこれをという考え方でやってまいったですが、なかなか壁が破れなくて、そしてここまで参って、とうとう一六%まで落ち込んでしまった。金額そのものは、たった一時期プラスの額が出なかったときが御承知のとおりあります。それを除いては、金額そのものはとにかく前年度よりもふやすということで大変な努力を重ねてきております。
一番基本的には、私も閣僚の一員でありますからなかなかそこまでは言い切れませんが、私の立場からいいますと、文部行政、文部の予算、これを内閣として一体どう考えるかという基本をきちっとして、六本の柱だか五本の柱だかがありますが、その中へ入れるということ、これをやりませんとなかなか前に出ないというふうに私は考えております。そこで、平成二年度予算についても、それをまず皆さんと一緒になって動いたわけでありますが、なかなか、もう一年で財政再建計画が終わるところなんだから我慢してくれということで押し切られてしまったというのが現実であります。
そうした中においても何とかして、とにかく五〇%というものがきちっとある以上は、今は残念ながらこうであっても、必ず一歩一歩進めていきたいという考えを強く持っております。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/47
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048・中野寛成
○中野委員 最近、どちらかというと私学の中における不祥事であるとか、それから、大変言いにくいことですが、先般来のリクルート事件に関する高石さんについての私学からの寄附金であるとか、そういうふうなことをきっかけにいたしまして、結局私学に対する締めつけといいましょうか、そういう傾向があるように思えてならぬのです。
先ほど私学の役割の重要性について文部省はどう認識しているか、各種審議会等の答申の傾向はどうか等々を冒頭にお聞きいたしましたのは、その私学の役割の重要性、質量ともにより一層充実させなければいけない、その認識、そのことをまず文部大臣を筆頭にして文部省当局がしっかりと肝に銘じて、そしてまた、全国民的な私学に対する理解を高めていく、重要性の認識を高めていく、こういうものがなければ今日の大蔵当局に財政上の理由で押し切られていく傾向というのはなかなか歯どめがかからないということが言えるのではないだろうかと思うのです。
ゆえに文部省の強い姿勢を期待し、また、その文部省の強い姿勢が広く私学に対する認識を高めることにつながることを私としては望みたいわけであります。そういう意味でもう一度大臣の包括的な基本的御認識をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/48
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049・石橋一弥
○石橋国務大臣 御指摘の点、私も全くそのとおりであるな、こう思っております。我が国の学校教育において量的に大きな役割を私学は果たしております。また、質的な面においてもそれぞれの私学の建学の精神に基づいて個性豊かな教育、研究を行い、我が国の学校教育の多様な普及進展に大きく貢献をいたしております。でありますので、先ほども申し上げましたとおり、今財政事情が困難、困窮をきわめておる中においても、何とかして少しでもこれをやっていかねばならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/49
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050・中野寛成
○中野委員 文部行政については大変熱心で、しかも時にはタカ派かと見まごうばかりの強引さで努力をなさる大臣のことでありますから、私が申し上げました方向で、大いにひとつ私学振興についてせっかくの御努力をなお一層お願いを申し上げたいと思います。
さて、本論の私学共済関連でありますが、今回、私学共済の組合員は六十五歳から年金が支給されるようになる法改正案であります。私どもは、将来、この私学共済の年金だけではなくて全体の年金が六十歳支給を望んでいるわけでありますが、少なくとも現在教壇にある組合員の方々にも支給しようという内容の改正でありますから、これは一歩前進だと思いますし、また、私学に人材を確保する点からも、これら待遇改善につながることはよいことだと私は考えておりますが、この改正でどのくらいの方が支給を受けることになるのか、また、そのことによる影響、これはいい影響があるとは思いますが、一方、財政問題については、今この私学共済財政は比較的良好な状況にありますけれども、将来の財政問題等についてはどうお考えか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/50
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051・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 今回の六十五歳以上の支給に伴いまして、この対象になります六十五歳以上の組合員というのは一万六千四百五人でございます。この制度が実施されますと、これは国庫補助金とか基礎年金の交付金とか、いろいろ受け入れの額もあるわけでございますが、差し引きいたしまして、私学共済の負担というふうに考えるのは平年度ベースで約百三億というふうに試算をいたしております。
もう一つお尋ねの長期の見通しでございますけれども、私学共済の六十三年度の決算額で見ますと、収入が二千六百五十三億、支出が一千二百億ということになっておりまして、差し引き千四百五十三億の黒字ということでございます。これを年金給付の積み立ての財源として留保いたしまして、それの累計額が約一兆四千百四十八億円という状況に現在なっております。
将来これがどういうふうになっていくかということでございますが、これは推計で一定の条件のもとに掛金を現在のままに据え置くということで粗い試算をいたしてみますと、平成二十年度に単年度収支が赤字になる、それから、平成三十二年度に積み立てた保有資産をすべて吐き出して赤字になる、こういう状況でございます。これは他の年金制度に比べますとかなり安定した姿にはなっているわけでございますが、今のような状態でございますので、また、組合員の成熟度が高まっていくという状況でございますので、必要に応じて掛金をアップして対応しなければいけないという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/51
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052・中野寛成
○中野委員 長期的見通しにつきましてはお答えいただき、また、比較的安定をしているという御説明がありましたが、短期経理の問題点として、老人保健制度の影響などによって財政事情の悪化が大きな問題とされているわけでありますが、その原因、財政状況の実態、今後の対策、今回の改正が短期経理に与える影響、これらについて簡単に御説明をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/52
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053・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 短期経理の収支につきましては、先ほどの長期経理と違いまして大変問題を抱えてきているという認識でおります。
具体的に申しますと、昭和四十六年から掛金率が千分の七十三でずっと据え置いてきたわけでございます。昭和六十年度までは短期経理が毎年黒字を計上してきたという状況であったわけでございますが、昭和五十八年に導入されました老人保健制度の影響もございまして、六十一年度には約三億、六十二年度には五十九億、六十三年度には約八十三億の赤字を計上するという状況になってきたわけでございます。このために、本年四月には掛金率を千分の五引き上げまして千分の七十八といたしたところでございます。しかし、この掛金率をそのまま据え置きますと、平成二年度には約三十六億、平成三年度には六十九億という赤字が生ずるということになるわけでございます。
したがいまして、平成二年度にも掛金を引き上げていかなければいけないという課題を今抱えておるわけでございますが、こういう形になりましたのは、先ほどちょっと触れましたように、老人保健法に基づく老人保健の拠出金の関係との絡みでございます。これにつきましては、従来からいろいろ按分の比率等が年々変わってきておりまして、それが来年一〇〇%という形になるものですから、その負担がかなり大きくなってくるということでございまして、私どもといたしましては、老人保健制度にかかわる問題でございますので、現在、その問題については老人保健審議会でその対策をいろいろ御検討いただいているというふうに承知をいたしているわけでございますが、そういった検討の結果も踏まえまして、今後の短期経理の掛金をどうするかというような問題に取り組んでいかなければいけないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/53
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054・中野寛成
○中野委員 あわせまして、財政調整特別措置法案、これは社会労働委員会に付託されている方でありますが、私学共済は三十億円の拠出が必要という法案になるわけですね。長期経理に与える影響はどの程度のものになるのかなというふうに考えたり、それから、短期経理の厳しさから付加給付の改善が見送られているわけでございますが、このことについて、とりわけ組合員の皆さんの御認識はどう把握されておるのか。
それからもう一つ、私学共済の宿泊施設が年々充実しているのですけれども、それほど必要なのかどうか、経理状況は必ずしも芳しくないというふうなこともお聞きいたしますが、そのための対策、これらを踏まえまして政府委員並びに保坂理事長からお答えがあればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/54
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055・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 まず第一の点で、被用者年金制度間の費用負担の調整に関しての負担の問題でございますが、これにつきましては現在特別措置法が国会で御審議中でございますが、これに基づきまして厚生省の方で政令を定めて実際の拠出金をはじいていくわけでございます。現時点で厚生省の試算では、私学共済の方の関係では年平均約三十億円と聞いております。これをどういう形で処理をするのかという問題でございますけれども、現在考えておりますのは、掛金にこの負担を直接にはかけない、掛金率にはこれをかけないで、長期経理の保有資産の運用の利益差と申しますか、そういった中でこの問題を処理していきたいと考えております。
それから、付加給付の改善の点でございますが、付加給付につきましては逐次改善を進めてきたところでございますけれども、先ほど申しましたように、短期経理が最近大変赤字を出したりしておる状況でございまして、これを維持していくのが精いっぱいでございますので、そういった財政事情等も勘案した上で検討させていきたいと考えております。
施設運営の点については、また理事長さんの方から実態に則した御意見が出されると思いますが、私どもから見ましても、私立学校の組合員というのは全国におるわけでございますが、本部が東京が中心でございますので、各地にそういった福利施設とともに、共済のいろいろな日常の事務の相談に応ずるというようなことも相兼ねてやっておるわけでございますので、必要な施設と考えておりますが、その運営については合理化等に努めて適正な運営を期するように今心がけてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/55
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056・保坂榮一
○保坂参考人 ただいま総務審議官から御説明いただいたとおりでございますが、一つ二つつけ加えさせていただきますと、ただいま私学共済の宿泊施設といたしましては、七つの会館を含めまして二十三施設を持っております。そして、これは少し多いのではないかという御指摘がございましたけれども、私学共済の組合員は全国にずっと散在しておりまして、その組合員の福利厚生施設及び地域私学の振興の拠点となるという意味でこれだけの施設は必要でございます。そして、それぞれ皆この目的を果たすために有効に動いておりますことを御報告させていただきます。
それからもう一つ、三十億の拠出についてのことでございますが、この三十億の拠出につきましては、先ほど総務審議官からも御説明がありましたように、私学共済が持っておりますといいますか、年金の資産等で預かって運用しておりますこの資金運用種目の拡大を図りまして、運用利回りをより高くするなど年金財政の運営の中で賄い、組合員の負担とはしないよう努力していくつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/56
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057・中野寛成
○中野委員 施設については多いのではないかという御指摘を申し上げたのではなくて、必要でしょうかというふうにお聞きしただけのことでございまして、多いということを批判的に申し上げたわけでは全くございません。御答弁ありがとうございました。
いずれにいたしましても、施設も資金も制度も、運用次第によってこれは生きもすれば死にもするということであろうと思うわけであります。そういう意味で、トータルとして今比較的好調に推移をしている。しかし厳しさもまた一面生じてきている。これらに対してやはり積極的な運用の妙を得て今後の健全な運営に御努力をいただきたい。御要望を申し上げておきたいと思います。
なお、大臣に再度、共済制度のみならず私学全体についてより一層その助成、充実等について御努力をいただくように御要望を申し上げて、質問を終わります。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/57
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058・鳩山邦夫
○鳩山委員長 次に、山原健二郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/58
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059・山原健二郎
○山原委員 年金問題は極めて重大な問題ですし、また非常に関心の高い問題です。これは私、昨日上京するときに、地方新聞でございますけれども、こういう投書が出ているんです。
「われわれ年金生活者は、買い物に行くたびに消費税を取られ、しかも本年四月からとられている。」さらに、「われわれ年金生活者はどうであろうか。ボーナスが支給されないのは当然かもしれないが、四月以来、買い物に行くたびに消費税を取られ支出はものすごく増えているのに、年金額の改定は全く行われず、昨年以来据え置かれ、一体これで生活できると政府自民党は考えているのか。」こんな弱い者いじめはやめてほしい。「年金生活者といえども全くただでもらっているわけではない。定年までの長い年月、毎月の給料から相当高い掛け金を差し引かれてきている。」「われわれの年金額の改定も速やかに実施されたい。」という、この投書です。
実はこの年齢を見ると私と同じ年齢なものですから、調べてみたら私の中学校時代の友人だったんです。彼は長く警察に勤めておりましたから、地方公務員なんです。そういうことを投書に書いてあるんですね。ささやかではあるけれども給付改善は当然の権利として、いわゆる改悪案と切り離して一日も早く実施してもらいたいというのが、今年金生活者の切実な要求になっています。このことは石橋大臣もよくおわかりと思います。
最初に、今度の政府案の中で、いろいろ後で申し上げますけれども、学生の国民年金への強制加入問題です。これは私は、文部省としてこんなことは絶対に許してはならぬという姿勢を貫いてもらいたいと思います。こうなりますと、夫婦と子供で大体月五万円から六万円の負担になります。そうしますと、滞納者あるいは免除者がふえてくることはもう明らかでございまして、そういう意味で国民皆年金制度が崩壊する危機すら予想されるわけでございます。この点については、教育に携わる文部省として、学生の国民年金強制加入は絶対反対であるということを主張していただきたいのですが、この点について最初に見解を伺っておきたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/59
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060・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 この問題につきましては、担当の政府委員が見えてないものですから、かわりましてちょっと私から御答弁させていただきたいと思います。
現在、学生につきましては、国民年金については任意加入とされているわけでございますが、このために加入していなかった学生が障害者となっても障害基礎年金が支給されないなどの問題が生じているわけでございます。
今回、二十歳以上の学生についても国民年金を強制適用にするよう改正することによりまして、すべての学生が障害基礎年金、遺族年金の対象となりまして、また老齢基礎年金についても満額支給されるというふうに承知をいたしております。
強制適用とされた場合に、国民年金の加入に伴って新たに年額約十万の保険料負担が生じることになるわけでございますが、この点につきましては、年金審議会の答申においても、学生に対する国民年金の適用に当たりましては、親の保険料負担が過大とならないよう適切な配慮がなされるべきであるということが提言されておりまして、文部省としても、こうした観点から適切な配慮がなされるよう厚生省に要請しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/60
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061・山原健二郎
○山原委員 時間がありませんからこれにこだわることもできませんが、戦前においても学生に対するいろいろな国政上のサービスといいますか、配慮というものがなされておったわけですけれども、今度は国民年金に強制加入をさせるということは、ちょっと考えられないことだと私は思っております。本来なら、こんな問題は連合審査でもやって今度の年金問題についての論議をすべきだと思っておりますが、時間の関係で、この問題はこれで終えておきます。
長期掛金の問題でございますが、私学共済の場合は十年前、八〇年に値上げをしてそのまま据え置きとなっております。これはもちろん理由があるわけでございまして、成熟度が低いため、つまり老齢年金受給者が少ないために財政が比較的豊かであるというようなことでございます。当面値上げをする必要はないと聞いておりますが、この点は確かめておきたいのですが、これは財政的に必要ないということか、あるいは将来はどういうふうにお考えになっているか、簡明にお答えいただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/61
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062・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 私学共済組合の掛金につきましては、昭和五十五年以来現在まで据え置いているわけでございます。しかし、今回の制度改正によりまして、本年十月から再評価等による年金額の引き上げ、あるいは来年四月から六十五歳以上の組合員に対する年金支給措置等が新たに実施をされるわけでございますので、そういうことを通じまして、全体として年金給付費が増大することになるわけでございます。
現在、これらの改善措置等も踏まえまして、来年四月一日に財政再計算を行うべくいろいろ作業を進めているわけでございますが、現時点においても掛金につきましては引き上げをしていかなければいけない、こういう見通しでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/62
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063・山原健二郎
○山原委員 掛金の引き上げですね。
次に、国鉄共済の財政赤字の問題ですが、私学共済も先ほどちょっとお話が出ておりましたように財政負担を強いられているわけでして、三十億円、来年の四月から毎年ということですから、六年間にしますと約百八十億という拠出が求められる結果になると思います。
この点は、年金制度が一元化された場合には、成熟度の低い私学共済は、財源が一本化されるため他の共済を賄う点で大幅な拠出増、一番被害を受けるのではないかと思われますが、この点はどういうふうにお考えでしょうか。一元化されました場合に、私学共済がどれだけ被害を受けるかという点についての試算がなされておると思いますが、その点、お答えいただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/63
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064・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 被用者年金制度間の費用負担の調整につきましては、特別措置法が現在国会で御審議中でございます。その法律が通りますと、政令に基づきまして拠出金というのがはじかれるわけでございますが、厚生省の方におきまして現時点で試算したところによりますと、平成二年度から平成六年度までの間ということですので五年間でございます。五年間平均いたしますと、年約三十億というのが私学共済の関係、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。
なお、この被用者年金制度間の負担調整を、平成六年が終わりましてその後どういうふうに続けていくかということにつきましては、この制度の運用の実施状況も見きわめた上で考えていく、各省間で話し合いをしていこう、こういうことになっておるわけでございますので、先々のことは今ちょっと申し上げられない状況でございます。
なお、今回の費用負担の調整に当たりましては、私学共済のいろいろな事情、成熟度が非常に低いということ、あるいは六十五歳以上の者は他の制度に比べて割に人数が多いとか、いろいろな事情があるわけでございますので、そういった事情を十分に反映をしていただいてこの計算方法を最終的にまとめていただいた、私どもとしてはそういう理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/64
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065・山原健二郎
○山原委員 きのう大蔵委員会で私の党の正森議員が試算を発表しておりますが、今度の政府の、私どもは改悪案と呼んでこれは絶対賛成できないわけでございますが、これを見ますと、とにかくすごいのです。自分が払った保険料分を年金給付の形で取り戻すのには、実に九十八歳の時点になることが数字として出てきております。
ちょっと聞いてくださいよ。こういうふうに出ているのです。年金の今度の案では、基礎年金の保険料は月額八千四百円から始まり、毎年四百円ずつ値上げし、二十一年後に月額一万六千百円にするものでありますが、物価上昇分がプラスされるので、実際にはこれを上回ることになる。一方、年金支給開始年齢は六十歳から六十五歳に五年間おくらせる。こういうことになりますと、加入期間四十年で六十歳になる直前まで納める保険料は、累計で六百七十九万二千円。これにこの間の利子を加えた元利合計は千二百二十四万円余りになるわけです。その後も六十五歳の年金支給までの間は元金に利子がつき、年金支給開始後も年金を取り崩した残りの部分に利子がついてまいります。
こういうふうに計算してみますと、自分がためた保険料を取り戻すことになるのはやっと九十八歳の時点。八十歳前後の平均寿命をはるかに上回り、圧倒的多数の国民が損をすることになります。三分の一国庫負担という法律の規定を考慮すると、百六十三歳にならないと元を取り戻せないことになります。こういう試算が出ているのです。これは昨日問題になったわけですけれども、こんなことをお考えになったことはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/65
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066・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 ただいまの先生が御指摘になりました数字は国民年金についてではないかと思うわけでございますが、私ども、私学共済の年金については、先ほど来申し上げておりますように、将来の財政的な見通しに立って適正な運営をしていかなければいけない、将来安心して老後生活ができるような、そういった年金制度を維持しなければいけないということでやっておるわけでございまして、またそれに必要な制度間調整その他についても、私学共済の歴史とか沿革とかを踏まえた対応をさせていただいているわけでございます。そういうことで、先生がおっしゃったような形で私学共済の場合にいくということは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/66
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067・山原健二郎
○山原委員 現在、私学共済の年金給付に対する国庫負担率、これは給付費の一八%、厚生年金の二〇%に次いで高い負担率となっておりますが、国家公務員共済あるいは地方公務員共済の場合は一五・八五%となっておりまして、これよりは高いわけですが、共済年金が一元化された場合、国庫負担率はどういう状態になるのか、計算をされておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/67
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068・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 ただいま先生が御指摘いただきましたのは、六十一年度制度改正によりまして、国庫負担の公平化の観点から基礎年金に国庫補助が集中されたわけでございますけれども、経過的な国庫補助といたしまして、国民年金のかき上げ相当部分の給付費の四分の一、それから昭和三十六年四月以前の加入期間にかかわる給付費用の一九・八二%の補助を受けている、こういう状況にあるわけでございます。この一九・八二%の補助につきましては経過的なものでございまして、補助の対象者も年々減少してくる、こういう状況にあるわけでございますが、それが他の年金と同じように統合されるとか減少されるとかということは考えていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/68
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069・山原健二郎
○山原委員 次に、健康保険の家族給付負担について聞きますけれども、二千円以上の医療費に対する一部負担金払戻金、家族療養費付加給付制度ですね、私学共済の場合は、同じ月内に同じ病院などで支払った自己負担額が二千九百九十九円までは自己負担となっています。他の共済制度、公務員共済の場合は二千九十九円までが自己負担です。この点の改善はされるのですか。どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/69
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070・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 先ほど来申し上げているのですが、短期経理の財政事情というのは大変問題を抱えておるわけでございまして、付加給付につきましては、そういった経理状況を見て今後充実を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/70
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071・山原健二郎
○山原委員 老人保健制度あるいは退職者医療の問題ですが、老人保健法の改正、これ私どもにすれば改悪ですが、この問題で、先ほど出ましたけれども、私学共済から拠出金が年々増加しまして、一昨年、八七年度決算では五十九億円の赤字。そのため掛金が本年千分の五、組合員一人当たり平均八千四十円の負担増だと思います。そういう試算があるわけですね。さらに九十年度にも千分の五引き上げられようとしているわけですが、私学共済の財政の状況から見まして、短期掛金を引き上げずに済ませる方法はないのか、その点、検討されたことはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/71
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072・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 短期経理が赤字の状況が続いていて、本年の四月に掛金を千分の五引き上げた、また来年引き続き引き上げざるを得ない状況であるということは先ほど来申し上げてきたとおりでございます。この短期給付の財政方式はいわゆる賦課方式というのをとっておりまして、原則として単年度の予定支出に見合うだけの掛金収入を当該年度に得るということで掛金を設定しているわけでございます。これはどこの制度でも同じだと思うわけでございますが、そういったことでございますので、これを私学共済の中で他の方法で消化するというのはなかなか困難である、こういうふうに認識しています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/72
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073・山原健二郎
○山原委員 時間がありませんので、最後に大臣に伺いたいのですけれども、年金問題というのは、私はよその国へ行くたびに年金生活者の実態に非常に関心を持っているわけです。ヨーロッパの場合は、年金に対する考え方が随分違いますね。年金生活者が非常にゆったりした、みずからの権利として年金制度を見ている。また、一般の住民もそういう感覚で見ているという感じを受けているわけです。したがって、この問題は、今回政府が出しておる案を見ますと、六十五歳へ支給年限をおくらすとか幾つかの重大な問題点を持っているわけです。しかも、最初に言いましたように、学生を国民年金制度の中に強制加入さすというような問題を含めまして、国論を二分するぐらいの大きな問題になっております。
しかも、目前には総選挙が行われるという事態で、国民はこの行方を本当に見詰めているわけですね。そういう点から考えまして、文部大臣として、私どもに言わせれば改悪でありますけれども、今回の一連の年金制度改正案について石橋文部大臣としての見解をぜひ伺っておきたいのです。主張すべき点はやはり閣僚の中においても主張していただきたいと思いますが、その点についての御見解を承りたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/73
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074・石橋一弥
○石橋国務大臣 お答えいたします。
年金制度もまた共済制度であります。ですから、一番の目的はその中においてその制度が安定することであると思います。今度のこの委員会に出してある国鉄共済への援助の問題も詰まるところ組合が収入支出のバランスをとれないままになってしまったので、あの組合に入っている方々は他からの応援、それから特別に今自分自身の自助努力、この二つがなければもらえないという状態になってしまったのですね。これが一番恐しいことである、こう私は考えております。ですから、今回の改正案全般についてもぜひ御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/74
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075・山原健二郎
○山原委員 私の考えと全く違うわけですね。立場が違うからそういうお答えになると思いますけれども、消費税の問題については、今参議院で税制特の討議が中断しておりますけれども、これも政府の主張はやはり老齢化社会のためにということを言われているわけですね。でも、現実にはこの消費税が年金生活者は一番こたえているのです。その上に、例えば国鉄共済のように明らかに国民あるいは労働者側の責任でないもの、そういう無謀な、国鉄問題を絡めての赤字を他の共済年金その他が埋めるという全く不当なものなので、そういう意味では、真に社会保障制度あるいは年金制度について国がどういう姿勢でどうこれを補完していくかということが前提にならないと、将来になったら困るよ、自助努力、お互いの助け合いだという形で、結局はこの犠牲が年金生活者にも及んでくるということを考えますと、今重大な年金問題の局面に立っておりますので、ぜひお考えを変えてほしいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
石井さんが関連質問を用意しておりますので、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/75
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076・鳩山邦夫
○鳩山委員長 次に、石井郁子君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/76
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077・石井郁子
○石井(郁)委員 共済組合員の資格回復問題についてお伺いをいたします。
横浜市の私立旭台幼稚園の問題でございますが、昭和六十二年一月に経営者が一方的に八名の教職員を解雇いたしまして、同時に七名の共済組合員の資格も経営者の喪失届によって失われています。これに対して、神奈川県地労委が昨年七月、不当労働行為に当たるとして原職復帰の救済命令を出しています。
この幼稚園は、現在百五十九名の園児と十三名の教職員がおりまして、五年前に経営者が一方的に廃園宣言をしたわけですけれども、父母と教職員が自主運営を行っております。地域の幼稚園として住民に信頼されておりまして、来年度の入園希望者は過去最高の百十六名だというふうに聞いているわけであります。
監督庁である神奈川県は廃園申請書を受理していません。存続を前提として行政指導を行っているわけでありまして、現在の状況は、設置者交代によって存続が来年度にも実現できるかというところまで来ているというふうな状況なわけであります。
そこで、質問ですけれども、文部省重々御存じのように、昭和四十四年の通達によりまして、この身分保全の仮処分がなされた場合は、組合員資格が回復したものとして取り扱わなければなりません。経営者から資格喪失取消申請書を提出させて、資格喪失以前から組合員資格があるものとして取り扱うということになっているわけですが、今日に至るも経営者の方がこれを拒否しているわけですね。これにつきまして文部省がどのように指導されたのか、まず伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/77
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078・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 今先生から御指摘いただきました解雇の効力について、係争中の組合員資格の取り扱いにつきましては、お話がございましたように、私学共済組合が独自で判定するというのは非常に困難でございますので、労働委員会とかあるいは裁判所に対する訴えが提起がなされた場合であっても、学校法人から資格喪失報告書の提出があったときは一応組合員資格を喪失させまして、そして裁判所あるいは労働委員会等の解雇無効の決定または判決がなされましたときは、その効力が発生をしたときは資格喪失の処理を取り消す、こういうやり方をとっているわけでございます。
そして、今問題なのは、そういう仕組みの中で、現在そういう手続をとるのが学校法人等の設置者にあるわけでございまして、設置者がそういった手続をとらない、こういう状態について問題が過去においても若干出ているわけでございます。私どもといたしましては、そういったことにつきましては、その都度個別に私学共済組合から関係の学校法人等に対しまして個別に指導を行ったり、あるいは私学主管課長会議等でその趣旨を徹底したり、そういった行政指導をさしていただいているわけでございます。
本件につきましても、六十三年の七月に解雇を取り消す旨の救済命令が神奈川県の地方労働委員会から発せられているわけでございます。したがいまして、資格回復の取り扱いが必要でございますので、その設置者に対して共済組合の方からもいろいろ働きかけをしてまいったわけでございます。同時に、私学共済の関係者が神奈川県に直接赴きまして、県の対応状況を聴取するとともに、資格回復についての指導の要請もするということもやっておるわけでございます。また、ことしの四月には神奈川県の関係者に文部省に来ていただきましていろいろ状況を聞きまして、あるいは組合員の資格の回復の手続についての適正化を図るように依頼を申し上げたり、そういったいろいろの指導をしているような状況でございます。
ただ、ここの幼稚園の場合に今までの学校法人等と違いますのは、この幼稚園の設置者であります方が幼稚園の存続の意思がない、もう廃園をしたいということを申し入れていること、そして幼稚園の教育の場でございます施設とかあるいは土地、そういったものが第三者に所有権が渡っているというような状況でございます。したがいまして、この問題は単に共済組合員の資格回復という点の問題以前に、その設置者あるいは幼稚園の運営という問題を速やかに解決していただかないと、なかなかこの問題は最終的な解決が難しいのではないかという感じを持っている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/78
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079・石井郁子
○石井(郁)委員 この先生方は資格を失ってから任意加入で入っていらっしゃいまして、いろいろ健康上の問題等々あるわけですね。事実上病院にかかることもたくさんあるわけでございます。この期限も二年間ですから、もう間もなく切れるわけです。ですから、非常に急がなければいけないというふうに思うわけです。
今御答弁の後段部分に言われましたことは、これは事情を十分聴取していただければ、設置者交代で今話が進められているということで、神奈川県の方ではこの園を引き継ぐ方も明らかになっているようであります。そういうことで園の存続ははっきりしているわけでありますし、先生方もそこに勤められるわけですから、資格回復の手続を何とかしてとらなければいけないということだと思うのですね。だから、原職復帰という救済命令が出たというこの点に立って、やはり設置者にこの資格喪失取消申請書を一刻も早く出させる、このことで文部省がもっと強力にきちっと指導されるということが必要だと思うのですが、そのことを強く申し上げておきたいと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/79
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080・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 この問題は、私立学校共済組合の組合員の資格の問題でございまして、共済組合の方がその問題を一生懸命取り組んでおるわけでございます。
先ほど来申し上げましたように、設置者である方に相当強い指導をするとともに、現地まで出かけましてその幼稚園を所管している県の知事部局あるいは直接設置者の方にお会いして説得をしているわけです。文部省は直接の事務をとっていないわけでございますが、文部省におきましても幼稚園を担当する課、私学を担当する課、そして共済を担当する課が一緒になりまして、県の知事部局の担当課の責任者に来ていただいて、そういった旨を伝えて指導をしている、そういうことでございまして、この問題については文部省としては相当に強い行政指導をしている、今後もそういった形で続けたいと思うわけでございます。先ほど申し上げましたように、これは設置者がそういう状況でございますので、先ほど来のことですと、設置者問題が解決すればこれは直ちに解決する、こういうことに理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/80
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081・石井郁子
○石井(郁)委員 非常に急いでいることでありますので、そういう立場でぜひとも引き続き御指導を強めていただきたいと思います。
こういうケースで、経営者がかたくなにというか、極めて異例に拒否し続けるというような場合、こんなことは組合員の不利益の点でも許されないと思うのですけれども、こういうケースの場合どうするのかという点で、こういうことを考えられないのでしょうか。教職員個人が私学共済に回復の申請ができるというような措置を今回に限って考えてみてはいかがかというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/81
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082・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 現行の私立学校共済組合法の中で、こういった事務につきましては設置者が共済組合の方にいろいろな手続をするという大原則が立てられているわけでございます。この共済組合員のいろいろな事務処理というのは、掛金を徴収するにしても、いろいろなことで設置者と組合員である方が一体になって運営しませんと、これは動かないわけでございます。そういった現在の組織の根幹にかかわる問題でございますので、私どもとしては、それは個別の、しかもレアケースでございますので、個別の問題としてそういったことが起こらないように指導しておるわけでございますが、今後も徹底してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/82
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083・石井郁子
○石井(郁)委員 済みません、もう一点。
同様のことで、香川県の大手前高松高校でも昭和五十六年に教員の不当解雇がありまして、ことし九月に香川県地労委が原職復帰の救済命令を出しております。この点でも速やかに共済組合員の資格回復が図られるように御指導を強めていただきたいということです。答弁をいただきまして終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/83
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084・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 ただいま御指摘の倉田学園の事件につきましては、そういう状況があるということがごく最近私立学校共済組合の方に連絡がございました。直ちに関係者に資格回復の手続をとるように指導をしているところでございます。これからも引き続きそういう指導をしてまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/84
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085・石井郁子
○石井(郁)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/85
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086・鳩山邦夫
○鳩山委員長 午後一時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時十三分休憩
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午後一時二十三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/86
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087・鳩山邦夫
○鳩山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。馬場昇君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/87
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088・馬場昇
○馬場委員 まず大臣に対して、具体的質問に入ります前に、年金についての大臣の所信といいますか、そういうことを聞いておきたいと思うのですが、具体的に言うと、現在の年金について大臣はどう考えておられるか、こういうことについて一言大臣の所信を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/88
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089・石橋一弥
○石橋国務大臣 お答えいたします。
現行年金制度全般に対する御質問だと思いますが、明らかに共済制度であるわけでありますから、自分たちの負担、そしていただける給付額、いわゆる一般財源からの国庫負担、そうしたものを考えていった場合、将来の生活設計あるいは年金設計はとにかくとして、今の時点のみに考えを置きますとこれでよろしい、こういう考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/89
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090・馬場昇
○馬場委員 年金に今の時点で満足したような答弁を聞いて心外にたえないわけでございます。
大臣も選挙のときにいろいろ公約なさいますね、選挙公約というものを。だから、その公約の中に、現状、年金は今のままで結構でございますという公約をなさっていますか。年金はよくするとかなんとか何かきちんと公約しておられるのじゃないか。残念ながら大臣の公約を見ていませんけれども、大臣は選挙のときに年金についてどういう公約をされておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/90
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091・石橋一弥
○石橋国務大臣 全般的な問題といたしますと、やはりいずれは年金というものを統合したいという考え方、それに持っていくためのいろいろな措置を現在考えているわけであります。
今回の私学共済の改正の問題につきましても、それらを念頭に置いて今改正せねばならない点を改正をしている、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/91
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092・馬場昇
○馬場委員 私は年金全般について大臣の所信を聞いているわけであって、あなた、年金はやはり改善しなければならぬということは選挙公約なんかでも国民に訴えておられるのではないですか。
何かえらい遠慮した答弁で、現在のところはどうだこうだと言って年金とか福祉とかという問題に対してほとんど所信というのを、今あなた個人の所信というのを言っておられないように聞こえるのですが、満足しておられるのですか。これで改善せぬでもいいと思っているのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/92
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093・石橋一弥
○石橋国務大臣 私学共済年金の問題と理解をいたしますが……(馬場委員「そうじゃありません」と呼ぶ)私学共済年金全体の給付水準につきましては、公的年金相互の均衡と整合性、これを保つために厚生年金の水準と同水準のものとして設計をいたしております。そして、職域年金部分として厚生年金相当部分の二割程度の給付を行うことといたしまして、そして国家公務員、地方公務員の共済年金に準じた設計をしております。したがって、公的年金制度の中にあって一定の水準を本年金制度は満たしているものである、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/93
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094・馬場昇
○馬場委員 私は、最初に言いましたように、年金全般に対する大臣の所信をお伺いしたいと言って、その中身については全然まだ質問していない。
では、ちょっと角度を変えて言いますけれども、大臣、日本は先進諸国に比べて非常に貯蓄率が高いですよね。これは大臣も御承知のとおりだと思うのです。高いというか、ずば抜けて高いわけです。私の調べによりますと、一九八七年調べですけれども、日本の貯蓄率は一二・三%、西ドイツは八・一%、その次ですね。フランスが六・七%、アメリカが五・九%、イギリスが五・一%ですね。それから比べますと、日本は一二・三%、物すごく貯蓄率が高い。これは金を持っているから貯蓄するのだというだけじゃないのです。そうじゃないと思うのです。
では、なぜ貯蓄率が高いのか。これは貯蓄をしなければ、結局教育の問題とか老後の生活の問題とか、あるいは病気になったときにはどうするかとか、そういうことの心配で貯蓄をするわけだと私は思うのです。結局安心できるような年金になっていないから貯蓄率が高いのだと私は思うのですけれども、貯蓄率が他の先進国に比べてずば抜けて高いということに対する大臣の御感想を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/94
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095・石橋一弥
○石橋国務大臣 お答えいたします。
私は基本的に申し上げまして、年金制度全般の中において自己の納める負担、そうしたものを勘案をいたしますと、給付水準も世界の中においてそう遜色があるという考え方は持っておりません。なぜ貯蓄率が高いかというのは、私は日本人の民族性というものを考えてみますと、例えば教育熱が非常に高い、あるいは貯蓄率が高い、これは将来の危険に対する考え方、これを防ごうという考え方も当然あると思いますよ。当然あると思いますが、際立って高いということの中には、我が日本人が将来志向性型民族である、将来をよくしていくためにはどうしたらいいかということが非常に強く働く民族であるということを私はいつも考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/95
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096・馬場昇
○馬場委員 将来志向性型民族、まあ石橋さんの信念でしょうけれども、常識的に言うて貯蓄率が高いというのは、やはり年金、これで安心という年金でないというところにある。年金があれば貯蓄しなくてもいいわけです。例えば病気になったときでも心配要らぬ、子供を学校にやるにも心配要らない、老後の生活も年金で心配要らぬということになれば、貯蓄する必要はないわけですから。そういう点は素直にお答えになった方がいいのじゃないかと思うのです。水かけ論はやめますが。
じゃ、もう一つ聞きますけれども、今日本人の六十五歳以上の人口は非常に多くなっておりますね。それから、今度は逆に年金を見ますと、五万円以下の年金者が一千万人ぐらいおるのですね。それから、六十五歳以上でいわゆる年金をもらっていない人たちが七十六万人ぐらいおる。無年金者が七十六万人おる。年金が五万円以下の人が一千万人以上おる。こういう人たちは本当に生活に困っている。暮らしに困っている。こういうのはやはり国家として、最低の生活を保障する年金というのは——無年金者というのはあってはいかぬと思うのですよ。五万円以下なんというのは、ちょっと少ないのじゃないですか。こういうのは、最低生活できるような年金を保障するというようなことを考えなければいけないのじゃないかと思うのですが、これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/96
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097・石橋一弥
○石橋国務大臣 私も委員のその考え方には賛成であります。しかし、ではどのようにしてそれを満たすようにするかということで議論の分かれるところがあると思います。高福祉高負担というのもそこから出てきたでしょうし、いろいろな意味がそこにはあります。ただ、何とかして老後の安定を期するために年金制度を少しでも上向きにしたいという考え方、これが俗語で言えば二階制——基礎、一階建ての部分と二階建ての部分とさらに三階建ての部分ということをやりながら将来よくしたいという考えであるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/97
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098・馬場昇
○馬場委員 初めて、将来よくしたいというところで一致したわけでございますが、そのやり方ですね。一つの方法ですけれども、例えば今定年制というのは、大体六十歳定年というようなことで一律定年制というのが考えられておるわけでございますけれども、やはり一律定年制をせずに、働ける人は例えば時間を非常に短縮した労働、それから自由に働けるような就労、こういうチャンスをつくってやって、例えば六十歳からはこの程度仕事をする、そしてまた年金はこの程度というふうに、年金と就労を組み合わせるというような選択ができるようにする。
そこで、言葉をかえて言うと、六十歳まで一生懸命働いてきた、六十歳を、今からゆとりある生活を開始する年齢にするのだ、そういうような観点を入れて、年金と就労を組み合わせたようなことをやっていきながら、そしてだんだん改善していく、こういうのも一つの方法ではないかと私どもは考えているのですけれども、これはどうでしょうか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/98
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099・石橋一弥
○石橋国務大臣 年金制度全体の改革問題を文相はここでいろいろ言うべきではないと私も思いますが、極めてざっくばらんに申し上げますと、要は、今委員御指摘のようなことを具体的にじゃどのように制度の上であらわすかということになりますと、極めて難しくなりはしないかな、こう私は思います。
そこで、平成二十二年度ですか、二十二年度を目標として一歳ずつ、六十五歳にするという考え方が今論議をされているわけでありますけれども、私個人の考え方は、まず雇用、少なくとも制度の中で雇用というものをきちっと、国家公務員、地方公務員、いろいろありますが、そうしたものについての考え方、法制度のもとを一緒にしませんと、年金だけを先に決めてしまうというのは極めて困難ではないかなという考え方を個人的には持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/99
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100・馬場昇
○馬場委員 石橋をたたいても渡らぬという言葉がありますが、名前が悪いんですかね、石橋さんは。人の名前をとやかく言うわけにはいきませんけれども、石橋というのを一生懸命たたいて全然渡っておられないような答弁で、非常に残念です。いずれにしましても、大臣も年金とか福祉とかというのはどんどん充実していかなければならぬという気持ちは十分お持ちだということはわかるわけでございます。あと具体的に質問いたしますけれども、ぜひ年金問題について、老後が安心して豊かに暮らせるようにということを含めながら、頑張って大臣の仕事もしていただきたい。要望申し上げておきます。
そこで、私学共済に入ります前に、年金全般について、一九九五年で公的年金の一元化というのが言われておるわけでございます。これについて、抽象的には負担と給付の公平化を図ろうということを言っておられるわけでございますけれども、政府としてどのような手段でそう進めていくのか。言うならば一元化の手段、それから行き着く姿といいますか、この姿が全然見えてこないわけですよ。そういう意味で、一元化の理念と方向、それに行く段取り、こういうことについて全般的に説明をしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/100
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101・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 国民の老後生活を支える公的年金制度は、各制度間で給付と負担の両面にわたり公平性を確保され、しかも長期にわたり安定性を持って運営されなければいけないわけでございます。
そういう意味で、公的年金制度の一元化を目指して政府としてはいろいろ進めてきているわけでございます。六十年度に文教委員会でも御審議をいただきまして、私学共済法もそういう観点で基礎年金の導入をさせていただきました。また、給付水準につきましても、私学共済の場合はほかの年金よりも水準が高かったわけでございますが、全体の制度の整合性の中で調整をさせていただいたわけでございます。
そういった六十一年からのスタートを切りまして、その地ならしということでさらに給付関係につきましても再評価の制度を今回実施するとか、あるいは物価のスライド制にしても完全自動物価スライド制というのを新たに導入させていただいています。
また、私学共済との観点で見ますと、標準給与表というのを、厚生年金、国家公務員と私学共済との間で異なっておりますので、そういった調整を今回させていただいている。給付面においてもさらに整合性を持たせていく。
一方、負担面におきまして各制度間の調整を図っていくというのは今後残された一番大きな課題でございます。その観点で、今回社会労働委員会におきまして被用者年金制度の間の負担調整に関しましての特別措置法が今審議をされているわけでございますが、それを通じまして各保険制度の負担面における一元化の促進が図られるということになっているわけでございます。
今回、そういった給付面の調整、さらに負担面でのそういった制度の導入ということを御提案させていただいておるわけでございますが、その実施の状況を見定めた上で、七十年を目途に一元化を進めていこう、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/101
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102・馬場昇
○馬場委員 今、わずかながら一元化へ向かっての地ならしをずっとやっていっていますね。これはわかるのですけれども、一元化の姿というのはどういう目標に向かって今地ならしをしておるのか。例えば、一元化された年金というのはこういう年金だ、それに向かって今各共済とかなんかを地ならししていっているんだ、そういう一元化の姿というのはどういうのを予想されておるのですか。
それから、質問にだけ答えてくださいね、今言われたようなことは後で質問しようと思っているのですから。質問したことだけに答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/102
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103・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 一元化の最終的な姿をどう描くかという点は、実は先ほど申し上げましたが、今回御提案している制度の改善の実施を見守って各省間で調整して決めていこう、こういうことでございまして、最終的な姿を明確にちょっと申し上げられないわけでございます。
ただ基本的に、先ほど来申し上げておりますように、公的年金全体の公平性を保っていくということになりますと、給付水準、それから負担の問題、これについていかに公平に持っていくかということが大きな目標にはなろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/103
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104・馬場昇
○馬場委員 これは大臣も聞いておってもらいたいのですけれども、一元化に向かって今地ならしをしていっておるわけですけれども、一元化をする場合に、例えば私学共済を設立した経緯からいって、やはり私学教育を振興するという面も相当、意義がある、ウエートも強いわけでございますから、そういうものがなくなってしまうような一元化は困るのではないか、こういう心配も実はあるわけでございます。だから、例えば私学共済については、一元化に当たっては私学を振興するという創設の意義というものが失われないように、文部省はこれを主張しなければいけないのではないかと思うのですが、これはいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/104
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105・石橋一弥
○石橋国務大臣 委員御指摘のとおりである、こう私も考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/105
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106・馬場昇
○馬場委員 ぜひそういうぐあいに頑張っていただきたいと思います。
次に、国民年金法の一部を改正する法律案とか国家公務員共済の改正案とか私学共済に関する部分が横並びで今議論をされているわけでございますが、その中で、一九九八年から六十一歳にし、だんだん年数を追って六十五歳にする、支給繰り延べをするということが出ておるわけでございます。これについてはもう御存じのとおりで、今いろいろ話し合いが行われているわけでございますけれども、これは私ども絶対反対でございます。
そこで、私学に関して六十五歳繰り延べというのを考えてみますと、ほかのところよりも非常に問題があるということがたくさん出てくるわけでございます。例えば、私学では幼稚園とかなんとかがございまして特に女子組合員が非常に多いわけです。私学では女子の組合員の割合が非常に多い。それからまた、若いときに退職する人が私学には非常に多いわけでございます。こういう私学の実態を見た場合に、特殊事情は考慮してもらわなければならぬ。六十五歳に繰り延べするとしたらですよ、我々は反対ですけれども。こういうことだからこれはしてもらっちゃ困るというようなことを主張してももらいたいわけだけれども、私学の特殊性と繰り延べの関連をどういうぐあいに考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/106
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107・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 支給開始年齢の引き上げの問題でございます。私どもとしては、今回、法案でそういう形のものは御提案していないわけでございますが、各制度間全体のことを考えてみますと、将来老後の所得保障をしていくためにはその引き上げということは避けられない。ただ、私学共済の場合にそれをどういう形で実施をしていくのかという点については、これから検討をしていくわけでございますが、その場合に、先生から御指摘いただきましたように、私学の実態、私学共済の組合員の雇用の状況、これは組合員と申しましても大学から幼稚園までございます。また年齢の若い層、それから六十五歳以上を多く持っている特色もございます。そういったいろいろな状況を踏まえて考えなければいけないと思っているわけでございます。
私学共済の方で定年のアンケートを五十六年にやったのがございますが、それを拝見いたしますと、平均定年年齢が全体で見ますと六十三・四という数字が出ております。大学などを見てみますと、全体としては六十四・三、教員だけで見ますと六十五・九、そういう数字が出ております。一方、幼稚園で見ますと、全体では五十七・一、教員で五十六・五、そういう数字が出ておりますし、また、先生先ほど御紹介いただきましたが、幼稚園の組合員の実態を見ますと、組合員が脱退する時期でございますが、特に多い層は二十五歳から二十九歳の間でございまして、幼稚園の全体の組合員が一万三千余人いますが、そのうちの六千五百人はこの時期に集中しております。さらに二十歳から二十四歳のところが三千八百人。ですから、幼稚園の関係のかなりの部分は二十歳代に組合を脱退する、こういう状況にございます。そういった私学の組合員の実情、雇用の状況などを踏まえてこれからこの問題には取り組んでまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/107
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108・馬場昇
○馬場委員 今おっしゃいましたように、本当に組合員の構成の問題、それから定年もまちまちですから定年の問題、こういう実態というのをよく把握した上で対処していくと今おっしゃいましたが、そのとおりにしなければいかぬと私も思います。
そこで、今出ておりますすべての年金の横並びの中で、さっき大臣もちょっとおっしゃったのじゃないかと思いますけれども、結局年金というのはこのままでいくと行き詰まる。だから、保険料を値上げするか、給付水準を切り下げるか、支給開始年齢を繰り延べるか、こういう選択を今日本の年金は迫られておるのだ。この三つ以外にないのだ。こういうような主張がよく聞かれるわけでございますけれども、私はこれだけじゃいけない、こういうぐあいに思います。
やはりこの三つの選択のほかに、国が財源を出してくればこの三つをやらなくてもいいということだって極端に言えばあるわけですから、事業主が負担を余計してくれればこの中の選択というのもとらなくてもいいということがあるわけでございますので、やはり年金については、保険料率とか給付水準とか開始年齢だけじゃなしに、どうやって国の負担を増すか、事業主の負担を増すか。言うならば、三つの選択じゃなしに四つの選択といいますか、まだほかにもあると思うのです。
〔委員長退席、臼井委員長代理着席〕
だから、これは今後の年金の改革に当たっては大きい要素としてぜひこのことを考えるべきじゃないかと私は思うのですが、それについてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/108
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109・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 年金制度は保険方式でやっておりますので、基本的には組合員、それからそれを設置している者が折半でやるというのが原則になっておるわけでございます。私立学校の関係でも、私立学校共済組合法で組合員、それから使用する学校法人が折半で負担をするということになっているわけでございます。
この基本的考え方は、私どもは堅持をしていかなくてはいけないと思うわけでありますけれども、先生御指摘になりましたように、国の補助金というのもあるではないかという点につきましては、先般の六十一年改正いたしました基礎年金に、従来それぞれの年金制度に投入していました国の補助金をそこに集中をして投入をしていこう、こういうことになったわけでございまして、現在国が三分の一負担をする制度になっております。このあり方について今後どうするかというのはあるわけでございますが、私どもとしては、基本的には労使折半という原則で考えたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/109
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110・馬場昇
○馬場委員 基礎年金、今言われましたね。国が三分の一ですよね。これを二分の一にすることだって決めればできるわけです。こういうことは当然考えてしかるべき問題だと私は思うのです。だから、今基礎年金部分に国が出すわけですから、三分の一を二分の一の方向に持っていくということもやるべきだ。あなた方は、全体の中で、そうしますとなかなか言えないかもしれませんけれども、これは大いに主張すべき問題である。
そうすると、さっき言ったような掛金なんか上げなくてもいいし、繰り延ばさなくてもいい、水準を下げなくてもいいということだってあるわけです。また、憲法でも、ちゃんと国民の最低生活を保障する義務が国にあるわけですから、当然この負担部分を現在全部出せと言ってもいいわけですけれども、段階的に三分の一だから二分の一にせい、こういう主張だってございます。
それから、もう一つは事業主ですよ。この事業主については、私はまだ出してもいい——結局掛金の負担割合が労使折半、こういうことになっております。しかし、これは労使が話して、私のところは使用者が七出します、労働者は三でいいですよ。あるいは六出します、労働者は四でいいですよとか、労使が話し合いで決めればそれを認めていいではないですか。特に私学共済などについては、学校とか大学から幼稚園までいろいろあるわけですから、こういう点で労使折半はお互いが話し合って決めたのを認めるというような考え方に立たないのかどうか。それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/110
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111・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 労使折半の問題につきましては、社会保障制度審議会においても検討されたことがございます。そこにおきましても、労使折半の原則というのは貫くべきであるということが結論として出されているわけで、もし事業主が多く出していただけるという場合については、付加的な給付の方の財源として役立てることはどうだろうか、こういう方向が出されているわけでございまして、私どももそういう考え方に立って進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/111
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112・馬場昇
○馬場委員 しかし、賃金でなしに共済ですけれども、こういうのは、片一方でいえば労使が対等に交渉して決めればいいという視点も実はあるわけでございます。だから、例えば私学共済だって、その中身が学校で労が四で使が六だって、共済の方から、これだけ掛金を納めるというのが入ってくれば、そこまで下の方に介入する必要はないのではないかと私は思うのです。そういう点については、もう少し幅を持った考え方——原則というのがあるからなかなか答弁しにくいかもしれませんが、そういうことは主張してしかるべき一つの問題だと私は思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/112
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113・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 繰り返しになって恐縮でございますけれども、この年金制度の基本原則の一つであろうかと思っておるわけでございます。
私学共済について考えてみた場合に、組合員とその設置者である学校法人が半々持っている、それが私学共済法で規定をされているわけでございます。仮にその設置者である学校法人が余分に負担をすると、この学校法人は、国の経常費助成とかそういう国の税金をもって負担している面もあるわけでございますので、そういう中で考えた場合に、そういったことが国民の御理解が得られるかどうかということもあろうかと思うわけでございます。何よりも保険制度全体の中での大原則でございますので、それはそういう方向でやらせていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/113
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114・馬場昇
○馬場委員 すぐ補助金とおっしゃるけれども、補助金というのは振興するために出すのであって、そこを統制、支配するために出すのではないのです。そういうぐあい考えてもらわないと私は困ると思うのです。この辺については検討課題だと思いますので、強く要望しておきたいと思います。
それから、国年法の改正で二十歳以上の学生は強制加入となっておるわけでございますが、これについてはどういうぐあいに学校、大学などを指導されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/114
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115・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 この問題は高等教育局の方で担当させていただいております。かわりまして答弁をさせていただきますが、現在は学生は任意加入になってございます。任意加入でございますと、例えば傷害事故等で障害者になった場合には障害者年金が支給されないだとか、そういう問題がございます。そういうことなどもございまして、学生についても、すべての学生がこれに加入するということに現在進めているわけでございます。その際に、強制加入とされた場合の保険料の負担の問題については、適切な配慮をしてやっていくということで厚生省といろいろ折衝をしている、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/115
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116・馬場昇
○馬場委員 もう国民年金に強制加入でしょう。今、保険料については適切なと言うのだが、どういう適切なことをやっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/116
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117・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 この保険料の扱いにつきましては、年金審議会の答申にも触れられております。そこでは「学生に対する国民年金の適用に当たっては、親の保険料負担が過大とならないよう、適切な配慮がなされるべきである。」こういう指摘がございまして、その観点に立って現在厚生省といろいろ折衝中である、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/117
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118・馬場昇
○馬場委員 現在は強制じゃないのですか。強制加入じゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/118
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119・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 現在は強制ではございません。任意加入でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/119
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120・馬場昇
○馬場委員 学生は原則として収入はないですよね。収入がない者から保険料を取るというのは、これはおかしいのではないですか。その点についてはどう思われますか、強制の場合。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/120
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121・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 今先生御指摘になりましたような点等があるので、保険料の扱いについて年金審議会でも先ほど申しましたような指摘がございますし、文部省でもそういったものを踏まえて厚生省といろいろ折衝している、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/121
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122・馬場昇
○馬場委員 親のところにおって親のところから通う者から取るとか、あるいは世帯主になっておれば取らぬとかいろいろあるけれども、保険というのは加入者本人の問題ですからね。そういう点で、学生の強制加入に当たっての保険料の問題というのは、その実態に即して十分慎重に取り扱っていかなければならぬと思いますので、要望をしておきたいと思います。
次に、私学共済も改正案が出ておりますけれども、これに対する社会保障制度審議会の答申とのかかわりはどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/122
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123・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 社会保障制度審議会に諮問をいたしましたその答申の概要について申し上げたいと思います。
まず、給付の改善等の措置についてでございますけれども、これにつきましては「公的年金制度共通の改正に沿ったものであり、おおむね了承できる。」こういうふうに述べられております。
それから、年金の支給開始の年齢に関して意見が述べられております。その部分を申しますと、「私立学校教職員の年金支給の開始年齢については、何ら検討されていない。私立学校教職員においても年金支給開始年齢の問題は、厚生年金の場合と同様避けて通れない事柄であるといわねばなるまい。」こういう指摘がなされております。
さらに、年金財政の点に関しましては次のような要望がなされています。「年金制度を長期にわたり安定的に運営していくためには、給付と負担の両面について、的確な長期見通しをもった年金財政計画を策定していくことが必要である。年金制度の一元化を控え、今後、改正に当たって共通の基準に基づく財政計画を示すことを要望する。」こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/123
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124・馬場昇
○馬場委員 大臣、これもちょっと聞いておって後で答弁をしていただきたいのですが、今までずっと触れてきました、また後で質問いたしますけれども、年金制度全体の一元化という、ずっと向かっていく目標があるわけですし、そしてこういう改正案が横並びで、その地ならしという面も含めて現実に出ているわけでございます。先ほどの私学の振興という面も含めて創設の経緯というものもあるわけでございますが、これは私どもが何回もこの場所でも取り上げたのですけれども、私学の年金を協議する場というのをつくるべきだ。これは学識経験者とかあるいは私学の関係者、こういうのを含めて検討、協議の場をつくるべきだ、こういうぐあいにここでも主張してきておるのですが、これについてはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/124
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125・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 私学共済の年金の制度あるいは運営について幅広く各界の方々から御意見を聞いてやっていくということは重要なことですし、また私どももそう心がけてきているわけでございます。
そういう観点に立ちました場合に、現在どういう検討の場があるかと申しますと、私学共済の中に運営審議会というのがございます。この運営審議会はどこでもあるわけでございますけれども、特に私学共済の場合におきましては、その構成メンバーに組合員とその設置者である学校法人の代表だけではなくて、学識経験の方々が三分の一入るようになっているわけでございます。これが他の年金制度にない特色でございます。
そういったことで私学の関係者の御意見あるいは専門家の御意見も反映していこうということになるわけでございますが、さらに私学共済におきましては、こういった年金制度の改革、一元化の対応というような点がございますので、たしか昭和四十九年だと思いますが、制度研究会というのを設けまして、私学の代表の方々あるいは年金の専門家を集めたそういう組織をもちまして、過去、年金問題についていろいろ答申をなされていると伺っておりますし、今回、この委員会でないわけでございますが、先ほど話題になっておりました被用者年金の負担調整という重要な課題についてもその制度委員会でいろいろ検討していただきまして、いろいろな問題点なり要望を文部省にもいただきました。私どもはそれを受けてその費用負担の調整について最大限に努力をさせていただいたということでございます。
御指摘のように、もっとそういう場を設けたらどうかということにつきましては、これから年金の一元化の最終目標に向かって一番大切な時期を迎えるわけでございますので、私どもとしても、そういった専門的な立場からいろいろ研究し誤りのないようなことをするには、そういった場を設けていくことについて情勢を見ながら検討をしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/125
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126・馬場昇
○馬場委員 理事長の諮問機関みたいにして研究会があるのは私も知っております。そして、運営審議会というのはどこにもあるわけで、実は後でもちょっと触れますけれども、これは運営でございまして、制度とか一元化という非常に大きい大問題が出てきておるわけでございますし、これは大臣、六十年十二月四日にこの文教委員会でも、ここにおります我が党の中西委員が、当時は松永文部大臣でしたけれども、質問をしておりまして、今政府委員が答えたことと同じですけれども、学識経験者や私学関係者等を含めた方々に協議していただくような、そういう協議の場を設けることを検討するということで約束しておられるわけでございまして、今政府委員からも答弁があったのですけれども、石橋大臣もぜひこういう場を設置するということで、ひとつ前向きで取り組んでいただきたいと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/126
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127・石橋一弥
○石橋国務大臣 お答えいたします。
そのような機関を設けて皆さん方の意見を聴取する、参考として利用といいますか意見を伺うということ、確かにほかの制度の中においては法制度の中で置かねばならないという形になっておりますが、この制度にはそれがないわけであります。といって、そのままにしておくわけにはいかないわけでありますので、名称あるいは制度の中で置かなくともやり方はいろいろあると思っておりますので、十分広く意見を聞いていきたいな、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/127
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128・馬場昇
○馬場委員 今の答弁は私には全然わからなかったです。政府委員は、そういう協議の場を設けなければならぬ、やりますというふうなことを言ったのですが、今大臣は、いろいろありますが何とかかんとか言ってよくわからなかったのですが、前の松永大臣もそういうのをつくることを検討しますと約束しておられるわけですから、年金を取り巻く状況、こういう大変なときですから、そういう学識経験者とか私学関係者を集めて慎重に協議する場をつくることを検討する、今の答弁をそういうぐあいに聞いていいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/128
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129・石橋一弥
○石橋国務大臣 一言で申し上げますと、法制度として法律で決める考えは今のところ持っていないということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/129
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130・馬場昇
○馬場委員 今、法制度として持っておらぬと言ったですね。さっきの政府委員は法制度でないことを考えて答弁したんじゃないかと思いますけれども、例えば文部省の中に法律で正式につくって、江副さんを任命したような大学審議会とか教育課程審議会とか、こういうのでは今はだめだ、つくらないとおっしゃったのではないかと思うのですが、検討する場は、いろいろ法的になくても、つくることは間違いないということで、検討することでいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/130
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131・石橋一弥
○石橋国務大臣 いわゆる法律改正をやってそれをやるということは考えていないということであって、できる限り広く皆さん方の御意見を承れるような機関を文部省が設置をすることはやっていった方がいい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/131
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132・馬場昇
○馬場委員 やっていった方がいいわけですから、ぜひやってもらいたいと思います。
それから次に、私学共済の内容についてちょっとお尋ねしておきたいのですが、今度役員の任命の方法をお変えになって提案されておるようでございますが、これは何で任命の方法を変えたのですか。その趣旨は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/132
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133・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 現在は、私学共済組合の理事は文部大臣が直接任命することになっております。これを、今回御提案しております法律では理事長が文部大臣の認可を得て任命するという形に改正をさせていただきたいということでございます。これは行政改革の趣旨に沿いまして特殊法人の活性化の一環として、私学共済だけではなくて、政府全体の特殊法人をそういう理事の選任方法を改めていこう、こういう方針のもとに行われております。文部省でも既に幾つかの特殊法人については改正済み、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/133
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134・馬場昇
○馬場委員 常勤の常務理事が今一人おりますね。私学共済が始まりましてから、常勤の常務理事というのは全部文部省から天下りじゃありませんか。これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/134
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135・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 常勤の常務理事の就任の前職につきましては、文部省あるいは文部省にかつて在職していた者ということで、先生の御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/135
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136・馬場昇
○馬場委員 これは何か法律で決まっているのですか、あるいは何か決まっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/136
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137・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 一般的に特殊法人の役員をどういう方にお願いするかということは任命権者が判断をして決めるわけでございますが、それぞれの特殊法人の目的を達成するためにふさわしい人材という観点から文部大臣が選考し発令をしているというふうに理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/137
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138・馬場昇
○馬場委員 甚だ失礼な答弁だと思うのですね。私学共済が始まってから歴代常務理事というのは全部文部省から天下りしておる。今、何でそうするのだと言ったら、任命権者がその職にふさわしい人を任命するのだ、そうしたら、あなた、私学共済から例えば生え抜きでずっときて、専門的に私学共済のことを十分理解し、人格も識見も高くて、リクルートからもらうようなことはしない立派な人がたくさんおるはずですよ、私学共済の中には。そういう職員の中から上げないということは、能力がないから、ふさわしくないから上げないのですか。
そして、そのことは、ずっと私学共済を生え抜いてきて、部長とか何とかになってくる、その後は当然役員の理事だってこなせる立派な人がいっぱいおる。これは任命してはならないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/138
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139・國分正明
○國分政府委員 特殊法人の役員の人事につきましては、先ほど総務審議官から基本的なことはお答え申し上げたわけでございますけれども、御案内のとおり、繰り返しになりますが、その特殊法人の目的、事業あるいは役員の職務等にかんがみてふさわしい人材の起用を図ってきたわけでございます。
具体に私学共済についてのことでございますけれども、お話にございましたように、私学共済はいろいろな事業をやっておりますが、特に長期給付とか短期給付事業というのは専門性の高い業務でございます。ただ、役員というのは単に専門知識ということだけでなくて、御案内の特に私学共済の場合に、私学の特殊性にかんがみまして、国家公務員あるいは地方公務員との均衡ということも考えていく必要があるわけでございまして、私学制度あるいは公務員制度、専門性だけでなくてそういった面等についての知識経験というようなことも判断していかなければならない。こういうような結果、私学共済の常勤役員についてはただいま御指摘のような結果になっておると理解しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/139
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140・馬場昇
○馬場委員 大臣、長い前のがあったから余り詳しくないと思いますけれども、ふさわしい人といって文部省から皆天下りしておるのです。ところが、任期途中にやめさせてまた文部省からと、文部省の天下りの人事の一環になっているのですよ。ふさわしい人だったら任期いっぱい勤めさせればいいのです。任期の途中でやめさせて、また次の天下りを持ってきておる。前の者は次の者よりもふさわしくなかったのか。任期途中ですよ。大臣、こういうことはどう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/140
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141・國分正明
○國分政府委員 具体の人事についてお答え申し上げることは差し控えたいと思いますが、一般論で、先ほど申し上げましたところで御理解賜りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/141
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142・馬場昇
○馬場委員 いや、御理解できぬから再質問しているのだよ。ふさわしい人を任命しておいて、その人の任期があるときにやめさせて、またかえているでしょう。任期途中でやめさせるということはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/142
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143・國分正明
○國分政府委員 これも一般論で申し上げますと、任期途中におきましても、それぞれの個人の都合というものも、あるいは希望というものもあるわけでございまして、必ずしも任期いっぱい勤めないという場合もあり得るところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/143
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144・馬場昇
○馬場委員 あなた、とぼけた話をしなさんな。実際、文部省の天下りの人事を順送りでやっていながら、本人の希望だったからその人は任期途中でやめさせたのだ。そうしたら、任期途中でやめさせた者はみんな希望を出したのですか。あなた、二十九年間ずっと知っていますか、希望を出したからみんな途中でやめさせたのですか。そういうでたらめな、国会をなめたような答弁はやめてください。だれが聞いてもそれはわかる話です。
大臣、こういうことは、そこ生え抜きの人が常務理事なり役員などになるところもあるのですよ。それは天下りをしているところもある。だから、こういうところは本当に適材適所で、例えばあるときは文部省から来た人が適任かふさわしい人かもしれぬ、あるときにはそのところから生え抜きの人がなってもいい、そういうことはそのときどきによって自由に考えてしかるべきだと私は思うのです。このポストは文部省のポストだといって固執して譲らぬ、そういうことはいかぬと私は思います。
そしていま一つは、私学共済の中身を見てみると、内部の人から意見を聞くと、やはり常務理事というのは一人じゃ足らぬのではないか、二人ぐらい常務理事が要るのではないか、こういうような意見も出ております。そういうことを含めて、増員をするのは行革の精神からどうだこうだという話もありますけれども、やはりこれは文部省のポストだと固執するようなポストではない、そしてまた一人では足らない、二人ぐらいにしてくれという意見もある、こういうことについては慎重にそういう意見を検討していただきたいと思いますが、大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/144
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145・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 常務理事の増員の問題でございますが、私学共済の業務が発足当初に比べて分量的にも内容的にも非常に増大をいたしていることは事実でございます。そういうことで、事務体制も従来から充実をしてきているわけでございますが、五十九年には特に理事を補佐する審議役というのを二人新たに設けたところでございます。
常務理事の増員という問題は、先ほど先生のお話にもございましたように、行政改革の中で政府全体の特殊法人を削減しなさい、あるいは抑制するというのが方針でございまして、そういう中で、こういういろいろな新しい対応をしていくために私学共済の常務理事を増員していくという問題意識は私どもの方としてあるわけでございますけれども、それをどうやって実現していくかということにつきましてはいろいろ難しい問題があると思いますが、今後の課題として受けとめさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/145
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146・石橋一弥
○石橋国務大臣 お答えいたします。
ただいま政府委員が答弁を申し上げたとおりであります。
ただ、私といたしますと、今までの経過は残念ながら不勉強でよくわかりません。今度の改正案は、法定の役員というのは理事長といわゆる役員だけです。常務云々ということについては一切触れられていないわけでありますから、その中において実際に衝に当たっている人が考えるべきではないかな、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/146
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147・馬場昇
○馬場委員 理事長も来ておられますが、法律では理事ですからね、常務にだれをするとかこれをするとかいうのは、今、大臣の話によりますと、理事長が、衝に当たっている人が考えればいいということでございますから、理事長も聞いておられましたので、ひとつ私の意見も参考にして今後やっていただきたいと思います。
それで、先ほど運営審議会が出ましたね。運審は組合員代表は当然入れるということになっておるわけでございますけれども、運審の肩書を見てみますと、組合員代表というところに何々学校、大学の次長さんだとか、どこかの幼稚園の副園長とか、普通管理者といいますか、そういう人たちがほとんどで、通常言われます職員組合の代表とかいうのは入っていないですよ。私も公立学校共済組合に入っておったことがありまして、私は熊本県の職員労働組合の委員長をしておりまして、それで長い間運審の代表、運営審議委員をしておった経験もあるわけですけれども、やはり職員組合、労働組合の代表というのも、次長さんだとか副園長さんだとかよりも本当に職員の代表というような形で運営審議委員に入れるべきだと私は思うのですが、そういう点についてどう配慮されておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/147
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148・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 私学共済組合の運営審議会の構成につきまして、先ほども申し上げましたが、他の共済制度の場合と異なりまして、組合員関係、法人関係、そのほかに学識経験者という三者構成になっているわけでございます。このうち組合員関係及び法人関係の委員につきましては、私立学校側の意向を十分に酌むために私学共済発足以来私学団体の推薦によって委員を委嘱する、こういう長い慣行のもとに委嘱をしてきているという経緯がざいます。
推薦団体でございます全私学連合は、私学全体の振興を図ることを目的としまして、単に学校法人の役員だけではなくて学長及び教職員を含むいわば学校自体が加盟をしている、こういう団体で構成されているわけでございます。したがいまして、肩書が役員だから役員だけの意見が反映されているという御意見もあろうかと思いますが、役員だけではなくて教職員の意向も踏まえた御意見をちょうだいしているというふうに関係者からも伺っているところでございまして、現在、発足以来三十年来そういうことで運営をしておりまして、特に支障もなくやっているということでございますので、こういった構成で今後もさせていただきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/148
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149・馬場昇
○馬場委員 ほかの共済は労働組合代表を入れているんですよね、代表という形で。私学共済は入れていない。それから、例えばほかの公立学校共済とかなんとかもほとんど入れております。だから何十年来と言いますけれども、やはりその形は今言った全私学連合に推薦をしていただいておるというのですが、全私学連合に、やはり他の共済を見て運営審議会には労働組合代表も入っていますよ、おたくもそういうのを推薦してくれませんかというような指導というのがあってしかるべきだと私は思います。
このことについては、実は一九七五年の参議院の文教委員会で我が党の委員が質問して、そういう要望に対しては前向きに対処するようにしたいと答弁があっているのですよ。これは国会に対して答弁しているのですから、これはまさかこの国会答弁を今の大臣はほごになさるということではないのではないかと思いますが、この大臣が答弁したような趣旨を実際まだまだ生かしていないではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/149
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150・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 先ほど申し上げましたように、この組合員及び法人役員の委員の推薦につきましては、発足以来私学団体から御推薦をいただいてやっている、こういうことでございまして、この大原則というのは今後とも維持をしていかなければいけないと考えておるわけでございます。
ただ、推薦に当たりまして、全私学連合の関係者に組合員の意向を反映するにふさわしい方を御推薦いただきたいということで申し上げているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/150
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151・馬場昇
○馬場委員 今の組合員の意向を反映するにふさわしい人という中に、やはり参議院で大臣も労働組合の代表を入れるというのに前向きに対処したいというような答弁もなさっておりますから、その組合員を代表するにふさわしい人という中に、そういうのもあるのですよというような形でぜひ指導していただきたいと思います。
大分時間も過ぎましたけれども、今度標準給与の等級の上限を引き上げになったわけでございますが、この理由を簡単に説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/151
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152・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 今度の改正案で標準給与を四十七万から五十三万に引き上げさせていただいております。また、短期についても上限を政令で定めるという形にさしていただいているわけでございますが、これは厚生年金、それから国家公務員共済組合年金ともこういう形で改正をしていこう、こういうことでございますので、それとあわせまして今度改正をお願いをしているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/152
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153・馬場昇
○馬場委員 これで長期給付の財政にどのくらい影響を及ぼしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/153
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154・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 この標準給与につきましては、掛金と給付の両方の基準になるわけでございますので、掛金が上がれば収入がふえる、ただ、給付も上がりますので、支出もふえるということでございまして、総体としては大きな変動はないのではないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/154
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155・馬場昇
○馬場委員 そうなってきますと、標準給与、適正な給与が今学校から報告されておりますか。何かそういうのに疑問が少しあるというようなことはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/155
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156・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 今私学共済の実際に担当している方からお伺いしまして、適正なのが出ている、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/156
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157・馬場昇
○馬場委員 これはいろいろチェックをなさって、検査をなさって適正な報告とおっしゃっておるのではないかと思いますが、ぜひ適正な報告はしてもらわなければいかぬわけでございますので、そういうぐあいにしていただきたいのです。
平成二年四月から短期給付の掛金率を千分の五、それから次年度千分の五上げる、計千分の十上げるのを予定されているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/157
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158・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 短期経理の収支につきましては、老人保健拠出金の増等がございまして、六十一年度は約三億円、六十二年度は五十九億円、六十三年度は八十三億円、そういう赤字が出ているわけでございまして、このために本年四月から掛金率を千分の五引き上げたところでございますが、この千分の五だけでは今後の見通しについては大変不十分だということで、引き続き来年度についても掛金を引き上げていかざるを得ない。ただ、掛金の幅については老人保健制度のあり方とも関連いたしますし、現在、老人保健審議会においてその対応の方向について検討中と聞いておりますので、そういった結論などを踏まえて詰めていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/158
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159・馬場昇
○馬場委員 老人医療費というのはどんどんずっとふえていきますよね。そうすると、ことし千分の五、来年も千分の五、その後もずっと上げる見通しですか。見通しはどうなっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/159
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160・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 短期給付の収支の状況が悪化している原因の大きな面は、老人保健の拠出金がふえてきているということでございます。老人保健の拠出金の算定の方法も、ここ二、三年急に全体の額がふえるような方向でなっておるものですから、そういう結果になっているわけでございます。今後もこの老人拠出金の額がどういうふうに推移をするかということは、重大な関心を持っているわけでございますが、私ども文部省の立場からは、それを今後どうするかとかどうなるかというのは、まだ先のところは見えていないわけでございます。先ほどちょっと触れましたが、老人審議会においてそういうことを検討しているということでございますので、そういった結論を見て対応をさせていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/160
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161・馬場昇
○馬場委員 老健審議会で今審議しているということですけれども、老人医療費にかかわるところの拠出金がずっとどんどんふえておりまして、このために私学共済の短期給付財政が現在、もう赤字基調になっているわけです。
そして、これはやはり、これからふえ続けていくのは私学共済の運営にとっては非常に異常事態だと見なければならないと思いますし、今後、七十歳以上の人口が八百万人、国民医療費に占める比率なんかが二五%と言われておるわけでございます。七十歳以上の人口がどんどんふえて、年々四、五十万ずつふえておると言われておるわけでございますが、今後この老人医療費がどんどんふえていくのに、私学共済なんかからの持ち出しが行われなければならぬ。平成元年が二百二十二億ですか、平成二年は二百六十億ぐらいと推定されると言われておるわけでございますので、これは大変な拠出額になってくるわけでございます。
こういうとき、老健審議会というので今審議されておるということですが、人ごとのように言われますけれども、これは私学共済にとっても大変なことですから、そこで、例えば今公費割合が三割だとか各医療保険拠出金が七割ですから、これを各医療保険の拠出金の七割というのは多過ぎるのじゃないかとか、私学共済なんかこんなに困っているのだとか、そういうことを言うてこの公費負担の割合をやはり変えなければならぬとか、私学共済が異常な状態になりつつあるということを踏まえて、積極的にこちらの方から老健審議会なんかにも意見をどんどん言わなければならぬと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/161
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162・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、この短期経理の財政的な悪化というのは老人拠出金が大きな原因の一つでもあるわけでございまして、そのこれからの推移というのは重大な関心を持って私ども見守っているわけでございますが、先生御指摘いただきましたように、そのあり方というのが非常に重要な課題であります。
〔臼井委員長代理退席、委員長着席〕
私どもも、この点につきましては私学共済だけではない問題でございまして、各年金制度、短期を持っているところは共通の課題でございますので、関係のいろいろなところにおきましてはそういった課題、問題点についていろいろ話をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/162
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163・馬場昇
○馬場委員 別の問題ですけれども、六十五歳以上の教職員に対する年金支給制度が創設されたわけでございますが、六十五歳で脱退をする、長期の総脱退ということが行われるわけです。
そこで、これで心配される点は、各学校との雇用契約ですね。例えば、六十五歳以上に定年があったのを、六十五歳から年金来るのだから、あなたはもう六十五歳でやめなさいだとか、あるいは六十五歳で年金もらうから非常勤講師になりなさいとか、それから年金来るから給与を意図的に下げるとか、せっかくいいことをやって、そのことによって教職員が非常に困る、また労働条件とかが非常に悪くなる、こういうことは非常に困るのじゃないかと思うので、こういうことがないように指導をしなければいかぬと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/163
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164・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 六十五歳支給の問題は当文教委員会でも決議をしていただきましたが、大きな宿題であったわけでございますが、今回こういう形で提案させていただいているわけでございます。したがいまして、この六十五歳支給の問題について、せっかくいろいろ御協力、御支援、御指導をいただいて実現したわけでございますので、現場におきましてもこの制度の趣旨をよく踏まえて実施していただくように私どもとしてもいろいろな立場で徹底をしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/164
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165・馬場昇
○馬場委員 せっかくこの文教委員会の附帯決議を実行していただきましたし、我々もそれは高く評価しておるわけでございますから、そのことによって現場で非常にしわ寄せが来て悪くなるということになると困るわけですから、ぜひそのようにしていただきたいと思います。
それからもう一つ、短期給付の標準給与の等級で、標準給与の等級が一定以上である場合に年金の一部の停止措置がとられておりますね。これは厚生年金では満額受けられるようになっておるわけでございますね。私学共済が例えば三十六等級の七十一万円は八〇%、二十七等級の四十四万円が八%、こういうぐあいに停止措置をするような予定になっているそうでございますけれども、やはりこれは厚生年金と同じように、満額受けられるようにすべきじゃないかと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/165
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166・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 この制度を実現する過程におきまして、制度間の調整の問題、それから同じ共済制度の中でも公平性が保てないのではないかといういろいろな御意見もあったわけでございます。今回、制限措置を設けましたのもそういった理由からでございまして、例えば私学共済年金の受給者でございましても、他の制度の被保険者となっている者については既に給与所得に応じた制限措置が行われているということがございます。また、他の共済年金制度におきましては少数ながらも年金支給のない六十五歳以上の組合員が現に今おられるわけでございます。また、財政面から申しますと、若年層の組合員の掛金の負担ということにも配慮をしなければいけない。以上申しましたように、制度間のいろいろな整合性の問題、調整の問題あるいは財政の問題等も総合的に勘案しましてこういった形のものを設けさせていただいたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/166
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167・馬場昇
○馬場委員 時間も迫ってまいりましたが、あと二、三点です。
任意継続組合員の資格取得要件で、国家公務員共済によりますと、四月一日就職、四月一日退職、引き続き一年と一日というような者は取得できる。ところが、四月一日就職、三月三十一日退職、これは引き続き一年で、一日がないわけですが、これは任意継続が取得できない、こういうような状況に百二十六条の五でなっているようでございますが、これは一日ですから、何か読みかえ規定でもつくって資格を取得できるようにしなければいけないのじゃないかと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/167
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168・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 この点は今問題が出されまして、私も十分内容を理解できない点もあるわけでございますが、ただいまの規定は各共済年金制度の共通の規定でございますので、そういう観点でまた先生の御意見も内部でちょっと検討してみますが、全体の制度の問題でございますので、研究をさせていただきたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/168
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169・馬場昇
○馬場委員 国家公務員なんかは四月一日で退職させて、そこで昇給させるとか退職金だとかいろいろあったわけです。ところが、私学の場合は三月三十一日で退職させる。一日の違いで資格が取得できるかできないか、まさに不合理でございますが、今検討するとおっしゃいましたから、ぜひ検討していただきたいと思います。
それから、これは後で中西委員も質問すると思いますけれども、六十五歳の在職者で、さっき改善してもらったわけですが、これも附帯決議に一つありました。もう一つは、行革特例法による国庫補助の縮減を戻せというのもみんな戻ってきて、これも守っていただいたわけです。あのとき三つ附帯決議がつきました。最後のものが私たちまだ十分と思わないのです。
私学振興財団、都道府県からの助成の充実についてという附帯決議が三項目についておるわけですけれども、でこぼこもあるようでございますが、都道府県が千分の八補助、これは私学振興という意味で私学共済に都道府県や私学振興財団から補助しておるわけですから、こういうものが一元化に当たって一元化の名のもとになくならぬように頑張ってくれという附帯決議が三つ目についておるわけです。これも頑張ってもらいたいと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/169
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170・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 都道府県の補助につきましては、六十三年度においても全体として六十四億六千五百万円という経費が出されておるわけでございます。これにつきましては、長い間の関係者の努力でこういった形で行われておるわけでございますので、今後とも充実をさせてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/170
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171・馬場昇
○馬場委員 国鉄共済救済の問題ですけれども、これは大臣、一九八五年の共済四法が審議されたときの政府の統一見解があるわけです。国鉄が民営化されるときの附帯決議もあるわけでございまして、やはり国の責任において、あるいはJRの責任において国鉄共済は救済していかなければいかぬ。ほかの共済から金をかき集めるというようなことはいかぬのじゃないか、ぜひ国の責任、JRの責任で国鉄共済は救済せよということを私学共済は強く主張すべきじゃないかと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/171
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172・石橋一弥
○石橋国務大臣 お答えいたします。
この問題、先ほどからも議論になっておりますが、結局、自助努力ももちろんいたしますし、JRそのもの、そしてまた借金を一カ所に集めた団体でありますとか、いろいろなものがやるわけでありますが、やはり同じ勤労者である、そしてまた年金をお互いにやっている者同士、将来は公平の原則に立ってやっていかねばならない、そのような考え方に立って三十億円の負担をするようになるわけでありますが、私はやはり助けてあげたいな、こういう考え方です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/172
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173・馬場昇
○馬場委員 時間が来ましたが、大臣、内に秘めるものは非常に強いものがあるのではないかと思いますが、答弁に関する限り、まだ我々の要望するところと大分隔たりがあったような感じもいたしますから、ぜひひとつ私学共済の振興のために今後とも頑張ってもらいたい。最後に激励をいたしまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/173
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174・鳩山邦夫
○鳩山委員長 次に、中西績介君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/174
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175・中西績介
○中西(績)委員 午前中から有島さん、さらに今馬場さんと、いろいろ討論を聞いておりまして、ぜひこの分だけは積極的に取り上げてほしいと思う分がございますので、補足をさせていただきたいと存じます。
それは、先ほどから運営体制の問題につきましていろいろ言われておりましたけれども、常勤の理事が一人であるということがいろいろな視点から問題になっておりました。この分については、五十九年の五月十日、参議院における田沢さんの質問に対しまして、当時の政府委員阿部さんと森文部大臣が答弁をしておりまして、ずっと進んだ回答をしておるのですね。これを見ますと、五万人程度で発足したものが今三十八万人にもなっておるわけですから、その業務たるや七倍も八倍も大きく膨れ上がってきておる。ところが役員構成そのものはその当時のままになっておるということなんですね。
ですから、行革の関連からいたしますと、役員をふやすことが目的でなしに、この私立学校共済が本当に多面的にこれから組合員の福利厚生面あるいはその他のいろいろな研究面で大きな役割を果たすということについて大変重要ではないかと私は思うわけです。この中にもありますけれども、理事を補佐する審議役二人を新たにいたしました、こうなっているのですね。今の答弁にもあったわけでありますけれども、この点につきましては当時の阿部さんも、常務理事一名では不足ではないかということも私もかねがね問題意識としては持ってきておるところなんだということを何回も繰り返し言っています。
さらに大臣になりますと、むしろ、「でき得ればそういう方向を一つの目途として検討をしていってもいいのではないか」、こういうことまで付して発言しておるわけですね。まだほかにいろいろございますけれども、時間もございませんので。この点は、確かに常務理事なりなんなりをふやすということは今の時期どうだということはいろいろ指摘されるところがあると思いますけれども、実際に仕事の面からこれを発展させていく上に必要だということであれば、従来から全く縛りの中でしかやっておらないわけですから、その中できゅうきゅうとしてやっておるとするならば、ある程度これを発展的に考えたらいいではないか。
大臣のお言葉によると、そのことは、それにかかわり合いを持つ理事長なりなんなりがやはり知恵を出していくべきではないか——そうは言いませんでしたけれども、それに近いお答えがあったようでありますから、それは、皆さんがそういう気持ちが相当進んでおるということであれば、ぜひ私学共済の方で何か知恵を絞って文部省と十分な打ち合わせをしていただいたらどうだろうか、私はこういうふうに考えますけれども、佐藤さん、この点、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/175
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176・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 先ほども申し上げたわけでございますが、私学共済の業務が量的にも大変多くなって内容的にもより多角的になり、一元化に向かってまたいろいろ検討すべき課題も抱えている、そういう中で全体の運営の組織の充実を図っていかなければいけないということは考えているわけでございます。
具体的に常任の理事をどうするかという点につきましては、先生御指摘いただきましたように、行革の中で政府全体の特殊法人を削減するということでございますので、そういう状況の中で今の私学共済の増員の問題をどういう形で実現をするかということは、私どもにとりますと極めて難しい課題ではないかと思うわけでございますが、今後の課題として受けとめさせていただきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/176
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177・中西績介
○中西(績)委員 ですから、難しいということは、私たちも安易にできるなどということは到底考えておりませんけれども、しかし内容的に常勤三名でしょう。ところが、これぐらいのほかのあれから考えますと、後でできたところは三名で固定をし、ぎゅうぎゅう言わされているところはないわけですから、やはり他との関連だとかいろいろなことを勘案いたしますと決して無理を言っておるのではないし、そして、しかもこれからの事業なりなんなりを相当考えていかないと、さっき指摘がありましたように、宿泊施設におきましても、あるいはその利用度におきましても、いろいろな点で相当問題あるわけでありますから、そうした点を考えれば当然やるべきではないか、こう考えますので、ぜひ余り間を置かずに、きょうほとんどの人が発言されてそのことについて言われておるときですから、熱いうちにもう一度論議をし直していただきたい、こう思います。
それから次に、これ時間がありませんので申し上げたいと思いますが、先ほど馬場さんも申し上げましたけれども、六十二年五月十五日、本委員会における私学共済年金改定法案附帯決議三項目の中で二項目を、こうして附帯決議の中から二項目実際に具体的に法律化したりいろいろできたということは文部省始まって以来ではないか、こう私は感じます。このことはまたいいことですから、特に私学共済問題では、この委員会では制度改革以来相当やはりみんな討論をしてまいりましたから、その成果だと私どもは思っています。ですから、やはりこうして実現をしていただくと、それぞれ担当しておる私学共済におきましても、また今度は文部省の皆さんも、こうした面に向けてこれから新しい目でこのような福利厚生面だとか、いろんな問題等についても目を向けていくという、このことが私、大変大事だろうと思います。
ですから、先ほど言われました日本私学振興財団の助成は定額でありまして、三億六千九百十一万五千円というのがここ数年間固定化されたようになっておるわけですね。都道府県の場合もやはり同じように固定化されておりますけれども、このことは継続をして一元化までは変わらないように、あるいはむしろ押し上げるようにして措置を充実する、こういうふうに考えてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/177
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178・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 都道府県の御協力いただいておる補助金にいたしましても、周辺のいろいろな動きは大変厳しい面もあるわけでございます。そういう中で今まで培ってきたこういう制度を維持していくということは非常に重要なことだと思っております。そういう視点でこの関係者ともいろいろ協力してやってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/178
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179・中西績介
○中西(績)委員 ですから、三つのうち一つだけ残っておるわけですから、この点を少しでも押し上げるような措置を指導していただければ大体満点近くになるわけでありますから、この点ひとつぜひ実現を図っていただきたいと思います。
それからもう一つは、先ほど審議の過程の中でもございましたけれども、短期給付財政が赤字基調になっているということにかかわって、これは直接年金ではありませんけれども、私感じますのが、上限特例によって出てくる分が一年で三億五千万、それから掛金千分の五でこれをすることによって三年間ぐらい何とかあれを引き延ばしていくこともできるとかいろいろありますけれども、この分についてただ一つ私は懸念をしますのは、掛金を千分の五上げておいて、今度また来年これを見直しをして千分の五ということになってくると、千分の九十・五になるわけでしょう、上げて千分の八十五・五になるわけですから。この点、見直しのときに余りにも連続してやりますと、問題は、先ほどからなかなか答弁出ません、十二月の老人保健審議会検討結果によるということになってしまうわけですから、なかなかこの回答が出てこないわけでありますけれども、こうしてもう先が見えておるわけでありますから、ぜひ私はこのことについて頑張ってできるだけ引き上げないようにしていただくことが一つ。
それからもう一つ。私は、これをやりますと、例えば千分の五ずつ上げていきますと、今度負担をする側が、今私立学校でいろいろ給与なんかの報告等で問題が時々出てくるように、適正な給与報告が出るかどうかということを私大変懸念をするわけですよ。ですから、やはりこうした問題が現場に起こらないようにするためには、掛金が高くなると虚偽の報告をしたりなどということが出てまた私立学校の悪名を高めるということになりかねぬわけですから、こうしたことが起こらないようにチェック機能がどうすれば果たせるかということと、それからさっき言うように、できるだけこれを引き上げないようにということ、この点についてどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/179
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180・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 短期経理の収支というのは大変悪化をしているわけでございます。先ほど来申し上げておりますが、その主たる原因の一つは、老人保健の拠出金がふえているという面がございまして、それの方向がどうなるかということに関心を持っているということを申し上げているわけでございます。
現実問題として、掛金率を本年四月に千分の五引き上げただけでございますが、今回計算上では千分の五を上回る掛金引き上げをしなければいけないという状況であったわけでございますけれども、一挙に引き上げるわけにいかないということで当面千分の五を引き上げたということでございまして、来年も引き上げざるを得ない。ただ、その幅についてどうするかということは今後さらに検討していかなければいけないというふうに考えております。短期経理については私ども重大な関心を持っておりますので、今後いろいろこの対応策を検討してまいりたいと思っております。
なお、いろいろなチェック機能については、今後いろいろな制度の改善のあるたびに周知徹底をしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/180
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181・中西績介
○中西(績)委員 その周知徹底方、特に問題になっております私学の経常経費の助成率がどんどん落ち込んでいっておるという現状から考えますと、学生生徒に負担を強いることに今度はなりかねぬようなことになるわけであります。それとの対応の仕方として、できるだけその部分が抑えられて負担を少なくするということと同時に、そうした皆さんから信頼をされる私学のあり方ということが今大変重要な段階です。ようやくそういうものが少なくなっていこうかというときに、またこの前看護婦の云々だとかいろいろなものが出てきて助成金がどうだこうだということを指摘をされるようなこともあるわけですから、必ずそういう面が出てくる可能性がこれによって引き起こされたということになりますと大変です。その点についての指導とそれを抑えることに全力を注いでいただくということが大変重要ですから、ぜひお願いを申し上げておきたいと思います。
そこで、今度は平成元年度における年金額の引き上げ措置の中で、私いろいろ聞きたいけれども、時間がございませんので簡単に聞いていきたいと思います。
一つは、再評価による引き上げ措置を十月から四月に繰り上げた場合、本法律案についてどのような修正が必要なのかを具体的に説明をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/181
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182・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 今回、政府の方から提出をいたしまして御審議をいただいている法律案は、私どもといたしましては最善のものであるということでお願いをいたしておりますので、まだそれを修正する、その案をどうか、こういうお話がございましたけれども、ちょっと用意は現時点ではしてない、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/182
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183・中西績介
○中西(績)委員 このことはぜひ、私たち十月から四月にということで考えておるわけでありますけれども、どこら辺、私勉強してないからわからないのですよ。だから、その点でこのように修正をしたらいいということがもしおわかりであればお教えいただきたいというのが私の願いなので、今全くしておらないからわからないというのか、わかっておるけれども先走って言っちゃいけないというのか、そのどちらかをはっきりしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/183
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184・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 きょう私どもの立場は、政府の提案の法律案を御審議いただく、こういう立場でございますので、内容については私ども提出の内容をお願いをしたいということで考えておるわけでございます。したがいまして、今御指摘のありました点についてこの場で修正案を言うとか、そういうことは適当でないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/184
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185・中西績介
○中西(績)委員 それじゃ、わかってはおるのですね、内容は。であれば、これはぜひ後ででも説明をお聞かせいただければと思います。
それからもう一つは、来年四月自動スライドでもっていくようになるわけですから、もしそのときに物価〇・一%落ち込んだと仮定をいたしますと、そうしたときには年金はどうなるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/185
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186・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 今回、改善措置の一つといたしまして、従来物価スライド制というのが物価の上昇率が五%を超えた場合に政令で定めることができるという法律上の条文があるわけでございますが、その五%を下回ったときは政府の判断でそれを法律で出すかどうかということがございましたが、過去の例では〇・一%でも法律を提出して物価上昇に見合った形の改善措置が講じられておるところでございます。
それで、今回お願いしてございます内容は、そういう実態を踏まえて五%以下でも現実に法律をお願いして出している、そういうことでございますので、年金を実質的に維持をしていく、しかもできるだけ四月に、早い時期にそれを年金者の方々に引き上げのお金が届くように、こういうことを考えますと、完全物価スライド制ということで五%の範囲というのを取っ払って、変動があった場合には直ちに政令で定めて行うということにしたわけでございまして、物価が上がった場合も下がった場合もそういう措置をとる、こういう内容でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/186
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187・中西績介
○中西(績)委員 私が〇・一と言ったのは、僅少であっても今まで皆さんが年金を引き上げていただいてその分を受領しておったわけでありますが、その場合、このようにわずかの額であっても、法律上からいきますとそうなるだろうけれども、政令で決めることができるということであれば、わずかの場合には現状維持なら現状維持ということで皆さんの判断をできないのか、裁量できないのか、この点、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/187
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188・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 これは現在の五%変動した場合の法律上の規定もそうでございますが、物価の上昇になった場合はそれを政令で書くということになっておりまして、同じような精神で今回の改正も当たっていくことになると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/188
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189・中西績介
○中西(績)委員 ですから、この点、一つの課題としてぜひ御検討いただければと思います。そうしないと、わずか〇・一ぐらいでやった万が恨まれるんじゃないでしょうかね。この点、ひとつお考えいただきたいと思います。
そこでもう一つは、物価指数。聞いてみますと、総務庁の物価指数によってこれは現在決められておるということを聞いておりますけれども、この分、操作の仕方等で相当違う可能性があるのではないか。極端な言い方だからもう怒らないで聞いてほしいと思うけれども、操作による結果が出りゃせぬかということを私は恐れるわけですね。まさかしないだろうけれども、調査の仕方によっては相当差が出てくる可能性があるわけですから、これを幾つかの調査機関、そういうものをやはり総合的に集めて、審議会なりなんなりでこれを決定するということにしていただきたいと私は思うのですね。行政機関である政府がこれを取り扱うから、みずからの政府の中の調査機能が怪しいとかなんとかということでなしに、やはりとり方にいろいろ違いがあるわけですから、複数にしていただくということにならぬのか、この点、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/189
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190・佐藤次郎
○佐藤(次)政府委員 現行の国家公務員共済組合法第七十二条の二でそれを準用いたしておるわけでございますが、この法律におきまして「総務庁において作成する年平均の全国消費者物価指数」というふうに規定をされているわけでございます。
これは、制度の沿革を見てみますと、厚生年金でこういう物価指数が取り入れられておりまして、これがたしか四十九年ごろだと思います。したがいまして、もう十何年かの実績があるわけでございます。そういうことで、この総務庁の物価指数というのはかなり信頼をされた指数でございまして、過去十何年の運営におきましても特に問題が出ていないわけでございますので、この点については、私どもとしてはこういう形でやらせていただきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/190
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191・中西績介
○中西(績)委員 それは、今まで出なかったということで指摘しなかっただけであって、だから、科学的にということになればある程度やはり複数ということが必要ではないか、私はこう考えるわけですね。ですから、今までなかったからこれはあくまで正しいということにはならないのではないか。というのは、いろいろな近ごろ調査されたものを、私たちがいろいろな資料を取り寄せていろいろな面でのあれをとりますと、それに当たった人によって違いがやはり出てくるわけですから、その点をひとつぜひ考慮の中に入れていただきたいと思います。
大体ほかにもまだ、これやり始めますと時間がちょっと長くかかるようですから、そこで先ほどの運営審議会の問題にいたしましても、あるいは審議会の問題にいたしましても、これはぜひ考慮をすべきではないか、特に運営審議会等におきましては、国家公務員のものを全部見ますと、共済の運営審議会というのはもう全部組合代表が入っておるわけですね。それから、文部省の場合だったら文部省の組合とそれから学校の教授代表あるいは事務局長、事務局の代表、こういうぐあいにしてやっていますよね。ですから、この点は余りこだわらずにやった方がいいのではないかなという気がいたしますので、これが国公の皆さんの場合そうでなくて、アンバラがあるというならまだしも、これは全部そうなっているわけですから、そうしたことを考えてまいりますとここだけが何か変わっておるような感じがいたしますので、この点はひとつもう一度考え直していただきたい。
それと、もう一つは諮問機関の問題でございますけれども、これは六十年に附帯決議で全党一致でやっておるわけでありますから、この点も自民党の皆さんも含めて全員が賛成してやられておりますので、この点についても御考慮をいただければと思います。
最後に、時間が参りましたので、きょう一日、保坂理事長ずっとおられましてお聞きいただいたのですけれども、ぜひこれから後、今まで二十九年以来大変な努力をしてここまで築き上げてきた私学共済です、これからいよいよ一元化に向けての厳しい時期を迎えるわけでありますから、その際に、やはり私学の組合員の皆さんが、本当に私学共済というのは他の共済に比較して組合員の実態に即した運営をしておるということを皆さんが実感するように御努力いただければと思います。
この点について、御決意を一つだけお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/191
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192・保坂榮一
○保坂参考人 ただいま私学共済に関すること、主に文部省関係の方から御答弁いただいておりましたが、今、先生方のいろいろな御指摘のこと、これは私学共済の内部の運営に、またこれからは理事長が役員を文部大臣の認可を得て任命するという形にもなったことでございますし、それだけ責任の重要性を感じております。今、先生方の御指摘になったこと、よく心にとどめましてしっかり私学共済の運営をしていきます。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/192
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193・中西績介
○中西(績)委員 終わります。
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/193
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194・鳩山邦夫
○鳩山委員長 第百十四回国会、内閣提出、教育職員免許法の一部を改正する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。石橋文部大臣。
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教育職員免許法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/194
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195・石橋一弥
○石橋国務大臣 このたび、政府から提出いたしました教育職員免許法の一部を改正する法律案について、その提案理由及びその内容の概要について御説明申し上げます。
本年三月の高等学校の教育課程の基準の改正により、平成六年度から、教科「社会」が「地理歴史」及び「公民」に再編成されることとなっておりますが、これを受けて、高等学校の免許教科「社会」を「地理歴史」及び「公民」に改める等の措置を講じることといたしております。
この法律案の概要は次のとおりであります。
第一は、平成二年度から高等学校の教員の免許状に係る教科について「社会」を「地理歴史」及び「公民」に改め、同年度の大学入学者から、「地理歴史」または「公民」で養成教育を行うこととしております。それ以外の者については、平成六年三月三十一日まではなお従前の例によることとし、「社会」の免許状を授与することとしております。
また、「社会」の教科についての免許状については、高等学校の教科が改正される平成六年四月一日に、「地理歴史」及び「公民」の各教科についての免許状とみなすこととしております。その他所要の経過措置を講じるものであります。
第二は、免許状の授与、教育職員検定等に係る手数料について、適切な費用負担を図るため、その額を実費を勘案し政令で定める金額とすることとしております。
以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/195
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196・鳩山邦夫
○鳩山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/196
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197・鳩山邦夫
○鳩山委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
ただいま趣旨の説明を聴取いたしました教育職員免許法の一部を改正する法律案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/197
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198・鳩山邦夫
○鳩山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
次回は、来る二十四日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時二十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111605077X00319891122/198
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