1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成二年四月十七日(火曜日)
午前十一時開会
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委員氏名
委員長 倉田 寛之君
理 事 岩本 政光君
理 事 中曽根弘文君
理 事 福間 知之君
理 事 井上 計君
大木 浩君
合馬 敬君
下条進一郎君
前田 勲男君
松浦 孝治君
向山 一人君
大渕 絹子君
梶原 敬義君
庄司 中君
谷畑 孝君
吉田 達男君
広中和歌子君
三木 忠雄君
市川 正一君
池田 治君
今泉 隆雄君
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委員の異動
三月二十六日
辞任 補欠選任
大渕 絹子君 菅野 久光君
三月二十七日
辞任 補欠選任
菅野 久光君 大渕 絹子君
三月二十八日
辞任 補欠選任
市川 正一君 上田耕一郎君
三月二十九日
辞任 補欠選任
谷畑 孝君 田 英夫君
三月三十日
辞任 補欠選任
田 英夫君 谷畑 孝君
吉田 達男君 菅野 久光君
三月三十一日
辞任 補欠選任
菅野 久光君 吉田 達男君
四月二日
辞任 補欠選任
上田耕一郎君 市川 正一君
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出席者は左のとおり。
委員長 倉田 寛之君
理 事
岩本 政光君
中曽根弘文君
福間 知之君
井上 計君
委 員
大木 浩君
合馬 敬君
下条進一郎君
前田 勲男君
松浦 孝治君
向山 一人君
大渕 絹子君
梶原 敬義君
庄司 中君
谷畑 孝君
吉田 達男君
広中和歌子君
三木 忠雄君
今泉 隆雄君
国務大臣
通商産業大臣 武藤 嘉文君
国 務 大 臣
(経済企画庁長
官) 相沢 英之君
政府委員
公正取引委員会
委員長 梅澤 節男君
公正取引委員会
事務局経済部長 糸田 省吾君
公正取引委員会
事務局取引部長 土原 陽美君
公正取引委員会
事務局審査部長 柴田 章平君
経済企画政務次
官 高橋 一郎君
経済企画庁長官
官房長 斎藤 次郎君
経済企画庁長官
官房会計課長 小川 雅敏君
経済企画庁調整
局長 勝村 坦郎君
通商産業政務次
官 額賀福志郎君
通商産業政務次
官 斎藤 文夫君
通商産業大臣官
房長 熊野 英昭君
通商産業大臣官
房総務審議官 関 収君
通商産業大臣官
房商務流通審議
官 山本 貞一君
通商産業大臣官
房審議官 横田 捷宏君
通商産業大臣官
房審議官 合田宏四郎君
通商産業大臣官
房会計課長 土居 征夫君
通商産業省通商
政策局長 畠山 襄君
通商産業省貿易
局長 内藤 正久君
通商産業省基礎
産業局長 高橋 達直君
通商産業省機械
情報産業局長 山本 幸助君
通商産業省生活
産業局長 南学 政明君
工業技術院長 杉浦 賢君
資源エネルギー
庁長官 山本 雅司君
特許庁長官 吉田 文毅君
特許庁特許技監 柴田 勝隆君
特許庁総務部長 渡辺 光夫君
特許庁審査第一
部長 山浦 紘一君
中小企業庁長官 見学 信敬君
事務局側
常任委員会専門
員 小野 博行君
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本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
(通商産業行政の基本施策に関する件)
(経済計画等の基本施策に関する件)
(平成元年における公正取引委員会の業務の概略に関する件)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/0
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001・倉田寛之
○委員長(倉田寛之君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
まず、国政調査に関する件についてお諮りをいたします。
本委員会は、今期国会におきましても、産業貿易及び経済計画等に関する調査を行いたいと存じ
ますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/1
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002・倉田寛之
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/2
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003・倉田寛之
○委員長(倉田寛之君) この際、通商産業大臣、経済企画庁長官、通商産業政務次官、経済企画政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。武藤通産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/3
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004・武藤嘉文
○国務大臣(武藤嘉文君) 第二次海部内閣の発足に当たりまして通産大臣に就任させていただきました武藤嘉文でございます。
全力を挙げて通商産業行政の推進に努めてまいりますので、何とぞ委員長を初め委員の皆様方の一層の御指導並びに御協力を心からお願い申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/4
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005・倉田寛之
○委員長(倉田寛之君) 次に、相沢経済企画庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/5
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006・相沢英之
○国務大臣(相沢英之君) 去る二月、経済企画庁長官を拝命いたしました相沢英之でございます。
内外ともに多事多端な折、日本経済のかじ取り役として全力を尽くしてまいる所存でございます。
委員の皆様方の御指導、御鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/6
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007・倉田寛之
○委員長(倉田寛之君) 次に、額賀通産政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/7
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008・額賀福志郎
○政府委員(額賀福志郎君) このたび通商産業省の政務次官を拝命いたしました額賀福志郎でございます。
武藤大臣のもとで通商産業の行政遂行のために斎藤政務次官ともども一生懸命頑張りますので、委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げます。
よろしくお願いいたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/8
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009・倉田寛之
○委員長(倉田寛之君) 次に、斎藤通産政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/9
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010・斎藤文夫
○政府委員(斎藤文夫君) 御指名をちょうだいいたしました、このたび通商産業政務次官を拝命いたしました斎藤文夫でございます。
武藤通産大臣のもと額賀政務次官ともども力を集めまして、多事多端な通商産業行政に微力をささげてまいる決意でございます。
倉田委員長初め委員、先輩皆様方の一層の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げ、ごあいさつといたします。
よろしくお願いいたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/10
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011・倉田寛之
○委員長(倉田寛之君) 次に、高橋経済企画政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/11
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012・高橋一郎
○政府委員(高橋一郎君) 経済企画政務次官に就任いたしました高橋一郎でございます。
内外ともに大切な時期に当たりまして、経済企画庁の政務次官として相沢長官のもと経済運営を初め物価の安定、国民生活の質的向上のために全力を尽くす覚悟でございます。
委員の皆様方の特段の御鞭撻そしてまた御指導のほどをよろしくお願い申し上げます。(拍手)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/12
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013・倉田寛之
○委員長(倉田寛之君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
まず、通商産業行政の基本施策に関し、通商産業大臣から所信を聴取いたします。武藤通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/13
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014・武藤嘉文
○国務大臣(武藤嘉文君) 第百十八回国会における商工委員会の御審議に先立ちまして、通商産業行政に対する私の所信の一端を申し上げさせていただきます。
現在、戦後の自由主義経済の発展を支えてきた世界経済システムは大きな転換期を迎えております。すなわち、ベルリンの壁の崩壊に象徴されるように東欧諸国は政治、経済両面において改革への大きなステップを踏み出しており、新たな東西関係のあり方が模索されているところであります。しかし、その一方で先進国間の対外不均衡が存在し、我が国の貿易黒字も依然として巨額に上っております。これを背景として欧米において我が国に対するいら立ちが高まるとともに、保護主義的な動きも見られております。
こうした中、自由貿易体制の維持強化を目指すウルグアイ・ラウンドの進展やEC諸国、アジア・太平洋地域などにおける地域協力の動きなど、二十一世紀へ向けた貿易秩序の新たな枠組み形成に向けての試みが見られます。
他方、我が国経済に目を転じますと、内需主導による景気は持続しているものの、為替・株式市場は不安定な動きを見せております。また、人口や諸機能の東京圏への集中が一層進み、国土の均衡ある発展が強く求められております。さらに、我が国の経済力に見合う生活のゆとりや心の豊かさが国民に十分に実感されていないとの指摘も少なくありません。
このような状況を踏まえ、私は、以下の諸点を中心に、通商産業政策の推進に向けて全力を尽くす所存であります。
第一は、先般中間報告が取りまとめられました日米構造問題協議に関する取り組みであります。本協議の進展は我が国にとって単に日米関係の維持発展のために極めて重要であるばかりでなく、我が国の国民生活の質の向上を図る上でも大いに意義のあることと考えております。私といたしましても内閣の最重要課題である本問題への取り組みに最大限の努力をしてまいります。
とりわけ、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律につきましては、消費者利益、中小小売商の地域経済への貢献、国際協調といった三つの観点を総合的に勘案した上で、選択し得るぎりぎりの案として決断したものであります。
今般中間報告に盛り込まれました措置によっては、中小小売商などの産業活動に少なからず影響を与えることも十分考えられ、今後の実施に当たっては痛みを伴う場合も予想されるところであります。私といたしましては中小小売商業対策について思い切った支援措置を講じる等円滑な実施に努めてまいります。
第二は、対外不均衡の是正を通じた自由貿易体制の維持強化であります。豊かな国民生活と活力ある地域経済を実現するために、我が国の製品輸入の増加を積極的に図ることが急務と考えます。このため、対日輸出商品を発掘するなどの草の根輸入振興事業を進めるとともに、製品輸入促進税制を初めとする総合的な輸入拡大策を推進してまいります。
第三は、地球的規模での共存共栄を目指した幅広い分野での国際的貢献の推進であります。特に、人類共通の課題である地球環境問題は、経済成長と環境保全の両立を将来にわたって実現する方向でその解決を図ることが必要であり、国際的な協調を図りつつ、我が国のすぐれた技術力、経済力を活用した主体的な貢献を果たさなければなりません。このため、技術開発や発展途上国に対する技術協力を積極的に進めるなど総合的な対策を講じてまいります。
また、自由で開放的な国際秩序や地域協力体制の構築に主体的な貢献を果たします。アジア・太平洋地域における協力につきましても、昨年発足したアジア・太平洋経済協力閣僚会議における検討を深めつつ、具体的な協力プロジェクトを積極的に推進してまいる所存であります。さらに、ウルグアイ・ラウンドの交渉を本年中に成功裏に完了させるべく、最大限の努力を払ってまいります。東欧諸国における改革に対しましても西側諸国と協調しつつ、積極的に支援してまいります。
第四の柱は、東京圏への一極集中の是正と地域の活性化であります。この課題に対処するため、工場のみならず研究開発部門、情報処理部門などの産業の高次機能の地方分散を一層促進することとし、今国会に地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律の一部を改正する法律案を提出したところであります。また、テクノポリス構想等を引き続き推進し、魅力ある地域拠点の形成を図るとともに、地域の活性化に向けた自主的な取り組みを支援してまいります。
第五は、活力ある中小企業の育成であります。中小企業を取り巻く経営環境は厳しさを増していることは事実でありますが、引き続き我が国経済社会の発展の原動力として中小企業の果たす役割
は大きなものがあります。このため、中小小売商業対策について思い切った支援措置を講じる等、地域中小企業の育成を図るとともに、人材の充実などの経営基盤の強化や小規模企業対策の充実等の中小企業対策を総合的に推進してまいります。
第六は、ゆとりと豊かさを実感できる国民生活の実現であります。産業活動や国民生活における新たな生活文化の創造や技術開発の推進、労働時間の短縮を図ってまいります。また、より効率的で開かれた流通システムの構築、消費者保護行政の充実、内外価格差問題への適切な対応等を図ってまいる所存であります。さらに、委託者保護の充実を図りつつ、我が国の商品先物市場を国際的に通用する先物市場として育成するため、商品取引所法の一部を改正する法律案を今国会に提出することといたしております。
第七は、技術開発等によるニューフロンティアの開拓であります。先端技術分野や基礎研究分野における技術開発、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの推進を初めとする国際的な研究交流を積極的に進めてまいります。また、高度情報化社会の構築に向けた情報化施策の推進や知的財産に関する制度の充実を図ってまいります。特に、工業所有権制度については、国際的な調和に努める一方、迅速かつ的確な権利付与に力を注ぎ、本年秋の電子出願受け付けの開始に向けて、今国会に工業所有権に関する手続等の特例に関する法律案を提出したところであります。
第八は、中長期的観点に立った資源エネルギー政策の推進であります。依然として脆弱な資源エネルギー供給構造を有する我が国としたしましては、最近のエネルギー需要の増大や地球環境問題への関心の高まり等を踏まえた適切な対応が必要であります。石油の安定的供給確保、石炭政策の推進、石油代替エネルギーの開発導入、省エネルギーの推進に引き続き取り組むとともに、安全性の確保に万全を期しつつ原子力の開発利用を着実に推進しなければなりません。また、鉱物資源の安定供給の確保にも力を注いでまいる所存であります。
以上、今後の通商産業行政の基本的方向について所信の一端を申し上げました。
私は、国民各位の御理解のもとに、通商産業行政の遂行に全力を挙げて取り組んでまいります。委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/14
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015・倉田寛之
○委員長(倉田寛之君) 次に、経済企画庁の基本施策に関し、経済企画庁長官から所信を聴取いたします。相沢経済企画庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/15
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016・相沢英之
○国務大臣(相沢英之君) 我が国経済の当面する課題と経済運営の基本的考え方につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでありますが、当委員会が開催されるに当たりまして、重ねてその所信の一端を申し述べたいと存じます。
世界経済は、インフレなき持続的成長が続く中で、アジア・太平洋地域における力強い発展や市場統合を目指した西欧諸国の動き、市場指向型経済への改革を模索する東欧諸国の動きなど、注目すべき変化が見られます。一方、なお大きな主要国の対外不均衡、発展途上国の累積債務問題などの課題も残されております。
他方、我が国経済は、個人消費や民間設備投資を中心とした内需主導型の景気拡大が続いており、昭和六十一年十二月以来の景気上昇は四年目を迎えております。また、製品類等を中心として輸入が増加していることなどから、経常収支の黒字幅は縮小傾向にあります。
以上のような状況を踏まえ、私は、平成二年度の経済運営に当たりましては、特に次の諸点を基本的な柱としてまいりたいと考えております。
その第一の柱は、内需を中心とした息の長い景気の拡大を図ることであります。
このためには、まず、今後とも、主要国との政策協調にも配慮し、為替レートの安定を図るとともに、物価の安定を基礎としつつ、適切かつ機動的な経済運営に努めてまいる所存であります。
金融政策につきましては、昨年五月以来、公定歩合が四回にわたり引き上げられるなど、内外経済の動向に応じた適切な措置がとられてきたところでありますが、今後とも適切かつ機動的な運営を図る必要があると考えております。
平成二年度の我が国経済は、引き続き対外不均衡の是正を進めながら、内需主導型の着実な拡大が図られ、実質経済成長率は、四%程度になるものと見込まれます。
第二の柱は、物価の安定基調を維持することであります。
最近の物価の動向を見ますと、本年に入り天候要因により生鮮食品が上昇したものの、引き続き安定的に推移していると考えられ、平成二年度の消費者物価上昇率は、消費税による一回限りの影響がなくなることもあり、一・六%程度になる見込みであります。政府としては、今後とも、原油価格、為替レート、労働力需給等の動向を十分注視しながら、物価の安定に最善の努力を尽くしてまいりたいと考えております。
第三の柱は、内外価格差の縮小や労働時間の短縮などを目指した経済構造調整を積極的に進め、国民生活の一層の質的向上を図っていくことであります。
内外価格差の問題につきましては、消費者重視の観点から、政府・与党内外価格差対策推進本部のもとで問題の解決に積極的に取り組んでおり、本年一月に決定した五十二項目にわたる内外価格差対策の着実な実施を図ってまいる所存であります。
また、ゆとりある社会の実現を目指す観点から、完全週休二日制や連続休暇の普及、所定外労働時間の短縮等に努めるとともに、自由時間充実のための施策を推進してまいります。
土地住宅問題につきましては、土地基本法の成立や土地対策の重点実施方針の取りまとめを踏まえ、大都市地域における住宅宅地の供給の促進等各般の施策をさらに積極的に推進してまいります。同時に、国民生活基盤のより一層の充実を図るため、引き続き国民生活の充実に重点を置いた社会資本の整備に努めることとしております。
また、悪質な商法による被害の防止、学校教育を中心とした消費者教育の充実等に努めるとともに、省資源・省エネルギー型社会を目指した施策を推進してまいります。
第四の柱は、保護貿易主義の抑止と自由貿易体制の維持強化に向けて率先して努力するとともに、調和ある対外経済関係の形成と世界経済活性化への積極的な貢献を図っていくことであります。
このため、まず、内需の持続的拡大に加え、市場アクセスの改善等を通じて輸入の拡大に努め、ガットのウルグアイ・ラウンド交渉の成功に向けて一層の貢献を行ってまいります。
経済協力につきましては、効果的、総合的な推進に努め、政府開発援助に関する第四次中期目標の着実な実施などを図ってまいります。
日米構造問題協議につきましては、先般の第四回会合において中間報告が取りまとめられましたが、本報告に盛り込まれた措置は、国民生活の質的向上、消費者の利益の増進や我が国経済を国際社会とより調和したものとすることに大きく貢献し、また、日米関係のより一層の良好な発展や世界経済の安定的発展に資するものと考えております。政府としては、中間報告の内容が円滑に実施されるよう努力してまいる所存であります。
以上、今後の経済運営の課題と方向について所見を申し述べました。
私は、大きく揺れ動いている世界の動きにも十分目を凝らしながら、経済運営に誤りなきを期し、世界経済の安定と繁栄に積極的に貢献していくとともに、国民生活の一層の充実と向上に努めてまいる所存であります。
本委員会の皆様の御支援と御協力を切にお願い申し上げる次第であります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/16
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017・倉田寛之
○委員長(倉田寛之君) 以上で両大臣の所信の聴取は終了いたしました。
なお、平成二年度通商産業省関係予算及び平成
二年度経済企画庁関係予算につきましては、お手元に配付してあります関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。
両大臣、どうぞ退席をされて結構でございます。
次に、平成元年における公正取引委員会の業務の概略について、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。梅澤公正取引委員会委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/17
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018・梅澤節男
○政府委員(梅澤節男君) 平成元年における公正取引委員会の業務につきまして、その概略を御説明申し上げます。
まず、独占禁止法の違反事件の処理につきましては、価格カルテル等六件について審決により違反行為の排除措置を命じたほか、百十四件の警告を行いました。さらに、六件の価格カルテル事件について、総額八億三百四十九万円の課徴金の納付を命じました。
また、内外からさまざまな指摘のある流通・取引慣行等の問題につきましては、我が国市場の効率性、開放性を一層高め、一般消費者の利益を確保するという観点から、昨年来、これらの問題に関する評価及び競争政策上の対応について幅広い角度から検討を行っております。また、この作業と関連して、内外価格差の実態調査や外国企業の日本市場への参入に関する実態調査等を行っております。今後は、これらの検討結果をガイドラインの作成等独占禁止法の運用及び競争政策の運営に反映させていくこととしております。
価格の同調的引き上げに関する報告徴収につきましては、平成元年中に一般日刊全国新聞紙について価格引き上げ理由の報告を求め、その概要を年次報告において報告いたしました。
次に、事業活動及び経済実態の調査といたしましては、企業間の共同研究活動に関する調査や流通分野における情報ネットワーク化に関する調査等を行いました。また、技術革新の進展への対応の一環として、特許・ノウハウ等の技術取引に関する独占禁止法上の考え方の一層の明確化を図るため、運用基準を公表しました。
政府規制及び独占禁止法適用除外制度につきましては、引き続き、その見直しについて検討を行ってまいります。
下請法に関する業務につきましては、下請取引の適正化及び下請事業者の利益保護を図るため、下請代金の減額等の違反行為を行っていた親事業者一千九百六十九社に対して、減額分の返還等の改善措置を講じました。
また、景品表示法の運用により、消費者の適正な商品選択が妨げられることのないよう過大な景品類の提供及び不当表示の排除に努めました。このうち、平成元年中に五件について排除命令を行ったほか、七百四十七件について是正措置を講じました。
以上簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。
なお、今回の日米構造協議の中間報告におきましては、我が国市場における公正かつ自由な競争をより促進するという観点から、競争政策に関する具体的な措置が盛り込まれております。公正取引委員会といたしましては、今後これらの措置を着実に実施することとしております。
今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/18
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019・倉田寛之
○委員長(倉田寛之君) 以上で説明は終了いたしました。
両大臣の所信等に対する質疑は後日行うことといたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814461X00119900417/19
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