1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成二年五月二十四日(木曜日)
午後零時五十分開会
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委員の異動
三月三十一日
辞任 補欠選任
片山虎之助君 長谷川 信君
野村 五男君 宮田 輝君
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出席者は左のとおり。
委員長 青木 薪次君
理 事
岡野 裕君
永田 良雄君
松前 達郎君
磯村 修君
委 員
長田 裕二君
陣内 孝雄君
平野 清君
守住 有信君
及川 一夫君
大森 昭君
山田 健一君
鶴岡 洋君
山中 郁子君
足立 良平君
国務大臣
郵 政 大 臣 深谷 隆司君
政府委員
郵政政務次官 川崎 二郎君
郵政大臣官房長 白井 太君
郵政大臣官房人
事部長 桑野扶美雄君
郵政大臣官房経
理部長 木下 昌浩君
郵政省郵務局長 小野沢知之君
郵政省貯金局長 成川 富彦君
郵政省簡易保険
局長 松野 春樹君
郵政省通信政策
局長 中村 泰三君
郵政省電気通信
局長 森本 哲夫君
郵政省放送行政
局長 大瀧 泰郎君
事務局側
常任委員会専門
員 大野 敏行君
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本日の会議に付した案件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査
(郵政行政の基本施策に関する件)
○簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814816X00319900524/0
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001・青木薪次
○委員長(青木薪次君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る三月三十一日、片山虎之助君及び野村五男君が委員を辞任され、その補欠として長谷川信君及び宮田輝君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814816X00319900524/1
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002・青木薪次
○委員長(青木薪次君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
郵政行政の基本施策について所信を聴取いたします。深谷郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814816X00319900524/2
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003・深谷隆司
○国務大臣(深谷隆司君) 逓信委員会の皆様には、平素から郵政行政の適切な運営につきまして格別の御指導をいただき、心から御礼申し上げます。
この機会に、郵政行政の基本的な考え方について、私の所信を申し上げます。
戦後四十五年、我が国は、国民の懸命な努力によりまして今日の平和と繁栄を手に入れることができました。これからは、二十一世紀にかけて、現在の経済レベルを維持しながら、ゆとりと豊かさを心から実感できる社会を築いていくことが肝要であります。また、対外的には、我が国の国際的地位にふさわしい責任を果たし、国際社会の調和ある発展に貢献していかなければなりません。
こうした中で、国民の日常生活に深くかかわる郵政行政は、今後の情報化や国際化などの大きな流れを的確に踏まえ、来るべき高度情報社会に向けた総合的な通信政策の推進や、全国二万四千の郵便局のネットワークを最大限活用して、豊かで住みよい地域社会づくりに貢献してまいることが課題であると考えております。
以下、当面の重要施策について申し上げます。
まず、電気通信行政関係であります。
第一に、地域の情報化の推進であります。
今や、情報通信システムは、快適な国民生活や効率的な企業経営にとってなくてはならない存在となっております。ところが、その整備の度合いは、大都市と地方では大きな格差があり、国土の均衡ある発展を図る上で障害となっております。
そのため、これまで、テレトピア計画など諸施策を通じて、各地域へキャプテン、CATVなどのニューメディアを導入することに努めてまいりましたが、今後も、新しい技術を生かした通信・放送開発事業を支援して、全国レベル、地域レベルにおける情報流通の円滑化を図ってまいりたいと考えております。
また、NHKのテレビがよく映らない世帯が現在でもかなりの数に上っております。これをなくす決め手は、衛星放送であります。そこで、先般、本国会で御審議いただいた通信・放送衛星機構法の一部を改正する法律案により、難視聴地域に衛星放送を普及させるため、衛星放送受信対策基金を創設したところであります。
第二に、電気通信市場の活性化であります。昭和六十年の電気通信制度の改革以降、多くの新しい会社が通信の分野に参入しております。その結果、いろいろなサービスが生まれ、しかも、相次いで料金値下げがなされるなど、制度改革のねらいが着実に実現してきております。今後も引き続き公正な競争ができる基盤づくりに努め、よりよいサービスをより安い料金で利用できるようにしてまいる所存であります。
また、NTTのあり方の見直しの問題につきましては、日本電信電話株式会社法附則第二条の規定により、政府は本年三月末までに、NTTのあり方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされていたところであります。
郵政省といたしましては、この問題について昭和六十三年三月に電気通信審議会に諮問し、以来二年間にわたって検討を進めてまいりましたが、去る三月二日に答申をいただき、これを受け、三月三十日、公正有効競争の促進、NTTの経営の向上等を通じて、国民、利用者の利益の増進を図る観点から、政府として講ずる措置の決定を行ったところであります。今後、この措置の着実な推進を図ってまいることが重要であると考えております。
第三に、先端技術の研究開発であります。
電気通信は、いつでも、どこでも、だれとでも手軽に通信できることが目標であります。このため、機器の小型化、人工知能の活用などの先端技術や次世代テレビであるハイビジョン等の実用化について、産業界や学界とも連携をとりながら、積極的に研究開発を進めてまいります。
第四に、国際協調、国際協力の積極的展開であります。
電気通信は、世界の人々がお互いに理解し合うための重要なコミュニケーション手段でありますので、世界各国の通信網が同じように整備されていなければなりません。そういう意味でも、経済協力の重点分野として、開発途上国の通信基盤の整備拡充のため、積極的に協力してまいりたいと考えております。
通信衛星など電気通信をめぐる日米経済摩擦の問題については、先般、両国政府間で基本的合意に達したところでありますが、今後とも、米国初め先進諸国との政策協調を通じて、我が国の通信市場が開かれたものであることについて理解を求めてまいる所存であります。
また、諸外国から日本の社会や文化についてよりよく理解していただくため、国際放送の充実強化を最重要課題の一つとして推進してまいる所存であります。
次に、郵政事業について申し上げます。
郵政事業の使命は、日常生活に欠くことのできない郵便、貯金、保険などのサービスを、あまねく公平に提供することであります。利用者・国民に支えられて初めて成り立つ事業ですので、今後とも国民のニーズや期待にこたえるよう一層の経営努力を続けていかなければなりません。
そのためには、人々の暮らしに密着した二万四千の郵便局を、地域活動の中心となるセンターにしてまいりたいと考えております。具体的には、お客様が、郵便局に出かければ、郵便や貯金のほか、住民票やパスポートなど生活に必要なさまざまなサービスが受けられるようにしたいと考えております。
平成二年度には、郵便局間を衛星通信で結び、各地の特産品や観光などのふるさと情報のほか、経済・金融情報、生活関連情報などを提供できるようにする予定であり、このネットワークを使って、地方のイベント情報などを全国に放映できるとしたら、すばらしいことであります。こうした努力により、地域間交流を促進し、地域産業の振興や観光開発など地域の活性化を支援してまいりたいと考えております。
以下、各事業ごとに申し上げます。
まず、郵便事業では、郵便物数は、二百十五億通に上り、おかげさまで財政的にも順調な経営を維持しております。これは、最近の好景気を背景に、全職員一丸となって、積極的な営業活動やサービスの開発に努めた成果と考えております。しかしながら、現状に甘んずることなく、今後とも、さまざまな施策を推進してまいる所存であります。
例えば、大都市では、郵便局が不足し窓口が混雑するなどお客様に不便をおかけしており、これを解決するため、デパートや駅などにも郵便局の窓口を設けるようにしたいと考えております。また、地域に親しまれるサービスとして、ふるさと切手、ふるさと絵はがきの発行などを実施してまいる所存であります。
このほか、大都市圏における最近の土地不足をも考慮して、郵便局の建物を高層化し、その一部を民間の方々にも利用できるような方策を考えており、その実現に向けて一層の努力をしてまいります。
次に、為替貯金事業であります。
昨年六月、いわゆる小口MMCの販売を開始しました。本年四月二日からは、その最低預入金額を三百万円から百万円に引き下げましたが、今後とも、金利自由化のメリットをより多くの国民が享受できるよう、MMC貯金の思い切った小口化を図るなど小口預貯金金利の自由化を積極的に推進してまいりたいと考えております。さらに、郵便貯金の利子の一部を海外援助に役立てる国際ボランティア貯金を創設するなど、時代の要請に的確に対応しつつ、常に、消費者、庶民の視点に立って郵便貯金制度の改善を行ってまいる所存であります。
第三に、簡易保険・郵便年金事業の改善充実であります。
国民の四人に一人が六十五歳以上という本格的な高齢化時代の到来が間近に迫っており、だれもが健康で安心して生き生きと暮らせる長寿社会の建設が求められています。こうした中で、老後に備える国民の自助努力を支援する簡易保険事業に対する国民のニーズも多様化しております。このため、簡易保険と郵便年金の制度を統合し、一つの契約で、働き盛りには死亡保障を、老後には年金を総合的に提供する生涯保障保険を創設するなど時代に合った新商品を開発し、サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。
ところで、郵政事業は、三十万人以上の職員に支えられた、人力に依存する事業であり、明るく活力に満ちた職場環境をつくることが、何よりも重要であります。このため、相互信頼に基づく安定した労使関係の維持に最大限の努力を払ってまいる所存であります。
また、常に、郵政事業に寄せる国民の期待と信頼にこたえていかなければなりません。このため、今後とも防犯体制の充実強化と職員の防犯意識の高揚や厳正な綱紀粛正に力を入れてまいる所存であります。
以上申し上げた諸施策を適切に行うため、今国会には、必要な経費を計上した予算案と法律案を提出いたしておりますので、よろしくお願い申し上げます。
なお、私どもの自主申告をめぐる問題で多大の御迷惑をおかけしましたこともこの機会に改めておわびを申し上げたいと存じます。
以上、所信の一端を申し上げました。
委員各位におかれましては、郵政行政の推進のため、一層の御支援を賜りますよう切にお願い申し上げる次第です。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814816X00319900524/3
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004・青木薪次
○委員長(青木薪次君) 以上で所信の聴取は終わりました。
本件に関する質疑は後日に譲ることといたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814816X00319900524/4
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005・青木薪次
○委員長(青木薪次君) 次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案、簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案の三案を便宜一括して議題といたします。
まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。深谷郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814816X00319900524/5
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006・深谷隆司
○国務大臣(深谷隆司君) 最初に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、近年における社会経済情勢の推移及び保険需要の動向にかんがみ、簡易生命保険及び郵便年金の一元化並びに加入者に対する保障内容の充実を図るため、郵便年金制度を簡易生命保険制度に統合するとともに、保険金及び年金の保障を一体として提供する簡易生命保険の制度を創設すること等を行おうとするものであります。
次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
第一は、郵便年金制度を簡易生命保険制度に統合することであります。現在、郵便年金法に基づいて終身年金、定期年金及び夫婦年金を提供しておりますが、改正案は、現在の終身年金、定期年金及び夫婦年金と同様の内容を有する終身年金保険、定期年金保険及び夫婦年金保険を簡易生命保険法に基づいて提供することとし、加入限度額も現在の郵便年金と同様に年額七十二万円までとするものであります。
第二は、保険金及び年金の保障を一体として提供する簡易生命保険の制度の創設であります。これは、被保険者が死亡したこと等により保険金の支払いをする終身保険と被保険者の死亡に至るま
で年金の支払いをする終身年金保険を一体として提供することができる制度を設けるものであります。終身保険と定期年金保険、家族保険と夫婦年金保険につきましても、同様に一体として提供することができる制度を設けることとしております。
このほか、保険契約の変更の制度を整備すること等を内容といたしております。
なお、この法律の施行期日は、平成三年四月一日としております。
次に、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
我が国の金融・経済環境は、急速に変化しており、簡易生命保険事業及び郵便年金事業におきましても、これらの変化に適切に対応し、資金の一層の効率的運用を図ることにより、簡易生命保険及び郵便年金の加入者の利益を増進する必要があります。
この法律案は、こうした要請にかんがみ、簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金をもって取得した債券を貸し付けることができることとするものであります。
なお、この法律の施行期日は、公布の日としております。
次に、簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
近年、高齢化の進展等我が国の社会経済情勢は急速に変化しており、簡易生命保険事業及び郵便年金事業におきましても、これらの変化に適切に対応し、簡易生命保険及び郵便年金の加入者の福祉を増進する必要があります。
この法律案は、こうした要請にかんがみ、簡易生命保険及び郵便年金の加入者福祉施設の設置及び運営等の業務を行っている簡易保険郵便年金福祉事業団の適切かつ能率的な業務の遂行に資するため、同事業団の委託によりその業務の一部を行う事業に同事業団が出資することができることとするものであります。
なお、この法律の施行期日は、公布の日としております。
以上が、これら三法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814816X00319900524/6
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007・青木薪次
○委員長(青木薪次君) 以上で三案の趣旨説明は終わりました。
三案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/111814816X00319900524/7
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