1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成三年二月十二日(火曜日)
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平成三年二月十二日
正午 本会議
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○本日の会議に付した案件
国の補助金等の臨時特例等に関する法律案(内
閣提出)の趣旨説明及び質疑
午後零時十二分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112005254X01019910212/0
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001・櫻内義雄
○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。
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国の補助金等の臨時特例等に関する法律案
(内閣提出)の趣旨説明発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112005254X01019910212/1
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002・櫻内義雄
○議長(櫻内義雄君) この際、内閣提出、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。大蔵大臣橋本龍太郎君。
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112005254X01019910212/2
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003・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました国の補助金等の臨時特例等に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
本法律案は、最近における財政状況及び社会経済情勢並びに累次の臨時行政調査会及び臨時行政改革推進審議会の答申等の趣旨を踏まえ、財政資金の効率的使用を図るため、平成元年度の国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律に盛り込まれた措置のうち、平成二年度末に期限が到来するすべての暫定措置について、改めて一体的、総合的検討を行い、所要の立法措置を定めるものであります。
以下、その大要を申し上げます。
第一に、平成二年度まで暫定措置が講じられてきた事業に係る補助率等に関し、まず、公共事業に係る補助率等については、平成五年度までの暫定措置として、昭和六十一年度に適用されていた補助率等まで復元することとしております。省た、義務教育費国庫負担金に係る経費のうち共済費追加費用に要する経費等に係る補助率等については、平成五年度までの暫定措置として、引き続き昭和六十一年度に適用された補助率等を適用することとしております。
なお、今回の補助率等の特例措置の対象となる地方公共団体に対しましては、その事務事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずることとしております。
第二に、地震再保険及び自賠責再保険に係る一般会計から特別会計への事務費の繰り入れについて、平成五年度までの暫定措置として、所要の特例を定めることとしております。
以上、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
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国の補助金等の臨時特例等に関する法律案
(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112005254X01019910212/3
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004・櫻内義雄
○議長(櫻内義雄君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。細谷治通君。
〔細谷治通君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112005254X01019910212/4
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005・細谷治通
○細谷治通君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました国の補助金等の臨時特例等に関する法律案に対して、本件が国と地方のかかわりの基本を問う重要な要素を含んでいると考えますので、以下、幾つかの問題点を指摘し、政府の率直な見解を求めた、いと思います。そして、本件の円滑な成立が図られますよう本院における徹底審議と、特に政府の誠意ある対応を要望するものであります。(拍手)
まず、総理にお尋ねいたします。
現在、国民の最重要関心事は、申すまでもなく中東湾岸戦争の行方であります。国民生活はもとより、経済財政に重要な影響を及ぼす国政上の最重要問題で、連日予算委員会でも集中的に取り上げられており、この際、私としても一言この問題に触れざるを得ないのであります。第一に、追加支援九十億ドルの使途と積算根拠であり、さらに再追加があるのかないのかの問題です。
先般、我が党の土井委員長の本会議における質問、さらに予算委員会での質疑の中でも、総理は言を左右にして積算根拠を示さぬばかりか、戦争が長期化した場合、再追加支援の要請があればどうするかについても答えようとしないのであります。財政民主主義の立場に立ては、国民の承認なしには一円たりとも新たな税の徴収は許されないのであります。まして、一兆円を超える増税を新たに行おうとするのであれば、総合判断などというどんぶり勘定ではなく、その使途、積算について国民の前に具体的に明らかにしなければなりません。(拍手)
信なくば立たずとは、総理、あなたが師と仰ぐ三木元総理の座右の銘であります。アメリカの信頼も大事です。しかし、それ以上に国民の信頼こそ民主政治の根幹ではありませんか。今回の一連の湾岸危機に対する海部内閣の対応に国民の多くは深い憂慮の念を抱いているのであります。第二は、避難民移送のための自衛隊機派遣であります。
アンマンーカイロ間の輸送については、民間レベルで例えばヨルダン航空機の利用や陸海の一貫輸送等多様な手段が検討され、既に一部実施されています。ところが、政府は、初めに自衛隊ありきで、他の輸送手段の提供については、検討はおろか一切耳をかそうとしないかなくなな態度を固持しています。一度国民に拒否された自衛隊の海外派遣を、戦争という異常事態に乗じて、まさに泥縄式に、火事場泥棒的に強引に既成事実化しようとする意図は明々白々と申さなければなりません。(拍手)しかも、一片の政令で法を犯し、憲法解釈まで変更しようとすることは、法治国家の土台を突き崩すものであり、断じて許せない暴挙と言わざるを得ません。
稔言汗のごとしと言います。総理みずから法改正が筋と記者団に発言されたのではないですか。総理の言葉は重い。幾ら訂正、釈明しても、流れた汗のごとくもとには戻らないことを知るべきであります。
以上の二点について、この際、国民の前に明確に所信を表明していただきたいのであります。(拍手)
さて、本件と密接に関連する財政運営全般について、総理及び大蔵大臣の所見をお伺いしたいと思います。
近年、景気の持続による好調な税収に支えられ、財政再建の目標であった赤字公債依存体質からの脱却は平成二年度で実現し、本年度は、新たに中期財政運営の努力目標として国債依存度五%以下の目標を設定し、その初年度であります。ところが、景気のリセッションもあり、財政を取り巻く環境は税収確保面で厳しいものがあり、また、湾岸戦争の影響も加わり、一層不透明性を増していると考えられます。景気の先行きいかんでは歳入欠陥すら予想されるのではないでしょうか。この場合でも赤字公債の発行はあり得ないと断言できるのか、今後の財政運営の展望についてお答えをいただきたいと思います。
また、政府は、多国籍軍支援の九十億ドルの財源として、特例公債の発行と、その裏づけとしての増税を決定したと言いますが、もし増税に国民の理解が得られなかった場合はどうなるのか。財政再建目標は、初年度にして崩れることになるのであります。その場合の財政運営上の責任はどうとられるつもりなのか、御存念を承っておきたいと思います。
さて、本件の公共事業等の国庫補助負担率問題でありますが、そもそも国は、昭和六十年度の予算編成に際し、赤字公債依存体質脱却の財政再建目標を掲げ、その一環として、地方に対して国庫補助負担率の引き下げを、あくまで暫定措置として行うことにしたものであります。その後、数次にわたって補助負担率の引き下げを強行しつつ、暫定措置の延長を図り、今日に至ったのであります。
さて、平成二年度において、国はなお多額の累積債務を抱えているとはいえ、赤字公債発行ゼロの当初の財政再建目標を達成することができました。かかる上は、暫定措置を直ちに解消し、本則レベルまでの復元を図ることは当然のことと申さなければなりません。(拍手)ところが、今回は、現状より前進が見られるとはいうものの、昭和六十一年度レベルまでの復元にとどめ、本問題の全面解決を先送りしているのはまことに遺憾であります。関係閣僚間の覚書、関係省庁申し合わせの三年間の暫定期間の終了を待たず、可及的速やかに本則の補助負担率に復元されんことを強く求めるものであります。
補助負担率のカットによる地方の財源不足に対しては、交付税及び臨時財政特例債で補てんされているので問題はないという主張でありますが、特に特例債の発行は、将来の交付税原資の使途を制約するもので、まさにツケ回しによる地方財政の圧迫要因であり、国の一方的な地方財政への負担転嫁であることは紛れもない事実と言わなければなりません。
ところで、政府は、本年度から公共投資基本計画を策定して、向こう十カ年で四百三十兆円の公共投資を行うこととしております。その中心は、二十一世紀に向けて生活の質向上を図るため、生活関連インフラを重点整備しようとするものであります。
公共投資の現実を見ますと、生活基盤投資については、経費負担の面でも事業主体の面でも、当然のことながら地方の役割が圧倒的に高いのであります。したがって、今後、生活関連投資を拡大するに当たっては、地方の役割をさらに重視し、特に地方の単独事業の枠の拡大がそのポイントになることは間違いありません。住民に身近な行政は住民の身近なところで処理できるようにする、個性豊かな町づくり、地域づくりを推進するためにも、補助事業の地方単独事業への移行など、裏づけとなる適切な財源対策に留意しつつ、思い切った地方分権を図る必要があります。
臨調あるいは行革審は、過去数次にわたりその答申や報告で、一極集中を是正し、多極分散型社会の形成のためには、中央地方の役割分担を見直し、補助事業の廃止縮小、地方単独事業への移行等、地方の自主性強化を提言していますが、その達成はどうなっているのでありましょうか。補助金等の整理統合の実績は、若干の前進が見られるものの、抜本的な見直し努力が行われたとは到底申し上げられる状況ではないのであります。たとすれば、地方の自主性を高め、限られた財政資金の効率的使用を図る見地から、事業採択基準の引き上げ、審査、手続り簡素化、補助率の総合的見直しなどり諸施策についても早急に抜本的措置を講ずべきだと考えますが、大蔵、自治両大臣の決意のほどをお聞きしたいと存じます。(拍手)
地方財政は、近年、交付税、地方税の伸びに支えられ、マクロとしてはかなり改善がなされてきましたが、逆に自治体間の財政力格差はますます拡大し、このアンバランスは看過できない状況にまで達しているのであります。国・地方間の財源調整はもとより、自治体間での財源調整による格差是正を行うことが急務であると考えます。
法人事業税の分割基準の見直し、国庫支出金の配分調整、地方譲与税の配分見直しなど、財政収入面での調整ルールの導入が必要でありますが、同時に、財政需要額積算の根拠となっている人口基準、級地の見直し、過疎地に配慮した新たな基準の設定が必要であると考えます。団体間財源調整の仕組みについてどう考えておられるか、自治大臣にお尋ねしたいと思います。
最後に、重ねて私は、中央地方の機能を時代のニーズに即して今日的に見直し、思い切った地方への権限委譲が緊急の課題であることを訴えて、質疑を締めくくりたいと思います。
そもそも補助金行政は中央支配の構造そのものであり、補助金、負担金の配分、介入のプロセスで利権構造を生み、利益誘導政治を招く温床となっていると考えるのであります。したがって、本件の補助負担率是正の問題もさることながら、今や補助業務の廃止縮小など、より根源的見直しこそ今日の喫緊の課題であることを指摘して、私の質疑を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112005254X01019910212/5
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006・海部俊樹
○内閣総理大臣(海部俊樹君) 細谷議員にお答えをいたします。
イラクのクウエート侵略と併合は平和の破壊であると認定を受け、安保理決議六百七十八において、この平和を回復するためのやむを得ざる国際的な武力の行使であります。これに関して、決議によって適切な支援を求められております。
我が国は、御承知のように力でお役に立つことはできませんから、多国籍軍に参加はできません。できる限りの支援を行うために、この平和回復基金の一部を拠出することを決めておるのであります。
根拠と言われますが、アメリカの大統領の予算教書自体も、具体、的確な根拠はないということを言い、三百億ドルの仮置きをして決めておるというように、この湾岸における武力行使の先行きは極めて不透明なものと言わなければなりません。
そこで私は、今日我が国が置かれている国際的な立場、世界のGNPの約一五%を占め、世界貿易の一割近くとなり、黒字は平成元年度でも六百四十三億ドル、また原油輸入の七割以上を中東に依存して、もしあの地域の平和が乱されることによって、それが永続することによって、さらに十ドル上がれば日本は百大十四億ドルも多額の支出が要るという、国際的に大きな影響を持つ国になっておる我が国の立場としてふさわしい額をこの際拠出すべきであると、このような判断で支援額を決めたわけでありまして、政府としては、武力行使が一日も早く終結することを強く望んでおり、いずれにしろ、これ以上のことは現在のところ考えてはおりません。
また、避難民の移送につきましては、国連より委託を受けたIOMが決めるのですが、議員はただいまここで、他の輸送手段の提供について検討はおろか耳をかそうとしないかなくなな態度を固持して、泥縄とも火事場泥棒ともおっしゃいましたけれども、いろいろな輸送手段には耳を傾けて、具体要請の最初は、民間航空の協力を得て、日本がベトナム輸送を四機、日航と全日空の協力を得て行っておるということも事実でありますから、あわせて御理解、御承知おきをいただかなければならないと思います。
また、憲法解釈までしてと言われますが、憲法によって禁止されているのは、武力による威嚇もしくは武力の行使を目的にする武装部隊の海外への派遣でありまして、これを海外派兵と言って認めないことは、長い間の国会の議論の中で私も明確に申し上げておるところでありますが、今般の避難民の輸送は、人道的な、全く非軍事的な問題であり、また、国際機関から要請のあるもののうちで、さきにも申し上げたように、民間機が活用されないような状況において、人道的な見地から緊急輸送を要する場合に、自衛隊法第百条の五の規定に基づき、その授権の範囲内で新たに必要な政令を制定した上で行い得るようにした措置でありまして、私は、最初から一貫してこのように申し上げておることを、ここでもう一回申し上げておきたいと思います。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112005254X01019910212/6
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007・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 細谷議員にお答えを申し上げます。
平成三年度予算は、ここ数年来のような大幅な税収増がなかなか期待しがたい中、中期的財政運営の新しい努力目標の初年度の予算として、公債依存度の引き下げを図りますために、真に必要な財政需要に適切に対応しながら、歳出の徹底した節減合理化や税外収入の確保など、歳入歳出両面にわたる見直しを行うことなどによりまして、公債発行額を可能な限り縮減することとし、編成を行いました。
一方、湾岸情勢の動向については不透明なものがありまして、我が国経済への影響について一概には申せませんけれども、我が国経済が過去二回の石油危機のときと比べまして石油への依存度が大きく低下をしていること、我が国経済が現在百四十二日分の石油備蓄を有しておりますことなどを踏まえますと、今回の事態が我が国経済に与える影響は、過去の石油危機のときと比べて小さなものにとどまる条件にあると考えております。
また、今後の我が国経済については、原油価格の推移など不透明な要素はありますけれども、個人消費や設備投資が堅調に推移するものと見込まれておりますことから、引き続き内需を中心とした自律的な拡大を続けるものと見込まれております。今後、急速に進展する人口の高齢化や国際社会における我が国の責任の増大に財政が弾力的に対応してまいりますためには、後世代に多大の負担を残さず、再び特例公債を発行しないことを基本とし、公債依存度の引き下げなどにより公債残高が累増しないような財政体質を一日も早くつくり上げていくことにより、引き続き行財政改革に全力を傾けるなどの適切な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
また、今般の追加支援の財源措置につきましては、従来の特例公債は発行しないという基本的な考え方のもとに、新たに臨時的な税制上の措置を講ずることを基本とし、その税収が入りますまでの間は、つなぎのための臨時的な国債を発行することとしております。
この考え方に従い、臨時的な税制上の措置とつなぎ国債の発行のための措置を一体のものとして、一括法案で措置したいと考えておるところであります。両者を切り離すという御意見につきましては、つなぎのための臨時的な短期国債について全く償還財源の裏打ちがないまま発行することになり、そのような国債を発行することは、後世代に負担を残す従来の特例公債を再び発行することにほかなりませんので、到底とり得ないものと考えております。
また、仮にこのような事態になりますと、平成二年度予算で十五年ぶりに特例公債への依存から脱却を果たしたこれまでの財政再建努力を無にするばかりではありません。今後の財政の運営の基本方針であります、後世代に多大な負担を残さず、再び特例公債を発行しないことを基本とし、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくという基本的な考え方にも逆行するものでありまして、到底とり得ないものでございます。
また、我が国財政を考えますとき、三年度末の公債残高は百六十八兆円程度にも達する見込みでありまして、国債費が歳出予算の二割を超えて他の政策経費を圧迫するなど、依然として極めて厳しい状況が続いております。加えて、多額の建設公債に依存する現在の財政構造は、一たび景気の落ち込みなどによりまして税収減が生じた場合には、再び特例公債の発行に陥らざるを得ないという脆弱性を有しています。
今回、公共事業に係る補助率などの平成三年度以降の取り扱いにつきましては、関係省庁間において総合的に検討を加えました結果、このように依然として極めて厳しい財政状況、事業費確保の強い御要請等を踏まえながら、過去の経緯など諸事情を総合的に勘案いたしました上で、財政当局としては、厳しいものではありますけれども大十一年度に適用されました補助率などまで復元することといたしました。
公共事業などの補助率などの将来の取り扱いにつきましては、関係省庁間における検討の結果として、行革審答申などを踏まえながら、体系化、簡素化などの観点から関係省庁間で総合的な検討を進め、平成五年度末までの暫定期間内に結論を得ますように最大限努力をし、その上で経済財政事情、各公共施設の整備状況などを踏まえながら、可能なものから逐次実施に移すものとされておりまして、財政当局としても、補助率などの体系化、簡素化に向けて鋭意努力してまいりたいと考えております。
今回の補助率などの暫定措置に当たりましては、例えば投資的経費に係りますものについては、臨時財政特例債の発行を認め、従来の元利償還時にその経費を交付税の基準財政需要に算入することとしておりますが、この交付税措置に当たりましては、その所要額の一定割合を一般会計から交付税特別会計に繰り入れることといたしておりまして、将来の地方財政を圧迫する要因とはならないものと考えております。
いずれにせよ、地方財政につきましては、各年度の地方財政計画の策定に当たり、適切な歳入歳出の見積もりを行った上で必要に応じ地方財政対策を講ずることとなりますので、臨時財政特例債の発行に伴う元利償還費の増により、将来、地方財政の運営に支障が生ずるようなことはないと考えております。
最後に、補助金などは、もとより、一定の行政水準の維持、特定の施策の奨励などのための政策手段として、政策遂行の上で重要な機能を果たすものであります。しかし、他方、ややもすると地方行政の自主性を損なったり財政資金の効率的使用を阻害する要因になるなどの問題点がありまして、従来から、臨調、行革審答申などを踏まえ、不断の見直しに努めてまいりました。
平成三年度予算におきましても、引き続き補助事業につき、採択基準の引き上げ、手続の簡素化、事業の廃止縮小、零細補助金などの整理、類似補助金などの統合メニュー化などの整理合理化を推進し、補助金等の総額を厳しく抑制しておるところでありまして、今の御指摘をも踏まえながら、今後とも補助金などの一層の整理合理化の推進に努めてまいりたいと考えております。(拍手)
〔国務大臣吹田愰君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112005254X01019910212/7
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008・吹田愰
○国務大臣(吹田愰君) お答えをいたします。
地方団体間の財源調整についてのお尋ねであります。
地方団体の財源調整につきましては、従来から地方交付税制度を通じまして財政力の格差の均てん化に努めてきたところでありますが、これまでも人口急減補正、過疎債の元利償還金あるいは地域づくり推進事業費の算入など、財政力の弱い地方団体に対しまして地方交付税を傾斜配分しているところであります。今後とも、地方交付税制度を基本として財源調整を進め、財政力の弱い地方団体の財政運営に支障を生じないように適切に対処してまいる所存であります。
二つ目には、地方税及び地方譲与税については、地方税源の地域的偏在の是正に資するため、今後財源帰属の適正化などの観点から、法人事業税の分割基準や地方譲与税の配分基準の見直しなどを検討していくことにしておりますが、このことは、結果として財政力格差の是正にも資するものと考えております。
次に、さらに国庫支出金については、いわゆる地域財政特例制度等により、財政力に応じた配分調整が行われておりますが、今後ともこれらの制度を活用するとともに、国庫支出金の重点配分等により国土の均衡ある発展が図られる必要があると考えております。
最後になりましたが、特に地方の時代につきましては、名実ともにこれが促進できますように、これからも大いに頑張っていくつもりであります。
以上であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112005254X01019910212/8
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009・櫻内義雄
○議長(櫻内義雄君) これにて質疑は終了いたしました。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112005254X01019910212/9
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010・櫻内義雄
○議長(櫻内義雄君) 本日は、これにて散会いたします。
午後零時四十二分散会
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112005254X01019910212/10
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