1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
平成三年十二月四日(水曜日)
午後三時十五分開会
—————————————
委員の異動
十一月七日
辞任 補欠選任
青木 幹雄君 上杉 光弘君
山本 富雄君 下条進一郎君
十一月十三日
辞任 補欠選任
秋山 肇君 合馬 敬君
十一月二十二日
辞任 補欠選任
千葉 景子君 渕上 貞雄君
十一月二十七日
辞任 補欠選任
平野 清君 西田 吉宏君
堂本 暁子君 穐山 篤君
野田 哲君 瀬谷 英行君
十二月三日
辞任 補欠選任
中西 珠子君 広中和歌子君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 後藤 正夫君
理 事
上杉 光弘君
岡野 裕君
下条進一郎君
田村 秀昭君
佐藤 三吾君
谷畑 孝君
矢田部 理君
木庭健太郎君
吉川 春子君
井上 哲夫君
田渕 哲也君
委 員
板垣 正君
尾辻 秀久君
大島 慶久君
合馬 敬君
鹿熊 安正君
木宮 和彦君
関根 則之君
仲川 幸男君
永野 茂門君
成瀬 守重君
西田 吉宏君
野村 五男君
藤井 孝男君
星野 朋市君
真島 一男君
森山 眞弓君
穐山 篤君
翫 正敏君
小川 仁一君
喜岡 淳君
久保田真苗君
竹村 泰子君
田 英夫君
渕上 貞雄君
細谷 昭雄君
太田 淳夫君
中川 嘉美君
広中和歌子君
立木 洋君
磯村 修君
猪木 寛至君
喜屋武眞榮君
委員以外の議員
発 議 者 野田 哲君
発 議 者 篠崎 年子君
発 議 者 堂本 暁子君
発 議 者 角田 義一君
発 議 者 村田 誠醇君
衆議院議員
国際平和協力等
に関する特別委 船田 元君
員長代理
修正案提出者 山田 英介君
国務大臣
外 務 大 臣 渡辺美智雄君
国 務 大 臣 加藤 紘一君
(内閣官房長官)
政府委員
防衛庁長官官房 村田 直昭君
長
外務省経済協力 川上 隆朗君
局長
外務省条約局長 柳井 俊二君
外務省国際連合 丹波 實君
局長
事務局側
常任委員会専門 辻 啓明君
員
—————————————
本日の会議に付した案件
○国際連合平和維持活動等に対する協力に関する
法律案(第百二十一回国会内閣提出、第百二十
二回国会衆議院送付)
○国際緊急援助隊の派遣に関する法律の一部を改
正する法律案(第百二十一回国会内閣提出、第
百二十二回国会衆議院送付)
○国際平和協力活動等に関する法律案(野田哲君
外四名発議)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214306X00219911204/0
-
001・後藤正夫
○委員長(後藤正夫君) ただいまから国際平和協力等に関する特別委員会を開会いたします。
国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案、国際緊急援助隊の派遣に関する法律の一部を改正する法律案及び国際平和協力活動等に関する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。
まず、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。加藤内閣官房長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214306X00219911204/1
-
002・加藤紘一
○国務大臣(加藤紘一君) ただいま議題となりました国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
世界が大きな変革期を迎え、二十一世紀に向け平和と安全の新しい秩序が模索される中、国際秩序の強化やパートナーシップの構築が求められ、また国際連合の機能と権威を高めることにより平和を確保することが従来になく強く求められております。先般のロンドン・サミットにおいても、新しい国際秩序を構築していくに当たっては、国際連合を中核とする多数国間の努力を重視するという姿勢が明らかにされました。これは、冷戦構造克服後の世界に健全な方向性を与えようとするものであり、従来から国連中心主義を提唱してきた我が国の立場にも沿うものであります。
特に、国際連合平和維持活動は、世界各地の紛争の平和的解決を助けるため、中立・非強制の立場で国際連合の権威と説得により任務を遂行するものであって、一九四八年以来世界の多くの国の参加を得て、国際の平和と安全の維持のため多大の貢献をしているものであります。また、人道的活動に従事する国連機関及びその他の国際機関は、人道的任務を達成するため、世界各地において重要な活動を行っているところであります。
我が国憲法は、国際協調のもとに恒久の平和を希求していますが、かかる平和主義の理念を具現化するためにも、人道的な国際協力を一層進めるとともに、世界平和を守る秩序づくりの国際共同作業には我が国としても積極的に参加し、なし得る役割を担っていくことが必要であります。
このような役割を果たすため、我が国としては、これまでも国際連合平和維持活動及び人道的な国際救援活動に対し資金面で重要な協力を行うとともに、選挙監視団への要員の派遣など人的側面での協力も実施してまいりましたが、今後、人的な面での協力を一層適切かつ迅速に行うことができるよう、国内体制を整備する必要があります。
今回提案の法律案は、このような認識に基づき作成されたものであり、国際連合平和維持活動及び国際連合が行う決議または人道的活動に従事する国際機関からの要請を受けて行われる人道的な国際救援活動に適切かつ迅速に協力することができるように国内体制を整備することによって、我が国が国際連合を中心とした国際平和のための努力に積極的に寄与することを目的としております。
具体的には、総理府に内閣総理大臣を本部長とする国際平和協力本部を設置し、同本部に関係行政機関から派遣された職員等によって構成される国際平和協力隊を置くことを定め、また、国際平和協力業務に係る実施計画及び実施要領の策定手続等について定めることにより、国際平和協力業務の実施体制を整備するとともに、これらの活動に対する物資面での支援を行うための措置等を講ずることを定めております。また、国際平和協力業務の実施、物資協力、これらについての国以外の者の協力等を適切に組み合わせることにより、国際連合平和維持活動及び人道的な国際救援活動に効果的に協力するものとしております。なお、国際平和協力業務に従事する者の総数は、二千人を超えないことにしております。
さらに、国際平和協力隊員に必要な研修を受けさせることを定めるとともに、派遣先国の勤務環境及び国際平和協力業務の特質にかんがみ、国際平和協力業務に従事する者に対し国際平和協力手当を支給できることを定めております。また、国際平和協力業務の実施に際しては、平和国家たる我が国の憲法を踏まえ、武力による威嚇または武力の行使に当たる行為を行ってはならないことを明記しております。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214306X00219911204/2
-
003・後藤正夫
○委員長(後藤正夫君) 次に、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案の衆議院における修正部分について、衆議院国際平和協力等に関する特別委員長代理理事船田元君から説明を聴取いたします。船田元君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214306X00219911204/3
-
004・船田元
○衆議院議員(船田元君) ただいま議題となりました国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律案に対する衆議院における修正につきまして、その内容の概要を御説明申し上げます。
修正の第一は、自衛隊の部隊等が行う国連平和維持隊に係る一定の業務については、実施計画が決定された日から二年を経過する日を超えて引き続きこれを行おうとするときは、内閣総理大臣は、当該日の三十日前の日から当該日までの間に、当該業務を引き続き行うことにつき、国会に付議して承認を求めなければならないこととしております。
ただし、国会の閉会中または衆議院が解散されている場合には、その後最初に召集される国会において承認を求めなければならないこととしております。
修正の第二は、政府は、国会で不承認の議決があったときは、遅滞なく当該業務を終了させなければならないことといたしております。
修正の第三は、国会の承認を得て当該業務を継続した後、さらに二年を超えて当該業務を引き続き行おうとする場合についても、第一及び第二の規定を準用することといたしております。
以上が修正の内容の概要であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214306X00219911204/4
-
005・後藤正夫
○委員長(後藤正夫君) 次に、国際緊急援助隊の派遣に関する法律の一部を改正する法律案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺外務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214306X00219911204/5
-
006・渡辺美智雄
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました国際緊急援助隊の派遣に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
昭和六十二年九月の国際緊急援助隊の派遣に関する法律の施行以来、我が国は、海外の地域、特に開発途上にある地域におきまして大規模な災害が発生した場合には国際緊急援助隊を派遣し、国際緊急援助活動を実施してまいりましたが、これまでの活動を通じて、災害の規模によってはさらに大規模な国際緊急援助隊を派遣する必要があること、被災地において自己完結的に活動を行い得る体制を充実すべきこと及び輸送手段の改善を図るべきこと等の課題が明らかになってきているところであります。
今回提案の法律案は、自衛隊の国際緊急援助隊への参加を可能ならしめ、もって自衛隊の保有する能力を国際緊急援助活動に活用するとともに、自衛隊及び海上保安庁による国際緊急援助隊または国際緊急援助活動に必要な機材等の輸送を可能ならしめることによって、我が国がその国力にふさわしい国際的責務を果たし得るよう国際緊急援助体制の一層の充実を図ることを目的とするものであります。
以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214306X00219911204/6
-
007・後藤正夫
○委員長(後藤正夫君) 次に、国際平和協力活動等に関する法律案について、発議者野田哲君から趣旨説明を聴取いたします。野田哲君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214306X00219911204/7
-
008・野田哲
○委員以外の議員(野田哲君) 提出者を代表し、国際平和協力活動等に関する法律案について、提案の趣旨及びその内容について説明いたします。
今や国際情勢は、冷戦構造が終結し、対話と協調を基調とする時代に入り、東西陣営は言うに及ばず世界は平和の中で共存していく新しい国際秩序が構築されつつあります。
そのために克服すべき課題は多々ありますが、大別すれば、第一に、平和の創造と軍縮の実現に向けて、核の廃絶を含め世界の国々はどのように努力していくかということであり、第二は、地球人口の三分の二は経済発展途上国だと言われている中で、どのようにして南北間の格差を是正し、飢餓や貧困からの救済や難民や被災民、そして自然災害から人々を救済するかであります。そして第三は、年々広がりゆく砂漠化、熱帯雨林の消滅、大気汚染やオゾン層の破壊など、地球的規模の環境破壊にどのように対応するかという人類共通の課題に対し、世界はいかに対処していくかということであります。
こうした状況のもとで、世界のGNPの一五%をも占める我が国は、どのようにして国際的な責任を果たしていくかは、ひとり我が国の将来だけでなく世界の平和と安定にとっても極めて重要な課題であります。
よって我々は、平和憲法の範囲内で行い得る国際貢献のあり方について国民の合意を形成し、今日の時代の要請に的確にこたえるべきとの考えに立ち、今世界が必要としているあらゆる分野に対し、非軍事・民生・文民による専門の機関を設置し、最大限の貢献をすべきであるとの主張を貫いてまいったのであります。
その具体的な行動として、一つには、国連を中心とした平和のための努力として、国連の改組、改革を含め、国連を中心に国際紛争の未然防止のため国連管理の査察衛星の保持や武器輸出の禁止、アジア・太平洋平和保障体制の確立、核の全廃に向けた積極行動など平和の創造に向けた努力と、国連の平和維持活動に対する非軍事的な分野での協力であります。
第二には、発展途上国等の自立と、それらの国々の民生の安定、自然災害に対する救援など人道的な貢献、政府開発援助体制の見直しとその体制の確立、国際災害緊急援助体制の確立についてであります。
第三には、地球環境保全に向けての諸行動を起こすことであります。
ここに提案する国際平和協力活動等に関する法律案もそのような立場に立って、非軍事・民生・文民を基調として積極的に協力していこうとするものであります。
その内容の第一は、国際平和協力活動の基本原則と協力活動の範囲について非軍事・民生・文民の立場を明確にし、自衛隊の海外派遣や武力の行使、武器の携帯を明確に否定しているものであります。
第二には、自衛隊とは別個の組織として国連平和維持活動及び人道的救援活動を行うための組織として国際平和協力機構を創設し、国連等からの要請にこたえようとするものであります。
第三には、国際平和維持活動及び人道的な国際救援活動を行うために国際平和協力隊を派遣しようとするものであります。
第四は、平和協力に当たっては、関係国の同意、関係国への内政不干渉、紛争の処理に当たっての中立性の堅持を原則とすること。
第五は、平和協力活動の実施計画を策定し、派遣を命ずるに当たっては国会の承認を求めることとしたことであります。
第六は、外務大臣は、関係行政機関、地方公共団体、国家公安委員会に対し、必要な職員に国際平和維持活動に従事することを要請できることにしたことであります。
第七は、国際平和維持活動や人道的救援活動に物資等の協力を行うことができることとなっています。
第八は、国際平和維持活動または物資の協力を行ったときは、その内容を国会に報告することとなっています。
第九は、国際平和協力機構の設立については別に定めることとしています。
以上が私どもが提出した法律案の趣旨及び概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214306X00219911204/8
-
009・後藤正夫
○委員長(後藤正夫君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
三案に対する質疑は後日に譲ります。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時三十一分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214306X00219911204/9
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。