1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成三年十一月二十六日(火曜日)
午後零時三十一分開会
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委員氏名
委員長 岩本 政光君
理 事 前田 勲男君
理 事 松尾 官平君
理 事 福間 知之君
理 事 井上 計君
秋山 肇君
井上 裕君
合馬 敬君
倉田 寛之君
斎藤 文夫君
山口 光一君
穐山 篤君
梶原 敬義君
角田 義一君
吉田 達男君
広中和歌子君
三木 忠雄君
市川 正一君
古川太三郎君
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委員の異動
十一月十二日
辞任 補欠選任
前田 勲男君 鹿熊 安正君
十一月十三日
辞任 補欠選任
井上 裕君 中曽根弘文君
鹿熊 安正君 前田 勲男君
十一月二十五日
辞任 補欠選任
古川太三郎君 山田耕三郎君
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出席者は左のとおり。
委員長 岩本 政光君
理 事
中曽根弘文君
松尾 官平君
福間 知之君
井上 計君
委 員
秋山 肇君
合馬 敬君
倉田 寛之君
斎藤 文夫君
前田 勲男君
山口 光一君
穐山 篤君
梶原 敬義君
吉田 達男君
広中和歌子君
三木 忠雄君
市川 正一君
山田耕三郎君
国務大臣
通商産業大臣 渡部 恒三君
国 務 大 臣
(経済企画庁長 野田 毅君
官)
政府委員
経済企画政務次 田中 秀征君
官
経済企画庁長官 藤井 威君
官房長
通商産業政務次 古賀 正浩君
官
通商産業政務次 沓掛 哲男君
官
通商産業大臣官 内藤 正久君
房長
通商産業大臣官 渡辺 修君
房総務審議官
通商産業大臣官 中田 哲雄君
房審議官
通商産業省立地 鈴木 英夫君
公害局長
事務局側
常任委員会専門 小野 博行君
員
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○高圧ガス取締法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
(派遣委員の報告)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/0
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001・岩本政光
○委員長(岩本政光君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る十三日、井上裕君が、また昨二十五日、古川太三郎君がそれぞれ委員を辞任され、その補欠として中曽根弘父君及び山田耕三郎君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/1
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002・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/2
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003・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に中曽根弘文君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/3
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004・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
本委員会は、今期国会におきましても、産業貿易及び経済計画等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/4
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005・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/5
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006・岩本政光
○委員長(岩本政光君) この際、通商産業大臣、経済企画庁長官、通商産業政務次官、経済企画政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。渡部通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/6
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007・渡部恒三
○国務大臣(渡部恒三君) このたび通商産業大臣を拝命いたしました渡部恒三であります。
今回、国会冒頭にもかかわりませず、大韓民国で開催された第三回アジア太平洋経済協力閣僚会議に出席させていただき大変ありがとうございました。本会議は、中国、香港及び台湾の三者が正式に参加したほか、アジア太平洋経済協力に関する宣言採択等があり、大変意義のある会議でありました。
世界情勢を見ますと、東西冷戦構造の終結に伴い、新たな世界経済秩序の形成が模索されており、戦後形成された政治経済秩序のもとで著しい発展を遂げてきた我が国としては、今こそ世界経済の秩序ある発展に積極的かつ主体的な役割を果たさなければなりません。
一方、国内に目を向けますと、我が国経済は、昭和六十一年十二月以来、内需を中心として景気の拡大を続け、最近では景気拡大のテンポは緩やかに減速してきております。こうした状況のもとで公定歩合の引き下げが行われましたが、内需を中心とした景気の持続的拡大を図るためには、引き続き適切かつ機動的な経済運営を行っていく必要があります。
通商産業行政は、通商、産業、エネルギー、地域経済、技術、そして中小企業など、幅広い分野にわたっており、このような情勢の折、いずれも我が国の将来にとってゆるがせにできないものばかりで、責任の重大さを痛感いたしております。
私といたしましては、全力を挙げて任務の遂行にあたる所存であります。今後とも、委員各位の御意見を十分拝聴いたしまして、通商産業行政の推進に努めてまいりますので、何とぞ御指導、御協力のほどをお願いいたします。
所信の一端を申し述べ、私のごあいさつとさせていただきます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/7
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008・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 野田経済企画庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/8
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009・野田毅
○国務大臣(野田毅君) このたび経済企画庁長官を拝命いたしました野田毅でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
世界経済の現状を見ますると、景気後退にあった一部の国で回復過程に入るなど全体として減速から脱しつつあります。また、主要国間の対外不均衡には総じて改善が見られますが、発展途上国の累積債務問題など解決すべき課題も残されております。
我が国経済の現状を見ますと、現在拡大テンポが緩やかに減速しつつあります。これは、我が国経済がインフレなき持続可能な成長経路に移行する過程にあることを示しております。今後については、雇用者数の堅調な伸び、最近の市場金利の低下、公共投資の増大に支えられ、個人消費は着実に増加し、設備投資も総じて底がたく推移すると見込まれます。しかしながら、景気の減速が企業家や消費者の心理に及ぼす影響については十分注意していく必要があり、きめ細かい対応が必要と考えております。
先般、日本銀行は、こうした点を踏まえ、公定歩合を〇・五%引き下げたところであります。
政府としては、内需を中心としたインフレなき景気の拡大をできる限り持続させていくことが重要と考えております。このため、今後とも、主要国との政策協調にも配慮しつつ、物価の安定を基礎とし、適切かつ機動的な経済運営に努めてまいりたいと考えております。
次に、対外経済面につきましては、引き続き保護貿易主義の抑止と自由貿易体制の維持強化に向け率先して努力するとともに、世界経済活性化に対し積極的な貢献を行っていく考えであります。
国民生活の面につきましては、地価の適正化、内外価格差の縮小、労働時間の短縮等国民生活に関連する分野を重視し、消費者の視点に立った経済構造調整を積極的に進めていくとともに、消費者の保護、支援に積極的に取り組んでいく所存であります。
また、二十一世紀に備えた基礎固めとして、公共投資基本計画による着実な社会資本整備の充実、人口の急速な高齢化、環境・資源エネルギー制約への対応等の中長期的課題にも的確に対処していく所存であります。
今日の世界情勢には予断を許さないものがありますが、私は、経済運営に誤りなきを期し、国際社会の持続的な発展のために価値ある貢献を行うとともに、活力と潤いに満ちた生活大国の形成を目指して最大限の努力を行ってまいる所存であります。
本委員会の皆様の御支援と御協力を切にお願い申し上げる次第であります。
ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/9
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010・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 経済企画庁長官は退席していただいて結構でございます。
古賀通商産業政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/10
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011・古賀正浩
○政府委員(古賀正浩君) このたび通商産業政務次官を拝命いたしました古賀正浩でございます。
渡部大臣のもと、沓掛政務次官と力を合わせ、通産行政の推進に微力を尽くしてまいります。
委員長を初め委員の皆様方、よろしく御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。
よろしくお願いします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/11
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012・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 沓掛通商産業政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/12
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013・沓掛哲男
○政府委員(沓掛哲男君) このたび通商産業政務次官を拝命いたしました参議院議員の沓掛哲男であります。
微力ではありますが、古賀政務次官ともども渡部大臣を補佐し、通商産業行政の進展のために全力を挙げて邁進する決意でございますので、委員長初め委員各位の御指導、御支援を心からお願いいたします。
よろしくお願いします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/13
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014・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 田中経済企画政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/14
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015・田中秀征
○政府委員(田中秀征君) 経済企画政務次官に就任いたしました田中秀征でございます。
野田長官を補佐いたしまして精いっぱい努めてまいる所存でございます。本委員会の先生方からの御指導、御支援を賜りますようにお願い申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/15
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016・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 次に、高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡部通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/16
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017・渡部恒三
○国務大臣(渡部恒三君) 高圧ガス取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
現行の高圧ガス取締法は、昭和二十六年に高圧ガスの保安に関する基本的な法律として制定され、その後、高圧ガスの大量消費の増加、高圧ガス製造事業所の大規模化、複雑化等に対処するため数次にわたる改正が加えられてきております。
しかしながら、近年、高圧ガス保安行政を取り巻く諸情勢は大きく変化してきており、特に先般の大阪大学における爆発事故にも見られるとおり、圧縮モノシラン等の特に危険な性質を有する高圧ガスの消費が拡大していること等を踏まえ、高圧ガスの消費についての保安対策を強化することが急務となっております。
また、近年下げどまりの傾向にある高圧ガス関連事業所における事故の発生をより確実に防止していくため、事業者自身が行う保安活動の徹底を図っていくことが必要となっております。
さらに、高圧ガスの保安に関する技術の向上等に対応し、規制の合理化を行う必要がございます。
以上のような要請に対応するため、今般本法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
まず第一に、圧縮モノシラン等の特殊高圧ガスを、その特に危険な性質にかんがみ、特定高圧ガスの種類に追加することとし、これにより、特殊高圧ガスの消費について届け出をさせるとともに、特定高圧ガス取扱主任者の配置義務、従業者への保安教育の実施義務等を課することとしております。
また、液化石油ガス以外にも一般消費者が高圧ガスを消費する機会が増大していること及び高圧かス消費事業所におけみ事故が毎年多数発生していることにかんがみ、販売業者等にその販売先の消費者に災害の発生の防止上必要な事項を周知させる義務を課することとしております。
第二に、事業者自身が行う保安活動の徹底を図るため、事業者がみずから定めた危害予防規程を遵守していない場合、あるいは従業者に対する保安教育を怠っている場合に、都道府県知事が危害予防規程の遵守を命令または勧告し、あるいは保安教育の実施、改善を勧告することができることとしております。
また、高圧ガス取締法に基づき設立されている高圧ガス保安協会の業務について、技術的な事項に限定せず、広く高圧ガスの保安に関する調査、研究及び指導並びに情報の収集、提供を行うこととしております。
第三に、高圧ガスの輸入について、現行の輸入前の許可、輸入後の検査という二重の厳しい規制を課しておかなくても保安は確保されることから、許可制を廃止し届け出制とするとともに、一定の場合には、届け出、検査とも不要とすることとしております。
第四に、高圧ガスの保安に係石技術の向上により現行の規制を課することが過重かつ不要となっている一定の設備について、通商産業大臣等が行う認定を受けた場合に、許可等の規制から届け出等の規制に変更をすることとしております。
第五に、高圧ガスを充てんするための容器について、容器証明書制度を廃止し、保安上必要な事項を容器に直接表示する制度を一律的に適用することとしております。
このほか、高圧ガス製造事業所について都道府県知事が行う保安検査について、高圧ガス保安協会に加えて民間検査機関も行えることといたしております。
以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/17
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018・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 以上で趣旨説明の聴取は終了いたしました。
本案に対する質疑は後日行うことといたします。
ここで通商産業大臣は退席いただいて結構でございます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/18
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019・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、本委員会が先般行いました委員派遣について、派遣委員の報告を聴取いたします。松尾官平君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/19
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020・松尾官平
○松尾官平君 青森県及び北海道に活ける産業活動等の実情に関する調査のため、去る十月十六日から十八日までの三日間にわたって行われた委員派遣について御報告申し上げます。
派遣委員は、岩本委員長、前田理事、福間理事、井上理事、三木委員、市川委員、古川委員と私、松尾の八名で、十月十六日に東北通商産業局より概況説明を聴取した後、青森市の津軽塗製造のむらた工芸を視察し、次いで青森県観光物産館アスパムにおいて青森県より概況説明を聴取した後、青森県商工団体と懇談を行いました。翌十七日には、むつ小川原開発地域のむつ小川原石油備蓄、日本原燃産業をそれぞれ視察いたしました。次いで、青函トンネルを通って北海道に入り、北海道通商産業局、北海道及び函館市よりそれぞれ概況説明を聴取した後、函館市の五稜郭商店街を視察いたしました。さらに十八日には、テクノポリス函館の北海道立工業技術センター、日本化学飼料をそれぞれ視察した後、函館商工会議所と懇談を行い、最後に函館エヌ・デー・ケーを視察いたしました。
以下、ただいま申し上げました日程の順序に従って、視察先の概要について申し上げます。
まず、東北通商産業局管内の概況について、東北地方の全国に占める割合は、面積こそ全国の約一八%を占めるものの、人口は七・九%、製造品出荷額は四・九%にすぎず、また第一次産業の割合が全国九・三%に対し二〇・三%と高くなっている。
工場立地動向は、高水準で推移しており、平成二年の立地件数は六百二十八件、全国比一六・六%で、中でも技術先端型業種の全国シェアは、昭和六十二年以降全国で最高であり、平成二年には八十四件、全国比二九・二%となっている。
また、東北通商産業局の当面の重点施策のうち、北海道、東北地方における第二国土軸形成への意欲が強まっている中、地域活性化施策としては、テクノポリス構想の推進、新東北地域産業ビジョンの推進、東北インテリジェント・コスモス構想に対する支援、中小企業施策としては、中小商業の活性化、中小企業大学校仙台校の運営支援等総合的な施策の推進、資源・エネルギー開発の推進策としては、核燃料サイクル施設の立地推進、電源立地の推進、国家石油備蓄基地建設の推進、地下資源開発の促進、また流通施策としては、大規模小売店舗法の運用適正化、同改正法の円滑な実施を推進するとともに、特定商業集積の整備等各種施策を積極的に進めているとの説明がありました。
むらだ工芸は、十七世紀に津軽藩が振興した古い歴史を持ち、国から伝統的工芸品の指定を受けている津軽塗の製品製造・販売と民芸品・陶磁器の販売を行っており、原料の漆の九五%以上が中国産であり、津軽塗の工程は非常に時間と手間がかかるため量産化が難しく、大都市圏への販路の拡大等が今後の課題であるとのことであります。
次に、青森県から、九月二十八日の台風第十九号の被害について、人的被害があったのを初め被害総額が十月九日現在で一千八十九億円に上っているとの説明があり、局地激甚災害地域の早期指定等被災中小企業者に対する緊急対策についての要望がありました。
同県の経済概況については、昭和六十年に農業にかわり卸売・小売業が初めて産業別就業人口のトップとなり、このような状況の中で、小規模零細商店が多く、商店数及び年間商品販売額が減少傾向にあることを踏まえ、青森県商業振興指針を策定中であるほか、単独の大型店進出対策資金の制度融資を創設するなどの対策を講じている。
また、県としては、むつ小川原開発計画、青森地域テクノポリス開発計画、八戸地域集積促進計画を初めとする多くのプロジェクトを推進中である。その中で、むつ小川原開発については、現在多角的な企業立地を促進するため基盤整備を推進しているとの説明がありました。
青森県の商工団体との懇談におきまして要望事項が寄せられましたが、その骨子を申し上げますと、青森県商工会議所連合会から、中小小売商業に対する振興対策の推進、青森県中小企業団体中央会から、中小企業対策予算の大幅増額、商工中金の拡充、青森県商工会連合会から、商工会の指導環境の整備拡充、青森県経営者協会から、労働力確保についてであります。
次に、むつ小川原石油備蓄は、国家石油備蓄事業の第一号会社として、昭和五十四年に設立されて以来基地の建設を進め、現在五十一基のタンクで石油公団から寄託を受けた約四百二十五万キロリットルの石油を保管しており、タンクを二重構造の浮き屋根にして積雪対策をしているほか、安全防災体制の整備には万全を期しているとの説明がありました。
日本原燃産業は、むつ小川原工業基地に建設中の原子燃料サイクル三施設のうち、操業開始予定を来年に控えている低レベル放射性廃棄物貯蔵センターとウラン濃縮施設の事業主体であります。低レベル放射性廃棄物貯蔵センターは、低レベル放射性廃棄物をセメント固化などの処理を行った後、鉄筋コンクリート性ピットに埋設しようとするもので、現在施設の建設中で、またウラン濃縮施設は、原子力発電所の燃料とするために、遠心分離法により天然ウランに〇・七%含まれるウラン猫を約三%にまで濃縮しようとするものであり、現在ならし運転を行っております。IAEAの査察を受けるほか、安全対策には万全を期するとの説明がありました。
次に、北海道通産局管内の概況でありますが、北海道の全国に占める割合は、面積こそ全国の約二二%であるものの、人口は四・六%、生産額は四・一%にすぎず、また第一次産業及び第三次産業の割合が高く、第二次産業、中でも加工組み立て型工業に代表される製造業の比率が極めて低い。また、道内における札幌一極集中の傾向がある。
管内経済動向については、一部に景気減速の側面はあるが、活発な企業進出等に下支えられ、経済活動は引き続き穏やかに拡大している。
主要プロジェクトとしては、エアロポリス構想の推進、素形材タウン構想の推進、テクノポリス及び頭脳立地構想の推進等を行い、第二次産業の振興等を図っている。
中小商業対策としては、七つの特定地域の振興対策の推進、コミュニティーマート構想の推進、大店法の審査基準の見直し等を行っている。
エネルギー関係では、第八次石炭政策の期間中に四炭鉱が閉山し、また本年六月の石炭鉱業審議会の答申で九〇年代が構造調整の最終段階と位置づけられたことから、人口では全道の一五・六%を占める産炭地域対策に万全を期するとのことであります。
次に、北海道当局から、経済活性化のかぎである工業については、工場立地件数が平成元年から今年上半期まで都道府県別で一位となっており、道としては地場工業の育成の推進のほか、函館、道夫両テクノポリスと室蘭地域との連携を図るなど産業拠点の形成、企業誘致に努めている。商業については、小売商業振興指針を策定し、商店街コミュニティー施設整備事業を推進している。貿易・経済交流については、ロシア共和国を初めとする海外自治体との交流を推進している。経済活性化のもう一つの柱である観光についても、北海道観光宣言の趣旨を踏まえた取り組みを推進しているとの説明がありました。
また、函館市当局から市の概況について、同市は、人口では札幌市、旭川市に次ぐ北海道第三の都市であり、隣接する三町とともに、昭和五十九年に地域指定を受けたテクノポリス函館の推進と夜景を初めとする豊富な観光資源を生かした国際観光都市函館の振興に努めているとの説明がありました。
五稜郭商店街は、函館市の三大商店街の一つであり、昭和六十年にコミュニティーマート構想のモデル事業の指定を受け、第一種大型店を含む百六十四店舗から成る五稜郭商店街振興組合が中心となって商店街の近代化に取り組んでおり、その中で、街路整備事業がことしで終了する予定で、近年の地価高騰等に対応するためマート構想の見直しを検討中であるとのことであります。なお、組合関係者から超大型店の出店に際しては、商調協で隣接地域の意見をもっと取り上げるようにしてほしいとの要望がありました。
次に、北海道立工業技術センターは、北海道が建設し、財団法人テクノポリス函館技術振興協会が運営するというテクノポリスでは全国で唯一のいわゆる公設民営方式をとっており、地域企業のニーズに根差した研究開発等によって既に多くの実績を上げ、テクノポリス函館の中核的推進母体としての役割を果たすと同時に、他地域への技術ノーハウ等の波及にも努めているとのことであります。
次に、日本化学飼料は、イカの内臓の処理を目的とした会社を前身として昭和三十年に設立されて以降、水産資源の有効利用等を推進してきた会社であり、イワシ、イカ等を原料として飼料、油脂を製造しているほか、ファインケミカル、バイオケミカルの分野にも進出し、その製品は函館港から直接輸出され、函館有数の企業となっております。今後は、より一層未利用資源の有効利用を推進するとともに、公害防止にも貢献していきたいとのことであります。
次に、函館商工会議所との懇談におきまして要望事項が寄せられましたが、その骨子を申し上げますと、特定地域振興対策の推進、大型店等の対策、青函インターブロック交流圏構想の推進、観光振興対策の推進、北海道新幹線の早期着工、北海道縦貫自動車道等の建設促進についてであります。
函館エヌ・デー・ケーは、テクノポリス函館の新規先端技術企業の受け皿である函館臨空工業団地最初の工場として平成元年に設立され、移動体通信等の製品向けに今後一層の需要増大が予測される高精度水晶製品を生産しており、従業員六百二人、本年の出荷目標額八十六億円にまで急成長しております。今後は、函館立地による有利な諸条件を生かし、研究開発も行う森の中の工場として一層地域社会に貢献していきたいとのことであります。
視察先の概要は以上でありますが、今回の現地調査を通じての派遣委員の全体的な印象として、地域経済の活性化、ひいては東京圏一極集中の是正と国土の均衡ある発展のために北海道、東北両地域のさらなる発展が求められている中で、工場立地も順調に推移しており、両地域の一層の努力が期待される、また今回、青函トンネルで結ばれた青森、函館を続けて視察したことで、この地域における青函新時代の幕あけを実感したとの感想が述べられたことを紹介しておきます。
今回の現地調査に際し御協力をいただきました通商産業省東北通商産業局及び北海道通商産業局、青森県、北海道及び函館市並びに企業等の関係者の皆様に厚く御礼申し上げまして、報告を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112214461X00119911126/20
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021・岩本政光
○委員長(岩本政光君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時二分散会
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