1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成五年二月十八日(木曜日)
午後零時四十分開会
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委員氏名
委員長 斎藤 文夫君
理 事 松尾 官平君
理 事 吉田 達男君
理 事 井上 計君
尾辻 秀久君
倉田 寛之君
下条進一郎君
前田 勲男君
松谷蒼一郎君
吉村剛太郎君
谷畑 孝君
峰崎 直樹君
村田 誠醇君
藁科 滿治君
浜四津敏子君
和田 教美君
市川 正一君
古川太三郎君
小池百合子君
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委員の異動
一月二十二日
辞任 補欠選任
尾辻 秀久君 沓掛 哲男君
二月十八日
辞任 補欠選任
藁科 滿治君 上山 和人君
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出席者は左のとおり。
委員長 斎藤 文夫君
理 事
沓掛 哲男君
松尾 官平君
吉田 達男君
井上 計君
委 員
倉田 寛之君
下条進一郎君
前田 勲男君
松谷蒼一郎君
吉村剛太郎君
上山 和人君
谷畑 孝君
峰崎 直樹君
村田 誠醇君
浜四津敏子君
和田 教美君
市川 正一君
古川太三郎君
国務大臣
通商産業大臣 森 喜朗君
国務大臣
(経済企画庁長
官) 船田 元君
政府委員
公正取引委員会
委員長 小粥 正巳君
公正取引委員会
事務局経済部長 矢部丈太郎君
公正取引委員会
事務局取引部長 植松 勲君
公正取引委員会
事務局審査部長 糸田 省吾君
経済企画政務次
官 二田 孝治君
経済企画庁長官
官房長 小村 武君
経済企画庁長官
官房会計課長 金子 孝文君
経済企画庁調整
局長 長瀬 要石君
通商産業政務次
官 逢沢 一郎君
通商産業政務次
官 鹿熊 安正君
通商産業大臣官
房長 内藤 正久君
通商産業大臣官
房総務審議官 江崎 格君
通商産業省貿易
局長 渡辺 修君
通商産業省産業
政策局長 熊野 英昭君
通商産業省立地
公害局長 堤 富男君
資源エネルギー
庁長官 黒田 直樹君
特許庁長官 麻生 渡君
中小企業庁長官 関 收君
事務局側
常任委員会専門
員 小野 博行君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
(通商産業行政の基本施策に関する件)
(経済計画等の基本施策に関する件)
(平成四年における公正取引委員会の業務の概
略に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/0
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001・斎藤文夫
○委員長(斎藤文夫君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
昨年十二月十日、西野康雄君が、また、去る一月二十一日、合馬敬君が委員を辞任され、その補欠として村田誠醇君及び沓掛哲男君がそれぞれ選任されました。
また、本日、藁科滿治君が委員を辞任され、その補欠として上山和人君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/1
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002・斎藤文夫
○委員長(斎藤文夫君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/2
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003・斎藤文夫
○委員長(斎藤文夫君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に沓掛哲男君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/3
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004・斎藤文夫
○委員長(斎藤文夫君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
本委員会は、今期国会におきましても、産業貿易及び経済計画等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/4
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005・斎藤文夫
○委員長(斎藤文夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/5
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006・斎藤文夫
○委員長(斎藤文夫君) この際、通商産業大臣、経済企画庁長官、通商産業政務次官、経済企画政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。森通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/6
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007・森喜朗
○国務大臣(森喜朗君) 昨年十二月に通商産業大臣を拝命いたしました衆議院の森喜朗でございます。
委員長また理事、委員の皆様方の御指導、御鞭
糧を賜りますようによろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/7
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008・斎藤文夫
○委員長(斎藤文夫君) 船田経済企画庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/8
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009・船田元
○国務大臣(船田元君) 昨年十二月、経済企画庁長官に就任をいたしました船田元でございます。
委員長初め委員の皆様方の御指導、御協力のほどをどうぞよろしくお願いいたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/9
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010・斎藤文夫
○委員長(斎藤文夫君) 逢沢通商産業政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/10
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011・逢沢一郎
○政府委員(逢沢一郎君) このたび通商産業政務次官を拝命いたしました逢沢一郎でございます。
森大臣を補佐いたしまして、鹿熊政務次官と力を合わせ、通商産業政策の遂行に全力を尽くしてまいる決意でございます。
委員長初め委員各位の格別の御指導と御鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/11
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012・斎藤文夫
○委員長(斎藤文夫君) 続いて、鹿熊通商産業政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/12
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013・鹿熊安正
○政府委員(鹿熊安正君) このたび通商産業政務次官を拝命いたしました鹿熊安正でございます。
逢沢政務次官ともども森大臣のもと、通商産業行政に全力を傾注してまいりますので、委員長並びに委員各位の一層の御指導、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げまして、一言ごあいさつにかえさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/13
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014・斎藤文夫
○委員長(斎藤文夫君) 二田経済企画政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/14
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015・二田孝治
○政府委員(二田孝治君) 昨年十二月、経済企画政務次官に就任いたしました二田孝治でございます。
船田長官を補佐して、精いっぱい務めてまいり。たいと思いますので、本委員会の皆様の御支援、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/15
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016・斎藤文夫
○委員長(斎藤文夫君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
まず、経済計画等の基本施策に関し、経済企画庁長官から所信を聴取いたします。船田経済企画庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/16
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017・船田元
○国務大臣(船田元君) 我が国経済の当面する課題と経済運営の基本的考え方につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでございますが、本委員会が開催されるに当たりまして、重ねて所信の一端を申し述べたいと思います。
世界経済の動向を見ますと、アメリカ経済にこのところ明るさが見られ始めているものの、西欧諸国の景気は総じて停滞しており、また、旧ソ連地域、中・東欧諸国では、一部に明るさも見られるものの、総じて困難な状況が続いております。
我が国経済の動向を見ますと、住宅投資に回復の動きが見られ、公共投資も堅調に推移しておりますが、個人消費、設備投資を中心に低迷しており、資産価格の下落もあって、厳しい状況に直面しております。一方、経常収支黒字は、引き続き前年水準より大幅に拡大しております。
こうした状況に対処するため、政府は、昨年三月の緊急経済対策に引き続き、昨年八月に史上最大規模の内需拡大策と金融面での諸施策を含む総合経済対策を決定し、政府一丸となってその円滑な実施を図っているところでありますが、現下の経済動向を勘案しますと、平成四年度の実質経済成長率は一・六%程度にとどまるものと考えられます。
以上のような状況を踏まえ、私は、平成五年度の経済運営に当たりましては、特に次の諸点を基本としてまいりたいと考えております。
第一は、我が国経済を、内需を中心とするインフレなき持続可能な成長経路へできるだけ早く円滑に移行させることであります。
このため、平成五年度予算において、公共投資の積極的な拡大、住宅投資促進策の拡充など、国、地方を通じて景気に十分な配慮を行うことといたしました。特に、公共投資につきましては、国の公共事業のほか、財政投融資計画、地方単独事業について、いずれも近年最大の伸び率を確保いたしました。
補正予算も昨年十二月に成立したところであり、本年は、年初から総合経済対策の効果が本格的に発現してくるものと考えられます。これに平成五年度予算の効果が重なることにより、来年度における政府投資額は、平成四年度補正後の実績見込み額に対して九・五%増と高い伸びが見込まれます。
また、金融面では、先般第六次の公定歩合の引き下げが行われたところであり、市中金利に加え、貸出金利の低下が一層促進されることを期待しております。
こうした財政、金融両面からの措置の効果を踏まえれば、公共投資や住宅投資が成長を牽引する中で、個人消費や設備投資も徐々に回復に向かうものと期待され、我が国経済は、民間部門の自助努力とも相まって、内需を中心とするインフレなき持続可能な成長経路へと円滑に移行していくものと考えます。この結果、平成五年度の実質経済成長率は三・三%程度になるものと見込まれます。
政府といたしましては、今後とも、景気動向を注視しつつ、主要国との経済政策の協調にも配慮しながら、適切かつ機動的な経済運営に最大限の努力を傾注してまいります。
物価の安定は、国民生活安定の基礎であることはもちろん、消費者の先行きへの信頼感を強めるものであります。平成五年度においても、物価は引き続き安定的に推移し、消費者物価は二・一%程度の上昇になるものと見込まれます。今後とも、原油価格、為替レート、国内需給等の動向を十分注視しつつ、物価の安定の維持に最善の努力を尽くしてまいります。
第二は、生活大国五カ年計画に沿って生活大国の実現を目指すことであります。
本年は、生活大国の実現に向け本格的な第一歩を踏み出す年であると考えており、平成五年度の予算において、生活に関連した分野に公共事業関係費の重点配分を行うなど、生活大国づくりに十分配慮いたしました。
今後とも、生活に関連したものに重点を置いた社会資本の整備、勤労者世帯の平均年収の五倍程度を目安に良質な住宅の取得が可能となることを目指した総合的な土地対策と住宅対策、年間総労働時間千八百時間の達成に向けた労働時間の短縮のための施策、内外価格差の是正、縮小などの各般の施策を政府一体となって強力に推進してまいります。
また、ゆとり、安心、多様性のある国民生活を実現するため、個人生活重視の視点に立って、現在の制度、慣行の見直しを進めるとともに、消費者保護会議で決定した施策を積極的、総合的に推進してまいります。特に、製造物責任制度を中心とした総合的な消費者被害の防止や救済のあり方につきましては、昨年の国民生活審議会答申の趣旨を踏まえ、政府として、製品特性等も考慮しつつ精力的に検討を進めてまいります。同審議会においては、さらなる検討結果を本年中には取りまとめていただきたいと考えております。
第三は、調和ある対外経済関係の形成と世界経済の活性化への積極的貢献を行っていくことであります。
このため、OTOすなわち市場開放問題苦情処理推進本部の活動の強化等を通じて市場アクセスの一層の改善を図るとともに、ウルグアイ・ラウンドの成功に向けて一層の努力を行ってまいります。また、人口、難民等の地球的規模の課題も念頭に置き、政府開発援助大綱に基づいて、環境と開発の両立、軍事用途への使用回避などに留意しつつ、途上国援助の拡充とより適切な推進を図ってまいります。
さらに、経済情勢等に関して各国との対話を推進するなど、各国、各地域との関係を一層拡大、強化するよう努めてまいります。加えて、旧計画経済諸国についても、最近の政治経済情勢の動きも踏まえつつ、適切な知的支援等に努めてまいります。
今日の内外情勢には予断を許さないものがありますが、私は経済運営に誤りなきを期し、現下の
厳しい経済状況の克服と、二十一世紀を見据えた生活大国の実現を目指して最大限の努力を行ってまいります。
本委員会の御支援と御協力を切にお願い申し上げる次第であります。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/17
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018・斎藤文夫
○委員長(斎藤文夫君) 長官、どうぞ御退席いただいて結構でございます。
次に、通商産業行政の基本施策に関し、通商産業大臣から所信を聴取いたします。森通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/18
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019・森喜朗
○国務大臣(森喜朗君) 第百二十六回国会における商工委員会の御審議に先立ち、通商産業行政に対する私の所信の一端を申し上げます。
今なお世界は、東西冷戦構造の崩壊という歴史的地殻変動の余震の中にあり、新たな国際秩序を見出せないままますます流動化する様相を呈しております。一方、国内に目を転じますと、最近の我が国経済は、個人消費、設備投資の低迷、資産価格の下落によってかつてない厳しい状況にあり、また同時に、エネルギー環境問題、高齢化、時短等の構造的課題に直面しております。
内外とも困難な状況にありますが、今こそ官民の総力を結集し、国際社会において経済力に見合った責任と役割を主体的に果たしていく一方、国内においては、景気の早期回復に取り組むとともに、むしろ厳しい経済環境をばねとして構造改革を推進し、来るべき二十一世紀に向けた発展基盤の整備を図っていかなければなりません。
このような状況を踏まえ、私は、以下の諸点を中心に、通商産業政策の推進に向け全力を尽くす所存でございます。
第一の課題は、景気の早期回復に向けた適切な経済運営の遂行であります。最近の経済情勢を見ると、多くの産業が深刻な事態に直面しており、特に景気停滞の影響を受けやすい中小企業については、深く憂慮すべき状態となっております。また、資産価格の大幅な下落が、我が国の金融システム、さらには実体経済そのものに与える影響についても注視が必要な状況にあります。
我が国の景気回復は、世界経済の発展のためにも不可欠であり、私はさきのEC訪問における各国首脳との会談を通じ、この点についての我が国の役割の重要性とそれに対する各国の期待を痛感したところであります。
私といたしましては、経済の実情把握に対する努力を片時も怠ることなく、実態に応じた機動的な対応に努め、一日も早い景気回復の実現を図ってまいる所存であります。
第二の課題は、エネルギー環境問題の克服であります。人類共通の課題である地球環境問題を克服し、美しい地球を次代を担う子供たちに引き継いでいくことは我々の責務であります。そのため、経済成長、エネルギー、環境保全を三位一体とした総合的な視点に立って、技術による現状打破を図るとともに、企業、国民の省エネルギー、リサイクル、物流効率化などに向けた自主的な努力を喚起、助長することにより、エネルギー環境問題に即応した産業経済構造への転換を目指してまいります。この一環として、エネルギー需給構造高度化のための関係法律の整備に関する法律案並びにエネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法案を今国会に提出いたしました。
また、環境と開発の両立に取り組む発展途上国の自助努力に対し、グリーン・エイド・プランを初めとする総合的な支援策を積極的に展開してまいります。
さらに、引き続き安全性に万全を期しつつ原子力の開発利用を推進するとともに、石油を初めとするエネルギーの安定供給確保にも努めてまいります。
第三の課題は、新たな国際秩序の構築に向けた国際社会への貢献であります。自由貿易を通じた世界経済の長期的繁栄を確保するためには、基盤となる新しい多角的貿易体制の枠組みが不可欠であります。このため、ウルグアイ・ラウンド交渉を早期かつ成功裏に終結させるべく、交渉に全力を挙げて取り組んでまいります。
また、我が国の経常黒字は、近年大幅に拡大しており、対外均衡の達成と世界経済活性化に向け、内需主導型経済成長の定着、一層の輸入拡大に努める一方、経済協力の大幅な充実、貿易保険の抜本的な拡充を図り、発展途上国等の自立的発展に寄与するため、従前に比して質量ともに充実した資金還流の促進を図ってまいります。このため、貿易保険法の改正案を今国会に提出いたしました。
さらに、平和国家を標榜する我が国として安全保障分野における国際貢献を果たすとの観点から、大量破壊兵器等の不拡散、通常兵器の過剰蓄積の防止を図るべく、諸外国と協調しつつ実効ある輸出管理体制を構築していく所存であります。
各地域との関係につきましては、国際産業交流の積極的推進により、米国、EC等先進各国との円滑な対外経済関係の構築に努める一方、APECの充実、ASEANとの対話の強化等により、アジア・太平洋地域の一層の発展に貢献してまいります。また、旧ソ連、中・東欧に対しても、技術支援、貿易投資の円滑化措置を通じ、市場経済化、民主化に向けての自助努力を支援してまいります。
第四の課題は、我が国経済の活力の源泉たる中小企業の活性化であります。現在の経済状況を反映し、特に中小企業を取り巻く金融情勢については厳しいものがあります。このため、中小企業の資金調達の円滑化を図るべく中小企業信用保険法の改正案を提出することといたしております。
また、近年小規模事業者は、事業所数の減少尊厳しい経営環境に直面していることから、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律案を提出する等所要の施策を推進してまいります。
第五の課題は、長期的経済発展基盤の整備であります。
創造的な技術開発の基礎となる工業所有権制度については、迅速な権利付与、制度の国際的調和を図るため、特許法等の一部を改正する法律案を提出するなど所要の施策を推進してまいります。
また、不正競争の実態に対応し、その防止を通じた公正な競争秩序の確保を図るため、不正競争防止法の全面改正案を提出することとしております。
さらに、情報化の一層の推進と基礎的独創的研究開発の強化に努める一方、ゆとりと豊かさを実感できる社会の実現を図るため、伝統と個性を生かした産業の育成、一極集中是正、総合的流通対策等に取り組むとともに、総合製品安全対策についても、消費者の視点を重視した施策を講じてまいります。
以上、今後の通商産業行政の基本的方向についての所信の一端を申し上げました。
私は、国民各位の御理解のもとに、通商産業行政の遂行に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/19
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020・斎藤文夫
○委員長(斎藤文夫君) 以上で両大臣の所信の聴取は終了いたしました。
なお、平成五年度通商産業省関係予算及び平成五年度経済企画庁関係予算につきましては、お手元に配付してあります関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。
大臣及び政務次官、御退席をいただいて結構でございます。
次に、平成四年における公正取引委員会の業務の概略について、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。小粥公正取引委員会委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/20
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021・小粥正巳
○政府委員(小粥正巳君) 平成四年における公正取引委員会の業務につきまして、その概略を御説明申し上げます。
独占禁止法違反行為につきましては、我が国市場を国際的により開かれたものとし、消費者の利益を確保して豊かな国民生活を実現していくとの観点から厳正に対処し、価格カルテル、入札談合等三十二件について審決により違反行為の排除を命じたほか、十九件の警告を行いました。また、
十九件の価格カルテル事件について、総額四十一億二千九百四十二万円の課徴金の納付を命じました。
さらに、独占禁止法違反行為を未然に防止するため、どのような行為が独占禁止法に違反するかをできる限り具体的にかつ明確に示した「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」等のガイドラインの普及、定着に一層努めました。
価格の同調的引き上げに関する報告徴収につきましては、価格引き上げ理由の報告を求め、平成四年中にその概要を年次報告において国会に御報告申し上げましたものは、一般日刊全国新聞紙、魚肉ハム・ソーセージ等十品目であります。
事業活動及び経済実態の調査といたしましては、六大企業集団の実態に関する調査等を行いました。
独占禁止法適用除外制度につきましては、再販適用除外制度の見直しを行い、再販指定品目のうちおおむね半数の指定を取り消すこととしました。また、政府規制制度につきましては、研究会を開催し、国際航空運賃及び放送事業について競争政策上の問題を検討しました。
下請法に関する業務につきましては、下請取引の適正化及び下請事業者の利益確保を図るため、下請代金の減額等の違反行為を行っていた親事業者一千六百二十七社に対して減額分の返還等を指導しました。
景品表示法に関する業務につきましては、消費者の適正な商品選択が妨げられることのないよう過大な景品類の提供及び不当表示の排除に努め、平成四年中に七件について排除命令を行ったほか、八百四十五件について是正を指導いたしました。
以上、簡単ではございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。
今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/21
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022・斎藤文夫
○委員長(斎藤文夫君) 以上で説明は終了いたしました。
両大臣の所信に対する質疑は後日行うことといたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時二分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614461X00119930218/22
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