1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成六年二月十八日(金曜日)
午後零時十二分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 竹村 泰子君
理 事
石渡 清元君
小野 清子君
堂本 暁子君
河本 英典君
委 員
石川 弘君
狩野 安君
須藤良太郎君
野間 赳君
大脇 雅子君
清水 澄子君
西野 康雄君
矢田部 理君
刈田 貞子君
横尾 和伸君
有働 正治君
国務大臣
国 務 大 臣
(環境庁長官) 広中和歌子君
政府委員
環境庁長官官房
長 大西 孝夫君
環境庁水質保全
局長 野中 和雄君
事務局側
第二特別調査室
長 小林 正二君
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本日の会議に付した案件
○特定水道利水障害の防止のための水道水源水域
の水質の保全に関する特別措置法案(第百二十
八回国会内閣提出、第百二十九回国会衆議院送
付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112914009X00219940218/0
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001・竹村泰子
○委員長(竹村泰子君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法案を議題といたします。
まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。広中環境庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112914009X00219940218/1
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002・広中和歌子
○国務大臣(広中和歌子君) ただいま議題となりました特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法案につきまして、提案の理由及びその内容の概要を御説明申し上げます。
河川や湖沼等の公共用水域は、農業用水、水産、工業用水等の多様な利水がなされているとともに、さまざまな経済社会活動による環境負荷が加えられている水域であります。このため政府としては、旧公害対策基本法及び環境基本法に基づき環境基準を定めるとともに、工場・事業場の排水規制の実施や、下水道、し尿処理施設の整備等の水質保全に資する事業の推進等のさまざまな対策を従来より講じてきたところであります。
水道もまた、公共用水域の重要な利水目的の一つであり、水道原水の水質を保全する上で、公共用水域の水質の保全は極めて重要な役割を果たしてまいりました。
しかしながら、近年、水道原水の浄水処理に伴い副次的に生成する物質として発がん性が疑われる微量有機塩素化合物等が水道水から検出され、とりわけ水道水の安全性に対する不安の大きいものとしてトリハロメタンが挙げられております。
トリハロメタンは、公共用水域においては有害でない有機物が水道原水の浄水過程で注入される塩素と化学反応を起こすことにより生成されるものであること、水道水中のトリハロメタン濃度は、塩素注入量の制御等浄水場における対策を実施することによりある程度低減することができること、また、水道法上、水道事業者は水道水質基準に合致した水道水を供給する義務を負っていることからすれば、トリハロメタン対策は、まず浄水場において必要な措置が講じられることが原則であります。
しかしながら、近年、水道水中のトリハロメタン濃度が水道水質基準を超え、また、超えるおそれがあるにもかかわらず、一部の浄水場において、現在の技術的な措置のみでは対応できず、対策が限界に達している状況にあり、トリハロメタンによる水道利水障害を防止するため、水道水源として利用されている公共用水域の水質の保全について特別の対策が求められるに至っております。
こうした状況を受け、浄水処理に伴い副次的に生成するトリハロメタン等の物質による水道利水障害の防止を図り、国民の健康を保護するため、公共用水域である水道水源水域において水質の保全に関する施策を総合的かつ計画的に講ずることとし、ここに本法律案を提案することとした次第であります。
次に、本法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
第一に、特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する基本方針の策定であります。国は、水道水源水域の水質の保全に関する基本的な指針等を内容とする基本方針を定めることとしております。
第二に、指定水域及び指定地域の指定でございます。内閣総理大臣は、その水を水道原水として利用する水道水において特定水道利水障害が生ずるおそれがあると認められる水道水源水域であって、水道事業者の講ずる措置によりそれを防止することが困難であり、かつ、その防止のため水質の保全に関する施策を総合的かつ計画的に講ずる必要があると認められる水道水源水域を指定水域として指定し、及び指定水域の水質の汚濁に関係があると認められる地域を指定地域として指定することといたしております。
第三に、水質保全計画の策定であります。都道府県知事は、指定水域の水質の保全のための施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、基本方針に基づき、指定水域の水質の保全に関する目標、事業、規制その他の措置等特定水道利水障害を防止するため指定水域の水質の保全に関し実施すべき施策に関する水質保全計画を定めることといたしております。
第四に、指定水域の水質の保全に資する事業の実施等でございます。水質保全計画に定められた事業は、当該事業に関する法律の規定に従い、国、地方公共団体その他の者が実施することといたしております。
第五に、指定水域の水質の汚濁の防止のための規制等であります。都道府県知事は、水質保全計画に基づき、水道水源特定事業場等に関し、トリハロメタン等の生成の原因となる物質に係る排水基準、施設の構造及び使用の方法に関する基準を定めるとともに、これらの基準を遵守していないと認めるときは、都道府県知事は、その施設の設置者に対し必要な措置をとるべきことを勧告することができ、及びその勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができることといたしております。また、都道府県知事は、その他の汚水等の排出者に対して、水質保全計画に基づき、必要な指導等を行うことができることといたしております。
第六に、生活排水対策の推進であります。都道府県知事は、水質保全計画に基づき、生活排水対策の実施を推進することといたしております。
以上のほか、資料の提出、水道水の水質記録の提出、研究の推進、政令市への事務の委任、罰則等について所要の規定を設けております。
以上が、本法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112914009X00219940218/2
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003・竹村泰子
○委員長(竹村泰子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ります。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時十九分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112914009X00219940218/3
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