1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成六年六月二日(木曜日)
午後零時十分開会
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委員の異動
六月二日
辞任 補欠選任
谷本 巍君 菅野 久光君
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出席者は左のとおり。
委員長 浦田 勝君
理 事
青木 幹雄君
大塚清次郎君
野別 隆俊君
林 紀子君
委 員
井上 吉夫君
北 修二君
佐藤 静雄君
高木 正明君
吉川 芳男君
稲村 稔夫君
菅野 久光君
中尾 則幸君
三上 隆雄君
村沢 牧君
井上 哲夫君
星川 保松君
風間 昶君
刈田 貞子君
新間 正次君
国務大臣
農林水産大臣 加藤 六月君
政府委員
農林水産政務次
官 北澤 俊美君
農林水産大臣官
房長 高橋 政行君
農林水産大臣官
房総務審議官 山本 徹君
農林水産省経済
局長 東 久雄君
農林水産省構造
改善局長 入澤 肇君
農林水産省農蚕 日出 英輔君
園芸局長
農林水産省畜産
局長 高木 勇樹君
農林水産省食品
流通局長 鈴木 久司君
農林水産技術会
議事務局長 武政 邦夫君
食糧庁長官 上野 博史君
林野庁長官 塚本 隆久君
水産庁長官 鎭西 迪雄君
事務局側
常任委員会専門
員 秋本 達徳君
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本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
(平成六年度の農林水産行政の基本施策に関す
る件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112915007X00519940602/0
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001・浦田勝
○委員長(浦田勝君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、谷本巍君が委員を辞任され、その補欠として菅野久光君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112915007X00519940602/1
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002・浦田勝
○委員長(浦田勝君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。
平成六年度の農林水産行政の基本施策について、農林水産大臣から所信を聴取いたします。加藤農林水産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112915007X00519940602/2
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003・加藤六月
○国務大臣(加藤六月君) まず、一言ごあいさつ申し上げます。
農林水産大臣を拝命いたしました加藤六月でございます。
農林水産行政がまことに重要な時期を迎えておる折から、農林水産大臣の責務の重大さを痛感している次第でございます。
私は、皆様方の御支援、御教示を得て、農林水産行政の責任者として、二十一世紀に向けて我が国の農林水産業に新たな展望を切り開いていくよう最大限の努力をする決意でございますので、よろしくお願い申し上げます。
そこで、農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。
農林水産業は、国民生活に不可欠な食料の安定供給という基本的な使命に加えて、地域経済・社会の維持発展、国土や自然環境の保全など極めて多様で重要な役割を果たしております。また、国土の大宗を占める農山漁村は、伝統に裏づけられた個性に富む地域文化をはぐくみ、緑と潤いに満ちた生活・余暇空間を国民全体に提供するという機能を有しています。
こうした役割や機能を持つ我が国の農林水産業と農山漁村をめぐる状況は、経済の高度化、人口や産業の都市への集中といった諸情勢の変化の中で、従事者の減少、高齢化の進行、山村等における過疎化の進行など近年大きく変貌しております。
加えて、昨年十二月十五日にガット・ウルグアイ・ラウンド交渉が実質合意を見たところであり、我が国農業・農村は新たな国境措置のもとで激しい環境のもとに置かれることになると認識しております。
この際、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉に関しまして御説明申し上げます。
我が国は、ウルグアイ・ラウンドの農業交渉において、世界最大の農産物輸入国としての立場から、食料の安全保障や環境保全等のために農業が果たしている役割を重視すべきこと等を強く訴え、包括的関税化に対しては、世界の大勢がこれを受け入れる方向にある中で、国会決議の趣旨を踏まえ、これを回避すべく最大限の努力を傾注してきたところであります。
このような状況のもとで、昨年十二月、市場アクセス交渉グループのドゥニ議長から調整案が提示されました。この調整案につきましては、米について関税化の特例措置が認められているものの、米のミニマムアクセスの加重や米以外の農産物の関税化という点で、我が国農業にとってまことに厳しい内容を含むものであります。しかしながも、この調整案は、各国の対立する意見を踏まえたぎりぎりのものであるとともに、我が国の主張にも相当程度の配慮がなされたものであり、自由貿易体制の維持強化によってもたらされる幅広い国民的利益という観点も含め、前内閣のもとにおいてぎりぎりの検討を行った結果、政府としては、この調整案受け入れの決断を下したところであります。
この農業合意においては、米については平成七年から六年間関税化が免除され、ミニマムアクセスとして消費量の四%から八%に相当する量の輸入をすることとし、七年目以降の取り扱いは六年目に協議されることとなっております。また、乳製品、でん粉等米以外の輸入制限品目等についてはすべて関税化することとなり、一般関税品目とあわせて六年間で平均三六%の関税引き下げを行うこととなっております。また、林産物及び水産物についても一定の関税引き下げを行うこととなっております。
なお、今回、合意された内容を収録した最終文書につきましては、本年四月にモロッコで開催された閣僚会合において正式に署名が行われ、農業協定を含む世界貿易機関を設立する協定の文言が最終的に確定いたしております。政府としては、今後、国会の御承認をいただき、農業合意については、来年四月一日から実施することとしたいと考えております。
このような中で、今後の農林水産行政を推進するに当たっては、長期的展望のもとに魅力あふれる農林水産業と活力ある農山漁村を着実に実現していくとともに、国民にとって真に豊かな国土を形成していくことこそが重要であると確信しております。
このため、農林水産省といたしましては、今後「新しい食料・農業・農村政策の方向」、いわゆる新政策に即しまして、二十一世紀に向けた農業構造の早期実現を図りつつ、農山漁村が多様で活力のある地域社会として発展することができるよう努めてまいります。また、今回のウルグアイ・ラウンドの農業協定の実施に伴う国内対策につきましては、昨年十二月に閣議了解されました「ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の実施に伴う農業施策に関する基本方針」に沿って設置した緊急農業農村対策本部において検討の上、農政審議会における御論議を踏まえつつ、逐次所要の施策の具体化に向けて万全を期してまいります。
なお、国民の主食である米につきましては、昨年の未曾有の不作に対応して緊急特例的に輸入した外国産米と国産米とを一体としたきめ細かな需給操作等により、その安定的な供給に努めてまいります。
以下、平成六年度における主要な農林水産施策について申し上げます。
まず、農業の振興についてであります。
新政策の本格的な展開を図る観点から、活力ある農業・農村づくりを進めるための施策の充実強化に努めてまいります。特に、ウルグアイ・ラウンド農業合意成立に伴う今後の国際化の進展を踏まえ、緊急に国内農業の体質を強化するための対策を積極的に推進してまいります。
第一は、国民生活に欠かせない食料を安定供給する担い手の育成であります。効率的、安定的な農業経営体を育成し、これらの農業経営体が生産の大宗を担う農業構造を早期に実現することが急務であります。このような担い生育成のための総合的な融資制度の創設を初め、農業経営の改善、農地の利用集積、低コスト生産の実現に資する生産基盤整備の推進など、各般の施策を積極的に展開してまいります。
第二は、中山間地域を初めとする農山漁村の活性化であります。特に、国土の保全、自然環境の維持に寄与している中山間地域の活性化は、国土の健全な発展を図る上で極めて重要であります。本年は、高付加価値型・高収益型農業の展開、農業経営の複合化等の推進、定住条件の総合的な整備の促進など各種の施策の一層の充実に努めます。
第三は、立ちおくれている農村地域の生活環境の整備であります。
都市と比較して著しく立ちおくれている農村地域の生活環境の整備を図るため、集落排水施設や農道等の整備を推進し、地域住民が誇りを持って快適に居住できるよう、景観形成等に配慮した「美しいむらづくり」を進めてまいります。
第四は、活力ある農業生産の展開であります。
昨年の未曾有の冷害の経験にかんがみ、気象条件に左右されにくい生産体制を早急に構築していくこととしております。
米につきましては、昨年から取り組んでいる水田営農活性化対策について、需給事情に対応して転作面積を緩和して実施することとしております。
また、畜産物、野菜、畑作物等につきましても、価格安定対策の適切な実施に努め、経営体の育成強化を初めとした生産の活性化等を推進してまいります。
第五は、環境問題への積極的な対応と国際協力の推進であります。
農業が有する環境保全機能と物質循環型産業としての特質を生かして、地域合意に基づく環境保全型農業を総合的に推進してまいります。また、食品産業における廃棄物の減量化、再資源化等に対する取り組みを積極的に推進してまいります。
さらに、熱帯林の減少等に対する地球環境保全対策を強化し、開発途上国等への農林水産業協力により国際協力を推進してまいります。
第六は、技術の開発とその普及であります。
今後、我が国農業の体質を強化していくためには、技術の開発、普及による農業生産の効率化と労働時間の短縮が肝要であります。このため、革新的な農業機械等の開発、実用化等を推進してまいります。また、生産性の飛躍的向上、高付加価値化等を図るため、基礎的、先導的研究を推進し、冷害等異常気象、環境問題等の重要政策課題に対応した研究開発を強化してまいります。
さらに、農業に関する普及事業についても総合的な普及指導体制を確立するほか、一九九五年農業センサスを実施いたします。
第七は、食品産業、消費者対策の推進であります。
食品産業につきましては、近年の消費者ニーズの多様化、国際化の進展等の状況も踏まえつつ、食品流通の構造改善、食品産業の振興を図ってまいります。また、消費者が安心して食生活を送ることができるよう、輸入食品の品質表示の適正化等に努め、消費者被害の未然、再発防止及び救済のための総合的な対策を実施してまいります。
このほか、農業災害補償制度の円滑な運営等にも努めてまいります。
次に、林業の振興についてであります。
森林は、緑と水の源泉であり、地球環境の保全、豊かな国民生活の実現のためにもかけがえのない役割を果たしておりますが、林業は、現在、山村地域における過疎化、高齢化の進行、木材価格の低迷等依然として厳しい状況にあります。
このような状況に対処するため、民有林、国有林を通じた森林の流域管理システムの確立を基本として、森林整備事業及び治山事業の計画的な推進、保安林の緊急かつ計画的な整備、林業の担い手の育成強化、生活環境の整備、国産材の供給体制の整備、木材産業の体質強化、林業金融制度の拡充強化といった各般の施策を推進し、森林の整備と山村地域の活性化に努めてまいります。
また、国有林野事業につきましては、改善計画に基づき、経営の健全性の確保に努めてまいります。
次に、水産業の振興についてであります。
水産業につきましては、公海漁業に対する規制の強化、我が国周辺水域の資源状況の悪化、漁村活力の低下等厳しい状況にあります。
このような中で、平成六年度を初年度とする第九次漁港整備長期計画及び第四次沿岸漁場整備開発計画を策定し、二十一世紀への橋渡しとなるこれらの計画を通して、水産業の振興、活力ある漁村の形成、美しい海辺環境の保全等を図り、来るべき沿岸の新時代に向けてその基盤を確立してまいります。
また、資源管理型漁業、つくり育てる漁業の推進等により、我が国周辺水域の漁業振興を図り、漁業経営基盤の強化、漁業就業者の育成、確保、水産物の需給、価格の安定等各般の施策を講じてまいります。
以上のような農林水産施策を展開するため、平成六年度の農林水産予算の編成に際しましては、今後の農林水産政策の着実な推進の第一歩として、十分に意を尽くしたところであります。
また、施策の展開に伴って必要となる法制の整備につきましては、今後、当委員会の場におきましてよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
以上、所信の一端を申し上げましたが、私は、魅力あふれ、活力に満ちた農林水産業、農山漁村の実現に向けて全力を尽くしてまいります。
委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112915007X00519940602/3
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004・浦田勝
○委員長(浦田勝君) 以上で所信の聴取は終わりました。
本件に関する質疑は後日に譲ります。
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005・浦田勝
○委員長(浦田勝君) 北澤農林水産政務次官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。北澤農林水産政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112915007X00519940602/5
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006・北澤俊美
○政府委員(北澤俊美君) 農林水産政務次官を拝命いたしました北澤俊美でございます。
我が国の農林水産行政は、幾多の重要な課題を抱えておりますが、加藤大臣を補佐いたしまして、全力を傾けて諸課題に当たりたいと存じております。
委員各位の御支援のほどを心からお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112915007X00519940602/6
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007・浦田勝
○委員長(浦田勝君) 本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十七分散会
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