1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成六年十月二十日(木曜日)
午後二時開議
出席委員
委員長 松永 光君
理事 大原 一三君 理事 加藤 卓二君
理事 古賀 誠君 理事 自見庄三郎君
理事 笹川 堯君 理事 田端 正広君
理事 前田 武志君 理事 左近 正男君
大島 理森君 片岡 武司君
亀井 善之君 川崎 二郎君
熊代 昭彦君 斉藤斗志二君
斎藤 文昭君 穂積 良行君
若林 正俊君 伊藤 達也君
岡田 克也君 北橋 健治君
古賀 敬章君 竹内 譲君
西川太一郎君 冬柴 鐵三君
茂木 敏充君 保岡 興治君
大畠 章宏君 小森 龍邦君
堀込 征雄君 山花 貞夫君
宇佐美 登君 三原 朝彦君
東中 光雄君
出席国務大臣
自 治 大 臣 野中 広務君
出席政府委員
自治省行政局選
挙部長 佐野 徹治君
委員外の出席者
議 員 三塚 博君
議 員 北橋 健治君
議 員 茂木 敏充君
議 員 保岡 興治君
議 員 堀込 征雄君
議 員 前原 誠司君
衆議院法制局第
一部長 早川 正徳君
衆議院法制局第
一部第二課長 郡山 芳一君
自治大臣官房審
議官 谷合 靖夫君
自治省行政局選
挙部選挙課長 大竹 邦実君
自治省行政局選
挙部管理課長 山本信一郎君
自治省行政局選
挙部政治資金課
長 鈴木 良一君
特別委員会第二
調査室長 田中 宗孝君
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委員の異動
十月三日
辞任 補欠選任
町村 信孝君 桜井 新君
同月二十日
辞任 補欠選任
小沢 一郎君 西川太一郎君
太田 昭宏君 竹内 譲君
吹田 愰君 古賀 敬章君
枝野 幸男君 宇佐美 登君
同日
辞任 補欠選任
古賀 敬章君 吹田 愰君
竹内 譲君 太田 昭宏君
西川太一郎君 小沢 一郎君
宇佐美 登君 枝野 幸男君
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十月六日
公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出第一号)
同月十三日
公職選挙法の一部を改正する法律案(保岡興治
君外十名提出、衆法第一号)
公職選挙法の一部を改正する法律案(三塚博君
外二十九名提出、衆法第二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出第一号)
公職選挙法の一部を改正する法律案(三塚博君
外二十九名提出、衆法第二号)
公職選挙法の一部を改正する法律案(保岡興治
君外十名提出、衆法第一号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113104573X00219941020/0
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001・松永光
○松永委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案並びに三塚博君外二十九名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案及び保岡興治君外十名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案の各条を一括して議題といたします。
順次趣旨の説明を聴取いたします。野中自治大臣。
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公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正
する法律案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113104573X00219941020/1
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002・野中広務
○野中国務大臣 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由とその内容の概略を御説明申し上げます。
この改正法案は、衆議院議員選挙区画定審議会が行った衆議院小選挙区選出議員の選挙区の画定案についての勧告を受け、衆議院小選挙区選出議員の選挙区を定め、あわせて、所要の規定の整備を行おうとするものであります。
以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。
まず第一に、衆議院小選挙区選出議員の選挙区に関する事項であります。
衆議院小選挙区選出議員の選挙区については、別表第一のとおり定めることといたしております。その内容は、衆議院議員選挙区画定審議会の勧告をそのまま法案化したものであります。
この別表第一に掲げる行政区画その他の区域は、平成六年八月十一日、すなわち勧告が行われた日現在の区域によるものとし、八月十二日から施行日の前日までの間において同表に掲げる行政区画その他の区域に変更があっても、当該選挙区に関する限り、行政区画その他の区域の変更がなかったものとみなすことといたしております。
なお、横浜市において行政区の再編成が行われた場合には、神奈川県第七区及び第八区の区域は、勧告で示されているとおり、当該再編成後の行政区の区域により定めるものであります。
第二に、公職選挙法の一部を改正する法律の施行日に関する事項であります。
去る二月四日公布され、その後に一部改正が行われた公職選挙法の一部を改正する法律については、この法律の公布の日から起算して一月を経過した日から施行することといたしております。
このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。
なお、この法律は、原則として公布の日から施行することとし、横浜市における行政区の再編成に関する事項については、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。
以上が、公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113104573X00219941020/2
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003・松永光
○松永委員長 次に、三塚博君。
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公職選挙法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113104573X00219941020/3
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004・三塚博
○三塚議員 ただいま議題となりました選挙の腐敗行為防止の強化のための公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容の概略を御説明申し上げます。
さきに実現の運びとなりました衆議院の小選挙区比例代表並立制のもとでの選挙は、まさに政党間の政権をかけた、中選挙区制では想像のできないほど熾烈な選挙が予想されます。そのため、さきの公職選挙法の改正におきましても、選挙の腐敗行為を防止するため、連座制の適用の対象となる者の範囲を若干拡大したところでありますが、その範囲は、総括主宰者、出納責任者、地域主宰者、親族及び秘書に限られておりますので、実際上、連座制の働く事態は極めて限定されるものと考えられます。
そこで、今回、公職の候補者等と意思を通じて組織により行われる選挙運動で、その組織的選挙運動体の内部において一定の地位にある者が買収罪等の選挙犯罪を犯した場合に、候補者本人の選挙運動浄化の責任を問う新しい連座の制度を設けることといたしました。あわせて、重複立候補者に係る連座制の強化及び選挙運動に関する支出の制限規定の明確化のための措置を講ずることとし、これらにより、選挙腐敗の風土の一掃を図ることをねらいといたしております。
以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。
次に、この法律案の内容の概略について御説明申し上げます。
まず第一に、連座制の強化に関する事項であります。
その一は、組織的選挙運動管理者等に係る連座制の強化についてであります。
「公職の候補者等と意思を通じて組織により行う選挙運動において、当該選挙運動の計画の立案若しくは調整又は当該選挙運動に従事する者の指揮若しくは監督その他当該選挙運動の管理を行う者」を「組織的選挙運動管理者等」と位置づけています。無論、組織的選挙運動体自体が当該公職の候補者等と選挙運動について意思を通じている限り、組織的選挙運動管理者等が当該公職の候補者等と個別に意思を通じているか否かは問うていないものであります。そして、その組織的選挙運動管理者等が買収罪等の選挙犯罪を犯し禁錮以上の刑に処せられたときは、執行猶予の言い渡しを受けた場合でも当該公職の候補者等の当選は無効とし、かつ、これらの者は、連座裁判の確定のときから五年間、当該選挙区において行われる当該選挙に立候補することができない、いわゆる立候補制限を科することといたしております。あわせて、衆議院の小選挙区選挙における候補者が当該選挙と同時に行われる衆議院の比例代表選挙における当選人となったときは、当該当選人の当選を無効とすることといたしております。
なお、今回の新しい連座の制度は、候補者本人の選挙浄化に対する責任を問うものでありますので、組織的選挙運動管理者等が犯した買収罪等に該当する行為がおとりもしくは寝返りにより行われたものであるとき、または候補者本人が相当の注意を怠らなかったときは、連座制を適用しないことといたしております。
その二は、重複立候補者に係る連座制の強化についてであります。
衆議院議員の選挙におけるいわゆる重複立候補者につきましては、小選挙区選挙において連座制により当選無効または立候補制限が科せられましても、同時に行われる比例代表選挙における当選人となることができるため、連座制の効果はその意味で十分発揮されていないと考えられます。そこで、重複立候補者に限っては、小選挙区選挙における連座制による当選無効の制度の実効性を確保するため、既にある当該小選挙区における立候補制限の制度に加えて、新たに比例代表選挙における当選をも無効とする制度を設けることといたしております。
第二に、選挙運動に関する支出の制限規定の明確化に関する事項であります。
従来から、選挙運動に関する支出は、出納責任者または出納責任者の文書による事前の承諾を得た者以外はこれをすることができないこととされておりますが、今回、その点を法律上明確に規定することとし、法定選挙費用のさらなる厳格化を図ることといたしております。
最後に、施行期日でありますが、この法律は、さきの公職選挙法改正法の施行の日、すなわちいわゆる区割り法の施行の日から施行することとし、原則として次の国政選挙から適用するものといたしております。
以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容の概略であります。
新しい選挙制度を成功させるためには、政治家みずからが意識改革をし、選挙の腐敗防止のため断固とした態度で取り組むことが何よりも重要であります。同時に、連座制は地方選挙を含むすべての公職の候補者等の選挙に及ぶものであり、国民、有権者の抜本的な意識改革を伴わなければならないことも当然であります。今回の提案が選挙腐敗の風土の一掃を図る一助となることを確信し、各位におかれましては、ぜひともこの趣旨を御理解いただき、この法律案の内容について御賛同いただきますよう心よりお願いを申し上げるものであります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げ、提案の説明といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113104573X00219941020/4
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005・松永光
○松永委員長 次に、保岡興治君。
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公職選挙法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113104573X00219941020/5
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006・保岡興治
○保岡議員 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
いよいよ今国会において衆議院議員の選挙区の区割り法が成立し施行されれば、本年一月の国会で成立したいわゆる政治改革関連四法も全面的に施行され、六年以上にわたり七つの内閣が取り組んできた、時代の大転換期を乗り切る日本の新しい政治の創造が本格的に進む土台ができることになります。
ここで、我々は、何ゆえこの大きな政治改革が起こったか、もう一度その原点に立ち返るべきであります。それは、七年前、竹下内閣のもとで火のついたリクルート事件等による国民の政治に対する徹底した不信感の高まり、議会制民主主義の崩壊の深刻な危機感にあったと思います。
このような政治におけるたび重なる不祥事は、個人の政治に対する倫理観の欠如だけではなく、政治にお金のかかる構造的な側面があることも無視できない点であります。そして、その元凶は、だれが考えても、日常活動と称する地盤培養の行為と、選挙そのものに国民の常識を超える法外な資金がかかることにあるのは間違いありません。第八次選挙制度審議会の答申にも、我が国においては、選挙の腐敗が後を絶たず、これに対する国民の根強い不信感がある一方で、他方、これを放任、許容する土壌があることも否めない旨の指摘がなされているところであります。
そこで、このような政治と選挙の世界に住みなれた意識や体質のままで新しい選挙制度に足を踏み入れても、現行の中選挙区制度のもとでの政治の弊害を本当に克服できるか、かえって事態は今までより悪くならないか、各方面から強い疑問が寄せられるのも当然なことであります。我々が実現を目指す選挙制度改革を柱とする政治改革が、明治維新以来の大改革であると言われながら、いま一つ国民の支持の盛り上がりに欠けるのも、そのあたりに大きな理由があるのではないでしょうか。
およそ政治改革を標榜する限り、それは政治家と有権者の意識革命を伴うものでなければならないことは当然であります。したがって、この際、選挙についても革命的な意識の改革を促す思い切った腐敗防止策を講ずることが、政党本位、政策本位の選挙を目指す政治改革の推進とその実現にとって、画竜点睛の意義を有するものであることを強く確信するものであります。そこで、選挙運動の末端の責任者が一人でも買収等の選挙違反を犯せば、候補者の当選無効と一定の立候補資格が剥奪される制度をつくることがぜひとも必要であります。かかる制度のもとで初めて、候補者みずからが選挙浄化の先頭に立たざるを得ず、選挙違反は政治生命を失うことに直結し絶対に割に合わないことを応援してくださる方々や有権者に御理解いただき、従来の選挙常識を根底から変えていくことが可能となるのであります。
本案は、以上のような観点に立って、連座制を真に実効あるものとするための処置を講ずることとし、もって選挙における腐敗の防止を図るべく、ここに提案した次第です。
次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。
第一は、連座制の強化であります。
連座制につきまして、本案では、候補者等の選挙浄化に対する責任を問うという新たな観点から、連座の対象者を選挙運動を行う組織体における末端の責任者にまで拡大し、公職の候補者等と意思を通じて組織により行う選挙運動において、選挙運動の計画の立案、調整または選挙運動に従事する者の指揮監督その他選挙運動の管理を行う者を「組織的選挙運動管理者等」として位置づけ、組織的選挙運動管理者等が買収罪等を犯して禁錮以上の刑に処せられたときは、たとえ執行猶予の言い渡しを受けても連座が適用され、候補者等の当選は無効とするとともに、連座裁判確定のときから五年間、当該候補者等の立候補を制限することにいたしております。
次に、組織的選挙運動管理者等に係る連座制の免責について申し上げます。
組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪がおとり、寝返りによって行われたものであるとき、あるいはそのような選挙犯罪を防止するため候補者等が相当の注意を怠らなかったときは、連座制を適用しないものといたしております。このような場合は、候補者等と組織的選挙運動管理者等との関係において選挙浄化に対する責任を候補者等に帰することが妥当でないからであります。
第二は、組織的選挙運動管理者等に係る買収罪等の刑の加重であります。
組織的選挙運動管理者等は、選挙運動において占める地位の重要性にかんがみ、現行法における候補者、総括主宰者、出納責任者及び地域主宰者と同様に法定刑を加重することといたしております。これに伴い、刑事裁判において加重された罰条が適用されることによりその者が組織的選挙運動管理者等であることが明らかになりますので、その結果として、速やかな連座制の適用を実現することができることになります。
なお、この法律は、公職選挙法の一部を改正する法律の施行の日から施行するものとし、衆議院議員の選挙については施行日以後初めてその期日を公示される総選挙から、その他の選挙については施行日以後公示されまたは告示される選挙から適用するものといたしております。
以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案の趣旨及び内容の概略であります。
提案理由の説明を終えるに当たり、一言申し上げたいと思います。
時代の大転換期に当たり、未来のすばらしい日本を築き上げるためには、国民の皆様に痛みの伴う改革をお願いすることを避けて通ることはできません。したがって、政治家みずからが毅然として身を正すことが強く求められております。本案と同様の精神に基づく議員提案をされた与党の各位に心から敬意を表するとともに、今国会において新しい腐敗防止制度が確立されるよう相協力し成果を得ることを心から期待するものであります。
何とぞ、本案について御審議の上、速やかに御可決あらんことを心からお願い申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113104573X00219941020/6
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007・松永光
○松永委員長 以上で各案の趣旨の説明は終わりました。
次回は、来る二十六日水曜日に委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後二時二十一分散会
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113104573X00219941020/7
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