1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成八年四月十二日(金曜日)
午前九時四十五分開議
出席委員
委員長 和田 貞夫君
理事 衛藤 晟一君 理事 木村 義雄君
理事 鈴木 俊一君 理事 青山 二三君
理事 石田 祝稔君 理事 柳田 稔君
理事 横光 克彦君 理事 荒井 聰君
伊吹 文明君 稲垣 実男君
狩野 勝君 熊代 昭彦君
近藤 鉄雄君 田中眞紀子君
高橋 辰夫君 竹内 黎一君
戸井田三郎君 長勢 甚遠君
根本 匠君 堀之内久男君
持永 和見君 保岡 興治君
山下 徳夫君 赤松 正雄君
粟屋 敏信君 大野由利子君
鴨下 一郎君 河合 正智君
北村 直人君 高市 早苗君
富田 茂之君 桝屋 敬悟君
山本 孝史君 五島 正規君
森井 忠良君 枝野 幸男君
岩佐 恵美君 土肥 隆一君
出席国務大臣
厚 生 大 臣 菅 直人君
出席政府委員
厚生大臣官房長 山口 剛彦君
厚生大臣官房総
務審議官 亀田 克彦君
委員外の出席者
参 考 人
(大阪HIV薬
害訴訟原告団代
表) 家西 悟君
参 考 人
(東京HIV訴
訟原告) 古賀 正文君
参 考 人
(東京HIV訴
訟原告) 川田 龍平君
参 考 人
(大阪HIV薬
害訴訟原告) 岩崎 和美君
参 考 人
(HIVと人
権・情報セン
ター顧問) 屋鋪 恭一君
厚生委員会調査
室長 市川 喬君
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委員の異動
四月十二日
辞任 補欠選任
久保 哲司君 富田 茂之君
福島 豊君 河合 正智君
同日
辞任 補欠選任
河合 正智君 福島 豊君
富田 茂之君 久保 哲司君
―――――――――――――
四月十二日
国立病院・療養所の充実に関する請願(秋葉中
利君紹介)(第二八六〇号)
同(川端達夫君紹介)(第一六六一号)
同(辻一彦君紹介)(第一六六二号)
同(永井哲男君紹介)(第一六六三号)
同(濱田健一君紹介)(第一六六四号)
同(弘友和夫君紹介)(第一六六五号)
同(横光克彦君紹介)(第一六六六号)
同(秋葉忠利君紹介)(第一七八四号)
同(辻一彦君紹介)(第一七八五号)
同(永井哲男君紹介)(第一七八六号)
腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(逢沢
一郎君紹介)(第一六六七号)
同(愛野興一郎君紹介)(第一六六八号)
同(荒井聰君紹介)(第一六六九号)
同(荒井広幸君紹介)(第二八七〇号)
同(粟屋敏信君紹介)(第一六七一号)
同(井上一成君紹介)(第一六七二号)
同(伊吹文明君紹介)(第一六七三号)
同(石田祝稔君紹介)(第一六七四号)
同(宇野宗佑君紹介)(第一六七五号)
同(衛藤晟一君紹介)(第一六七六号)
同(遠藤和良君紹介)(第一六七七号)
同(遠藤登君紹介)(第一六七八号)
同(小野晋也君紹介)(第一六七九号)
同(緒方克陽君紹介)(第二八八〇号)
同(大野功統君紹介)(第一六八一号)
同(岡崎トミ子君紹介)(第一六八二号)
同(狩野勝君紹介)(第一六八三号)
同(鹿野道彦君紹介)(第一六八四号)
同(片岡武司君紹介)(第一六八五号)
同(金子一義君紹介)(第一六八六号)
同(金子原二郎君紹介)(第一六八七号)
同(川端達夫君紹介)(第一六八八号)
同(河村たかし君紹介)(第一六八九号)
同(河村建夫君紹介)(第一六九〇号)
同(木部佳昭君紹介)(第一六九一号)
同(岸田文雄君紹介)(第一六九二号)
同(久野統一郎君紹介)(第一六九三号)
同(栗原裕康君紹介)(第一六九四号)
同(小坂憲次君紹介)(第一六九五号)
同(小林守君紹介)(第一六九六号)
同(古賀誠君紹介)(第一六九七号)
同(五島正規君紹介)(第一六九八号)
同(高村正彦君紹介)(第一六九九号)
同(佐藤剛男君紹介)(第一七〇〇号)
同(坂井隆憲君紹介)(第一七〇一号)
同(坂本剛二君紹介)(第一七〇二号)
同(志賀節君紹介)(第一七〇三号)
同(塩谷立君紹介)(第一七〇四号)
同(杉山憲夫君紹介)(第一七〇五号)
同(鈴木俊一君紹介)(第一七〇六号)
同(関谷勝嗣君紹介)(第一七〇七号)
同(田口健二君紹介)(第一七〇八号)
同(田野瀬良太郎君紹介)(第一七〇九号)
同(竹内譲君紹介)(第一七一〇号)
同(竹内黎一君紹介)(第一七二号)
同(塚田延充君紹介)(第一七一二号)
同(戸井田三郎君紹介)(第一七一三号)
同(中山太郎君紹介)(第一七一四号)
同(仲村正治君紹介)(第一七一五号)
同(永井英慈君紹介)(第一七二八号)
同(西岡武夫君紹介)(第一七一七号)
同(額賀福志郎君紹介)(第一七一八号)
同(根本匠君紹介)(第一七一九号)
同(野坂浩賢君紹介)(第一七二〇号)
同(野田聖子君紹介)(第一七二一号)
同(野田毅君紹介)(第一七二二号)
同(畑英次郎君紹介)(第一七二三号)
同(鳩山由紀夫君紹介)(第一七二四号)
同(平沼赳夫君紹介)(第一七二五号)
同(福島豊君紹介)(第一七二六号)
同(福永信彦君紹介)(第一七二七号)
同(船田元君紹介)(第一七二八号)
同(古屋圭司君紹介)(第一七二九号)
同(保利耕輔君紹介)(第一七三〇号)
同(細田博之君紹介)(第一七三一号)
同(堀之内久男君紹介)(第一七三二号)
同(松田岩夫君紹介)(第一七三三号)
同(松前仰君紹介)(第一七三四号)
同(宮路和明君紹介)(第一七三五号)
同(宮下創平君紹介)(第一七三六号)
同(武藤嘉文君紹介)(第一七三七号)
同(森井忠良君紹介)(第一七三八号)
同(保岡興治君紹介)(第一七三九号)
同(柳沢伯夫君紹介)(第一七四〇号)
同(柳田稔君紹介)(第一七四一号)
同(山口俊一君紹介)(第一七四二号)
同(山下八洲夫君紹介)(第一七四三号)
同(山本拓君紹介)(第一七四四号)
同(渡瀬憲明君紹介)(第一七四五号)
同(渡部恒三君紹介)(第一七四六号)
同(相沢英之君紹介)(第一七八七号)
同(赤松正雄君紹介)(第一七八八号)
同(井奥貞雄君紹介)(第一七八九号)
同(池端清一君紹介)(第一七九〇号)
同(浦野烋興君紹介)(第一七九一号)
同(越智伊平君紹介)(第一七九二号)
同(大口善徳君紹介)(第一七九三号)
同(大原一三君紹介)(第一七九四号)
同(岸本光造君紹介)(第一七九五号)
同(北村直人君紹介)(第一七九六号)
同(熊谷弘君紹介)(第一七九七号)
同(小林守君紹介)(第一七九八号)
同(近藤鉄雄君紹介)(第一七九九号)
同(左近正男君紹介)(第一八〇〇号)
同(斉藤斗志二君紹介)(第一八〇一号)
同(志位和夫君紹介)(第一八〇二号)
同(田中恒利君紹介)(第一八〇三号)
同(竹内譲君紹介)(第一八〇四号)
同(谷垣禎一君紹介)(第一八〇五号)
同(玉沢徳一郎君紹介)(第一八〇六号)
同(千葉国男君紹介)(第一八〇七号)
同(中馬弘毅君紹介)(第一八〇八号)
同(月原茂皓君紹介)(第一八〇九号)
同(寺前巖君紹介)(第一八一〇号)
同(鳥居一雄君紹介)(第一八一一号)
同(中村正三郎君紹介)(第一八一二号)
同(長勢甚遠君紹介)(第一八一三号)
同(丹羽雄哉君紹介)(第一八一四号)
同(野呂昭彦君紹介)(第一八一五号)
同(濱田健一君紹介)(第一八一六号)
同(平林鴻三君紹介)(第一八一七号)
同(藤本孝雄君紹介)(第一八一八号)
同(前田武志君紹介)(第一八一九号)
同(松前仰君紹介)(第一八二〇号)
同(村上誠一郎君紹介)(第一八二一号)
同(村山富市君紹介)(第一八二二号)
同(森井忠良君紹介)(第一八二三号)
同(山下八洲夫君紹介)(第一八二四号)
同(山本公一君紹介)(第一八二五号)
同(山本孝史君紹介)(第一八二六号)
国立療養所北海道第一病院の存続と充実に関す
る請願外二件(金田誠一君紹介)(第一七八二
号)
国民の食品の安全と健康の確保に関する請願
(藤田スミ君紹介)(第一七八三号)
聴覚障害者に対する文字放送内蔵型テレビ給付
に関する請願(矢島恒夫君紹介)(第一八二七
号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
四月十二日
薬害エイズ被害者救済と薬害根絶に関する陳情
書外四件
(第一八九号)
公的介護保障の確立に関する陳情書外五件
(第一九〇号)
障害者小規模作業所に対する国庫補助金制度拡
充に関する陳情書外二件
(第一九一号)
保育制度の改善に関する陳情書
(第一九二
号)
病院内の保育施設運営費補助金の確保に関する
陳情書
(第一九三号)
保健所の存続に関する陳情書外二件
(第一九四号)
児童福祉法の見直しに関する陳情書
(第一
九五号)
兵庫県南部地震被災者への福祉・医療充実に対
する公的支援に関する陳情書
(第一九六
号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
社会保障研究所の解散に関する法律案(内閣提
出第四四号)
厚生関係の基本施策に関する件(エイズ問題)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/0
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001・和田貞夫
○和田委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、社会保障研究所の解散に関する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。菅厚生大臣。
―――――――――――――
社会保障研究所の解散に関する法律案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/1
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002・菅直人
○菅国務大臣 ただいま議題となりました社会保障研究所の解散に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
社会保障研究所は、昭和四十年に設立され、社会保障に関する基礎的かつ総合的な調査研究を行うとともに、社会保障に関する情報及び資料を収集すること等の業務を行ってまいりました。
社会保障に関する研究につきましては、近年の少子化・高齢化の急速な進展等を背景として、人口問題等社会保障と密接なかかわりを有する他の研究分野との連携を図りつつ、推進していくことが必要となっております。
こうした状況への対応とともに、特殊法人の整理合理化という社会的要請にこたえるため、厚生省の試験研究機関の再構築を進める中でその研究体制について見直しを行い、社会保障研究所を解散することといたしました。
以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、社会保障研究所は、この法律の施行のときにおいて解散することとしております。
第二に、社会保障研究所の資産及び債務は、国が承継し、一般会計に帰属することとしております。
第三に、解散に伴う所要の規定の整備を行うこととしております。
なお、この法律の施行期日は、平成八年十二月一日としております。
以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/2
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003・和田貞夫
○和田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/3
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004・和田貞夫
○和田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
厚生関係の基本施策に関する件、特にエイズ問題について調査のため、元厚生省後天性免疫不全症候群の実態把握に関する研究主任研究者安部英君及び元厚生省薬務局生物製剤課長郡司篤晃君を参考人として出席を求め、意見を聴取することとし、その日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/4
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005・和田貞夫
○和田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/5
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006・和田貞夫
○和田委員長 厚生関係の基本施策に関する件、特にエイズ問題について調査を進めます。
本日は、参考人として大阪HIV薬害訴訟原告団代表家西悟君、東京HIV訴訟原告古賀正文君、東京HIV訴訟原告川田龍平君、大阪HIV薬害訴訟原告岩崎和美君、HIVと人権・情報センター顧問屋鋪恭一君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中にもかかわらず御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
御意見は、家西参考人、古賀参考人、川田参考人、岩崎参考人、屋鋪参考人の順序により、お一人十分程度でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、発言する際は委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することはできないことになっておりますので、あらかじめ御了承願いたいと思います。
それでは、まず家西参考人にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/6
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007・家西悟
○家西参考人 それでは、原稿をつくってまいりましたので読ませていただきます。
本件和解に対しまして多大な御尽力をいただいた皆様方に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
本年三月二十九日に、東京、大阪の地方裁判所において、HIV薬害訴訟の和解が成立しました。被告である国、製薬会社が本件被害を発生、拡大させた責任を認め、謝罪した上での、被害者全員に対する救済を前提とする和解であり、私たちHIV感染被害者の七年にも及ぶまさに命をかけた闘いの大きな成果であります。しかし、この和解において、薬害エイズの問題が解決したわけでは決してありません。裁判所の所見でも指摘されていますように、この和解が真の解決のための出発点であります。
私は、この薬害の真の解決のために、きょうこの場において、三つの点について意見を述べます。
第一は、医療体制及び生活支援に関する恒久対策についてであります。第二は、なぜ私たちがHIVに感染させられるという悲惨な薬害に遭わなければならなかったかという真相究明についてです。そして第三は、私たちがこうむったこのような悲惨な薬害を二度と繰り返さないために今何をすべきなのかという薬害防止に関することです。
恒久対策について。
約五千人の日本の血友病患者のうち、約二千人が非加熱血液製剤の投与によりHIVに感染させられました。既に六百人余りの患者がエイズを発症し、うち四百人以上もの仲間が死亡しています。そして、生存被害者の免疫状態も日々低下しており、CD4の平均数値は九四年度で三百三十六です。患者全体が発症の寸前であるというのが現実です。
今、私たちにとって何よりも必要なのは、第一に、今生活をしている場所において十分な治療を受けられることであります。第二に、治療に専念できる生活環境です。国は、この薬害を発生、拡大させた責任に基づいて、不十分なHIV・エイズの医療体制を正常化し、充実させる義務があります。そして、私たちが治療に専念できる生活環境を整備する義務があります。
治療体制の充実。
HIV感染症研究治療センターの設立。最新、最高水準の医療を提供し、全国各地の病院への情報の発信源となるセンターの設立が必要です。
拠点病院の充実。患者が全国どこでも安心して、血友病を含む総合的、包括的な十分な治療が受けられるように、拠点病院の整備充実を早急に実施されなければなりません。
次に、差額ベッド代の解消。現在は、個室がないことを理由に入院を拒否されたり、不必要に個室に追いやられ、しかも、多額の差額ベッド代を取られているケースが後を絶ちません。その支払いを拒否すれば入院すらさせてもらえなかったケースもあります。多くの患者たちは、厚生省通達にもかかわらず、差額ベッド代の支払いに同意した上で入院治療を受けざるを得ないのが現実です。そして、その負担は月十八万円から四十八万円にもなっています。
私たちが安心して治療を受けられる第一歩として、差額ベッド代が決して患者の負担にならないように、そして、患者が負担しないことが治療拒否や入院拒否にならないような具体的な措置が直ちに講じられなければなりません。
未承認の治療薬剤の早期使用。二次、三次感染者を含む血友病以外の薬害エイズ被害者の医療費の公費負担。これは確約されていますが、実行七ていただきたいと思います。
ケアサポート体制の整備。
生活環境の整備。
健康管理費用。現在は、発症予防のための調査研究の名目で、CD4の値が五百を切った患者に月三万円余り、二百を切った患者に五万円余りが支給されています。しかし、ここには三つの問題点があります。CD4の値が五百を切らないと支給されないこと、発症すれば支給が打ち切られること、支給額が極めて低額であることです。
HIV感染者は、CD4の値にかかわらず、また発症の有無にかかわらず、全員が、日々、免疫力の低下と闘いながら、必死の思いで健康管理を行っています。根治療法がない以上、免疫力強化のために高額な漢方薬や健康食品に頼らざるを得ません。月十万円以上の費用をかけている患者もたくさんいます。そうでない患者も、経済的な余裕があれば、みんな精いっぱいのことをしたいのです。また、入通院にかかる費用も大変です。
国は、こうした現状を踏まえ、今後、和解でも約束したとおり、健康管理費用の支給対象の範囲と支給額の拡充に努めるべきです。
発症後の健康管理手当。エイズに発症した場合、患者にとってその日常生活全般にわたり介護が必要となることは、その病状からも明らかです。しかも、エイズに対する社会の理解が十分でない現状において、その介護は近親者の負担に頼らざるを得ず、その肉体的、精神的、経済的負担は想像を絶するものです。介護に要する実費だけでも月額十五万円をはるかに上回ります。
介護者の休業損害や介護自体に対する評価を加えれば、月額十五万円という発症後健康管理手当がいかに低額なものか明らかです。発症基準の見直し、金額の増額、健康管理費用との同時支給などを行っていただきたいと思います。
身体障害者認定。障害認定、障害者手帳の発行等については、個人のプライバシーが十分保護されるよう、きめ細かな配慮がなされるべきです。
薬害エイズ被害者団体及び支援するNGOへの財政援助。未提訴者の救済、ケアサポートのため、薬害エイズ被害者団体やその支援団体への財政援助がなされるべきです。
定期協議。
以上、積み残された恒久対策の実現のために、国は、私たちエイズ感染被害者と関係各省庁の担当部局との実効性ある定期協議の体制を早急に創設すべきです。
真相究明について。
今回、厚生省から当時の資料の一部が公表され、また、厚生省調査プロジェクトチームの報告がなされました。しかし、公表された資料、報告は、私たちがなぜこのような薬害をこうむったのかということの真相を明らかにするものでは到底ありませんでした。
厚生省は、次の私たちの疑問に答えるべきです。
第一は、加熱製剤の緊急輸入による早期導入がなぜ行われなかったのか。
第二は、クリオ製剤の増産、転換がなぜ見送られたのか。
第三は、血友病患者のエイズ認定がなぜおくれたのか。
一九八三年八月の時点において、帝京大学における症例がCDCのスピラ博士によってエイズと診断されながら、その認定をしませんでした。さらに、一九八四年九月には、ギャロ博士による検査結果からその患者のHIV陽性が確認されながら、なおもその患者をエイズと認定せず、一九八五年三月には、男性同性愛者の患者について、エイズの発症に至っていないことが明らかであるにもかかわらず、日本におけるエイズ患者第一号と認定して公表しました。このような厚生省の対応は、血友病患者からのエイズ発症の事実を意図的に隠し、その間、危険な非加熱血液製剤の販売促進に寄与していたとしか考えられません。
第四は、八三年、八四年、八五年と、血液製剤によるエイズ感染の危険性が明確になっていったにもかかわらず、なぜ危険な非加熱血液製剤の輸入が増加するといった信じられない行為が漫然と行われたのか。
第五は、加熱製剤承認後であっても、なぜ危険な非加熱製剤の回収が行われず、さらに新たに出荷するという事態が生じたのか。
第六は、血友病患者以外の非加熱血液製剤投与の実態と、なぜかかる事態が生じたのか。
これらの疑問点について、今回の調査では全く明らかにされていません。もはや厚生省内における調査では解明は不可能と言わざるを得ません。国会において、当時の関係者を証人喚問するなどの方策によって徹底した真相解明がなされるべきです。
薬害防止について。
私たちの苦しみが二度と繰り返されることがあってはならない。そのために、どうしても申し上げなくてはならないことがあります。
私たちは、血液製剤によるHIV感染の危険が報道されるようになった十三年前の一九八三年八月、安全な血液製剤の供給を求めて厚生省に要望書を提出しました。当時、既にエイズ研究班で血液製剤の危険性について論議されていたにもかかわらず、その議論の内容は私たちにはわかりませんでした。もし、このとき厚生省が持っていた多くの情報が私たちに知らされていたならば、だれもが、感染の可能性のある血液製剤を自分の体、子供の体に使うことは絶対になかったのです。
厚生省は、当時からたくさんの資料を集めていました。それが今になって見つかったという。だれもがその説明を信じることはできません。また、私たちは、平成元年から和解までに七年以上もの時間を費やしてきました。厚生省は、裁判になっても資料は確認できないと言い続け、当時の資料を一切提出しなかったからです。もし、この資料が平成元年に明らかにされていれば、裁判の七年間は絶対になかったのです。
もう本当に二度とこのような苦しみが繰り返されてはならない。同じことが、サリドマイドのときもスモンのときも、被害に遭われた方々の心からの願いでした。そして、国もそのことを裁判所で約束をしました。にもかかわらず、情報を隠し、過ちを繰り返した。それが私たちの薬害エイズなのです。
私たちの和解でも、国は、再び薬害を起こさないための最大の努力をすると約束しました。本当に、これは最後の約束でなければなりません。そのためには、被害が起こる前に、命にかかわる情報を、厚生省は、政府はすべて公開しなければならないというふうに変えていかなければなりません。
ところが、現在に至っても、厚生省の情報を公開させる法律はありません。公開させるための法律をつくることが検討されているようですが、郡司ファイルのような資料が公開されるようなものになるかどうかはわからないと聞いています。それだけではなく、もうすぐ、民事訴訟法が変わって、厚生省の承認がなければ厚生省は重要な書類を裁判にすら出さなくてよいというふうに変わるということも聞いています。厚生省が和解で言ってきたのとは全く違います。これでは薬害を根絶することはできないし、長い裁判の苦しみから逃れることができません。
どうか、国会議員の方々には、厚生省が隠してきた資料がこれからは必ず公開され、裁判の場にも提出されるような制度をきちんとつくっていただくよう強くお願いしたいと思います。
以上です。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/7
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008・和田貞夫
○和田委員長 ありがとうございました。
次に、古賀参考人にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/8
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009・古賀正文
○古賀参考人 このような機会を与えていただき、ありがとうございました。九州の大分から参りました古賀正文です。
足が悪いものですから、長時間立つことができず、こういう座った席で発言させてもらうことをお許しいただきたいのですけれども、私、古賀正文は、通称草伏村生というペンネームを持つ患者です。エイズを発症しています。
現在、私のCD4は、一マイクロリットル当たり十を割って、先日は、もうはかっても仕方がないよとか言われる状態にまで落ちております。現在、HIVの消耗症候群という病名が私にはついているわけですけれども、実は、私がこんなにやせてきたのは、一昨年九月に体重が四十キロを割った時点からでした。私は、本来五十三キロ体重があったのですけれども、一昨年の九月に四十キロを割ってしまって、先月は三十四キロまで落ちていました。
ですけれども、救済基金からエイズ発症者と認められて月額二十六万円の手当がもらえるようになったのは昨年の五月からでした。いろいろな仲間たちが訴えていますように、エイズ発症者を救済基金が認めるというのは、極めて厳密な状況にならないともらえない状態があって、ほとんど寝たきりにならないとエイズ患者として認定されていないという非常に不合理な現実があります。私たちは、CD4が二百を割った段階でエイズ患者として認定しているアメリカのCDCのような認定基準にぜひ変えていただきたいと思っています。
昨年の五月から月額二十六万余円の特別手当の支給を受けてきたのですけれども、今回のHIVの和解確認書によりますと、今後支給される発症者健康管理手当は月額十五万円ということで、従来受けていた手当よりも十一万円も切り下げられてしまうわけで、そのことに関しては、どう考えても承服できないというのが私の思いです。
また、今回の和解に際しまして、エイズ研究治療開発センターの開設というような項目も設けられていて、そこでは、地方在住の先生方の研修や治療に限らず、センターの先生方を地方に派遣するということも考えていただけるということで、とてもうれしく思っています。
殊に厚生省は、今回の和解に際しまして、エイズ恒久対策の体制の取り組みとかエイズ治療・研究推進体制の整備といった文面の恒久対策案が打ち上げられています。しかしながら、私には、一九八八年の十二月だったと思うのですけれども、エイズ予防法案の成立に際しまして厚生省の方が国会で答弁された、全国津々浦々に暮らす血友病のHIV感染者に最新の治療が受けられるようにするという発言の空虚さを忘れることがありません。絵にかいたもちにならないように、当時の厚生省の方々の発言を繰り返すのではなく、きちんと厚生省の恒久対策が成立するように、私たちは命をかけてその実現を求めていきたいと思っております。
私は、一九八一年から八七年にかけて、大分の血友病患者会の事務局長をしていました。当時、まだ大分では血液製剤を治療に使うということが十分周りの患者たちに伝えられていなくて、歯茎から出血が起きたらハチみつを塗ってやるといいとか、関節内出血が起きた血友病の子供たちに対して病院の先生が、君が遊び過ぎるから出血が起きるのだとしかりつけたりするような現状がありました。私たちは、そうではなくて、早期に血液製剤を使うよう話をしておりました。
ただ、私たちが勧めた血液製剤は、いわゆる非加熱の濃縮血液製剤ではなくて、当時クリオ製剤と呼ばれていた血液製剤でした。クリオに関しまして、日赤や目薬がつくってはいたけれども量は少なかったという話がありますが、私は、ミドリ十字がつくったAHFというクリオを使っておりました。クリオは使用が限定されていたとかいう話がありますけれども、そんなことはありません。私は、日本人の売血をもとにしてつくられていたのでしょうけれども、ミドリ十字のAHFというクリオ製剤を使っていたわけです。
それで、私たちは一九八一年に友の会を発足させたのですけれども、どこの病院に患者がいそうだとかいうお話を聞きますと、駆けつけて、主治医の先生に面会して、患者の自宅を訪ねていってお話をしていました。患者の発掘というのでしょうけれども、そんな仕事をずっと担当していたものですから、一九八七年に事務局長をやめた後も、そういう患者の自宅訪問というのはずっと続けてきました。それがために、大分県という小さな地域ですけれども、県内に在住する血友病患者の消息はほとんど掌握できています。
そんな九州の、百二十万人の人口でしかない地方における現状と、エイズを発症した私自身の治療水準のあり方について、きょうはお話しさせてもらいたいと思っています。
きょう私が持参いたしましたB4のレジュメの説明から入らせていただきますけれども、右側の上に大分県の地図がございます。大分御出身の衛藤先生や横光先生の前で説明することに非常に恥ずかしさを感じるのですけれども、この地図、衆議院の小選挙区制度において大分は四つに区分されるのだそうですが、その表なんです。これは人口比をもとに区分されているそうで、大分県の人口比を考える上で非常に参考になるのですけれども、実は、これまでに大分県内では八名の血友病の仲間たちが死亡しました。その八名をこの四つの小選挙区の区分に重ねますと、すべて二人になっています。
私はちょっと驚いたのですけれども、こんなふうに、血友病のHIV感染者というのは特定の地域に集中して存在するものではなくて、大分県内すべての地域に人口比に応じて存在しております。血友病は男子人口一万人に一人の割合でいるということですけれども、感染率が半分であれば、二万人の男子人口がいる地域には一人ずつ感染者がいるということでしかありません。そうした私の仲間たちがHIVに感染してしまいました。
この地図の下に用意しましたものが、私たちが確実に掌握できている血友病患者の感染実態です。零歳から五歳を含めて、十五歳までの大分県内在住の血友病患者は、生まれたときから加熱製剤が使えたためにHIVに感染した者は一人もいません。しかしながら、十六歳から六十五歳に至る血友病患者三十九名中二十二名がHIVに感染してしまいました。その感染率は五六%にも及びます。
このグラフの中、散髪屋さんの看板のように強い斜線を引いた部分は、それらの世代の中で既に亡くなった八名がいた世代を強く出したものですけれども、この表を見ていただくとわかるように、十六歳から二十歳にかけて一人亡くなってい、ますが、現在、二十一歳から二十五歳の一番健康であったはずの仲間たちが亡くなっております。HIVの感染というものは、本当に若い血友病患者たちが受けた被害でありまして、非常に不合理だと思っております。
もう一つ、グラフとして「当県におけるエイズ発症死亡者の年次経過」というのをつくってきましたけれども、一九八七年に最初の一人が亡くなった後、大分県内では発症者が五年ほどなくて、ああ、こんな状態で推移するのかなと思っていましたら、九三年以降、次々にエイズを発症しております。これは潜伐期が終わったということだろうと思いますけれども、今後とも、たくさんの仲間たちが発症して亡くなっていくのだろうと思います。
そういった意味で、今生きている血友病患者のHIV感染者に対する医療体制を十分充実したものにして、これ以上亡くなっていく仲間がふえないよう御努力いただきたいと思っています。私たち、いろいろなことを考えるわけですけれども、第一に、感染者や彼らの主治医の多くに、HIVには治療法がないのだという無力感が払拭できていません。
私は、一九八七年の八月に東京の医科研を受診しまして、九月に感染をして、それからずっと医科研に通って治療を受けてきたものですけれども、それは、もし感染しているのであれば座して死を待つのではなくて、今、日本にできる最高の発症予防治療を受けたいという思いでそれを受けました。ですけれども、多くの仲間たちが、今もなお、エイズを発症したらもうおしまいだから発症するまでこの町で頑張って働くというふうなことを言います。そういう状況しかないわけですけれども、私たちは、それぞれの主治医の先生方が、もっと的確なエイズに関する治療や、それぞれの患者が今CD4が幾つなのかというのを患者に教えてやってほしいと思っているのですけれども、実は地方ほど、それぞれの主治医の先生方、HIVはやはり治療法がないのだとあきらめている先生方がまだまだいらっしゃいまして、それを改善させてほしいと思っています。
私は、先ほども申しましたように、HIVの消耗症候群という病名を昨年の五月に救済基金から認められたわけですけれども、私の体調は一昨年から悪化していました。エイズの専門書を読みますと、HIVの消耗症候群を発症した患者は半年足らずで亡くなっていくということが書かれています。そういった意味で、私ももう寿命が尽きたのだろうと思っていましたけれども、現在も入院しているのですけれども、入院して十分な補液と高カロリーの輸液を行いましたら、きょう、このように外出することができるまでに回復しました。
高カロリーの輸液やへ下痢に基づく脱水症状を治すための点滴注射というのは、別に特別な治療ではありません。どこの病院でもできる治療です。HIVの治療はまだまだ特定の病院でしかできないのだと誤認されている方が多いわけですけれども、そうではなくて、一般の治療水準で十分対応できる病気だと思っています。そういった意味で、まだまだHIVに対する偏見が強くて私たちの診療が拒否されているという現状があるわけで、どうか、そういった部分の改善を、今後とも先生方のお力をお願いして変えていきたいと思っています。
大変時間が超過して申しわけありませんでしたけれども、どうか、今後とも私たちをこれ以上見殺しにしないように、きちんとした治療を先生方のお力で組ませてもらえたらと思っています。どうかよろしくお願いします。
以上です。済みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/9
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010・和田貞夫
○和田委員長 ありがとうございました。
参考人の皆さんに御協力をお願い申し上げたいと思います。
本日は、十二時に本会議が設定されておりますので、それまでに委員各位の質問もお受けすることになっておりますので、割り当てられた時間をひとつ厳守の上で、よろしく御協力のほどをお願い申し上げたいと思います。
それでは、次に、川田参考人にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/10
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011・川田龍平
○川田参考人 川田龍平です。
きょうは、このような機会を設けていただき、感謝しております。どうもありがとうございます。
僕たちは、国や製薬企業に謝ってほしい、心から謝罪してほしいと思って裁判を闘ってきました。そして三月二十九日、和解という形で裁判に決着をつけ、国や製薬企業に責任があったことを認め、そして謝罪をさせるという、この国にとって歴史的に画期的な解決をかち取りました。
しかし、当時の責任者が心から反省しているかといえば、決してそうではありません。真相もすべてが明らかになっていません。被告は真相を隠ぺいし、できることならそのまま幕を引こうとしたのです。
謝罪とは何なのでしょうか。和解調印書の文章には、謝罪の二文字は使われませんでした。悔しいです。本当の心からの謝罪はまだされていません。なぜこうなったのか、何が悪かったのかという反省の上で、その上での謝罪が本当の、心からの謝罪なのです。真相解明されないままでは、謝罪ではありません。何が悪かったのか、わかった上での謝罪が本当の心からの謝罪なのです。
僕の友達は、次々に殺されていきました。死んでいったのではありません。殺されていったのです。ことしに入って、親友が殺されていきました。彼は十九歳でした。二月七日に裁判所で、被告の代表者らと被害者の直接面談が行われました。彼はそのとき、既に目も耳もやられていました。脳も萎縮し始めていました。そんな彼は、東大の医科研の病院のベッドから裁判所に来て、力の限り訴えをしました。でもその後、彼は倒れてしまい、裁判所の廊下で横になって回復するのを待っていましたが、回復せず、救急車で病院にま
た運ばれていきました。そして、二月十六日の菅厚生大臣の謝罪会見があり、その謝罪を病院のベッドで彼は聞きました。そして間もなく、殺されていきました。解剖の結果、彼の心臓の筋肉はぺらぺらで、生きているのが不思議なくらいだと言われました。
僕は、彼とは小学校低学年のとき、血友病の子供たちだけを集めたサマーキャンプで知り合いました。その後、彼と再会したのは東大の医科学研究所の病院ででした。彼に会ったとき、何と言っていいかわからないほど驚きました。彼は、一つしか年が違わないのに成長していなくて、背が伸びていなくて、顔色もとても悪かった。本当に驚きました。それから彼に会うたびに、彼はどんどん悪くなっていきました。
昨年の冬のクリスマスには僕も入院していて、彼の母親が差し入れてくれたもも肉を二人で分けて食べました。でも、その彼はもういません。ミドリ十字の社長の謝罪も聞かずに、彼は死んでいってしまいました。そして彼は、自分がなぜこのような目に遭わなければならなかったのか、すべての真相を知らないままで逝ってしまったのです。
僕は悔しいです。僕は、そんなことは決して許すことはできません。自分たちがなぜこのような目に遭わなければならなかったのか、その理由を僕たちは知る権利があります。彼も知りたがっていました。僕たちは知りたいのです。真相を知らないままでは死んでも死に切れません。
一九八一年、八二年、八三年、八四年、八五年、八六年、当時の関係者は本当のことを言ってほしいです。あの当時、僕たちの命にかかわる重大な事柄がどんな形で、一体だれが決定していったのか、被害者の僕たちは知る権利を持っているし、そして、それは僕たちだけでなく国民全員の権利だと思います。
菅厚生大臣が調査プロジェクトチームを設置し、また、内部資料を公開するよう動き出したとき、僕は、これで真相が明らかになると期待しました。ところが、その期待は裏切られました。この間の厚生省の資料の出し方は、厚生省が本気で真相解明をしようとしているとは思えません。なぜ僕たち被害者が当時のすべての資料を生のままで見ることができないのでしょうか。不思議でなりません。小出しにしないで、一刻も早くすべての資料を公開すべきです。国会にもその資料は出してきていないのです。
そして、厚生省の資料の出し方も意図的です。これまでの資料の出し方を見ていると、郡司篤晃氏と安部英氏に話題が集中するようにさせられていて、この二人にすべての責任をかぶせようとしているように思えます。血友病患者約二千人が被害に遭いましたが、血友病患者はこの国の数年に及ぶ無策によって感染させられたのです。決して郡司篤晃氏と安部英氏、この二人だけで引き起こされたものではないことははっきりしています。
一九八二年、僕が小学校に入学した年、その七月、毎日新聞がエイズの報道をしました。当時はまだエイズという名前もついていませんでしたが、この奇病が血友病患者にも広がり始めていると書かれていて、母は心配になってその新聞の記事を切り抜きました。翌八三年の四月十九日、毎日新聞は、このエイズは血液凝固因子の注射の際に感染する可能性があると考えられると報道し、母はまた心配になり記事を切り抜きました。患者、家族の間に不安が広がっていました。
既に三月にアメリカで加熱製剤の承認を受けていたバクスターの小栗滋豊氏やバイエル薬品の河原潔氏の陳述書によれば、八三年五月に、生物製剤課の課長補佐の平林敏彦氏は、加熱製剤の承認は臨床試験の必要のない手続で行うということを明らかにしていたそうです。
そして、厚生省が公開したいわゆる郡司ファイルの中には、課長補佐の藤崎清道氏が書いた七月四日付の文書があり、それには、加熱製剤の承認申請を急ぐように指示するとか、米国原料を用いた非加熱製剤は取り扱わないように行政指導を行う、この程度の国内メーカーの打撃はやむなしとするなどと書いてあります。
ここに書いてあるとおりのことが実行されていれば、僕は、そして僕たちはHIVに感染しないで済んだと思っています。僕らは助かっていたのです。
でも、その方針はなぜかすぐ覆されてしまいました。厚生省の内外で何が起こっているのかもわからず、知らされないまま、七月の末に母と父は僕のかかっていた東京医科大学病院が主催した説明会に出かけ、医師たちから血液製剤は大丈夫と言われ、安心して帰ってきました。病院の説明ですっかり安心して、血液製剤を使い続けたのです。
しかし、実際は、この一カ月前の六月に、汚染された製剤がトラベノール社、現在バクスター社によって回収されるという事件が起きていたわけです。僕は小学校二年生になっていました。五月から自分の家で注射を始めていて、母が薬を溶かして僕に注射をしてくれていました。でも、この回収は僕たち患者にも、実態把握研究班にも隠されました。もしこのことが僕たちに伝えられていれば、僕たちは決して使いませんでした。
郡司氏は、上司にも相談せず自分の判断だけでこの事実を研究班にも伝えなかったと厚生省に回答していますが、このような重大なことを一人で決めるとは到底思えません。当時の薬務局長持永和見氏の名前の書類でアメリカにこの汚染された製剤が返送された以上、持永和見氏は絶対真相を話すべきです。郡司氏だけでなく、持永和見氏にも国会で真相を語ってほしいです。
また、その後、血友病患者の大量感染の事実を知っていながらこのことを隠し、そのまま危険な血液製剤を使い続けることにした松村元課長や塩川優一氏にも真相を話してもらいたいです。
一九八四年四月、僕の母は、小児科で血友病治療が行われている荻窪病院に変えました。その年はエイズの報道はほとんどなく、病院から大丈夫だと言われ、母は非加熱の製剤を安心して使い続けました。その年の夏、僕は自分で注射を始めました。全国で最年少での自己注射だと主治医に言われました。
しかし、この年のうちには栗村教授の抗体検査の結果が刻々と厚生省に報告され、厚生省は血友病患者の三割が感染していることがわかっていたのです。それでも厚生省はこのことを隠し、被害を拡大させたのです。当時の生物製剤課長の松村氏やエイズ調査検討委員会の塩川優一氏、西岡久壽彌氏たちは、僕たち被害者の前で、この国会でぜひ真相を話してほしいのです。当時、僕らは知らないまま安心して注射をしていたのです。
そして、一九八六年の十二月、僕は小学校五年生で十歳のとき、母親からHIV感染の事実を聞きました。ずっと体調が悪くて、マスコミが騒いでいたので、やっぱりそうかと思いました。それから、自分はどうせ長生きできないと思いました。そして、感染の事実を忘れようとしてきました。しかし、いっときも忘れることはできませんでした。それから週二回、副作用の強いインターフェロン治療をずっとやってきています。
十歳のときから、僕は死について考え、そして、友達にも感染の事実を隠して生きてきました。でも、高校二年生のとき、僕は裁判に加わり、この裁判で責任をはっきりさせたいと思いました。そして、そのためにはこの薬害を多くの人に知ってもらいたいと思い、実名公表をしたのです。実名で闘うことにしたのです。
僕は母から、被害をのろうのではなく、被害を乗り越えて生きてほしいと言われました。
僕たちのような苦しみはもうだれにも味わわせたくないと思っています。人は楽しく生きたいです。でも、それは社会が平和であったり、命や人権を大事にする社会であって初めて本当に楽しく生きられるということを僕は薬害の被害に遭ってわかりました。だから、僕たちの被害をむだにしないでください。このような被害を二度と起こさないためにも、真相究明は絶対に必要なのです。「過去に盲目である者は現在にも盲目である」というドイツ元大統領ワイツゼッカーの言葉にもあるように、過去の事実を直視しなければ悲惨な薬害は繰り返されるのです。情報を隠ぺいする罪が
どんなに重いものか、自分の頭で考えてみてください。これから先どれほどの被害者が生まれるのかわからない、歴史的に最も重い罪になるでしょう。真実を明らかにしてください。
僕はまだ発症せず生きています。でも、既に殺されていった多くの若者たちの遺族にとって何が弔意のあらわし方かというと、どうして自分の子供が、自分の夫が殺されていかなければならなかったのか、まずそれを明らかにすることから被害者への本当の償いが始まるのではないでしょうか。まず、真相を明らかにしてください。
僕は生きたいです。真実の中で、そして人は信じられるという確信の中で生き抜きたいと思っています。
この国会ですべての真相が明らかにされることを期待します。この国会しかすべての真相が明らかにされる場はありません。この国会で真相を明らかにしてください。
僕たちの闘いはこれからも続きます。よろしくお願いします。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/11
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012・和田貞夫
○和田委員長 ありがとうございました。
次に、岩崎参考人にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/12
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013・岩崎和美
○岩崎参考人 このたびは、国会の場で私たち被害者の声を聞いていただく機会を与えられ、心より感謝申し上げます。
私は、大阪HIV薬害訴訟原告の岩崎和美といいます。三年前に息子を十九歳で失いました。
先月二十九日には、提訴より七年余り月日をかけた裁判が、判決ではなく和解という形で成立をしました。長い闘いの末、非常に厳しい条件の中で、私たち遺族は、今を生きている人たちに私たちが通り過ぎた道を再び味わわせてはいけない、そして早期救済と全体的な立場から和解を受け入れなくてはいけないと結論を出しました。
和解成立から数日がたちました。何も変わっておりません。今もそして現在も変わることなく、社会の片隅でひっそり過ごしております。
菅厚生大臣が約束をしてくださいました、真相究明と責任の所在を明らかにすることを。和解成立の日、荒賀薬務局長も私たち原告側に笑顔で握手を求めてきました。あの笑顔は一体何だったのでしょうか。選別しながら公開する資料の、何を隠していらっしゃるのか。
私は、きょう提出しました資料で、息子と私の家族のことを知っていただきたいと思います。
日本海側の小さな地方のところに住んでおります。地方に住んでいることで情報が流れてきませんでした。情報は、患者会である友の会の会長さんから届きました。主治医からの情報はありませんでした。友の会からの情報を主治医の先生に尋ねると、機嫌が悪くなり、反対にしかられました。危険性の警告もなく、加熱製剤への切りかえは、病院の薬局の在庫が済んだら今度新しい薬が入ってくるという説明を受けました。当時、厚生省が適切な対応をしてくだされば、息子は死ぬことはなかったのではないかと悔やまれてなりません。
発症予防の治療も受けられず、AZTやddIを使い出したのは、発症し状態が悪くなってからです。せきが多くなってきても、治療はぜんそくの治療から始まります。入院するときには既に肺が曇ってしまって、回復が遅くなりました。退院も、治って出るのではなく、症状がおさまった状態で退院したのです。院内感染等、病院にいることでかえってほかの病気が感染することもあったのです。
すべてを隠さなければならない状態に追い込まれ、病院と家庭と仕事と、その間で私自身も体を壊し、点滴を受けながら気力だけで動き続け、看病し、息子を見送りました。仕事を休まなければならず、最後の入院のときには休暇がなくなっていきました。看護休暇の提出に、診断書に病名を記入すると言う医師に、なおもつらい思いをさせられました。
感染をさせられたことで家族もともに苦しみ、そして深い悲しみを受けてきました。そして、家族を失った私たち遺族は、尽くせぬ無念を抱えながら暮らしております。入退院を繰り返す中で、看病に通う交通費、差額ベッド代などで友愛財団からいただいた手当は消えていきました。その二分の一を返さなければならないことに、遺族の思いは本当に悔しく、その思いを逆なでするものです。
大阪HIV薬害訴訟原告の仲間の人たちの、ごく一部の人たちのことを述べたいと思います。
お一人目の方。年老いた御夫婦の方です。死んでしまった今、今さら被告に慰霊祭などをしていただいても、何のために行くのかと言われるだけで、原告だけの集まりには出席をしたいとおっしゃっております。
二人目の方。ある十五歳の少年です。三歳でHIV感染をさせられました。小さいときに感染したことで、中学生になったときも身長は百三十センチ台、二十八キロだった体重は亡くなるときには十六キロまでやせてしまいました。赤ちゃんのおむつがちょうど使えたのでした。体だけでなく知的にもおくれ、エイズのことは最後まで言うことはできなかったと。感染させられたことに対して怒ることも葛藤する能力さえも奪われて、ただ運命に翻弄され、死んでいきました。エイズ脳症にかかり亡くなった息子さんを息をひそのて看病して生きてきたお母さんは、自分の心の中まで息子の存在を否定したくないとおっしゃっております。
三人目の方。息子さんは軽症の血友病でした。数回の注射で感染をさせられました。主治医が感染告知をしてくれなかったことで、感染を知ったときはCD4は一けた、告知がおくれたことで既に奥さんに二次感染してしまっておりました。今は実家の方に帰っていらっしゃるそうです。CD4は日々下がっております。お嫁さんの両親にはその事実を話せません。息子さんを亡くした悲しみ以上に、お嫁さんをどうしたらいいのか、苦しく深い悲しみとなっております。
四人目の方です。夫を亡くされた奥さんです。重症の血友病患者の方です。告知されたとき、苦しみながらも、負けられない、どんなことがあっても生きると言い、一生懸命働いてきました。誠実に生きた人間が感染させられ殺されたわけで、余りにも理不尽です。夫と支え合って生きてきた人生を絶ち切られた無念な思いが今もずっと、本当にその方の胸の中で闘っておいでます。
最後の方です。何を言っても、私たちの受けた被害について、国と製薬企業の人たちは、自分のしてきた責任について何にも答えを出さないでいると。
国が自分たちの責任の重大さをどのように感じているのか、そして、その被害の責任をどのように感じて私たち被害者に弔慰をあらわしてくださるのか、今を生きる患者さんに対し生きる保障を与えてくださるのか、私たちばしっかり見届けたいと思います。
そして、最後になりましたが、真相究明です。
汚染された非加熱製剤を売り続け、そしてそれを放置した厚生省の責任は重く、その間に感染させられた人の命を厚生省の人たちは見殺しにしたと同じです。さらに、七年間の裁判を引き延ばした責任も重くへないと言っていた資料は実は隠していた。その間に、社会的に強い偏見と差別の中で、十分な医療を受けられず、死を余儀なくされ、亡くなった多くの仲間の人たち、その無念な思いは、きょうこの場所にも集結していると感じております。
一日でも早い真相究明を求めます。十九日に予定されております安部、郡司氏の両参考人を証人喚問に切りかえて、この場でこの薬害の真相究明に全力を傾けていただきたいと思います。二度と薬害を起こさない、二度と私たちのような被害者を出さないためにも。それが、この薬害を起こした責任の償いであって、私たちへの償いでもあります。国が二度と薬害を起こさない制度をつくることが、私の息子、そして亡くなっていった多くの被害者の命をむだにしない、この裁判の和解だと信じたいと思います。
どうもありがとうございました。どうぞ本当によろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/13
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014・和田貞夫
○和田委員長 ありがとうございました。
次に、屋鋪参考人にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/14
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015・屋鋪恭一
○屋鋪参考人 貴重な時間をいただきましてありがとうございます。HIVと人権・情報センターという患者・感染者を救援する団体の顧問であり、ケアーズといいまして、血友病患者の感染者並びに血液製剤から感染した患者を救援する、もちろん血友病の場合は非感染者のお世話もさせてもらっているのですけれども、その顧問として話をしたいと思います。現在、私どもの会には五百人余りの感染者が救援対象者としていますので、そういった全体の問題をどう解決していったらいいのかという視点から話をしたいと思います。
それと、過去の追及の問題については、あるいは真相解明の問題については四人の参考人が既に述べられていますので、私からは、むしろこれからの未来に対する懸念について述べたいと思います。その中で、諸種の薬害被害者の問題解決のため、最低改善されるべき点について述べたいと思います。血液製剤によるHIV感染は、被害が終わった問題ではなく、その被害は現在も拡大している問題だからであります。
感染後十年前後の時間がたち、多くの感染者が発病時期に入っております。九四年現在、生存感染被害者のCD4の平均値は三百三十六個でありまして、これは一般の健康な人から比べれば四分の一前後の数値であります。これは、生存感染者の平均値でありますので、ゼロに近い感染者が亡くなると全体を上げるということもありますが、現実にはかなり厳しい数値でありまして、現在、私どもの救援している人たちあるいは僕たちの活動のボランティアとなっている感染者の人たちの中で、二けたの感染者の方がふえております。
いわゆるCD4二百前後のボーダーラインにおられる感染者が非常にふえていまして、たくさんの感染者が、いつ仕事をやめて治療に専念しようかという形でかなり動揺されておりまして、そこらあたりの問題もかなり深刻かと存じますが、そういった環境で、諸施策について、いわゆる中身の問題と、スピードの問題というのか、明確にスケジュールを立てて諸施策を行う必要があるのではないかと深く感じるところであります。
まず一番目に、HIV医療の正常化についてであります。
八年来、八八年から国と交渉してまいりまして、そこで、今までに何十回となく厚生省のエイズ対策課を中心に交渉してまいりましたけれども、いつも思うのは、窓口のエイズ対策課では若干の熱心さで受け取っていただけるのですが、それが厚生省全体の取り組みになっていないということです。とりわけ問題であるのは、エイズ対策課がある程度のアクセルを踏んで、国立病院部が全く動かないために、ブレーキを踏んできたということであります。これは感染症治療であるために政策医療たらざるを得ず、国公立病院の働きが非常に重要になるということなんですが、その点、非常に動きが鈍かった。これが日本のエイズ医療をおくらせてきた一つの大きな原因かと承知しております。
もう一つは、感染に対し責任を持つ厚生省直轄の国立病院でHIV医療に積極的に取り組んでこなかった現状がある。
特に私どもの地元の国立大阪病院においては、そこで何十人もの感染者を生み出しながら、実際に治療できない体制に追い込まれていった。実際診てきたドクターをやめさせていってしまう、そういう暴挙もしております。そこは拠点病院にも選定されておりまして、そういったことがことしの三月末に行われました。ということは、薬害エイズの問題について、国立大阪病院ではどうでもよかったということと承知しております。
もう一つは、縦割りの行政の問題点であります。
現実には、薬害被害者の過半数以上が国公立、私立の大学病院に入院しております。それで、医療問題について交渉しておりますと、国公立、私立の大学病院の問題であればそれは文部省の問題だから難しいという形の答えが返ってきます。
ただ、文部省の問題であろうが、これは私は、厚生省は窓口でしかすぎない、国全体として薬害被害を考えていかなければならないというのが筋だと存じております。現実に過半数以上の患者が大学病院で診ている以上、国立病院が急速によくなるということも、ある程度時間がかかるでしょうし、それに、患者にすぐに移れと言って、変わる方もいますでしょうけれども、その病院に残りたいという方の場合、どういう治療を行っていくのかということを考えなければならないと思います。
もう一つは、大学病院ではだめで、では国立病院でやっていただくのかといえば、拠点病院の選定のときに拠点病院に一番なりたがらなかったのはほとんど国立病院でありました。だから、そういった意味で、文部省の大学病院でもだめ、では責任のある国立病院にやろうと言ったら、実際に具体的に進めていく中では否定的な見解が出てくる。では、患者はどこに行けばいいのでありましょうか。その点、厳しく考えていただきたいと思います。
それと、大学病院においては、大学教授がかわるたびに治療方針が変更し、有名な話では、東大医科学研究所において、教授がかわるたびに治療方針が変わり、現在、診療現場が動揺していると聞き及んでおります。関西では、関西医大において、教授がかわった後、骨髄移植に治療が移転し、入院を希望していた人が入院できずに早死にしてしまう、ほとんど見捨てたに近いような事例もございました。これを何とかしていただきたく存じます。
それと、八年間の交渉の中で思いましたのは、国のエイズ対策がきちっと体系立ったものではないということであります。常に泥縄であり、もう一つは、医療政策においては、患者を治そう、この問題を解決しよう、そういったものが必ずしも強くあったのかと非常に疑問に感じるところであります。
それともう一つは、今回の薬害被害を生んだ血液事業の問題であります。
一つには、製薬企業の問題点もございますが、その受け皿として日赤がどのように働いてきたのか。それとか、国が国内の血液自給を基調とした血液事業答申を複数出しながら、それをみずからほごにしてきた過程においてこの事件が起こったということについて、真摯に反省していただきたい。
それと、現在、血友病患者が使っている遺伝子製剤においては、安定剤として大量にアメリカ産の売血のアルブミンが使われているということであります。私どもは、遺伝子製剤を含め、この薬害は終わったものではなく、既に新たな薬害の種がまかれたものと承知しております。それについて、抜本的な血液事業の見直しをお願いしたいと思います。
最後に、患者・感染者のケアサポート、相談等の問題であります。
発病者が非常に増加しております。その人たちは、家族も長期の介護で疲れております。家族が年老いて、なかなか介護に入れない方もおります。付添婦さんを雇いたいと思っても、金銭的に余裕がある場合でも断られる場合があります。それと、金銭的に余裕のない場合、あるいは差額ベッドも求められるということになると莫大な費用がかかります。私ども、必死で資金を集め、付添婦の派遣等とか、何とか一部はやってきましたけれども、これはいわゆるボランティアベースだけでは不可能で、日本においても、海外においてと同様、社会福祉事業としてのHIV患者・感染者全体のケアサポート事業の位置づけがないと、これは被害が拡大すると思います。これについては医療政策ほど費用がかからないと思いますので、その点、御考慮をしていただきたいと思います。
それと最後に、感染被害の実態調査の問題であります。
第四ルートの問題は言うまでもなく、年に一、二度しか行かない血友病患者におきましては、その感染の実態が不明であります。それと、八四年や八五年の初期に亡くなられた患者については、カルテの問題が既に生じております。そういった意味で、感染の被害はどの程度なのか。
それと、速やかに未提訴者が提訴を行える状況にするために、厚生省は山田班に対して強く、投薬証明を書いて和解の提訴を進めるように伝えていただきたい。その問題が一点あります。それと、厚生省としても、実は現場のドクターで投薬証明を書かない方も若干名おられますので、投薬証明を書くように強く勧めていただきたいと思います。
私の言いたいところは以上なんですけれども、私どもは、今回の薬害被害の問題がこの問題の解決の大きな契機だと強く確信しております。これは、血友病の感染被害者のみならず、医療全体や諸制度が整えられることによって、すべての感染経路を超えた感染者の救済、医療の正常化、そういったものがなし遂げられるのではないかと強い期待を寄せております。
きょう、拠点病院会議で二百人近くの院長さんやいろいろ来られると聞いております。いっときは数名のドクターの時代もあったと聞いております。ぜひ、医療政策を完全ならしめて、この問題が人が傷つくことなく穏やかに解決できるシステムをつくっていただきたく存じます。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/15
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016・和田貞夫
○和田委員長 ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/16
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017・和田貞夫
○和田委員長 この際、御協力をお願い申し上げたいと思います。
お体の悪い方が傍聴されておりますので、本日、委員会では喫煙を御遠慮願いたいと思います。御協力をお願いいたします。
これより参考人に対する質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。衛藤晟一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/17
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018・衛藤晟一
○衛藤(晟)委員 ただいまお話をお聞かせいただきまして、改めて我々も政治の責任の重大さをかみしめているところでございます。また、皆さん方が本当に長い聞苦しんでこられたということについて、私どもも、昨年の秋までというものは本当に手抜かりがあったな、申しわけなかったなという気持ちでございます。十月六日、第一次和解勧告が出されまして、裁判所の所見も読み、改めて私どもも薬害エイズの全面解決に向けて、皆さん方の実情やお気持ちを十分理解して、何とかちゃんと対策を立てたい、和解に向けて、そしてまた恒久対策、真相究明、再発防止のための最大限の努力をしたいというぐあいに考えているところでございます。
今お話をお聞きいたしまして、改めて、三月二十九日に和解が成立をいたしましたが、しかし、それまでの間、大変つらかったことが多かったのではないのかというぐあいに思います。おのおのの参考人の方に、どんなことが一番つらかったのか、お聞かせをいただければというぐあいに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/18
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019・家西悟
○家西参考人 どんなことがつらかったかと今言われましたけれども、私たちは、昭和六十三年、エイズ予防法の廃案と救済を求めて運動してまいりました。そのときにも、エイズ予防法の反対のビラをまいているときですら、当時の社会的偏見というものはすさまじかった記憶があります。エイズというビラの文字を見ただけでそのビラを受け取っていただけない、エイズだといって手を引かれるというような状況の中、あのエイズ予防法は通ったわけです。
私は、ここでお願いしたいのは、やはりエイズ予防法というものは百害あって一利なし、あの法律は断固廃止していただきたい。あれは私たちの口封じのためにつくられたような法律だといまだに思っています。もう一度、あれはこの厚生委員会で審議し直していただきたいと思います。あれはらい予防法をもとにつくられたものと私は思っています。そういうものをたたき台としてつくられた法律です。あれは断固として廃止していただいて、我々患者救済の保護法というものに新たに制定していただきたいと思っております。私の方からこれだけということで、終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/19
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020・川田龍平
○川田参考人 僕が一番つらかったのは、やはり友達が亡くなっていったことです。
それと、今僕も発症予防の治療を続けていますが、インターフェロンの治療を週二回、小学校六年生のときからやってきたこと、そして、ddIと併用してやっていることが非常につらいです。
それから、なぜ自分がこうなったのか、感染させられたのか、知り得ないことがやはり今一番つらいです。そして、何としてもやはり、自分がなぜ感染したのか、その真相を知りたいというふうに思っています。謝罪の二文字が調印書に入らなかったのは非常に悔しいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/20
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021・古賀正文
○古賀参考人 私は、自分がHIVに感染したというのを教えてもらって八年たうわけですけれども、今でも自分が死んでいくというのが恐怖です。もっともっと生きたいと思っていますし、HIV感染というものに関して受容というのはまだできておりません。そういった意味で、いつも不安と隣り合わせで生きているわけで、それがやはり私にとって一番つらいことです。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/21
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022・岩崎和美
○岩崎参考人 私にとって一番つらかったことは、息子にその病気が本当にわかることがすごく怖かったのです。息子のやりたいこと、したいことを一つずつ奪っていったこの病気に対して、私は、息子の最後の願いであった、自分のやりたいこと、夢をかなえさせてあげたい、それだけが私の願いだったものですから、それを告知できない毎日の生活が本当につらかったので。
そしてその当時、私は、だれに対してこの怒りをぶつけたらいいか、それすら自分の中で整理がつかず、自分自身が子供に家庭注射をしてきた母親の立場として、自分を責め続けたというか、自分が感染させた、そういう思いで、血友病という難病を背負わせたことと感染させたことということを一人で自分の中で責め続け、そして暮らしてきました。
でも、この裁判でいろいろな事実が明らかになってきて、私はやはり、自分の息子を私たちは本当に殺されていって、家庭を壊されて、人生をめちゃくちゃにされた、そう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/22
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023・衛藤晟一
○衛藤(晟)委員 屋鋪さんに、先ほど血液事業の見直しをやるべきであるというお話の中で、新たな被害が始まっているではないのかという話を伺いました。そこのところを詳しくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/23
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024・屋鋪恭一
○屋鋪参考人 一つは、遺伝子製剤なんですけれども、アメリカの売血のアルブミンがまだ使われているということで、国内の献血体制というのはかなり安全なものに改善されていて、相当な努力をされているということで非常にいい制度になりつつある、それが、その売血のアルブミンがそのまま遺伝子製剤という形で、なぜか、人間のものは入っていないから安全だよと言いながら、実は、第Ⅷ因子製剤というのはその場合の非常に一部なんですね。安定剤のアルブミンを打っているようなものなんです、量的にいえば。
そこのところが抜け落ちているのと、それと、薬価差益がそちらの方が大きいものですから、どちらがいいかという判定よりも前に、病院が、利益がそちらが上がるからという形で転換していっているのですね。そのために、国内血の自給というのがまた危なくなっているという形が出てきているわけです。
それと、遺伝子製剤の場合、長期使用の場合、どういったものが起こるかまだわからない点もありまして、以前のときに、なかなかクリオに転換しなかったという状況があったかと思うのですけれども、できたとは思うのですが、今度の場合、遺伝子製剤がそこから利益が上がるということでどんどん変わっていった場合、それが何か問題があった場合、献血に移行するというのは物すごい期間がかかると思います。
そういった部分で、献血由来の血液も確かに危険な面がありますので、選択の余地を残していって、二つの血液製剤が同時併存してやっている、その比率を考えながら国が血液事業自体を政策的にリードしていただいていけば、これからの起こる被害というのが最小限にとどまるのではないかというふうに思うわけです。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/24
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025・衛藤晟一
○衛藤(晟)委員 屋鋪さんに、和解成立後、恒久対策についてのずっとお話がございましたが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/25
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026・屋鋪恭一
○屋鋪参考人 うまくいけば、僕らの方でいわゆる目標としているのは、特効薬待ちの状態をつくり出せればいいなと言っているのですけれども、だから、特効薬自体はどんな努力があったとしても、そこのほかなんですけれども、厚生省で導入が決まりましたいろいろな薬が使いやすくなる状況であるとか、それとか、医療センターや拠点病院や地域中核病院とか、そういう医療的な施策が早く立ち上がって、それと付添看護とかカウンセリングを含めたケアサポート、そういった総合的な対策が一貫してとられましたら、非常に寿命は延びてまいります。
それともう一つは、私ども、ケアーズとかセンターで五、六人の感染者を職員として雇っておるのですけれども、これは別に感染者だから温情的に雇っているのじゃなくて、明らかにこの感染者は職員として戦力になるから雇っているわけですけれども、やはり今回の患者・感染者のカウンセリングやケアサポートの場合、大きなプライバシーの壁がありますので、感染者の中でやる気のある人が職員となっていく、そういったことがこの問題の解決に非常に役立っている。それと、薬の問題とか患者特有の勉強もよくしておりますので、それともちろん看護婦さんやヘルパーさんや、そういったたくさんの人、あるいは訓練されたボランティアとか、そういった者が含まれてやりますと非常にいいのではないか。
特に感染者の人にとっては、ただ単にお金が来て何とかという形では生きていけないのですね。やはり自分がこの社会で必要とされているのだ、生きていく目的があるのだということでみんな元気に生きていけているという状況ですので、僕は、これからで言えば、そういった社会福祉事業の中で感染者が生きていける環境というのをぜひ、特に若い感染者、これからどうやって仕事をしていったらいいのかとか、今の仕事はできたらやめたいのだけれども週四日程度は働けるとか、そういった人たちのために、国会議員の諸先生方にも考えていただけたら、感染者の社会福祉も進みますし、社会に感染者が役に立っていけるのではないかと思います。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/26
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027・衛藤晟一
○衛藤(晟)委員 以上で、もう時間オーバーでございますので終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/27
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028・和田貞夫
○和田委員長 山本孝史君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/28
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029・山本孝史
○山本(孝)委員 新進党の山本孝史です。
質問に先立ちまして、今回の薬害事件で、大変悔しい思いの中でお亡くなりになりました皆様に心から哀悼の意を表します。また、御遺族の皆様方には心からお悔やみを申し上げます。また、今もこの病気と闘っておられる皆様に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
今回の薬害事件については、その真相解明あるいは恒久対策の確立という問題を被害者である皆様に負わせてしまうというような形で、かえってエイズ予防法等を制定して苦境に追いやるというような、国会の無知無能さあるいは無力さというものについて、私も議員の一人として心からおわびを申し上げたいというふうに思います。
昨年の五月に実は皆様方にお会いして、この三冊の本をいただいたところから私も勉強を始めさせていただきました。その程度の人間ではありますけれども、今、新進党の中に薬害エイズ問題調査会あるいは薬害防止対策部会というものをつくりまして、この真相解明あるいは再発防止対策に取り組みをさせていただいています。
ファイル解明の経緯についても、このファイルがどうやって見つかったのかというところの解明についても、実は、厚生省としてはまだ私ども新進党の調査会に回答を寄せていません。そういう程度の中で、明らかにする姿勢に欠けているという今の厚生省の姿勢というものは極めて厳しく糾弾をされないといけないと思っています。
きょうは、限られた時間ですので、これから先の治療体制等を中心にお伺いをさせていただきたいのです。
まず、古賀さんにお伺いをします。
九州の方は随分地域の格差があってというか、全国的に医療格差が極めて高くて、九州はいまだにカリニ肺炎でお亡くなりになる方もおられるとかというふうにお聞きをするのですね。そういう意味で、地方での今の治療の難しさですとかその御苦労とかをお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/29
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030・古賀正文
○古賀参考人 例えば、東京の医科研には百人を超す感染者が常時通院しているわけですけれども、地方の主治医にとってHIVに感染した患者は、彼が診ているたった一人の血友病患者がすべてなわけで、彼は今後どういう経過をたどるのかというようなことを全く知らないまま治療に携わっておられるという現状があります。
そうした中で、先生方がどうしたらいいのだろうと思い、戸惑っている間に、カリニ肺炎だとか、眼底にサイトメガロウイルスが増殖して亡くなっていって、カンジダ症というカビの症状があるのですけれども、そのカンジダは薬を飲めばすぐ治るのですけれども、それができないまま全身にカンジダというカビを生やさせて亡くなっていっているという現状があります。
やはりドクターにとって、治療経験を積むということが診療する上で大きな力になるのだろうと思いますけれども、何人も患者を診る機会のなかったであろう地方在住のそれぞれの主治医にとって、まだまだどう治療を進めたらいいのかというのがわからず、そういう結果に陥っているのだろうと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/30
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031・山本孝史
○山本(孝)委員 家西さん、団長としてもこれまで活動されてこられましたので、いろいろ皆さんのお話も聞いておられると思うのでお聞きするのですけれども、今、患者の皆さん方は、血友病の治療もC型肝炎の治療も、あるいはその他感染症のいろいろな治療も受けなければいけない、したがって、いろいろな科にわたって受けていかなければいけないわけですね。そういうところで、今の治療体制に対して極めて心配されておられるのじゃないかと思うのですが、その辺のお気持ち等をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/31
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032・家西悟
○家西参考人 今お聞きのとおりで、血友病治療自体の根幹が今問われ出しているというか、非常に貧困に帰しているとしか言わざるを得ない状況があります。
血友病治療をやっている間はどうもなかったけれども、HIV治療を行うために病院で片隅に追いやられるというか、それをやっているがために患者が減るから、おまえがそういうことをするからだというように病院内でドクターが言われて隅に追いやられて、最終的には首を切られるというか、転任せざるを得ない状況が続いています。こういうことでは、幾らいいセンター構想ができても何があっても、結局、それを受けられる患者は、ドクターがいないために、箱はできたけれども中身がないということを繰り返すのじゃないか。
そして、血友病に最も必要なのは、最も必要というか一つとして、やはり整形外科治療というものが大切なんですけれども、これは関西においては全くだめな状態になりました。今までやっていた病院でも今現在それほど行えない、個人の開業医をされているドクターのところへ行ってやるために入院ができない、手術ができないという状況があります。我々、関節内出血を繰り返すために、その後遺症として関節機能障害等が起こるわけですけれども、その治療も行えないのが現状です。
ですから、この辺も含めた包括医療体制を充実していただかないと、我々は今後のHIV治療だけではなくて、血友病治療も含めて、すべてにおいて包括的な医療がなされなければならないと私は思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/32
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033・山本孝史
○山本(孝)委員 重ねてお伺いしますけれども、先ほどの御発言の中にもありましたけれども、患者さんの大半の方たちが大学病院の方で治療を受けておられる。中国地方に行けば広島大学だとか、北海道だったら北大の病院だとかという形で、大体、拠点病院になるわけですね。さっきおっしゃったように、厚生省が今対応している中で、国全体として厚生省を窓口に文部省の方もしっかりしていただかないといけないというふうにおっしゃったわけですけれども、やはり国立病院よりは頼りになるのは大学病院だという感じなんですか、今の感覚では。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/33
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034・家西悟
○家西参考人 そうですね。患者が行っているのは、やはり国立病院よりも私学の大学病院が多いと聞いています。従来、血友病というものは国公立よりも私学の大学病院で治療を行っていたという経緯がありますので、やはり文部省も含めてこの対策を一緒になってやっていただかないと、本当の意味での十分な治療体制、また拠点病院というものは充実しないと私は思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/34
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035・山本孝史
○山本(孝)委員 屋鋪さんにお伺いしたいのですけれども、未提訴者の問題です。
投薬証明を出してくれない病院があるのじゃないか、国立病院の中にもあるだろう、あるいは愛知県の方はそういう病院が多いような話も聞くのですけれども、患者さんの中でそういうふうなお声が出ているのですか、投薬証明を出してもらえないのじゃないかと心配しているという。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/35
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036・屋鋪恭一
○屋鋪参考人 ケアーズという団体で、ワールドエイズデーの十二月一日、三十六時間連続で相談電話をしたのですけれども、愛知の病院で、投薬証明どころか健康管理手当の申請書すら書いてくれないドクターがいたと。それと、なぜかわからないですけれども、愛知地区の方が投薬証明を書いてくれないドクターがかなり集中しているような印象を持っています。
それと、各地区でもいろいろな問題があるのでしょうけれども、そんなにたくさんかどうかということはわからないですけれども、投薬証明を書いてくれないとか、告知が一部まだ終わっていないところについては健康管理手当の申請書も書かないようなことも可能性としてありますので、いわゆる薬害被害者の速やかな救済のためにも、厚生省や山田班において各病院に対してその指導を徹底させていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/36
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037・山本孝史
○山本(孝)委員 時間ですので質問を終わりますけれども、私は、皆さん方の勇気ある行動から、何をなすべきかということを教えられて、あるいは勇気を与えられたというふうにも思います。きょうも御発言の中で、たくさんの課題を我々国会の方が受けとめなければいけないのだというふうに思います。龍平君の「龍平の未来」という本もいただきましたけれども、龍平君の未来あるいは皆さんの未来は私たち全員の未来であるというふうに私は思います。そういう意味でも、このエイズの薬害の問題の解明を通じて、平和で明るい未来が築けるようにともに頑張っていきたいというふうに思います。
きょうはありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/37
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038・和田貞夫
○和田委員長 横光克彦君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/38
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039・横光克彦
○横光委員 横光克彦でございます。
きょうは参考人の皆さん、本当に御苦労さまでございます。
さきの三月二十九日に、一応和解が成立したわけです。この和解にこぎつけるまでの原告団の皆様方の本当に長い間の、そしてまた命をかけた闘い、これが、不十分とはいえ一応和解にこぎつけた、まずそのことに敬意を表させていただきます。
今お話を聞いておりまして、和解は成立したのですけれども、真の和解への、解決への出発点である、それが始まったのだ、これからが本当の闘いであるのだという皆様方の今の悲痛な生のお声を聞きまして、まさにそのとおりでございますし、薬害エイズというのは何ら患者の皆様方には非のない被害でございます。そして、その原因は、やはり国であり、製薬業界であり、そしてまた医師を含めた、要するに構造的な仕組み、これが原因であることはもう疑う余地がないわけでございます。
今お話を聞いておりまして、たくさんの、本当にたくさんの課題が残されているのだな、私たちはこれに本当に全力で取り組まなければいけないなという思いが強くいたしております。こうして質問の場を与えられたのですが、果たして私たちに質問する資格があるのか、そういう思いさえ今私はしているところでございます。
そういった中で、なぜこんなことが起きたのか、これからそれを解明していかなければならないわけですが、厚生省、薬関係あるいはお医者さん関係、いろいろありましょうが、ただ、これは本当にやぼな質問になるかもしれませんが、もしその中で一番大きい責任はどこかと問われましたら、皆さんお答え一つになろうかと思いますが、川田さん、ひとつ代表して、一番大きな責任はどこにあるか、このことをお尋ねさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/39
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040・川田龍平
○川田参考人 本当にやぼな質問だと思います。どこも責任あることは明らかです。
本当に僕は一番責任があると思うのは、やはり隠ぺいしていることだと思います。これによってこれから先の被害が起きていくことを考えれば、二千人もの被害を生んだこの責任ももちろんですが、隠すこと、あいまいなまま終わらせることというのが最大に重い責任だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/40
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041・横光克彦
○横光委員 申しわけありません、やぼな質問で。でも、なぜこれを聞いたかというと、これからの薬害の根絶、再発防止の一番の原点でございますので、まず患者の皆さん方の声を聞きたかったわけでございます。
次に、古賀さんにちょっとお尋ねします。
古賀ざんは、草伏村生というペンネームで本をお書きになっております。「冬の銀河」という本でございますが、私も読ませていただきました。この中で、一九八三年当時の古賀さんの思いが、本当に短い中で、一行で痛烈に、すべてを把握した言葉が書かれているのですが、「血友病患者は、血液製剤企業の金づるの一つでしかなかった。」こういうふうに書かれております。
こういった金づるの一つでしかなかったという思いをほとんどの方が持っていると思いますが、この血液製剤企業、そしてまたこれを許した国、要するに血液製剤企業と国に対する思いを一言お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/41
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042・古賀正文
○古賀参考人 日本では、日本人の血液を海外に輸出されることは多分昭和三十六年の段階で禁止されているのですね。ところが、アメリカの売血を輸入することは禁止されていなかったわけで、この不条理が非常に大きいのだと思います。俗に言われていますように、日本で日赤が血漿一ccをつくるためには二十五円から三十円かかるのだけれども、アメリカから輸入された血漿を使えば一cc五円で済むという話があって、そういった意味で、日本に血液製剤を売り込むということはメーカー側にとってはとても利益の上がる問題であったと思っています。
そういった部分がすべて重なってこのような被害が生まれたと私たちは考えていまして、やはり国の血液行政のあり方、あるいはメーカーの人たちにとって私たちは金のなる木でしがなかったという部分を強く感じている次第です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/42
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043・横光克彦
○横光委員 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/43
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044・和田貞夫
○和田委員長 枝野幸男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/44
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045・枝野幸男
○枝野委員 きょうはありがとうございます。
時間がありませんので、まず古賀参考人にお尋ねしたいと思うのです。
先ほどの話にも若干出てまいりましたけれども、厚生省あるいは製薬会社に責任がないということをいまだにおっしゃる方の理屈の一つが、非加熱製剤をやめてクリオに戻したりすると命にかかわるのだというふうな御主張をされる方がいまだにいらっしゃいます。古賀さんが御年長という
ことで、血液製剤ができる前の状況を一番御存じだと思いますので、確かに血液製剤によって便利になったのは事実なんだろうと思うのですが、それ以前、例えばクリオあるいはクリオ以前の段階で命にかかわるというような状況であったのかどうか、教えていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/45
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046・古賀正文
○古賀参考人 出血がとまりにくいということはありましたけれども、いわゆる新鮮な血液を投与することで出血はとまっていました。いまだに私の両親は、血液製剤よりも新鮮血を打った方が私の出血は早くとまるのだと言っております。そういった意味で、私たちの治療はクリオで十分でしたし、クリオから高濃縮の血液製剤にかわったのは、それを売り込むことでメーカーの利潤がふえるからだろうと思っています。そういった意味で、先ほども申しましたように、やはり私たちは金づるとして使われたのだなという思いが今でもしています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/46
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047・枝野幸男
○枝野委員 ありがとうございます。今の点の御認識というのをまだ誤解されている方がいるということを大変私も危惧いたしております。
もう一つ、真相究明の点について、東京、大阪、それぞれ代表して家西さんと川田君に一言ずつお答えいただければと思うのです。
真相究明に向けて我々も含めてこれからいろいろなことをしていかなければならないと思っておりますが、一気に全部はできない、順番にやっていかなければならない中で、もし優先順位をつけるとすれば、我々が次にしなければならないのは、具体的に、例えばだれにどういうことを話を聞くとか、あるいはどういう調査をするとか、それぞれの原告団を代表して、我々が何をすべきか、一番優先順位の高いことを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/47
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048・家西悟
○家西参考人 私は、今回の真相究明の一つとして、七月のあの一週間で変更されたという部分をマスコミの方々がよく言われていますけれども、私はそこだけではないと思います。
一九七五年以降の問題、なぜこの高濃縮製剤をアメリカから輸入することになったのかというところからやらないと、やはり本当の意味での真相は出ないのではないか。血液行政、厚生大臣の諮問機関の具申ですか、答申ですか、そういうようなものが出ていたにもかかわらず、また、WHOの方から血液は国内自給すべきだという話も出ていました。そういうものがありながら、なぜ日本が輸入を開始しなければならなかったのかという点についてからやらないと、本当の意味での今回の薬害の真相は出てこないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/48
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049・川田龍平
○川田参考人 まず真相解明に絶対にしなければいけないこと、一番最初にやるべきことは厚生省にすべての資料を公開させることです。国民にもちろん知らせるということと、この国会の場にもいまだにすべての資料が提出されていないこと、そのことはやはりこの国会が甘く見られているというか、本当にそうとしか思えないのですが、すべての資料を厚生省に公開させるということです。きょう、このHIV訴訟弁護団の方でも厚生省に対して資料の全面公開を、要求書を出しました。本当に資料をすべて公開することが何よりも先にやることだと思います。
それと、参考人という形で安部氏らを呼ぶことになっているそうですが、そこを証人喚問という形でぜひやっていただきたいというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/49
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050・枝野幸男
○枝野委員 大変短い時間でしたので、もっと聞きたいことはたくさんあったのですが、今御指摘をいただいた点を貴重な御意見としてやっていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
きょうはありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/50
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051・和田貞夫
○和田委員長 岩佐恵美さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/51
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052・岩佐恵美
○岩佐委員 きょうは、参考人の皆様には、本当に遠くからあるいは健康が大変な中、御出席をいただきましてありがとうございました。先ほどから大変貴重な御意見をたくさんいただきました。
私どもも、この問題について、まさに製薬企業と行政が癒着をしている、そういうことから起こっている構造的被害だというふうに思っておりますし、また、政治の分野でも企業献金等が随分流れている、そういう疑惑も私は当委員会で指摘をしてきています。こういう問題について本当に徹底解明してこそ、この問題の解決につながっていく、薬害を根絶していくことになるというふうに思っております。皆さんの取り組みに私どもも本当に勇気づけられ、励まされて御一緒に取り組んできましたけれども、これからも頑張っていきたいというふうに思っています。
そこで、先ほど古賀参考人からお話がありましたけれども、発症基準の問題について、古賀参考人が、九四年九月に従来五十三キロあった体重が四十キロを割ってしまった、その後もずっと発症者として認められなくて九五年五月から初めて認められたということで、大変これはどうしてこういうことになってしまったのだろうかという思いがいたします。その点について、どうしてこうなったのか、この問題についてどうしていけばいいのかということについてお話を例えればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/52
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053・古賀正文
○古賀参考人 実は、四十キロを割った時点で、医科研の先生方に、これは発症者として認定してもらえないだろうかと御相談しましたら、まだそれは無理だと言われました。俗に言われていることですけれども、エイズを発症しても寝たきりにならないと認定されないのだという話があります。いよいよ死の床についた段階でなければ認定されていないという現状があるのですけれども、私たちはやはりCD4が二百を割った段階で認定してほしいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/53
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054・岩佐恵美
○岩佐委員 先ほど川田龍平さんから、被害をのろうのではなく被害を乗り越えてほしいと母に言われた、平和や人権があって初めて人は楽しく生きられる、真相の解明がどうしても必要だというふうに言われました。
それから岩崎さんから、一番つらかったことという問いに対して、息子に告知できないということがつらかったし、そして、だれにこの怒りをぶつけていっていいかわからなかった、整理がつかなかったとみずからを責め続けた。これは、私も自分が母親ですから、こういう事態になったら本当にそうだったのだろうなというふうに思います。そして今は、恐らくそのことを乗り越えてこられているのだろうと思うのです。
川田龍平さんに、そうした気持ち、そして今、真相究明をどうしてもしてほしいというふうに言われましたけれども、その点について、もしまた別の角度で発言があればお伺いしたいと思います。
それから岩崎さんには、乗り越えられて、今本当にしてほしいこと、やりたいというふうに思っていること、そのことがありましたらお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/54
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055・川田龍平
○川田参考人 なぜ自分が感染させられたのかということ、何が悪かったのか、どうしてこうなっていったのか、だれが決定していったのかというところをやはりはっきりさせてほしいというふうに思っています。
この間の厚生省の資料の出し方にしても、和解が成立した後に重要な書類を出してきたりとか、それから、一番問題になっていると月四日と七月十一日との間のなその一週間と言われているところで、七月四日の書類を書いたと言われている藤崎課長補佐の個人ファイルを、その調査プロジェクトが再調査をやった後に提出してくるという信じられないこともありましたし、なぜこうなっていったのかというその真相を解明するためのすべての資料をやはり厚生省に出させてほしいというふうに思っています。資料を隠すということが、今後のこと、これからのことを考えたときに、どれほどの被害がこれからもまたこの隠ぺいによって起こるのかということを考えると本当に不安でなりません。
それから、やはり自分がなぜこうなったのかということが知れなければ死んでも死に切れないというふうに思っています。
今回の厚生省の調査にしても非常にいいかげんな調査だったということで、やはりその調査の責任者にもそれなりの責任はあるというふうに思っています。その辺のところもしっかりとやってほしいというふうに思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/55
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056・岩崎和美
○岩崎参考人 当時、私は、本当に自分を責め続けてきました。乗り越えるというよりも、息子の病状が悪くなっていく中、息子を守っていくために自分は息子の将来の姿というのを見てはいけないと自分で言い聞かせ、そして一日無事に済むことだけを願って、本当に一日一日という時間を大切に来ました。そして龍平君の、前へ出ていろいろな人たちに訴えたこと、本当に立派になっていく姿を見ていると、やはり母親の立場として、子供が成長していく姿というのを見られないということが本当に悲しいことでした。
私は、今何をしてほしいかということについてでも、息子を失ってしまいましたので、もう何も残っておりません。私は、息子が死ぬという、十九歳で命を絶たれたその原因が、なぜ命を絶ち切られてしまったのかということを親として本当に納得できる何かを欲しいのです。
息子は十九歳で、それ以上大きくなった姿を夢見ることもできませんし、今現在でもやはり、息子の苦しんでいった姿というのは目に焼きついて忘れることができません。ですから、息子のお墓の前で、あなたの死がむだではなかった、今生きている人たちがこれだけの救済を受けられて、あなたの分まで長生きできたということを報告できる日まで、私は、この国会の場でも真相究明ということを本当にきちんとした形で見せていただきたいと願っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/56
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057・岩佐恵美
○岩佐委員 済みません。時間がなくてすべての皆さんに聞くことができませんでしたけれども、また別の機会にでも、こういう機会があればというふうに思います。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/57
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058・和田貞夫
○和田委員長 土肥隆一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/58
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059・土肥隆一
○土肥委員 土肥隆一と申します。
本日は本当にありがとうございます。
私は、当委員会でもエイズ問題を取り上げましたときに、国家の役割というものを、皆さんのこの運動を通じて、その欠点も、そしてそこに持っている矛盾も知り得ました。それは、国民一人一人の命が刻一刻移っていくのに、国家という大きな機構は全体で見ます。一人一人のことは見えてこないのです。それが国家の最大の誤りであります。私ども国会議員も、種々雑多な仕事をしておりますけれども、やはりそういう見方になりつつあるのですね。
したがって、きょう皆さんおいでになりましたことを通じて、特に国民の命を預かるセクションにある厚生省などはしっかりと、国会議員も、もう一度自分の仕事を洗い直さなければいけないと深い反省をさせられております。ですから、できますならば、薬務行政などは二週間に一回ぐらい当局のヒアリングをするぐらいの追いかけ方をしないとこれは大変な手抜かりになる、このように思っております。
もう一つは、きょうは大変率直なお気持ちをお聞かせいただきまして、本当に感謝いたします。例えば古賀さんは、まだ自分の病気を、薬害エイズに感染したことの事実を受容できていないとおっしゃいました。本当におつらいことだと思います。また岩崎さんは、自分が息子に注射をした、そして自分が感染させたという思いを克服できないとおっしゃいました。
国を動かすのは、やはり国民一人一人なんです。戦争を起こすのも国家です。これを防ぐのもまた国民一人一人だと思います。皆さんが、七年間にわたってこれだけの苦しい闘いをして、国家の大きな壁を打ち破ったのです。この経験はこれからの国家行政についての大変重要な、歴史的な出来事である、これを徹底していかない限り本当の意味で国民に奉仕する行政あるいは政治というものは生まれない、このように思っております。
したがいまして、きょうはもう皆さんにお一人お一人のお気持ちを聞くのはできませんけれども、一つ、屋鋪さんが、感染者を職員として雇うことの意味というものをおっしゃっていただきました。大変興味あることでございまして、これは何としても制度にのせていかなければいけない、このように思っておりますが、今何かこういう事例が一つ二つありましたら、もうあと一分しかございませんが、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/59
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060・屋鋪恭一
○屋鋪参考人 感染者救援の場合に、いわゆるプライバシーの問題がかなり横たわっていまして、海外とも、感染者の中でトレーニングを受けたりとか、あるいはもともとカウンセラーが感染者であったりとか、そういった場合もございまして、感染者が最初、感染者救援の大きな窓口になるという部分、そういった患者会的な部分もあるのですが、そういった人間が入っていないとケアサポートとか最初の人間関係の設定すらできないということがまだ多うございますので、これはあるいは失業対策的な、恩恵的なところで感染者の力が必要なのではなくて、明らかに戦力としてHIVのNGOが、感染者の職員がいないと、あるいはボランティアがいないと十分な救援ができないという意味で必要であるということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/60
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061・土肥隆一
○土肥委員 ありがとうございました。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/61
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062・和田貞夫
○和田委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
参考人の方々におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
次回は、来る十七日水曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時五十三分散会
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113604237X00919960412/62
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