1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成八年一月二十五日(木曜日)
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議事日程 第三号
平成八年一月二十五日
午後二時開議
一 国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)
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○本日の会議に付した案件
国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)
裁判官訴追委員の予備員辞職の件
裁判官訴追委員及び同予備員の選挙
検察官適格審査会委員の予備委員の選挙
国土開発幹線自動車道建設審議会委員の選挙
国会等移転調査会委員の選挙
北海道開発審議会委員の選挙
国土審議会委員の選挙
日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
国家公安委員会委員任命につき同意を求めるの
件
社会保険審査会委員長及び同委員任命につき同
意を求めるの件
中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を
求めるの件
午後二時四分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/0
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001・土井たか子
○議長(土井たか子君) これより会議を開きま
す。
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国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/1
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002・土井たか子
○議長(土井たか子君) 国務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。中野寛成さん。
〔中野寛成君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/2
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003・中野寛成
○中野寛成君 私は、新進党を代表して、橋本総理大臣の施政方針等四演説に対して、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
今日、政治に対する国民の信頼はまさに地に落ちております。理由もまた明白であります。自民党、社民党、そしてさきがけという理念も基本政策も異なる連立政権が、将来のビジョンも示さず、その場しのぎの対策に終始し、バブルの後始末をその犠牲者である国民にツケ回ししたあげく、勝手に政権を投げ出し、国民の審判を得ることのないまま政権をたらい回しするという全く無責任な政治を繰り返しているからであります。(拍手)
ちなみに、橋本総理は、平成五年七月の細川連立政権の誕生に際し、同年九月の衆議院本会議において、「連立政権においては、各党間で調整や妥協が行われ、結局、連帯責任は無責任という危険性をはらんでおり、我が国の政治が激動する内外情勢に的確に対応できなくなるのではないかと危惧するものであります」と批判しております。
しかし、細川連立政権は、自民党の一党支配に終止符を打ち、政治改革を実現するという公約を掲げて総選挙を戦った各党がその公約実現のために結集したものであり、国民が納得する政治的大義がありました。(拍手)しかるに、今日の連立政権は、理念も基本政策も異なった三党による政権維持のみを目的とした野合の政権であり、まさに橋本総理が自民党政調会長時代に批判したそのままの形の連立政権であります。(拍手)
かかる連立政権が、その枠組みが崩れることを恐れ、中長期的課題の解決には手を出さず、その日暮らしの対応しかできないのは当然のことであります。村山内閣がそのよい例でありました。我が国が歴史的転換期にあり、新しい時代を切り開く構造的改革が求められている今日、このような連立政権に日本の政治をゆだねなければならないことこそ国家国民にとりまことに不幸な事態と言えましょう。
総理は施政方針演説において、我が党の「改革」に対して新内閣の理念を「変革」と言い、本年を「変革と創造」の年にすると表明されましたが、三党の枠組みにこだわる限り、その実現は不可能であります。あなたの「変革」とは、変な改革の略語となるでありましょう。今は連立政権を速やかに解消し、国民の信を基礎に置いた強い政権を樹立することが不可欠であります。総理にその決意あるや否や、まずもってお伺いをいたします。
最近、与党三党の有力者の間で、さきに国会が決めた新しい選挙制度を否定し、中選挙区制への復帰をほのめかす発言が相次いでおります。自民党の宮澤元総理、元社会党委員長であった土井衆議院議長、さきがけの田中代表代行が小選挙区比例代表制度に否定的な見解を述べ、久保前社会党書記長も選挙制度の見直しに積極的な発言をされるなどであります。民意に基づいて一たん決められた新しい選挙制度をただの一回も実施することなく廃案にすることは、国民に対する背信であり、政治不信を倍加させるだけでなく、国会の権威にもかかわります。
総理は、平成五年九月、自民党政調会長としての代表質問において、新しい選挙制度を積極的に評価されております。次の総選挙は新しい選挙制度のもとで行い、中選挙区制への復帰はあり得ないと確約すべきであります。橋本総理、久保副総理、田中経企庁長官にお伺いいたします。
次は、今日の最大の政治問題であります住宅金融専門会社、いわゆる住専に対する税金の投入の問題であります。
村山前内閣は、平成八年度予算案において、いわゆる住専の不良債権の処理のため六千八百五十億円の税金の投入を決定しました。橋本総理も閣僚の一員としてこの決定に加わっております。
民間会社である住専の経営の失敗をどうしてバブル経済の犠牲者である国民の税金で穴埋めしなければならないのか。国民にきちんとした説明も詳しい情報の開示もなく、経営の失敗を引き起こした当事者間の密室での談合で国民にしりぬぐいさせることは余りに理不尽なやり方であります。政府に対する国民の批判は日ごと激しさを増しており、私もこれを断じて認めることはできません。
国民の税金の徴収とその配分の問題は、まさに民主政治の原点であり、政治の基本であります。総理が民主主義を大事と思い、かつ政府の決定が正しいと確信するならば、直ちに総選挙を実施し、決定の是非について国民の判断を仰ぐべきであります。総理の見解を求めます。
橋本内閣においても、梶山官房長官は六千八百五十億円の税金の投入の凍結をほのめかしております。この事実が示すように、政府の内部においてさえ、政府の決定が誤りであり、平成八年度予算案が欠陥予算案であることを既に認めているのであります。政府はその打ち消しに躍起となっておりますが、国民の批判の前にたじろぐその姿は実に醜態のきわみであります。
これを決定した直接の責任者である村山総理、武村大蔵大臣、篠沢大蔵事務次官は責任追及を逃れるため既にやめたではありませんか。「誤りを認めるにはばかることなかれ」であります。総理は直ちに住専処理に関する税金の投入の決定を取りやめ、予算案を出し直すべきであります。総理の決断を求め、見解をお伺いいたします。(拍手)
政府の不良債権処理に関する決定の手順は全く逆であります。不良債権の処理のためには、第一に不良債権の額を確定し、第二に原因の徹底的な究明と責任を明らかにし、第三に再発防止のための金融システムの再構築を図るという手順を踏むことが重要であります。その手順を踏んだ後に、初めて公的資金の投入の是非が論じられるべきであります。それなくして国民の理解は得られません。
ところが、政府は、その手順を全く無視したのであります。不良債権の額の確定そのものがあいまいでかつ根拠がなく、そのあいまいな不良債権の額をもとにして、原因と責任を明らかにすることなく、強制的に関係金融機関に債権を放棄させ、税金の投入を決めております。不良債権の額を確定するためには、先に債権回収機関をつくり、債権の回収にあらゆる努力を尽くし、その上で回収不可能な不良債権の額を確定すべきであります。しかるに、政府は何とこれから債権の回収機関をつくるというものであり、順序が逆になっております。
今回の六千八百五十億円の税金の投入の根拠となった住専の不良債権額六兆二千七百億円は、だれがどういう根拠に基づいて確定したのでありましょうか。関係の民間金融機関は正式にこれを認めておりません。先日政府が国会に提出した住専七社の経営情報において明らかになった住専の余りにずさんで無責任な経営実態からして、不良債権の額がこれ以上ふえず、国民の負担がこれ以上増大することはないという保証は全くありません。実態は、大蔵省が問題の処理を急ぐ余り、勝手に数字をはじき出し、強制的に金融機関にこれを認めさせようとしているにすぎません。
また、手順が逆となったため、債権の回収という経営の基本的努力を抜きに不良債権を確定し、政府が母体行に対し債権を放棄させるという強権的措置が講じられる結果となりました。当然、金融機関に対する株主代表訴訟の対象となりますが、だれがその責任を負うのでありましょうか。
六兆二千七百億円という不良債権の額はどういう根拠に基づくのか、今後これ以上ふえることはないのか、国民にこれ以上の負担をお願いすることにはならないという保証はできるのか、株主代表訴訟が起きた場合だれがその責任を負うのか、これらの諸点について見解をお伺いします。
次の問題は、今回の政府の手順を無視した決定の結果、政府は責任逃れのため無理やり政治的いけにえを差し出そうとしていることであります。
村山前内閣が昨年末に住専処理策を決定するに際し、税金投入への国民の反発が思った以上に強いことから、与党三党は慌てて責任を明確にする指針をつけ加えました。法治国家である以上、経営上の背任行為があれば、刑事、民事にかかわらず法で裁かれることは当然であります。しかしながら、政府は、今回の強引な決定に対する国民の批判を逃れるため、無理やり刑事被告人をつくり出そうとしているのであります。このような与党のやり方はまさにファッショであり、民主政治にとってこれほど危険なことはありません。
裁かれるは、第一に、決定を下した当事者である村山前総理であり、武村前大蔵大臣でありましょう。国民を欺く政治決定をしておきながら、本人たちは敵前逃亡し、新党だ、新党だと騒いでいる姿は余りに無責任であり、絶対に許されません。総理の見解を求めます。
次の問題は、大蔵省の責任の問題であります。
住専は個人向けの住宅ローンを目的に七〇年代に次々と設立されました。設立以来、大蔵省は住専の経営に深くかかわってきたのであります。設立当初、八社のうち七社の社長を大蔵省出身者が占めるなど、住専は大蔵省の有力な天下り先となり、七三年には出資法を改正し、住専を大蔵省の直轄会社とするなど、住専はあたかも大蔵省ノンバンクの様相を呈してまいりました。
八〇年には、農協の住専への融資を組合員以外の融資禁止の適用除外とし、農林系金融機関の資金を住専に大量に投入する道を開き、九〇年には、地価高騰を抑えるためにとられた不動産関連融資の総量規制に際しては、天下り先がなくなることを恐れ、住専をその対象から外し、今日の不良債権問題発生の原因をつくったのであります。そのときの大蔵大臣は、まさしく橋本総理、あなたでありました。住専問題のA級戦犯ともいうべき橋本さんは、目下謹慎蟄居の身となるべきであります。(拍手)少なくとも、住専問題に決着がつくまで総理の資格はないと言いたいのであります。
さらに、九三年三月には、大蔵省と農水省とでひそかに、農林系金融機関には迷惑をかけないという念書を取り交わすなど、大蔵省は住専の経営に実に深くかかわってきたのであります。住専の不良債権の発生に関し今日の事態を招いた責任は、挙げて大蔵省にあると言っても過言ではありません。
税金は国民全体のものであり、大蔵省のものではありません。不良債権の処理に当たって、自分の金のように税の投入を云々する大蔵省の態度はまことに不遜であります。国民に負担を求める前に、大蔵省としての責任を徹底的に明らかにする必要がありますが、総理並びに大蔵大臣の見解を求めます。(拍手)
また、今回のようなやり方を続けていけば、銀行からの借金は借りたまま踏み倒せばよいという風潮を助長いたしかねません。これでは健全な社会は成り立ちません。これまでの護送船団方式に基づき密室の談合で物事を決める不透明な金融行政は、市場のルールに基づいた透明なシステムに根本的に改めるべきであります。そのためにも、金融機関等への天下りは禁止すべきであります。見解を求めます。
次に、景気対策並びに経済構造改革についてお尋ねいたします。
我が国経済にはようやく回復の兆しが見え始めましたが、全世帯当たりの実質消費支出は依然として減少を続け、中小企業を中心とする企業倒産は昨年を上回り、失業率は史上最悪の三・四%に達し、中高年は言うに及ばず、女子学生等の若者までが就職難にあえいでいるなど、依然として厳しい状況にあります。
かかる未曾有の長期不況は、まさに政治不況以外の何物でもありません。今日の不況をこれほど長期化させた原因は、今日の不況が単なる循環的要因にとどまるものではなく、情勢の変化に伴う我が国経済システムの行き詰まり、国際的競争時代の到来といった構造的要因にあることを見抜けず、経済構造の改革を怠ってきた無責任連立政権の経済政策にあります。我々は、日本の低迷した経済を立て直すためには、短期的な景気対策と同時に、根本的な経済改革の実施が不可欠と考えます。日本経済は引き続き二十一世紀に向けて下降線をたどっており、ことし上期に景気浮揚したとしても、中期的トレンドの陵にすぎないことを認識すべきであります。このため、本年上期から本格的な構造改革に取り組む必要があります。
今回の不況に対して、これまで六十兆円を超える景気対策が講じられてきましたが、景気回復に資するどころか、逆効果さえ指摘されております。土木型を中心とした公共投資は、時代のニーズに合わないところか、大量の国債発行による財政悪化の原因ともなっております。また、金利の引き下げは、銀行の純益を上げるだけで、利子収入に頼る高齢者等の消費にブレーキをかけ、商店街の売り上げが落ちるという悪循環を招いております。また、基金運用によってその運営資金を調達している福祉団体、文化団体等は、存続の危機に直面しているのであります。
今後五年間の平均成長率は名実ともに二%程度と予想されますが、現在の五百兆円のGDPが最終的にせいぜい五百五十兆円になる程度であり、その増加分五十兆円で高齢化社会に向けたさまざまな投資や国鉄清算事業団の債務処理等を行わなければなりません。したがって、実質的な国民所得がゼロサム経済の中で国民生活の質を向上させていくためには、これまでの資源・所得配分の構造を見直すべきであります。貯蓄率の高い現状を国債発行によって活用することより、貯蓄を民間主導で投資に活用することこそ本来の姿であります。
今、世界で最も好調な経済を遂げているのは米国、英国、ニュージーランド、アイルランドなどの諸国でありますが、共通することは、改革に伴う大きな痛みに耐えながら徹底した経済的規制の撤廃を推し進め、民間主導の経済体制を確立したことであります。指導者がリーダーシップを発揮し、抵抗に屈することなく思い切った改革に取り組み、民間に国の将来を託したことに成功のかぎがあります。
日本が世界から真に問われているのは、単に景気が悪いかよいかではなく、本当に自由で公正な市場が確立されているか否か、マーケットメカニズムが働いているか否かであります。経済改革を推進し、まず経済的規制の原則廃止、市場の全面開放に取り組むべきであります。
規制の撤廃により、社会資本整備や高齢化社会への対応等、これまで官の分野と考えられていた領域に民間の活力を導入し、民間資本を積極的に投入すれば、さらに有効に貴重な国民の貯蓄が活用され、かつ、小さな政府の実現も新産業創造も可能となります。発想を大胆に転換し、公共投資は国や地方自治体が行うものというこれまでのやり方は改める必要があります。新首都建設にしても、従来の国・地方の公共投資を中心としたものから、民間の活力を生かす手法を大胆に取り入れるべきであります。それこそ二十一世紀の新しい時代を切り開く日本の首都にふさわしい姿と言えましょう。
あわせて、新産業・ベンチャービジネス、中小企業の育成に資する施策を実施する必要があります。
村山政権のときにつくられた研究開発に限定された第二店頭市場のようなものではなく、店頭登録市場すべてについて利益要件を外す日本版NASDAQを早期に確立すべきであります。また、当時の橋本通産大臣の肝いりでまとめられたストックオプション制度も、新規事業法の適用企業だけを対象とした中途半端なものにしないで、すべての企業が対象となる本格的な制度への見直しを求めます。シーリングの犠牲となり、わずかに千八百五十五億円にとどまった中小企業対策費は大幅に増額をし、時代の要請にこたえる中小企業の育成、商店街活性化対策、下請企業自立支援などの新しい施策を実施すべきと考えます。総理の見解を求めます。
また、深刻な雇用問題の解決も極めて重要な課題であります。雇用の安定は、社会安定の基礎であり、福祉の基礎であります。今日の雇用問題は、単なる景気の低迷によるものだけではなく、産業構造の変化や国内産業の空洞化、情報化の進展といった構造的要因に起因しております。
したがって、雇用の確保のための対策は、規制の撤廃・緩和等による新規産業の創出などとあわせて、産業構造の転換に対応した雇用構造を創造するための労働者の能力開発体制の整備や、求人と求職のミスマッチを解消するためのきめ細かな職業紹介や転職情報の供給体制の整備、さらには大学、短大等における職業教育の充実等の構造的なものが必要であります。まさに、受け皿から先に用意すべきでありまして、スクラップ・アンド・ビルドではなくビルド・アンド・スクラップこそ必要であります。雇用対策について総理の見解を求めます。
次に、社会資本整備の問題であります。
少子・高齢化と産業の空洞化が進む中で、国民の金融資産が一千兆円を超える今こそこれを活用し、国民の生活を豊かにするという視点に立って、民間の活力を導入しつつ必要な社会資本を整備し、二十一世紀日本の社会的基盤を築くことが極めて重要であります。
新進党は、これまでの硬直化した予算配分を大幅に見直し、傾斜配分した社会資本の整備を提唱してまいりました。特に、都市生活者、サラリーマンのための施策は急務であります。
重視すべき第一は、ゆとりのある住宅、通勤地獄の解消、少子・高齢化対策、緑と水の潤いのある公園、下水道の整備、災害に強いライフラインの共同溝化など、豊かさと安心を実感できる生活関連の社会資本整備の充実であります。第二は、国際拠点空港や情報関連など、二十一世紀の産業と雇用を確保するための基盤整備。第三は、魅力ある地域づくりのための地域振興。第四は、環境への負荷を軽減する生産、流通、消費の簡素なシステムの構築であります。
平成八年度の政府予算案においては、政府の財政危機宣言にもかかわらず、既得権益が優先され、省庁別、事業別のシェア配分に変化が認められません。総理の見解を伺います。
今後の社会資本整備の中で重要な課題は、高度情報化に対応した情報通信のインフラの整備及び利用環境の整備であります。
メガコンペティションと言われる大競争時代において、情報通信関連はその代表的な分野の一つであります。日本のハブ機能が他のアジア諸国に移行しつつある今日、情報通信もハブ機能を日本にとどめておくのが難しい状況にあります。最大の原因は、日本の情報通信分野には多くの規制があり、競争が十分に育っていないところにあります。
政府は、今年度内に、NTTの経営形態のあり方と政府措置について結論を出すことになっておりますが、今回こそは結論を先送りすることなくはっきりとした決着を出すべきであり、そうでなければ、日本の情報通信分野だけでなく、あらゆる産業にも大きな悪影響を及ぼすことが懸念されます。また、NTTの分離分割に関する賛否は、ややもすると従来の電話通信を前提に議論されておりますが、急ピッチで進展する技術革新と社会構造の変化を勘案すると、まず、来るべき高度情報通信社会の姿を展望し、そこから議論を進めるべきであります。
総理は、高度情報通信社会をどのように展望されているのか、また、NTTの経営形態のあり方と政府措置の決定にどのように取り組まれるのか、考えをお聞かせ願います。
次は、財政の問題であります。
平成八年度予算案は、国債発行額は過去最高の二十一兆二百九十億円、うち赤字国債は十一兆九千九百八十億円となり、過去最悪の赤字予算となりました。国債依存度は二八%、国債残高は二百四十兆円を突破する見込みであります。
税収も、当初比で四・四%減の五十一兆三千四百五十億円となり、決算では最も税収が多かった平成二年度の六十兆千五十九億円からすれば、格段に低い水準と言わざるを得ません。
地方財政の借入金残高も百三十六兆円を超える見通しであり、財政投融資も国債の引き受けに財源を振り向け、政府系金融機関への配分が軒並み減らされるなど、矛盾が噴出しております。今や、日本の財政は一般会計だけではなく、地方財政、財政投融資も含め危機的状況にあります。
去年十一月、武村大蔵大臣は「特例公債を発行せざるを得ない状況であればこそ、歳出削減など財政改革に一層取り組み、財政事情の歯どめなき悪化を防ぎ、後世代への負担の転嫁である公債発行をできる限り抑制するよう努めていくことが財政当局に課せられた責務である」と、財政危機の宣言をしました。しかし、それも言葉だけで、今の連立政権には行動が伴っていないのであります。
宣言直後の来年度予算においては、大量の赤字国債を発行してまではらまき放漫財政を続け、それに便乗する形で、大蔵省の責任で生じたバブルのツケを国民の税金でしりぬぐいさせるというように、財政危機を逆に深める編成を行っております。しかも、予算編成の責任者である武村大蔵大臣は、これを国会に提出する前にさっさと敵前逃亡するという史上まれに見る無責任さをさらけ出しました。連立政権は信用できない、大蔵省も信用できないでは財政危機はますます深まり、そのツケを払わされるのは次代を担う若者たちであります。
思い起こせば、石油ショック当時の日本人には真剣な危機意識がありました。政府も民間人も死ぬ思いで合理化を進め、エネルギー依存度を下げることに躍起になっていました。財政に対する危機意識も相当なものでありました。赤字国債を発行することがいかに危険で、あくまでも例外的措置にすぎないと位置づけられていました。故大平総理が命をかけて訴えた一般消費税も、あくまでも財政再建のためでありました。その賛否は別であります。当時の野党も、赤字国債発行に一貫して反対していました。かつては、いかに多くの人たちが財政再建について真剣に取り組んでいたかが思い出されます。
日本の将来を考え、あすの日本を築く若者たちに夢を与えるためにも、我々は真剣に財政改革に取り組んでいかなければなりません。この場に席を置く我々政治家の歴史的使命でもあります。
EUの財政基準や米国の財政均衡法等を参考とした財政健全化のための特別立法の検討、政策金融の見直しなど財政投融資制度の抜本的改革、官と民、国と地方との財政上の役割の根本的見直し等を柱とした新たな財政再建計画を策定、実施すべきであります。総理、大蔵大臣の見解を求めます。
財政再建を進める上で重要な課題は、行政改革であります。
村山前内閣は、「行政改革は内閣の最大の課題」と位置づけながら、それは単なる特殊法人の数合わせに終わり、本来の行政改革にはほとんど手をつけなかったのであります。政権維持で手いっぱいの今の連立政権では、官僚の抵抗を排し、既得権益に切り込む行政改革を推進することは絶対に不可能であります。
総理は、さきに行われた施政方針演説の中で、いろいろな項目を挙げ、諸課題に積極的に取り組むことを表明されました。しかしながら、私は、これまでの橋本総理の行政改革に対する姿勢から見て、その実現に甚だ疑問を抱くものであります。
九四年、当時の第三次行革審が、特殊法人の整理合理化を進める参考として各省庁からヒアリングを求めた際、各省庁の立場に立って「意味のない法人など残しているわけはない」という理由をつけ、ヒアリングに応じさせなかったのは、橋本通産大臣ではなかったのでしょうか。
また、昨年の行政改革委員会の事務局長の起用に当たっては、「初めから官僚を排除するのはいけない」と強調したり、民間から起用されそうになると、「私も含めて、みんなが行革を本気でやらなくなるということは覚悟しておいてくださいよ」と当時の五十嵐官房長官にたんかを切ったとされるなど、総理は一貫して官僚の立場に立ってこられたように受けとめております。
さらに、総理は、さきに行われた自民党総裁選挙で、第三次臨時行政調査会設置を提唱されました。何を今さらであります。行政改革については、第二次臨時行政調査会、それに続く三次にわたる行政改革推進審議会の審議など、これまで十数年にわたりその必要性が指摘されているところであります。行政改革は、今や論議のときを超え、いかに決断しいかに実行するかの段階であります。総理の提言は、一見行革に前向きの印象を与えますが、実際は問題の先送りにすぎません。(拍手)
私ども新進党は、抜本的中央省庁の再編、特殊法人の民営化、国家公務員制度の抜本的改革等の法案を既に国会に提出しております。総理が行政改革に本気で取り組まれる決意ならば、我が党案に賛成されるか、みずから大胆な行政改革案を具体的に提示すべきであります。(拍手)
次に、税制改革についてお尋ねいたします。
消費税率は、来年の四月から五%に引き上げられる予定となっております。しかしながら、五%という税率は仮置きであって、税率は、ことしの九月までにいろいろな条件、財政状況等の四点を勘案して見直すこととされております。
消費税率を五%に引き上げた場合、三兆五千億円の制度減税とわずか四千億円の社会福祉費用ですべて財源が消えてしまいます。したがって、高齢社会の福祉対策のあり方、行政改革の進展状況次第では、消費税率は五%を超えることもあり得ると村山内閣は示唆してまいりました。
村山前内閣での行政改革は特殊法人の単なる数合わせに終わり、歳出削減は一向に進まず、さらに、二兆円の特別減税も継続ということになった現状では、既存の歳出構造を前提とする限り、消費税率五%に引き上げても新たな財政需要にこたえる余地は全くありません。
しかも、平成八年度予算では、国債を二十一兆円発行するという非常事態を迎えております。ここまで事態を悪化させた今日の連立政権の責任はまことに重大であります。
長期不況のさなか、民間企業や国民が必死のリストラ努力を行っている中で、ひとり政府のみが行財政改革努力を怠ることは許されません。我々は、何の努力もなしに来年度から消費税率を五%に引き上げることなど認めることはできません。政府は消費税率三%をてこにして本気で財政構造の改革に取り組むべきであり、さもなければ十年後の日本は消費税を二〇%にしても足りないということになってしまいましょう。総理並びに大蔵大臣の見解を求めます。
あわせて、社会党は従来から飲食料品について消費税を非課税とすべきことを主張されてまいりましたが、久保大蔵大臣はこれにどう取り組まれるか、お伺いをいたします。
最後に、今回の社会党から社民党へのちょっとした変身について一言申し述べたいと思います。
私は、過去、日本の政治をより改革的なものにし、国際的にも信頼されるものにするためには、社会党の現実路線への脱皮を一つの柱にする政界再編が必要であるとの考えを持ってきました。新進党をつくる過程でも、私は社会党内のいわゆる改革派の人々との連携を最後まで模索してきた経過があります。
しかし、その後、社会党は村山政権の誕生で、これまで党是と言ってきた非武装中立論等を一晩で捨てられました。そこに深刻な党内論争は見かけられなく、国民は唖然としたのであります。
今回また、五十年使ってきた党名を一部修正して社会民主党に変えられました。これまでの社会党とどこが違うのか、それとも単なる看板の書きかえなのか、国民は戸惑っております。恐らく蛇の脱皮ではないかという先輩の言葉を思い起こします。蛇は脱皮しても蛇だからであります。
恐らく新しい党名の語源であると思われる社会民主主義というのは、マルクス主義ではあるが暴力革命方式はとらないという修正マルクス主義のことであります。ゆえに社民党という党名を社会党容共左派の皆さんが受け入れられたとしても、何の不思議もありません。唐突な政策の転換も党名の変更も、レーニンの二段階革命論の一環と思えばよいのでありますから。
一方、日本のマスコミで西欧社民と言われる政党が結集する社会主義インターでは、社会民主主義はもはや死語であり、デモクラティック・ソシアリズムすなわち民主社会主義という用語で統一されております。
ちなみに、ドイツ社民党など戦前からの古い党名のままの政党もありますが、その理念は、共産主義と決別し、民主社会主義政党となった後も党名を変更しなかっただけであります。日本社会党とは理念、政策は似て非なる政党であり、それが証拠に、国家の防衛とNATOの強化に努め、社会主義インターも、PKFを含むPKOを推進し、湾岸戦争では多国籍軍に感謝決議をしたほどでありました。
どうか、社民党の皆さんも、党名を変えるなら、むしろいわゆる西欧社民の本流たる民主社会主義の立場程度には立って、新しい改革のグループとして我々と行動をともにしようではありませんか。(拍手)少なくとも、自民党を補完し、自民党を再生させ、ミイラ取りがミイラになる道だけは避けるべきであります。(拍手)
最後に、私の敬愛する久保副総理、あの城山に散った西郷隆盛の心境のように最近の心境をお見受けいたしますが、一言御所見をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/3
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004・橋本龍太郎
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 中野議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。
まず、連立の解消についてのお尋ねでありました。
現在の三党連立政権は、安定した政権であり、村山内閣総理大臣の辞意の表明の後、三党が改めて政策合意を結んだその上に立脚した安定した政権であります。今、政治空白をつくることなく、景気を回復軌道に乗せ、さまざまな変革を実現するために、腰を落ちつけて国民の期待にこたえていくべき時期であると考えております。
次に、次の総選挙は新しい選挙制度のもとで行うべきという御指摘でありました。
小選挙区比例代表並立制は、長期間にわたり論議が重ねられてまいりました政治改革の一環として、関係法令が国会で議決された結果導入されたものであります。現時点では、この制度が正しく運用されることが重要と考えており、政府としてはこれを抜本的に見直すという考えは持っておりません。
総選挙についてお尋ねがございましたが、住専問題の解決を含め金融システムの信頼回復が求められております。また、予算の年度内成立など切れ目のない経済運営によりまして、景気を本格的な回復軌道に乗せていくことが必要であります。加えて、クリントン大統領の訪日を控え、沖縄の米軍基地問題について誠実に取り組み、我が国外交にとって重要な日米関係をより強固にすることなど、さまざまな課題の山積している中で政治の空白をつくることは許されないと考えております。
次に、住専処理のための予算についてのお尋ねでありました。
本問題につきましては、透明性の確保、原因やさまざまの責任の明確化を図りながら、本処理方策について国民の御理解を得るべく全力を尽くしてまいる所存であり、予算を出し直すべきとは考えておりません。
不良債権額の根拠、今後の負担の可能性についてのお尋ねがございましたが、御指摘の金額は大蔵省の立入調査によって把握されたものであります。なお、追加的な損失の発生につきましては、回収に全力を挙げることによって極力抑えなければなりません。また、住専処理における損失の分担は、株主代表訴訟の問題を含めまして、最終的には当事者の判断によって決められるべきものと考えております。
また、村山前総理、武村前蔵相について御発言がございました。
この処理方策は、与党・政府が一体となって取りまとめたものでありますし、まさに御指摘のように、私自身もその内閣の一員としてかかわってまいったものであります。その後、新しい政権に向けての三党の政策合意におきましても、住専問題の早期解決を図るという方針を確認してまいりました。現内閣として、責任を持って今回の処理方策を国会にお諮り申し上げております。
住専の不良債権につき、国民に負担を求める前に、私自身の責任も含めて、大蔵省の責任を徹底的に明らかにすべきであるという御指摘がありました。
住専問題につきましては、御指摘のように、行政の責任も含め、住専、金融機関等のさまざまな責任を明確化することが必要であることは御指摘のとおりであります。こうしたさまざまな責任については、国会の場でもさまざまな御議論がなされると思いますが、このためには、大蔵省としても、これまでの経緯を含め、大蔵省として明らかにすべき事項についてはきちんと責任を持って御説明をする必要があると思います。
また、大蔵省におきましては、過去の金融政策や金融検査・監督のあり方を総点検するとともに、できるだけ早期に不良債権問題の解決を図ることにより、我が国金融システムに対する内外からの信頼を確保すべく全力を挙げて取り組むことが必要と考えております。
私自身、この一時期に責任を持つ者として、この状況の打開と金融システムの信頼を回復するために全力を尽くすことでその責任を果たしたいと考えております。
また、金融行政を透明なシステムに改め、金融機関等への天下りを禁止すべきではないかというお尋ねがございました。
今後の金融行政につきましては、自己責任原則と市場規律の十分な発揮を基軸とする透明性の高い金融システムを構築していくよう努めてまいります。なお、大蔵省に在籍した者が金融機関等に就職することにより行政がゆがめられてならないことは当然であり、そのようなことはないとかたく信じております。
次に、経済対策についてのお尋ねがございました。
政府は、今次の景気局面において、累次の経済対策その他の施策を通じて、国民生活の質の向上や新しい産業の創出等の観点に立ち、質量ともに充実した公共投資の確保に努めるとともに、金融の緩和等を図ってまいりました。これらの措置は景気の回復や下支えに寄与してきたと考えておりますし、現在の経済を本当に活力のある自由なものにし、中長期的な安定した成長につなげていくためにも、規制緩和や研究開発、情報化の推進、新規事業の育成などにより、経済構造改革に積極的に取り組むことも当然であります。こうした施策を今後とも適切かつ着実に実施することにより、本格的な景気の回復、さらには施政方針演説でも申し上げました「強靱な日本経済の再建」が図られるもの、そのように期待をいたしております。
そうした経済改革を進めていきますためにも、我が国の経済の将来の展望を切り開くためにも、昨年決定いたしました新経済計画に沿って大胆な構造改革に直ちに着手しなければなりません。そのために、まず第一に取り組むべきものは規制の緩和であります。しかも、これは高コスト構造を是正するために徹底的なものを行わなければなりませんし、新たな成長分野の発展を阻む要因を取り払うためにも、抜本的にその見直しを図ってまいります。
また、議員から御指摘のありました社会資本につきましては、これは多様かつ高度なニーズに関するものにつき、民間主体が収益性を確保しながら創意と工夫を発揮して効率的に整備をすることが基本であります。今後とも、より質の高い交通体系や情報通信基盤の整備等の分野におきまして、民間主体による充実した社会資本整備が行われるよう、この点でも規制の緩和等の措置を講じてまいりたいと思います。
また、首都機能の問題につき、新首都建設について民間活力をという御指摘がございました。
首都機能の移転につきましては、我が国の政治、行政、経済、社会の改革を進めていく上でも極めて重要な課題であると思います。首都機能を移転いたします場合には、具体的に進めるに当たって民間活力の活用も含め幅広い検討をしてまいらなければなりません。国会における御協力をも心からお願いを申し上げる次第であります。
次に、新産業の育成について御意見がございました。店頭市場についての御質問であります。
昨年七月、ベンチャー企業等の資金調達の道を広げるために店頭特則市場を創設いたしました。この市場の対象企業につきましては、新製品の研究開発等の特定の事業に限定することなく、事業内容に新規性、将来性のあるものでありましたなら業種のいかんを問わず登録が可能であります。これをよりよい制度にしていく努力は当然これからも払ってまいります。しかし、この店頭特則市場の登録基準は、アメリカのNASDAQ市場の基準と比較いたしましても遜色のないものであり、店頭登録市場すべてに利益要件を外すことは、店頭市場に対する一般投資者の信頼確保の観点から問題があり、私は慎重に対処する必要があるように思います。
次に、新規事業法におけるストックオプション制度の見直しについてお尋ねがございました。
これにつきましては、国会でもいろいろな御議論をいただきましたが、いわゆるストックオプション制度を株式会社一般について直ちに導入することにつきましては、株主の権利保護等の観点から多面的な検討が必要であります。御指摘の点につきましては、新規事業法におけるストックオプション制度の運用実態を踏まえながら、慎重に検討をしていくべきものと考えております。
さらに、中小企業対策費についてのお尋ねがございました。
平成八年度の中小企業対策関係予算は、技術開発、新規創業、空き店舗対策、下請企業対策を初め、時代の要請に応じて中小企業の構造改革推進、経営基盤の安定強化に資する新たな施策を盛り込んでおります。
次に、能力開発体制等雇用対策についての御見解をいただきました。
政府といたしましては、現下の厳しい状況、さまざまな構造変化に対応した中長期的な観点からの雇用対策の方向を、昨年十二月に第八次雇用対策基本計画として閣議決定したところであります。この計画を踏まえながら、能力開発施策を積極的に推進すると同時に、教育研究の充実を図ってまいります。さらに、改正中小企業労働力確保法に基づく雇用機会の創出等各種の施策を推進することにより、雇用の安定に総力を挙げて取り組んでまいります。
次に、公共事業の配分についてお尋ねがありました。
いわゆる公共事業のシェア配分に当たりましては、公共投資基本計画等の考え方、社会経済情勢の変化や国民のニーズ等も踏まえながら、引き続き国民生活の質の向上に直結するものへの配分の重点化を基本とし、この中で、次世代への発展基盤、さらには防災対策の充実等の諸課題にも取り組んできたところであります。この結果として、公共事業の各事業の伸び率には大きな差が出てまいり、そのシェアにも相当程度の変化が出ておるところであります。
次に、高度情報通信社会についてお尋ねがございました。
高度情報通信社会の推進は内閣を挙げて取り組むべき重要な課題であると私たちも認識をしており、高度情報通信社会推進本部を設置いたしますとともに、高度情報通信社会推進に向けた基本方針を策定いたしております。政府といたしましては、今後とも、この基本方針のフォローアップ等を通じながら、引き続き高度情報通信社会推進に積極的に取り組んでまいります。
また、NTTの経営形態についてお尋ねがありました。
近年、世界の情報通信を取り巻く環境は、事業者の国際的な相互参入を初め、大きく変化をしておることは申し上げるまでもありません。私は、こうした中で、情報通信分野における競争環境の整備、特に研究開発力の保持、活性化が非常に重要な課題だと考えております。電気通信審議会におかれては、こうした観点をも含め現在検討されているものと承知をいたしております。
また、新たな財政再建計画の策定等、財政改革に関する御指摘をいただきました。
まさに財政改革は一刻の猶予も許される状況ではありませんし、歳出全般にわたって聖域を設けることなく、制度の根幹にさかのぼってまで徹底した洗い直しを行っていく必要があります。その際には、御指摘のように、主要先進諸国における財政健全化のための方策を参考にすることも考えていかなければならないと思います。こうした点を含めて、今後の財政改革について幅広く議論を求めながら、さらに検討してまいりたいと考えております。
なお、財政投融資につきましては、有償資金を活用した政策課題と郵貯資金等をつなぐシステムであり、この資金を一元的に管理運用することによって、国全体の立場から効率的、重点的な配分を行ってまいりました。これからも、社会経済情勢の変化などに弾力的に対応しながら、対象事業等については適宜見直しを行いながら、その機能を効果的かつ適切に活用してまいりたいと考えております。
また、行政改革について、おまえは本気なのかというお尋ねをいただきました。私は、まさに国鉄分割・民営化のとき、子供の通学まで心配をするような状況の中で、その案をまとめてきた責任者の一人であります。私は、施政方針で述べた考え方に立ちながら、引き続き、規制緩和、地方分権、特殊法人などの各般の行政改革の課題に積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますし、本通常国会におきましても、特殊法人の統廃合等を中心とする具体的な改革案を盛り込んだ法律案を提出してまいります。
問題は、私が第三次臨調という言い方を使いました理由として、それぞれ御指摘のように、審議会または委員会が別個に存在しており、その相互の連関性が欠けているところをどうすれば補えるか、そして有機的に組み合わせることができるかと考えたその言い方を、私は第三次臨調という表現を用いました。有機的な組み合わせにこれからも努めてまいりたいと考えております。
財政改革についてのお尋ねでありますが、今回の予算編成に当たり、もはや危機的と言っても間違いではないその財政事情のもとで、景気回復や国民生活の質の向上に十分配慮しながら、歳出削減に一層強力に取り組んでまいりました。今後、この平成八年度予算を地ならしとして財政改革に取り組みながら、できるだけ速やかに健全な財政体質をつくり上げていくことが緊急課題であります。
財政制度審議会におきましても、財政の果たすべき役割や守備範囲の見直しなどについて検討を行っていただく予定でありますし、今回の三党合意により設置されることになる財政の構造改革に関する与党の検討の場、また国会の場におきましても、財政の構造改革について幅広く御議論がなされていくものと考え、これらを踏まえながら財政改革に強力に取り組んでまいりたいと思います。
なお、税制に関しましては、所得税、個人住民税の負担軽減と消費課税の充実がおおむね見合う形で立法化されました平成六年秋の税制改革を確実に実施することが、財政経済運営の安定、信頼につながるものと考えております。
そして、資産、消費、所得のバランスのとれた税体系の確立あるいは税の不公平の是正等の課題についてお尋ねをいただきましたが、これらの諸課題につきましては、平成六年秋の税制改革を初め、これまでも適時適切に対応してきたところでありますが、今後とも税制のあり方を検討していく上で重要な視点と認識しております。いずれにいたしましても、これらの問題も含め、税制については、国民の皆様の御意見を伺いながら、公平・中立・簡素という租税の基本原則に基づいて不断の見直しを行っていく必要があると考えております。
残余の質問については、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣久保亘君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/4
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005・久保亘
○国務大臣(久保亘君) 最初に、次期総選挙は、国会でお決めになられた法律に定める選挙制度で実施されるものと思っております。
次に、不良債権額の根拠につきましては、住専七社の不良債権額六兆二千七百億円は、昨年八月に大蔵省が行った立入調査において、各社の資産について損失見込み額として把握されたものであります。
住専処理機構が住専から買い取った債権等については、法律上認められているあらゆる回収手段を迅速的確に用いることにより、まず回収に全力を挙げることとしており、こうした回収努力によって追加的な損失の発生を極力抑えてまいりたいと考えております。万一、新たな損失を生じた場合は、昨年十二月の閣議決定に沿って処理することになります。
次に、大蔵省の責任についてのお尋ねでございますが、このことについては先ほど首相の方からお答えを申し上げましたが、いずれにせよ、大蔵省としては、直面する不良債権問題に対し、預金者保護を図りつつ、今後できるだけ早期に解決のめどをつけるべく集中的に取り組むとともに、過去の金融政策や金融検査・監督のあり方を総点検し、本格的な金融自由化時代にふさわしい、市場規律に立脚した透明性の高い金融システムを構築していくことが必要であると考えており、総理が言われたように、行政の責任も明らかにすることは当然の責務であり、その責任を回避することはありません。
次に、金融システムの改革と金融機関への天下りについてのお尋ねでございますが、金融行政のあり方の観点から、昨年十二月の金融制度調査会答申も踏まえ、ディスクロージャーの促進、早期是正措置の導入や検査・モニタリングの充実を図るほか、破綻処理手続の整備、預金保険制度の拡充等を進めることとしております。なお、金融機関等の営利企業への再就職については、従前より、人事院の承認等、法的に適正に行われてきたものであります。
次に、財政再建計画についてであります。
今後の財政改革の道筋を展望すると、かつて特例公債依存からの脱却を目指し財政改革を強力に推進していた時代と比しても、極めて深刻な事態に立ち至っていると言わざるを得ないのであります。しかしながら、このような現状を放置することは許されず、総理が答弁されましたように、歳出全般にわたる徹底した見直し等、財政再建への取り組みは急務となっております。
財政制度審議会におきましても、今般、財政構造改革特別部会が設置されたところであり、今後、財政再建に向けた取り組みについて活発な御議論が行われるものと期待いたしております。ここでの御審議を含め、幅広く議論を求めつつ、財政健全化のための新たな目標、その実現に向けた方策など、今後の財政再建についてさらに検討してまいりたいと考えております。
また、財政投融資については、その基本的考え方について総理からお答えしたところでありますが、有償資金を活用した政策課題が今後とも存在する限り、財政投融資の役割、必要性は将来にわたって変わることはないと考えております。
なお、財政投融資の運用に当たっては、有償資金で対応することが適切かつ効率的である政策分野であるか、また、個々の機関、事業が償還確実性の観点から運用先としてふさわしいか等を毎年の財投編成の中で十分チェックし、対象事業等の見直しを行ってきているところであります。
次に、財政改革について。
我が国財政は、平成八年度末の公債残高が御指摘のように約二百四十一兆円に増加する見込みとなり、国債費が政策的経費を圧迫するなどの構造的な厳しさに加え、税収の動向も引き続き厳しく、一段と深刻さを増しております。後世代への負担を考慮すれば、二十一世紀に向けてこのような財政の状況を放置することはできず、財政改革に取り組むことが喫緊の課題となってきており、総理から御答弁申し上げましたとおり、財政制度審議会、今回の与党三党合意により設置されることになります財政の構造改革に関する与党の検討の場や国会の場における議論を通じ、財政改革に強力に取り組んでまいりたいと考えております。
なお、消費税率に関して言えば、五%と法定されている税率を三%にとめ置くということは、構造問題への対応をおくらせることになり、厳しい財政状況をますます悪化させ、中長期的に経済の活力を奪うというおそれもありますので、考えておりません。消費税の飲食料品非課税について、私どもが主張しましたことについてのお尋ねがございました。
平成六年秋の税制改革では、老人介護対策など福祉の充実に努めるとともに、中小特例措置等の消費税制度の抜本的な改革、地方消費税の創設など、当時の社会党が従来目指してきた方向に沿った見直しが行われたものと考えております。我が党としては、消費税には逆進性対策が必要であり、飲食料品に対する非課税化が追求されるべきだとの主張を従来行ってまいりました。この間、消費税は、一連の改革により、いわゆる付加価値税としてよりふさわしい税体系が整うよう努力してきたところであります。このため、政権与党の立場として我が党は、付加価値税の仕組みを阻害する非課税ではなく、欧州諸国に見られる軽減税率を課題としたものであります。
平成六年秋の税制改革においては、論議の結果、軽減税率は公平・中立・簡素という消費税の特徴を損なうほか、減収分を補うために標準税率の引き上げ幅を大きくする必要があるといった問題があることにかんがみ、単一税率を維持することにしたものでありますが、飲食料品に対する軽減税率の問題は、消費税のあり方の問題として将来とも不断に検討していく課題であると認識しており、これまでの議論の経緯も踏まえながら、消費者や納税者双方の声に十分耳を傾けて取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)
次に、税制改革の基本的課題と方向については、総理からお話がございましたが、平成六年秋の税制改革においては、活力ある福祉社会の実現を目指し、所得、消費、資産等の間のバランスのとれた税体系を構築するため、所得税、個人住民税について累進緩和等を通ずる負担軽減を図る一方、消費課税について、中小事業者に対する特例措置等を改革し消費税率を引き上げるとともに、地方消費税を創設する等の措置を講じたところであります。
また、八年度税制改正において、課税の適正公平の観点から、消費税に係る課税の一層の適正化、公益法人課税の適正化を図るとともに、平成七年度に引き続いて大幅な租税特別措置の整理合理化等を行うことといたしております。
さらに、法人課税については、公平・中立の観点に加え、我が国産業の活性化、国際競争力の維持の視点も踏まえ、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げるとの基本的方向に沿って、現在鋭意検討を進めているところであります。
最後に、新しい時代の社会民主党の役割について私にお尋ねがございました。
さきの党大会で採択されたのは党名変更だけではなく、基本理念、党則も変更され、新しい政党を目指したものと位置づけております。その基本理念としては、人間の尊厳、公正と公平、自由と民主主義、人々の個性と連帯を何よりも尊重する社会を目指すことをうたっております。また、党則の前文では、社会民主党は、社会民主主義者、リベラル勢力などさまざまな人々の共同の家であると規定しております。中野さんがおっしゃいましたような、連立の価値を失う自民党政権の補完勢力となったり、国民の求める政治改革に逆行する古い自民党再生に手をかす役割を担うつもりはありません。
橋本首相の言われた「変革と創造」は、内閣の基本理念としてばかりでなく、総裁としての自民党の「変革と創造」への決意を示されたものと理解をいたしております。(拍手)
〔国務大臣田中秀征君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/5
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006・田中秀征
○国務大臣(田中秀征君) 中野議員にお答えいたします。
新しい選挙制度に対して私もいろいろな角度から意見を述べてきたことは事実でありますが、ただ私は旧制度に戻すべきだとは申し上げておりませんし、それはあり得ないことだと思っております。しかし、選挙制度をよりよくするための議論や努力は常に活発になされるべきであり、これをタブー視するようなことがあってはならないとは思っております。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/6
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007・土井たか子
○議長(土井たか子君) 不破哲三さん。
〔不破哲三君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/7
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008・不破哲三
○不破哲三君 私は、日本共産党を代表して、橋本首相に質問いたします。
まず、今回の政権交代について伺いたい。
予算の作成と国会提出は、憲法に定められた内閣の最も重大な責務の一つであります。その予算を編成した内閣が、予算を審議する国会の開会前に政権を投げ出すなどは、現憲法下の日本の政治史にかつてないことであります。しかも、今回の政権交代は、自民党、社会党、さきがけの連合という同じ政権基盤の上で行われました。国会と内閣との関係でいえば、この交代は、政権与党が予算審議の直前に内閣を入れかえ、予算編成にかかわった当事者をすべて国会の答弁席から引き下げたということにほかなりません。国会と国民に対して、無責任きわまりない話であります。
予算を作成した内閣が国会の審議にたえ得ないというのなら、総理のポストのたらい回してごまかすのではなく、国会を解散し、住専処理や安保堅持など予算案の柱となっている諸問題を含め、国民の審判を仰ぐのが当然ではありませんか。早急な解散・総選挙を要求するものであります。(拍手)
次に、住専処理対策の問題に進みます。
第一点。今回政府が発表した資料によっても、住専の貸出先では、住宅ローンなどの個人向け貸し付けばわずか一八%、本来の業務ではないはずの不動産など事業向け貸し付けが八二%にも上り、事業向けの約九割、七兆八千億円が不良債権であります。
まさに度外れの乱脈経営ですが、この乱脈が、母体となった大銀行が経営の実権を握り、貸付先の選定にも深くかかわったもとで行われたことも明らかになっています。大銀行の引き起こした不始末の穴埋め、つまり大銀行の救済のために国民の税金を注ぎ込むなどは全く許されないことであります。我が党は、これには絶対に反対であり、九六年度予算案から住専関係部分を削除することを要求いたします。(拍手)金融秩序の維持に果たすべき政府の役割は、母体行など関係金融機関の責任を全面的に明らかにし、その責任で問題を処理するよう指導することにこそあると考えます。
以上の基本点について、まず総理の見解をただすものであります。
第二点。不良債権とは、債務者の側からいえば借金を踏み倒すことであります。政府資料は、その当事者の名前をなぜ示さなかったのか。その公表を含め、問題の全貌を明らかにする資料の公開を要求するものです。
さらに、空前の規模に上る住専の不良債権の中で、暴力団にかかわる債権が相当部分を占めていると推定されており、国際的にも大きな問題になっています。政府は、その実態をどうとらえていますか。
この推定が事実であるとすれば、それは、不良債権の少なくとも一部が暴力団の資金源になっているということであります。政府は、五年前に暴力団対策の新立法を制定したとき、その基本目的は暴力団の壊滅にあるとし、暴力団へのいかなる経済的支援も許されないことを強調しました。ところが、今回の住専処理対策は、その範囲では、国民の税金を暴力団につぎ込むのと同じであり、政府みずからが法の精神を踏みにじることではありませんか。
第三点。今日の乱脈な事態を引き起こし、拡大してきた政府自身の責任も重大であります。特に、九〇年三月、大蔵省が不動産融資を規制するいわゆる総量規制の通達を出したとき、住専をこの対象から外したことは最大の問題であります。この通達は、大銀行が危険な不良債権を住専に押しつけるという悪質な肩がわり政策の転機となり、また、住専に対する農協系金融機関の融資を二倍以上にも膨れ上がらせる転機ともなりました。その事実は、政府提出の資料でも実証されています。
総理は、このときの大蔵大臣でした。どういう認識を持ち、どういう意図から住専を外したのですか。当時、天下りした大蔵省元官僚が住専各社の会長、社長に配置されていたのですから、事情がわからなかったとか不注意のミスだったなどの弁明は通用しません。そこには、大銀行とも通じた特定の政策意図があったと考えざるを得ませんが、正直な答弁を求めるものであります。
第四点。政府の処理方針では、当面の六千八百五十億円、国民一人当たり五千五百円の税金投入に加えて、今後出る損失についても公的資金で対応することを定めています。それはどれぐらいの規模になると見込んでいるのですか。最悪の場合の想定を含めて見通しを示していただきたい。住専処理方針の是非を国会に審議を求める以上、今後投入する公費の規模について責任ある見通しを示すのは、政府の当然の義務であります。それをやらないで方針だけを認めろというのは、国会と国民に白紙委任を求めるのと同じではありませんか。
第五点。不良債権は住専だけの問題ではありません。大蔵省は、昨年六月、不良債権の総額について約四十兆円という数字を示しました。政府は、現時点で金融界がどれだけの不良債権を抱えていると推定しているのか。政府が公的資金の導入を考えているのは住専だけなのか、それとも住専方式をほかの不良債権にも適用する場合があり得るのか。住専が特例だというなら、住専を特別扱いする理由がどこにあるのか。また、ほかにも公的資金の導入があり得るというなら、対処方針の全体を明らかにした上で国会の審議を求めるべきではありませんか。
政府の住専対策と全く対照的なのは、阪神の被災者への支援対策であります。
阪神・淡路大震災から一年、多くの被災者がいまだに生活基盤の再建への道を見出し得ないまま苦しんでいます。昨年十二月の我が党の調査団との交流の中でも、被災者が生活再建のために最も強く訴えたのは、個人補償と住宅建設でした。しかし、昨年の国会で我が党が被災者への個人補償を要求したとき、武村蔵相の答弁は、日本は私有財産の国だから個人の財産への補償はしないという冷酷なものでした。
ところが、今回の住専処理方針は、大銀行の私有財産への補償そのものではありませんか。国民の切実な願いには背を向け、大銀行、大企業の要求には無条件に耳を傾けるという政府のこの姿勢こそ、「変革」の対象とすべきであります。総理は施政方針で、被災者の方々の生活再建に最大限の取り組みを行うと力説しました。その言葉がまじめなものであるならば、被災者の個人補償に積極的に対応すべきだと思いますが、首相の見解を求めるものであります。(拍手)
次に、沖縄の基地問題について伺います。
今この問題で沖縄県民が上げている声は、沖縄戦と米軍の占領、本土復帰後も続く基地の重圧、まさに五十年にわたって経験してきた苦難の中からの切実な要求であります。これにこたえることは、今日、日本の政治が避けるわけにいかない最大の問題です。私は、二つの角度から総理の見解をただしたいと思います。
第一は、日米地位協定の改定の問題です。
事の本質は治外法権の問題であって、米軍の犯罪への対応はもちろん重要ですが、それにとどまるものではありません。
例えば、今、日本各地で、空母インディペンデンスの艦載機による夜間離着陸訓練や超低空飛行が多数の住民を悩ましています。日本の航空法は、人口密集地では高度三百メートル以下、その他の地域でも高度百五十メートル以下の低空飛行を禁止しています。ところが、米軍には国内法が適用されないという植民地的な治外法権があるために、アメリカ本国でもできないような横暴な振る舞いが可能になっているのであります。この種の治外法権を広範な分野で米軍に保障しているのが日米地位協定です。
全国では、三十五道府県、三百四十一市、十九東京特別区、五百二十一町村、全自治体の四分の一を超える九百十六の地方議会が地位協定の見直しを求める決議や意見書を採択しています。
総理は、昨年十一月沖縄県が政府に提出した地位協定改定の十項目を読みましたか。読んでいるなら、その感想を伺いたいと思います。
「実質的な改善」といった空文句でごまかさず、協定の条項そのものを改定する問題に正面から取り組んでこそ、沖縄県民の心にこたえる政治と言えるのではないでしょうか。総理の責任ある答弁を求めるものであります。
〔議長退席、副議長着席〕
第二は、沖縄の基地の抜本的な縮小についてであります。
前内閣は、四万七千人という在日米軍の規模の削減を要求するつもりはないと言い続けてきました。これでは、幾ら整理統合・縮小と言っても、県民の期待にこたえる縮小など初めから不可能だということになります。五十年にわたる沖縄県民の苦難に真剣にこたえる意思があるなら、在日米軍の規模の縮小を求める立場でアメリカとの交渉に臨むのが当然ではありませんか。
特に、アメリカが沖縄に海兵隊を配置していることは重大であります。これは、横須賀を母港とする空母戦闘群とともに、世界各地への緊急出撃を最大の任務としており、しばしば殴り込み部隊と呼ばれる部隊です。アメリカの同盟国の中でも、この種の部隊に基地や母港を提供している国は日本以外にありません。犯罪率の高さもしばしば指摘されるところで、昨年九月の暴行事件を初め、本土復帰以来、沖縄で米軍が起こした犯罪の圧倒的部分が海兵隊員によるものでした。
我が党は、すべての米軍基地の撤去を目指す沖縄県民の願いに心から共感し、これを支持するものですが、当面の緊急の問題として、海兵隊の沖縄からの撤去という問題を政府が真剣に検討し、日米交渉に提起することを強く求めるものであります。
二十一世紀まであと五年であります。新しい世紀を日本国民が明るい展望を持って迎えるためには、どうしても解決すべき大きな一連の問題があります。総理も、施政方針演説で二十一世紀への準備を強調しましたが、これらの問題にはほとんど触れず、もちろん問題解決の方向も示されませんでした。政治の現状のもとでは、率直に言って、日本国民は二十一世紀を最悪の条件で迎えさせられるという重大な危険があります。この見地から、二十一世紀を目指す基本姿勢について伺いたいと思います。
第一に、国民生活の問題です。
世界の多くの資本主義国の中でも、日本は、国民の生活や権利を守るルールの確立が弱い「ルールなき資本主義」として有名であります。この点でのルールづくりに力を入れることは、国民が安心して二十一世紀を迎える上で不可欠の課題と言わなければなりません。
一例だけ挙げましょう。日本の労働時間の異常な長さは国際的にも問題になっています。残業時間の法的な制限がないところに、その最大の制度的な原因があります。実際、ヨーロッパ諸国では、残業時間の上限が法律で規定されるなど時間外労働は例外扱いとされ、それが時間的にも安定した形で労働者とその家族の生活を保障しているのであります。
総理、事は、日本の人口の四分の三を占める労働者とその家族の生活基盤にかかわる問題であります。労働基準法を改定して時間外労働の長さを法律で制限する問題を、政治の日程に上せる考えはありませんか。二十一世紀の準備を言うならば、労働時間の問題を含め、国民生活の基本条件について具体的な改善の目標を明らかにし、その実現に取り組むことを政治の最優先の課題とすべきであります。
第二は、食糧問題です。
二十一世紀が世界的な食糧不足の危険を早い時期からはらんでいることは、多くの国際専門機関が一致して警告していることであります。その中で、日本の食糧自給率は、カロリーベースで八七年以後四〇%台かそれ以下に落ち込んだままであります。ところが、政府は事ここに至っても食糧自給率の向上を真剣に考えた農業再建策を立てず、逆に米などの輸入自由化を広げる一方、国内では、これまで農業の大部分を担ってきた家族経営の基盤を崩す新農政などを強引に進めています。
一体こういうやり方で国民の食糧を二十一世紀に保障できると考えているのですか。今こそ食糧自給率の根本的な引き上げを国の基本目標とし、本格的な農業再建政策に転換すべきではありませんか。
第三は、エネルギー問題です。
政府は、これまで原子力発電の高度成長をエネルギー政策の最大の柱にしてきました。しかも、それはプルトニウムの循環を中心としたもので、全国の原発から出る使用済み核燃料を今青森県六ケ所村に建設中の再処理工場などで再処理し、そこでつくられるプルトニウムを「もんじゅ」型の高速増殖炉や軽水炉などへの追加燃料にしていくという循環を想定していました。
この方式は、プルトニウム自体が八キログラムで長崎型原爆が一つつくれるという軍事的に危険な物質であることに加え、増殖炉から再処理、プルトニウム燃料の加工に至るまで各段階の操作の安全性が確立していないこと、環境問題での危険性も大きいことなど、もともと大きな問題をはらんだ方式でした。
現に世界では、高速増殖炉については、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなど開発を手がけてきた国のほとんどが開発の中止を決定しており、今でも安全神話を振りかざしてこれに固執しているのは日本だけであります。また、原発からの使用済み核燃料を全量再処理する、そしてプルトニウム化するという計画を持っているのも日本だけであります。
ですから、今回の「もんじゅ」の事故は起きるべくして起きたものであって、総理の演説のように、先端技術の開発には避けて通れないなどと言って事故を合理化することは許されません。しかも、今度の事故とその経過を見ただけでも、動燃や科学技術庁にこの危険な技術体系を使いこなす能力もなければ、国民の安全への責任感もなかったことは明らかであります。この問題で、目先の取り繕いで事を済まそうとすることは極めて危険であります。
私は、プルトニウムの循環を中心とした原子力政策の根本的な見直しを今行わないと、日本は二十一世紀にエネルギー需給で大きな矛盾にぶつかると同時に、プルトニウムの生産と蓄積に熱中している世界でただ一つの国家となって、国際政治的にも大変危険な立場に立たされることを強調したいと思います。総理の見解を伺います。
次は、財政危機の問題です。
総理は、国の財政の今日の状態について、「もはや危機的事態と言っても過言ではありません」と述べました。実態は、総理のその言葉以上のものがあります。
昨年十二月の財政制度審議会の報告は、日本の財政を「近い将来において破裂することが予想される大きな時限爆弾を抱えた状態」で、しかも「その時限爆弾を毎年大きくしている」と特徴づけ、ヨーロッパの経済統合の条件を定めたマーストリヒト条約に当てはめれば、その資格条件を到底満たせないものだと断じました。つまり、国際的には欠格者に当たるところまで財政危機は悪化しているということです。
問題は、ここまで悪化した財政危機を目の前にしながら、また、みずから財政危機宣言まで出しながら、政府自身が放漫財政をこれまで以上に激しくして、時限爆弾を一層大きくしようとしていることであります。住専処理への税金のつぎ込みは、その一つです。また、ゼネコン腐敗の構造にメスを入れないまま従来型の公共工事をそのまま拡大しようとしているのも、その一つです。
さらに、財政危機のもとで許されない最大の浪費として、引き続く軍備拡大の計画を挙げなければなりません。
政府は、軍備拡大の五カ年計画、新中期防を今年度から発進させようとしています。八六年度から始まった五カ年計画、前中期防の総予算は十八兆四千億円でした。九一年度を起点とする現中期防の総予算は二十二兆一千七百億円でした。そして、今回の新中期防は二十五兆二千六百億円であります。世界で軍縮が問題になっているときに、日本が突出して軍備拡大の道を歩んでいることは、中期防の総費用のこの急増ぶりに端的にあらわれているではありませんか。
アメリカ国防省は、昨年二月に発表した「東アジア戦略報告」で、シーレーン防衛とかミサイル迎撃などの分野を挙げて、日本の軍備の不足を殊さら指摘しています。これにこたえての軍備の増強は、新中期防に忠実に取り入れられています。総理は、自分の外交の基本を「自立」に置くと強調しました。この言葉に真実味が少しでもあるならば、未曾有の財政危機のもとで、また世界の軍縮の流れに逆らって、アメリカの戦略計画が求める軍備拡大の道をひたすら進むような態度を改め、抜本的な軍縮への転換を行うべきではありませんか。
この問題を含め、国民の利益を最優先の基準とした、国政上のむだ遣いの徹底的な総点検が今求められています。それをやらないで財政危機を放任し、最後にそのツケを消費税増税などで国民に負担させてしまう、こういうやり方は国民の徹底した審判を免れないでしょう。このことを厳しく指摘するものであります。
最後に、日米安保条約の問題です。
米軍の占領統治とそれに続く安保条約によって、日本の国民は、この五十年間、外国の軍事基地のもとで暮らしてきました。これは日本の歴史の上で前例のないことであります。総理、あなたはこの状態を主権国家として異常なこととは思いませんか。
そして、これまではソ連の脅威なるものが米軍基地受け入れの最大の理由づけとされてきました。それが真実であったなら、ソ連の解体とともに、安保解消、基地撤去の方向への転換が行われて当然でした。ところが今度は、地球上、特にアジア太平洋地域に紛争や不安定さがある限り、安保も米軍基地も必要だという新しい理由づけが持ち出されてきました。しかし、紛争や不安定さはいつの時代にもあるものであります。それを安保堅持論の根拠にするということは、米軍基地永久論に立つことではありませんか。(拍手)
そこで伺いたい。一体、自民党は、米軍基地のない日本という展望を将来の構想の中に持っているのでしょうか。持っているとしたら、どういう条件ができたら安保条約を解消し外国の軍事基地を撤去させるつもりなのか、はっきりした見解を求めたいと思います。もしこの展望を持っていないとしたら、自民党は独立・主権の精神が全く欠落した政治家の集団だということをあなた方自身が認めることになるではありませんか。
二十一世紀を、外国の軍事基地も軍事同盟もない、独立自主、非核・非同盟の日本として迎えることは、日本共産党の大きな目標の一つであります。私は、そのために全力を尽くすことを表明して、質問を終わるものであります。(拍手)
〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/8
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009・橋本龍太郎
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) まず、解散についてのお尋ねがございました。
住専問題を初めとして金融システムの信頼回復が求められており、また、現内閣の責任におきまして国会に提出した平成八年度予算の年度内成立など、切れ目のない経済運営により景気を本格的な回復軌道に乗せていくことが必要であり、加えて、クリントン大統領の訪日を控え、沖縄の米軍基地問題等について誠実に取り組みながら、我が国外交にとって重要な日米関係をより強固なものにするなどさまざまな課題の山積している今日、政治の空白をつくることは許されないと考えております。
住専問題につきましては、透明性の確保、原因やさまざまな責任の明確化を図りながら、処理方策についての国民の御理解を得るべく全力を尽くしてまいる所存であり、予算に盛り込まれた住専処理のための支出について削除を行うことは考えておりません。
また、政府の資料について御指摘がございました。
住専の貸付先の実名入りリストの公表等情報開示につきましてのお尋ねでありますが、政府としては、透明性の確保を図るため、先般、住専各社の財務状況等について資料を提出いたしましたが、この中には、プライバシーの保護等に配慮し債務者の実名は示さなかったところでありますが、今後とも、住専問題をめぐる情報開示については、本院の御理解、御協力をいただきながら最大限の努力を払う所存であります。
また、住専の不良債権の中で暴力団に対するかかわりのお尋ねがございました。
住専が抱えております不良債権の状況にはさまざまなものがあると考えておりますが、住専問題の処理に当たり、本件に関する違法行為に対しましては、既に検察、警察におきまして協議会や対策室を設置しているところであり、今後とも、借り手、貸し手にかかわらず、またその他の関係者につきましても厳正に対処してまいります。
なお、今般の住専処理方策により、住専から借り手に対する債権の効力には何ら影響がないことも申し添えておきます。
いわゆる総量規制通達について、私の責任にもお触れをいただきました。
この土地関連融資につきましては、私が大蔵大臣に就任する以前から、通達やヒアリングを通じ、投機的な土地取引に係る融資を排除すべく何回か指導が行われておりました。私が就任いたしました後にも同様の指導を行いますとともに、平成元年の十月、二年の一月には、ノンバンクに対しまして、直接、投機的取引などに係る融資の自粛等について要請をし、さらに平成二年三月にはいわゆる総量規制通達を発出いたしました。
ここに申しますノンバンクの中に、当然のことながら住専は含まれております。これは当時の地価問題の重要性にかんがみまして、前年末に施行された土地基本法や金融機関としての業務の公共性の趣旨を踏まえて、あえて一歩踏み込んだ措置として講じました。
この九〇年三月のいわゆる総量規制通達につきましては、特定業種向けの融資量の調整を求めるという極めて厳しい内容であり、こうした厳しい措置の対象はあくまで免許業種である金融機関に限ることが適切と判断いたしましたので、住専を含むノンバンクは総量規制の対象とされませんでした。
ただし、ノンバンク及び建設、不動産といったところには、銀行局長通達の中で、融資の状況についての報告を求めることになっておりました。それにつきまして、農協系金融機関に対し、その三業種向けの融資報告を求めませんでしたのは、当時既に他の通達によって報告を求めているということであったと理解をいたしております。
また、将来追加的な損失が発生した場合の対応についてのお尋ねでありますが、住専処理機構が住専から買い取った債権等については、法律上認められているあらゆる回収手段を迅速的確に用いることにより、まず回収に全力を挙げることとしており、こうした回収努力を行うことによって現在以上の損失が極力生じないよう努めてまいりたいと考えております。
また、金融機関全体の不良債権額と公的資金の導入についてのお尋ねがございました。
平成七年九月末における我が国金融機関の不良債権の総額は、各金融機関からの報告によると約三十八兆円となっております。住専問題については、その早期処理の必要性にかんがみ、損失を補てんするための財政資金の導入を決定したところでありますが、これ以外の不良債権問題については、先般の金融制度調査会答申におきまして、預金保険制度の時限的拡充による対応のほか、信用組合の破綻処理に限って将来必要な場合には適切な財政措置を講ずる必要があるとの考え方が示されており、今後こうした考え方に沿って対応していく方針であります。
また、私有財産への補償についての御質問がございました。
今回の住専処理策は、我が国の金融システムの安定性とこれに対する内外の信頼を確保し、預金者保護に資するとともに、景気を本格的な回復軌道に乗せるために必要なものであり、特定の金融機関の私有財産を補償することを目的としたものではございません。一般的に、自然災害により個人が被害を受けた場合には自助努力による回復を原則としておりますが、政府としては、災害救助法や各種融資措置等による被災者支援など、幅広くかつきめ細かく被災者の生活再建を支援してまいりました。特に阪神・淡路大震災につきましては、被害の甚大さにかんがみ、特別の立法などにより被災者への生活再建等への支援措置を拡充しているところであります。
次に、沖縄県における日米地位協定の見直しに関する要請についてお尋ねをいただきました。
私自身、その要請書も拝見をさせていただきました。また、一昨日、大田知事にお会いをし、直接御意見を伺い、長年にわたる沖縄県民の方々の苦しみや悲しみについて認識を新たにいたしたところであります。これらの要請について、政府としては、沖縄米軍基地問題協議会や特別行動委員会等の場を通じ、早期に動かせるものから一つ一つ取り組み、具体的改善を図っていく所存であります。
次に、在日米軍の規模の縮小及び海兵隊の沖縄からの撤去を米国に交渉すべきではないかというお尋ねがございました。
政府としては、依然として不安定要因を残しております国際社会の中で、日米安保条約の目的達成にとり必要な米軍が我が国に駐留することは不可欠と考えております。他方、長年にわたる沖縄の方々の御負担を可能な限り軽減することが最も重要であると考え、先般設置された特別行動委員会等を通じ、日米安全保障条約の目的達成との調和を図りながら、沖縄の米軍施設・区域の整理統合・縮小を図るよう誠心誠意努力を行ってまいる所存であります。
次に、残業時間の法律での制限についてのお尋ねがございました。
時間外労働の削減は、労働時間短縮のために重要な柱であると認識しております。しかしながら、法律による上限規制につきましては、我が国の雇用慣行等を考えますと、社会的なコンセンサスを得られているとは言えず、適当ではないと考えております。
また、今後の農業政策の推進につきましては、昨年十二月に閣議決定されました「農産物の需要と生産の長期見通し」を踏まえながら、食糧自給率の低下傾向に歯どめをかけることを基本とし、可能な限り我が国農業生産の維持拡大を図ってまいりたいと考えております。具体的には、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱に示されました施策を総合的かつ的確に講じ、効率的かつ安定的な経営体を育成することを中軸に置き、国内食糧供給体制の整備に努めていく所存であります。
次に、原子力政策についてお尋ねがございました。
資源に乏しい我が国にとりまして、エネルギーの安定供給や地球環境問題への対応は重要な課題であります。このような観点から、安全の確保及び平和利用の堅持を大前提として、原子力政策を着実に推進していくことが重要と認識しております。今後の原子力政策の推進に当たりましては、核燃料リサイクルの重要性を踏まえ、「もんじゅ」の事故の経験も十分に生かしながら、幅広い意見を伺いながら、いかにしてこれを原子力政策に的確に反映していくかという点に努力していきたいと考えております。
また、抜本的な軍縮への転換を行うべきという御指摘をいただきました。
新防衛大綱におきましては、冷戦後の国際情勢、とりわけアジア太平洋地域の不安定要因をも踏まえ、現行の防衛力の合理化、効率化、コンパクト化を一層進めるとともに、必要な機能の充実と防衛力の質的な向上を図ることにより、多様な事態に対して有効に対応し得る防衛力を整備することとしております。また、防衛力の整備、維持及び運用に当たっては、格段に厳しさを増している経済財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図ることといたしております。政府としては、新防衛大綱及び新中期防に基づき、引き続き節度ある防衛力の自主的な整備に努めてまいります。
また、国民の利益を最優先の基準にした、国政上のむだ遣いの徹底的な総点検が必要であるという御指摘をいただきました。
今回の予算編成に当たりましては、もはや危機的と言っても過言ではない財政事情のもとに、景気や国民生活の質の向上に十分配慮しつつ歳出削減に一層強力に取り組んできたところであります。今後、この八年度予算を地ならしとして財政改革に取り組みながら、できるだけ速やかに健全な財政体質をつくり上げていくことが緊急課題であります。今後とも財政改革に強力に取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、五十年間外国の軍事基地が存在してきたのは異常ではないか、また、どういう条件ができたら安保条約を解消するのかというお尋ねがございました。
日米安全保障条約は、冷戦後の国際情勢が国際社会において依然不安定要因を残している中で、我が国みずからの防衛力と相まって、引き続き我が国の安全を確保していくために必要不可欠であり、我が国自身が選択をした政策であります。したがって、日米安全保障条約を解消するといったことは全く考えておりません。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/9
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010・鯨岡兵輔
○副議長(鯨岡兵輔君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。
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裁判官訴追委員の予備員辞職の件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/10
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011・鯨岡兵輔
○副議長(鯨岡兵輔君) お諮りいたします。
裁判官訴追委員の予備員杉山憲夫君から、予備員を辞職いたしたいとの申し出があります。右申し出を許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/11
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012・鯨岡兵輔
○副議長(鯨岡兵輔君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。
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裁判官訴追委員及び同予備員の選挙
検察官適格審査会委員の予備委員の選挙
国土開発幹線自動車道建設審議会委員の選挙
国会等移転調査会委員の選挙
北海道開発審議会委員の選挙
国土審議会委員の選挙
日本ユネスコ国内委員会委員の選挙発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/12
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013・鯨岡兵輔
○副議長(鯨岡兵輔君) つきましては、裁判官訴追委員の予備員の選挙を行うのでありますが、この際、あわせて、裁判官訴追委員、検察官適格審査会委員の予備委員、国土開発幹線自動車道建設審議会委員、国会等移転調査会委員、北海道開発審議会委員、国土審議会委員及び日本ユネスコ国内委員会委員の選挙を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/13
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014・七条明
○七条明君 各種委員等の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名され、裁判官訴追委員の予備員の職務を行う順序については、議長において定められることを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/14
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015・鯨岡兵輔
○副議長(鯨岡兵輔君) 七条明君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/15
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016・鯨岡兵輔
○副議長(鯨岡兵輔君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
議長は、裁判官訴追委員に井出正一君を指名いたします。
また、裁判官訴追委員の予備員に安倍基雄君を指名いたします。
なお、予備員の職務を行う順序は第二順位といたします。
次に、検察官適格審査会委員の予備委員に古屋圭司君を指名し、高村正彦君の予備委員といたします。
次に、国土開発幹線自動車道建設審議会委員に
熊谷 弘君 及び 池端 清一君を指名いたします。
次に、国会等移転調査会委員に
五十嵐広三君 及び 玄葉光一郎君を指名いたします。
次に、北海道開発審議会委員に池田隆一君を指名いたします。
次に、国土審議会委員に五十嵐ふみひこ君を指名いたします。
次に、日本ユネスコ国内委員会委員に
片岡 武司君 及び 塩谷 立君を指名いたします。
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国家公安委員会委員任命につき同意を求める
の件
社会保険審査会委員長及び同委員任命につき
同意を求めるの件
中央社会保険医毎協議会委員任命につき同意
を求めるの件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/16
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017・鯨岡兵輔
○副議長(鯨岡兵輔君) お諮りいたします。
内閣から、
国家公安委員会委員に那須翔君を、
社会保険審査会委員長に大和田潔君を、
同委員に佐々木喜之君を、
中央社会保険医療協議会委員に井原哲夫君及び森嶌昭夫君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
まず、国家公安委員会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに賛成の皆さんの起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/17
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018・鯨岡兵輔
○副議長(鯨岡兵輔君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。
次に、社会保険審査会委員長及び同委員及び中央社会保険医療協議会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/18
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019・鯨岡兵輔
○副議長(鯨岡兵輔君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/19
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020・鯨岡兵輔
○副議長(鯨岡兵輔君) 本日は、これにて散会いたします。
午後三時五十七分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113605254X00319960125/20
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