1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成八年五月三十一日(金曜日)
午後零時四十九分開会
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委員の異動
五月二十七日
辞任 補欠選任
本岡 昭次君 小島 慶三君
五月三十日
辞任 補欠選任
小島 慶三君 本岡 昭次君
島袋 宗康君 山田 俊昭君
五月三十一日
辞任 補欠選任
菅野 久光君 角田 義一君
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出席者は左のとおり。
委員長 寺澤 芳男君
理 事
青木 幹雄君
鴻池 祥肇君
野沢 太三君
風間 昶君
川橋 幸子君
委 員
井上 吉夫君
太田 豊秋君
鹿熊 安正君
亀谷 博昭君
久世 公堯君
河本 三郎君
武見 敬三君
成瀬 守重君
林 芳正君
吉川 芳男君
石田 美栄君
常田 享詳君
戸田 邦司君
横尾 和伸君
瀬谷 英行君
角田 義一君
須藤美也子君
立木 洋君
本岡 昭次君
山田 俊昭君
中尾 則幸君
国務大臣
外 務 大 臣 池田 行彦君
農林水産大臣 大原 一三君
運 輸 大 臣 亀井 善之君
国 務 大 臣
(科学技術庁長
官) 中川 秀直君
政府委員
科学技術庁原子
力安全局長 宮林 正恭君
外務大臣官房審
議官
兼内閣審議官 西田 芳弘君
外務省条約局長 林 暘君
農林水産大臣官
房長 高木 勇樹君
水産庁長官 東 久雄君
運輸省運輸政策
局長 土坂 泰敏君
海上保安庁長官 秦野 裕君
事務局側
常任委員会専門
員 大島 弘輔君
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本日の会議に付した案件
○海洋法に関する国際連合条約及び千九百八十二
年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約第
十一部の実施に関する協定の締結について承認
を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○領海法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
○排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
○海上保安庁法の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○排他的経済水域における漁業等に関する主権的
権利の行使等に関する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
○海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○水産資源保護法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一
部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関
する法律及び放射性同位元素等による放射線障
害の防止に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113613938X00219960531/0
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001・寺澤芳男
○委員長(寺澤芳男君) ただいまから海洋法条約等に関する特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、島袋宗康君が委員を辞任され、その補欠として山田俊昭君が選任されました。
また、本日、菅野久光君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113613938X00219960531/1
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002・寺澤芳男
○委員長(寺澤芳男君) 海洋法に関する国際連合条約及び千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約第十一部の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件、領海法の一部を改正する法律案、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案、海上保安庁法の一部を改正する法律案、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律案、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案、水産資源保護法の一部を改正する法律案、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案、以上九件を一括して議題といたします。
政府から順次趣旨説明を聴取いたします。池田外務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113613938X00219960531/2
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003・池田行彦
○国務大臣(池田行彦君) ただいま議題となりました海洋法に関する国際連合条約及び千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約第十一部の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
海洋法に関する国際連合条約は、昭和五十七年十二月十日、ジャマイカのモンテゴベイにおいて作成されたものであり、また千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約第十一部の実施に関する協定は、平成六年七月二十八日、ニューヨークにおいて作成されたものであります。
この条約及び実施協定は、領海、接続水域、排他的経済水域、大陸棚、公海、深海底等の海洋に関する諸問題について包括的に規律するものであります。
我が国がこの条約及び実施協定を締結することは、我が国が世界の主要な海洋国家であることにかんがみ、海洋に関する安定的な法的秩序の確立に寄与するとともに、我が国の海洋に係る活動を一層円滑にすることとなるという見地から極めて有意義であると認められます。
よって、ここに、この条約及び実施協定の締結について御承認を求める次第であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113613938X00219960531/3
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004・寺澤芳男
○委員長(寺澤芳男君) 亀井運輸大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113613938X00219960531/4
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005・亀井善之
○国務大臣(亀井善之君) ただいま議題となりました領海法の一部を改正する法律案、海上保安庁法の一部を改正する法律案、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案、以上三件の提案理由につきまして御説明申し上げます。
初めに、領海法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
本法律案は、海洋法に関する国際連合条約に定めるところにより、領海の幅を測定するための基線として直線基線を用いることができることとするとともに、領域における通関等に関する法令に違反する行為の防止及び処罰のために必要な措置をとる水域として接続水域を設けること等とするものであります。
次に、改正案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、法律の題名を領海及び接続水域に関する法律とすることとしております。
第二に、領海の幅を測定するための基線として直線基線を加えることとしております。
第三に、内水または領海からの追跡に係る公務員の職務の執行及びこれを妨げる行為については、我が国の法令を適用することとしております。
第四に、領域における通関、財政、出入国管理及び衛生に関する法令に違反する行為の防止及び処罰のために必要な措置をとる水域として接続水域を設けることとするとともに、その範囲を定めております。
第五に、接続水域における公務員の職務の執行及びこれを妨げる行為については、我が国の法令を適用することとしております。
続きまして、海上保安庁法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
昭和五十七年十二月に第三次国際連合海洋法会議において採択され、平成六年十一月に発効した海洋法に関する国際連合条約につきましては、今般我が国はこれを締結する運びとなり、またこれに伴い、接続水域及び排他的経済水域を設定し、国内法の適用関係を明らかにする等のための海洋法制整備が行われることとなります。このような新たな法制度の導入にかんがみ、また最近における密航、密輸等海上における犯罪等の発生状況を踏まえ、海上における取り締まりに係る法整備を行う必要があります。
この法律案は、このような状況を踏まえ、船舶に立入検査を行うための停船措置の明確化や海上保安官が講ずる措置についての発動要件の明確化等所要の改正を行い、海上保安官が犯罪の予防等の措置を機動的かつ適切に講ずることができるようにするものであります。
次に、改正案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、海上保安官が職務上の必要により船舶に立人検査を行うため、その進行を停止させることができることを明確化することとしております。
第二に、海上保安官は、海上における犯罪がまさに行われようとしている場合、または天災事変等の危険な事態が存在する場合であって人の生命、財産等に危害が及ぶおそれがあり、かつ急を要するときには、船舶の進行の開始、停止、航路の変更等の措置のほか、乗組員の下船の制限、積み荷の陸揚げ、人の行為の制止等の措置を講ずることができることとしております。
第三に、海上保安官は、海上における犯罪の発生が明らかである場合、その他海上における公共の秩序が著しく乱されるおそれがある場合であって他に適当な手段がないと認められるときには、船舶の進行の開始、停止、航路の変更等の措置を講ずることができることとしております。
最後に、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
昭和五十七年十二月に第三次国際連合海洋法会議において採択され、平成六年十一月に発効した海洋法に関する国際連合条約については、今般我が国はこれを締結する運びとなりましたが、同条約は、主要事項の一つとして海洋環境の保護及び保全を掲げ、海洋汚染事犯を引き起こした外国船舶について担保金等を提供することを条件に速やかに釈放する制度を設けること等を求めております。
このため、我が国といたしましては、同条約の実施に伴い、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の規定の整備を行う必要があります。また、あわせて、最近における特殊法人等の財務内容等の公開の要請にかんがみ、海上災害防止センターの財務諸表等の公開に関する規定の整備を行う必要があります。
次に、改正案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の規定に違反した外国船舶について担保金等の提供を条件に速やかに釈放する制度を創設することとしております。
第二に、所要の罰則規定の整備及び罰金額の引き上げ等を行うこととしております。
第三に、海上災害防止センターの財務諸表等の公開に関する規定を整備することとしております。
以上が、領海法の一部を改正する法律案、海上保安庁法の一部を改正する法律案、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を提案する理由であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113613938X00219960531/5
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006・寺澤芳男
○委員長(寺澤芳男君) 大原農林水産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113613938X00219960531/6
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007・大原一三
○国務大臣(大原一三君) 排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律案、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案及び水産資源保護法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
まず、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
国際社会における安定した海洋の法的秩序を確立するべく、第三次国連海洋法会議において一九七三年より審議され、一九八二年に作成された海洋法に関する国際連合条約が、一昨年十一月に発効いたしました。
我が国といたしましても、同条約が海洋国家としての我が国の国益に沿うものであることを踏まえ、国際的に構築されつつある新たな国際秩序に参画していく観点から、同条約を締結するとともに、国内関連法制を整備することが必要となっております。
このため、国内法制整備の一環として、排他的経済水域及び大陸棚に関する国内法制を整備し、我が国が同条約に定めるところにより沿岸国としての主権的権利等を適切に行使することを可能とするべく、この法律案を提出することとした次第であります。
次に、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。
第一に、排他的経済水域を設定することであります。
我が国が海洋法に関する国際連合条約第五部に規定する天然資源の探査、開発等、海洋環境の保護及び保全等に関する沿岸国としての主権的権利等を行使する水域として排他的経済水域を設けるとともに、その範囲を定めることとしております。
第二に、大陸棚の範囲を明確化することであります。
我が国が海洋法に関する国際連合条約に定めるところにより天然資源の探査、開発等に関する沿岸国としての主権的権利等を行使する大陸棚について、その範囲を明確化することとしております。
第三に、排他的経済水域及び大陸棚における我が国の法令の適用について定めることであります。
排他的経済水域または大陸棚における天然資源の探査、開発等、人工島、施設及び構築物の設置等、海洋環境の保護及び保全、海洋の科学的調査等について、我が国の法令を適用することとしております。
二番目に、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
最近における我が国漁業を取り巻く国際情勢は、海洋法に関する国際連合条約が発効し、国際的な二百海里体制がほとんどの地域で定着してきたことを初め、公海漁場における漁業規制が強化されるなど、新たな局面を迎えております。このため、我が国周辺水域の漁業管理が従来にも増して重要となっております。
こうした状況の中で、我が国におきましても、海洋法に関する国際連合条約を締結することとし、また同条約に基づく排他的経済水域を設定することとしておりますが、漁業の分野においてもこのような枠組みのもとで適切な措置を講じていくことが緊要な課題となっております。
我が国は、昭和五十二年に、当時進行中であった第三次国連海洋法会議の結論が出るまでの暫定措置として、漁業水域に関する暫定措置法を制定し、漁業水域を設定して、漁業等に関する管轄権を行使したところでありますが、我が国の排他的経済水域が設定されることを踏まえ、海洋法に関する国際連合条約に定める権利を的確に行使することにより海洋生物資源の適切な保存及び管理が図られるよう、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等について所要の規定を整備するため、この法律案を提出することとした次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、排他的経済水域における外国人の漁業等についての規制措置であります。すなわち、排他的経済水域のうち、領海法において領海の幅が十二海里に満たない海域等を外国人の漁業等の禁止海域とし、この禁止海域以外の海域につきましては、外国人は農林水産大臣の許可を受けなければ漁業、水産動植物の採捕を行ってはならないこととしております。
この許可は、農林水産大臣が定める漁獲量の限度の範囲内で、当該外国人の漁業が国際約束等に従って的確に行われること、その他政令で定める基準に該当する場合に限り行うこととしております。
また、この漁獲量の限度は、排他的経済水域における資源の動向及び我が国漁業者の漁獲の実情を基礎として、外国人の漁業の状況、外国周辺水域における我が国の漁業の状況等を総合的に考慮して行うこととしております。さらに、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案において漁獲可能量を定める海洋生物資源については、その数量を基礎とすることといたしております。
第二に、排他的経済水域において、外国人は、試験研究等の目的のための水産動植物の採捕または探査を行おうとするときは、農林水産大臣の承認を受けなければならないこととしております。
第三に、我が国は、我が国起源のサケ・マス等の湖河性資源につきましては、排他的経済水域の外側におきましても、海洋法に関する国際連合条約に定める第一義的利益及び責任を有するものとしております。
第四に、排他的経済水域の外側に広がる大陸棚の定着性種族について外国人が漁業等を行う場合については、排他的経済水域における漁業等の場合と同様の規制を行うこととしております。
第五に、この法律等の違反に関し船舶の拿捕が行われた場合、拿捕した外国船舶及びその乗組員について、適当な担保金等の提供によりこれを早期に釈放するための制度を規定するものとしております。
三番目に、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
海洋法に関する国際連合条約は、領海、排他的経済水域、大陸棚等海洋問題一般を包括的に規律する条約でありますが、同条約におきましては、排他的経済水域における海洋生物資源について、漁獲可能量を決定する等の保存及び管理のための措置を沿岸国に義務づけており、国際社会の一員である我が国としましても同条約の締結に当たり当該義務の的確な履行を図っていくことが必要であります。
一方、我が国周辺海域における海洋生物資源の状況は総じて低水準かつ悪化の傾向にあり、我が国漁業の漁獲量を見ても最盛期の三分の二にまで減少するに至っております。また、漁獲技術の進展に伴い漁獲量は資源量に対して過大となりやすい傾向にあります。このため、漁船の隻数、操業期間、操業区域等漁獲能力を中心とした従来の漁業管理に加え、漁獲量の総量に着目した漁業管理を行っていくことが必要となってきております。
このような状況を踏まえ、海洋法に関する国際連合条約の実施に伴い、排他的経済水域等における海洋生物資源の保存及び管理を図るため、漁獲量の総量に着目した資源管理に関する新たな法制度を導入することとし、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、農林水産大臣による基本計画の策定であります。
農林水産大臣は、排他的経済水域等において海洋生物資源の保存及び管理を行うため、漁獲可能量の対象となる海洋生物資源の動向、漁獲可能量、実施すべき施策等を内容とする基本計画を定めることとしております。
第二に、都道府県知事による都道府県計画の策定であります。
都道府県知事は、基本計画に即して、都道府県知事が管理する漁業について実施すべき施策等を内容とする都道府県計画を定めることとしております。
第三に、都道府県知事が指定する海洋生物資源の保存及び管理であります。
都道府県知事は、基本計画において漁獲可能量を定めることとされていない海洋生物資源について、漁獲限度量、実施すべき施策等を都道府県計画において定めることができることとしております。
第四に、漁獲可能量を管理するための措置であります。
農林水産大臣または都道府県知事は、漁獲量を漁獲可能量等の範囲内に管理するため、漁獲可能量等の対象となっている海洋生物資源の採捕の停止その他必要な命令をすることができることとしております。
第五に、協定の制度であります。
漁獲可能量等の対象となっている海洋生物資源の採捕を行う者は、当該資源の保存及び管理に関する協定を締結し、農林水産大臣または都道府県知事の認定を受けることができることとするとともに、農林水産大臣または都道府県知事は、認定した協定に参加している者の求めに応じ、協定への参加のあっせんその他必要な措置を講ずることとしております。
第六に、採捕の数量等の報告であります。
海洋生物資源の採捕を行う者のうち一定の者は、海洋生物資源の採捕の数量等を農林水産大臣または都道府県知事に報告しなければならないこととしております。
最後に、水産資源保護法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
海洋法に関する国際連合条約におきましては、生物資源を含む海洋環境の保護及び保全に必要な措置をとることを沿岸国に求めており、我が国としても同条約の締結に当たり適切な措置を講ずる必要があります。
また、昨年五月には国際獣疫事務局が水産動物の輸入防疫制度を設けるよう各国に対し勧告しており、当該機関に参加する我が国としても、当該勧告に沿うよう措置する必要があります。
一方、我が国漁業者の資源管理意識の向上、消費者ニーズの多様化等を背景として、増殖または養殖に用いる水産動物の種苗の輸入が増加しております。こうした中で、従来我が国においては発生を見なかった外来の病原体が我が国に侵入し、増養殖業に大きな被害が生じてきており、これに対応するための措置をとることが求められております。
このような状況を踏まえて、海洋法に関する国際連合条約の実施等に伴い、水産動物の種苗の輸入防疫措置を講ずるための所要の改正を行うこととし、この法律案を提出することとした次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
本法律案の主要な内容は、輸入の許可制度の導入であります。特定の水産動物の種苗及びその容器包装を輸入しようとする者は、農林水産大臣の許可を受けなければならないこととするとともに、許可の申請があった場合には、農林水産大臣は輸出国発行の検査証明書により伝染性疾病の病原体を広げるおそれがないと認めるときは、許可をしなければならないこととしております。
以上がこれら四法案の提案理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113613938X00219960531/7
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008・寺澤芳男
○委員長(寺澤芳男君) 中川科学技術庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113613938X00219960531/8
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009・中川秀直
○国務大臣(中川秀直君) 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。
この法律案は、海洋法に関する国際連合条約、いわゆる国連海洋法条約の実施に伴い、放射性物質の海洋投棄に関連する所要の規定の整備を図るものであります。
国連海洋法条約は、海洋に関する秩序全般を規律する条約であり、既に平成六年に発効しておりますが、同条約は海洋国家たる我が国にとっても大きな意義を有するものであることから、我が国として同条約を締結するため、今国会において条約締結の御承認及び関連国内法案の御審議をお願いしているところであります。
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律におきましては、従来から廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約、いわゆるロンドン条約のもと、放射性物質の海洋投棄について規制を行ってきたところでありますが、国連海洋法条約において各国の海洋汚染防止関係法令の適用範囲、執行手続等が定められたことに伴い所要の規定の整備を行うこととした次第であります。
次に、本法案の要旨について御説明申し上げます。
第一に、条約により海洋環境の保護及び保全に関する我が国の管轄権が領海を超えて排他的経済水域等まで拡大されることに伴い、排他的経済水域等における外国船舶による放射性物質の違法な海洋投棄について罰則の整備等を行うこととしております。また、放射性物質の海洋投棄の規制の適切な履行を図るため、船舶への立入検査及び船舶の船長等からの報告徴収に係る規定をあわせて整備することとしております。
第二に、条約において外国船舶に対する法令の執行の手続が定められたことに伴い、違反を行った外国船舶について担保金等を提供することを条件に釈放する制度を整備することとしております。
以上がこの法律案を提案する理由及び要旨であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113613938X00219960531/9
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010・寺澤芳男
○委員長(寺澤芳男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
九案件の審議は後日に譲ることといたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時十二分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113613938X00219960531/10
4. 会議録のPDFを表示
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