1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
平成八年六月十八日(火曜日)
午前十時七分開会
—————————————
委員の異動
二月十三日
辞任 補欠選任
今泉 昭君 寺崎 昭久君
三重野栄子君 渕上 貞雄君
六月十七日
辞任 補欠選任
及川 順郎君 続 訓弘君
山崎 順子君 武田 節子君
六月十八日
辞任 補欠選任
上野 公成君 溝手 顕正君
坂野 重信君 河本 三郎君
中曽根弘文君 服部三男雄君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 菅野 久光君
理 事
西田 吉宏君
松浦 孝治君
広中和歌子君
瀬谷 英行君
委 員
上野 公成君
河本 三郎君
坂野 重信君
鈴木 政二君
中曽根弘文君
服部三男雄君
保坂 三蔵君
真島 一男君
溝手 顕正君
矢野 哲朗君
片上 公人君
武田 節子君
続 訓弘君
寺崎 昭久君
山下 栄一君
渕上 貞雄君
緒方 靖夫君
国井 正幸君
衆議院議員
発 議 者 西田 司君
発 議 者 坂本 剛二君
発 議 者 松本 龍君
発 議 者 玄葉光一郎君
国務大臣
内閣総理大臣 橋本龍太郎君
建 設 大 臣 中尾 栄一君
国 務 大 臣
(国土庁長官) 鈴木 和美君
政府委員
内閣参事官
兼内閣総理大臣
官房会計課長 吉井 一弥君
国土庁土地局長 深澤日出男君
国土庁大都市圏
整備局長 五十嵐健之君
運輸省鉄道局長 梅崎 壽君
建設大臣官房長 伴 襄君
自治大臣官房総
務審議官 湊 和夫君
事務局側
常任委員会専門
員 八島 秀雄君
—————————————
本日の会議に付した案件
○国会等の移転に関する法律の一部を改正する法
律案(衆議院提出)
○首都移転計画の中止に関する請願(第一六〇九
号外二件)
○首都機能移転計画の再考に関する請願(第二二
二四号外六件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/0
-
001・菅野久光
○委員長(菅野久光君) ただいまから国会等の移転に関する特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨十七日、及川順郎君及び山崎順子君が委員を辞任され、その補欠として続訓弘君及び武田節子君が選任されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/1
-
002・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 国会等の移転に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
発議者衆議院議員西田司君から趣旨説明を聴取いたします。西田司君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/2
-
003・西田司
○衆議院議員(西田司君) ただいま議題となりました国会等の移転に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表いたしまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
国会等の移転につきましては、国会等の移転に関する法律の成立を受けて総理府に設置された国会等移転調査会において、平成五年四月以来約二年九カ月をかけて調査審議が行われてまいりました。昨年十二月に国会等移転調査会報告が内閣総理大臣に報告され、さらに内閣総理大臣から国会に報告されたところであります。
この中で、国会等の移転が地方分権、規制緩和など、国政全般の改革の契機として、また、東京一極集中の是正を図るとともに、国土の災害対応力の強化を図るためにも大きな意義を有するものであるとした上で、移転先地の選定基準、選定方法等についての報告を行い、移転先候補地を選定するための専門的・中立的な選定機関を設置すべきであるとしております。
国会におきましても、国会等の移転に関する特別委員会において、多数の参考人からの意見聴取、地方での意見交換会の開催、調査会報告についての調査会会長からの意見聴取などを行い、活発な審議を進めてきたところであります。
本法律案は、以上の経緯を踏まえ、国会等の移転の具体化に向けた検討を進めるため、移転先候補地の選定体制を整備するとともに、候補地の選定に伴う土地投機対策について定める等、所要の改正を行おうとするものであります。
次に、法律案の要旨について御説明申し上げます。
第一に、前文におきまして、阪神・淡路大震災の教訓を記述するとともに、国会等の移転を目指して、その具体化の推進のために積極的な検討を行うべきことを明らかにすることとしております。
第二に、国は、国会並びにその活動に関連する行政に関する機能及び司法に関する機能のうち中枢的なものの東京圏以外の地域への移転の具体化に向けて積極的な検討を行う責務を有することとしております。
第三に、現行の「検討指針」を「基本指針」に改めるとともに、その内容について所要の規定の整備を行うこととしております。
第四に、移転先の候補地の選定について調査審議するための機関として、総理府に国会等移転審議会を設置することとし、その組織・運営等について必要な規定を定めるとともに、審議会は、国会等移転調査会の報告及びこれに関する国会の審議を踏まえ調査審議することとしております。
第五に、審議会の答申が行われたときは、国民の合意形成の状況、社会経済情勢の諸事情に配慮し、東京都との比較考量を通じて移転について検討されることとするとともに、移転を決定する場合には、審議会の答申を踏まえ、別に法律で定めることとしております。
第六に、移転先の候補地の選定に伴う土地投機対策として、監視区域の指定の特例等について定めることとしております。
以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。
何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/3
-
004・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/4
-
005・続訓弘
○続訓弘君 私は、平成会の続でございます。
まず、具体的な質問に入ります前に、発議者の皆さん方に一言申し上げます。
ただいま朗読されました修正案に対しまして、真摯な議論の末、取りまとめていただきましたことに対して、改めて敬意を表します。
私は、まず首都の定義についてお伺いいたします。
我が国には首都の概念を定義する法律がございません。国会等が東京から別の場所に移転した場合、それが首都移転になるのかどうなのかについては、実は都民を初め千葉、埼玉、神奈川等々三千三百余万人の首都圏の皆様方は大変心配をしているわけであります。そういう意味で、首都というのは一体どういうことなのかということを伺いたいと思います。
私は、首都の定義としては、まず、日本国の象徴である、そしてまた日本国民の統合の象徴である天皇陛下の住まいとしての皇居のあるところ、そして二番目には、国の立法並びに行政及び司法に関する機能のうち中枢的な機能の存するところが首都ではないかと思います。
たまたま六月十三日の衆議院国会等移転特別委員会で橋本総理は、今回の法案に盛られている内容は首都の移転ではなく、皇室に御動座をいただくつもりはないと答弁されたと伺っております。
改めて、首都とは一体どういうものなのか。さらに重ねて、もし国会等移転が首都移転でないとしても、立法、行政、司法の中枢機能が存在しなくなったら東京が果たして首都と言えるのかどうなのか。この二点についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/5
-
006・鈴木和美
○国務大臣(鈴木和美君) 今、先生御指摘のように、衆議院の特別委員会におきまして、先般、総理からの御答弁がございまして、総理の御答弁は、皇居の移転というようなことは考えていないという答弁でございました。
さて、今回の法案の中身を見ていただきますと、国会等の移転とはという、法律第一条で、「国会並びにその活動に関連する行政に関する機能及び司法に関する機能のうち中枢的なものの東京圏以外の地域への移転」という意味で用いられているものでございますから、今先生が御指摘のように、改めて、首都というものはどういう定義になっているのかということは、私も役について今回の法案を審議するに当たっていろいろ調べてみましたが、法律的にこういう定義であるというのは現在のところないように思っております。
したがいまして、これからは国民全体のコンセンサスを得ながら首都というものはどういうものであるのかということを定めていくのが一番妥当ではないか、かように思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/6
-
007・続訓弘
○続訓弘君 現行法の前文に、「我が国の現状は、政治、経済、文化等の中枢機能が東京圏に過度に集中したことにより、人口の過密、地価の高騰、生活環境の悪化、大規模災害時における危険の増大等の問題が深刻化する一方で、地方における過疎、経済的停滞、文化の画一化等の問題が生じるに至っている。」と述べ、「このような状況にかんがみ、一極集中を排除し、多極分散型国土の形成に資するとともに、地震等の大規模災害に対する脆弱性を克服するため」、「国会等の東京圏外への移転の具体化について積極的に検討を進める」としております。
しかし、当時から今日まで、社会経済情勢等の大きな変化がございました。東京や首都圏の過密の加速は大きく鈍化しただけでなく、全国シェアの上でマイナスに転じた指標さえ数多くあらわれております。東京の産業の空洞化さえ心配される事態となっております用地価の高騰はどうでしょうか。その後の下落は申し上げるまでもございません。
このように、我が国並びに東京、首都圏のこれまでの変化やこれからの動向は、東京の過密解消の手段としての国会等の移転の必要性を減少させることが現実に言われております。そういう中で、首都移転が必要なのかどうなのかについて御所見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/7
-
008・鈴木和美
○国務大臣(鈴木和美君) 御案内のように、今まで調査会の皆さんにも大変御努力をいただきまして議論をしてきた過程の中で、この首都機能の移転というものの目的といいますか効果というか、そのことにつきましては三点に絞られて議論があったように私は認識しております。
その一つは、地方分権や規制緩和を初めとする国政全般の改革を促進する重要な契機になるだろう。二つ目には、東京への集中が集中を呼ぶメカニズムを改め、一極集中の是正を通じて各地域の活力を呼び起こすことになるだろう。三つ目には東京圏はもちろんのこと、我が国全体の災害対応力の向上を図ること。これを大きな意義としていると考えているところでございます。
したがいまして、この機能移転は、その規模から直接的には東京の活力の低下にはならないだろうと思います。それから、機能移転によって交通事情の問題や混乱を少しでも解消し、そしてゆとりある東京をつくる、こういうところに大きな意義と目的があるように私は認識しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/8
-
009・続訓弘
○続訓弘君 二〇一〇年には新首都で国会を開くと最終報告はまとめられました。その中で、霞が関の官庁街は建てかえがメジロ押しであります。五月十七日には、首相官邸を建てかえるための学識者八人から成る委員会も発足いたしました。そうだとすれば、それらの官庁街の建設計画あるいは金額、完成年度、首相官邸を含めてこの際明確にお答えいただきたい。
あわせまして、都道府県会館だとかあるいは都市センター、町村会館等ももう既に改築が始まっております。二〇一〇年に新しいところで首都が開設される、国会が開設されると言いながら、一方においては官庁街が、あるいは都道府県、市町村関係の庁舎が改築される、こういう状況に対して、矛盾しているのではなかろうか、国民はそういう疑問を呈しているのではなかろうかと私は思います。
つきましては、今申し上げた諸施設の建設計画なり金額なり規模なりをここで明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/9
-
010・吉井一弥
○政府委員(吉井一弥君) 総理大臣官邸の建てかえにつきましてお答え申し上げます。
現在の官邸は、建築後七十年近くが経過しておりまして、老朽化、狭隘化が非常に著しく、危機管理機能や情報通信機能の充実が緊急の課題であると承知しております。今年度、基本設計に要する費用の一部が予算に計上されてございまして、建設省の官庁営繕部におきまして設計に取り組んでいただくこととしておるところでございます。
新官邸の規模、総工事費につきましては、基本設計を経て決まるものであると考えておりまして、現時点においてはまだ固まったものはございません。新官邸は、基本設計の後に実施設計を行いまして、平成十二年までに概成することを目指しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/10
-
011・湊和夫
○政府委員(湊和夫君) 都道府県会館、都市センター、町村会館の建てかえにつきまして御答弁申し上げたいと存じます。
これらの施設、いずれも既に事業に着手をいたしておりますが、都道府県会館は、地上十五階地下三階、建物総面積で申しまして三万二千九百平米程度の規模でございます。建設費が約三百五十億円、平成十年度の完成を予定いたしております。
それから、都市センターにつきましては、地上二十二階地下二階、建物面積が約三万八百平米、建設費が百六十億円、完成予定は平成十一年度となっております。
また、全国町村会館は、地上十七階地下二階建てで、建物面積は約一万五千平米、建設費は約八十九億円で、平成十年度の完成予定というふうにそれぞれ伺っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/11
-
012・続訓弘
○続訓弘君 官庁街は、答弁。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/12
-
013・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/13
-
014・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 速記を起こしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/14
-
015・伴襄
○政府委員(伴襄君) 新中央合同庁舎第二号館、人事院ビルの建てかえがございますが、これにつきましては、工期が平成七年度から十二年度でございまして、全体計画額が五百七十五億円ということで、解体工事に着手しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/15
-
016・続訓弘
○続訓弘君 私は、霞が関の官庁街の建てかえ工事の全体を伺っているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/16
-
017・伴襄
○政府委員(伴襄君) 現在、計画して着工しておりますのは、新二号館でございます。そのほかに六号館等々、あるいは国会関係の施設等はございますが、現在、具体的に工事に着手しているのは、この新二号館でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/17
-
018・続訓弘
○続訓弘君 私は、鈴木知事のもとで財政再建に携わってまいりました。ここに自民党の保坂議員もおられます。議会とともに汗をかいてまいりました。
当時、三千五百億円の巨額の赤字を抱えて大変な状況でありました。そのとき、知事がとられた財政再建策の第一は、まず、みずからの姿勢を正そう。そして、それを果敢に実行されました。それは、自分の給料を財政再建が成るまでは半分にしよう、これが一つであります。
さらにもう一つは、職員の労働組合や議会、あるいは職員自身の理解、協力をいただいて人間の大幅な削減を実施しよう。何と一万八千四百七十五人の削減を実施いたしました。八・四%です。さらにはポスト、勤め人にとっては一番重要なポストの削減をいたしました。何と一五%のポストの削減であります。
そしてさらに、計画されて着工寸前の庁舎は、直ちに改築まかりならぬ、こういうことでありました。さらには、一般的な補助金を一律二〇%カットいたしました。
そういう姿勢を貫くことによって、公約の四年ではなくて三年間で見事に都財政の再建ができたわけであります。
今二〇一〇年に新しいところで国会を開設し、そして行政、司法の中枢が移転しよう、そういう状況の中で、何で官庁街を改築し、都道府県会館等々の地方関係の庁舎を改築し、総理官邸を改築する必要があるんでしょうか。これでは国民は理解できません。
重ねて、これらに対する姿勢を伺いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/18
-
019・中尾栄一
○国務大臣(中尾栄一君) 続委員に答弁をさせていただきたいと思います。
もう一つ一つおっしゃられることが体験を通してのことでございますから、私どもの教訓になることも非常にたくさんあるわけでございまして、お教えをいただいていることに感謝申し上げたいと思う次第でございます。
財政再建というのは緊要の課題であると考えておりますが、官庁施設の老朽化あるいはまた狭険化等によりまして、危機管理を初めとする国の基本的行政サービス等に支障が生じてはならないところでございます。このために、必要やむを得ない施設につきましては、計画的な整備を進めていくという考え方であることを申し添えておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/19
-
020・続訓弘
○続訓弘君 私は、せっかくの中尾大臣の御答弁ではございますけれども、やはり為政者の姿勢としてそういうことが必要ではなかろうか、こういうことを重ねて申し上げたいと存じます。
次に、地方分権や規制緩和は首都機能とは別に思い切って取り組むことこそ必要であります。その上で地方分権や規制緩和が大胆に行われ、国の機能がスリムになった場合においても、それでもなお首都機能の移転が必要であるかどうか、この点についての国土庁長官の考え方を伺いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/20
-
021・鈴木和美
○国務大臣(鈴木和美君) 今の問題に直接答える前に、もう一つ私はぜひ御理解を得たいと思うんです。
国会等の機能移転の問題は、阪神・淡路大震災のとうとい経験というのが認識の中に多くなってきたと私は思うのです。つまり、防災に関する司令塔というものが一体どこにあった方がいいのか。東京に全部集中しておれば、こんなことがあってはいかぬかもしれませんけれども、仮に直下型の地震が起きるというようなときに、全国に対する司令塔がなくなってはいかぬ、こういう防災の面が非常に強く今回は意識されていると思うんです。したがいまして、行政改革の問題とそういう機能移転の側面もあることをぜひ御理解いただきたいと思うんです。
同時に、今お尋ねのように、例えば行政改革によってスリム化が行われたときに、それでも移転するのかというお話なんですが、私の認識としては、今地方分権とか規制緩和という言葉は言葉としてあるんですけれども、それを実際に促進していくということになるとこれは話がなかなかまとまらないということもあると思うんです。今、国は絶対に地方分権や規制緩和が必要でありますから、そういう意味では、この機能移転というものを起爆剤にして分権を進めていく、車の両輪として位置づけていくということが大切だと、私はそういう認識でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/21
-
022・続訓弘
○続訓弘君 今日、東京が世界をリードする国際都市の一つとして世界の発展に貢献すると同時に、我が国の高水準な経済社会活動を支え、ひいては国民生活の向上にも寄与していることを考え合わせ、アジア諸都市の成長著しい中で、東京の都市としての魅力を減退させるような首都機能の移転は改めて問い直す必要があると私は考えます。
今さら申し上げるまでもございませんが、地方都市の育成や国土の均衡ある発展を図るには、地方分権と規制緩和こそがかぎではないかと思います。国際都市東京の魅力を減退させ、ひいては我が国の経済社会活動の発展を阻害するようなことがあっては絶対になりません。そのようなおそれがある首都機能移転をあえて推進するねらいあるいは目的等について、改めて国土庁長官の御見解を承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/22
-
023・鈴木和美
○国務大臣(鈴木和美君) 私も昭和二十七年から東京に住んでいるわけでございまして、東京の各議員の皆さんや関係者とよくお話をするんです。
そのときに、東京の関係者の皆さんが一番最初私に尋ねるのは、機能移転をした後の土地は一体どうするんだとか、どういう利用をするんだとか、そういうことが一番心配の中心のようでございます。つまり、機能移転すると、東京は何か経済的にも減少するというか活力がなくなる、そういうようなことになるんじゃないかという心配の余り、機能移転は仕方がないかもしらぬけれども、その跡地をどうするんだとか、そういうことをしっかりしろということがよく聞かされる話でございます。
したがいまして、このことは重要なことでございますから、これからも東京の皆さんと話をしていくことは大切だと思っています。
同時に、先ほど申し上げましたように、改めてこの機能移転という問題は、一つは分権というか規制緩和というか、そういうことを進める起爆剤にしていきますよ、それから集中が集中を呼ぶようなメカニズムを何とか直していきたい、それから国土の防災への対応力を高めていきたい、こういうところに目的があるんだということでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/23
-
024・続訓弘
○続訓弘君 東京が今進めております臨海副都心建設計画についてお尋ねいたします。
臨海副都心開発は、短期的な経済事情などに振り回されず、いわば百年の計として本来の目指すべき姿を踏まえて、その長期的な目標に向かって多少の短期的な変化を乗り越えて取り組むべきであると思います。それが東京の将来の発展を導き、ひいては我が国経済社会全体の発展と向上をもたらすものと考えますが、大都市圏整備の立場からどのように考えておられるか、国土庁長官の御見解を承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/24
-
025・五十嵐健之
○政府委員(五十嵐健之君) お答え申し上げます。
東京臨海副都心開発につきましては、先生御指摘のように、今後の東京の発展等を図る上で大変重要なプロジェクトと考えております。特に、東京都におかれましてこの全体のプロジェクトの実施が行われてきておるところでありまして、私ども国といたしましても所要の支援を行わさせていただいている、そういうことでございます。
御案内のように、現在、東京都におかれましてはこの副都心開発につきまして見直し作業が行われているさなかにあるという状況でございます。国土庁といたしましては、今後これを注意深く見守ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/25
-
026・続訓弘
○続訓弘君 国会等の移転した跡地の利用計画について伺います。
調査会の報告によりますと、国会等が移転をした跡地は約二百十ヘクタールある、こういうふうに書いてございました。そして、利便性の高い都区部内に所在する庁舎及び宿舎敷地はそれぞれ別な使い道を考えたらどうだろうか、こんな記述もございました。
そこで、二百十ヘクタールの跡地がどのように利用されるのか、あるいは利用可能なのか、そしてそれが過密都市東京の解消にどのように役立つのか、その辺のことについて、都民あるいは東京圏域の人たちは大変関心を持っていると私は思います。
しかし、二百十ヘクタールと書いてありますけれども、私の推定では、まともに二百十ヘクタールすべてが恐らく利用できないと思います。したがって、当局として、二百十ヘクタールのうち都市施設あるいはその他の都民の便益に提供できるような土地は一体幾らあるのか、その辺のことを御答弁いただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/26
-
027・五十嵐健之
○政府委員(五十嵐健之君) 国会等移転調査会報告におきましては、国会等の移転に伴いまして、都区部の中だけに所在いたします庁舎、宿舎の合計が二百十ヘクタール、つまり、国会等の移転に伴いまして利活用ができる最大限の数字が二百十ヘクタール発生するという計算をしているところでございます。
今後、法律が進みましてさらにさらに次の段階に進んでいく、こういうような段階になりまして、この東京にございます移転されるべき首都機能というのはどういう内容になるのかというのが詰められてまいるわけであります。その結果、この最大二百十ヘクタールのうちのどのぐらいが使われるかというのが今後議論されていくことになろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/27
-
028・続訓弘
○続訓弘君 私は、首都機能移転に鈴木前知事とともに随分前からかかわってまいりました。
最初に、当時の金丸副総理と知事が会見しました。あるいは、村田敬次郎先生ともお目にかかりました。
金丸先生のお話は、第一に、国会の移転は日米構造協議、黒字減らしに役立つんだと。第二に、今あり余っている民間活力、民間資金を活用する絶好の機会だと。そういう二つの意味で国会移転は必要なんだと。こういうお説でありました。
村田先生のお説は、自分は二十八年間この問題に真摯に取り組んでまいりました。やはり、日本の国土の均衡ある発展、それと地方の活力、それらを考え合わせますと、東京の一極集中を何とか是正する必要があるんだと。これは私の哲学です。こんな知事に対する説得でありました。
知事は、お二人の意見を伺いながら、私の考えは違いますと。私の考えは、地方分権、規制緩和、これを大胆に行うことが重要ではないでしょうか。首都の移転というのは、革命や戦争や地震等に対する大災害で壊滅状況になる、そういうときにしか考えられないと私は思いますと。東京は江戸幕府以来四百年の伝統があります。地道な文化の積み重ねがあります。キャンベラを見てください、あるいはブラジリアを見てください。果たしてそういう人工の首都が首都として機能するでしょうか。こんな感想を申されました。
私は、具体的な質問を通告しておりませんが、これらのやりとりに対する建設大臣、国土庁長官それぞれの感想を伺って、質問を終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/28
-
029・中尾栄一
○国務大臣(中尾栄一君) 金丸信先生は私の郷土の大先輩でもございますし、同時に、私もちょうど十年くらい前でございましょうか、そういう見識をお持ちであることを、極めて深くいろいろと御親交を持つ間にそのような御教訓を賜ったことが多々ございます。
日米構造問題、また構造協議の問題等々における大きな期待感というものもそのときに伺った感じがいたします。村田敬次郎先生は、我々もまた同僚議員といたしまして、二十八年間とおっしゃいましたが、確かに二十八年間の大変長きにわたるそういう一つの哲学だということを私も伺っておりました。また、西田元国土庁長官におきましても、そのようなお考えであることも伺っておりました。
なるがゆえに、先ほど鈴木国土庁長官が申し上げますように、万が一つにも災害というものは考えたくはないことではございますが、人災、天災、またこのような防災問題というものは、全くあり得ないことがあり得たことを推定しながら考えていくというときに、この問題点が必要だというとらえ方もございましょう。
そういう点におきましては、私の兄事できる鈴木前都知事のお考え、私もこのような考え方にうなずける面も多々ございます。多々ございますだけに、非常にとつおいつ心の中に揺れ動くものは感じておりながらも、なおかつ、そのような災害問題やその他のことにおける複雑きわまる今から推定でき得ない問題点などを考えていったときに、やはりこの点は真摯に受けとめ、なおかつ考えていかなければならぬ問題かなと、このように考えていることが感想として申し上げられるのではないかと思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/29
-
030・鈴木和美
○国務大臣(鈴木和美君) 先生のお話を承りまして、それはそれなりに私も先輩各位の哲学は受けとめていきたいと思っています。けれども、私は最近一つだけ違う現象があらわれていると思っております。
というのは、太平洋ベルト地帯から始まった都市型中心の国土づくりというようなものを、これからは変えていかなきゃならぬのじゃないかと思うんです。つまり、地方振興というか、新しい国土づくりというか、国土の軸を地方に移していく、こういうことがこれからの国土づくりのためには一番必要じゃないのか。何でも東京、東京ということで本当にいいんだろうか。これが、私は自分の胸の中にこれからの国土づくりとしてあります。
同時に、今、建設大臣がおっしゃいましたように、やはり災害のことが頭からどうしても離れないものですから、西田司先生以下の提案者の皆さんが非常に苦労してここまで運んでいただいたものを、ぜひ御理解をいただいて何としても早く通していただきたいというのが私の心境でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/30
-
031・続訓弘
○続訓弘君 それでは、最後に要望を申し上げます。
東京、神奈川、埼玉、千葉、三千三百万人の方々がおられます。この方々はやはり東京をこれまで自分たちが支えているんだと。そのためには相当の犠牲を払ってこられたのも私は事実だと思います。
そういう意味で、新しく首都移転を決定される際には、やはり民意を徹底的にお聞き取りいただきたい。そして、理解と納得の上でお決めいただきたい、このことを御要望申し上げまして、質問を終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/31
-
032・瀬谷英行
○瀬谷英行君 社民党の瀬谷であります。
本日は、衆議院から送付をされました法律案に関連をして、提出者の方においでを願っておりますので、まず提出者にお伺いしたいと思うんであります。今、東京の人口がどうなっているのか。戦後、激増しまして、まさに超過密状態にあると、こう言っても間違いはないと思います。それが東京だけではなくて、東京周辺の関東各県も同様になってきているわけです。
私は埼玉県出身でございますけれども、東京で生まれて東京で育ちました。埼玉都民というふうに言われるんですけれども、埼玉から東京へ通う人が一日百万と言われているんですよ。だから、一日百万というと地方における県の人口に該当するくらいじゃないかと思うんでありますが、それは埼玉だけではなくて神奈川、千葉あるいは茨城、栃木、この辺からも東京へたくさんの人が通っていると思います。昼飯は東京で食うが晩飯は自分の家に帰って食って寝ると、月給は東京でもらうと、こういうようなスタイルがかなり多いわけです。
そこで、まさに日本の人口のうち三千万がこの東京を中心とした東京圏で暮らすようになってしまった、そのためにいろんな問題が起きているということは一々申し上げるまでもないと思うんであります。この状態は、東京及び周辺の自治体の能力では解決が到底不能であるというふうに私は思うんです。どうしても国家が大なたを振るう必要があるんじゃないか。
具体的に申し上げますと、例を挙げますけれども、アメリカではワシントンとニューヨークは別々であって、ワシントンはホワイトハウスというのがあって、あそこが政治の中心になっている。ニューヨークは経済やあるいは商業等の中心になっておる。そして、ニューヨークとワシントンというのは、離れたところではあるけれどもそれぞれの機能を発揮しているわけなんです。決して今ニューヨークがワシントンを合併したいとか、ホワイトハウスをニューヨークへ持ってこいとか、そういうことは言っていないと思います。
これは一つの大きな参考になると思うんでありますけれども、それを考えるならば、やっぱりこの辺で国として決断をすると。病状は極めて深刻でありますから、この深刻な病状は、今までは痛みどめの注射をやったり痛みどめの座薬を使ったりして当面を糊塗してきたわけです。しかし、ここまで来るともう思い切った開腹手術をしなければ間に合わないんじゃないか、命にかかわるんじゃないかというところまで来ていると思う。だから、国会でも前々からこういう首都移転についての議論が行われてきたということは御承知のとおりだと思います。
今や決断をすべきときではないかと思うんでありますが、病状は深刻である、だから大手術をしなければならないという見解に対して、東京なんかでは、もっと議論を尽くすべきだという都知事からのお手紙もいただきました。国家百年の大計だから慎重に論議をしてくれと、こういう意味です。
要するに反対であるということなんでしょうが、論議をしろといったって、国家百年の大計といいますけれども、江戸が東京になってからもう百年以上たっているんですよ、百二十年以上ですな、百三十年になろうとしているんですよ。だから、百年を超過しているんですから、この辺でやはり思い切った勇断というのが必要じゃないかというふうに思いますので、以上の問題について提出者並びに関係者の御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/32
-
033・松本龍
○衆議院議員(松本龍君) 委員御指摘のとおり、東京圏ということでいいますと、やや鎮静化をいたしましたけれども、国土の三・六%に全人口の二五%が集中しているということは大変深刻な問題であるというふうに思います。
私も九州は福岡市の出身でありますけれども、いろんな人と話をしますと、東京に行きたいですかという質問をすると、もうほとんどの人が行きたい、やっぱり政治、経済の中心として、文化、情報の発信地として大変魅力的な町であると。これは集積のメリットであろうというふうに思っています。
一方、同じ人に東京に住みたいかというふうに聞きますと、ためらう人が多い。これはやはり住宅の問題や長時間通勤あるいは交通渋滞、産業廃棄物の問題等々、集積のデメリットが今ここに来て喫緊の課題として深刻化しているというあらわれではないかというふうに思っております。
本案は、こうした東京一極集中に伴う問題の解決とともに、地方分権や規制緩和等々、国政全般の改革、国土の災害対応力の強化に資するために提案したものでございます。委員がワシントンの事例を言われましたけれども、国会等の移転先地の都市形態につきましては、外国の事例等々も参考にしながら、二十一世紀の我が国にふさわしい町づくりを国民合意形成とともに行う必要があるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/33
-
034・瀬谷英行
○瀬谷英行君 私は東京で生まれ育って、小学校、中学、大学まで東京で過ごしました。戦争中の四年間を除いて、戦後もまた東京で暮らしました。だから、戦前、戦後の東京を比較することができるんです。
私が子供のころは、木登りをしたりあるいは原っぱでたこ揚げをしたり、あるいはちょっと道が入梅時期で湿っているというと竹馬に乗ってその辺を遊んだり、小川でメダカをとったり、そういう生活が環状線の中で行われていたんですよ。極めて伸び伸びと育ちました。
そして、そのころ東京では、土地問題とか住宅問題なんて話は聞いたことがないんです。住まいは、そんなにあくせくしなくたって、ちょっとその辺を歩くと貸し家札というのが張ってあるんですよ。それで、二戸建てで三間か四間ぐらいの家がサラリーマンでも、例えば当時の月給で初任給が七十円前後の若い人でも、借りられたんです。だから、貸し家が借りられるということになると、無理して金をためて土地を買って家を建てるなんて、そんな発想は出てこないんですよ。
つまり、古きよき時代だったんですけれども、そういう状態だったということを考えると、戦後は、昔の子供のころいたところはどうなっているんだろうか。木登りをする木もないし、それからたこ揚げをする原っぱもないし、みんなマンションやら何やらああいうものが建ってしまって、まことに味気ない。と同時に、ここでもって住まいを求めるということが一方ならぬ苦労を要するという事態になっているんですね。まさに住まいの点からいうと幻滅ですよ。
だから、まず首都機能を移転して、移転をする場合にはここに理想的な都市を建設する。それから、そのためには地価も安定させる。こういうものができることによって土地がぼんぼん上がるなどというような悪例は過去のものとして、まず首都機能は模範になって地価を安定させて、それから環境も理想的なものとする。職住近接といったようなことが実現をされるようになれば、ここに働く人たちだって非常に希望を持って働けるようになるんではないか。
やはり、これからの国民にそういったような楽しい夢を持たせるということも私は必要じゃないかというふうに思うんでありますが、これらの点についても大臣を初め関係者の御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/34
-
035・鈴木和美
○国務大臣(鈴木和美君) 瀬谷先輩のお話でございますから、大変興味深く、また真剣にお聞かせいただきました。
ただ、先生一つだけ御理解いただきたいことは、この国会移転という問題は確かに何年かかけて議論をしてきたわけなんですが、それならば国民全体にどれだけ理解がされているんだろうかということになりますと、これは国土庁としてもアンケート調査とか世論調査とか講演会とかやっているんですけれども、なかなかきちっとした数字がとらえられませんでした。だから、そういう意味では、東京の国会議員の皆さんが本当にいいのかという問題提起を今度されたわけですが、これは国会移転を国民的な議論にさせてくれたという意味ではむしろ私は大変ありがたいと思っているんです。
そういう意味で、先ほど申し上げましたように、東京の町をこれからどうつくっていくのか、移転したときにその跡地はどうするのかということをやはり真剣に考えていかないと、ただ移せばいいというだけにはならぬのじゃないかというように思っているところでございます。
けれども、今も先生がおっしゃいましたように、やはり時期的には早く決断をして、それで次の手だてをとっていかないと、我々のスケジュールということだけじゃなくて、問題の災害みたいなものがばんと起きたら大変だというのがあるものですから、早く決めていただきたいという心境でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/35
-
036・瀬谷英行
○瀬谷英行君 きょうは日程的に大変忙しいときになっておりますので、当初よりも質問時間を私も短縮させていただいて結論だけ申し上げますが、さらに一つ申し上げるならば、関東大震災の被害というものは、阪神大震災とはその犠牲者がけた違いに違っております。阪神大震災でも五千人、六千人の方が亡くなった、しかし関東大震災の場合は十何万人の人が亡くなっているんです。これは東京並びに周辺、特に東海道沿線がひどかったんでありますけれども、そういう事態がないという保証はない。
七十何年たつともうそろそろまた始まってもいいんじゃないかと、こういうふうに物騒な話がささやかれております。こればっかりは我々としても無視できませんから、災害対策の面もあわせてお考えいただきたいということを申し上げまして、時間となりましたので私の質問を終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/36
-
037・緒方靖夫
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。
本法案の最大の問題は首都機能移転を候補地選定という新たな段階に推し進めることであって、移転の是非ということ、その根本問題を抜きにしてこの法案の審議はできないんじゃないかと思っております。
移転の表看板は依然として東京の一極集中の是正、ところが首都機能移転を最も熱心に推進している経団連、この見解。これは「東京一極集中の是正に関する経団連見解」という文書があるんですけれども、これを見ますと何と書いてあるかというと、跡地を「将来のオフィス需要の拡大に適切に対応できる体制を整えておく」と書いてあるんですね。あの跡地にオフィスビルを建てるということを提唱しているわけです。
これは非常に財界や大企業の考えをあけすけに述べていると思うんです。これでは過密の解消にならないと思うんですけれども、こうした財界の、経団連の意見あるいは提唱というのを御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/37
-
038・坂本剛二
○衆議院議員(坂本剛二君) 提案者の私からお答えしたいと思います。
移転跡地の利国策につきましては、国会等移転調査会報告におきまして、「東京の過密の緩和を図り、」「東京の将来のまちづくりのために積極的に役立てていく」べきであり、そのため「極力公共・公益的利用を図る等適切な利用・処分を図っていく必要がある。」、こう述べているところでございます。都内にかなり空き地が点在することが予測されます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/38
-
039・緒方靖夫
○緒方靖夫君 先生、恐れ入りますが、この文書を御存じですかという質問なんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/39
-
040・坂本剛二
○衆議院議員(坂本剛二君) はい。
したがいまして、この空き地はこれから都市計画、再開発等々で都が重点的に活用されていくものと思っております。したがって、その経団連の論文がそのまま適用されるとは思いませんし、それは単なる一つの見解だろうと思っております。しかも、国有地でもありますから、国と東京都で跡地の利用等につきましては今後協議を重ねて煮詰めていくというそういう代物である、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/40
-
041・緒方靖夫
○緒方靖夫君 一つの財界の考えでいる代物と言われたんだけれども、そう簡単なものじゃないんですね。
実は経団連は昨年の十月、豊田会長の指示でこういうものをつくっているんですね、首都機能移転の進行管理表。すごいものですよ、これは。何が書いてあるかというと、経団連の取り組みということで、どう働きかけをするかということについて具体的に書かれています。
その中身、ゲストハウスの検討会、連立与党のシンポジウムの開催、複数箇所。御存じですか、こういうこと、経団連がこういうことを書いている。あるいは西田先生との懇談会、こんなこともこの中に書かれているんですよ。
結局、経団連が目指しているのは、跡地をオフィスビルにする、ホテル、劇場を建てる、そういうことなんですよね。そんなことで本当に過密の解消になるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/41
-
042・西田司
○衆議院議員(西田司君) たまたま私の名前がございましたから。
今、坂本議員からもお答えをいたしましたように、この問題は東京都にとっても日本の国にとっても非常に重要な問題でありますから、これは検討体制というものをきちっとつくって、そして本当に有効に、特に僕は都民生活にかかわりのあることに軸足を置いた考え方を持って利用計画を立てていくべきだ、長期的に検討をしていくべきだ、こういう考え方でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/42
-
043・緒方靖夫
○緒方靖夫君 どういう合意かが問題だと思うんですね。
そもそも政府と今述べた経団連の考え、財界ですね、これ共通していると思うんです。国土庁が平成六年三月に出した「東京の国際金融機能についての研究」という文書があります。これにどう書いてあるかというと、東京についていたずらに分散を考えるべきではない、東京都心部の国際金融機能の集積が必要、日本において国際金融機能の集積を図るべき地域は東京都区部以外にないと書いてあるわけですね。これでどうして一極集中の是正ができるんですか。国土庁長官お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/43
-
044・五十嵐健之
○政府委員(五十嵐健之君) 先生御案内のように、現在の首都圏基本計画におきましては、過密問題に対応しながら適切な地域構造をつくっていくというようなことから、今、先生お示しがありましたように、東京の中心部におきましては国際金融機能でありますとか、あるいは高次の本社機能と我が国の経済社会を先導していくことを期待される機能の整備を図る。
それから、それ以外の機能につきましては、地域の活力の低下を来さないよう配慮しながらほかの地域への誘導を図っていく、それによって健全な大都市圏の整備、東京圏の整備を図ろうとしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/44
-
045・緒方靖夫
○緒方靖夫君 結局、跡地の高度利用ということですね。だから、本当に都民が願っている有効な使い方なのか、それとも大企業の、高度利用ということで跡地を今よりもっとひどいオフィスビルにしようとか、そういう考えを推進するのか。そうしたら、電車の混雑、車の混雑、これはもっとひどくなるんじゃないのか、私はそう思うんです。
それで、先ほど続委員の方から官庁の建設ラッシュの話がありました。確かに、人事院ビルは五百七十五億円、その次に三百六十億円かかる文部省の建てかえ、首相官邸の建てかえも準備経費が既に二百四十八億円ということであります。
引っ越しを考えているときに自宅の大改造をするということ、これは一体どういうことなのか。具体的なことはいいんですけれども、一体これはどういう考え方に基づくのか。首都機能を移転しようというときに、政府の機能を移そうというときに、どうして政府の官庁を建てるのか、その考え方をちょっと提案者にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/45
-
046・玄葉光一郎
○衆議院議員(玄葉光一郎君) まず、新都市をつくる、いわば着工のときから終了するまでに時間がかかるということが一つあると思うんですね。それともう一つは、一気にすべてが移転するわけではないということだと思うんです。
つまり、ある意味では中央省庁が二カ所に分立するような、重都構造のような状況が比較的長い期間続くのではないかというふうに考えております。
基本的な考え方としてはそういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/46
-
047・緒方靖夫
○緒方靖夫君 やっぱりこれは大変なむだだと思うんです。この額を具体的に考えてみてもむだです。
それでは、後どういうことになるのかというと、これは固まっている考えかどうかわかりませんけれども、例えば人事院ビルなんかは吹き抜けができたプールをつくっておいて売りやすくするとか、そういう設計さえも考えられておりますね。あるいは首相官邸については、経済界の団体がレセプションができるような部屋も考えると。一体何を考えているのかと、私はそう思うんですね。結局、これは財界だけではなくて、特に大手のゼネコンが非常に待望しているプロジェクトだと、巨大プロジェクト。
例えば、建設オピニオン三月号を読みますと、鹿島建設の幹部もこんなことを言っているんです。「首都移転が行われれば、建設業が第一義的に恩恵をこうむるということは主観的にみても客観的にみても事実」だと認めているわけですよ。こういう問題、こういう側面、これはやっぱり非常に重大だと思うんですね。時間がありませんので、ちょっとそのことを述べておいて次にいきます。
移転のためには膨大な費用がかかります。調査会の宇野会長が私の質問に対して、対米公約の公共投資六百三十兆円があると述べられました。さらに、私が個人的なお考えということでお尋ねしたら、財源を消費税引き上げでやるか、あるいは建設国債にするか、そんなことも述べられているんですね。
それから、私は衆議院のこの間の委員会のビデオを見たんですけれども、鈴木長官は、十四兆円の積算はない、どこにどうかかるか、だれが負担するかということについて深い議論はしていないということを認められていますね。
そうすると、発議者の皆さんは、移転を促進しようとしながら、国民にどのぐらいの負担を負わせることになるのか、まるで見当をつけないままで、やみくもに移転促進の結論だけを通してくれ、通してくれということでお願いしていることになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/47
-
048・鈴木和美
○国務大臣(鈴木和美君) 私が衆議院で答えたことが今提起されましたので、誤解のないように申し上げておきます。
おたくの中島先生から質問がございまして、共産党さんは、規制緩和も、それから移転する場合に何人ぐらいで、どこが、そういうものがきちっと決まって、それから移転の決議をすればいいじゃないか、こういう態度なんですね。
それで、その十四兆円についても、これは国土庁長官の懇談会で、今企画とか計画されているものを見積もったら一体どのぐらいになるだろうかと、全くの概算で十四兆が出ているんです。これから、どのぐらいのところをどこに移すのか、それを民間で持つのか国で持つのかというようなことを検討すれば、今十四兆円というものを直ちに確定するということにはなりませんよという意味で答えているのであって、誤解のないようにお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/48
-
049・緒方靖夫
○緒方靖夫君 移転の際に、どこに移転するかということが決まらないで具体的なプランをすべて出せなんという、これは無理難題だということはよく理解できるんです。ところが、これから移転を考えるときに、一体どこへ行くかわかりませんよ、しかしそれが実際に実行されたときにどういう負担になるのか、その財源をどう考えるのか、そういったことを抜きにしてお願いしますということがいかがなものかということを述べたわけで、その点については余りお答えがなかったと思うんです。
次の質問ですけれども、西田議員は、この間の衆議院の委員会のときに、二十二条に関連して、最終的には第一条のように東京圏から転出する基本路線は動かすべきではないということを言われているんですね。ところが、二十二条の規定をよく読むと、移転の決定に際し、国民の合意形成、社会経済情勢の諸事情配慮、それから東京都との比較考量を通じて検討云々とありますね。幾らかかるか現時点ではわからない、今鈴木長官が言われたように。どれだけの規模で移転するかもわからない、もちろん適切なところがあるかどうかも不明という段階で、どうして西田先生が衆議院の委員会で言われたような結論になるのか。移転することが不動の方向なんだと、基本路線なんだと、どうしてこういうことが言えるのか。
やっぱり、二十二条に書かれているように、移転について国民の合意状況とか、今でさえもダイナマイトを抱えたような経済・財政状況でしょう。それが今後どうなるのかということをきちっと見るという、二十二条に書かれたことをきちっと尊重するということが必要じゃないかと思います。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/49
-
050・西田司
○衆議院議員(西田司君) よく研究をされておるようでございます。二十二条をお話しになる前段として第一条を見ていただきたいと思うんです。第一条というのは平成四年にできた現行法でございますけれども、これは明確に東京圏以外へ移転するということが規定されておるわけでございます。
そうすると、二十二条というのは一体何か、こういうことでございます。私は、これだけの大事業というものを推し進めていくためには、あなたも御指摘があったが、国民の合意形成というのは非常に大切になってくると考えております。さらに、かなり長い時間がかかってまいりますから、その間には社会情勢や経済情勢そういうものの変化というものも起こってまいりましょう。そういうことからも、目を離すわけにはいかないわけであります。
その場合に、東京都という問題のあり方について、ありようについて、全く第一条の認識だけでいけるのかということになってくると、これはそうではなくて、東京都のよいところ、それから先ほどからいろいろ御指摘があるように東京都の悪いところ、それから移転をしようとするところのよいところ、そういうところを比較していくのは私は当然だと、このように考えております。
ですから、二十二条の基本精神というのは配慮規定である、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/50
-
051・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 緒方委員、時間ですので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/51
-
052・緒方靖夫
○緒方靖夫君 はい、わかりました。
ですから、移転が基本路線だということを言うことは、やっぱり全体から見ておかしいということを指摘して、時間ですので終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/52
-
053・国井正幸
○国井正幸君 新緑風会の国井正幸でございます。
私は、この世紀を画するこの時期に、やはり地方分権あるいは東京一極集中を是正するためにぜひ首都機能移転は必要だと、このように考えております。そういう立場から、今も緒方委員の方から質問で出たわけでございますが、第二十二条に関連して、これは提案者にお伺いをしたいと思います。
二十二条には「審議会の答申が行われたときは、国民の合意形成の状況、社会経済情勢の諸事情に配慮し、東京都との比較考量を通じて、移転について検討されるものとする。」と、こういう表現になっておるわけでございますけれども、今も提案者から回答がありましたように、東京との比較考量というのは当然だと思うんですね。あるいは調査会報告でも九項目の要件というのも出ているわけですから、これは当然だと私は思うんですが、この中で「国民の合意形成の状況」あるいは「社会経済情勢の諸事情」と、こういうくだりがあります。私は、この「国民の合意形成の状況」というのが極めて抽象的な表現だなと思っているんですね。
何をもって国民の合意形成が成ったのか成らなかったのか、その尺度というものはどういうものだろうか。私はやっぱりこの議論の中で、いわゆるこの文言が入ったことによって、合意形成ができないから、まだ時期尚早だからなんという、そういう議論になっていったのでは困るんじゃないか、こういうふうに思っているんですが、その点についていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/53
-
054・西田司
○衆議院議員(西田司君) 御指摘のように、何をもって合意形成とするのかという判断は非常にデリケートな問題だと思っております。しかし、先ほど来お答えをいたしておりますように、より国民の理解、合意形成の上にこれだけの事業を進めるということは、これはもう僕は基本だと思っておるわけでございます。
そういう考え方でございますから、国民合意形成の方法というのはいろいろなやり方というものがあると思います。現在でも既にいろいろな世論調査とかそういうものもやっておりますが、私はそのことも今後議論を深めていく過程で必ず合意形成、国民世論の方向というものは徐々に決まってくるのではないか。そして、二十三条で決めてある、最終的には国会で決めていくのですよと、これは国民の代表であるところの国会で決めていくのですよと、こういうことで合意形成の方は段階的に進んでいくのではないか、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/54
-
055・国井正幸
○国井正幸君 国土庁長官にお伺いをしたいと思いますが、今の国民の合意形成の話なんですが、これは待っていたのではなかなか合意形成というのはできないというふうに私は思うんですね。そういう意味では政府と我々が一体となって、早急にこの合意形成を図っていくということが必要だと思うんですが、国土庁長官の御所見はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/55
-
056・鈴木和美
○国務大臣(鈴木和美君) 国民の合意形成ということの一番基本は、やはり移転をするということをわかってもらうということですね。
どこに移転するのかということについては、これはやはり誘致というか、ぜひここでお願いしたいという、そういう地方の都市の理解を得るということが私は大切だと思うんですね。それがない限り、こっちからここへ持っていきますというのはできませんから、用地取得とか何かを考えれば、幾つかの候補地がある中で、その現地、現地と御理解を得るための話し合いを進める。そして、これから選考の審議会の二十名の委員を決めるわけですから、その委員の皆さんとこれからどうやってスケジュールを進めていくのかということも必要だと思うんです。
そういうことと、もう一つアンケートとか、片っ方は講演会とか公聴会とかそういうものを通じて国民の皆さんに知ってもらう、こういうものを通じながら合意形成を図っていくということがスケジュールとして大切だと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/56
-
057・国井正幸
○国井正幸君 昨年の十二月十三日だったと思いますが、国会等移転調査会報告が出されたわけでございます。これに対して三項目から成る東京都の青島知事のコメントが発表されたわけでございますが、これは御承知のとおりだと思います。
特に、その第二項めには、「大震災に対する東京の脆弱性の観点から、「首都機能が壊滅しないためにも新首都への早期移転が必要」としているが、こうした提案は、残された一千二百万都民の「切り捨て論」にもつながりかねず、都民の安全や生活を守ることを第一とする東京都知事としては、大変危惧している。」というくだりがあるんですね。決して何も東京都の都民の方を切り捨てるということではないと思うんですが、こういう東京都知事のコメントも出ているわけでございまして、今東京に住んでいらっしゃる方は大変そういうことを率直に危惧しているんではないかと思うんですね。
これらに対して、長官、どのようにお考えでしょうか。御所見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/57
-
058・鈴木和美
○国務大臣(鈴木和美君) 青島東京都知事さんは都民の生命、財産を預かっているわけでございますから東京の角度から物をおっしゃっているんだと思うんです。
私は、東京都の住活や財産、生命も大切ですが、一番考えにやならぬことは、日本国全体の行革の問題と防災という問題だと思うんです。例えば、東京の防災の問題を考えるときに、現在、国土庁と立川、それから防衛庁に機能をある程度持っているんですけれども、これだけ持っておっても東京にどんときたらこれはどうにもならぬわけですね。したがいまして、直下型の地震に対応するためにも、これは機能を移転しながら、経済の問題と防災の問題とは分けて対応するということをしないと、両面だめになっちゃうということではいかぬと思うんです。
そういう意味で、東京の皆さんとこれからよくまたお話をしていかなきゃならぬというように考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/58
-
059・国井正幸
○国井正幸君 やはり東京の方は、ここから国会等が移るというふうなことで、政治的にも経済的にも大変東京都が地盤沈下をしてしまうんではないか、我々は何か置いてきぼりになっちゃうんじゃないか、こういうふうな感じを持っていると思うんですね。ですから、そういうことではないんだということをきちっとわかるようにしていくことが私はやっぱり大切なことだと思うんですね。
そういう意味では、この国会等の移転の論議というものをスムーズに進めていく、あるいは国民の合意形成というのも早くなし遂げていく、そのためには国会等の移転後の東京都の未来像、これをやはり具体的に提示することが必要だろうと思うんです。これは、国においても必要ですし、もちろん東京都としてみずからの自治体をどのようにしていくのか、これはやっぱり東京都の責任においても考えていく問題だと思いますが、特にこれは国として首都機能を移していく、こういうふうなことで我々が言っているわけですから、この未来像というものを示す必要があるんではないかと思うんです。
これは私の持論でございますが、例えば経済特区、何もこれは中国の専売特許だとは思わないんです。そういう意味では、臨海副都心の再開発等についてもそういうふうなことなんかもあるだろうし、いろんなことが考えられると思うんですが、どうもやはり未来像の部分がやや弱いんではないか。ですから、首都機能移転とあわせてこの未来像というものをもう少し具体的に提示する必要があるんではないかと思うんですが、長官いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/59
-
060・鈴木和美
○国務大臣(鈴木和美君) この議論を通じて、今、国井先生がおっしゃった点が一番私は重要な点だと思います。それがないと、やはり不安というような問題が出てきますから、まさに御指摘のとおりだと思うんです。
したがいまして、未来像という問題には環境という問題が必ず入ってきます。それと同時に、瀬谷先生から質問の通告があって質問はなかったんですが、東京湾の船の状況というのも大変な状況になっているわけです。そういうことを考えると、東京と国が早く議論をしながら新しい未来像をつくっていくということにしっかりした努力が必要だと、本当にそう思っ.ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/60
-
061・国井正幸
○国井正幸君 時間がきょう迫っていまして、実は私は運輸省にもおいでをいただいて、この一極集中した東京で、いわゆる通勤ラッシュ、混雑を緩和するためにいかに金がかかるか、別のところへ行ったら同じ金でその何倍の投資ができるかと、こういうことを聞きたいと思ったんですが、時間がないので、運輸省の方済みません、申しわけございません。
ここで私の質問を終わりたいと思いますが、ぜひそういう意味では、先ほど来申しております国民の合意形成というものを図って、この世紀を画するこの時期に、一刻も早く国会等の機能は移転することができますように、政府においても特段の御努力をお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/61
-
062・菅野久光
○委員長(菅野久光君) これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/62
-
063・上野公成
○上野公成君 私は、自由民主党を代表いたしまして質問をさせていただきたいと思います。
東京はよくも悪くも世界一のマンモス都市であると言ってもいいかと思います。しかしながら、この一極集中によりまして、住宅難、それから通勤・交通地獄、物価高といろんな問題が生じているわけでございまして、そういったことを何とか解決しようということで機能の分散を図るということからこの国会等の移転につながってきたんではないかと思っております。
もう長い間の皆様方の御努力によりまして、先日は国会等移転調査会の報告もできたわけでございますし、その後また、皆様方の御努力によりまして今回の法律の改正案にまとまったわけでございます。国会の決議もございましたけれども、この間、大変な御努力をなされました総理を初め提案者の先生方、それから国土庁、関係者の皆様方にも心から敬意を表したいと思う次第でございます。
そこで、総理にお伺いしたいわけでございますけれども、総理は、自民党でも長い間行政改革を熱心に進めてこられたわけでございます。本日、自民党の行政改革推進本部を通じまして、「橋本行革の基本方向」といったものを出されるというようなことも聞き及んでいるわけでございます。私も長い間行政に身を置いてきたわけでございますけれども、行政改革というのは本当に難しいなというのを身をもって感じているわけでございます。先日の一括採用の問題にいたしましても、それだけでも一つ一つ行政改革をやっていくということの難しさというのを改めて感じているわけでございます。
そこで、やはり一つの何かのきっかけがないとこの行政改革というものは進まないんじゃないか。五十年間いろんな制度がありましてもう制度疲労を起こしているわけですから、行政改革はぜひ進められなきゃいけないわけでございます。その一番いいきっかけとして、この国会等の機能の移転というものがあるんではないかと私は思うわけでございます。
そこで、総理に、総理御自身が目指しておられる行政改革と、それから首都機能の移転ということをどういうふうに関連づけておられるのかということをまずお伺いしたいと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/63
-
064・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 首都機能移転というものをとらえるとらえ方にはさまざまな角度があると思います。政府の考え方をそのままに申し上げますならば、この首都機能移転というものは、物理的に政経分離を図ることによって政官民の関係のあり方を見直す契機、同時に、具体的な行政機能の移転のあり方の検討の過程において新たな行政システムの確立が生み出される、国政全般の改革に大きく寄与するものと考えている、こうした申し上げ方になろうかと思います。
ただ、行政改革と申しましてもさまざまな角度の問題を持っております。今委員がお触れになりました公務員制度、これは一括採用から、公務員の一生のライフサイクルを決める定年までの問題、さらに年金のあり方、さまざまなものがございましょう。あるいは規制緩和でありますとか、地方分権のように随時進めていかなければならないケースのものもあろうかと思います。
しかし、そうした作業に埋没してしまいますと、まさに大きな、例えば中央省庁の改革といったテーマはなかなか取り上げるきっかけがつかみづらいものであります。首都機能移転というものを考えましたとき、こうしたそれぞれの課題との有機的な連携を図る、そうしたものが非常に大事になってくるわけでありますし、私自身、こうした点に十分な意を用いながら進めてまいりたい、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/64
-
065・上野公成
○上野公成君 今お答えにありましたように、なかなか行政改革というのは難しい問題であります。せっかくの国会等の移転であります。中央官庁の主要な機能も向こうに行くわけでございますから、ぜひ行政改革のてこに使っていただきたいと思うわけでございます。
そこで、東京都を初め首都圏、現在の首都圏の議員の先生、きょうは保坂議員もおられますけれども、首都が移転してしまうんじゃないかということを大変懸念しているわけでございます。東京からそういう機能が行くことによって、東京自身も本来はよくなるということになるんじゃないかと思います。国土庁長官の先ほどの御答弁にもあったわけでございます。
しかしなお、首都が東京から移転してしまうというような不安が非常にあるんじゃないか。これは国土庁がつくられたパンフレットに「新首都」というようなことがあったことも原因であるわけでございますけれども、これはぜひ東京都を初め関係の議員の方へ、総理の口から、首都移転ではなくて国会等の移転であるということを、また何度も言われているわけでございますけれども、確認の意味でお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/65
-
066・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 首都機能移転ということは、私自身も今までいろいろなときに国民に対してお話を申し上げてまいりました。しかし、私は首都移転という言葉を用いたことはありません。もっと端的に申しますなら、例えば皇室に御動座を願う、そうした気持ちは毛頭持っておりませんということを冒頭申し上げておきたいと思います。
そして、国会等の移転に関する法律、この法律に基づく検討というものも、首都の移転あるいは遷都を前提として行われたものではないと私は承知をいたしております。そして、国会並びにその活動に関連する行政に関する機能、そして、こちらにおられる提案者の方々を中心にプロジェクトチームの方々が大変御努力をいただきながら、司法に関する機能のうちの中枢的なものの移転、これを前提とするものだと私は考えております。
なお、国会等移転調査会の報告も、あくまでも国会並びにその活動に関連する行政に関する機能及び司法に関する機能のうちで中枢的なものの移転について調査審議が行われたものと、私はそのように理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/66
-
067・上野公成
○上野公成君 移転先がどこかということでございますけれども、きょうはお隣に栃木県の矢野先生もおられますし、愛知県の鈴木先生もおられます。そちらには福島県がそろっておりまして、大変な推進派の方々が多いわけでございます。しかし、現段階では総論は賛成、まだ決まらないうちは賛成と。しかし、ほかに決まったら反対というようなことになっては困るわけでございまして、やはり決まったら本当にみんなで進んで賛成をしていくということが大事なんではないかと思うわけでございます。
しかし、それにいたしましても、国民の合意形成を得るためには相当な努力が必要であり、また大変な政治的なリーダーシップも求められているんじゃないかと思います。二年後といいますと、私の予想といたしましては、多分橋本総理がまだ総理をしておられると。橋本総理御自身がその決定をしていかなきゃいけないということで、橋本総理の強力なリーダーシップにまたなければいけないんじゃないかと思うわけでございます。そういった意味で、橋本総理の御決意をお伺いしたい次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/67
-
068・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今まで首都機能移転につきましてさまざまな角度からの御議論があったと承知をいたしております。その中の大きな一つの柱というものは、新しい時代に向かって人心を一新して新しい日本の未来を築き上げていく、そして後世に残していくという大きな意義を持つ事業、そうしたとらえ方がございました。
そして、こうした角度からの御議論が非常に先行し、その首都機能の一部を移転していくことによってそこに生まれる空間を東京都民の豊かさのためにどう利用するかという議論が、私はその中で必ずしも十分ではなかったような気がいたします。
今、東京都の人口といいましたとき、我々の常識とはちょっと異なりまして、例えば世界人口白書は、周辺の連続した住民のグループをとらえて二千何百万という数字を記載している。世界から見る東京という都市はそのような姿であります。
そうすると、その中にどうやってこれから先、都民のゆとりのある空間を生み出していくか。その中には私は、国会等移転調査会の方向、そして本日御審議をいただいております方向の中で、国会等が他の地域に移転していくことによって生まれる空間というものを、これからの東京都民の豊かさをつくり出すためにどう利用するか、こうした視点も必ず必要になると考えております。
今後、専門的かつ中立的な審議会において候補地を選定していただき、国民的な議論も踏まえながら、最終的には国会で御決定をいただくものでありますけれども、私としてもその意義にかんがみて自分の全力を尽くしてまいりたいと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/68
-
069・上野公成
○上野公成君 個人的なことになるんですけれども、私は都市工学科という都市計画を一応勉強した者なんでございますけれども、恩師に高山英華先生という方がおられます。一九一〇年生まれでございますから、もう八十六歳になられました。あの阪神・淡路復興委員会のメンバーの下河辺先生とか伊藤滋先生、この方々もお弟子さんであります。先日、同窓会がございまして、七百人ぐらい集まったんでございますけれども、そこで高山先生がごあいさつをされました。
先生は東京でお生まれになったんですけれども、関東大震災、東京の戦災、それから阪神・淡路大震災という大きな災害を生きているうちに三度経験されたと。しかし、日本の都市は、大きな災害の後、いつも必死になって復旧・復興に努めるけれども、結果的に見ると、高山先生の目から見るとろくな町になっていないということで、これはまさに御自身もいろんな計画に参加された結果の自戒を込めての述懐じゃないかと思うわけでございます。
そこで、もう四年で二十一世紀になって、自分は百歳まで生きようと思っているわけだけれども、同窓生がこれだけいるわけだから、どうか世界に誇れる立派な町をつくってくれと、一つでもいいから世界に誇れる町をつくってくれと。この同窓生、町づくりをやっている者が多いわけでございます。
そこで、筑波もある意味では首都機能の移転をしたわけでございますけれども、あそこの町も単身赴任が非常に多いわけですね。美しさから見てどういう町かということもいろんな議論があろうかと思います。しかし、あんなに単身赴任の多い町では、やっぱりそこはすばらしい町とは言えないんじゃないかと思うわけでございます。
そういった意味で、これだけの経済力があるわけですから、世界に誇れる、あそこはすばらしい町だという、新しい国会のある町をつくっていただきたいと思うわけでございます。町の美しさもさることでございますけれども、そこに働く人々それから生活する人々も本当にゆとりを持って生き生きとした生活ができるようなそういう町を、せっかくの機会でございますので、つくっていただきたいと思うわけでございます。そういう観点から、世界に誇れる町をつくっていくという意味での総理の御所見をお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/69
-
070・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) どんなにすてきな青写真ができましても、そこに住む人々が、住んで家族を呼び寄せ暮らしていける、そういう気持ちを持っていただけない都市であれば、私はそれは都市としては実は合格点だとは思いません。
そうした議員の御指摘等も踏まえながら、二十一世紀の我が国にふさわしい町づくりを行うように、我が国の英知を結集して取り組んでいくべき課題と、そのように考え、努力したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/70
-
071・上野公成
○上野公成君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/71
-
072・広中和歌子
○広中和歌子君 首都機能移転につきましては、一極集中の結果生まれる数々の弊害をなくしていこうということでございますけれども、その結果として波及する効果にはプラス面とマイナス面があるのではないかと思います。
総理は、今度の国会移転、もし決まりましたらでございますが、最大の意義をどこに見出していらっしゃいますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/72
-
073・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年の一月十六日まででありましたなら、私は、ここで一つに絞るということでありますなら、首都機能移転の目指すもの、それは東京の一極集中排除と、これに関連し生まれる空間をいかに東京都民のために豊かに使うかと、そのように申し上げたと存じます。
しかし、昨年の一月十七日に、我々は全く予想しなかった阪神・淡路大震災という大災害を体験いたしました。そうしたことを振り返りましたとき、当然のことながら、国土の防災対応力の強化といった視点もこの中に加えていかなければなりません。そして、今、上野議員のお話にもありましたが、その新たに生まれる都市における人々の生活環境を潤いのあるものにすると同時に、この一極集中排除という視点から申しますなら、国会等が移転いたしました結果生まれるその空間というものを東京都民のためにいかに潤いのある生活空間として創出するか、こうしたことに目標を絞っていくべきもの、そのように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/73
-
074・広中和歌子
○広中和歌子君 総理は、国会移転が規制緩和とか地方分権、行政改革のきっかけになればということを橋本ビジョンの中で述べておられますけれども、地方分権、なかんずく省庁の統廃合は、省庁はもとより自民党の中でもいろいろ反対があるというふうに伺っておりますが、総理の御所見、御決意をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/74
-
075・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、かつて自由民主党の行財政調査会長を拝命しておりましたとき、総理府と当時の行政管理庁の統合案をつくる責任者をいたしました。
総論は全員が賛成でありました。しかし、今議員は自由民主党だけの名前をお挙げになりましたけれども、各党なべて具体案の段階になりますと議論は百出いたしました。そして、当初設計をいたしましたものとは相当姿の変わったものとして今総務庁が存在をいたしております。それはそれなりに私は一つの成果を現在上げている省庁だと考えておりますけれども、確かにこうした議論というのは大変ふくそうすることになります。
しかし、国会が移転をいたしますとき、現在の中央省庁がそのままについていくということで国会移転というものの持つ意義が損なわれないのか、私は損なわれると思います。そして、国会が移転をするとき、当然ながら国会の必要とする部門を中心にした行政府全体の移転は行われるでありましょうが、そのときには、少なくとも現在よりもよりスリム化された中央省庁というものが国会とともに移るべきだと私は考えておりますし、今後の用地選定等の論議が進むプロセスにおいて、そうした議論も進むことを心から願っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/75
-
076・広中和歌子
○広中和歌子君 二十一世紀は環境の世紀と言われております。資源の枯渇、人口増加に加え、温暖化などによる食糧不足など地球規模の課題が生まれるわけでございますが、そうした中で、都市への人口集中ということが言われております。
二十一世紀、これは日本だけではなくて、世界でどのように都市をつくっていくかということが課題になっているわけでございますけれども、新首都におきましては持続可能な都市のモデルをつくっていただきたい、そういうふうに私は希望しているわけでございます。
住みやすく環境に優しい、そういう都市を目指しているのかどうか、提案者の坂本議員にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/76
-
077・坂本剛二
○衆議院議員(坂本剛二君) 調査会の報告にもございましたように、あるべき新都市の姿というのは、国の中枢機関でもあり、国際政治都市としてそれにふさわしい風格ある都市であるべきだ、こう言われております。また、そこを活用する人々、あるいは訪れる人々にとって、周辺の環境、景観というものは非常に大切である、したがって新都市は自然と溶け込む工夫を考えるべきである、こう報告されております。
これは、新しい都市が自然とのかかわり合いが大変大きいなという印象は持つわけでございますが、今後百年、二百年、四百年という長期間にわたって対応でき得る環境への配慮、これは当然のことながらやっていかなきゃならぬだろうと思っております。「自然環境と調和し」というこの法律案の文言は、広中先生がぜひこれだけは入れてくれということで入れさせていただいた文言でございますから、提案者としては肝に銘じて頑張っていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/77
-
078・広中和歌子
○広中和歌子君 どうもありがとうございます。
私も瀬谷議員と同様、東京生まれ東京育ちで、東京が大好きな人間でございます。したがって、移転後の東京は、住民にとっても働く人にとっても、そしてまた、ここを訪れる人にとっても非常に魅力的な都市としてさらなる脱皮を遂げてほしいと思っております。美しい皇居を中心に、文化・学術都市、そして情報発進の基地、金融・経済の中心の地、また観光都市としても発展を期待しているわけでございます。
そういう東京をつくろうという東京の人々の思い、そういうものに総理はどのようにおこたえいただけるのか、どのような配慮をしていただけるのか、どのようなリーダーシップを発揮していただけるのか、最後にお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/78
-
079・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 最終的には、私はやはり東京の姿は、東京に生まれ育ち暮らし、そして生涯を終わろうとしておられる都民の方々が選んでいかれるものだと思います。しかし、その中で、私は今のままでいいと思っておられる方はないと思います。
そして、一つ委員の御指摘でありますから私なりの感じを申し上げさせていただきますならば、例えば明治神宮の森があります。今東京都民の中で、明治神宮の森が人工林であることを御存じの方がどれだけおられるでしょうか。そして、しかもその明治神宮の森を形づくるために喬木と灌木、草、コケまでを含めて、当時の先輩方がどれだけ都市の中に緑をつくり出すために準備をされ、設計され、形づくられたかという努力の歴史を知る方は今では非常に少なくなりました。
私は、自然環境というものは、当然のことながら共生できるものであり、また我々の日常生活と調和できるものだと思います。しかし、考え方を変えたときには、新たにつくり出すことも可能なものだと思います。
国会等移転調査会の御報告を受けて瞬間感じた私自身の思いは、そうしたものをもう一度東京の中で呼び起こすことはできないだろうか、そのような思いでありました。そして、先ほど来、一極集中排除という議論に重点が行き過ぎて、国会等が移転いたしました跡にいかに潤いのある空間を創出するかという議論は少し少なかったのではないだろうかということをあえて申し上げましたのは、そのような思いからであります。できるなら、そうした夢がかなえられますような首都機能移転でありたいと心から願っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/79
-
080・続訓弘
○続訓弘君 せっかくの機会でございますので、橋本総理に二点だけお伺いいたします。
その第一点は、この法律に関連いたしまして、東京、神奈川、埼玉、千葉に三千三百万人の人たちがおられます。全人口に占める割合は二八%です。この代表であります知事さんやあるいは市長さんや議会の方々が一斉に、まだ議論が十分尽くされないままに移転の促進が図られることに対して危惧を持っている、この問題については長期的な視点で十分慎重な議論が欲しい、こんな意見やらあるいは議会の意見の採択を見ております。
そしてさらに、自分たちは東京圏が首都であり続けたいという願いを込めて、業務核都市の整備やあるいはその他の都市施設の整備に一生懸命尽くしてきている、現在も住民の理解を得ながらそういう努力をしている、にもかからず、という先ほどの意見の表明や議会の意見書の採択等がございました。
ここで、橋本総理みずからがみずからの言葉でこれらの人たちに語りかけてほしい。今お話がございました、自分は、首都の移転ではない、こう認識している、なぜならば、皇室の御動座はいただかないんだ。同時に、今回の国会の移転は首都移転ではないとおっしゃいましたけれども、こういう橋本哲学を三千三百万人の人たちに語りかけていただきたい。同時に、先ほどもおっしゃいました、首都圏の皆さんの生活の豊さを願っているんだと、ごんなお話でございました。それらを橋本総理御自身の言葉で皆さんに語りかけていただきたい。これが第一点でございます。
そして、第二点は、これは財政の問題であります。もう橋本総理は専門家でございますので何も言うことはございませんけれども、先進五カ国の中で我が日本は一番財政的に大変だ、こう言われております。現に、国家財政や地方財政あるいは隠れ借金等々合わせますと五百兆円もの借金を抱えているわけであります。
一方、総理官邸を初め自治省の建てかえが進行しつつございます。さらには、地方公共団体の事務所と言われる都道府県会館、市関係の庁舎と言われる都市センター、町村の庁舎と言われる町村会館等々が軒並み実は改築されるわけであります。十四年後には新しいところで国会が開設される、こう言いながら、一方においてはそういう新しい自分たちの入る器が、しかも数百億円単位の建設工事が進められようとしている。これに対して国民は矛盾を感じているんじゃなかろうかと私は思います。
同時に、橋本総理も御案内のように、介護保険制度の創設すらまだできておりません。新ゴールドプラン等々、福祉の需要がたくさんございます。あるいは、補正予算の必要もあるでしょう。さらには、来年の問題でございますけれども、所得税や住民税の減税の問題もあるでしょう。
そういうことを踏まえるならば、私はこの首都移転に対する財政上の問題は大変ではなかろうか、こんなふうに感じましたので、この二点について橋本総理の所信を伺いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/80
-
081・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変たくさんの分野に言及をされまして、すべてをカバーし切れるかどうかわかりません。
しかし、私はまず一点目に申し上げたいことは、首都機能移転につきましては、平成二年の国会等の移転に関する決議、平成四年の国会等の移転に関する法律の制定、そして昨年十二月の国会等移転調査会の報告書等、着実な積み重ねが行われてくる間に、一都三県と言われましたが、まさにその首都圏の知事さん方の御意見もいろいろな角度で拝聴する機会はあったということであります。そして、そうした経緯を踏まえながら、今回の改正法案が移転先候補地の選定という新たな段階に入ったものと認識をいたしてまいりました。
そして、先ほどから繰り返して申し上げてまいりましたように、私はあくまでも首都機能移転という言葉は今までも使っておりますし、これは必要なことだと考えております。しかし、国会が移転をすること、そしてそれに伴う行政の中枢が移動すること、これが一度に全部できると思ってはおりません。同時に、皇居に御動座をいただく、そのような思いはないということも先刻申し上げてまいりました。
そして、三県になりますと私は随分要件の差が出てくると思います。しかし、少なくともこの東京都というエリアを考えましたとき、私は、都民のために新たな潤いのある空間を創設したい、創出したいということを考えましたときに、それほど大きな公有地があるようには承知をいたしておりませんし、民有地を活用するとしても限界はあると思います。そうしますと、そうした空間を生んでいくためにも、私は国会等の移転というものを本気で考える時期に既に入っていると考えております。
ただ、その中で、総理官邸の整備のお話も出てまいりました。私が今その総理官邸に付随する公邸住まいをいたしておりますから、これが老朽しているとか、そういうことを申し上げるつもりはありません。しかし、現在の総理官邸が生まれましてからの年数というものが、その施設の老朽化という以上に、総理官邸というものの求められる機能を充足するだけのスペースを既に確保することができない状況にあるということは、御理解をいただきたいと思うのであります。そして、危機管理の問題等を踏まえましても、そうした対応をするためのスペースを探すことが非常に困難な状況に現実にございます。
私は、国会等移転調査会の報告書に提言をされておりますように、二〇一〇年ぐらいに国会などが移転をいたしましたとしても、その後も比較的長期間にわたりまして、首都機能というものは新都市と東京に並立して立地する、分かれて立地をする期間というものは相当続くだろうと思います。そして、その期間内におきまして、東京にも総理官邸の機能の果たせる施設は、これは危機管理の上からも情報通信機能の上からも、私は必要ではなかろうかと考えております。
首都機能というものが移転をいたしました後、それが完了したとして考えてみましても、私は東京という都市は依然として我が国の経済、文化の中心であり続けると思いますし、国民各界各層との意見交換の場、あるいは各種行事の場、さらには外交等の中で大きな役割を果たす都市であり続けると思います。
さらに、危険分散という視点までを加えた考え方をとりました場合、議員が御指摘になりましたように、私は総理官邸の建設工事というもの、これが国会等移転調査会の示され、現に御審議をいただいております法律案の方向と相反するものだとは思いません。むしろ、東京はそれだけの二重施設を持つだけのウエートのある都市であり続けると、私はそう考えております。
と同時に、確かにそのためには費用も必要でありましょう。しかし、これは今からどれだけの費用がかかるのかを想定することも難しゅうございますし、それ以上に、民間がどこまでその中でのウエートを占めていかれるのか、その投資の状況というものも、場所が決まらないうちから想定の範囲を超えるものがあろうかと存じます。
そうした我が国の財政との見合いといった御指摘は十分大事にさせていただきたいと存じますけれども、私は、この法律案の示す方向に向けて、一都三県の皆様方にも御協力を願いたい。それはその一都三県の皆さんのためにも、東京にいかにして潤いのある生活空間をつくり出すかということが我々に課せられた一つの使命だと、私はそのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/81
-
082・瀬谷英行
○瀬谷英行君 社民党の瀬谷であります。
ことしも半分終わろうとしておりますけれども、総理にちょっとお正月のことを思い出してもらいたいと思うんです。正月というのは、どういうわけだか昔から余りどしゃ降りなんというのはないんですよね。大概お天気がいいんです。なぜお天気がいいのか、青空が見えるのか。特に最近は東京ではお盆と正月しか青空が見えないようになったんですよ。常にスモッグなどと称するわけのわからないものがあって、空気が汚れていて空がどんよりしている。それは結局東京に人口が集中し過ぎて、そしてその集中し過ぎた人がお盆と正月だけは留守になるんですね、田舎へ帰る。そして、あの渋滞を起こしていた車も走らなくなる。車も走らなくなるから結局スモッグがなくなって青空が見える。こういうことのようなんですね。言われてみりゃそうかなと思うんですよ。
ただ、我々は日常、ほかのことと違って空気の汚れだけは目に見えないんです。きょうは空気が汚れているなとか、きょうの空気はきれいだなと、そこまでは我々の視力じゃわからない。だから、その点気がっかなかったけれども、そういう現象がある。そのことを考えると、今まで余り触れられていなかったけれども、大気の汚染という問題は地球の温暖化とも関係があるんですね。そうしてみると、いかに過密の状態というのがいろんなことに影響しているかということがここでわかると思うんです。
例えば東京の通勤の混雑、埼玉県から一日百万の人が通っている、通勤通学者を含めて。それは千葉県でも神奈川県でも同じだと思うんですよ。どう考えてみてもこれは不自然だというふうに私は思いますし、この状況は東京都だけでは解決できないと思うんですね。国が英断を振るわなきゃならないというふうに思うんでありますが、その点についての総理の見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/82
-
083・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、瀬谷委員から、大気汚染を一つの例として、人口あるいは諸機能の東京への過度の集中による弊害というものの御指摘がございました。確かに、環境という面から考えましたとき、昭和四十年代の半ばに私は東京の大気の汚染というものは限界に達しておったと思います。そして、それが工場等の排出源からの排出を取り締まることによって一時期ある程度、まさに議員のお言葉をかりますなら、空の青さを取り戻しつつありました。ところが、その後、人口の急増とモータリゼーションの普及というものの中で、今度は特定の大きな排出源規制を行うだけではどうにも仕方のない、むしろ我々一人一人がその加害者の一翼を担ってしまうような人口の集中による大気汚染というものが年々激化してきた、私もその御指摘はそのように思います。
そして、例えば、環境庁あるいは通産省等々、あるいは警察庁等も含めましてさまざまな角度でこれに対しての対応策は講じていただいておりますけれども、その方策の効果以上に人口の集中度の方が高い、それが大きな問題を呼んでいるということは間違いがありません。
そして、それが通勤の混雑あるいは交通渋滞といったことだけではなく、廃棄物の処理等を見ればこの首都圏の中での排出される廃棄物を首都圏の中で処理することが現に不可能な状況に立ち至っている。こうしたことを考えましても極めて私は深刻な状況であると思いますし、さらに防災対応力の強化といったことを考えましても、私はこの状況を改善する努力というものは極めて重要なものになってまいっておると思っております。
今回御審議をいただいております法律案、そしてその中で目指しておられる首都機能移転というものは、その一極集中の完全な排除ということは無理でありましょう。しかし、緩和にはつながっていくでありましょうし、それは東京の生活に潤いを取り戻すという意義をあわせ持つものである、私はそうした視点から取り組んでまいりたいと考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/83
-
084・瀬谷英行
○瀬谷英行君 まず、これから考えられる新しい首都がどこになるかわからぬけれども、環境問題というものはこの間首都機能のワーキングチームの中でもいろいろ問題になりました。ワーキングチームの論議の中で環境もよくしなきゃならないという話が出ました。これは大事なことだと思うんです。ただ人間が住めばいいというものじゃない。東京は、昔は環境的にはよかったと私は思うんですよ。何となくゆとりがあったんです。先ほども申し上げましたけれども、住宅問題なんという深刻な話がなかった。貸し家を求めようと思えばどこにでも貸し家札が斜めに張ってあったんですよ。恐らく今貸し家札と言ったってわからないですよ。
したがって、そういうことを考えると、緑豊かなすばらしい環境でもって職住近接の理想的な都市というものをモデルケースとしてここでこさえてみる。そして、全国に対して右へ倣えをしてもらう、こういうことになれば今回の法律も国民に一つの夢と希望を与えることになると思います。その点で、やはりみんなが大いに期待するような新都市を建設するいい機会じゃないかと思うんです。今の東京は余りにも過密の状態がひどくなりました。超過密なんですよ。これはまさに病的だと言わざるを得ません。
昔、石川啄木という人が東京で亡くなっているんですけれども、「何となく、今年はよい事あるごとし。元日の朝、晴れて風無し。」という歌があるんです。ちょっとそれだけ私頭に残っているんですけれども、そういう状態というものをもう一度東京にも戻したい、東京も住みやすくしたい。それから、新しい都市は緑豊かな理想的な都市であってほしい。
こういうふうにするためにはどうしたらいいかというと、東京都がいろいろ言ってみても、これは東京都だけじゃどうにもならないです。どんないい医者だって手術をするには自分の腹は切れませんわね。だから、その点を考えると、東京都にこの大手術を自分でやれ、切腹しろと言ったってそれは無理なんですね。だから、やっぱり政府が、国家が思い切って勇断でもってこの大手術をやるのにいい機会じゃないかというふうに考えておるのでありますが、その点、総理の御見解を伺いまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/84
-
085・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、この首都機能移転というものを契機に、先ほど議員がお挙げになりましたようなさまざまな悩みを抱えている東京の中に少しでも潤いを取り戻すことができればそれだけでも非常に大きな成果と、将来を考えたときに、本気でそう思います。それだけに、私どものできる限りの努力を尽くしてまいりたい、そのように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/85
-
086・緒方靖夫
○緒方靖夫君 総理は先ほど、物理的な首都機能移転の検討を通じて国政全般の改革に寄与すると強調されたと思います。
本日、橋本行革の基本方向について、これが出されましたけれども、この中でもやはり移転による行革の推進が強調されていると思います。行政改革というのであれば、中央省庁を含めて現在の行政のどこが問題でどう改革するのかということについて具体的に明らかにして国民に問うべきだと思うわけですけれども、行革が必要だから首都移転をするというのはちょっと筋違いじゃないかと思うわけです。それとも総理は、行政府の長として首都機能移転という物理的な手段を講じないと現行業務の見直しなど行政府みずからの改革ができないという、そういうお考えなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/86
-
087・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、本日行革の考え方を発表したと言われましたが、党において行われておる作業の報告を私は本日まだ受けておりません。ですから、発表どころか本人がまだ報告を受けておりませんということを冒頭申し上げておきます。
その上で、大変複雑な理論構成をされましたけれども、私は行政改革のために首都機能移転をするんだと申したことはないと思います。私は行政改革のために首都機能移転をするという言い方をしたことはないはずであります。一極集中排除という目標に向けて、その一極集中排除の方法の一つとして首都機能移転というものをとらえたことはございました。
また同時に、中央省庁の統廃合というものは、御党も含めまして、私は自分の体験から、総論賛成各論反対がいかにひどいかということを体験いたしておりますので、先ほども申し上げましたように、大きな一つの機会がないと思い切ったことはなかなかできないのではないか、それは確かに私自身の思いの中にございます。
同時に、国会が決議し、その決議によって生まれ、そして審議をされました国会等移転調査会が報告を出してこられましたものに基づいて、現在、提案者の方々に御苦労いただきました法律案が御審議をいただいております。その目指す方向に政府が努力をしていくのは当然なことであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/87
-
088・緒方靖夫
○緒方靖夫君 総理は、移転を通じて国政全般の改革に寄与するという、そういうことを言われたと思うんですね。そのことは、移転をてこにしてとかそういう言い方もできるんじゃないかと思っておりますが、いずれにしても、私はそういうふうに受け取っております。
先ほど総理が言われた東京の一極集中の緩和という問題なんですけれども、特に東京都民に潤いをもたらすとか空間をつくるとか、そういったことを再三強調されていると思うんです。しかし、この効果について、宮澤元総理が一九九二年十二月八日の本院の国会等の移転に関する特別委員会の答弁の中でこう言われているということをちょっと想起したいと思うんです。
新しい移転先で、「東京の持っている問題というのは少しも解決、少しもとは言い過ぎですが、恐らくほとんど解決しないのではないか。」「過密があり、やはり災害に対する危険があり、そういう問題は依然として私は残っていると思います」と、そういったことを宮澤総理は当時述べられました。
橋本ビジョンは、先ほど受け取っていないと言われましたが、発表されているので、私これを引用させていただきましたけれども……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/88
-
089・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 発表していません、自由民主党はね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/89
-
090・緒方靖夫
○緒方靖夫君 国会とともに移転するのは政策立案部門のみでよいと、移転対象を従来の構想より狭めている。それならば、宮澤答弁よりさらに過密解消の効果は小さくなると思うんですね。
端的にお尋ねしたいんですけれども、総理の意見は、この中で述べられている宮澤元総理の考えとは違うのかどうか、政府の責任者としてもし判断が変わったのであれば、その変わった理由は何かお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/90
-
091・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 宮澤元総理の御答弁の一部分だけを抜粋されてお読みのようであります。
宮澤元総理は、議員が御引用になりましたその後で、「そういう意味では、過密があり、やはり災害に対する危険があり、そういう問題は依然として私は残っていると思いますので、そのことを等閑に付するわけにはいかない。これがありましょうとありませんと東京都の持っている問題は変わらない。それは都御自身もそうですが、国としても十分施策をしていかなければならない問題だと思います。」と答えておられます。
私は、首都機能の移転というものあるいは分散というものに対して、宮澤元総理が否定的な答弁をなさったとはこれを通じて読んでおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/91
-
092・緒方靖夫
○緒方靖夫君 移転に対する賛成、反対を別として、例えば移転に賛成する人も一極集中の緩和の効果をほとんど認めない、効果はないと言う方もおられるんですね。私は宮澤元総理もそう思った方だと思いましたけれども、例えば元国土庁事務次官、調査会委員の下河辺氏は、やはり衆議院の特別委員会の中で、首都移転は人口分散とは関係ないという趣旨のことを述べられているんですね。ですから、一極集中に効果がないという、そういうことを認めることと、だから移転について消極的だ、反対だということはそれほど関係ないと私は思うんですね。
時間がありませんので、最後にお尋ねいたしますけれども、この財政危機の折、首都機能移転に巨額の投資をすることについてはさまざまな意見があります。例えば、政府税調の法人課税小委員長の石弘光一橋大学教授、彼は四月三十日の本院予算委員会の公聴会で、今みたいな無責任な限りでは移転には反対だ、そういうふうな批判をしておりますけれども、正論だと思います。
総理は、移転の巨額な財政負担問題について、衆議院での審議で、長期にわたって段階的に行われるのであるから、財政に過度の負担をかけるものではないし、そうしてはならないと思っていると述べられています。
過度の負担をかけない、国民にそういう負担をかけないというならば、移転の財源として建設国債の増発とか消費税の税率の引き上げとか、そういったことをやらないということを断言できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/92
-
093・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 特定の方の御発言を引用されての御質問でありますが、無責任な移転であれば私も反対であります。責任を持った移転の方向づけをしていくためのこの法律案、議員立法として国会は御審議になっておられるものだと思いますし、私は国会が無責任な移転をお決めになるとは考えておりません。
それから、首都機能の移転に要する費用ということにつきましては、今一部をこれも引用されましたが、私は、同じようにそのときの答弁の中で、移転先地及び移転の規模によって大きく変化するものであること、またその財源については公共事業により行う部分、民間が行う部分などがあって、現段階で財源対策を検討するには不確定な要素が多過ぎるため、今後熟度に応じて検討されるべきもの、そのように御答弁を申し上げておるはずであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/93
-
094・緒方靖夫
○緒方靖夫君 委員長、一言。
その問題について断言できなかったということを指摘して私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/94
-
095・国井正幸
○国井正幸君 新緑風会の国井正幸でございます。
私は、この国会等移転については積極的に進めるべきだ、こういうふうに考えております。
そこで、この改正法案が可決成立しますと、総理府に国会等移転審議会が設置されて総理の諮問に応じる、こういうことになっているわけでございますので、総理の御決意のほどを伺いたいと思うわけでございます。
六月十二日にこの法案が衆議院で可決されました。そして、翌十三日のそれぞれのマスコミにその経過等が取り上げられております。読売新聞によりますと、「利害交錯、提出まで迷走 妥協重ねた修正劇」、こういうふうな見出しが出ております。時間の関係で記事の部分は省きたいと思いますが、最後のくだりに「最終的には、首相の意を受け、党行政改革推進本部の水野清本部長が調整に乗り出した。が、法案提出を最優先し、都連の主張に沿って修正したため、水野氏も「都連の独壇場だ」とぼやいた。」、こんなくだりがあるんですね、記事として。そして、同じ十三日の朝日新聞の東京版に青島知事のコメントが載っておるわけでございますが、このコメントの内容が、「法案が当初、移転の「推進」を前面に出し、具体化を急ぐ内容だったのに比べ、「検討」の色合いを残すようになった点などを評価した。」、こういうことなんですね。
平成二年十一月七日、衆参両院において国会等の移転に関する決議が採択されて今日を迎えているわけでございますが、今回の一連の修正劇を、国会決議あるいは調査会報告などから一歩後退したのではないかと、こういうふうに受けとめている国民もいると思うんですね、マスコミのこういう書き方もありますから。私はそんなことがあってはならないというふうに思っておるんですが、総理の決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/95
-
096・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本来、議員立法の内容について政府側がそのプロセスをどう評価するかといったような発言は慎むべきものであろうと存じます。
しかし、今回の法律改正というものは国会等の移転に関するこれまでの検討の蓄積というものを前提に置かれながら移転先の候補地の選定体制の整備を急がれるという内容のものでありますし、大きく前進こそすれ後退と論評をなさるとするならば、その方々の期待値に比べて後退なのかもしれません。しかし、私は法制度の上からむしろ大きく前進したものだと思っております。
また、現行法の前文におきましても、「国会等の東京圏外への移転の具体化について積極的に検討を進めることは、我が国が新しい社会を建設するため、極めて緊要」とされているところでありますし、私は今回の改正法はまさに最終段階の検討を行うために提案をされたものだと理解をいたしておりまして、後退という感じは政府といたしては全く持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/96
-
097・国井正幸
○国井正幸君 確かに総理の言われるように、議員立法でございますから。ただ、記事のくだりに首相の意を受けて水野本部長が云々とあったものですから、お聞かせいただいたわけでございます。
先ほど、実は私、提案者の方にもお尋ねをしたんですが、改正法案の第二十二条に関してでございます。「国民の合意形成の状況、社会経済情勢の諸事情に配慮し、東京都との比較考量を通じて、移転について検討されるものとする。」との文面が挿入されたわけでございますが、私はある意味では「東京都との比較考量」というのは当然だというふうに思うんです。これは、調査会報告でも移転先地の選定基準、これが九項目ほど提案されているわけでございますから、当然といえば当然だと思うんです。ただ、「国民の合意形成の状況、社会経済情勢の諸事情」というのはもっともらしい表現なんですが、極めて抽象的なことでもあると思うんですね。何をもって国民の合意形成の尺度とするのかというのも、なかなかこれも難しい問題だと思うんです。
そこで、私は、国民の合意形成が十分でないからとかあるいは国の財政事情が厳しいから、こういうふうなことだけでこの国会等移転がとんざをしてはならないと思うわけでございます。国民の合意形成というのは政府と我々が一体となってつくり上げるべきものだというふうにも考えますし、ある意味では古いものを脱ぎ捨ててこの国会等移転の中で、あるいは移転というものを契機にして人心一新を図りつつ、さらにこの行財政改革というものに努めていくべきだと私は思います。そういう意味で、非常に抽象的表現が入っているがゆえにとんざしてしまうのではないかと危惧をするんです。決してそのようなことがないように私は願っている一人なんですが、総理の御所見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/97
-
098・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 二つの問題と申しますか、条文に触れられたわけでありますけれども、私は、その東京都との比較考量というものにつきましては、移転先の候補地に国会などを移転いたしました場合、各分野でどのような長所があり、また短所が生ずるのか、こうした総合評価を現在国会等が存在しております東京都と比較考量して検討することによって、国会等の移転の意義がこの法律で期待をしてくださっているような方向に進んでいくのか、よりよい場所を選択することに資するのではないか、こうした視点を確かめる趣旨だと理解いたしてまいりました。
そして、国民の合意形成という部分にも触れられたわけでありますけれども、この国会などの移転につきまして、最終的にはこれは国会において御決定をいただくべきことであります。しかし、平成二年の国会決議、平成四年現行法の制定、さらに昨年の国会等移転調査会の報告と、一歩ずつ積み上げてこられた経過というものも尊重されつつ、国民の合意形成状況などを的確に踏まえながら国会として決定されるべきものと、私はそのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/98
-
099・国井正幸
○国井正幸君 ありがとうございました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/99
-
100・菅野久光
○委員長(菅野久光君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、上野公成君、坂野重信君及び中曽根弘文君が委員を辞任され、その補欠として溝手顕正君、河本三郎君及び服部三男雄君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/100
-
101・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/101
-
102・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 速記を起こしてください。
本案の修正について続訓弘君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。続訓弘君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/102
-
103・続訓弘
○続訓弘君 私は、ただいま議題となりました国会等の移転に関する法律の一部を改正する法律案に対し修正の動議を提出し、その提案理由と内容の概要を御説明申し上げます。
今さら改めて申し上げるまでもありませんが、新首都の決定は、我が国にとりましてはまさに国民的課題としてとらえなければならない最重要課題であります。
東京は、江戸幕府時代の約二百六十余年間を含めて四百年もの長い間我が国の首都であり続け、政治、経済、社会、文化、教育等々広範な分野で欧米先進諸国に追いつけ追い越せの合い言葉のもと、すべての日本国民の牽引車の役割を担ってきたのも事実であります。
その間、東京は、大正十二年に発生した関東大震災で人的にも物的にも大被害をこうむり、第二次大戦では東京のほとんどが灰じんに帰したにもかかわらず、再び三たびよみがえり、今日の繁栄を築いてまいりました。これは、日本国民すべての方々の御協力のたまものであることはもちろんでありますが、東京都民並びに神奈川、千葉、埼玉等周辺県民の方々の献身的な努力とあわせて、これらの方々の通勤、交通問題、物価、生活問題、環境問題等々多大の犠牲に負うところが大きいと思うのであります。
そこで、これら地域の住民を代表する形で東京、神奈川、千葉、埼玉の各県知事及び横浜、川崎、千葉の各市長が、去る五月十五日、今回の法律改正案に対し、「移転の必要性や、移転が首都圏のみならずわが国に与える影響、移転に要する費用とその効果等多くの課題について十分な議論を尽くされたとは言えません。国民的合意が得られないまま、移転論議が検討の段階から推進の段階に踏み込むことに対し深い危惧の念を抱くものであり、長期的な視点に立った慎重かつ十分な議論が行われることを強く望みます」との意見を発表されました。また、これらの関係各県議会や市町村議会におきましても、同趣旨の決議を行っておられます。しかも、これら関係住民の方々は、実に三千三百万人、日本全人口の二八%を占めるのであります。
私は、これらの方々の熱い思いと、昭和四十一年七月四日に閣議決定されてから既に三十年経過したにもかかわらず、いまだに完全な機能を発揮できない新東京国際空港、成田空港の教訓を踏まえて、次のような修正案を提案いたします。
具体的修正案は、お手元に配付しておりますので、御参照いただくことにいたしまして、修正案の意図するところの概要を御説明申し上げます。
修正案は、第二十二条第一項に、審議会の答申が行われたときは、「候補地の区域の全部又は一部をその区域に含む地方公共団体の意向を確認する」との追加修正であります。地元関係者の意向確認が各種公共事業を行うに当たっていかに重要であるかは、さきに述べました新東京国際空港建設、長良川河口堰建設や各地のダム工事、道路、地下鉄等公共事業の例を挙げるまでもございません。
また、各自治体におきましても、県庁庁舎や市町村庁舎の移転問題を初め各種の公共施設の建設問題で、常に問題となるのは関係住民の方々の合意形成であり、したがって、この追加修正は、首都移転の是非を決定するに当たって必須の条件であります。
次に、第二項は、全文新たに追加修正するものであります。
日本国憲法には、御高承のとおり、国民投票制度として第九十五条、第九十六条がありますが、私は、憲法制定当時には首都移転は予想だにしなかった問題だったと推論いたします。だとすれば、全国民的課題の最重要問題である首都移転の是非と移転先の決定に当たっては、国民の合意形成の状況把握に資するため、別に法律の定めるところにより、移転について国民投票を行うことを提案いたします。
申し上げるまでもなく、日本国憲法は国民主権を根本規範としております。しかも、首都機能の移転は数百年にわたる国民的影響を与える国家的事業でもあります。ここに提案いたします国民投票は、国民的合意形成のため、より国民主権を生かすためのものであり、立法権を縛るものではないと確信いたします。
何とぞ、提案の趣旨をお酌み取りいただきまして、最高立法機関、良識の府と言われる私ども参議院において、委員の皆様の御賛同をお願い申し上げ、私の提案理由の説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/103
-
104・菅野久光
○委員長(菅野久光君) ただいまの続訓弘君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。鈴木国土庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/104
-
105・鈴木和美
○国務大臣(鈴木和美君) ただいまの国会等の移転に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案については、政府としては反対でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/105
-
106・菅野久光
○委員長(菅野久光君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/106
-
107・緒方靖夫
○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、国会等の移転に関する法律の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。
本法案は、首都の移転先候補地を選定する国会等移転審議会を設置し、膨大なむだ遣いである首都移転を新たな段階に推し進めようとするものであり、断固として反対です。
そもそも本法案は、提出に至る過程で与党内の不一致が露呈し、密室の取引でつくられたものです。国会など首都を移転するという国民主権にかかわる重要問題について、我が党が要求した参考人質疑なども行わないまま、わずか二時間半の審議で採決を行うことは、国会の使命を放棄するものであり、断じて容認することはできません。
本法案で推進しようとしている首都移転は、第一に、財界に大もうけを、国民に大きな負担を強いるものです。国会等移転調査会の宇野收会長は国会審議の中で、移転費用について二十五兆円になるかもしれないと答弁しましたが、一たん着手されれば空前の巨大プロジェクトになることは確実です。これによって恩恵を受けるのは大手ゼネコンや財界だけです。他方、国民は耐えがたい負担を強いられることになります。
今、我が国は、総額二百四十一兆円の借金を抱える最悪の財政危機にありますっこのようなときに新たな巨大プロジェクトに踏み出すことは、国家財政のさらなる深刻化を招くことは必至です。その財源確保が、国民に大増税の負担となって降りかかってくることは火を見るよりも明らかです。
首都移転の第二の問題は、それが大企業本位の国家改造のてことされようとしていることです。
いわゆる橋本行革ビジョンは、財界・大企業の利潤追求をこれまで以上に野放しにし、国家機構全体をそれに奉仕するものに変えようというねらいを露骨に示し、そのために首都移転を位置づけています。このようなねらいを持つ首都移転が、国民生活にかかわる行政の役割の切り捨てを推進するものであることは論をまちません。
首都移転の第三の問題は、最大の旗印であった一極集中の是正、過密の解消に効果がないばかりか、逆に過密を激化させる危険性さえはらんでいるということです。
本委員会の審議の中でも、首都移転で東京の過密問題が解消するという具体的な根拠は一切示されませんでした。それどころか、東京を国際金融情報都市にする方向を進め、オフィスビル中心の臨海副都心開発の継続、業務核都市構想の推進を野放しにすれば、かえって過密の激化を招くおそれさえあるのです。地震対策でも、首都機能の一部が移転するだけであり、置き去りにされる首都圏三千二百万人の地震対策は全くないのです。
以上、主な反対理由を述べましたが、このような無責任、無謀きわまる首都移転計画には断じて反対です。
なお、修正案も首都移転候補地の選定を前提としたもので、本法案の本質を何ら変えるものではないので反対いたします。
日本共産党は、首都移転に反対するすべての良識ある国民と手をつないで、計画の中止のために全力で奮闘することを表明し、反対討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/107
-
108・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 他に御意見もないようですから、原案並びに修正案に対する討論は終局したものと認めます。
それでは、これより国会等の移転に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。
まず、続君提出の修正案の採決を行います。
本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/108
-
109・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 少数と認めます。よって、続君提出の修正案は否決されました。
それでは、次に原案全部の採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/109
-
110・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/110
-
111・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/111
-
112・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 次に、請願の審査を行います。
第一六〇九号首都移転計画の中止に関する請願外九件を議題といたします。
本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。
これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。
以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/112
-
113・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/113
-
114・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
国会等の移転に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/114
-
115・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/115
-
116・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/116
-
117・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/117
-
118・菅野久光
○委員長(菅野久光君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時四十八分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614298X00319960618/118
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。