1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成八年五月三十一日(金曜日)
午前十一時六分開議
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○議事日程 第三十四号
平成八年五月三十一日
午前十一時開議
第一 地方公務員災害補償法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
第二 電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改
正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第三 通信・放送機構法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、海洋法に関する国際連合条約及び千九百八
十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合
条約第十一部の実施に関する協定の締結につ
いて承認を求めるの件、領海法の一部を改正
する法律案、排他的経済水域及び大陸棚に関
する法律案、海上保安庁法の一部を改正する
法律案、排他的経済水域における漁業等に関
する主権的権利の行使等に関する法律案、海
洋生物資源の保存及び管理に関する法律案、
水産資源保護法の一部を改正する法律案、海
洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一
部を改正する法律案及び核原料物質、核燃料
物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射
性同位元素等による放射線障害の防止に関す
る法律の一部を改正する法律案(趣旨説明)
以下議事日程のとおり
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/0
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001・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
この際、日程に追加して、
海洋法に関する国際連合条約及び千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約第十一部の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件、領海法の一部を改正する法律案、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案、海上保安庁法の一部を改正する法律案、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律案、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案、水産資源保護法の一部を改正する法律案、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案、以上九件について提出者から順次趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/1
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002・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。池田外務大臣。
〔国務大臣池田行彦君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/2
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003・池田行彦
○国務大臣(池田行彦君) 海洋法に関する国際連合条約及び千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約第十一部の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件につきまして、趣旨の御説明を申し上げます。
海洋法に関する国際連合条約は、昭和四十八年から十年間にわたって行われた第三次国際連合海洋法会議の結果、昭和五十七年十二月にジャマイカのモンテゴ・ベイにおいて作成されたものであり、また、千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約第十一部の実施に関する協定は、この条約第十一部の規定を見直すための交渉の結果、平成六年七月にニューヨークにおいて作成されたものであります。
この条約及び実施協定は、領海、接続水域、排他的経済水域、大陸棚、公海、深海底等の海洋に関する諸問題について包括的に規律するとともに、国際海洋法裁判所の設立等海洋に関する諸問題に係る紛争解決の手続について定めるものであります。
我が国は、昭和五十八年二月にこの条約に署名し、平成六年七月にこの実施協定に署名しております。また、この条約及び実施協定については、フランス、ドイツ、イタリア、大韓民国を含む多くの国が既に締結済みであり、他の国々も近く締結する見込みであります。
我が国がこの条約及び実施協定を締結することは、我が国が世界の主要な海洋国家であることにかんがみ、海洋に関する安定的な法的秩序の確立に寄与するとともに、我が国の海洋に係る活動を一層円滑にすることとなるという見地から極めて有意義であると認められます。
以上申し述べましたところを御勘案の上、この条約及び実施協定の締結について御承認をいただきますよう、格別の御配慮を得たい次第でございます。
以上が海洋法に関する国際連合条約及び千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約第十一部の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件の趣旨でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/3
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004・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 亀井運輸大臣。
―――――――――――――
〔国務大臣亀井善之君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/4
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005・亀井善之
○国務大臣(亀井善之君) 領海法の一部を改正する法律案、海上保安庁法の一部を改正する法律案及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案、以上三件につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
初めに、領海法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
本法律案は、海洋法に関する国際連合条約に定めるところにより、領海の幅を測定するための基線として直線基線を用いることができることとするとともに、領域における通関等に関する法令に違反する行為の防止及び処罰のために必要な措置をとる水域として接続水域を設けること等とするものであります。
次に、改正案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、領海の幅を測定するための基線として直線基線を加えることとしております。
第二に、領域における通関、財政、出入国管理及び衛生に関する法令に違反する行為の防止及び処罰のために必要な措置をとる水域として接続水域を設けることとするとともに、その範囲を定めております。
第三に、追跡等に係る公務員の職務の執行及びこれを妨げる行為については、我が国の法令を適用することとしております。
続きまして、海上保安庁法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
海洋法に関する国際連合条約の締結に伴う接続水域及び排他的経済水域の設定等の新たな法制度の導入にかんがみ、また、最近における密航、密輸等海上における犯罪等の発生状況を踏まえ、海上における取り締まりに係る法整備を行う必要があります。
この法律案は、このような状況を踏まえ、海上保安官が講ずる措置についての発動要件の明確化等所要の改正を行い、海上保安官が犯罪の予防等の措置を機動的かつ適切に講ずることができるようにするものであります。
次に、改正案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、海上保安官が、船舶に立入検査を行うため、その進行を停止させることができることを明確化することとしております。
第二に、海上保安官が、船舶の進行の停止、航路の変更等の措置のほか、積み荷の陸揚げ、人の行為の制止等の措置を講ずる際の発動要件を明確化することとしております。
最後に、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
海洋法に関する国際連合条約は、主要事項の一つとして「海洋環境の保護及び保全」を掲げており、我が国といたしましては、同条約の実施に伴い、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の規定の整備を行う必要があります。
次に、改正案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の規定に違反した外国船舶について担保金等の提供を条件に速やかに釈放する制度を創設することとしております。
第二に、所要の罰則規定の整備及び罰金額の引き上げ等を行うこととしております。
以上が、領海法の一部を改正する法律案、海上保安庁法の一部を改正する法律案及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/5
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006・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 大原農林水産大臣。
〔国務大臣大原一三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/6
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007・大原一三
○国務大臣(大原一三君) ただいま議題となりました排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律案、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案及び水産資源保護法の一部を改正する法律案について、その主な内容を御説明申し上げます。
まず、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案についてであります。
第一に、我が国が沿岸国としての主権的権利を行使する水域として、排他的経済水域を設けることといたしております。
第二に、我が国が沿岸国としての主権的権利を行使する大陸棚について、その範囲を明確化することとしております。
第三に、排他的経済水域及び大陸棚における天然資源の開発、海洋環境の保護及び保全等について、我が国の法令を適用することとしております。
次に、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律案についてであります。
第一に、排他的経済水域については、外国人の漁業等の禁止海域を設けるとともに、これ以外の海域につきましては、外国人は、農林水産大臣の許可等を受けなければ漁業等を行ってはならないこととしております。
第二に、この法律等の違反に関し拿捕した外国船舶及びその乗組員について、担保金等の提供により早期に釈放する制度を規定するものとしております。
三番目は、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案についてであります。
第一に、農林水産大臣は、漁獲可能量、実施すべき施策等を内容とする基本計画を定めるとともに、都道府県知事は、基本計画に即して、その管理する漁業について実施すべき施策等を内容とする都道府県計画を定めることとしております。
第二に、農林水産大臣または都道府県知事は、漁獲量を漁獲可能量等の範囲内に管理するため、海洋生物資源の採捕の停止等の命令をすることができることとしております。
第三に、海洋生物資源の採捕を行う者による協定制度を設けることとしております。
最後に、水産資源保護法の一部を改正する法律案についてであります。特定の水産動物の種苗を輸入しようとする者は、農林水産大臣の許可を受けなければならないこととするとともに、農林水産大臣は、輸出国発行の検査証明書により伝染性疾病の病原体を広げるおそれがないと認めるときは許可をしなければならないこととしております。
以上が四法案の趣旨であります。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/7
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008・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 中川国務大臣。
〔国務大臣中川秀直君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/8
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009・中川秀直
○国務大臣(中川秀直君) ただいま議題となりました核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
この法律案は、海洋法に関する国際連合条約の実施に伴い、放射性物質の海洋投棄に関連する所要の規定の整備を図るものであります。
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律におきましては、従来より、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約、いわゆるロンドン条約のもと、放射性物質の海洋投棄について規制を行ってきたところでありますが、海洋法に関する国際連合条約において各国の海洋汚染防止関係法令の適用範囲、執行手続等が定められたことに伴い、所要の規定の整備を行うこととした次第であります。
次に、本法律案の要旨について御説明申し上げます。
第一に、条約により海洋環境の保護及び保全に関する我が国の管轄権が領海を超えて排他的経済水域等まで拡大されることに伴い、排他的経済水域等における外国船舶による放射性物質の違法な海洋投棄について罰則の整備等を行うこととしております。また、放射性物質の海洋投棄の規制の適切な履行を図るため、船舶への立入検査及び船舶の船長等からの報告徴収に係る規定をあわせて整備することとしております。
第二に、条約において外国船舶に対する法令の執行の手続が定められたことに伴い、違反を行った外国船舶について担保金等を提供することを条件に釈放する制度を整備することとしております。
以上が本法律案の趣旨であります。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/9
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010・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。青木幹雄君。
〔青木幹雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/10
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011・青木幹雄
○青木幹雄君 私は、自由民主党、社会民主党・護憲連合及び新党さきがけを代表いたしまして、ただいま議題となりました国連海洋法条約及び関連法案に対し、橋本総理並びに関係大臣に質問をいたします。
国連海洋法条約は、海洋についての憲法あるいは基本法とも言われるほど広範な内容を含むものであり、政府も本年二月二十日の閣議了解の中でこの国連海洋法条約について、「国際社会における安定した海洋の法的秩序の確立に資するのみならず、海洋国家としての我が国の国益に沿うものである」といたしておるところでありますが、四方を海に囲まれ、古くから水産物を利用してきた我が国にあっては、特に水産業とのかかわり合いが深いことは言うまでもないところであります。
私は、まずこの法案を審議するに当たって、我が国水産業がいかに厳しい苦しい現状にあるかを十分に理解し認識をしていくところから始めていかなければならないと考えております。
御承知のとおり、我が国水産業は、国民に対して動物性たんぱく質の約四割を供給し、健康で豊かな日本型食生活を実現していく上でも大きな役割を果たしているのみならず、国土の均衡ある発展と漁村地域社会の活性化等にも重要な役割を果たしてまいりました。
しかしながら、我が国水産業は、今日、未曾有の困難と言っても過言ではない状況に直面をいたしております。
まず、生産量は平成元年以降六年連続して減少しており、平成六年は約八百万トンと最盛期の三分の二足らずの水準にまで落ち込んでおります。資源状況を見ても、高水準にあるのはサンマや人工放流が行われておる瀬戸内海のマダイ、ヒラメなど、ごくわずかなものに限られており、急速に減少しているマイワシ資源を初めとして、大部分が悪化、減少の一途をたどっておる現状であります。
一方、魚価は、円高等による水産物輸入の増大、景気の低迷に伴う食料消費の伸び悩み等によって低下しており、平成六年の産地卸売価格指数は、平成二年を一〇〇とすると九一となっております。
我が国水産業は、このような生産量の減少と魚価の低下という二重の打撃に見舞われており、その結果、漁業経営をめぐる状況は大変に厳しいものとなっております。特に中小漁業の経営は、平均で見ますと三年連続の赤字となっているだけでなく、ほぼ半数の経営体が赤字経営を余儀なくされております。
このほか、餌料用イワシ価格の高騰による養殖業経営の悪化、漁業経営の悪化に伴う漁業協同組合経営の悪化、漁業就業者の減少及び高齢化、漁村地域の活力の低下など、我が国水産業はまことに憂慮すべき状態に現在置かれております。
私は、今回の国連海洋法条約の締結及び関連法案の整備は、我が国周辺水域における資源管理に遺憾なきを期するとともに、我が国水産業の再生を図る絶好の機会と考えているところでありますが、我が国水産業の置かれている現状につきまして政府としてどのように認識をしておられるのか、農林水産大臣の御所見をお伺いいたします。
去る二月二十八日、日本武道館におきまして全国漁民大会が開催されました。この法案の一日も早い成立と実行を願って、全国から約六千人の漁民が集まりました。
そして、各政党からもそれぞれの代表の方々が出席をされました。そして、出席された各政党の代表がその席でこの法案に対する各党の決意を漁民の前に表明をしてこられました。自民党は加藤幹事長、社民党は佐藤幹事長、さきがけは鳩山代表幹事、新進党は愛知政策審議会長、共産党は立木中央委員会副議長であります。そして、六千人の漁民と一緒になって次のような決議がなされました。「漁業資源の持続的利用を図るため、国連海洋法条約の批准に合わせ、二百海里排他的経済水域を全面設定・全面適用すること」という決議であります。すなわち、全政党を挙げて二百海里の全面設定・全面適用を国民の前に、漁民の前に公約をしてまいったわけであります。
したがいまして、私は、この法案につきましては全会一致で一日も早く成立をさせ、全面設定・全面適用に向けて最大の努力をする責任が私どもにあるということを痛感いたしております。
この法案は、四つの委員会にまたがり、内容が非常に複雑多岐にわたっております。本来ならば、それぞれの法案の内容について各大臣にお尋ねをするのが本筋であることを私も十分承知をいたしております。しかし、これらの法案は、日韓・日中漁業協定の改定が行われて初めて有効に働くものであり、万一、万一であります、不幸にして日韓・日中の交渉が不調に終わった場合、私どもがいかに熱心に審議をしても絵にかいたもちにならざるを得ない法案であります。しかも、領土問題の絡んだ複雑な交渉がこれから始まろうとしている、今、大切な時期であります。私は、細部にわたる質問をすることは差し控えたいと思います。
そこで、私は、水産に関した分野でごく基本的なことについてのみ質問をいたしたいと考えております。
今回、政府より提案のあった排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律案及び海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案におきましては、排他的経済水域においていわゆる全面設定・全面適用が行われることを前提として、我が国周辺水域における水産資源を我が国が責任を持って主体的に管理する体制の整備を図ることといたしておりますが、国連海洋法条約の締結及び関連法案の整備だけではその実現が望めないことは、政府及び議員各位よく御承知のとおりであります。
周知のとおり、東経百三十五度以西の日本海側には漁業水域が設定をされず、また、現行日韓漁業協定及び日中漁業協定が、自国漁船の取り締まりはそれぞれの漁船の所属する国が行ういわゆる旗国主義を採用しておるところから、漁業水域が設定されている水域についても、韓国、中国についてはその適用を除外するという変則的な状態が今日までなお続いております。
漁業者を初めとする関係者は、我が国漁業者が操業の自粛、資源の保護のために懸命の努力を行っている中、韓国漁船、中国漁船が勝手気ままに操業しているのを指をくわえて見ているしかないという現状に強いいら立ちや危機感を抱いてまいりました。まことに残念なことであります。
国連海洋法条約の締結という機会をとらえて、排他的経済水域を日本海の西側にも設定するとともに、日韓漁業協定、日中漁業協定を改定して、韓国漁船、中国漁船についても我が国のルールを適用するいわゆる全面設定・全面適用を求める強い声が漁業者を初めとする関係者から提起されていることは御承知のとおりであり、当然のことであります。
私ども連立与党は、去る三月二十六日の閣議決定に先立って、日韓漁業協定及び日中漁業協定の見直し交渉を精力的に行い、早急に結論を得るよう、また「本年中に改定方針の合意を得ることを基本とし、一年以内を目途に交渉を進めること」等を内容とする申し入れを政府に対して行ったところであります。交渉事でありますので、竹島、尖閣列島の領有権問題等、厳しい問題もあろうかとは思いますが、幸い韓国との間では、領土問題については切り離して交渉に臨むという方針が橋本総理と金大統領との間で了解をされているところであります。また、韓国は既に本年一月末に国連海洋法条約を批准しており、中国も去る五月十五日に全国人民代表大会において批准が承認されたことが伝えられているところであります。日韓漁業協定、日中漁業協定を改定し、国連海洋法条約の趣旨に即した資源管理体制を構築するための基本的な条件は、今、整っていると言っても差し支えないのではないでしょうか。
そこで、総理に、日韓漁業協定及び日中漁業協定の見直し交渉に当たっての政府としての基本的な姿勢と決意をお伺いしたいと思います。また、協定改定交渉の現状と見通しを外務大臣にお伺いをいたします。
日韓・日中の漁業交渉はまだ緒についたばかりであり、また、相手のあることでありますので、許される範囲においてお答えを願いたいと思います。国連海洋法条約の趣旨に即した排他的経済水域の全面設定・全面適用及び漁獲可能量すなわちTAC制度の導入による資源管理体制の構築は、我が国水産業の現状を打破し将来を築くために不可欠なものでありますが、反面、農業におけるガット・ウルグアイ・ラウンドの受け入れにも匹敵する改革を我が国水産業に迫るものであります。韓国及び中国との協定改定交渉の結果、相手国排他的経済水域から我が国漁業者が締め出されるということがあるかもしれません。また、漁獲可能量の設定に伴って減船が必要となるような事態が起こってくるかもしれません。
農業においては、ウルグアイ・ラウンドの受け入れに当たって、あらかじめ新農政というものを打ち出し、さらに総額六兆百億円という財政措置が講じられたわけであります。水産業においても、この大きな変革期に当たって新水産政策を打ち出し、その実現のために必要な財政措置を積極的に講じていくことが必要と思うわけであります。
そこで、水産業に大きな変革をもたらす国連海洋法条約の締結と関連法案の整備に当たって、この点についての総理の前向きな御決意をお伺いしたいと思います。
国連海洋法条約及び関連法案は、海洋に関する新たな秩序を形成するものであり、海洋国家としての我が国の国益に沿うものであることは言うまでもありませんが、それが真に国益に沿うものとなるかどうかは、外交交渉や制度の運用等政府の今後の対応のいかんにかかっております。
我が国は、独立主権国家として、竹島等を含む領土問題については常に毅然たる態度で臨んでいかなければなりません。その中にあって、英知をめぐらしつつ、漁業交渉等が現実的、円満に実を結ぶよう政府として万全の取り組みをしていただくことを切に要望するものであります。
最後に、今国会は住専国会と言われてまいりました。まさにそのとおりであったかもしれません。住専処理に対する各政党の考え方の違いから、漁民の生活のかかったこの大切な法案が会期末を控えて今やっとこうして参議院本会議で質疑をさせていただいております。全国津々浦々で海を相手に一生懸命に体を張って生きている漁民の皆さんは、住専問題とは何ら関係のない皆さんであります。何ら責任のない皆さんであります。衆議院のことはいざ知らず、参議院においては、一日も早く漁民の願いをかなえてあげるべくみんなで努力をすることが私は本当の意味での参議院の主体性、独自性の確立てあり、参議院の良識ではないかと考えております。このことを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/11
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012・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 青木議員にお答えを申し上げます。
冒頭、関係国との交渉を控えております今日、御配慮にお礼を申し上げますとともに、今後ともの御協力、御支援を心からお願いを申し上げます。
日韓及び日中漁業協定についてのお尋ねでありますが、両国との協議によりまして、沿岸国が生物資源の維持に係る適切な措置をとるという、この国連海洋法条約の趣旨を十分に踏まえた新たな漁業協定が早期に締結されることとなりますように鋭意努力をいたしてまいります。
次に、水産業の厳しい現状を踏まえながら、国連海洋法条約の批准に伴って新たな漁業政策を構築すべきではないかという御意見をいただきました。
新たな海洋秩序のもとで我が国の水産業の振興が図られますように、今後とも引き続き、資源管理やつくり育てる漁業の着実な推進など各般の施策の充実に努めてまいりたいと願っております。
残余の御質問につきましては、関係大臣から御答弁をいたさせます。(拍手)
〔国務大臣池田行彦君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/12
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013・池田行彦
○国務大臣(池田行彦君) 青木議員の私に対する御質問は、漁業協定交渉の現状と見通しに関してでございました。
韓国とは、五月の九日並びに十日、漁業実務者の協議を行いました。また、中国との間では、四月の九、十の両日、海洋法及び漁業等の問題に関する非公式協議を行ったところでございます。次回の協議につきましては、目下、外交ルートで調整中でございます。
いずれにいたしましても、今後、早期合意を目指しまして精力的に交渉を進めてまいりたい、こう考えている次第でございます。(拍手)
〔国務大臣大原一三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/13
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014・大原一三
○国務大臣(大原一三君) お答えいたします。
我が国の水産業が置かれている現状につきましては、青木議員、るるお述べになりましたことでございますが、国民に対する動物性たんぱく質の約四割を供給いたしておりますし、食料の安定供給に重要な役割を果たすとともに、地域社会の維持に貢献するなど多面的な役割を果たしておりますが、周辺水域における資源状況の悪化、漁獲量の減少、魚価の低迷等その経営状況は、御指摘のとおり、大変厳しい状況になっております。
したがって、我々としては、今回の新しい海洋秩序のもとで的確な資源管理を推進しながら、そしてつくり育てる漁業の振興等、長期的な我が国水産業の発展のために、今回の条約並びに各法が漁家のために機能できるよう万全を期していくつもりでございます。よろしくお願いをいたします。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/14
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015・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 戸田邦司君。
〔戸田邦司君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/15
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016・戸田邦司
○戸田邦司君 平成会の戸田邦司でございます。
私は、平成会を代表して、ただいま趣旨説明のありました国連海洋法条約及び関連国内法案等について、総理及び関係大臣に質問いたします。
我が国は、四方を海に囲まれた典型的な海洋国家であり、古来、海の幸により豊かな食文化を醸成してきており、大陸からあるいは西欧からの外来の文化はすべて海を渡って我が国にもたらされ、今日の日本文化を形成しているのであります。また、資源の乏しい国家として原材料のほとんどを外国に依存している我が国の産業経済を支えているのは、我が国を中心とする海上輸送であう、その輸送量は世界の海上輸送量の二〇%にも達しております。
このように、我が国にとって海は我が国の産業経済、国民生活を支える重要な存在であり、今日の我が国あるは海との深いかかわりなしには語ることができません。
海洋法の秩序は、数百年以上にも及ぶ国際関係の歴史の中で形成されてきており、各国の政治、経済あるいは軍事上の権益の争いの中で、定着と変革を繰り返しながらその秩序も変遷し、それぞれの時代の国際関係の現実を反映しつつ、国際法上の権利義務を定めてきております。
第二次世界大戦後、国際連合は、一九五八年に第一次国連海洋法会議を開催し、ジュネーブにおいて海洋法四条約を採択しており、さらに一九七三年より開催された第三次国連海洋法会議においては、それまでの海洋法を補完しただけではなく、その基本的な枠組みを変え、将来を展望しつつ、十年の歳月を費やして一九八二年四月に画期的かつ包括的な国連海洋法条約を採択しております。一般的には海の憲法と呼ばれておりますが、本条約はむしろ海の国連憲章と呼ぶべき性格を有しており、我が国にとってこの条約の締結は極めて重要な意義を有するものと考えられます。
そこで、まず総理にお伺いします。
本条約が採択されて十四年を経過し、一九九三年十一月に発効要件が整い、さらに一九九四年十一月に発効して一年以上を経過して初めて条約締結の承認を求めて今国会に提出されたのでありますが、何ゆえに我が国の条約締結のための手続がこのように遅くなったのか、また、それによって国家としていかなる得失があったのか、御見解をお伺いいたします。
一般的にいいまして、我が国は、国際条約、国際協定の処理については、発効ぎりぎりになって、あるいは発効してから国会に承認を求めるということが間々あるように見受けられます。条約実施のための国内法整備、国際折衝等を考えると簡単にはいかないということも理解できないわけではありませんが、時が来れば何とかなるだろうという気持ちもあながち否定できないところではないかと思われます。
私は、このような重要な案件の処理についてはより一層積極的な姿勢で臨んでいただきたいと思いますが、外務大臣の御見解をお伺いいたします。
海洋大国である米国は条約の採択に反対したままいまだその態度を変えず、連合王国、ノルウェー等はいまだ条約を批准せず、いずれも条約の内容を実質的に取り込んだ国内法を制定して国家権益は確保するという、いわゆる条約のつまみ食いをしているという現実があります。
海洋大国についてこのような状況が放置されますと、それらの国による条約の規定の選択的、恣意的な行使により、海洋法条約の運営の安定を脅かすことも考えられます。国連海洋法条約締約国の一員として、我が国は今後それらの国々に対し何らかの働きかけをなすべきではないかと思いますが、外務大臣の御見解をお伺いいたします。
次に、領土問題であります。
北方領土問題はいまだロシアとの間で解決を見ないところであり、また、本条約の締結に当たって、竹島問題及び尖閣諸島問題についても外交上の重要案件として早急に解決を迫られております。我が国は、これまで外交的な場でこれらの領有権について機会あるごとに相手国に注意を喚起してきたところでありますが、これらの領有権については我が国の主張するところを明確に示して、我が国の国民はもちろん、国際的な世論にも訴えていかなければならないと思いますが、この問題についての御見解を総理及び外務大臣にお伺いいたします。
次に、本条約の実施に当たり直ちに問題になりますのは、竹島及び尖閣諸島の領有権問題であります。
まず、竹島問題については、これまで韓国政府との間で紆余曲折があり、この問題を国際司法裁判所で解決しようという我が国の提案については韓国側がこれを拒否するという姿勢を示し続けていることを考えると、国際司法裁判所による解決は極めて難しく、また、本条約の規定するところによって領土問題を解決することは不可能であるということを考え合わせると、竹島の領有権問題の解決には並々ならぬ決意と努力が必要でありますが、総理及び外務大臣の御見解と御決意をお伺いいたします。
韓国との交渉につきましては、総理は、竹島問題を切り離して漁業協定の締結を優先することに合意しているとのことであり、また、日中非公式漁業交渉において政府は領土問題を切り離して漁業交渉を進めようとしているとのことでありますが、領土問題の切り離しは、これに直接つながる領海及び排他的経済水域の設定にかかわる問題の解決を先送りして、将来、我が国の立場を一層困難なものにするのではないかと深く危惧するところであります。
領土問題を切り離して領海及び排他的経済水域の設定をどのように進め、この問題と深くかかわっている日韓・日中漁業交渉をどのように進めるのか、外務大臣と農林水産大臣の御見解をお伺いいたします。次に、我が国周辺水域における漁業問題であります。
今回、国連海洋法条約に基づく国内法によって、排他的経済水域において魚種別の漁獲可能量すなわちTACを定めることになっております。このTACを制定するに当たっては、当面これまでの漁獲実績を尊重するとのことでありますが、そのような対応ではTAC本来の目的を達成できるかどうか甚だ疑問に思うものであります。可能な限り速やかに、より科学的な資源調査に基づいてTACを決定できるよう、早急に調査体制及び海洋資源の適正配分体制の整備を進めるべきであると考えます。農林水産大臣の御見解をお伺いいたします。
さらに、今回の国連海洋法条約の締結に伴い我が国漁業にいかなる利益がもたらされるのか、また、失うところはないのか、それは我が国漁業者の最大の関心事であり、漁業者はさらに減船問題等が生ずるのではないかとの深い疑念を持つ向きもあると聞いておりますが、農林水産大臣の明快なる御答弁をお願いいたします。
次に、海底資源の問題であります。
我が国周辺海域における海底資源開発に関しては、例えば日中間の大陸棚の境界線の画定等、今後、鉱物資源の探査、開発及び管理を行っていくに際して解決を迫られている大きな問題が残されておりますが、これらの問題にどのように対応されるつもりか。また、深海底資源の問題については国際海底機構により管理されることになっており、今後の公平な運営が期待されているところでありますが、我が国はどのように対応されるのか、総理の御所見をお伺いいたします。
冒頭述べましたように、我が国の輸出入量は世界の海上輸送量の二〇%に達しておりますが、それらの大部分は外国籍船により輸送されており、また、多数の外国漁船が我が国周辺海域で操業しているという現実があります。
このような状況において、我が国周辺海域での密航者、密輸等の犯罪防止、漁業権益の確保、海洋環境の保護などのための監視・取り締まり海域が大幅に拡大することになり、海上保安庁のそのための体制の大幅な整備拡充が必要になってくると思われます。特に、海上保安庁の船艇等の機材を見ると老朽化したものも多々あり、現場の職員が荒れ狂う孤独な海で安心して任務につくことができますよう、機材の更新拡充はもちろん、人員増も不可欠であります。
海上保安庁の体制及びその活動について特に御理解の深い橋本総理は、これらについてどのような対応が必要であると考えられるか、御所見をお願いいたします。
それにしても、日本の海洋科学技術は米国、フランス等に比べおくれていると言わざるを得ない状況にあります。海洋科学技術の研究開発は、特に深海の資源探査、海洋汚染の監視、海洋環境の保護等から考えて重要な分野であり、我が国は重大な決意をもって対処しなければならないと思いますが、科学技術庁長官の御所見をお伺いいたします。
また、先般、偵察衛星についての議論がありましたが、一方で漁業資源の調査のための衛星の可能性についても話題になっているところであります。海洋汚染の防止及び海洋環境の保護という観点からの衛星の活用にも大きな効果が期待できると考えられますが、これらのための衛星の開発利用についてはどのように考えられるか、科学技術庁長官の御所見をお伺いいたします。
最後になりますが、私は、一人のヨット乗りとして、時に波のまにまに、風のまにまに海の上に漂うことを至上の喜びとしておりますが、海はまた海洋レジャーの場としても極めて重要であり、健全な海洋レジャーを通じて、より一層国民の生活が豊かになりますよう願うものであります。
四面海に囲まれた我が国にとり、海は国民の偉大なる共通の財産であります。ことしの七月二十日には、国民の祝日として初めての「海の日」を迎えます。国民の一人一人に海の重要性を認識していただけますように切に望みまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/16
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017・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 戸田議員にお答えを申し上げます。
まず、国連海洋法条約の締結手続が時間を要した理由及びその得失についてお尋ねがありました。
我が国を含む先進国は、この条約に規定する深海底開発制度が現実に合致していない、このことを理由として当初はこの条約の締結を控えておりました。その後、一昨年の七月、この深海底開発に関しまして同条約第十一部の実施に関する協定が採択されまして、この結果として先進国を含む国際社会の大勢が同条約を締結する道が開かれましたことから、政府としても、条約及び実施協定を早期に締結すべく、現在、御審議をお願いしているところであります。
非常に大部な条約であり、その内容も、議員御指摘のように、海洋の利用に関して包括的に規定したものでありますために、国内法の整備を含め、相当の準備作業のための期間が必要であったことは御理解をいただきたいと存じます。
次に、領有権問題について御意見がございました。
政府としては、北方領土問題を解決しながら平和条約を締結し、日ロ関係の完全な正常化を達成する方針であります。
竹島の領有権に関し、我が国の立場は一貫したものであり、韓国側にあらゆる適当な機会をとらえて我が方の立場を申し入れるなど外交努力を続けてまいりました。これからも同様であります。
また、尖閣諸島につきましては、これは我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法的にも疑いのないことでありますし、現に我が国が有効にこれを支配いたしております。したがって、中国との間に尖閣諸島の領有権をめぐって解決すべき問題はそもそも存在しておりません。このような政府の立場につきましては、今後とも我が国及び国際社会での御理解と支持を得るよう努力を継続していく所存であります。
次に、竹島の領有権問題の解決についての御意見をいただきました。
竹島の領有権問題についての我が国の立場は一貫したものであります。しかし、同時に、この問題に対する日韓両国の立場の相違というものが両国民の感情的な対立に発展し、両国の友好協力関係を損なうことは私は適切ではないと考えております。あくまでも韓国と友情を持って話し合える状況を保つように努力することが必要であり、今後ともに両国間で冷静に話し合いを積み重ねて努力してまいります。
次に、我が国の周辺海域における海底資源の開発につきましては、我が国としては、国連海洋法条約の大陸棚の天然資源の開発等に関連する規定などを踏まえながら、沿岸国に認められる権利を適切に行使してまいります。
また、日中間の大陸棚の境界画定の問題につきましては、日中両国関係などを総合的に判断をしながら適切に対応してまいります。具体的には、日中間の大陸棚の境界画定は、中間線原則を基本としながら、両国間の話し合いによって行うべきものだと考えております。
次に、国際海底機構に対する我が国の取り組みという御意見がありました。
我が国は、議員よく御承知のとおり、この機構の理事国であります。この理事国として、深海底資源が人類の共同の財産であることを踏まえ、その探査及び開発が人類全体の利益のために行われるよう、この機構の運営に積極的に参加してまいる所存であります。
最後に、海上保安庁の巡視船艇、航空機等の体制整備についての御意見をいただきました。
ふだん国民の目に触れにくい勤務でありますだけに、この御指摘に心からお礼を申し上げます。
今回の国連海洋法条約の批准に伴いまして、外国漁船の取り締まり、海上環境汚染事犯への対応など、海上保安庁の業務は質的にも量的にも非常に大きく拡大をいたします。海上保安大学校、海上保安学校における人材の養成はもとよりでありますが、近代的な装備を有する高性能な巡視船艇、航空機などの整備を計画的に進めていき、海上保安庁の業務執行体制の一層の充実を図っていくことは急務であると考えており、御支援を心から願う次第であります。
残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣池田行彦君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/17
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018・池田行彦
○国務大臣(池田行彦君) 戸田議員の私に対する御質問は五つありましたが、そのうち領土問題にかかわる二問につきましては総理から御答弁がございました。私も同様の決意で臨んでまいります。
次に、一般に条約、協定の国会提出等について、より積極的な姿勢で臨むべきではないかという御指摘でございました。今後とも、条約の目的や意義、内容、国内法制との整合性などいろいろ勘案しながら、早期締結が適当と考えられ国会の御承認を必要とするものにつきましては、できるだけ早期に国会に提出するよう努力してまいります。
次に、条約未締結の海洋大国にかかわる問題でございますが、本条約は国際社会における安定した海洋の法的秩序の確立に資するものでございまして、我が国といたしましては、この条約をなるべく早く締結した上で、有力な海洋国家を含め未締結の国に対しまして働きかけをしてまいる所存でございます。
最後に、竹島、尖閣諸島の領土問題と切り離して領海及び排他的経済水域の設定はどのように進めるのかということ、また、このこととかかわる韓国、中国との漁業交渉の進め方いかんという御質問でございました。
領海につきましては、従来から、領海法に基づきまして、基線から測定して原則十二海里、この幅で定めております。また、排他的経済水域につきましては、今般提出した関連法案に明らかなとおり、その設定に当たりまして一部水域を除外するということは行っておりません。
境界の画定につきましては、韓国との関係では、双方にとって受け入れ可能な合意を達成すべく鋭意努めてまいる所存でございます。
中国との関係におきましては、今後、必要があれば境界画定につき協議を行ってまいりますが、いずれにいたしましても、中国との間で解決すべき領土問題はないというのが我が国の立場でございます。
なお、韓国との間では五月の九日、十日に、また、中国との間では四月上旬に協議を始めたということは先ほども御答弁申し上げましたが、今後も精力的に協議を進めてまいる所存でございます。(拍手)
〔国務大臣大原一三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/18
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019・大原一三
○国務大臣(大原一三君) お答え申し上げます。
日韓・日中漁業交渉についてでありますが、ただいま外務大臣からもお答えがあったところでありますが、私といたしましても、韓国、中国との漁業関係に関しましては、新たな漁業協定が早期に締結されることとなるよう、せっかく鋭意努力をしてまいる所存でございます。
次に、漁獲可能量の決定と配分についてのお尋ねでございますが、漁獲可能量決定の基礎となる情報を得るために、従来から隣国韓国とも資源調査を積み重ねてきたところでありますが、今後とも資源調査の充実に努めてまいる所存であります。
漁獲可能量の配分に当たっては、議員御指摘のとおり、科学的なデータを踏まえるとともに、漁業者等関係者の意見が十分配慮されるよう、中央漁業調整審議会と都道府県の意見を十分にお聞きすることにいたしております。
なお、海洋法条約の締結による我が国漁業に対する影響についてのお尋ねでありますが、この条約に基づいて的確な資源管理を推進することは、御指摘のとおり、極めて重要なことであります。そのためにも、韓国、中国との間で漁業交渉を早期に推進する必要があります。我が国が漁業締約国となってこの条約に基づく立場に立つことが十分かつ必要な条件だと思っております。
なお、漁獲可能量による資源管理の導入に当たっては、社会的、経済的要因を考慮し、漁業者が経営上大きな影響を受けることがないように、漁協、県等の御意見を拝聴しながら、御指摘のとおり、努力をしてまいるつもりでございます。(拍手)
〔国務大臣中川秀直君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/19
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020・中川秀直
○国務大臣(中川秀直君) まず、海洋科学技術の研究開発についてお尋ねがございましたが、海洋は食料、鉱物等の膨大な資源を持っておると同時に、豊富なエネルギーと広大な海洋空間の利用についても大きな可能性を有しております。
四方を海に囲まれた我が国にとりまして、その研究開発の基礎となる海洋科学技術の推進は極めて重要である、このように認識しております。
このため、二十一世紀に向けた地球規模の海洋調査研究を進めるという海洋開発審議会の答申に示された基本方針を踏まえまして、関係省庁が連携して、今、推進をしているところでございます。
このたびの国連海洋法条約は、海洋の科学的調査に関する国際的な法秩序の安定に資するものでございまして、これにより海洋の調査研究の一層の推進が期待される、このように考えております。
この中で、科学技術庁においては、海洋の実態解明を目指した研究、その基盤となる技術の開発、この二点に重点を置きまして海洋科学技術の推進を鋭意図っているところでございます。
特に、海洋科学技術センターの有する一万メートル級無人探査機「かいこう」、また、有人潜水調査船「しんかい六五〇〇」及び世界最大級の大型海洋観測研究船「みらい」は世界最先端を行くものであり、各国から注目を浴びているところでもございまして、今後とも積極的に取り組んでまいります。
次に、漁業資源の調査、海洋環境の保護等の観点からの衛星の開発利用についてお尋ねがございました。
人工衛星の利用は、広範な区域の海洋現象の長期間にわたる観測を可能にいたします。そして、海洋環境の状況把握や漁場探査等についても非常に有効なものであると認識をしております。
このような観点から、これまでにも我が国の海洋観測衛星によって観測を実施してまいりましたが、今後も、本年の夏に打ち上げ予定の地球観測プラットホーム技術衛星、ADEOSと申しておりますが、それとまた、平成十年に打ち上げ予定の環境観測技術衛星ADEOSⅡ等を用いまして海洋現象の観測を推進することとしております。
こうした衛星に搭載した観測装置で海洋表面の水温や水色の分布をグローバルに高頻度で観測すること等によりまして、潮目やプランクトン量等の把握も可能になり、漁場探査や海洋環境の状況把握への応用が期待されるわけでございます。
今後ともこうした人工衛星の開発利用を積極的に推進いたしまして、漁業資源や海洋環境の調査を含む海洋分野においてもその利用が幅広く進むように取り組んでまいります。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/20
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021・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 須藤美也子君。
〔須藤美也子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/21
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022・須藤美也子
○須藤美也子君 私は、日本共産党を代表して、海洋法に関する国際連合条約及びそれに関連する法律案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
海洋法条約は海の憲法とも呼ばれています。地球表面の七割を占め、人類生存に不可欠な海洋の利用について、国際的な新しい指針が条約として明文化された意義は極めて大きいものがあります。
海洋法条約が十四年前に採択された背景には、沿岸国の経済主権を守るとともに、海を人類共同の財産として活用していこうとする世界の大きな流れがありました。残された問題はあるものの、この条約の批准を機に、世界の平和とすべての国の経済的発展に貢献できる海洋の秩序確立に努力すべきであります。そのために、日本政府としては、特に海洋を平和的に利用し、資源や海の環境を豊かに守り続けられるよう、対策を抜本的に強化すべきではありませんか。
まず、我が国として、二十一世紀を展望し、条約批准に当たって、総理の基本的な認識を伺います。
次に、私は、海洋法条約について、政府の姿勢、対応に関する幾つかの問題点について質問いたします。
第一に、条約は、その前文で海洋の平和的利用について明記し、第八十八条では「公海は、平和的目的のために利用されるものとする」と定めています。
ところが、現在、日本周辺の海域では、高知県沖、沖縄周辺を初め広大な部分が米軍の演習場となり、漁獲の自由が奪われ、近くを通る漁船の安全も脅かされています。その上、さきの日米安保共同宣言で日米軍事演習が一層強化されるなら、漁業などに重大な被害をもたらすことは明白であります。こうした事態は、条約の平和利用の精神を逸脱するものとして到底許すことはできません。これまでも我が党は、我が国周辺海域に設定している軍事演習場の撤去を強く要求してきましたが、この際、政府は直ちに全面撤去させるよう取り組むべきであります。総理の答弁を求めます。
また、核兵器積載艦船の我が国領海における無害通航について、これまで政府は、我が国の平和と安全に害があり無害通航とは認めないと答弁してきました。この条約でも、核兵器積載艦船の我が国領海通航は、平和、秩序または安全に害があるとする立場に変わりはないはずですが、どうですか。そうである以上、海洋法条約を審議した第三次海洋法会議で、核兵器の積載を、沿岸国の平和、秩序または安全を害するものとされる事例として日本政府はなぜ明確に主張しなかったのですか。
さらに、非核三原則を貫く以上、米軍を含むすべての核兵器積載艦船は我が国領海の無害通航として認めない旨この本会議場でしかと明言するよう、総理の答弁を求めます。
第二の問題は、海洋法条約で保障されている二百海里排他的経済水域が、その実施の方向に進んだとはいえ、依然として韓国、中国に対して当面適用除外が続くことであります。せっかく海洋法条約を批准しても、二百海里の枠組みとは異なる現行の日韓・日中漁業協定がある限り、二百海里制度の発動はできないのであります。
去る二月二十八日の全国漁民大会では、長崎県の主婦が、「沖には無謀な操業を繰り返す韓国、中国漁船がいっぱい。明かりをたいてやっと集めた日本漁船のイカをねらって突進してくるトロール漁船。水揚げだけでなく、今まで危ないのです。送り出す家族は心配で夜も眠れません。魚価は安く借金はふえ、息子に「何のために遠く家を離れて辛抱しているのかわからんな、母ちゃん」と言われると母親としてもたまらなくなります」、このように切々と訴えていました。
総理は、早期に条約の趣旨を踏まえた新協定ができるよう努力すると答弁しています。しかし、今、重要なことは、日本、韓国、中国がともに海洋法条約を批准するという今日の新たな段階に至り、現行の日韓・日中漁業協定は廃棄し、二百海里実施のための新協定をつくるという態度を鮮明にして交渉することではないでしょうか。事は、水産資源を守り、国民の食料にかかわる重大な問題であります。総理、毅然とした姿勢を示してください。明確な答弁を求めます。
政府が当面、韓国、中国へ適用除外期間を設けるとしているその間でも、漁具などへの被害や乱獲も進みます。漁民や漁業関係者は、死活にかかわる切実な問題として、もはやこれ以上二百海里適用のおくれを待てないのです。違反操業や無謀操業を抑えるよう、どう対策をとるのでしょうか。また、被害が出た場合、これまで漁具補償などに対して相手国からはスズメの涙の見舞金しか支払われておりません。政府が責任を持って万全の補償対策を行うべきではありませんか。農水大臣、また、外国漁船取り締まりの関係で運輸大臣の見解をお聞きするものであります。
第三に、海洋の生物資源の保存や効果的利用という点に関連して、日本の水産物輸入の問題について伺います。
沿岸に帰ってきたサケが二束三文で買いたたかれ、ホタテがあり余ったりしています。一方でマグロの資源が少なくなるなど、世界各地で水産資源の衰退が問題になっています。これは日本の野方図な水産物輸入が大きな要因ではありませんか。我が国の水産物輸入額は全世界の三二%に当たる一兆七千億円にも及んでいます。本来、豊かな漁場である日本周辺の資源を大切に利用し、世界の資源に悪影響を及ぼさないよう、国内漁業の振興を優先とした政策を推進するべきではありませんか。農水大臣の答弁を求めます。
また、輸入増による国内産業への重大な損害防止のため、セーフガードの発動はWTO協定で認められている緊急な輸入制限措置ですが、政府は、数字的に輸入急増と言える事実がないと答え、その発動は困難との姿勢をとっています。しかし、水産物輸入の増大によって重大な損害が及んでいるからこそ、北海道や東北など多くの自治体でセーフガードの発動を求める決議を上げているのではありませんか。総理及び農水大臣、真剣に検討するよう強く求めます。
最後に、日本共産党は、国民に新鮮で豊かな水産物を供給する日本の漁業を立て直すとともに、海を人類の共同の財産として活用する方向を目指し、核も軍事利用もない平和な海、豊かな青い海を次の世代に引き継ぐために全力を尽くすことを表明して、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/22
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023・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 須藤議員にお答えを申し上げます。
まず、海洋の平和的利用、資源、環境の保護の強化に関する御意見がありました。政府としては、海洋の平和的利用、海洋資源の衡平かつ効果的な利用、海洋環境の保護保全の促進につきましても規定している国連海洋法条約を早期に締結し、国際社会全体の利益に貢献していきたいと考えております。
次に、我が国周辺海域に設定されている米軍の演習場につきまして、政府としては、我が国の安全確保のために日米安全保障条約を堅持していく所存でありますし、この条約の目的達成のために必要ないわゆる海上演習場の撤去などを行う考えはありません。
次に、核搭載艦についての御質問でありますが、我が国は、核搭載艦の我が国領海通航は無害通航とは認めないとの立場を今後ともとっていく所存であります。
国連海洋法会議における我が国の姿勢についての御意見をいただきましたが、我が国の基本政策である非核三原則を条約の規定との関係で維持できなくなるようなことがあってはならない。十分な注意を払ってこの会議に臨んだ次第であります。そして、これまでも申し上げてまいりましたとおり、国籍にかかわらず核搭載艦の我が国領海通航は無害通航とは認めないという立場であります。
日韓及び日中漁業協定についてのお尋ねでありますが、両国との協議により、国連海洋法条約の趣旨を十分踏まえて、新たな漁業協定が早期に締結されることとなるよう鋭意努めてまいります。
最後に、水産物のセーフガードの発動について御意見がありましたが、セーフガード措置は、輸入急増による国内産業への重大な損害の防止などのためにWTOの協定上認められた緊急措置でありますが、輸入急増の事実がないことなどから、現時点での発動は困難と考えております。
残余の質問は、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣亀井善之君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/23
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024・亀井善之
○国務大臣(亀井善之君) 須藤議員にお答え申し上げます。
海上保安庁としては、韓国、中国などの外国漁船による領海侵犯操業などの違反操業に対しては、今後とも関係法令等に従って厳格に対処してまいる所存であります。
また、日韓・日中間の漁業共同委員会の場などにおいて、関係国に対して指導強化を行うよう要請してまいることとしております。(拍手)
〔国務大臣大原一三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/24
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025・大原一三
○国務大臣(大原一三君) お答えいたします。
違反操業対策についてでありますが、ただいま運輸大臣からもお答えのありましたとおり、我々としても、引き続き監視・取り締まりの強化を図りながら、機会あるごとに韓国、中国に対して操業秩序維持の要請を行ってまいりたいと思います。
漁具被害につきましては、民間の取り決めに基づいて損害賠償の協議により処理されることとしておりますが、政府としてもこれに対する支援措置を講じております。
国及び漁業者団体が拠出して造成された基金によりまして、従来より、被害漁具の復旧や再取得などに必要な資金の金利の引き下げを行い、被害漁業者の経営安定に努めてまいっております。
第三番目に、国内漁業の振興につきまして、新たな海洋秩序に対応した的確な資源管理を実施し、あわせて、つくり育てる漁業を推進することによりまして、できる限り国内生産の維持増大に努めてまいりたいと思います。
セーフガードの発動につきましては、ただいま総理から御指摘がございましたが、主として養魚用のえさとなる魚粉を除きまして、その増加率はセーフガードを適用する水準にはただいまのところ達していないと思いますので、今後ともその輸入状況を十分注視してまいりたいと考えております。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/25
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026・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/26
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027・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 日程第一 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長菅野壽君。
―――――――――――――
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
〔菅野壽君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/27
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028・菅野壽
○菅野壽君 ただいま議題となりました法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本法律案は、地方公務員の災害補償に関する不服申し立てについて、審査請求後三カ月を経過しても地方公務員災害補償基金支部審査会の決定を得られない場合に、本部審査会に対する再審査請求を可能とする規定の創設、本部審査会の委員を増員する等の審査体制の整備、再審査請求後三カ月を経過しても裁決がないときの処分の取り消しの訴えに関する規定の整備等を行おうとするものであります。
委員会におきましては、審査処理の迅速化、公務災害の予防対策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
質疑を終局したところ、日本共産党を代表して有働委員より、審査請求後三カ月を経過しても決定のない場合等に訴訟を提起することができるものとする修正案が提出されました。
次いで、順次採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/28
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029・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/29
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030・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/30
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031・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 日程第二 電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案
日程第三 通信・放送機構法の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上両案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長及川一夫君。
―――――――――――――
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
〔及川一夫君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/31
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032・及川一夫
○及川一夫君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律案につきましては、電気通信による情報の流通の円滑化のための基盤の充実を図るため、信頼性向上施設に有線テレビジョン放送業に係る施設を加えるとともに、高度通信施設整備事業または高度有線テレビジョン放送施設整備事業を実施する者に対する通信・放送機構の助成金交付の対象範囲を拡大する等の改正を行うものであります。
次に、通信・放送機構法の一部を改正する法律案につきましては、高度通信・放送研究開発の一層の推進を図るため、通信・放送機構の業務に高度通信・放送研究開発に係る債務保証の業務を追加するとともに、同機構が行う高度通信・放送研究開発を委託により実施することができるようにする等の措置を講ずるものであります。
委員会におきましては、両法律案を一括して審査し、通信・放送機構の業務実績と今後の役割、公的分野を重視した情報通信基盤の整備、研究開発における官民の役割分担、情報通信における安全性の確保等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して上田委員より両法律案に反対する旨の意見が述べられました。
討論を終わり、順次採決の結果、両法律案は多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、両法律案に対し、それぞれ多数をもって附帯決議を行いました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/32
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033・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより両案を一括して採決いたします。
両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/33
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034・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
よって、両案は可決されました。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十一分散会
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02219960531/34
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