1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成八年六月七日(金曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第三十六号
平成八年六月七日
午前十時開議
第一 海洋法に関する国際連合条約及び千九百
八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連
合条約第十一部の実施に関する協定の締結に
ついて承認を求めるの件(衆議院送付)
第二 領海法の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
第三 排他的経済水域及び大陸棚に関する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
第四 海上保安庁法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
第五 排他的経済水域における漁業等に関する
主権的権利の行使等に関する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
第六 海洋生物資源の保存及び管理に関する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
第七 水産資源保護法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
第八 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法
律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
第九 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規
制に関する法律及び放射性同位元素等による
放射線障害の防止に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第一〇 特定非常災害の被害者の権利利益の保
全等を図るための特別措置に関する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
第一一 厚生年金保険法等の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
第一二 医薬品副作用被害救済・研究振興調査
機構法の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
第一三 私的独占の禁止及び公正取引の確保に
関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
第一四 地方自治法第百五十六条第六項の規定
に基づき、公正取引委員会事務局の地方事務
所の管轄区域の変更及び支所の設置に関し承
認を求めるの件(衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、海上運送法の一部を改正する法律案(趣旨
説明)
一、日程第一より第九まで
一、国連海洋法条約の実施に伴う体制の確立等
に関する決議案(野沢太三君外九名発議)(
委員会審査省略要求事件)
一、日程第一〇より第一四まで
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/0
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001・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
この際、日程に追加して、
海上運送法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/1
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002・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。亀井運輸大臣。
〔国務大臣亀井善之君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/2
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003・亀井善之
○国務大臣(亀井善之君) 海上運送法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
近年の急激な円高の進行等により日本船舶の国際競争力が低下した結果、その数は急激に減少しております。しかしながら、日本船舶は、便宜置籍国の政情等に左右される危険性の回避、船舶の運航管理に関するノウハウの維持及び発展等の観点から、我が国の安定的な国際海上輸送の確保に重要な役割を果たしており、このような海上輸送を担う質の高い日本船舶の海外流出を防止すべく、有効な歯どめのための方策を講じ、これを維持していくことが必要となっております。
以上のような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第であります。
次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
第一に、日本船舶を一律に対象とした海外への譲渡及び貸し渡しの許可制を、安定的な国際海上輸送の確保上重要な一定の船舶、すなわち国際船舶を対象とする事前届け出制に改めることとしております。
第二に、運輸大臣は、安定的な国際海上輸送の確保を図る上で著しい支障が生じるおそれがあると認めるときは、国際船舶の譲渡及び貸し渡しの届け出を受理した日から二十日以内に限り、その届け出をした者に対し、当該譲渡または貸し渡しの中止その他必要な措置を講ずべきことを勧告することができることとしております。
第三に、運輸大臣は、安定的な国際海上輸送の確保を図るため、日本船舶の確保に関する調査及び研究を行うとともに、国際船舶を所有する者に対し必要な情報の提供、助言その他の援助を行うよう努めなければならないこととしております。
なお、国際船舶に対しては、登録免許税及び固定資産税の特例措置が講じられることとなっており、このりち本法律案においては固定資産税について地方税法の所要の改正を行うこととしております。
以上が海上運送法の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/3
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004・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。横尾和伸君。
〔横尾和伸君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/4
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005・横尾和伸
○横尾和伸君 私は、平成会を代表して、ただいま趣旨説明のありました海上運送法の一部を改正する法律案について、橋本総理並びに関係大臣に質問いたします。
趣旨説明にもありましたように、今回の問題は、世界有数の海運国である我が日本において日本籍の商船の海外流出が急激に進行していることであり、適切な対処をいかに行うかが問われているのであります。
海外流出の急激な進行は十年前から明確になっている傾向であり、余りの顕著さに、空洞化を通り越して真空化とまで言われております。これはいわば外航海運の分野での自由競争の結果でありますが、これに対し政府は、自由競争の例外的な措置としてブレーキをかけることを決め、このための措置を具体化したもののようであります。
私がまず申し上げたいことは、真空化にブレーキをかけるという明確な政策判断がありながら、その内容は有効な方策と言えるのか、大きな疑問を持たざるを得ないということであります。
すなわち、改正案により新設しようとしている国際船舶制度の唯一の柱は、海外譲渡等の届け出制であります。これは現行法の強い規制力のある許可制をあえて届け出制にしたものであり、制度上の緩和である反面、行政権限の大幅な強化なのであります。しかし、行政の裁量権を大幅に強化するのには問題があり、時代錯誤と言うべきであります。
また、国際船舶制度の唯一の枝葉は、わずかばかりの税制措置であります。例えば、登録免許税を現行の四分の一とすることが目玉になっておりますが、これは日本船舶として新規登録の際の初年度のみの課税であります。新規登録の対象船舶自体がほとんどなくて困っているというのが問題なのであり、これはほとんど空振りになるのであります。
重ねて申し上げますが、改正案は、新たに設ける国際船舶制度によって日本船舶の海外流出を防止しようというものでありますが、この制度は、ただ一本の柱すなわち届け出制と、ただ一本の枝葉すなわちほとんど空振りの税制措置から成っております。柱も枝葉も、今申し上げたように、実に情けない内容なのであります。問題の先送り以外の何物でもありません。
我が国は、食糧、石油などの基本的な生活物資の輸入を初めとして多くの貨物を外航海運に依存している海運国であり、全世界の輸送量の約二割が日本発着貨物となっております。そして、日本商船グループはこのうちの八割の輸送を担う大事な役割を果たしております。しかし、日本商船グループは、総隻数こそおおむね二千隻前後で推移しておりますが、日本籍のいわゆる日本船舶はこの十年間で隻数で約二〇%にまで減少し、残りはすべて外国からのチャーター船という状況になっております。
プラザ合意前の一九八五年に千二十八隻あった日本船舶は、九五年には二百十八隻、九六年四月には百九十六隻と既に二百隻を割り込んでおります。外航海運に従事している日本人船員も、八五年の二万五千人から十年後の九五年には五千六百人に急激に減少しております。
このような日本船舶等の減少が続く要因は、近年の急激な円高のほか、諸外国と比べた日本船舶の維持・運航コストの高さなどが挙げられています。九五年の海運白書にも、日本人船員はアジア人船員より一人当たり年間一千万円のコスト高になっているとの指摘があります。
このまま日本船舶の海外流出の趨勢が続けば、二〇〇〇年には日本船舶は百隻未満、日本人船員も四千人を下回ると予想されており、我が国の外航海運はまさに空洞化の状態を通り越し、真空化と言われる深刻な状態になると言えるのであります。貿易物資の安定的輸送手段の確保、船舶運航技術等に係るノウハウの維持、さらに大災害や事故等の不測の事態に対処すべき危機管理の観点からも、この真空化の問題を真正面からとらえなければなりません。
このような観点から、改正案を中心に、以下具体的にお尋ねします。
まず初めに、外航海運における日本船舶の占める割合がこの十年間に五分の一にまで減少してしまったという事態を総理及び運輸大臣はどのように認識し、分析されているかについてお尋ねします。
また、日本船舶の海外流出を防止すること自体は本当に必要と考えているのか、総理及び運輸大臣に確認のためあえてその基本認識を伺います。また、必要であるならば、その理由も重ねて伺います。
政府は、今回の改正案で日本船舶の海外流出防止のための新たな施策を打ち出し、日本船舶の減少に歯どめをかけようとしていますが、今回の法改正により日本船舶の海外流出がどの程度防げると考えておられるのか、総理及び運輸大臣の見解を伺います。
今回の改正案では、せっかく国際船舶制度を創設しながらその中身は、税制面において、登録免許税を価格の千分の一に、固定資産税を簿価の十五分の一に軽減することにとどまっております。
税制面での優遇策として、運輸省は当初、日本船舶に係る登録免許税と固定資産税をともに非課税に、日本人船員の所得税と住民税をともに非課税として雇用主に還元する施策を要求しておりました。私は、最低限これぐらいの思い切った税制上の優遇措置を講ずることが必要と思いますが、残念ながらこの要求は実現には至りませんでした。
そこで、大蔵、自治並びに運輸の各大臣に、なぜ運輸省の当初案が実現に至らず骨抜きになってしまったのか、その理由をお尋ねします。次に、外国人船員との運航コスト差に対する助成策について伺います。
運輸省は、当初、この助成策として今年度六億円の予算要求をしておりましたが、これも財政当局との事前折衝で、国際船舶制度等の今後のあり方に関する調査費という形で二千万円が認められたにすぎませんでした。時間を争う重要かつ深刻な問題に、今さら調査費でお茶を濁そうとでも言うのでしょうか。大蔵、運輸両大臣に伺います。
欧州諸国が、船員の所得税の免除、固定資産税、登録免許税の非課税化、財政上の助成措置など手厚い保護を行っているのに対し、我が国はわずかばかりの税制措置を行うだけで、余りにも内容が乏しいと思いますが、このような欧州諸国との格差は運輸当局者の能力の違いによるものか、財政当局者の理解力の違いによるものか、ぜひ総理及び運輸大臣の認識をお伺いしたいと思います。
ところで、現行法では日本船舶の譲渡等は運輸大臣の許可制となっており、これを改正しようとしているわけですが、許可制ではなぜいけないのか、また、実際に許可しなかった事例はあるのか、事例がなければその理由を運輸大臣に伺います。
今回の改正では、日本船舶の海外への譲渡等を届け出制とした上で、運輸大臣は著しい支障が生ずるおそれがあると認めるときはその中止を勧告することができることとなっていますが、どうも話が逆のような感じがいたします。規制緩和の時代とはいえ、大事な日本船舶の譲渡等を届け出制にするのは納得がいきません。むしろ規制を強化することによって流出防止を図らなければならないのであります。また、中止勧告発動の要件も抽象的でよくわかりません。運輸省は本当に中止勧告が出せるのでしょうか。また、一たん出された中止勧告が無視された場合の罰則規定はないのですが、この場合はどのように措置するのでしょうか。運輸大臣の明快な答弁を求めます。
海運業界に対する政府の助成策とともに、海運業界自体のリストラも必要でありますが、外航海運の空洞化の中で、船員の人材確保育成をどのように図っていくかも大きな課題であります。国際船舶制度を創設しても、乗組員が船長、機関長等の幹部職員だけになれば若者にとって魅力ある職場とはなり得ず、長期的に見て優秀な人材は確保できません。これら人材確保の課題に対する運輸大臣の見解を伺います。
最後に、本年の七月二十日は「海の日」として国民の祝祭日となる最初の年であります。そこで、せっかく設けた「海の日」の意義を明確にするためにも、国際船舶制度の実効性を確保し、真空化にブレーキをかけることが重要であり、税制措置、雇用助成等の対策を盛り込んだ総合的な特別立法を次期臨時国会にも提出し、成立させるべきだと思いますが、このことについて総理及び運輸大臣のお考えを伺います。
今、直面している日本船舶の急激な海外流出の問題については、もはや先送りは許されない状況になっております。
消費税問題や戦後処理問題などなど、問題の先送りばかりに終始した村山内閣の後を受けたとはいえ、橋本内閣が問題先送りの伝統までしっかり引き継ぐのはいかがなものでありましょうか。問題の先送りがいかに事態を深刻化させ、国民の利益を損なうかは、住専処理問題で政府は十分に学習しているはずであります。問題の先送りは取り返しのつかない大罪につながることがあるのです。まだ懲りないのでしょうか。
しかるに、橋本内閣は、今国会の冒頭に公言した行政改革、規制緩和の推進など次から次へと問題を先送りするばかりであります。今回提案の海上運送法もしかりであります。もちろん、政府の住専処理策もしかりであります。責任の明確化などの中心課題の解決を避けて、さらに今後十五年間もかけた特異な処理方法により、問題を先送りしているのであります。問題隠しに加え、問題先送りの典型例なのであります。これでは橋本内閣は問題先送りを専門とするベルトコンベヤー内閣と言わざるを得ないのでありますが、いかがでありましょうか。
本件に関し、問題の先送りを率直に認めるのであれば、追加措置としていつまでに何をどのようにするかを明確にするべきであります。また、問題の先送りではないと強弁するのであれば、一応政策通を看板にしている橋本総理は、言葉少なに逃げ腰になるのではなく、陣頭に立って堂々と政策論争の論陣を張るべきであります。このことをあえて申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/5
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006・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 横尾議員にお答えを申し上げます。
まず、日本船舶が減少している事態の認識などについてお尋ねがありました。
大幅な円高の進展、船員コストの内外価格差などにより、日本船舶の国際競争力が低下をいたしました結果、海外への移籍などによる減少が急激に進行しております。このような中で、島国であり貿易立国である我が国にとりまして、貿易物資の安定輸送の面で重要な意義を持つ日本船舶を確保することは重要な課題だと考えております。
日本船舶の海外流出の防止の必要性についてお尋ねがありました。
日本船舶は、貿易物資の安定輸送手段の確保、船舶運航のノウハウの維持などの観点から、我が国の安定的な国際海上輸送に重要な役割を果たしていることから、その急激な減少を防止し、維持していくことは重要だと考えています。今回の政府案による日本船舶の海外流出の防止の効果につきましては、この改正は、国際船舶についての税制上の措置を具現化するとともに、その海外流出に有効な歯どめをかけるものでありまして、定量的に申し上げることは困難ですけれども、事業者の自主的努力と相まって、日本船舶の海外流出の防止に相応の効果があると考えております。
次に、欧州諸国における国際船舶制度との格差につきましては、欧州諸国におきましては、自国籍船及び自国船員の維持のための施策として国際船舶登録制度等が設けられておりますけれども、その支援措置の内容は、船員の配乗要件、財政、税制制度などの国情に応じてさまざまでありまして、我が国においてそのまま当てはめることは必ずしも適切ではないと思っております。
国際船舶制度に関する総合的な特別立法を提出すべきだという御指摘をいただきました。
今回の措置は国際船舶に関する制度の第一歩と考えておりまして、これを出発点として制度の円滑な実施とさらなる拡充に向け、広く関係者のお知恵を拝借しながら、今後必要となる方策に取り組んでまいる所存であります。
残余の御質問につきましては、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
〔国務大臣亀井善之君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/6
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007・亀井善之
○国務大臣(亀井善之君) 横尾議員にお答えをいたします。
まず、日本船舶が減少している事態についてのお尋ねでありますが、我が国外航海運においては、近年、海外への移籍等による日本船舶の減少が急激に進行していることは事実であります。
日本船舶は、現在、隻数は十年前の約二〇%に、総トン数は約四〇%に減少しているところであります。これは近年の大幅な円高の進展等が船員コストの内外価格差等に拍車をかけていることにもよるものと考えております。海洋国であり貿易立国である日本の将来を考えれば、積極的な取り組みが必要であると認識しております。
次に、日本船舶の海外流出を防止することの必要性でありますが、海上輸送への依存度が高い我が国にとって、貿易物資の安定輸送の確保、船舶運航管理に関するノウハウの維持、さらには海事関係国際基準の設定等に関する発言力の確保等の観点から日本船舶は大きな意義を有するものであり、その維持が必要であると認識しているところであります。
次に、今回の政府案で日本船舶の海外流出がどの程度防げるかということについてでありますが、今回の改正は、平成八年度税制改正において、国際船舶について登録免許税及び固定資産税の特例措置が認められたところであり、これを具現化するとともに、その海外流出に有効な歯どめを講ずるものであります。定量的に効果を申し上げることは困難でありますが、こうした支援措置と事業者の自主的努力が相まって相応の国際競争力を持つことにより、日本船舶の海外流出の防止に効果があると考えております。
次に、税制上の優遇措置についてのお尋ねでありますが、平成八年度税制改正においては、国際船舶に対する登録免許税及び固定資産税等についての税制上の特例措置が認められたところであります。
なお、日本人船員免税制度については、我が国の税制における整合性等について真剣な議論を行ったわけでありますが、実現するに至らなかったものであります。
また、外国人船員との運航コスト差の助成策を予算要求し、また、これを認めなかった理由についてでありますが、平成八年度概算要求においては、日本船舶の国際競争力の低下の大きな要因となっている船員のコストに着目した支援を要求いたしました。しかしながら、なお関係者間で検討、調整すべき課題が残されていることから、平成八年度予算については、我が国の税制改正等の実施状況、効果を踏まえつつ、今後の国際船舶制度の本格的実施に向けて、同制度を円滑に実施し拡充していくために必要となる方策について、関係者間の調整を図りつつ、さらに議論を深めていくための所要の予算が認められたところであります。
また、欧州諸国の行っている国際船舶制度との格差についてでございますが、海外への移籍による自国籍船の減少は先進国に共通した現象であり、欧州諸国の例を申し述べると、ドイツ、ノルウェー、デンマークにおいて国際船舶登録制度が設けられているほか、英国、フランス、オランダ等で自国籍船及び自国船員に対する支援措置が講じられております。しかしながら、その支援措置の内容は、船員の配乗要件、税制、財政制度等の国情に応じてさまざまであることから、我が国においてそのまま当てはめることが必ずしも適切ではないことによるものであります。
従来の許可制ではなぜいけないのか、実際許可しなかった事例はあるのか等についてのお尋ねでありますが、現行法においては日本船舶の海外譲渡等を許可に係らしめておりますが、その一方で許可要件として、船腹の供給が需要に対し著しく不足にならず、かつ海運の振興に著しく支障を及ぼすことにならない限り許可しなければならないこととなっております。我が国に出入港する船舶の現状等から見て、申請があればすべて許可しなければならない状況であり、近年においては、実際許可しなかった事例はございません。
次に、国際船舶の海外譲渡に対する中止勧告についてのお尋ねでありますが、船種ごとの船腹量に占める日本船舶の割合、日本船舶以外の船舶の有する国籍の特定の国への集中の度合い、船舶の運航に関する知識及び技能の習得及び向上の機会の確保の状況等を勘案して、安定的な国際海上輸送の確保を図る上で著しい支障が生ずるおそれがあると認めるときは、中止等の勧告を行うこととしております。
仮に勧告に従わなかった場合でありますが、罰則等の措置はないものの、外航海運企業は、その信用、社会的責任等にかんがみ、勧告を重く受けとめ、しかるべく対応することが期待できるものと考えております。
次に、優秀な日本船員の長期的確保策についてのお尋ねでありますが、今後の我が国外航海運を支えていくためにも、船舶の運航等の専門技術にすぐれた日本人船員を確保していくことは重要な課題であると考えております。したがって、広く関係者のお知恵を拝借すべく、現在、関係審議会におきまして幅広い視点から御検討いただいているところでありますので、そこでの検討の成果を踏まえながら、今後必要となる方策に取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、国際船舶制度の実効性を確保するための総合的な特別立法を次期臨時国会にも出すべきと思うがどうかとの御質問であります。
今回の措置は、国際船舶に関する制度の第一歩と認識しており、これを出発点として制度の円滑な実施とさらなる拡充に向けて努力してまいる所存であります。現在、広く関係者のお知恵を拝借すべく、関係審議会において御検討をお願いしているところであり、その成果を踏まえながら、今後必要となる方策に取り組んでまいる所存であります。(拍手)
〔国務大臣久保亘君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/7
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008・久保亘
○国務大臣(久保亘君) 平成八年度税制改正におきましては、運輸省から、日本人船員非課税制度の創設等の要望が出されたところでありますが、国際船舶制度の意義、課税の公平性の確保、要望内容の実効性等さまざまな観点から真剣な議論を行い、その結果、国際船舶に関連する平成八年度の税制上の措置として、登録免許税の軽減や船舶の特別償却制度の対象範囲の拡大等の措置を講じたところであります。
国際船舶制度につきましては、御指摘のように、平成八年度予算要求におきまして、運輸省から、外国人船員と日本人船員との人件費差の一部を助成するための補助金が要求されたところであります。
その後、予算編成過程の議論の中で、なお関係者間で国際船舶制度について検討、調整すべき課題が明らかになったことから、今回認められた税制改正等の効果を踏まえつつ、なお今後、国際船舶制度のあり方につき関係者間の調整を図りつつ議論を深めていくこととしたものであります。そのため、新たに国際船舶制度に関する調査費を認めることとし、八年度予算において二千万円を計上したところであります。(拍手)
〔国務大臣倉田寛之君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/8
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009・倉田寛之
○国務大臣(倉田寛之君) 税制上の優遇措置についてのお尋ねでございますが、八年度の税制改正においては、運輸省から自治省に対しても日本人船員特別免税制度の創設等の要望が出されたところであり、国際船舶制度の意義、課税の公平性の確保、要望内容の実効性等さまざまな観点から真剣な議論を行ったところであります。
その結果、一定の国際船舶については固定資産税の課税標準の特例措置を拡充することとしたところであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/9
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010・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/10
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011・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 日程第一 海洋法に関する国際連合条約及び千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約第十一部の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
日程第二 領海法の一部を改正する法律案
日程第三 排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案
日程第四 海上保安庁法の一部を改正する法律案
日程第五 排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律案
日程第六 海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案
日程第七 水産資源保護法の一部を改正する法律案
日程第八 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案
日程第九 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上九件を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。海洋法条約等に関する特別委員長寺澤芳男君。
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〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲
載〕
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〔寺澤芳男君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/11
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012・寺澤芳男
○寺澤芳男君 ただいま議題となりました条約及び八法律案につきまして、海洋法条約等に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、国連海洋法条約は、一九八二年十二月十日、ジャマイカのモンテゴベイにおいて作成され、一九九四年十一月十六日に発効したものであり、実施協定は、一九九四年七月二十八日、ニューヨークにおいて作成されたものであります。
この条約及び実施協定は、領海十二海里、接続水域二十四海里、国際海峡の通過通航制度、排他的経済水域二百海里、大陸棚、公海の自由、「人類の共同の財産」である深海底の資源開発、紛争の解決等、海洋に関する諸問題について包括的に規律するものであります。
次に、八法律案は、いずれも条約の締結に伴い必要となる国内法の整備を図ること等を目的とするものでありまして、まず領海法の一部を改正する法律案は、領海の幅を測定するための基線として直線基線を加えるとともに、領域における通関等に関する法令違反行為の防止・処罰のため、必要な措置をとる水域として接続水域を設けること等を内容とするものであります。
次に、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案は、排他的経済水域を設定するとともに、我が国の大陸棚の範囲を明確化する等の措置を講じようとするものであります。
次に、海上保安庁法の一部を改正する法律案は、我が国の接続水域、排他的経済水域の設定等にかんがみ、海上保安官による船舶の立入検査を行うための停船措置を明確化すること等を内容とするものであります。
次に、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律案は、排他的経済水域における外国人の漁業についての規制措置等を講じようとするものであります。
次に、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律案は、排他的経済水域等における海洋生物資源の保存及び管理を図るための計画の策定、漁獲量の管理等についての措置を講じようとするものであります。
次に、水産資源保護法の一部を改正する法律案は、水産動物の種苗の輸入防疫措置を講ずるため、特定の水産動物の種苗の輸入について許可を要することとしようとするものであります。次に、海洋汚染及び海上災害防止法の一部を改正する法律案は、法律に違反した外国船舶について担保金等の提供を条件に釈放する制度を創設すること等を内容とするものであります。
最後に、原子炉等規制法及び放射線障害防止法の一部を改正する法律案は、排他的経済水域等における外国船舶による放射性物質の違法な海洋投棄についての罰則の整備、違反を行った外国船舶について担保金等の提供を条件に釈放する制度の創設等について定めるものであります。委員会におきましては、これら九案件を一括して議題とし、関係大臣に対し質疑を行うとともに、参考人より意見聴取を行いました。
委員会における質疑の主な内容を申し上げますと、領海の無害通航制度と非核三原則との関係、接続水域設定の意義、津軽海峡、宗谷海峡等の領海幅を三海里にとどめる理由、大陸棚の境界画定の基準、深海底の資源に対する先行投資鉱区の権利の確保、日韓・日中漁業協定の改定と排他的経済水域の境界画定、漁獲可能量制度の導入の意義と資源管理のための減船補償対策、水産動物の種苗の輸入防疫対策、海洋汚染防止への担保金制度の整備、放射性廃棄物の違法な海洋投棄への対処方針、竹島の領有権、海上保安庁等の監視及び取り締まり体制の拡充整備、海上警備体制のあり方等でありますが、詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終え、順次採決の結果、国連海洋法条約は全会一致をもって承認すべきものと決定し、領海法の一部を改正する法律案外七法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案等の四法律案に対し、また、領海法の一部を改正する法律案等の三法律案に対し、それぞれ附帯決議が全会一致をもって付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/12
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013・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
まず、日程第一の条約の採決をいたします。
本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/13
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014・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 総員起立と認めます。
よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。
次に、日程第二ないし第九の法律案を一括して採決いたします。
八案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/14
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015・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 総員起立と認めます。
よって、八案は全会一致をもって可決されました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/15
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016・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) この際、お諮りいたします。
野沢太三君外九名発議に係る国連海洋法条約の実施に伴う体制の確立等に関する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/16
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017・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
よって、本決議案を議題といたします。
まず、発議者の趣旨説明を求めます。野沢太三君。
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〔議案は本号(その二)に掲載〕
—————————————
〔野沢太三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/17
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018・野沢太三
○野沢太三君 ただいま議題となりました自由民主党、平成会、社会民主党・護憲連合、新緑風会、二院クラブ及び新党さきがけの各派共同提案に係る国連海洋法条約の実施に伴う体制の確立等に関する決議案につきまして、発議者を代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。
まず、案文を朗読いたします。
国連海洋法条約の実施に伴う体制の確立等に関する決議案
本院は、海洋に関する安定的な法的秩序を確立し、海洋に係る我が国の活動を円滑にすることが、世界の主要な海洋国家である我が国の国益に沿うものであることにかんがみ、海洋に関する諸問題について包括的に規律する国連海洋法条約の締結を承認し、これに関連する八法律案を可決した。
これに伴い我が国は、新たな日韓・日中漁業協定の締結、国際海洋法裁判所及び国際海底機構における貢献等、多くの外交上の課題に適切に対処し、また、漁獲可能量制度の確立等による漁業秩序の維持、密航・密輸等の犯罪防止、海洋環境の保護・保全等、広範な分野にわたり国内体制を整備・充実する必要がある。
よって政府は、国連海洋法条約の主旨を実現するための外交努力に最善を尽くすとともに、適切な資源管理策を通じて漁業経営の体質強化を図り、漁業を二十一世紀にふさわしい魅力ある産業として確立するために必要な水産諸施策を積極的に展開し、また、関係省庁の連携を密にして、海上における監視・取締りを的確に実施するため、海上保安庁等の人員、船艇、航空機等の一層の整備・充実を図り、もって我が国の国益確保と国民生活の安定の維持に努めるべきである。
右決議する。
以上でございます。
我々が生きるこの地球の表面積の約七〇%は海であります。この海から、人類は古くからさまざまな恵みを受け、特に世界の主要な海洋国家である我が国は、海を活用することによって大きな国家利益を享受してきたのであります。
また、同時に、四面を海に囲まれた我々日本人は海に対する思いが殊のほか強いのでありまして、ことしから七月二十日を「海の日」と定めたことにもそれがよくあらわれていると私は思います。
さて、海洋法条約等に関する特別委員会におきましては、審査を進めるに当たって、参考人をお招きし意見をお聞きいたしましたが、その中のお一人、海洋国際法の権威である山本草二上智大学教授、この方は新たに設置される国際海洋法裁判所の裁判官候補として我が国政府が推薦している方でございますが、その山本参考人は、数百年以上に及ぶ長い海洋法の歴史において、今回の海洋法条約は極めて客観的かつ普遍的なものであると評価されました。また、条約の具体的適用に当たっては、各国に相当広い選択の幅を残しているとの見地から、条約の解釈の基準を選び出していくことが一つの仕事となり、そこに海洋に対する国益を生かすための各国の力量が発揮されることになるのではないかと指摘されました。
国連海洋法条約を生かし、定着させていくことは、一にかかって今後の国家実行によるとの指摘であります。
本決議案を御提案する趣旨は、まさにこの点にあるのでありまして、この条約を今後具体的にどう生かし、関連国内法に沿ってどう実施していくかが問われるのであります。
韓国、中国との排他的経済水域や大陸棚の境界画定、新たな漁業協定の締結に当たって、相手国との善隣友好関係の維持を図りながら、いかに双方がともに満足できる解決を見出し得るのか。また、我が国が主権的権利を行使することとなる排他的経済水域の資源の有効利用はいかにして図ることができるのか。特に、海上における監視・取り締まり体制の強化充実は政府が取り組むべき喫緊の課題であります。
これらを含む諸問題に適時適切に対処し、国連海洋法条約の実施に当たって、関連する国内法の本旨に沿い、我が国の国益の確保、国民生活の安定の維持に努めるべきことが強く望まれるのであります。
以上が本決議案を提案する趣旨であります。
何とぞ皆様の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/18
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019・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/19
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020・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
よって、本決議案は可決されました。
ただいまの決議に対し、外務大臣、農林水産大臣及び運輸大臣から発言を求められました。順次発言を許します。池田外務大臣。
〔国務大臣池田行彦君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/20
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021・池田行彦
○国務大臣(池田行彦君) ただいまの御決議に対して、所信を申し述べます。
政府といたしましても、国連海洋法条約の趣旨及びただいま採択された御決議の趣旨を踏まえて、外交上の課題に適切に対処するよう最善を尽くす所存であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/21
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022・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 大原農林水産大臣。
〔国務大臣大原一三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/22
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023・大原一三
○国務大臣(大原一三君) ただいまの御決議に対しまして、所信を申し述べます。
私といたしましても、海洋法に関する国際連合条約の趣旨を十分に踏まえた新たな漁業協定が早期に締結されることになるよう鋭意努めてまいりますとともに、所要の水産施策を講ずるなど、遺憾のないよう対処してまいりたいと考えております。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/23
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024・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 亀井運輸大臣。
〔国務大臣亀井善之君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/24
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025・亀井善之
○国務大臣(亀井善之君) ただいまの御決議に対し、所信を申し述べます。
私といたしましても、海洋における新たな法的秩序を確立、維持していくため、監視・取り締まり体制の整備充実について、ただいま採択されました御決議の趣旨を踏まえ、関係省庁の協力を得ながら、最善を尽くす所存でございます。(拍手)
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/25
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026・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 日程第一〇 特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。災害対策特別委員長須藤良太郎君。
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〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
—————————————
〔須藤良太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/26
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027・須藤良太郎
○須藤良太郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、災害対策特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本法律案は、近年の災害発生の状況等にかんがみ、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るため、特定非常災害が発生した場合における行政上の権利利益に係る満了日の延長、履行されなかった義務に係る免責、法人の破産宣告の特例、民事調停法による調停の申し立ての手数料の特例及び建築基準法による応急仮設住宅の存続期間の特例について定めようとするものであります。
委員会におきましては、特定非常災害の指定基準、阪神・淡路大震災に伴う被災者の住宅対策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/27
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028・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/28
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029・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/29
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030・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 日程第一一 厚生年金保険法等の一部を改正する法律案
日程第一二 医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法の一部を改正する法律案
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上両案を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。厚生委員長今井澄君。
—————————————
〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
—————————————
〔今井澄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/30
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031・今井澄
○今井澄君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、厚生委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案は、被用者年金制度の再編成の一環として、既に民営化されている旧公共企業体の共済組合の長期給付事業を厚生年金保険へ統合し、日本たばこ産業共済組合または日本鉄道共済組合の組合員期間を有する者に係る厚生年金保険の年金給付に要する費用の一部に充てるため、年金保険者たる共済組合が厚生年金保険に対して拠出金を納付する制度を創設すること等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、参考人の意見を聴取するとともに、公的年金制度の一元化の進め方、厚生年金保険への積立金移換の額とその算定根拠、年金制度の情報公開のあり方等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して西山委員より本案に反対する旨の意見が述べられました。
討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し、附帯決議が付されております。
次に、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法の一部を改正する法律案は、最近の保健医療分野における科学技術の高度化に伴う基礎的研究の重要性の増大にかんがみ、国民の健康の保持増進に寄与する医薬品等の生産に関する技術の開発を振興するため、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構に当該技術に関する基礎的研究の業務を行わせる等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、医薬品等の基礎的研究の推進、研究課題の選定・評価等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本法律案に対し、附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/31
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032・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
まず、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/32
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033・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。
次に、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/33
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034・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/34
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035・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 日程第一三 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
日程第一四 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公正取引委員会事務局の地方事務所の管轄区域の変更及び支所の設置に関し承認を求めるの件(衆議院送付)
以上両件を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。商工委員長沓掛哲男君。
—————————————
〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
—————————————
〔沓掛哲男君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/35
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036・沓掛哲男
○沓掛哲男君 ただいま議題となりました両案件につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案は、経済の活性化、経済構造改革の推進に必要な競争政策の積極的展開を図るため、公正取引委員会の事務局組織の強化拡充等その機能を強化しようとするものであります。
なお、衆議院におきまして、施行期日を四月一日から公布の日に変更する旨の修正が行われております。
次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公正取引委員会事務局の地方事務所の管轄区域の変更及び支所の設置に関し承認を求めるの件は、近畿事務所の管轄区域を変更して近畿中国四国事務所にするとともに、同事務所の支所を広島市及び高松市に設置することについて国会の承認を求めるものであります。
委員会におきましては、両案件を一括議題とし、規制緩和と競争政策の一体的推進、公正取引委員会の独立性等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終わり、まず私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公正取引委員会事務局の地方事務所の管轄区域の変更及び支所の設置に関し承認を求めるの件について採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/36
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037・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
まず、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/37
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038・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。
次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公正取引委員会事務局の地方事務所の管轄区域の変更及び支所の設置に関し承認を求めるの件の採決をいたします。
本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/38
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039・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
よって、本件は承認することに決しました。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02419960607/39
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