1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成八年六月十日(月曜日)
午前十時二分開議
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○議事日程 第三十七号
平成八年六月十日
午前十時開議
第一 商業的造船業における正常な競争条件に
関する協定の締結について承認を求めるの件
(衆議院送付)
第二 商標法条約の締結について承認を求める
の件(衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の
促進等に関する特別措置法案、金融機関等の
経営の健全性確保のための関係法律の整備に
関する法律案、金融機関の更生手続の特例等
に関する法律案、預金保険法の一部を改正す
る法律案、農水産業協同組合貯金保険法の一
部を改正する法律案及び特定住宅金融専門会
社が有する債権の時効の停止等に関する特別
措置法案(趣旨説明)
以下 議事日程のとおり
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/0
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001・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
この際、日程に追加して、
特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法案、金融機関等の経営の健全性確保のための関係法律の整備に関する法律案、金融機関の更生手続の特例等に関する法律案、預金保険法の一部を改正する法律案、農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案、特定住宅金融専門会社が有する債権の時効の停止等に関する特別措置法案、以上六案について提出者から順次趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/1
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002・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。久保大蔵大臣。
〔国務大臣久保亘君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/2
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003・久保亘
○国務大臣(久保亘君) ただいま議題となりました特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法案、金融機関等の経営の健全性確保のための関係法律の整備に関する法律案、金融機関の更生手続の特例等に関する法律案及び預金保険法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
金融は、経済全体にとっていわば動脈ともいえる役割を担っており、信用秩序の維持、預金者保護に万全を期しつつ、住宅金融専門会社をめぐる問題に象徴される金融機関の不良債権問題の早期解決を図ることは、我が国経済が今後持続的発展を遂げていく上で不可欠の前提であります。同時に、金融機関の不良債権問題の再発防止を図るためにも、本格的な金融自由化時代にふさわしい、自己責任原則と市場規律に立脚した透明性の高い、新しい金融システムを早急に構築する必要があります。
このため、政府といたしましては、これらの法律案を提出することとした次第であります。
まず、特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法案につきまして御説明申し上げます。
本法律案は、関係当事者による処理が極めて困難となっている住宅金融専門会社の債権債務の処理を促進し、信用秩序の維持と預金者の保護等を図るため、緊急の特例措置として、預金保険機構の業務の特例及び国の財政上の措置等を定めるものであります。
以下、その大要を申し上げます。
第一に、預金保険機構は、住専から貸付債権等を譲り受け、その回収等を行うことを目的とする債権処理会社を設立するため出資することとしております。
第二に、預金保険機構は、債権処理会社が住専から貸付債権等を譲り受ける対価をもってしてもなお不足する住専の債務処理の財源として、政府の補助金により同機構に緊急金融安定化基金を置き、同基金から、同会社に対し助成金を交付することができることとしております。また、同会社が譲り受けた貸付債権等については、極力損失が生じないよう努める所存でありますが、仮に損失が生じた場合には、当該損失の二分の一に相当する金額について、政府は同機構に補助金を交付することができることとし、同機構は同会社に対し助成金を交付することができることとしております。なお、これらの場合において、同会社は、回収が進み利益が生じたときは、同機構を通じて国庫へ還元することとしております。
第三に、預金保険機構は、債権処理会社の円滑な業務の遂行のために必要があると認めるときは、金融機関等の拠出金による金融安定化拠出基金から、同会社に対し助成金を交付することができることとしております。
第四に、債権処理会社及び預金保険機構は一体となって、強力な債権回収及び損害賠償請求権の行使を含む関係者の責任追及を行うこととしております。このため、同機構に対し罰則で担保された財産調査権を付与するとともに、回収が困難な事案については、同機構がみずからその取り立てを行うことができることとする等の措置を講ずることとしております。
その他、政府の預金保険機構への出資に関する規定の整備等、所要の措置を講ずることとしております。
次に、金融機関等の経営の健全性確保のための関係法律の整備に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
本法律案は、内外の経済社会情勢の変化に対応し、金融機関等の経営の健全性を確保する必要性にかんがみ、信用協同組合等の協同組織金融機関における監査体制の充実、金融機関の経営の状況に応じとるべき監督上の措置に関する規定の整備等、所要の措置を講ずるものであります。
以下、その大要を申し上げます。
第一に、信用協同組合等の協同組織金融機関について、監事の権限等を強化するとともに、員外監事の登用、外部監査制の導入によりその監査体制の充実を図るほか、信用協同組合の役員等の兼職等を原則として禁止することとしております。
第二に、自己資本の充実の状況に応じ、大蔵大臣等が監督上必要な措置を命ずることができることとしております。
その他、金融機関相互間における営業譲渡等ができる範囲の拡大や金融機関等のトレーディング取引への時価会計の導入を図ることとしております。
次に、金融機関の更生手続の特例等に関する法律案について御説明申し上げます。
本法律案は、経営が重大な危機に陥った金融機関について、預金者等の権利の実現を確保しつつ、更生手続及び破産手続の円滑な進行を図ることを目的として、金融機関の特殊性を踏まえたこれらの手続の特例等を設けるものであります。
以下、その大要を申し上げます。
第一に、協同組織金融機関について更生手続を行うことができることとしております。
第二に、金融機関の破綻時の処理を適時適切に開始する観点から、監督庁は更生手続及び破産手続の開始の申し立てができることとしております。
第三に、預金者等の権利の実現を確保しつつ、更生手続及び破産手続の円滑な遂行を図るため、預金保険機構が預金者等のためにこれらの手続に属する行為をすることとしております。
その他、所要の措置を講ずることとしております。
次に、預金保険法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
本法律案は、最近における我が国の金融環境の変化に対応し、破綻金融機関の適時適切な処理を図るため、預金保険機構の業務の拡充を図るとともに、今後五年間に信用協同組合等の経営が破綻した場合における同機構が行う資金援助の特例を設ける等、所要の措置を講ずるものであります。
以下、その大要を申し上げます。
第一に、預金保険制度の整備拡充に関する事項として、保険金の支払いがなされる場合に、預金保険機構が保険対象外の預金等に係る債権を買い取る制度を設ける等、所要の措置を講ずることとしております。
第二に、預金保険機構は、今後五年間の特例業務として、保険金の支払いに要すると見込まれる費用を超える資金援助等ができることとするとともに、金融機関から特別保険料を徴収することとしております。
第三に、預金保険機構は、当分の間、信用協同組合の破綻処理を円滑に行うための特例業務として、破綻信用組合から譲り受けた事業の整理等を行うことを主たる目的とした一の銀行と協定を締結し、これに対する出資や債務保証を行うとともに、当該銀行が引き継いだ貸付債権等の円滑な回収を図るため、債務者の財産調査や取り立てを行うことができること等としております。
第四に、政府は、信用協同組合の破綻処理に関する特例業務のために預金保険機構が行う資金の借り入れに係る債務について保証できることとする等、所要の措置を講ずることとしております。
以上、提案の四法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/3
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004・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 大原農林水産大臣。
〔国務大臣大原一三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/4
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005・大原一三
○国務大臣(大原一三君) ただいま議題となりました農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
農水産業協同組合貯金保険制度については、最近における金融環境の変化に対処して、貯金者等の保護と信用秩序の維持に万全を期するため、農協、漁協等が経営困難に陥った場合における対応措置が適時適切に講じられるよう制度を改善することとし、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。
第一に、農協、漁協等に保険事故が発生した場合に、機構は、貯金者等の有する貯金等債権を買い取ることができることとしております。
第二に、農協、漁協等が経営困難に陥った場合に機構が行う資金援助の対象として、信用事業の全部譲渡を追加することとしております。
第三に、今後五年間の時限的な措置として、機構が行う資金援助及び貯金等債権の買い取りについての特例措置を講ずることとしております。
第四に、漁協から信用事業を譲り受けた漁業協同組合連合会を、貯金保険の適用対象として追加することとしております。
以上、農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/5
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006・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 衆議院議員永井哲男君。
〔衆議院議員永井哲男君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/6
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007・永井哲男
○衆議院議員(永井哲男君) ただいま議題となりました特定住宅金融専門会社が有する債権の時効の停止等に関する特別措置法案につきまして、提出者を代表して、趣旨及びその内容の概略を御説明申し上げます。
特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法案の施行に伴い、特定住宅金融専門会社の債権の回収を迅速かつ的確に行うためには、当該特定住宅金融専門会社が有する債権の時効を一定期間停止する等の措置をとることが強く求められております。
こうした事態にかんがみ、この法律案を提案した次第であります。
以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
まず第一に、特定住宅金融専門会社がこの法律の施行の日において有する債権については、同日以後、特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法に規定する指定期間の終了する日の翌日から起算して一年を経過する日までの間は、時効は完成しないこととしております。
第二に、特定住宅金融専門会社が解散したときは、当該特定住宅金融専門会社が有する根抵当権の担保すべき元本は確定することとしております。
なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
以上がこの法律案の提案の趣旨及びその内容の概略であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/7
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008・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。前田勲男君。
〔前田勲男君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/8
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009・前田勲男
○前田勲男君 私は、自由民主党を代表して、先ほど趣旨説明のありました住専処理法案及び金融関連五法案について、総理並びに関係大臣に若干の質問をいたします。
冒頭、中国政府は八日、地下核実験の実施を発表いたしましたが、これは包括的核実験禁止条約の交渉のさなかに唯一強行に及んだものであり、総理は、実験直後の遺憾表明のみならず、今後あらゆる機会をとらえて中国に対して厳正に厳重に抗議すべきことを強く要請をいたし、総理の御見解を求めるものであります。
本国会は、巷間、住専国会と言われるほど住専処理問題をめぐり紛糾し、衆議院の予算審議の長期空転等により五十日間に及ぶ暫定予算を余儀なくされた上に、住専処理法案を初め金融関連法案が会期末間近の七日にようやく参議院に送付されてきたという事態を迎えております。
この間、我々は、党利党略を離れ、国民の目線で予算案を審議し、証人喚問等を通じて母体行、住専、借り手等の責任を追及するとともに、預金者の保護と金融システムの安定化の見地に立ち、住専処理に伴う国民の負担を可能な限りなくするように協議を重ね、意見の集約に努めてまいりました。残念ながら参議院の本会議の決議として実らなかったのでありますが、参議院与党三党として、五月十三日、総理に対し、三項目を申し入れた次第であります。
六月六日、衆議院の住専処理法案及び金融関連法案の特別委員会可決に当たって与党三党の声明文が出されましたが、これは、金融機関の新たな寄与等については我々が一カ月前に総理に申し入れた趣旨と同様なものであり、しかもその具体的詰めはこれからでありまして、まだまだ大きな課題が残っております。我々はこれから鋭意審議を進めていくつもりであります。
衆参両院での予算審議を通じて母体行責任が大きく浮かび上がり、金融機関の追加負担を求める国民の声が一層高まってきている中、我々参議院が大局に立って改めて金融機関へ具体的な要請を強力に行うよう最大限の尽力をなすべきであります。
つきましては、まず五月十三日の参議院の与党三党の総理への申し入れについて、総理はどのように受けとめこの一カ月間対応されてきたのか、総括的にその辺の事情をお伺いいたします。
バブル崩壊による経済社会的影響は多岐にわたり、特に国民の資産価値が低下し、今や超低金利により老後のための蓄えさえも当てにならなくなってきております。
日銀が先日発表した金融白書によりますと、近年の金利低下が家計部門、金融機関等へ与えた影響を分析いたしておりますが、これによると、家計部門の純利子所得が九四年度に四・一兆円減少、九五年度もさらに二・六兆円減少しております。
このことは、超低金利により生活者から金融機関等へ毎年数兆円近くも所得移転がなされていると言われたことを明確に裏づけるものであります。他方、信用組合等経営破綻、住専問題等が影響して、農協や中小金融機関の預金が減少し、大銀行や郵貯へシフトする動きが出ております。
住専における母体行責任、紹介融資問題等に加えて、大銀行を初めとする金融機関にはこのような国民生活にもいろいろ影響を及ぼす大きな経済的、社会的責任があることは明らかであります。これを十分踏まえて国民負担の軽減に極力努力をするのが金融機関本来の姿であると考えますが、この問題について総理の御所見を求めたいと存じます。
我が国の預金量は約八百兆円と、G7の他の先進六カ国の預金量にほぼ匹敵するガリバー的な規模を誇っており、世界金融市場に及ぼす日本のこの不良債権の影響はまことに甚大であります。それであるからこそ、不良債権の象徴としての住専の早期処理が国際公約までになり、世界から注視されておるところであります。
巨額の預金量を有する日本の大銀行が、アメリカ金融市場で不祥事を起こしたり、国内では乱脈経営による破綻が連続し、刑事事件に発展する等、いわゆる護送船団方式の中で自己責任原則を忘れたモラルハザードは目を覆いたくなるような状況を呈するに至っております。
かてて加えて、高給をはみ、リストラも不十分なままで、しかも大口借り手が今ものうのうとしている状況にあります。これらのツケを何の反省もなく国民に回そうとすることに国民の真の怒りがあるのであります。
先日、全国銀行協会連合会会長の発言に対して官房長官が、思い上がっている、庶民の気持ちがちっともわかっていないと怒りを爆発され、先月三十日に全銀協会長は蔵相に陳謝をする一幕がありました。
六月四日、衆議院の参考人質疑で全銀協会長は、新たな寄与について、「私としては、いい案が見つかるものなら検討を進める可能性が生まれると考えておりますが、業界の事情も考えると、乗り越えるべき課題も多いというのが率直な感じでございます」と答えて、全面拒否から姿勢が若干柔軟になった感がいたしております。
この乗り越えるべき課題とは、株主代表訴訟と中小金融機関の負担能力問題等のことであるようでありますが、この点について、今までの判例、中小金融機関と大銀行との体力格差の分析等を十分に踏まえて、これらに対応し得る政府の要請、見解を含めた声明の工夫や具体的な対策を検討すべきと考えますが、法務大臣並びに大蔵大臣の方針を伺います。
住専処理予算六千八百五十億円については、金融システムの安定化を図ることが主たる目的となっておりますが、実質的には、経営基盤の弱い農協や中小金融機関の経営破綻を防ぎ、これら預金者の保護を図ることにもあります。
このところの説明が明確でなかったために国民の御理解がいまだ不十分のままとなっており、単なる責任論だけではなくて、預金者保護等も踏まえてオールジャパンで新たな寄与を求められれば、農林系統金融も当然のこととして努力をしていただかなければなりません。
さきの参考人の質疑の中で、全国農協中央会常務理事は、農協系の追加負担について、後日誠意を持って対応しますと答えておりますが、これらの点について農林水産大臣の御見解を賜ります。
ずさんな住専経営の責任や資産隠し等の借り手責任追及については、既に国税当局、刑事当局が一部捜査に着手をしておりますが、一層の徹底的な摘発が強く求められております。また、住専処理に伴う債権回収、損害賠償請求について、迅速かつ徹底的に行うために債権回収機構の早期体制整備が望まれているとともに、特に回収困難事案の処理に当たりまして、資産隠し、詐害行為等の摘発に関係機関が連携を強めて取り組むことが肝要であります。
次に、預金保険法改正案等金融四法案について伺います。
金融自由化に伴う市場規律に基づく新しい金融システムを構築していくために、ディスクロージャーの徹底、適正なリスク管理、破綻処理の迅速化、多様化等を進めることが必要であります。そのために、金融関連法案により五年間で金融システムを健全化していくことは適切な対応であると考えますが、問題は、今までの護送船団方式からいかに決別し、金融機関、預金者ともに自己責任原則を確立していくかにあります。
早期是正措置について、どれだけ客観的に基準を的確に設定できるか、リスク管理にしても金融機関の内部監査体制を果たして十分に整備できるのか、また、預金保険機構は、七倍に大幅アップする保険料を実質的に負担する預金者の代理としてその機能をどのように向上させ、万全の体制を整備していけるのか、これらの問題について十分に留意した運営がなされてこそ初めて二十一世紀に向けた新しい金融システムが再構築されると考えますが、大蔵大臣はどのような対応方針で臨まれるのか、御答弁をお願いいたします。
不良債権問題、特に住専処理については、先送りして今日の事態を招いた行政の責任を重く受けとめ、金融機関への天下りの自粛等について徹底するとともに、大蔵省を中心とした金融行政について、新しい金融システムの構築と一体のものとして、この際、全面的に洗い直す必要があることは言うまでもありません。
特に、金融行政と検査・監視体制を分離し、預金保険機構が預金者の代理として検査のほかに金融機関の格付等も行うようにし、預金者が選択する場合の利便性を高めていく方向を検討していく必要があるのではないかと存じます。
また、財政政策に加え金融政策の責任を大蔵省に持たせることについては、既にかなり批判的な意見があり、日銀法の改正による日銀の独立性の確保を初め、国会への報告の義務づけ、政策委員会の透明化等のチェックシステムの導入も時期を区切って早急に検討すべきであります。
さらに、農林系統金融が住専の問題に深く関与したこと、信用組合のずさん融資による経営破綻が連続発生していること、ノンバンク不良債権が大きな問題となっていること等にかんがみ、金融全般を一元的に監視する金融監査機関の具体的構想も検討していくべきと思っております。
農林系統金融の改革で問われているのは、農協金融のあり方そのものであります。自助、自己責任、公正などの協同組合原則に立ち戻って議論されなければなりません。内部留保を多く持つことはできない仕組みの農協金融の将来展望について、今こそ真剣に考えなければならないときであります。農協金融の存在意義はどこにあるのか、今後、金融システム全体の中でどう位置づけ、どう発展させていくべきか、今こそ真剣に考えるときに来ているのであります。
日本経済の大動脈たる金融について、その行政のあり方をどうするかという重大な問題であります。総合的に検討を要し、今、簡単に具体的な話のできる段階ではないと思いますが、以上四点について、検討の方向だけでも大蔵大臣並びに農林水産大臣にお伺いいたしたいと存じます。
景気は大分明るさを増してまいりました。雇用等、まだ厳しい問題があり、景気を本格的な回復軌道に乗せるためには、不良債権の重荷をできるだけ早く軽くしていくことが緊要であります。
総理が外交に大きな成果を上げられ、経済等の内政に真剣に取り組んでおられることに国民の期待が多く集まり、最近の内閣支持率が五十数%と大幅に回復しております。
総理、ここは住専処理、金融行政の改革等に自信を持って強力なリーダーシップを発揮されるように願うとともに、二十一世紀を見据えた今後の金融行政の理念、あるべき姿の実現に向けた総理の御決意を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/9
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010・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 前田議員にお答えを申し上げます。
まず、中国の核実験に関する御意見がございました。
我々としては、これは極めて遺憾なことであり、八日、核実験を行ったとの報を知った直後、私からも談話を出し、同日、池田外務大臣から武大偉・在京中国臨時代理大使に対して申し入れを行いました。中国がこれ以上核実験を繰り返すことがないよう、また、CTBT交渉の早期妥結に貢献するように、今後あらゆる機会をとらえながら要請をしていきたいと考えております。
次に、先般、五月十三日に与党三党からいただきました「住宅金融専門会社の処理に関する申し入れ」につきましては、政府としても、その趣旨を真摯に受けとめながら最大限の努力をいたしているところであります。
なお、関係金融機関などによる新たな寄与の問題につきましては、今後とも、結果としてできる限り国民負担の軽減につながるよう、関係金融機関等の自主的かつ真剣な取り組みを促しているところであります。
また、政府としては、住専処理機構を一日も早く設立し、あらゆる手段をもって債権回収と責任追及に取り組んでまいる所存でありまして、そのためにも関係法案の一日も早い成立を心から願う次第であります。
次に、金融機関による国民負担の軽減についてのお尋ねでございました。
金融機関は、その公共性にかんがみ、すべての預金者の利益を守るために金融システムの安定性確保に努めるなど重い社会的責任があることは、議員御指摘のとおりであります。
このため、政府としては、住専問題に関する国民の皆様の御理解を深めていただく観点からも、系統金融機関を含む関係金融機関などに新たな寄与を求め、結果として国民の負担をできる限り軽減するよう努力してまいる所存であります。
次に、住専処理、金融改革への取り組みについてのお尋ねがございました。
金融は経済の動脈ともいうべき重要な役割を果たしており、景気回復を確実なものとするためにも、住専問題を初めとする不良債権問題をできるだけ早期に解決し、自己責任原則の徹底と市場規律の十分な発揮を基軸とした金融システムを新たに構築していく必要があると考えております。
政府といたしましても、そのための方策を盛り込んだ関連法案を早期に成立させていただき、住専処理や透明性の高い新しい金融行政の実現に全力を尽くしてまいりたいと存じます。
二十一世紀を見据えた金融行政の理念についてのお尋ねがございました。
これまでの金融行政に対するさまざまな御批判を真摯に受けとめながら、金融行政の手法を見直し、新しい金融システムを構築していくために、先ほども申し上げましたように、自己責任原則の徹底と市場規律の十分な発揮を基軸とする透明性の高い行政を行っていくことを基本原則としていくことが重要だと考えております。残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣久保亘君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/10
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011・久保亘
○国務大臣(久保亘君) 関係金融機関等による新たな寄与についてのお尋ねでございましたが、住専を消滅させるための損失処理に要する財政負担につきましては、徹底した債権回収と責任追及を図るとともに、国民の皆様の御理解を深めていただく観点から、系統金融機関を含む関係金融機関等に新たな寄与を求め、結果として国民の負担をできる限り軽減するよう努力してまいります。このため、関係金融機関等と協議し、中小金融機関の負担能力問題等も踏まえつつ、できる限り速やかに具体化を図ってまいりたいと考えておりますb
新しい金融システムについてでありますが、金融機関の経営の健全性を確保するための監督手法として導入しようとしている早期是正措置に関しましては、基本的には、自己資本比率を基準とした客観的なルールに基づく措置命令についての明確化を図り、金融行政の透明性を高めるためのものであります。なお、その際、金融機関の資産内容の自己査定における外部監査の活用を図ることにより、その客観性と実効性を確保することといたしております。
また、預金保険機構につきましては、今後五年間の時限的措置として預金の全額を保護する特別資金援助等を行うとともに、金融機関の司法上の倒産手続において、預金者の利便を図るため、預金保険機構が預金者を代理する制度の整備等を図ることといたしております。
いずれにいたしましても、二十一世紀に対応した新しい金融システムを構築していくため、今後の金融行政については、自己責任原則の徹底と市場規律の十分な発揮を基軸とする透明性の高い行政を行っていくことを基本原則としていくことが重要と考えております。
金融行政と検査・監視体制の分離についての御質問でございますが、今後の金融行政につきましては、市場原理の貫徹した金融システムを構築していく必要があると考えております。その際、検査は適切な行政を行う手段であることから、その役割が十分に果たせるように留意する必要があります。そのような立場から、これまでの行政のあり方について十分な検討を行い、その反省の上でこれからの新しい金融行政のあり方について改革のための真剣な検討を進めてまいりたいと存じております。
日銀法改正につきましては、現在の日銀法のもとにおいて、日銀の独立性、中立性を尊重した形で運用されており、特に支障となるような問題は発生していないと認識いたしておりますが、中央銀行のあり方は、各国の政治経済体制、歴史的経緯等を反映し、さまざまな特徴を有しているところであります。
政策委員会の議事録の公開と政策決定過程の情報開示につきましては、政策委員会が日銀の最高意思決定機関であることにかんがみ、現行法のもとでも可能と考えられますので、その方向で検討すべきものと考えております。
今後、日銀法の改正については、その独立性と透明性の確保の立場から検討を続けたいと考えております。
金融全般を監視する金融監査機構についての御質問でございますが、系統金融行政など各省庁の金融関係行政はそれぞれの行政目的に沿って遂行されておりますので、金融業務を行っているという一つの側面から金融監査機能を独立した機関に集中することにはさまざまな問題があると考えられ、慎重な検討を行うことが必要であると考えております。
いずれにいたしましても、関係省庁間の緊密な連携の確保等に努め、整合的な金融行政の運営に努力してまいる所存であります。(拍手)
〔国務大臣大原一三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/11
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012・大原一三
○国務大臣(大原一三君) 前田議員にお答えいたします。
農協系統金融機関の追加負担についてのお尋ねでございますが、農林水産省といたしましても、十分農協系統の意見を聴取していく必要があると考えておりますが、農協系統は、既に金融システムの一員としてその内部留保、経常利益等から見て極めて厳しい資金協力を行うこととしているところでありまして、容易に新たな寄与に応じられる状況にはないと認識しております。
いずれにしても、今後、諸般の情勢を見きわめながら真摯に対応してまいりたいと考えております。
次に、金融監査機関についてのお尋ねでありますが、その審査能力やリスク管理体制の面で十分でなかったではないかという御指摘を踏まえ、農協系統の健全性の確保、効率化等、事業・組織の再編整備に取り組むことといたしております。
これらを適切に推進していくためには、指導行政と有機的に連携させつつ、効果的な検査・監査体制を整備することが必要と考え、現在そのあり方について検討を進めているところであり、一元化することはただいまのところ考えておりません。
農協系統の今後のあり方についてのお尋ねでございますが、金融の自由化や農業を取り巻く情勢の変化に対応していくために、御指摘のとおり、事業・組織の見直しが避けて通ることのできない重要な課題であります。このため、現在、総理大臣の諮問機関である農政審議会において農協系統の事業・組織の今後のあり方について鋭意検討を続けているところであり、その結果を踏まえ、遅くとも来年の通常国会には関連法案を提出できるよう早急に準備を進めていく考えであります。(拍手)
〔国務大臣長尾立子君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/12
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013・長尾立子
○国務大臣(長尾立子君) 前田議員にお答えをいたします。
金融機関等の寄与に関する株主代表訴訟についてのお尋ねでございますが、株主代表訴訟におきましては、取締役の会社に対する善管注意義務違反、忠実義務違反等の違法行為の有無が問題になろうと思います。
このような義務違反の有無は、今般の住専処理問題に関する当該金融機関等の置かれた状況等の諸般の事情を総合して判断されるものと思われますが、金融システムの安定性を確保する等の観点からの金融機関の寄与については、この点に関する国会における御議論や政府としての考え方等もこの諸般の事情の一つとして裁判所の判断に当たって考慮されるものと考えております。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/13
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014・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 平井卓志君。
〔平井卓志君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/14
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015・平井卓志
○平井卓志君 私は、平成会を代表し、ただいま議題となっております金融関連法案につき、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
まず、住専処理法案について伺います。
政府の住専処理スキームは、昨年の十二月に発表されて以来、衆参の予算委員会並びに衆議院の金融問題特別委員会においてあらゆる角度から議論がなされてまいりましたが、いまだ国民の納得が得られていないのは明白な事実であります。
全く密室で、しかも母体行、農林系金融機関等の当事者間の責任のなすり合いの結果、突如として六千八百五十億円の財政資金投入が決定されたのでありますが、この数字に理論的根拠があろうはずもなく、今回の住専処理策はその第一歩において誤りがあったと言わざるを得ません。
与党三党は、三月に入り国民の批判がおさまらないと見るや、金融機関及び農林系金融機関に対して、七年間でリストラによって財政資金に見合う税収増を図るとする住専処理追加策を発表しましたが、これほど見え透いた詭弁、まやかしはありません。この追加策は、住専という私企業の破綻になぜ税金を投入するのかとの疑問に対し、税金は投入するがいずれ国庫に返ってくると抗弁するためのトリックにすぎず、国民を愚弄する全くお粗末な内容のものとの評価が下されたのであります。政府・与党は、この国の金融機関をどういう方向に持っていこうかという構想が決定的に欠けているのであります。
母体行、一般行及び農林系金融機関は繰り返しぎりぎりの負担であると強調し、政府も苦渋の選択としております。しかし、その実、参議院での証人喚問でも五千三百億円の積算根拠を知らないと答えるほど今回の処理策が政府・与党の協議の中で生まれた政治的産物であり、そろばんが合わなければ税金投入といった論理的整合性のないものであると言わざるを得ません。
今回の住専処理が唯一の選択であり、金融システム安定化に資するとする明確な理由をまず総理にお示しいただきたいのであります。
また、預金者のいない住専処理への財政資金投入に係る基本的な諸問題も依然解決しておりません。具体的に言えば、法的拘束力のない覚書がどうして住専処理の指針となるのか、住専の再建策に関与していながら問題の先送りをした大蔵省に責任はないのか、債権回収に伴って発生する二次損失の半分を政府が負担する理由はどこにあるのかなと、官僚の言葉でなく総理みずからの言葉でお答えいただきたいのであります。
これに関連して、今回の政府の住専処理スキームがいかに将来の見通しのない、国民の目を欺く虚構の上に成り立っているのか、まずこの点について伺います。
住専から住専処理機構が引き継ぐ債権六兆七千八百億円のりち、正常債権三兆四千九百億円、回収に時間がかかる債権を二兆五百億円、回収困難な債権一兆二千四百億円と試算しており、これを十五年間かけて回収する計画となっております。
しかし、これは昨年一月時点の路線価を基準に算定した数字であり、三月十一日に国土庁が発表した公示地価を見ましても、都市部の地価、特に商業地の地価の下落が依然続いていることから、今年の路線価がさらに下がるのは確実であります。そうなれば、時間がかかっても回収可能と判断した二兆五百億円の債権の一部が回収困難な債権に振りかわったり、正常債権の一部も不良債権化する可能性があります。
報道によれば、住専処理機構の収支に関する試算が示されておりますが、これによると、九七年から地価が毎年三・五%ずつ上昇し、公定歩合が現在の〇・五%から二・五%程度に上昇した場合でも、十五年後に住専処理機構の損益は約四兆二千億円の赤字になると見通しております。このりち半分は財政資金で賄うこととなっておりますから、約二兆二千億円の財政支出が必要となります。
当初の損失処理に伴う六千八百億円の財政資金と合わせると、約三兆円近い財政支出を求められる可能性があります。この試算がもし誤りだとおっしゃるのなら、大蔵大臣は住専処理機構の損益に関する試算をお示しいただきたいのであります。
次に、政府の答弁によればへ住専処理機構を設立して悪質な借り手を地の果てまで追いかけ債権回収を行っていくとしておりますが、この処理機構がどのような体制となるのか明確になっておりません。東京協和、安全の二信用組合の債権回収が順調に進んでいない例を見ても、本来損失とすべき債権の処理の先送りが債権回収を決定的に困難なものとし、また、不良債権化を進めていくのであります。
政府の案では、債権の回収について預金保険機構と一緒になって体制を整備し、協力していくこととなっておりますが、住専処理機構そのものは株式会社であり、特別な権限を持っているわけでなく、会社更生法の管財人のような否認権であるとか、特別の権限を持っておりません。
政府提出の金融法案の中に金融機関の更生手続特例法案がありますが、この法案の趣旨は、破綻処理の迅速化及び多様化のため会社更生手続を金融機関にも適用するとあります。これは政府が会社更生法を金融機関に適用するメリットは十分にあることを認めたことにほかなりません。我々が提案している会社更生法の適用及びそれを支援する日本版RTCの設立による住専処理策と同様の考え方であり、政府も不透明な住専処理策を捨て、我々のこのような処理策について同調できると考えますが、総理の御見解を伺います。
さらに、強力な管財人の権限を有しない住専処理機構が、今後、預金保険機構とどのように協力して借り手や住専経営者の刑事、民事の責任を追及していくのか、どのような陣容で債権を回収していくのか、その具体像を大蔵大臣に明らかにしていただきたいのであります。
次に、預金保険法改正案について伺います。
この法案には、五年間の時限措置として預金保険機構に信用組合と一般金融機関の破綻に対処するために特別勘定を設定し、特別保険料を徴収するとともに、この信用組合勘定は東京共同銀行を改組した整理回収銀行の処理財源とし、五年後の清算時に不足すれば財政資金で補てんすることとなっております。
まず、預金保険料というものは究極だれが負担しているのか考えなければなりません。一般的に預金保険料は金融機関の経営コストとみなされておりますが、最終的には預金者に転嫁されていると考えます。いたずらに預金保険料をふやし、機構の責任準備金を充実させることにばかり注目していると、この点を見逃してしまいます。預金金利が自由化された現在、預金者の得べかりし利益を超えた負担が金融機関の経営維持のために回ることは許されず、適正な負担にとどまらなければなりません。
こうした観点から、保険料が既に四倍に引き上げられた一般保険料と合わせて七倍に引き上げられることの妥当性はどのように検証されているのでしょうか。大蔵大臣にお伺いいたします。
次に、財政資金投入のスキームは信用組合の破綻に限定されており、銀行など一般金融機関に対してはこの措置はとられておりません。また、今回提出されております農水産業協同組合貯金保険法改正案についても、同様に財政資金投入は予定されておりません。これはいかなる理由に基づくものか、大蔵大臣並びに農水大臣に明確にしていただきたいと思います。
見方によっては、信用組合を除く一般金融機関には責任準備金がなくなってしまうほどの倒産は起きない、また起こさない、つぶすのは信用組合に限定したものという政府の方針を法案に反映させたものとも受け取られかねません。場合によっては、信用組合から他業態へ大きな資金シフトが生ずる懸念もあります。
そして、八年三月期における信用組合の貸出金残高は十七兆四千億円であり、このりち不良債権は約二兆円という状況でありますが、これとあわせて、既に破綻している木津、大阪、山陽、けんみん大和の各信用組合についても特別勘定を使った処理が行われる方針が示されており、かなりの財政資金が必要になるのではないかと考えますが、政府の試算、見込みについて明らかにしていただきたい。
また、都市部を中心とした信用組合に対し業態転換を促す意見もありますが、金融システムの中で信用組合をどう位置づけていくのか、その必要性、存在意義についてあわせて大蔵大臣に伺います。
さらに、農水産業協同組合貯金保険機構の場合はこの特別保険料はどの程度の水準になるのか、預金保険機構のそれと異なる水準ならばそれはいかなる理由によるものなのか、農水大臣に伺います。
住専の処理が終わったとしても、今後、農林系金融機関にはノンバンクへの貸出金処理等多くの問題が山積しているのであります。当面の負担能力ばかりを考慮していると判断を誤るおそれがあります。この点についても農水大臣の見解を求めます。
次に、金融機関の経営の健全性確保法案における早期是正措置について伺います。
これは金融機関の自己資本比率等を基準にランクづけを行い、そのランクに応じてあらかじめ定めた指導を行うものであると言われておりますか、法案では「自己資本の充実の状況によって」とされているだけであって、自己資本の定義やどのような指導内容となるのか、その具体的内容は政省令にゆだねられており、経営改善計画や業務停止命令の発動基準が明確になっておりません。
このため、早期是正措置の内容によっては金融当局が各金融機関の生殺与奪の権利を握ることになり、権限を拡大する懸念があります。自己資本比率として不良債権のロス見込み額を差し引いた実質自己資本比率を用いることとなれば、不良債権の査定について裁量の余地が出てくることになります。裁量の余地のない米国の早期是正措置と比較して今回の措置はどのような内容になるのか、金融行政の透明性が求められている現在、客観的な基準を策定することが必要と考えますが、大蔵大臣の答弁を求めます。
以上、金融関連法案について質問してまいりましたが、今、必要なことは、我が国金融システムの抱える不良債権に係る全体処理の原則を確立することにあります。
金融機関が抱える不良債権は、大蔵省の調査でも約三十四兆七千億円、外国の調査機関には百兆円にも上るとの見方があります。政府は、まず不良債権の全体像とその処理策の原則を示さなければなりません。
もちろん、金融行政の責任も問われずには済みません。不明朗な処理策をつくった大蔵官僚の責任はもとより、金融行政の転換、さらには大蔵省の機構改革も避けて通れない問題であります。不良債権処理については、市場原理に基づき自己責任で処理するという大原則に立ち、国民に開かれた状況の中で行うことが必要であります。住専処理も、この原則に照らし政府の処理策を改めなければなりません。誤った方式による住専処理は、六千八百五十億円の投入にとどまらず、将来にもっと大きな禍根を残すことを申し上げ、最後に総理に、不良債権の今後の処理原則、今後の金融行政のあり方について明確な見解を求め、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/15
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016・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 平井議員にお答えを申し上げます。
今回の住専処理方策をまとめた理由についてお尋ねがございました。
住専につきましては、我が国の不良債権問題の緊急かつ象徴的な課題となっていたこと及び関係当事者の意欲と努力だけでは解決を図り得ない状況となっていたことにかんがみ、国民の皆様の預金を守るとともに、我が国金融システムの安定の確保を図り、景気回復を確実なものとするなどのための臨時異例の措置として公的資金の投入を含む処理方策を取りまとめたものであり、政府・与党として最善の方策であると考えております。
覚書及び再建策への関与に関する大蔵省の行政責任についてであります。
平成五年の覚書は、大蔵省と農林水産省が住専の再建問題の取り進め方について議論の整理を行い、当事者間の合意形成を促したものであります。また、同じ年の第二次再建計画につきましては、行政当局も必要に応じ相談を受けておりましたが、住専各社の経営は当事者による対応が原則であり、住専各社及び関係金融機関の真剣な協議に基づく合意によって再建が図られることを期待していたものと理解をいたしております。
いわゆる二次損失の半分を政府が負担する理由についての御質問でありますが、住専処理機構が買い取った債権などについて最大限の回収努力を尽くした上で、なお現在以上の損失が発生し、その結果、関係当事者のみで埋め切れない損失が拡大するような場合には、住専処理策が金融システム全体の安定を担保するための施策であることにかんがみまして、政府と民間がともにその二分の一を負担することといたしました。
住専の処理を会社更生法で行うべきではないかとの御質問がありました。
住専七社の事業内容などを考えましたとき、事業自体にそもそも更生の望みがない、見込みがないことなどから、更生手続は使えないと思います。
また、御提案の日本版RTCにつきましては、特殊法人であり、給与体系、定員の制限を受け、民間活力を生かした業務運営が困難であり、債権回収が非効率となるのではないかと考えております。
なお、更生特例法案におきまして金融機関に更生手続の道を開いておりますのは、破綻金融機関は消滅させるとしても、その事業に更生の見込みがある、また、地域経済の安定のために事業の維持更生を図る必要がある、そうした場合もあり得るといった理由により、更生手続を活用した破綻処理を行うことが適切な場合もあるためであります。
不良債権の今後の処理原則あるいは金融行政という御指摘がございました。
金融機関の不良債権の処理におきまして、まず金融機関自身の自助努力が求められます。そのためには、各金融機関におきまして最大限の合理化などの努力が求められることになると思います。
また、不良債権処理の過程で万一破綻が生じました場合には、現時点においては預金者に直接破綻処理費用の分担を求めることは難しいことから、預金者保護、信用秩序の維持に万全を期すために、今後五年間に限り預金を全額保護し得る仕組みを設けることといたしました。
さらに、今後の金融行政につきましては、自己責任原則の徹底と市場規律の十分な発揮を基調とする透明性の高い行政をつくっていくことが重要と考えております。
残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁をいたさせます。(拍手)
〔国務大臣久保亘君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/16
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017・久保亘
○国務大臣(久保亘君) 住専処理機構の損益に関するお尋ねでございましたが、住専七社から譲り受けた貸付債権等につきましては、住専処理機構が預金保険機構と一体となって強力かつ効率的な管理、回収及び処分を行うことにより、現在以上の損失を極力生じさせないよう最大限の努力を行っていく所存であります。
この問題につきましては、損益に影響を与える地価や金利の動向など、今後の金融経済情勢等により左右される不確定要素が大変多いこと、二番目には、貸付債権等の実態を踏まえての住専処理機構としての業務運営方針の検討と切り離して議論するのは適当でないことなどから、現段階で具体的なことを申し上げるのは困難であり、今後、住専処理機構が設立され、その体制が整えられていく中で具体的に検討されていくものと考えております。
住専処理機構や預金保険機構による債権回収や責任追及についての御質問でありますが、管財人の否認権は住専の資産の逸失を防ぐための権限でありますが、強力な債権回収のために必要なのは、むしろ住専の借り手の資産隠しに対処し、その資産の実態を解明することであると考えております。
このような観点から、預金保険機構に対して、管財人には与えられていない罰則つきの財産調査権を付与し、両機構が一体となって強力な債権回収を行う体制としたところであります。
また、住専処理機構は、住専の保有する損害賠償請求権を未確定のものも含めすべて包括的に譲り受けた後、速やかに過去の取引等を精査した上で、損害の概要を特定したものについて厳しく民事責任を追及することといたしております。さらに、刑事責任の追及につきましては、住専処理機構は、その債権回収に当たり犯罪があると認めたときは、預金保険機構に報告するとともに、告発に向けて所要の措置をとることとしているところであります。
なお、こうした強力な債権回収及び責任の明確化に必要な住専処理機構の陣容としては、法務・検察、警察及び国税のOBの参加を求めるほか、法律等の専門家をも結集した特別対策部を設けるとともに、共通・大口・悪質事案への集中的対応のため特別整理部を組織すること等を予定いたしております。
預金保険料の引き上げについての御質問でありますが、今般の提出法案におきましては、預金者に自己責任原則を問い得る環境が整備されるまでの時限的な措置として、今後五年間は預金を全額保護し得る制度を整備することといたしております。
保険料率については、今後生じ得る金融機関の破綻の規模等を予測することは困難であることから、預金保険機構の資金援助が初めて実施された平成四年から七年末までに生じた破綻金融機関の損失額が二兆五千億円程度であったことにかんがみ、今後五年間に同程度の破綻処理費用を要する場合にもこれに対処し得るよう、昨年度の料率の七倍程度に引き上げることといたしております。
いずれにせよ、今般の保険料率の引き上げは、預金者保護、信用秩序維持に万全を期すための必要不可欠な措置と考えております。
政府保証を信用組合の破綻処理に限定することについてのお尋ねでございますが、金融機関の破綻処理は原則として金融システム内の負担により対応すべきものであり、信用組合以外の金融機関については、全体として不良債権額に対して十分な償却財源があること等から、政府保証等特別の制度を用意する必要はないと考えたところであります。
しかしながら、信用組合については、その経営体力等にかんがみ、預金者等が無用の不安を感じないよう制度的に万全の備えを準備しておく必要があり、このための特別措置として政府保証の制度を用意したところであります。
今後見込まれる財政資金の投入額についてのお尋ねでありますが、今後の金融機関の破綻を現時点で予測することは困難でありますが、今後五年間で約一兆円に上る特別保険料を徴収することとしていること、特別保険料率は今後の特別勘定の損益の状況や金融機関の収益の状況等を踏まえつつ三年後に見直しを行うとしていること、信用組合については、仮に現在把握されている不良債権が全額損失となり破綻処理が行われたとしても、他の業態において大規模な破綻が発生しない限りは、基本的には今般の料率の引き上げにより集められる保険料によって対処し得ると見込まれること等にかんがみれば、仮に信用協同組合特別勘定の廃止時において財政支出が必要となる場合でも多額にはならないのではないかと考えております。
信用組合の位置づけについてのお尋ねでありますが、信用組合は、本来、組合員の相互扶助という基本理念に基づき地域に根差した健全な業務運営を図りつつ、組合員等利用者のニーズに応じたきめ細やかな金融サービスを提供していくことにあり、今後とも、地域の中小零細企業、勤労者等の専門金融機関として機能することが期待されていると考えております。
最後に、早期是正措置に関するお尋ねでありますが、これは金融機関の経営の健全性を確保するため、基本的には自己資本比率を基準とした客観的なルールに基づく措置命令についての明確化を図り、金融行政の透明性を高めるためのものであります。
早期是正措置の発動基準につきましては、米国と同様、客観性を持った指標であるところの自己資本比率を用いることが適当ではないかと考えておりますが、措置内容等も含めましてその具体的な内容につきましては、今後、金融に関する専門家等から成る検討の場を設け、十分な御議論をいただき、透明性のある形で決定いたしてまいりたいと考えております。(拍手)
〔国務大臣大原一三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/17
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018・大原一三
○国務大臣(大原一三君) 平井議員にお答えいたします。
まず、貯金保険法改正法案において財政資金投入が予定されていない理由についてのお尋ねでありますが、農協、漁協等については、信用組合の場合と異なり、これまで信用組合のような大型経営破綻の事例が発生していないことに加え、貯金保険制度と相まって既存の相互援助制度による新たな対応も行われること等を踏まえれば、貯金保険法の中に政府保証による借り入れを規定する必要はないと考えております。
次に、貯金保険の特別保険料の水準についてのお尋ねでありますが、今回新たに設定される特別保険料については、現行保険料水準と同程度とする方向で検討を進めているところであります。
なお、この水準が預金保険と異なるのは、貯金保険における保険金支払い限度、つまり一千万円を超える部分の貯金比率が預金保険に比べて極めて少ないこと等によるものであります。
ノンバンクへの貸し出し等、住専以外の問題についてのお尋ねでございますが、ノンバンクへの貸し付けにつきましては、本年三月末について報告を聴取しましたところ、概数で昨年に比べ約一・一兆円減少し六・六兆円となっております。なお、不良債権額は、銀行協会の新基準によって計算いたしますと三千億円程度と相なります。
ノンバンクへの貸し付けについても、相手方の信用状況等の審査を行い、必要な担保保全措置をとっていると承知しておりますが、その不良債権の処理についてはそれぞれの経営内部において処理されることが基本と考えております。
いずれにしましても、これを機会に農協系統の事業のあり方について抜本的な見直しを行い、大胆なリストラを進めることが必要であると考えております。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/18
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019・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 上山和人君。
〔上山和人君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/19
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020・上山和人
○上山和人君 お疲れさまでございます。社会民主党・護憲連合の上山和人でございます。
先ほど趣旨説明のございました金融関連六法案につきまして、社会民主党・護憲連合を代表して御質問申し上げます。
住専国会と言われましたこの百三十六通常国会もいよいよ終幕に近づいておりますが、今、私たち参議院はその総仕上げをする重要な任務を担っているのだと思うのでございます。これまでの衆参両院における住専審議の中で、大蔵大臣の答弁回数は既に九百回を超えたとお聞きいたしているのであります。恐らく最長不倒の記録になるのではないでしょうか。大変な御苦労だと思うのでございます。
申し上げるまでもなく、総理も農林水産大臣も、そしてほかの関係閣僚の皆さんも同じような御苦労をなさっていらっしゃると思うのでございます。今、住専国会の締めくくりの段階で住専審議の総決算の意味合いを込めて、この間、重大な関心を寄せ続けている国民の皆さんに対するメッセージとして責任ある明快な御答弁をいただきますように、総理と大蔵大臣にお願いを申し上げます。
さて、長い間の住専審議を通して住専問題の処理に関する政府の方針がどれほど国民の皆さんに理解をされているのだろうかと毎日思うのでございます。
現実の姿でありますからあえて申し上げますが、郵便局は今、全国的に貯金獲得の運動を差し控えていると言われているのであります。それでも郵便貯金は、本年三月時点で対昨年同期比四・八%、六兆三千八百億円余りも伸びているのでございます。他方、最近伸び率が低下する傾向にある農林系金融機関の預金は、同じく本年三月時点で対前年度比〇・一%マイナスになっているのでございます。これらの状態が何を物語るかについて御説明の必要はないと思うのでございます。
一方で、地価は依然として低下する傾向にありまして、債権回収の問題につきましては決して楽観を許さない状態になっております。
これらの諸状況のもとで、住専問題については一日も早く可能な限り早期に処理されるべきものとする政府の根本方針については、国民の皆さんの御理解は十分に得られたと私たちは確信をいたしております。しかし、大変残念なことに、その中心的な手法としての六千八百五十億円の公的資金の投入については、この段階においても、残念ながら国民の皆さんに十分に御理解をいただいているとは必ずしも言えないと思うのでございます。
私たちは、住専審議の最終段階を迎えている今、この問題については国民の皆さんの御理解をいただくために、どれほど努力をしても努力し過ぎることはないと思うのでございます。そのためにも、これまでの審議の過程を通して大蔵大臣が繰り返し強調されました金融機関の自己責任原則が最終的には貫かれるものとなるように、六千八百五十億円については何らかの形で可能な限り国民負担が軽減されるべきものだと思うのでございます。どのようにして国民負担が軽減をされるのか、国民の皆さんにわかりやすく、責任を持ってお答えいただきたいのが第一の質問でございます。大蔵大臣、お答え願います。
第二の問題は、安定した金融システムの確立についてでございます。
住専問題は一体私たちに何を突きつけているのか、住専問題が提起した根本の課題は何かということについて、私たちは毎日銘記しつつ、それにこたえる努力をするのでなければ責任を果たすことはできないと思うのでございます。
我が国経済の発展拡大とともに、我が国の経済の動脈ともいうべき金融が自由化、国際化を迫られ、その環境変化とともに、これまで護送船団方式と呼ばれた金融システムはもはや問題解決能力を失ったことを住専問題は浮き彫りにしたと思うのでございます。
時間の制約上、端的な質問になって恐縮でありますが、安定した金融システムの確立について、内外の信用秩序を確保する観点と、何よりも重要な預金者保護の視点を踏まえつつ、その道筋を明らかにしていただきたいのでございます。これも大蔵大臣にお答え願いたいのでございます。
私の持ち時間十分がもう迫っておりますので、最後の質問になりますが、金融行政の改革と大蔵省の改革は不可分のはずであります。住専は個人住宅融資という国家的政策を担っていたことから、大蔵省は一口に言って住専には特別の地位を与えたのであります。その住専が事業融資を増大させて変質し、所期の目的を逸脱した営業を始めたときに、大蔵省がその特別の地位を取り上げていたなら住専の破綻は免れたはずでありますが、残念なことに、大蔵省は逆に母体行を指揮して経営継続を図ったのであります。
どうしてこういうことが起きたのか。大蔵省解体論が出るほど大蔵省の改革は厳しく求められております。次の時代の金融行政を誤らないという保証を国民の皆さんに御確認いただくためにも、大蔵省の改革は国民の皆さんの御理解を得られるものでなければならないと思うのでございます。総理大臣に大蔵省改革についての御決意をお伺いし、そして大蔵大臣に大蔵省改革の展望について明確な御説明をいただきたいと思うのでございます。
今回の住専問題の処理に関する政府・与党の苦渋の決断は、近い将来必ず国民の皆さんから正当に評価される日の来ることを確信しつつ、質問を終わらせていただきます。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/20
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021・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 上山議員にお答えを申し上げます。
護送船団方式に象徴される過去の金融行政に対し、大変厳しい御批判を今日までも浴びてまいりました。こうした御批判を踏まえながら、今後は自己責任原則の徹底と市場規律の十分な発揮を基軸とする透明性の高い行政を行っていくことが必要であると考えております。
私個人としては、金融自由化、国際化の大きな流れの中で、今のような視点を持ちながら、大蔵省の改革など、これからの新しい金融行政のあり方につき真剣な検討を進めてまいりたいと考えております。
残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣久保亘君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/21
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022・久保亘
○国務大臣(久保亘君) 国民負担の軽減の具体的方策についてのお尋ねでございましたが、関係金融機関等による新たな寄与の問題につきましては、既に私からも、国会におきます厳しい議論を踏まえ、金融界に対して協力を再三要請いたしており、これを受けて金融界との間でさまざまな意見の交換が行われているところであります。
今後とも、結果としてできる限り国民負担の軽減につながるよう、関係金融機関等の自主的かつ真剣な取り組みを促してまいりたいと思っておりますが、関係者との協議の中で、関係金融機関の負担の具体的方策を提示することもあり得ると考えております。
安定した金融システムの確立のための道筋についてのお尋ねでございますが、金融は経済全体にとっていわば動脈ともいえる役割を担っており、信用秩序の維持、預金者保護に万全を期しつつ、住専問題をめぐる問題に象徴される金融機関の不良債権問題の早期解決を図ることは、我が国経済が今後持続的発展を遂げていく上で不可欠の前提であると考えております。
また、より基本的には、金融機関の不良債権問題の再発を防ぐためにも、本格的な金融自由化時代にふさわしい自己責任原則と市場規律に立脚した透明性の高い新しい金融システムを早急に構築していく必要があり、その基本的考え方に沿って金融行政も大きく転換していかなければならないと考え、金融関連三法案等を提案いたしておるところでございますが、今後五年間で新しいシステムを確立してまいりたいと考えております。
大蔵省改革の問題につきましては総理から御答弁を申し上げましたが、大蔵省の金融行政の見直しを進めるに当たりましては、みずからを最もよく知る者が自己改革を考え実行するということが極めて重要であり、新しい時代に対応する金融システムはいかなるものか、そのためにどのような行政で臨まなければならないかという積極的な自己改革を目指して、先般、大蔵省としても、今後の金融行政のあり方を検討するためのプロジェクトチームを省内に発足させ、広範な視点から検討、議論を進めているところであります。
金融行政等の今後のあり方については、与党においても精力的に検討を進められていると伺っており、大蔵省としても、これを含め、国会を初め広く各界での御議論を見守りつつ、真剣な検討と改革の実現を進めてまいりたいと考えております。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/22
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023・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 吉岡吉典君。
〔吉岡吉典君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/23
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024・吉岡吉典
○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表し、金融関連法案について、総理並びに大蔵大臣に質問いたします。
昨年来、住専問題を初め金融機関の破綻が相次ぎ、金融機関の膨大な不良債権の実態が明るみに出されました。そして今、「住専に血税を使うな」は大きな国民の声になっています。住専処理に当たってまず求められることは、その責任を明らかにすることであります。
このような事態をもたらした背景に、八〇年代以降の金融自由化と、その中で引き起こされたバブルとその崩壊があることは、ひとしく指摘されているところであります。
では、バブルを引き起こし、バブルを崩壊させ、今日の住専問題を引き起こした責任者はだれか。それはまさに大銀行であり、大蔵省ではありませんか。そうであるなら、その処理は当然その責任で行うべきであります。ところが、大銀行は本来とるべき責任をとろうとせず、大蔵省は国民の血税による破綻処理で大銀行の責任を免除しようとしているのであります。これでは国民が納得せず、怒りの声が巻き起こっているのは当然と言わなければなりません。総理、大蔵大臣、これをどう考えますか。
特に、住専の場合、設立から今日まで親銀行としてその経営に深くかかわってきた母体行が責任を持ってその解決に当たるべきものであることは、従来の系列ノンバンク処理のルールからいっても明らかであります。にもかかわらず、政府は、従来ノンバンク処理のルールになっていた母体行責任主義を放棄し、政府が住専処理の主体であるかのような立場に立ち、史上例のない公的資金導入を図りました。そして、今それを法的に確立しようとしているのであります。
大蔵大臣、住専処理ではなぜ従来のルールによらないのですか。一体これまでノンバンクを含めて金融機関の破綻処理に財政資金を投入した例がありますか。明確な答弁を求めます。
その一方、政府は、母体行に追加負担を求めるためにも住専処理法案をそのまま成立させてくれと言います。とんでもない言い分です。そもそも提案されている法案は、公的資金投入初めにありきで、法案を原案のまま通すことは、母体行に追加負担を求めないで処理する枠組みをつくることではありませんか。それは国民の負担をなくすこととは全く相入れず、逆に追加負担を妨げるものとなっているではありませんか。法案そのものは追加負担を想定しておりません。大蔵大臣、そうでしょう。はっきりお答え願います。
重大なことは、税金投入を住専にとどまらず信用組合にも広げようとしていることであります。法案は、今後五年間の措置として、破綻した信用組合処理のためにも公的資金を投入する仕組みをつくろうとしています。東京の二信組を初め、木津、コスモなどの破綻の事例から明らかなように、多くの信用組合の破綻は経営者の乱脈経営に加えて大手銀行の深い関与が原因として挙げられています。今回の法改正は、これらの関係金融機関の責任を棚上げにしてしまうものであります。そうでないと言えますか。
一たび住専へ、信用組合へと公的資金投入に道を開けば、これは果てしなく広がることは必至であります。これは金融機関全体への公的資金投入の突破口になる危険を持つものと言わざるを得ません。銀行など一般金融機関の破綻の場合には、いかなる場合にも公的資金の投入はないと言い切れますか。さらに、住専と同じような理由を持ち出してノンバンクにも公的資金を投入することはないと断言できますか。しかと答えてください。
ところで、大蔵大臣、あなたは住専処理の最も望ましい方法をどう考えていますか。できることなら、これまでの系列ノンバンクと同様に、母体行が責任を持ち、みずから母体行にふさわしい負担を行い、関係金融機関の協力を得ながら処理するという従来のルールこそ望ましい処理方法だとは考えないのですか。母体行責任による処理を妨げたのはだれですか。その最大の障害は、母体行が追加負担を拒否し、果たすべき責任を逃れる態度をとり続けていることです。
したがって、母体行の追加負担を本当に実現するためにも、住専処理の一協力者にすぎないかのような主客転倒の立場に立っている母体行の態度を許さず、国民とともにこれを厳しく糾弾し、親会社としての責任を迫ることこそが必要であります。総理の見解はいかがですか。
同時に、国民が求めている追加負担は、六千八百五十億円の財政資金にとどまらず、二次処理で生じるであろう巨額になることが予想される損失の国の負担部分をきっぱりなくすこと、すなわち、民間企業の破綻処理にいかなる形でも国民の税金を投入するなということであります。大蔵大臣が考えている追加負担とはどのようなものなのか、これまで明らかにされておりません。この際、具体的に説明していただきたい。
ここで、住専問題をめぐる大蔵省の責任には極めて大きいものがあることを改めて厳しく指摘しなければなりません。
大蔵省は、住専の設立を推進したのに始まり、総量規制、第一次、第二次再建計画への関与、さらに処理過程でも一貫して深くかかわってきました。にもかかわらず大蔵省は、よかれと思ってやったなどと言って今日に至るまで深刻かつ具体的な反省は示しておらず、住専とのかかわりについても明らかにしておりません。このような責任逃れは決して容認できません。大蔵省には、これまでの政策と行政の自己点検を行い、これらの責任を疑問の余地なく明らかにし、国民の疑惑を解明する責任があります。大蔵大臣、いかがですか。
さらに、これまでの論議の中でも明らかになった天下り、天上がりなどに象徴される今までの不明朗で業界と癒着した金融行政をきっぱりと改め、国民に目を向けた金融監督・行政を確立することが必要であります。
連立与党の大蔵省改革案も後退に後退を重ねていますが、我が党がかねて提起しているように、金融機関に対する監督を大蔵省から切り離し独立した監督機関をつくることは、ますますその必要性を増しています。総理、どう考えますか。
さらに、政府は、金融機関の健全性確保のためなどとして、早期是正措置の導入などの措置をとろうとしております。健全性の確保はもとより当然のことですが、バブルの反省からも必要なことは、金融自由化が急速に進められた結果、公共性、社会的役割の重要性を忘れた金融機関に社会的責任を厳しく確認させることであります。その立場から、銀行の業務を規制し、ディスクロージャーを拡充するなど、銀行法を必要に応じて強化していくことなどが必要であると思いますが、これらの措置はとらないのですか。具体的にお答えください。
総理、大蔵大臣、主権在民の憲法発布五十年という年に、国民の八割、九割が反対していることをあなた方自身も認めている住専処理策を強行することは、まさしく主権在民の否定ではありませんか。主権者の意思に沿ってこの際きっぱり廃案にすべきであることを強調して、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/24
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025・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 吉岡議員にお答えを申し上げます。
税金で金融破綻を処理しようということについての国民の怒り及び母体行の追加負担についての御意見をいただきました。
住専問題を初めとする不良債権問題を早急に解決しようとすることは、国民の皆様の預金を守るとともに、我が国金融システムの安定の確保を図り、景気の本格的な回復を確実なものとするために、ぜひとも必要だと私は信じております。今回の住専処理策は、国民の命運に責任を持つ政府・与党としてこのように考え、国民全体のために決断したものであり、最善の方策であると考えております。
なお、母体行の責任については、これまで住専の経営に深くかかわってきた経緯などを踏まえれば重いものがあると考えております。
政府としては、母体行を含め関係金融機関等に新たな寄与を求め、結果として国民の負担をできる限り軽減するよう努力をいたしておるところであります。
また、金融行政については、自己責任原則の徹底と市場規律の十分な発揮を基軸とする透明性の高い行政を行っていくことが重要であり、大蔵省の改革など、これからの金融行政のあり方につき真剣な検討を進めてまいりたいと考えております。
独立した金融監督機関をつくる必要があるのではないかという御指摘でありますが、金融行政につきましては、これまでのさまざまな御批判を踏まえて、今申し上げましたような透明性の高い行政を行っていくことが必要だと思います。
いずれにいたしましても、初めに組織や権限の見直しありきということではなく、これまでの行政のあり方について十分な検討を行った上、これからの新しい金融行政のあり方について真剣な検討を進めてまいりたいと考えております。
今後における金融行政のあり方という御指摘でありますが、金融は経済全体にとっていわば動脈ともいえる重要な役割を担っております。この役割を適切に果たしていくためにも、金融機関はその経営の健全性を確保していくことが必要と考えております。
そのためには、行政当局が規制や監督の強化という形で臨むことは適当ではない、むしろ自己責任原則と市場規律に立脚した透明性の高い行政を行っていくことを基本原則としていくことが重要だと考えており、所要の法律案を御提案申し上げているところであります。
最後に、主権在民の立場に立って、主権者の意思を持って考えろという御指摘であります。
今回の住専処理策は、選挙で選ばれ、国民の命運に責任を持つ政府・与党として、住専問題は不良債権問題の突破口であり、これを早急に解決することがぜひとも必要と考え決断したことであります。
残余の質問につきましては、関係大臣からお答えをざせます。(拍手)
〔国務大臣久保亘君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/25
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026・久保亘
○国務大臣(久保亘君) 住専に財政資金を投入した理由についての御質問でございましたが、住専については、我が国不良債権問題の緊急かつ象徴的な課題となっていたこと及び関係当事者の意欲と努力だけでは解決を図り得ない状態になっていたことにかんがみ、国民の預金を守るとともに景気回復を確実なものとする等のため、住専を整理消滅させるに当たって臨時異例の措置として、財政資金の投入を含む今回の処理方策を決定したものであります。
なお、信用組合の破綻処理に当たりましては、地域経済に与える影響や民生の安定等を勘案の上、公益上の必要性から、都道府県の財政支援が自己の責任に基づく自主的な判断により行われてきているところと承知いたしております。
追加負担を含め母体行の責任において住専を処理し、公的資金の投入を撤回すべきだとの御趣旨に基づき、大蔵省の果たすべき責任など幾つかの視点からの御質問がございましたが、母体行の責任につきましては、これまでの住専の経営の経緯等を踏まえ、債権放棄、拠出、低利融資など、政府の処理スキームに沿っての負担や協力を要請してきたところであります。
また、金融機関の公共的責任の上から、関係金融機関等による新たな寄与の問題について、今後とも、結果としてできる限り国民負担の軽減につながるよう、関係金融機関等の自主的かつ真剣な取り組みを促してまいる所存であります。なお、この問題はあくまでも現行の処理スキームを前提としたものであり、新たな寄与がスキームの変更をもたらすものとは考えておりません。
いわゆる直系ノンバンクの経営問題に対しては、母体行が最大限の支援を行って再建を図る方法をとることが通例と理解しておりますが、母体行の体力的な問題等から、債権額に比例した損失分担などの考え方に基づいて法的処理が行われる例も見られるところであります。
住専問題については、関係当事者間の話し合いだけでは解決を図り得ない状況となっており、未解決のまま放置すると、系統等体力の弱い金融機関の経営が困難に陥ることによって預金者に不安が広がる等のおそれが大きいため、公的資金の投入を行ってでも早期に解決する必要があると判断したところであります。
また、大蔵省としては、住専を含むノンバンクについて、銀行等に対するような広範な指導監督権限を有していない中で、これまで制度上許される最大限の努力を行ってきており、今後は、現在御提案申し上げている関係法案を早期に成立させていただいて、住専の処理及び強力な債権回収等に取りかかることが我々の責務であると考えております。
いずれにしても、公的資金の投入を含む政府の住専処理策は、総理も御答弁がありましたように、我が国の命運に責任を持つ政府・与党として国民全体の最終的利益のために決断したものであり、公的資金投入で責任を取り繕おうというものではなく、撤回ということは考えておりません。
信用組合の破綻処理と関係金融機関の責任に関する御質問でありますが、政府としては、信用不安を醸成しやすい現下の金融環境にかんがみ、今後五年間は金融機関の破綻に際し預金を全額保護し得るような時限的な制度の整備を図ることといたしております。また、信用組合の破綻処理に限り、その厳しい経営状況等にかんがみ、政府保証等所要の措置を講ずることといたしております。
金融機関の破綻処理は金融システム内の負担により賄われることが原則であり、このため、今般、預金保険料率の最大限の引き上げを行うこととしております。また、昨年末の金融制度調査会答申にもあるように、預金保険という公的手段に頼る前に関係者の可能な限りの努力が払われる必要があり、破綻した信用組合と関係の深い金融機関に対しては可能な限りの支援が求められると考えております。
一般金融機関の破綻の場合には公的資金を導入しないのかとの御質問でありますが、信用組合以外の一般金融機関については、全体として不良債権額に対し十分な償却財源を有しており、預金保険機構による大規模な資金援助が必要となる可能性は現時点では低いと見込まれることから、政府保証等特別の制度は設けていないところであります。
ノンバンクに対する公的資金の投入についてのお尋ねでありますが、住専以外のノンバンクにおいては関係金融機関の数が少なく、独立系ノンバンクでは関係当事者間の利害は対立が余り先鋭でなく、直系ノンバンクにおいてはいわゆる親子の関係が一対一と明快なものであり、また、借入先に占める系統の比重が大きくない等、さまざまな点で住専とは異なるものと理解しております。
ノンバンクの不良債権問題は、住専の場合と異なり、原則に戻ってそれぞれのケースごとに関係当事者の意欲と努力により金融システム内において十分解決できるものと理解しており、昨年十二月十九日の政府・与党合意においても、住専以外のノンバンクの不良債権問題については公的関与を行わないことを確認したところであります。
今後における金融行政のあり方に関するお尋ねでありますが、先ほど総理からも申し上げましたとおり、金融は経済全体にとっていわば動脈ともいえる重要な役割を担っており、この役割を適切に果たしていくためにも、金融機関はその経営の健全性を確保していくことが必要と考えております。
そのためには、行政当局が規制や監督の強化という形で臨むことは適当ではなく、自己責任原則と市場規律に立脚した透明性の高い行政を行っていくことが重要であり、市場のチェック機能の活用を図る観点から、金融機関のディスクロージャーの一層の拡充を促していくことはもとより、客観的ルールに基づき経営の是正を促す早期是正措置の導入をお願いいたしているところであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/26
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027・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/27
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028・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 日程第一 商業的造船業における正常な競争条件に関する協定の締結について承認を求めるの件
日程第二 商標法条約の締結について承認を求めるの件
(いずれも衆議院送付)
以上両件を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。外務委員長木庭健太郎君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔木庭健太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/28
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029・木庭健太郎
○木庭健太郎君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、商業的造船業における正常な競争条件に関する協定は、商業的造船業に対する助成措置で撤廃すべきものを定めるとともに、船舶の加害的廉売を効果的に防止する手段について定めるものであります。
次に、商標法条約は、商標及びサービスマークに係る登録の出願及び記録等の申請の手続に関する各国の制度を調和させ、これらの手続の簡素化を図ることを主たる目的とするものであります。
委員会におきましては、船舶取引に係るダンピング防止規定の乱用、米国の造船業に対する助成措置、知的所有権の侵害に対する我が国の対応等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終え、採決の結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/29
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030・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより両件を一括して採決いたします。
両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/30
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031・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 総員起立と認めます。
よって、両件は全会一致をもって承認することに決しました。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十六分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113615254X02519960610/31
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