1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成九年四月二十二日(火曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 杉山 憲夫君
理事 林 幹雄君 理事 細田 博之君
理事 村田 吉隆君 理事 横内 正明君
理事 江崎 鐵磨君 理事 北橋 健治君
理事 細川 律夫君 理事 寺前 巖君
衛藤 晟一君 関谷 勝嗣君
橘 康太郎君 谷川 和穗君
中馬 弘毅君 古屋 圭司君
堀内 光雄君 森田 一君
一川 保夫君 上田 勇君
久保 哲司君 今田 保典君
坂本 剛二君 中田 宏君
松浪健四郎君 辻 一彦君
古川 元久君 平賀 高成君
濱田 健一君 望月 義夫君
米田 建三君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 古賀 誠君
出席政府委員
運輸政務次官 衛藤 晟一君
運輸省航空局長 黒野 匡彦君
委員外の出席者
防衛庁防衛局運
用課長 高見澤將林君
防衛庁経理局施
設課長 富田 耕吉君
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委員の異動
四月二十二日
辞任 補欠選任
玉置 一弥君 一川 保夫君
川内 博史君 古川 元久君
同日
辞任 補欠選任
一川 保夫君 玉置 一弥君
古川 元久君 川内 博史君
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四月十七日
空港整備法の一部を改正する法律案(内閣提出
第三号)
同月十六日
信越本線などのJR東日本からの経営分離反
対、在来線の存続強化に関する請願(木島日出
夫君紹介)(第二〇九三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
空港整備法の一部を改正する法律案(内閣提出
第三号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/0
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001・杉山憲夫
○杉山委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、空港整備法の一部を改正する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を求めます。古賀運輸大臣。
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空港整備法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/1
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002・古賀誠
○古賀国務大臣 ただいま議題となりました空港整備法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
自衛隊の設置する共用飛行場における民間航空の用に供する施設につきましては、従来、空港整備特別会計において全額国の負担により整備してまいりました。近年、その利用者数や路線数は順調に増大しており、地域の利用者利便の向上、地域経済の発展等その地域に及ぶ便益もこれまで以上に大きくなってきております。このような状況を踏まえ、航空輸送需要の増大に的確に対応し、共用飛行場における滑走路整備等を促進するため、他の空港と同様に当該共用飛行場の存する都道府県が当該施設の整備に要する費用の一部を負担することとする必要があります。
また、地方公共団体の管理する空港における滑走路整備につきましては、従来、航空輸送需要に対応し、国と地方公共団体との共同の費用負担により整備してまいりました。しかし、近年、我が国の経済社会の国際化の進展、利用者のニーズの高度化等を背景として、地域における空港の整備に対するニーズも高度化、多様化しており、地方公共団体においては、地域経済の発展等の観点から、みずからが管理する空港の機能の向上を図ることを目的とした滑走路延長工事の施行を求める声が高まっております。このため、地方公共団体がより主体的に当該地域のニーズに応じた滑走路延長工事を施行することができることとする必要があります。
このような趣旨から、この法律案を提案することとした次第であります。
次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
第一に、共用飛行場において、運輸大臣が滑走路等の新設または改良の工事を施行する場合には、その工事に要する費用の一部を当該共用飛行場の存する都道府県が負担することとしております。
第二に、地方公共団体は、みずからが管理する空港において、地域のニーズに対応して滑走路を延長する工事を施行することができることとし、このうち、空港の利用者の利便の向上または地域経済の発展に特に資するものについて、国が補助することができることとしております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/2
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003・杉山憲夫
○杉山委員長 以上で趣旨の説明は終わりまし
た。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/3
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004・杉山憲夫
○杉山委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松浪健四郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/4
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005・松浪健四郎
○松浪委員 おはようございます。松浪健四郎でございます。
こうして質問の機会を賜りましたことを心からお礼申し上げます。それほど知識がございませんので、的確な質問をすることができるかどうか余り自信はございませんけれども、今議題となりました、運輸大臣から説明を受けました空港整備法の一部を改正する法律案にかかわる質問を幾つかさせていただきたい、このように思います。
この法律案は、おおむね共用飛行場における地方自治体の負担についてのことが大きなものかというふうに思うわけでございますが、とにかく自衛隊との共用飛行場整備への地方負担の導入、そして地方空港整備特別事業の導入が改正案の大きな目的であろうか、このように存じますが、共用飛行場の果たした役割というものは大変大きいと思います。
まず第一に、国民が持たれていた自衛隊アレルギーというものを除去する上において、この共用飛行場の果たした役割は大きいのではないのかというふうな認識を私自身持っております。
一九六八年、六九年、私はアメリカの東ミシガン大学教育学部に学びました。この大学のカリキュラムの中に、ROTCという選択科目がありました。これは一口で言えば軍事教練と言われる
ようなものであるかもしれませんけれども、多くの学生がこの科目を選択しておりました。私は日本人として、アメリカの学生がみずからが軍のことを知ろうとする、軍を理解しようとする、一国民として軍をいかにしてとらえるか、軍の規律はどのようになっているのか、また軍人としての心構えはいかに持たなければならないのか、軍から支給された靴、制服、帽子をまとい、マーチングを中心にして授業を行っておりましたけれども、一人一人の学生は、ボタンをきちんと磨いて、規律というものについて十分な認識をしておった、このように私は思います。つまり、軍隊というもの、この存在は一主権国家にとっては必要不可欠であり、特殊なものではないんだという認識を学生が持っていた。しかも、当時はベトナム戦争が佳境に入っておるときでございましたけれども、アメリカの学生が一人一人そういう意識を持っていることを私は大変好感を持った記憶がございます。
その視点から、共用飛行場というもののアピールがもしかしたならば足りないのではないのか、もっともっと共用飛行場というものを国民にアピールすべきではないのか、そういうふうな考えを持っております。そのことを運輸大臣にまずお尋ねしたいと思います。つまり、共用飛行場の啓蒙というものをもっともっと積極的にやっていくべきではないかということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/5
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006・古賀誠
○古賀国務大臣 先生のお話をお聞きいたしておりますと、先生がアメリカに留学をされた中で、その国の軍と申しますか、我が国でいう自衛隊、国を守っていくという大きな役割を担っていることに対する国民の一人としての認識、そういったことを学ばれたということでございます。大変貴重な、また敬意に値する体験を先生みずからがなさったのではないかと、私はまず敬意を表したいというふうに思います。
また同時に、我が国における共用の飛行場についての国民に対するPRを兼ねた認識についてのお尋ねでございます。確かに、先生から御指摘いただくような面があろうかとは思っておりますけれども、今回提案しておりますこの法案の中でも、ただいま私、趣旨説明を申し上げましたが、この共用の飛行場に対しての民間航空機の利用、またそれに対する地域の期待というのが非常に高まってきております。そういうことを勘案して、この法律案を提案させていただいております。こういったことを通じましても、必然的に我々の努力も、また地域の皆さん方の御理解や努力も相まって、今先生から御指摘いただいたようなこの共用飛行場に対する理解と申しますか、そういったことが広がっていくということも私は大いに期待したい、こういう認識でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/6
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007・松浪健四郎
○松浪委員 共用飛行場は自衛隊アレルギーを除去するのに大変な役割を果たした。そこで、民間航空機が、時代の流れ、また国際化社会に対応するために、またその地域の経済の活性化のために必要不可欠である、エプロンを拡張しなければいけない、滑走路を延ばさなければいけない、それらに付随した施設もつくっていかなければならない、大変なお金がかかる、そこで、政府として全額それを負担することができないから、地方自治体に三分の一負担を願いたい、そういう趣旨の法律であろうかと思います。私は、国は、共用飛行場というものをもっと自治体に理解してもらうためには、むしろ、財政事情の厳しい折ではありますけれども、積極的に国が全額負担するという姿勢があってもいいのではないのかという考えを持っておりますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/7
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008・黒野匡彦
○黒野政府委員 共用飛行場につきましては、防衛庁さんの御理解を得ながら今までも使わせていただいてきたわけでございまして、これからもまた、地域の需要と期待といいましょうか、その辺を見ながらふやしていかなければいけない必要性があるかと思います。ただ、その経費をどうするかという問題はまた難しい問題でございまして、現在、国がつくり、地方公共団体に管理を任せております空港が、空港整備法の中では二種Bと呼んでおります。そちらにつきましては、地方公共団体の方から適正な資金を投入していただいておりまして、それとの関係から申しますと、やはりこの共用飛行場についても、公平という槻点から必要であろうというのが一点であります。
それから二点目は、私ども、非常に財源が逼迫する中で、これからの日本の空港をどう整備していくかという大変重い責任を負っております。特に国際ハブ空港等につきましては、このままでは世界の中でおくれてしまうということで、特に重点を置いていきたいと思っております。したがいまして、この乏しい空港整備特別会計の中でどうやるかということの一環といたしまし三地方の方にも一部の御負担をお願いしたい、こういうのが我々の考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/8
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009・松浪健四郎
○松浪委員 第七次空港整備五カ年計画が昨年の十二月十三日に閣議決定を見ました。その予算は自慢できるほどの額でないということは、十分承知しておりますけれども、私は、この共用飛行場のことを考えるについて、どうしても結びつけて考えなければならない大きな問題があるのではないのか、このように考えます。
衆議院議院運営委員会は四月二十一日の理事会、つまり昨日のことでございますが、沖縄の米軍基地問題と地域振興に関し、解決に向け最大の努力を払う決意を表明するとした国会決議を本日の、四月二十二日の本会議で採択することを決められました。駐留軍用地特別措置法改正案の衆議院通過の際、共産党を除く各党が決議に合意して、文案を調整してきたわけでございますけれども、その決議案はおおむね、「一 在沖米軍基地の整理・統合・縮小・移転に全力で取り組む 二 積極的な外交努力により安全保障対話を推進するとともに、「日米安保共同宣言」に基づきアジア・太平洋地域の米軍の兵力構成のあり方を含む軍事態勢についての日米間協議を進めるよう政府に求める 三 地元の意志を十分に尊重し、総合的かつ実効性のある大胆な改革を含む沖縄振興策を講ずるべきだ」というふうな内容だと伺っておりますけれども、沖縄の米軍基地の整理、統合、縮小、移転に全力で取り組む。この措置法が成立するプロセスの中で、私ども新進党と自由民主党が三つの点で合意事項を見ました。その二つ目に、「沖縄県民の負担を全国民が担うという考え方に基づいて解決すべきである。」三つ目に、「基地の整理・縮小・移転等を含め、国が最終的に責任を負う仕組みを誠意をもって整備する」ということでございます。
私の言いたいことは、これ以上沖縄の皆さんに大変な負担をかけることはできない、沖縄の基地を縮小し、そして移転するということを考えていかなければならない。私たち日本人の悪癖として、のど元を過ぎてしまいますと、忘れてしまいます。国家を守るということが極めて大切であることは言をまつまでもございませんけれども、当運輸委員会においても、共用飛行場という問題について考えるときに、我々はリンクしてこの米軍の基地移転についても考える必要があるのではないのか、このように私は考えます。
そこで、国民の多くの皆さんは共用飛行場によって自衛隊アレルギーを極めて希薄なものにしました。もっとふやしてもいいのではないのか、それは、共用飛行場をたくさんつくることによって、自衛隊基地をそこに移し、あいた自衛隊基地に沖縄の米軍基地を移転させる、そのようなことを考えてもいいだろうし、この第七次空港整備五カ年計画に基づいて幾つかの空港が整備されます。これらの空港も共用飛行場として考えるべきではないのか、また考えてもいいのではないのか、私はそのように考えるわけでございます。と申しますのは、この五カ年計画の中にも、柔軟に対応していく、必要があれば計画を見直すというふうにも書かれてあります。
そういう視点から、このような考え方、極めて飛躍した論議であるかもしれませんけれども、沖縄の皆さんの立場を考え、そして、今回の措置法の成立をかんがみたときに、私たちも積極的に、運輸省を含めて、これらの問題について考えていく必要があると私は思いますが、運輸大臣はいか
にお考えであるか、お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/9
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010・古賀誠
○古賀国務大臣 先生から御指摘をいただきましたように、現在、沖縄にあります米軍の施設・区域の整理、統合、縮小の問題というのは、政府の重要課題の一つでありまして、現在、政府が挙げて真剣に取り組んでいるところでございます。また、先生もそういう観点から沖縄に思いを寄せて、今、運輸省としてのできる範囲というものがどういうものなのかということの観点から、御指摘をいただいたものだというふうに思っております。
特に民間空港において何らかの政策が考えられないのかということに軸足を置いてのお尋ねかというふうに思いますけれども、先生も御承知のとおり、この民間航空の発達のための空港の整備というのは、利用者の負担を原則といたしているところでございまして、空港整備特別会計によって今日まで推進をしてきているところでございます。米軍基地の本土移転という目的のために、この民間航空利用旅客の負担によって基地施設の整備を行うというのは、特別会計の制度の趣旨から見ても問題が多いのではないか、こんな認識でいるところでございます。
先生がおっしゃるように、最重要課題であります沖縄の米軍施設の統合、縮小というのをあらゆる角度から検討するということについては、先生の御指摘を十分私どもは踏まえていく必要があろうかというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/10
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011・松浪健四郎
○松浪委員 運輸省の発表されました「世界主要各国の国際線着陸料比較」、一九九六年の資料でございますけれども、これを見ますと、成田それから関西国際空港、そしてその他日本の着陸料が、諸外国のそれと比較した際、物すごく高いわけであります。航空機はもはや、世界的に見て大競争時代に突入しているにもかかわらず、こんなに着陸料が高いと、日本の航空行政、サービス、こういったものがだんだんおくれてしまうのではないのかという危惧を私は抱いております。
例えば、成田でありますと、ボーイング747の国際線仕様は九十四万八千円である、関空は九十万八千五百円、その他日本の空港は七十一万七千五百四十円、ロンドンのヒースローを見ますと、わずか七万三千円であります。これを何とかしていかなければならないし、そして、ハブ空港を持たなければならない現代において、お隣のソウルの金浦空港は三十三万三百八十四円、香港はそれより安くて二十九万七千八百三十五円、シンガポールも三十一万九千百九十円というふうに、物すごく安くなっております。私は、この大競争時代に日本の空港が乗りおくれてしまうのではないのか、大変心配をしておるわけであります。
と思えば思うほど、この着陸料を安くするためのアイデアが求められる。そのアイデアとは一体何なんだろうかと考えたときに、私は、共用空港をつくる、そしてむだのない形で空港を使用し、この着陸料を下げる、これが一石二鳥ではないのかというふうにも考えるわけであります。これについて運輸省はどのように思われるか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/11
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012・黒野匡彦
○黒野政府委員 先生おっしゃるとおり、我が国の空港使用料は非常に高うございまして、この委員会でも、下げることはできないかという御指摘を重ねて受けましたし、あちこちからいろいろな意見を賜っております。
ただ、空港特会の状況を申し上げますと、例えば八年度ですと、全体といたしまして五千六百億ほどの工事をやることになっております。そのうちこの空港使用料、幾つかの種類がございますが、あえて大くくりいたしますと、二千百億が空港使用料でございます。それから、いわゆる公共事業費が一千四百億という内訳になっておりまして、この空港使用料というのが我が国の空港を整備するために非常に大事な財源になっております。実は、航空局の中でも空港をつくる立場とそれから航空事業を監督する立場と両方がございまして、局内でも事業者のサイドに立てば、あるいは利用者のサイドに立てばもっと下げるべきだという議論が現にございます。一方、空港をつくる方からいいますと、これ以上下げたら、地方空港ばかりではなく、これからますます整備が必要な大都市の拠点空港あるいは国際ハブ空港、この整備がおくれてしまう、そこのところがありまして、なかなか空港使用料を下げるというのは難しい状態でございます。
沖縄の問題が出ましたから、ちょっともう一つ申し上げますと、沖縄につきましては、那覇空港から本土を結ぶ路線の空港使用料を下げ、それを運賃の引き下げまでつなぐことによって沖縄に何らかの形で貢献したいということで、これにつきましては、国からの一般財源の投入をふやしていただきまして、沖縄の那覇空港関係の空港使用料はかなり思い切って下げてございます。そんな状況でございまして、私どもといたしまして、今この空港使用料そのものを下げるというのは大変厳しい状態にございます。
しからば、共用飛行場をより活用することによって、新しい空港をつくるよりはコストが低く済むのではないかという御指摘だと思いますが、防衛庁さんの方に大変御協力をいただきながら共用飛行場をふやしてまいっておりますが、やはり自衛隊は自衛隊としての責務というか任務があるわけでございまして、こちらだけの事情で一方的にふやすというわけにもいかないと思っております。
ただ、方向といたしましては、私ども、その地域の需要等を考えまして、防衛庁さんの御同意が得られれば、共用飛行場をふやしていくというのは、国民の方々に航空サービスを提供するという観点から望ましい方向だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/12
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013・松浪健四郎
○松浪委員 悲しいかな縦割り行政の弊害が見られるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、沖縄の問題は政府が一体となって考え、そして、沖縄の人々の声を本土の人々が担うということを忘れてはならない、そのように思います。
私の手元には、この秋に出されるガイドラインの見直しの自民党案がございます。これをよく読んでみますと、私たちの国はいろいろな脅威にさらされているのだ、そして米軍を削減、兵を削減することはできないというような認識、これは私自身も持っておりますけれども、この自民党案によりますと、沖縄の米軍基地の問題について、在日米軍への安定した施設・区域提供に最大限努力するというふうに書かれてあります。最大限に努力するためには、移転について本気になって考えなければならないし、単に防衛庁の問題ではなくて、運輸省も、また他の関係省庁も本気になって取り組むことこそが肝要である、このように私は思います。
そこで、話を変えますけれども、自衛隊と民間会社が共用している。素人の視点からしますと、もしかしたならばいろいろなトラブルが生じるのではないのか、こう思うわけですが、新聞を読んでおりましても、そのようなトラブルは一向に聞こえてまいりません。今のところ、共用の使用について何のトラブルもないのかどうか、防衛庁にお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/13
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014・富田耕吉
○富田説明員 お答えいたします。
確かに民間機と共用しております自衛隊飛行場につきましては、自衛隊の運用あるいは使用の柔軟性といいますか、融通性という面で、本来、専用で利用できる飛行場よりは劣るわけでございますけれども、そこは鋭意調整を図りながら実施しておるということで、特に私がトラブルという形で聞いている事柄はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/14
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015・松浪健四郎
○松浪委員 平成八年度に領空侵犯などのため航空自衛隊が緊急発進した回数が、昭和六十三年度以来八年ぶりに増加した、航空幕僚監部のまとめでわかっておるわけでございますが、このことについて御説明いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/15
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016・高見澤將林
○高見澤説明員 お答えいたします。
航空自衛隊のスクランブルにつきましては、我が国周辺の国籍不明機等に対するスクランブルを実施しているわけでございますけれども、先生御指摘のとおり、ここ数年ずっと十年近く低下傾向にございましたけれども、平成七年度が大体百六十回程度だったわけでございますけれども、昨年度は二百三十四回ということで、若干ふえたとい
うことでございます。ただし、従来のピークだったころに比べますと、年間一千回近くスクランブルをしていたこともございますので、かなり低い水準になっておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/16
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017・松浪健四郎
○松浪委員 そこで、二百三十四回あったということでございますけれども、共用飛行場からのスクランブルはあったのかどうか、これをお聞きできますか。
〔委員長退席、村田(吉)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/17
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018・高見澤將林
○高見澤説明員 お答え申し上げます。
自衛隊のスクランブルというのは全国の七つの航空基地で実施しておりますけれども、その中には共用の飛行場であります小松基地も含まれております。それで、昨年の二百三十四回のスクランブルの中に、それほど数は多くございませんけれども、共用飛行場であります小松基地からのスクランブルというものも実施しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/18
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019・松浪健四郎
○松浪委員 二百三十四回の中で一番多かったのは、ロシアが多かった、このように聞いておりますけれども、間違いございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/19
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020・高見澤將林
○高見澤説明員 お答え申し上げます。
昨年度の場合ですと、二百三十四回のうち、ロシア機によるものというふうに私どもで推定しておりますのは、全体の約七割でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/20
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021・松浪健四郎
○松浪委員 自民党のガイドラインの見直しの案を見ますと、朝鮮半島であるとか台湾、中国関係、ほかに東南アジアの諸国が、目覚ましい経済発展を背景に国防力の近代化や拡充の動きが見られる。地政学的に見て、沖縄に米軍を固めるというのは非常に的を得ているということが言えるかもしれませんけれども、ロシア機のスクランブルがそんなにふえてきている。これは、多分燃料事情の好転であるとか、訓練体制の見直しなどによって多いのだろう、このように推測されているわけですし、また幾つもの機種がロシアにあり、そして領空侵犯を行っているということでございます。
このことをかんがみますと、我が国の国土は、どうも朝鮮半島や中国、台湾あるいは東南アジア諸国の問題だけにとどまらず、やはり北の方も注目しなければならない。米軍の移転というものを考えたときには、それも視野に入れるべきではないのか、このように考えるわけでございます。いずれにいたしましても、共用飛行場が役立っているということを再三繰り返し認識しているということをお伝えしておきたい、このように思います。
そこで、共用飛行場の滑走路が延ばされる、大きな飛行機が発着陸するようになる。これで地域の活性化を達成することができるのでしょうけれども、それに伴って、その周辺の環境整備にも力を入れていかなければならない。これらについてはどのように考えているのか、運輸省にお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/21
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022・黒野匡彦
○黒野政府委員 自衛隊と民航とがともに使っている空港というのは大きく分けて二つございます。一つは民、要するに運輸省の方が持っている空港を自衛隊さんに使っていただいているケースと、逆に自衛隊の空港を民が使っているケースと両方ございまして、いずれも自衛隊が使っていることには間違いございません。
そこで、私どもと防衛庁さんの方とでいろいろ検討いたしまして、環境対策等は原則としてその空港を管理している側が主として行う、こういうルールを一応つくってございます。その中において、私どもなりに環境対策、騒音対策に万全を尽くしてまいりたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/22
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023・松浪健四郎
○松浪委員 万全を期すよう心からお願い申し上げます。
運輸省は、このほど、成田空港周辺で現行制度では対象とならない騒音区域外の民家防音工事の助成など、よりきめ細かな環境対策を実施するために、財団法人成田空港周辺地域共生財団と呼ばれるようなものを六月に設立するというふうにお聞きしておりますけれども、これについて御説明いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/23
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024・黒野匡彦
○黒野政府委員 成田問題の経緯は先生も御案内かと思いますから、そのところは省略させていただきますが、平成三年の十一月、いわゆるシンポジウムという形で反対派の方々も含め話し合いをする場が設けられました。三年の十一月以来十五回開きまして、さまざまな議論を尽くしました。その後、引き続きまして、五年の九月から円卓会議という形でさらにそれを推し進めまして、こちらの方も十二回、地域の方々との非常に厳しい議論をお互い本音で闘わせてまいっております。
その結果といたしまして、国側といたしましては奪強制的な形での土地の取得はしない、あくまでも話し合いでいきますという姿勢を明確にいたしまして、いわゆる事業認定、これについても取り下げてございます。一方、地域の方々の方も、平行滑走路についての必要性は認めるという結果になりまして、お互いやっとその接点を見つけることができたというのが、この二、三年の動きでございます。したがいまして、私ども、この中において地域の方々と対等の立場で議論をしながら、平行滑走路の整備に今万全を尽くしているというところでございます。
今申し上げましたシンポジウムなり円卓会議、その場で出てきた考え方といたしまして、共生、ともに生きる、空港と地域が一緒になって地域開発をし、あるいは雇用の場もあるという形で両立できる、そういう手はないであろうかということをお互いに模索をしました。その結果といたしまして、現在の環境対策だけでは、やはり不十分であろうということで、今まさに先生がおっしゃいました財団をつくりまして、これは地方自治体と公団が全く五分と五分の資金を出し合いながら、環境対策について万全を期すというものでございます。
率直に申し上げまして、成田のような大きな空港を内陸につくるというのは、これからは非常に難しいかと思っております。難しいのは結局は環境問題で、周辺の方々に大なり小なりいろいろな御迷惑をおかけするということでございまして、そういう意味から、この財団で、いわば国というか公的な立場から、なかなか措置できないことについて、きめの細かい対応をしようではないかということで財団をつくったわけでございます。このような長い経緯を経ての一つの到達点でございますから、これをそのまま他の空港に持っていくということは、私どもといたしましては考えておりませんし、仮にやるといたしましても、非常に難しいプロセスがございますから、現実問題としては難しかろうと思っております。
私どもといたしましては、他の空港につきましても、きちんとした騒音対策の基準がございますから、この基準に沿って万全を期してまいりたいと思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/24
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025・松浪健四郎
○松浪委員 後手後手に回る今までの行政のサービスを見ておりますと、この共生財団に対して運輸省が積極的に取り組まれていることに感謝させていただきたい、こういうふうに思います。つぎましては、このような財団を、いろいろなところで騒音問題が騒がれているわけでございますけれども、よく調査をし、積極的に各地域でもつくっていかれるよう要望しておきたい、このように申しておきたいと思います。
まさに航空機時代でございまして、いろんな方々が飛行機を利用され、利用客は年々増加の一途をたどっております。好ましいことでありますし、幸いなことに近年大きな事故もなく、安全対策が十分に行き届いているというふうに認識するものでございますけれども、利用者の側からしますと、非常に面倒くさいことが起こってまいりました。
どういうことかど申しますと、チケットを買うには余りにも幅があり過ぎて、どのようにして買えばいいのか。この前もチケットカウンターで係員の方に、何種類のチケットを売っているのか、こう尋ねましたならば、係員が、余りにも多過ぎてわかりませんと答えられました。売っている人間が何種類あるかわからないのに、買う側が、利用者がわかるわけがない。こんなに割引の幅があっていいのか、こんなに切符を買うのにややこしいことを、運輸省がそのまま認めていていいのか。いっそのことそういうものを廃し、うんとサー
ビスするというのであるならば、割引するというのであるならば、運賃をきちんと下げる、そういう行政指導があってしかるべきではないのか、こう考えますが、運輸省はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/25
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026・黒野匡彦
○黒野政府委員 私ども、国内航空につきまして、各企業同士が競争をする、そういう基盤をなるべくつくりたいということで、従来から努力をしてまいっております。競争によって体質を強化し、国際線の場においても他国と対等に闘えるといいましょうか、そういう目的もございまして、国内についても競争をむしろ我々の方は奨励をしてまいっております。
従来から五〇%に達しない割引制度、これについては届け出だけでいいですよ、こういう制度にいたしましたし、また運賃そのものにつきましても、幅運賃、二五%の幅の中で各企業の判断で額を決めていい、こういうことをやっておりまして、一歩一歩各社の考え、営業政策、それによって競争が実現されるという方向に参っております。この流れそのものは、私どもは大事にしていかなければいけないと思っております。
ただ、今先生御指摘のとおり、余りにも複雑な制度になり過ぎますと、各利用者が大変不便を感じますし、極端な場合、自分の座席の隣に座っているのは一体幾らで乗っているのか、おれの方が高くて損しているんじゃないか、そういう潜在的なフラストレーションがたまることもあり得るわけでございまして、エアラインに対しましてはあらゆる機会を通じて、運賃制度あるいは割引制度の中身について、利用者の理解を求めるようにしてくださいということを再三再四お願いをしております。
具体的には、飛行機に乗っていただきますと、前の座席の後ろにポケットがありますが、あの中に大概の航空会社が、今私どもはこういう運賃でやっていますよという説明書が入っていると思いますし、それから、店頭におきましても、そこのところは十分PRをしております。さらには、インターネットのホームページを使いまして、現在はこういう割引ですよということを御理解を徹底するように措置をしております。
ただ、今先生御指摘の係員の方がわからないといったのは、大変これは申しわけないことでございまして、さらに一層社員の教育を徹底し、利用者の方々に一番ベストな選択を紹介するといいましょうか、そういうことにさしていただきたい、そういう方向で努力をさしていただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/26
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027・松浪健四郎
○松浪委員 運輸省が競争を奨励しておる。そして、利用者がサービスを受けられるようにということだと思いますけれども、余りにもサービス合戦が過熱し過ぎているのではないのか。マイレージに応じて無料航空券などをプレゼントするマイレージサービス合戦が余りにもひど過ぎる。これはどんどん進んでまいりますと、このことによって各社が経営破綻を来すおそれもあります。現にそれはアメリカで例があるわけでございますけれども、とにかくコストを無視した、利用客を囲い込みたいがためにチケットをたたき売りするような競争があってはならない。そこで心配しておるわけでございますが、これらのこともあわせて御指導賜ればありがたい、このように思います。
次にお聞きしたいことは、いよいよ関西国際空港の二期事業がスタートしておるわけでございますけれども、これらに関連して、幾つかのことをお聞きしたいと思います。
関西国際空港は、開港以来三年目に入りました。旅客数であるとか便数ともに順調に増加しておりまして、地元の議員としては大変喜んでおります。しかし、昨年七月、運輸省から、大阪、兵庫及び和歌山の地元三府県に対しまして、現行経路では年間離着陸回数十二万回から十三万回が限界である等の問題点が示されました。もともと三点セット当時は、一期はもとより、全体構想実現時においても現行の海上ルートで可能との説明がなされていたにもかかわらず、なぜ十二から十三万回という段階で飛行経路の見直しが必要になるのか。こうした状況に至った背景、原因について、運輸省は地元が納得できる論理的な説明を行うことが不可欠である、このように私は思います。現在、運輸省や大阪府におきましては、専門家による検討会議を設置して、現行飛行経路の現状と問題点についてのさまざまな検証が行われていると理解しております。
そこで、運輸省が設置する検討会議では非公開で審議が進められております。それゆえに、なかなかその会議の中身の全体像が見えてこない部分がございます。そこでこの際、国の会議におきましてはどのような検討が行われているのか、その点をお聞きできる範囲内でお聞きしたいと思います。
〔村田(吉)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/27
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028・黒野匡彦
○黒野政府委員 先生も御案内のとおり、関西空港をつくりますときにいわゆる三点セットという形で、この関空をどういうふうにつくり、どういうふうに運用していくかということを、地域の方々に明示さしていただいております。その中に、陸上経路は極力避けましょう、こういうことが明確に書いてございまして、私ども、この三点セットの考え方は、これからも忠実に踏襲しなければいけないと思っているところでございます。ただ、当時想定した航空需要と現在の航空需要との差が余りにも大きくなりまして、結局のところ、航空需要全体が大変伸びておりまして、これは関空だけではなくて国内のいわゆる航空路、これが相当厳しい状態になっております。
そこで、私ども、今コンピューターを使いましていろいろなシミュレーションをやりまして、今のままでは関西空港の能力を十分に発揮することは困難である、そういう方向の検討をしているところであります。具体的に申しますと、昨年の八月に省内に関空における飛行経路問題検討会というものを設けまして、そこで九回にわたりましていろいろな議論、これは本当の専門家の議論をさしていただいております。そこの議論は、現在の飛行経路で一体どこまで対応できるのかということを徹底的に考えよう、検討しよう、突き詰めよう、こういうことでやっておりまして、それに対する対応というのは、現在の問題点を明らかにした上で、改善策をまた地元と御相談するというやり方をとらせていただきたい、現にとっているところでございます。
一方、地元の方も、大阪府が中心になりまして、関空の飛行経路等に係る専門家会議というのを設けまして、三回にわたり議論をしていただいております。そのうち二回目と三回目は私どもの専門家も出させていただいて、そこで議論をさせていただいております。
いずれにいたしましても、その両方の場におきまして、専門家の目から見てどこに問題があるのかという、そこのところをまず整理しよう、その上で新しい提案をさせていただかなければいけない、こういうふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/28
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029・松浪健四郎
○松浪委員 関西国際空港の飛行経路の問題は、三点セットの基本に基づいて、騒音公害のない空港つくりを原点にして考えていっていただきたい、このように思います。そのためには、地元で約束した現行飛行ルートでの増便努力も続けて、その上でどうしても問題があるのなら、あるということをお示しいただいて地元に理解してもらうということが重要であろうかと思います。
先日の新聞を読んでおりますと、羽田発関空経由の海外便が「首都圏ツアー客に人気」というタイトルで報道がありました。羽田も二十四時間化することを考えますと、この際、関空において、昼間の混雑時間帯を避けて、深夜、早朝の増便に力を注ぐということも今後取り組むべき一つの方向であるのではないのか、このように思います。二十四時間空港である関空の特性を引き出して国際ハブ空港として育てていくためには、早朝、深夜の時間帯を活用し、国内はもとより世界の航空需要にもこたえていくことが重要であると思います。こうした時間帯への乗り入れをもっと積極的に航空会社に運輸省は働きかけるべきではないのか、その点についてお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/29
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030・黒野匡彦
○黒野政府委員 関空につきましては、開港当初は予想よりも若干少ない発着てございまして、その時点では私どももちょっと心配をしたわけでございます。その後の伸びは大変著しいものがございまして、おかげさまで少なくとも昼間の間というのはほぼ満杯という情勢でございます。したがいまして、これからさらに入れるためには、朝あるいは夜の枠というのを十分に使うように努力はしなければいけないと思っておりまして、現に幾つかの外国のエアライン等がそういう予定を組んで、それに応じたダイヤを既に公表しているところでございます。
ただ、一点だけお許しいただきたいのは、滑走路というのは常時手入れが必要でございまして、そのために深夜のある時間をブロックしなければいけないということでございます。このブロックの時間もなるべく少なくするように今私ども努力しておりまして、関空を二十四時間空港として十分に活用できるように我々も努力をしておりますし、それからエアラインの方も、何かいい知恵はないかということで今一生懸命検討している、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/30
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031・松浪健四郎
○松浪委員 先ごろ、タイ国際航空が我が国で初めて、深夜の一時や三時に離発着する、バンコク発関空経由ロサンゼルス行きの便の路線認可を運輸省に申請したということであります。しかし一方、アクセスの問題など課題も多くて、今回のタイ航空の乗り入れに対する対応というものが、今後の二十四時間空港としての関空の発展を左右するのではないのか、このように考えます。
そこで、以下の三つの点についてお聞きしたいと思います。
まず第一に、今回の関空経由の深夜便という動きは、アジアとアメリカとを結ぶ路線における給油の必要性という意味からは、今後、タイ航空以外の東南アジアの航空会社も同じ状況にあると思われます。これら航空会社にも関空の利用を働きかけるべきではないか、そのことについてお伺いしたいと思います。
第二点は、関空はユーザーフレンドリーな空港を標榜しているわけでございますけれども、空港会社では、深夜便で到着、出発する旅客に対してどのようなサービス提供あるいは施設整備を考えているのか、これもあわせてお伺いしたいと思います。
最後に、現在のところ、関空では鉄道もリムジンも深夜運行していないわけでございますが、関空で深夜乗りおりする旅客のための公共交通機関としてはどういうものを想定しているのか、また二十四時間空港における交通サービスの提供やそのあり方について、交通事業者に対する指導的立場にある運輸省としてはどのように考えているのか、あわせて質問させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/31
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032・黒野匡彦
○黒野政府委員 今先生御指摘のとおり、タイ航空が五月二日から深夜の運行をしたいという申請が出ておりまして、私どもとして大変歓迎をしているところでございます。したがいまして、これからも、東南アジアのエアラインばかりでなく、いろいろなエアラインから関空への乗り入れの希望がありますから、その際において、あいている時間帯を使ったらどうですかということは、当然我々としては彼らとネゴシエーションをしなければいけないと思っているところでございます。
ただ、そのときに問題は、先生がおっしゃいました、例えば真夜中に空港に着いて一体どうすればいいんだ、こういうことが起こり得るわけでございます。そのために関西空港の会社といたしましては、例えて申しますと、コンビニエンスストアは二十四時間開いておりますし、それから、空港でもう少し明るくなるまで時間を過ごしたいという方も見えます。そういう方には毛布を貸し出しをするとか、考えられるいろいろなサービスをやっているところでございまして、これもフレンドリーの一つかと思っております。
ただ、抜本的には、やはり公共交通機関の運行時間を延ばしまして都心部までは運ぶというのが理想でございますから、これにつきましては、いわば鶏が先か卵が先かという問題にもなるわけでございまして、これからの需要との相関関係を見ながら決めていかなければいけないと思っております。さらには、仮に鉄道なら鉄道を運行いたしまして深夜大阪に着いたとしても、またそこで同じ問題が生ずる可能性がございますものですから、この辺につきまして、私ども、深夜便についてこれからどのくらいふえるかということとの相関関係を考えながら、交通機関の整備も含めて手を打っていかなければいけないと思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/32
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033・松浪健四郎
○松浪委員 最後にお聞きしたいのですが、ことしの一月から三回にわたりまして、運輸省とアメリカ国務省との間で次官級の非公式協議を行っている、双方が自由化について提案をし、段階的自由化で一致したという報道がございます。この日米航空交渉の進捗状況をお聞きすることができればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/33
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034・黒野匡彦
○黒野政府委員 最近、三回にわたりまして非公式の会議をやっておりまして、その場におきましては極めて率直な意見交換ができております。私どもは、この日米航空協定につきまして、やはり不平等性がある、だから平等化をしてほしい、その平等化とあわせて自由化あるいは輸送力の拡大を提案をしております。アメリカ側はもちろん、日本の考えにはそれなりに理解はしていただいていると思いますが、アメリカ全体といたしまして、いわゆるオープンスカイという大きな目標を掲げまして、彼らも世界の各国と今交渉をやっているところでございます。このオープンスカイというのはどういうことかといいますと、輸送力それから路線、相手国内の地点、それを全部自由にして航空会社の判断にすべて任せるというのがオープンスカイでございます。
私どもといたしましては、このオープンスカイについては、今のままでこれを受け入れるわけにはいかない、こういう言い方をしておりまして、その一番大きな理由は、アメリカというのは国際航空はもちろん非常に強いのですが、そのベースといたしまして、アメリカの国内の航空市場が非常に大きいわけでございまして、全世界の約三分の一がアメリカの国内市場でございます。アメリカのエアラインは国内の約半分が国際の方に出ているという関係になっておりまして、アメリカの言うとおり、今直ちにオープンスカイをした場合にはいろいろな問題が起こるものですから、私どもといたしましては、オープンスカイはだめです、それ以外のところにつきましては、平等化あるいは自由化というところで我々の主張を行っているという段階でございます。
相手のある話ですから、これからどうなるかということを余り先走って申し上げるのはなかなか難しゅうございますが、今までアメリカに対しまして、私どもが本格的な航空交渉をしましょうということを、かなり長い間にわたってこちらから働きかけをしてきておりましたが、ずっとアメリカはむしろ断ってきた、こういう経緯があります。ただ、今日やっとそういう形で話し合いが進んだわけでございまして、私どもといたしましては、何とかこの方向で結論を得るように最大限の努力はしたいと思っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/34
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035・松浪健四郎
○松浪委員 いずれにしましても、我が国の航空各社が不利益をこうむらないように慎重に交渉していただきたい、このようにお願い申し上げまして、時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/35
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036・杉山憲夫
○杉山委員長 一川保夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/36
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037・一川保夫
○一川委員 新進党の一川保夫でございます。このたびの空港整備法の一部改正に関しまして、私の方から幾つか確認をさせていただきたい、そのように思います。
先般の予算委員会におきましても、この法律の改正の問題に関連しまして、概括的に運輸省並びに防衛庁等の見解をお伺いしたことがあるわけでございますけれども、私、今回の、特に共用飛行場に対しまして新たに三分の一の地方負担を導入したという、そこの意味合いをもっとしっかりと認識する必要があるのではないかというふうに考えております。
御案内のとおり、共用飛行場というのは自衛隊の基地と共用しているわけでございますけれども、これまで長年、基地を有している地域の住民の方々あるいはそこの市町村、県等にとりましては、非常に難しい問題を抱えながら、何とか基地と共存共栄できるというような状態をつくり上げるために相当の努力を積み重ねてきております。そういう中にあって、先ほどの法律改正の説明を聞いておりましても、最近、共用飛行場において路線の数がふえてきた、あるいは利用者の数がふえてきたというような背景の中で、共用飛行場といえども地域の振興に非常に寄与するという観点で、第二種A空港並みのそういう地方負担を導入するのだというような説明になっているわけです。共用飛行場の特殊事情といいますか、非常に制約がある中で民間航空のそういう導入を図りながら、関係者の方々が大変な御努力をされておるわけです。
これまでのそういう経緯を踏まえた場合に、ただ単に他の地方空港の地方負担と同等のものを今回、導入するんだというような通り一遍の説明だけでは、共用空港を抱えている地方公共団体等にとっては、非常に寂しい思いがするのではないかという感じがするわけですけれども、そのあたり、改めて運輸省の御見解を伺っておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/37
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038・黒野匡彦
○黒野政府委員 先生の御指摘というかお気持ちは私もわからぬではないのですが、現実問題といたしまして、共用飛行場の利用と普通の民間空港の利用、その間におきまして利用者の方が受けるサービスそのものについては、そんなに大差がないのではないかと私ども思っております。もちろん防衛庁さんの飛行場でございますから、若干の違いはあるかもしれませんが、そんなに大きな違いはないというのが現実だと思っております。
また、共用飛行場について利用が増大いたしますと、地域の開発あるいは雇用の場と、いろいろな面で地域に貢献することは確かでございますし、これからも共用飛行場の整備について幾つかの声が上がってくるかと思います。そういうことを考えますと、他の空港との調整といいましょうか調和といいましょうか、その面からいきましても、若干の地方負担をしていただくことの方が、共用飛行場の発展あるいは新たに共用飛行場にするという動きを加速することになるのではないかと思っておりまして、そのためにも地方の方々には若干の御負担はお願いしたいというのが、私どもの考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/38
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039・一川保夫
○一川委員 共用飛行場といいますのは、先ほども触れましたように、いろいろな経緯なり悩みを抱えている中での飛行場であるわけでございます。私の地元にも小松空港という共用飛行場がございますし、常日ごろの状況を見ておりましても、騒音の問題あるいは自衛隊の事故等に対する不安感、そういうものを抱えながら、一方ではできるだけ地域の活性化を目指すという意味合いで、これまでも運輸省等の御指導を得ながら、民間航空の導入を図ってきておるわけでございます。
そういう中にあって、今回、地方の負担が導入されてきた。このことにつきまして、確かに地方公共団体からは、新たな負担の導入に対して特段の異論といいますか反対ということは、私ども、聞いてはおりません。ただしかし、その裏を返せば、やはり共用飛行場であっても、今後、本当の地方空港の一つのネットワークとしてしっかりと整備しながら、より新たな路線の開設等について国レベルで積極的に対応してほしいという、一方での期待感というのが当然、地方の中にはあるのだろうというふうに私は思います。
そういうことを考えますと、このたび第二種A空港並みの地方負担を導入したということからしますと、まあ第二種空港並みのそういう扱いを、これからも共用飛行場についてはしっかりと将来を見定めながら整備していくというような基本姿勢というのが、運輸省の方にそういう考え方がおありなのかどうか、そのあたりをちょっと確認しておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/39
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040・黒野匡彦
○黒野政府委員 今先生御指摘の小松も含めまして、共用飛行場の利用率が徐々に上がってきております。私ども、これはもちろん防衛庁さんの御理解を得なければいけないわけでございますが、その上で、この共用飛行場を、地域の方々が期待するような形での整備は積極的に進めてまいらなければいけないと思っております。
また、地域からある程度の負担をしていただくということは、現実問題といたしまして、かなり地域の声もその空港整備に反映させることがますます可能となるというふうに考えておりまして、あくまでも、地域の方々の御意向あるいは需要、そういうことをベースにこれからも整備を進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/40
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041・一川保夫
○一川委員 ぜひ、そういう基本的な考え方で、共用飛行場に対する積極的な対応方をお願いを申し上げたいというふうに思います。
また、こういった共用飛行場の抱えている問題点というのは幾つかあるわけでございます。今、共用空港というのは全国で五カ所だというふうに聞いておりますが、地方空港全体のこれからのそういう整備拡充という一つの施策の中で、共用飛行場というものをどういう位置づけをされていくのか、そのあたりの基本的な考え方をちょっと御説明を願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/41
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042・黒野匡彦
○黒野政府委員 共用飛行場につきましても、私どもの考えといたしましては、普通の地方空港と同じような機能が果たされるわけでございますから、共用飛行場だからどうするということとは別に、地域全体にとって、共用飛行場、地方空港あわせてベストな選択をし、整備を進めるということだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/42
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043・一川保夫
○一川委員 では、地方空港の話題を出しましたので、ちょっと運輸省の基本的な施策の考え方を確認しておきたいわけですけれども、今、地方空港でも、国際化ということで、大変各地域の皆さん方が力を入れておられます。
先ほど松浪委員の方から御質問がありました、ああいう関西空港なり成田空港なりという、日本にとって大きなハブ空港的な大空港は、もちろんこれからの日本の空港整備にとっては大事な仕事ではございますけれども、一方では、地方に住んでいる方々からしますと、成田空港なり関西空港に行くのに相当時間を要するというようなことも含めて、地方の空港にそれなりに国際便を乗り入れてもいいではないか、そういう要望を非常に強く持っておる地域もございますし、また、いろいろなセールスを展開されている地方公共団体もたくさんあるわけでございます。
運輸省が、一九八七年ですか、約十年ほど前に、テン・ミリオン計画というものを立案されたわけでございますけれども、当時は、日本人の海外旅行者の数を倍増させたいという、そういう目標を掲げての計画だというふうに聞いております。それが、目標年次を待たずして目標が達成されたというふうにも聞いておりますけれども、その後、こういった、特に地方空港もある程度意識しながら国際化を図っていくという基本的な考え方というのが、どうも最近、ちょっとトーンが弱くなってきたのではないかという感じが私はするわけでございます。そのあたり、基本的にどういう考え方で今臨んでおられるのか、そこを確認しておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/43
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044・黒野匡彦
○黒野政府委員 今、地方空港で、国際線が乗り入れている空港が十幾つまで来ております。
私ども、従来から、この地方空港の国際化ということにつきましては、私どもなりの努力をし、推進してきておりますが、特に我が国と往来が多いのは韓国でございまして、ついこの間も、韓国との交渉をいろいろ進めて、このことについても当方なりの考えをまとめていたわけでございます。最近に至りまして、やはり、日本の近くの東南アジアの各航空会社ともに、日本に乗り入れることが採算的に合うかどうか、商売になるかどうかということを大変シビアな目で見るようになってまいりました。一時、東南アジアの国等も大変日本に対して関心は持っておりましたが、それをもう一度見直そう、こういう機運が私どもの方には伝わってきておりまして、当然韓国から新しい
地点の要望があるかなと思ったら、全くないという情勢でございまして、地方空港の国際化という動きが少々歩みがのろくなっているのではないかという点は、先生御指摘のとおりだと思っております。
ただ、私ども、私どもの方からそれを拒否するとかいうことはするつもりはございませんで、あくまでもこれは、航空交渉の場におきまして、先方からの希望があれば、できるだけこれを日本の国内にも入れるという方針は変わっておりません。ただ、CIQ、ここの要員確保というのは大変難しい問題でございまして、私どもだけで解決できる問題ではないものですから、CIQ関係の省庁の方々ときちんと情報交換しながら進めてまいっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/44
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045・一川保夫
○一川委員 地方空港の国際化というか、国際路線を新規に導入するという面では課題がたくさんあろうかと思いますけれども、それぞれの地域にそういう大変強い要望が現実にあるということも事実でございますし、ぜひ運輸省の方で、そのあたりの御指導方をしっかりとお願いをしたいというふうに思っております。
特に、今回、運輸省の方で、別の法律として、外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律案というものを提出されております。この法律そのものは地方空港の国際化とはもろに関係ないかもしれませんけれども、しかし、当然、そういったいろいろな地域に海外の観光客を導入したいというような趣旨であるわけです。そういう面では、一方では、こういう法律で、どっちかというと、日本の大きな飛行場に外国の方々に来ていただいて、日本の国内でのアクセスに対するいろいろなサービスを提供しようというような趣旨にとれるわけですけれども、私は、地方の飛行場に直接海外の観光客を乗り入れさせるというような施策も、やはり並行してしっかりと推進していただきたいなというふうに思うわけです。
先ほど、局長のお話によると、最近、海外の各国とも若干そのあたりが弱くなってきたというようなお話もございましたけれども、運輸省側として、地方空港のこれからの国際化ということについてもっと力を入れていくという考え方というのは、どうなんですか。今現在、そのあたりが何かちょっとはっきりしないような感じがするわけで、もっと積極的な対応をしていただきたいという感じがするわけですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/45
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046・黒野匡彦
○黒野政府委員 私ども、従来から、地方の空港の国際化ということを考え、できる限りのことはやってきているつもりでございますが、最終的な判断というのは、そこを飛ぶエアラインがあるかどうか、手を挙げてくれるかどうかにかかるわけでございます。その前の段階までは、私どもも最大限の努力は今後とも続けたいと思いますが、その最後のところ、ここは相手のある、あるいは完全な民間会社でございますから、なかなか強制的なことはできない。その中でどう誘導するかということは、努力をしなければいけないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/46
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047・一川保夫
○一川委員 防衛庁の方はおられますか。では、ちょっとお聞きしたいわけですけれども、共用飛行場の件でございます。当然ながら共用飛行場は自衛隊が管理されておるわけですが、国防施策に支障を及ぼさない、その範疇での民間航空の利用であるわけですので、当然ながら自衛隊としての任務に支障のない範囲ということになるわけですけれども、どうもそのあたりが、現地におりましても、どこまで余裕があるのかというところが、はっきり見えてこないような感じがいたします。
これは当然ながら、いろいろな、個別具体的な案件ごとに協議に応じて判断をするということになるのかもしれませんけれども、今、共用飛行場は五カ所あるというふうに言われております。それぞれの飛行場で皆いろいろな特色があろうかと思いますけれども、共用飛行場が新たな路線等を導入するのに当たりまして、まだ相当の余力を持っているというふうに理解してよろしいのかどうか。そのあたり、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/47
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048・富田耕吉
○富田説明員 お答えいたします。
共用飛行場の受け入れの余力というお尋ねだったと思いますけれども、あらかじめあるいは定量的に、余力というのは判断できるものではないということは、まず御理解賜りたいと思います。と申しますのは、私ども、自衛隊が滑走路等を使用する、例えば教育訓練計画でありますとか、あるいは突発的に起こる領空侵犯対処あるいは災害派遣、こういったものを日々訓練計画をつくってやっておるわけでございます。したがいまして具体的に民航が、例えばどういった曜日の、あるいはどういった時間帯だというような御指摘があれば、教育訓練計画を多少ずらすことができるかどうかとか、そういった観点で検討はできますけれども、一般的に今の段階で、民航側の曜日ないし便数あるいは時間がわからない段階で、余力ということについては、ちょっと判断できないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/48
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049・一川保夫
○一川委員 これは、それぞれの共用飛行場を抱えている地方公共団体の基本的な、国内便なり国際便なりに対する将来の中長期的なビジョンというものが、余り具体的なものが、正直言って描かれていない。また、そういうものを描いたとしても、関係省庁の了解を事前に取りつけるということも、非常に難しいということになろうかと思うのです。
ただ、先ほど来ちょっと話題にいたしておりますように、共用飛行場といえども、民間航空の乗り入れ等について、大変熱心な動きなり地域の要望があるわけでございまして、今回の地方負担を導入したということの裏返しの中に、もう一つ大きな期待感が地方にあるわけです。それは、やはり運輸省と防衛庁のいろいろな折衝事、協議事項をできるだけ地方の喬を体して円滑に進めていただきたいという願いが、地方の中にも相当強い期待感があるのではないかというふうに思うわけです。そのあたり、運輸省と防衛庁の方は、そういう地方の期待に対してどういうお考えをお持ちなのか、御答弁をお願いしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/49
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050・黒野匡彦
○黒野政府委員 防衛庁さんが管理している飛行場の中で私どもが使わせていただいている空港は、今議論がありましたように、五空港であります。逆に運輸省が管理している空港を防衛庁さんに使っていただくところもございまして、相互に融通し合っているという状況でございます。
こういうことをこういう場で申し上げるのはどうかと思いますが、幸い、今私どもと防衛庁さんの方とは、いろいろなチャンネルを通じまして前向きで議論をしようという状況にございます。したがいまして、先生の御指摘のとおり、地域の要望の強いものにつきましては、防衛庁さんの方の御了解を得た上で整備は進めてまいりたいと思っておりますし、それ以外のサービスにつきましても、改善を図りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/50
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051・富田耕吉
○富田説明員 お答えいたします。
まず御地元の小松飛行場という例で申し上げますと、例えば定期便、これは国際定期便、コミューター便、国内、含めまして、例えば平成四年度一日当たり三十便が、八年度におきましてば四十数便になっておる、あるいはチャーター便につきましては、平成四年の年間七十便が百便を超える、こういった形で、さまざまな要望については防衛上の任務に配慮しつつ認めてきでおるということでございます。
ただ、今後どうするかということでございますけれども、それはあくまでも、先ほど申し上げましたように、運輸省なりあるいは地元なりから具体的な要望があった段階で、私どもとしては、防衛上の任務との調和を図りつつ検討してまいる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/51
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052・一川保夫
○一川委員 防衛庁の方にお願いというか、認識を十分持っていただきたいのは、国の安全保障という一つの大きな施策の一環の中で自衛隊の基地をその地域として受け入れをし、できるだけ国防施策というものを地域の皆さん方にも啓蒙を図りながら、理解の上で共存共栄を図っていくという中で、基地周辺の住民の方々、地方公共団体の方々
もそれなりに積極的に対応されているというふうに思うわけです。最近の景気が低迷している中で、やはり地域の活力を少しでも呼び起こしたい、その一環として、共用飛行場というものを大いに活用しながら、民間の活力というものを引き出したいという思いを、それぞれ持っているのではないかというふうに思うわけです。
そういうことに対して、防衛庁側もそれなりに誠意ある態度を示していただければ、さらに基地というものをその地域の住民もそれなりに理解を示しながら、しっかりと共存共栄を図っていけるというような世論づくりができるのではないかというふうにも私は思うわけでございます。これから運輸省、防衛庁等の間でいろいろな折衝事が出てこようかと思いますけれども、また誠意を持った折衝方をお願いをしておきたい、そのように思っております。
最後に、運輸大臣に一言決意のほどをお伺いしたいと思います。
今回、空港整備法の一部改正ということの中で、新たに地方の負担を第二種A空港並みの、基本施設について三分の一地方負担を導入するということを決められたわけでございます。その裏には、先ほどもちょっと触れましたように、地方においてはこの問題について大きな異論を唱えなかったという背景の中には、やはり何とか一人前の民間空港的な扱いをしっかりと共用空港の中でもやっていただきたい、そういう願いも当然ございますし、また先ほどの話題にありますように、関係する運輸省なり防衛庁がそういう地方のいろいろな意向を踏まえて、しっかりとした折衝をやっていただきたいという願いもあるわけです。
そういう地方の願いが最近、共用空港の中でも非常に高まってまいっております。一方では、
当然ながら共用飛行場でございますので、国の安全保障という一つの大きな施策の制約の中で整備されていくわけでございますけれども、そういう非常に難しい状況下での共用飛行場でございますので、ぜひ運輸大臣の方にも、そのあたりの地域の気持ちを十分御理解の上、空港整備に積極的に取り組んでいただきたいというふうに思うわけです。大臣の決意のほどを伺っておきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/52
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053・古賀誠
○古賀国務大臣 今回、共用飛行場のさらなる拡大と申しますか、地方の声を聞かせていただく中で整備を促進していこうということで法案をお願い申し上げているわけでございますが、私が申すまでもなく、空港は交流の最も根幹をなす公共施設でございます。特に、今空港を取り巻く状況というのは、先生も御承知のとおり、国際化がますます進んでまいりますし、またそれぞれの地方との交流というのも、これから大変大きく進展をしてこようといたしております。そういう意味で、国際、国内を問わず、航空のネットワークを形成していくという意味で、非常に空港の整備というものは、地域の皆さん方のみならず、国民の多くの方々が理解していただける分野だというふうに私は考えております。
そういう中で、今御論議をいただきました共用の飛行場を整備させていただく中に、地域の人の声を、要望をできるだけ取り入れていくということは当然のことでありますし、また御承知のとおり、このことによって、利用していただく地域の方々の利便性の向上や雇用の拡大、また地域経済というものも大変大きな発展をすることは考えられるわけでございます。そういうことで、地域の皆さん方の負担が導入されても、要望が非常に強いということにあらわれてきているのではないかと思っております。
もとより、防衛庁の任務に支障を来さない範囲で、できるだけ民間航空のこれからの活用に、御要望いただく地域の皆さん方と十分調整をしながら推進をさせていただきたい、こういう決意でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/53
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054・一川保夫
○一川委員 以上で終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/54
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055・杉山憲夫
○杉山委員長 北橋健治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/55
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056・北橋健治
○北橋委員 松浪、一川両委員に続きまして、私は国際ハブ空港の今後の整備につきまして、重点的に質問させていただきたいと思っております。
今世紀末に東西の冷戦が終わりました。それにかわってメガコンペティション、日本国民にとりましてはまた新たな難しい課題に直面しております。製造業の多くの分野におきまして、アジアを中心に海外にどんどん進出をしていく、それに伴いまして、産業の空洞化あるいは雇用面での摩擦という問題が、近年とみにクローズアップされております。そしてまた、第二次製造業に続きまして、最近では金融・証券につきましても、市場の空洞化を懸念する声がいろいろ出てまいりました。そして、きょう議題となっております国際的な航空機輸送の世界におきましても、東アジアを中心に各地域で、二十一世紀に向けまして大変大きな、そして処理能力があって、コストも低い、非常に競争力を持った国際的なハブ空港が次から次へと建設計画が発表されて、実行に移されております。そういう大きな時代の流れの中で、我が国の国際ハブ空港の整備、そしてまた航空輸送力の競争力を今後高めていくために、相当思い切った対応が必要ではないかと思っております。
そこで、まず最初にお伺いをしたいと思いますが、現在、成田空港、関西国際空港におきまして、国際的なハブ空港と位置づけられていると思いますが、アジア諸国の近年の大型のハブ空港の建設と比較いたしまして、幾つかの問題点が各方面から指摘されております。
それは、もう皆様御案内のとおりでございますので詳しく述べませんが、日本の場合は、滑走路が一本ですし、敷地も狭い、そして建設コストが高い。関空に例をとりますと、第二期工事までで三兆円ぐらいという試算がありますけれども、現在仁川で進められておりますソウル・メトロポリタン空港におきましては、その三分の一ぐらいで第三期事業まで向こうは終わってしまうのではないか、そのように大変なコスト格差というものが指摘されております。
それからまた、建設期間が日本の場合は非常に長い。外国の事例を見ますと、着工してから完成まで、おおむね十年ぐらいで大型の空港を完成させている。日本の場合は気が遠くなるほど長い時間をかけて整備が続いているわけでございます。
そして、もう一つ、航空機の場合は時間というものが大事でございますけれども、成田にしましても、関空にしましても、都心に行くまでの距離が六十キロあるいは五十キロと、距離がかかるわけでございます。諸外国の例を見ますと、欧米社会でもあるいはアジアにおきましても、大体二十キロ前後ぐらいでダウンタウンに行けるという、アクセス性においてもやはり相当に格差がある。主としてこの規模あるいはコスト、建設期間、アクセス、この四つの点について各方面からこれまでも指摘をされてきたわけであります。
きょうは時間が限られておりますので、その背景なり理由なりが幾つかあることは承知をいたしておりますが、これを改善していかないと、いずれにしましても、このままの状況を放置するわけにはいかないのではないか。どういう改善策を今後お考えになっておられるか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/56
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057・黒野匡彦
○黒野政府委員 今先生が問題点として御指摘になりましたこと、私どもも全く同じ考えでございます。
成田を例にとりますと、成田の場所が決まりましたのが昭和四十一年でございます。その開港が五十三年、この間でもう十二年たっているわけであります。ところが、五十三年以来、滑走路がずっと一本、平行滑走路を我々はつくろうと今思っておりますが、現時点ではまだはっきりした目当てができていない、二〇〇〇年には何とかしたいと思っておりますけれども、そういう状況にあるわけでございまして、常に我々、そこのところをどうしたらいいか、いろいろ悩んでおるのです。
一つは、やはり日本のように成熟した社会といいましょうか、そういう社会におきまして、国民のそれぞれの方々が自分の権利をきちんと主張される、こういう中において大きな空港を、それぞれの地権者の方々の御同意を得ながら一本一本つ
くっていくというのは時間が大変かかる話でございまして、ここのところは、私ども、やはり話し合いをもって用地を取得するというためには、ある程度の期間がかかってもやむを得ないところかなと思っております。
それから、滑走路が一本、これも問題でございますが、成田にしましても、それから関空にしましても、平行滑走路をもう一本ずつつくるという計画をはっきり持っております。特に関空につきましては予算上もそういう方向が認められておりますから、これは一刻も早くもう一本の滑走路をつくりたいと思っているところであります。
それから、コストが高いということにつきましても、結局、日本全体の土地の価格を反映したコストが分かるわけでございまして、陸上をやめて海上の方に移りましても、御案内のとおり、大変深いところを埋め立てておりまして、これに対するコストも残念ながらかかるということでございます。私ども政府全体といたしまして、公共事業のコストをどう下げるかということは今検討中でございますから、その一環として極力安くはしたいとは思いますが、これについても大きな問題だと思っております。
それから、アクセスもしかりでございまして、関西空港が初めて、空港ができる直前には既にアクセスができているという理想的な開港を迎えたわけでございますが、他の空港についてもそういう方向で、若干距離が遠い空港につきましても、アクセスの時間を短くするという方向で努力をしてまいりたいと思っております。
いずれにいたしましても、これから国際ハブ空港の必要性はますます強まると思います。そこについて私どももかなり強い方針で、国際ハブ空港の整備をこれからも進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/57
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058・北橋健治
○北橋委員 総論的に御質問させていただいて、全般的なお答えをいただいたわけでございます。日本におきましては権利を主張される方もいらっしゃる、そういうもろもろの事情があって時間がかかってもやむを得ないというお話でございますが、しかし、お隣の仁川におきましては、二〇〇〇年の開港予定で三千七百五十メーターの滑走路二本ができる。これは運輸省が財政構造改革会議に出された資料で強調されていることでございますが、そして全体計画は四本までいく。上海におきましても今世紀中に、一九九九年に四千メーター一本で、将来四本までいく。香港のチェク・ラップ・コック空港におきましても一九九八年、今世紀中に三千八百メーターの開港をする。これは大変な状況で進んでいるわけです。
もちろん、我が国に大きな経済力もあり、一億二千万の人口もあるわけですから、ここから飛び立つ飛行機と空港は絶対にとられはしない、そういったかをくくっていらっしゃるのかもしれませんけれども、二十一世紀を目前に控えて、まさに国策という大変な力の入れようで進めているわけです。したがいまして、今後、諸問題につきまして鋭意御検討をされるということなんですけれども、率直におっしゃったらどうなんでしょうか。今の空港整備特別会計のやり方ではとても予算も足りない、そういうふうにおっしゃっていただければ、次の質問がしやすいんです。
いずれにしましても、現在の空港整備の予算のつけ方というのは、全体の四千七百八十八億円、平成九年度の予定の中でわずかに六百二十三億円しか一般財源がない。そして、そのほとんどは燃料税等による航空事業者、いわゆるユーザーの負担に頼っております。こういうやり方を続けていくと、例えば、同僚委員から先ほど質問がありましたように、着陸料が外国に比べて信じがたいほど高い、そういう矛盾があって、それが今後いろいろと航路を獲得していくときにも大変障害になっていくし、いろんな面で、ほかの製造業と同列には論じられませんが、いわゆる航空産業としては大変競争力を阻害していくのではないだろうか。
そういった意味では、この空港整備法が施行されて、予算の仕組みについて抜本的な見直しがなされないままに今日に至っているんですけれども、この法律が最初制定されたときと今日とは大変な変化があるわけであります。ここらあたりで抜本的な予算対策というものを考えないと、どれだけ知恵を尽くされましても肝心かなめの空港整備の予算がついていかないのでは、やはり長い期間、着陸料も高いとかそういう矛盾を抱えながら二十一世紀を迎えてしまう。そのときに、私も福岡でございますから、東京や関空よりもソウルの方が近いんですね。そういう状況になりますと、ますますソウルのメトロポリタン空港が東アジアのハブ空港に完全に定着をしてしまうという状況を、果たして指をくわえて見ていていいのだろうか、そういう疑問があるわけでございます。
そこで、先ほどの松浪委員の質問に対しまして、空港使用料というものを下げるべきではないか、こういうお話があったわけなんですが、いろいろと予算の説明があって、これはないと困るんだ、こういう御説明でございます。でも、この問題をこのまま放置しておっていいんでしょうか。やはり算定基準を見直して下げる、そのためにこういった新たな予算対策が必要だという発想の転換をしないと、外国に比べて数倍高い着陸料を放置していくことはできなくなっていると思うんですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/58
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059・古賀誠
○古賀国務大臣 全く先生のお考えに私も同感でございます。
盛んに具体的な例をお示しいただきましたけれども、アジアの各国において国際ハブ空港が整備されている。我が国もまさに時期を失しないように、国際ハブ空港を整備していかなければいけないわけでございますが、最も重要な財源の問題について、今御論議をいただいているような仕組みになっているわけでございます。公共事業についていろいろな御論議をいただいているわけでございます。しかし私は、公共事業の今後のあり方というものをしっかりと認識していかなければいけないのは、必要な分野、特に二十一世紀、子供さんやお孫さんたちの時代に我が国があらゆる分野の中でどういう状況になるのか、どういう状況をつくり上げていくのかということをしっかりと見据えた中で、公共事業のそれぞれの分野のシェアを含めて考えていく必要があるだろう。
そういう意味では、この国際ハブ空港については、一般財源をどういうふうに固定したシェアの中から努力をして、また、先生方の御支援、御理解をいただく中で確保していくかということが、非常に大事なことだというふうに認識をいたしております。そういう方向で私も全力を挙げてまいりたいというふうに思っておりますので、先生におかれましては、ぜひひとつ御支援を賜りたいと強くお願いを申し上げておく次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/59
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060・北橋健治
○北橋委員 大臣から、今後、この問題で最善の努力を尽くしたいというお答えでございますが、航空局におかれましても、国際ハブ空港の競争力を今後高めていく見地から、空港使用料の算定の基準につけても、ぜひ下げる方向で鋭意御検討をいただきたいということを要望しておきたいと思っております。
私の手元に、ソウルのメトロポリタン空港を視察したときの金泳三大統領の言葉がございます。選挙のときでも金大統領は選挙公約の中にうたっておられたわけでありますが、九四年五月に建設現場を視察したときの記者会見で述べられていることは、伝え聞くところによりますと、「韓国の新しい飛躍のために国際経済力を高めようと総力を注いでいる事業だ。韓国が同空港によって東北アジアの中心になる。韓国にとって一つの大きな歴史の始まりだ」このような演説をされたのだそうでございます。
いずれにしましても、こういった現実に仁川で進められている事業の急ピッチな展開、そしてまた、大統領のスピーチの一端を見るにつけ、やはりこれは国家的プロジェクトとして国際ハブ空港の建設に取り組んでいるということは、間違いないと思うのでありまして、そういった意味で、我が日本におけるこの空港整備特別会計の現状を見ますと、ユーザー負担と借入金と使用料、あと細々
と一般財源、真水というものを確保してやってきている、こういう状況からすると、やはりもう本当に本腰を入れて大蔵の主計局と闘っていただきたい。そういった意味では、この問題について与党、野党はないと思っております。私どもも全面的にバックアップをさせていただきますので、ぜひともこの空港整備についての財源確保という問題については、公共事業全体が厳しい中ではありますけれども、そういうときこそのり張りのきいた予算の確保が大事でございますだけに、頑張っていただきたい、こう思っております。
さて、先ほどの問題点の中でコストが非常に高いという指摘をさせていただきました。そしてまた、航空局におきましても、鋭意この工期の短縮とコストの低減のためにこれまで御尽力をいただいてきたもの、このように思っております。しかし、現実の各国との比較を見ますと、まだまだ大変な開きがあるわけです。
そこで、既に政府の方も工期の短縮、そしてコストの削減という意味も込めまして、メガフロートという新しい超大型の浮体式の海洋構造物、これの研究開発には運輸省も関係省庁と一緒になって、あるいは民間企業も入って大変な御努力をされてきたもの、そのことを私も評価をさせていただいております。これについては運輸省の白書におきましても、環境にも優しい、いろんな面でメリットを挙げておられるんです。そしてまた、空港整備計画の航空審議会の答申におきましても、このメガフロートの採用については非常に前向きなことが書かれているように理解をしております。今日まで運輸省が鋭意メガフロート工法を検討されてきまして、今後、海上に立地をしていく時代であろうかと思いますだけに、非常に緊要の課題だと思いますが、現時点におきましてそのメリットというものをどのようにお考えでしょうか、お考えを聞かせてください。
〔委員長退席、横内委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/60
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061・黒野匡彦
○黒野政府委員 御指摘のとおり、今メガフロートにつきまして、いわば全省を挙げて私ども、いろいろな検討をしております。今の段階でメガフロートが通常の海面の埋め立てと比べましてすぐれているのではないかという点は、一つは環境に対しまして優しい工法ではないかということ、それから機動性、施工性等についてすぐれているのではないか、また、浮いておりますから耐震性という点についても、メリットがあるのではないかといったような方向で検討をしております。メガフロートの使用目的の一つとして空港という柱も立てまして、これを空港に持ってきた場合に真に大丈夫か、特に安全性等も含めまして大丈夫かということを、今一生懸命研究しているという段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/61
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062・北橋健治
○北橋委員 メガフロートの位置づけにつきましては、第七次空港整備五カ年計画の中にも出てまいりますし、また、運輸省港湾局「中期的な港湾整備のあり方」、平成七年八月にも述べられておりますし、運輸省が非常に御努力をされていることは評価をいたしております。そしてまた、通産省の産業構造審議会の中で、「二〇〇〇年に至る経済構造改革に関する提言」というのがありまして、ここではもう少し踏み込んだ言い方をしております。
これまでの利用者負担を中心とした財源負担の在り方では国際的に見て極めて高い空港使用料となっていることにかんがみ、浮体工法の導入等新技術による建設コストの削減、経営の効率化とともに、国際ハブ空港として機能する空港が成立するための財源の在り方について検討することが必要である。
このように産構審では述べられているわけであります。御案内のとおり、産構審は各界の英知を結集した学識経験者がいろいろと議論を闘わせているところでございますが、ここで重要視されるのは、やはり空港使用料が高過ぎてひどいじゃないか、これじゃだめだ、だから建設コストを下げるためにもメガフロートをやるべきだ、こういうことを言っているわけであります。
環境問題についても、例えば福岡におきまして、将来の九州国際空港をどこに立地するかでワイズメン・コミッティがあったわけでありますが、玄海東となりました。早速でございますが、環境保護団体の方から非常に厳しい御批判をいただいております。まだこれから検討しようかという段階で、既にそういった環境問題が提起されております。どこに来ましても環境問題は今後ますます重要になってまいりますし、公共事業の推進とあってはますます重視される、そういった環境問題への配慮についてもいいことはもとより、今国際競争力という面から見てコストをどうするか、そしてまた、借金をしながら空港整備をしているわけですから、金利という問題は工期の短縮と非常に重要な結びつきがある、そういった面から見ても、二十一世紀の海上空港をつくるに当たって、メガフロートというのは決定的に優位になるのではないか。
そういった意味では、ぜひとも、今後海上に空港を立地していく場合にはメガフロート工法を推進することが、環境問題はもとより、建設コスト、工期の短縮という面から見ても、これはまさに国策の重要な柱に正規に認知をされてもいい時代が来たのではないか、このように私は思っているわけでありますが、大臣いかがでしょうか。
〔横内委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/62
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063・古賀誠
○古賀国務大臣 メガフロート工法について、海上を予想される場合には、今先生がおっしゃっているように、コストの面それから環境の面、あらゆる面で随分優位性があるのではないかということで、我々も非常に期待をしている点でございますけれども、今航空局長から御答弁申し上げましたように、いろいろな分野の中において、調査研究が進められているということでございます。
そういう点を踏まえ、今後どういう判断を持つことができるか、研究開発の進みぐあい等を見ながら適切に対応してまいりたい、こういう認識でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/63
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064・北橋健治
○北橋委員 ぜひともメガフロート工法を推進していただきまして、そして、先ほど御指摘申し上げましたように、我が国が空港整備に当たってコストが非常に高い、建設期間が非常に長過ぎるといった問題、あるいは二十一世紀に向けて環境問題がますます大事になってくる、そういう見地から、ぜひとも今後積極的に実用化に向けて御努力をいただきたいと思っております。
あともう一点、九州の地域に国際ハブ空港を建設する必要があるのではないか、こういう問題についてお尋ねをいたします。
政府の計画によれば、成田と関空、この二カ所に加えまして、今後、中部地域に第三番目の国際ハブ空港の建設を、いろいろと本格的に検討されるやに聞いております。大いにそれは結構でございます。
同時に、中部地域と同じ規模の経済力を九州・山口、西日本地域は持っておりまして、運輸省の見方では、国際ハブ空港の建設に当たりましては、後背地の経済力、そして国際、国内ともども需要があるかどうかということを重要な基準にされているやに聞いているのですが、九州地域におきましても、九州・山口だけとりましても総生産は四千百九十億ドルでございまして、日本全体の一割でございますが、大韓民国の三千三百八十億ドルよりも大きい地域である。中華人民共和国の五千八百十億ドルよりは劣りますが、いずれにしても、オランダとかスペインだとか、そういうところと比べても遜色ないほどの経済力を九州地域は持っております。そういった意味で、政府の考え方によれば、後背地における経済力、そして航空需要とあるわけでありますが、現に日本から出国される方の多くはアジアに旅行されている。そして、その中には西日本から出国される方が大変多い。多くの場合、成田に行かれたりしているわけでありますが、地理的に大変に近いわけです。九州から成田、関空に行く間にソウルの方に着いてしまう、あるいは上海に着いてしまう、そういった意味では、今後世界の航空需要が順調に広がることは政府も認識されていると思いますが、その多くはアジア地域において伸びるということも、広く
言われております。
したがいまして、今後、国際航空需要というのはアジア地域、そしてまた、立地的にも一番ふさわしいと思われるのは九州北部であると私は思うわけであります。福岡県におきましても、九州の学識経験者を集めたワイズメン・コミッティにおきまして、玄海東が適切との答申をいただいておりますが、これについては、正直申し上げまして党内でもいろいろな意見があります。ありますけれども、私は、中部と同規模のこういった経済力を持った地域について、ぜひとも国際空港を立地すべきではないか、まず、立地点がどこであるかは別にいたしまして、九州国際空港は必ず必要である、必要になる、このように考えるわけなのですが、大臣いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/64
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065・古賀誠
○古賀国務大臣 私も先生と全く同じ郷里でもございまして、考えを同じくするところでございます。先生におっしゃっていただいておりますように、九州地方は五大都市圏に次いで国際航空の需要が多いということもございます。また、先生もお触れいただきましたように、これからの九州と東アジアとの交流の拡大というのも十分視野に入れていく必要がございますし、経済基盤というのも先生が具体的な数字でお示しをいただいたとおりでございます。そういうこともございまして、地元の方でもいろいろな角度で九州の国際空港を整備すべきという検討がなされているということもよく承知をいたしております。
そういう経過を踏まえまして、第七次空港整備五カ年計画におきましても、「地域において多様化し、着実に増大すると見込まれる国際航空需要の動向等への対応について調査検討を行う。」ということとさせていただいたところでございまして、ぜひひとつ九州国際空港の実現に、私もあらゆる角度で検討し、努力をしてみたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/65
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066・北橋健治
○北橋委員 大変に心強い前向きの御答弁をいただきまして、ありがとうございます。今後の五カ年計画の策定に当たりまして、若干の時間がございますので、ぜひとも理論武装をしっかりとして政府にお願いをしていきたい、こう思っております。
そしてもう一点、これに関連してお伺いしておきますが、いずれにしましても、一つの大型の空港を建設するとなりますと、いろいろと工期短縮の努力をしたとしても、二十年あるいはもうちょっとかかるのかなというのが一般的な見方でございます。そうなりますと、今後西日本地域、九州地域においてこの福岡空港を当分使うわけでございますけれども、間もなく二十一世紀二〇一〇年ごろには、この処理能力を福岡空港も超えるであろう、こういうふうに言われております。
そうしますと、九州のハブ空港の建設をぜひしていただきたいと思っておりますが、これを実際に政府がお決めいただきましても、完成するまでの間、その福岡空港があふれたら、空港からあふれた需要についてどうするのかという議論があると思うのであります。その点今、関門のしゅんせつ土砂を利用いたしまして新北九州空港の建設を、政府からの御支援もいただいて鋭意進めておるところでございます。二〇〇五年のオープンの予定でございます。私ども地元も精いっぱい努力をして、ぜひその開港を急ぎたい、早めたいという気持ちで努力をしているところでございます。そうなってまいりますと、福岡空港が二十一世紀初頭に満杯になる、そして新たな九州国際ハブ空港が完成するまでの間、やはり新北九州空港というのは相当に代替機能を持ってくるのではないかと思います。現に九州の新たなハブ空港の建設には一兆円近い費用がかかると言われておりますけれども、九州の関門のしゅんせつ土砂を使っておることもありまして、全部新幹線でアクセスを整備することも含めて四千億円もかからない、そういう学識経験者の試算もございます。今既に新北九州空港は二〇〇五年オープンの予定で工事をしているわけでございますけれども、そういった中長期的な観点から、ぜひこの新北九州空港に国際空港としての機能を持たせていただきたい。それがアジアにおける日本の航空需要を満たしていくために、非常に理にかなった考え方であると私は思っているわけでありますが、いかがでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/66
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067・古賀誠
○古賀国務大臣 九州は実は空港整備の先進地域でございまして、今話題にしていただいております福岡空港を初めといたしまして、長崎、熊本、大分そして鹿児島と、各空港に三千メートル級の滑走路、そしてCIQの施設が整備済みであります。九州地域の国際航空需要の拡大に対しましては、当面こうした既存の空港の充実をすることによって対応が可能ではないかというふうに考えられているところでございます。
今先生から御指摘いただきました新北九州空港の整備につきましては、先生の御指導、御支援もいただきまして、着実にその整備の推進を見ているところでございます。現時点では、この新北九州空港は国内線に対応した空港として整備を進めさせていただいておりますけれども、関係者との調整が整えば、国際線での活用についても十分検討に値するものだというふうに考えておりまして、前向きにひとつ御指導をいただく中で検討をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/67
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068・北橋健治
○北橋委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
時間が参りましたが、この空港整備法は昭和三十一年の制定であります。四十年以上経過いたしました。そしてその財源スキームについて抜本的な変更がなかったというのは、私ども新進党としましても、ぜひこの機会に思い切って財源を確保するための法案が提出できればなと今思っているところであります。今後、財政構造改革では厳しい見直しがあるやに聞いておりますが、私どもも空港整備については万全の協力を惜しまないつもりでございますので、皆さんも頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/68
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069・杉山憲夫
○杉山委員長 次回は、明二十三日水曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時四分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114003830X01119970422/69
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