1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成九年四月十六日(水曜日)
午後一時二分開議
出席委員
委員長 市川 雄一君
理事 赤城 徳彦君 理事 遠藤 利明君
理事田野瀬良太郎君 理事 中島洋次郎君
理事 太田 昭宏君 理事 増田 敏男君
理事 石井 紘基君 理事 中島 武敏君
井奥 貞雄君 金子原二郎君
熊代 昭彦君 高市 早苗君
谷畑 孝君 玉沢徳一郎君
東家 嘉幸君 虎島 和夫君
中山 利生君 蓮実 進君
林 幹雄君 松本 和那君
赤羽 一嘉君 岩浅 嘉仁君
岡島 正之君 樽床 伸二君
西野 陽君 山本 幸三君
川内 博史君 葉山 峻君
辻 第一君 中西 績介君
出席国務大臣
建 設 大 臣 亀井 静香君
出席政府委員
国土政務次官 井奥 貞雄君
林野庁長官 高橋 勲君
建設大臣官房長 小野 邦久君
建設省建設経済
局長 小鷲 茂君
建設省都市局長 木下 博夫君
建設省河川局長 尾田 栄章君
建設省道路局長 佐藤 信彦君
委員外の出席者
建設委員会調査
室長 白兼 保彦君
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委員の異動
四月十六日
辞任 補欠選任
佐藤 静雄君 林 幹雄君
玉沢徳一郎君 虎島 和夫君
萩山 教嚴君 熊代 昭彦君
山本 譲司君 川内 博史君
同日
辞任 補欠選任
熊代 昭彦君 萩山 教嚴君
虎島 和夫君 玉沢徳一郎君
林 幹雄君 佐藤 静雄君
川内 博史君 山本 譲司君
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四月十五日
治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案
(内閣提出第六四号)(参議院送付)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案
(内閣提出第三九号)(参議院送付)
治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案
(内閣提出第六四号)(参議院送付)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/0
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001・市川雄一
○市川委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、参議院送付、不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。葉山峻君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/1
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002・葉山峻
○葉山委員 不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案について、幾つかの質問を申し上げたいと思います。
この法律は平成六年七月に制定されました。その趣旨というものは、当時バブルの崩壊によって、いわゆるワンルームマンションとかリゾートに投資した一般投資家がかなり被害を受けたということが背景となってこの法律ができ上がったという、一般投資家保護であったと認識しております。その施行から二年が経過いたしまして今回の法改正が行われるわけでありますが、このねらいはどのようなものであるか、このことについて建設大臣の御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/2
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003・亀井静香
○亀井国務大臣 土地の所有から利用へという一つの政策転換を行っておるわけでありますけれども、そうした有効利用が行われることについて、現在のこの法律では、いわゆるプロの投資家と申しますか専門家について、余り必要でもないような規制といいますか手続、そういうものがございますので、そういうものはこの際思い切って外して、プロの投資家がもっともっと参入をできる、そうした状況をつくろうというのがこの改正の目的でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/3
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004・葉山峻
○葉山委員 ところで、現在の景気でありますけれども、緩やかな回復基調にあるというふうに言われておりますが、特に土地建物は非常に低調であるように思っております。
そこで、現在の不動産市場の動向並びに長期金利の動向についてどのようにお考えになっているか、このことについて伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/4
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005・小鷲茂
○小鷲政府委員 不動産市場の動向と長期金利の状況についてのおただしでございますが、不動産のうち、まず土地の取引の件数を見てみますると、いわゆるバブル期の昭和の末から平成の初めにかけての取引件数は、全国で約二百二十万件前後でずっと推移をしてきたわけでございますが、平成三年以降かなり急速に取引件数が落ち込んできておりまして、最近では、平成三年以降、大体百八十万件前後という状況にあります。当時と比べますると約二割弱取引件数が落ちているという状況でございます。
それからまた、不動産取引市場の上で大きなウエートを占めております住宅でございますが、住宅につきましては、過去、これまでかなり高い水準で推移をしてきております。しかしながら、昨年の秋、消費税がことしの四月から導入されるということで、十月以降、かなり急速にマンション、持ち家ともに落ち込みを見せ始めてきておりますが、水準自体は、過去の水準と比べるとそれでもまだ依然として高い水準にあるということが若干の救いではないかと思っております。
それから、特に不動産業者の大きな市場分野でございますオフィスの市場でございますが、これにつきましても、バブルの崩壊以来フロアが余っているという状況が長く続きましたし、そのあおりを食いまして賃貸料がどんどん下がるという状況になってまいりましたけれども、まず、空室率でございますが、最近、空室率につきましてはようやく五、六%という採算ラインのところまで回復をしてきております。しかしながら、賃料水準はやや下げどまってはおりまするけれども、絶対水準がまだまだ低いということで、なかなか利益が出しにくいという状況にあるようでございます。
そういった中で、新しい動きといたしまして、比較的交通条件のよい、そしてある程度まとまった、そして新しいオフィスでありますると、結構たくさん需要がつくという現象が起こっております。つまり、近、新、大という言葉でよく言われておりますが、こういった物件につきましては比較的需要が集まる、こういう状況になっております。いわゆるオフィスについても二極化の現象が出始めてきておる。いいものについては需要が集まるけれども、そうでないものについてはなかなか需要が集まりにくい、こういう状況になってき
ております。
以上が土地需要の状況でございまして、今後につきましては、なかなか予断を許しませんけれども、全体的なトーンとしては安定化の兆しを見せ始めてきているのではないかなというふうに見ております。
それから、長期プライムレートでございますが、御案内のとおり、平成二年十月一日に八・九%という高さであったわけでございますが、これ以降ずっと今日に至るまで低下傾向を示してきておりまして、昨年十二月十一日現在で二・五%という水準になっております〇四月十五日現在でもこの二・五%の水準でございますが、金利の水準につきまして今後どうなるのかということにつきましては、経済の流れがどうなるのかということと連動いたしているわけでございましょうから、私どもの立場で自信を持ってお答えしにくいわけでございますが、なるべく早く景気回復を図っていきたいなというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/5
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006・葉山峻
○葉山委員 どうも今度の法改正は、どういうふうに使われた場合のイメージを描くか、なかなかイメージが浮かびにくいわけでありますが、具体的に伺いたいと思います。
一つは、例えば最近、二月三日ですか、清算事業団の入札が汐留で行われた。そして、三つほど、例えば電通とか日テレとか三井不動産に落ちたということが伝えられておりますが、例えばああいう汐留なんかの場合はこういう法律を使うのかどうか。それから、例えば六本木等で森ビルが今再開発をやっている、この辺がどうなのかとか、どういうことになるのかというようなこと。あるいは阪神・淡路大震災によってかなりいろいろそういったことが考えられると思うのでありますが、阪急等の動きとかいろいろありますが、その辺についての具体的な話を少し話していただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/6
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007・小鷲茂
○小鷲政府委員 不動産特定事業に絡めて各地の具体的な話についてのおただしでございましたけれども、御指摘になりました汐留でありまするとか六本木の再開発でありまするとか阪神・淡路地域における復興プロジェクトでありまするとか、実はいろいろなことが研究をされております。
汐留につきましては、御指摘になりましたように、先般三つのグループが汐留全体の、全部ではございませんが一部の区画についての入札がございまして落札をいたしました。実は、注目すべき要因といたしまして、そのうちには海外の投資会社が加わっておるという点でございます。シンガポール系の会社が加わっておるわけでございます。
こういった中で、自社ビルをおつくりになるところもございますが、賃貸用のオフィスビルをつくるというプロジェクトもございますので、そのオフィスビルにつきましては特定共同事業がうまく使えるのかどうかといったようなことが関係の会社で研究の課題になっておりますが、まだ特定共同事業を使うというふうに決めておるわけではございません。話題としてそういうものが上がっておる、こういう状況でございます。
それから六本木の話でございますが、確かに森ビルという会社が中心になりまして、あの六本木一帯、六本木の朝日テレビがあった周辺一帯につきまして再開発事業を地元の権利者の皆さんと進めようという研究をされておりまして、早ければことし中ぐらいには正式に手続がスタートをするのではないかということが伝えられておるわけでございますが、この中でも特定共同事業がどのように使えるのか、あるいは使った方がどれだけメリットがあるのかといったようなことが研究をされておるわけでございます。
御案内のとおり、再開発事業といいますのは、保留床というものをつくりまして、それを売り払いまして事業資金に充てるという仕組みでございます。この保留床というのは、通常はディベロッパーが参加組合員という形で入り込みまして、将来の買い取り代金を前もって工事代金に充てるためにお払いをする、こういう仕組みでございますが、そこの分をディベロッパーが単独で買い取るのではなくて特定事業という共同投資の形で買い取ることができるのではないかということが一つのアイデアとして浮かんでおるようでございます。
それからまた、これは特定共同事業の非常に特殊な使い方かもしれませんけれども、非常に零細な土地を持っていらっしゃる方がある。そういう方は、実は新しい権利床に生まれ変わればよろしいのでございますが、もともとの権利が小さいものでございますので、新しい権利床に生まれ変わるにしても余りにも小さ過ぎて実効性に乏しい、使い道がないというような場合、そういう方は従来ですと外へお出いただくしかないわけでございます。二つも三つも権利床をとっても、経済的価値がないわけでございますので、外へお出いただくしかないわけでございますが、場合によると、先祖伝来の土地でそこを去りたくない、要するに所有名義だけは残しておきたいというような場合には、それを現物出資をしてもらうということによりまして権利が残ります。それによりましてそれなりの収益がバックされる、こういうこともあり得るわけでございまして、特定事業、いろいろな使い方がございますので、そういったいろいろな使い方について現在研究が進められておるという状況でございます。
それから、阪神・淡路につきましても同様でございまして、特に市街地の商業ビルを中心にこの事業がうまく成立するのではないかという研究が、これはまだ非常に研究の段階でございますので個別の会社の名前を申し上げるわけにいきませんけれども、具体的な話として検討の俎上に上っておる、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/7
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008・葉山峻
○葉山委員 住専問題等で担保不動産の問題が大分問題になりましたが、この担保不動産の流動化に対する総合対策についての大臣の御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/8
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009・亀井静香
○亀井国務大臣 この問題につきましては、土地の有効利用に関する関係閣僚会議等におきましても今までも再三検討をいたしておるところでありますけれども、経済の活性化という状況が生まれてこなければ基本的には解決ができないということであろうかと思います。
しかし、そうした状況になっても、いわゆる阻害要因がやはり現在の税制を含めていろいろな法体系の中にあるのではないか、この際、阻害要因を思い切って除去しようという取り組みを今始めておるわけであります。そういう意味では、都心部における再開発を推進をいたす場合におきましても、従来の容積率のままでいいのか、そういうような問題もございますし、また土地区画整理法の適用条件、非常に厳しい条件があるわけでありますが、それでは新たなそうした土地区画整理を行おうという方々の意欲という面についてなかなか出てこない面があるのではないか。そういう面で思い切ってこの土地区画整理の適用条件を緩和していこうというようなこととか、そうした再開発をしていこうという意欲の背景には経済の活性化がなければいかぬわけでありますけれども、そのための環境をきっちりと法制面で整備をしていこうという取り組みを今建設省がやっておるわけでございまして、私は、そういうことがある意味では呼び水的な効果ももたらし、今景気が緩やかな回復過程に入っておるという状況もございますので、それが担保不動産等の流動化につながっていくという可能性があると思います。
なお、一つここで私ども問題意識としてございますのは、担保不動産もそうでありますが、物納による国有財産が虫食い的に優良土地に点在をしておるために、いい洋服生地なんだけれども虫食いが点在をしておるために洋服として仕立てられないというような、地域としてそういう面もございますので、そのあたりを、地方公共団体が引き取れない場合に民間にという方針でもおるわけでございますが、そうした流れにただ任せるだけではなくて、例えば住都公団あたりも出動させていくというような手法もとりながら、そうした虫食いの土地をきちっとまとめて、交換分合等もやり
ながら有効利用していくというようなこともやりながら、今議員御指摘のこの担保不動産等含めてのそうした問題を処理していくことが大事だ、そうした認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/9
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010・葉山峻
○葉山委員 今区画整理のこと等についてお答えがありましたが、その後、いわゆる虫食い状態あるいは不整形な土地、そういう問題について、例えばこの区画整理にはやはり減歩という問題があるわけでありますが、中には土地を整形するだけで減歩をなしにするというような手法もとっておるというような話を聞いておるのであります。こういった区画整理事業の活用及び民間都市開発推進機構の活用等の面、この具体策が幾つかあると思いますが、その点についての考え方を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/10
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011・木下博夫
○木下政府委員 御質問は二つに分かれると思いますが、いずれにせよ、先ほど大臣からお答えしましたように、月曜日にも、関係閣僚あるいは与党の関係の方々にお集まりいただきまして、半年以内にいわば土地の有効利用を抜本的に立て直そうではないかということで、今論議をしております。
御質問のあった件はそういうテーマの中にも関連すると思いますが、まず一点は、区画整理のことでございます。
御案内のとおり、今話題になっております、そういう虫食い状態になっている、あるいは不整形というところは、概して大体市街地の中心部にある土地でございますので、そういうところは一定の都市基盤整備も進んでいると思っております。したがいまして、従来の新市街地でやります区画整理事業と若干異なるのは、区画整理事業の目的でございます権利の交換分合とあわせての公共施設の整備という点では、私どもはいささか負担は軽くしてもいいのではなかろうかと思いまして、現在考えておりますのは、そういう形での敷地の整序型の区画整理事業、こう申しておりますが、これに本格的にこれから取り組みたいと思っております。もちろん、都道府県、あるいは関係の業界、あるいは区画整理市、関係者のそういう知恵もいただきましてこの四月からは取り組みたいと思っておりまして、今月中には関係の通達も出していきたいと思っております。
それからもう一つは、民間都市開発推進機構につきましては、これも実は、既に、平成五年の補正予算のときから一定の予算を組みまして、民間がお持ちこなっている土地の負担が大変大きいということを念頭に置きながらでございますが、この民都機構が一時的に土地をお預かりいたしまして、むしろ民都機構は、土地の保有だけではなく、その地域のプロジェクトの立ち上がりこいささか参画をさせていただく、あるいはサポートをさせていただくということで今取り組んでおりまして、昨年度といいますか平成八年度末で、おおむね二千数百億円ぐらいの取得なんかもしております。これは何をやるかといいますと、そういう意味ではばらばらだった土地を民間都市開発推進機構が一時お預かりして、それによって、全体の民間の方々のプロジェクトの立ち上がりに大変大きな貢献ができると思っております。
いずれにせよ、御指摘のありました二つの施策だけではなく、いろいろ、各種考えられます施策をこれから総動員をいたしまして、土地の有効利用を図り、都市環境の整備ということを推進してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/11
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012・葉山峻
○葉山委員 これからの町づくりの中で、そういう土地区画整理とか、いろいろな対応によって土地を生み出していく。例えば、高齢化に対する福祉施設の土地の手当てとか、あるいはまた、関西のあの大地震の後、私も行ったのでありますが、防災公園というのがやはりどうしても必要だということを強く感じてまいりました。
神戸の市長さんとか芦屋の市長さんの方にお見舞いに伺って、私も直後にあそこを歩いてまいりましたが、長田地区等をずっと歩きますと、あの焼け野原の中で、やはり、戦後の区画整理でのささやかな公園ですが、それが防災の拠点として非常に大きな役割を果たしておったこととか、あるいは街路とか、いろいろありますけれども、そういうものが火事を防いだ。
神戸の水というから、六甲の水を神戸の市民は飲んでいるのかと思ったら、ほとんど淀川の水で、それが山の上の方にためてあったのが、ほとんど全部、あっというあの地震の中でその水は使えなくなってしまった。しようがないから、最後は、どうも長田地区なんかでも、海から、消防車を何十台もつなげまして防火をしようとしたけれども、結局は、道路が車を制限していないですから全部パンクしてしまう。これは大変だなということで、改めてそういう点での防災の必要性ということを強く感じたわけであります。
私も、湘南の方の藤沢の市長を長年務めておりまして、帰ってきましてから、やはり、海だけではだめだ、川の水を利用しなければいかぬ、川をせきとめてその水でカバーしないと、水道だけに頼っていたらこれは大変なことになるということで対策を講じたところでありますが、こういう防災のための公園とかその用地の取得、あるいは河川の利用、そういうことは、今後において非常に大事なことではないかというふうに思っておるところであります。
ところで、防災での河川の問題に若干触れさせていただきましたけれども、また同時に、今の都市の河川がかなり暴れ川となりまして、地方では大体時間当たり七十ミリぐらいの対応をしておるわけでありますが、私の方の町ですと、七十ミリどころか、遊水地や何かをやっても、現在神奈川県が行っている中では三十五ミリ対応もできていない。しかも、私が就任当時、町田の方とか八王子に近い方で雨が降って、かんかん照りだったのがいきなり洪水が起きている。最近二十年の間で十回以上見舞われているというような状況があるわけであります。
そこで、ちょっとそういう事柄について、境川の問題でありますが、これは、城山に発して江の島に注ぐかなり長い川であります。これの洪水対策といいますか、その中で、町田の方から相模川に分水路の計画というものがあるやに聞いておるわけでありますし、神奈川県が、二級河川の中で、これを今回十カ年の総合計画の中へ取り入れたという話を耳にしているわけであります。これは、かなりの大きなお金がかかるわけでありますし、新幹線が通るぐらいの、大体十一メートルのパイプで相模川に落とすというような話を伺っておるわけでありますけれども、この辺についてどのように考えているか、境川の分水路計画の状況はいかがかということを伺っておきたい。
それからもう一つは、その落とす相模川の新湘南バイパス並びに相模縦貫道の整備について、建設省がどのように考えているかということを、この際、伺っておきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/12
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013・亀井静香
○亀井国務大臣 委員御指摘のように やはり、人命を守る、財産を守る、これは国の基本的な責任であると思いますから、委員御指摘のようなことにつきましても、建設省としても、全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。
ただ、委員にお願いしたいのは、今、国民生活にとって不可欠なそうした防災を含めての社会資本整備について、極めて無理解な発言がいろいろな場所で見られるわけであります。民主党も、公共事業の削減と、社会資本整備についてテンポを落とせというような議論が相当出ておるようでございますが、ぜひひとつ、議員におかれましても、そういうことについての正当な理解が深まっていくような御尽力をいただければ、我々建設省としても、議員が御提言のことについては取り組んでいきやすくなる、このように思いますので、よろしくお願いします。
以下は局長に答えさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/13
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014・尾田栄章
○尾田政府委員 ただいま先生御質問の、境川の分水路、あるいは、この川におきます総合治水対策についてのお尋ねでございます。
先生御指摘のとおり、現状の境川の河道につきましては、当面三十ミリ対応ということで取り組んでおりまして、これについてはほぼ概成をいたしておりますが、総合治水対策でございますので、
遊水地の計画と、そして先生御指摘の分水路の計画を待って初めて五十ミリ対応ができる、こういうことでございます。
この五十ミリ対応そのものもあくまでも暫定的な目標で、先生御指摘のとおり、八十ミリあるいはそれを超えるというような降雨に対しても都市域の安全性を確保するということは、大変大事なことだというふうに考えておるところでございます。
ところが、この分水路自体につきましても、先生みずから御指摘いただきましたとおり、大変高額の事業費がかかる。また、今の財政状況の中でございまして、そういう中でこの分水路をどう取り扱うか、現在神奈川県さんの方で大変熱心に取り組んでおられるところでございます。
この計画をどういう形で実現化していくか、私どももできる限りの努力をしていきたいと存じておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/14
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015・佐藤信彦
○佐藤(信彦)政府委員 御質問がありました新湘南バイパスとそれから相模縦貫道路についてお答えいたします。
新湘南バイパスにつきましては、茅ケ崎市とそれから平塚市及びその周辺部の交通混雑緩和ということで、藤沢市の城南から大磯町大磯に至ります十五キロの自動車専用道路でございます。
この道路につきましては、昭和四十六年に事業に着手しておりまして、藤沢インターチェンジから茅ケ崎西インターチェンジまで八・四キロ、これが既に昭和六十二年に供用を開始しております。それに続きまして、平成七年にさらに茅ケ崎海岸インターチェンジまでの間一・四キロが供用しておるところでございます。
残る区間の茅ケ崎海岸インターチェンジから大磯インターチェンジまでの間、これは国道百三十四号と並行する複断面になっておりますが、ここについての事業について、現在、用地買収それから橋梁設計等を進めているところでございます。ですが、ここには御存じのように河川敷のゴルフ場がございまして、これの用地交渉に大分時間を要しております。したがいまして、ここら辺の調整が進みますれば事業がかなり促進できるのではないかということで、私どもとしては一生懸命やっておるところでございます。
それから、相模縦貫の方でございますが、これは首都圏中央道の一部をなす道路でございまして、平成六年六月に都市計画決定はされておりますが、その後、順次用地買収を推進しているところでございます。これにつきましても事業を積極的に推進していきたいと思っておりますので、御支援方よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/15
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016・葉山峻
○葉山委員 御苦労さまでした。
以上で私の質問を終わります。川内議員にあとはやっていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/16
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017・市川雄一
○市川委員長 川内博史君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/17
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018・川内博史
○川内委員 民主党の川内博史でございます。
私は鹿児島から出てきておりまして、先ほど亀井大臣の御答弁の中にも、命と暮らしを守るのが政治の役目であるという御答弁がございましたけれども、三月の二十六日に鹿児島で地震が発生をして以来、何回か震度五、震度四の地震が続いておりまして、被害が出ております。
この委員会は不動産特定共同事業法の審議ということでございますが、若干のお時間をいただいて、建設省関係の鹿児島の地震に関する被害の状況並びに復旧への対策といったようなものをまずお聞かせをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/18
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019・尾田栄章
○尾田政府委員 三月二十六日の鹿児島県の地震におきましては、不幸中の幸いとして、人的な被害につきましては大きな被害はなかったというふうに承知をいたしておりますが、いずれにいたしましても、被災をされた方々、そしてまた、現時点におきましても十世帯を超える方々が避難をされておるわけでございまして、そういう方々にまずお見舞いを申し上げる次第でございます。
ただいまお尋ねの建設省に関します公共用施設についての被害がどうかということでございますが、まず、直轄で管理をいたしております川内川の下流部、河口から一・四キロメートル地点におきまして、長さ百四十メートルにわたりまして最大八十センチメートルの高潮堤防の沈下の被害を受けました。このため、既に工事を発注をいたしておりまして、今月中にも工事を終わらせたいということで、現在鋭意取り組んでおるところでございます。これは応急復旧工事でございまして、ことしの出水期明けを待って本復旧にはかかりたいというふうに考えておるところでございます。
そしてまた、鹿児島県並びに地元の市町村で管理をされておられます公共用施設につきましては、約二百カ所におきまして被害の報告を受けておるところでございます。具体には、河川、砂防、道路、橋梁等々被害を受けておるところでございますが、これらにつきましては現在地元の方で被害の状況を取りまとめられておるところでございます。その報告を受けて対応していきたいというふうに思っておるところでございます。
そしてまた、自然斜面の崩壊がございまして、現在十世帯を超える方々が避難をされておるわけでございますが、この斜面に対する対策につきましても、災害関連緊急事業、そういう枠組みの中で対応をしていきたいというふうに考えております。
また、道路につきましても、現在三十カ所を超える不通箇所、いわゆる全面交通規制をしておるところがございます。特に一般国道の五百四号におきましては大変大きなのり面崩壊がございまして、この復旧には半年ぐらいかかるというふうに考えておるわけでございますが、迂回路を四月中にも何とか確保したいということで、現在地元の方と一緒になって全力を挙げて取り組んでおるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/19
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020・川内博史
○川内委員 何とぞよろしくお願いを申し上げます。民主党の中にも公共事業に大変に理解のある男がおるということを大臣、御理解ください。
それでは、不動産特定共同事業法に係る質問をさせていただきたいと思います。
今回の法改正は、規制緩和を進めるという観点で申し上げれば大変にいい改正であるというふうに思うわけでございますが、現在の経済の状況から見て、その効果のほどがすぐに上がるということはなかなか見込めないのではないかというふうに思うわけでございます。金融機関が大変な不良債権を抱えて、そのビヘービアがシュリンクをしておりますし、しかし、長期的に見れば、土地の有効利用を図り、流動化を促すという意味では大変な大きな法改正であるというふうに思うわけでございます。
まず、基本的なことをお尋ねをさせていただきますが、今不動産がなかなかに動かない。というのは、要するに不動産に投資してもなかなかに利回りが上がっていかないということがその大きな原因であるというふうに思うのですが、現状の、それはいろいろな場所がありますから東京の都心部あたりとしましょうか、そこでのビル投資、マンション投資の利回り及びアメリカの、外国の不動産投資に係る利回り、その差がどのぐらいあるのか、そしてまたその差がどうして発生をしているのかというようなことについて御説明をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/20
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021・小鷲茂
○小鷲政府委員 大変難しい御質問でございますが、不動産に対する投資といいますのは、不動産に投資して毎年キャッシュフローとしてどの程度のインカムゲインがあるかということと、もう一つは資産価値が先々どう変動するだろうか、そういう両方の要素を勘案して投資を決めるのではないかというふうに思いますし、全体としての利回り計算も両方の観点からの利回り計算をすることになるのではないかというふうに思います。
まず、最初の資産価値がどう動くのであろうかということにつきましては、見通しの問題でございますので大変難しいわけでございますが、先ほど葉山議員の御質問にお答えしましたとおり、我が国の土地使用の状況につきましては、やや落ちつきを取り戻しつつあるとはいいながらも、商業地についてはまだ引き続き下落の様相を示しております。下落はしているけれども、その幅が小さくなってきておるという状況でございますので、
底に達したと言うにはまだ若干早いのかなという気がするわけでございます。そういう意味で、かなり不透明な部分がまだ残っておるという状況でございます。
世界的に見ましても、くしくも日本と同じような時期にいわゆるバブルの現象が起こりまして、いずれもそれがはじけましたけれども、欧米ともにその立ち上がりが比較的早い状況でございまして、昨今でありますると、地価につきましてはかなり安定した推移をたどっておる。したがいまして、資産の将来見通し等につきましては割合強気の見通しが一般的な傾向ではないかというふうに思うわけでございます。基本的には、そこが日本の市場と海外、特にアメリカの市場との大きな違いではないかというふうに思います。
そこの部分を除きましたいわゆるキャッシュフローとしてどのぐらいインカムゲインが得られるだろうか、そういう点に限って見ますると、例えば法施行後に行われました不動産特定共同事業の例でいいますると、確定配当を約束しておりますものにつきまして四%というものがございます。それから、募集予想配当率としてうたっておりますのが五・五%口と六%口がございます。これは実績でございます。法施行後でございますので、平成七年四月一日以降ということでございます。割合最近の事例でございます。
それから、一般的には税引き前の利益として三%から七%ぐらいが見込めるのではないかというのが不動産業界の一般的な見方でございまして、これを裏づけるかもしれませんが、ある民間のシンクタンクのデータによりますると、一九九五年の数字でございますが、首都圏域のオフィスビルのインカムゲインとして平均四・四%というデータもございます。
これに対しまして、御指摘のありました海外、特にアメリカの利回りがどうだということでございますが、アメリカの代表的な投資形態といたしましてREITという投資形態がございます。これは基本的な目的、やり方は不動産特定共同事業と同様なのでございますが、これの配当利回りが六%ないし九%と言われておりまして、表向き日本の水準よりもやや高いのかなというふうに見られるわけでございます。
しかしながら、それぞれの経済が持っております全体的な金利体系を見ますると、日本は公定歩合〇・五という圧倒的な低い水準でございますので、その国その国の金利水準から見ると、日本のキャッシュフローの水準というのはかなり高い水準と見ていいのではないかという見方が成り立つのではないかというふうに思っております。
最近、先まども御質問こありましたように、国鉄清算事業団の不用の土地の売却があちこちで行われております。汐留、品川それから八重洲南、それから大阪の方でも行われておりますが、いずれも非常に強気の札が入っております。そしてまた、先ほども申し上げましたけれども、シンガポール、香港という海外の投資家もこれに参加をしてきておるというのは、そういう背景があるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
したがいまして、我が国の市場は先行きについての見通しがはっきりしないものですから、若干まだちゅうちょして、特にいい物件であると、こういうぐあいに殺到するということでございますが、一般的にはまだにらみ合っている、様子を見ているという状況ではないかというふうに思います。先々の資産価値についてのある程度の落ちつきが出てまいりますると、キャッシュフローでは割合有利な状況になってきておりますので、比較的スムーズに動き出すのではなかろうかなという期待を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/21
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022・川内博史
○川内委員 局長は割と楽観的な見通しを持っていらっしゃるようですけれども、しかし、日本の不動産にかかわる大変複雑な税制、それからまた、書類を出してから実際にビルが建ち、また募集をし、販売が終わるまで大変に長い時間がかかるというようなことを考え合わせますと、そんなに楽観的な見通しはできないのではないかというふうに思うわけでございます。
しかし、ファンダメンタルズとしては、個人金融資産が千二百兆円もあって、お金はあるわけですから、あとはそのお金をどうマーケットに引き出していくかというところだと思うのですね。
局長の答弁の中に、土地に対する資産価値という見方を御披露されたわけですけれども、バブルの経験で我々が懲りたことというのは、土地とか建物がいっかは上がるのではないか、値上がりするのではないか、キャピタルゲインを得ようという考え方で私たちはバブルでつまずいたことになるわけですから、これから不動産に対しては、資産価値というよりは利用価値、使って何ぼだというようなところで、あくまでもインカムゲインで利益を得ていこうとする考え方を国内にも定着をさせていく方がいいのではないかというふうに思うわけでございます。
その一環として、この不動産特定共同事業法というのは、実績を見ますとオフィスビルが多うございまして、現在の景気の低迷の中ではオフィスビルは大変に余っている。しかし一方では、遠いところからたくさんの方々が込んだ電車に乗って通勤をされていらっしゃる。これからは、オフィスビルもそうですけれども、集合住宅、いわゆるマンションに対する床面積をどんどんふやしていくといったような施策が必要になるのではないか。安くて、広くて、近いという住環境を提供する必要があるのではないかと思うわけですけれども、そのためには、この不動産特定事業法、もうちょっと工夫が必要ではないのかなというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/22
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023・小鷲茂
○小鷲政府委員 ただいまの御質問に直接お答えいたします前に、キャピタルゲインのお話がございましたので、もう一度お答えさせていただきますが、まさに先生おっしゃるとおり、それから先ほど大臣からも前の議員にお答えいたしましたとおり、これからは所有から利用へというふうに土地の利用観念を変えていく必要があるということでございます。おっしゃるとおりだと思います。
先ほど私がちょっとキャピタルゲインに言及しましたのは、現況がどうであるかということについての御説明をしたつもりなのでございます。現況はまだ土地が下がるかもしれないと思うものですから進まないということを申し上げたつもりでございまして、将来にわたってキャピタルゲインを目的とする投資が続くであろうというふうに申し上げたわけではございませんので、そのようにひとつ御了解をいただきたいと思います。
さて、ただいまの御質問は、投資形態としてオフィスヘの投資が従来見られているけれども、住宅への投資が見られないのは残念だ、何か制度その他に欠陥があるのではないかという趣旨の御質問ではないかというふうに思いますが、まさにこれだけの経済大国と言われながら、その実感が感じられないのは住環境が貧しいためであるというふうに思います。何とかしてこの日本の経済力を我々の住環境の改善に向けられないものかと、私どもまさに先生と同じような気持ちを持っております。
ただ、残念ながら、過去においてそういう実態はないということでございます。なぜそうなのかということを、私は住宅の専門ではございませんが建設省におりますので、いろいろお聞きしております範囲でお答えいたしますると、住宅については、住宅の供給形態というのは非常に特殊な実態にあると言っていいのではないかというふうに思うわけでございます。特に、貸し家について見ますると、昔から土地を持っている方は、遊ばせておくよりも有利である、こういう観点で、土地のイニシアルコストを必ずしも計算をせずに、上物だけのコスト計算で貸すという形態が割と実態でございます。したがいまして、土地を買って貸し家を建てるということは、こういう市場の中では芽生えてこないという実態があるわけでございます。
ところで、地主さんが土地を活用するという場合におきましても、実は一たん貸したら土地が戻ってこないとか、あるいはなかなか賃料が改定
できないとか、そういう心配があるために、上物を建てるよりもしばらく更地でほうっておいた方がいい、こういうことで、そういう形自体も、地主さんが出すということ自体もなかなか努力をし、ないと出てこない、こういう実態でございます。大変残念な実態ではないかというふうに思います。
何とか今度実態を変えて、おっしゃるように、なるべく都心の環境のいいところに安い値段でいい住宅ができないものか、こういうふうに考えるわけでございますが、そのためには何といいましても床面積当たりの土地代相当を低くしなきゃならないというふうに思うわけでございます。
そこで出てきた発想が、大臣に御就任早々やれと第一発の命令を受けました都心における居住促進のための容積率の緩和でございます。これをいたしますると、平米当たりの土地費が相対的に非常に安くなるわけでございます。これによりまして、投資してでも住宅が経営できる、あるいはより安くできる、そういう効果が期待できるわけでございます。したがいまして、そういう実態的な対策とあわせて、この共同投資事業を組み込むことによって、おっしゃるような姿に政策を展開していくことができるのではないかというふうに期待しておるわけでございます。
そういう意味で、特定事業の仕組みだけでおっしゃるようなことを実現するということはなかなか難しいわけでございますので、その前提となる実態を変えることによって、そして、それとこの事業手法を組み合わせることによって、おっしゃるような方向に向かっていきたい、最善の努力をしてまいりたい、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/23
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024・川内博史
○川内委員 今容積率のお話が出ましたけれども、私も容積率、建ぺい率、日照権やら借地借家法やら、あるいは先ほども申し上げましたとおり、不動産にまつわる複雑な幾重にも取られる税金、この辺を規制を緩和してどんどん不動産が動くようにする。そしてまた、床面積をふやすというようなことによって、安くて広くてそして住みやすい住宅を提供していくということがこれからどんどん必要になっていくだろうというふうに思うわけでございます。
先ほども申し上げましたとおり、今個人金融資産が千二百兆円と言われておりまして、これが民間の住宅投資に、不動産投資に振り向けられれば資金調達の面からも大変に役立つことになるだろう、そのためこ投資収益の効率を上げる必要がある、そのためには容積率をどんどん緩和していく必要があるという理論になるのかというふうに思うわけでございます。
今局長からも御答弁ございましたけれども、大臣からも、具体的に容積率の問題に関してはどのように今後対処していかれるのか、もう一度御答弁をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/24
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025・亀井静香
○亀井国務大臣 議員御指摘のように、土地利用につきましては現在多くの阻害要因がある、このように思いますし、特に種々の規制につきまして、どうも都心の土地も郊外の土地も同じような一律の規制というような面が強い、このように私どもは考えております。やはり土地利用計画と申しますか、それぞれの土地に合った規制を、この規制というのは環境の保全だとか安全とかそういう観点からでありますけれども、やっていくべきだという形で今整理をいたしておるわけでありまして、そういう意味では自治体とこれは共同作業にもなっていくわけでございます。
そうした都心における住宅地域として自治体が指定をした場合には、そこについて容積率については思い切った改善を加えていく。日照の点については、そういう地域についてはまあ我慢をしていただくということもやるわけでございますが、またその他の規制を含めて、従来より思い切った容積率の確保ができるのではないかと思いますし、また細かいことまでは、何なら局長から説明させますけれども、廊下の部分とかそういう共有部分をその計算から外すことによって二割ぐらいは容積率が高くなってくるところもございますし、また従来、狭い土地に小さなマンションが建つというような形で環境面でも非常に問題があるわけであります。このあたりは、土地の集積をした上でそうした集合住宅を建てていく場合には、これは緑地もまた確保できるという利点も出てまいりますが、思い切って割り増しの容積率を認めていくとか、そうした法案を今準備をいたしておりまして、この国会に提出をさせていただくつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/25
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026・川内博史
○川内委員 ありがとうございます。
大臣、規制緩和をどんどん進めていただいて、民間が元気になれば公共事業もがんがんできるというところになると思いますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
この特定事業に関してなんですけれども、もう一つ規制に関してお伺いをさせていただきたいのですが、現状では、現金の出資に関しては資本金十億円以上の業者は一千万円、その他は一億ということになっている。それを一律一口一千万円にしようという方向であるというふうに聞いております。
私は、金融システムも改革をされて、自己責任原則というものがこれからマーケットに確立をされていくわけですから、この投資、現金の出資金額についてももっともっと小口にして投資をしやすくする。しかし、事業をやる事業者は、この不動産特定共同事業法による許可業者だけがしっかりとした審査をした上で、情報開示しながらその事業を進めていくということで十分投資家保護は図られるというふうに思うのですが、その辺の投資金額の小口化については、局長いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/26
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027・小鷲茂
○小鷲政府委員 御指摘のように、海外の例など、を見まするとかなり小口の投資ができる仕組みになっております。それに引きかえまして我が国の投資単位は非常に高いのではないかという見方もあろうかと思いますが、そもそもこの法律ができた最初のきっかけが被害実例が大変多かったということに端を発しておりますものですから、基本的にはある程度のロット以上のものに絞る必要があるのではないかというのが現在の考え方でございます。
これは必ずしも不動産に対する投資の制度ばかりではなくて、他の同じような制度でも同じような考え方をとっているわけでございますが、特定共同事業法をごらんいただくとわかりますが、附則三条というのがございまして、この制度については今後の社会状況の推移でありまするとか法の実施状況でありまするとか、そういうものをにらみながら検討していけということがわざわざうたわれております。ということは、法律で一たん決めたんだから変えないということではなくて、そういったいろいろな問題を弾力的に、社会の実態に合わすように検討していけよということがわざわざうたわれておるのでございますので、いろいろな投資の実態あるいは経験を踏まえながら、その辺については適切な判断をしていく必要があろうかと思っています。
方向としては、私も、小口の投資が安全に確実に投資していただけるような環境ができれば、そういう方向に持っていく必要があるんじゃないかというふうに感じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/27
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028・川内博史
○川内委員 よろしくお願いをいたします。
それと、規制緩和、規制緩和と何かくどいぐらいに申し上げているわけですけれども、もう一つ、制度としての規制緩和と同時に、日本の行政ですね。私も昔、金融機関におりまして不動産開発に携わった経験があるんですが、これはもう何回も役所に足を運んで、事前協議だの何だの、とにかく膨大な資料を提出させられる。それでまた突っ返されて資料をつくり直してというふうに、これはもうとにかく時間がかかるわけですね。
このあたりに関して、制度の運用面として諸手続の簡素化などの必要が不動産の流動化についても大変に大きなファクターになるというふうに思うわけでございますが、この点に関しては建設省さんは、各地方自治体に対してはどのような御指導をしていらっしゃるのか、また実際にどのような運用をされているのかということを最後にお尋
ねをさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/28
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029・小鷲茂
○小鷲政府委員 ただいまは手続についての御指摘がございましたが、そのほかにも、先般来お話しになりましたように、不動産関係につきましては税の問題とかいろいろな問題があると思っております。ただいまの手続の問題につきましても、まことにおっしゃるとおり、御指摘のとおりというふうに思っております。
ただ、これは言いわけではございませんけれども、なかなか人手がないということもありましてある程度時間がかからざるを得ないという要素もございますが、さはさりながら、それは理由にはならないというふうに私は思っておりますので、知恵を出して、それを簡素化、合理化、短期化するということは絶対に必要であるというふうに思っております。
例えば建築確認についていいますると、建築主事が従来手作業でやっておったわけでございますが、今言いましたように、なかなか人数が少ないということがございまして時間もかかり過ぎておるわけでございます。これを最近ではコンピューター処理化をすることによって何とか早く処理ができないかということで、そういったことにも取り組んでおります。さらにはまた、最近、これも大臣から御指示を受けまして、手が足りないなら民間にやらせたらどうかということで、建築確認を民間の手をかりてやるということについても検討を始めたわけでございます。
そのほかに、実は開発許可制度というのがございます。これは郊外地において宅地開発をするとき、あるいは数筆の土地をまとめて再開発をやるという場合に開発許可が必要なわけでございますが、これにつきましてもかなり手間暇、時間がかかるといったような問題がございます。
これにつきましては、いろいろな関係部局がたくさんあるということで、一々その手続を踏んでいくと、縦系列に積んでいくととてつもない時間がかかるということでございますので、同時発進で、一、二の三でそれぞれの部局が審査を始めるといったようなシステムを自治体に指導していくとか、あるいは、決められた期間内にできないときにはきちっとその理由を相手方に言えとか、そういったことを割合細かいところまで含めて指導しているつもりでございます。それなりに改善をされておりますが、一挙にというわけにいかなくて歯がゆい思いをいたしている部分もございますが、さらに努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/29
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030・川内博史
○川内委員 ありがとうございます。いいことは私どもも協力してどんどんやらせていただきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/30
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031・市川雄一
○市川委員長 辻第一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/31
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032・辻第一
○辻(第)委員 不動産特定共同事業法の改正案を審議をするに当たって、その背景にあるいわゆる不動産流動化対策についてお聞きをいたします。
まず、ことし三月三十一日に担保不動産等流動化総合対策が発表されました。それには、地方自治体が中心になって担保不動産を公共用地として先行取得したり、担保不動産の権利を小口の証券に分割して投資家に売却するなどが主な内容であります。今回の法案もその一部として活用されると考えてよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/32
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033・亀井静香
○亀井国務大臣 この法律が土地の有効利用を促進をするという意味においては、まさにそのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/33
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034・辻第一
○辻(第)委員 この不動産流動化対策の背景には、景気が一部の製造業を除いて低迷をしている、また金融機関の不良債権問題など、そのために不動産が動かない、その取引が少なくなっていることがあるとされています。
二月十日に閣議決定された新総合土地政策推進要綱では、
地価下落は内外価格差の是正、社会資本の整備等にプラスになる一方、個人・企業のバランスシートの悪化の大きな要因となるとともに、金融機関における不良債権処理に影響を与えており、我が国経済の景気が回復の動きを続けている中で、そのテンポが緩やかなものにとどまっている一因となっている。
このような状況の下、今後の土地政策においては、正常な需給関係の確保と利用価値に相応した適正な地価の形成を目指し、地価の安定を図る観点から、現状のような地価下落の状況においては、一般的な地価引下げを目標として掲げる必要はなくなっている。
としています。また、今後の土地政策の目標を所有から利用へとの理念のもと、総合的な施策を展開する必要があるとしています。
しかも、三月二十九日に閣議決定された規制緩和推進計画の改定についての住宅・土地関係では、容積率の緩和を行い、日影規制の適用除外、斜線制限等の緩和を行うとしています。
現状、あつものに懲りてなますを吹くという嫌いもあるのですが、不良債権の処理に影響を与えるなどとの理由で、このような地価引き下げを目標として掲げる必要はなくなったと結論づける、あるいは容積率緩和等の一連の規制緩和を実行すれば地価が再び上昇するおそれはないのか、また、マンション建設などで環境が悪化する問題などで周辺住民との紛争が各地で激化するおそれがないのか、このように考えるわけでございます。
建設省として、そのようなことがないと言い切れるのか、また、そう言い切るのであればその保証はどこにあるのか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/34
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035・亀井静香
○亀井国務大臣 地価につきましては、これは委員もそのように御理解されると思いますけれども、日本は限られた国土でございます。そこで国民が幸せな生活をしていく上において、土地の利用は欠くべからざるものであると思いますが、その土地が国民生活のために有効に利用されないで、いわば漬けたままになっておるような状況というのは、国民経済的にも望ましい状況ではないと思います。そういう意味では、やはり土地が有効に活用されていくにはどうしたらいいかという視点であろうと思います。
所有を目的にするということは、土地政策としては、限られた土地を自分たちが望むままにそれぞれが所有をしていくということは、理想であるかもしれませんけれども、我が国のような狭隘な国土においては、やはり私は、なかなか現実的には難しい。そうであれば、やはりそれを有効に利用する中で国民の方々の満足を広げていくということであろうかと思いますから、そういう意味では、所有から利用へという政策提示というのは、私は間違っていないと思います。
では、地価はもうどんどん今から上がっていった方がいいのではないか、不良債権の処理という面でという意味で、委員は良識ある委員でございますからそういうお立場では質問されていないと思いますけれども、私どもも、バブルのときのようにどんどん地価が投機の目的になって、土地を転売をして利益を上げていくというような不正常な状態は絶対に再現をさせてはならない、このように考えております。
そういう意味では、今後展開していきます土地政策というのはあくまで、土地が有効利用されていく、ということは流動化していくということでありますから、そういう意味では、やはり地価がどんどん下落していくような状況の中で、土地の流動化というのはなかなか実際難しい。そういう意味では、安定的に地価が形成をされ流れていくという状況が望ましいというように考えておるわけであります。
そういう意味で、今度のあれで日影規制とか斜線規制等が大幅に緩和されるということについて住民の方々からのいろいろな御意見が出てくるのではないかと思いますが、私は、ここはやはり御理解をいただかなければならないと思います。
先ほど申し上げました、限られた土地でありますから、それを都心部においてどう利用していくのか、郊外においてどう利用していくのか、田園地帯においてそれをどう利用していくのか。それによってやはり日照権の問題その他についても、これはそれぞれ変化があってしかるべきであって、日中ずっと自分の家に日当たりがいいということであれば、そういうところに住みたいという
ことであれば郊外を選択していただく。しかし、都心の方が職住近接その他の面で便利だということであれば、若干お互いに、自分の家だけ日が当たっていればいい、よその家はどうでもいいというわけにはいかぬわけです、少しずつはみんなが我慢しながら、そういう便利なところにはお互いに住んでいく、そのキャパシティーを広げていくということについてはみんなで協力し理解し合うことがなければ、自分だけは一〇〇%すべての恩恵を受けたいということでは全体の幸せというのは実現できない。日本共産党も全体の幸せを目指しておられると思いますので、そういう点については私どもと共通部分があろうか、私はこのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/35
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036・辻第一
○辻(第)委員 さあ、何と言ったらいいのか。
さて、四月三日に建設大臣と東京都知事が会談をされました。人口が減少している都心地域の居住を進めるために建設省が進めているマンションの容積率緩和などの政策について協力することを確認した、このように報道されていますね。このときに日照権など環境悪化の防止策や周辺住民と紛争になったときの調整ルールなどはきちんと確認されたのかどうか、建設大臣にお尋ねをいたします。恐縮ですが簡明に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/36
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037・亀井静香
○亀井国務大臣 わかりました。簡単に申し上げます。
知事とは、そうした今建設省が実施をしようとしておる政策についての各論、細部についてまで御説明申し上げたわけではございませんので、都市の再開発、特に防災的な観点からの密集市街地における整備等について、よく協力してやりましようという基本的な姿勢をお互いに確認をしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/37
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038・辻第一
○辻(第)委員 私も、もう十年ほど前ですか、建設委員会それから土地特別委員会にも所属をしておったのです。まず東京から土地が上がりましたね。あの時分から、こっちも土地の上昇については何度も建設省や国土庁や、また当委員会でも質問をさせていただいて、いろいろ問題点を提起してきたのですね。しかし、結果はあのような状況です。
そういう中で、金融機関が本当にむちゃくちゃにお金を貸し回っていたというような状況がありましたね。そういう問題、そうなる前にも言っていたのですけれども、建設省としてはその当時、大蔵省にも十分その旨話を申し上げ、連携をとってやっておりますとおっしゃっていたのですね。うまいことやってくれるのかなと思って期待していたら、全然それはもう話にならない、もうむちゃくちゃやっておられた。私どもが申し上げた後もずっとそういう状態が続いたのではないか。
そういう中であのバブルですね。私は非常に無念な思いや怒りというのがいまだに抜けないのであります。そのためにたくさんの方が深刻な被害を受けられた。そういう経験の中で、やはりこういうことを二度と繰り返してはならないという熱い思いでちょっと申し上げたわけであります。
さて、法案に即して質問をいたします。
今回の改正の目的、それといわゆる投資のプロというのですか、不動産に対する投資に係る専門的知識及び経験を有する者等、それはどのような対象を指すのか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/38
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039・小鷲茂
○小鷲政府委員 今回の法律改正の趣旨でございますが、冒頭の御質問にもございますが、もともとこの法律は、不動産投資を行います投資家を保護するということと、不動産特定事業という事業があるとすれば、その事業を健全化することが国民経済的にも好ましいことであるということで、その健全化のためのルールづくりをする、この二つの目的があるわけでございます。
現下の状況を見まするときに、先ほど大臣もお答えしましたとおり、土地の流動化ということが一つの国の政策として大変大きな課題であるという観点から、それを促進する必要がある、したがいまして、投資家の保護に欠けることがないような範囲でその規制を緩和していくことができるならばそれをやるべきではないか、こういう趣旨で一定の規制を緩和するということでございます。
具体的に見ますると、事業の実施の時期に関する制限とか金銭等の貸し付けの禁止、あるいは契約成立前の書面交付義務等につきまして、事業参加者が一般投資家ではなくて取引の経験あるいは知識を持っておりまする特定の業界の方、あるいは法人組織がしっかりしておりますためにみずからの判断能力が備わっているだろうというふうに考えられる一定の法人、こういうものにつきまして規制を緩和しようとするものでございます。
そこで、投資のプロというのはどういうものかというおただしでございますが、ただいま申し上げましたとおり二つのタイプがございます。これは改正の条文をごらんいただくとわかりますが、不動産に対する投資に係る専門的知識及び経験を有する方、これは第一のタイプでございます。二つ目が、資本の額が一定の金額以上の株式会社であり、投資についての自己チェック機能を十分有していると考えられる会社でございます。
第一のタイプといたしましては、銀行及び信託会社、これは法律に書いてございますが、その他省令で決めることになっておりますが、保険会社でありまするとか他の不動産特定共同事業者であるとか、こういったことを今考えております。
それから、資本金の要件が二つ目のタイプでございますが、この二つ目のタイプといたしましては五億以上の株式会社を考えております。五億と決めましたのは、五億以上の会社につきましては商法特例法によりまして監査法人によります監査が義務づけられておるということで、おのずと自己チェック機能が備わっているであろう、こういうふうに考えてよかろうということでございまして、このような考え方は実は他の投資法令につきましても共通の考え方でございますので、それとも平仄を合わせておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/39
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040・辻第一
○辻(第)委員 さきの不動産特定共同事業法の制定のねらいというのは、バブル経済崩壊後、依然として不動産不況を脱し切れない業界が、不動産小口商品の投資被害の再発防止という形をとりながら、大手ディベロッパー本位に不動産小口投資市場を独占、再編しようとしたものではないか、今回の改正はそうした方向への一層の拡大を目指すものではないのか、このように考えるわけであります。
さて、適用除外の項に六つの項目があったと思うのですが、その中に「不当な勧誘等の禁止」、これは第二十条と第二十一条ですね。それから「財産管理報告書の交付等」、二十八条、これが入っていますね。
それで、事業参加者が不動産投資に関して専門的知識や経験を持つ者であっても、適用除外するということでは、私は大いに疑問があるのです。この二つの項目は、事業者間に経済的な、またいろいろな格差がある場合などを考えてみますと、適用除外すべきではないと考えるのであります。どのような理由で除外をされたのか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/40
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041・小鷲茂
○小鷲政府委員 ただいまは、適用除外を考えております事柄のうち二つを取り上げて、なぜ適用除外するのかというおただしでございました。
まず、第一の「不当な勧誘等の禁止」の条項でございますが、これにつきましては、取引当事者の一方が先ほど申し上げましたように銀行でありますとか信託会社、損保、生保、こういった限られた投資の専門家でございますので、あえてこういうことを規制する必要はなかろう。つまり、多少それは企業規模という意味でおっしゃるように差があることは当然でございまするけれども、だからといって判断能力に差があるというふうに考えられないということで適用除外にいたした次第でございます。
繰り返しになりますが、同様の制度は他の投資立法につきましても同じような考え方をとっておりますので、それと符節を合わせたという点もございます。
それから二つ目の「財産管理報告書の交付」の件でございます。これも、確かに財産管理につきましての情報というのは大変大事な情報でござい
ますが、ここで除外いたしておりますのは、全部を除外しておるわけではございませんでして、会社が一々報告書をつくって相手方に自主的に渡せというところだけを適用除外しておるわけでございまして、その他の規制は現行のままでございます。例えば、財産は分別管理をせよといったようなこと、あるいは、財産の状況につきましては書類をつくって、いつでも閲覧できるようにしろ、したがいまして、関係者はいつでも閲覧できる。
それから、問題になっております適用除外条項、二十八条の二項、三項を適用除外しておるわけでございまして、一項は残しております。
一項はどういうことかといいますると、報告書をつくれとは書いていないけれども、財産状況については説明をせよということ、これは残してございますので、この程度情報を開示しておけばプロの投資家にとっては十分ではないかということで若干の規制を外した、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/41
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042・辻第一
○辻(第)委員 現行法制定も今回の改正も、大手ディベロッパーの要求にこたえて、邪魔になっている規制を取っ払い、都市開発プロジェクトを一段と促進しやすい環境をつくるためのものではないのか。
事実、今回の改正内容は、不動産特定共同事業を促進するために、三井や三菱、住友不動産など大手不動産会社などで結成をされた不動産シンジケーション協議会が昨年十二月に建設省に提出をされた要望にこたえたものになっています。
要望は、現在の不動産特定共同事業法に規定される規制は、円滑な事業の推進を妨げるおそれがありますので、撤廃もしくは緩和していただきたいとして、法人の範囲と十二項目の改正が提出をされています。
今回の改正は、ほとんどが同協議会の要望に沿ったものであり、財界、不動産業界のための改正と言われても仕方がないのではないか、このように思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/42
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043・亀井静香
○亀井国務大臣 そういうことはございません。
私は、ちょっと逆にお聞きしたいのですけれども、共産党は、我が国の経済社会における活動主体をどう考えておられるかということを私はちょっとお聞きしたいと思うわけでございまして、我が国の経済、大、中、小、零細、個人、それぞれが活動をする中で、そのハーモニーの中で経済活動が行われておるわけでありますから、私どもとしては、大きな企業、それがそれぞれ社会的責任をきっちり果たしながら、経済活動にきっちりとした形で参加をしていただくということを期待をいたしておるわけであります。そういう意味では、大企業にとってもそういう規制緩和をする場合はあり得るわけでありますし、また、中小、零細、個人の方々についても、そうした面でより自由な経済活動をしていかれるための規制緩和なり、そういう措置はやっていくわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/43
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044・辻第一
○辻(第)委員 日本共産党は、大企業をなくせとか、大企業を否定するわけではないわけです。大企業は、その社会的責任、それを負うたことをやるべきである。そして、もっともっと、中小商工業者や、あるいは労働者、農業の方、そういう国民の方と、本当に、バランスのとれたというのですか、国民本位の経済や政治があるべき姿だ、こういうことで言っておるわけでありまして、建設大臣も、よう考えてもろうたら、やはり、大企業の横暴というのは目に余ることがたくさんあるのではありませんか、そういうことであります。
さて、これを言っていますと時間がなくなりますので、不動産シンジケーション協議会の要望の第一に挙げられているのが、対象不動産の客観的一体性原則というのですか、基準の撤廃です。
これも、今回の改正案では、その要望どおり撤廃になっているのですね。現行法の通達で、対象不動産は、客観的に見て一体性を有するものに限るものとするとしているのを、投資家がプロの場合は、この制限を撤廃をし、複数の不動産を対象とした事業を認めるよう改正するものです、こういうふうに言っているわけですが、現行法で対象不動産の客観的一体性原則をとってきた根拠、今度はこれを撤廃する根拠、それぞれお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/44
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045・小鷲茂
○小鷲政府委員 一体性の要件についてでございますが、現行法制下で一体性の要件と言っておりますのは、いろいろな不動産を組み合わされますと、その不動産の資産性について、一般の者はなかなか適正な評価を下すことが難しいのではないかということで、その投資の単位を一つの不動産に限定をすればより判断しやすくなるのではないかということで、一体性を求めたわけでございます。
これは、ほかの規制緩和とも関連いたすわけでございますが、プロの投資家が投資をやります場合には、実態的に、一棟単位で物事を考えるというのは、プロジェクトを企画する際に非常に不便があるわけでございます。先ほど来の御質問で汐留の例が出されておりましたけれども、実は、ああいう非常に大きなロットで土地が開放されるわけでございますが、そういう大きなロットに一棟を建てるということは非常に非現実的なわけでございます。複数の棟を大きなロットに総合的な設計のもとに建てるということが合理的なわけでございますので、そういうケースに対応できないという問題がございます。
ただ、先ほど言いましたように、当初考えました、これを一般の方についてまで開放すると、不純物がまざり込むという心配がございますので、一般投資家については一体性については従来どおり、いわゆる機関投資家であれば、その辺については複数であっても全体として適切な評価が下せるだろうということで、今回、一体性の要件を外そうかと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/45
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046・辻第一
○辻(第)委員 いずれにいたしましても、やはり、大ディベロッパーの要望にこたえておるという感じがするわけであります。不動産会社と金融資本が共同して、金融機関が抱えている不良債権担保土地を債務者、土地所有者から買い、特定共同事業を行って不良債権を流動化しようとするもので、不良債権を抱える金融機関の救済措置ではないのか、この思いが強いわけであります。
さて、本法の制定の直接の背景には、九一年、九二年にかけて集中した、マルコー、ライベックス、五輪建設、高野敏男商店などの被害が多発したことがあります。その四社それぞれの被害実態、販売総額、購入者数とその合計はどうなっているのか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/46
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047・小鷲茂
○小鷲政府委員 過去の事例についてのおただしでございますが、その前に、今回の法改正は専ら大手ディベロッパーの利益のためのものではないかという再三のお話でございますが、そうではございませんで、土地の流動化ということがあくまでも第一主眼でございます。それによってメリットを受けるのはあくまでも国民であるというふうに私ども考えております。
今回、事業者要件についてはほとんど手を触れておりませんで、投資家要件について改正をしたいというふうに考えておるわけでございます。内容についてはもう一々申し上げませんが、投資家といいますのは、先ほど言いましたように、銀行であり、信託会社であり、保険会社である。そこに金を拠出しておりますのは一人一人の国民でございますので、国民の資産をいかに安全、確実、有利に運用するかということについての選択の幅を広げる、そういうつもりでございますので、ひとつ御了解いただきたいというふうに思います。
さて、おただしの過去の幾つかの会社の事例でございますが、マルコー、ライベックス、五輪建設、高野敏男商店、こんな会社があるわけでございます。これを合わせて言いますると、販売総額にいたしまして千七百五十二億円、購入者数にいたしまして七千四百三十四人ということでございます。いずれも、平成三年、四年の当時でございますがトラブルを起こしておりまして、マルコーのみは会社更生法の適用を受けて生き残っておりますが、他の三社は倒産をしておる、こういう状況になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/47
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048・辻第一
○辻(第)委員 このような被害、深刻ですね。投資家保護の名目で制定された不動産特定共同事業
法でありますが、被害の再発防止の要請に十分こたえる内容になっていないのが実情でないのか、このようにも思うわけであります。
投資家保護という法の目的からも、「不当な勧誘等の禁止」、二十条、二十一条ですね、重要な点の一つだと思うのですが、さきの四事業者の商品で採用された賃貸方式において、対象不動産の収益力を大幅に上回る賃貸料を保証することが法二十一条で禁止している「利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。」これに該当するかどうかも必ずしも明確でないのですね。現行法で規制することができるのかどうか、お答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/48
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049・小鷲茂
○小鷲政府委員 議論の混乱を避けるためにあらかじめ申し上げておきますが、この法律が制定され、施行されましたのは平成七年の四月一日でございます。したがいまして、それ以前の契約については本法は適用されるわけではございません。おただしの具体的事例は、先ほど申し上げましたように平成三年、四年の事例でございますので、残念ながら本法の保護は受けられないということでございます。
御質問の意味が仮に本法の適用下において同じようなケースが起こったらどうなのかということであるとするならば、それは一つ一つの内容に詳しく立ち入ってみないとにわかに判断しかねるわけでございますが、御承知のように、法二十一条におきましては、「利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。」ということでございまして、確かに解釈につきましていろいろ難しい点があろうかと思いますが、要は、大変俗っぽい話でございますが、うまい話、こんなことはあるんだろうかといったようなものがあるとすれば、一応疑ってかかる必要がありはしないかなというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/49
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050・辻第一
○辻(第)委員 これに関連して、大蔵省銀行局長、建設省建設経済局長の通達で、「一定の利回りや収益を保証する行為まですべて禁止するものではないが、」「実質的に元本保証に当たる行為は禁止されている」とありますね。
さきに紹介された被害の実態に照らしても、一般投資家にとって非常にわかりにくい。三月十七日に参議院の建設委員会で、我が党の緒方議員の質問で、「一般の投資家にとって、利回りの保証があれば確実に利益になると思い込むのは当然だと思うんですね。利回りの保証が許されるというならば、少なくともリスクがあるということも明示させるべき」だ、このような提起に対して、建設経済局長は、「望ましいあり方としてはおっしゃるとおりではないかというふうに思います。」このように答弁されましたね。
この答弁を踏まえて、通達等にも明記をし、被害の再発防止に効果のあるものにしていくべきではないかと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/50
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051・小鷲茂
○小鷲政府委員 利回り保証に関する問題でございますが、現行法では確かに元本の保証をしてはいけないということを言っておりまして、これを約款で書くべしということになっております。
今回、いろいろな規制緩和を考えておりますが、この点については規制を緩和するつもりは全くありません。従来どおり、元本保証はしてはいけないということでございます。その裏表の関係にございますが、利回りについては保証が許されておる、こういう世界になっております。
そこで、営業の実態として、最初にお客さんに説明するときに利回りの保証はありますと言うわけでございますが、よく見れば約款には元本分は保証しませんと書いてあるのですが、通常の人は約款までなかなか見ない、そこでトラブルが起こるのではないか、そういう御指摘であろうかと思います。
それで、私どもも全くそのとおりだと思っておりますので、この法律が施行された際には、いろいろな注意事項を通達の形でまとめざるを得ないと思っております。その際に、これは法制上、業者に命令をするというわけにいきませんけれども、一般的な行政指導という形で、そういうふうにトラブルがないように、より少なくなるような方法をお勧めしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/51
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052・辻第一
○辻(第)委員 通達等に明記をするなど、被害の再発防止に効果のあるものにしていただきたい、重ねて要望いたします。
法二十二条の「金銭等の貸付け又はその媒介等の禁止」の規定があります。さきに紹介した通達で「いわゆる事前販売時において、持分の購入代金に関し金銭の貸付け又はその媒介等を行う行為は「不動産特定共同事業に関する」ものではないので本条により禁止されるものではない」、このように規定されていますね。これも非常にわかりにくいですね。
建設省の担当者の方の御説明によりますと、持ち分の購入代金部分については金銭の貸し付けまたはその媒介等は禁止していないが、購入代金を超える部分の金銭の貸し付けまたはその媒介等は禁止ということのようであります。
そもそも、物件購入金の大半を融資をする提携ローンの存在が被害の発生と拡大を生んだ大きな原因の一つであったと思います。土地だとか建物だとか、やはり一種の投機的な要素も含めて購入をされる。非常にそこにリスクがあるということですね。
そういう中で、先ほど申し上げた被害者がたくさん出たわけでありまして、事業参加者にすれば、事前販売と出資または賃貸は一体のものとして行われるものであり、被害の大半がこの販売過程で発生をしているということは紛れもない事実だと思うのです。投資家保護の法律というならば、本来もっと規制を強めなくてはならない項目ではないのかな、このようにも考えるわけでございます。
ここの点でも、さきの項目と同じように、被害の再発防止のために何らかのしかるべき対応がないのかな、また、通達等にももっともっとわかりやすく記載をしていただきたい。ぜひ、再発防止のための改善をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/52
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053・小鷲茂
○小鷲政府委員 確かに、御指摘の点はややわかりにくい部分でございます。残念ながら、持ち分を持ってもらいますためにお金を借りていただくというところは、実は定義上、不動産特定共同事業の事業内容に含まれないわけでございます。言ってみれば、宅地建物取引業の世界でございます。その世界から不動産特定共同事業に連続してつながってまいりますものですから、非常に話がわかりにくい。特定共同事業なのではないかという思いもするわけでございますが、法律の建前上は、そこはもうはっきりと分かれておるわけでございます。
ところで、宅地建物取引業法上、提携ローンが禁じられておりませんのは、実物資産が残るということによりまして一般の債券投資その他と違いましてリスクが少ないであろう、こういう趣旨で禁じていないわけでございます。
従来、御指摘の点が問題になりましたのは、実物資産といえども、それがバブルによって極めて低価格なものに落ちてしまった、つまり、大幅なキャピタルロスが出たというところに問題があるわけでございまして、今後の情勢を考えますると、およそ従来のような急激な価格変動というのはないであろうというふうに考えられますので、現実の問題としては、従来起こったような大きな問題はその点について生じてこないのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/53
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054・辻第一
○辻(第)委員 ぜひ、被害の再発防止のために効果のある対策をどうかひとつお願いをいたして、次に移ります。
最後に、JR長岡京駅西口再開発事業についてお尋ねをいたします。
過日の参議院の建設委員会で我が党の緒方議員が都市再開発の問題、この法に関連をした、六本木六丁目ですか、その問題でお尋ねをいたしました。
建設大臣ともいろいろいわゆる論がありまして、事業者ですか、それと地権者や地元住民ですね、関係者、十分に話し合う、そして本当に力を
合わせていい町づくりをしていく、こういう方向ですね。そのためにはやはり情報を十分に公開をする、あるいはいろいろな形で話し合う機会を持つ、そういう中でできれば住民参加、住民合意というような形でやられれば本当にいいなと思うのですけれどもね。
ところが、私も何カ所か都市再開発の問題についていろいろな要望を聞いたり、また現地を調査してまいったことがあるわけでありますけれども、二月の当委員会でも阪神大震災の被災地の問題でも一部都市再開発の問題でも申し上げたことがあるのですが、現地の方、大変御苦労いただいていることもよくわかるのです。しかし、やはり見てみると、本当に情報が十分公開されているのか、十分話し合いがされているのか、十分意見が取り上げられているのかということになりますと、大体十分でないという状態が非常に多いように思います。しかも、そういう中で、その土地に住めないとか、結局出ていかなくてはならないというような住居の問題もあれば商店の問題もたくさん出てきているのですね。
そういうことがあるわけでありますが、このJR長岡京駅西口の再開発の問題は、これは駅前の住友べークライトの跡の土地も含めて三・一ヘクタールの都市再開発のようであります。
そういう中で、大手のいわゆるディベロッパーというのですか、そういうような方もかかわり、市もかかわっている、組合方式でやられているようであります。やはり、そこのところでいろいろ問題が出てくるわけですね。結局十分に情報が公開をされていない、十分話し合いがされていないという状況の中でどんどん都市計画が決定をされ、そういう中では、公聴会をという声があっても、それをやらないでずっと都市計画が進められていくという状況ですね。
人口七万ぐらいだったかの市でありますけれども、そこが再開発をされる、そして高さ百メートルのビルが建つとかいうことであります。いわゆる小売店舗、かなり大きなスーパーがその中に入ってくるとかいうことで、そうなりますと、ほかのスーパーとの競合で、市全体の商店街が本当にどうなっていくのかという心配がありますし、交通渋滞の問題もあります。高さ百メートルということになりますと、日照の問題だとか風向きの問題だとか電波の問題、いろいろ問題がありますね。そういうことで、市民からはいろいろ、もっと十分情報を公開してくれ、もっと話し合いをしてほしいという声があるわけです。
ところが、それが十分にされないでどんどん進んでいくという状況、これはここだけではなしに、一般的にそういう傾向がまだまだあると思います。これは難しい問題で、一生懸命やっておられる側面もあるわけですけれども、実際はやはりそういう形が客観的にあるということであります。そういうことで、ここだけの問題ではなしに、これは全国的な傾向ではないのか、私はそんなふうに思っているのですね。
そういうことで、本当に情報を公開し、事業者と地権者や関係住民、それからもうちょっと幅広い、ここでいいますと市民ですね、そういうことも含めて、十分な合意というのですか、話し合いというのですか、そういうことをやって事を進められる、こういうことに建設省としては一層の御努力、全国的なそういう傾向に対して指導をしていただく、そういうことをぜひやっていただきたい、こういうふうに思うのですが、御答弁をいただいて終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/54
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055・亀井静香
○亀井国務大臣 町づくり、都市の再開発というのは、ただ単にその町が、ごしゃごしゃした町が見た目きれいな町になった、私はそのことが目的であってはならないと思います、要は人のためにやるわけでありますから、住民のためにやるわけでありますから。
そうした再開発等をやった結果、従来そこで小さな商売をやっておられた方、あるいは小さなアパートに住んでおられた方、こういう方々が追い払われて住めなくなる。そのかわり、そこは非常にきれいになって、そこに投資をした方がもうかるという意味で活気が出てくるという場合もあるかもしれません。もちろん再開発というのは、そこに投資をされる方等含めてそれだけの利潤も上がってこなければならぬという面もありますけれども、これは今建設省が進めております容積率の問題だとかいろいろな手法、区画整理法の条件緩和の問題とか、そういうことの中で、土地を高度利用していく中で、いわばその地域に住んでおる比較的弱者の方々も町づくりに残って参加していただける、金持ちだけがそこに残るということじゃない、そうした町づくりでなければならない、私はこのように思います。
そういう意味では、あらゆる人がやはり、みんなでこの地域をよくしていこう、もっと住みやすくしていこう、活力のある町にしていこうという形で積極的に参加をしていただく。そのためには、委員がおっしゃるように、情報を公開して、事業者だけが情報独占をするということがあってはそうした住民の協力は得られません。私は当然のことだと思います。
しかし一方、全国の状況、私全部詳細に承知しておるわけじゃございませんけれども、一方では、住民の方一人一人が自分の、個人の権利とか個人の希望だけを主張されていくというケースも間々あるわけでございまして、やはりそういう個人の方々も、全体の幸せ、町がよくなるために協力をしていく、簡単に言いますと我慢をする、そういうことについても私はやはり各政党、共産党もぜひ御協力をいただきたい、このように思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/55
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056・辻第一
○辻(第)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/56
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057・市川雄一
○市川委員長 中西績介君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/57
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058・中西績介
○中西(績)委員 時間が制限されておりますから、簡単に、二、三の点について質問を申し上げたいと思っております。
まず、基本的な問題に触れるわけでありますけれども、不動産特定共同事業法、これは平成六年六月二十九日に制定されまして、七年の四月一日から施行されてまいりましたが、この基本的な目的、この点をまず確認しておきたいと思うのですが、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/58
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059・亀井静香
○亀井国務大臣 これは、現在の法律が、いわゆるプロの投資家といいますか専門家にとっては若干不必要な規制といいますか、そういうことがございますので、それをこの際取っ払って、そうした投資家がどんどん参加していける、そういう状況をつくりたいということが目的でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/59
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060・中西績介
○中西(績)委員 今お答えいただいた、まず平成七年に施行されたこの法律のつくられた一番基本的な問題は何であったかということをお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/60
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061・小鷲茂
○小鷲政府委員 まず、この法律が当初つくられたときの趣旨ということでございます。
先ほど来お話がありましたように、昭和六十二年ごろから、実は、特に法規制がない世界におきまして、不動産の持ち分を売りつけまして、その不動産を運用することによりましていわゆる収益を出資者に配分をする、そういう一種のビジネスが広範にわき起こってきたわけでございます。例えば、マンションを買っていただいて、それを運用して収益を配分する、あるいはホテル、オフィス、こういう事例もございます。
ところで、当時、自由にできる事業でございましたために、大変その経営基盤の脆弱な会社がこの分野に乗り出すということがありました。また、契約を交わす際に必ずしも十分な情報開示がありませんために、十分な知識を持たずに投資家が出資をするということによって、いろいろなトラブルが起こるというような事態がありました。
その結果、バブルの崩壊に伴いましてこの事業がうまくいかなくなった、こういう実態がございまして、全国にわたりまして約七千五百名程度であったと思いますが、当時、被害者と言われる方々が出てまいりまして、何とかこういう事態を防がなければならない、こういう状況になったわけでございます。
したがいまして、この法律によりまして、こういう事業を行います際には許可制が必要であると
いうふうにいたしまして、基本的には許可制をしいて、取引についてもいろいろなルールを法律上明定をいたしたわけでございます。
最終的には、法律の第一条の「目的」の規定にございますけれども、そのことによりまして投資家の「利益の保護を図る」と同時に、この「不動産特定共同事業の健全な発達」を図る、こういう両様の趣旨でさまざまな規定が置かれた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/61
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062・中西績介
○中西(績)委員 そうしますと、やはりバブル、この時期にいろいろ多くの問題が派生をした、こうしたことも受けてこの法律というものは策定されたということになるわけでありますね。そして、やはり個人を保護をする、さらにまた、そのための健全な発達、これを目指してやったと思うのでありますけれども、今この新法を制定しなくてはならぬというのは、先ほど大臣お答えいただいた、こうした許可制によってある程度縛っておるものを解くことによって、さらにこうした事業が発展できるようにということを願っておると思うのです。
そこで、私、先般発表されました地価変動の状況だとかあるいは今までの推移、あるいは空室率の推移を見ますと、まだまだ内容的には、例えば地価においてま大都市圏では低下傾向にあるし、空室については、平成四年以来の状況をずっとこう見ますと増加傾向にあると思うのです。さっき局長が五%台か何かの回答をいたしておったようであります。そして、減少の傾向だということを言われましたけれども、私たちが手持ちしておる資料としては、土地白書を見ますと平成七年度分ぐらいしか出ておりませんから、その中身というのは空室が増加をしておっておるという状況でしかないんですね。
こういう傾向の中で、投資する場合に模様を見たり経過を見たりということで、投資が拡大される事業が果たして増加していくだろうかという判断ですね、これは何をもってそのようにされておるのか。
さらに、もう一つ申し上げますならば、不動産共同投資商品、これは国内商品の販売額の推移を見ましても、平成八年までに累計五千九百九十三億円であり、一九八七年以降におきましては九一年をピークにいたしまして減少し続けておるという状況があるわけですね。ですから、現行法施行後、わずか七件、この前の答弁では二百二十億ということが報告されておりましたけれども、今後この傾向はわずか上向きかなと思われますけれども、このようにして改正をする、このことが市場拡大なり健全な発展をさらに促すということにつながるかどうか。こうした見通しがありますならば明らかにしていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/62
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063・小鷲茂
○小鷲政府委員 今、市場の実勢からいって、今回の法改正が市場の拡大に果たしてつながるのかという御質問でございますが、今回の法改正は投資法を改正するわけでございますので、おっしゃるとおり、収益が期待できない場合には幾ら法律を改正しても動かないわけでございます。したがいまして、今回の法改正は、投資が始まる際にその動きを加速するといういわばその環境整備という役割を負っているのではないかというふうに思うわけでございます。
そこで問題は、実体経済にその動きが期待できるのかどうかということでございますが、ことしの三月二十五日に国土庁から平成八年の地価動向について発表されております。住宅地につきましては大都市圏、地方圏ともにほぼ横ばい、平成八年でございますが、そういうことになっております。商業地につきましては、大都市圏で下落しているけれども、都心部では下げどまりということでございます。それから、地方圏では商業地は引き続き下落、こういう状況でございます。以上は概況でございます。
しかしながら、傾向としては従来のような急速な下降局面からは若干やや趣を異にしてきているのではないかというふうに思います。住宅地につきましてここでもはっきりと下げどまりという現象がとらえられておりますし、商業地につきましては、まだ下落傾向ながら幅が縮まっておる、こういう状況でございます。
そういった商業地の中で、若干最近具体的な物件の流通現象が起こっておるわけでございます。特に、最近関係者の注目を引いておりますのは国鉄の清算事業団の土地の払い下げ案件でございまして、全国数カ所で行われておりますものが事前の予想を上回る高値で落札をされておるということ、しかもその中に海外の投資家が入り込んできていること、したがいまして、まあ全部ではございませんけれども、条件のよいところについてほぼちぼち動きが出始めていると判断していいのではないかというふうに思うわけでございます。
それから、オフィスの問題について御指摘ございましたけれども、例えば、東京二十三区における大手不動産会社が手がけておりますようなものにつきましては、ことしに入りまして空室率が下げどまりの傾向を見せております。
そうはいっても、先ほど言いましたように、家賃の水準自体は、御指摘のように、まだなかなか回復するという状況ではございませんので、収益という点で見まするときついものがございますけれども、いいものをつくれば入ってもらえるというものがございます。個別のビルで言いますると、かなり成績のいい、オープンと同時にかなりな入居率を期待できるというものも出始めてきておりますので、ある意味では、土地の属性と企画力の差なのかもしれませんが、動き始めてきている、こういう状況にあると見ていいのではないかというふうに考える次第でございます。
そういう状況でございますので、これは先々地価がどう動くかということとも関連をするわけでございますが、とにかくキャッシュフロー、その時々の収益という点から考えると、先ほど言いましたが、物によってはかなりな利回りが期待できるものがある、こういうふうに聞いております。
先ほど御紹介しました、汐留におきまして高値入札をしたのはなぜかということでございますが、いろいろ非公式に聞いてみますると、それなりに一定の収益がそれでも回収できる、こういう見通しのもとに札を入れておる、こういうことのようでございます。確かに先々のことでございますので断定的なことは言えませんけれども、それなりに一縷の明るみが見えるのではないか。それを一般的に拡大をしていく。その際に、本法律の改正がディベロッパーと投資家とのパイプをたくさんふやすということによってその動きが加速されていくのではないか、そんなように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/63
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064・中西績介
○中西(績)委員 そうしますと、言葉じりをとるわけじゃありませんけれども、特定地域を想定して、今これらの問題について推進をした方がいいのではないかというような考え方に立ってやられたのかどうか。そういう限定的なものでやられたのか、全体的な動向の中でやられたかというところあたりをどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/64
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065・小鷲茂
○小鷲政府委員 今回の法律の改正動機が特定の地域なり特定の開発パターンをねらってということではないことはもちろんでございまして、当然、全国そういう動きがあるところについては今回の法改正がうまく適用されていくといいな、こういう思いを持って改正をお願いをしておる次第でございます。
ただ、結果として、どういうところから使われ始めていくだろうかということになりますると、やはり土地が投資として採算性が合うようなところから動いていくということでございますので、従来下落幅が大きかったところがまずどちらかというと安定化をしていくのではないかというふうに思います。そういう意味では、結果として見ると大都市圏における適用例が先行するのではないかなと思いますが、将来的に言えば、大都市圏だけの問題ではなくて、全国でこの制度が普及することによって、土地の利用思想が所有から利用へというふうに幅広く転換していくことを期待しているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/65
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066・中西績介
○中西(績)委員 そういたしますと、先ほどのお答えの中にもございました土地価格の問題、一つ
問題になると思うのですけれども、バブル時代に土地神話と土地政策の誤りによって地価の高騰を招くと同時に、バブルの崩壊によってようやく地価が安定化しようとしておるわけであります。今年の二月十日、新総合土地政策推進要綱を決めて、これの副題だろうと思うのですけれども、「地価抑制から土地の有効利用への転換」、こういう方向性を出したようでありますけれども、土地価格の動向が、先ほど言われましたように、大体今は下落をとめたというように見るのか、それともこれから後の状況がどのようにあるということをお考えになってこのような地価抑制から土地の有効利用へという副題になってきたのか、ここいらについてちょっとお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/66
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067・亀井静香
○亀井国務大臣 政策の現在の基調につきましては、委員は、橋本内閣の閣僚として、土地政策につきましては国務大臣という立場で大変造詣深いというお立場でコミットされてこられましたので、流れは御承知と思いますけれども、やはり地価というのは、ある意味では経済が活性化をしていくという、それがなければこれが動いていくということにはなかなかならないわけであります。
そういう意味では、今緩やかな回復過程に経済全体が入ってきておるという状況の中で、土地についても所有から利用へという形で、この有効利用をさらに高めていくということが今後の経済に対してもいい影響を与え、かつ土地の有効利用という面でもこれが効果が上がるという判断で、このたび政府としてはそういう施策を出したわけでございます。背景としては、やはり経済が緩やかながら回復基調に向かってきた、そういう判断があろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/67
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068・中西績介
○中西(績)委員 時間がありませんから、土地価格の問題について、私は、土地価格の安定、ここを考えた場合に、そういう措置を今とった方がいいのかどうか、ここいらについてちょっと疑念があるものですから この点はもうここでは申し上げませんけれども、お聞きをしたわけであります。
そこで、今回の改正でありますけれども、土地有効利用を推進することを目的としておりますけれども、改正をすることによって、先ほど申しましたように、地価にこれが今度はどうはね返ってくるかということがまた一つの問題だろうと思います。ここいらについての分析か何かはなさっておられるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/68
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069・小鷲茂
○小鷲政府委員 この不動産特定共同の制度自体は、地価こ直接影響を与えるものでまないと思っております。むしろ、地価がどう動くかによりまして事業がどう成立するかというふうな関係にあるのではないかと思っております。
そこで、地価そのものにつきましては実体経済の動きによって決まってくるのではないかというふうに思っておりまして、先ほど来国土庁の八年の調査結果を御紹介しましたけれども、あれも結局は実体経済がああいう地価を形成しているということではないかなと思っておりますし、これからも地価そのものにつきましては政策によって影響を与えるというようなことがあってはいけないのではないかというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/69
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070・中西績介
○中西(績)委員 だから、この点はそれぞれ影響し合う状況等も考えなくてはならぬわけでありますから、施策を進めるに当たっての、これは今大変重要な課題になってくると思いますので、十分御注意をいただきたいと思っています。
そこで、先ほどもちょっと出てきたのですけれども、今までの不動産共同投資商品で運用建物の所在地別に見た場合に、これは不動産シンジケーション協議会という、ちょっと資料が古いのですけれども、棟数の割合を見ますと、都心五区で、千代田、中央、港、新宿、渋谷で三八・四%、その他都区内で二〇・七%、合計いたしますと五九・一%になるし、首都圏を含みますと七〇%をはるかに超える、こういう資料があります。
さらに、都心五区の建物六十三件についての用途別を見ますと、オフィスビル五十二件となって、オフィスビルに偏った内容になっておるわけでありますが、今回の改正の目的が特定の地域を想定したり、あるいは建物をどう建築をしていくかという都市再開発事業とのかかわりの中でどのように考えて重点的に進められようとしておられるのか、そうしたこととは全く関係なしに、ただ民間がやるからということなのか、こうした問題等についてはどう把握をされておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/70
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071・小鷲茂
○小鷲政府委員 お答え申し上げます。
改正後の不動産特定事業がどういう地域で行われるべきと考えておるのか、こういう御質問だと思いますが、どこで行われるかというのは経済の原則に従って決まるのであって、役所がどうするこうするという話ではないのではないかというふうに思います。そういう共同事業の立場とは別にいたしまして、土地利用についてどう考えるかという観点から申し上げますると、大臣もおっしゃっておりますように、都心にもう少し住宅を呼び戻す必要があるのではないか、こういうふうに考えております。
そのためにこの特定共同事業はストレートに役に立つかといえば、それは必ずしもそうでないかもしれないわけでございまして、そのためには別途の政策が実は必要ではないかというふうに考えておりまして、都心における容積率の緩和でありまするとか、そういう政策を今準備しているわけでございます。そういう他の政策とあわせて、都心における住宅開発にこの法律が活用されていくのではないかというふうに考えております。
それから、地域的な問題でございますけれども、これは過去の実績でございまして、これは恐らく地価の上昇が激しかったところがウエートが多いということではないかというふうに思いますが、今後は、地価の上昇を期待するというよりも利回り期待の事業が組まれていくということになると思いますので、必ずしも過去のような分布図にならないのじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/71
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072・中西績介
○中西(績)委員 この点も十分お考えいただいて、特に都市再開発とのかかわり等がございますので、地域なりさらにまた自治体なりとの関係の中で、活用されるについての今後の方策をやはりある程度お持ちになった方がいいのではないか、こう考えます。
そこで、時間が余りありませんからなんですけれども、もう一つ、平成八年の土地政策審議会、九年の内閣決定の先ほど申し上げた新総合土地政策推進要綱に沿った事業展開をするに当たっての資金調達を円滑にするための具体的な何か方策なり、あるいはこれらについての促進をするためにお考えになっておられる具体的なものがあれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/72
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073・小鷲茂
○小鷲政府委員 お示しになりましたことしの二月十日の新総合土地政策推進要綱におきましても、「資金調達手法の整備」というくだりで、「不動産特定共同事業について、投資の専門家が同事業へ投資しやすい環境を整備するための規制緩和を行うことにより、その積極的活用を促進するとともに、不動産証券化 プロジェクト・ファイナンス等の多様な資金調達手法についての検討を進める。」こういうことを閣議決定をさせていただいておりまして、ここにもありましたように、具体例としては不動産証券化ということが挙がっております。これにつきましては、現在大蔵省の方で幾つかのタイプについての検討が進められておると承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/73
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074・中西績介
○中西(績)委員 これらにつきましても、また後日いろいろお聞かせいただきたいと思います。
最後になりますが、一般投資家の投資機会がこの問題を進めてまいった際に減少していくのではないか、こうした問題を考えてみたことがあるのかどうか。もしそうした問題があるといたしますならば、一般投資家の投資しやすい方策を何か考えなくてはならぬのではないかと思います。したがって、この各種リスクを回避するとか、いろいろな方策があると思うのですけれども、それらについてお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/74
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075・小鷲茂
○小鷲政府委員 おっしゃるとおり、小口の投資につきましても、安全が保証されるならば、大いに拡大をすることは私ども望ましいと考えておりまして、そういう方向に向かって検討を進めるべきだというふうに考えておりますが、過去の経験に照らしまして、大変たくさんの被害者が出たと
いうことが重視されておりますものですから、現在はかなり用心深く制度が仕組まれております。
繰り返しになりますが、これは不動産だけの問題じゃなくて投資全体に共通する問題でございます。ただし、申し上げましたとおり、将来に向かっては、安全性を確保しつつ、かつ小口の一般投資家が参加できるような条件整備をしていくことが必要であるということでございますので、そういう方向についてのいろいろな議論はいたしております。
例えば、不動産特定共同事業で言いますると、現物出資の場合には五百万というロットが最低制限でございますが、当面これを百万までに落とせないだろうかといったようなことも議論をしておりまして、なるべく早くそういう条件整備を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/75
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076・中西績介
○中西(績)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/76
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077・市川雄一
○市川委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/77
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078・市川雄一
○市川委員長 これより討論に入ります。
討論の申し出がありますので、これを許します。中島武敏君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/78
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079・中島武敏
○中島(武)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行うものであります。
我が党は、この法案の制定に当たって、土地建物などの不動産を本来やってはならない投機の対象にし、大手不動産会社などにそのもうけ口を保証し、経済の投機化につながるおそれがある。このような不動産の小口投資化は権利関係を複雑化し、計画的な都市整備の上からも問題がある。一般投資家保護の側面もあるが、むしろ、事業、業務規制を行うことによって、大手不動産会社本位に業界が再編され、一般投資家、国民に新たな被害をもたらすおそれがあると指摘したのであります。
本改正案は、財界、不動産業界の要請にこたえて、損保、証券、生保などのいわゆる機関投資家が不動産特定共同事業への投資をしやすくするため、投資家保護のための規制を緩和し、大手不動産業者の資金調達を助けるものであります。
また、不動産会社と金融機関が共同して、不良債権担保土地を債権者から買い、特定共同事業を行って不良債権を流動化させようとするもので、金融機関の救済策でもあります。事実、こめ事業を活用して住民追い出しの都市再開発が推進されていることは、東京都港区の六本木六丁目再開発などの実例で明らかであります。
このような不動産の流動化は、建設省が現在検討している大都市のマンションの容積率を大幅に緩和する法改正と一体となって、都市を乱開発し、環境の悪化、集中的な人口増による交通問題の深刻化、地価の高騰などが懸念されるのであります。
日本共産党は、都市開発や国民の健全な不動産投資を否定するものではありません。今求められているのは、計画的な町づくり、国民が安心して生活できる住宅を供給することであると考えます。
このような観点から、土地建物を投機の対象とするこのような事業を推進する改正案には賛成できないことを表明して、反対討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/79
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080・市川雄一
○市川委員長 これにて討論は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/80
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081・市川雄一
○市川委員長 これより採決に入ります。
不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/81
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082・市川雄一
○市川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/82
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083・市川雄一
○市川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/83
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084・市川雄一
○市川委員長 次に、内閣提出、参議院送付、治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。亀井建設大臣。
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治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/84
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085・亀井静香
○亀井国務大臣 ただいま議題となりました治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
政府におきましては、これまで現行の治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画に基づき、治山治水事業の計画的な実施を進めてまいりました。
しかしながら、依然として我が国の国土は災害に対して脆弱であり、山地及び河川流域においてしばしば激甚な災害が発生するとともに、各種用水の不足はなお深刻であり、治山治水事業を一層強力に推進する必要が生じております。
この法律案は、このような状況にかんがみ、現行の五カ年計画に引き続き、平成九年度を初年度とする治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を策定することにより、これらの事業を緊急かつ計画的に実施して国土の保全と開発を図るための所要の改正を行うものであります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/85
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086・市川雄一
○市川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
次回は、来る十八日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時二十一分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004149X00819970416/86
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