1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成九年六月三日(火曜日)
午後二時開議
出席委員
委員長 中馬 弘毅君
理事 荒井 広幸君 理事 住 博司君
理事 柳本 卓治君 理事 遠藤 和良君
理事 武山百合子君 理事 前原 誠司君
理事 木島日出夫君
飯島 忠義君 江渡 聡徳君
桜井 郁三君 戸井田 徹君
平沢 勝栄君 松本 純君
富田 茂之君 西川 知雄君
西野 陽君 西村 眞悟君
吉田 幸弘君 鳩山 邦夫君
山花 貞夫君 秋葉 忠利君
堀込 征雄君
出席国務大臣
自 治 大 臣 白川 勝彦君
出席政府委員
自治政務次官 久野統一郎君
自治省行政局選
挙部長 牧之内隆久君
委員外の出席者
衆議院法制局第
一部第二課長 郡山 芳一君
自治大臣官房審
議官 的石 淳一君
自治省行政局選
挙部選挙課長 大竹 邦実君
自治省行政局選
挙部管理課長 山本信一郎君
自治省行政局選
挙部政治資金課
長 岩尾 隆君
特別委員会第二
調査室長 田中 宗孝君
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委員の異動
六月三日
辞任 補欠選任
大村 秀章君 平沢 勝栄君
同日
辞任 補欠選任
平沢 勝栄君 大村 秀章君
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本日の会議に付した案件
公職選挙法の一部を改正する法律案起草の件
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004219X00719970603/0
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001・中馬弘毅
○中馬委員長 これより会議を開きます。
公職選挙法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
本件につきましては、先般来理事会等において御協議をいただいたところであります。ただいま委員長の手元に、柳本卓治君、遠藤和良君、前原誠司君、秋葉忠利君及び堀込征雄君の五名から、自由民主党、新進党、民主党、社会民主党・市民連合及び太陽党の五会派共同提案による、お手元に配付いたしましたとおりの公職選挙法の一部を改正する法律案の起草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を求めます。柳本卓治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004219X00719970603/1
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002・柳本卓治
○柳本委員 公職選挙法の一部を改正する法律案の起草案につきましては、去る五月二十日の理事懇談会において柳本私案として提案いたしましたところ、関係各党の全面的な御賛同をいただき、ここに共同提案させていただくこととなったところでありまして、関係各位に感謝申し上げる次第であります。
提出者を代表いたしまして、提案の趣旨及び内容の概略を御説明申し上げます。
現行の公職選挙法におきましては、地方公共団体の議会の議員の任期満了による一般選挙及び長の任期満了による選挙は、それぞれ任期満了の日前三十日以内に行うこととされております。このため、同一の地方公共団体において、議員及び長が比較的近い時期に任期満了となる場合であっても、任期満了の日が三十日以上離れている場合には、これらの選挙を同時に行うことができず、それぞれ別個の期日に行わなければなりません力
そこで、本案は、投票率の向上と有権者の利便を図るとともに、選挙管理費用の節減に資する見地から、同一の地方公共団体の議会の議員及び長のうち一方の任期が他方の任期満了の日前九十日以内に満了する場合には、四年ごとに行われているいわゆる統一地方選挙の例に準じて、議員の任期満了による一般選挙と長の任期満了による選挙を同時に行うことができるようにしようとするものであります。
次に、本案の主な内容について申し上げます。
まず、選挙期日の特例についてであります。
地方公共団体の議会の議員の任期が当該地方公共団体の長の任期満了の日前九十日以内に満了する場合において、議員の任期満了による一般選挙と長の任期満了による選挙を同時に行おうとするときは、これらの選挙は、長の任期満了の日前五十日に当たる日または議員の任期満了の日前三十日に当たる日のいずれか遅い日から、議員の任期満了の日後五十日に当たる日または長の任期満了の日のいずれか早い日までの間に行うことができることといたしております。
また、地方公共団体の長の任期が当該地方公共団体の議会の議員の任期満了の日前九十日以内に満了する場合についても、これと同様に行うことができることといたしております。
次に、同時に選挙を行う旨の告示についてであります。
都道府県の選挙管理委員会または市町村の選挙管理委員会は、ただいま申し上げましたところにより同時に選挙を行おうとする場合には、議員または長のうちその任期が先に満了する日前六十日までにその旨を告示しなければならないことといたしております。また、市町村の選挙管理委員会が告示をした場合には、直ちにその旨を都道府県の選挙管理委員会に届け出なければならないことといたしております。
以上のほか、告示がなされた後に同時に選挙を行うことができなくなった場合における選挙期日の特例、後援団体に関する寄附等の禁止期間の特例等、所要の規定を設けておりますが、議員及び長の任期の特例に関する規定は設けていないことを申し添えます。
なお、この法律は、公布の日から施行することといたしております。
以上が、本起草案の趣旨及び内容の概略であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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公職選挙法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004219X00719970603/2
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003・中馬弘毅
○中馬委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
この際、発言の申し出がありますので、これを許します。木島日出夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004219X00719970603/3
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004・木島日出夫
○木島委員 ただいまの法律案起草案に対し、これに反対の立場から意見表明を行います。
提案は、同一自治体の長の選挙と議会議員選挙の期日が九十日以内の異なる期日に行われる場合に、これを統合して、同時に行うことができるよ
うにするというものであります。
住民にとっては、これによって、地方自治体の性格の異なる二つの機関に対する投票権、憲法十五条の保障する公務員選定権はもちろん奪われるものではありません。しかし、執行機関の選出と議決機関の選出という基本的違いはあるにせよ、そのいずれもが、住民にとっては、みずからの居住する地方自治体の政治のありようを決定する大事な政治参加の機会であるという視点から見れば、その機会が二回から一回に減らされることになるのであって、住民の政治参加、住民自治を守り、発展させるという基本的立場からは、賛成できるものではありません。
九十日という比較的短期間とはいえ、その間に地方自治体をめぐる政治情勢に重大な変化が生じたり、新たな大きな政治課題が生じたりすることは想定され得ることであって、その場合、住民にとって、四年後ではなく、直後に予定されている選挙の機会にみずからの意思を表明できることはまことに重要なことであり、地方自治がより民意を反映して行われるようになる点でも、無理やり選挙期日を統一してしまうことは、民主主義の基本から考えても逆行するものではないかと考えます。
さらに言えば、先行して行われた選挙結果そのものが、新たな重大な政治の焦点になる可能性を秘めております。その是非が、後続する選挙の重大な争点になることも大いにあり得ることではないでしょうか。同一自治体の長の選挙と議会議員選挙とは、一般論としても、同日選挙にするよりも異なる選挙にする方が、議会が首長に対するチェック機関としての機能を持っていることを考えると、より民意を反映した地方政治を実現することになるのではないでしょうか。
本提案は、以上述べたような住民の地方自治に対する参政権行使の機会を奪うことになるという重大な問題点を持っており、これは経費の削減などによって合理化できるものではないと考えます。
そもそも、地方自治体の統一された選挙が開始されたのは、新憲法施行を前にした、一九四七年四月の統一地方選挙でありました。第一回の知事、市町村長選挙が同年四月五日に行われ、地方議会選挙は、その二十五日後の四月三十日に行われています。
その後、多くの自治体で市町村合併が行われ、さらに首長の離職や死亡などがあって、一九九五年四月の統一地方選挙は全自治体の三七・七%にすぎなくなり、大半が中間選挙となっています。しかし、中間選挙となった理由はそれだけでなく、汚職や腐敗に端を発した首長や議会に対するリコール運動などによるものも少なくないことは、最近の各地の地方自治体の状況を見れば明らかであります。
私は、住民自治の前進を保障する住民の民主的権利としてのリコール権を最大限に尊重する立場に立つなら、こうした傾向はむしろ望ましい傾向であり、住民運動の成果として地方自治体の選挙期日が分散化していくことは自然の流れであり、そのことによって特別に都合の悪いことはむしろ何もなく、逆に、無理やり異なる選挙期日を同時選挙にしてしまうことの方が、住民の政治参加、参政権、公務員選定・罷免権の行使という憲法上保障された国民の基本的人権にとってマイナスになるのではないかと考えます。
以上が、起草案に反対する理由であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004219X00719970603/4
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005・中馬弘毅
○中馬委員長 これにて発言は終了いたしました。
これより採決いたします。
公職選挙法の一部を改正する法律案起草の件につきまして、お手元に配付いたしております起草案を柳本卓治君外四名提出の動議のとおり本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004219X00719970603/5
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006・中馬弘毅
○中馬委員長 起立多数。よって、そのとおり決しました。
お諮りいたします。
本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004219X00719970603/6
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007・中馬弘毅
○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後二時十二分散会
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004219X00719970603/7
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