1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成九年六月四日(水曜日)
午後一時一分開議
出席委員
委員長 町村 信孝君
理事 佐藤 剛男君 理事 住 博司君
理事 津島 雄二君 理事 長勢 甚遠君
理事 根本 匠君 理事 岡田 克也君
理事 山本 孝史君 理事 五島 正規君
理事 児玉 健次君
安倍 晋三君 伊吹 文明君
江渡 聡徳君 大村 秀章君
嘉数 知賢君 桜井 郁三君
鈴木 俊一君 園田 修光君
田村 憲久君 能勢 和子君
桧田 仁君 松本 純君
山下 徳夫君 青山 二三君
井上 喜一君 大口 善徳君
大野由利子君 鴨下 一郎君
坂口 力君 福島 豊君
桝屋 敬悟君 矢上 雅義君
吉田 幸弘君 米津 等史君
家西 悟君 石毛 鍈子君
枝野 幸男君 瀬古由起子君
中川 智子君 土屋 品子君
土肥 隆一君
出席国務大臣
厚 生 大 臣 小泉純一郎君
出席政府委員
厚生政務次官 鈴木 俊一君
厚生大臣官房長 近藤純五郎君
厚生大臣官房総
務審議官 中西 明典君
厚生省生活衛生
局長 小野 昭雄君
厚生省保険局長 高木 俊明君
委員外の出席者
農林水産省構造
改善局建設部設
計課長 松浦 良和君
水産庁振興部振
興課長 弓削 志郎君
通商産業省環境
立地局環境指導
課長 藤冨 正晴君
通商産業省機械
情報産業局電気
機器課長 伊藤 章君
運輸省運輸政策
局環境・海洋課
長 中西 基員君
運輸省運輸政策
局技術安全課長 釣谷 康君
建設省建設経済
局調整課事業総
括調整官 南部 隆秋君
自治省財政局調
整室長 岡本 保君
厚生委員会調査
室長 市川 喬君
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委員の異動
六月四日
辞任 補欠選任
奥山 茂彦君 園田 修光君
桝屋 敬悟君 大野由利子君
同日
辞任 補欠選任
園田 修光君 奥山 茂彦君
大野由利子君 桝屋 敬悟君
同日
理事住博司君同日理事辞任につき、その補欠と
して根本匠君が理事に当選した。
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六月四日
食鳥検査法の改正に関する請願(木島日出夫君
紹介)(第三五一〇号)
医療と介護の拡充に関する請願(春名直章君紹
介)(第三五一一号)
肝がん検診の制度化とウイルス肝炎の総合的な
対策に関する請願(児玉健次君紹介)(第三五
一二号)
同(五島正規君紹介)(第三五一三号)
医療等の改善に関する請願外二件(小澤潔君紹
介)(第三五三四号)
同(奥田幹生君紹介)(第三五三五号)
障害者プランの拡充と具体的推進に関する請願
(児玉健次君紹介)(第三五四七号)
腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(古賀
正浩君紹介)(第三五九七号)
同(栗原博久君紹介)(第三六四四号)
児童福祉法の理念に基づく保育の公的保障の拡
充に関する請願(石井郁子君紹介)(第三六四
三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出第八〇号)(参議院送
付)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/0
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001・町村信孝
○町村委員長 これより会議を開きます。
理事辞任についてお諮りいたします。
理事住博司君から、理事を辞任したいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/1
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002・町村信孝
○町村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
ただいまの理事辞任に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/2
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003・町村信孝
○町村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
それでは、理事に根本匠君を指名いたします。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/3
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004・町村信孝
○町村委員長 内閣提出、参議院送付、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米津等史君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/4
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005・米津等史
○米津委員 新進党の米津でございます。
昨日も、岐阜県の御嵩町あるいは広島などで、処分場についての県の対応が話題になっております。このような住民の不安や不信感が高まっている中で、最終処分場がなかなか確保できないという問題と産業廃棄物の不法投棄が後を絶たないという問題、二点について質問をさせていただきたいと思います。
まず、産業廃棄物の最終処分場の確保の問題について質問をさせていただきます。
産業廃棄物の最終処分場の新規設置件数は減少傾向にあると聞いていますが、現在どのような実態になっているのか、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/5
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006・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 産業廃棄物の最終処分場についてのお尋ねでございますが、その新設件数につきましては、御指摘のとおり、近年、減少傾向にございます。
例えば昭和六十二年度と平成五年度とを比較いたしました場合に、新規に設置許可を受けました最終処分場の総数につきましては、昭和六十二年度において二百五十五件だうたものが、平成五年度におきましては百三十八件に減少しておりますし、このうち安定型処分場につきましては、昭和六十二年度の百八十二件が平成五年度には百三件に、また管理型処分場につきましても、昭和六十二年度の六十八件が平成五年度におきましては三十四件とほぼ半減しているというふうな状態にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/6
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007・米津等史
○米津委員 今御説明いただきましたように、このように半減している現状で、このまま減少し続けた場合に、最終処分場の処理容量を超えるのはいつごろとお考えでいらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/7
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008・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今申し上げましたように、最終処分場の新設件数というのは、近年、減少し続けているところでございます。仮にこのまま現在と同じ傾向で最終処分場の新設数が減少していった場合には、中間処理とかリサイクルの徹底によりまして排出されました廃棄物を減量化いたしまして、最終処分量を現在と同水準に抑制するという前提で推計いたしますと、そうでありましても二〇一〇年ごろには最終処分場の残余容量はゼロになるという推計がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/8
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009・米津等史
○米津委員 大変厳しい状況だというふうに承りました。
処分場をつくらなくてはならな、現状についてはよくわかったのですが、最終処分場の新規立地が非常に難しい原因に、地域住民の反対運動が挙げられると思います。
厚生省は、地域住民が最終処分場の立地に当たってどのような点に不安や不信感を抱いているのか、いろいろと考えていらっしゃると思いますけれども、今現在の局長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/9
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010・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 最終処分場を初めといたします廃棄物処理施設につきましては、いわゆる迷惑施設であるという要件に加えまして、最終処分場からの排水による水質汚濁、あるいは焼却施設から出されます排ガスに含まれるダイオキシン等によります汚染というものが生じることに対する不安があることが第一点。
第二点目といたしまして、廃棄物の不法投棄、あるいは廃棄物処理法の許可制の対象となっていないいわゆるミニ処分場あるいは安定型処分場におきます不適正な処理などによりまして、産業廃棄物処理に対する不信感が高まっていること。
第三点目といたしまして、最終処分場につきましては、埋め立て終了後も放流水の処理につきまして長期間の維持管理が必要でございますが、その間に設置者が倒産した場合等についての不安があること。
第四点目といたしまして、廃棄物処理業者につきましても、一部に不適正な処理を行う者が存在することから、不信感があることなどの理由によりまして、施設の安全性への不安や、産業廃棄物処理あるいは廃棄物処理業者に対する不信感が高まっているものと考えております。
このような国民の皆さんの不安や不信感の高まりが、近年、最終処分場等の廃棄物処理施設をめぐりまして、地域住民の反対運動が激しさを増している要因の一つとなっているものというふうに認識いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/10
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011・米津等史
○米津委員 今局長の御説明にもありましたように、一部に不適切な処理を行う業者と。まじめにやっていらっしゃる業者さんが多いとは思うのですけれども、こういうような業者さんも一方で目立ってしまうというふうなことで、イメージ的に言いますと、どちらかというと産廃業者さんは非常に怖いというか、暗いイメージも浸透してしまってきているのではないかなというふうに思うのですが、今回の法案において、住民の不安や不信感を払拭するためにどのような改革を行おうとしているのか、もう少し詳しくお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/11
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012・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今御説明を申し上げましたような不安あるいは不信感というものがあるわけでございますが、それを払拭いたしますために、今回の改正案におきましては、廃棄物処理施設に対します住民の不安感の解消に資するために、施設の設置手続といたしまして、生活環境影響調査の実施あるいは申請書等の告示縦覧、住民や市町村長の意見聴取、それから、設置許可に当たりましての専門家の意見聴取等を盛り込みますとともに、許可の要件といたしまして、従来の一律的な基準に加えまして、新たに地域の生活環境への適正な配慮というものを求めることとしておりまして、これによりまして、住民の意見を適切に踏まえつつ、地域の生活環境の保全にきめ細かく配慮した施設の確保を図っているところでございます。
また、今回の改正におきましては、こうした設置手続の見直しだけではなくて、廃棄物処理施設、とりわけ最終処分場におきます適正な維持管理を確保するための規制の強化及び維持管理に関します情報公開の義務づけ、それから、産業廃棄物管理票、いわゆるマニフェスト制度の適用範囲の拡大、不法投棄を防止するための罰金額の大幅な引き上げ等の罰則の強化、不法投棄されました廃棄物につきましての原状回復制度の創設等の対策を講じているところでございます。
さらに、廃棄物処理業につきましても、業の許可のいわゆる欠格要件といたしまして、暴力団対策法に違反した者を追加するとともに、欠格要件に該当する役員の範囲といたしまして、その法人について実質的な支配力を有すると認められるいわゆる黒幕を追加するなどの改正を行いまして、廃棄物処理業者の一層の質の向上を図っているところでございます。
今回の改正におきましては、このような総合的な対策を講ずることによりまして、産業廃棄物に対する国民の不安や不信感の解消に努めることとしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/12
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013・米津等史
○米津委員 今御説明いただきましたように、情報公開や罰金額の大幅な増加あるいは原状回復策などに対しては、非常に大きな期待が寄せられていると思います。また、廃棄物処理施設の設置に当たって、「利害関係を有する者は」、「都道府県知事に」「意見書を提出することができる。」というふうになっておりますが、「利害関係を有する者」というのはどのような範囲まで含まれるのか、また、ただ近くに住んでいるというだけでもいいのかというふうなことについてはいかがでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/13
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014・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回の改正案におきましては、施設の設置手続といたしまして、利害関係を有する者や市町村長の意見を聴取することとしておりまして、これらの意見につきましては、設置許可の審査に当たりまして、専門家の意見も踏まえつつ、適正に配慮していくこととしているところでございます。
このような意見聴取の趣旨から申し上げますと、「施設の設置に関し利害関係を有する者」の範囲といたしましてま、あらかじめその範囲につきまして一定の基準を設けるのではなくて、むしろ、個別の施設の立地ごとに幅広く意見を御提出いただきまして、その上で、都道府県におきまして、生活環境保全上の見地から適切に判断していただくことが適当と考えているところでございます。
したがいまして、御指摘のございましたように、施設の設置場所の近くに住んでいる場合でありまして、その施設の設置によりまして生活環境保全上の支障が生ずる可能性があると考える場合には、生活環境保全上の見地から意見書を提出していただきまして、この意見につきましては、都道府県において、先ほど申し述べましたような手続を経まして適切に判断をされるということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/14
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015・米津等史
○米津委員 御説明の中にもよく出てまいりますが、都道府県の、現場の方々にかなりお願いをするということですが、産業廃棄物処理施設の建設については、原子力発電所の建設や米軍施設と同じように、国にとっては非常に必要だけれども、自分のところの周りには来てほしくないというか、そういうような市民感情が非常に多い。
そうなりますと、自治体の首長さんたちに大変御苦労をいただくというふうなことになると思うのですが、産業廃棄物処理施設の建設に当たっては、利害関係者からさまざまな意見が首長を含めて提出されてくると思います。そのような意見について、どのような形で調整されるのか、あるいは審議会などの公の場で公正に調整されるのか、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/15
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016・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回の改正案におきましては、設置手続の一環といたしまして、利害関係者等から意見聴取を行いまして、生活環境を保全する観点からの意見を求めることとしておりますが、これらの意見につきましては、都道府県におきまして、専門的な知識を有する人の意見を聴取いたしまして、これを踏まえた上で施設の設置許可の審査に適切に反映することとしているところでございます。
この専門家の意見聴取についてでございますが、利害関係者等の意見を勘案しつつ、施設の構造あるいは維持管理について、生活環境保全の観点から科学的に審査をするために行うものでございます。
実際には、都道府県の状況に応じまして、例えば、都道府県環境審議会の活用や、廃棄物処理や水質の専門家から個別の意見を聴取するなど、多様な運用が可能でございますけれども、今申し上げましたよりこ、科学的な知見や判断を求めるものでありますことから、客観的かつ中立的な立場から意見をいただくことが重要でございまして、都道府県知事によりまして適正に運用されるよう指導してまいりたいと思います。
なお、環境基本法に基づきます環境審議会の設置状況でございますが、四十七都道府県すべてに環境審議会が置かれておりまして、このうち廃棄物に関する部会を設けているのは十五でございます。なお、保健所設置市、三十五ございますが、そのうち環境審議会を設けているところは二十五、そのうちで廃棄物に関する部会を設けているのはゼロでございます。そういう状況にございます。
したがいまして、さまざまな場におきまして、これは弾力的に、しかも、先ほど来申し上げておりますように、適正な判断がされるような運用が都道府県の創意工夫において行われるよう指導してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/16
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017・米津等史
○米津委員 いろいろな問題が起こったときに対する対応や運用については、今御説明いただきましたのでわかりましたけれども、さらに、現場の方々への援護射撃というふうな形で、より地域に対して積極的なメリットを具体的に感じていただくような施策をとらないと、今の御説明だけではまだまだ不十分だと住民が感じてしまうのではないかと思います。したがいまして、地域に対しての積極的なメリットを今後どのように厚生省としてお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/17
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018・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回の改正案におきましては、設置手続を法定化いたしまして、特に、先ほど御説明申し上げましたように、住民等の意見聴取手続をルール化したところでございます。
また、設置手続を明確化することに加えまして、許可要件を見直すことによりまして、地域の生活環境の保全に適正に配慮した施設の確保を図ることとしておりまして、さらに、適正な維持管理の確保、あるいは維持管理に関します情報の公開、不法投棄対策等、総合的な対策を講じることによりまして住民の不信感の解消にも努力することとしておりますので、結果といたしまして、廃棄物処理施設の円滑な整備が図られることを期待しているわけでございます。
さらに、御指摘の、産業廃棄物処理施設の立地促進という観点から、平成四年に制定されました産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律というのがございますが、その活用によりまして、施設の周辺地域への公共施設の設置等必要な支援につきまして、関係省庁等とも連携を図りつつ進めてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/18
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019・米津等史
○米津委員 ごみが毎日出る以上、廃棄物処理施設の建設は進めていかざるを得ないというふうなことは当たり前のことですが、この建設に当たっては、地域住民の理解が必ず必要になってくる。厚生省として、今後、廃棄物処理施設を建設していかなければならないという社会的な要請と地域住民との利害をどのような形で調整していくのか、大臣にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/19
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020・小泉純一郎
○小泉国務大臣 ごみはどうしても生活していけば出るわけですから、地域住民に対する配慮がないとこの施設も設置されないということから、施設の設置許可に当たっては、生活環境影響調査を実施していく、さらには、地域住民に配慮するような意見の聴取の仕組みをきちんとつくること、何よりも地域住民に対する配慮が必要でありますので、そのような仕組みをつくって、お互い、産業廃棄物の適正処理に関心と責任を持ってもらうような仕組みを今回つくって、理解を得ながら、この施設の設置に取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/20
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021・米津等史
○米津委員 それでは、不法投棄問題について、続けて御質問をさせていただきたいと思います。
私の子供のころは、住宅も学校も木造だったものですから、建てかえるときには、古い建物を取り壊して、材木とかブリキとか、そういったものを仕分けして再利用していたというふうな記憶があります。しかしながら、最近では、どんな小さな家屋でもブルドーザーで壊して、一括して廃材はダンプへ積んでどこかへ運んでいってしまうというふうなことで、この質問をするのに、若干、いろいろな方々の御意見を聞きましたら、不法投棄は、タイヤ等はそれほどけがをする心配もないけれども、建設廃材については、ガラスもあったり、くぎもあったり、非常に子供たちの遊び場になる可能性が強いし、なおかつ、けがをする可能性も強いというふうなことで、この不法投棄問題についてはかなり、住民の方々の意見というか、そういうような問題視の声もお聞かせいただきました。
そこで、お伺いしたいのですが、最近の不法投棄について、建設関係の廃棄物が非常に多いというふうに聞いておりますが、その不法投棄の件数と量、また、そのうち建設関係の廃棄物が占める割合についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/21
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022・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 厚生省といたしまして各都道府県を通じまして調査した結果によりますと、平成五年度から平成七年度に発生をいたしました不法投棄の現状は、三年間の平均で見ますと投棄件数で年間四百三十五件、投棄量では三十九万トンというふうになっております。
投棄された廃棄物の種類を見ますと、木くずや建設廃材の投棄量が最も多いわけでございまして、その他の建設系廃棄物を含めました建設廃棄物というのは全体の約九割を占めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/22
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023・米津等史
○米津委員 この建設関係だけではないのですけれども、不法投棄の犯人が不明の場合に、それを片づける責任がどうなるのかというのが非常に住民の方々からも意見として出ております。犯人がわかったとしても処理能力がない場合、例えば業者が倒産してしまった場合などの産業廃棄物の処理の責任は、法律上、今現在どのようになっているのか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/23
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024・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 産業廃棄物の処理につきましては、先生御指摘のございましたように、不法投棄が後を絶たないという状況にあります。とりわけ投棄者が不明であったり、あるいは資力不足の事案というのが全体の約四分の一を占めておりまして、現在の廃棄物処理法では、このような場合に円滑な原状回復を行うことに支障が生じておりまして、その解決が強く求められてきたところでございます。
このため、今回の改正案におきましては、こうした投棄者不明等の不法投棄廃棄物につきまして、産業界と行政の協調のもとで、その原状回復の円滑かつ迅速な実施を図る原状回復制度を設けることとしているところでございます。
具体的に申し上げますと、投棄者不明等によりまして、不法投棄を行った者等に不法投棄廃棄物の原状回復を命ずることができない場合がございますが、このような場合には都道府県知事はみずからその原状回復措置を行うことができるということといたしますとともに、その場合、こういうケースにおきまして、産業廃棄物適正処理推進センターに産業界からの資金の拠出を受けまして基金を設立いたしまして、原状回復措置を行います都道府県に対しまして資金の出損等の協力を行うということでございます。
こういった仕組みを設けておりまして、これによりまして、投棄者不明等の廃棄物の円滑かつ迅速な原状回復措置の実施を図るというふうにいたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/24
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025・米津等史
○米津委員 厚生省はかなり努力をしていただいているということで、建設関係の廃棄物の不法投棄が多いという実態について、建設省の実態の把握の分析はどのようになさっているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/25
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026・南部隆秋
○南部説明員 建設省でございます。
ただいま先生の方からお話がありまして、また、先ほどお話がありましたように、建設関係の不法投棄が大変大きな割合を占めているという御指摘があることは承知しております。
その背景といたしまして、建設工事というのは、家屋の改修工事なんかを御想像いただければわかりやすいかと思いますが、非常こ規模の小さな工事が多い。しかしながら、そこである程度まとまった廃棄物が出るというものでございます。しかも、一定の工場などから排出される産業廃棄物とは違いまして、全国それこそ至るところで発生する。しかも、その発生する場所がほとんど毎日変わっているというようなものでございます。したがいまして、その排出や処理にかかわる関係者が非常に多い。また、廃棄物の種類も多種多様なものが含まれていて、しかも、それが一つの形じゃなくていろいろなものがまざった格好で出てくるといったことがございまして、こういったことが不法投棄がされやすい原因だろうと考えております。
また、建設廃棄物は、毒物等の有害なものがほとんどございませんで、安易に捨てられる面もあろうかと思いますし、また量が多いので、その中にはかのものが多少まざっていたとしても全部建設廃棄物ということになってしまうというような面もあろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/26
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027・米津等史
○米津委員 実態はよくわかったのですが、さらに、その不法投棄を防止するための具体的な策というものも工夫していかなければいけないのではないかと思います。
御説明にありましたように、小さい家屋を含めて建築認可が非常に厳しい。日照権についても、あるいま建ぺい率についても非常に厳しい。しかしながら、廃材の処理については今のところノーチェックというふうなことで、今後、ここら辺についても何らかの工夫をしていかなければいけないというふうに私は思っております。
現在、それぞれの業界に対して建設省としてどのような指導をしているのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/27
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028・南部隆秋
○南部説明員 お答えいたします。
建設省におきましても、このような建設関係の廃棄物それから建設の発生残土といったものを適切に処理する、その対策を推進するということは、生活環境の保全と建設事業の円滑な推進のために非常に重要な課題であると考えておりまして、発生を抑制すること、再利用を促進すること、適正利用を徹底する、この三つのことを基本政策といたしまして、いろいろと工夫しているところでございます。
具体的に申しますと、建設副産物適正処理推進要綱というものを平成五年につくりまして、これに基づきまして、必ず処理計画をつくることとか現場に責任者を置く、それから、排出はなるべく抑制しなさい、再資源化、減量化に努めなさい、委託関係はきちっとやりなさいといったようなことにつきまして建設業者等の指導を行っているところでございます。
また、先生御指摘の混合廃棄物、いろいろなものがまざつているというものにつきましても、まざっているといわゆる廃棄物でございますが、きちっと分別すれば再利用できるものも含まれておりますので、そういった分別する場所に対する税制とかいったものも平成九年度からお認めいただいているというところでございます。
今後につきましては、今回の法律の改正も踏まえまして、マニフェストというものの利用の徹底、それから、廃棄物処理業者と建設業者の適正な委託契約をきちっとやらせる、そういったいろいろなことでこれから取り組んでまいりたいというふうに考えております。
また、発注者サイドでも、特に公共事業の発注者に対しましては、きちっと処理計画を立てて、それを契約の中に入れて、どこに処分するということをはっきりさせて委託するようにという指定処分の徹底についても一層努めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/28
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029・米津等史
○米津委員 最後に、大臣にお伺いしたいのです。
こういう不法投棄についての防止策、これは警察を含めて各省庁が連携をしてやっていかなければいけない。厚生省だけの問題ではないと思います。そのことについて大臣としてどのように取り組んでいくお考えか、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/29
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030・小泉純一郎
○小泉国務大臣 御指摘のとおりだと思います。この不法投棄が後を絶たないということが、廃棄物処理に対して非常に国民の不信感が広がっている大きな原因だと思います。
今回の改正案では、不法投棄に対する罰則の強化、そしてだれが出してどのように処理したかという廃棄物管理票制度の拡充、それにあわせて警察との連携とか都道府県とよく連絡をとりながら都道府県の監視指導体制を強めてもらわなければいけない。この点についても、今までの不法投棄の現状を反省しながら、今回の改正案に盛られた要綱というものを周知徹底して、実施に向けて厚生省としても積極的に取り組んでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/30
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031・米津等史
○米津委員 ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/31
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032・町村信孝
○町村委員長 大野由利子さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/32
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033・大野由利子
○大野(由)委員 新進党の大野由利子でございます。今回の廃棄物処理法改正案では、廃棄物処理に関する信頼性と安全性の向上のために、廃棄物処理施設の設置の許可の申請者は、生活環境影響調査の結果を記載した書類を添付する、このような改正案になっているわけでございますが、生活環境影響調査というのは具体的にどのようなものを調査項目に挙げられるのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/33
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034・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回の改正法に基づきます生活環境影響調査につきましては、施設の設置許可に当たりまして、その施設の構造や維持管理が周辺地域の生活環境に適正に配慮されているものかどうかということを都道府県知事が審査するための基礎資料として求めるものでございまして、したがいまして、その調査項目といたしましては、当該地域の生活環境に影響を及ぼす可能性のあります大気汚染あるいは水質汚濁、賛、騒音等について行うことを想定いたしております。
なお、具体的な調査項目や調査方法につきましては、専門的事項でもございますので、現在、生活環境審議会廃棄物処理基準等専門委員会におきまして検討していただいているところでございまして、専門委員会での検討結果を踏まえまして、具体的に定めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/34
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035・大野由利子
○大野(由)委員 これはどなたが調査をされるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/35
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036・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 施設を設置しようとする人にやっていただくということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/36
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037・大野由利子
○大野(由)委員 調査内容が正確であるか、信用できるかどうか、これはどなたが担保するのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/37
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038・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 先ほども御答弁申し上げましたが、施設の申請書等、それから、関係住民の意見、関係市町村長の意見等を含めまして、生活環境影響調査の中身も含めて専門家の御判断をいただくということになりますので、もしも不十分なものであれば、当然、その段階でチェックされるということになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/38
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039・大野由利子
○大野(由)委員 出てきたデータが正しいかどうか、これはなかなか専門家でも見抜けない、そういうような要素が多々あるのではなかろうか、このように一つは危惧するわけでございます。
それから、都道府県知事は、申請された廃棄物処理施設の設置場所等を告示するとともに関係市町村長の意見を聞かなければいけない、また、利害関係を有する者は意見書を提出することができる、このようになっているわけですが、これは意見を聞きおくだけというふうになる可能性があるのじゃないか。聞いた意見に対してどう思うのか、そういうふうな意見の情報公開というものがきちっとなされるかどうか、また、住民も専門家も交えた説明会とか公聴会、要望すればそういうものが開催されるのかどうか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/39
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040・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回の改正案におきましては、施設の設置手続といたしまして、施設の設置者に対しまして、先ほども申し上げましたように、生活環境影響調査の実施を求めますとともに、住民等の意見を聴取いたしまして、これを、専門家の意見を踏まえた上で施設の設置の許可に適切に反映させることとしております。
この法律に基づきます設置手続の実施に当たりましては、専門家の意見聴取の方法あるいは住民に対する説明などの制度の具体的な運用につきましては、各都道府県の判断にゆだねられるものと考えておりますが、厚生省といたしましては、今回の制度改正の趣旨というものに沿った運用がされますように、都道府県に制度の趣旨及び適切な運用ということにつきまして指導をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/40
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041・大野由利子
○大野(由)委員 今の御答弁を聞いておりますと、今、全国で大体四百カ所近く処分場をめぐって紛争が起こっている、今回の改正案でそれが果たして減るのかどうかという危惧をするわけでございます。例えば岐阜県の御嵩町では、産業廃棄物処理場の建設をめぐりまして県側と町長が対立しているわけでございますが、今の御答弁では、これは何ら解決の糸口にはならない。
そういうわけで、県側と市町村の意見が対立する場合が当然あるわけですから、そのときには、一方的に県知事のみが専門家の意見を聞いて、見えないところで、隠れたところで決定をするというのではなくて、やはり公開の場で、そしてきちっとオープンに、情報公開されたところで納得がいく結論が出されるようにすべきではないか。こういう岐阜県のような問題が起こった場合、厚生省はその辺をどのように御指導されるのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/41
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042・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 当然、いわゆる施設の設置につきましていろいろな御意見があるわけでございますが、単に賛成反対ということではなくて、その施設の設置に当たりまして、生活環境保全上どういう問題が生じるかという点につきましての御議論というものは徹底してなされるべきであろうと思いますし、また、御納得いただくといいますか、双方が御理解をしていただく必要があるわけでございますので、それらにつきましては、今回の改正法におきまして、そういった実質的な議論に十分資するような資料が提示され、それをもとに十分な御議論がされた上で調整されていくことが望ましいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/42
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043・大野由利子
○大野(由)委員 ぜひ、住民の皆さんや市側にとっても納得ができるような形でオープンに行われるように運用をお願いしたいと思います。
それから、廃棄物処理施設の設置に関しましては、都道府県知事が条例によって環境アセスを実施しているところが多いわけでございますが、今回の生活環境影響調査と環境アセス、条例による環境アセスの関係、どちらが優先されるというか、この関係はどのようになるか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/43
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044・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 御指摘のように、自治体におきましてアセスメント条例等が定められている場合がございますが、これは、環境への影響が一定程度以上の事業につきまして、動植物を含みます自然環境への影響等を含めまして、事業者がみずからその事業の実施によります環境への影響を調査、予測、評価いたしまして、環境影響評価書を作成するまでの手続を定めているものというふうに承知をいたしております。
これに対しまして、今回の改正法におきます生活環境影響調査につきましては、施設の設置の許可に当たりまして、その施設の構造や維持管理が周辺地域の生活環境に必要な配慮がなされているものかどうかということを都道府県知事が審査するための基礎資料として、事業者に対して許可申請時に提出を求めているものでございます。
両者は若干の観点の違い等はございますけれども、重複する部分も多いと考えられます。したがいまして、自治体のアセスメント条例等に基づきまして作成されました環境影響評価書につきましては、廃棄物処理施設の許可申請時に添付が求められます生活環境影響調査書として活用できるようにするということを考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/44
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045・大野由利子
○大野(由)委員 重複していて活用できるところは活用もいたしますし、また、活用できないところと申しますか、重複しない部分に関しては、条例による環境アセスは引き続き地方自治体が独自にできる、それは今までと変わらない、そういうことでよろしいのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/45
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046・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 併存することは構わないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/46
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047・大野由利子
○大野(由)委員 現在、最終処分場の安定型処分場、これには安定五品目を処分するとなっているわけでございますが、安定五品目以外のものが処分をされておりまして、本来あり得ないはずのガスが発生したり、自然発火による火災が発生したり、汚水が周辺の環境に漏出したり、そういう事件が相次いでおります。
環境庁は、安定型最終処分場の水質調査を一九九四年と九五年の二年間に行っておりますが、産廃の約六割、約千六百カ所を占める安定型処分場の中から無作為に抽出して八十二カ所を選んだところ、四割近く、三十カ所から有害重金属や発がん物質が検出された、こういう調査結果が出ております。
そういう意味では、安定型最終処分場というのは全面的に廃止をして、全部管理型にすべきではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/47
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048・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 安定型の処分場につきましては、御指摘のございましたように、安定型廃棄物以外の廃棄物が混入することによりまして、周辺環境を汚染するといり事例が見られるところでございます。そのためにその安全性や信頼性に疑問が生じておりまして、私どもといたしましても見直しが必要であるというふうに考えております。
このために、現在、安定型処分場のあり方につきまして、生活環境審議会に廃棄物処理基準等専門委員会を設けまして検討を行っているところでございますが、具体的には、安定五品目の見直しを行いますとともに、これにあわせまして、搬入を管理する者を施設に常駐させること、あるいは搬入された廃棄物を一たん展開をする、広げて安定型廃棄物以外の廃棄物の混入の有無を確認すること、あるいは複数の廃棄物が混入して排出される場合には、これらの廃棄物につきまして一定の選別施設で選別したもの以外は受け入れを禁止するといったようなことなど、安定型廃棄物以外の廃棄物が搬入されることのないよう徹底した対策を講ずることとしておりまして、こういった方策によりまして、安定型処分場の安全性の確保を図ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/48
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049・大野由利子
○大野(由)委員 現在でも、約一〇%ぐらいは、安定型であっても、ほかのものがまざっていても許される範囲だというふうなことが言われているようでございますが、今の局長の答弁によりますと、それは厳密に分けて、安定五品目以外のものが一%も入っていない、それを確認したもののみを安定型に入れる、そういうことでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/49
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050・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 徹底してやるとそういうことになるのだろうと思いますが、具体的には、今申しましたように、そういう選別の方法それから排除の方法、具体的にどうするかということにつきましては専門委員会で御検討いただいておりますが、原則といたしましては、安定型以外のものが入っている場合には管理型へ埋めるというふうなことになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/50
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051・大野由利子
○大野(由)委員 今、ここまでは許されて、ここまでが許されないというようなことがありますと、何のために法改正するのかわからないわけでございますので、ぜひその辺は厳密にしていただきたい。
既に現在でも、安定型は安定五品目以外はだめ、そうなっているにもかかわらず、ほかのものが入っている、そういう状況ですから、より分けます、けれども、とことん徹底するのは難しいというふうなことであっては従来と変わらない。若干今までよりは厳しくなるのかなというような状況であっては、相変わらず有害なものが安定型で処理をされるということが続くようではいけないのではなしか、このように思っております。
それから、東京日の出町ではシートが破れている云々ということが問題になっておりますが、管理型であっても今の整備というのが不十分なのではないか。シートが一枚で果たしていいのかどうかというふうなこともありますし、構造基準の強化、見直しが必要ではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/51
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052・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 厚生省におきましては、平成八年十一月に、生活環境審議会廃棄物処理部会に先ほど申し上げました廃棄物処理基準等専門委員会を設置いたしまして、廃棄物処理に関します各種の基準の見直しあるいはその強化の方策について検討を行っているところでございます。
今御指摘の最終処分場につきましては、安定型処分場に関しては、生活環境保全上の観点から問題がある廃棄物が混入しないように、廃棄物の種類あるいは性状というものを限定いたしますとともに搬入管理を強化する、あるいは遮断型処分場に関しましては、遮断型処分場に搬入できる廃棄物であっても、できる限り中間処理によりまして無害化、安定化を図ること、あるいは管理型処分場に関しましてま、遮水シートを二重にするといったことなど、全体的に技術水準の向上を図る方向で検討を行っているところでございますので、この専門委員会におきます検討の結果を踏まえて、安全性の向上のための必要な規制というものを行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/52
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053・大野由利子
○大野(由)委員 いろいろ処分場の規制強化を図るとともに、あわせまして、水道水源のそばに処分場があるということは、これはどこまで行っても土壌汚染から水質汚染につながる不安というものがあるわけでございますので、水道水源のそばには処分場はつくらない、水道水源の周辺の保護地域というようなものを設けるべきではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/53
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054・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回の改正案におきましては、最終処分場等の廃棄物処理施設の設置に当たりましては、周辺の生活環境影響を調査させますほかに、地域住民からの生活環境保全の観点から意見を聴取いたしまして、専門家の意見も踏まえて審査することとしておりまして、この審査基準といたしまして、「地域の生活環境の保全について適正な配慮がなされたものであること。」という要件を求めているところでございます。
こうした措置によりまして、水源地におきます施設の設置につきましては一律に禁止しているわけではございませんけれども、地域の実情を踏まえた生活環境の保全に適正に配慮されたものでなければ設置が認められないというふうに考えております。
さらに、維持管理の段階におきましても、許可申請時に施設設置者みずからが定めます維持管理計画に従いまして適切な維持管理を行うことが義務づけられますとともに、維持管理状況に関します記録を行いまして、閲覧に供することが求められておりますので、水源地での生活環境保全は従前に比しまして格段の徹底が図られているものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/54
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055・大野由利子
○大野(由)委員 都道府県の知事さんたちは、法律で禁止されていないとなかなか許可をしないというわけにいかない、そういう状況もございますので、ぜひこの辺はより明確にしていただきたい、このように思います。
それから、PCBのことについてちょっと伺いたいと思うのです。現在、使用が禁止されておりますPCB、有害化学物質ポリ塩化ビフェニルでございますが、昨年の六月に東京湾に流れ込んでいることが東京工業大学の調査で明らかになっております。また、川崎市の沿岸からは、新しく堆積した汚泥からもPCBが検出されたことがわかっております。保管場所からの流出や新たな投棄が考えられるという状況で、PCBについて伺いたいと思います。
ことしの三月十一日でしたが、鳥取県の私立高校で教室の天井の蛍光灯から液体が漏れた、生徒四人が気分が悪いというふうなことになった中毒事故が起こっております。原因は蛍光灯器具のPCBによるものと指摘されておりまして、鳥取県の教育委員会が県内の県立学校を調査したところ、十四の学校で千三百台使われていることがわかった、こういうことが報道されておりました。
PCBは製造中止になって既に二十五年になるわけですが、鳥取県でこれだけあるということは、他府県でも当然あるわけですね。厚生大臣に伺いたいのですが、たまたま鳥取県は県の教育委員会が県内の県立学校を調査したらこれだけ出た、となれば、では、鳥取県以外の学校はどうなんだろうという疑問が当然起こるわけでございます。
また、こういう蛍光灯を使っているのは学校だけではございません。病院とか工場とか事業所等々で使われているわけでございますので、一体、こういう蛍光灯にある小型のコンデンサー、PCBでございますが、全国でどのようなところで使われているのか、これは調べる必要があるのじゃないか、このように思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/55
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056・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 御指摘の点につきましては、所管が、例えば学校でございますと文部省というふうに多岐にわたりますので、関係省庁とよく連絡をとってみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/56
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057・大野由利子
○大野(由)委員 実は、平成四年五月、今から五年前の厚生委員会で、私やはり、PCBの不法投棄の質問をさせていただきました。そのときに通産省の方が答えてくださったわけですけれども、その中で、「使用中の、まだ稼働中のPCB使用電気機器も含めまして、」「財団法人電気絶縁物処理協会において台帳管理をしておりまして、この台帳に基づきまして通産局が毎年事業所に対する巡回等の監視、指導等を行っておる」、このように答弁されたわけですが、この台帳の中に蛍光灯の器具は入っていないのじゃないか、このように思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/57
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058・伊藤章
○伊藤説明員 御答弁申し上げます。
財団法人の電気絶縁物処理協会は、PCBの使用電気機器の適正保管、処理の推進を図るために四十八年八月に設立されたわけでございます。自家用電気工作物設置者に対する調査に基づき、PCB電気機器のうち、特にPCBの含有量の多い電力用トランス及びコンデンサーについて保有者台帳を作成してこれを同協会に備えて、保有者の協力に基づく届け出に基づいて台帳の更新を行っているところでございます。したがいまして、量的に小さいものについてはこの管理台帳には載せておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/58
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059・大野由利子
○大野(由)委員 あのときの答弁は、PCBの含有率が高いものを調査している、そういうような返答ではなかったのですね。使用中の、まだ稼働中のPCB使用電気機器を含めまして全部台帳管理をしている、そのような答弁だったわけでございますので、それじゃ、ここで全部掌握されているのだな、流出したりなくなったりしないように台帳管理をなさっているのだ、そういう印象を受けたわけでございますが、今の答弁を聞いていると、PCBの含有率の低いものまでは掌握していない。
ですから今のような鳥取県の蛍光灯のようなものが出てきたわけですが、PCBは少量でありましても大変な毒性の強いものでございます。かつて食用油に混入したカネミ油症事件、大変な公害事件もございました。PCBは、少量だから許される、こういう問題では決してないはずなんです。私は、通産省の御意見を聞いて、この前の、五年前の答弁というのは正確じゃなかったのだなというふうに思うのですが、PCBの含有率の低いものについてもこれは早急にきちっと調べるべきではないか。
今言いました電気器具、蛍光灯、昭和四十七年以前につくられた蛍光灯のようでございます。その後の新しい蛍光灯はそういうことはないようですが、ただ、今から二十五年前、大きなビルとか学校とかというのは、もう二十五年以上前に古く建てられた建物には蛍光灯というのは山のように残っているわけでございます。この蛍光灯はどのように処分されているかということなんですね。
このPCBを、蛍光灯の上の方にコンデンサー、小さなコンデンサーなんですが、こういうのがついている。これが熱を持って、そして、今回の鳥取県の事件は、熱を持って破壊して液が垂れてきた、そういう事件であったわけですけれども、蛍光灯にまずPCBを含む小さいコンデンサーがあったということも、私自身も知りませんでしたし、ほかの一般の住民の皆さんもほとんど知らないのじゃないか、このように思うのですね。そうすると、建物を壊したときに、この小型のコンデンサーが全部、建築廃材とほかのものと一緒に安定型に捨てられていたのじゃないか、このように思うのですね。それはそんなことはあり得ませんと言えますでしょうか、どうですか、局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/59
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060・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 建設廃材と一緒に今御指摘のようなものがあるいは入っていた可能性はあるとは思いますが、その正確な状況を把握しておるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/60
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061・大野由利子
○大野(由)委員 これを五年前にも指摘いたしまして、調査と管理の徹底を通産省は約束されたわけですが、全く守られていないのじゃないか、このようこ思います。
厚生省も平成四年九月に調査されましたけれども、その後の実態がどうなっているのかということも伺いたいと思いますし、私は、この問題、今回の廃棄物処理法で、それでま建築廃材の中からコンデンサーだけ除いて、これは管理型に捨てればいいものではないのですね。PCBは全部保管しなきゃいけない。保管して、そして破壊して処理しなきゃいけない。このPCBというのは大変な有害物質であるわけです。
最近、通産省の工業技術院物質工学工業技術研究所で、このほど、水酸化ナトリウムなどアルカリ分を添加した超臨界水による新たなPCB分解方法を開発しております。PCBは全国で約六万トン保管されている、そのように聞いておりますが、保管の期間も既に二十年を超えております。管理上の問題もあります。対応が早急に求められている、このように思うのですね。事業所に保管しておいてくださいよという通達だけは行っているのですが、その企業が倒産したら一体どうなるか。また、企業なり事業所なりが移転するときには前のところのごみは全部処分する、有害なPCBだけ持って移転するなんということは考えられないわけでございまして、そういうふうに、保管しておいてくださいというような指示で二十年来ておりまして、PCBがどんどんなくなっていく。ですから、東京湾もPCBで汚染をされる、汚泥も汚染される、またいろいろ、コプラナPCB、大変な強力な有害なものが、いろいろ食べ物、魚とかにもある、そういう状況になってきているわけでございます。
大臣に伺いたいのですが、厚生省で前にPCB廃棄物保管対策検討会というのを設置されて検討されたときがあるのですが、もう保管対策検討会の時期じゃない。実質、処分する方法というものも通産省が実際に開発された。そして、これに対して、ダイオキシンなどの副産物の発生もない、環境への影響もない、現在では最も有力な手段である、このように言われているわけです。
実証するためにはもうちょっと時間がかかるかもしれませんけれども、いずれにいたしましても、私は、しっかり回収をする、処理をする、そういう検討委員会を発足させなきゃいけないのじゃないか。有害なPCBを集める、そして破壊の方法がもう実験証明されている状況になっていますから、これが一、二年の間に実現できる道筋をつくるべきではないか、このように思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/61
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062・小泉純一郎
○小泉国務大臣 お話を伺っておりまして、前の委員会でもこの危険性に対する御指摘をされた、そして厚生省も通産省もその検討をしてきて、今どうなっているかという状況について、委員は、この反応に対してまだ十分でないという印象を持たれているようです。
このPCB等の処理をどのようにしていくかということは、今後の環境問題、さらには人体への影響等の問題を考えますと軽視できない問題でありますので、今言った点も含めまして、通産省初め関係省庁と連絡をとって、このPCB処理にどういう方法がいいか。四十七年以降の蛍光灯には使われていないということでありますけれども、それ以前の蛍光灯はどうなのか。昔の蛍光灯というのは鈍感で、なかなかつかなかったのですね。しかし、我々の健康を考えますと、有害物質に対してはもっと敏感でなくてはいけないと思いますので、今言った点も含めまして、PCBの適正な処理はどうあるべきかという点に対しまして、もう一度、厚生省としては、関係省庁と連絡をとって検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/62
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063・大野由利子
○大野(由)委員 ぜひよろしくお願いいたします。
蛍光灯はそんな二十何年使えるはずがないわけで、どんどん入れかえていると思うのですが、その蛍光灯をつける機器にこういうコンデンサーがついている。ビルが古ければ、それは取りかえないでずっと続いているわけですから、建てて二十五年以上のビルはほとんどついていると思っていていいのではないか、このように思うのです。
今、厚生大臣からお答えいただいたわけですが、あわせて通産省からも伺いたいと思うのです。
通産省は、平成四年の五月、私が質問をしたときにこういうふうに答えていらっしゃるのです。
今後、例えば先ほど先生おっしゃいましたような集中管理方法とかあるいは効率的な処理施設の整備とか、そういった有効な対策につきまして関係省庁とも相談をしながら、早急に検討を行ってまいりたいと思っておるところでございます。
これは五年前なんですね。これは五年間どのように進みましたか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/63
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064・藤冨正晴
○藤冨説明員 御説明いたします。
PCBにつきましては、先ほど先生御案内のとおり、研究開発が進んでおりまして、新しい技術については、通産省の工業技術院の物質工学工業技術研究所などにおいて……(大野(由)委員「処理方法だけでいいです」と呼ぶ)はい、わかりました。
いろいろな技術が、特に民間でも化学処理技術などが進められておりましたので、平成七年度から、社団法人の産業環境管理協会で、学識経験者を集めまして検討会をやりました。
それから、私どもの産業構造審議会の中でも、企画小委員会というものがことしの一月に取りまとめた報告の中で、長期保管に伴うリスクの高まりと、適正な処理方策の確立をやるべきだということで、情報の適切な提供それから基準の設定など、適切なシステムの構築を図るべきであるという指摘がされておりまして、厚生省、環境庁、通産省、事務方で緊密な連絡をとりながら、適正な処理をしていきたいと思って検討しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/64
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065・大野由利子
○大野(由)委員 今伺っていて、苦しい答弁だなという印象を受けました。この五年間、実質何にも進んでいないのではないか、そういう印象を受けたわけでございます。先ほど厚生大臣が、これからはしっかり関係省庁と連携をとり合ってやりたいという御答弁であった、このように思いますので、この前と同じようなことにならないように、早速ぜひ実現をしていただきたい、このように思います。
それから、五月末に、宇都宮市の廃棄物処分場で、建築資材である石こうボードの廃材から高濃度の砒素やカドミウムが溶け出していることを環境庁が指摘いたしました。水質汚染の可能性のある石こうボードの対策について、厚生省はどのような対応をこれについてされるのか、伺いたいと思います。これは大変心配のある、東日本全体にこのことが広がっている、石こうボードは使われているということのようでございますので、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/65
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066・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 本年三月に、栃木県の宇都宮市におきまして、主に石こうボードを処分しております安定型最終処分場の周辺の水路で悪臭を発する浸出水が流出しているとの苦情がございましたために、宇都宮市におきまして浸出水等の検査を行いましたところ、周辺地下水からは砒素は検出されなかったものの、処分された廃棄物あるいは浸出水等からは砒素が検出をされたわけでございます。
このため、市では、処分業者に対しまして、廃棄物の搬入の停止あるいは全量撤去等を指導したところでございまして、これを受けまして、処分業者におきましても、現在、廃棄物の搬入を停止いたしますとともに排水処理設備の設置作業を行っておりまして、今後、廃棄物の全量撤去を行う予定というふうに聞いております。
また、厚生省といたしましては、この原因を究明いたしますために、石膏ボード工業会を通じまして、関係メーカーに対しまして、各社の石こうボード製品の試験を行うように要請したところでございます。その結果、一部の工場で生産されました製品から判定基準を超える砒素が溶出することが判明したところでございます。
そこで、これらを踏まえまして、石こうボードを使用いたしました建物を解体する場合には、砒素が検出されたものと同じ工場の製品が用いられているかどうかを確認いたしまして、該当する場合には管理型処分場で処分するということといたしまして、その具体的な運用及び石こうボードを多く受け入れております安定型処分場の浸出水に関する砒素等の緊急点検の実施こつきまして、近く、都道府県及び関係業界に対して通知することといたしております。
また、現在、廃棄物処理の基準全般にわたる見直しを検討しておりまして、石こうボードの処理方法につきましても、廃棄物処理法に基づく必要な基準の見直しを検討することといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/66
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067・大野由利子
○大野(由)委員 この石こうボードもそうですし、アスベストもそうなんですが、解体業者に、こういうものが含まれているときは解体するときは気をつけなさいよという通達なりなんなりを出されるのだと思うのですが、あわせまして、業者の方だけだと信用できないというわけでもないのですが、必ずしもきちっとしてくれる業者ばかりでもないわけですよね。ですから、その所有者にも、ここは、おたくにはこういう石こうボードを使っているとかこういうアスベストを使っている、だから解体するときには気をつけた方がいい、きちっとした解体をしなければいけないというようなことも何らかの形で知らしめるというか通知をする、そういう努力も必要なのではないでしょうか。この辺、御意見を伺いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/67
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068・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 現に建築物を所有しておられる方が、御自分の建築物について、どういう材料、一般名はわかると思いますが、例えば、どこどこの会社のどの工場で製造された石こうボードを使っているかというのはなかなかわかりづらいのではないか。かつ、石膏ボード工業会にも伺いましたところ、その流通につきましても、最終的な行き先まで確認するというのは大変難しいということでございますので、したがいまして、解体業者が解体をする際に、その該当するものかどうかというのを確認していただくというのが最も実効性のある措置ではないのかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/68
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069・大野由利子
○大野(由)委員 ダイオキシンの問題について伺いたいと思うのです。
厚生省は、公共のごみ焼却場から発生しますダイオキシンの量を施設の実名入りで公表されました。千八百五十四カ所のうち報告のあった千百五十施設の中で、七十二カ所が八十ナノグラムを超えていたということでございますが、残り七百四施設はいつまでに調査し、いつまでに公表されるか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/69
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070・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 昨年の七月に、全国の市町村に対しまして、ごみ焼却施設からのダイオキシン類の排出濃度を調査するように指示したわけでございますが、本年の三月末までに、今数字の御指摘がございましたように、千百五十施設から報告を受けておりまして、その結果を取りまとめまして、四月十一日に公表したところでございます。
まだ報告のない施設に関しましては、できるだけ早く調査を行うよう指示しているところでありまして、四月と五月に報告のあったものを現在取りまとめ中でございます。
その結果につきましては、速やかに取りまとめて公表してまいりたいと考えておりますし、残りの施設につきましても早目に調査を実施するように指導してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/70
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071・大野由利子
○大野(由)委員 今、事実上は、法律的にはダイオキシンは野放し状態になっているわけでございますが、そのダイオキシンの排出の規制値というものを明確にすべきだ、早くすべきだ。厚生省も準備をされていると思うのですが、いつごろこれを発表されるかということと、その規制値の基準になるものでございますが、これは^環境庁と厚生省では、体重一グラムにつき、一日の摂取量の許容量が違うわけですね。環境庁は五ピコグラム・パー・キログラム、厚生省は十ピコグラム・パー・キログラム、一体どっちを基準にしてこの排出の規制値を決められるのか、いつごろ決められるのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/71
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072・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 焼却施設から排出されますダイオキシン削減対策の推進のためには、一般廃棄物であるか産業廃棄物であるかを問わず、法的な強制力のある形で規制を実施していく必要があると考えておりまして、現在、生活環境審議会の廃棄物処理基準等専門委員会におきまして、ダイオキシン削減の観点から、廃棄物処理法に基づく焼却施設の構造や維持管理の基準につきまして検討を進めているところでございます。
厚生省といたしましては、この検討結果等を踏まえまして、廃棄物処理法に基づく政省令の改正を行ってまいりたいと考えているところでございます。
なお、具体的な排出濃度の基準につきましては、大気汚染防止法に基づく排出基準として環境庁が近々公表されるというふうに聞いておりますので、そういった数値も参考にしながら、この専門委員会で検討していただきたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/72
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073・大野由利子
○大野(由)委員 近々というのは、ことしの夏ぐらいなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/73
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074・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 ダイオキシン対策は、単に排出濃度の基準といったものだけではございませんで、いわゆる完全燃焼の確保のための廃棄物の定量供給でありますとか、一定温度以上の燃焼温度の確保、あるいは排ガス処理の適正化のための集じん機入り口温度の排ガス温度の低温化、あるいは十分な集じん効率を有します集じん機の設置とか、排ガス中のダイオキシン類濃度の定期的な測定、あるいは一酸化炭素濃度の測定等々、周辺にいろいろございますので、それらについて全般的に検討いただいております。
私どもといたしましては、早急に取りまとめていただきまして、この夏に基準の改正を行いまして、年内にも施行する方向で作業を進めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/74
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075・大野由利子
○大野(由)委員 ことしの一月に、厚生省は、ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドラインを発表されたわけでございますが、そのガイドラインの中身を今おっしゃった政令、省令等々できちっと規制をされる、そういうことでございますね。
それで、今、焼却処理施設の排出規制は一廃だけじゃなくて産廃も両方対象にすべきだ、このように私も思っておりますが、今御答弁でもそういう御答弁があったかと思いますが、一廃についてはいろいろ調査をされて大分明らかになったわけです。
産廃の施設について伺いたいのですが、全国で一体何カ所あるのか、そのうち、ダイオキシンの発生量を過去に調査したところは何カ所ぐらい、数値を公表しているところは何カ所あるか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/75
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076・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 産業廃棄物処理施設でございますが、平成六年の四月一日現在の数字でございますが、産業廃棄物の焼却施設のりち、許可施設については三千三百七十六施設ございます。
一日当たりの焼却能力が五トン未満の小規模な焼却施設のうち、大気汚染防止法に基づきます届け出施設につきましては約八千施設、それ以外の施設につきましては約八万七千施設と推計をしておりますが、その処理量については把握をいたしておりません。
ダイオキシンの関係でございますが、産業廃棄物の焼却処理に伴いまして排出されるダイオキシンにつきまして、環境庁で五十施設について調査をしておりますが、その結果については十分承知をいたしているところではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/76
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077・大野由利子
○大野(由)委員 産廃の施設というのは膨大な数があるのだなということに驚いているわけでございますが、この産廃施設もしっかりとダイオキシンを測定して、そして維持管理基準にこれも入れるべきだ、一廃の施設と産廃の施設は全く同じ維持管理基準にすべきだ、このように思いますが、もう一回確認させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/77
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078・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 我が国の排出されますダイオキシンの八割から九割は、一般廃棄物処理施設の焼却施設から出されるというふうに聞いております。残りが産業廃棄物処理施設あるいは産業界から出されているものというふうに推計をされておりますので、私どもといたしましては、その主要な排出源であります一般廃棄物処理施設の焼却施設につきましては、緊急に対策を進めなければならないと思っております。
また、産業廃棄物につきましても、それを行わなくていいというふうに考えているわけではございませんで、ただいま申し上げましたような施設の基準等につきましては現在検討いただいておりますので、その基準を参考にしながら具体的な基準を作成してまいりたいと考えております。
ただ、一点だけ御理解を賜りたいのは、ダイオキシンと申しますのは炭素と塩素の混焼ということで発生するわけでございまして、例えば特定の廃油のみを焼却するような施設から本当に出るのか出ないのか、そこはちょっと確認をしながら基準に反映させる必要もあろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/78
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079・大野由利子
○大野(由)委員 今大変話題になっております所沢市の産廃の中間処理施設、私もことし三月でしたか、視察に行ったのですが、五トン以上だと許可が要るということで、五トン未満の処理施設が山のようにいっぱい並んでおりました。特にこの三年間ぐらいでどんどん施設がふえたという状況のようでございまして、小泉厚生大臣にも、所沢は永田町からも近いです、半日もあれば十分見て帰ってこられますので、一度ぜひ視察に行っていただきたいな、このように思っております。
五トン以上は許可が要る、五トン未満は許可が要らないということで、そういう許可逃れがいっぱいできるわけですね。そういう意味で、今回も、五トン未満とか、それから産廃業者に頼まないで自分で処理をする、自家製で、自分の事業所で処理をしていらっしゃる、自分の病院なり工場で処理をしていらっしゃるようなところも結構あると思いますし、これは焼却設備をもっと高度なものにすべきだ、このように思うのですが、この辺について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/79
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080・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 現在、許可対象となっておりません小規模な産業廃棄物焼却施設の中には、粗悪な構造であって、野焼き同然の処理が行われている例も見られるわけでございまして、規制の強化が必要だというふうに考えております。
このために、小型焼却炉のあり方につきましては、現在、廃棄物処理基準等専門委員会において検討を行っているところでございまして、一般廃棄物処理施設、産業廃棄物処理施設を問わず、排出事業者の自己処理の場合も含めまして、より小規模なものも許可対象として構造、維持管理の基準を適用するよう、見直す方向で検討いたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/80
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081・大野由利子
○大野(由)委員 ダイオキシンの発生抑制には、連続炉で二十四時間ずっと燃やす方がダイオキシンの発生が少ない、そういうことのようでございまして、厚生省も、できるだけ広域でごみ処理を推進する、そういう方向をガイドラインの中で出されているわけでございます。
地方では連続炉にするには広域になり過ぎてしまうとか、都会で広域にしようと思うとごみ運搬車がふえてしまって交通渋滞になったり、迷惑施設ということで住民の人から苦情が出るというふうなこと等々があるものですから、一つは、広域でできないところは、自分のところでは、RDF化ですか、固形燃料化して、そして固形燃料にしたら小さくなって運びやすくなる、そして住民の皆さんにも迷惑をかけることが少なくて済むということで、RDF化をもっとこれも推進しなくちゃいけないのじゃないか、このように思うわけですが、この辺について厚生省の御見解を伺いたい。
そして既設炉で、どんどん炉を新しいものにかえるといっても、やはり財政的なこともありますから、そういういろいろなこともあって、どうなんでしょう、RDF化と広域化の問題について、厚生省の今後の方針について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/81
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082・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 広域化につきましては、今先生まさにお話がございましたように、二十四時間の連続炉で運転できる、それから、維持管理が容易であるといったこと等から考えますと、ダイオキシン対策として非常に望ましいわけでございまして、都道府県を通じましてそういった推進についての検討を行っていただくようお願いをしているところでございます。
それからもう一方、ダイオキシン対策の観点から、いわゆるRDFについてでございますが、ごみの固形燃料化につきましては、ごみを燃料として資源化するという点で非常に有効でありますとともに、ごみそのものを焼却した場合と比べますとダイオキシンの発生は相対的に少ないという報告もあるわけでございまして、その整備につきましてはダイオキシン対策の一環としても有意義であると考えておりますが、これを推進いたしますためには、これはRDFをつくるだけでは不十分でございまして、安定的な利用先の確保という条件がございますし、さらに利用先におきます十分な環境保全対策が必要だということ等の課題もございます。
こういったことにも十分配慮しながら、引き続き国庫補助制度を活用してその整備を推進してまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/82
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083・大野由利子
○大野(由)委員 最後に、このダイオキシンの問題で大臣に伺いたいのです。
さっきちょっと申しました、一回ぜひ所沢を見てきていただくといいのじゃないかということと、あわせまして、厚生省は環境庁と一緒になってダイオキシンが人体に与える影響について合同で調査を開始される、食べ物を通してどのような影響を与えるかという、そういうことを調査されるということが報道されておりました。ダイオキシンに関しまして日本は非常におくれている状況でございますが、今後、大臣はこのダイオキシンの問題にどのように取り組まれる御決意か、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/83
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084・小泉純一郎
○小泉国務大臣 参議院の委員会での御審議でも、ダイオキシンの問題について大変危惧の念を持った質問が多かったわけであります。
母乳にも既に影響が出ている。しかも、毒性が極めて強いダイオキシン対策という問題というのは、今後深刻な影響が出ると思いますので、星省として、きちんとした調査研究、この削減対策に取り組むべきだという方針を既に事務当局にも指示しておりますし、環境庁その他の関係省庁とも連絡をとりながら、このダイオキシン対策というもの、人体の健康を守る、環境保全という観点からも重視して、真剣に今後とも取り組んでいきたい。
また、処理施設等、機会がありましたら、国会が終わって、そういう要所の施設等、時間があったら視察してみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/84
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085・大野由利子
○大野(由)委員 日本海の重油の流出事故について最後に質問をさせていただきたい。
初めに、運輸省から来ていただいていると思いますが、ナホトカ号船尾部残存油対策検討委員会が三月二十六日に出されました報告書によりますと、油、一番海の底に沈んでいる油でございますが、これが沿岸べ漂着することについて、重油が塊になって沿岸に漂着することはないと考えられる、このような報告書をまとめていらっしゃいます。
でも、石川県の大学研究者等々の報告では、五月中旬に新たな重油の塊が漂着していることを確認しております。これは三国町の海岸に漂着したもので、海底の船尾からのもののようでございます。ガスクロマトグラフィーで成分を測定したところへ船首部分から流出した重油と成分は同じということがデータで出ている、こういうことなんですが、これについて御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/85
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086・釣谷康
○釣谷説明員 先生御指摘の点についてお答えさせていただきます。
まず現状、湧出油の現状についてとりあえず触れさせていただきたいと思いますけれども、海上保安庁では、巡視船あるいは航空機を用いまして、一日あるいは二日間隔で湧出地点に、どういうような湧出状況で油が漏れ出ているかということを観察、監視いたしております。
その結果によりますと、天候による違いはありますけれども、大体、現段階では、幅数十メートルから数百メートル、長さは数キロ、報告書の時点ではこの数値が大体十数キロというような長さになっておりましたけれども、現状では数キロ程度の帯状ということでございまして、しかも、その帯状の先端部分については拡散消滅しておるということでございます。
こういう状況、それから沖合百数十キロ、百四十キロ程度ですかの海上にあるということ、それから海流等の影響、そういうものを勘案していただきまして、基本的に拡散消滅しておりますから物理的に消滅しておるわけでございませんで、基本的には微粒化した重油が海水中に紛れ込んでおる、ただ、そういった微粒化した重油は海流等の影響で基本的には広く拡散してしまうものでございまして、一たん微粒化して分散したものがまた塊になるということはまず考えられないということから、沿岸に重油の現状になって漂着することはないという結論を委員会でいただいたわけでございます。
それで、先生御指摘の件でございますけれども、私ども、ちょっと事実関係未確認でございます。ただ、海上保安庁につきましては、漂着した油があった場合には通告をいただいておりまして、五月十日から二十三日の間、島根県などで七件の漂着油を確認しております。ただし、いずれもナホトカ号との関連はないという分析結果が出ておりまして、先生御指摘の件がこの件に含まれておるのかどうかということを、ちょっと確認しておりませんのではっきり申せませんが、ただ、私どものうかんでおる事実といたしましては、とりあえず漂着しておるものもナホトカ号と関連がないということでございます。
先生の御指摘の件につきましても調査させていただければと思いますけれども、調査の結果、事実関係あるいは因果関係がはっきりしまして、先生のおっしゃるように船尾部からの油だということになりました場合には、やはり浮流油、海面上に浮流している油、そういったものの監視あるいは防除等について強化をするなどの適切な措置が必要であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/86
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087・大野由利子
○大野(由)委員 油には人の指紋と同じようなものがあって、重油を構成している成分や量を測定すれば、同じものかどうかわかるのだそうでございます。そういうことで、これは同じだという意見があるわけでございますので、ぜひ今後も監視体制や処理対策、そういうことについても検討をお願いしたいと思います。
最後に、一問だけお願いしたいと思います。
実は、この間、私も片野から塩屋海岸を見てきたわけでございますが、ボランティアの方々の懸命な御努力によって、見違えるほど砂浜はきれいになっておりました。しかし、加賀市の片野海岸に重油まじりの砂が埋め戻されたエリアでは、一日で、コイン状の褐色の重油がいっぱいまだ点々と残っている。ちょっと手で十センチほど掘っただけで重油の塊が手に触れる、そういうことを感じたわけでございます。地元は、いたずらに騒げば風評被害が広がるからというようなこともあって、終息宣言とか安全宣言がなされておりましたり、県の環境安全部課長さんも一緒に見に来ていただいたわけですが、あれだけ油が残っているのは不思議に思う、不思議だ不思議だと何回もおっしゃるわけでございまして、不思議も何も、現実はもうどうしようもないわけでございます。
指摘を受けた部分は、ボランティアが管理し、県が立ち会ったわけではない、海岸一斉清掃の後に流れ着いたと考えられ、量的にはわずか、このように言っていらっしゃるわけですが、ボランティアがやったことだからと言われているわけですが、私は、ボランティアのせいにするなんというのはとんでもないことじゃないかと。本当にボランティアの人たちは懸命にやってくださりたわけで、最終的にはやはりこれは県の責任であり、厚生省も責任があるのじゃないか。大量の重油まじりの油が埋め戻されたという実態を厚生省は御存じなのかどうなのか。
また、今後もこういう油の問題について、やはり今回のことを大きな教訓にしていかなければならない、このように思うわけでございます。今後についてもとのような見解を持っていらっしゃるのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/87
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088・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 石川県加賀市の海岸の油まじりの砂のうち、一部につきましては、今お話しのございましたように、現地のボランティアによりまして手作業でふるい分けが行われまして、その外観等から見て廃油の残存が認められずに通常の砂とほぼ同様と判断される部分につきましては海岸に埋め戻されているという報告を県から受けております。
この砂につきましては、私ども、県の方に十分問い合わせをいたしておりますが、県でも油分の含有試験検査を行っておりまして、油の含有量は非常に微量であって環境上も特段の問題となるようなものではないという報告を県から受けております。
ただ、今御指摘のようなことにつきましては、県ともまた十分連絡をとり合いながら対応について検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/88
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089・大野由利子
○大野(由)委員 ぜひ厚生省、自分で確かめていただきたい、このように思います。
以上で終わります。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/89
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090・町村信孝
○町村委員長 福島豊君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/90
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091・福島豊
○福島委員 大臣、大変に御苦労さまでございます。
まず、私は、一番冒頭に、昨日の財政構造改革会議から提出されました「財政構造改革の推進方策」につきましてお尋ねをいたしたいと思います。
この中で、十年度の予算につきまして、社会保障関係費の当然増八千億円に対して五千億円を削減する、こういう具体的な数字が示されております。この五千億円というのは、ある程度の積算といいますか、根拠があってお出しになられた数字ではないかというふうに考えておるわけでございますけれども、この点についての御説明を、現状でできることで結構でございますので、いただきたいと思っております。
とりわけ、医療保険制度は十年度から実施するのだというお話はこの委員会でも大臣は繰り返し答弁しておられまして、この五千億というのがまさにその医療保険制度の改革によって生み出されるのかどうなのか、そのような見積もりがあるのか、その点についてお教えいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/91
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092・小泉純一郎
○小泉国務大臣 昨日の財政構造改革に関する臨時閣議におきまして、厚生省関係予算は、十年度八千億円増が見込まれるが、そのうち五千億円を上回るような削減をしてもらいたいという指示がありまして、その方針に従って、今後いかなる削減策があるかということを厚生省としても取り組んでいかなきゃならないのですが、当然増八千億円の中で、年金関係が千五百億円程度ありますので、年金の削減はほとんど不可能と言ってもいいと思います。となると、年金以外の医療福祉関係でこの五千億円を削減しなきゃならない。当然、その五千億円の中の大部分は医療関係の構造改革案で出さなきゃならないと思っております。
今後、今国会が終わり次第、総合的な、構造的な医療改革案で五千億円近く削減できる案はいかなるものか、本当に頭の痛い問題であり、これは私が頭が痛いだけでなくて、医療関係者、国民に痛みを伴うものであります。どういう案が出せるか、厚生省全体でこの案を今後早急に考えて、当委員会初め多くの国民の御批判を仰げるような案をできるだけ早期にまとめてみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/92
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093・福島豊
○福島委員 今大臣からお話ございましたが、いわば大臣は大変ノルマを課せられたということかというふうに思いまして、その五千億、何としても減らせ、これは大変な要求かなというふうにも私は思います。
逆に言いますと、客観的な医療構造改革の見通しの中で出てきた数字ではないというのはある意味では乱暴な話でして、これはどちらが出されたのか、総理なのか、大蔵大臣なのか、私はよくわかりませんけれども、その数字の目標は確かにあるにしましても、果たしてそこの中で何ができるのか、そこのところの方がむしろ大切なんだというふうに私は思います。そういう意味では、今後、私どももしっかりと検討させていただきたいと思います。
続きまして、廃棄物の法改正につきまして御質問したいと思います。
いただきました資料では、産業廃棄物は年間四億トンに上る、平成二年度が三億九千五百万トン、平成三年度が三億九千八百万トン、平成四年度が四億三百万トン、そして平成五年度が三億九千七百万トンということで、ほとんど産業廃棄物の総量というのは変化がない。これは、日本の国土面積は三十七万平方キロメートルでございますから、これで割りますと一平米当たり十キログラムの産業廃棄物が日本全体に、大変な量だなというふうに思います。
今回、処理場をどうするのかというようなことが一つのポイントになっているわけでございますが、もちろん、リサイクルの推進ということもポイントになっておりますけれども、私は、これは大変大きな国家的な課題なのではないかというふうに思います。
毎年毎年四億トン近い産業廃棄物が出てくる、景気がいいからごみが出るのだという考え方もありますけれども、しかし、この四億トンが毎年毎年出てくるというのは、これは私は、将来の世代にとっては、国債と一緒ですけれども、大変大きなツケを回すことになるのではないか。これは厚生省だけで解決できるものではないということは当然よくわかります。通産省も関係してくるわけでございますし、環境庁も関係してくると思います。
しかし、私は、大臣にぜひ音頭をとっていただいて、数値目標、日本にとってこの産業廃棄物をどのくらいの水準にするのだ、しなきゃならないのだ、そういう長期的な、少なくとも十年ぐらいの単位の目標をつくって、そのためにどうするのかという知恵を絞る。橋本総理は六つの改革ということをおっしゃられたわけでございますけれども、この廃棄物の問題というのはさらにもう一つつけ加えてもいいような大きな課題ではないかというふうに私は思います。
この国家的な計画を立てるということにつきまして、大臣のお考えをお聞きできればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/93
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094・小泉純一郎
○小泉国務大臣 廃棄物、ごみはどうしても出るものですから、この処理を考えるのは当然であります。しかしながら、大量生産・大量消費・大量廃棄、つくりましょう、使いましょう、捨てましようというこの状況を野方図に置いていたら、幾ら処理場をつくったって足りないと思うのですね、日本の国土から考えたって。処理場をつくるためにまた環境を破壊しなきゃならない、こんなばかなことはないのでありまして、産業廃棄物の処理場の施設をつくると同時に、どうやったら廃棄物を少なく減らしていくか、また、循環型社会といいますか、できるだけむだのない、効率的な、生産から消費、廃棄というものを考えた体制をどう整備していくかということがこれからの社会に大変重要だと思います。
動物の世界を見ますと、全くむだがないのですね。どんなに殺し合いをしようが廃棄物といいますか、動物の体から出そうが、これが見事な生態系で循環している。あの動物の世界を見ていますと、人間というのはまさにエイリアンじゃないかと思うぐらい、すごい技術を発明して、むしろその技術によって今大変苦しんでいる。文明の利器と言われますけれども、技術の恩恵を受けているのですけれども、同時に、文明の利器によってまた思わぬ被害に遭っている。
人間社会ですから、また人間の知恵というのはすごいものがありますから、今被害を受けているような技術も新たな技術によってこれまた利用できるような最新技術が発明されると思いますけれども、それにしても、いかに生活環境を保全するか、人体の健康を守るか、そして廃棄物の処理をどうするかということについては、単に厚生省だけでは間に合いませんので、関係省庁、あるいは国民の全体の協力を得て、人間の健康を守る、地球の健康を守る、環境保全という観点から、循環型社会の構築こ向かって、全国民的な、さらには地球規模的な環境保全対策というのが必要ではないか。
わけても、厚生省としては、人間の健康を守る、有害物質、目に見えないところで何年か、何十年か後に大きな被害をもたらすこの有害物質等に対しましても、細心の注意を払って、循環型社会の構築に先頭に立って努力をしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/94
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095・福島豊
○福島委員 ぜひ先頭に立って、大臣のパワーでしっかりと引っ張っていっていただきたいというふうに私は要望させていただきます。
具体的な問題につきまして、あとしばらくお聞きしたいと思います。
リサイクルということでは、分別収集ということが進められているわけでございます。包装廃棄物のリサイクル法も四月一日から施行されました。しかし、現実には地域差がかなりあります。自治体によって取り組みの姿勢というのはかなり違っている。これはやはり厚生省の方からしっかりと一つ一つの自治体に対しまして御指導していただく必要があると思いますけれども、この点につきまして御意見をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/95
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096・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 リサイクルを推進していきます上で、市町村における分別収集が大変重要であるということは十分認識をいたしております。ただ、一般廃棄物の処理は市町村固有の事務でございますので、分別収集につきましても、どの品目をどのように収集するかは、それぞれの地域の実情を勘案いたしまして、市町村の判断により決定されるものでございます。
こうした事情から分別収集への取り組みに地域差が生じることはある程度はやむを得ないというふうには考えておりますが、厚生省といたしましては、分別収集やリサイクルの促進を図りますために、リサイクルプラザ等のリサイクル関連施設に対しまして重点的に国庫補助を行いますとともに分別収集ガイドブックの作成、あるいは講習会の開催等ソフト面での支援を行うこと等によりまして、市町村の支援に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/96
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097・福島豊
○福島委員 ぜひしっかりと取り組みをお願いしたいと思います。
次は、最終処分場につきましてお尋ねをしたいと思います。
先ほど、水道水源保護地区の立地規制を行ってはどうかということを、大野委員の方からも御質問がございました。万一のことを考えて、水道水源保護地として保護すべき地域とそうでない地域に分けて、そうでな、地域に処理施設を設ける、そして保護されているところには設けてはならない、そういう考え方があります。
私はこの考え方に賛成なんですけれども、先ほど局長の答弁では、要するに、きちっと審査します、環境に配慮してやります、ですから大丈夫なんですということなんですけれども、こういう意見が出てくる理由というのは、要するに予測を裏切るようなことが起こり得る、今までもシートを敷いているから大丈夫ですという話があったわけですけれども、実際に破れて下に漏れているということがある、そういう万一の事態があるので、我々の生活に密接に関係する水源地、これはやはり守って、そこを外すべきなんだ、そういう考え方だと思うのですね。ですから、しっかりと調査します、評価しますということだけでは足りないのではないかというふうに思うのです。
ただ、そうすると、処理場ができませんよ、全国各地できるところがなくなってしまいますよ、そういう考え方もあろうかと思うのですけれども、その点につきまして、先ほどの答弁よりさらに突っ込んだ御答弁をいただければと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/97
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098・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 水道水源との関係につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、周辺の生活環境の調査をやりますほかに、水道、そういう水質問題を含めました生活環境保全上の観点からの住民あるいは関係市町村長からの意見をお聞きいたしまして、それらを踏まえて、専門家による科学的な審査を経て設置を許可するというふうなことを法律の中で手続を定めたわけでございます。
そういう意味から申し上げますと、例えば水道水源に近いところに設置をするというふうな場合には、特にそういう点に十分配慮したものになつているのかどうか、すなわち、汚染されるようなおそれがないのかどうかという点は、当然重点的に審査をされるべきものというふうに私どもとしては考えておりまして、一律的に水源地域に立地を規制するというふうなことになりますと、我が国は国土が狭いわけでございますし、内陸部のあらゆる地域が水道水源と無関係とは言えないというふうなことがございますので、そういったことで、設置手続を厳正にするといたしますとともに、維持管理の状況につきましては、それを記録させ、しかも閲覧させるというふうなことで、問題が生じているかいないかということをチェックいたしますとともに、もしも問題が生じていれば迅速に適正な措置をとれるようにするという法律上の手当てをしておりますので、一律に規制するという必要はないものというふうに私どもとしては考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/98
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099・福島豊
○福島委員 さらにちょっと重ねてお聞きしたいのですが、科学的な調査をするというお話ですけれども、リスクの評価のような基礎的なデータというのはあるのですか、どの程度の危険率でひょっとしたら水道水源を汚染するかもしれないという。科学的に評価するということ自体が私もよくわからないのです、具体的な手順というのが。
今までの処分場でもある程度科学的なデータに基づいてつくられていたと思うのです。何もでたらめにつくったということはないと思うのです。ですから、本当の意味で科学的な評価をする‘それで大丈夫ですよと言うためには、今までのいろいろな処分場で問題を起こしたケースがありますね、そういうもののデータをきちっと集めてリスク評価をするというのですか、厚生省としてはそういうことも同時にやっていただいた方がいいのではないか、そんなふうにも思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/99
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100・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 専門的な事項につきましては、先ほど来申し上げておりますように、専門委員会で御検討いただいておりまして、先生御指摘のように過去の事例、不幸にして起こった事例というふうに私は思いますけれども、そういう事例から学ぶということも非常に多いというふうにも思います。
それから、さらにいわゆる水道水源との関係で申しますと、例えば地形、地学でございますが、そういった要素も重要な要素ではないかと私は思いますので、そういったことも含めまして、過去の事例から学べることは十分学びたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/100
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101・福島豊
○福島委員 次に、問題になっておりますミニ処分場でございます。これは今後許可対象とする方向で検討を進めるというふうな御発言がございました。これはどの程度の期間でこれを進めるのかということをお聞きしたいのが第一点。
それからまた、そういう御発言がありましたから、駆け込み的にミニ処分場をたくさんつくるという考え方も当然あろうかと思うのです。ですから、ある程度は過去にさかのぼってといいますか、規制をするというか管理をするといいますか、そういう方向も必要なのではないかというふうに思いますが、この点についての御見解をお聞きしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/101
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102・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 許可対象未満のいわゆるミニ処分場におきましては、悪臭、汚水等々、周辺環境に支障が生じた例がございまして、このことがいろいろ問題を起こしているわけでございます。
そこで、今回の法改正の施行にあわせまして、すべての最終処分場を許可対象とするように、今、専門委員会においてすそ切りを廃止することについて検討いただいておりまして、専門委員会の報告につきましては、本年の秋ごろを目途に取りまとめることを予定いたしております。
また、既存の施設につきましては、基準の強化につきまして一定の猶予期間を置いた上で、適用可能なものはできる限り新基準を適用する方向で検討しておりますほかに、設置手続につきましては、その施設が法施行後に変更の許可を受けようとする場合には新たな手続にのっとるということが必要となるわけでございます。
それからまた、駆け込み防止策につきましては、私ども、非常に重大な関心を持っております。そこで、そういったことが懸念されるわけでありますが、施設のすそ切りの廃止や見直しにつきましては、その施行を早めることを検討いたしますとともに、施行前に安易な施設の設置がなされることのないように都道府県に対して指導していくこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/102
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103・福島豊
○福島委員 よろしくお願いいたします。
次に、安定型処分場のあり方について、先ほど局長の方から御答弁がございました。搬入管理をきちっとしなければいけませんという話なんですが、先ほどのお話を聞いておりまして、廃棄物を展開してみて不適切なものは取り除いてやる、監視員も置く、これは現実にできるのだろうかというふうに私は率直に思います。トラックで持ってきたものをがさつと展開して、一々これはどうやというふうなことをやって、それで適切でないものはまた集めてどこかよそに捨てに行くということをせんならぬわけですね。そこまで本当にしてくれるのだろうかと。
例えばチェックしますね、やっていますかと点検する、そのときはやったとしても、三百六十五日、点検の日以外は全然やらないとか、そういうことも十分考えられるわけでして、ですから、性善説に立ちますとそういうふうにやっていただけるということになりますけれども、そうでない。むしろ、先ほどからも御指摘ありますけれども、少々別のものが入っても大丈夫ですよ、そういう方向で見直すということが一番適切な対応なのじゃないかと思うのですね。性善説に期待しないときちっとした対応ができない対応では、これはやはりどこかで必ずトラブルを起こすのじゃないか、そんなふうにも思います。この点につきましての御見解をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/103
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104・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 安定型処分場での処分に当たりまして種々トラブルが生じておりまして、これを防ぐことは非常に重要な課題でございます。
そこで、私どもといたしましては、いわゆる展開をして分別するとか等々の措置を考えているわけでございますし、そういったことで諸基準をいろいろ御検討いただいているところでございますが、そういうことで相当強化されるというふうに私どもとしては考えております。
ただ、これも性善説から性悪説、いろいろあるとは思いますけれども、安定型処分場の信頼性を増すという観点からも、監督指導につきまして、それを強化することによりまして安全性の確保の向上を図るということが重要な課題であるというふうに認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/104
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105・福島豊
○福島委員 ぜひ的確な対応をよろしくお願いいたします。
次に、今回の法律では維持管理積立金というものが積み立てられて、その維持管理に資する、そういう仕組みを導入するわけでございますが、法案の中では特定最終処分場という言葉が使われております。その特定というのは、今後詰めていかれるのではないかというふうに思うわけでございますが、現在、管理型、安定型、遮断型とあるわけでございますが、どのタイプの処分場がこの特定最終処分場に相当することになるのかということにつきまして、基本的なお考え方をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/105
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106・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回新たに設けます維持管理積立金制度につきましては、最終処分場の埋め立て終了後も長期にわたって水処理等の維持管理が必要でございまして、その費用をあらかじめ積み立てるものでございますが、このため、基金の対象といたしましては、埋め立て終了後長期にわたりまして維持管理が必要となる管理型最終処分場を想定しているところでございます。
ただし、地方公共団体が設置するものにつきましては、設置主体であります地方公共団体が常に安定した収入を確保することができまして、倒産等によりまして存在しなくなるという事態は想定されないわけでございますので、積み立て義務の対象としない予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/106
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107・福島豊
○福島委員 この積立金ですけれども、これもまたこれから検討するということかと思いますが、どのくらい積み立ててもらうのか、その算定を都道府県が行う。その算定に当たって、細かな数字はともかくとしまして、基本的にどういう考え方でこれを算定することになるのか、お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/107
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108・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 維持管理積立金の額についてでございますが、毎年度、都道府県知事が、国が定めます算定基準に従いまして、個別の最終処分場ごとに算定をする予定といたしております。
この算定基準につきましては、現在検討中でございますが、具体的には、当該最終処分場の埋め立て終了後の維持管理に必要な費用を埋立容量や埋め立てる廃棄物の種類等から推計いたしまして、これを埋立期間中に過不足なく確保できる額とする考え方に基づいて設定することとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/108
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109・福島豊
○福島委員 この維持管理に必要な費用というのは、恐らく今までのデータで大体どれぐらいかかるのかということは明らかになっているのかなと思います、詳しいことはわかりませんけれども。
ただ、不測の事態というようなことが起こり得るわけですね。トラブルが起こり得る。余計にお金がかかるということも当然あるのかなというふうに思うわけでございますが、そういう場合の対応というのは、これはどうなるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/109
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110・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 必要な積立金の額につきましては、埋め立ての状況によっても変わってきますことから、御指摘のような事態が生じないように、都道府県におきまして、施設の運営状況、維持管理の実態、埋め立ての状況等を的確に把握の上、必要に応じて額を加算するなどして、不足が起こらないような対応をしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/110
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111・福島豊
○福島委員 この維持管理状況については、今回の法案では、情報公開という観点から、記録して閲覧させるというような形になっておりますけれども、都道府県はこの積立金の算定業務を行わなければいかぬわけですから、都道府県に対して、業者の方は維持管理状況についてきちっと報告する義務を与えなければならないのではないか。積立金の算定ということにも資するわけでございますし、また、不適切な維持がなされていた場合にはそこに指導するということもあると思いますけれども、この報告義務につきましてはどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/111
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112・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 維持管理積立金の額の算定の適正を期しますために、最終処分場の設置者が、毎年度、積立金の額の算定に必要な維持管理状況につきまして都道府県に報告するよう、厚生省令において定める予定でございます。
〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/112
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113・福島豊
○福島委員 先ほどの御答弁ですと、特定最終処分場には管理型の処分場が入るということでございますが、遮断型の最終処分場について、これは閉鎖することを認めずに永続的に管理を行うべきである、閉鎖すべきではないという御意見もあります。そうしますと、この特定最終処分場の一つの対象になろうかという思いもするわけでございますが、この点につきましての御見解をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/113
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114・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 遮断型処分場に関しましては、有害物質を中間処理によりまして無害化、安定化することができる場合には、中間処理を行う方向で専門委員会で見直しを進めているところでございますが、遮断型最終処分場につきましては、現在、その制度のあり方につきまして、専門委員会において検討を行っていただいているところでございますので、その結果を踏まえまして、適切に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/114
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115・福島豊
○福島委員 次に、廃棄物処理センターについてお尋ねをしたいと思います。
これは、参議院での審議でも繰り返し取り上げられております。現在、八県でしか設立されていない、この設立を推進すべきであるという意見もございました。この八県でしか設立されていない、岩手県が一番最初でしたでしょうか、それぞれのセンターの運営状況が一体どうなっているのか。
心配いたしますのは、第三セクターでつくるということでございまして、恐らくコストが非常にかかっているのではないか。そうしますと、民間の最終処分場に比べますと、民間の業者に比べますとどうしても競争力がなくて、敬遠される傾向にあるのではないか。そうしますと、また悪循環でして、なかなか採算がとれない。そうしますと、それを周りで見ている県は、やっぱりやるのをやめようかなというような話にもなろうかなとも思うわけでございます。
実際に二カ所、処分場が開設されておりますけれども、その運営状況等につきましてお教えをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/115
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116・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 廃棄物処理センターにつきましては、御指摘のとおり、現在、岩手県と大分県の二県で施設の供用が開始されております。
これらの施設につきましては、周辺地域の生活環境に十分配慮したモデル的な施設でございますために、相当の値引きを行っている処分業者と比べますと処理料金がやや割高であるということ等から、処理実績は当初の目標に達しておりませんで、当初予定した収入が確保されていないという状況にございます。
厚生省としては、適正な処理のためには相応のコストが必要であるという点について関係者の認識を深めるよう努めてまいりたいと考えておりますし、今後、マニフェストの適用や産業廃棄物処理施設の構造基準等の強化によりまして、不当に低廉な処理料金を設定いたしまして不適切な処理を行う悪質な処理業者を排除いたしまして、適切な料金により適正な処理が行われるような環境を整備してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/116
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117・福島豊
○福島委員 確かに、局長おっしゃられますように、安ければいいという時代はだんだん過ぎ去っていくのだろうと思います。いかに適切に処理がなされるのか、また、そういうことを排出者も要求されるような時代になってくるのだろうと思います。その時代に向けまして、このセンターの整備ということこつきましては御努力をいただきたい、そのように思います。
次に、先ほどからも御質問がございます項目でございますが、最終処分場の設置の手続ということでございます。
今回の法改正におきまして、るる新しい項目が設けられた箇所でございます。全国各地でさまざまな紛争が起こっている、この紛争を解決するためにはどうしたらいいのか、そういう観点で御検討をなされて、そして今回の法改正に盛り込まれた内容だろうと私は思っておりますが、この点につきまして、一つ一つ、若干重なる質問もございますけれども、御確認をしたいと思います。
施設の設置手続におきまして、「利害関係を有する者は、」「意見書を提出することができる。」ということになっておりますが、「利害関係を有する者」の範囲はどのように決められるのか、この点について御質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/117
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118・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回の改正案におきましては、施設の設置手続といたしまして、利害関係を有する者や市町村長の意見を聴取することとしておりまして、これらの意見につきましては、設置許可の審査に当たりまして、専門家の意見も踏まえつつ、適正に配慮していくこととしておりますが、このような意見聴取の趣旨から、「施設の設置に関し利害関係を有する者」の範囲としては、あらかじめその範囲について一定の基準を設けるというものではなくて、むしろ、個別の施設の立地ごとに、幅広く意見の提出をいただいて、その上で都道府県において生活環境保全上の見地から適切に判断していただくということが適当と考えておりますが、例えば近隣の居住者というのは、一般にこれに該当するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/118
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119・福島豊
○福島委員 幅広くということでございますと、門戸を狭くして、あなたは関係ありませんよ、意見書を提出してもだめですよということは余り口うるさく言わない、そんなふうに受けとめてよろしいのでしょうか。
次に、先ほど、「周辺地域の生活環境」ということにつきまして、どのようなことを調査するのかということについて局長からの御答弁がございました。水質汚濁につきましても調査するという話がありました。
先ほどの水道水源の問題と関連するわけでございますが、最終処理場で問題になりましたのは、地下水の汚染ということが問題になったわけです。この水質ということに関しまして、地表を流れる河川の水質だけの問題なのか、それとも地下水も視野に入れるのか、先ほどの御答弁ではそこのところがわかりませんでしたので、重ねて、どうお考えなのかをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/119
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120・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 生活環境影響調査におきます生活環境への影響とは、廃棄物処理施設の設置に伴いまして生じます放流水によります水質汚濁あるいは排ガスによる大気汚染、廃棄物の処理に伴って発生します悪臭、騒音等の影響を想定いたしておりますが、その評価につきましては、知事が環境基準等を勘案して判断することを考えております。
なお、地下水の影響につきましても、通常、この勘案すべき生活環境に含まれるものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/120
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121・福島豊
○福島委員 そうしますと、例えば井戸水の水質がこうなった、それは当然勘案されるということですね。――わかりました。
それから、その手続におきまして、一定の意見具申し立ての機会を与えていることは確かに事実だと思います。先ほども大野委員の方からの御指摘がございましたけれども、この法律を読んでいますと意見は言える、聞きおくという話を先ほどされましたけれども、地域住民が反対だったとしても、最終的には、専門家が、これは適切に配慮している、生活環境に配慮している、そういうふうに判断をすれば都道府県知事はその許可をおろすことができる、そのプロセスにおいてはきちんと意見を出す機会も与えたじゃないか、だからそれは認められませんよということになってしまうのではないか、逆にその意見を封殺することになってしまうのではないか、そういうふうにも思うわけです。
ですから、私は、この法律に関しまして、意見を申し立てる機会を与えるだけでなくて、それを尊重する、やはり尊重するという言葉が要るのではないかというふうに思うのです。この点についてのお考えをお聞きしたいのが第一点。
それからまた、その意見の提出期間が二週間ということなんですね。二週間というのは余りにも短い。地域の方も、仕事もありますし、そういうことばかりにかかわっているわけではございませんから、やはりもっと長くとった方がいいのではないか、そのような意見もございます。
この点につきましての御意見をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/121
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122・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回の改正案におきましては、許可要件といたしまして、施設の構造や維持管理が周辺地域の生活環境保全に適正に配慮されているということを加えることといたしまして、都道府県知事において、この許可要件への適合性を適切に審査いたしますために、関係住民の意見を聴取するということとしたものでございます。
したがいまして、住民の意見聴取につきましては、単に聞くだけというようなものではなくて、許可の審査におきます生活環境保全への適正な配慮がなされているかどうかを判断する上で重要な判断材料となるものでございまして、中立的、専門的な立場からの専門家の意見を踏まえた上で都道府県知事が判断をすることとしているところでございます。
制度の施行に当たりましては、このような改正の趣旨を踏まえまして、適正な運用を図るように都道府県に対して指導してまいりたいと考えております。
また、申請書等に対します住民の意見提出期間については、住民の意見を廃棄物処理施設の設置許可に適切に反映する観点から、他法令の例も参考にしつつ、申請書等を一カ月縦覧した後に、さらに二週間の意見提出期間を設けたものでございまして、現行法制上最大限の期間を設定しているところでございまして、妥当なものというふうに考えております。
ちなみに、環境影響評価法におきましては、縦覧期間一カ月、意見締め切りは縦覧期間満了後二週間というふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/122
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123・福島豊
○福島委員 地域住民の意見は、重要な判断材料であって尊重されるのだ、そういう趣旨が込められているのだという御説明でございました。
先ほど大野委員からの御質問に対しての御答弁で、さらにこの点を確認したいと思うのですが、都道府県知事が住民の意見と異なった結論を出した場合、私は、その判断に対して、どういうふうに意見を反映したのだという議論が必ず地域から出ると思います。無視したのじゃないかという議論になると思います。
ですから、異なった結論を出した場合に、なぜそういう判断になったのか、専門家の意見というのは、判断というのはどうだったのかということについて、そういう場合にはきちっと説明をすることが必要なんじゃないか。先ほども、十分な議論の上で調整をしてもらうのだと。その途中の話でしょうか、水面下の話でしょうか、法律には盛り込まれないこともあるのでしょうけれども、その説明義務というのでしょうか、それを明らかにしていただきたい、そのように思うのですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/123
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124・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回の改正案におきましては、施設の設置手続といたしまして、施設の設置者に対しまして生活環境影響調査の実施を求めますとともに、意見聴取をし、専門家の意見も聞いた上で許可に適切に反映させるということとしているところでございますが、この設置手続の実施に当たりましては、専門家の意見聴取の方法、あるいは今先生からお話のございました住民に対する説明などの制度の具体的な運用につきましては、各都道府県の判断にゆだねられるというふうに考えておりますけれども、厚生省といたしましては、今回の制度改正の趣旨に沿った適切な運用が行えますよう、都道府県に対しまして適切に指導してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/124
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125・福島豊
○福島委員 また、地方自治体の条例でありますとか要綱でありますとかでは、住民及び関係市町村の同意を必要としている場合もありますし、また、説明会でありますとか公聴会を規定している場合もあります。
今回の法改正によりまして、こういった従来の条例、要綱によりまして、描出しといいますか、自治体によって決められている住民参加の仕組み、これは尊重されるのかどうかということについて、再度御確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/125
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126・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 これまで、廃棄物処理法におきましては、住民等の意見を適切に反映させる手続が定められていなかったために、各都道府県におきまして、これらを補完するために、要綱等によりまして独自の設置手続が定められてきたという経緯がございます。
今回の改正案におきましては、施設の設置手続につきまして、都道府県の要綱等の目的、内容、限界といったものも十分踏まえながら、必要なものについて共通のルールとして法律に明確に定めることとしたものでございます。
廃棄物が広域的に処理されているという実態を踏まえますと、今後は、基本的には、今回の改正に基づいて全国統一的なルールによって実施されることが望ましいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/126
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127・福島豊
○福島委員 といいますと、この条例、要綱等で説明会とか公聴会を規定している場合には、それは望ましいことではない、統一のルールでありませんからということなんでしょうか、局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/127
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128・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 実際に、具体的に住民の皆さんの理解を求める手段というのはいろいろあるわけでございますので、個々具体的な事例に即していくべきであるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/128
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129・福島豊
○福島委員 よくわかりました。適切な御指導を今後ともよろしくお願いいたします。
次に、不法投棄対策についてお尋ねをしたいと思います。
これも参議院での審議、衆議院での審議でいろいろと指摘をされているところでございますが、実際に、不法投棄というのは、平成五年、六年、七年と増加をしております。決して少なくはなっていない。現状さまざまな監視体制がありまして、警察とも連携をとりながら十分やっておられるという御答弁でございましたが、単純に言いまして、件数が非常にふえてきているわけですから、監視体制というのはやはり拡充していく必要があるのではないかというふうに、単純にそう考えるわけですけれども、この点についてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/129
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130・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 御指摘のように、平成五年度から七年度にかけまして、不法投棄件数及び投棄量ともに増加をいたしております。
不法投棄を防止いたしますとともに、早期に適切な指導を行いますためには、都道府県の監視取り締まり体制をより一層強化することが重要というふうに認識いたしております。
そのため、警察当局との連携の強化、関係市町村や住民の協力も得ながら、地域の実情に応じて、効果的な監視指導体制が強化される方向で対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/130
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131・福島豊
○福島委員 ぜひよろしくお願いいたします。
これは御確認でございますが、その不法投棄に対しての罰則は、現状ではどのようになっておりまして、これからどのように改められるのか、御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/131
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132・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 現行法におきます不法投棄に対する罰則は、特別管理産業廃棄物等の投棄禁止違反につきましては一年以下の懲役または百万円以下の罰金、その他の廃棄物の投棄禁止違反につきましては六カ月以下の懲役または五十万円以下の罰金となっておりますが、今回の改正案におきましては、産業廃棄物の不法投棄につきましては、廃棄物の種類を問わず三年以下の懲役または一千万円以下の罰金またはこれの併刑となっておりまして、さらに、法人の場合には最高一億円までの罰金を加重できるようになっておりまして、罰則の大幅な強化を図ることといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/132
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133・福島豊
○福島委員 実際に、近年におきまして、不法投棄事業者に対しまして、処分の状況は一体どのようになっているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/133
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134・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 厚生省におきまして各都道府県を通じて調査した結果によりますと、平成五年度におきます改善命令の件数は八十二件、業の許可の取り消し件数は二十二件となっておりますが、これらの処分の理由が不法投棄に伴うものであるかどうかは把握をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/134
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135・福島豊
○福島委員 ぜひ厳格な対応をお願いしたいと思います。次に、原状回復措置につきましてお聞きをしたいと思います。
今回、産業廃棄物適正処理推進センターというものを設けまして、そこに事業者から基金を出資していただきまして、そして原状回復措置に資するという仕組みをつくられるわけでございますが、まず第一点目は、事業者からの基金の拠出を求めるわけでございますが、一体どのくらいを目標にして出していただくのか、この点についてお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/135
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136・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 不法投棄につきましては、依然として後を絶たない状況にございますけれども、平成三年の廃棄物処理法改正によります措置命令権の発動要件の緩和あるいは都道府県におきます監視指導体制の充実によりまして、平成三年改正以降は、一件当たりの不法投棄は小規模化の傾向にございます。
厚生省の調査によりますと、平成五年度から七年度の平均で、原因者不明等の不法投棄の投棄量は年間約十万トンでございます。
今回の改正によります罰則の強化やマニフェスト制度の拡充によりまして、不法投棄量は相当減らすことができるものと考えておりまして、さらに、委託基準の強化あるいは監視取り締まりの徹底を図ることによりまして、可能な限り原状回復に必要な額を減らしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/136
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137・福島豊
○福島委員 確かに減らすことは大切でございますが、やはり目標がなければ、集めるといいましてもなかなか集まらぬのではないか。このぐらい要りますよと多目に申し上げた方がいいくらいではないかというふうに私は思いますが、どんなものなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/137
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138・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今御答弁申し上げました十万トンを前提に試算をしたとしますと、その十万トンすべて撤去した場合の費用については、年間十五億円程度と試算をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/138
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139・福島豊
○福島委員 その前後ということになるわけですね。
実際に出捐をを求める事業者の方、これは排出される側も含まれるのか、その範囲はどのようになつているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/139
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140・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 厚生省の調査によりますと、産業廃棄物の不法投棄の実態につきましては、業種により相当の違いがあります。投棄者不明等の場合では、約九割は建設系廃棄物が占めるという実態にございます。
このため、基金への拠出につきましては、当面は、建設業界を中心に要請を行っていくことを考えておりますが、不法投棄の実態も踏まえまして、必要に応じて関係する業界に対しても要請してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/140
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141・福島豊
○福島委員 当然、また国からこのセンターに対しましては一定の補助金が出るのかなというふうにも想像いたしておりますが、これはまだ現時点で予算を云々するのはあれだという話になろうかと思いますけれども、どの程度の補助金を考えておられるのか、もしよろしければお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/141
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142・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 産業廃棄物適正処理推進センターに設けられました基金につきましては、厚生大臣の要請によりまして、産業界の自主的な拠出により造成されるものでありまして、国としても、基金に対して必要な支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
具体体的な実施方法あるいは費用負担等につきましては、原状回復措置が行政と産業界の理解のもとに円滑に行われますように、関係者の協議の場を設けることを考えておりまして、このような協議の場を通じまして、関係者の相互の理解を得ながら決定してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/142
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143・福島豊
○福島委員 全国知事会の意見書で、「不法投棄の原因者が不明・無資力等の場合においても迅速かつ円滑に原状回復が行えるよう、その費用負担を含め、産業界がその責務を果たすこととした制度を創設する必要がある。」これはこの法案が提出される前のことでございますけれども、要するに、都道府県の知事さんにしてみると、余りお金がかかって都道府県の財政に影響があるのは困るということなんだろうというふうに私は思います。しっかりと事業者の側で負担をしていただきたいと。
実際に都道府県から原状回復措置に対する資金の要請があった場合に、これに対してどのような基準でセンタしから資金が拠出されるのか。全部出しますよと言いますと足りなくなるという話も当然ありましょうし、それについての基本的な考え方、要するこ半分半分ですとか、どのようにお考えなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/143
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144・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 原状回復措置の具体的な実施方法あるいは費用負担等につきましては、生活環境審議会の答申にもございますように、行政も産業界もそれぞれ分担し合ってということになりますので、そういう理解のもとに円滑に行われますように、協議の場を設けることを考えておりまして、今後、このような協議の場を通じまして、関係者の理解のもとに適切な制度の実施を図ってまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/144
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145・福島豊
○福島委員 先ほどの御説明ですと、マニフエスト制度も改善されますし、監視体制も強化されるということで、この不法投棄というのは少なくなっていく、限りなく減らしていきたいということだったわけでございますが、実際にこのセンターをスタートさせまして、事業者から出していただく部分もありますし、国が出す分もありましょうけれども、この経過の中で、資金の要請が基金の限度を超えた場合にこれはどうするのか。
これも非常に定性的なことでございますから基本的な考え方というのがあろうかと思うのです。足りなければ都道府県でやってくださいというのか、足りなければ国が応援しましょうというのか。先ほどの知事会の意見書も、このあたりのところは極めて大切なポイントだと私は思うわけでございますが、その点についての基本的な考え方を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/145
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146・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 不法投棄に関しましては、何よりもまずその防止ということが大事でございますが、不幸にして不法投棄が起こり、原状回復をしなければならないというような場合には、都道府県が原状回復事業を行います場合には、必要な資金が確保されますように、厚生省として、産業界に積極的な拠出を要請してまいりたいと思っておりますし、必要な支援も行ってまいりたいと思っておりますが、その具体的な運用をどうするかという細かい点がございます。
すなわち、予算主義なのかどうかとかいうこと等がございますので、それは、先ほど来お話を申し上げておりますように、早急に関係者の協議の場をつくって、心拠出方法、運用方法等について協議をしながら進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/146
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147・福島豊
○福島委員 今後検討ということ以上にはなかなか御答弁がありませんが、この地方自治体の負担、重いですね。要するに、よそからやってきて捨てていったものを何で自分の県でやらなければいかぬのだ、そういう思いがあるわけですので、その点につきましての御配慮をぜひともよろしくお願いしたいと思います。
最後に、もう時間も短くなりましたので、処理業者の許可要件の強化につきましてお尋ねをしたいと思います。
今回、許可要件が強化されたわけでございますが、これは、実際にどの程度実効性があるのかということが問題だと思うのですね。役員の実態の把握をどうするのか、この点についてはどのように対応されるおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/147
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148・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回の改正におきましては、廃棄物処理に対します国民の不信を払拭いたしまして、処理業者の質の確保を図るというために、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の違反者や許可を取り消された法人の役員を欠格要件に追加いたしますとともに、いわゆる黒幕規定を設け、法人に対して役員と同等以上の支配力を有すると認められる者は、役員と同様に欠格要件に該当すれば排除できるとしたところでございます。
なお、この欠格要件の審査に当たりましては、警察当局と十分連携を図ること等によりまして対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/148
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149・福島豊
○福島委員 また、こういう意見もございます。
現在、施設の申請許可と処理業の許可が別個に行われている。施設の要件審査では、申請者の資質や資格は審査されない、建物のことだけですね。施設ができてから処理業の審査を行うのでは、問題があって蔵不許可にすることは困難になるのじゃないか、もう物ができてしまっているわけですから。ですから、これを一体化してやった方がいいという意見があります。
施設の申請許可と処理業と一体化してやった方がいい、この点につきましてはどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいど思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/149
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150・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 処理業の許可要件といたしましては、その事業を的確かつ継続して行うに足る適切な施設を有しますとともに、申請者がその事業を遂行するのに十分な能力を有しているということを求めているわけでございます。
このため、都道府県におきましては、まず、施設の設置の許可を行いまして、その上で、当該施設に関します事業遂行能力を審査いたしまして処理業の許可を行うという運用が行われているところでございます。
この業の許可と施設の許可は、言うまでもなく、適切な事業運営を確保するためのいわば車の両輪でございます。厚生省といたしましては、これらの二つの許可手続が連携をとりながら適切に行われるよう、都道府県に対して指導してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/150
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151・福島豊
○福島委員 以上で私の質問を終わりますが、住民の声そしてまた地方自治体の声、この声をしっかりと尊重していただいて、適切な運営をしていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/151
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152・佐藤剛男
○佐藤(剛)委員長代理 枝野幸男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/152
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153・枝野幸男
○枝野委員 私は、特に廃棄物の焼却施設からのダイオキシンの発生の問題について御質問させていただきたいと思っております。
まず、廃掃法では、規制の対象になっております焼却施設が、一日の処理量五トン以上というものが許可対象の基準になっておりますが、例えば、処理量四・九トンという届け出をしながら現実には五トン以上の焼却を行っているというような例がちまたでかなり強く言われております。例えば、私の地元の埼玉県などについて、特に所沢かいわいを中心としてこういった問題が深刻でありますが、県の方に問い合わせをしてみましたけれども、そういった事例についての調査その他はしていない、できていないというようなお答えもいただいています。
厚生省として、こうした四・九トンとか四・八トンとか、許可対象にならない施設について、実は五トン以上やっているのじゃないかというようなことについての実態をどう把握されているのか、お考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/153
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154・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 御指摘のように、許可対象となりません。日当たりの処理能力が五トン未満の小規模の焼却施設におきまして、不適正な焼却が行われましたり、稼働時間を延長することによりまして一日五トン以上の焼却を行う例もあるというふうに言われております。
処理能力が五トン未満でありまして、大気汚染防止法の届け出施設となっている施設だけでも約八千に上りまして、それ以下についていいますと約八万七千と推定をされるなど、多数の施設が設置をされておりまして、現在のところ、このような小規模な施設に対しまして、行政として必ずしも十分に目が行き届かない面があるものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/154
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155・枝野幸男
○枝野委員 基準のところを一種ごまかしているのじゃないかという話と同時に、もう一つございますのは、一日の処理能力五トン未満の施設であっても、ダイオキシンの発生という問題について考えてみたときには、むしろ規模を大きくしてしっかりと処理をした方がダイオキシンの発生は低くて、小規模の方がダイオキシンの発生が大きいのではないかというような指摘もなされています。
そういったところについて、この八万という個別の、なかなか情報はとりにくいだろうと思いますけれども、どういう認識をされておられるのか、お考えをお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/155
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156・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 現在、廃棄物処理施設の、いろいろな施設の基準につきまして専門委員会で御検討いただいておりまして、その中で、従来、環境庁がおやりになりました調査もございますし、それから、私どもといたしましても、幾つかの御指摘のような施設も含めまして少しチェックをしてみまして、適切な施設基準こ反映できるような方向での資料収集を行いました上で検討いたしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/156
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157・枝野幸男
○枝野委員 できればその方向性というものを具体的にお示しいただければと思っておるのです。
現状での五トンという線の引き方が、確かに五トンを超えるものでも八千ある、さらにこの線を低くすればこの数が急に大きくなるということで、実際に、例えば許可対象ということにしたとしても全部をチェックし切れないというような問題を確かに抱えていることは理解できないわけではありませんが、現実の問題として、圧倒的な数、全体の八割、九割の数が全く野放しになっているという状況が、環境問題あるいは健康への影響というようなことを考えたときにこれ以上放置できるのかといえば、なかなかそうではないだろう。この五トンという線を、例えば大気汚染防止法ではもっと低い基準のところで、焼却施設について、これは粉じん、灰ですか、そういったもののチェックといいますか、そういったことをさせているというようなこともあるようであります。
きょうの段階でどの辺に線を引くというところまでは言えないかもしれませんが、この五トンというすそ切りの線というものを下げるという方向で進めていくというお考えはないかどうか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/157
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158・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 現在、許可対象となっておりません小規模の産業廃棄物焼却施設の中には、粗悪な構造であって野焼き同様の処理が行われている例も見られるわけでございまして、規制の強化が必要だと考えております。
このため、小型焼却炉のあり方につきましては、現在、生活環境審議会の廃棄物処理基準等専門委員会の中で検討を行っているところでございまして、一般廃棄物処理施設、産業廃棄物処理施設を問わず、自己処理の場合も含めまして、より小規模なものも許可対象といたしまして、構造、管理の基準を適用するよう、すそ切りを見直す方向で検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/158
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159・枝野幸男
○枝野委員 最初のところでもお答えがありましたように、確かに、対象を広くすれば広くするほどチェックがしにくくなるというようなことはわからないではない話であります。そして、私どもの党は特に行政改革を唱えている党でありますので、人手をふやしてでもチェックをしろというのはなかなか言いにくいところではありますが、現実の例えば行政改革というものは、まさに時代の要請、時代の変化に応じて必要なところに必要な人の配置を行っていくということにあると思っています。
ここでまた、どこそこの人手、役所は要らないからと言うと問題になるのかもしれませんが、時代の変化に応じて、必要がなくなった、必要性が乏しくなった部署から、こういったもののチェック、まさに規制緩和の流れの中で、こういう環境とかあるいは人体への影響という部分の規制だけはしっかりと強化していかなければならない。そういったところに人の配置を変えていくというようなことを進めながら、しっかりとしたチェックをできるような、もちろんすべての焼却施設をということはできないでしょうけれども、ある一定規模以上の施設についてはきちんとチェックができるようにする、そのことによってダイオキシンの発生をまずは把握をし、そして抑えていくという方向にしていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
次に、もう一つ、この焼却施設とダイオキシンあるいは産業廃棄物の最終処理との絡みの中で、当然のことながら、物を燃やせば灰が出ます。そして、この灰の中のダイオキシンなどということについては、当然問題になっていくと思います。現在、この廃棄物の焼却施設から出た灰の処理のシステムというものはどういうふうになっているのか、御説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/159
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160・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 焼却灰につきましては、通常、管理型処分場で処分することとなっておりますが、現在、許可対象とならない小規模な焼却施設や、不適正処理の温床と言われるいわゆるミニ処分場等の問題もございまして、都道府県の監視が行き届かない場合もあるものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/160
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161・枝野幸男
○枝野委員 これに対してどうしった対応を、つまり、特に小規模な施設等について野放していいという話にはならないのでしょうけれども、対応について何かお考えのことがあるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/161
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162・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 こういった事態に対応いたしますために、今後は、焼却灰等の適正な処理の推進を図りますために、焼却施設のすそ切りを引き下げまして、焼却灰の処理を含めた施設の維持管理に対します指導監督を強化いたしますとともに、ミニ処分場をすべて許可の対象とする、あるいはマニフェスト制度を焼却灰も含めすべての産業廃棄物に拡大をいたしまして、廃棄物の適正な管理を図る等の措置を講じていく考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/162
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163・枝野幸男
○枝野委員 そのマニフェストの関係なんですが、ちょっと確認をさせていただきたいのですが、今回の改正が行われたことによって、あるいはこれに基づいて政省令などをつくることによって、焼却灰がマニフェストの対象になるという方向が固まっているという理解でよろしいのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/163
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164・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 対象をすべての産業廃棄物に拡大をいたしますので、当然含まれるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/164
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165・枝野幸男
○枝野委員 それは、一歩前進ということで評価をさせていただきたいと思っております。
この焼却灰というものを考えましたときには、産業廃棄物一般を見ても、そのマニフェスト、管理票でしっかりどこまで把握できるのかということは、この委員会の中などでもいろいろと指摘がされてきているところと思いますが、特に、もともどの量と灰になったときの量との差が著しく違います。いろいろなものを集めてそれを燃やしてしまうということになるわけなので、それから灰になっていますから、不法投棄的なことをやるにしても、ゴムタイヤがそこら辺に山積みになる話ですらいろいろごちゃごちゃある中で、灰をそこら辺にいいかげんにまくという話は、ある意味ではもっとやりやすい意味を持っています。
そうした意味では、マニフェストを導入するにしましても、そうした焼却灰の特性といいますか、そういったところを配慮して、ごまかしがしにくい、あるいはごまかしができないような対応が必要ではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/165
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166・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 産業廃棄物管理票制度は、排出事業者がみずからその委託に関します産業廃棄物の処理が適正に行われたことを確認することが基本でございますが、その適正な実施を確保いたしますためには、都道府県におきましてきちんと点検することが重要であると考えております。
このため、都道府県におきまして、立入検査の際に、管理票の記載内容と帳簿の記載内容等を照合いたしまして、処理の実態との整合性を確認するなど、管理票を監視、指導に有効に活用いたしますよう、都道府県に対しまして指導してまいりたいというふうに考えております。
また、管理票の不正使用等を行う処理業者に対しましては許可の取り消し等の厳しい措置をとるよう、これも都道府県に対して指導してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/166
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167・枝野幸男
○枝野委員 特に都道府県が実際の現場の仕事をするわけですから、ぜひ十分な指導監督をしていただきたいという要望をしておきたいと思います。
もう一点、いわゆる野焼きと言われているやり方で廃棄物が処理をされている。いろいろな意味で、もちろんダイオキシンの発生を含めて問題を抱えているわけでありますが、まず確認をさせていただきたいと思いますが、現状の野焼きに対しては、いわゆる改善命令等の手続のみで罰則がないという現状認識をしているのですが、それで間違いございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/167
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168・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 現在、廃棄物の処理基準におきましては、「廃棄物を焼却する場合には、焼却設備を用いて焼却すること。」とされておりまして、野焼き行為は禁止されておりますとともに、これが行われた場合には処理基準違反となりまして、都道府県知事は改善命令を行うことができることとなっております。
しかしながら、「焼却設備」の定義が明確でないために劣悪な設備によりまして事実上の野焼きが行われる等の問題が生じておりまして、ダイオキシンの発生抑制の観点からも必要な対策が求められているところでございます。
このため、今後は、焼却設備が備えるべき要件を明確にいたしますとともに、改善命令等を的確に発しまして、必要な場合には警察等とも連携を強化して対処するよう都道府県を指導すること等によりまして、野焼き防止対策の徹底に努めてまいりたいと考えております。
〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/168
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169・枝野幸男
○枝野委員 今、警察等との連携をというお話がありましたが、野焼きそのものには、現状、改善命令を出すということで、罰則はないという理解ではないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/169
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170・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 野焼きに直罰ということではございませんで、野焼きに対しまして改善命令を発しまして、それに違反をした場合には罰則、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/170
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171・枝野幸男
○枝野委員 この野焼きは、まさに環境、あるいはまさにダイオキシンの発生とかそういった問題と同時に、例えばいわゆる火災予防的な観点からも問題があるだろうなと思いますし、かなり強い罰則あるいは禁止というものをかけ得る話ではないかと私は個人的には思っています。
もちろんそのためには、罰則をがちっとかけていくためには構成要件が明確でなければ刑事罰はかけられませんので、何が野焼きなのか、何が野焼きでないのかという線を明確に引かなければならない。これが技術的になかなか簡単でないということはわからないではないのですが、このあたりのところをかなり前向きに、技術的なところの検討は大変だろうということをわかった上で、あえて強い罰則でこういったことをとめていくということを御検討いただけないかと思っておりますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/171
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172・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 いわゆる野焼きに対する規制の中身につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、「焼却設備」の定義が明確でないというふうなこと等がございますので、これらをより明確にいたしまして野焼きが行われることがないようにいたしたいと考えておりますが、いわゆる直罰との関係でもう一度申し上げますと、いわゆる野焼きを直罰とすることにつきましては、野焼きにはその実行者、目的、規模等においてさまざまな態様のものがございまして、これを一律に罰則を科するということについては実態上困難であるということから、改善命令や措置命令にかからしめまして、その上で改善が図られない場合については罰を科すということとしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/172
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173・枝野幸男
○枝野委員 あえてそれ以上御答弁を求めませんが、例えば先ほど申しました火災予防的な観点、例えば自治省、消防庁はどういった制度を持ってどういったことを考えているのか、あるいは警察も絡んでくるかもしれませんが、そういったことを少し、縦割りの、厚生省だけの問題ということではなくて、廃棄物の問題と同時に火災予防的な観点、幅広く御検討をいただければということをお願いしておきたいと思います。
最後になりますが、現在、ダイオキシンの発生については一定のガイドラインが設けられております。しかしながら、いわゆるガイドラインにとどまっておりますので、なかなか現実には実効性が上がっていない。近時のいろいろなダイオキシンの発生メカニズムあるいはその影響等についての情報、データ等を考えていけば、ガイドラインからさらに踏み込んだ形でダイオキシンの発生を抑えるシステムづくりにかなり迅速かつ積極的に取り組んでいただかなければならないと思っておりますが、こういった方向について、現在の厚生省の考え方をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/173
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174・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 ダイオキシン対策につきましては、市町村のごみ焼却施設につきまして、臨年十月に、ダイオキシン排出濃度が高い施設につきまして緊急対策を講ずるよう指示いたしますとともに、本年一月に、新たなガイドラインを策定いたしまして、可能な限りダイオキシンの削減を図りますために恒久的な対策を講ずるよう、市町村を指導しているところでございます。
焼却施設から排出されますダイオキシン削減対策の推進のためには、御指摘のように、一般廃棄物か産業廃棄物かを問わず、法的な強制力のある形で規制を実施していく必要があると考えておりまして、現在、生活環境審議会の廃棄物処理基準等専門委員会において、この観点から廃棄物処理法に基づきます焼却施設の構造や維持管理の基準について検討を進めているところでございます。
現在、同委員会におきましては、完全燃焼確保のための廃棄物の定量供給、一定温度以上の燃焼温度の確保、排ガス処理の適正化のための集じん機入り口温度の排ガス温度の低温化、十分な集じん効率を有する集じん機の設置、排ガス中のダイオキシン類濃度の定期的な測定等につきまして、具体的な基準を設定する方向で検討しておりまして、この検討結果を踏まえまして、廃棄物処理法に基づきます政省令の改正を行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/174
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175・枝野幸男
○枝野委員 大方、いい方向に向けて御努力をいただいているというふうに理解をさせていただきますが、現実にダイオキシンは今まき散らされているわけでありますので、できるだけ迅速に、なおかつ、できるだけ踏み込んだ形で進めていただきたい。
さらに言えば、先ほど申しましたとおり、ルールをつくっても守らせないと意味がないわけであります。守らせるためにはある程度の人手が要る、行革の流れの中で非常に悩ましい問題ではありますが、しかも直接チェックをするのは厚生省そのものではなくて都道府県ですので、そういった悩ましさはあることを十分承知の上で、そこのところを乗り越えながら前へ進めていただきたいということをお願い申し上げまして、持ち時間が切れましたので、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/175
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176・町村信孝
○町村委員長 五島正規君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/176
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177・五島正規
○五島委員 大臣、御苦労さまでございます。
今、枝野議員からも、ダイオキシンの問題について御質問なさっておられました。私の方も、このダイオキシンの問題からお伺いしたいと思います。
ダイオキシンは、人体に対して大変危険な物質であり、さまざまな、例えば発がん性、生殖力あるいは催奇形性など多岐にわたって障害を来すということはよく知られているわけでございます。
京都大学の平岡教授の推計によりますと、我が国においてはダイオキシンの発生の約九割が廃棄物の焼却に由来するものであるという結果が出ております。特に我が国の場合、ごみの焼却処理、ごみの処理について焼却に依存してきた、そういう経過の中で、ダイオキシン対策は緊急の課題だというふうに考えているところでございます。
政府においても、市町村のごみ焼却施設について、本年一月にはガイドラインが示され、また、緊急調査が行われ、その結果が公表されるなどされてきたところでございますが、先ほど小野局長の答弁の中にもございましたが、強制力があるきちんとした法的な規制が必要だということで、厚生省もようやく焼却施設からのダイオキシン削減のための法的な規制措置に向けて準備中だというふうなことでございます。
そこで、お教えいただきたいわけですが、その法的な規制措置の具体的な内容はどのようなものをお考えなのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/177
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178・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 廃棄物処理施設からのダイオキシンの排出を削減いたしますために、現在、生活環境審議会の廃棄物処理基準等専門委員会におきまして、廃棄物処理法に基づきます構造及び維持管理に関します基準について検討をお願いしているところでございます。
同専門委員会におきましては、現在、完全燃焼の確保のための廃棄物の定量供給、一定温度以上の燃焼温度の確保、あるいは排ガス処理の適正化のための集じん機の入り口温度の排ガス温度の低温化、十分な集じん効率を有します集じん機の設置、それから、排ガス中のダイオキシン類濃度の定期的な測定等について、具体的な基準を設定する方向で検討しておりまして、厚生省といたしましては、この検討結果等を踏まえまして、廃棄物処理法に基づきます政省令の改正を行ってまいりたいと考えております。
ダイオキシン対策が極めて重要であるというのは議員御指摘のとおりでございまして、この取りまとめにつきましては早期に取りまとめることといたしておりまして、この夏に基準の改正を行い、年内にも施行することができるように最大限の努力を図ってまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/178
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179・五島正規
○五島委員 廃棄物処理法に基づいて施設の構造あるいは維持管理の基準が定められて、その基準を満たさない施設は許可されない、また、改善命令が行われれば実効ある規制ができるのだろうというふうに思います。
ただし、問題は、御案内のように、ダイオキシンというのは、単に、ある炉であれば一律に一定のダイオキシンが生成されるという内容でございません。炉の運転自体によって簡単に数十倍のダイオキシンがつくられてしまうという性質の問題であることは、小野局長もよく知っておられると思います。
そうだとしますと、基準を厳しくすればするほど、現在、許可の対象外となっております五トン未満の小型焼却炉の問題が大変重要な問題になってきます。例えば燃やし方によってダイオキシンの発生が三十倍出るとしますと、五トン炉というのは百五十トンの炉のダイオキシンの発生と同じようになってしまうわけでございます。そういう意味においては、小型焼却炉の問題というのは極めて深刻な問題。
今日、先ほどからの質問にもございましたが、所沢市周辺のくぬぎの森と言われている一帯の問題等を含めまして、いわゆる法に触れない小型焼却炉が乱立している。一説には全国で八万炉と言われている。この小型炉については、やはりすそ切りを廃止してすべての施設の許可を必要条件としていく、法的な規制にかからしめるべきだというふうに考えるわけでございますが、その点についてはどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/179
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180・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 現在、許可対象となっておりません小規模の産業廃棄物焼却施設の中には、粗悪な構造であって野焼き同然の処理が行われている例も見られるわけでございます。そういった意味から、先生も御指摘のように、規制の強化が必要というふうに私どもも考えております。
このため、小型焼却炉のあり方につきましても廃棄物処理基準等専門委員会の中で検討を行っているところでございまして、現時点では、より小規模のものも許可対象といたしまして、構造、管理の基準を適用するようにすそ切りを見直す、あるいは野焼き同然の処理を防止いたしますために、許可の対象か否かにかかわらず満たすべき基準といたしまして、廃棄物の焼却処理方法を明確化するなどの措置を検討しているところでございます。
また、御指摘の埼玉県三富地域の既存の産業廃棄物施設につきましても、ダイオキシン削減のための新たな基準につきましては、一定の経過措置を設けた上で、可能な限り適用する方向で検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/180
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181・五島正規
○五島委員 すべての施設を設置許可の対象とするというお答えではないわけでございますが、しかし、今申しましたように、大型の炉に対する規制が厳しくなってきますと、ダイオキシン問題は小型炉の問題ということになっていくことは必至でございます。
そういう意味では、今後もすそ切りの決定に当たっては、確かに現状、小型炉をすべて対象にするということについて監視の体制その他問題がございます。そのことは重々理解するわけでございますが、やはり国民生活の安全という意味と廃棄物の処理の実態ということを踏まえて、できる限り小規模の施設が許可対象となる方向で御検討いただきたいというふうに考えるわけでございます。
また、規制を厳しくすることについては大賛成でございますが、民間セクターのみでの焼却処理の体制というのが本当に間に合うのかどうか、民間の施設で本当にきちんとした維持管理が行われるのかどうか、不安がございます。そういう意味では、今後、市町村に設置する焼却施設を高度化、広域化していき、そこであわせて産業廃棄物もできる限り受け入れて適正に処理していくというのが実は一番望ましいのではないかというふうに考えるところでございます。
そこで、お伺いしたいわけでございますが、市町村で処理料金を受け取って産業廃棄物を業者から依頼を受けて処理するということについては、現行の法律において法的に問題があるかどうか、確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/181
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182・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 廃棄物処理法の第十条第二項によりまして、
市町村は、単独に又は共同して、一般廃棄物とあわせて処理することができる産業廃棄物その他市町村が処理することが必要であると認める産業廃棄物の処理をその事務として行なうことができる。
こととなっております。
したがいまして、市町村の焼却施設におきまして適正な処理を行い得るものであれば、民間事業者の処理責任原則に十分に配慮しながら産業廃棄物を処理することは適当であろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/182
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183・五島正規
○五島委員 そうであれば、小型焼却炉設置責任者、とりわけそれが産廃業者の運営になるものについて、それの炉の運転において安全性が確保できない場合は、そういう方向で処理させるように地方自治体等の協力を得ることが必要ではないかというふうに考えるわけでございます。
もちろん、この事業というのは市町村の固有事務ということでございますから、市町村の判断を尊重する必要があるわけでございます。しかし、法的に問題でないということであれば、厚生省もその方向で指導していってもらいたいというふうに思うところでございます。
また、市町村のごみ処理施設を高度化して広域化していくためには、費用や市町村の間の調整なぎが必要で、困難な場面もあるだろうというふうに予想されるわけでございますが、国としても、この問題に対して、補助金などの面で十分バックアップをする必要があるというふうに考えますが、その点について、厚生省として処理施設の広域化をどのように進めるのか、また、そのための国庫補助を行うお考えがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/183
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184・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 ごみ処理の広域化に当たりましては、市町村間の調整が必要でございますことから、都道府県の役割が重要でございます。
このため、厚生省におきましては、本年一月、都道府県に対しまして、ごみ処理の広域化計画を策定するように指示したところでございまして、計画策定を推進いたしますために、広域化計画の策定に必要な費用に対する補助を行うことといたしております。
また、今後、新設の焼却施設に対します国庫補助は、一定規模以上の全連続炉を対象とすることを検討しておりまして、小規模な焼却施設を集約化して広域的な処理の推進を図るよう誘導することといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/184
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185・五島正規
○五島委員 また、産業廃棄物の処理施設につきましては、今申しましたように、ダイオキシン対策ということを念頭に置く場合に、民間に任せっ放しにするのではなく、公共が積極的に関与した形で整備していく必要があるのではないかというふうに思うわけでございますが、厚生省としては、産業廃棄物施設の公共関与をどのように推進していくお考えか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/185
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186・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 産業廃棄物処理施設につきましては、排出事業者の責任に基づいて確保するのが原則でございますが、公共関与によりまして住民の理解を得やすい形で施設整備を補完していくことも重要というふうに認識をいたしております。
このため、平成三年の廃棄物処理法の改正では、公共が関与してその整備を行う廃棄物処理センター制度を位置づけたところでございます。また、平成四年には産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律が制定をされまして、税制や融資等の支援措置が整備されたところでありまして、また、同法におきましては、特定周辺整備地区を定めまして、公園等の公共施設の整備にも配慮する制度が設けられているところでございます。
また、大都市圏におきます最終処分場の確保のため、厚生省は、運輸省と共同いたしまして、海面に広域埋立処分場を整備する、いわゆるフェニックス計画を推進しておりまして、現在、近畿の地方公共団体等が出資して設立をされました大阪湾広域臨海環境整備センターが大阪湾フェニックス計画を実施しております。
今後とも、このような制度を活用しながら、公共関与による廃棄物処理施設の整備に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/186
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187・五島正規
○五島委員 今御指摘のフェニックス計画などのようなものが、近畿だけではなくてもっと各ブロックにおいて広がることを期待するものでございますが、こうした問題、今まで私の質問、焼却施設から排出されるガス中に含まれるダイオキシンを中心にお聞きしたわけですが、もう一方で、ばいじんや焼却灰の中のダイオキシンの問題がございます。この対策は非常に重要でございます。
特に、ばいじんにはダイオキシンが結果的に非常に濃縮されるということがございますので、特別の注意が必要であるというふうに思うわけでございますが、このばいじんや焼却灰についてどのような対策を講じていくのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/187
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188・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 ごみ焼却施設から排出されますダイオキシンを削減いたしますために、ばいじんや焼却灰の適正処理が重要であるというふうに考えております。
このため、ばいじんや焼却灰に関しますダイオキシン対策といたしまして、ばいじんを特別管理廃棄物といたしまして、溶融固化、コンクリート固化等の無害化処理を行った上で処分すること、あるいは管理型最終処分場の浸出水の処理等に関する基準を強化すること等につきまして、廃棄物処理基準等専門委員会において検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/188
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189・五島正規
○五島委員 ばいじんの処理の問題について、今おっしゃったような形で市町村がこれからやっていくということになりますと、市町村の業務としても、あるいは産業廃棄物の処理場の処理としても、新たな大きなコストも必要になってくる問題でございます。
したがいまして、この問題を考えた場合に、やはりどうしてもリサイクルという形でもって、単に燃やして埋める処理から、極力リサイクルをしていくというリサイクル社会への転換というものを進めない限り、本日の委員会の冒頭でも大臣おっしゃっておられましたが、非常にコストのかかる社会になってしまう。
そういう意味では、市町村の分別収集やリサイクル関連施設の整備を推進するということが、より効率のよい社会をつくっていく上においてもこれからは非常に大事になっていくと思うわけでございますが、これについてはどのように取り組まれる予定か、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/189
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190・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 廃棄物の処理につきましては、従来の単に燃やして埋めるという処理から、廃棄物の発生の抑制あるいはリサイクルの推進を積極的に進めるいわゆるリサイクル型の処理へ転換を図ることが重要と認識をいたしております。
こうしたリサイクル型処理への転換を図る大きな一歩といたしまして、本年四月より、ごみのうちの大きな割合を占めます容器包装廃棄物につきましてリサイクルを進めます容器包装リサイクル法が施行されまして、この法律に基づく市町村の分別収集が開始されたところでございます。
厚生省といたしましては、このような市町村の分別収集を促進するために、市町村が設置をいたしますリサイクルプラザ等のリサイクル関連施設に対しまして重点的な国庫補助を行っていくこととしておりまして、平成九年度におきましても、リサイクル関連施設の整備に約二百三十一億円、新規着工七十七カ所を予定しているところでございます。
今後とも、リサイクル関連施設の整備等につきまして必要な支援に努めまして、市町村の分別収集への取り組みを促進してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/190
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191・五島正規
○五島委員 次に、法案の内容に関連しまして、マニフェスト制度についてお伺いしたいと思います。
マニフェスト制度は、従来の特別管理産業廃棄物に限り使用が義務づけられておりましたが、今回の改正案で、これをすべての産業廃棄物に拡大して義務づけるということでございますので、この点においてはかなり大きな前進と評価できるわけでございますが、このマニフェスト制度を実効あるものにしていくためには、マニフェストの不正使用防止のためのチェック体制の確立というのが非常に重要でございます。
しかし、当面、これは紙でのいわゆるマニフェスト、ペーパーによるところのマニフェストと、もう一方で、情報処理センターでの電子情報による処理、二本立てというところで入っていくわけでございますが、この内容というものは各市町村において速やかにフィードバックされ、そして市町村がこのマニフェストに基づいてチェックできるということがされることが大事でございます。
そういう意味では、やはり情報処理センターの情報が都道府県にとってどのように利用することができるのかが非常に大事なことだというふうに思いますので、その点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/191
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192・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 排出事業者は、定期的に都道府県に対しまして管理票の交付実績について報告を行うこととされておりますが、電子化した管理票を利用する場合には、情報処理センターが排出事業者にかわってこの報告を行うこととなっておりまして、都道府県は、電子情報の形でマニフェスト情報の報告を受けることとなっているところでございます。
また、今回の改正案におきまして、都道府県知事の報告徴収の対象には情報処理センターを追加いたしておりまして、都道府県は、センターに対しまして、管理票に関し必要な報告を随時求めることができる仕組みとなっております。
また、これらの報告は電子情報の形で送られできますために、情報の整理あるいは解析が容易でございまして、また、管理票の点検もより効率的かつ効果的に行うことが可能になるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/192
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193・五島正規
○五島委員 私は、基本的に、このマニフェスト制度ができたことについては評価するものですが、現実にこれが実効が上がるかどうかというのを考えた場合に、膨大な量のマニフェストがあるわけでございます。これをきちんと管理して不正使用を防止していく、そういうことが本当に自治体の中においてできるのかな、結果的には、違法な状況が発覚したときにマニフェストに基づいて問題点を整理するという、いわゆる後追いになってしまうのではなかろうかと心配いたします。
そういう意味では、むしろ情報処理センターを中心にマニフェストの電子化を推進することによって、逆に周辺住民等々から問題指摘があった段階においてこの情報を速やかに市町村が手に入れて、そしてできるだけ早期にそれを防止していくという体制が必要なのでまないか、そういうふうに考えるところでございまして、そういう意味では、マニフェストの電子化をどのように推進していくのか。
また、将来的には電子情報化を逆にもう義務づけてしまう。今、パソコンも非常に安くなっておりますし、こういうふうな情報の処理というものに対して、数年前に比べましては非常にわずかなお金で処理できる時代になってきたわけでございますから、むしろ、電子情報化を、今直ちにとは申し上げませんが、一定の期限を切って進めるということがあってもいいのではないかと考えるわけでございますが、その辺についてはいかがにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/193
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194・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 広域的に移動します廃棄物の処理の流れを把握するために、管理票の電子化を推進することは極めて重要だというふうに考えておりますが、マニフェストの対象を全産業廃棄物に拡大をしたということ等で、現在のパソコン等の端末機の設置状況のもとでは、中小企業を含めまして、すべての事業者に対しまして電子化を直ちに義務づけるのは困難だというふうに考えております。
しかしながら、私どもといたしましては、管理票の電子化の推進を図りますために、今回の改正におきまして、電子化した場合には、都道府県への報告や保存を情報処理センターがかわって行うことによりまして、事業者の負担を軽減するというメリットも設けているところでございまして、今後、さらに、関係業界の協力も得ながら、周知徹底を図ること等を通じまして、管理票の電子化の促進に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/194
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195・五島正規
○五島委員 マニフェストの端末機能を持たすためのハードの整備のコストが中小企業であってはできない。今、秋葉原に行けば、二十万もあればできますよね。そのことを考えると、どうも厚生省はえらく時代錯誤ではないかと思うわけですが、当面、紙のマニフェストが併存せざるを得ないということのようでございます。
ただ、現行のマニフェスト制度については、現在、都道府県知事に対して年に一回、実績報告を提出すればいいことになっており、報告頻度が低く、都道府県が情報を迅速かつ的確に把握するということについては非常に不十分だと考えます。特に、各県を越える情報については、県に任せておいては整理できないのではないか、これについてどのように対応するのかという問題がございます。
そういう意味では、このマニフェストの問題を含めて、厚生省が音頭をとって、先ほどフェニックス計画の御指摘もございましたが、ブロック単位で各県が連携してやっていけるようにすることが必要なのではないかというふうに思うわけでございまして、厚生省としては、マニフェストの報告頻度を見直して、現行の一年に一回ということをもう少し短縮し、また、広域化していくというお考えはないかどうか、その辺をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/195
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196・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 管理票の実施状況につきましては、現在、都道府県知事に対しまして、事業者は一年に一回、一括して実績報告することとされておりますほかに、管理票が一定期間内に返送されない場合には、その都度、都道府県に対しましてその旨を報告することになっております。
管理票の不正使用が行われるような場合につきましては、その都度、必要に応じまして、管理票の実施状況も含めて報告徴収や立入検査によりまして実態の把握に努めているところでございますが、すべての事業者に対しまして一律に実績報告の頻度をふやすことにつきましては、都道府県や事業者の事務量やその効果を勘案する必要がありますけれども、今後の重要な課題として検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/196
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197・五島正規
○五島委員 産業廃棄物が現在広域的に移動しているというこの実態を考えた場合に、マニフェストの管理についても、都道府県を越えて移動するものがあるため、都道府県間の連携の確保というものは非常に重要でございます。
そこで、厚生省にお伺いするわけですが、ブロック単位での各都道府県間の連携事業を推進するため、あるいは都道府県間の連携協力を確保するための仕組みというものについて、厚生省はどのようにお考えなのか。
また、先ほど小野局長からも御答弁がありましたが、現在、近畿圏においては、産業廃棄物の広域移動の実態を把握するために近畿十四府県市から成る近畿ブロック産業廃棄物処理対策推進協議会ができており、産業廃棄物の情報管理システムを開発して、処理業者の台帳管理や処理実績データの集計などを行っていると聞いています。
このような取り組みは、電子マニフェストの効果というものを占っていく上でも非常に興味のあるものでございまして、こういう意味においては、近畿におけるフェニックス計画に伴うネットワークということで、モデル的にもそういうマニフェストの点検ということをこのフェニックス計画の中で実施できるのではないかと考えるところでございますが、その辺についてはどのようにお考えでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/197
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198・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 都道府県域を越えて移動する産業廃棄物に関します管理票につきましては、関係する都道府県の協力がなければ、個々の都道府県においてチェックを行うのは困難でございます。そのためには都道府県間の連携協力を確保することが重要となります。
このため、国としましても、都道府県域を越えて管理票の追跡チェックを行おうとする都道府県や複数の都道府県が連携してチェックシステムを構築するような取り組みに対しましては、関係都道府県の連携協力が円滑に行われるように、積極的に連絡調整を図ってまいりたいと考えておりますし、今先生御指摘の、近畿圏におきましては、十四府県市から成ります近畿ブロック産業廃棄物処理対策推進協議会が、国の支援を受けまして産業廃棄物の情報管理システムを開発しております。
このように、複数の自治体が協力して情報管理システムを構築することは非常に重要でございまして、こうした枠組みを生かしまして、マニフェストのチェックシステムをモデル的に試行するという考えがあるのであれば、必要に応じて私どもとしても協力をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/198
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199・五島正規
○五島委員 近畿の場合はたまたまフェニックス計画というものがございまして、それに伴ってこういうシステムができたのだろうと思いますが、そうしたフェニックス計画のようなかなり大規模な計画ができないとできないというものと性格が違うと思います。そういう意味においては、こういうふうな試みが関東圏等においてもぜひ実施できるように、都道府県市の協力が得られるように、厚生省としても御努力をお願、したいというふうに思います。
いま一つ、私の方でお伺いしたいのは、この法案には直接書かれておりません。と申しますのは、廃棄物の中で、ごみの問題というのは見える問題として議論されております。いま一つ、気体の廃棄物という問題がございます。これは御案内のように、フロンの問題などがその一つの例でございます。
私どもは、フロンの問題を廃棄物処理の観点からのみ解決できる問題とは考えておりません。環境庁や通産省を初め関係する各省庁が協力して対処する必要がある問題というふうに考えております。
現実問題としては、後ほど申し上げますが、この問題について厚生省が、あるいは市町村が単独で大変努力しておるというところもあるわけですが、廃棄物処理法上、気体は廃棄物から除外されていることから、フロンガスそれ自体は廃棄物としての規制を受けていない。電気冷蔵庫やフロンガスを含む廃棄物の処理の問題というものは、もちろんこれはオゾン層の破壊に伴っての皮膚がんの問題等々、健康に関係する問題でございますし、また、廃棄物として集められたそういうものの中から放出される問題でもございますので、厚生省も当然関連ある問題でございます。
そこで、お伺いいたしますが、冷蔵庫などのフロンを含む廃棄物について、現在、市町村の回収の実態はどうなっているのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/199
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200・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 冷蔵庫に含まれます冷媒フロンにつきましては、自主的に回収に取り組む市町村がふえてきておりまして、平成八年度におきましては、千九百八十六の市町村におきまして、七十一万九千台の冷蔵庫から合計四十六トンのフロンが回収されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/200
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201・五島正規
○五島委員 その量は、冷蔵庫の冷媒として使われている量、あるいは日本で現在年間に放出されるだろうと推定されているフロンの量の何パーセントぐらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/201
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202・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 全体のフロンの量とその回収量というのはちすっと今手元に資料がございませんが、冷蔵庫の例で申し上げますと、フロン量といたしまして、冷蔵庫の場合、年間のフロン廃棄量が五百七十五トン、そのうち回収量が五十三・三トンでございますから、回収率からいいますと、一〇%弱、九・三%ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/202
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203・五島正規
○五島委員 冷蔵庫においても約一割ぐらい、自動車等からの回収というのはもっと悪いわけでございます。そういう意味では、本当に回収になつているとはまだ言えないような微々たる量でございますが、同時に、この問題で各市町村が困っているのは回収したフロン。自治体においては、廃棄物の処理場での回収^あるいはフロンの回収車等々を自治体あるいはボランティア団体が持ちまして、積極的にフロンの回収を、とりわけ家電のところではやつておられるという実態、御承知のとおりだと思います。
これはボンベに詰めるわけでございますが、この回収したフロンについては、破壊処理をする必要があるわけですね。回収した市町村はこの破壊処理を、もちろん市町村がするということはできなくて、結局、破壊を専門とする業者に送って破壊処理をしているわけでございます。この辺はどういうふうに厚生省としてはお考えなのか。
結局、市町村からいえば、フロンが今のところ直接その場において人体に影響があるという問題ではなくて、オゾン層の破壊という地球環境全体の問題でございます。Aという市町村で熱心にやって、フロンガスを集めていって、そしてその破壊に非常にお金がかかったとしても、B、Cという市町村がそれをやらなければ、.そのことによってAという自治体に住んでおられる住民にとって利益があるという内容ではございません。
そういう意味では、この地球環境全体にあるこういうふうなものの処理というものを、今、市町村が廃棄物との関連においてその費用も分担しているわけでございますが、この問題については厚生省はどのように考えておられるか。
また、オゾン層の破壊ということは、実はフロンの問題だけではなくて、御案内のように、臭化メチルの問題も同じように持っています。臭化メチルは、土壌薫蒸を対象として農業用に使われておりますから、基本的に使用量は拡散してしまう、すなわち、大気中に放出するということを前提とした使われ方をしています。
そうなりますと、オゾン層を守っていくという観点からいいますと、そうしたものを含めた対策というものが必要なわけですが、このフロン問題について、厚生省としてはどういうかかわり方をされるのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/203
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204・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 冷蔵庫などの廃棄物に含まれますフロンの回収等につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、一部の市町村で取り組まれているところでございますが、現状は、今御指摘ございましたように、回収されらフロンを適切に破壊する施設が少ないといった問題等がございます。
フロンの回収につきましては、種々の御意見もありますけれども、地球環境保全の見地からも適切な対応が望まれておりまして、厚生省といたしましても、関係省庁と連携しなが、できるだけ協力を行ってまいりたいと考えておりますが、今先生御指摘のございました、市町村が回収したフロンの破壊のコストの負担というものをどう考えるか等々、これは、製造者との関係等々、使用者が、利益を得ているわけでございますから、どうそれを負担するか等々、非常に問題が複雑でございますので、関係省庁ともいろいろ意見を交換しながら、どういう方法が最も実効ある方法なのかということについては、検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/204
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205・五島正規
○五島委員 最後に、この問題で厚生大臣にお伺いしたいと思うのです。
廃棄物処理を所管する厚生省の大臣として、また閣僚の一員として、このフロンの問題を放置しておくと間違いなくオゾン層は破壊される、そしてオゾン層が破壊された場合に、人類全体の生存にとっても、とりわけ皮膚がんの発生多発という問題について避けられない、ここまでは科学の問題としてもう明確になっておりますので、これはやはり地球全体として何らかの措置が必要でございます。
しかし、同時に、こういう気体の廃棄物の問題については、どこが取り扱うか、環境庁がやるのか、あるいは厚生省がやるのか、あるいは製造物の段階において、通産省なり農水省なり、そういうところが扱うのか、非常にはっきりいたしておりません。恐らくそれぞれの省庁を超えた問題ではないかというふうに思うわけでございまして、この点については、ぜひ大臣に、閣僚の一員として閣議の中でも取り上げていただき、各省庁の大臣に働きかけて、この問題に内閣として積極的に取り組んでいただきたいというふうに考えるわけでございますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/205
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206・小泉純一郎
○小泉国務大臣 私はフロンについて専門的な知識はありませんが、これはもうかなり前から、地球全体の環境問題を保全するということで、国際的に大きな問題になっているということは承知しております。また、フロンによって、いろいろ種類があるようで、オゾン層を破壊するその度合いも違うというようなことのようであります。
一見、人体に直接関係ないけれども、これは考えようによっては人類全体に大きく影響してくる問題でありますし、環境問題というと、厚生省以上にむしろ環境庁の問題という点もあります。そして、製造から回収、破壊施設、もう厚生省だけというよりも、関係する省庁が多いのじゃないでしょうかね。
これは国際的にも大きな問題になっておりますので、厚生省のみならず、関係省庁と連絡をとりながら、長期的に、しかも全人類的に影響する問題でありますので、どういう措置をすればいいのか。特に、余り気がつかない、これは製造者がもっと責任を持ってもらわないとこの問題は解決しないのじゃないかという気もします。
いずれにしても、関係省庁、関係団体、多いと思いますので、その点を、厚生省のみならず、全地球的な規模から、世界に向かっても、どういう対応をとっていくかという点も含めてよく検討して、効果的な対応策は何かということを改めて見直してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/206
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207・五島正規
○五島委員 ぜひ効果的な対応策を御検討いただきたいと思います。
現実には、市民の環境に対する関心の高まりの中で、各市町村とも回収したフロンボンベがごろごろしていて、それの処理に各市町村も困っているという現状がございます。そういう意味では、こうした問題をどう処理するのかというのは余り放置できない問題になっているということでございますので、大臣の御努力をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/207
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208・町村信孝
○町村委員長 児玉健次君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/208
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209・児玉健次
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。
今回の改正案の大きな目的として、厚生省は、廃棄物の減量と再生利用を進める、このことを挙げていらっしゃいます。減量とリサイクルというのは、ごみ対策の本道だと私たちも考えておりまして、そのことをいかに実効あるものにしていくか、そのことが現在大きな課題になっていると考えます。
私は、最初に、漁業系廃棄物の処理について、幾らか具体的な問題を取り上げたいのです。
今、北海道で水産業の中心になっているのは、かつてのサケ・マスから、魚価が非常に下がってきたものですから、どちらかというとホタテなどに中心が移ってきています。そして、ホタテは生産量も増しているし、そして需要もふえてきているというので、言ってみれば育てる漁業の中心的な分野になりつつあります。
問題なのは、ホタテを消費市場に回すとき内臓を除去しなければなりません。北海道ではその内臓のことをウロと申しますが、年間約三万トンのウロの処理が必要であり、これは典型的な産業廃棄物、それも動物性残滓ということになりますね、あの悪臭。
それから、例えば紋別という市などでは、ウロを一回ボイルして、そして、市の正規の処理場に入れているのですけれども、どうしてもガスが出てくるし、自然発火を繰り返す、こういうふうなことも言われ、かつ、残念ですが、北海道の各地で不法投棄で刑事処分の対象になる、こういうことも起きています。
そういう中で、今、ホタテの内臓を共同処理していく、漁業系廃棄物の処理の重要な一環として、国がそのことについての対策を強めていただいている。
きょうは水産庁においでいただいていると思うのですが、最初に水産庁にお尋ねしたいのです。
この水産系廃棄物処理施設、特に私は、この際、オホーツク海の枝幸町を例に挙げたいのです。そこで水産庁が今年度開始してくださっている水産系廃棄物処理に対する国の補助、その中身についてお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/209
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210・弓削志郎
○弓削説明員 ホタテガイのウロ等の漁業系廃棄物の処理についてのお尋ねでございますが、水産庁では、沿岸漁業活性化構造改善事業などによりまして、処理施設整備費の一部に対して助成措置を講じているところであります。
本年度におきましては、北海道の枝幸町において処理施設の整備を行うこととしておりますが、当該施設の処理方法としては、ホタテガイの貝殻、ウロなどを焼却しまして、焼却しました残りの灰を建築用資材の原料として利用することとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/210
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211・児玉健次
○児玉委員 水産庁に重ねてお伺いしたいのです。
そのとき問題になるのは、重金属の一つであるカドミウムの除去ですね。今、枝幸町で進めているのは、焼却温度約八百度、流動床炉方式というもののようですけれども、私が直接伺っているところでは、今、保健所の安全基準をクリアする見込みで国の補助事業を受けているわけですけれども、一方ではこういった方式で、そして他の地域では例えば乾燥炭化方式、そして北海道で独自に今研究を進めているのは電気分解法によるカドミウムの除去。いずれにしろ、今の枝幸町の場合は、内臓であるウロとホタテの貝殻を一緒に焼却する。年間約四千四百五十トンです。二つの町村のホタテのウロと貝殻を全部そこでまとめて処理をして、しかも、焼却したものについてはセメントの素材にするというのですから、原料リサイクルのある意味じゃ優等生になる可能性があるわけですね。
こういった方式について、今後さらに水産庁にこの分野についての助成、努力の強化をお願いしたいと思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/211
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212・弓削志郎
○弓削説明員 漁業系廃棄物の処理と再利用については、水産庁としても重要な問題であるというふうに考えておりまして、再利用についての各種の調査研究及びそのための処理施設についての助成措置についても、今後とも必要に応じて措置をしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/212
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213・児玉健次
○児玉委員 水産庁、どうもありがとうございました。
それで、大臣にこの点は伺いたいのですけれども、何といってもこの分野の主管官庁は厚生省ですし、そして今お聞きのとおり、たまたま私はホタテのウロの問題を取り上げたのだけれども、全国的にもこの動物性残滓というのは産業廃棄物の分野でかなり困難な部分の一つになっていますね。それで、厚生省として、他の省庁とも協議を進めながら、例えば水産庁が今なさっているような努力を全体に広げる上で大臣の御努力を求めたいと思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/213
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214・小泉純一郎
○小泉国務大臣 きょうはそのお話、初めて伺ったのですが、ホタテの内臓が産業廃棄物だというのは、私、初めて知りましたよ。自然資源じゃないでしょうかね、むしろ。これを資源として活用できないか。動物でも肝というのは最初に食べますよね、アワビだってサザエだって肝がおいしい。なぜホタテだけが、肝がそんなに捨てられてしまうのか。これは建設資材にも使われているというのですが、肥料にも使えるのじゃないでしょうかね。
私は、これは廃棄物以上に自然界の資源として、循環型社会として活用できないか、もっと研究調査してこれを有効に活用する方法はないか、私は、厚生省としても研究してみたい、水産庁を初めですね。これは捨てるのはもったいない、何とか、循環型というか再利用できる方法はないか考えてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/214
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215・児玉健次
○児玉委員 大臣の直観力は大変なもので、今の電解式それから化学式は何をねらっているかというと、建設資材として使うのでなく、まさに飼料それから肥料として再利用したいというところに着眼して努力をしているのですね。今の御答弁のとおり御努力をお願いしたい、こう思います。
そこで、次の問題です。
廃棄物処理施設、この問題で、自治体や住民とのかかわりというのが非常に大きな問題だ、こう私は考えます。今回の改正案の中で何が盛り込まれているか、そこのところをより明確にさせるために、前回の改正案で、処理施設の設置運営に関して自治体住民がどのようなかかわりを持つのか、そのことでどんな議論がされ、そして現行法ではそれがどういう取り扱いになっているか、まずそこから質問をしたいと私は思うのです。
この問題について、平成三年の九月十八日の厚生委員会の質問で、私が、処理施設の設置そして運営に関して、関係住民との関係、理解や協力その他の問題についてお尋ねしたのに対して、当時の小林康彦厚生省生活衛生局水道環境部長が次のようにお答えになりました。
廃棄物の処理処分に当たりまして、周辺環境を汚染しないこと、汚染をしない確実な信頼性のある施設を整備し、的確に管理運営をすること、及び周辺の皆さんの理解と協力を求めて施設の設置、運営をしていくことは極めて重要な案件と考えております。
これは、当時の改正案の立法者の意思として私は受けとめるのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/215
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216・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 平成三年当時の廃棄物処理法の議論の中でも一つの重要なポイントであったというふうに私も認識しておりますし、今先生が議事録をお読みになりました考え方、基本的には現在の私どももそういった方向で、適正なごみ処理対策を推進したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/216
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217・児玉健次
○児玉委員 基本的には、もちろん、皆さんがそれを後退させられるはずはないのですけれども、前回の改正案を提起された、言ってみれば厚生省の立法意思をこういう答弁でお述べになったと私は当時理解したのですが、そのとおりですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/217
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218・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/218
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219・児玉健次
○児玉委員 そのことを確認した上で、現行法の第十五条です。そこで、産業廃棄物処理施設を設置しようとする者は都道府県知事の許可を得ると。それまでは届け出制であった、それが許可制に変わりました。届け出制から許可制に改められた趣旨まどここあったのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/219
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220・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 産業廃棄物処理施設につきまして、単なる届け出ではなくて、きちんとそれが適正な処理であるかどうかを審査いたしまして許可するということで、産業廃棄物の適正処理を図るという観点から、届け出制から許可制にしたものと理解をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/220
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221・児玉健次
○児玉委員 ですから、申請者の側が単に行政手続をすればそれで済むというのでなく、今、小野局長がおっしゃったように、審査をした上で許可をする、こういうふうに変わったということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/221
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222・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/222
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223・児玉健次
○児玉委員 そこで、もう一歩進めたいと思うのです。
審査をした上で許可をする。十五条の冒頭のところで言えば、「都道府県知事の許可を受けなければならない。」こういうふうになっている。そしてそのときの要件として、現行法の第十五条の二項一号に「厚生省令で定める技術上の基準に適合していること。」とありますね。当時、その「技術上の基準」とは何かということも若干の議論をしまして、今それを繰り返すつもりはありません。
要は、この厚生省令で定める「技術上の基準」というのは、全国的な共通の最低の基準、言い直せばナショナルミニマムとでも言うべき基準だと私は解するのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/223
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224・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 御指摘のとおり、全国一律で最低限充足しなければならない基準ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/224
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225・児玉健次
○児玉委員 そのことがあるからこそ、第十五条の三項のところに、「第一項の許可には、生活環境の保全上必要な条件を付することができる。」だからへ全国的な言ってみれば最低限のものに、それぞれの地域に即応した生活環境の保全上必要な条件を知事が付することができる、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/225
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226・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 御指摘の条文の第三項に「生活環境の保全上」の表現がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/226
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227・児玉健次
○児玉委員 今回の改正についてなんですが、これは今までも、参議院から、そして衆議院の当委員会でも随分議論がありまして、そして厚生省からかなり具体的な御答弁がございます。きょうもそれがありました。一々それを繰り返すつもりはないのですが、この公告縦覧、そして関係市町村からの意見の聴取、そして関係住民の意見の申し出、専門家の審査など、そういった手続を設けて、そしてその手続の結果、不適当と判断されたら、施設の変更ないしは不許可とすることが当然あり得ますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/227
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228・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回の改正案におきましては、許可要件といたしまして、全国一律の技術上の基準に加えまして、その施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画が周辺地域の生活環境の保全について適正に配慮されていることが必要とされておりまして、この要件への適合性につきましては、都道府県知事は、あらかじめ専門的な知識を有する者の意見を聞いて科学的に判断をするということとしておるところでございます。
したがいまして、この専門的知識を有する者の意見を踏まえまして、当該施設の構造あるいは維持管理の内容が地域の生活環境の保全上十分配慮されたものとは言えないと科学的に判断をされる場合には、都道府県知事は当該施設を不許可にするということもあり得るものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/228
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229・児玉健次
○児玉委員 その際、今、厚生省は主として専門的な審査の結果についてお話しになりましたが、関係住民からの意見の申し出、それから市町村長の「意見を聴かなければならない」これは、聞くことができるでなくて「聴かなければならない」と明確になっていますね。そうなると、今おっしゃった専門的な審査という要素に加えて、市町村長の同意不同意そして意見の申し出、そして関係住民の意見の提出、そういったものも今の不許可を判断する場合の一つの要素になって当然だと思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/229
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230・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 関係住民の意見あるいは関係市町村からの意見聴取といいますのは、生活環境保全上の見地からの御意見をいただくということでございまして、同意不同意、賛成反対ということをいただくということではなくて、もしも反対であるならば、生活環境保全上どういう理由で反対なのかということをきちっと御提示をいただいて、その御意見について施設がそれにこたえ得るものかどうかを科学的に審査をしていただくという仕組みで考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/230
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231・児玉健次
○児玉委員 今の点はやはり非常に重要な問題だと思うのですね。ただいまの御答弁ですと、市町村長の意見を聞かなければならない、市町村長が何らかの意見を述べる、その述べた意見は専門家の審査の判断材料になるという意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/231
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232・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 いわゆる都道府県段階におきまして審査をいたします際の重要な一つの要件、例えば、下流域の市町村長さんから、いわゆる水源との関係で汚染するのではないか、今のこの施設の形ではというふうなことが、これは具体的な御意見として出されてくるわけでございますから、そういう重要な情報と申しますか、発信と申しますか、それに対して施設がこたえ得るようなものなのかどうかということをきちんと審査していただく、そのための一つの重要な情報というふうに考えてもよろしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/232
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233・児玉健次
○児玉委員 それは関係住民の意見具申し立てについても同様ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/233
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234・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/234
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235・児玉健次
○児玉委員 そのことについては少し後回しにしたいと思います。いずれにしろ、今度の改正案によってそういった論議が進んでいく。
私は、正確を期すためにあえて申したいのですが、この四月十六日、参議院の環境特別委員会で、私たちのところの有働参議院議員に対する小野局長の御答弁、こうなっていますね。
これは申請がございました時点で公告縦覧をし、関係住民あるいは関係市町村の意見を聴取し、生活環境保全上問題があるというふうな専門的な審査がありました場合には、当然施設の計画の変更あるいは不許可ということもあり得るわけでございまして、
このとおりですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/235
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236・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/236
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237・児玉健次
○児玉委員 そうなりますと、施設の計画の変更または不許可、それは知事の裁量権の行使として行うことになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/237
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238・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 もしも施設の変更を求めるということになりますと、これは知事が申請者に対して指導をすることになりますし、それが不可能であって、生活環境保全上許可することが妥当でないということであれば、知事の裁量としてこれを不許可とするということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/238
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239・児玉健次
○児玉委員 そのことをまず確認しておきたいと思うのです。
そこで、先ほどの問題に返りたいのですが、現行法と今度の法律のどちらが関係住民や自治体の意見を重視しているかという点で、ただいまの局長の御答弁を聞いても私は単純に判断しかねるのです。
と申しますのは、現行法で、先ほど明らかになったように、第十五条の三項、「生活環境の保全上必要な条件を付することができる。」これは、明らかに知事がそのようにすることができる、知事の裁量として行うことができる。そして十五条一項では、「都道府県知事の許可を受けなければならない。」この場合、「生活環境の保全上必要な条件を付する」、だれが付するかというと知事が付するのです。主語は知事ですね。ところが、今の局長の御答弁だと、市町村の意見の申し出、そして関係住民の意見の申し出、それに対して応ずるかどうかという判断を施設が行うことになりますね。どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/239
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240・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 関係住民あるいは関係市町村長から、環境保全上の問題が意見として提出をされまして、それについて科学的な審査がなされ、施設の申請者が、例えば一定の変更を要するというふうな場合に応じなければ、それは当然のこととして知事は許可をしないということになることは、前にも申し上げたとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/240
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241・児玉健次
○児玉委員 聞いている私の方にちょっと不備があったのですが、この変更という場合は、変更の申し出に対して応ずるかどうかというのは、それは施設でしょう。そして、その点について行政指導的なものとして最終的に施設に物申すのは知事でしょう。そうですね。そして、許可不許可ということになると、もうこれは施設ではなくて、明白に知事の権限に属します、その理解でいいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/241
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242・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/242
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243・児玉健次
○児玉委員 現行法との比較で、もう一つ突っ込みたいと思うのです。
それは、現行法の第九条の四、そこに、市町村長の問題として、「一般廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び増進に配慮するものとする。」こういうふうに明確に書かれています。生活環境の保全だけでなく増進に配慮するものとすると。そして、この第九条の四は、産業廃棄物に関する第十五条の四でも準用されると明記されていますね、そのとおりですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/243
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244・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 産業廃棄物処理施設に準用されるということは、そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/244
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245・児玉健次
○児玉委員 ここの部分は、今度の改正案の中ではどのように発展され、貫かれていくのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/245
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246・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回は、御指摘の条文につきましては特に手を加えておりませんで、むしろ、施設の設置の許可というところにかかわるところにつきまして、従来、法的にきちんと明らかな手続が明定をされていなかったということで、都道府県間で要綱をつくったり等々でいろいろ御苦労もされておられるということもございますし、地方公共団体の方から、法律の中にそれなりにきちっとした要件を入れてほしいという御要望もあったということも十分踏まえて、関係者の御意見も聞いた上で定めたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/246
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247・児玉健次
○児玉委員 そうしますと、現行法における「周辺地域の生活環境の保全」、これはどちらかというと保全ですね。増進というのはかなりにアクティブですね。そこのところの趣旨というのは、改正案にあっても当然これは貫徹され、さらに、改正案全体の前進にふさわしく強められていくというふうに考えていいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/247
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248・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 責務規定でございますので、御指摘のように、環境の保全それから増進というものに取り組んでいくということは、その部分は今回改正しておりません、前の改正がそのまま生きておりますから、おっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/248
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249・児玉健次
○児玉委員 私がここのところを重視するのは、現在、非常に多くの都道府県や市町村において、それぞれの自治体の独自の条例として、例えば、関係住民との同意の問題だとか、それから事前の安全協定の設定の問題だとか、事前協議の問題だとか、そして、それぞれの都道府県、市町村にふさわしい、地域の特性に合った、この環境の保全及び増進に関する項目が盛り込まれていますね。それらが全体として、これまでの現行法でも、そのことは法体系の中で当然かっちり適合していたわけだけれども、今度の改正案の中で、そこのところは地方自治の本旨に従ってますますこの改正案とフィットしていくというふうに私は考えたいのです。いかがでしょう。
〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/249
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250・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回の改正法案におきましては、廃棄物処理施設の現状といいますのは、先生の御指摘のとおり、その地区地区、あるいは置かれた状況というのはかなり異なっております。したがいまして、できるだけ全国一律の基準で対応できることが望ましいわけではございますが、一律の基準で対応できない部分が生じましてもきめ細かな対応ができるということで、廃棄物処理に対します信頼を取り戻すということで、改正法の精神といたしましては、そういうことを基本にいたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/250
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251・児玉健次
○児玉委員 その面でも、私たちは今度の改正案をそれなりに子細に検討しまして、現行法に比べてこういう面の前進があり、そして、現行法の中に既に盛り込まれていた積極的な要素、それはそのまま生かされているというふうに判断をしておるのですが、もう一歩進めて、関係市町村や住民との合意に向けてさらに前進させていくということの重要性を強調して、次の問題に入りたいと私は思うのです。
それは、マニフェストの全産業廃棄物への適用拡大の問題です。
これまた確かな前進だと私は考えております。このマニフェスト、非常に重要な資料でもあり、情報だと考えます。それをどのように活用していくか。今、一部の産業廃棄物にのみ適用されているマニフェストでも、あえて、でもと言いますけれども、不法投棄だとか搬入されている産廃の種類を速やかに明らかにしていく、そして、ある場合は、不法な犯罪的行為の防止、それに役に立っているということは私も承知をしております。
そこで、このマニフェストを活用していく場合に、当然、今各地の自治体や地域住民と業者の間で進められている事前協議、それから公害防止協定、そういった中にもマニフェストの活用、公開、それが盛り込まれることが非常に望ましいと考えるのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/251
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252・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 処理業者が個別に市町村や住民との間で協定を結びまして、それに基づいて、排出事業者の了解を得ましてマニフェストの情報を公開するのであれば、特に支障はないと私どもは考えております。
今回の改正はこのような取り組みを妨げるというものではございませんけれども、ただ、マニフェストは、排出事業者の私的取引にもかかわる問題でもございます。したがいまして、基本的には、各現場の状況におきまして自主的に判断されるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/252
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253・児玉健次
○児玉委員 そうですね。各地域での自主的な判断というのは、これまた大切な要素だと思います
今、全国の自治体で進められている自治体独自の情報公開条例、その中でこのマニフェストが含まれるというのも、その条例の内容によっては、当たり前な話ですけれども当然あり得るし、これまた望ましいことだと考えますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/253
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254・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 行政庁が報告等を受けて把握いたしました情報の公開の取り扱いについてでございますが、行政情報の公開の問題として、各自治体のルールに基づきまして対応されるべきものど考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/254
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255・児玉健次
○児玉委員 次に、マニフェストの保存期間の問題です。
今、処分場の廃止、処分場の閉鎖の問題が各地で起き出しています。
ことしの二月五日に、廃棄物処理基準等専門委員会、ここが発表された中間的意見集約、それを読ませてもらったのですが、その中でも、処分場が廃止された後、ガス発生等のトラブルが起きている例がある、こういう指摘がありますが、全国でこういった事例がどのくらいあるのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/255
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256・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 いろいろな事例は私ども報告を受けるわけでございますが、何件あるいはどういうものがどのぐらいの数発生しているかということは、ちょっと今把握をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/256
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257・児玉健次
○児玉委員 今後起こり得べき事態に対する迅速適切な対処を行うために、この廃止された処理場の事後の事故についても、厚生省としては全国的な調査を速やかに行うべきだと思うのですが、その点、御答弁いただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/257
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258・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 個別いろいろなケースがあるということは、先ほど申し上げたとおりでございます。
そういったケースにつきまして、今後、都道府県との情報交換を密にする、あるいは都道府県間の情報交換も密にするということも考えておりますので、そういう中で把握をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/258
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259・児玉健次
○児玉委員 今の問題からマニフェストの問題がまた出てくるのですけれども、例えば、既に廃止されて、そして原状回復、その上に住宅その他が新たにつくられてしる、そういった箇所で先ほどのガスの噴出などが起きる。そうなった場合に、どのような産業廃棄物がそこに投棄されているか、搬入量はどのくらいか、搬入時期はいっか、そしてでき得れば搬入者、排出者はだれかということを知る上で、今何かマニフェスト以外に手がかりになるものがあるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/259
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260・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 現在でも届出台帳というのをつくることになっておりますので、量等については把握できるとは思いますが、今先生御指摘のように、だれが排出して、だれが運んで、しかもいつ時分ということは、これは把握は大変に難しいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/260
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261・児玉健次
○児玉委員 そこから私は、このマニフェストの保存期間をどうするかというのは、厚生省令で定める、こういうふうに読んでもいますし、これまでの質問を拝見しているのですが、今のような事態に備えるということも判断に入れてマニフェストの保存期間について検討いただくことが必要だと思うのです。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/261
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262・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 排出事業者や処理業者は一定期間マニフェストを保存する義務を有しておりますが、その期間につきましては、排出事業者等の保管等にも負担を伴うわけでございまして、そういう関係もございまして、現行の保存期間を見直す必要があるかどうかについては、関係者の意見も十分聞いてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/262
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263・児玉健次
○児玉委員 マニフェストの帳票、束ねてというと莫大な量になるということは間違いありません。その面でも、今度の改正に盛り込まれている電子化、電子化というのが正確かどうか、ともかくコンピューターでそれを記録していく、そのことのメリットの重要な一つが今の問題とかかわって出てくると思うのです。
ですから、マニフェストの現物の保存ということに余りこだわらずに、将来起こり得べき事故に対して、どのような産業廃棄物がどれだけの量、いっ搬入されたのかということがわかれば、そのガスがどんなガスであるかということも明らかになるし、そして、そこに対する原状回復ないしは緊急の措置も非常に迅速に行い得るわけですから、皆さん方の今度の電子化のメリットをそこでも生かしていただきたい。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/263
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264・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 先ほども御答弁申し上げましたが、私どもも電子化というのはぜひ推進をしたいと思うわけでございますが、ただ、これは強制はなかなかできないということでもございますので、やはり帳票、伝票と電子化が混在せざるを得ない時代を経ながら、次第に電子化の方向で全体がいっていただければ、これは非常に廃棄物処理、特に産業廃棄物の流れが、フローがよくわかりますし、それから例えば、隣の県へ運ぶという場合に、どういうものが入ってきそうなのかということも実はわかるわけでございまして、そういう意味でも非常に有用だと思っております。
全体としてそういうふうに移行していく段階におきまして、保存期間というものも、伝票保存とは違いますので、いろいろな方法で保存し得る方法があろうかと思います。十分勉強していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/264
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265・児玉健次
○児玉委員 それじゃ、その努力をお願いしたいのです。
さらに、不法投棄とそれによって生ずる支障の除去を都道府県知事、市町村長が行ったときの資金の出捐、そのための基金について今度新たに提起されました。前回の改正のとき、私は、アメリカのスーパーファンドの問題を出して、当時の下条厚生大臣が、検討したいというふうに述べられたことがあります。今、スーパーファンドにすぐにいっているわけじゃないけれども、この基金という提起がされている、そのことを私は注目しています。
この中で、事業者への協力とあります。この産業廃棄物法の核心をなす条項の一つは、私は第三条だと思う。第三条に、「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」と言い切っていますね。そのこととも重ねながら、事業者への協力、どのようなことを考えていらっしゃるのか。産業界一般なのか、それとももっと具体的に、こうやって法案を出されている以上、事前の協議なども進めながら、この事業者への協力という点についてどのように提起されてきているのか、その点を伺いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/265
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266・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 不法投棄対策といたしまして都道府県知事が行います原状回復措置に対し、事業者がそれに必要な基金を出資していただくということを考えておりまして、私どもの調査によりますと、産業廃棄物の不法投棄というのはいろいろ業種によって相当異なりますが、ただ、投棄者不明、あるいは投棄者がわかっても資力がないというふうなケースの約九割は建設系の廃棄物が占めるという事実がございます。そういったことを踏まえますと、基金への拠出につきましては、当面、建設業界を中心に対応を求めていく考えでございます。
しかしながら、不法投棄が現状のまま、私どもの調べたまま推移するかどうかわからないわけでございますから、この推移をよく追いかけていきながら、必要があれば関係する業界にもまた協力をお願いするということになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/266
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267・児玉健次
○児玉委員 個々の産業界のどこがいいのかということについて私は述べるつもりは全くないのですが、九二年に設立された産業廃棄物処理事業振興財団、ここの基金造成の進行過程を見てみましても、やはり懸念が残ります。そして、都道府県や市町村に対して、この不法投棄に対してそういった部分で努力をしたときに一定の財政的な支えをするというのは必ず必要なことですから、この点の取り組みは強化していただきたいのです。
それで、この分野の最後の質問を私は大臣にいたしたいのですが、先ほど言ったスーパーファンド、これはアメリカで既に確立しているものなんですが、決して大昔の話じゃないのです。御存じのナイアガラの滝の近くに産業廃棄物が埋められて、埋めた人間が、事もあろうにそれを地域の人たちにわずか一ドルで売り払ってしまって、その後、深刻な事態が生まれる。カーター大統領の時期です。一九七八年に事態が生まれて、もう八〇年の段階でアメリカはこのスーパーファンドを立法化しました。
そして、日本でも、鉱業法において、閉山して鉱業権が消滅するか、消滅していなくても鉱業権所有者が無資力である、そういう場合に、日本の鉱業法では事業団が肩がわりして対策を進めるという現行法がございます。
このあたりを視野に入れて、現に起きている不法投棄と同時に、将来明らかになるべきものをも見通してスーパーファンド的なものにさらに一歩進める、その検討をお願いしたいのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/267
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268・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回の原状回復措置の基金制度、仕組みを考えます際に、さまざまな議論がございました。いわゆるPPPの原則、汚染者負担の原則というものを貫くべきではないかということもございますが、過去の中公審の答申におきましては、例えば投棄者不明等の場合のPPPの原則は貫くのは大変難しいから各セクションがやりなさいという御意見もあるわけでございまして、しかも、こういう制度をビルトインします際には、産業界それから地方公共団体の方々等の十分な御理解がなければなかなか進められないわけでございます。
私ども、そういう御意見の一方で、今先生御指摘のありましたスーパーファンドのことについても少し勉強いたしました。なかなか立派な制度だと私も思っていたのでありますが、現実はなかなかうまくいかないという問題点も内蔵しているようであります。
それから、この問題の検討に当たりまして、産業界全体から広く薄く拠出をしていただくということも一つの議論としてございましたし、あるいはこういう問題は公共がすべてやるべきだという御意見も、非常に分かれる分野でございます。
それらの御意見の間を踏まえて、ちょうど今回の案で、ぎりぎりの線で皆様方の御理解をいただいたということでございます。したがいまして、ぜひ私どもとしてはこの制度をうまく運用して対処してまいりたいとは思いますが、さらによりよき制度、仕組みというようなものが、世の中また変わってまいりますので、そういうものがあれば、そういう状況を踏まえてまた検討していくということにはやぶさかではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/268
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269・児玉健次
○児玉委員 ちょっとこだわるようですが、前回もこのことについては大臣に御答弁を願ったので、大臣のこの点についての抱負を一言お聞きしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/269
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270・小泉純一郎
○小泉国務大臣 不法投棄というのが後を絶たないし、その後、原状回復をどうやるかというのはどこの地域でも悩んでいるところだと思いますね。これは行政と産業界、理解と協力を得なければならない。そのための今回の法改正ですから、まずは今回の法を成立させて、現在の不法投棄等産業廃棄物処理に関する不信感をどうやって取り除いていくか。そのために、私は、今回の法改正というのはもう大きく前進していますから、その中ででき得るだけ各界の協力を求めていく、そのために行政も積極的に関与をしていくということで、まず様子を見て、それからさらにどういう進んだいい措置があるか、外国の例を見ながら改善していけばいいのではないか。
まずは、今回の法というのが一歩も二歩も前進だということを御理解いただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/270
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271・児玉健次
○児玉委員 最後の質問に入りますが、放置自動車についてです。
一九九四年、今から三年前の時点で、全国で、自動車のうち廃車になるのが約五百万台です。そして、厚生省からいただいた資料によると、路上放棄車で処理協力会によって処理された実績は、一昨年の段階で一万一千八百四台ですね。
たまたま、私は、横浜市がどうかということをこの十年ばかりずっと調べてきたのですが、十年前を振り返るまでもなく、一九八五年、今から十二年前のとき、横浜市の不法投棄、そして横浜市が除去した車は十六台です。それが、八七年に八十九台、そして、九五年には八百九十九台にふえています。どこに放置されるかというと、山林、農業専用地区、住宅街の死角、港湾など。一台の処理について処理協力会から一万六千四百八十円、その程度が補助されています。これをどうするかという問題がこの後大きな課題にもなっていくだろう。
今、自動車の生産状況を見てみますと、メーカーの上位五社で、普通自動車について言えば生産台数の九七・四%を占めています。事業者の責任という場合に、もちろん、自動車で言えば途中のディーラーそして消費者、転売転売という難しさがあるけれども、販売ルートをさかのぼって、もし自動車を回収していく何らかの道筋がつくられれば、事態は変わっていくと思うのです。
そして、そのようにすることによって、例えばスウェーデンのボルボがそうですけれども、自分でつくった車を自分で処理しようと思ったら、この部分の再利用をどう進めるか、ここのところの解体をどのように速やかに行うか、ハンダづけでなくてボルトで締めるとか、こういう努力が急速に進んでいきますねっそれで、多くの困難はあるけれども、例えば自動車のように寡占の生産状況のもとではメーカーに回収させる、この方向で検討を開始していくことが今求められているのじゃないか。
先ほどフロンの問題が出ましたけれども、フロンの約六割が実は車なんですね。放置自動車の問題は同時にフロンの問題でもあるのです。この点、私は今すぐとは言わないけれども、検討課題として、厚生省、いかがでしょう。
〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/271
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272・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 今回の法改正に当たりましては、産業廃棄物の不法投棄に関しまして、投棄者が不明または資力不足の場合にその費用をだれが負担するかという問題につきまして、私が先ほど御説明申し上げましたような御議論をいただきまして仕組みをつくったということでございます。
放置自動車問題についても、このような不法投棄に関する議論を参考にすれば、第一義的に責任を有する放置者にかわって製造者に費用負担等を義務づけることは、現状においては困難な面が多いと考えております。
なお、通産省の産業構造審議会におきましては、産業界によります廃自動車の回収・リサイクルのあり方等について審議がなされておりますので、その状況も参考にしながら、より適切な方策について検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/272
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273・児玉健次
○児玉委員 今後の課題をお願いして、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/273
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274・町村信孝
○町村委員長 中川智子さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/274
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275・中川智子
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。
私が暮らしています兵庫県の宝塚市は、日本で初めて、十年前にダイオキシンを問題にし、市民運動が展開され、一人の女性市議、広田陽子さんとおっしゃる方なんですが、彼女を中心にしてグループがこの問題に取り組みました。
せんだって厚生省の方に伺いましたら、宝塚のこの運動が日本で初めてダイオキシンを問題にした市民運動だったということを伺って、私はとても誇りに思い、また、やっと十年目でこの法案が提出された、感無量のものを覚えます。
そのような中で、今もまたダイオキシンの裁判を闘いながらその住民運動は継続していますが、やっと厚生省も、こう言ってはなんですが、重い腰を上げてくださって、平成二年末にガイドラインをつくり、先般、それを強化したものがつくられました。これは本当にすごくうれしいことですし、評価いたしますし、また、本法案がそれをもとにして一歩も二歩も、先ほど大臣がおっしゃったように前進するものであってほしいという思いを込めながら質問させていただきます。
ダイオキシンの問題は、発生は大型焼却炉と比較して小型の方が、五トン以下のすそ切りの方が発生濃度が高いということは住民の中でいまだに非常に不安がございます。すそ切り施設というのを今回なくしてほしかったなという、そこのところを置いてのこの内容に関して、いまだに非常に不安を捨て切れずにいます。
ダイオキシン対策を進めるために、焼却施設に係る廃棄物処理法の許可のすそ切りを見直すべきだということを強くお願いしたいのですが、これに対しての厚生省の御見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/275
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276・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 小型焼却炉による焼却につきましては、炉内温度が変化しやすく、適正な燃焼状態を維持しにくい、あるいは排ガス処理設備が設置されていないものが多いなど、ダイオキシン対策の観点から非常に問題があるというふうに考えております。
このため、小型焼却炉のあり方につきましては、現在、廃棄物処理基準等専門委員会を設けまして検討を行っているところでございます。現時点では、より小規模なものも許可対象となるようすそ切りを見直す、あるいは許可の対象か否かにかかわらず、また既存の施設も含めまして、廃棄物の焼却を行う設備が満たすべき基準を定めるなどの措置を検討いたしておりまして、ダイオキシン対策につきまして格段の強化をいたしたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/276
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277・中川智子
○中川(智)委員 ぜひよろしくお願いいたします。やはりそこをしっかりとしてこそ、本当に不安が全くなくなるということは、これから先いろいろなこともまた起こってくるでしょうけれども、それがやはり前進の第一歩ではないかと思いますので、お願いしたいと思います。
そして、ただいま申しましたように、このような住民運動、あちこちで紛争が起き、さまざまなところでその問題解決に厚生省も大変御努力をいただいたと思いますが、このような市民運動がある程度環境問題に対して警鐘を鳴らし、そして国を引っ張ってきたという思いが私には強くございますが、今回の法案の中身を拝見いたしますと、今までは住民の合意というところがありましたけれども、今回は、意見書を出すことができる、ここのところが、後退したのではないと読み込めば読み込めるのですけれども、住民の意見を真剣に聞くようなシステムになっているのかどうか、そこのところを厚生省にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/277
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278・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 廃棄物の処理と申しますのは、我々の日常生活や産業活動に密着した問題でございまして、廃棄物処理のあり方を検討するに当たりましては、廃棄物処理に係ります問題を身近に抱えている住民を初めとして、関係者の御意見に広く耳を傾けることが重要であるというふうに認識をいたしております。
このため、今回の法改正の検討に当たりましても、生活環境審議会の場等を通じまして、さまざまな分野の方々の意見を幅広く聴取いたしまして、改正案の内容に生かしてきたところでございます。例えて申し上げますれば、産業廃棄物処理専門委員会というのを設置しておりますが、そこへ消費者団体の方々等をゲストスピーカーでお呼びいたしまして、いろいろ問題をディスカッションしていただくというふうなこと等で、私どもといたしましては、可能な限り、広い国民各層の方々の御意見が法案の前提となります委員会の議論に反映されるように努力をしてきたつもりでございます。
今後とも、廃棄物処理といいますのは国民の皆さんの御理解、御協力というものがなければそもそも簡単にいくものではございませんので、幅広く国民の皆さんの御意見に耳を傾けながら行政を推進してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/278
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279・中川智子
○中川(智)委員 そうしたら、身近に非常に不安に思っている人がどこにその不安を持っていき、そのような窓口というのはどこになるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/279
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280・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 一般的に申し上げますれば、さまざまな要因で健康不安というのをお持ちになっていらっしゃるのだろうと思いますが、それは、例えば保健所の保健相談でありますとか、それから市役所、区役所等に、健康相談の日とかいうのがございますので、そういうところへ問題を持っていっていただくということになるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/280
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281・中川智子
○中川(智)委員 ありがとうございます。
次に、不法投棄のこと、不適正処理の問題について伺いたいと思います。
さまざまな市民運動をやっている友人たちに聞きますと、民間業者も不法投棄に関してはかなりひどいけれども、一番ひどいなと目に余るのは公共事業の産廃じゃないかということを結構聞くのですね。公共事業に伴って発生する産廃の不適正処理について、コンクリート殻やアスファルトの塊とかというのがかなり最終段階で、請負業者が山の中に捨てたりとか、その辺のお金がもう最後残っていないのか、それともそういうところにお金をかけるのがもったいないとか、いろいろなあれがあるかもしれませんが、公共工事の発注者として、産業廃棄物に対する信用回復のために、いわゆる処理計画を建設業者ときっちり打ち合わせているのでしょうか。最終チェックというのはきっちりされているのでしょうか。
このあたりの全般的なことに関しまして、公共事業の御三家でいらっしゃいます建設省、農水省、運輸省の方にお伺いしたいと思います。最初に建設省の方に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/281
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282・南部隆秋
○南部説明員 お答えいたします。
先生御指摘の公共工事の現場からの産業廃棄物の問題でございます。御承知のとおり、建設廃棄物は発生量が非常に多うございます。ただ、その中でかなりの部分が再生利用だと思っておりまして、適正な処分というのはもう当然のことといたしまして、我々はその有効利用にも今一生懸命取り組んでいるところでございます。
御指摘のコンクリート廃材へそれからアスファルト廃材、こういったものにつきまして、その適正な処分は当然のことといたしまして、契約のときに最初から、それをどこにどう処理するのか、その場所はどこかということを最初の契約の中に明記いたしまして、それを処分する。指定処分と申しておりますが、この指定処分を実施する。それと一緒に、お金につきましても、その運搬の費用、それから再資源化に要する費用、そういったものもきちっと積算して計上するようにということをやっております。当然、処分する場所が遠くなりますとそれだけ運搬のお金もかかるわけですから、その分のお金も見てあげなくちゃいけないと思っております。
それからリサイクルにつきましても、この二つには一生懸命取り組んでおりまして、一歩進んで、建設省の直轄工事におきましては、原則として現場から四十キロメートルの範囲内に再生処理の工場があるといった場合には、再資源化施設へ搬出する、それから品質を考慮した上で再生資材に利用するということを徹底してやっております。
また、地方公共団体の方々に対しましても、先ほど申し上げました指定処分、これをきっちりやってくださいということをお願いしているという状況でございます。
こういった取り組みの結果、私どもの方で実施いたしました建設副産物の実態調査によりますと、コンクリート廃材につきましては、平成二年度に四八%だったリサイクル率が平成七年には六五%まで上がっておりますし、アスファルト廃材につきましては、平成二年に五〇%だつたものが八一%まで上がっております。
また、昨年の十一月には、学識経験者等に入っていただきまして建設リサイクル推進懇談会というものをやりまして、この中で「建設リサイクル推進の在り方について」という提言をいただいておりまして、省資源それから資源循環型の社会の構築に向けまして、発注者、施工者等の建設工事に係る主体がおのおの責任を持って、お互いに協力して、発生の抑制、それから再利用の促進、適正処理の推進、我々この三つが柱だと思っておりますので、この三つに積極的に取り組めという御提言をいただいております。
今後とも、この提言、それから今回の法律の改正の趣旨を踏まえまして、マニフェストの徹底、契約の適正化、それから指定処分の徹底というものにさらに努めまして、厚生省を初めとする関係省庁と連携しながら、不法投棄の防止に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/282
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283・中西基員
○中西説明員 お答え申し上げます。
御承知のとおり、運輸省は、港湾、空港、海岸などの公共事業を所掌しているわけでございますが、運輸大臣が事業者として直接工事を行う、いわゆる直轄工事というのがございます。そういった工事から発生する産業廃棄物といたしましては、今先生御指摘のように、工作物の撤去に伴い生じますコンクリート、アスファルト等の破片がございます。運輸省関係の工事の性格上、工作物の撤去のケースは、総体的には少ないとは存じます。そういうことでございます。
それで、そういった場合の産業廃棄物の適正な処理につきましては、まず関係法令を遵守するよう工事契約書などの中で請負者の義務を明示しております。
なお、港湾とか空港工事におきましては、工事区域内におきましていわゆる盛り土等や切り土を適正に調整するということで、埋立材として有効に利用するということで建設残土の発生を極力少なくするよう努めているところでございます。やむを得ず建設残土が発生する場合には、土捨て場を指定して、不法投棄がないように対応しております。
なお、当然でございますが、今後とも、建設残土の発生というものにつきましては極力抑制するとともに、建設残土の有効活用を推進してまいりたいと思います。
なお、運輸省の港湾整備におきましては、廃棄物埋立護岸という制度がございまして、埋立処分により、他の公共事業から生じました廃棄物等につきましても、支障のない範囲で受け入れているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/283
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284・松浦良和
○松浦説明員 農林省の行っております農業農村整備事業についてでございますけれども、直轄事業につきましては、工事中に発生いたしますコンクリートの塊等の建設廃棄物でございますけれども、こういうものにつきましては再資源として利用するように努めてございます。さらに、地区内での処理に努めるということをいたしております。これによらずに最終処分をする場合は、産業廃棄物処理場に運搬処理することを、工事の特別仕様書というのがございますけれども、その仕様書の中に記載して適正に対処をいたしているところでございます。
それから、圃場整備、水路の工事、農道整備等の補助事業につきましても、廃棄物処理及び清掃に関する法律に基づきまして適切に処理するよう、通達によって指導いたしているところでございます。
さらに、産業廃棄物ではございませんけれども、建設発生土につきましては、工事区域内において、切り土の量それから盛り土の量、これを適正に調整いたしまして、建設発生土を極力少なくするように努める。さらに、圃場整備事業におきましては、他の公共工事等の建設発生土を従来から地盤のかさ上げ等に活用いたしてきておるところでございます。
今後とも、建設廃棄物等の発生を極力抑制するとともに、これらの有効活用を推進いたしまして不法投棄の防止に努めてまいりたい、このように考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/284
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285・中川智子
○中川(智)委員 それだけしっかりしていらっしゃるにもかかわらず、かなり不法投棄があるというのは非常に不思議だなと思うのですね。ですから、その最終チェック。通達とか、このように入り口のところでちゃんとやっているが、出口がどうなっているのかというのがとても気にはなりますが、またお三方に出てきていただくのは大変ですので、建設省の方は「建設リサイクル推進懇談会提言」というようなペーパーが出されていて、これである程度わかるのですけれども、農水省も、運輸省も、それだけしっかりしているのに、なおかつあるというところが不思議だというところの不思議を解消してくださるような、何かペーパーを、近々また、できればいただきたいと思います。よろしいでしょうか。
ちょっと委員長、聞いてもらえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/285
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286・中西基員
○中西説明員 持ち帰りまして、検討させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/286
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287・松浦良和
○松浦説明員 ただいまの御指摘に対しましては、検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/287
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288・中川智子
○中川(智)委員 どうぞよろしくお願いいたします。
不法投棄で、もう一点お伺いいたします。
今回、かなり罰金が高くなって、一億円なんという、一億円なんてかけてしまうときっと不法投棄はなくなるだろうと私たちは思いますけれども、夜中にどわっと山の中に行く人はやはり出てくるのじゃないかと思うのですね。一億円で、もう必死で逃げてしまう。
そういうふうなことも考えられるのですけれども、不法投棄の防止のために、罰則の強化だけではなくて、もっとこういうところに警察の方も頑張ってもらうとか、地域住民の方の御協力をお願いするとか、いろいろな方法があると思いますけれども、この罰則、罰金だけではなくて、もっとほかにいいお知恵を厚生省は持っていらっしゃるのかどうか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/288
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289・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 警察との連携についてでございますが、国レベルでは、平成五年十二月に、厚生省、警察庁、社団法人全国産業廃棄物連合会の間で産業廃棄物不法処理防止連絡協議会というのを設置いたしまして、情報交換等を密にいたしますとともに、施策の連携強化を図っているところでございます。
また、厚生省といたしましては、都道府県においても同様に、廃棄物所管部局と都道府県警察で協議会を設置いたしまして連携の強化を図るよう指導しておりまして、現在、すべての都道府県におきまして同様の協議会が設置をされておりまして、共同いたしまして不法投棄監視事業を実施するなど、不適正処理防止のための各種施策の連携を図っているところでございます。
また、都道府県の中には、一般市民の中から不法投棄監視員を委嘱いたしましたり、地域住民に対しまして、不法投棄を発見した場合にはすぐに都道府県に通報するよう、広報等を通じて啓発するなど、住民の協力を得ながら不法投棄の防止に努力をしているところでございます。
厚生省といたしましては、今後とも、このような都道府県における創意工夫を生かした不法投棄対策の実施を支援してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/289
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290・中川智子
○中川(智)委員 はい、わかりました。
次に、マニフェストのことで伺いたいのですが、不法投棄に対してこのマニフェストを活用した早期発見の仕組みを検討するということはお考えとしてはないのかどうか。
今、近畿の方では、二府四県で、このような形でやっていこうと、マニフェストを活用した不法投棄の早期発見ということが考えられているのですけれども、これに関しての厚生省の御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/290
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291・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 産業廃棄物の不法投棄に対します監視あるいは発見につきましては、まずは、各都道府県の区域内におきます監視の充実が基本というふうに考えておりますが、産業廃棄物が広域的に処理されている現状から申しますと、例えば、ブロック単位で関係都道府県が連携をとりまして、マニフェストの情報も活用いたしまして廃棄物の流れを把握することで不法投棄の監視あるいは早期発見対策を進めることは有効な方法だというふうに考えております。
厚生省といたしましても、関係都道府県の連携協力が促進されますよう必要な調整を図りますとともに、マニフェストを活用いたしました不法投棄の監視、早期発見対策についても、効率的、効果的な方法の検討を進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/291
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292・中川智子
○中川(智)委員 現場でさまざまな工夫をされている方々がいらっしゃいますし、そのモデルみたいなものを参考にしながらの不法投棄の抑制、不法投棄をなぐする形での連携が必要かなと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
それと、不法投棄に関連いたしまして、豊島事件というのがございましたけれども、あれは例外中の例外かもしれませんけれども、費用が約二百億円、そのような形になったと聞いています。このような財政負担を強いられる地方公共団体への支援について、自治省などでこれをバックアップするようなことができないかなということを思ったのですけれども、自治省の方の御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/292
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293・岡本保
○岡本説明員 既にこれまでも御議論ございますが、今回の法改正では、不法投棄の実情を踏まえまして、生活環境の保全上の支障があり、一定の手続を経た原因者不明等の不法投棄の原状回復につきましては、産業界、国、地方が協調して実施、負担する仕組みを創設しようといたしております。この原状回復措置の実施に当たりましては、不法投棄事案の実態に応じて、原状回復が各都道府県で円滑かつ迅速に行われる必要がございます。
そういう意味で、そういう個々の事案が行われますように、この仕組みを円滑に動かしますよう、産業界、指定法人、国、都道府県の間で、実施方法それから費用の負担について協議を行うことといたしておりまして、そういう意味で、各都道府県の負担が適切になるような対策を講じているところでございます。
そういうものもございますが、自治省といたしましても、そういう実際の状況や関係都道府県の負担、意見等も踏まえまして、適切に対処してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/293
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294・中川智子
○中川(智)委員 どうぞよろしくお願いいたします。後ろ姿に向かってエールを送ります。
時間がありませんので、最後に二つ、質問をさせていただきます。
私、二年五カ月前の阪神・淡路大震災のときに、私のそばには武庫川という大きな川がございまして、そこの河原はもう瓦れきでいっぱいでした。そして、鳴尾浜という浜も瓦れきでいっぱいでした。さまざまなところが、家を解体した土壁、かわら、いろいろなものが、うわっともう大変だったのです。あれはもうそばで見てはっきり、百聞は一見にしかずというか、そんな感じがいたしますが、言葉ではなかなかお伝えできないぐらい大変な量でした。
そのとき、自治体によって最初からリサイクルを考えて、かわらならかわら、土壁なら土壁というふうにきっちりと区分して置いたところ、また、こう言ったら、私の町のさっきは誇りで今度は恥なんですけれども、うわっと何もかも一緒で山があちこちにできて、結局、その後、またすごいお金をかけてそれを分別したという状況がございました。
あの阪神・淡路大震災で、瓦れきの処理に地元がとても苦労して、あのときは、フェニックスセンターというのがすごく役に立ったのですね、神戸市の。あのときの大災害の瓦れき処理についてちゃんと引き継がれているのか、今後の大災害においてこの間の阪神・淡路大震災をどう生かしていくのか、決してあれを二度と繰り返してほしくないという思いがございますので、そこについての厚生省の御見解をお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/294
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295・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 阪神・淡路大震災、大変な大災害でございましたが、それによりまして、被災地には千五百万トンに及びます瓦れきが発生をいたしました。その処理は大変に困難をきわめたところでございます。
近畿圏におきましては、以前から、大阪湾広域臨海環境整備センター等によりまして、廃棄物の広域処理の体制が確保されておりましたために、本センターが、阪神・淡路大震災での災害廃棄物の最終埋立量が七百六十四万トンございましたが、その約四割に当たります約二百八十万トンの災害廃棄物の受け入れを行うなど、広域処理が円滑に進みまして、震災の速やかな復興に大きく貢献をしたところでございます。
このように、広域的な廃棄物処理体制の確保といいますのは、大災害発生時におきます廃棄物対策の観点からも極めて有効であるというふうに考えておりまして、大阪湾フェニックス計画につきましても引き続きこれを推進いたしますとともに、首都圏におきますフェニックス計画につきましても、その実現を図る方向で努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/295
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296・中川智子
○中川(智)委員 ボランティアとかいろいろな活動があのときあって、防災に関してもあのときのいろいろなことが次に生かせるような、そうでないと、あの苦しみは何だったのかと思いますので、きっちりとそのことに対してもしていっていただきたいと思います。
最後に、大臣の出番なんですけれども、ぜひともお伺いしたいのですが、私も、子供を二人育てるときに母乳をやりました。おっぱいを飲ませて育てましたけれども、そのときに、本当にたくさん飲んで大きくなってというふうに、母乳に対しても何の心配もせずに、これを飲むことが元気な命をつくるのだ、体をつくるのだということで飲ませてまいりました。
でも、今たくさん、新聞なんかでもこのように、「母乳汚染で乳児に影響」ということで、ダイオキシンがいかに次の世代まで影響を及ぼし、またホルモン、いろいろな発がん物質のこととかさまざま心配されていて、今本当に、お母さんが心置きなくおっぱいを飲ませられない。大丈夫かしら、飲ませることがかえってこの子の健康を守ることができないのではないか、それほど、ダイオキシンの不安が母親に精神的なストレスさえ生むという状態になっております。
そのあたりの思いを含んでいただいく廃棄物処理について、国民のさまざまな不安に対して、ぜひとも大臣が、安心できる廃棄物行政を今後頑張ってやっていくのだという、どのように構築されていくのかということの御決意をお伺いして、最後の質問とさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/296
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297・小泉純一郎
○小泉国務大臣 ダイオキシンの問題は、特に母乳まで汚染されているということは、相当深刻に考えなきゃいけないと思います。
乳児にとって最良であるべき母乳、どんなミルクにもかなわない最良であるべき母乳がかえって危険であるということは、相当長期間にわたって汚染されていると考えなきゃいかぬ。動物の生態系、動植物が汚染されるということは、人体にも大きく影響するのだという一つの例だと思いますけれども、こういうことから私は、先日来、参議院、衆議院の審議を通じましても、ダイオキシンについては今まで以上に敏感に危険性を察知して対策を考えるべきだということで、既に事務当局に対しましても、これから適切な調査研究、対応策を考えるように指示しております。
同時に、今後、廃棄物の問題につきましても、人間社会の日常生活を進めていく上において廃棄物というのはどうしても出るわけでありますので、これをどうやって再利用していくかという技術開発、さらには、お互いが大量生産・大量消費・大量廃棄という問題というものをほっておいていいはずがありません。
こういう問題につきましても、産業界そして行政、国民全体が、廃棄物問題について、自分の問題である、加害者であると同時に被害者であるという視点から、環境保全、人体の健康を守るという観点から努力していかなければならない。
特に、これは人間の社会で最近でもたばこのポイ捨てとか、車の灰皿を、とまっているときわざわざ灰皿ごと捨てる人がいる。こういうことを残していたらこの廃棄物問題は解決しない。やはり国民の啓発運動、これも大事じゃないか。ごみを処理することも大事ですけれども、できるだけごみを出さない、ごみを減量するという観念も持つてもらわないと、人類はこれからとんでもないことになる。廃棄物処理というものは、すべての人類にとって最も厄介でありますけれども、同時に、最も大事な問題であるという視点から対処していきたい。
今回の法改正は、不法投棄等今までのいろいろな解決しがたい問題に対してどうやって少しでも前進させるかという案でございますので、現状よりは一歩でも二歩でも前進し、さらに、この改正法成立後は、廃棄物処理に対するよりよき国民運動というのが必要ではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/297
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298・中川智子
○中川(智)委員 ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/298
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299・町村信孝
○町村委員長 土屋品子さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/299
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300・土屋品子
○土屋委員 21世紀の土屋品子でございます。
まず、最終処分場の安全性について、既に多くの質問が出されておりますので重なるかと思いますが、お伺いしたいと思います。
現行の法律では、都道府県知事または市町村長の施設への立入検査の権限を規定しておりますが、昨今、安定型処分場に安定型五品目以外の廃棄物が混入したり、管理型処分場でも遮水シートが破損したりするなど、本当に多くの問題が発生しております。検査・監視機能が十分に機能しているのかという疑問を感じているところでございます。最終処分場の設置場所も山の谷合いなどの水源地に非常に近いところが多く、周辺環境への悪影響が心配されております。
これらの対応について、今までの検査・監視体制でよいのであろうか、さらなる安全性のために都道府県知事あるいは市町村長に対して政省令や通達などによりどのような対応をとることを考えていらっしゃるのか、また、立地規制についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
それと、将来にわたっても安定型処分場が今までのあり方でよいのであろうかという疑問も感じております。分別収集の問題や有害物質が出ているなどの問題があります。将来は安定型処分場をなくし、構造基準を強化した上で最終処分を図り、周辺住民に理解をいただき設置することができるような形をとれればよいのではないかと考えております。
現在、処分場の構造基準などについては専門家による廃棄物処理基準等専門委員会などで検討中とのことですが、構造基準の強化はどのような方向で検討されているのか、これもお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/300
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301・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 三点ほどのお尋ねであったと思いますが、もし抜けましたら御指摘をいただきたいと思います。
廃棄物の不適正処理を防止いたしますとともに、不適正な処理に対しまして早期に指導を行いまして適正な処理を推進するためには、都道府県の監視取り締まり体制を強化するということが御指摘のとおり必要でございます。
このため、法律によりまして、各都道府県に環境衛生指導員を置くこととされておりまして、さらに、厚生省といたしましては、立入検査に関する年間計画の作成、重点的指導事項の決定、改善計画の提出とその履行の確認など、立入検査及び指導に関するガイドラインを定めまして、都道府県に対しまして立入検査及び指導の強化、徹底を指導しているところでございます。
今後とも、警察との連携の強化あるいは関係住民の協力も得ながら、地域の状況に応じて、効果的な監視指導体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
それから、水源地におきます設置規制の問題の御質問であったと思いますが、今回の改正案におきましては、最終処分場等の廃棄物処理施設の設置に当たりましては、周辺の生活環境影響を調査させますほかに、地域住民等から生活環境保全の観点から意見を聴取いたしまして、これらにつきまして、専門家の意見も踏まえて審査することとしておりまして、その審査基準として、地域の生活環境の保全について適正な配慮がなされたものであることを求めているわけでございます。
これによりまして、水源地におきます施設の設置につきましては、一律には禁止をしているわけではございませんが、地域の実情を踏まえた生活環境の保全に十分配慮されたものでなければ設置が認められないものと考えております。
それから、処分場の基準等の検討でございますが、例えば管理型処分場につきましては、遮水シートを二重にする等、技術上の基準についても今検討をお願いしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/301
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302・土屋品子
○土屋委員 次に、マニフェスト制度の適用の特例についてお伺いしたいと思います。
先ほど五島委員からも質問があった中での御答弁の中では、すべての産業廃棄物に拡大するというお話でございましたけれども、先日の参議院での審議において、例外として厚生省令で定める場合にはマニフェスト制度を適用しないとの答弁がありました。
従来の行政において、厚生行政だけではなく、例えば住専の事例を取り上げてみましても、例外が結果として抜け穴になってしまったという苦い経験があります。本法案におきましては、特例が産業廃棄物の不適正な処理の温床になるのではないかと危惧しております。
また、マニフェスト制度を例外なく適用することによって産業廃棄物全体の流れを把握できたり、マニフェストを電子化するということでもありますので、リサイクルの効率化や情報交換にも役立つのではないかと思い、マニフェスト制度はあえて例外を設けず、すべての産業廃棄物に適用するのが望ましいのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
マニフェスト制度の特例の範囲をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/302
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303・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 産業廃棄物管理票制度につきましては、原則としてすべての産業廃棄物に拡大をすることとしておりますけれども、再生利用認定制度に基づきまして認定を受けてリサイクルをされます産業廃棄物につきましては適用しないことを予定いたしております。
本来、産業廃棄物管理票制度は、排出事業者が、排出いたしました廃棄物が廃棄物として適正に処理されたことをみずから確認する制度でございますが、再生利用認定制度というのは、生活環境保全上の支障が生じることなく再生利用できる廃棄物に限るわけでございまして、再生利用の内容を限定いたしまして、かつ、申請者ごとに個別審査の上、確実に適正な再生利用が行われる場合に限って認定することを想定しておりまして、適正な処理が十分確保されるということからマニフェスト制度を適用しないということにするものでございます。
なお、リサイクルの名をかりました不適正処理は行われてはならないと考えておりますので、適正な再生利用が確保されますように、再生利用の認定制度の対象者につきましても廃棄物処理基準を守っていただく、あるいは報告を徴収する、立入検査をする等、必要な規制は適用するということといたしておりますので、不適正な再生利用が行われることのないように十分対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/303
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304・土屋品子
○土屋委員 最後になりましたけれども、排出者責任の明確化と国民、事業者への啓発活動についてお伺いしたいと思います。
先ほど大臣からも啓発活動が非常に大事であるという御答弁をいただきましたので、私も力強く感じておりますけれども、本法案の第二条の三に「国民の責務」という規定があり、廃棄物の排出の抑制、再生品の使用等による廃棄物の再生利用の推進、廃棄物を分別して排出すること、廃棄物を自己処分することなどを通じて国や地方公共団体に協力しなければならないというような規定があります。この法律を見て、これはまさに本当に国民に啓発しなはればならない法律であるということを感じたわけでございます。
この規定は昭和四十五年の制定当初からのものであるということですが、現在まで、国民の間の廃棄物に対する当事者としての意識についでは、リサイクル率の低さや分別収集の苦労からもうかがわれるように、まだまだ頑張れると思わざるを得ません。
廃棄物の問題は処理業者や事業者の問題であると同時に、製品を使用する国民の問題でもあると思います。産業廃棄物については、直接廃棄物を排出する事業者が責任を持って再利用や最終処分を行い、国民もまた減量化を推進したり、再資源化や最終処分に係るコストを負担するといったような責務を果たす必要があると思います。
環境問題の話になりますと、いつも先進国ドイツの話になるわけですけれども、国民の当事者意識が日常生活に深く浸透しておりますドイツでは、例えばワインの容器を何回も使用したり、古くなった靴を捨てる場合は、布と金具とゴムの部分を分離して分別ごみに出したり、徹底した減量化と分別収集の努力がされている。こういう点について、日本でも同じように徹底した当事者意識が必要なのではないかということを感じているところでございます。それによって、将来、資源循環型社会が実現することができるのではないかと思っています。
そこで、本法案の改正に当たり、排出者責任を明確にし、あわせて国民や事業者への啓発活動や誘導策についてこれからどのようにお考えになっていくかということをお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/304
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305・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 先生御指摘のように、ごみ問題というのは、私どもの日常生活で日々出ていくものでございます。しかも、その処理につきましては、物を買うときに比べまして、物を捨てるというのは非常に容易に捨ててしまうというようなことで、なかなかそういう難しい問題を抱えております。なおかつ、今御指摘のございましたように、例えば分別収集をやるためには分別排出をしていただかなければできないわけでございます。
そういうふうな意味と、ごみ処理の全体についての事業者責任、自治体責任もさることながら、国民の皆様方の御協力というのがこれは絶対必要でございまして、毎年、ごみ減量化 リサイクル推進週間というようなものを設定いたしましたり、ごみ減量化推進全国大会の開催等を行っているところでございますが、日常的にいろいろな媒体を使いまして、本問題の重要性について十分御理解をしていただくよう啓発活動を強めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/305
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306・小泉純一郎
○小泉国務大臣 御指摘のとおり、国民全体へのごみに対する啓発活動というのは大変重要だと思います。
先般のリレハンメルのオリンピック大会で、世界の観光客が集まる、そのときに、環境を大事にしようということで、ナイフもフォークも食器もたしかトウモロコシでつくったのですか、捨てたとしても環境に害を与えない、自然に土に返って将来汚れな心すうな、環境を大事にしようという、あのリレハンメルのオリンピック関係業者は大変いいことをしたと思うのです。
私は、それに倣うわけではありませんが、長野の冬季オリンピックもリレハンメルに負けないような、これを、世界にも環境問題の重要性を指摘する意味において、また日本国民にとっても、観光客にとっても、ごみを捨てない、そして捨てたとしても環境に害を与えない、食器等、そのような知恵を出して、単なる競技に終わらせないで、この際、廃棄物、環境問題に配慮するようなオリンピック大会にするように、私は長野オリンピック関係者にこれから訴えてみたい、そして国民的な、この廃棄物に対する、環境問題に対する重要性を喚起したい。
今質問を聞きながら、思い出したままをお話ししましたけれども、機会を利用して、長野オリンピック大会にも何とかリレハンメルみたいな、環境を大事にするような配慮を持ってもらえないかということを今考えておりますので、その線で何とか努力してみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/306
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307・土屋品子
○土屋委員 どうもありがとうございました。
私ども議員も一人一人が真剣にやはりこういうリサイクルの問題を考えていかなければならないと、大臣の御答弁を聞きながら私もしっかり胸に刻みました。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/307
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308・町村信孝
○町村委員長 土肥隆一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/308
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309・土肥隆一
○土肥委員 土肥隆一でございます。
いつも最後で、お疲れでしょうが、おつき合いいただきたいと思います。
今回の改正は、要するに八条と十五条といいましょうか、廃棄物処理施設の促進を図る法案だというふうに私は理解しているわけです。そして、それは廃棄物処理施設業者のみならず、.都道府県、市町村も応援して、今逼迫している処分地を何とか確保しようという法案だろうと思うのです。その逆を言いますと、今度は、地域や、あるいはその施設に反対する地域住民の反対を抑えるということになるわけですね。これはもうどうしようもない両者の関係になるわけでございます。
私は、この法案を読みながら、いろいろシミュレーションをしたのです。ある廃棄物処理業者がある特定の土地を買収しまして、ここに最終処分地をつくりたいというときに、地域住民が、何をつくるのだと言ってきますね。最終処分地を考えているのだけれども、これは都道府県が最終的に許可するかどうかわからないからとにかく調べさせてくれといって環境調査をいたしますね。そして、その業者、あなた自身が当事者じゃないのかと言うと、いや、これは県に申請して環境アセスメントもやって、そして知事が認可したときに初めてそれは縦覧される、そのときからしか何も言えない、何もできない、こう言います。そうしますと、結局、その間はずっと、測量も終わって、環境調査も終わって、そして申請書にきちっと規定どおりのものが書き上がって県に出す。そして縦覧が一カ月、その縦覧が終わってから後二週間以内に文句があるなら言いなさい、こういう建前になっていますね。そうすると、ずっと地域住民を後ろへ押し込んでいくわけです。
そして、その間に市町村とも相談して、どうだね、いいですねというような話もでき上がってくる。もう一つ、権威ある専門家の集団も、これはいい施設だと言う。ずっとでき上がって、縦覧が終わって、あと二週間の間に意見等を申しなさいと。しかし、これは非常に科学的な環境調査と綿密な専門家の検討を経ているわけでありますから、その二週間の間に地域住民は何か反論できるだろうかということを考えるわけであります。
これは何か私、ひねくれた見方ではなかろう、そういう法案ではなかろうかと思うのですが、局長の見解をどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/309
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310・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 大変文学的なお話なものですから、ちょっとどうお答えしていいかわからないのでありますが、ただ一点だけ、先生、誤解といいますか、少し違うなというふうに私が思いましたのは、まずは、例えば私が施設を設置しようと思いますと、私がある地点で環境影響調査をやりまして、その結果と、こういう施設をつくりますという申請書を都道府県知事に持っていきます。そうすると、都道府県知事はそれを告示縦覧をしまして、関係住民は、例えばそれによって氷が汚れるのではないか、あるいは空気が汚くなるのではないか、騒音がひどくなるのではないか、それに対して一体これをどうしてくれるのだという意見を出すわけでございます。その意見に対して専門家が審査をするわけでございますので、専門家の審査が済んだものが住民の前に出るわけじゃございませんので、住民の皆さん方の不安にこたえ得るような施設になっているかどうかは、その次の段階で専門家が審査をした上で都道府県知事が許可をするかしないかを決める、こういうストーリーになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/310
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311・土肥隆一
○土肥委員 大変結構です。
ただし、要するに、縦覧が一カ月終わって、あと二週間の間にやるわけですね。そのときに、文学的とおっしゃったけれども、単に、水が汚れるのじゃないのとか、空気はどうなるの、においはどうなんだというふうな文学的な表現では、恐らくこの専門家集団には太刀打ちできないと思うのですね。結局、あなたの言っていること、地域住民の言っていることは科学的に理屈に合わないのです、国民の義務として、自分の廃棄物については責任を負うのだからこれはのんでくださいということの手段に使われませんかということです。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/311
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312・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 科学性に名をかりて住民の皆さんにどうこうするということを考えているわけではございませんで、科学的な視点から審査をお願いするというのは、あくまでも公平性、中立性、客観性ということを考えての規定であるというふうに御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/312
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313・土肥隆一
○土肥委員 そうすると、もう全く科学性がなくなってきて、文学性もなくなってきて、よし、それじゃもう体張って、ピケ張って、つくらせないというようなことになったときに、一人は事業者に行かなきゃならない。例えば百世帯の小さな村だったとしまして、三分の一は事業者のところに、三分の一は県のところに、三分の一は市町村のところにと、いわばターゲットが分散される、これもいい手だなと思うのですね、つくる側から言えば。
それで、私は、別に処分地が要らないと言っているのじゃないのです。地域住民の皆さんがだまされたとか――この法律には隘路があって、うっかりしていたら、縦覧なんて私も余り見ませんよね。それから、二週間という間に慌てて住民が集まってどうこうしようといったって、なかなかそれはできない話なんじゃないかと。地域住民に対して、そういう一種の強制力を伴った法律だというふうに思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/313
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314・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 従来、法律に基づきまして設置許可の手続がきちんと定められていなかったということがあったわけでございますので、都道府県ごとに要綱なりなんなりをつくりまして地域の皆さんの御意見を聞く。これはいろいろなやり方がございますし、都道府県によりましてもばらばらな部分もございますけれども、要綱等で対応してきた。それがまた、要綱というのは法律事項ではございませんから、その要綱で定めた手続についていろいろトラブルも多いということがございましたので、地方公共団体の担当者の方々の御意見も十分お伺いをした上で今回のような手続を定めたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/314
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315・土肥隆一
○土肥委員 手続を定めたと言いますけれども、今度の場合は、地元の同意書は要りませんよね。これは旧廃掃法でも同意書は要らなかったと思うのですが、絶えず、行政は、民間業者が仕事をするときに、許認可を与えるときには、地元の同意書をとってくれと言うわけですね。要するに、業者に当たっておけばよかったわけです。そうすると、業者はもう手練手管、何でもいいからとにかく同意書をとるような方法すらとるわけです。
しかし、今度、業者は、いや、県に言ってくれと言いますよ。そうすると、県庁に地域住民がどっと押しかけていって、これはどうするのだと。そうすると、県庁は、いや、市の意見も聞いてくれと。市役所へまた押しかけていって、これをやめろというような場合、これは同意書がなくてもできる仕事ですね。そして、県も市町村も、ちゃんと首長なり県当局、市当局は、地域住民のアピールに対してきちっと受けてくれるのですか、あるときには修羅場になるかもしれないけれども。それは、県の職員はやってくれるのでしょうか。その辺の話し合いはできているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/315
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316・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 これは、先生よく御存じだと思いますが、先ほど先生おっしゃいましたように、施設の建設を地域の住民の皆さんがいろいろと反対しているときに強行する、それは全く例がないかどうか私は存じませんが、普通は、通常は、設置を予定している人たちが地元説明会を開いたりとか、そういうことで住民の皆さんともできるだけ意思疎通を図りながら、地域に調和した施設にしようと努力をしている面もあるということを御理解を賜りたいと思います。
それから、先ほどの、手続につきましては、専門家の意見を踏まえまして、これを反映するという手段を盛っているわけでございますが、住民の意見が施設の設置の許可に当たりまして適切に反映されるということになりますので、生活環境を保全することは可能になるわけでございます。
それで、今回、住民同意ということは求めておりませんが、従来の要綱上の住民同意が目指していたものは、今回の手続を経ることによって、その目指していたものは達成できるのではないかと私どもとしては考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/316
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317・土肥隆一
○土肥委員 私は、住民運動に賛成しているのじゃないのですね。よき理解を得て、納得いく処理施設をつくらなきゃいけない、もっとふやさなきゃいけないことは十分承知しているわけです。
ですから、私の考えとしては、縦覧後二週間じゃなくて、それは一般の縦覧の、あるいは市民通知の一般原則だとおっしゃるけれども、もう少し、もう一カ月とか時間を与えて冷静に、地域住民も考えないと、もう二週間しかないのだといって慌ててどたばたするようなことであっては決してこの法案に沿ったものにはならないだろうというふうに考えているわけです。
ですから、どうもこの法案を読むと、設置業者も相当救われるなと。それじゃ県が、市が、その住民のあらしをきちっと受けとめるような体制になっているのかなということで、私は、この法案から見れば、県も市もきっちりと受けとめて、業者も、地域住民の説得も含めて一緒になって最終処分地を確保していくというふうなスタイルにすべきだと思いますが、局長の意見をお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/317
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318・小野昭雄
○小野(昭)政府委員 まず、お答えをいたします前に、私の説明が不十分であったら御容赦を賜りたいのでありますが、いわゆる縦覧は一カ月やるわけでございます。一カ月やった上で、さらに縦覧が済んでから二週間、ですから一カ月半は、その施設の生活環境影響調査それから申請書の中身については住民の皆さんは見ることができるということでございますので、その点だけは御理解をいただきたい。
それから、御指摘の点でございますが、ごみ処理というのは、どこか一方サイドにだけ物を任しておくということでうまくいく世界ではございません。これはもうよくおわかりだと思います。
例えば、産業界にとってみましても、産業活動をうまくやるためには、産業廃棄物がうまく処理されなければ企業の根幹にかかわる話でございますし、私ども市民の、生活する人たちにとりましても、自分の出したごみが自分の生活環境からきれいに処理されなければ生活に支障を来すわけでございます。
そういう意味では、だれがいい悪いというのではなくて、これは行政も事業者も国民も、リサイクル社会へ向けておのおのの役割を果たすということがまず大前提でいろいろな仕組みが設計されるということが私は大切なことだというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/318
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319・土肥隆一
○土肥委員 その大前提はよくわかっているわけですよ。だけれども、自分のところに処理場が来ると嫌だというのは、地域住民のエゴと言えばエゴなんですね。だけれども、納税者であるし、国民であるし、よく説明して、まあやむを得ないなと、そういうくらいの納得いくような手段を、今度は行政も挙げてやるのですから、そういうスタイルに持っていくべきだと思います。
大臣、最後に、そういう私の意見について何か御反論があれば、どうぞおっしゃってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/319
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320・小泉純一郎
○小泉国務大臣 別に反論はありませんし、この法律によってより国民の理解が深まり、廃棄物が適正に処理されるということを期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/320
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321・土肥隆一
○土肥委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/321
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322・町村信孝
○町村委員長 次回は、来る六日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後六時十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004237X03219970604/322
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