1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成九年四月二日(水曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 木村義雄君
理事 亀井 久興君 理事 岸本 光造君
理事 熊代 照彦君 理事 古屋 圭司君
理事 河合 正智君 理事 河村たかし君
理事 伊藤 忠治君 理事 矢島 恒夫君
佐藤 勉君 斉藤斗志二君
坂井 隆憲君 園田 修光君
竹本 直一君 中川 昭一君
野田 聖子君 野中 広務君
茂木 敏充君 山口 俊一君
吉田六左ヱ門君 赤松 正雄君
漆原 良夫君 遠藤 和良君
神崎 武法君 永井 英慈君
原口 一博君 北村 哲男君
山花 貞夫君 石井 郁子君
横光 克彦君 小坂 憲次君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 堀之内久男君
出席政府委員
郵政政務次官 野田 聖子君
郵政大臣官房長 天野 定功君
郵政省通信政策
局長 木村 強君
郵政省電気通信
局長 谷 公士君
委員外の出席者
法務大臣官房参
事官 菊池 洋一君
大蔵省証券局証
券市場課長 柏木 茂雄君
証券取引等監視
委員会事務局特
別調査課長 滝本 豊水君
通商産業省産業
政策局産業資金
課新規産業室長 立岡 恒良君
逓信委員会調査
室長 丸山 一敏君
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委員の異動
四月二日
辞任 補欠選任
坂井 隆憲君 茂木 敏充君
石垣 一夫君 漆原 良夫君
同日
辞任 補欠選任
茂木 敏充君 坂井 隆憲君
漆原 良夫君 石垣 一夫君
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三月二十五日
郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出第四
三号)(参議院送付)
四月一日
特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を
改正する法律案(内閣提出第四〇号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を
改正する法律案(内閣提出第四〇号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/0
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001・木村義雄
○木村委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。堀之内郵政大臣。
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特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/1
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002・堀之内久男
○堀之内国務大臣 特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、認定計画に係る通信・放送新規事業を実施する株式会社が、当該事業の実施に必要な人材を確保することを円滑にするため、取締役または使用人に対し特に有利な発行価額で新株を発行することによる能力と成果に応じた成功報酬制度を設けようとするものであります。
次に、この法律案の概要について申し上げます。
第一に、認定計画に係る通信・放送新規事業を実施する株式会社が、認定計画に従って当該事業の実施に必要な人材を確保することを円滑にするため、一定の要件のもと、株主総会の特別決議を行うことによって、その決議から十年の間にその会社の取締役または使用人に対し特に有利な発行価額で新株を発行することができることとしております。
第二に、認定会社が、定款にこの法律により新株の発行ができる旨の定めを設けたときは、株券及び端株券にその旨を記載しなければならないこととしております。
第三に、認定会社は、株主総会の特別決議をしたときには、その決議に関する事項を記載した書面を郵政大臣に提出するとともに、その書面の写しを公衆の縦覧に供しなければならないこととしております。
第四に、郵政大臣は、書面の提出を受けた場合等には、その書面等を官報に公示するとともに、その書面を公衆の縦覧に供しなければならないこととしております。
その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/2
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003・木村義雄
○木村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/3
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004・木村義雄
○木村委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤勉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/4
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005・佐藤勉
○佐藤(勉)委員 自由民主党の佐藤勉でございます。
昨年秋に初当選をして以来、逓信委員会に所属をさせていただいておりまして、携帯電話とかインターネットの爆発的な普及に見られるような情報通信分野の活力を日々実感しておりまして、今後の発展を大いに期待しております。この通信分野が我が国のリーディング産業としてその活力を一層発揮できるようにしていくことが、今後の情報通信の発展にとっても、日本経済の活性化や経済構造改革にとっても大事なことだと思いますが、きょうは、情報通信分野の中でフロントランナーであるニュービジネスに対する支援策に関する今回の法案について、法改正の背景、法案の概要、そして今後のニュービジネスの振興の施策等についてお伺いをしたいと思います。
まず初めに、今回開発法を改正する目的についてわかりやすく御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/5
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006・木村強
○木村政府委員 お答え申し上げます。
情報通信分野は、先生ただいま御指摘ございましたように、我が国の将来を担うリーディング産業を形成する分野であるとともに、さまざまな新規事業を創出する分野でございます。我が国の最重要課題であります経済構造改革を推進するための原動力にもなっていくものだという心構えのもとに、私ども担当する行政といたしましても日夜努力しておるところであります。
米国におきましては、ストックオプション制度が幅広く普及をいたしておりまして、その結果、有力なベンチャー企業が次々とニュービジネスを創出し、米国経済の活性化、国際競争力の源泉となっているという実情でございます。我が国におきましても、ベンチャー企業の育成、経済構造改革、新しい経済の体質をつくっていくんだ、産業の活性化を図っていくんだということで、ベンチャー企業の発展が非常に期待されるところでありますけれども、我が国の風土、土壌といいますか、人材確保や資金調達の困難性といいますか、アメリカとは違ったお国柄等もございまして、このベンチャー企業をどんどん発展をさせていくという施策等につきましてもまだまだ不十分なところがあるというふうに認識しております。
こんな状況でございますので、私どもいろいろと施策を考える、こういったベンチャー企業を立ち上げていくための行政としての環境整備、これをどうするかということでありますけれども、今回御提案申しておりますこの法律の改正案につきましては、特に人材確保を円滑にする、ベンチャー企業と申しますのは、通常、非常に中小の、中堅の、しかも新しい、ハイリスクを持って世の中を開拓していこうという仕事であります、資金力も乏しい、人もいないということでなかなか立ち上がりにくいわけでありますけれども、人材の確保という点に着目をいたしまして、ストックオプション制度というものを導入いたしまして、そのインセンティブを高めていこう、こういう趣旨で早急に導入することが必要だというふうに判断をしたわけであります。
この制度ができますと、資金力の乏しいベンチャー企業におきまして、有能な人材がここに集まるということになりますし、それから、役員、従業員の経営努力、勤労意欲というものも高まっていく。何よりもベンチャー企業によります通信・放送新規事業の創出を支援する新しい枠組み、新しい風というものがこの世界に入ってくるということで、我が国が当面しております諸改革の推進にも必ずプラスになる、このような気持ちで御提案を申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/6
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007・佐藤勉
○佐藤(勉)委員 それでは、アメリカではマイクロソフトのような情報通信分野のベンチャー企業が大活躍をしてアメリカの成長をリードしているというふうに聞いておりますが、日本の情報通信分野のベンチャー企業の状況はどんなふうになっているのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/7
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008・木村強
○木村政府委員 アメリカと比較いたしますと、我が国の情報通信ベンチャー企業が大変おくれている部分があるということであります。
これにつきましては、例えばアメリカあたりでございますと、マイクロソフト、例のパソコンソフトで有名なウインドウズというものを出しましたがこういったマイクロソフト、あるいはネットスケープ、インターネットのソフトでありますネットスケープナビゲーターなどを発売しておりますこういったネットスケープのような有力な情報通信ベンチャー企業が次々と登場してニュービジネスを創出するということで、米国の経済の活性化とか国際競争力の源泉というふうになっております。
大体アメリカでは、企業の八割前後というのがストックオプション制度なども取り入れて、こういった活性化のもとになっておるというふうに承知をしております。日本におきましては、こういった中小のためのストックオプション制度というものが、通産省の鉱工業部門で一昨年からスタートをしたという実情でございますが、その程度でございまして、これからこういった制度の充実というのが非常に望まれるというところでございます。
それから、アメリカの状況と日本の状況ということでありますけれども、日本につきましては、登録社数、例えば主としてベンチャー企業が公開いたしております日米の店頭市場の状況で、情報通信関連の企業の状況を見ますと、アメリカでは、登録しております会社の数が千二百社程度であります。全体の二三%ぐらいが登録社数であります。それに対しまして、日本は八十社程度ということで、一二%ということで、店頭市場に登録をしております情報通信関連の企業の割合というのは、米国がやはり非常に多いということであります。
それから、時価総額という点で見ましても、九五年末の数字でありますけれども、米国が、情報通信関連企業、時価総額に占める割合というのは約三五%でありますけれども、日本は一八%程度だということで、その面でも日本が非常におくれておる状況がわかります。また、この時価総額上位二十社というランキングを見てまいりますと、二十社のうち、米国では、先ほど申し上げましたマイクロソフトなど情報通信関連企業が十五社を占めておりますけれども、日本では、上位二十社の中では、ソフトバンク等四社が入っているにすぎないということであります。
こういう意味で、我が国の現在の状況といいますのは、株式を公開していこうという情報通信ベンチャー企業が極めて少ない、このような実情になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/8
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009・佐藤勉
○佐藤(勉)委員 アメリカに比べると日本のベンチャーの活動というのはまだまだ数字をお聞きしても不十分のようでありまして、その有力な解決策としてストックオプションを導入するというふうなことだと思います。ストックオプションがベンチャー企業の発展にとって有効なものか、またアメリカの状況について、その点をちょっとお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/9
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010・木村強
○木村政府委員 米国におきましては、一九五〇年代ころから、有能な人材の確保や役員等への経営インセンティブの付与の有力な手段として、ストックオプション制度が幅広く利用されておりまして、各種調査によりましても、先ほど申し上げましたように、八割程度前後の企業でこのストックオプション制度が採用されておるという実情であります。
一九九六年の調査でありますけれども、こういったストックオプションを導入しております米国の企業の成長率といいますのは、三丁七%ということであります。導入していない企業の成長率は二二・七%だということでございますので、ストックオプション制度を導入している企業の成長率が非常こ高いということで、ストックオプションが企業の成長の源泉の一つとなっておるという実情がわかります。これは、米国の会計監査会社クーパーズ・アンド・ライブランドの調査ということで私ども承知をいたしております。
さらに、米国では、小規模なベンチャー企業の株式公開意欲が非常に高うございまして、未公開の段階からストックオプションを利用して人材の確保を図る例が多いということで、ネットスケープ社は未公開段階でストックオプションを付与して技術者を確保しております。また、新興企業のヤフーなども、これもインターネットの検索ソフトなどで非常に名を上げておりますけれども、ストックオプション制度を導入しておるという実情がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/10
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011・佐藤勉
○佐藤(勉)委員 ストックオプションについて、ベンチャー企業の人材確保にとって有効だというのは、今の御説明で十分に理解をさせていただきましたが、次に、今回の法案のストックオプションの仕組みについてお伺いをしたいと思います。
最近の新聞等々を拝見しておりますと、ストックオプション制度には、ワラント債を利用したものとか自己株式取得によるものとか、いろいろな手法があるようでございますが、開発法では新株発行型のストックオプション制度を導入するのはどうなっているのか、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/11
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012・木村強
○木村政府委員 御指摘ございましたように、ストックオプション制度のようないわゆる成功払い報酬制度というものにつきましては、幾つかの方式がございます。
本格的なストックオプション方式ということで、一つは、現在御提案申しております新株発行方式によるものであります。これは、会社が、契約によりまして役員等にストックオプションを付与して、権利行使があれば、会社は新株を発行して対応しようというものでありまして、我が国では平成七年十一月に通産省のいわゆる新規事業法で、鉱工業分野の新規事業者について導入をされているという実績がございます。
それから二つ目は、自己株式取得方式ということであります。これは、会社が契約によりまして役員等にストックオプションを付与し、権利行使があれば、会社はあらかじめ市場等から取得しておいた自己株式を譲渡するものということで、これは我が国には現在例がございません。
それから、疑似ストックオプションと言われておりますワラント債方式でありますけれども、これは会社が新株引受権付社債、いわゆるワラント債でありますが、これを発行して、会社が分離後のワラント部分を買い戻して役員等に支給する方式ということでありまして、これは既にソニーであるとかコナミであるとか、ゲームソフト制作会社でありますが、こういった三十社程度の会社がこのワラント債方式というものを導入いたしております。
今回の私どものストックオプション制度といいますのは、その趣旨は、主として資金力の乏しい未公開のベンチャー企業の人材確保を円滑化することを目的としているということでありますので、こういった観点から今申し上げましたそれぞれの方式を見てみますと、新株発行方式といいますのは、御案内のように、会社側が資金を負担する必要はない。いわゆる新株を発行するということで株主総会で決議をして、その権利者が新株を求めれば発行するということでありますから、会社としての資金を用意する必要はないということであります。
それから、株式未公開の企業では、市場等から自己株式を調達することが非常に困難でありますので、新株発行方式では、こういった市場から自己株式を調達するといったようなことがございません。そういう意味では、自己株式方式との相違点であります。
それから、ワラント債方式というのは、ワラント債を発行できる社会的な信用力というものが既に企業に備わっていなければならないといったようなこと等を考えますと、本法案におきましてベンチャー企業が最も利用しやすいと考えられる方式というのは、資金がない中小企業が中心にやっていこうという場合には、新しい資金を出さずにできる、あるいはこれから発展させていくんだということでまだ信用力がさほどないという場合には、やはりこういった新株発行方式の方がよりふさわしい中身だろうということで、この方式について私どもとしては実現をしたいということを考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/12
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013・佐藤勉
○佐藤(勉)委員 ワラント債については、確かに信用のある会社がということでございまして、今の説明で、新株発行型のストックオプションがいいというのも理解をさせていただきました。
今回のストックオプションの対象となる通信そして放送新規事業ということでありますが、具体的にはどんな事業があるのか、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/13
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014・木村強
○木村政府委員 通信・放送新規事業と申しておりますが、我が国で初めて行われるような情報通信分野のニュービジネスでありまして、新たな通信・放送事業分野を開拓するというものであります。
最近は、インターネットの爆発的な普及あるいは衛星デジタル放送の開始を背景にいたしまして、例えばCATV回線や衛星を使用したインターネットサービスなども出てきておりますし、衛星デジタル放送に係る事業、例えばパーフェクTVなどもそうであります、こういった関係の会社というのが具体的に想定をされます。現在の認定会社数はこういった新しい通信・放送新規事業として十一社を認定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/14
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015・佐藤勉
○佐藤(勉)委員 ただいまのお話ですと、通信・放送新規事業は、通信・放送分野の先端技術を用いた高度な事業のようでありまして、なかなか認定を受けにくいという状況があるのではないかと思うわけであります。小さい企業を大きくという、言うならば、アメリカのアメリカンドリームじゃないですけれども、日本でのジャパンドリームという夢のある話を、せっかく融資制度ができても実際に利用しにくいのではないかという心配も出てくると思いますが、その辺についてちょっとお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/15
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016・木村強
○木村政府委員 通信・放送新規事業の認定につきましては、新たな通信・放送事業分野を開拓するいわばトップランナー、先頭を切って走る、フロントランナーの方がよろしいかもわかりません、フロントランナーというようなことで、こういった会社を対象に各種の支援措置を講じていこう、そういうところは風当たりがやはり一番強いわけですから高いリスクもあるということで、こういったところがそういうリスクに負けずに飛び出していこう、こういう進取の精神を応援するということであります。
したがって、その認定に当たりましては、そうはいいましても国が、郵政大臣が認定をするということが今のスキームであります。商法が一般的にストックオプション制度を導入するということであれば、一つ一つ大臣が認定をしてということではないわけでありますけれども、いわゆる商法で規定されております株主平等の原則という立場の例外だという点で、そういう例外の会社につきましては大臣の方で、規制を強化するということではなくてむしろ資格付与という観点から認定をするということであります。これは具体的にはどういうものかということでありますけれども、法律とそれに基づきます実施指針というものを策定をいたしておりまして、これに基づきまして通信・放送サービス等の新規性を有した事業を対象とするということであります。
この新規性でありますけれそも、これは先端技術を用いた高度な事業だけを対象とするものではなくて、もちろん先端技術を用いて新しい事業が出てくるということはこれは一番わかりやすいわけでありますけれども、既存の技術でありましても、知恵を出して、新しいアイデアによりまして新しいサービスを提供できる、あるいはそのことによって料金が非常に安くなったとか、新規性といいますかそういう新しい分野が出てきたなというような判断をどうするかということであります。そういう面で、私ども、この新規性に当たりましては、新たな役務を提供する事業、それから新技術を用いて役務の提供の方式を改善する事業といったような観点で具体的な判断基準をつくりまして対応してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/16
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017・佐藤勉
○佐藤(勉)委員 お答えをいただいて心強く思っておるわけでございますが、ただ、先ほども申し上げましたように、小さい会社が伸びようとするに当たってはやはりいろいろな面で大変な部分があるんだと思います。そんなときに、やはり手とり足とりということになるとは思いますけれども、ぜひとも柔軟な運用に配慮していただきたいと思います。
最後に、今後の政策についてお伺いをしたいと思いますが、情報通信ニュービジネスをさらに振興していくことが我が国経済の発展のために重要であると思います。郵政省では、ストックオプションのほかに情報通信ビジネスの振興を今後どのように推進しようとしているのか、伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/17
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018・木村強
○木村政府委員 情報通信ニュービジネスの振興のためにはどういう施策があるかということであります。もちろん国がすべてをバックアップするということではなくて、あくまで民間の仕事でありますから、おのずから国の役割というものは限界があろうかと思いますけれども、環境整備、それから立ち上がり期の支援といったような形の中で国が精いっぱい応援をしていくことは非常に大切なことだろうということで、その施策はばらばらであってはいかぬということで、まず資金面、人材面、技術面といったようなことを総合的に、有機的に関連づけて施策として手を打っていくことが必要だろうというふうに考えております。
そういう面では、ただいま先生からもお話がございましたいわゆるストックオプションというのは、人材確保という面での一つの支援策でございます。それ以外に、資金調達環境といい象すか、資金面での施策ということでは、創業段階のベンチャー企業へ専門的に投資を行う、これは、情報通信分野では我が国初めての政策的な投資事業組合であります、私どもいわゆるテレコム投資事業組合と言っておりますけれども、この設立のための予算措置を平成九年度の予算の中で認めていただきました。産投出資から十億円を出してやろうというものでありまして、産投出資十億円と民間のベンチャーキャピタルと金を集めて資金力を豊かにして、しかも民間のベンチャーキャピタルの専門的なノウハウも加味しながら資金投入の仕組みをつくっていこうというのが一つであります。これも九年度からスタートする施策として認めていただきました。
それから税制面では、個人投資家いわゆるエンゼルと言われておりますけれども、個人投資家によるベンチャー企業投資に係る損失を三年間にわたり繰越控除を認めるという税制特例措置も、今国会におきまして租税特別措置法の改正ということでお認めをいただきました。さらには、ベンチャー企業が行います新規事業に対する日本開発銀行等によります経済構造改革融資の創設ということで、いわゆる財投金利よりも〇・五%マイナスという非常に低い金利で、経済構造改革をするためのベンチャー企業に対する融資という制度もスタートをいたしております。
こういったことで、資金面についても各面からかなり充実した対策が打てるものというふうに期待をいたしております。
それから、もう一つは技術の面であります。
技術の面につきましても^基盤技術研究促進センターということで、民間の基盤的な技術研究につきまして出資という形で国が応援をするという仕組みがございますが、この仕組みの中に新たにベンチャー企業等の研究開発向けの出融資制度を創設するといったようなことで、ベンチャー企業というものを意識して基盤センターによる出融資制度というものも新たに平成九年度からスタートするということにいたしております。
また、先進的な技術の研究開発を行いますベンチャー企業等への助成制度というものも拡充をしてまいりたいということで、中小企業のベンチャー企業に対する助成制度というものも、技術を掘り起こす、インキュベートしていくという面からそういう施策も充実するという方向で定まっておりまして、こういった技術の掘り起こし面、それから資金面、人材の確保面といった施策を総合的、有機的に発動して、新しいビジネスが創出できるように環境整備に努めるという施策が整いつつあるという現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/18
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019・佐藤勉
○佐藤(勉)委員 最後になりますけれども、新しいビジネスに対する支援施策も大幅に充実されているようでございますから、今後、具体的な成果が上がるよう、各部署での施策について的確な運用をお願いをしたいと思います。
また、先ほどの御答弁にございましたように、通信インフラの普及によって、CATV回線や衛星を利用したインターネットサービスという新しいビジネスが新たに出現したわけですから、情報通信ベンチャーの活動を活性化していくために、ベンチャーのビジネス活動を支える基盤の整備も大変重要かと思います。
情報通信基盤の整備については、従来からネットワークインフラの高度化とか、アプリケーションの開発、普及とか、研究開発の推進といった観点からさまざまな施策を総合的に推進されていますが、今後もこうした施策を一層充実し、強力に推進されるようお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/19
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020・木村義雄
○木村委員長 原口一博君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/20
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021・原口一博
○原口委員 新進党の原口一博でございます。堀之内郵政大臣初めすばらしい先輩に恵まれまして一年生ながら勉強させていただいていることを心から感謝申し上げ、今回の法案の改正について御答弁をいただきたいというふうに思います。
私たち政治家は、三つの戦いをやっています。
一つは選挙、政治家として選ばれるための戦い。もう一つ目は、選ばれた後の政策上の理念そして政策の違いを明らかにした戦い。そして三番目は、時の流れとの戦い、時代との戦い。特に、この逓信委員会におきましては、新しいビジネス、時代、時代にどうやって打ちかっていくのか、これは与党野党問わず私たちが考えていかなければいけない問題であるというふうに思います。
現行商法は、株主の平等保護の原則を思想原理としております。今回のストックオプション制度は、一種の株主を差別するもので、そういう商法の原理原則とはやや異なるところがございます。ただへこの前提は、厳格なディスクロージャー、そして公正な市場が担保されていること、それが必須要件であるというふうに考えます。法案の中身の質疑に入ります前に、今回その公正な市場が果たして担保されているのかどうか、そのことについて幾つかの点を確認して質問に入りたいというふうに思います。
今回、野村証券の不祥事がございました。この不祥事は、証取法の五十条、それから五十条の三、それから百五十九条、それから商法二百九十四条の二、同じく商法四百八十六条違反の疑いが発生しているというふうに言われております。この法案を審議する上で、これは看過できない大きな問題であるというふうに思います。監視委員会にお尋ねしますが、事実関係をどのように把握されているのか、まずお答えいただきたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/21
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022・滝本豊水
○滝本説明員 野村証券の問題につきましては、証券取引等監視委員会の日常的な監視活動の中におきまして、取引の公正の観点から不自然と思われる取引が認められましたことから、昨年の夏ごろより鋭意調査を進めてきたところでございます。ごうした中で、当委員会は、三月二十五日、東京地方検察庁とともに、証券取引法違反の嫌疑で野村証券本社ほか関係箇所について強制調査を行うなど、調査を進めてきたところでございます。
現在、検察当局と緊密な連携を図りながら鋭意調査を進めているところでございまして、一刻も早く事実関係の解明に努めていきたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/22
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023・原口一博
○原口委員 その中で、政治家、官僚のVIP口座の存在が伝えられておりますが、このことについて、このVIP口座というのは一体何のためのものだったのか、事実関係を把握されていれば御報告をお願いしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/23
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024・滝本豊水
○滝本説明員 現在、検察当局と緊密な連携を図りながら鋭意調査を進めているところでございまして、その調査の事案の具体的な内容につきましては、今後の調査等に支障を生ずることになりかねないことから、その内容についてお話しすることは差し控えさせていただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/24
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025・原口一博
○原口委員 野村証券のトップの中には、本委員会が関係する電気通信審議会の委員をお務めになっていた方の家宅捜索もあったというふうに聞いておりますが、郵政省はこのことをどのように受けとめておられるのか、お尋ねを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/25
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026・堀之内久男
○堀之内国務大臣 ただいまの野村証券の問題と郵政省とは何ら関係ないと思いますので、私の方は何も調査いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/26
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027・原口一博
○原口委員 実際に電気通信審議会の委員が家宅捜索を受けているということが郵政省と何で関係がないのか。そして、このストックオプションは、株式市場が公正であるということが大前提だというふうに思います。私は、今の大臣の答弁、本気でおっしゃっているのだろうかというふうに思います。
郵政大臣並びに郵政官僚がこういう野村証券からの特別な優遇措置を受けたかどうか、これは御自身が、自分が受けたか受けてないかというのはおわかりになると思います。堀之内郵政大臣がそんなことをお受けになるということはあり得ないと思いますが、まずそういったところを確かめてからストックオプションの審議に入りたいと思うのですが、いかがなものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/27
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028・堀之内久男
○堀之内国務大臣 ただいま御指摘の、電気通信審議会委員に酒巻社長が就任されておられましたが、これは、ああいう事件が発生してから辞表が出てまいりましたので、すぐ受理したわけでございます。現在は欠員中であります。
なお、私のことでお尋ねがありましたが、残念ながら私はVIPの指定を受けておりませんので、大変恥ずかしいことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/28
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029・原口一博
○原口委員 それが恥ずかしいことかどうかはわからない。むしろ、国民が知りたいのは、果たして、新たなこの金融市場の自由化の中で公正さが保たれているかどうか。そして、一部の人間にだけ利益供与がされる、こんなことがずっと繰り返されてきたわけであります。実際に、平成三年の同会社の事案から、監視委員会の勧告は、平成四年の七月から八年の七月まで三十件行われている。そして、会社の行政処分、勧告は十件、個人の勧告は二十件行われている。一方で、株式市場が、そこに集った人たちがまだ非常に古い体質を残しているということを明示して、制度の審議に入りたいと思います。
少しまじめに答えをしていただきたい。私は大変尊敬をしているわけですが、VIP口座がないからというので残念ながらとか、そんなものではないというふうに思います。
ストックオプション制度について質問に入ります。
欧米の主要国における制度の導入は、アメリカでは、一九五〇年代に始まって大体会社の八三%、イギリスも上位百社のうち九〇%が導入しており、いずれも税制上の優遇措置を持っています。
この制度は、外部から優秀な人材を確保できるメリットや、あるいは、役員、従業員に高報酬という形でインセンティブを与えることができ、高いモチベーションを与えることが期待をできます。権利を与えるだけで会社に経済的な負担がなくインセンティブを与えることができることから、この制度そのものは、私は、積極的にやっていくべき制度であるというふうに思います。
アメリカのNASDAQ市場の銘柄数はニューヨーク株式市場の実に二倍で、出来高も一・二倍、一年間で五百社が新規登録を行い、二百社が登録廃止になるなど、活発な取引が行われておるところであります。マイクロソフトなどというハイテクベンチャー企業もこの市場から出てまいりました。
日本も、将来性を秘めたベンチャー企業の資金調達の場となる店頭特則市場が九六年十二月十七日から動き出しました。先ほど答弁にありましたように、資金難に悩むベンチャー企業を育成する目的で創設されたこの第二店頭市場は、事業内容に成長性、新規性が認められ、かつ売上高の三%以上研究開発費がある企業であれば、赤字企業でも株式を公開できるのが最大の特徴であります。
ところが、この市場にも、創設後一年半の空白がございました。それは、先ほど局長が答弁なさったように、日米の投資環境の違いというのがあるのだろうというふうに思います。
投資に対する基本的な考え方、そして、ベンチャーを個人的に援助する、支援するエンゼルの存在。私は、今からの産業政策というのは、護送船団方式、今までのやり方を根本的に変えなければいけない。アメリカでは、まずNPOでもって、企業化するまで、学校でいろいろな援助を受けながら、どんな芽があるのだろうか、シーズがあるのだろうか、どういうものが産業として花開くのだろうか、そういったことを民間ベースで研究しながらやっています。ところが、まだ我が国は、官主導の域を抜けていないと言わざるを得ません。日米の店頭比較についても、日本が六百九十八社であるのに対してアメリカは四千九百八社、その売買代金も、日本が五・九兆であるのに対してアメリカは百四十四・九兆ということで、これだけの差が出てきている。この違いが一体どこからきているのか。
私は、今回、思い切って郵政省さんがこういうストックオプションという人材の確保のための法改正をなさるということは、遅きに失したけれども大変大事なことだというふうに思いますが、局長の基本的なお考えをお聞きしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/29
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030・木村強
○木村政府委員 先生御指摘のとおり、新しい風を我が国に吹き込み、二十一世紀を展望したダイナミックな国をつくり上げていくということは、既存の仕組みにとらわれずに新しい仕組みにも果敢に挑戦をして、風当たりは、先ほどのお話にもありましたように、フロントでありますから強いわけでありますけれども、そこを突破していくという気概が必要だろうということで、あえて商法の例外ということではございましたけれども、特例法をもちまして情報通信あるいは放送分野の新規事業に対するストックオプション制度を導入したいというのがその趣旨でございます。そういう意味で、私どもとしましては、こういった私どもの考え方の基本を果敢に打ち出していこうということであります。
既に通産省が鉱工業分野でこの制度を導入しておりますけれども、ある意味では、一年少し、私ども、情報通信分野のこういった問題への取り組みがおくれたかなという指摘もございます。しかし、これは、対象事業の内容の違いによるものでありまして、この一、二年急激に、インターネットあるいはCSデジタル放送などの技術革新による普及というのが爆発的な伸びがございました。そういう意味で、ニーズがこの一、二年急速に高まったということを受けた対応措置でありまして、一般的には商法としての例外ということでありますから、やはりニーズがなければ、なかなかこういう法律につきまして問題提起ができなかったということでございます。
時宜に合わせた施策ということで、通産省が行われました後も、あえて郵政省として、法務省民事局にお話をいたしまして、政府部内で統一した法律ということで提案をさせていただいた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/30
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031・原口一博
○原口委員 通産省の方にもきょうお見えいただいていますので、先行してストックオプションを導入された通産省の今までの認定実績、そしてその内容について、概要をお伺いしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/31
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032・立岡恒良
○立岡説明員 新規事業法でのストックオプション制度の運用状況をお尋ねでございますけれども、御案内のとおり、平成七年十一月に特定新規事業実施円滑化臨時措置法の改正をいただきまして、以来運用してまいりまして、今順調に利用件数が増加いたしております。
この平成九年四月一日現在で、全体、新規事業法認定事業者八十三件ございますけれども、この一年強の間にストックオプション制度の利用は十九件ございます。そのうち、既に特別決議が行われまして権利付与がされているものが六社ございます。うち一社は、三月十四日に大阪取引所の二部特則に上場するという段階にまで至っております。
私どもといたしましては、今後とも、引き続きこの着実な実施に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/32
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033・原口一博
○原口委員 そこで、再び通産省の方にお伺いしたいのですが、株式の上限というのを通産省の所轄の法律では決めておられると思います。その上限についてどうなっているのか。
それから、例えば大企業を分社化したり、あるいはカンパニー制度をとっていたりする。そうすると、今後、持ち株会社の導入なんという話も出てきているわけですが、持ち株会社は別にして、大企業を分社化した、そういったものについてもこのストックオプションの対象とされているのかどうか、そのことについてお尋ねしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/33
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034・立岡恒良
○立岡説明員 お尋ねが二つございましたうち、まず前者でございますけれども、ストックオプション制度につきましては、基本的には株式の希薄化を防止するという観点から、私どもの制度では、現在、発行済み株式の三分の一ということで上限を設けてございます。
この考え方は、ストックオプションを付与する際に、商法におきます新株有利発行の特別決議の有効期限六カ月の特例を設けたわけでございますけれども、この六カ月としている理由はまさにその株式の希薄化を防止するという観点があるわけでございますけれども、こういった特例を設ける際に、やはり何がしかの制限は要るのではないかという議論があの立法当時ございました。もちろん、御案内のとおり、ディスクロージャしの徹底をするとかいう措置を講じておりまして希薄化対応策を講じたわけでございますけれども、量的にもある程度抑える必要があるだろうということで、私ども、新規事業法では、認定事業者の平均的な資本規模等々を勘案いたしまして、三分の一ということで導入したわけでございます。
それから、対象となる企業でございますけれども、先生御指摘ございました大企業の子会社等々につきましても、制度上は対象になっております。基本的には未上場の会社ということで縛っておりまして、企業規模でありますとかなんとかでは制限いたしておりません。未上場の企業で、まさに新しい新規事業を行う者について対象にしていくというのが法律の趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/34
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035・原口一博
○原口委員 いわゆる大企業の分社化したものについても対象としているわけですね。
今回の郵政省の法案ではどのようになっているのか、大企業の分社化についてもこの対象とするのかどうか、お尋ねをしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/35
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036・木村強
○木村政府委員 ただいま先生が御指摘されました件でありますけれども、大企業の出資会社、いわゆる分社化と申しましょうか、そういう会社でありましても、通信・放送新規事業の認定要件を満たしまして、かつ当該事業の実施に必要な人材の確保を目的とするという限りこおきましては、本法案に基づくストックオプション制度を導入するということが可能であるというふうに認識いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/36
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037・原口一博
○原口委員 先ほどの佐藤委員の質問に対するお答えとは若干違いますね。資金力が乏しいベンチャー企業を育てるのだということでございましたが、対象とするというふうなお答えをいただいたわけで、ベンチャー企業を支援するとする本制度の導入の意図とはちょっと反するのではないかというふうに思うのですが、反しませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/37
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038・木村強
○木村政府委員 法律的な可能性といいますのは、そういう会社であっても可能だ。ただ、内容は通信・放送新規事業というものの認定要件を満たさなければいけないということと、かつそのために人材が必要だということでなければいけないということで、本ストックオプション制度の趣旨は、主としてやはり独立系の中小のベンチャー企業ということになりますけれども、法的蓋然性としては全く排除をするということではなかろうというふうに考えております。もちろん、メーンは独立系の中小ベンチャー企業ということを意識いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/38
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039・原口一博
○原口委員 この法案のどこを見てもそういう制約というのはないわけでございまして、また、先ほど通産省は三分の一という制限がございましたけれども、今回の郵政省の特開法の場合はどういう制限をされているのか、そしてその制限はどういう根拠でもってそういう制限になったのか、そのことについてお尋ねしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/39
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040・木村強
○木村政府委員 商法の特例を設けてストックオプション制度を導入するということでございますので、導入に当たりましては、情報開示の徹底、それから株式希薄化への対応策を講じようということであります。
そういう観点で、本制度が商法の例外措置であるということでありますので、必要以上の株式の希薄化を防止するため、ストックオプションに係る新株発行の総数を一定の限度にとどめるということが適当だというふうに判断をいたしております。
その総量制限についてでありますけれども、ストックオプションが人材確保策として有効に機能をするというためには、通信・放送新規事業の認定会社の資本規模が、先ほど通産省の方からお答えがありましたように、いわゆる新規事業法の認定会社に比較いたしまして相当程度大きいこともございます。したがいまして、私どもとしましては、新規事業法の三分の一という制限よりも小さい範囲で必要十分であろうというふうに判断をいたしました。
発行済み株式総数の五分の一の範囲までストックオプションを付与し得るということが商法の原則との調和という観点で妥当であろうということで、五分の一の範囲を超えないということで判断をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/40
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041・原口一博
○原口委員 つまり、郵政省さんが認定の対象とされているのは通産省さんが認定の対象としているよりも規模が大きい、だから五分の一ぐらいでいいだろうという御答弁でございますね。
先ほどの小さなベンチャー企業を育てるのだというのとはちょっと違う射程もお入れになっているというふうに理解をするわけでございますが、これが通産で導入をされるに当たって、委員会の議事録を見ておりますと、政府委員がこんなことをおっしゃっています。これを導入するに当たりましては、率直に言いまして、本当に聞くも涙、語るも涙という経緯がございます。大変な法務省さんのかたいガードに遭って、聞くも涙、語るも涙だったんだというふうに思うわけでございます。
法務省にお尋ねをいたしますが、商法との関係上、このストックオプション制度導入の制約となるものを挙げていただきたい。そして、法務省さんでもまた独自に検討されていると思いますが、この導入についてのお考えを、商法との関係でお尋ねを申し上げたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/41
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042・菊池洋一
○菊池説明員 お答え申し上げます。
まず第一点、ストックオプションを導入するに当たって商法のどこが問題なのかということでございますが、ただいま御審議をいただいております法案は、新株の有利発行という手法を活用するものでございます。
商法の原則は、新株の有利発行、すなわち時価よりも著しく安い価額で新しい株式を発行するということにつきましては、株主の権利という観点がございますので、株主総会の特別決議が必要であるということになっておりまして、しかもこの決議の効力は決議後六カ月間しかない、さらに、決議後一番最初に発行する新株しかその決議がカバーしないということになっております。したがいまして、ストックオプションを導入する場合には、この六カ月、しかもその中で最初の一回限りということが制約になるわけでございます。
この点、御審議いただいております法律案では、決議後十年、しかも何回でもいいという形になっておりまして、この点が商法の特例ということになっているわけでございます。
私どもの立場から申し上げますと、株主の権利あるいは公正、公平ということをどのように守っていくのかということが関心事でございますけれども、この点につきましては、いろいろ弊害防止といいますか、株主総会の決議をきちっとやっていただくとか、ディスクロージャーを徹底していただくといったことで対応されているというふうに考えております。
なお、第二点目、私ども自身の話でございますが、ストックオプションにつきましては、いわゆるベンチャー企業だけではなくて広く会社一般が利用できるようにすべきであるという御議論が非常に強くなってきております。
そこで、つい最近、先月、三月二十八日の閣議で決定されました政府の規制緩和推進計画の再改定におきましては、ストックオプション制度の一般的導入につきまして、平成九年度中に結論を得て、法改正を経て平成十年度中の早期に導入するということになっております。
私ども法務省といたしましては、この政府の規制緩和推進計画に従いまして、しっかりと検討をしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/42
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043・原口一博
○原口委員 私が申し上げたいのも今の答弁の中にございます。特例でもっていろいろな、通産省さんは三分の一だ、郵政省さんは五分の一だ、非常にわかりにくい。ストックオプションの一類型であるワラントが出たときも、一般の投資家の皆さんにさまざまな混乱があった。そして、自分たちはこれをもうかると思ってそこに投資したけれども、結局はその資金も回収できない。私どもの九州の地方では、弁護士に相談しようと思っても、それに対する知識のある弁護士がいなくて、結局泣き寝入りをしたなんということもございました。
ですから、一方で、今お話にありましたように、市場をきっちり公正、公平にしていく、そしてもう一つは、制度をわかりやすくする。特例でもって何か、この後来るのはバイオでもいいじゃないか、農林省がまた同じようなものをお出しになると思う。それから厚生省だって、自分のところも先端企業ありますよということでお出しになる。そうではなくて、商法自体の改正でもって、今御答弁いただきましたのでそれでよしとしますが、ぜひ大臣も、全体の法律を皆さんにわかりやすくする、その御努力をお願いをしたいというふうに思います。
また、ストックオプションのメリットだけをお話をしていますが、デメリットについてどのようにお考えになっているのか、郵政省さんの基本的な考え方をお尋ねしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/43
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044・木村強
○木村政府委員 私どもは、今お話にありましたように、新しい風をつくり出していこう、新産業の創出だということでありますから、むしろメリットの部分を意識こ置いてこれを効果的に活用していこうという観点でこの方策を進めさせていただいておるわけでありますけれども、こういった制度が日本の土壌になじむかどうか。
アメリカでは、最近、ストックオプション制度によりましてすごい利益を上げられる方がおられまして、少し突出し過ぎではないかといったような議論も、あのアメリカですら出ておるというようなことも伺っておりますので、こういった制度が我が国の企業の中にうまく定着するかどうかというのが一つ大きな問題であろうと考えております。
しかし、株主総会というところで使途を特定して、公開性、透明性の中で客観的な措置を行うものでありますので、まずはこういった制度で本当に人材が確保できて、新しく仕事をしようとする企業がインセンティブを与えられるような仕組みを維持しつつできるということであれば、私どもはそちらの方に目を向けて進めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/44
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045・原口一博
○原口委員 具体的なデメリットはお話しになりにくいでしょうけれども、私がざっと考えられることはへ例えばストックオプションを行使した後、その従業員や役員のモチベーションは急速に低下するのではないか。あるいは、企業側にすれば身銭を切らないでいいですから、安易にストックオプションの制度を導入することになりかねないだろうか。そして、十年ということでありますが、その間につぶれてしまえば、この権利そのものは単なる紙切れになってしまう。そのことについてどのように考えておられるのか。
また、各法令との整合性でも、一番私が危惧をするのは労働基準法との整合性であります。あなたはストックオプションの権利を付与するから給与はこれぐらいにしておいてくださいと。労働基準法の二十四条は、賃金は通貨で払わなければいけないというふうに書かれていますが、実際に、東京地裁の五十三年の二月二十三日の判決で、賞与として株式を支給する旨の特約は無効という判決が出ておりますが、こういった労働者の権利を守るということについてどのようにお考えになっているのか、そことの整合性をどのように検討されたのか、お尋ねを申し上げたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/45
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046・木村強
○木村政府委員 確かに、未公開のスタートアップしたばかりの新規通信・放送分野の事業者が、人材を確保しながらいい業績を上げていこうというための一つの方策でありますから、十年なら十年という期間に限ってそういうものを保持していこうということであります。
立ち上がり期から店頭公開をしてという、そういう夢をつないでいくという施策でありますから、その後、終わった後、インセンティブがなくなるかどうかといったような問題はありますけれども、とにかく立ち上げていくための刺激、インパクトを与える方策の一つだということであります。
企業が永続的にインセンティブを確保しながら業績を上げていくのは何もこのストックオプション制度だけではないわけでありまして、あらゆる、人事、労務その他の施策がその会社を健全な経営に持ち上げていくわけでありますので、このストックオプションだけで全体の士気を高揚するということではなくて、まさに立ち上がりの中小のベンチャー企業が、意欲を持ってそういう人をつなぎとめて、頑張ってここで花を吹かせようという意味での、そういう時点を見たメリットというのが非常に強調される制度でありますので、その後急速に意志が衰えるかどうかといったようなことにつきましては、その他の施策をもって補完をしていこうということで、ストックオプション制度だからといって十年、二十年、三十年と続けていくというのは、やはり先ほど来お話が出ておりましたような一般の株主の利益という観点からも比較考量する必要がある中身であろうというふうに考えております。総合的な施策の中で、スタートアップの未公開のベンチャー企業を立ち上げていこう、そこに力点を置いた施策であるということで御理解を賜りたいと思います。
それから、給与、賞与とこのストックオプションで得られる利益というのはどういうふうに違うのかといりたようなこと、あるいは東京地裁判決との整合性の御質問がございました。
これにつきましては、本法案に基づきますストックオプションの付与や権利を行使したことにより取得する利益につきましては、労働省との間で、給与や賞与など労働基準法第十一条に規定する賃金には該当しないということで整理をいたしております。
この理由といたしましては、ストックオプションは賃金のかわりに付与されるものではない、人材確保の観点からプラスアルファとして従業員等に付与されるものでありまして、ストックオプションの付与されたこと等により賃金が減額されるというものではないということであります。
それから二つ目には、ストックオプションの権利の付与は賃金のように支給基準があらかじめ定められておらず、権利行使による価値の移転も被付与者の意思にゆだねられているということであります。
こういったことで労働基準法第二十四条の賃金通貨払いの原則の適用もないというふうに解釈をいたしております。
御指摘ありました重星地裁の判例は、株式を賞与、つまり賃金として支給することは不可とされたものでありまして、賃金に該当しないこのストックオプションにつきましては適用にならないものだというふうに理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/46
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047・原口一博
○原口委員 今度は税法上の問題に入っていきたいと思いますけれども、賃金でないとすると、こ
れはストックオプションの権利を行使したところについては法改正によって非課税にされていますね。そして、株式を売却したところで二六%の申告分離課税という形になっていますが、じゃ一体これは、賃金でないとすれば何になるわけですか、キャピタルゲインになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/47
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048・木村強
○木村政府委員 いわゆる労働基準法上の賃金ではないというお話をいたしましたが、いわゆるストックオプション制度の場合には、普通であれば権利行使をして権利者が株を取得されたというときには所得、そういうことでありますので、総合課税がかかるという話でありますが、ここを非課税にしよう、最終的に売却をしたときに譲渡益課税ということで、申告分離課税ということで二六%を税として納める、こういう仕組みになっておるというふうに理解いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/48
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049・原口一博
○原口委員 これは賃金ではなくて所得を転換したんだというふうにみなすわけですね。今の答弁ではそうだった。
そして、もう一つ、最も危惧されるのは、証券取引法上のインサイダー取引規制の観点から問題がないのか、そのことについてはどのように検討をされたのか、基本的なお考えをお尋ねしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/49
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050・木村強
○木村政府委員 インサイダーの関係で申し上げますと、このいわゆる円滑化法に基づきますストックオプション制度は、会社が取締役、従業員に対しまして新株発行請求権を付与するものであります。しかし、この取締役、従業員による新株発行請求権の取得、及びその権利行使によります新規発行株券の取得につきましては、それぞれ、証券取引法上の株券等の売買に係るオプションの取得、株券の有償の譲り受けには該当しないということで、インサイダー取引規制の対象とはならないというふうに解釈をされておりまして、この点につきましてま関係御当局との整理、意識統一、そういう理解で進めさせていただいております。
ただ、取締役、従業員が権利行使によって取得した株券を実際に売却をするという場合には、通常の株券の売却と同様に証券取引法のインサイダー取引規制の対象となるということでありまして、当該会社の業務等に関する重要事実を知りながらその公表前に売却する行為はインサイダー取引として禁止されることになるというふうに理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/50
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051・原口一博
○原口委員 大体三つの点についてお話をしてきましたけれども、最後に、ストックオプションの中で、認定の作業をどれぐらいの期間でなさるのか、そしてどういったものを認定するのか。
私は、本来だったら、原則すべてストックオプションはオーケー、商法の改正をやって、そして何も郵政大臣にこれでいいですかとお伺いを立てなくても、あるいは通産大臣にお伺いを立てなくても、自分たち民間が、自分たちの自己責任とそして自分たちの独自の発想でもってやっていく、そのことが大事なのではないか。まだこういう認定作業をなさっているのか、役所に情報を集中させなければいかぬのかという思いがございますが、認定の基準について、そしてその期間についてどのようにお考えになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/51
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052・木村強
○木村政府委員 お答え申し上げます。
本来ならば、商法の特例措置をそれぞれの役所の大臣がやるということはあくまで例外でございまして、そういう例外であるがゆえに担保しておかなければいけない手続というものがある。それが郵政大臣の認定行為であるというふうに理解をいたしております。例外でなければ、一般の商法の原則に従って、郵政省なり通産省、それぞれの事業の所管がとやかく言う話ではないというふうに考えておりまして、そういう面では、先生がおっしゃるように、先ほども法務省の方から御答弁がありましたように、規制緩和推進計画ということで一層の前進を図るということであります。
しかしながら、現時点ではあくまで商法の特例ということでございますので、先ほど来お話が出ておりますように、一般の株主の利益の保護という観点もよく比較考量をいたしながら、この政策目的に合致するようにということで、客観的な透明性のある認定基準を設けまして、それに該当する部分についてはこういったストックオプション制度ができるんだということで、むしろ資格審査といいますか、そういう環境整備をする役割を郵政大臣が負っておる、このように認識をいたしております。
そういう点からは、この実施計画の認定に要する期間につきましては、これまでの十一認定をいたしました会社等の実績では、大体相談に来られてから三、四カ月かかっております。
今後、ベンチャー企業等にとりまして一層使いやすいようにしようということで、関係省庁との協議なども始めておりますけれども、これを簡素化いたしまして、できるだけ短く、資格付与ですから、先生おっしゃるように公正な立場ということもございますから、客観的な基準に基づいてオーケーよという期間を早くして、後はその会社がそういうものを導入するかどうか、株主総会という会社自身の責任においてそれができるかどうかという判断ができる立場に置くということで、この点につきましては、できるだけ速やかに認定作業を終えるように努めてまいりたい、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/52
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053・原口一博
○原口委員 今の答弁は限られた中の答弁ですから大変お気の毒な感じがいたしますけれども、認定に三、四カ月かかるなんというのは今のベンチャー企業では、例えば私たちが三カ月前に購入したコンピューターはもう古型になってしまっている、もう古色蒼然たるものになってしまっている。三カ月で新たなソフトは次のものがどんどんどんどん出てきているこの時代において、一方でベンチャー企業、新しいものを育成しなければいかぬ。冒頭に私は政治の三つの戦いというお話をしましたけれども、時の流れとの戦いをやっているベンチャー企業が、郵政大臣に三、四カ月かけて認定をやるなんということは、今の商法上の中でブレークスルー、それを突破するためにはこれしかなかったんだというのはわかりますけれども、これを長く続けていくものではない。商法できっちり規定をして、原則自由ですよ、そして通産であろうが、農林であろうが、郵政であろうが、どの企業もストックオプションを自由に導入してください、その方向性が重要なんではないかというふうに思いますが、方向性についてどのようにお考えになっているのかお尋ねをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/53
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054・木村強
○木村政府委員 環境整備を図る、それから迅速にそういった新規事業者を立ち上げていくという点につきましては、政府の規制というものが簡素で必要最小限のものであろうというふうに考えております。もちろん、このストックオプション制度が一般化されれば先生御指摘のような方向になるだろうというふうに理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/54
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055・原口一博
○原口委員 ストックオプションについてさまざまな観点からお話をさせていただきましたが、私は基本的にこれについては導入すべきだという立場で積極的に応援をしていきたいというふうに思います。
次に、特定通信・放送開発事業実施円滑化法そのものについてお尋ねをしたいと思いますが、この円滑化法の中で、特定通信・放送開発事業、三事業が定義されていますが、その定義及び内容についてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/55
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056・木村強
○木村政府委員 開発法のいわゆる三事業でありますけれども、まず通信・放送新規事業につきましては、近年のインターネットの普及や衛星デジタル放送の開始などを背景といたしまして、認定事業数は増加をいたしております。平成八年度では八件が認定され、現在認定事業者は全部で十一件ということで、現在ストックオプションの対象にという通信・放送の新規事業というのはこの分野に入ります。
それから、もう一つの分野であります特定通信・放送開発事業には、地域通信・放送開発事業というものがあります。この地域通信・放送開発事業につきましては、これまで当該地域では利用できなかった役務を提供する事業でありまして、地域的なレベルでの技術的な新規性のある事業のことであるということで、全国ではもう既にあるのだけれどもこの地域では初めてだ、新規性のある、こういう事業のことでありまして、具体的には都市型CATV事業やコミュニティー放送事業などが該当いたしまして、現在七十三件の認定実績がございます。
それから、三つ目の事業といたしまして、通信・放送共同開発事業というのがございます。これは、高度な電気通信技術の企業化を共同して行う事業や、その企業化のために必要な需要の開拓の事業であります。この通信・放送共同開発事業というものにつきましては、現在のところ認定の実績はございません。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/56
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057・原口一博
○原口委員 ちょっと答弁について、二番目の地域通信・放送開発事業、これは認定が七十三と御答弁いただきましたけれども、これは認定行為はないものでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/57
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058・木村強
○木村政府委員 失礼いたしました。先生御指摘のとおり、この地域通信・放送開発事業につきましては、郵政大臣の認定なしということで、事業の実績が七十三件ということでございます。訂正いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/58
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059・原口一博
○原口委員 これは何で認定行為がないのでしょうか、その論拠となるものは。一番目の新規事業、それから通信・放送共同開発事業、これは実績なしということですけれども、一体これはいつからやっていて、実績がないのか。何でこんな実績のないようなものを、その原因はどこにあるのか、お尋ねをしたいというふうに思います。三つお尋ねをします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/59
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060・木村強
○木村政府委員 まず、地域通信一放送開発事業につきまして郵政大臣の認定が不要な理由であります。
先ほど申し上げましたように、地域通信・放送開発事業と申しますのは、全国的には既に実施されておりますけれども、当該地域では初めてのサービスを提供する事業だということであります。この事業につきましては、日本開発銀行等の政策金融機関が融資を行うことを既に決定したものに例えば通信・放送機構が利子補給を行うものということでこの支援策が定められておりまして、改めて国が認定という形で支援の是非を判断しなくても、通信・放送機構が個々の事業について地域通信・放送開発事業に該当するかどうかを判断することで支援を行うことが可能であろうということで、地域通信・放送開発事業につきましては郵政大臣の認定を不要としておるということであります。
それから、通信・放送共同開発事業につきまして、これは二年ここの法律がスタートしておりますけれども、認定の実績がないのはなぜかということであります。この通信・放送共同開発事業につきましては、高度な電気通信技術の企業化を共同して行う事業、高度な電気通信技術の企業化のために必要な需要の開拓の事業及びこれらの事業と一体的に行われる企業化施設の整備の事業であります。
これまでは、バブル経済の崩壊等で経営環境が非常に悪化をしておった、あるいは共同開発による自社の技術情報の流出の懸念、一緒になるとどうしても情報が出ていっちゃうというような企業の思惑といいますか、懸念ですね。こういったことで、通信・放送共同開発事業のように各企業が共同して行うような大規模な技術の企業化はちゅうちょされがちであったというようなことであります。
しかしながら、現在、技術革新の進展あるいは技術のオープン化、規制緩和等によりまして、アライアンスの時代、グローバルな観点から見てもわかりますように、そういう提携というものが一つの大きなうねりでございます。
こういった電気通信を取り巻く社会環境の進展あるいは情報化の進展ということもございますので、今後はこういった共同開発事業に対する支援のニーズが出てくるだろうということで、言ってみれば環境整備のそういった手段というものをあらかじめこの法律によってつくってあるということで、時宜が適して、動きが出れば、いつでも対応できるような法律ができておるということではありますけれども、現時点までは実績がなかったというのは事実のとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/60
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061・原口一博
○原口委員 平成二年からことしまで一件も認定がない。
新しい技術、ベンチャー企業を育てるのは、さっき佐藤委員の御質問の中にございましたけれども、私は三つあるというふうに思います。それは、今回のストックオプションの、人材を流動化していい人材を供給できる、そして株式を公正にして、そこに良質で豊富な資金を導入できる、そして三番目は、今議論をさせていただいている研究だというふうに思います。この新たな基礎研究について、残る時間はあとちょっとでございますが、NTTの株配当で基盤技術研究促進センター出融資制度というものを持っておられますが、この仕組みについて概略をお尋ねしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/61
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062・木村強
○木村政府委員 この基盤技術研究促進センターと申しますのは、通産省と共管をいたしております認可法人であります。国庫保有義務のありますNTTの株の配当金を原資といたしまして、基盤技術の推進のために役立てようという趣旨でできたものであります。
この制度と申しますのは、もともと民間が、これはやれば将来的にはその成果を生んで利益にもつながるというような技術の内容を持つもので、純粋基礎と申しますか税金の分野でやるという全く基礎的なものとは違って、やればできるのだけれども、民間としても将来これは果実ができればいいなというものだけれども、やるには長期にわたる、あるいはハイリスクがある。本来民間がやってということはあるのだけれども、なかなか民間だけでは立ち上がれないなというものを国としてはこういう形で支援をしようということで、もともと行動の主体は、研究開発の主体は民間にあるものだというふうに認識をいたしております。それに対しましてこの基盤技術研究促進センターのお金でもって支援を立ち上げていこう、そういう趣旨でできたものであります。
趣旨は以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/62
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063・原口一博
○原口委員 聞き逃したのかもわからないのですけれども、今、通産省の所管とおっしゃいましたけれども、これは通産と郵政で両方で所管されていますよね。共管ですね。
それで、その中に実に今まで二千二百億円の資金が投入されて、そして成果がどうなっているのか。平成四年ですか、行政監察を受けておられます。その中で、総務庁はきっちりその資金を回収しなさいということを言っています。しかし、今までどれぐらいのお金が回収されたのか。そして、特許やさまざまな事業化によってどれぐらいこの二千二百億円の資金が戻ってきたのか。その数字についてお尋ねをしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/63
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064・木村強
○木村政府委員 出資事業、これまで二千二百億ということがございましたが、平成八年三月末現在で出資会社数は百三社ございます。うち、研究開発会社は六十八社であります。特許出願件数は三千二百五十六件ということで、このうち特許登録件数は四百四十二件であります。こういう特許等によりまして、いわゆるロイヤルティー収入というものでありますけれども、これは現時点では約十三億円であるということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/64
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065・原口一博
○原口委員 二千二百億円を超す政府資金を投入しておいて、そしてその一九八五年以降六十八社が、今御答弁にあったように、受け皿として設立されたがほとんど未回収だ。そして、新しい年度も二百億円を再投入していく。今まで特許で十三億円と言われましたけれども、有料放送の受信機や電子辞書の翻訳装置など収益が上がっているものは本当に二千二百億円のうちの一部であります。
私はこの研究がいかぬなんということを言っていません。基礎研究はやはり大事でありますし、次のステップアップの台をつくるためには大事なのですけれども、もともとこういう研究開発から資金を回収するということ自体、この制度自体に無理があるのではないかというふうに思いますが、その無理を承知で、また資金の回収が困難とされるにもかかわらず、また新たに制度を拡充する理由は一体どこにあるのだろうか、その辺についてお尋ねをしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/65
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066・木村強
○木村政府委員 今先生御指摘がございましたように、こういった基盤的な研究開発を行う重要性というのは先生も大いに必要だということであります。
私どもといたしましては、国が応援をしなければやはりこの国は立ち上がらないということで、二十一世紀を見ましても非常に重要な分野だということで、この分野から国が全く手を引くということは、二十一世紀を展望した我が国の将来もないと言っても私は過言ではないというふうに認識しております。
ただし、その手法でありますけれども、出資でありますから、あくまで配当金をもって賄うというのがいわゆる出資の考え方であります。しかしながら、この基盤研究といいますのは、先ほど来申し上げましたように、民間では非常にハイリスクであってなかなか動けない、しかも、すぐに研究成果が出てくるかどうかわからぬ、しかし、民間が中心になってやらなければいかぬ分野だ。やれば、場合によっては、相当お金も入ってくる、果実も生まれる、こういう分野であります。そこを応援しようということでありますから、もともとこういう制度そのものは、一定のリスクを頭に置いて国が出資をするということで行っておるものであります。
今回、まだ十三億だということでありますけれども、例えばその中でも、通信・放送の分野では、先生御指摘ございましたように、いわゆる衛星放送の放送スクランブル解除装置、デコーダーなんというのはこの研究開発会社が技術開発を行いましてもう既に二百万ぐらい出荷台数が出ておりますし、それから衛星デジタル放送に不可欠な画像圧縮伝送ソフト、いわゆるMPEG2といったようなものもこの研究の成果であります。
また、各病院に今配置をされておりますアルツハイマー診断装置なども、まさにこの通信・放送分野での研究開発がベースになって出てきた、そういうものであります。
また、今研究中でありますけれども、国際電気通信基礎技術研究所を中心として、例の音声翻訳電話といったようなものもできておりまして、これは二十一世紀、グローバル社会で、日本語でしゃべれば、例えばアメリカであれば英語で翻訳を自動的にされる、言葉のハンディキャップなしにお話しができる、そういう画期的な研究もこの分野で進められておるということでありまして、そういう面では非常に楽しみな分野であります。
しかし、短期には、お金を出したからすぐこの二、三年のうちに全部回収するのだということにもなかなかならない、もともと出資ですから。配当でもってだんだん返っていくということでありますから、確かに先生がおっしゃいましたように、出したお金がすぐ回収できないからということを余り性急に見て行うものではないだろう。だからこそ国がお金を出して、全体として立ち上がっていく、国益に沿うものだということでもありまして、私どもはそういう観点で、こういった基礎研究を行う手段というものはぜひ必要だろうというふうに考えております。
もともとこのお金も、NTTという国民共有の財産で、電電公社時代から積み上げてきたNTTの株の配当金をもとにしたものでございまして、国民全体が電気通信に寄与したお金でもってまた国民の皆さんに還元をしていくという面で、長期的に、ある程度息長く、我慢しながらこういう研究開発をどこかで行っていく。そういう意味では、私ども、出資をされたお金は全く返らなくていいんだなんということは決して思っておりませんけれども、そういう気持ちで取り組んでいきたいというふうに考えております。
そうはいいましてもやはり期間がたってまいりましたので、徐々に成果も出始めておるところもあります。それから、成果が出ないところは、もう不作為じゃなくてきちっと整理をしていくというようなことも昨年末関係省庁とも合意ができております。そういった中で、ニーズに応じた充実改善ということで、制度をどんどん拡充というのじゃなくて、だめなところはつぶすし、いいところはさらに手を打っていこうというようなことで、ニーズに応じながら対応していこうという気持ちで、我々としては、こういった仕組みというのがぜひ必要だなというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/66
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067・原口一博
○原口委員 二千二百億ものお金をつぎ込んで十三億しか上がらない。ここにアンケートの結果がありますけれども、企業化の見通しがわからないのが六〇%、当初の目標どおりの成果が出るかどうかわからないというのが約一〇%、こういう状況の中で、やはり今おっしゃったような厳しい財政状況の中で、きっちりとした態度が必要だというふうに思います。
私がきょう申し上げたかったのは、何でもかんでも官がやっていいというものではない。河村先生を中心にNPO法案を今国会に提出を予定されていますけれども、市民の活動そして民間の活動、それは原則をしっかりわきまえて、特例、特例、特例で進めていくような政治をもうこれ以上やってはいけないということをきょう申し上げたくて質問に立たせていただきました。
大変厳しい中で誠意ある答弁をいただいたことをお礼を申し上げまして、質問を終わりたいというふうに思います。ありがとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/67
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068・木村義雄
○木村委員長 遠藤和良君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/68
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069・遠藤和良
○遠藤(和)委員 先ほどの原口さんの質問に対する答弁の中で、これは聞き捨てにできないことがあったから、私、まずそのことを聞きます。
大臣、ちょっと聞いてください。今、野村証券にあったとされる政治家向けのVIP口座、そこにあなたの名前がなかったことを恥ずかしいことだと言った。本当にそう思っているの。そんな認識の大臣のもとじゃ、こういう法案の審議はできませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/69
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070・堀之内久男
○堀之内国務大臣 私ももちろん株の取引はやっておりました、大臣までには。しかし、このVIP口座があっ九ということ、しかも政治家がたくさん入っておった。政治家とかどういう方々が入ったというか、新聞報道で知っただけであります。もしそういうVIP口座があれば、私どももそういう扱いを受けても何らなかったのではないかと思ったんですが、残念ながら、私はそういう扱いも受けていないし、全然口座もありません。ないということですから、いえば無視されておったのかな、こう思っておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/70
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071・遠藤和良
○遠藤(和)委員 その存在があったこと自体がいわゆる株式の市場をゆがめているわけでしょう。そのことに対する大臣の認識はどうなのかと聞いているんですよ。ゆがめた方に加担するんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/71
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072・堀之内久男
○堀之内国務大臣 いや、結果的には、私は、もちろん今回のような事件がまた野村証券にあったこと自体に驚きを感じたわけです。しかも、VIP口座というのが設けられておったということ、このこと自体も、また今おっしゃるように、私も、証券取引の公正という立場から見れば、まことに遺憾なことであります。
私は、そういう意味で公正な取引をやっておりましたので、結果から見れば非常によかったと私も思っておりますし、そういう扱いを受けなかったということが結果論から見れば大変幸いであったというか、そういう非難を受けることがなかったということで大変喜んでおるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/72
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073・遠藤和良
○遠藤(和)委員 あなたの言っていることは、二つ意味の全く違うことを言っているんですよ。そういう変なものがあったことについて、やはり大臣としてこれはおかしいことだという認識がなきゃいけないですよ、後の答弁はそうなんだけれども。最初の答弁は、そこに私の名前がなかったことは恥ずかしいことだ、残念なことだと言うことは、ゆがめる方に加担しているんですよ。そういう大臣が出した法案を何で審議できるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/73
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074・堀之内久男
○堀之内国務大臣 私は、この委員会でそのVIP口座があったかなかったかということを突然お聞きになられました。私自身また、そういう問題はここの委員会で議論される問題ではない、こう思っておりましたが、たまたま私の場合は、全然そういう指定を、VIPの扱いも受けてないし、まだそういう口座もないということでありましたので、最初はそれはもう本当に軽く申し上げましたが、私も、それは、証券取引は、公正、公平に行われる、そしてそのために証券取引監視委員会も設置されまして厳重な監査をしていく、これはもう数年前のああいう反省の上になされたことと当然承知をいたしておりますが、その中にあってまたVIP口座があったということだけが私も大変遺憾なことだ、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/74
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075・遠藤和良
○遠藤(和)委員 ようやく正常な感覚に返ったのかもしれませんけれども、前の発言は一体何だったんですか、それじゃ。その発言、取り消しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/75
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076・堀之内久男
○堀之内国務大臣 原口委員の当初の御質問に対する発言は、その点は取り消しをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/76
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077・遠藤和良
○遠藤(和)委員 こんなことで時間を使いたくなかったんだ、僕は三十分しかないんだから。だけれども、やはり、株式市場が公正であるということが前提でこの法律はあるんですよ。言葉じりをつつかれていると言うかもしれませんけれども、冗談だと言うかもわからないけれども、国会は言論の府ですよ。政治家は自分の発した言葉に責任を持たなきゃいけないですよ。特に大臣でしょう。この法律出した人でしょう。その出した人が、今の株式の問題についてそういう変な認識であったんでは、これは法案審議できませんよ、本当に。そう思いますよ。これは重大な問題ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/77
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078・堀之内久男
○堀之内国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたが、私は、今回の野村証券のVIP口座があったということは極めて遺憾なことだ、こういうように認識はいたしておるわけです。たまたま私も以前は取引ありましたが、不幸中の幸いというか、そういう扱いを受けておりませんでしたことは、結果論から見れば大変よかった、こういうように思っております。
したがって、野村証券の社長は、そういう責任を感じられて委員の辞任の申し出がありましたので、即刻受け付けたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/78
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079・遠藤和良
○遠藤(和)委員 私は、大臣自身の姿勢を問うているわけです。この問題、ずっとやったらこればっかりで終わっちゃうから。
きょうは法務省に来てもらっていますから、まず法務省の見解を聞きたいんですが、株主の平等あるいは保護しなきゃいけないという商法上の一般例があるわけです。商法の精神があるわけですけれども、さきの通産省もそうですが、今度は郵政省で、個別法の改正によってその商法の原則をゆがめていく、こういうふうなやり方について、法務省はどういう見解を持っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/79
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080・菊池洋一
○菊池説明員 お答え申し上げます。
いわゆる新規事業法、それから今回の法律案、いずれも新株の有利発行、特に安い対価で新株を発行するという手法を活用したものでございますが、この新株の有利発行自体は商法でも認められているものでございます。ただ、その有利発行のもとになる株主総会の決議の効力の期間について商法とは異なる特例を認めるという内容でございますが、今回の法案などは、いわゆるベンチャー企業は資金力が乏しいために人材を確保することが困難であるというふうにお伺いをいたしております。
そこで、ストックオプションを導入することによりまして必要な人材を確保することができるようにして、その結果ベンチャー企業を育成するという非常に高度な必要性があるというふうにお伺いをいたしましたので、その必要性に照らしまして、弊害防止策といったようなものも講じた上で商法の特例を認めたものであるというふうに私ども理解をしておりまして、郵政省とも事前によく御相談をした上で国会に御提案をさせていただいているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/80
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081・遠藤和良
○遠藤(和)委員 特例、例外を認めたということですね。そうすると、今度法務省の中で、このストックオプション制度を全面的に解禁しよう、いわゆる商法の改正でやろうというふうな議論になっております。先ほども説明がありましたが、一九九八年度にはそういうふうな商法の改正を考えるということでございますが、その商法の改正の話と今度の特別措置、要するに個別法の改正でやったものとが同じになった場合は、今度の法律は意味がなくなりますね。それはどういうふうなスタンスで考えているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/81
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082・菊池洋一
○菊池説明員 ストックオプションを一般的に導入する、つまり会社であればどこでも使えるようにするということにつきましては、三月二十八日の閣議決定の規制緩和推進計画でございますが、九年度中に結論を得て十年度に導入するということになっておりますので、私どもとしてはそのスケジュールに沿って検討を進めていくという方針でございます。
お尋ねは、一般的な制度と、それから今回の法律案の中に入っている特例との関係でございますが、ストックオプションを認めるための手法というのは複数あり得るというふうに私どもは考えております。今回の法案の中に盛り込まれております新株の有利発行というのは一つの方法でございますけれども、そのほかの方法もあり得るだろう。そういったことも含めて、私どもは一般的な制度としてどういうものがいいのかをこれから検討してまいりたいと思いますが、新株の有利発行とは違った形で一般的な制度ができ上がれば、今回の法律案はそれはそれで存在意義があるということになりましょうし、同じものになった場合には、またそのときで政府部内で御相談をしたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、今お尋ねいただきました点は、一般的な制度の内容がどのようなものになるかということに係るものでございますから、もう少しお時間をいただいて検討をさせていただきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/82
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083・遠藤和良
○遠藤(和)委員 いわゆる金庫株方式というのですか、自社株をあらかじめつくっておいてそれを特定の株主に渡す、こういうふうなやり方もありますね。それから、要するに、既に株式を公開している会社にも適用するんだ、こういうふうなスタンスもあろうかと思いますけれども、そういう形になればこの特別措置法とは並列した形になる、こういう認識でよろしいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/83
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084・菊池洋一
○菊池説明員 まだ仮定の議論でございますが、今お尋ねのように、金庫株ある、は自己株式という方式を仮にとるといたしますと、新株の有利発行とは手法が違うわけでございますので、少なくとも論理的には両立し得るものでございます。ただ、論理的に両立し得るということと、二つを今後とも残すということとすぐに結びつくかどうかということも、ちょっと今何ともお答え申し上げにくいわけでございまして、またそのときは政府部内で、郵政省さんとも御相談をして整理をしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/84
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085・遠藤和良
○遠藤(和)委員 では大蔵省に聞きたいんですけれども、いわゆる証券取引法上の問題ですが、インサイダー取引との関連です。
先ほど郵政省の方からは、取得のときにはかからないけれども、譲渡するときはインサイダー取引規制の対象になる、こういうふうな見解があったんですが、大蔵省の見解を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/85
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086・柏木茂雄
○柏木説明員 お答えいたします。
インサイダー取引規制とストックオプションでございますけれども、先生御承知のとおりインサイダー取引規制というのは、会社の重要な情報に容易に接近し得る者が未公表の重要な会社情報を利用してその株券等を売買を行うことを証取法上禁止しているわけでございます。
具体的には、役員、従業員等の会社関係者であって、上場会社及び店頭登録会社の業務等に関する重要事実を知った者は、その事実が公表された後でなければ、当該会社の株券等の売買その他の有償の譲渡、または譲り受け及び株券等の売買に係るオプションの取得または付与をしてはならないということになっているわけでございます。
先ほど郵政省の方からも御答弁がございましたけれども、本日御審議いただいております特定通信・放送開発事業実施円滑化法に基づくストックオプション制度につきましては、会社が、取締役または従業員に対して新株発行請求権を付与するという形になっております。その場合は、取締役または従業員による新株発行請求権の取得及びその権利行使による新規発行株券の取得それ自体は、それぞれ証取法上の株券等の売買に係るオプションの取得あるいは株券の有償の譲り受けには該当しませんので、インサイダー取引規制の対象にはなっておりません。ただ、取締役または従業員がストックオプションの権利行使によって取得した株券を売却するということは、これは当然証取法上のインサイダー取引規制の対象になりますので、当該会社の業務等に関する重要事実を知りながらその公表前に売却するということは、これは禁止されるという形になります。したがいまして、先まどの郵政省の御答弁と同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/86
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087・遠藤和良
○遠藤(和)委員 わかりました。
それから、株式の市場の話をちょっとお聞きしたいんですけれども、いわゆる店頭市場と上場市場があるわけですが、この店頭市場の中に特例市場をつくりましたね、第二店頭市場。日本版NASDAQと言われているわけですけれども、ここができたわけですけれども、一年半の間店頭登録する会社はありませんでしたね。この期間は何でこんなにかかったのかということと、現在第二店頭市場に登録をしている会社の数はどのぐらいあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/87
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088・柏木茂雄
○柏木説明員 店頭特別市場についてお尋ねがございました。
店頭特則市場は、ベンチャー企業等の株式公開による資金調達を円滑化するため、一定の要件を充足する企業を対象にいたしまして、登録基準を大幅に緩和することによりまして、平成七年七月に開設されたところであります。その後、昨年十二月になりまして二つの企業がこの店頭特則市場に登録いたしました。
したがいまして、先生御指摘のように店頭特則市場創設後一年半の間登録企業はなかったというのは事実でございますけれども、これはまさに店頭特則市場に登録を目指す企業にとりましては、株式公開に向けていろいろ準備が必要であるということから、そういう事情があったものだと思っております。
今後は、こういう店頭特則市場に登録する企業が徐々に増加してくるというふうに私どもは期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/88
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089・遠藤和良
○遠藤(和)委員 第二店頭登録市場というのは、いわゆるフロンティアを育てるとか、ベンチャーを育てるとか、そういう意味合いの市場ですね。それがまだ二社しかないということですから、今度のストックオプション制度を導入したというのも、その市場に店頭登録をするインセンティブを与えたものだと私は理解をするわけですが、大蔵省としては、情報通信関連のベンチャーの店頭登録が今後この市場に十分な数見込めているのかどうか、その将来性というものを含めて、この市場のことについてどういう認識をしているのか教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/89
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090・柏木茂雄
○柏木説明員 先ほどもお答え申し上げましたとおり、現在店頭特則市場に公開している会社は二社ございますけれども、そのうち一社はソフト開発を専門とする会社でございまして、いわば情報通信関連のベンチャー企業ではないかと思っております。今後とも引き続きまして、こういう情報通信関連の企業を含めまして多様なベンチャー企業が店頭特則市場の登録を行っていくものだというふうに私どもは期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/90
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091・遠藤和良
○遠藤(和)委員 では、郵政省にお伺いしますが、今、この法律で郵政大臣が認定した株式会社、いわゆる認定会社ですね、この数は既に十一社あると聞いておりすずけれども、これは全部、このストックオプション制度を株主総会の決議によって取り入れることができる、この認識でよろしいかどうかですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/91
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092・木村強
○木村政府委員 既存の認定会社がストックオプション制度を導入しようとする場合には、認定計画を変更いたしまして、ストックオプションにより人材を確保する旨を盛り込んだ上で郵政大臣による計画の変更の認定を受けなければならないということで、既存の認定会社が自動的にということではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/92
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093・遠藤和良
○遠藤(和)委員 ですから、その認定する条件ですが、新規性というのは非常につかみどころのない概念なんですね。どういうふうに客観的にその新規性を担保するのか、これは法律に書いていませんから、すべて郵政省にゆだねられているわけですが、その辺のガイドラインというものをきちっと公表してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/93
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094・木村強
○木村政府委員 通信・放送新規事業ということで、これは法律の二条一項に規定するということで、条文的には、「「通信・放送新規事業」とは、通信・放送事業分野に属する事業のうち、新たな役務を提供する事業又は新技術を用いて役務の提供の方式を改善する事業であって、新たな通信・放送事業分野の開拓を通じて情報の円滑な流通の促進に寄与するものをいう。」ということでございます。こういった法律の条文をもとにいたしまして、私どもは実施指針というのを告示でつくっております。これを世間に公表いたしまして、それに従って、申請を受けよう、認定を受けようという方々が実施計画をおつくりになって役所にお持ちになる、こういう仕組みであります。
それでは、通信・放送事業分野に属するもので具体的な新規事業とはどういうものかということでありますけれども、まず、「新たな役務を提供する事業」ということでは、「従来は提供されていなかった役務又は従来から提供されている役務であってもその利用価値が著しく向上し実質的に新しい役務と同視し得るものが該当する。」ということであります。
それから、「新技術を用いて役務の提供の方式を改善する事業」といいますのは、「「新技術を用いて」とは、いまだ企業化されていない技術」、これには技術上または経営上のノウハウも含むということでありますが、「技術を用いること、又は既に企業化されている技術を、従来それを適用して提供していた役務とは通常の利用関係において若しくは社会通念により著しく異なる役務の提供に適用することをいう。」ということであります。それから、「提供の方式を改善する」ということにつきましては、「役務の価格の著しい低下や質の著しい向上をもたらす」ということで、まず新しい技術が出た、これを使うということは非常にわかりやすいわけであります。それからあとは知恵を出すことによって、ノウハウその他変えていく、工夫をしていってこれまでよりも安い価格でやる、あるいは全く新しい、質の向上した良質のものをサービスとして生み出すということで、この基準につきましては、やはり新規性というのが基本になろうかと思いますが、この二つのポイントをもとにして実施計画の記載事項というものについて、認定を受けようとする人たちからの申し出というものを審査しておる、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/94
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095・遠藤和良
○遠藤(和)委員 そうした認定基準に合えば、例えば大企業のいわゆる系列下といいますか、先ほど分社という話があったんだけれども、そういうふうな恐らく資金を調達することも可能であろうと思われる企業でも同じ扱いを受けて認定会社になる、そしてこのストックオプション制度を株主総会の決議で採択できる、導入できる、こうなると、本当にどこにも頼るところがない単立のベンチャーといいますか、本当のベンチャーというか、そういうところを育成するためにつくった制度にもかかわらず、結果的には大資本の、あるいは大会社の支配下にあるベンチャーにも適用されるということになりますと、この法律の趣旨が貫徹されていないのではないか、こう思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/95
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096・木村強
○木村政府委員 ただいまの先生の御指摘につきましては、通信・放送新規事業の認定要件を満たしてかつ当該事業の実施に必要な人材の確保を目的とするということで、法律上のぎりぎりの解釈という意味では、可能性としてはある、これは全く排除できないということであります。
しかし、このストックオプション制度というのは、その会社の資金計画、事業計画あるいは人材が確保できるかどうか、その具体的な人材も、どういう人かということを具体的に我々としては聞いていく体制になっておりまして、当該事業の実施に当たって、法に基づく新株発行に係る株主総会決議の特例を活用する場合は、必要とする人材、当該人材の活用を含めた事業実施体制等を留意しつつ適切な人的体制が確保されているかどうかといったようなことを見ていくという部門もございまして、この制度を利用して、本来資金的にもどうだ、あるいは人も集めやすいというようなところがこのストックオプション制度をやるかどうかという面については、私どもとしては事後的にも、この株主総会の決議の内容等を記載した書面の提出を受けたり、定期的に事業の実施状況についての報告を徴収するといったようなことがございますので、法の趣旨に反した運用が行われている場合については認定を取り消すといったようなことで制度の適正な運用を図るようにしてまいりたいということでございます。あくまで新規の、通信・放送新規事業者が立ち上がっていく、そういう観点を基本に置いた運用を行うということでございます。これは通産省の仕組みについても同様であろうというふうに認識いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/96
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097・遠藤和良
○遠藤(和)委員 いわゆる情報通信関連産業が二十一世紀のリーディング産業になるだろう、こういうことを言われているわけですが、そういうふうなことを考えると、やはりこのベンチャーの育成というのは大変重要なわけですね。今度はこういう制度をつくったわけですが、そのほかにもいろいろベンチャー育成の方法は考えなきゃいけないんですね。例えば知的所有権を担保にできるような融資制度を金融業界に考えてもらうとか、あるいは債務保証制度を行政の側が考えるとか、あるいはその他、出資の制度だとか、いろいろそういうふうなことを考えていかなければいけないと思うのですが、総合的に郵政省としてはどう取り組んでいるのか、現況を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/97
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098・木村強
○木村政府委員 先生ただいま御指摘がございましたように、大企業等の支配下にない独立系のベンチャー企業につきましては、不動産等の物的担保が不足をしておる、資金調達が困難であるということが多うございます。特許等の知的所有権を担保とした公的な債務保証制度や、担保を必要としない出資制度の充実が必要であるということは十分私どもも認識をいたしております。
郵政省の施策といたしましては、平成九年度予算におきまして、創業、スタートアップ段階のこういった情報通信ベンチャー企業へ専門的に出資を行います我が国初の政策的な投資事業組合、仮称でテレコム投資事業組合と呼んでおりますけれども、こういった投資事業組合の設立のため、産業投資特別会計から通信・放送機構への出資予算十億円を措置したところであります。この投資事業組合を活用した新たな出資制度によりまして、新規事業を実施する独立系のベンチャー企業への資金供給を促進していくということで考えております。
先生御指摘のありましたように、これまでにも新規事業を実施するベンチャー企業に対しては債務保証なども行っているわけでありますけれども、知的所有権を担保とした融資に対する債務保証は行っていません。あくまで物的担保というのが基本であります。特許等の知的所有権を担保とした融資ということにつきましては、まずこの評価方法というのが非常に難しゅうございまして、この議論を詰めた上で、ベンチャー企業の重要な資産であります知的所有権を担保とした融資に対する債務保証を可能とするような方策について我々としても検討してまいりたいというふうに考えておりまして、何せ先端を行く事業でありますから、新しいことばかりでありますから、こういった制度も私どもの範囲内でできることは考えて、問題提起を世に出していきたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/98
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099・遠藤和良
○遠藤(和)委員 委員長にお願いがあります。
先ほどの大臣の答弁、重要性を大臣自身が余り認識されていないのではないか、認識が薄いのではないかというふうに私は思います。したがって、この問題について理事会でさらに協議してもらいたい、こういうふうにお願いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/99
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100・木村義雄
○木村委員長 理事会で協議いたします。
午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時三分休憩
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午後一時二分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/100
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101・木村義雄
○木村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。北村哲男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/101
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102・北村哲男
○北村(哲)委員 民主党の北村でございます。
午前中の議論を通じてストックオプション制度の性格とか問題点がかなり浮き彫りになったと思いますが、私の立場から幾つかの質問をしてみたいと思います。
まず、我が国においては、ストックオプション制度については、一般企業はこれを導入することはできないということははっきりしておりますが、一方、アメリカにおいては、ストックオプション制度が会社の役職員のインセンティブとして広く活用されているというふうに言われております。
YRIという証券月報の九六年の八月版によりますと、フォーブスという雑誌の九六年六月二十日付号のアメリカ主要企業の最高経営責任者の報酬ランキングで、上位二十五人中十五人がストックオプションなどの権利行使によって利益を実現されており、この制度が企業経営に広く定着しているという報告があります。アメリカのこの最高経営責任者のランキング三位のサンフォード・パイルという人が、九五年の一年間で四千九百五十五万五千ドル、日本円にして約五十四億円の収入を得ておるわけですけれども、このうち八四・七%に相当する四千百九十七万一千ドル、日本円にして四十六億円をストックオプション行使によって得ているとの報告があるわけです。これは非常に象徴的であって、アメリカにおいてこのストックオプション制度が多くの企業家の夢を実現させる制度として定着しているということをうかがわせるわけです。
そこで、まず質問ですけれども、日本において一般にこのストックオプション制度が認められていない理由、あるいは著しくおくれている理由はどういうところにあるのかということについてお伺いしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/102
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103・木村強
○木村政府委員 ストックオプション制度がおくれでいるということにつきましては、日本全体にこういった進取の、狩猟民族といいましょうか、獲物を追って食らいついていく、こういうような気概がない。我々の国というのは農耕民族だということで、横並び、定着型、こういう感じでありまして、なかなか新しい企業にリスクを冒して飛び出していくような環境が整っていないというのが一つ大きいことだろうと思います。そういうせいもありまして、新しいビジネスに対する育成策というのがなかなか、まあ通産省は中小企業等を対象にしてこれまでもいろいろな手を打ってこられましたけれども、その辺の対応がおくれてきた。
基本的には、このストックオプション制度は、午前中にも御議論が出ておりましたように、商法でいいますいわゆる株主平等の原則というものが基本にある。そういった商法の中での規律のものでございますので、この例外をつくるというのがなかなか難しい状況にあったというのがそうだと思います。
日本でストックオプション制度がおくれたというのは以上のことでありますけれども、これからの時代を展望して、こういった新しい企業に対する人的、資金的あるいは技術的なインセンティブを与えていこうという総合的な政策が今強く求められる時代になったということもありまして、世の中全体が、こういうものに対する新しい仕組み、新しい風を入れていくべきだという雰囲気になってきて、二年前でありましたけれども、通産省が商法の特例措置ということで法律改正をされたというような経緯があり、その後、インターネットあるいはデジタルCS放送などが飛躍的に伸びた結果、通信・放送の分野でもニーズが高まったというのが第一点であります。
アメリカ等に比べましては、先ほど来申しておりますように、新しい情報通信を中心としたベンチャー企業というものが相当進んでおりまして、アメリカの景気を引っ張っておる大きな力になっておりますけれども、あらゆる経済的あるいは社会的側面等の中からこういった新しい仕事を立ち上げていくと、うようなインセンティブがなかなか働かなかったというふうに理解いたしております。
〔委員長退席、岸本委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/103
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104・北村哲男
○北村(哲)委員 制度がおくれている、まあ商法との関係でしょうが、それが障害になっているのであれば、これは制度を時代の要請に従ってどんどん変えてもいいと思うのですが、まあそれは後ほど法務省との関係でお聞きします。
日本でもいわゆる疑似ストックオプションと言われている報酬型のワラント債の発行制度は既に開かれております。しかも、これを運用している会社もありますけれども、これを広く運用していくことによって何も新しい法律をつくらなくてもできるのではないか、間に合うのではないかというふうに考えるのですけれども、そのあたりについてはどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/104
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105・木村強
○木村政府委員 先生御指摘のありましたストックオプション類似という形でのワラン十万式というのも一つあります。
これは、既にソニーとかコナミといったような会社が導入を決めておるわけでありますけれども、まず、ワラント債を発行できる信用力のある企業というものでないとこれはだめだということが一つ。それから、社債を発行いたしますにはやはりコストがかかるということで、これから未公開のスタートアップ段階こあるベンチャー企業にとりましては、社会的信用力、新しいリスクにかけていこうという人たちを信用して尊敬していくという風土が、まだ我が国には成熟をいたしておりません。そういう意味で、信用力があってワラント債を発行できるという環境は整っていない。
それから、これをやるには、先ほど申し上げました、コストがかかるということで、新株発行方式によるストックオプション制度というものは、企業が持ち出すお金はないということであります。それのために人材が確保できるということで、これから伸びていこうとするそういう会社にとっては、一番やりやすい、ふさわしい方式ではないかというふうに理解をいたしております。
〔岸本委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/105
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106・北村哲男
○北村(哲)委員 通産省の関係では、既にいわゆる新規事業法によってストックオプションの制度導入が行われて運用されております。
我が国の情報通信分野のベンチャー企業にとってこのストックオプション制度のニーズがあるかという点でございますけれども、どういう面というか、一般的にはそうであるというふうに言われれば、はいと聞くよりほかないのですけれども、具体的に、特定業界あるいは陳情、実績といいますか、実績というのはおかしいのですけれども、何らかの、目に見えるようなニーズというものはどういうところにあるのか。
というのは、いわゆる今出されている、円滑法と申しますけれども、円滑法の二条三項あるいは四条による新規事業として認定されているものは、資料によると、平成二年の施行以来七年もたっているのにたったの十一件。この十一件の中で果たしてどれだけの企業がこのストックオプションを選択するかまだ不明だと思いますし、ストックオプションだけを求めてさらにそういう企業が広がっていく可能性もあるとも思うのですけれども、そのあたりのニーズあるいは見通しはどのように考えておるのか。
午前中にも多少それに近い御答弁ありましたけれども、もうちょっとわかりやすく、細かい——通産関係な月割とわかりやすい、新しいものを発明してそれがどんどん広がっていく、水の浄化装置とかなんとかという新しいものはわかるのですけれども、通信分野には、目に見えにくいというか、しかもこの十一件というのは非常に規模が大きい、みんな何億規模の企業ばかりで、先ほどの、信用力がないとかなんとかと言われても、既に信用力があるものしか認定されていない、そういうふうな感じがするのですけれども、そのあたりを含めて御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/106
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107・木村強
○木村政府委員 ただいまの現状でありますけれども、通信放送新規事業の認定件数は十一件ということであります。それから、認定の申請をすべく郵政省に現時点で事前に御相談に上がっておられるという会社もございまして既に十件程度、同程度の数が郵政省に事前に認定のための御相談があるという状況でございます。
それから、既に認定をいたしております十一件すべてがこのストックオプション制度のための変更認定の申請をされるかどうかということは不明でありますけれども、十一件中数社についてはそのような相談が来つつある、こういう現状であります。
それから、この十一件のうち、確かに資本金はそれぞれの会社は相当大きな額になっております。これは、やはり情報通信産業という性格、いわゆる装置産業ということで、小規模な資本金で仕事ができるという体制ではなくて、やはりある程度大きな資本金でまず設備投資を行ってやらなければいかぬという通信放送事業の性格からして、当初から資本金としてはかなり、いわゆる通産省がやっておられますような新規事業法の対象となるような会社よりは資本金が多いということがございます。
ただ、この資本金も、もちろん借り入れのような形がほとんどでありまして、会社としては資本金は非常に大きい形でありますけれども、これは事業の性格上やむを得ない。しかしそういった会社が新しい技術を使って立ち上がっていくかどうかという面ではまだまだ世の中の信用力というものがない。スタートという気持ちはわかるけれども、それを使った新しいニュービジネスというものが起こっていくかどうかという面ではまだまだ予測が難しい分野であるということで、社会的信用力といいますか経済的信用力というか、うまくいくかどうかという面では、そう既存の会社のように社債を発行してすぐこれが売りさばけるというような形にはなかなかならないのではないかということで、私どもはこのストックオプション方式というものを御提案をさせていただいた次第であります。
では、これからストックオプション制度を導入した場合、事業者数がどのように伸びるかということでありますけれども、まさに技術革新のテンポも速く、どういう新しい技術が起こってくるか我々にも事実予測をしがたい分野でありますので、大変予測は難しいわけでありますけれども、現時点では、CATV網や衛星を活用したインターネット接続サービスといった事業、これはインターネットが非常に爆発的に伸びております関係で、こういったものに関連する事業。それから、CS放送がデジタル化で多チャンネルの放送サービスを行うということで、多様な専門番組を提供する事業といったようなものも、当然たくさんニーズとしては起こっておるという実感を持つております。
さらに、これからの問題といたしましては、例えば、情報通信ネットワークを活用したニュービジネスということで、情報通信に対します経済社会のニーズの高度化、多様化、あるいは情報通信技術の発展を背景に、規制緩和だとか通信料金の低廉化だとかいろいろな事柄が複合的に進んでおりますので、こういった状況の中で、光ファイバー網あるいはインターネット、移動通信等の情報通信ネットワークを活用した各種のアプリケーションサービス等を提供するニュービジネスというものの創出が期待をされております。
一つ二つ例を申し上げますと、各種の電子商取引あるいは双方向オンラインショッピング、それからホームセキュリティーサービス、電子出版、電子新聞提供サービス、PHS網を活用した位置探索サービス、例えば迷い子とか徘回老人探知等の福祉サービス、こういったものに使うとか、そういうようなもの。
それから、ネットワークインフラの提供に係るニュービジネスといたしましては、インターネット電話あるいはインターネット国際ファクスなどによるインターネットサービスの高度化を考えたもの、それから公−専−公の接続を利用して、低料金で通信サービスを行おうとするようなもの、それから先まど申し上げました衛星デジタル放送等の分野。
それから、ネットワークコンテンツの制作に係るニュービジネスということでは、各種データベースの構築であるとかゲームソフトの制作事業であるとかコンテンツ制作環境の整備に関する事業、例えばクリエーターの売り込み等のマネジメントサービスであるとか映像ソフトのあっせん等の流通促進を行うサービスであるとか、考えられることはいろいろあるということでございますが、非常に楽しみな分野でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/107
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108・北村哲男
○北村(哲)委員 通産関係の企業であるならば、
一つの例えば小さなベンチャー企業をつくって、先ほど言った水の浄化装置とかそういうもので新しい事業展開を図る、それが新規事業として認定されるわけですけれども、こちらの円滑法に基づく認定会社を見ますと、多いところは三十億円からぐらいの規模、小さくても何千万という資本金の規模の会社ですから、単発の企業ではないと思うのですよ。企業として認定するのは、一つの企業は総合的な企業だと思うので、どれもこれも別に新しくなくても、一つだけ、一企業部門で日本で初めてのような新しいものを開発すればこれは認定企業として認められるのですか、その場合は、企業全体として、一部門だけが認められたら全体として認められるというふうな形になるのか、あるいまその部門だけといりとおかしいのですけれども、そのあたりはどういうふうに理解をすればよろしいのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/108
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109・木村強
○木村政府委員 認定につきましては、新規事業の実施計画に対するものであって、それが会社全体の活動の一部であっても認定は可能だということでございますので、そういう面では、当該会社が認定事業以外の分野と抱き合わせをした形で新規事業を行うという場合には、当然認定の対象にはなり得る。
ただ、その際に、人を採用しなければいけませんので、その新しい新規の通信放送事業の発展のために本当に必要欠くべからざる人材だということもあわせて見ていかなければならない問題だろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/109
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110・北村哲男
○北村(哲)委員 今まで既に認定されている企業がストックオプション制度を導入するためには新たに郵政大臣の認定が必要であるという御説明がありました。
従来の円滑法の四条で認められている新規事業の認定基準というのは、融資を受けるとか税制の優遇措置を受けるとかという、企業自体が優遇される面という意味での認定基準だと思うのですけれども、ところが、ストックオプション制度というのは、そういう面ではなくて、有為な人材を採用しやすくするという別の観点での制度だと思うのですよ。ですから、新たな認定が必要だということはわかるのですけれども、その場合の、今までと違った認定基準というものはどのようなところにあるのか、その基準の内容を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/110
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111・木村強
○木村政府委員 これまでの通信・放送新規事業を郵政大臣が認定いたします場合に、その認定をした会社がいろいろな支援策を受けられる。例えば、通信・放送機構からの出資が受けられる、あるいは債務保証が受けられる、あるいは開銀等による超低利融資が受けられるというような、それぞれ認定をされた会社が支援を受けるメニューというのがあるわけであります。これを念頭に置いた指針というものをつくってございますが、これはいずれも新規事業が立ち上がっていくための国の支援施策ということであります。
今回の新規事業につきましても、ストックオプションということで、人材の面で一つのメニューを追加しようということでございますので、従来ございます通信・放送新規事業の指針に従った認定を行うというものに加えまして、新しくストックオプション制度の導入による人的体制の確保に関する事項というものを追加いたします。例えば、当該事業の実施に当たって、法に基づく新株発行に係る株主総会決議の特例を活用する場合は、必要とする人材の活用を含めた当該事業実施体制等に留意しつつ、適切な人的体制を確保することということで、どういう仕事のためにどういう能力の人が必要だ、そして新しい会社のどういう部署にその人を配置をして対応するのだということが申請される実施計画の中で明らかにされることが必要であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/111
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112・北村哲男
○北村(哲)委員 この指針は、今までにある指針に加えて、法律が成立した場合に新しくおつくりになるというふうに伺ってよろしいかと思いますが、今まであるものが新たにストックオプション制度を導入する場合については、確かに二つの基準、前の基準と今回の基準が二つクリアされなくてはいけないのですが、今後あり得るとすれば、特に郵政のような大きな企業では、融資も要らない、お金は要らない、ただストックオプション制度だけ欲しいというふうな要望のある会社については、従来ある平成二年十月一日付のこの指針はもうのけて、今新しくおつくりになる指針だけで新規事業として認定をされるというふうに考えてよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/112
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113・木村強
○木村政府委員 この実施に関する指針というものにつきましては、全体を網羅いたしております。
例えばどういうものかと申し上げますと、実施方法に関するものであるとか、それから新規性を見る分野であるとか、それから資金の調達方法だとか資金計画を見る分野であるとか、その他実施に際し配慮すべき重要事項であるとか、それぞれの分野がカバーされるような指針をつくっております。
したがいまして、今回のストックオプションに係る部分が、御了承いただいて指針につきまして従来のものに追加をするということになりますけれども、新しくストックオプションだけを支援策として受けたいんだという会社がございましたときには、従来の指針の中で必要な箇所、例えば新規性といったようなものは当然従来の指針と同一のものが適用されるわけでありますし、新しく特にストックオプション制度にかかわる人的体制の確保に関する部分というものについてはクリアしなければいかぬ。
ただ、債務保証というような部分について、国のお金を投入するということではございませんので、国がこのストックオプション制度を認定する際に、国の方からの支援策、何か資金が要るというようなケースではございませんので、債務保証であるとか出資であるとかいうものを認定する場合よりは、この指針の中でもそういったお金にかかわる部分についての判断というのは少し緩和してまいりたい、このようなものをつくってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/113
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114・北村哲男
○北村(哲)委員 何か感じとして、前の指針また新しい指針で、新しく事業をしようとする会社ががんじがらめにされていくような感じもしないでもありませんけれども、これからゼロから打って出ようとする会社がやりやすくするために、まさにこの規制緩和がまた新しい規制にならないように、そのあたりを注意してこの認定基準というのを柔軟に運用されることを望みたいと思います。
次に、法務省にお伺いしたいと思うのですけれども、午前中の質問の中で、かつて通産省がこの制度を持ち込んだときに、聞くも涙、語るも涙、非常に苦労したと、法務省の抵抗が非常に強かったような言い方で、何か法務省がいじめているような感じがしているのですけれども、今回の改正案はかって通産省がつくったものとほぼ同じ形のものでございます。その新規事業法にしろあるいは今回の円滑法にしろ、それぞれの法律が当初予定していたベンチャー企業そのものを育てようという思想と今回のストックオプションとはちょっと別の次元だという気がするのです、まさに有能な人材を入れるための制度ですから。
そして、それがまさに商法の、ちょっと忘れましたけれども、何条かの新株発行の規定に触れるわけですけれども、一般法としての商法改正で導入を図るべきであるという話は午前中もたくさんありました。今の時点で横断的にこのストックオプション制度だけについての別個の法律をつくるような考え方‘これはできないものだろうかと思います。その点について、法務省がどうしても譲れなかった点、あるいはなぜ簡単に譲ったのか、それから今後新しい法律はどのような形で進むべきだという点についての御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/114
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115・菊池洋一
○菊池説明員 お答え申し上げます。
まず、いわゆる新規事業法あるいは今回の法律案でございますけれども、これは新株の有利発行という手法でストックオプションをいわゆるベンチャー企業に認めようという内容でございます。新株の有利発行という制度自体は、北村委員御指摘のとおり、商法の二百八十条ノ一に規定がございますが、商法では株主総会の決議の効力が六カ月しかないというところを、そのままではストックオプションに活用できないということで十年間に延長するということでございますが、そうなりますと、株主の権利という観点から、私どもとしては、株主の権利が損なわれないような工夫が必要ではないかということで、関係省庁と御相談をしたわけでございます。
今回の法律案は、ただいま御指摘のとおり、いわゆる新規事業法と同じ内容でございますので、理論的な面につきましてはもうさほど問題にはならなかったわけでございますが、商法の原則に対する特例を設けるだけの必要性といいますかニーズがどれまどあるのかということについて、郵政省の方とお話し合いをして、最終的には、ベンチャーを支援するという観点から、いわば必要な人材の確保という観点から、今回の法律案という形にまとめて、国会に御提案させていただいているということでございます。
それから、あと、私どもの方の商法でございますけれども、これは規制緩和推進計画、先月末に改定されたものでございますけれども、この中で、九年度中に結論を得て、十年度に導入するということになっております。これは広く株式会社一般にストックオプションを導入しようということでございまして、私どもとしてはへ商法の一部改正という形にして国会に御提案させていただきたいと思っております。
ただ、その具体的な内容につきましては、いろいろな考え方があろうかと思いますので、それはもう少し時間をおかしいただいて検討をさせていただきたいと思っております。その際には、株主の権利が不当に損なわれることがないようにという観点も加味して、できるだけいい制度、使いやすい制度にしたいというふうに私ども考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/115
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116・北村哲男
○北村(哲)委員 法務省に重ねてお伺いします。
商法の改正だと、そうするとベンチャー企業の育成という一つの観点はなくなってしまって、すべての企業、上場であろうと未公開であろうと一緒になると思います。そのあたりの問題点。
それに加えて一つ聞きたいのは、それぞれの省庁がそれぞれ法律をつくることによって、今回郵政省の場合は発行株式の五分の一を限度とする、それから通産省の場合は三分の一を限度とする。午前中、理由をお聞きしましたら、規模が大きいからというお話でした。しかし、じゃ、通産省はみんな小さな町工場みたいなところかというと、大きいところは幾らでも出てくると思うのですよ。京セラのような会社も出てくると思うのですね。
ですから、単に規模だけで、片っ方は五分の一の範囲で、片っ方は三分の一。それも株主保護のためにこういうふうにしたんだというふうに言われますけれども、そのあたりは法務省はどのように解決をしてこられたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/116
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117・菊池洋一
○菊池説明員 商法の特例で、特に安い価額で発行することができる新株の数量を発行済み株式の総数の一定割合に抑えるということの趣旨につきましては、株主の権利を守る、いわば株式の希薄化を防止するという趣旨であるというふうにお聞きをいたしておりまして、私どももそのように理解をしております。
具体的な数字、三分の一あるいは五分の一という数字は、これは正直申し上げまして、所管外の話になりますけれども、それぞれの法律が対象にしておりますベンチャー企業の実態、あるいは実際の必要性といったことから算定された数字であるというふうにお伺いをいたしておりまして、私どもとしては、この三分の一あるいは五分の一というのは絶対にこの数字でなければならないということではございません。御説明を伺いまして、実際のニーズにこたえることができるものであるということで協議が調ったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/117
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118・北村哲男
○北村(哲)委員 今の点なんですが、結局株主保護の立場の数字だと思うのですね。法務省の立場は、すべて株主は平等であるという立場ですよね。それをそれぞれ各省庁のお立場というふうな形で理解をしてしまっていいのですか。うちは三分の一、うちはもうちょっと育てたいから半分にしようとかいうときに、どこが株主保護の、利害の問題を調整することになるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/118
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119・菊池洋一
○菊池説明員 北村委員御指摘のとおり、株主平等というのは、会社制度といいますか、商法の基本原則の一つでございます。
ただ、これは、抽象的に株主はみんな同じ権利をということではなくて、ある一つの会社の株主さんは皆さん平等の扱いを受ける、そういう権利があるということでございまして、株式会社といいましても、その規模、業種、業態、いろいろございまして、どの会社の株主かによってその権利の内容、抽象的な権利として同じでございますけれども、その実態、配当を幾ら受けることができるかといったような権利の内容こつきましては会社によって異なっておりますので、一つの会社の株主、同じ会社の株主であれば同じような扱いを受けるということで私どもは理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/119
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120・北村哲男
○北村(哲)委員 ちょっと釈然としないところがあるのですけれども、だれかがごまかされているなと今言われましたけれども、まあよろしいでしょう。ちょっと時間もなくなりましたので、このあたりで少し引き下がりまして、通産省の方にお伺いしたいと思います。
平成七年十月十七日の商工委員会で、牧野政府委員が、ストックオプションの導入に関しての答弁をしておられます。そこでは、通産がこの制度を入れるについて、他の省庁を排除するつもりは全くない、法律に違反しない限度において、他の省庁の要望については法律でどんどん拾っていきたいと考えているという趣旨の発言をしておられます。郵政省に関係する事業者とか、他省庁管轄の事業者も、この通産省関係の新規事業法で拾っていくことが可能になるのではないだろうかというふうに読み取れるような発言をしておられますれども、これはどういうふうに理解すればよろしいのでしょう。
そうすると、新しい法律なんか必要ない、通産関係だけでどんどんそこにストックオプション制度だけで拾っていってもらえばいいじゃないかという考え方が出てきます。まだできてない省庁もたくさんあります。じゃ、建設省にしろ、あるいはどこかの省庁にしろ、通産省でみんな拾ってもらえるのかということについてはどのように理解すればよろしいのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/120
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121・立岡恒良
○立岡説明員 お答えいたします。
先生御指摘のとおり、平成七年十月の審議の際に、私も議事録を読みましたけれども、当時の牧野局長からそのような御答弁をいたしております。
その答弁の趣旨は、一つは、局長の発言にもございますように、事業所数の八割が通産省の所管事業であるということから、基本的には大部分カバーできるということ。
それから、ある事業者がいた場合に、その事業が複数の省庁にまたがるというケースもあるわけでございます。一例で申し上げますと、例えば廃棄物処理事業をやっておられる方がいらっしゃるというときに、この事業自体は厚生省さんの方でごらんになっているわけでございますけれども、例えば、その方がその事業をうまくやるための新しい機器とかシステムを開発されて、それを今度は売るということで新しいビジネスをされるといった場合には、その機器の事業自体は私どもの方で担当できる事業になりますので、そういった意味で、同じ事業者の方でも、幾つかの事業を行っている場合に私どもの方で対処できる事態がある、そういった場合には最大限やってまいりますという趣旨でお答えしたというふうに私ども理解をいたしております。
今回の郵政省さんのお出しになられました電気通信の分野は、恐らく今後多くのベンチャーが成長してくる有望な分野でございまして、そういった意味では、今回こういう制度が導入されることにつきましては、結果的に多くのベンチャーが育っていくという意味で私どもも非常に重要であるというふうに認識をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/121
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122・北村哲男
○北村(哲)委員 このストックオプション制度の導入の目的は、有能な人材を会社に呼び寄せること、あるいは引きとめること、あるいはまた会社発展への意欲増進であるということが目的のようですけれども、この制度が、役員や親族へのお手盛りとして利用されてしまうのではないだろうかという疑念、あるいは、株式公開により巨額のキャピタルゲインが得られる仕組みを悪用したかつてのリクルートコスモスのような事件の再発の温床にならないだろうかという疑念が若干残ると思います。
そういう意味で、そのあたりまどのようにお考えなのか、御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/122
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123・木村強
○木村政府委員 通信・放送新規事業は、我が国で初めて行われます通信・放送サービス、あるいは新技術を用いてサービスの改善を行う事業だということで、まさに通信・放送事業分野を開拓するものだということで、そのフロントランナーを対象として国として各種の支援措置を講ずるという理由は、先行事例がない状況で高いリスクを有する事業を行うことが非常に難しいということで、最初の事業を対象とすることによって、新規事業の実施に対するインセンティブを与えて、サービスの多様化を図ることができるという趣旨であります。
ストックオプションを付与される者は、新株発行をするときに当該会社の役員または従業員であることが必要であるというふうに法律第八条で定められております。したがって、今先生御指摘のような、社外役員あるいは家族等にかかわらず、その者が認定事業の実施に必要な人材であるかどうか、新株発行時に当該会社の役員または従業員であるかどうかによりまして株主総会においてこの判断を行うということで、会社の性格として、大臣が認定して、こういった会社はストックオプションをやる、会社がその意思で考えられるときにはやれるような道を開いておいて、あとやるかどうかは株主総会が、透明性の中で不正に使われないように、本当にその人材が必要だということで人の名前まで特定して株主総会にかけるわけですから、そういうチェック機能の中で、株式会社自体がそういうガラス張りの透明性の中で措置をされるということになっておりますので、会社自体の責任においてこういうストックオプション制度を導入する道を開くということが必要であるというふうに考えたものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/123
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124・北村哲男
○北村(哲)委員 時間がなくなりましたが、最後にですけれども、私は、今の点については、まだベンチャー企業というのは上場される前は非常に閉鎖された会社でありますから、その中で友達を引き入れたりなんか、それを株主総会だけで決めてしまうということは非常な危険性をはらんでいる、それが急に大きくなったときにその矛盾が出てくるような気がします。
それはそれとしてよろしいんですが、大臣に一言、今のように、ベンチャー企業の育成、発展は、日本はアメリカに比べて随分おくれていると言われておりますけれども、我が国の情報通信の発展のためにはこのストックオプション導入以外にもニュービジネス創出のためのいろんな施策が必要だと思います。どのようなお取り組みをされておるのかということについて、簡単で結構でございますけれども、御所見を伺いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/124
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125・堀之内久男
○堀之内国務大臣 ただいま先生御指摘のとおりで、ベンチャー企業の育成は大変日本はおくれております。この点は、技術面あるいは税制面、さらに融資の面、いろいろな面で日本の場合はおくれておったと私どもも思っております。
今後、何としてもこのベンチャー企業を育成し、そのことが情報通信の発展に大きく寄与するもの、こういうように考えておるところでございまして、今回、税制面として、あるいは人材確保という立場からストックオプションの導入、さらに大蔵の方でやっていただきましたが、エンゼル税制、こういうものとあわせて、また投資の促進というものも図っていきたいと存じております。さらに基盤技術研究促進センターの改組によりまして出融資制度を充実していくということ、あるいは、先進的な技術の研究開発に対する助成制度、こういうものを今後拡充をしてまいりたいと思いますし、もう一つありますのが、テレコム投資事業組合でございます。こうしたものを発足させまして、今後、融資あるいは投資を積極的に進めてベンチャー企業の育成に努めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/125
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126・北村哲男
○北村(哲)委員 どうもありがとうございました。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/126
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127・木村義雄
○木村委員長 矢島恒夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/127
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128・矢島恒夫
○矢島委員 大臣の本法案についての趣旨説明、それからずっと今までの間、それぞれの委員から質問がありまして、それぞれの質疑の中でいろいろとその中身について問題点などが出されたわけです。
最初に私、このストックオプション制度というものを導入するということの目的は木村局長の方から再三再四述べられておりますが、いわゆる株式平等の原則の例外として特定の企業に特別に認めようというわけですが、お聞きしたいのは、やはり今までも幾つか出されておりますけれども、認定会社となる要件の問題であります。
事業の新規性あるいはその実現性などなど言われているわけですが、対象企業の資本の大小だとかあるいは企業性だとか、こういうものについて認定基準はどうなっているのか、法案の中での規定、これについてお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/128
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129・木村強
○木村政府委員 通信・放送新規事業に対します郵政大臣の認定は、当該事業の実施計画の認定でございまして、資本金や出資企業等に関する事業者の要件は特に定められておりません。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/129
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130・矢島恒夫
○矢島委員 そこで、実際に、企業としての認定の適格条項ということになりますと、株式が非公開であるかどうかということになるかと思うんです。株式が非公開であって、かつ事業に新規性がある、計画に無理がないというような企業です
と、これはもう認定することができる、このようになると思うんです。
例えば中小ベンチャー企業とは言えない企業であっても、株式が非公開であるならばその認定の対象になり得るんだろうと思うんです。例えば、あのリクルートの事件では非公開の株式の譲渡が問題になりましたが、こういう企業でも株式は非公開なわけですから、通信・放送で新規の事業を行う、こういう場合には対象になり得る。
それから、認定を受ける企業だけを切り離してみますと、確かに中小だ、しかし、大企業の子会社、こういうものも少なくない。例えばあのNTTやNCC、あるいは民放で東京キー局、こういうようなところの一〇〇%出資の子会社であっても認定の対象となり得るのだと思うのですが、それでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/130
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131・木村強
○木村政府委員 本ストックオプション制度は、主として独立系の中小ベンチャー企業につきまして、新規事業に必要な人材の確保を円滑化するという政策目的を有しております。一般的に、株式未公開の会社は公開会社に比べて人材確保が困難であるという現況に合わせた考えでございます。
しかしながら、今先生御指摘ございましたように、法律上の要件というものを照らしてみますと、未公開の段階である、ある、は情報開示、定款にその旨を記載する等々の、いわゆる既存の株主にあるいは将来の株主に損害を与えないようなディスクローズをしていくということが要件でございまして、先生御指摘のような、新規事業の実施に当たりましてその会社の大小というものを認定から排除する決まりというものは必ずしもないというふうに考えております。
このような資格というものが一応あるということでありまして、では、それを受けて、実際に大企業が人材確保のために人の名前まで特定して株主総会にかけて、必要なのだということがその株主総会で通るかどうかというのは別問題でございまして、それは会社の責任において行うということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/131
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132・矢島恒夫
○矢島委員 法律の上からは、そういう一〇〇%子会社であっても非公開の会社であればできるということだと思います。もちろん、NTTや民放大手の一〇〇%子会社あるいは子会社というものが人材確保のための資金力が乏しいというようなことは余り考えられないわけです。しかし、この法案では認定の対象になり得るということになるわけなので、今局長がずっときよう答弁されておるように、人材確保をやりやすくする、中小ベンチャー企業の立ち上がりを援助するのだ、こういう目的とはやり方によってはこれは違うことが起こり得るのだなということを今の答弁で感じたわけです。
例えば、自分の子会社に人員を派遣する、そのときに、ストックオプションというものをつけて人件費を浮かそうとか、あるいはリストラ、合理化目的で子会社に中堅の管理職や技術者を追い出していこう、ひとつストックオプションをつけてあめにしようというようなこともないわけではない、起こり得る可能性はこの法律の文面から読みとれるわけであります。
それで、私、そういう懸念を持ちますのは、既に円滑化法の方で十一の企業が郵政大臣の認定を受けている。これは先ほどから出ていることです。その十一の企業というものについて、私はここにそのリストを持ってきたわけですけれども、商社とか大手のガス会社、あるいは三菱系、セコム系、いわゆる大企業の子会社がずらっと並んでいるわけなんですね。最近注目されている衛星デジタルテレビの会社がありますが、テレビコマーシャルも今盛んに流している会社です、これも日本の名立たる大商社が共同出資していて、資本金は百億円ですね。これを見ますと、資本金というのがいずれも大資本に相当するようなもので、いわゆる中小の独立ベンチャーとはっきり言えるのは、中小企業金融公庫とも取引がある一社だけだろう。残りは、それぞれの大企業、あるいは共同出資、いろいろな形になっていますけれども、中小の独立ベンチャーだというのではないのではないか。
そうすると、円滑化法というのは、中小のベンチャー企業を支援するというよりも大企業の子会社も大いに支援していく、そういう法律になっているのではないかと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/132
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133・木村強
○木村政府委員 資本金といいますのは、先ほど申し上げましたように、通信・放送新規事業といいますのは装置産業がベースになりますから、やはり他の一般の中小ベンチャーよりはもともと資本金が大きくなる傾向にあるということは事実だろうと思います。したがって、資本金が大きいからどうかということではなく、その会社が行います、新規性というものに着目して、その新規の事業を立ち上げていくために人材がいないという場合にどうその人材を確保するかというのがこの趣旨であります。そういう面で見てまいります。
私ども、今先生がおっしゃいました事柄につきましては、あくまで大臣としての認定作業というものは、そういう新規事業の立ち上げというものを一定の要件のもとで見まして、客観的、合理的に、なるほどということがあればその手かせ足かせを取るということであります。まあ言ってみれば資格を与えるということになるわけでありまして、それを受けた会社が実際に人を採用するかどうかというのは、それは会社の判断であるということでありまして、その会社がどういう人をということは、会社自身の責任において、自己責任の原則にのっとって決めていくというものであります。
ただ、郵政省といたしましても、当初の趣旨が大きくゆがめられるということがあってはいけませんので、ネガティブチェックということになろうかと思いますけれども、ストックオプションに係る株主総会の決議の内容等を記載した書面の提出を受けたり、あるいは定期的に事業の実施状況についての報告を徴収したりする二とによりまして、もちろんこれは限界がございます、立入権、調査権あるいは捜査権とかいうものがないわけでありますから、限界はありますけれども、事後にもチェックしていくという機能があります。基本的にはそういったベンチャー企業が立ち上がっていくための、そういう環境を整備するというところに今回の行政の目的があるということでございまして、あくまで会社自身が立ち上がるための準備をお手伝いするということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/133
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134・矢島恒夫
○矢島委員 けさからその答弁は何回もお聞きしていますので、そういう目的なり方向で臨んでいるというのはわかるのです。しかし、そういう考え方とは逆に、ネガティブチェックとおっしゃられましたけれども、やはりネガティブなんですね。本当にそういう事態が起こらないという保証はないし、また、それを利用しやすいという面があるのです。
といいますのは、この十一社ですが、円滑化法による出資などの支援を受けているのは三社にすぎません。特に注目したのは、この十一社のうち七社が、昨年の十二月以降にこの認定をされたのです。それまでは、実際年に一社あるかないかでずっと来たわけです。しかも、この七社というのはいずれも大企業の子会社と思われる企業であります。昨年の九月段階には、郵政省がストックオプションを導入するという法の改正案を次期通常国会に出すぞということが言われていたわけです、もちろん部内の検討はもっと以前からあったろうと思うのですけれども。
一度この新規事業としての認定を受けますと、この法改正がされた後にストックオプションの活用を申請する場合には、この法律によりますと、第五条によって変更手続だけで済む、先ほど御答弁がそうありました。大企業の子会社にとって、これまでの円滑化法に比べても、このストックオプションが使えるという判断があって急に認定がふえたのではないだろうか、こうも見ることができると思うのです。
そこで、この改正によるストックオプションを活用しようという期待は、大企業の中にもあると思われるのですが、その辺はどんなふうに見ていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/134
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135・木村強
○木村政府委員 大企業と申しましても、株式公開をされておられる大企業がほとんどであります。もちろん未公開の大企業もありますけれども、ほとんどであるということで、私どもの方にいろいろな打診があるものにつきましては、現時点で、大企業が人材を確保してストックオプションをというような形というものは今のところ出ておりません。
先ほど申し上げましたように、大企業がやられます場合は、ソニーであるとかといったように、ワラント債の形で疑似ストックオプションという形を使って成果を上げておられるというのが日本の通常の実態だと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/135
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136・矢島恒夫
○矢島委員 いや、大企業そのものがこれを使うためにではない、大企業の子会社ということで私はお聞きしたわけですし、円滑化法にこの十二月の段階で駆け込みで七社がばっとやったのも、これもいずれも大企業がバックにいるところの子会社あるいは関連会社。
こういうことで、ですからそれは大企業が一つの期待を持って子会社をつくって、それは非公開ですよ、株は。ですから、それに認定を受けさせる、こういう方向が強まっているんじゃないか、こういう見方についてはどう考えるか、こういう質問です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/136
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137・木村強
○木村政府委員 確かに、先生がおっしゃいましたように、昨年の十二月以降、新たに七社が通信・放送新規事業として認定をされたということは事実でございます。これは、最近のインターネットの爆発的普及とか、あるいは衛星デジタル放送の開始であるとか、規制緩和の進展であるとか、こういったことを背景といたしまして、情報通信分野のニュービジネスを実施する機会が急速に拡大をしたという環境の変化、あるいは、これからの我が国の経済構造の改革を進めていくためにも、やはりベンチャー企業というものが非常に重要なんだ、そういうような認識が広まって、そういう状況の中で、郵政省としましても、情報通信のニューベンチャーを立ち上げるという施策を打ち出したことでそういう気持ちが、動きが現実のものとなったということでそういった認定数がふえた。まさに、こういったニーズを背景にして、私どもも法務省と交渉もいたしましたときには、ニーズがなければやはりできませんでしたので、こういうニーズというのが大きな今回の法改正の背景になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/137
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138・矢島恒夫
○矢島委員 私たちの危惧することが本当にそういうような事態にならないで、当初からの目的である中小のベンチャー企業の立ち上がりを支援していくという内容で、ネガティブであってもきちんとチェックし、運営していくということが必要だということを申し述べておきたいと思います。
最後に、大臣、これは私の要望なので、御答弁がいただければいただくし、よく聞いておくということならばそれでもよろしいのですが、郵政省、これらの施策を含めて、大体、新規事業の創出だとか、あるいはベンチャーの支援ということが中心になってずっとやってまいりました。もちろん、私、新規事業の創出ということを否定するわけではありません。必要な部分にはやはりそういうことが必要だと思います。
ただ、通信・放送の分野にもいわゆる下請中小企業というのがあるわけです。放送にしても通信にしてもそうですけれども、大体こういう下請の中小あるいは零細企業によって成り立っているという部分が多いわけですね。そういう意味からしますと、今、大変長引く不況という状況の中で、これらの下請企業が大変な状況にあるわけなんです。
そこで、大臣、やはりこういう新規事業にいろいろ目を向けながらやっていくというのも、これも一つの方向だけれども、現に今、放送や通信の部分の事業を支えているところの下請の中小企業、これにも目配りをぜひ欠かさないでもらいたいというのが私の要望なんです。何かございましたらで結構ですが、よろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/138
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139・堀之内久男
○堀之内国務大臣 ただいま矢島委員の御指摘の問題は、十分心にとめて、今後も配慮してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/139
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140・矢島恒夫
○矢島委員 よろしくお願いします。
谷局長をお呼びしておりますので、次の問題に移りたいと思います。
通信の防災体制についてお聞きしたいと思います。阪神・淡路大震災でも、電話を初めとして通信の大混乱というのがあって、いろいろ問題になりました。私も震災後のこの委員会等では、その復旧・復興問題等についてもお聞きしたわけであります。こういう災害に強い通信インフラの構築、これが必要だということは強調されてまいりました。特に重要なのは、NTTのネットワークだと思うのです。これは、すべての国民をつなぐ唯一の全国規模のネットワークですから、災害時に最も重要な役割を果たすものです。また、その打撃も受けやすい部分もある。この地域通信網、ここで、大体NTTのネットワークがすべてを果たしている、こういうふうに考えてもいいかと思うのです。
ところが、このNTTの防災体制というものについて、他の公益事業などと比べて問題が多い、こういう指摘があるのです。実は、阪神・淡路大震災の後、東京消防庁が、あれは九五年の七月から八月にかけて行った特別査察ですけれども、特にライフラインについての査察を行ったわけです。その結果、電力、水道それから鉄道、これなどのほかのライフラインに比べてNTTの違反摘発率が断トツだったのですね。郵政省、このことについて、何かNTTからの報告を受けているでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/140
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141・谷公士
○谷(公)政府委員 大変申しわけないのでございますが、承知しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/141
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142・矢島恒夫
○矢島委員 大変深刻な問題であると私は思います。というのは、NTTの建物の管理をしている子会社のNTTファシリティーズというのがございます。そこが、昨年二月に各支店あてに文書を配付したのです。こんなことなんですね。「NTTビルの防災機能について」というので、「NTTの建物は「防災上優れている」という神話がくずれかけています。東京消防庁の平成七年査察結果によると、ライフラインを構成する電力、通信、水道等企業のうちNTT建物の指摘率が一番高かったという状況です。」これが、それぞれの担当課長に配られた文書なんですね。こういう文書も郵政省としては御存じないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/142
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143・谷公士
○谷(公)政府委員 重ねて申しわけございませんが、承知しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/143
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144・矢島恒夫
○矢島委員 大臣も局長も御存じないのだろうと思います。
そこで、非常に重要な問題なので、私、委員長にお願いがあるのですが、そのことに関する資料を大臣や局長ある、は委員の方々に配らせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。資料です。
今お配りしてお手元に参ります資料というのは、NTT自身の資料も入っておりますし、それから、NTTの子会社、今申し上げました、建物を管理している一〇〇%NTTの出資ですが、そういうところが出した文書であります。
それで、これはNTTの総務部が全国総務部長会議の資料として使ったのですが、二段目の矢印ですね、東京消防庁がライフライン特別査察を行った、ここで、「NTTグループが突出して問題あり「問題あり」率六一%」。他の企業とどれくらい違うかは、その次の二枚目の棒グラフを見ていただくとわかりいいかと思います。その棒グラフにありますように、東京電力の場合は、二百九十五の施設を査察して七十五件問題があったのです。電鉄電力の場合には八十三件中五十件、ではNTTはというと、百十六施設立入検査をして違反が四百九という、まさにずば抜けて、六一%の異常な状況があるわけです。
そこで、一枚目の方を見ていただきたいのですが、これはNTTファシリティーズがそれぞれの担当に配った文書ですけれども、その一枚目の総務部が配った文書の一番下の方です、「今回の結果で判明した問題点」というところがあります。NTT自身がこの中で、「基本的な部分での防災対策、防災マインドが不十分。」だった、つまり、基本がなってないということだし、一番下の一行を見てもらいますと、「主管として会社、全グループを責任をもって指導する組織が定められていない。」つまり、会社としても無責任体制だということを今回の結果で判明した問題点として挙げているわけです。
基本がなってない、会社としても責任体制がない、どうしようもない深刻な事態ではないかと思うのですね。阪神・淡路大震災の教訓はどうなったのか。NTTにはこのライフラインに責任を持っているという自覚が欠如していると言わなければならないです。しかも、こういう重大な問題を郵政省が全く知らない、重大な問題だと思うのですが、局長いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/144
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145・谷公士
○谷(公)政府委員 基本的に大変国民のライフラインとして重要な電気通信設備でございますので、この設備につきましては、電気通信事業法の中にも技術基準としてそういった安全性、信頼性に配意するまうにという規定がございまして、これを受けまして私ども技術基準を定めておりますし、また、それ以前からも、安全性、信頼性のガイドラインを設けて周知を図ってきておるところでございます。御指摘の阪神・淡路大震災、大変貴重な教訓といたしまして、その後、この技術基準及びガイドラインを見直しまして、所要の改正等を行ってきておるところでございます。
ただいま御指摘ございましたこの皇宗消防庁の査察の内容でございますけれども、仰せのとおり、全く承知しておりませんことは非常に申しわけないことだと思っております。ただ、私、今御指摘をいただいたばかりでございまして、確かに、ライフラインということでございますので恐らく電気通信設備にかかわる部分であろうかと思うわけでございますけれども、ファシリティーの提供しておりますこういった建造物、これが私どもの考えでおります電気通信設備とどのようなかかわりを持った部分であるのか、あるいは電気通信設備についての安全性の部分であるのか、あるいは建築基準法にわたる部分であるのか、今直ちには私も承知することはできませんので、こういった指摘を受けているということ自体は大変遺憾だと存じますけれども、具体的なことについては申し上げることまできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/145
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146・矢島恒夫
○矢島委員 一つには‘実際に、NTTがこういうような指摘を受け、重大な問題が起こっているにもかかわらず、部内だけで、しかもその中身というのは一般の社員こま知らされていないのですよ。恐らく、どこまで知られているか、これらの文章からいきますと、これは総務部長段階だとかあるいは課長段階だとか、一定のところまでは、こういう状況があったぞ、東京消防庁からこういう指摘を受けてこんな問題点があるぞということを言ったけれども、一般の社員というのは実際にそういう問題については十分知らされていないというのが状況なんですね。ですから、知らされていないということは、いわゆるNTT神話といいますか、NTTの建物は安全だぞ、安全だぞというのはずっと言ってきましたけれども、それがまだまだ、これは大変だという雰囲気に職場がなっていないという問題点があるのですよ。
もう一つ。ぜひこれから調査していただいたり、NTTに聞いて、その後どうなったか、こういう点は調べていただくとして、そのときにこういう問題についても、ぜひNTTの状況について局長としては把握してもらいたいし、把握する責任があるだろうと私思うのです。この把握していなかったこと自身、NTTが報告しないのだからその責任はNTTにもあるわけですけれども、例えば、一枚目のこの矢印のあるのですね、そしてその下の「今回の結果で判明した問題点」として挙げた第二、「組織の改変、グループ事業化等に防災対策が追いついていない。」というのがあるのですよ。NTT、いろいろ要員削減をしたり、あるいは、子会社への出向だとか組織再編がどんどん進んでいます。人員削減が行われている。ところが、防災対策が追いつかないと言っているのですね。
もう一カ所同じような指摘として、これは二枚目のものです。二枚目の「NTTの問題点」というのがグラフの右側にずっと列挙されております。その三番目ですね。「防火管理関係違反が非常に多くなっている。たとえば、防火管理者の未選任、消防計画未修整、消防訓練未実施等の形式違反が多発。」こういうのがあるんですね。まさに、要員削減、人員削減を行った、組織がいろいろと改編される、次々と職場が集約される、今まであった職場がなくなってこちらに一緒になる、いろいろなことを今NTTやっています。ところが、そっちの方は一生懸命やっているのですが、それに伴ってこの防災管理者、これがどこかへ異動して、後を決めてない。それから、消防計画は古いままになっちゃって、そのまま放置してある。もちろん訓練もない。こういう状態なんですね。
さらに、ちょっと三枚目をごらんいただきたいのです。これは先ほど申しましたNTTファシリティーズ、そこの文書です。これは、もちろん御存じだと思いますが、NTTが一〇〇%出資して、その社員のほとんどはNTTに在籍したまま出向している子会社で、NTTの建物管理をしているわけであります。その文書の上から四行目ですね。「NTTのコスト削減施策により、防災設備の維持管理費、修繕費が支出しずらい状況であることも一つの要因でしょう。」こう書いてあるのです。コスト切り下げを最優先の経営をやっていた、ずっとやっている。ところが一方、防災設備の維持管理やあるいは修繕費用というものを非常に出しにくくなっちゃっている。だから防災設備が壊れてもコスト切り下げがあるから修繕できない、こんな事態になっているというのがこの報告書の中にあるわけですよね。
まさに、このNTTのコスト削減施策のために防災設備の修理修繕もままならない。阪神・淡路大震災の教訓どころではないのですよ。お金をけちって防災の手抜きをするということになると、記憶に新しいところでいけばホテル・ニュージャパンの火災などの、あのレベルの問題だと言われても仕方がないような状況なんです。非常に重大なこの内容だと思うのです。
そういう意味では、大臣、今ずっとやりとりお聞きいただいておわかりだと思いますが、NTTは国民のライフラインに責任を持っているわけです。電気通信事業は、社会の神経系統だともいうべきものであります。これを維持管理するという、極めて高い公共性を有していることが必要なんです。コスト削減のために防災設備の修繕費もままならない、こういうのでは、公共性への自覚と責任が欠けている、欠如してしる、こう言わざるを得ないのです。郵政省としても、NTTの分割だとかあるいは再編とかあるいは国際進出、熱心でございますが、肝心の足元は甚だ心もとないものだ、こう言わざるを得ないわけです。マルチメディアで、あるいは光ファイバーには金をかけるが、国民規模の電話ネットワークにはなるべく金をかけない、こんなことでは逆立ちしているやり方だと言わなきゃならないと思います。
消防当局から違反の指摘が断トツだ、こういう事態であるわけですから、ひとつ大臣、全面的に調査して、この改善方向も、国民のライフラインを守るという立場ではっきりさせていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/146
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147・谷公士
○谷(公)政府委員 ただいまお聞きしたばかりでございまして、まず、この消防庁による指摘の具体的な内容、それからファシリティー及びNTTのこの指摘されました事実に係る関係、それからこの中で書いてございます原因の分析等につきまして、私どもの方で十分調べさせていただきました上で、その関係を考えてみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/147
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148・矢島恒夫
○矢島委員 大臣、一般論として、こういう事態があるのだけれども、ひとつ決意のほどを。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/148
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149・堀之内久男
○堀之内国務大臣 ただいま局長から答弁申し上げましたが、私どもも内容を十分調査いたしまして、御指摘の問題は大変大事な問題でありますので、またもし問題があれば一緒になって検討を進めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/149
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150・矢島恒夫
○矢島委員 そういう意味からしても、やはり指摘されたもの、これだと四百九の事項で指摘されているわけですが、どういうものであったか。それから、NTTがその後それぞれとった対応はこんなことだったとか、あるいは防災修繕費も出しづらい状況、こう書いてあるのだけれども、その具体的な内容と、それからどう改善していったか。それから防災の責任体制。人員があちこちに異動してそのままになって責任者もいないという状況も指摘されているわけですけれども、こういう問題について、もちろん局長の方で調査されると思いますけれども、ぜひ当委員会にその内容を報告していただくなり、資料を提出していただくなりお願いしたいと思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/150
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151・谷公士
○谷(公)政府委員 内容を調査させていただきました上で検討して、しかるべく措置したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/151
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152・矢島恒夫
○矢島委員 ぜひ、委員長といたしましても、今私が申し上げた四つの内容について理事会等で相談の上、資料提出方については御尽力いただきたい、このことを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/152
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153・木村義雄
○木村委員長 理事会で相談をさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/153
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154・矢島恒夫
○矢島委員 以上、円滑化法の問題についてはやはり当初の目的、つまり中小、ベンチャー企業に対して、その立ち上がりをどう支援していくかというところがゆがめられないような具体的な手だてというものも今後必要だろうということを重ねて申し上げたいと思います。
また、谷局長の方には突然の質問で申しわけなかったわけですけれども、こういうことはいつ災害が起こるかもわからないことで、猶予ができない問題ですので急遽取り上げてみました。
いずれにしろ、NTTに限らず、やはり今、あの阪神・淡路大震災以降、国民的な関心が強いわけですし、そして消防庁の調査の結果、余りにもNTTがひど過ぎるという事態があらわれておりますので、ぜひ精力的にその分野での調査なりあるいは聞き取りなりを行っていただきたいし、指導も行っていただきたい、このことを申し上げて私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/154
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155・木村義雄
○木村委員長 横光克彦君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/155
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156・横光克彦
○横光委員 どうもよろしくお願いいたします。
現在、我が国の経済構造改革の推進というものが最重要課題となっている。橋本内閣も今その経済構造改革に全力で取り組んでいるわけですが、その原動力となるのは私はやはり情報通信だと思うわけでございます。今回の法改正はそういった情報通信の分野の重要性を踏まえて、そして特にニュービジネスの発展を目指したものである、そのように私は受けとめているわけでございます。
ニュービジネスが成功するかどうかというのは、先ほどからお話が出ておりますように、資金面の調達の問題もございますが、何といっても優秀な人材の確保、そしてまたその優秀な人材のやる気をいかにして引き出していくか、これが大きなかぎになると思うわけでございます。
アメリカではこういったストックオプション制度はもう既に一般に普及しており、ごく当たり前のことになっているわけですが、とりわけ情報通信分野でのアドベンチャー企業がそういったストックオプション制度を活用することによってチャンスをつかみ、そして大いに躍進しているという事例も数々あるわけでございます。
そういった流れが、日本でもようやく一昨年の十一月に通産省が特定新規事業実施円滑化臨時措置法に基づくストックオプション制度を導入したわけで、その導入以来、ベンチャーブームといいますか、徐々にではありますが活気づいてきているわけですね。そういった状況の中で、今回の法改正で情報通信分野におけるストックオプション制度の導入というのは非常に私は意義があると思っております。制度として着実に根づいていくことを最初に強く期待いたしたいと思います。
そこで質問させていただきたいのですが、通信・放送新規事業の認定についてちょっとお伺いいたします。
事業の新規性の判断、これは非常に問題だと思うのですね。日進月歩の技術革新の激しい中で、情報通信分野の新規性をどう判断するのか、容易ではないのじゃないかという気もするわけでございます。認定に当たっては、透明性を確保する観点から、新規性の判断基準を明確化する必要があるのじゃなかろうかと思うのですが、そのあたりの明確化はどのようになっておるか、ちょっとお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/156
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157・木村強
○木村政府委員 通信・放送新規事業の認定は、当該事業の実施計画が郵政大臣の定めます特定通信・放送開発事業の実施に関する指針に照らしまして適切なものであり、かつ、当該計画が確実に実施される見込みがあることが必要であるというのが大前提でございます。
この新規性の判断基準につきまして、開発法に規定をされております。開発法の第二条第三項におきまして、「「通信・放送新規事業」とは、通信・放送事業分野に属する事業のうち、新たな役務を提供する事業又は新技術を用いて役務の提供の方式を改善する事業」というふうに規定をされております。
その内容は、実施指針におきまして、「「新たな役務」とは、従来は提供されていなかった役務又は従来から提供されている役務であってもその利用価値が著しく向上し実質的に新しい役務と同視し得るものが該当する。」それから、「新技術を用いて役務の提供の方式を改善する事業」、そのうち「「新技術を用いて」とは、いまだ企業化されていない技術」、これは「技術上又は経営上のノウハウを含む。」ということでありますが、そういった「いまだ企業化されていない技術を用いること、又は既に企業化されている技術を、従来それを適用して提供していた役務とは通常の利用関係において若しくは社会通念により著しく異なる役務の提供に適用することをいう。」ということが現時点におきます実施指針の表現でございます。
要は、技術がどの程度革新性があるか、新技術かというのは、日進月歩いたしておりますので、個別の技術について詳細議論をするということはなかなか困難で、ではそれ以外のケースはどうかというようなことにもなりますので、現時点では私どもの法律を受けた指針というのは今申し上げたようなことでございます。
いずれにいたしましても、世の中で客観的にこれは新しいなという技術だ、あるいは新しいサービスだ、あるいは同じ技術を使っても経営のノウハウの工夫によって料金が下がった、これは新しいやり方だな、いいアイデアが出たな、こういう感じがやはり客観的に認められなければいかぬだろうということで、こういう形で明確かつ客観的に、だれもが常識的に見てこれは新しいものだということを浮き彫りにした形で審査をさせていただこうという考え方を持っております。
この実施指針は既にもちろん公表されておりまして、認定基準の透明性等も確保されておりまして、こういった指針に従って当該認定を受けようとする事業者が事業計画を出してくる、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/157
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158・横光克彦
○横光委員 新規性の判断というのは今お話しのように非常に難しいということで、透明性の必要性もあるわけですから、どうか明確な判断基準に従って公正な認定をしていただきたい、そのように思います。
また、ストックオプション制度のことでちょっとお聞きしたいんですが、ストックオプションを行使した後、高報酬を得た役員や従業員の士気あるいは発言力等が低下することはないのか、あるいはストックオプションを行使できる人とそうでない人との間で差別等が生じる懸念はないのか、そしてもう一つ、権利を行使した後の役員等に対し、処遇の変化が生じる可能性はないのか、こういったことをちょっとお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/158
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159・木村強
○木村政府委員 先生のただいまの御質問、まさにストックオプション制度が使われた後、人の感情なり、仕事の仕方なりあるいは当初のねらいでありますインセンティブがどうなるかというようなことだと思います。
これはまだやっておりませんので、大変難しい問題でありますけれども、アメリカでは、アメリカの風土、新しいベンチャーを育成する、あるいはアメリカンドリーム、フロンティアスピリッツ精神だといったようなことで、おおむね成功して、アメリカでは今の景気の持続的発展の大きな源泉の一つになっておるということを承知しておりますが、アメリカにおきましても、余りこれによる報酬が高過ぎるというケースの場合には、少し世の中でどうかという議論などもありまして、新聞情報等でありますけれども、少なくとも十五倍ぐらいじゃなければなとかというような、ちょっと余りにも突出したストックオプションによる利益というものも全体の士気その他からしてどうかというような議論も出ておるやに聞いております。
そういう意味で、私どもは、一定の範囲内でそういった事情を勘案されて、株式会社が全体の労務管理、人事管理にうまく使っていただけるということを期待しておるということでありまして、役所がその中身をどうのこうの言うところまではなかなかいかない、こういう制度を使ってうまくやられるということが、まさにベンチャーの経営者たる責任問題だろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/159
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160・横光克彦
○横光委員 いろいろと問題が出てくる可能性もありますし、これからの課題ではなかろうかと思っております。
情報通信分野におけるベンチャー企業の育成、これは郵政省まこれまで数々やってきたり、これから予定している育成政策ございますね。通信・放送機構による出資等、あるいはまた今年度からですか、テレコム投資事業組合、またエンゼル税制、こういったこともこれから始まるわけですが、アメリカのマイクロソフト社の例を挙げるまでもなく、間違いなくこの情報通信産業は二十一世紀のリーディング産業になるであろう、これは大方の人の一致するところであろうと思います。中でも、その発展においてベンチャー企業が果たす役割は非常に大きいと考えられます。
そういったバンチャー企業に対して、資金面や人材面や技術面やさまざまな観点から、総合的な支援対策にこれからも取り組んでいただきますことを要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。どうもありがとりございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/160
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161・木村義雄
○木村委員長 小坂憲次君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/161
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162・小坂憲次
○小坂委員 太陽党の小坂憲次でございます。
きょうの委員会の審議を通じて、今回の特定通信・放送事業の実施円滑化法の一部を改正する法律案、いわゆるベンチャー企業の育成のための今回の措置は、おおむね疑問が解消されてきたように思いますし、若干のファウルがありましたものの、実施前に検討すべき項目、それぞれに回答が得られたように思います。
最後の質問でございますので、既にお答えをいただいた部分もありますが、もう一度原則に返って質問させていただきたいと思っております。
まず最初に、ベンチャー企業創出のための今回の措置でありますから、その認定の要件と運用基準というものについて、まず局長からお答えをいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/162
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163・木村強
○木村政府委員 この特定通信・放送開発事業実施円滑化法の通信・放送新規事業の認定を受けるには、まず、当該事業の実施計画が郵政大臣の定める特定通信・放送開発事業の実施に関する指針ということで、この指針に照らして適切なものであり、かつ当該計画が確実に実施される見込みのあることが必要ということでございます。
具体的には、実施指針に定めておりますが、一つ、当該事業が、従来は提供されていなかった新しい通信・放送サービスを提供するものであること、または新技術を用いてサービスの価格の著しい低下や質の向上をもたらすものであることということが新規性の基本であります。それに加えまして、当該事業に係る経営方針の策定、需要動向の把握、事業計画、資金計画の立案、事業の実施体制の確保が適切になされているということで、当該計画が確実に実施される見込みというところをチェックいたします力さらに、今回、通信・放送新規事業の認定を申請する会社がストックオプション制度を導入しようとする場合には、当該会社が未公開会社であり、かつその実施計画にストックオプション制度を導入する旨を盛り込むことが必要であるということで、ストックオプション制度の場合には、従来の指針に加えまして、これはもちろんまだ指針として修正をいたしておりませんけれども、この法律が施行される前の段階では、この指針に明らかに人材確保といったようなことと、あるいはこの法律によります要件のうちの一部を書き込みまして、明確化、透明化をしたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、そのような形で公表をして、透明、公正にこの手続が行われるように、客観性を持たせて対応したいというふうに考えております。
それから、運用につきましては、認定計画に係る事務手続の簡素化、迅速化を図ることによりまして、本来は、タイミングを見て新しい技術を使って早く打って出ようというのが趣旨でございますから、役所の認定作業に時間を要してタイミングを失うということのないように、事務手続の簡素化、迅速化についてはさらに検討して、ベンチャー企業の活性化という本来の趣旨が生かされるように運用してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/163
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164・小坂憲次
○小坂委員 ただいまの御答弁で、従来三、四カ月かかっていた認定作業を、より迅速にしていきたい、こういう趣旨も理解いたしましたが、その認定を行う組織は一体どのようになって、どのような構成になっているのか、ちょっと教えていただきたいと思うんですね。
それから、運用を厳しくすればするほど、ある意味の規制を強化したような形になってしまって、役所がいろいろとその起業活動について口を挟むことになってしまいます。そういう意味で、この認定を行う基準、まさに運用の仕方というのは非常に重要だと思うのですね。そしてまた、その判断をする人の資質というのが問題になってくるんじゃないか。その新たな会社が、通信・放送事業の新規事業として育成するに足るものであるかどうかを判断するのはまさに人間でありますので、その人の知識とかそういったものに影響されると思います。
そろそろ調べがついたかと思いますので、組織について回答していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/164
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165・木村強
○木村政府委員 組織につきましてよ、この特定通信・放送開発事業実施円滑化法の所管が、私ども通信政策局になっております。現在事業振興課でこの法律の執行を担当いたしております。そういう意味で、執行体制は郵政本省の通信政策局事業振興課というところが責任を持って認定作業に当たるという体制を築きたいと思います。もちろん、その認定に当たりましては、ベンチャー企業の育成という観点から幅広い知識が必要でございますし、そういった幅広い議論と認定を的確に行えるという資質、こういう人物を充てて、先生の御期待にこたえるような体制をつくってまいりたいと思います。
それから、認定に当たりましては、これは総務庁とも御相談をいたしておりますけれども、商法の特例をつくるんだということで、商法ではだめだというものの規制を緩和する、そしてストックオプション制度が実現できるという、いわば規制緩和でございますので、それを受けまして、私どもの認定があくまでがんじがらめな縛りになってはいかぬということで、客観性、公正性を保つという面では、これまでにも御指摘ございましたように、しっかりした見方をしなきゃいかぬというふうに考えておりますけれども、運用に当たっては、柔軟といいますか、非常に難しいのでございますけれども、迅速にしかも簡素に、規制が新たに加わっていくということのないように、資格審査といいますか、そういった方々がどんどん出ていけるような体制をつくる。安易に流れてはいけませんけれども、そういう観点も必要であろうというふうに考えて対処したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/165
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166・小坂憲次
○小坂委員 もう少し具体的に、現在の組織の、ストックオプション導入前の認定作業にかかわっていらっしゃる方がどういう構成になっているか。例えば、学識経験者が含まれているとか、それはどういうタイプの方なのか、その辺もあわせて教えていただいて、今後ストックオプションが導入されるに当たって、その認定作業に当たられる内容が変わるのか、その組織の内容が変わるか、それについても教えていただきたいと存じます。
それから、今柔軟にということをおっしゃいましたが、柔軟にという点においては、局長は午前中の答弁で、独立系の中小ベンチャー企業を対象としていますという発言をなさいました。また同時に、通産省の臨時措置法に比べて資本規模の大きなものを想定しているので、上限も五分の一としている、こういう発言もありました。この二つはある意味で矛盾をする部分もありますが、その柔軟な運用という中で、どのような配慮がされるのか、その二点、まずお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/166
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167・木村強
○木村政府委員 認定に当たります執行体制というのは、役所が行っております。郵政大臣の指揮のもとに役所が行っておるということで、外部から専門的な人を採用して、認定に当たる作業をお手伝いいただいているという実態ではございません。役所がプロパ一にやっておる。これは事業の性格あるいは環境の変化等、もちろん必要な知識を習得しながら、行政として独立してそういう認定作業を行っておるということで、外部評価委員会といったようなものは考えてございません。
それから、柔軟な運用と申し上げましたのは、先ほど申し上げましたように、客観的、公平に認定手続が行われるということも必要でありますけれども、新しい事業ですから、しゃくし定規に考えて何が何でも、何カ月かかってこうだとかいうことではなくて、事務の手続の簡素化なども関係省庁と相談をしながら、柔軟に、迅速果敢に対応できるということでありまして、筋を曲げるという意味ではございません。世の中の実態は、これは新しいなというふうに認めるものであれば、これは大いこどんどん伸ばしていこうというような気持ちを訴えたまででございまして、そういう意を御理解いただければありがたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/167
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168・小坂憲次
○小坂委員 今、特に評価組織は考えていないというお話がございましたけれども、やはり省内での判断というだけでなく、もう少し広く民間の、あるいは学術研究において先端的な知識をお持ちの方のアドバイスも得られるような、そういう組織への移行ということも今後考えていただいた方がいいのではないかなと思いますので、ひとつ提言として受けとめていただきたいと思っております。
それから、研究開発助成制度というのがございますね。この研究開発助成制度の分野と、それから今度実施をされますテレコム投資事業組合、これらがそれぞれ、認定企業に対して支援をしていくということになるわけですけれども、その認定作業とのかかわり合いにおいて、このテレコム投資事業組合の判断あるいは研究助成制度の適用をするかどうかの判断、これは同じ組織で行われるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/168
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169・木村強
○木村政府委員 今の通信・放送新規事業、御議論いただいておりますこの件は、郵政大臣が指針に従って事業計画を認定をするということでございます。
それから、テレコム投資事業組合というのは、通信・放送機構に対しまして、国から産投出資を行います。この産投出資のお金を通信・放送機構が、郵政大臣が認定をいたしました新規事業者に対して、民間と共同して新たなベンチャーキャピタルをつくりまして、投資をしていく。したがって、民間の資金と合わせて資金量が多くなるということと、それからそういった専門のベンチャーキャピタルのノウハウなどもいただいて、より適切に投資を行おうという趣旨でそういう新しい投資事業組合の発想を持っておりますが、これが資金提供を受ける新規事業者といいますのは、郵政大臣の認定する新規事業者という形で、これはスキームとしては同じでございます。
それから、助成金の対象でありますけれども、これは通信・放送機構が一定の中小ベンチャー企業に対して助成を行うものでありまして、郵政省が直接どの企業を対象とするかということは考えておりません。通信・放送機構が独自の判断で助成を行うというスキームになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/169
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170・小坂憲次
○小坂委員 そうしますと、それらが、助成制度とそれから今回の認定の部分とが重複して適用される企業というのはあり得るわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/170
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171・木村強
○木村政府委員 今の助成制度につきましては、研究開発段階のものでございます。それから、投資事業組合が出資をいたします対象の通信・放送新規事業と、今回のストックオプション等の対象でございます新規放送・通信事業につきましては、一応事業の段階だということで、助成は研究段階ということでございますので、基本的には分野が異なるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/171
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172・小坂憲次
○小坂委員 わかりました。
次に、認定企業が認定計画の認定を取り消した場合、ストックオプションの扱いはどうなるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/172
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173・木村強
○木村政府委員 認定を取り消しましたときには、それ以降、会社が新株を発行するということができなくなるというふうにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/173
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174・小坂憲次
○小坂委員 もう少しわかりやすく説明していただけますか。新株が発行できないということは、ストックオプションの権利が行使できなくなるということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/174
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175・木村強
○木村政府委員 そのとおりでございます。認定取り消し以降、その会社が新株を発行するということができなくなる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/175
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176・小坂憲次
○小坂委員 そうしますと、その企業はどういう関係になるのですか。要するに、認定を受けるといろいろな支援をされるメリットはありますけれども、認定が取り消されても会社としての存続はするわけですから、会社として、企業として新株を発行することは当然できるわけですね。しかし、それに対してのストックオプションの適用がないということになるというふうに理解したらよろしいのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/176
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177・木村強
○木村政府委員 新株発行という、いわゆるストックオプションをやろうという総会の決議が無効になる、取り消し以降無効になる、こういうことでございます。したがって、会社は、もちろん会社としての存続はされるというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/177
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178・小坂憲次
○小坂委員 そうしますと、これはやむを得ないことだとは思いますが、ストックオプションを目当てに有能な人材が会社をかわった、ところが、かわった会社は、当初はいろいろないいことを言っていたのだけれども、実際には実施しなくなってしまった。その人材をリクルートするためだけにそういった新規事業を標榜していながら、実態はやる気がないという経営者であれば、そのために職をかわった人材は、ある意味で権利を喪失してしまう。だまされたということになれば、これはやむを得ないことですから、この部分までもこの法律の責任にするつもりはありませんが、そういった面も生じてしまうかもしれぬということですね。わかりました。
あと、ベンチャー企業の育成とこれに対するストックオプション、このストックオプションは、あくまでも人材をそのベンチャー企業にリクルートしやすいようにするための施策である。むしろ、キャピタルの面では、先ほどのテレコム投資事業組合だとかこういったものがある。それからまた、この認定を受けたことによって、一般の投資家がより安心して投資をしてくるだろうという期待が持てる。こういうふうに考えられようかと私は理解しておりますが、これ以外に、郵政省が考えている新たな放送・通信新規事業の育成のための、ベンチャー育成のための施策というのは何かございますか。これも含めてでも結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/178
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179・木村強
○木村政府委員 昨年の平成九年度予算の編成段階で、資金、人材それから技術といったようなベンチャー企業育成のための総合的な施策ということで、人材面では、今御審議いただいていますストックオプション制度。資金面では投資事業組合、これは産投出資十億円ということで話がついて、大きな動きが、これからでございますけれども出てこようということ。それから税制面では、通産省などとも連携をいたしまして、いわゆる個人のエンゼルに対する、ベンチャー企業投資に係る損失を三年間繰越控除を認めるという税制の特例措置といったようなもの。それから、これも技術関係でありますけれども、基盤センターの出資の対象を中小のベンチャー企業にも道を開くといったようなことで、こういった期待、ニーズを受けてでございますけれども、関係当局と折衝いたしまして、これまでの枠組みの中にこういった情報通信のベンチャー育成という新しい風を吹き込んでいく仕組みをつくったということで、私の心境といたしましては、これらの三つの点から、総合的な施策がよくここまでまとまったな、先生方の御支援を大変しただきましたけれども、そう思っておりまして、まずはこれを、本委員会でも御審議いただいておりますように、過ちなきように、適切に執行できる体制をつくるというのが私どもの一番大切な仕事であろうと考えております。
なおまた、これから先、欲を言えば税制の内容の充実であるとか、それから、アメリカなどは大学からすぐに企業と結びつくといった、ベンチャー企業と大学、いわゆる学ですね、連携が非常に強いわけです。学生がいろいろな研究をして、それをすぐに新しいベンチャーに結びつけていくというような、そういった情報交流の場なども非常に活発にできております。こういう場などもつくりながら、本当にベンチャー企業が資金、人材それから技術面でうまく連動して、情報交換ができて、新しい芽が伸びていくような体制というものもさらに研究をして、施策として打ってまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/179
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180・小坂憲次
○小坂委員 今のそれぞれの施策の運用がうまくいって、日本が早く追いついてくれることを望みます。
先ほどの研究開発助成制度は、新たな先進的な放送・通信技術の開発をしようとしているベンチャー企業に対してその研究開発費の助成をするわけですね。これは、企業がもう既に存在しているわけですから、ただ、この辺が、株式会社でなくてもこの企業に対しての支援というのはあるのですか。そして、その株式会社でない企業が株式会社になって、その研究成果をもとにして株式を発行してやろうとして、有能な人材を入れようとしたときには今回の適用があると考えてよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/180
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181・木村強
○木村政府委員 今の先進技術型研究開発助成制度といいますのは、あくまで研究開発を行われる者ということになっておりまして、企業及び個人を含むということでございます。
したがって、その中からいいものができて、個人が事業化をして会社をつくってというような場合には、大いにこういった制度が適用されるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/181
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182・小坂憲次
○小坂委員 ということは、先ほどの、時系列的に言えば、重複して適用はあり得るべしということでよろしいわけですね。わかりました。
さて、先ほど、午前中の質問に対して局長は、アメリカではこういった制度を利用している企業として、マイクロソフト社、ネットスケープ社それからヤフー社というようなものを例に挙げられました。これらは、今回の制度で、日本で同じ企業がスタートをしようとしたとき適用になると思いますか。もしなるとしたら、この三事業のうちのどの分野として適用になるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/182
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183・木村強
○木村政府委員 今回の新規事業につきましては、その事業主体、いわゆる会社の外国性は特に排除はいたしておりません。ただ、行われる事業が新規性を持つことが必要だというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/183
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184・小坂憲次
○小坂委員 いや、わかっていらっしゃって答えているのだと思うのですけれども、要するに、アメリカのこういったベンチャー企業が育ってきたという例を引いて、したがって、日本も追いつくためにこの制度を入れるのですから、アメリカと同じような発想で日本で、もしマイクロソフト社、ネットスケープもヤフーもなかったとして、同じ発想の人間が日本に生まれて、この制度の適用を受けようと思ったときに受けられるのですかと聞いたのです。
すなわち、マイクロソフト社であれば、例えばウインドウズ95だとかいろいろなプログラムを開発していますが、コンピュータープログラムを開発する会社としてスタートをした。この企業がこの制度の適用を受けようと思って放送・通信の関係事業だと言って申請をしたとき、これは適用になるのでしょうか。同じようにネットスケープ社がこの制度の適用を、放送・通信にかかわる新規事業だ、ベンチャーだと言ってアプライしたときに、これは日本では適用になるのでしょうか力同じようにヤフー社が、そういう質問なんです。答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/184
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185・木村強
○木村政府委員 通信・放送の新規事業でございますから、ネットワークに関連をするという、通産省との分野の関係がございますけれども、そういう面で私どもの対象事業になるということがあれば可能でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/185
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186・小坂憲次
○小坂委員 だから、なるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/186
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187・木村強
○木村政府委員 なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/187
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188・小坂憲次
○小坂委員 私は若干疑問があるのですね。要するに、コンピューターのプログラムを開発しようとしている会社が適用を申請した場合、恐らく郵政ではけってしまうのではないか、それは通産省の方だと言って回されてしまうのではないか。日本の場合には、例えばマイクロソフト社などは、今回のこの法律の適用はないのではないかな。また、同じようにネットスケープ社も、モザイクから派生してネットスケープというものをつくった当初は、あくまでもインターネットのブラウザというような形の開発でありますから、これは恐らく、新規のブラウザを開発しようとした企業がこの制度の適用を申請したら受けられないのじゃないか、そんな気もするのです。
したがって、放送・通信と言っているこの分野をもっと柔軟に考えないと、せっかくこれをつくっていながら、これからどの分野が伸びていくかというのは、通信・放送が融合化して、なかなか通信・放送でもわかってないのです。その部分で、せっかくこの制度をつくりながら、運用の面で芽を摘んでしまうことにならないかということを私は心配しているわけでありまして、もう一度お答えいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/188
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189・木村強
○木村政府委員 新規性の対象というものが今先生おっしゃったような会社というのは非常に難しい。コンピューターの関係あるいはコンピューターソフトの問題、それを使ったネットワーク関連の仕事、いろいろな分野があろうかと思います。これは、今の段階では、もしこの法律をスタートさせていただけることになりますと、通産と郵政とがよく連携をして、それぞれの分野でそういった仕事というものが立ち上がるような体制というのが、今通産省とも連絡協議会等を設けてこの受け皿としてやっていこうということで、意識統一を整理いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/189
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190・小坂憲次
○小坂委員 まだ私の疑いは解けておりませんが、ここでやりとりをしてもその問題が解決するわけではないので、今後、今申し上げたように、では、日本であのような企業が申請をしてきたときに我々の制度が適用できるかどうかという視点でもう一度運用をじっくり検討していただきたい。そして、そういう芽を摘まない、むしろ育てるように日本の制度運用をしていただきたいということを強く要望しておきます。
同時に、本日の質問の中でも指摘があったと思いますが、中小のベンチャー企業を立ち上げるという観点からしますと、その企業の持っている資産というのは担保価値の非常に低いものしかない。そういう意味で、ソフト資産を評価する、そういう制度的な支援がどうしても必要だ。それは今後考えるというお答えもあったように思いますが、その点についてもう一度、今後どのような形でそれを考えていくか、いつごろまでにやりたいと思っているか、そういうお考えをちょっとお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/190
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191・木村強
○木村政府委員 現在の融資に対します担保というのは、物的担保というのが基本になっておりまして、社会の仕組みがすべてそういう体制で仕組まれております。したがいまして、知的所有権といったようなものをベースに、これにどう担保価値をつけて対応していくかというのは非常に難しい問題でありますけれども、しかし、時代の流れでございますし、民間の一部ではそういった評価の方法を策定をされて、これを担保にして対応しようという動きも見え始めております。
したがいまして、私どもとしましては、そういうことも可能たらしめるという観点で、まず評価の仕方というものについて、これは郵政省だけの話ではございませんが、政府全体として、そういう知的所有権に対する担保の価値づけ、評価の仕方といったようなものを整理をして、全体としてそういう新しい時代にふさわしい担保制度というものをつくり上げていきたいという意欲を持ってこれから取り組みたいと思います。
ただ、いつまでにかと言われますと、なかなか難しい問題がございますが、不作為で先生にしかられることのないようにしっかりと頑張ってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/191
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192・小坂憲次
○小坂委員 ここまでのやりとりを大臣も聞いていただいたと思っております。そして、今の最後の質問は、やはりこれから政治的にこれにどう取り組むかという問題でありまして、本日の審議全般を振り返っていただいて、また今回の法律の運用について柔軟に、しかしながらも小さな育とうとしている芽を摘むことのないようなこの法律の運用を、そしてソフト資産を評価できるようなそういう新たな制度の導入を、これらの観点から大臣の最後の答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/192
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193・堀之内久男
○堀之内国務大臣 これまで、それぞれ貴重な御意見等をお聞かせいただきましたが、確かに今、日本のベンチャー企業はやはりアメリカに比較して大変立ちおくれをいたしておりますが、今回、いろいろな問題で、特にこのストックオプションを初めエンゼル税制、その他基盤技術研究促進センターの改善等いろいろ施策をするわけでありますが、この適用に当たっては、御指導をいただきました意見を十分参考こしながらこれから運用してまいり、そしてベンチャー企業を育てていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/193
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194・小坂憲次
○小坂委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/194
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195・木村義雄
○木村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/195
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196・木村義雄
○木村委員長 これより討論に入ります。
討論の申し出がありますので、順次これを許します。古屋圭司君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/196
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197・古屋圭司
○古屋委員 私は、自由民主党、新進党、民主党、社会民主党・市民連合及び太陽党を代表いたしまして、ただいま議題となっております特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行うものであります。
我が国においては、これまで大企業を中心にして、終身雇用制度などの日本的慣行のもと、人材が企業に定着することにより企業内部における技術の蓄積が行われ、このことが戦後の経済発展に大きく寄与してきたのは異論のないところであります。一方、成長段階にある創造的ベンチャー企業にとっての課題の一つは、優秀な人材をいかに確保し、その定着を図るかという点であります。このため、優秀な人材が大企業に偏らず、ベンチャー企業にも活躍の場を見出せるような雇用環境の整備を図ることが今や喫緊の課題となっております。
このような状況の中、本改正案は、認定計画に係る通信、放送新規事業を実施する株式会社が、当該事業の実施に必要な人材を確保することを円滑にするため、取締役または使用人に対し、将来の一定期間に特に有利な発行価額で自社株式を購入できる権利を付与する制度、いわゆるストックオプション制度を導入し、この課題にこたえようとするものであります。
御承知のとおり、アメリカを初めとする諸外国では、人材確保の有力な手段として多くの企業がストックオプション制度を導入し、多大な成果を上げているところであります。我が国においても、本制度の導入により、取締役や使用人は、みずからの努力で企業業績を向上させ、株価を上昇させればさせるほど、より高い利益を得ることができ、経営努力、勤労意欲へのインセンティブが働き、その結果、人材の定着とともに企業業績の向上に役立ち、ひいてはベンチャー企業の育成につながるものと確信をいたしております。
以上の観点から、本案による所要の改正は必要かつ妥当な措置であると考え、賛成の意を表するものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/197
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198・木村義雄
○木村委員長 石井郁子君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/198
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199・石井郁子
○石井(郁)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部改正案に反対の討論を行います。
本法案は、郵政大臣の認定を受けた企業に一般の企業には認められていないストックオプションの特典を与えようとするものであり、資金力の乏しいベンチャー企業が有能な人材を確保しやすくするということが導入の名目になっています。
ところが、本法案では、郵政大臣の認定に当たっての審査対象が事業の新規性と実現性だけで、どのような企業が認定を受けるか、資本力の大小などは一切審査の対象にならず、株式が未公開であれば、大企業であってもあるいは大企業の一〇〇%出資子会社であってもストックオプションの特典を与えることになってしまいます。法律においてこれらの企業を排除、抑止する規定がない以上、実際の運用でごまかすことができないことは明白であります。
実際、既に円滑化法の認定を受けている企業の大半は、大企業の子会社であります。これらの認定会社は、本法第五条の変更手続さえとれば、ストックオプションを特権的に手に入れることができます。その中には、伊藤忠、住友商事、三井物産、日商岩井という有数の商社が共同出資し、資本金百億円の衛星デジタルテレビ放送を実施している企業も含まれています。どうしてこのような企業が、資金力が乏しいベンチャー企業などと言えるでしょうか。
私は、いわゆるベンチャー支援、新規事業を起こすことへの支援を否定するものではありません。しかし、本当に人材確保に当たって資金的な余裕がないという中小の独立ベンチャー企業に対象を限定するならまだしも、資金も潤沢であり、人材も豊富な大企業がっくる子会社に、一般の企業には認められていないストックオプションの恩恵を与えるような仕組みをつくる本法案には賛成できません。
以上、反対の理由を申し述べて、討論といたします。以上です。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/199
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200・木村義雄
○木村委員長 これにて討論は終局いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/200
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201・木村義雄
○木村委員長 特定通信・放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/201
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202・木村義雄
○木村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00419970402/202
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203・木村義雄
○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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204・木村義雄
○木村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時八分散会
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