1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
平成九年四月九日(水曜日)
午後二時開議
出席委員
委員長 木村 義雄君
理事 亀井 久興君 理事 岸本 光造君
理事 熊代 昭彦君 理事 古屋 圭司君
理事 河合 正智君 理事 河村たかし君
理事 伊藤 忠治君 理事 矢島 恒夫君
川崎 二郎君 佐藤 勉君
斉藤斗志二君 坂井 隆憲君
阪上 善秀君 園田 修光君
竹本 直一君 中川 昭一君
野田 聖子君 茂木 敏充君
山口 俊一君 赤松 正雄君
漆原 良夫君 遠藤 和良君
神崎 武法君 永井 英慈君
原口 一博君 小沢 鋭仁君
北村 哲男君 肥田美代子君
山花 貞夫君 横光 克彦君
小坂 憲次君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 堀之内久男君
出席政府委員
郵政政務次官 野田 聖子君
郵政大臣官房長 天野 定功君
郵政大臣官房総
務審議官 高田 昭義君
郵政省電気局長 谷 公士君
委員外の出席者
警察庁生活安全
局生活環境課生
活経済対策室長 園田 一裕君
逓信委員会調査
室長 丸山 一敏君
―――――――――――――
委員の異動
四月八日
辞任
石井 郁子君
同日
補欠選任
川崎 二郎君
同月九日
辞任 補欠選任
野中 広務君 茂木 敏充君
吉田六左エ門君 阪上 善秀君
石垣 一夫君 漆原 良夫君
北村 哲男君 肥田美代子君
山花 貞夫君 小沢 鋭仁君
同日
辞任 補欠選任
阪上 善秀君 吉田六左エ門君
茂木 敏充君 野中 広務君
漆原 良夫君 石垣 一夫君
小沢 鋭仁君 山花 貞夫君
肥田美代子君 北村 哲男君
―――――――――――――
四月八日
電波法の一部を改正する法律案(内閣提出第五
六号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
四月三日
地方における情報通信基盤の整備推進に関する
陳情書
(第一五四号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
電波法の一部を改正する法律案(内閣提出第五
六号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/0
-
001・木村義雄
○木村委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。堀之内郵政大臣。
―――――――――――――
電波法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/1
-
002・堀之内久男
○堀之内国務大臣 電波法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、最近における無線通信技術の進歩及び我が国内外の国際化の進展にかんがみ、携帯電話等の移動する無線局に関する免許制度の合理化を図るとともに、無線局の検査制度について民間能力をさらに活用したものとするなどのため、所要の規定を設けようとするものであります。
次に、この法律案の概要について申し上げます。
第一に、携帯電話等の移動する無線局について、個別の無線局ごとに免許を受けることなく、一つの免許により複数の無線局を開設できる包括免許制度を導入することとしています。
第二に、近い将来において導入が予定されている人工衛星を用いた世界的規模の携帯電話等の移動する無線局について、その自由な流通を確保するため、我が国に持ち込まれる場合に個別の無線局ごとに免許取得の手続をとることなく利用できる制度を導入することとしています。
第三に、無線局の検査において、民間の能力をさらに活用するため、郵政大臣の認定を受けた者が無線設備等について点検を行った結果が提出された場合には、無線局の検査の一部を省略することができる認定点検事業者制度を導入することとしています。あわせて、無線設備等の点検に用いる測定器等の較正を郵政大臣が指定する者に行わせることができることとしています。
以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしておりますが、認定点検事業者が行った点検結果が提出された場合における無線局の検査の一部省略に関する改正規定は、平成十年四月一日から施行することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/2
-
003・木村義雄
○木村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/3
-
004・木村義雄
○木村委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。園田修光君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/4
-
005・園田修光
○園田(修)委員 自由民主党の園田修光でございます。
さきのNHKの法案のときもそうでありましたけれども、先輩の先生方が一期生であります我々に配慮をしていただいて、たくさんの機会を与えていただきますことを、本当に心から感謝を申し上げます。
それでは、質問に入らせていただきます。
情報通信は、二十一世紀のリーディング産業であるということで、今大変な脚光を浴びておりますけれども、その中で、電波を利用した移動通信が急速に発展をしているわけであります。そのような中で、今回、電波法を大幅に改正するということでありますけれども、その法改正の背景とねらいについてお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/5
-
006・谷公士
○谷(公)政府委員 お答え申し上げます。
今回の電波法改正におきまして、まず一点目、免許制度の改正でございますけれども、これは、無線通信技術の革新の結果、携帯電話のように基地局によって個々の端末が制御される無線局につきましては、個別の無線局について審査を行いませんでも混信、妨害等を与える可能性がなくなってきたということが一つございます。
それから、来年の秋になりますと、衛星を用いた世界規模での携帯電話サービスが実現するということが予定されておりまして、携帯電話端末の世界的に自由な利用を促進することが国際的にも合意されておるところでございます。
それからまた、近年の携帯電話加入者の急激な増加に伴う無線局数の急増の中で、携帯電話事業者等の無線局免許人の免許申請事務に係る負担を軽減する必要が生じてきたというようなことがございます。
こういったことを踏まえまして、免許申請に係る負担の軽減を図りますとともに、国際的動向に積極的に貢献してまいりますために、こういった携帯電話端末等の無線局について、免許制度を合理化しようとしたというのが一つでございます。
それから、二つ目の改正点の検査制度でございますけれども、これにつきましては、近年の無線通信分野における専門的な技術者の育成でございますとか、測定器の操作性の向上、それから民間事業者における無線局の点検能力の向上といった事情がございまして、これらを背景として、無線局の検査に民間事業者の能力をより一層活用していくことが適当であるというふうに考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/6
-
007・園田修光
○園田(修)委員 今、局長よりお話をいただきました一局長が答弁をされたように、やはりこれは一つの基本的には規制緩和の一環であると認識をしているわけでありますけれども、改正の具体的な内容についてお話しいただきたいと思います。
〔委員長退席、亀井(久)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/7
-
008・谷公士
○谷(公)政府委員 御指摘のとおり、規制緩和の措置でございます。
具体的な内容でございますけれども、まず、免許制度の問題につきましては、昭和二十五年に電波法が制定されまして以来、無線局の開設に当たりましては、一局ごとに郵政大臣の免許を受けるという仕組みになっておりました。携帯電話のような小型の無線局につきましても、個々の端末ごとに携帯電話の事業者が郵政大臣の免許を受けてきたところでございます。
今回新たに創設いたします包括免許制度におきましてよ、携帯電話端末等の移動する無線局につきまして、同一の規格によるものであること、それから同一の周波数を使用するものであること、同一の目的に用いられるものであることなど、同じタイプに属する無線局につきましては、個々の無線局ごどに免許を受けることなく、一つの包括的な免許を受けることによりまして、複数の無線局を開設することができるようにするというものでございます。これによりまして、例えば十万局なら十万局が一つの免許で可能となるという仕組みになるわけでございます。
それから、検査制度につきましては、無線局の点検ということにつきましては、郵政大臣が一定の能力を有すると認める民間の事業者が点検を行って、その結果を記載しました書面が免許人等から提出されました場合には、郵政大臣は、検査の一部を省略することができるという内容でございます。
具体的に申しますと、郵政大臣は、実地検査、実際に国の職員が出向いて無線局の検査を行うことでございますけれども、この実地検査を省略して、提出されました書面を審査することによりまして検査を終了することができるということにするものでございます。
いずれも、近年の無線局数の急増、それから技術の急速な革新を踏まえまして、現行の制度を大幅に規制緩和するというものでございまして寸これによりまして、電波の利用の振興、それから主亡してこの無線局にかかわります移動通信産業の一層の発展に資するものと期待しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/8
-
009・園田修光
○園田(修)委員 子規制緩和ということでお答えいただきましたけれども、今回の電波法の改正と規制緩和の推進計画、これとの関係をもう少し詳しくお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/9
-
010・谷公士
○谷(公)政府委員 免許制度に関する改正でございますけれども、項目としましては、従来の個別免許にかわる新たな包括免許制度の導入、それからもう一点は、世界的な規模での携帯電話サービスについて、一定の条件のもとに、個々の無線局につきまして、改めて免許を取得することなく本邦内における運用を可能とする制度の導入ということが内容とされておりますが、これらはいずれも本年三月末に改定されました政府の規制緩和推進計画の中に表明されておるものでございます。
それから、検査制度に関する改正でございますけれども、これは、一年前の平成八年三月の規制緩和推進計画におきまして、航空機局及び船舶局の検査に関して、検査能力を有する整備事業者等による検査の活用について検討するというふうに定められております。その中では、平成八年度中にその問題点等を分析いたしまして、九年度に検査のあり方を検討するということになっておりましたけれども、今回の改正におきましては、これを時期的に前倒しをいたしまして、かつ、その範囲につきましても、船舶局、航空機局に限らずすべての無線局ということで、対象も拡大して実施をするというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/10
-
011・園田修光
○園田(修)委員 規制緩和の推進計画との整合性もお話をいただきました。情報通信産業の発展にとってもやはり欠かせないことであろうと思いますから、しっかりやっていただきたいと思っております。
今回の法改正は、無線局免許制度の合理化と無線局検査制度における民間能力の活用を図るとして、大幅な規制緩和を図ることであると思いますが、今回の法改正で免許人にとっては具体的にどのような影響あるいはまた効果があるのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/11
-
012・谷公士
○谷(公)政府委員 ただいま申し上げましたように、新しい免許制度におきましては、従来の一局、一局の無線局について免許を取得するということにかえまして、一つの免許によりまして多数の無線局の開設が可能となるという措置でございますので、膨大な免許申請手続、これが不要となりまして、そういう意味での大きな簡素化が図られます。
それから、免許の際には、免許の実費ということで申請手数料というものが設けられておりました。この申請手数料が一局単位で設けられておったわけでございますけれども、今度はこれを一件ということで、先まど申し上げましたように何万局でも一つで処理できますので、これがほとんど、無料と言ってはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、一局当たりに割りますと極めて低い金額になるのではないかと考えられます、これは現在まだ検討中でございまして、具体的にはわかりませんが。そういった意味で、携帯電話事業者等の免許人にとって大きな負担の軽減が図られるということが考えられます。
それからもう一つは、来年の秋に開始が予定されております衛星を用いた世界的規模の携帯電話サービスでございますけれども、これも外国の携帯電話端末の本邦内における自由な使用が可能となりますので、それによりまして国際化の一層の進展に資することができるというふうに考えております。
それから、認定点検の関係でございますけれども、これにつきましては、無線局の検査において、メーカー、ディーラー等の民間の事業者の方による点検を活用することができることとなりますので、免許人等にとりましては、非常に柔軟かつ迅速な無線局の開設、運用ということが可能となりますので、電波利用の一層の振興が図られる、あわせて、それによって豊かな国民生活の実現にも資することとなるというふうに期待をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/12
-
013・園田修光
○園田(修)委員 免許人にとって、携帯電話の事業者の方の負担は軽減が図られるということでありますけれども、使用者、あるいはまた携帯電話を使う国民にとってはどのようなメリットがあるのか、お聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/13
-
014・谷公士
○谷(公)政府委員 ただいま申し上げましたように、事業者にとりましては、これまでの免許申請にかかる膨大な申請手続等が不要となりますことから、手続上の負担の軽減が期待されるということは申し上げたとおりでございます。それから、あわせまして、免許申請手数料、これはどの程度に軽減されるかは、まだ算定を終えておりませんけれども、大幅に軽減されるということが期待されるところでございます。
そういたしますと、直接的にこれらの経済的負担の軽減を受けるのは、免許人でございます携帯電話事業者等でございますけれども、その効果がその利用者であります加入者、一般国民の方々に還元されるべく、一層の携帯・自動車電話等の料金の引き下げが行われることを私どもとしては強く期待をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/14
-
015・園田修光
○園田(修)委員 国民にとっても利用する側にとっても、やはり今法改正によって使いやすくなる、あるいままた軽減になるといりことであります。大変期待をしております。
ちょうどきょうの新聞にも出ておりましたけれども、この移動電話、携帯電話でありますけれども、昨年の末に加入数が一千万台、それがことし一年で二千万台にふえているということであります。これは爆発的な、本当に国民の皆さんが利用されているということであると思います。その中で、私は選挙区が過疎地を控えておりますし、離島も含んでおります。ちょうど郵政大臣の選挙区とも大変似通ったところがあります。今回の法改正で、国民が使いやすくなる、そして、使う側としては自分の田舎でも携帯電話が使えなければ、これはどうしようもないことなんですよね。みんなが使うときに私の田舎では携帯電話が使えない。この法改正を契機に、やはり日本全国、国民みんなが使えるような移動通信のネットワークを早くつくっていただきたい。都会中心だけの物事で、いろんな規制緩和もそれだけのことじゃいけないと私は思っております。国民みんなにひとしくいろんなことの恩恵が与えられるということが、やはり政治にとっても必要なことだろうと私自身は考えております。
ですから、今、私の離島の奄美大島でも、いろいろ村おこしでありますとか、若者が一生懸命、観光誘致をしたり農業をどうしていったらいいのかということで真剣に議論をしております。その中で、過疎地あるいは離島というところは交通網と通信なんです。この二つがしつかりとしていれば、離島もあるいは過疎地も地域の発展というのが図られると私は思っております。
そういう見地から、今回の法改正を契機に、やはり早く日本全国、津々浦々、この携帯電話が使用ができるようにお願いをしたいと思いますけれども、郵政大臣、全く同じ気持ちだろうと思いますから、その決意を聞かせいただいて、私の質問を終わります。
〔亀井(久)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/15
-
016・堀之内久男
○堀之内国務大臣 ただいま園田委員の御指摘のとおりでございまして、やはり中山間地域、離島等においてはこうした携帯電話が利用できないということで、大変利便なこういう通信機器が発達いたしましても、そういうことで利用できないことは非常に遺憾なことであります。
そこで、郵政省といたしましては、移動通信サービスがもう全国どこでも利用できるようにするために、平成三年から過疎地を対象とした中継用の基地局の整備について補助制度を実施してまいったところであります。平成八年度末で、これはもう現在精いっぱい努力しておりますが、わずかに百十施設の整備をしたわけであります。
平成九年度の予算におきましては、先般お認めいただきましたが、今までのちょうど倍額の三十六億円を計上いたしておるところであります。これによって、平成九年度は、今までの百十の半分、五十三施設が整備できると思っております。
今後も予算の獲得に精いっぱい努力をしてまいりたいと存じますが、現在、携帯電話が利用できない市町村数の割合というのは約二〇%であります。西暦二〇〇〇年には私どもは、あと三年かかりますが、一〇%に半減するように事業を推進してまいる所存であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/16
-
017・園田修光
○園田(修)委員 ありがとうございました。大臣、しっかりやっていただきたいと思います。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/17
-
018・木村義雄
○木村委員長 赤松正雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/18
-
019・赤松正雄
○赤松(正)委員 新進党の赤松正雄でございます。
今、園田代議士の方からこの電波法の改正について基本的な改正点、ポイントについて聞かれました。それを受けまして、私の方からこの電波法の改正に伴う問題、またそれに付随するさまざまな問題について御質問をさせていただきたい、そんなふうに思っております。
まず、冒頭、考えてみますれば、電話、かつて私のところなどにも電話がつく前、隣のうちに電話を借りに行って、だれだれ方ということで、要するに隣のうちに電話を借りに行ったことが本当に懐かしいというか、あるいはパソコン、今大変な普及でありますけれども、そういったパソコンにしても、かつて私は新聞の仕事をしていたわけですけれども、自分の書いた原稿が活字になる。本当にその瞬間というのは非常にうれしいものでしたけれども、パソコンあるいはワープロが最初に流行したころに、自分の書いたものがすぐ活字になって出てくる。本当に、パソコン、ワープロ、あるいはまたこの携帯電話、さっき言ったように隣のうちに借りに行っていた時代から、どこにいても自分で持てるという、先ほど熊本ではまだ通じないところがある、全国では二〇%ですか、そういうふうな大臣からのお話もありましたけれども、大筋、たくさんな今普及の状況を示している、こういうことで、本当に時代の変化というものを強く感じるわけです。
まず、冒頭、国内における携帯電話の加入者の数、ちらっときよう一部新聞発表を見たのですけれども、改めまして、現時点での携帯電話の加入者の数、それからいわゆるPHSについての数。さらに、先ほど大臣から二十世紀末、二十一世紀の冒頭のお話がありましたけれども、二〇〇一年あたりでどれぐらいになるという見通しを持っておられるのかということをまず冒頭にお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/19
-
020・谷公士
○谷(公)政府委員 お答え申し上げます。
まず、携帯電話、自動車電話の数でございますけれども、平成九年三月末時点で約二千八十八万加入でございます。それからPHSでございますが、これも同じく平成九年三月末現在で約六百三万加入でございます。
それから、二〇〇一年とおっしゃいましたが、二〇〇〇年度末ということで先般電気通信技術審議会から見通しの答申がございまして、それによりますと、携帯電話、自動車電話につきましては四千五百万加入を中心としてプラス・マイナス五%。具体的に申しますと、四千二百八十万から四千七百三十万加入というふうに見込まれております。
なお、PHSにつきましては、間もなく今月下旬にも同じく電気通信技術審議会から見通しの答申が得られるのではないかと思っておりますけれども、先ほど申し上げました六百万加入の大体二、三倍ぐらいの数にはなるのではないかというふうに想定をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/20
-
021・赤松正雄
○赤松(正)委員 大変な数で普及する見通しがあるわけです。
先ほどの質問にもありましたけれども、従来事業者が一台当たり払っていた手数料が、今度の改正によって一括して手数料を払われる、実質的にはただ同然というふうな変化が起きるというわけであります。
そうしますと、ちょっとここでお聞きしたいのは、平成六年に端末の売り切り制が実現したということです。平成六年、平成七年、平成八年、近過去のこの三年間の携帯電話が売れた台数と、それからその売れた台数に伴っての免許手数料、これを掛け合わせたものがいわゆる国庫に入る免許の総収入だったと思うわけです。それが大体、大ざっぱな数で結構ですけれども、何台売れて、総手数料はどれぐらいだったか、この平成六年、平成七年、平成八年までの推移について、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/21
-
022・谷公士
○谷(公)政府委員 推移で申しますと、平成六年度でございますと、約二百万ぐらいふえております。それから、七年度中には約六百万、八年度で一千万ぐらいの増加と存じます。
それから、収入でございますけれども、六年度の収入といたしましては百九十八億五千万、七年度が六百二十九億三千万、八年度が六百十七億六千万というのが手数料収入の推移でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/22
-
023・赤松正雄
○赤松(正)委員 平成六年が百九十、七年が六百等々、そして今三月現在で二千八十八万台ということですから、これはまたざっと見て一千五百億から二千億近い収入になるということだと思うのです。
先ほどの質問にもありましたけれども、言ってみればこれだけの総免許収入というものがほとんどゼロになる。その分、今までそれを払っていた事業者が払わなくて済むというふうなことになるわけですから、ここは当然ながら消費者に還元されなくてはいけない、そんなふうに思います。
先ほどの質問に対して谷局長がおっしゃっていたのは、そういう経営者側の、事業者側の経営判断に期待したい、こういうふうなお話がございました。もう一遍答弁願っても同じことが返ってくると思いますので、改めて大臣に、この辺について、ぜひとも消費者に還元されるよう強い期待の声があると思いますので、その辺のことをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/23
-
024・堀之内久男
○堀之内国務大臣 先ほども谷局長の方から答弁申し上げましたが、今回大幅な規制緩和をいたしますので、先ほどからお尋ねのように大変な負担が通信事業者の方には一応免除されるわけであります。
したがって、私どもとしては、これだけの規制緩和をしていけば、当然のことながらユーザーである国民の方に還元されることを大きく期待をいたしておるところであります。今現在、通信事業者の中は大変競争も激しい中でありますので、今後、この負担の軽減が利用者の方こも還元されるように、私どもも強く期待をいたして見守ってまいりたい、こういうように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/24
-
025・赤松正雄
○赤松(正)委員 次に、海外における携帯電話の問題でありますけれども、海外における携帯電話の現行システムの普及状況、これについて、どういう状況になっているかということを把握しておられるかという点がお聞きしたい点であります。日本における端末の方式、PDC方式、また、ヨーロッパを中心にしてあるGSM方式、また、アメリカのIS95ですか、そういった通常の携帯電話とは違った形のPHS、それぞれについて、どういう国にそれが普及しているのか、台数までというのはとても無理だろうと思いますから、どういう国に今申し上げたPDC、GSM、IS95、またPHSが普及しているのかということについてお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/25
-
026・谷公士
○谷(公)政府委員 ただいまの御質問にお答えする前に、ちょっとおわび申し上げなければなりませんが、先ほど私、免許申請手数料の収入について申し上げました数字でございますけれども、全体の収入の数字を申し上げまして、携帯電話、自動車電話の内数の数字でございませんでしたので、訂正をさせていただきます。そう大きく変わるわけではございませんが、六年度におきましては百四十七億九千万円、七年度におきましては四百九十九億二千万円、八年度におきましては四百五十三億一千万円ということでございますので、おわび申し上げて訂正させていただきたいと思います。
それから、ただいまの御質問でございますが、日本で開発いたしましたデジタル携帯電話方式でございますPDCにつきましては、現在、日本のみで使用されておるところでございます。それから、同じく日本で開発をいたしましたPHSでございますけれども、現在、アジア、南米を中心といたしまして十四カ国で採用がされ、または採用が決定をいたしております。それから、欧州で開発されましたデジタル携帯電話方式でございますGSMでございますけれども、これは平成八年十二月末現在でございますが、九十七カ国で採用が決まっておりますので、ほぼ世界じゅうということだというふうに考えてよろしいかと思います。それから、米国で開発されましたデジタル携帯電話方式であります御指摘のIS95でございますけれども、これは、同じく平成八年十二月末におきまして十四カ国で、アメリカ大陸が中心だったと思いますが、採用が決まっておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/26
-
027・赤松正雄
○赤松(正)委員 今局長、冒頭で数字の訂正を言われましたけれども、もう一遍ちょっとその部分、七年と八年のところを。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/27
-
028・谷公士
○谷(公)政府委員 七年度は四百九十九億二千万円でございます。それから、八年度の見込みでございますけれども、まだ締め切っておりませんので、一応見込みでございますが、四百五十三億一千万円でございます。携帯・自動車電話についての手数料収入でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/28
-
029・赤松正雄
○赤松(正)委員 要するに、携帯電話ではなくて、自動車についている……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/29
-
030・谷公士
○谷(公)政府委員 いえ、それはもうごくわずかでございまして、ほとんどは携帯電話と考えてよろしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/30
-
031・赤松正雄
○赤松(正)委員 平成六年が二百十三万、七年が四百三十三万、八年が一千二十万、こんなに随分台数が違うのに、何でお金がほとんど一緒なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/31
-
032・谷公士
○谷(公)政府委員 申しわけございません。大変ふえておるわけですので、この数字を上回っておると思うのでございますが、その集計ができておりませんために、早い段階での見込みの数字として申し上げたわけでございます。相当この数字は上方に修正されるだろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/32
-
033・赤松正雄
○赤松(正)委員 わかりました。先ほど、局長の方は実にさりげなくおっしゃったのですが、PDC、日本のみですと。また、PHSについてはアジア中心に十四カ国、GSMが世界じゅう九十七カ国というお話、アメリカのIS95が十四カ国ということですけれども、技術立国日本と言われるこの日本のいわば英知を恐らく結集したのでありましょうPDCが、なぜ海外に全く普及していないのか。この理由について、なぜ日本のこのPDCが海外で普及しないのか、その点について郵政省としてどう考えているかということについてぜひともお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/33
-
034・谷公士
○谷(公)政府委員 御指摘のとおり、PDCにつきましては、現在のところ日本のみでございます。この理由、いろいろ考えられるわけでございますけれどもへ主なものとして考えてみますと、第一に、官民ともにPDC技術の国内の導入に追われておりまして、海外普及の取り組みが十分ではなかったということが反省点として考えられると思います。
それから、第二に、PDCの標準方式自体はオープンであるわけでございますけれども、この技術のノウハウにつきましては、この開発に当たりました特定の会社に集中しておりまして、技術の普及に手間がかかったということが考えられると思います。
それから、第三番目に、新しい技術をつくります際には、既存の特許を活用せずに開発していこうという傾向がございまして、PDCにおきましても、海外の技術を活用するということをいたしませんでしたので、海外で使用されにくいという点もあったかと思います。それからまた、この裏返しにもなるわけでございますけれども、こういったことに対しまして、欧米、特に欧州のメーカーにおきましては、非常に活発な営業活動を展開したということがあったと思います。
郵政省といたしましては、こういったPDCの経験を踏まえまして、先ほど御報告をいたしましたPHSにつきましては、海外展開の支援を積極的に行いまして、先ほども御報告いたしましたように、十四カ国での採用または導入決定という成果が今のところ上がっておるわけでございますが、さらに、これから予定されております次世代の携帯電話の開発や技術基準の設定などに際しましても、今までの反省、経験を十分に生かして対応していかなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/34
-
035・赤松正雄
○赤松(正)委員 今、官民ともにというお話がありました。官民ともにPDCの技術の国内導入に追われていた、海外普及についての取り組みが十分ではなかう九という谷局長からのお話、そのまま受けとめたいと思うのですけれども、その背景に、積極的に海外に目を向けて携帯電話の海外における普及というものを図ろうとしなかった、官民じゃなくて、官主導のそういう意識という部分で、むしろ民間に強く任せていたらそういうことはなくて、官主導の結果じゃないのかという指摘もしている向きがあるわけです。
私も、ここに「我が国の標準方式の普及方策について」という、さまざまな企業の技術部門、あるいはさまざまな担当者によるところの、なぜ海外における日本の携帯電話が普及しなかったのかということについてのさまざまな角度からの研究報告、意見書みたいなものを持っているわけですけれども、それを見ますと、非常に興味深いというか、いろいろと考えさせられます。
言ってみれば、英語と日本語、単に携帯電話だけの世界ではなくて、日本が今直面している言葉の問題、先ほど、ヨーロッパのGSMが九十七カ国という話がありましたけれども、それに対して、日本が日本だけ、あたかも日本語の現状と英語の現状というものが比例してここにあらわれているような印象さえ受けます。あるいはまた、適切な例えじゃないかもしれませんが、かつての世界における植民地政策の展開を思わせるような部分があります。別に、だからといっておくればせながらその植民地政策に日本も参入せよという意味じゃありませんけれども、そういう点で非常に、国際化に直面している日本が今抱えている文明論的な課題というものがこの携帯電話の問題の中にもさまざまな角度でかいま見えているのじゃないかなという気が私はしてなりません。
したがいまして、先ほど谷局長がしんみりとというか、丁寧にというか、じっくりとおっしゃっておりましたけれども、いわま日本における携帯電話の世界における国際戦略の大事さ、それが若干欠けていた。かなり欠けていた。欠如をしている。このボーダーレスの時代におけるところのそういった部分の欠如、ある意味で日本の市場そのものが、先ほど来お話に出ているように二千万ということですから、下手に海外へ行くよりも日本の中でしっかりやった方が、いわゆる商売という観点からははるかにもうかるということだったのかもしれませんけれども、その背景に、それこそ官民ともにある鎖国意識というものが、ここで民と私が言ってはいけないのですけれども、どちらかというと官の方にある情報通信の世界における鎖国意識というものが影響しているのじゃないか。そんなふうなことを指摘したい。
この問題に、まさにPDCが海外で全く普及していないというこの事実そのものに、そういった今のボーダーレス時代におけるところの日本の国際感覚といいますか、そういうグローバルな視点の欠如というものを見ざるを得ないということを強く強調して、郵政省の反省というか、またこれから後お聞きする問題にそういった反省の結果が、どこまで反省しておられるかということが出てくると思いますけれども、そういった点を強く強調しておきたい、そんなふうに思う次第でございます。
何か反論がおありでしたら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/35
-
036・谷公士
○谷(公)政府委員 とんでもございません。反論申し上げることは全くございません。
ただ、過去のことにつきましては、言いわけがましくなるかもしれませんけれども、私どもは私どもなりに意識を持っておったつもりでございますが、先生も幾つか御指摘なさいましたように、全体として日本の置かれました状況、いろいろ難しい点もございます。特にこういったシステムにかかわるような機器の売り込みということにつきましては、非常にいろいろな利害にかかわってくるという点もございまして、そういう意味で私どもも戦略、戦術が十分でなかったという点も十分反省しなければなりません。難しい立場に置かれておりますので、なお一層この点については力を入れて取り組んでいかなければならないというふうに考えております。
先ほどお答え申し上げましたとおり、過去の反省を糧といたしまして、今後積極的に考えていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/36
-
037・赤松正雄
○赤松(正)委員 そこで、国際電気通信連合、ITUで、一九九九年末を目標に世界で初めて世界共通の次世代携帯電話の国際標準化活動、周波数を世界共通にしようということなのだろうと思うのですが、それを進めている。一方、郵政省でも、去年の十月から調査研究会を開いて次世代携帯電話の標準化のあり方を今詰めているところだというふうにお聞きをしております。今検討中のそのことを詳しく聞くのは難しいと思いますけれども、郵政省としてどういう点に力点を置いてこの検討を進めておられるのか、その点についてお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/37
-
038・谷公士
○谷(公)政府委員 今私ども取り組んでおります次世代移動通信システムに関する調査研究会でございますが、昨年十月から開催いたしまして、本年五月に報告書を取りまとめるという予定で今取り組んでおります。この研究会におきましては、次世代移動通信システムの技術的要求事項の明確化、それから次世代移動通信システムの技術的課題、こういったことを検討の項目といたしております。この中で次世代移動通信システムの標準化のあり方などについても検討をしていくということになるわけでございます。
検討のポイントは、先ほど申し上げました反省にもかかわるわけでございますけれども、広く国際的に利用されるシステムを標準化するという認識を持って取り組むことが必要であろうということが一つ。それから、諸外国との緊密な連携が極めて重要であるということ。こういった問題意識を持ちまして、現在最終報告に向けて議論を進めているところでございます。
私どもといたしましては、この研究会で取りまとめられます次世代移動通信システムの標準化方針を参考といたしまして、中国、韓国などアジアの国々を初め世界各国と協調しつつ、次世代移動通信システムが実現するように努力をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/38
-
039・赤松正雄
○赤松(正)委員 今のお話にもありましたけれども、諸外国との緊密な連携という点が大事だろうと思います。先まど申し上げた「我が国の標準方式の普及方策について」といういわば企業側からの反省の集大成のようなものの中にも、やはりそういう諸外国との連携がなかった、そういう点を強く意識している文が散見されますので、ぜひともその点に留意をしていただきたい、そんなふうに思います。
ところで、NTTがついせんだって、四月三日ですか、モバイルマルチメディアに対する次世代移動通信システムの開発推進について、広帯域のCDMA方式のシステム実験のオープン化と国際標準化への協力ということを打ち出したという報道に接しましたけれども、このNTTが今取り組もうとしている広帯域CDMA方式のシステム実験のオープン化、これはどういう意味を持つのか。
二十一世紀冒頭にITUではIMT二〇〇〇ということで標準化の作業を進めているそうでありますけれども、そのIMT二〇〇〇の中におけるNTTが目指そうとしているCDMA方式、これを郵政省としてどういうふうにとらえて、またこれをどうリードしていこうとされているのか、その点についてお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/39
-
040・谷公士
○谷(公)政府委員 御指摘のとおりでございまして、このIMT二〇〇〇と言われます次世代の移動通信でございますが、これは世界各国どこへ行っても使えるようなシステムとしてつくろうということでITUで合意されておりまして、その標準化を一九九九年までに終えようということになっております。
郵政省におきましては、このシステムにつきまして次世代移動通信システムに関する調査研究会というものを開催いたしまして、採用すべきといいますか、このITUの場に提案すべき通信方式の評価のために平成八年度から三カ年計画で技術試験を開始しているところでございます。
先ほど御指摘のありましたNTTドコモが開発推進しつつある広帯域CDMAの方式でございますけれども、この方式につきましては、私どもが検討七ております次世代の移動通信システムの有力な標準方式の候補の一つになり得るというふうに考えております。
ただ、どのような方式を候補として日本として考え、ITUの場に提案していくかということは、まだ結論が出ておるわけではございません。いずれにしましても、この調査研究会が取りまとめる標準化方針などの結論を尊重いたしまして、各国政府と連携しながらITUにおける次世代移動通信システムの標準化作業に対して積極的に貢献をしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/40
-
041・赤松正雄
○赤松(正)委員 NTTの広帯域CDMA方式が有力な候補の一つであるというお話でしたが、日本において、このNTT以外の集団においてIMT二〇〇〇にそういうものを供出するような動きというのはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/41
-
042・谷公士
○谷(公)政府委員 日本国内におきましては承知しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/42
-
043・赤松正雄
○赤松(正)委員 ところで、今回のこの法案の中のもう一つの、もう一つというか、今と関連した部分で大きな柱が、衛星携帯電話に対する対応ということだろうと思うのですけれども、世界規模の衛星携帯電話の分野におきましても、近年大変大きな変動、動きがあります。アメリカではイリジウム計画あるいはグローバルスター、オデッセイ、さらにはヨーロッパを中心にICO計画が進められている。
こういうふうな計画が進んでいる中で、今回それを先取りする形で法改正をしようと。外国からのそういう衛星携帯電話等の対応を早目にやろうということなのでしょうけれども、日本でこうした衛星事業を主導的こやろうといり企業の動きはないのでしょうか。まずそういった、どうもこの分野でも、この分野でもというか、この分野ではなおさらという感じがするのですけれども、欧米の後塵を拝するというのがもう目に見えているような感じがするのですけれども、日本の中における企業の動きについて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/43
-
044・谷公士
○谷(公)政府委員 御指摘のイリジウムあるいはICO、LEOと言われておる、総称されておるようなものでございますけれども、こういった計画につきましては、残念ながら日本においてこれを主導するという動きはございません。
ただ、これらの動きは、もともと米国の軍事技術の民生利用によって可能となったという経緯がございまして、その事業化に当たりましては、軍需産業にかかわっていた欧米の企業が先行しているという事情がございます。しかし、日本におきましても、これからの非常に有力な事業の一つと考えられますこういった国際的な衛星携帯電話事業について、積極的にかかわっていこうという動きはあるわけでございます。
幾つかの例を申し上げますと、一つは、現在、ITUの世界電気通信政策フォーラムというものがございまして、この中で、衛星携帯電話事業の世界的な導入と、ただいま審査をお願いしております法案の中にもあります端末の自由な流通の確保でございますが、これについての基本的な合意を昨年の十月に行ったところでございますが、このフォーラムにおいてこういったテーマを取り上げるということにつきましては、我が国が世界各国に訴えて実現をさせたものでございまして、この場におきましては、私どものほか、衛星携帯電話事業に参加を希望する我が国の企業も積極的に参加をして、こういった結論を導き出してきております。
それから、こういったグローバルな事業を行います会社は、当然国際的な会社になってくるわけでございますけれども、この会社への資本参加の状況でございますが、イリジウムシステムにつきましては、第二電電株式会社等が出資をしております日本イリジウム、これが非常に大きなシェアで出資をいたしております。それからICOでございますけれども、このICOのシステムにつきましては牛国際電信電話株式会社などが出資をしております日本衛星電話株式会社が、システム本体にやはりかなりのシェアで出資をいたしております。
それから、これらの事業に使用される設備でございますけれども、世界各国の要所要所にネットワークを管理する仕組みを設けるわけでございますが、ICOシステムにつきましては、ネットワーク全体を管理する重要な機能を有するネットワークマネジメントセンター、これは世界二カ所でございますけれども、このうちのメーンのセンターを日本に置くということになっております。また、イリジウムシステムにつきましても、地球局設備、これはかなりの数があるわけでございますけれども、そのうちの一つを我が国に設けるということになっております。その他のシステムにつきましても、サービスに当たりまして、我が国へ設備設置をすることについて検討中であるというふうに承知をしております。
さらに、国際電気通信連合におきまして、衛星携帯電話システムのために国際的に統一された技術基準を検討中であるわけでございますけれども、この基準作成に当たりまして、我が国の政府とそれから我が国の事業者が主導的な役割を果たしてきておるということでございます。
それから、ICOシステム、イリジウムシステムを初め多くのシステムで、地球局設備や端末設備、これらの設備について、我が国の企業が提供する予定のものが非常に多く計画されておるということがございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/44
-
045・赤松正雄
○赤松(正)委員 この衛星携帯電話、今、一番オリジナルの部分では余り参画できなくても、それ以外の部分では多くのかかわり方を日本もしているのだというお話だったと思います。
ところで、その衛星携帯電話と、それから先ほど前段の方でお話しいたしましたいわゆる次世代携帯電話ですが、例えば、全世界共通の次世代の携帯電話ができた、それともう一方で衛星携帯電話、この二つはどういうふうな関係になって推移していくのか。もうこれは十分に共存できるというのか、それともどっちかがどっちかを凌駕するのか。一部には、一部にはというよりも、郵政省のお若い方と議論しますと、衛星携帯電話の分野とそうでない分野は明確にすみ分けができるというお話のようですけれども、そういうことなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/45
-
046・谷公士
○谷(公)政府委員 IMT二〇〇〇で考えておりますのは、現在の地上の基地局を中心としました地上のシステム、この次世代のシステムとして考えられておるわけでございまして、先ほどちょっと申し上げましたが、二〇〇〇年度末における携帯電話の見込み数が約四千五百万台前後であろうと言われておりますけれども、これらは、現在のシステム及びその次世代のシステムとして並行して展開してまいりますIMT二〇〇〇によって占められることになるのだろうというふうに考えておるわけでございます。
これに対しまして、LEOのシステム、たくさんのプロジェクトがございますけれども、これらは、衛星を用いて世界的に一つのシステムでサービスを提供するわけでございますが、このシステムが収容可能な加入者の数は、その周波数の状況から考えまして、すべてのシステムを合わせましても、これは一説によるとでございまして、確認できるものではございませんが、例えば一千万加入。そうすると、日本にその例えば一割がということになりますと、すべて合わせて百万加入。一システム当たり、一事業者当たりでは数十万加入というふうに考えられるわけでございます。
ただ、このシステムは、山間、離島を問わずあらゆる地域に対してサービス提供が可能であるという意味で、それぞれの特色を生かして、利用者といたしましては、これらのシステムを特段意識をせずに利用することができるようになることが一番望ましいだろう、その特性に応じて利用できるような形になることが望ましいだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/46
-
047・赤松正雄
○赤松(正)委員 今のお話のように、四千万台対一千万台ぐらい、さらに日本はその一割ぐらいということで、そのぐらいの普及数しか予測できないから衛星携帯電話には無関心であっていいということにはならないと思いますので、ぜひとも強い関心を持ち続けていただきたい、こう思います。
先日、局長もごらんになったかどうかは知りませんが、テレビで、アメリカの時代は再び来るのかという日高義樹さんのレポートがあったのです。その冒頭で、アメリカはイリジウム社のロバート・キンジーという社長が、インタビューに答えてこんなことを言っていました。世界を旅行すると、それぞれの地域で標準が別々なために携帯電話が使えない、このことから衛星携帯電話の開発に取り組んだ、これによって世界の電話通信技術が劇的に変わる、こういう言い方をしておりましたのが非常に印象的でした。
あわせて、モトローラ・イリジウムの六十六個の小型衛星が、打ち上げる予定が今まだ打ち上げられてないそうですけれども、最初の分が。七百キロメートル上空に打ち上げられて、一千七百キロのスピードで地球の上空をいわばネックレスのように取り囲む、こういうふうな話が映像とともに伝わってまいりました。この打ち上げのための例えばロケット、アメリカのマクダネル・ダグラス社のデルタロケットが五機、ロシアのプロトンロケットが七機、中国の長征ロケットが二機、こういう予定になっているという話がありました。
先ほどの話を蒸し返すつもりはありませんけれども、こういうアメリカを中心に行われておる衛星携帯電話の事業のありようというもの、それにロシアあるいは中国のロケットがかかわっているということを見るにつけまして、いろいろなことを考えさせられました。
先ほどお話にありましたように、これはもちろん軍事技術の転用ということで、特にアメリカのSDI計画が背景にあるのだろうということは十分わかりますけれども、そういった中で、私が一つ思うのは、こういうアメリカの企業がどんどん衛星を、それこそ六十六個打ち上げる、そうやつて世界の電波を、ありていに言えば、勝手に支配してしまう、こういうことをただじっと見ていていいのかな、そういう感じがいたします。これに関連して、アメリカのクリントン大統領も通信体制の世界制覇を目指すんだということを同じ番組の中で言っていることが報道されていました。
そういう、いわばアメリカのやり放題のような現状に対して若干以上の危惧を感じるのですけれども、そういった状況に対して、国際的な歯どめというか、そういうものはないのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/47
-
048・谷公士
○谷(公)政府委員 従来の電波の利用と申しますものは、それぞれの国が、自国または自国と他国の間の通信のために国際的な割り当てを受けるという仕組みだったと思うのでございますけれども、技術の進歩に伴いまして、国際的なシステムというものが誕生じ、そのために、電波の利用をするその電波の利用は、事業者の属する国の政府が代表して国際的な割り当てを受けるという仕組みになっておるわけでございます。
しかし、そこで、先ほど申し上げましたように、そういった仕組みをどのような形で世界的に調和のある取り入れ方をしていくかということで、ITUに世界電気通信政策フォーラムのようなものを設けるべきだと私ども主張いたしまして、そういう仕組みの中でこの検討をするということになっております。
それから、具体的に、衛星軌道あるいは衛星の電波の問題でございますけれども、もう先生御案内と思うわけでございますけれども、衛星通信に使用されます電波の利用につきましては、ITUの場におきまして、各国が使用中または使用を計画している周波数の調整を行うという国際的な仕組みがございまして、この国際的な仕組みを使って、我が国を初め各国の電波利用の主権が確保されるという形になっております。
そして、この割り当て及び調整の仕組みにつきましては、ただいま御指摘のアメリカの利用という問題とはちょっと趣を異にいたしますけれども、例えばペーパー衛星というふうな形での利用もあるわけでございまして、こういった問題を中心として、より公平で秩序ある電波利用のあり方はどうあるべきかということで、ことしの秋でございますけれども、ITUの場において、この仕組みの改善について検討していこうという動きもございます。
それから、この衛星携帯電話事業というのは、米国企業等を中心として計画中であるわけでございますけれども、世界的に利用できるシステムであるわけで、非常に重要なシステムであるわけでございます。そのために、先ほど申し上げました政策フォーラムにおきまして、私どもも積極的に発言し、貢献すると同時に、我が国の企業も、これらの事業に対して今後とも積極的に出資をし、あるいは技術協力等の形で参画していくということが非常に重要ではないかというふうに思っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/48
-
049・赤松正雄
○赤松(正)委員 局長、今お話があったITUの政策フォーラムに実際にメンバーとして出られるのはどなたなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/49
-
050・谷公士
○谷(公)政府委員 郵政省からは山口郵政審議官でございます。そのほか、メーカー等の方も参加されると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/50
-
051・赤松正雄
○赤松(正)委員 大臣、今、谷局長との間でいろんなことを議論いたしましたけれども、情報通信事業の国際化という状況の中で、私、冒頭の部分で、いわば情報通信の鎖国化が絶対あってはいけない、ボーダーレスな今のこの状況の中で、ぜひとも日本の郵政省がしっかりとその辺のことを踏まえてリードしていくべきだ、こういう角度からのお話をいたしましたけれども、大臣の御見解をここでお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/51
-
052・堀之内久男
○堀之内国務大臣 先ほどから委員の貴重な御意見を拝聴いたしておりましたが、近年の社会生活、企業活動等の急速な国際化の進展に伴いまして、御指摘のとおり、今後、通信のグローバル化に対するニーズも増大していくものと承知をいたしております。
この通信のグローバル化は、単に国際通信が増加するという形ばかりではなくて、御指摘の、世界じゅうどこでもつながる衛星携帯電話や次世代携帯電話のように、システムのグローバル化あるいは技術の国際共通化という形であらわれてくるものと考えております。
このため、我が国企業が、今後必要となる世界的なシステム開発や国際的な標準化等の場面で、その高い技術力を背景に十分な国際貢献ができるように、また、通信事業体としても国際通信市場に積極的な参画を行うことを期待いたしますとともに、郵政省といたしましても、所要のバックアップを行っていく所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/52
-
053・赤松正雄
○赤松(正)委員 ともあれ、地上での競争の劣勢はもう歴然としておるわけですし、今度は宇宙での競争にも圧倒的な差をっけられようとしている。今国会、恐らくあのNTT法案がようやく決着がつくのだろうと思いますけれども、そういう状況の中で、日本がいよいよ、おくればせながらこの情報通信の国際競争に本格的に官民挙げて取り組む、そういうことなのだろうと思うのですけれども、まあ、いささか遅きに失したという感じがしてなりません。今大臣のお話があったように、ぜひともしっかりとこの問題に取り組んでいただきたい、鎖国志向ではなくて、大きく世界に目を開いての戦いをしていただきたい、そんなふうに強調をしておきたいと思います。
次に、この法案におけるもう一つの柱であります検査関係につきまして、まとめて御質問をいたします。
まず、認定点検事業者制度については、無線局の検査制度において、今度は、民間の能力をこれから活用するということになっているようですけれども、この無線局の検査の一部省略ということの具体的な中身、これが一点。
それから、認定点検事業者になる者としては、具体的にどのようなものを想定しておられるのか。無線局にもいろいろなものがありますけれども、認定点検事業者については何らかの区分といったものは設けないのか。
それから三点目が、規制緩和、大いに結構なわけですけれども、一つの無線局が、今までいわば規制のもとにあったのがこれからその枠から抜け出るということで、例えば不法な電波を間隙を縫って出してほかの無線局に悪い影響を与える、こういうふうなことがあるかもしれないということで、無線局の検査については引き続き国がしっかりと目を光らせる必要があるのじゃないかというふうにも思います。
以上三点について、まとめてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/53
-
054・谷公士
○谷(公)政府委員 まず、一点目でございますけれども、省略いたします中身でございますが、具体的に、検査に当たりましては、郵政大臣、これは実際には職員を使うわけでございますけれども、無線局に出向いて実地で検査をするという、この実地検査がございます。これを省略いたしまして、認定点検事業者が行った点検結果の書類を審査することによりまして検査を終了するという扱いにするというものでございます。
それから二点目でございますけれども、認定点検事業者としてどのようなものを予定しておるかということでございますが、無線機器のメーカー、ディーラー、電気通信事業者あるいは航空事業者等の事業者といったところを想定いたしております。点検事業者について必要とされる技術的能力など、いろいろ条件がございますので、そういったものに応じて区分を設けるということを考えております。
具体的には、点検項目などに照らしまして、無線局の局種に応じて幾つかの区分を設けて、それぞれの区分に応じて無線従事者の資格やその員数、体制などの基準を定めるということを今検討しております。
例えば、放送局等大電力で社会的に見ても極めて重要性の高いものを一つの区分にする。それから、陸上移動中継局等比較的電力が大きくて社会的に見ても重要性が高いものを二つ目の区分にする。それから、小規模で検査の方法、内容が比較的簡易な局について一つの区分を設けるといったようなことでございまして、それぞれの区分の内容に応じまして無線従事者の資格等を当てはめていくというふうなことを検討しているわけでございます。
それから、こういったメーカー、ディーラー等民間の事業者の方々が測定されたデータを活用して大丈夫かという御指摘でございますけれども、検査制度につきましては、近年、無線通信分野におきます専門的な技術者の育成でございますとか測定器の操作性の向上など、民間事業者における無線局の点検能力の向上という状況がございまして、こういったことを考えまして、民間事業者の能力活用が可能であると考えたわけでございます。
船舶、航空機等に開設する無線局などにつきましては、これまでも検査の際に、免許人等が事前に点検を行いまして、その結果を郵政省の職員が検査に臨局いたしました際にも活用して検査をするということを行ってきた実績もございまして、そういった結果から、民間の点検能力に対しましても私どもかなり高い信頼を寄せているわけでございまして、そういう意味で今回のことも可能ではないかと考えております。
また、万一のことでございますけれども、最終的には郵政大臣が提出されましたこれらの民間事業者による点検結果を判定するという仕組みがございますので、必要に応じて、改めて職員が実地検査をして確認するという措置も可能な仕組みにはなっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/54
-
055・赤松正雄
○赤松(正)委員 次に、電磁波の危険性という問題最近非常にいろいろなところで見るわけですけれども、この電磁波の危険性ということについて、残された時間ちょっとお伺いしたいと思います。
まず、人体への電磁波に対する影響ということですけれども、昨年三月に人体の電波防護の在り方に関する調査研究会の報告書が出され、また昨年の十一月に電気通信技術審議会へ諮問が出されて、電波防護指針の具体化などが審議されたというのですけれども、その電波防護指針の具体化について、どういうところに力点を置いて審議がされているのか、まずこの点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/55
-
056・谷公士
○谷(公)政府委員 御指摘のとおり、携帯電話等の急速な普及に対応しますために、平成八年十一月に電波利用における人体防護のあり方について電気通信技術審議会に諮問をいたしました。
今審議会におきましては、幾つかの事項について審議をいただいておりますが、その内容について述べさせていただきますと、一つは、携帯電話等身体の極めて近くで使用される機器に適用される電波防護指針の具体化ということでございまして、例えて申しますと、非常にこういった端末が小型化してまいりましたことによりまして、身体に極めて近い距離で使用されるという事態が出てまいっております。そういう意味で、従来の電波の強さを主体とする防護指針の規定の内容だけでは必ずしも十分な対応ができないというふうなことが考えられますので、それではそのかわりに、例えば身体に吸収されます電波のエネルギー量のようなもので考えることができないか、例えばそういったような意味での具体化でございます。今申し上げましたのは一つの例でございますけれども、それが一つ。
それから、非常に重要な問題となってきておりますので、今後、この電波防護指針というものをどういうような機能を持つものにしていったらいいかということでございます。
それから三つ目には、電波が人体に与える影響、これに関して今後どのような点について研究をしていったらいいか、その研究項目といったようなことでございます。
これらにつきましては、四月下旬にできれば答申をいただきたいと考えておりまして、今御審議をいただいている最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/56
-
057・赤松正雄
○赤松(正)委員 四月下旬にその内容が報告されるということですが、一方で、今のお話にもあったように、非常にこの問題の重要性ということにかんがみて、郵政省の中に電波環境課というセクションを置く予定になっておるのですか、そういうこともお聞きしておりますが、一方、ヨーロッパなどでは、既に一般人を対象にした極低周波に関する防護指針をつくっているとか、あるいはアメリカなんかでも大がかりなこの問題に対する調査研究が今進んでいるということをお聞きします。
特に、日本でも、多くの職場であるいは家庭で、携帯電話、私もそんなに、今回質問するに当たって一生懸命勉強した程度で詳しくは知りませんけれども、パソコン、このパソコンなんかはもう本当に四六時中向き合っている人が随分ふえておるわけですけれども、パソコンからも電磁波を出すだろうと思うのですが、それも含めて、パソコンやあるいは携帯電話、携帯電話は四六時中かけているという人は余りいないでしょうけれども、それでもやはり非常に体に近い部分で電話を使うというケースが随分ふえておるわけですけれども、こういう現状に対して、欧米に比べて日本の対応がやはりここでもおくれているというふうに私は思うのですけれども、そういう欧米の対応、それをどう認識しておられるか、この点について聞かせてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/57
-
058・谷公士
○谷(公)政府委員 私どももいろいろこの問題につきましては取り組んできておるわけでございますけれども、非常に難しい問題でございます。
欧米における研究が、パソコンや携帯電話などから出る電磁波の人体への影響について積極的に取り組んでおられるということを私ども承知はいたしております。
この問題につきましては、欧米だけでなく、我が国でもあるいはその他の国々でもさまざまな研究が行われているわけでございますけれども、携帯電話からの電波によって健康に悪影響が発生する証拠はないというのが現時点における専門家の見解でございます。
それから、この問題では、世界的な権威であり、またWHOと協力して検討を進めておられます国際非電離放射線防護委員会、これは学会を主体とした組織であるわけでございますけれども、この声明の中で、携帯電話からの電波によりがんを含め健康に悪影響が発生する証拠はないというふうになっております。
現在の段階ではそういうことでございますけれども、非常に人間の健康にかかわる重大な視点を含んでおる問題でございますので、今後ますます電波の利用が進む中で、我々としても、先ほど御指摘ありましたよりに、その検討体制も整えて、継続して力を入れて取り組んでいく必要があると思っております。
その際には、御指摘のように、研究が各国で進んでおるわけでございますので、欧米とも協調を図り、情報を交換しながら必要な研究に積極的に取り組んでいく必要があるだろうと思っております。
なお、先般御承認いただきました九年度予算におきましても、この問題に関しまして、郵政省全体の予算、必ずしも多くないのでございますが、十一億円余りの予算を計上させていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/58
-
059・赤松正雄
○赤松(正)委員 今、直接的な因果関係については証拠はない、それは当然だろうと思うのです。しかし、携帯電話なら携帯電話が普及したというのは、本当に先ほど来話が出ておるようにまだわずかな期間ですから、これは油断しておると僕は大変なことになるというふうに思います。
これはちょっと郵政省のマターじゃないかもしれませんが、パソコンは通産省になるのかもしれませんけれども、私が知っている限りの中で、最近、ちょっと頭をかしげてどうかなと思うのは、若い人でパソコンにずっと向かっている人の中に白血球の異常な上昇が見られるということが、実は、そんなに多くありませんけれども、一部にあるのですね。そりいりことも含めて、非常に私は、この問題の重要性、今じゃなくてむしろこれから非常に重要なものをはらんでいるテーマではないか、そんなふうに思います。
そこで、電気通信技術審議会がこの防護指針を審議したというのですけれども、そのメンバーの構成、この審議会のメンバーの構成はどういうふうになっているか。企業関係者、学会の方、それからいわゆる省庁、郵政省あるいはそれに類する省庁、そういう格好で、電気通信技術審議会のメンバーの構成を教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/59
-
060・谷公士
○谷(公)政府委員 電気通信技術審議会は、郵政大臣の諮問に応じまして、電気通信技術に関する事項を調査審議するということで、大変広い分野にわたって検討される審議会でございます。
そこで、このメンバーでございますけれども、学会の方を会長といたしまして、委員二十名中、学会関係者八名、産業界七名、電気通信事業者等四名、公益法人の関係の方一名というふうに、非常に広い範囲の方々、専門家の方々、学識経験をお持ちの方々にお集まりをいただいております。
それから、電波利用における人体防護のあり方につきましては、実はこの審議会の中に専門的な検討を行うための専門委員による委員会というものを設置しておりまして、ここで検討を行っております。電気通信技術審議会の答申もこの委員会の検討結果を踏まえたものになるというふうに考えているわけでございますが、この委員会の構成員、二十一名いらっしゃいますけれども、この委員の構成でございますが、学識経験者が七名、関係省庁委員が六名、無線分野の公益法人等からの委員が五名、その他三名、これは外国機関の委員、あるいは消費者団体の代表ということでございますが、そういうことでこの専門委員会の中には企業関係者は、直接的な方はいらっしゃらないという形でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/60
-
061・赤松正雄
○赤松(正)委員 いずれにしましても、先ほど申し上げましたように、これから非常に重要な問題をはらんでいるテーマですので、私は、携帯電話については、一部に余り耳につけ過ぎてはいけないというような指摘をする学者もいるわけですから、将来よくこれに注目をしていただいて、場合によったら、それこそたばこの吸い過ぎに注意じゃないですけれども、何センチ以上離さなくてはいけないというふうな表示も必要になってくるのじゃないか、そんなふうな気がしております。
最後に、もう時間が参りましたので、各地で電波塔の建設に対する反対とか抗議とかというものが起こっているようですけれども、そういった状況も踏まえた上で、この電磁波の環境問題全般につきまして、大臣から取り組みの姿勢をお聞きして私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/61
-
062・堀之内久男
○堀之内国務大臣 先ほどから委員の御指摘に対しまして局長の方から答弁してまいったところでありますが、電磁環境問題は、これはもう人体の安全にかかわるという観点から提起されている問題でありますので、我々も大変重要な問題として認識をいたしております。
このために、今般、課の一部を編成をいたしまして、電波環境課の設置をいたしましてこの強化を図るとともに、また平成九年度の予算によりましては、この電磁環境試験施設を整備する試験研究費の予算等も認めていただいたところであります。先ほど局長からも予算の内容を申し上げましたが、約十一億円が予算化されております。
現在審議をお願いいたしております電波利用における人体防護のあり方に関する電気通信技術審議会の御答申に基づきまして、今後の施策を展開してまいる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/62
-
063・赤松正雄
○赤松(正)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/63
-
064・木村義雄
○木村委員長 伊藤忠治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/64
-
065・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 今回の電波法の一部改正案の中身ですが、一つは包括免許制度の導入、二つは認定点検事業者制度の導入だと思います。これは規制緩和策でありまして、つまり、利用者にとってどういう利便を受けるのか、中身を具体的にまず質問をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/65
-
066・谷公士
○谷(公)政府委員 これらの制度は直接的には事業者の方に利便をもたらすわけでございますけれども、利用者の方々にもその利便は及ぶわけでございます。
まず、包括免許制度におきましてま、一つの免許によりまして複数の無線局の開設が可能となりますので、膨大な免許申請手数料が不要となるということがございます。それから、免許申請手数料というのは一局ごとに設けられておるわけでございますけれども、これが包括的な免許になりますと、一局当たりにいたしますとほとんど費用がかからないということになるだろうと思われます。
それで、これらは、今申し上げましたように、第一義的には事業者等、あるいは無線局を使って事業をやっていらっしゃる方々の利便になるわけでございますけれども、例えば、通信事業につきましては、事業者の負担の軽減が通話料の引き下げ等に結びつくことによって利用者の利便に結びつく。それから、無線局を使っていろいろな事業をやっていらっしゃる方につきましても、その負担が軽減されることによりまして、間接的には一般の消費者の利便になるものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/66
-
067・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 免許の簡素化によって、電波の使用料、今もお触れになりましたが、これが安くなる。それから申請手数料、これも安くなるのですね。加えて、証明手数料も変化があるのですか、安くなるのですか、そのあたりを簡単にひとつお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/67
-
068・谷公士
○谷(公)政府委員 免許の申請手数料、これは、現在、一局五千八百円でございますけれども、包括になることによりまして、その包括免許そのものに対してどの程度の事務がかかるかということで算定されるわけでございまして、現在検討中でございますのでわかりませんけれども、一局当たりにいたしますと相当な低減が図られる。
それから、技術基準適合証明につきましては、今回はこの改正の対象になっておりませんので、これは一般的に三年に一度見直しをしております。昨年見直しをしておりますので、二年後にまた見直しをするということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/68
-
069・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 証明手数料というのは、二年後に改定すると言われましたが、現在幾らですか。五千円か六千円ですか、一件につき。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/69
-
070・谷公士
○谷(公)政府委員 ちょっと、今調べておりますが、その前に、私、先生の御質問を聞き違えたのかもしれません。電波利用料のことも御質問いただいたのかもしれませんので。
電波利用料につきましては、包括免許の対象となります無線局につきましては、個々の無線局のデータを総合無線局管理ファイルに記録することが必要なくなりますので、その費用分を差し引くことになりますと、従来一局当たり六百円でございましたものが、五百四十円となると見込まれております。一割安くなるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/70
-
071・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 証明手数料は、私がいただいた資料でいきますと、書面申請の場合は百五十五万、これは申請を一括してやるのだと思います、書類申請ですから、百五十五万。それから、試験申請に係る証明手数料は一台三千八百円、こういうふうに理解しているのですが、そういうことですか。特段、別にいいのです、これはこだわりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/71
-
072・谷公士
○谷(公)政府委員 大変失礼をいたしました。
先生の方がよく御存じでいらっしゃいまして、おっしゃるとおり、書面申請に係る証明手数料、携帯電話端末では百五十五万、試験申請に係るものにつきましては三千八百円ということでございます。これは、測定試験事務、審査業務等に係る実費に基づいて算定されておるものでございますが、昨年の五月に手数料の値下げを行っております。これは、測定試験設備の高性能化に伴う測定試験事務の効率化、測定試験設備の低廉化、審査事務処理時間の短縮等による人件費の低減等を踏まえまして改定を行ったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/72
-
073・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 続けて聞くんですが、電波使用料の六百円のコストへそれから申請手数料五千八百円、これは、多く束で持ってきた場合には一個当たりが安くなりますが、あるいはその証明手数料も二年後には改定になるわけですが、この金額というのは、中身はどういうふうに決まるんですか。時間の関係がありますから、時間をとるようでしたら別にいいんですが、やはりこれ聞いておかないと、いやこれはもう実費なんだと、その辺を聞きたいわけですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/73
-
074・谷公士
○谷(公)政府委員 審査等に伴う実費を勘案して決めるものでございます。基本的には実費でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/74
-
075・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 残念ながら時間がありませんで、この問題だけでもうかなり時間をとると思うんですがね。実はこれは、私はこう思っているわけです。
なぜお聞きしたかといいますと、電波は有限だと言いますよね。それで、どんどんと周波数を細分化しまして、携帯電話でもう四千五百万ぐらいふえるというんでしょう。電波は別に携帯電話だけじゃなくていろいろな無線で使っているわけで、放送の分野でも、放送事業者の皆さん、これはすべて電波だと思うんです。そういう場合も、発信基地一つについて現在ですと二万五千円ですか、というふうに料金はもらっているんですね。ところが、電波の使用料は、これは携帯電話の場合が一個について電波使用料六百円ということなんです。で、片方の放送事業者は、大きな発信局一つでもへこれは基地局ですが、二万五千円なんですよね。随分これは使うと思うんです。もちろん電波の割り当ての周波数も違えば、機能も違うんですが、これ、同じ電波を使って有効活用すれば、片やは事業として大変な、放送事業者もまた利益上がるじゃないですか。ところが、携帯電話は六百円で、その一個の携帯電話が、言うと悪いんですが、稼ぐというんですか、その利益というのはまあまあ知れたものだというふうに見ますと、共有財産である電波を使う、その同じ使用料という点でこの価格が妥当なものかどうかというところまでこれはやはり考えることができると思うんですよ。
これは次の議論に私は譲りたいと思っておりますが、そういうことを考えますと、使用料六百円のコストというのはどうおはじきになっているのか、あるいは、放送事業者の基地局一局当たり二万五千円というのはどういうコストではじかれた二万五千円なのかという根拠を知りたい、こういうことなんです。
そういう関連でお聞きしていますので、簡単に出るんだったらお答えいただいてもいいんですが、時間がかかるようでしたら次に譲っても結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/75
-
076・谷公士
○谷(公)政府委員 詳細な積み上げの内容はちょっと今手元にございませんが、基本的な考え方だけ申し上げますと、電波利用料、これは、現在のものにつきましては、平成八年度から平成十年度までに電波利用料を充てることが必要と見込まれます電波利用共益費を、電波をお使いの方々共通の利益になるようなそういうことのために使われる費用ということでございますが、この額をこの三カ年間に見込まれます無線局で公平に負担をする、そういう考え方に立ちまして、受益の等しい電波監視でございますとか、技術基準を制定するために行う試験事務、こういったものにつきましては均等割に、それから、総合無線局管理ファイル、この登録しておきます管理ファイル、こういったものにつきましては、無線局の諸元のデータ量に比例をいたしまして算出をする、そしてこれらを合算したものを電波利用料として決めるということになっておるわけでございます。そういう意味で、大変利用の効用の大きな放送局、それから、そういったことでない、個人でお使いになります携帯電話のようなもの、その効用の内容は大きく変わるわけでございますけれども、利用料はそれほど大きく変わらないということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/76
-
077・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 それはまた次の機会に議論さしていただきますが、次に移ります。
免許付与の作業に携わっておられるのが電気通信監理局の皆さんだと思うんですね。で、現在は全国十一ブロックに電通局がございますから、かなりの数の皆さんが免許付与の作業に携わっておみえだと思うんです。その職員数というのはどれぐらいなんだろうというのが一点。
それから、今回の法改正をやりますので、その担務が当然変わると思うんですね。そのことによって要員が流動することになります。そうしますと、ポストがどのようにそのことによって変わっていくんであろうか、あるいは定員法との関連でどうなるんだろうか、そのあたりについて質問をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/77
-
078・谷公士
○谷(公)政府委員 地方電気通信監理局の職員、千六百名ほどおりますが、この中で、無線局の免許許可、検査に関する業務に従事している職員は約六百名でございます。しかし、これらの職員は、単に検査業務にだけ専属的に従事しているわけではございませんで、無線局に係る許認可業務の中の一事務として検査を実施しておりますので、厳密に何名の職員がこの検査事務に当たっているかということはちょっと正確にはわかりかねます。
それから、この今回の改正によってどのようになるかということでございますけれども、この今回の改正は、免許人の負担という面で見ますと非常に大きな軽減が図られるわけでございますけれども、行政事務の面から見ますと、包括免許の対象にならない無線局も相当ございまして、これらの審査ということもございます。それから、従来から、同時期に同じ性能の複数の無線設備を使用いたします場合には、まとめて申請することができるという仕組みもございまして、これらにつきましては、一括コンピューター処理を活用する等合理化は既に進めてきておったところでございます。また、システム全体の中で今回の包括免許の対象となりますのは、いわゆる端末系のものでございまして、基地局などは従来どおりの審査が必要でございます。
それから、現在の要員数でございますけれども、これは、平成五年度末に約八百四十万の無線局総数が七年度末では約一千七百三十万局、現在恐らく二千五百万局を超えていると思うわけでございますけれども、こういうふうに急激に急増してまいりました状況に対応して配置されているものではございませんで、こういった増加が起きる前の事務量に応じて検討されておったものでございます。
さらに、今後、こういった無線局の急増に伴いまして混信等の被害も増大してまいりまして、それに対応する、不法無線局に対する監視の強化、それから、先ほど来御議論をいただきました人体に対する電磁波の影響などの問題への対応、それから、コミュニティ放送を初め、地域のニーズに合った電波利用の促進といった新しい行政事務も急増してまいりますので、今回の改正によりまして直ちに定員に対して大きな影響を与えるものではないと思うわけでございますけれども、どの程度かということは、まだこれらの事務も具体的な実施に移っておりませんので、現段階では判断することはできません。
いずれにしましても、行政の効率的な遂行ということは極めて重要な問題でございますので、こういったことにつきましては、常に適正な要員配置ということについて心がけてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/78
-
079・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 御丁寧な答弁をいただきまして、別に、要員がこれだけ浮くからこれだけどうのこうのってそこまで僕は言っているわけじゃなくて、とにかくこれまでの業務は減ることは事実なんですよね。急激にふえてきた、ふえる前の要員だったので、ふえてきたからどうにも仕事が回らない、だから今回簡素化するんだという発想ではないと思うんですよ。そういう発想ではないと思うんです、この法案の改正案は。ですから、要員は、作業量が簡素化されて、つまり一括して、包括してやっていくわけですから、その分はやはり楽になりますよね。それは常識的に言っていただければいいわけで、余りガードされると、何かそこへ切り込んで、私、別に人事権を持っている人間でもございませんので、御安心いただいて実態をひとつ知らしていただきたい、こう思っておるのですよ。そうでないと、これからそういうふうに簡素化なり行政改革なりやっていっても、結局これまでは厳しかったものを我慢してやってきたから、これで終わるよ、そういうふうにはなかなかならぬと思うのですね。全体の問題にももちろんかかわりますが。
そういう意味で、時間の関係がありますから次へ行きますが、MKKの組織実態は一体どうなつておるのですか。これは人数の関係、そのあたりについて聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/79
-
080・谷公士
○谷(公)政府委員 財団法人無線設備検査検定協会でございますが、東京の品川に本部、それから東京を初め全国十一カ所に支所を設置しておりまして、指定証明機関としての技術基準適合証明業務、それから今回廃止の法改正をお願いしておりますが、指定検査機関としての無線局の定期検査業務等を実施しております。
職員の数でございますけれども、ちょっと今手元に持ち合わせておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/80
-
081・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 お聞きしましたら、かなりの数がお見えになりまして、それで結構ネットワークがございまして、恐らく何百名はもちろん、数百名ぐらいになるんでしょうか。それで、このMKKの職員の中身なんですが、これはプロパーの皆さんばかりなんですか。役員の皆さんは、もちろんこれは郵政省のOBの皆さんが入られていると私は想像するのですが、職員の皆さんはプロパーばかりですか、それともそうでないんでしょうか。そのあたり端的にお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/81
-
082・谷公士
○谷(公)政府委員 失礼いたしました。資料が出てまいりまして、職員数は役員を含めて九十三名でございます。そのうち、プロパーという定義も難しいのでございますけれども、いわゆる郵政省のOBと言われますものに該当いたします者は五名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/82
-
083・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 このMKKの皆さんは、これまでは検査には四つ種類がございまして、定期検査を担当されていたわけですが、この改正からその部分は外れまして、いわゆる適合証明の書類審査の方に専念をされると聞いているわけです。
そこで質問なんですが、このMKKの検査といいますのは、メーカーがつまり端末機をつくりますね。その端末機に対してまずMKKの皆さんがレッテルを張られて、レッテルを張られた後に新設の検査を電通監理局がやられるのですか、順序は。こういう順序ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/83
-
084・谷公士
○谷(公)政府委員 技術基準適合証明でございますけれども、これは書面審査とそれから実際の現物に当たっての審査とあるわけでございますけれども、この書面によります審査は、申請者があらかじめ行った試験の方法、結果等を記載しました技術基準適合説明書、それから申請設備が同一の設計にかかわる設備であるということを示す同一性説明資料等、こういったものを出していただいて、それを、無線設備検査検定協会等の証明機関でございますが、これがそれを見て証明をするという仕組みでございまして、これは書面審査でございますから、そういうことで証明が可ということになりますと、メーカーの人が恐らくシールを張りまして製品を出してくる。郵政省による審査は必要ないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/84
-
085・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 そうすると、検査はどうなるのですか。このMKKが適合証明でレッテルを張られますね。それから検査をやるのですか。検査というのは適合の検査、この検査というのは技術的な検査ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/85
-
086・谷公士
○谷(公)政府委員 この技術基準適合証明が行われたものにつきましては、いわゆる免許を与える際の落成検査が省略されるということになっております。そういう効果があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/86
-
087・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 そうすると、レッテルを張られたら検査はもう要らぬ、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/87
-
088・谷公士
○谷(公)政府委員 はい。無線局の落成検査、郵政省が行いますこの検査は必要なくなるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/88
-
089・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 そうすると、今回のこの法改正で、認定業者がございますね。郵政大臣がこれを認可されます。民間に委託されるわけですね、技術検査の。そうですね。これからどういうところを、どういう業者、認定基準というのをつくられると思うのですが、それはどの部分ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/89
-
090・谷公士
○谷(公)政府委員 技術基準適合証明は、最初に免許を受けます際のその機器の技術的性能をチェックするわけでございます。今回、認定点検制度を取り入れますのは、技術基準適合証明で省略されたものではなくて、落成検査を必要としますもの、あるいは免許が一たんおりました後に定期検査を行わなければならないもの、それらにつきまして、認定点検事業者が点検を行うことによって実地検査等の必要がなくなるという制度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/90
-
091・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 順序でいきますと、私が最初にお聞きしましたように、端末機が生産されて出てくる、MKKがレッテルを張る、電通局がこれまでは検査をやっていたけれども、適合証明されているからこれはもう検査は省略をいたします、その電通局がかかわっていた検査の部分を民間にやらせるということなんですか。レッテルはどっちに行くのですか、そこが聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/91
-
092・谷公士
○谷(公)政府委員 この技術基準適合証明を受けたものにつきましては、最初の免許付与の際の検査は必要ないわけでございます。無線設備検査検定協会は、この技術基準適合証明のための審査は行いますけれども、いわゆる無線局の免許の際の検査というものは、技術基準適合証明機器であれば必要ないわけでございます。
ただ、そういったものにつきましても、免許を受けた後の定期的な検査というものは必要なものもあるわけでございまして、それから、技術基準適合証明を受けないで、一般の無線局の免許手続を受けて、検査を受けて、免許を受けたものにつきましても、当然定期検査は必要なわけでございます。それから最初の免許の際の検査も必要なわけでございますが、これらすべて今の認定点検事業者が点検をし、その証明資料を提出すれば実地検査が必要なくなるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/92
-
093・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 そうすると、現在は、MKKに行く前に、メーカーが製品をつくるわけですから、これには当然技術基準があってその製品が出てくるわけですよ。それをMKKへ持っていくわけです。MKKが書類審査をするわけです。レッテルを張るわけですよ。そうしたら、後はもう検査は要らないわけですからね、初めは。そういう説明でしょう。そうでしょう。
そうしたら、メーカーを全面的に信頼してレッテルを張っておるわけです、MKKは。MKKは技術的に検査をしないのですから。そうでしょう、書類検査ですから。そりしたら、後はメーカーがやったって一緒じゃないですか。どこがやるのですか。やる必要ないじゃないですか。そこが僕、わからない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/93
-
094・谷公士
○谷(公)政府委員 技術基準適合証明そのものは、極めて小規模の無線局にしか適用しておりませんで、技術基準適合証明機関で証明をしてよいような無線局しかもともと対象としておりません。これにつきましては、書面審査とそれから実物の検査と両方あるわけですけれども、この書面審査におきましては、メーカーが測定しましたデータを、先ほど申し上げましたように、同一性説明資料その他いろいろな資料を添えて出してまいりまして、それで無線設備検査検定協会が審査をいたします。審査をして、差し支えないという場合に技術基準適合証明をするわけでございます。
今回の検査でございますけれども、技術基準適合証明を受けないものは免許の際に実地の落成検査が必要なわけでございます。それから、すべての無線局は、その後、局種によりまして期間は別でございますけれども、定期検査が必要なわけでございます。そりいり定期検査あるいは落成時の必要とされます検査そのものを、認定点検事業者が証明資料を出すことによって実地検査をしなくて済むようにしようというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/94
-
095・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 やっとわかりました。いわゆる携帯電話のような、そういう小さいものはとにかくもう書面審査で来ている、だから新たに民間に認定業者を決めてそこでやるというのは大きなケースであって、何千万と来るような携帯電話をいっているのではない、簡単に言えばそういうことなのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/95
-
096・谷公士
○谷(公)政府委員 おっしゃるとおりでございまして、携帯電話につきましては、定期検査も行っておりません。定期検査も行う必要がないという種類のものに入っておりますので、おっしゃるように、この大量の携帯電話は今回の点検制度の簡素化の対象にならないものでございます。対象とする必要もないものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/96
-
097・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 ちょっと問題はあると思うのですけれども、そういうことなんですね。仕組みは理解いたしました。最後にお聞きいたします。
MKKなんですが、今五名と言われましたか、役員さんになられているわけで、総数が六十名ぐらいお見えなのですね。確か専務理事は長谷川徹さんという方がなられておりまして、郵政省の元偉い様だったわけですが、専務理事をやられていて、同時に東京テレコム・リサーチパークの理事を兼任されているのですが、そういうケースというのは幾つかあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/97
-
098・谷公士
○谷(公)政府委員 申しわけございませんが、その事実関係、それから他の例、私、今現在承知しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/98
-
099・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 私は天下りという言葉は品がよくないので使いたくないのですがへ元偉い様だったと思うのですけれども、そういうようなケースというのがどうしても周辺に広がっているように思っておりまして、専務理事と言われれば一番中心に座ってみえる方ですよね。その方がほかの事業体の、また経営者の一角に兼務されている、そういう報道資料もございます。
真偽のほどはお調べいただかないとわかりません。私は報道資料を手にして、ああそういうことになっているのかな、こういうふうに思いましたので質問をしたわけでございますが、もしそれが事実だとするならばやはりよくないと思いますね。その点は、郵政省に言ってもしようがないのですかね。そういうことはやはり常識の線でみずから対処されるということが必要なのではないかな、こんなふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/99
-
100・谷公士
○谷(公)政府委員 先ほど御指摘ありました東京テレコム・リサーチパーク、これは無線設備検査検定協会が行っております研究業務そのものでございますので、兼ねておるということは当然あり得ると思うのでございます。
一般的にそういう兼業を行っているかどうかということにつきましては、非常勤の理事等につきましては、そもそも関係団体等から関係者が集まってというような仕組みの公益法人もございますので、あり得ると私も思うわけでございますけれども、具体的な例につきましてはただいま承知をしておりません。先ほどのテレコム・リサーチ。八一クにつきましてはそういう事情だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/100
-
101・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 もう最後なのですが、本来こういうのは疑惑の目で見るだけではよくないと思いまして、実際の話は、実態はどうなっているのかということを時間があればお聞きをしたいと思っていました。そういう関連というのは大体幾つぐらいあるのだろうかな、仕組みはどうなっているのかなということも、これは昨今行革の関係では非常に関心が持たれている部分でもございますので、私もお聞きして、実態がどうなのかということをつまびらかにさせていただきたい、こう思ったのですが、時間が参りましたので、この程度にしておきます。
いずれにしても、そういう議論が盛んにやられておるということは、潮流としては今後ますますそういう流れになっていくと思いますので、その辺をやはり心されるように、省としても一定程度の対応というのが常々要るのかな、こんなふうに思っております。
最後に大臣の所見を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/101
-
102・堀之内久男
○堀之内国務大臣 行政改革につきましては、御案内のとおり、それぞれ政府 与党で慎重に進められておるところであります。ただいま公益法人の問題につきましても御指摘がございましたが、私どもも深く承知をいたしておりませんので十分なコメントができませんが、いずれにいたしましても、今後行政改革は積極的に進めていかなければならぬということだけを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/102
-
103・伊藤忠治
○伊藤(忠)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/103
-
104・木村義雄
○木村委員長 矢島恒夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/104
-
105・矢島恒夫
○矢島委員 今回のこの法改正につきましては、私どもも急速に普及している電波の利用状況あるいは技術力の向上という実態に見合ったものだと考えます。賛成でございますが、幾つかの改正点について確認をしておきたいということで質問したいと思います。
まず最初に、認定点検事業者制度についてお聞きしたいと思います。
法案によりますと、郵政大臣の認可を受けた民間事業者が、これまで国がやってきた検査の一部をできるようにするというものですけれども、無線局の数から見まして大部分が民間事業者による検査となるのではないか、国が実際に検査するのはほんの一部になっていくのではないかと考えるのです。結局民間では採算ベースに乗らないところを国がやる、こういうことになると思いますが、この改正後、国が直接検査する無線局、どのような無線局でその数はどの程度になるか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/105
-
106・谷公士
○谷(公)政府委員 この認定点検事業者制度導入後、国が引き続き検査を実施したいと考えております無線局は、一つは、国が開設する、国の機関が開設する無線局でございます。それから、認定点検事業者による点検が行われなかった無線局。三つ目に認定点検事業者による点検結果に疑義がある無線局というものが考えられます。
国が開設する無線局は約四千六百局ということはわかっておりますけれども、二つ目、三つ目のジャンルのものにつきましては、どれくらいの事業者が認定点検事業者として認定を受けることになるのか、あるいはどの程度免許人が民間の認定点検事業者の方々による点検を受けたいと希望されるのかという点がまだ不明でございます。したがいまして、現時点におきましては、国が今後行うこととなります検査の件数ということを予測することは少し困難であるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/106
-
107・矢島恒夫
○矢島委員 問題は、やはり民間がやらないところ、もちろん国の関係するところの無線局については国がやっていくということですけれども、その他今のお話の二と三の部分については、これからやることであって、やってみないとわからない、こういうお答えかと思いますが、採算ベースに乗らないところがどれだけ残るかということも、その数がどうなるかということを左右するんじゃないかと思うのです。
認定事業者には、先ほど来お話がありますとおり、メーカーあるいはディーラーがなると予想されますけれども、落成検査は民間でやるでしょうし、それから定期検査も、多くの無線局がメンテナンス契約を結んでいたり、あるいは、機械そのものがリースになっているというところもありますから、これは今までも実質的に、民間業者が点検を行っていたところだろうと思うのです。
そこで、民間では採算がとれないところということになるとやはり山間僻地もあるでしょう、あるいはまた過疎地だとか離島だとか、あるいは離島の船舶だとか、非常に検査が困難な場所というのが考えられるわけですけれども、私がお聞きしたいのは、地上ならばそこへ到達すれば検査できるわけです。例えば富士山のてっぺんでも、到達できれば検査できるわけですが、問題は船の場合なんですね。港に入っているときにしか検査できませんし、とりわけ漁船の場合などは、検査のために漁を休まなきゃならない。毎日港に帰ってくるわけでもございませんから、検査のために仕事をやめて帝港するとか、そのときにもちろん検査料も取られる。なかなか大変な検査だろうと思うのですね。離島まで出張して検査するということになると大変だけれども、それだけじゃなくて、その日に船に港に帰ってきてもらわなきゃ、いてもらわなきゃならない。そこで、日程を合わせる必要がある。なかなか手間がかかるんだという現場の声もございます。
しかし、これらの無線局というのは船の無線ですから、実際に無線機が故障してしまったり、あるいは重大な混信などが起こったら、それこそ人命にかかわる問題ということになるわけで、検査の役割も非常に大切だと思うのです。
こういう手間がかかるところは、多分国の責任で検査しなければならないようになるのではないかと思うのですけれども、どういうところがどれだけ残るか、あるいはどれだけの事務量になるかというのは、これからのことだ、今、やってみないとわからない、こういうことでございます。この制度が導入されることによって、検査にかかわる経費の節約ということもあるいは図られるのだろうと思うのですけれども、こういう非常に手間がかかる検査の場合に、そこまで出向いていかなきゃならない、そういうことからして、年度途中で、経費を節約してしまって、出張旅費がなくなったというようなことが起きたら、それこそ大変だと思うのですね。
そういう意味からも、そういう声も一部にはありますので、万一そんなことが起きないように万全を期してもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/107
-
108・谷公士
○谷(公)政府委員 基本的には、民間の方々にお任せできればということでございますけれども、御指摘のように、離島、山間僻地あるいは今お示しの船舶のような問題、これは民間の方にお任せすると大変経費がかかるということで、国の検査を求めてこられるという例があろうか思います。
どの程度そういった事例が出てくるかということは、最初に申し上げましたように、今もって予測がつきがたいところでございますけれども、いずれにしましても、検査そのものは国の責任で行わなければならぬ問題でございまして、できる限り計画的に、こういった民間の方々の便宜にこたえて検査ができるような工夫を凝らして対応してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/108
-
109・矢島恒夫
○矢島委員 大臣、今局長の方から答弁がございましたけれども、お聞きになっておられたように、やってみなきやわからないという事情はありますけれども、制度の変わり目で何か混乱が起きないように、ぜひ万全の体制をとってもらうということが非常に重要だと思いますが、大臣、その辺についての御見解をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/109
-
110・堀之内久男
○堀之内国務大臣 今回の法改正によりまして、一般的には、民間の能力を活用するわけでありますので、非常に利便になって利益が多いと思いますが、ただいま御指摘のように、採算性の合わない離島や山間地につきましては、なかなか、民間の業者が出向いて点検が行われない可能性もある、こういうように考えております。
何といっても、離島や山間僻地の無線通信は重要な通信手段でありますので、地域住民にとっても不可欠な問題であると認識をいたしております。したがって、郵政省といたしましては、電気通信監理局やその出張所を拠点として、迅速確実に検査業務が確保されるように今後とも対応してまいる所存であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/110
-
111・矢島恒夫
○矢島委員 ぜひ万全を期していただきたいと思います。
次に、今度の改正で包括免許制というのが導入される携帯電話、それからPHSについてお聞きしたいと思います。
御答弁によりますと、既に二千六百万台を超える携帯電話あるいはPHSがあるわけですけれども、この数からしても、一本一本免許をするというやり方というのは現実的ではないと思いますし、これまで、実際の手続は、事業者が出すものをまとめて免許を出すということをやっていたようであります。そういう意味では、包括免許にするのは当然と言えるわけですが、このように、携帯電話の普及というのが昨年に比べて一年間で二倍以上ふえて、両方合わせますと、二千六百万台を超える状況になるわけであります。そこで新しい問題も起きてきているんですね。
その一つが、携帯電話による電波が医療機器などいろいろな電子機器に影響を与える、こういう問題だと思うのです。特に医療機器の場合には、人命にかかわる問題ですから、万が一誤作動が起きたらその影響はまことに深刻だと言わなきゃならないと思います。
この医療機器の問題では三月末に、医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針というのが出ております。たしか昨年の三月に暫定指針というのが出ましたけれども、その一部手直しをされたのが今回の指針となっていると思います。
これを見ますと、主に病院の中の問題と外の問題があるわけですが、特に、私、病院の外の方の問題としてお聞きしたいのですけれども、植え込み型の心臓ペースメーカーに影響を与える、これは暫定指針でも言われていたことですけれども、さらに今度補聴器にも影響が出るというのが加わっております。どういう影響があるのか、そしてこれを防ぐにはどのようにすればいいとお考えになっていらっしゃるか、その点をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/111
-
112・谷公士
○谷(公)政府委員 郵政省、厚生省と関係省庁と関係団体等で構成されております不要電波問題対策協議会から、御指摘のような、昨年三月それから本年三月、暫定指針とそれを見直しました指針が出たというのは御指摘のとおりでございます。
それで、この中でも若干そういった問題を取り上げて触れておるわけでございますが、どういう支障が出るかというまず最初の御質問につきましては、私も技術的なことには暗うございまして、正確に自分の知識としてお答え申し上げることはできないのでございますけれども、一応聞いておりますところによりますと、デジタル携帯電話からは電波が間欠的に発射されておりまして、繰り返し周期の五十ヘルツの成分がその電波に含まれておる。一方、補聴器の問題でございますけれども、補聴器を使用しながら携帯電話で通話をいたしますと、この電波が仮に電波法の規定に沿ったものでありましても、補聴器の回路で復調されまして低周波の雑音を発生するということになる、そういったような雑音発生の問題があるということでございます。したがって、補聴器を使用される方は、当面アナログ携帯電話を使用していただくということ、それから補聴器の回路に雑音の抑制対策を施すという方法、それからイヤホンタイプのデジタル携帯電話を検討すると、つたような方法が考えられるわけでございまして、今後それぞれメーカーその他関係の向きにおいてこういったことがお取り組みがあるのだろうと思っております。
それから、この補聴器の対電波干渉規格につきましては国際電気標準会議が定めておりますけれども、デジタルの携帯電話に対応すべく、この規格の見直しが現在行われているというふうに聞いております。私どもといたしましては、この問題については、電波産業会等業界団体を通じていろいろ啓発、普及こ努めていきたいと思っております。
それから、ペースメーカーの問題につきましては、もう御案内と思いますけれども、近いところで使用いたしますと、ペースメーカーに対して電磁的な影響を与えて大変重大な事故を起こしかねないということで、ペースメーカーを装着していらっしゃる方が携帯電話をお使いになる場合には二十二センチメーター以上離してお使いいただきたいということをこの指針の内容でも触れているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/112
-
113・矢島恒夫
○矢島委員 満員電車などで携帯電話等の電源を切るということが、たしか昨年の暫定指針の中ではなかったのが今回は新しい配慮として出てきていると思うのです。
実は、ペースメーカーを使っている方が朝の通勤途上、山手線ですけれども、心臓が急におかしくなって、そして苦しくなって外へ出たのだろうと思うのですが、実際にはホームで亡くなられたのですね。そういうことが、昨年の十二月ですけれどもございました。その方は普通のサラリーマンなんですが、心臓ペースメーカーを使用していらっしゃるのです。通勤ですから、やはり満員電車という中でのこういう事故があったわけです。ただ、これは発見されたときは既にホームで亡くなっておられましたから、本人から事情を聞くわけにもいきませんし、同時に、携帯電話から離れてしまえばもうその痕跡はなくなってしまうので、証拠があるというわけではないのです。ただ、この方の主治医の先生は、携帯電話の影響を否定できない、こういうようなことを言っていらっしゃいます。私もその可能性があるのだろうと思うのです。
指針にあるように、二十二センチ以内の距離では影響が出るわけです。ですから、それより離れろというわけですね。満員電車の中で、ほとんど体が密着しているわけですね。しかも、携帯電話というのは、先ほどもお話がありましたとおり、通話をしていなくたって電波を出すわけです。ですから、ここが厄介なところで、携帯電話を持っている人も、使用していないのだから電波が出ているという意識がないのですね、使う方も。また、ペースメーカーを入れている人も、自分のそばに立っている人が携帯電話をポケットに入れているかどうかなどということは見当がつかないわけです。お互いに意識しない間に影響を与えてしまうという危険が非常にあるのではないか、こういう事態が起こり得るわけですけれども、これについては郵政省、どんな認識をお持ちかということと、それから、満員電車の中ではこの電源を切ることが望ましいとしているわけですが、私の見る範囲では、電源を切っている人はそんなにいないようにも思うのですが、大体これについてはどの程度実際にそういう場面できちんと切っているかどうか、この辺については何か実態調査でもしてみたことはございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/113
-
114・谷公士
○谷(公)政府委員 どの程度使われておるかということを把握すること自体大変難しいわけでございますけれども、いずれにしても、そういう調査データは持っておりません。
それで、私どもといたしましては、先ほど先生も御指摘なさいましたように、先般の指針の中でその指摘をしておりまして、満員電車等ペースメーカー装着者の方と近接した状態となる可能性がある場所においては、無線機の電源を切るよう配慮することが望ましいということを書いておりまして、やはりこういうことが起こり得るということを広く世の中の方々に理解をしていただいて、わざわざそういうことをされるという方はいらっしゃるとは思えませんので、そういうことを承知していただいて、そういう配慮をしていただくというふうに持っていくことが必要なんであろうと思っております。
そういう意味で、携帯電話の事業者の方、メーカー等の関係団体にも、利用者に対して注意喚起を行うようにお願いしておりますし、それから運輸省にもお願いをいたしまして、JR、民鉄協会等に対してこういったことを注意喚起していただきたいということもお願いをしております。そういったことを通じまして、できるだけ早くすべての国民の皆様にこういう問題があるということを御承知いただくことに努めるのが私どもの役割と思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/114
-
115・矢島恒夫
○矢島委員 今局長が言われたこと、非常に大切なことだし、きちんとやってもらわなければならないことだと思うのです。
実は、日本医用機器工業会ペースメーカ協議会、こういうところが昨年の暫定指針を受けて、昨年の三月二十二日付で「植込み型心臓ペースメーカ利用者の携帯電話使用上の注意」暫定ガイドライン、こういうものを出しております。新しい指針というか、ことしの指針を受けてさらに加わった部分についてはプラスアルファとして、この昨年出したガイドラインそのものは、引き続き病院を通じて患者さんに周知するということでございます。そこではこういう表現になっているのですよね。その中で一つ、一部を取り上げますと、「すぐ近くの人が携帯電話を所持している可能性があり、満員電車等その場から離れることが困難である場所は避けてください。」という表現なんですね。これは、使っている側の責任で対処しろという部分と、こういう方々は込んだ電車には乗るな、こういうことなんですね。
現在この植え込み型のペースメーカーを利用している方は約二十万人と言われておりますが、その中には、先ほど私が申し上げましたように、実際に毎日毎日働いていらっしゃる方もおります。今回の指針では、さらに加えて補聴器についても、先ほどお話があったように、雑音が入ってくるという影響もある。これも、やはり補聴器を使っていらっしゃる方は耐えられないし、また聴力にも悪い影響があるだろうと思うのです。
ところが、この二千六百万台にまで普及した携帯電話の利用者で、局長も言われたように、広く知らせるということですが、このことを知っている人は、つまり電源を切るということを知っている人は何人いるだろうか。私ももちろんどうなっているかはつまびらかではありませんけれども、そう見かけない。同時に、むしろ満員電車の中で、ピーピーという音と同時に使っている方もいらっしゃる。むしろそっちの方がよく見かけるわけです。
そういうことで、ぜひ、早く、広く大勢の利用者に知らせるという意味で、先ほどちょっとお話もありましたけれども、具体的な方法としてどんなことを郵政省は考えていらっしゃるか。先ほどお話しいただいた以外に何か対策をとっていらっしゃるのかどうか、その辺がありましたらお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/115
-
116・谷公士
○谷(公)政府委員 先ほども申し上げたことと基本的に同じでございますけれども、私ども、直接関係のあります携帯電話の事業者の方々、通信機器のメーカーの方々、その関係団体にお願いをしておりまして、現に、こういった関係者の方々は、新聞広告その他の方法をもって一般への周知を行っておられます。
また郵政省は、郵政省のホームページがございますので、どの程度の周知効果があるかということはありますけれども、こういったことでもやっております。
それから、郵政省が直接所管しない団体があるわけでございますので、例えば、医療機器メーカー、医療機関ということでは厚生省の方にお願いしておりますし、それから鉄道関係につきましては、先ほど申し上げました運輸省にお願いをするというふうなことで周知を考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/116
-
117・矢島恒夫
○矢島委員 私、電波産業会の方でパンフレット、「いつでも、どこでも、携帯電話。ちょっとその前に…。」というのをつくっておられるというので、いただきました。「病院内で」というところでは、もちろん「携帯電話の電源を切ってください。」、「病院外で」では、「満員電車の中など、人と人が近接する場所では、携帯電話の電源を切るよう心がけてください。」というような内容になっているのですが、現在までに、何か六十万部これを配った。これから増刷するというお話も聞いておりますけれども、実際に携帯電話を持っているのは、国民五人に一人は持っている形になるわけです。それから考えると、極めて小さ過ぎるのではないだろうか。
テレビでは毎日、コマーシャルの方として、そういう携帯電話やあるいはPHSの広告が流れるわけです。それを考えてみますと、こういう重要な問題だけれどもいかに知られていないか。私が考えれば、テレビのコマーシャルを使うくらいの規模で考える必要があるのではないか。しかし、行政の力だけでは限界もありますから、メーカーや移動体通信の事業者が、商品を売るコマーシャルと同時にこういうお知らせ、やはりマナーとして守ってもらわなければならないようなこと、これも流していく必要があるのではないか。
いろいろな手だてはあろうかと思いますが、こういう問題がまだまだ十分に国民に知らされているという状況ではないので、ひとつ郵政省も、ほかの厚生省や運輸省や他の省庁も関係しますし、メーカーやそのほかも関係すると思いますけれども、ぜひ御努力いただきたい。
大臣、本当にこれ、今こういうやりとりをしてまいりましたけれども、重要な問題ですので、ひとつ本腰を入れてその問題にも取り組んでいただきたいと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/117
-
118・堀之内久男
○堀之内国務大臣 先ほどから矢島委員の、電磁波による影響等についていろいろ御指摘をいただきましたが、私はやはり、これは、関係省庁や医療機関関係者と協力して指針を作成したわけでありますが、この指針の普及徹底を図っていくことが一番まず大事だと思います。
特に最近、今言われているような、ペースメーカーをつけておる人が一番問題ということが言われておるようでありますから、やはりこのペースメーカーをつけていらっしゃる御本人がまず自分で十分気をつけていただくということで、満員電車に乗るとか、そういうことをまず自分から避けることが大事ではないかと思うのです。
これは、これから我々も積極的に、どういうようにして取り組んでいくか、どんな方法でやればいいのか、これはもう大変苦労しますが、今後、電磁波による干渉を軽減する技術とか、あるいはまた電磁波を測定する方法について積極的に研究を促進してまいりますが、しかしまた、一般の国民に電磁波が非常に怖いものであるという恐怖心を与えることもまた問題ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/118
-
119・矢島恒夫
○矢島委員 いや、先ほども私が言ったように、そういう避けることが困難な場所はできるだけ利用するなというのはここに出ていたのですよ、これに。だからそれはおかしいのだと。つまり、使っている側の責任で、しかも、込んだ電車に乗るなと言われても、通勤するときに実際に込んだ電車に乗らないわけにいかなくなる。しかし、そういう携帯電話を持っている人がすぐわきにいるかどうかは、これはわからないのです、実際に自分では。そこで、今度の新しい指針に出てきている「電源を切る」という問題について私は聞いているわけです。
電源を切るというのは非常にいいことだ。いいことだけれども、今電車の中や病院の中に、行きますと、書いてあるのです、電源を切ってくださいと。あるいは、満員電車の中などにもそういう表示があるときはあります、できるだけ電源を切るようにと。ところが、実際の病院でも、医療機器に影響を与えるので携帯電話を使用しないでくださいというのもあるのですね。使用しないということは電源を切ることと違いますから。ただ電源を切ってくださいというのは、なぜ切るのかということもわからない、理由も書いていないのですから。つまり、自分のいるところを電波で知らせるために一定の電波を出すわけです。それが出ているということを使っている本人も知らない。だから、そういう説明やあるいはわかりやすい情報提供といいますか、そういうのが今非常に求められているわけです。
持っている人も、なるほど、使わなければいいというのではないのだな、電源を切らないとこういうことも起こるのだというあたりが大分まだ徹底していない部分があるので、そこで、ぜひ大臣、そういうものも考えて、込んだところに行かなければいいのだというのではなくて、指針にもそう書いてあるのですから、「電源を切る」と。ですから、そのことが伝わるように取り組んでもらいたい。よろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/119
-
120・堀之内久男
○堀之内国務大臣 御指摘のように、私どもも飛行機に乗りますと、全部切ってくださいと最初にスチュワーデスさんがアナウンスされますが、できれば各交通機関もそういうような御指導をなされるように、また機会があれば、どういう機会にかわかりませんが、そういうこともやはり大事なことではないかと思いますので、十分参考にさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/120
-
121・矢島恒夫
○矢島委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/121
-
122・木村義雄
○木村委員長 小坂憲次君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/122
-
123・小坂憲次
○小坂委員 太陽党の小坂憲次でございます。
きょうの電波法の一部を改正する法律案の審議につきまして、若干の質問をさせていただきます。いつも質問が一番最後でございますので、そこまでにいろいろ発言のあったことも踏まえながら、最後の、しんがりを務めたいと思います。
まず、電波法の一部を改正する法律案そのものにつきましては、大分審議が進んでまいりました。この法律も、電波の有効な活用、そしてその利用技術の進展に合わせて法律を整備するという観点で今回の改正があると思っております。また、電波を利用しやすくするということは、すなわち利用者の負担を軽減するということでもあります。そういう点で考えますと、今回、免許制度も、包括免許ということで大分楽になったと思うのですね。しかし、まだ幾つかあります。
その一つは、技術基準適合証明書というのがあるのですが、この技術基準適合証の証明を受けるときの費用、非常に高いように私は感じております。大分最近下がったようでありますが、まず、この費用について、もっと簡素化することはできないのか。費用とその手間、手間は大分簡素化しているようですが、その点について、まずお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/123
-
124・谷公士
○谷(公)政府委員 技術基準適合証明でございますけれども、現物の機器を持ち込む試験申請と、書類だけで証明を受ける書面申請と、二通りございまして、試験申請につきましては三千八百円、それから書面申請は百五十五万円というのが一件当たりの手数料になっております。
この簡素化の問題につきましては、いろいろこれまでも検討いたしてきておりまして、まだ現在もその簡素化について検討はしておるところでございますけれども、この料金そのものにつきましては、実は、昨年の五月に引き下げを行ったばかりでございまして、その際は、測定試験設備の高性能化に伴いまして測定試験業務が効率化されます、そういったこと。それから、測定試験設備の低廉化、審査事務処理時間の短縮等による人件費の低減、こういうことを踏まえまして、試験申請については五千五百円から三千八百円に、書面申請については百九十万円から百五十五万円に下げたばかりのところでございます。
もちろん、これは実費を勘案して算出しておりますので、審査事務の内容の効率化等が図りれれば手数料を下げるということはもちろんあり得るわけでございますけれども、現段階におきましてはそういうことで、今後のこういった業務の状況を見まして考えていくという対象にはなるわけでございますけれども、具体的にまだ検討されているという段階にはなっておりません。
いずれにしても、低廉化につきましては、認可の料金でございますので、財団を指導してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/124
-
125・小坂憲次
○小坂委員 私がこの問題について問題意識を持つようになったのは、新聞の報道に一つこういうものがあったのですね。
今年の三月十七日の東京新聞の記事でありますが、「事業独占“携帯太り”」「電波のウマ味」と書いてありまして、この技術基準についての記事なんでございますが、この技術基準を出しております財団法人無線設備検査検定協会の財務資料を見ると、九三年の総収入が二十八億九千二百万円、このうち最も大きなウエートを占めるものが、適合証明業務によるもので十九億五千四百万円、翌九四年には、証明業務が二十七億五千八百万円、総収入は四十六億七千五百万円とはね上がっている。こういうことで、この先を読みますと、急激に携帯電話がふえて、収入がバブルのようになったのは事実であると長谷川専務理事が言った、余りの高収益に自民党などから批判が強まり、同協会は昨年五月、検査料を平均二〇%下げた,こう書いてありまして、そんなものかなと思ったわけであります。
それで、見てみますと、試験を実際にしてそして証明を出す場合は、一台当たり三千八百円、従来は五千五百円でありましたが、これが下がって三千八百円になった。ただし、書面による申請で、無線設備を提出しないで書類審査のみで同一の設計ごとに証明を受ける申請方法をとりますと、申請一件当たり百五十五万円ということで、包括的にできるようになっております。
この違いなんですけれども、一体、具体的にはどういう検査をするのでしょうね。無線設備を提出させない場合、書類だけで検査をして、そして、どのような業務をしているのでしょうか。それで、その一件当たりの違いというのは、どうしてこれだけ費用が違って出てくるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/125
-
126・谷公士
○谷(公)政府委員 実物に当たります審査というもの、それから書面審査というもの、二つございまして、この具体的な審査の中身につきましては、今ちょっと、現在御説明できる資料がございませんので、後ほど先生に御説明させていただきたいと思いますが、いずれにしましても、事業者の方々、台数が少ないときは個別審査を、実物で試験をしてもらう方が安くなるわけでございますし、非常に大量生産に入ってきますと、書面審査でいった方がよろしいわけでございます。
このように非常に収入がふえてまいりましたと申しますのは、無線局の台数が急激に増加をいたしましたために収入が増加をした。そこで、先ほどありましたように、いろいろ御指摘もあり、措置としてはおくれましたけれども、先ほど申し上げましたような内容を勘案いたしまして、手数料の切り下げを行ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/126
-
127・小坂憲次
○小坂委員 余り答えになっていないのですね。書類で審査した場合、機器を使っていろいろやるわけではないですね。ですから、人件費的な部分がほとんどだと思われるわけです。そういうものがふえて、これが一件百五十五万円もかかる。一台を検査するのに三千八百円かかるということも、恐らくこれは、機器の減価償却だとか人件費だとか書類の作成費だとか、そういういろいろなものがあると思うのですね。
では、ちょっと視点を変えましょうか。
この技術基準適合証明と型式検査、二つありますが、小規模の無線局については、技術基準適合証明という、郵便局のティーマークのくっついたものが携帯電話なんかにすべてついているわけですね。型式検査の場合は、これは機種を生産するときに、同一機種を今後ずっと継続的に生産する場合には、同一機種についてはその認定が自動的に出るようになっているわけですね。
今の書面による一括とこの型式検定、それから技術基準適合証明、それではまず技術基準適合証明と型式検定、これの違いといいますか、役割上の違いは、小規模の無線局あるいはそれ以外というもののほかにどういう問題があるのか。局長御自身でなくても、担当の補佐員でも結構ですから、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/127
-
128・谷公士
○谷(公)政府委員 必要があれば、また専門家の方からお答えをさせますけれども、基本的な違いは、型式検定は、航空機、船舶局等非常に重要な無線局につきまして、まずあらかじめモデルについて、型式でございますけれども検査を行いまして、そして、具体的な無線機についてはまた改めて検査をするというものでございます。
それから、技術基準適合証明は、むしろ逆に、非常に簡易な無線局につきまして、落成検査を省略することができるようにするために、事業者の自主的な検査、あるいは、技術基準適合証明の指定検査機関によりまして現物の検査をするというものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/128
-
129・小坂憲次
○小坂委員 アマチュア無線の無線局がありますけれども、航空機の無線機というと非常に重要だというのは、みんな何となくそうだなと思うのですが、アマチュア無線局の無線機はどちらの検定方式を必要としますでしょうか。
それから、型式検定の場合の検査費用についてもお知らせいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/129
-
130・谷公士
○谷(公)政府委員 アマチュア無線局につきましては、技術基準適合証明の対象でございます。
費用につきましては、ちょっと、調べて後ほど御連絡したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/130
-
131・小坂憲次
○小坂委員 そうすると、型式検定は、航空機の無線機以外に、一般で使用される無線機ではこれは該当するものはありませんか。
調べるのに時間がかかっているようですので、場つなぎをいたしましょう。
アマチュア無線機の技術基準に適合したものは、先ほどありましたように、一台あたり三千八百円でいいのではないかと思っておりますから、あるいは一括でやる場合は百五十五万円だと思いますが、私が言いたいことは、すなわちこの技術基準適合証明は財団法人無線設備検査検定協会が行うわけですね。一括的に、独占でやっておるわけですよ。型式証明の方は郵政省の通信総合研究所が検定業務をやっておるわけですね。
これらはまさに書類審査でできるようになったら、経費なんてほとんどかかっていないんじゃないかと思うわけですよ。そうでないのだったら、それを聞いて私の質問を変えようと思っているのですが、その疑問にまず答えてもらいたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/131
-
132・谷公士
○谷(公)政府委員 型式の対象機器でございますけれども、先ほどもちょっと申し上げました船舶関係につきましては、船舶に設置する無線航行のためのレーダー、自動レーダー、それから気象援助局の用に供する無線設備、ラジオゾンデというものでございますけれども、それからテレビジョン放送またはテレビジョン多重放送を行う放送局の用に供する放送装置、それから航空機無線電話通信を行う携帯局の用に供する送受信装置等非常にたくさん、およそ二十二項にわたって省令で決めておるわけでございますけれども、全般的に申しますと、先ほど申し上げましたように、重要な無線局について行うということで……(小坂委員「経費は」と呼ぶ)
経費はちょっと今わかりませんので、後ほど調べて御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/132
-
133・小坂憲次
○小坂委員 ちょっとこれは回答に手間取るようですので、調べておいてください。後ほどまた戻ってきますから。
それでは、この問題も、もう少し資料の要らない部分だけお話しいたしますと、最近、外郭団体のいろいろな問題が指摘されますけれども、この役員もほとんど郵政省のOBの方が占めていらっしゃる。ほとんどと言うと失礼ですが、多く占めていらっしゃいます。それで、この新聞の指摘のように独占的にやっていて、今回の検査の場合のように民間の能力を活用してやろうという意思がまだ余りあらわれていない分野であります。
今後、ぜひともこの分野においても民間の能力を生かして、そしてこのような費用がかからないような、もっと負担軽減を図る方向へ進めていただかないと困るわけでありまして、そのことを指摘しつつ、先まどお願いをいたしました数字について後ほどお知らせください。
それから、後ほど大臣に御質問申し上げるのを用意していたのですが、今ちょっと聞いておりまして、大臣の御認識、やはり若干困るなと思うのは、ペースメーカーをつけていらっしゃる方は、つけたくてつけているわけじゃないのですね。一般の人間が、ある日突然そういう症状のためにつけざるを得ない運命になってしまうわけであります。
携帯電話を持っている人がどこにいるかというのは、これはポケットの中に入れて持てるような携帯電話がふえておりますので、外からわからない。ペースメーカーに影響を与えるものがどこにあるかわからない状態で社会で生活する不安というのは非常にあると思うのですね。そういう中で、満員電車に乗るのは避けることが大事でありますというふうに言われると、その人も困るだろうなと思うのですよ。
そういうことが大事だと、要するに注意しないのはその人の不注意と思われるような御認識はぜひとも改めていただいて、今後、高齢化社会で、携帯電話とペースメーカーもふえてくると思います。そういうものが共存できるようなルールづくり、マナーづくりをどのようにしていったらいいかという点についてむしろ大臣に御認識を持っていただかないと、これま大臣御自身が、今健康でいらっしゃいますからそんなことはないと思いますが、ペースメーカーをおつけになって、そして満員電車は避けたけれども、委員会に行ったら後ろに座っていらっしゃる人がポケットの中に携帯電話を持っていた、うっかりスイッチを切り忘れた、これでは困るわけでありまして、そういう意味で、その認識をやはりぜひとも改めていただきたいと思います。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/133
-
134・堀之内久男
○堀之内国務大臣 先ほどの答弁で、舌足らずで大変御迷惑をかけたと思いますが、まさしく最近の携帯電話の普及率というのは非常に高いわけでありまして、また、ペースメーカーをつけておられる人もどなたか、一般の人もおわかりにならない。
この点はお互い注意しなければなりませんが、我々としては、先ほどから申し上げます指針について、特に通信事業者等を通じて、あるいはまたメーカーを通じて精いっぱいの指針の徹底は図っていきたい、こう思いますが、できればみんな乗り物に乗ったときは電源を切る、こういうようなマナーまで徹底していけば、さらにお互いに迷惑は起こらないんじゃないか、こういうふうにも考えますが、こういうこともあわせてこれから我々も研究をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/134
-
135・小坂憲次
○小坂委員 余り言葉じりをとらえるつもりはありませんので、要するに、これからルールづくりが必要だということを御認識をいただきたいという一点であります。禁煙席を設けたりするように、ペースメーカーの方がそういった電磁波から隔離されるような配慮をするようなこともこれからは考えていかなければいけない一つだと思っておりますし、そういうような意味での共存のルールづくりをやはり頭に置いてお考えをいただけるとありがたいと思っております。
電波の有効利用という観点からいたしますと、やはり不法無線局の対策というのは非常に重要だと思うのですね。有効な電波が無法者によって乱用されて、正規に検査を受け、申請の手続をとった者がそのとおりに使えない。また、一般家庭のテレビに突然音声が入ったり、画面が混乱したり、トラックに強力な百ワットクラスの無線機を積んで、お互いの交信、プライベートな交信のために使っている人たちも散見されます。
最近、こういった移動する無線局の不法者がふえておる。この移動する不法無線局に対して、取り締まり体制が私は非常に甘いと思うのですね。携帯することが可能になって、強力な、出力が大きなものが出回っている、外国から不法に輸入したりして。そうしたものが運用されているにもかかわらず、それを検査するための検査体制が、利用料の大幅な増収、あるいはただいまの技術基準の大幅な増収というものがありながら、私は、公益法人のそういう協会がそういう方面にもお金を使ってもらいたいし、また郵政省自身も、利用料の増収分をそういう方面に大幅に入れて、不法無線局の探索車、これはワゴン車にアンテナをつけて、大変重い機器を積んで走り回っておりますけれども、これが、どっちの方向だ、一生懸命基地局等とやりながら仮に探知して、あ、この車だと特定しても、その車が逃げてしまいますととらえられない。警察に依頼をして、網を張って検挙して車両の中の検査をする、そういうようなことも必要になってくる。
この点で、まず第一に、この不法無線局対策に郵政省はどれだけ強力に取り組む決意があるかということ、それをまず大臣にお伺いをし、そしてその後に局長にその対策を、警察とどのように連携をとってやっていくつもりか、現状等も踏まえて御回答をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/135
-
136・堀之内久男
○堀之内国務大臣 ただいま委員御指摘のとおり、不法無線局問題の解決なくしては円滑な電波利用の将来はない、こういうふうに強く認識をいたしております。
したがって、郵政省としては、出先の電気通信監理局の職員等を督励いたしておるわけでありますが、警察の協力なくしてはこれはもうほとんど不可能でありますので、今警察の方にも十分お願いをいたしておるわけであります。最近では、平成七年が七千四件、平成六年度は三千八百件摘発の例があるわけです。
このよりこ十分警察の御協力をいただいてやるならば、こうした不法無線の摘発も可能でありますので、今後も十分警察の方の御協力をいただきまして、この不法無線局の取り締まりを強化してまいりたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/136
-
137・谷公士
○谷(公)政府委員 最近、御指摘のように、大変、無線局数が急増することに伴いましてこういった不法な無線局の取り締まり強化の必要性もふえてまいったわけでございます。
郵政省におきましては、全国各地に最新の電波監視施設でございますDEURASと申しておりますシステムを配備しまして、不法無線局が出現いたしました場合には、このシステムによってその所在を確認し、不法無線局運用者等に対して告発、行政指導等の措置を行っておりまして、七年度の数字でございますけれども、告発、行政指導等の措置をとりましたものは、前年を大幅に上回りまして約七千件ぐらいになっております。
それから、大型トラック等に開設されました不法無線局等に対処しますためには、これは御指摘のように移動してしまうわけでございますので、警察機関の御協力をいただきまして、全国各地で路上での共同取り締まり等を実施いたしておりまして、これによって不法無線局開設者の摘発を行っております。
それから、このほか不法無線局の未然防止を図るという観点から、国民の皆様に対しまして周知へ広報活動、それから、不法無線局に使用されるおそれのある無線機器の販売の適正化を図るために、無線機器の小売業者に対する指導といったようなことも行っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/137
-
138・小坂憲次
○小坂委員 そろそろ数字の調べもついたのじゃないかと思うので、回答もいただきたいのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/138
-
139・谷公士
○谷(公)政府委員 型式検定の関係でございますけれども、電波法関係手数料令という政令に書いてございまして、これも先ほど申し上げましたように種類が大変多うございますので、種類別にすべて異なっているわけでございますけれども、例えば船舶に施設する救命用の無線設備の機器につきましては五十八万四千四百円というふうになっております。もちろん、百万を超えておるものもございますし、非常に種類も多うございますので、料金も種々でございます。
これらにつきましては、一つは、これらの無線設備の大多数は幾つもの設備の集合体で成り立っておるということが一つございます。それからまた、いろいろ過酷な環境下で使用されるということで、そういう環境試験を行う必要がございまして、そういう意味で非常に費用がかかっておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/139
-
140・小坂憲次
○小坂委員 検査機器も進歩しておりますし、それから、船舶の無線とかそういうような基地局と相互の関係を図らなければいけない、あるいは過酷な環境試験もしなければいけない、そういったものはそう簡単に経費軽減ができないのかもしれません。しかし、携帯電話のようなものはもう非常に簡便に検査ができるはずでありますし、ましてや同一型のものが行く場合に百五十五万円を毎回申請で取る必要もないのじゃないかと思いますので、その辺についても今後もっと厳しく見ていただきたいと思っております。
この問題についてもう少し掘り下げたいと思いますが、きょうは時間がございません。もう時間がやってまいりましたので、警察庁の方に伺います。
この違法無線運用者の取り締まりに当たって、積極的にやろうという意思はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/140
-
141・園田一裕
○園田説明員 お答え申し上げます。
違法電波の取り締まりでございますけれども、最近の取り締まりでは昨年が千百二十九件を検挙しておりまして、ほとんどが免許を受けないで無線局を開設または運用した事犯ということでございます。
このような事犯に対する取り締まりでございますけれども、現在警察といたしましては、悪質な事犯につきましては、被疑者を逮捕するなど厳正な取り締まりを行っているところでございまして、また、事犯によりましては、不法に無線局を開設、運用した者だけでなく、これに関与した販売業者等までも検挙を行っておるところでございます。
いずれにいたしましても、この種事犯に対しましては、各地方電気通信監理局等関係行政機関と緊密な連携を図りながら、厳正に対処してまいりたいということで考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/141
-
142・小坂憲次
○小坂委員 もう時間がありませんからまとめて申し上げますが、不法無線運用者に対して郵政省はまだまだ甘いと私は一言申し上げておきたい。一方で適正な運用のためにいろいろ検査をやる部分は非常に厳しい基準があるにもかかわらずです。それを無視している者に対してやはりもっと努力をすべきだ。
PHSの場合に、百メーターごとにアンテナを立てて、そして無線局をカバーしていくわけですね。多いものでも六百メーターごとにアンテナを立てていく、努力をしている。ところが、不法無線を探知するためのアンテナというのはそんな細かくは立てておりませんね。これは、細かく立てれば、コンピューターを使えば今どこで違法な無線が発信されているか直ちにわかるはずですよ。
そういう基本的なインフラも整備しないで、どんどん拡大していきますと、あるとき、こんなものを一々守っている方がばかだ、不法無線でどんどんやってしまえというようなことになりかねないので、今のうちからそういう検査体制を整備して、その枠からはみ出るものを取り締まれる体制を整備をしていくことが必要だということを指摘しておきたいと思います。
それから同時に、警察庁に対しても、こういった有効な電波という国民資産を的確に運用できるように、郵政省からの依頼に基づいて機動的にこれに対応できるような、連携を密にできるような協議を郵政省と行っていただいて、もっと積極的に取り締まりに当たっていだだきたい。千数百件というのは氷山の一角と思われますので、ぜひとも努力をお願いいたしたいと思います。
以上をもって質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/142
-
143・木村義雄
○木村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/143
-
144・木村義雄
○木村委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
電波法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/144
-
145・木村義雄
○木村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/145
-
146・木村義雄
○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/146
-
147・木村義雄
○木村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時五十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114004816X00519970409/147
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。