1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成九年四月十七日(木曜日)
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議事日程 第十四号
平成九年四月十七日
午後二時開議
第一 全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する
法律案(内閣提出)
第二 日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の
軽減を図るために平成九年度において緊
急に講すべき特別措置に関する法律案
(内閣提出)
第三 千九百六十三年五月二十二日に地中海漁
業一般理事会の第一回特別会合(同年五
月二十一日及び二十二日にローマで開
催)において及び千九百七十六年七月一
日に同理事会の第十三回会合(同年六月
二十八日から七月二日までローマで開
催)において改正された地中海漁業一般
理事会協定の締結について承認を求める
の件
第四 千九百七十四年の海上における人命の安
全のための国際条約に関する千九百八十
八年の議定書の締結について承認を求め
るの件(参議院送付)
第五 千九百六十六年の満載喫水線に関する国
際条約の千九百八十八年の議定書の締結
について承認を求めるの件(参議院送付
)
第六 不動産特定共同事業法の一部を改正する
法律案(内閣提出、参議院送付)
第七 農林水産省設置法の一部を改正する法律
案(内閣提出)
第八 放送法及び有線テレビジョン放送法の一
部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
日程第一 全国新幹線鉄道整備法の一部を改正
する法律案(内閣提出)
日程第二 日本国有鉄道清算事業団の債務の負
損の軽減を図るために平成九年度において緊
急に講ずべき特別措置に関する法律案(内閣
提出)
日程第三 千九百六十三年五月二十二日に地中
海漁業一般理事会の第一回特別会合(同年五
月二十一日及び二十二日にローマで開催)に
おいて及び千九百七十六年七月一日に同理事
会の第十三回会合(同年六月二十八日から七
月二日までローマで開催)において改正され
た地中海漁業一般理事会協定の締結について
承認を求めるの件
日程第四 千九百七十四年の海上における人命
の安全のための国際条約に関する千九百八十
八年の議定書の締結について承認を求めるの
件(参議院送付)
日程第五 千九百六十六年の満載喫水線に関す
る国際条約の千九百八十八年の議定書の締結
について承認を求めるの件(参議院送付)
日程第六 不動産特定共同事業法の一部を改正
する法律案(内閣提出、参議院送付)
日程第七 農林水産省設置法の一部を改正する
法律案(内閣提出)
日程第八 放送法及び有線テレビジョン放送法
の一部を改正する法律案(内閣提出)
日本銀行法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
午後二時三十三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/0
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001・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
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日程第一 全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成九年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案
(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/1
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002・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案、日程第二、日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成九年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
委員長の報告を求めます。運輸委員長杉山憲夫君。
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全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案及び同報告書
日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成九年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔杉山憲夫君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/2
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003・杉山憲夫
○杉山憲夫君 ただいま議題となりました両法律案について、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
まず、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、新幹線鉄道の着実な整備を図るため、日本鉄道建設公団が行う新幹線鉄道の建設に関する工事に要する費用についての国及び地方公共団体の負担について定める等所要の改正を行おうとするものであります。
本案は、二月七日本院に提出され、同月二十八日本会議において趣旨説明を聴取した後、同日本委員会に付託されました。
本委員会においては、同日古賀運輸大臣から提案理由の説明を聴取し、四月四日質疑に入り、九日には参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を行い、去る十五日質疑を終了いたしました。
次いで、本案に対し、自由民主党及び社会民主党・市民連合から施行期日を公布の日に改めることとする修正案及び民主党から施行期日を長期債務償還計画の策定の日に改めることとする修正案がそれぞれ提出されました。
両修正案について趣旨説明を聴取した後、討論を行い、採決の結果、民主党提案の修正案は賛成少数をもって否決され、本案は自由民主党及び社会民主党・市民連合の提案に係る修正案のとおり賛成多数をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。
次に、日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成九年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案について申し上げます。
本案は、日本国有鉄道清算事業団の処理すべき債務が累増している状況にかんがみ、平成九年度において、同事業団の長期債務に係る負担の軽減を図るための特別措置を緊急に講じようとするものであります。
本案は、二月七日本院に提出され、四月一日本会議において趣旨説明を聴取した後、同日本委員会に付託されました。
本委員会においては、四月二日古賀運輸大臣から提案理由の説明を聴取し、四日質疑に入り、九日には参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を行い、去る十五日質疑を終了いたしました。次いで、討論を行い、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した
次第であります。
なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/3
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004・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 両案を一括して採決いたします。
日程第一の委員長の報告は修正、日程第二の委員長の報告は可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/4
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005・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり議決いたしました。
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日程第三 千九百六十三年五月二十一日に地中海漁業一般理事会の第一回特別会合(同年五月二十一日及び二十二日にローマで開催)において及び千九百七十六年七月一日に同理事会の第十三回会合(同年大月二十八日から七月二日までローマで開催)において改正された地中海漁業一般理事会協定の締結について承認を求めるの件
日程第四 千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約に関する千九百八十八年の議定書の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
日程第五 千九百六十六年の満載喫水線に関する国際条約の千九百八十八年の議定書の締結について承認を求めるの件(参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/5
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006・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第三、千九百六十三年五月二十二日に地中海漁業一般理事会の第一回特別会合(同年五月二十一日及び二十二日にローマで開催)において及び千九百七十六年七月一日に同理事会の第十三回会合(同年六月二十八日から七月二日までローマで開催)において改正された地中海漁業一般理事会協定の締結について承認を求めるの件、日程第四、千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約に関する千九百八十八年の議定書の締結について承認を求めるの件、日程第五、千九百六十六年の満載喫水線に関する国際条約の千九百八十八年の議定書の締結について承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。
委員長の報告を求めます。外務委員長逢沢一郎君。
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千九百六十三年五月二十二日に地中海漁業一般理事会の第一回特別会合(同年五月二十一日及び二十二日にローマで開催)において及び千九百七十八年七月一日に同理事会の第十三回会合(同年六月二十八日から七月二日までローマで開催)において改正された地中海漁業一般理事会協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約に関する千九百八十八年の議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書
千九五六十六年の満載喫水線に関する国際条約の千九百八十八年の議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔逢沢一郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/6
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007・逢沢一郎
○逢沢一郎君 ただいま議題となりました三件につきまして外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
まず、地中海漁業一般理事会協定について申し上げます。
本協定は、昭和二十四年に国際連合食糧農業機関、FAOの総会において承認されたものであります。
近年、地中海沿岸諸国の間で、海洋法に関する国際連合条約の発効を背景に、沿岸国の利益を一層反映させるような操業規制の可能性を含め、地中海の漁業のあり方を見直すべしとの議論が生じてきております。こうした状況のもと、遠洋漁業国としての我が国の関心事項を地中海における漁業管理に反映させ、かつ地中海における我が国漁船の操業上の利益を確保していくために、理事会に加盟することが極めて重要となってまいりました。
本協定は、地中海及び黒海並びにこれらに接続する水域の海洋生物資源の保存、管理及び最適利用を促進すること等を目的とする理事会の設置について規定するものであり、その主な内容は、理事会をFAOの枠組みにおいて設置すること、理事会は、その目的のために、海洋生物資源の保存及び合理的な管理のための措置を作成し及び勧告すること等の任務及び責任を有すること、理事会は、その目的に関連する事項について研究及び報告をする委員会並びに特定の技術的問題について研究及び勧告をする作業部会を設置することができることなどであります。
次に、海上人命安全条約は、航海の安全、特に人命の安全を確保するために、船舶の構造、設備等に関する安全措置を中心として技術規則を定めることを目的として、昭和四十九年十一月に作成され、また、満載喫水線条約は、海上における人命及び財産の安全を確保するために船舶の積載の限度に関する基準を定めることを目的として、昭和四十一年四月に作成されたものであります。
しかしながら、検査の間隔及び証書の有効期間が他の関係条約との間において調和していないことから、これらを調和させる必要性が認識され、国際海事機関で検討が進められた結果、昭和六十三年十一月十一日にロンドンにおいて両条約に関する議定書がそれぞれ作成されました。
両議定書は、条約における船舶の検査の間隔及び証書の有効期間等に係る規定を附属書において整理し、両条約及び他の関係条約における船舶の検査の間隔及び証書の有効期間に係る規定と調和させるようにするものであります。
地中海漁業一般理事会協定は、四月八日外務委員会に付託され、海上人命安全条約及び満載喫水線条約の両議定書は、去る三月二十八日参議院から送付され、四月八日外務委員会に付託されたものであります。
外務委員会におきましては、十一日池田外務大臣から以上三件について提案理由の説明を聴取し、昨十六日質疑を行い、引き続き採決を行いました結果、三件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/7
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008・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 三件を一括して採決いたします。
三件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/8
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009・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、三件とも委員長報告のとおり承認することに決まりました。
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日程第六 不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/9
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010・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第六、不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
委員長の報告を求めます。建設委員長市川雄一君。
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不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔市川雄一君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/10
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011・市川雄一
○市川雄一君 ただいま議題となりました不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、最近における社会経済情勢の推移等にかんがみ、不動産特定共同事業の業務に関する規制の合理化を図るため、事業参加者等が不動産投資に関し専門的知識及び経験を有する者等である場合には、事業実施時期の制限等を定めた規定の適用を除外する等の措置を講じるとともに、届け出事務等の手続について負損の軽減を図ろうとするものであります。
本案は、参議院先議に係るものであり、衆議院においては、去る四月八日本委員会に付託され、翌九日亀井建設大臣から提案理由の説明を聴取し、十一日質疑に入り、昨十六日質疑を終了、討論、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/11
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012・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/12
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013・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第七 農林水産省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/13
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014・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第七、農林水産省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
委員長の報告を求めます。農林水産委員会理事小平忠正君。
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農林水産省設置法の一部を改正する法律案及び
同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔小平忠正君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/14
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015・小平忠正
○小平忠正君 ただいま議題となりました法律案につきまして農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、農業協同組合、森林組合、水産業協同組合等の系統組織が、厳しい状況に対応して、その経営の健全性を確保していくためには、自助努力と相まって、行政による検査の的確な実施が一層重要となっていることにかんがみ、農林水産省の本省において、これら団体の業務及び会計の検査を統一的かつ効率的に行うための措置を講じようとするものであります。
すなわち、林野庁及び水産庁が行っている森林組合、水産業協同組合等の検査に関する事務を農林水産省の本省に移管するため、所要の規定を整備することとしております。
委員会におきましては、四月十日藤本農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、昨十六日に質疑を行いました。質疑終了後、直ちに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/15
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016・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/16
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017・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第八 放送法及び有線テレビジョン放送
法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/17
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018・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第八、放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。
委員長の報告を求めます。逓信委員長木村義雄君。
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放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔木村義雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/18
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019・木村義雄
○木村義雄君 ただいま議題となりました放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、視聴覚障害者の利便の増進を図るためテレビジョン放送事業者等は字幕番組等をできる限り多く放送するようにしなければならないこととするとともに、放送番組審議機関の活性化に資するため放送事業者が行う報告及び公表に関する規定を整備する等の改正を行おうとするものであります。
本案は、去る四月十五日本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、同日本委員会に付託されました。
委員会におきましては、昨十六日堀之内郵政大臣から提案理由の説明を聴取した後、参考人の意見を聴取し、質疑を行い、質疑終了後、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/19
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020・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/20
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021・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日本銀行法案(内閣提出)の趣旨説明発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/21
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022・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、日本銀行法案について、趣旨の説明を求めます。大蔵大臣三塚博君。
〔国務大臣三塚博君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/22
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023・三塚博
○国務大臣(三塚博君) ただいま議題となりました日本銀行法案の趣旨を御説明申し上げます。
本法律案は、内外の経済社会情勢の変化に対応し、日本銀行の通貨及び金融の調節における独立性とその意思決定の透明性を高めるとともに、日本銀行の適正かつ効率的な業務運営を確保する必要性にかんがみ、日本銀行の抜本的な改革を実施するため、日本銀行法の全部を改正するものであります。
以下、その大要を申し上げます。
第一に、日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うほか、金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とすることとし、また、通貨及び金融の調節の理念等について明確化することといたしております。
第二に、政策委員会の議決事項の拡充及びその組織の見直しを行うほか、通貨及び金融の調節に関する事項を議事とする会議の議事要旨を速やかに公表する等の措置を講ずることといたしております。また、通貨及び金融の調節等についての報告書を国会に提出するとともに、業務及び財産の状況について説明を求められたときは、総裁等は国会に出席しなければならないことといたしております。
第三に、政策委員会の政府代表委員制度を廃止し、通貨及び金融の調節に関する事項を議事とす
る政策委員会の会議に限り政府から出席することができることとし、政府からの出席者は、議案を提出し、または議決の延期を求めることができる等の措置を講ずることといたしております。
第四に、役員の構成、任命、任期等について、総裁、副総裁等の任命に両議院の同意を要することとする等所要の見直しを行うことといたしております。また、役職員について、守秘義務等を定めるとともに、給与等の支給の基準及び服務に関する準則を作成し、公表しなければならないこととしております。
第五に、大蔵大臣の広範な業務命令権、立入検査権等を廃止し、日本銀行または役職員に違法行為等があったときに限り、大蔵大臣はその是正等を求めることができることとするとともに、監事の監査機能の活用を図っていくこととしております。また、経費の予算についても、大蔵大臣は、認可をしない場合にはその理由を公表しなければならないこと等を定めることといたしております。
その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上、日本銀行法案につきまして、その趣旨を申し上げた次第であります。(拍手)
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日本銀行法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/23
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024・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。北脇保之君。
〔北脇保之君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/24
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025・北脇保之
○北脇保之君 私は、新進党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました日本銀行法案につきまして、総理大臣並びに大蔵大臣に質問をいたします。
近年、世界的な金融市場の発展は著しいものがあります。我が国の金融政策についても、市場原理の徹底と透明性の確保を図り、グローバルマーケットからの信認を得ることが大きな課題になっています。加えて、金融政策が国民生活や国民経済に大きな影響を与える時代に入っており、中央銀行が国民から信認を得ることがますます重要になりつつあります。
これに対して、現行の日本銀行法は、昭和十七年に制定された国家総動員体制のもとの立法でありまして、「国家経済総力ノ適切ナル発揮」を目的としており、大蔵大臣の一般的監督権を認めるなど、中央銀行としての独立性の担保が明確でなく、時代にそぐわないものとなっていることは明らかです。
以上の点から、私は、日本銀行法の全面的な改正の必要性を認め、むしろ遅きに失したと考えるものでありますが、今回の法案が時代の要請に合ったものになっているか、幾つかの点についてお尋ねいたします。
まず、中央銀行のあり方については、歴史的経験に深く学ぶ必要があります。この点、最も深刻な教訓を残したのは、言うまでもなくバブル期の経済運営の失敗です。日本銀行は、一九八五年九月のプラザ合意で意図的につくり出された円高に伴う不況対策として、八六年に四回も連続的に公定歩合を引き下げました。さらに、八七年二月にも〇・五%引き下げ、当時としては史上最低の年二・五%という超低金利を実現し、その後二年三カ月の長期にわたってこれを持続しました。
結局のところ、八六年から八九年における日本政府の経済運営は、財政面で財政再建を堅持する一方で、ひたすら日銀に低金利を強要し続けることになりました。財政当局が為替政策上の要請に金融政策と中央銀行を従属させた結果、すさまじい資産インフレを招いたわけであります。
私は、現時点において、当時の政府の経済政策の誤りを認め、さらに、中央銀行の独立性がいかに重要であるかという点に対する認識が不足していたことを率直に認めるべきだと考えますが、総理大臣のお考えを伺います。
次に、今回の改正案における日銀の独立性に関する基本的な考え方について伺います。
ただいま述べたバブル経済の例でも明らかなように、財政政策と金融政策は時にその利益が相反するものであり、金融政策が財政政策に従属するようだと、金融政策の本来の目的である物価の安定が損なわれるおそれがあります。この点について、中央銀行研究会答申も「インフレ的な経済運営を求める外部からの圧力を排し、物価の安定を達成するためには、中央銀行に独立性を付与する必要がある。」と述べています。
しかるに、法案では「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない。」とされておりまして、「独立性」にかわって「自主性」という言葉が使われております。ここに言う「自主性」とは、答申に言う「独立性」と同じなのか。もし違うとするなら、どのような点において異なる概念なのか。日銀の存在の根幹にかかわる部分ですので、総理大臣にお答えをいただきたいと思います。
私は、今回の日銀法案は現行法と比較して大きな進歩であると評価するものではありますが、なお独立性の付与の点で中途半端であることは否めません。これは、日銀を大蔵省管轄下の認可法人としているために、さまざまな事項について大蔵省の認可にかからしめている点に原因があります。日銀の独立性の確保のために、その法的性格にまで踏み込んだ議論が必要と考えますが、大蔵大臣、いかがでしょうか。
私どもは、日銀の準公的な性格とマーケットの中の銀行という性格を整理し、日銀の独立性を確保するためには、政策委員会を独立行政委員会とし、そのもとに日銀を置くことも有力な案と考えております。この点については、今後の国会審議を通じて論議を深めてまいりたいと思います。
また、仮に法案に示された日銀の基本的性格を前提にするとしても、その独立性の確保のために次の点を修正するべきではないでしょうか。
まず、日銀予算を大蔵省の認可制ではなく届け出制とすること。第二に、政策委員会への政府側出席者は、大蔵大臣、経企庁長官及びそれぞれの政務次官までに限り、大蔵省職員の代理出席を認めないこと。第三に、日銀の国会への報告は大蔵省経由ではなく直接国会に対して行うこと。さらに、これは法案の修正事項とはなりませんが、大蔵大臣による違法行為等の是正措置に関しては、運用面で乱用のないように厳に戒めること。以上の諸点について、大蔵大臣のお考えを伺います。
今回の日銀法の改正は我が国の金融システムの改革の一環をなすものでありますが、ただいま現在、金融システム不安は深刻になっています。先日も、日債銀の救済措置と拓銀、北海道銀行の合併計画の発表がありました。こうした金融機関対策が不透明で場当たり的なものであれば、日銀法の改正がなされても、その運用に対する信認を深めることはできません。
その点、今回の日債銀救済措置においては、新金融安定化資金の活用という形で実質的に日銀資金が投入されていながら、これが大蔵省の検査を終えずに行われており、また日債銀の現状について国民に十分な説明がなされておりません。これは、日銀法案で標榜されている透明性の確保に反するものであります。また、日銀資金のたび重なる投入は、管理通貨の信頼基盤である中央銀行の財務内容を悪化させるおそれがあります。
政府は次の諸点を明らかにするべきと考えますが、大蔵大臣、お答えをお願いいたします。
まず第一に、日債銀の経営実態がどうなっているのか。債務超過ではないのか。第二に、日債銀
をつぶせば金融システムの安定を損なうことになるのか。預金と金融債を保護すればよいのであって、経営の保護と預金等の保護は別ではないのか。そして第三に、債務超過でないとすれば、金融三法で対処すべきケースではないので、このような場合の救済策はどのようなルール及び仕組みで実施するのか。以上の点について、お答えをお願いいたします。
これまで日銀のあり方についてお尋ねしてまいりましたが、ここで視野を少し広げて、今回の日銀法改正は、大蔵省金融行政の改正とあわせて、金融システム全体の問題としてとらえなければなりません。政府案は次のような点に問題があると考えますが、総理大臣のお考えを伺います。
第一に、金融監督庁は、金融行政に関する企画立案部門を大蔵省に残し、地方の金融機関の検査監督は大蔵省の地方財務局に委任するなど、大蔵省の実質的なコントロールのもとにあり、単なる機構いじり、もっと言えば大蔵省の焼け太りになっているのではないでしょうか。
第二に、金融行政の中身を、密室で行われる不透明で裁量性の高い業者行政、いわゆる護送船団方式から、市場ルールに基づく事後チェック方式に改めるべきですが、そのような改革が見えてきておりません。この点についてはいかがでしょうか。
第三に、信用秩序維持に関する危機管理の当事者が、大蔵省、日銀に金融監督庁を加えて三者になることで、対応が複雑になるとともに、責任の所在が不明確になり、行革の趣旨にも反するのではないでしょうか。また、民間金融機関の間には、金融当局が三つになることで対応が煩わしくなる、どう対応したらよいかわからないというような不安の声があります。政府は、このような声をどのように受けとめているのでしょうか。
以上の点から、私どもは、金融行政の改革においで金融監督庁は不要であると考えます。決済システム維持のための日常的な検査監督業務を日銀に実施させ、信用秩序維持のための危機管理と一体化することで、日銀と大蔵省による効率的で責任ある信用秩序維持の仕組みを構築すべきであります。この点についても、今後の国会審議を通じて議論を深めてまいりたいと考えます。
以上、日銀法案について意見を述べさせていただきました。昭和十七年以来の国の仕組みの大きな変革にかかわる案件でありますので、総理大臣及び大蔵大臣の真率な御答弁をお願いして、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/25
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026・橋本龍太郎
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 北脇議員にお答えを申し上げます。
まず、バブル経済当時の政策についての御意見がありました。
当時の地価や株価が、後から振り返ってみますと、まさに経済的な合理性を欠いたレベルにまで高騰していたと考えられますし、その後、マーケットの中で、ある時点の急激な価格低下というものが生ずることも必然的な市場の動きであったようにも思えます。このような極めて大規模かつ急激な資産価格の上昇というものは、戦後初めて経験した事態でありました。そして、一般にも当時がいわゆるバブルであるとは認識されておらず、政府としても的確に見通すことができなかった面があったことは否定できません。しかし、政府として、中央銀行の独立性への配慮を行わなかったということではないと思います。
いずれにしても、今後、バブルの教訓を肝に銘じながら、再びバブルを発生させないよう適切な経済運営に努めてまいるつもりであります。
次に、日銀の金融政策の独立性と自主性、これは同じなのかというお尋ねがありました。
日本銀行法案におきましては、広範な業務命令権の廃止などを通じて、中央銀行研究会報告で指摘をされました、日本銀行の金融政策の独立性の確保を図っております。なお、この報告書は、我が国の政治制度のもとにおいては、「日本銀行は国会や内閣から完全に独立した存在ではありえない。」と指摘しているところでありまして、こうした日本銀行の金融政策の独立性の性格を踏まえた上で、日本銀行法案においては「自主性」との文言を用いていると承知しています。
次に、金融監督庁についてのお尋ねがありました。
今般の改革は、民間金融機関などに対する検査監督という執行面の機能を総理府設置の金融監督庁が担い、企画立案という政策面の機能を大蔵省が分担することが、市場規律を基軸とした透明かつ公正な金融行政への転換に資するという趣旨によって実施するものでございます。こうした基本的な考え方に基づいて、明確に機能分担を行うとともに、両者が適切な連携を図ることによって、透明かつ公正な金融行政が実施できる、そのように考えております。
次に、護送船団方式から市場ルールに基づく事後チェック方式に改めるべきという御指摘がありました。
これまでの金融行政に対する種々の御批判を真摯に受けとめながら、そのあり方を抜本的に見直して、自己責任原則の徹底と市場規律の十分な発揮を基軸とする透明性の高い行政を行っていくことが重要だと考えています。こうした観点に立ちまして、情報開示の促進や早期是正措置などルールの明確化の必要な措置を講じつつあります。自由かつ透明で信頼できる市場を構築していくために一層努力していきたいと思います。
次に、信用秩序維持に関する危機管理についてのお尋ねがありました。
金融監督庁、大蔵省及び日銀は、それぞれの目的のもとに明確な役割を担っておりまして、また、法令により各機関の関係が定められますとともに、各機関ごとの連携が確保されることによりまして、破綻処理などにおいても的確な対応が図られると考えています。したがって、責任の所在が不明確になり、行政改革の趣旨に反するという御批判は当たらないと考えています。
次に、民間金融機関の中に、金融当局が三つになることで対応が煩わしくなるのではという御意見がありました。
今回の金融行政機構改革では、民間金融機関などに対する検査その他の監督権限は、破綻処理に関する権限を含めて、すべて大蔵省から金融監督庁の権限に移すことになっており、御指摘のような問題は生じないと思っております。
残余の質問については、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣三塚博君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/26
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027・三塚博
○国務大臣(三塚博君) 北脇議員にお答えを申し上げます。
日本銀行の法的性格についての御質問でありますが、中央銀行研究会及び金融制度調査会における議論の結果、「日本銀行が銀行業務を業務の中心とすること、また、金融政策の独立性を確保する上で支障がないということからも、認可法人とする現在の法的位置づけで問題はない」とされたところでございまして、日本銀行法案におきましては、こうした考え方を踏まえながら、現在の法的位置づけを維持したところであります。
法案を修正すべきとの御指摘でございますが、修正が必要とは考えておりません。以下、その理由を申し上げます。
まず、日銀の経費予算については、国民の財産である通貨発行益の処分である日本銀行の経費支出の適正を担保するためには、大蔵省への届け出のみでは、不適切な支出があった場合に的確に是正することができないなどの問題があるものと考えます。
政策委員会へ政府から出席する職員については、大蔵大臣または経済企画庁長官が、その時々の状況に応じて適切と判断する者を指名して出席させることが適当であると考えます。
日銀の業務報告書を国会へ直接提出すべきとの御指摘につきましては、国会に対する報告制度を設ける場合には、内閣の構成員である主務大臣を経由することとすることが適当であると考えております。なお、違法行為等の是正に関する運用については、法案に基づく適正な運用に努める所存でございます。
日債銀の財務の状況についてのお尋ねでありますが、同行は、今回再建策を策定するに当たりまして、改めて監査法人とも十分に協議しつつ自己査定を行っておりまして、大蔵省としては、その結果の報告を受けるとともに、査定の考え方及びその内容について十分にチェックをいたしたところであります。これにより、大蔵省としては、同行が債務超過状態でないことを確認しております。
次に、金融システムの関係についてのお尋ねでありますが、日債銀については、その規模、業務内容から見まして、破綻が生じた場合には、内外の金融システムの安定を損なうと考えた次第であります。同行の再建策を支援するのは、このような観点からでございまして、経営の保護を目的としたものではございません。なお、支援に当たって、経営責任の明確化や徹底したリストラが前提となりますことは当然であります。
救済策のルールについてのお尋ねであります。
仮に金融機関が経営困難に陥った場合にどのような対応をとるかについでは、金融システムの安定性が損なわれないよう対処するという基本的考え方のもとで、当該銀行の置かれた状況を総合的に勘案いたしまして対応していかざるを得ないものでございまして、一概に申し上げられないものと理解をいただきたいと存じます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/27
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028・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) これにて質疑は終了いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114005254X02719970417/28
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029・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
午後三時二十分散会
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