1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成九年十二月九日(火曜日)
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議事日程 第十一号
平成九年十二月九日
午後一時開議
第一 介護保険法案(第百三十九回国会、内閣
提出)(参議院送付)
第二 介護保険法施行法案(第百三十九回国
会、内閣提出)(参議院送付)
第三 医療法の一部を改正する法律案(第百三
十九回国会、内閣提出)(参議院送付)
第四 預金保険法の一部を改正する法律案(内
閣提出)
第五 農水産業協同組合貯金保険法の一部を改
正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
日程第一 介護保険法案(第百三十九回国会、
内閣提出)(参議院送付)
日程第二 介護保険法施行法案(第百三十九回
国会、内閣提出)(参議院送付)
日程第三 医療法の一部を改正する法律案(第
百三十九回国会、内閣提出)(参議院送付)
日程第四 預金保険法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
日程第五 農水産業協同組合貯金保険法の一部
を改正する法律案(内閣提出)
午後八時三十七分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/0
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001・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
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日程第一 介護保険法案(第百三十九回国会、内閣提出)(参議院送付)
日程第二 介護保険法施行法案(第百三十九回国会、内閣提出)(参議院送付)
日程第三 医療法の一部を改正する法律案(第百三十九回国会、内閣提出)(参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/1
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002・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、介護保険法案、日程第二、介護保険法施行法案、日程第三、医療法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
委員長の報告を求めます。厚生委員長金子一義君。
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介護保険法案及び同報告書
介護保険法施行法案及び同報告書
医療法の一部を改正する法律案及び同報告書
〔本号(二)に掲載〕
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〔金子一義君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/2
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003・金子一義
○金子一義君 ただいま議題となりました三法案について、厚生委員会における審査の経過及び結果を報告いたします。
三法案は、参議院において継続審議となっていたものでありますが、今国会に至り、参議院において、介護保険法及び介護保険法施行法案は修正の上議決され、医療法の一部を改正する法律案は可決の上、去る十二月三日本院に送付され、翌四日本委員会に付託されたものであります。
介護保険法案の参議院における修正の内容は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう国が講ずべき必要な各般の措置として、保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策を明記することとしたものであります。
本委員会においては、十二月五日、三法案のうち介護保険法及び介護保険法施行法案について、参議院における修正部分について趣旨説明を聴取し、質疑、討論の後、採決の結果、介護保険法及び介護保険法施行法案は多数をもって、また医療法の一部を改正する法律案は全会一致をもって参議院送付案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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004・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 三案中、日程第一及び第二につき討論の通告があります。これを許します。児玉健次君。
〔児玉健次君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/4
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005・児玉健次
○児玉健次君 私は、日本共産党を代表し、介護保険法案及び同施行法案について、反対の討論を行います。(拍手)
年間八万人もの女性が介護のために仕事をやめざるを得ない現実や、介護による家庭の破壊など、介護地獄と言われる事態は切実かつ深刻なものとなっております。必要なときにだれもが安心して介護を受けられる制度の確立は、差し迫った国民的課題であります。
ところが、政府提出の介護保険法案は、国民の
期待にこたえるものとなっておりません。全国八十七市の市長が、介護保険法案が現行のまま施行された場合には地域に混乱と不信をもたらすと本法案の抜本的な改革を求めたように、国民の間から重大な懸念や深刻な不安の声が表明されています。この声を無視することはできません。
本法案に反対する第一の理由は、介護の基盤整備についての国の責任が明確にされておらず、保険あって介護なしとなることが明らかだからであります。
そのことが最も集中的に示されているのが、特別養護老人ホームの整備の立ちおくれであります。私たちが調査したところ、特別養護老人ホームの全国における入所待機者数は、本年八、九月で九万八千三百十七名となっており、この一年間で二万一千六百六十七名もふえています。特養ホーム設置目標は二十九万人、これを一〇〇%達成したとしても、二〇〇〇年三月末で待機者が四万人を上回る深刻な事態となることは必至であります。
現在、全国で八つの県が老人保健福祉計画の当初の目標値を超えて特養ホームの整備を進めています。これは、住民に責任を負う自治体として当然のことであり、国もこの態度に学び、実情に合わなくなった新ゴールドプランを見直す措置が緊急に求められています。にもかかわらず、政府はそれを実施しようとはしておりません。
在宅介護の中心であるホームヘルパーも、非常勤や登録ヘルパーの急増などで、切実な介護にこたえるにはほど遠い状況です。
しかも、重要なことは、財政構造改革法によって社会保障関係費の大幅削減が図られていることです。これでは、公的介護の基盤整備が一層困難になり、保険あって介護なしの状態が広がるだけです。
反対理由の第二は、介護保険の導入で、国の負担を三千七百億円、市町村負担を千六百億円削減する一方で、国民には大幅な負担増を求める内容になっていることです。
多くの高齢者、低所得者にとって、月額平均二千五百円の保険料負担と介護給付を受ける都度の利用料が、二重の経済的な壁となります。最も介護を必要とする高齢者や低所得者がそのサービスを受けられなくなる制度では、だれのための介護保険かが問われます。
重要なことは、財政構造改革法が国民に強要しようとしている医療、年金、社会保障全般にわたる削減計画がこの困難に拍車をかけることです。高齢者医療保険制度での患者負担の定率化、月額五千円とされる医療保険料、年金給付の削減、年金支給開始年齢の引き上げ等、高齢者に的を絞った医療、社会保障の改悪は枚挙にいとまがありません。
反対理由の第三は、要介護認定の問題です。
介護を必要とする実態に応じて適切な判断がされるのか、国民の間に大きな不安が広がっています。そもそも市町村における人材の育成が間に合わず、モデル事業の結果でも、介護認定の一次判定と二次判定に大きなずれが生じ、判断の基準も定まっておりません。これでは、公平で適切な認定が保障されないばかりか、保険給付に大きな格差が生まれ、地域社会に無用の不信と混乱を招きかねません。
以上が反対の主な理由です。
国民はもとより、本事業の実施主体である自治体関係者からも合意を得られず、審議を通じて法案の根幹にかかわる問題点が明らかになった以上、本法案は廃案とし、抜本的につくり直すことを強く要求するものであります。
山一証券や北海道拓殖銀行に見られる金融不安により、日本経済の先行きの不透明さが深刻になる中で、高齢者の不安は大きくなるばかりです。
日本共産党は、国の責任で必要な基盤整備を行うこと、高齢者、低所得者からは保険料を徴収せず、利用料を廃止する、在宅介護手当を設け、介護を必要とするすべての人を給付の対象とすることを中心とした、保険制度と措置制度の組み合わせによる公的介護制度を提案しています。
国と自治体の社会保障費二十兆円、公共事業費五十兆円という欧米諸国に例のないゆがんだ財政構造を改めることで、社会保障を充実させる財源を生み出すことは完全に可能であります。
人としての尊厳が守られ、すべての国民に必要な介護サービスが保障される公的介護制度を実現するために、日本共産党は引き続き全力を尽くす決意を表明して、反対の討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/5
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006・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。
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007・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
まず、日程第一及び第二の両案を一括して採決いたします。
両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/7
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008・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
次に、日程第三につき採決いたします。
本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/8
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009・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第四 預金保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/9
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010・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第四、預金保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
委員長の報告を求めます。大蔵委員長村上誠一郎君。
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預金保険法の一部を改正する法律案及び同報告書
〔本号(二)に掲載〕
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〔村上誠一郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/10
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011・村上誠一郎
○村上誠一郎君 ただいま議題となりました預金保険法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、最近における我が国の金融環境の変化に対応して、金融システム改革の制度的な環境整
備として、預金保険機構が行う資金援助の多様化を図る等の措置を講ずるものであり、以下、その概要を申し上げます。
第一に、現行法で預金保険機構の資金援助の対象とされている健全な存続金融機関による吸収合併、営業譲り受け及び株式取得に加え、健全な金融機関と破綻金融機関の新設合併についても新たに資金援助が可能となるよう、所要の措置を講ずることにしております。
第二に、平成十二年度末までの時限的措置として、二つ以上の破綻金融機関の新設合併に対し、金融機関の経営規律の低下を防止する観点から、一定の制度的歯どめを設けた上で預金保険機構の資金援助が可能となるよう、所要の措置を講ずることにしております。
本案は、去る十二月二日三塚大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、去る五日質疑を終局いたしました。次いで採決いたしましたところ、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。長い間御迷惑をかけました。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/11
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012・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。佐々木憲昭君。
〔佐々木憲昭君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/12
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013・佐々木憲昭
○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、預金保険法一部改正案に反対する討論を行います。(拍手)
まず初めに、本日の本会議が、各党の意見を十分に踏まえ、円満な運営に努めてまいりますとの議運委員長の約束を踏みにじって開催されたことに強く抗議するものであります。
本法案の大蔵委員会の採決は、与野党の合意のないままに、委員長職権によって行われたものであります。しかも、それは、一度目の強行採決が速記者不在のために無効であったため、強行採決のやり直しをするという前代未聞の暴挙であります。与党自民党には、この不正常な採決強行による混乱を収拾する責任があるにもかかわらず、本日、このような形で本会議を強行したことは、暴挙の上に暴挙を重ね、議会制民主主義を踏みにじるものであります。
そのことを明確にした上で、以下、反対する理由を述べます。
反対する第一の理由は、本法案が預金保険機構の資金援助の手法を拡大し、健全な金融機関と経営困難な金融機関が合併して新銀行をつくる場合や、経営困難な銀行同士が合併して新銀行をつくる場合に、預金保険機構がその不良債権を買い取れるようにしようということにあります。これは、これまで進められてきた預金保険機構の変質を一層進めるものであり、到底認められるものではありません。
昨年春の預金保険法改悪は、金融機関の破綻処理への預金保険機構の資金援助額を事実上青天井とし、あわせて不良債権の直接買い取りを可能としました。このことが、破綻金融機関の乱脈経営に関与した大手都市銀行など関係金融機関の負担責任を免罪し、預金保険機構によるその肩がわりをもたらし、預金保険機構並びに整理回収銀行を不良債権の廃棄物処理場としたことは今や明白であります。
今回の法案はいまだ成立をしていないにもかかわらず、福徳銀行となにわ銀行の合併に適用されると報道され、両行の頭取もそれを認めておりますが、既に公表されている両行の合併計画によれば、二、三年のうちに不良債権の処理を完了すると述べています。自分たちで処理できるのであれば、預金保険機構が不良債権を買い取ってやる必要はさらさらないのであります。これは、改正案の目的が預金者保護どころか銀行救済だということを明確に示すものであります。
反対する第二の理由は、法案が特定合併への資金援助の要件としてリストラ実施計画の大蔵大臣承認を明示していることであります。これは、首切り合理化や労働条件の切り下げを政府が法律で強要するものであり、極めて重大であります。
金融業界では、既に急速なリストラ、人減らしが進行しており、山一証券や北海道拓殖銀行の破綻など一連の金融破綻のもとで、労働者の雇用不安が広がっています。労働者の雇用確保に全力を挙げるべき政府が、雇用不安に一層の拍車をかける労働者首切り法とも言うべき法案を強行するのは、まさに本末転倒であります。
反対する第三の理由は、本法案により資金援助の対象を拡大することによって、昨年の法改悪以降、収支の悪化が急速に進み、責任準備金が枯渇するに至った預金保険機構の財政に一層大きな穴をあけることになるからであります。既に信用組合特別勘定には税金投入の仕組みがつくられており、収支の悪化は税金投入の可能性を拡大するものであります。
預金保険機構の現状を見れば、そこへの公的資金投入は、預金者保護どころか国民の税金による不良債権の処理、すなわち金融業界救済になることは明白であります。
今日の金融機関の破綻は、バブル時代の不動産投機など乱脈経営の結果であり、その責任は金融機関自身にあります。国民には何の責任もありません。不良債権の処理、破綻金融機関の処理は、何よりも破綻金融機関の経営者、そして破綻に関与した関係金融機関の責任の明確化と、それに応じた負担、さらには金融業界全体の責任で行うべきであり、そのことを破綻処理のルールとして確立すべきであります。
このことは、不十分ながらも、これまで我が国の金融界の中で当然のこととして行われてきたものでありました。そのルールが昨年の住専処理への税金投入などで崩されてきたのであります。今必要なのは、ルール崩しを拡大することではありません。預金保険機構のルールなき資金援助を正すこと、そのことこそ必要なのであります。
今、預金保険機構を利用した一般金融機関への新たな公的資金投入が検討されています。我が党は、何の責任もない国民への負担押しつけには断固反対であります。
これまでの国会答弁でも、政府は、不良債権の処理が進み、現状は改善していると強調し、銀行業界も、全体としては不良債権の償却が終わりに近づいていることを認めています。金融機関には全体として責任を果たす体力は十分にあり、預金保険機構がその肩がわりをしてやる必要は全くありません。これは、結局のところ、大銀行に対して国際的な金融競争で戦える体力をつけてやろうというものであり、金融ビッグバン、金融再編を大蔵省の主導で推し進め、預金保険機構をそのための道具として使うものであると言わざるを得ないのであります。
以上のように、この法案は金融業界救済法案以外の何物でもありません。本法案は廃案にすべきであることを最後に強調し、日本共産党を代表しての反対討論とします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/13
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014・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 村田吉隆君。
〔村田吉隆君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/14
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015・村田吉隆
○村田吉隆君 私は、自由民主党、社会民主党・市民連合及び新党さきがけを代表いたしまして、ただいま議題となっております預金保険法の一部を改正する法律案について、賛成の討論を行うものであります。(拍手)
現在、国民の最大の関心事の一つは金融システムの安定であり、金融をめぐる不安感の払拭が喫緊の課題となっております。金融システムは経済の根幹であり、我々与党としては、その安定確保のためにあらゆる手段をとる必要があるとかたく決意しているところであります。
しかるに、現行の預金保険法によるスキームでは、債務超過に陥ってはいないものの、多額の不良債権を抱え、資金繰りが逼迫している金融機関を適切に処理する方策がないものと思われます。
今般の改正案は、このような金融機関について破綻処理の手法を追加するものであり、次のような利点を有するものであります。
まず第一に、本改正案は、信用不安の連鎖的波及の未然防止に資するものであります。
仮にこの法案がなければ、現在の不安定な金融環境の中で、個別金融機関の経営に対する信認が失われ、信用不安の連鎖的波及が発生するおそれなしとしません。今回の改正案により、合併後の新銀行は預金やインターバンク取引を引き継ぐこととなり、預金者やマーケットの信頼がつなぎとめられる結果、信用不安の連鎖的波及を未然に防ぐことが可能となります。
第二に、本改正案は、中小零細企業対策にも資するものであります。
経営困難な金融機関が救済金融機関を見出せない場合には、債務超過に陥っていき、整理清算型の処理をとらざるを得なくなるものと思われます。この場合、最も影響をこうむるのは健全な取引先、わけても中小零細企業であり、ひいては、地域の雇用や地域経済全体にも深刻な影響を与えかねません。他方、改正案のスキームがあれば、経営の悪化した金融機関の合併により、その金融機能自体は維持され、このような問題を回避できることとなります。
第三に、本改正案は、不良債権の早期処理にも資するものと考えます。
今回の措置は、預金保険機構を活用して、金融機関が債務超過に陥る前に不良債権処理を促進する重要な手法を追加するものであります。これは金融システムに対する不安感の要因ともなっている不良債権問題の処理の一助となることが期待されるところであります。
以上三点について申し上げたとおり、政府提案の預金保険法改正案は、現在我が国金融システムが直面する問題に対し、早期の処理、適切な対応を図るための重要な手段を追加するものであって、まことに時宜を得たものであります。したがって、本法案は、今国会において早期に成立することがぜひとも必要であると考えております。
なお、破綻金融機関の処理を考えるに当たり、金融機関の責任追及をおろそかにせず、今後とも、この問題に正面から取り組んでいくことが極めて重要であることを、この際強調しておきたいと思います。
最後に、預金保険法改正案の成立が、信用不安の連鎖的波及の防止、中小零細企業対策、金融機関の不良債権の早期処理に大きく寄与することを改めて強く期待申し上げ、賛成の討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/15
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016・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/16
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017・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/17
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018・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第五 農水産業協同組合貯金保険法の一
部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/18
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019・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第五、農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
委員長の報告を求めます。農林水産委員長北村直人君。
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農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する
法律案及び同報告書
〔本号(二)に掲載〕
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〔北村直人君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/19
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020・北村直人
○北村直人君 ただいま議題となりました農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、最近における我が国の金融を取り巻く状況に対応して、貯金者等の保護とあわせて信用秩序の維持に資する環境整備を早急に図るため、農水産業協同組合貯金保険制度を改善しようとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。
第一に、農水産業協同組合貯金保険機構が行う資金援助の対象として、従来の合併等に加えて、救済を行う組合と経営困難な組合との新設合併を追加することとしております。
第二に、平成十三年三月末までの時限的な措置として、経営困難な組合同士による新設合併について、都道府県知事のあっせん、都道府県知事による経営体制の整備等に関する実施計画の承認を経て、農水産業協同組合貯金保険機構が資金援助を行うことができることとしております。
本案は、去る十一月十三日、本会議において政府の趣旨説明及びこれに対する質疑が行われ、本委員会に付託されました。
委員会におきましては、同日島村農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、同月二十六日質疑を行いました。十二月五日質疑を終局し、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/20
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021・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/21
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022・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/22
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023・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
午後九時十一分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X01819971209/23
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