1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成九年十二月十一日(木曜日)
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平成九年十二月十一日
午後一時 本会議
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○本日の会議に付した案件
橋本内閣不信任決議案(小沢一郎君外四名提出
)
国会法等の一部を改正する法律案(議院運営委
員長提出)
衆議院規則の一部を改正する規則案(議院運営
委員長提出)
国会法の一部を改正する法律案(参議院提出)
午後一時三十三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/0
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001・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/1
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002・田野瀬良太郎
○田野瀬良太郎君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
小沢一郎君外四名提出、橋本内閣不信任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/2
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003・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 田野瀬良太郎君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/3
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004・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。
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橋本内閣不信任決議案(小沢一郎君外四名提
出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/4
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005・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 橋本内閣不信任決議案を議題といたします。
提出者の趣旨弁明を許します。小沢一郎君。
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橋本内閣不信任決議案
〔本号末尾に掲載〕
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〔小沢一郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/5
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006・小沢一郎
○小沢一郎君 私は、新進党を代表して、ただいま議題となりました橋本内閣に対する不信任決議案について、提案の趣旨を御説明いたします。
まず、決議案の案文を朗読いたします。
本院は、橋本内閣を信任せず。
右決議する。
今日、我が国は深刻な経済危機に陥っております。とりわけ金融不安の増大は極めて深刻であります。日産生命、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券そして徳陽シティ銀行などの倒産が相次ぎ、国民の動揺と不安は日増しに高まっております。また、企業の経営を直撃し、とりわけ中小企業に対し、倒産の増大など甚大な影響を与えております。
国民の生活を守ることは政治の基本であり、今日ほど、政治が指導力を発揮し、国民の動揺、不安を取り除くことが必要なときはありません。日本経済を支える中小企業の経営の安定に万全を期さなければなりません。
政治が今果たすべきは、国民に我が国の現状を的確に説明し、国が進むべき方向を明示し、政府としてとるべき具体策を明らかにすることであります。それが政治の最高責任者としての総理大臣の責任であり、総理の決断が求められております。
しかしながら、橋本総理には、以下に述べる理由から、総理大臣としての資質もリーダーシップも欠いていると断じざるを得ないのであります。国家国民の将来にとってまことに不幸な事態であり、橋本内閣は一日も早く退陣すべきであります。(拍手)
以下、その理由を申し述べます。
不信任の第一にして最大の理由は、今日の経済危機を招いたのは、橋本内閣の経済、財政、金融政策そのものであり、内閣退陣こそ経済危機克服の唯一の道であるということであります。
その一つは、橋本内閣の金融行政における致命的な失政、特に不良債権問題に対する誤りであります。
橋本連立内閣は、昨年の住専予算で、密室処理によって国民の税金を使って住専の破綻処理を行い、九割を超える国民の怒りを招きました。そして、その延長線上のままに、バブル経済の破綻処理や不良債権問題に対処し、その後も失敗を続けております。それは、三洋証券の廃業や北海道拓殖銀行の経営破綻などにまさに象徴的で、不良債権問題を一層泥沼化させております。
橋本内閣は、従来一貫して、不良債権の処理は順調に進んでいる、銀行等がつぶれることはないし、つぶさない、銀行等の処理に公的資金を使うことはないとしてきました。しかし、我々が懸念したとおり、金融不安が拡大した結果、ついには、従来の主張にまるで知らぬ顔でほおかぶりをしたままに、公的資金の議論を始めました。
その検討自体は、むしろ遅過ぎる対応と言わざるを得ません。しかし、それよりもまず、そうした措置をとる前に、みずからの不明、従来の見解、態度の誤りを国民の前で率直にわび、その後にかかる対策に果敢に取り組むべきであります。それこそが国民から信をおかれるべき政府の当然とるべき態度であります。国民を裏切り、平気で前言を翻して恥じない橋本内閣の態度は、政治不信を招く元凶だと言わざるを得ません。(拍手)
昨年の住専国会で、我々新進党は、ノンバンクの一つにすぎず、預金者のいない住専の不良債権処理には税金を使うべきではない、通常の法的手続で処理すべきであって、その結果として銀行等が破綻するのなら、それはむしろ本来つぶすべきである。経営者のまた責任も当然きちんととってもらう。ただし、断じて預金者だけは守る、そのためには公的資金の導入もやむを得ない、そのようなセーフティーネットをつくるべきだと強く申し上げてきました。
現に、我々は、日本版RTCの具体案を提案いたしました。ところが、政府は、我々のこの主張を全く聞き入れず、預金者のいない住専処理に六千八百五十億円もの巨額の税金を投入し、一方、信用組合の破綻の場合だけは税金投入の対象とし、他の銀行等は放置したままにいたしました。
こうしたこそくな、中途半端な対策しかとらず、金融業をめぐる条件、環境を全く整備しない一方で、金融ビッグバンを急ぎ、金融機関の早期是正措置の導入や為替管理の完全自由化を推進しようとしています。その結果、金融機関の不良債権処理を泥沼化させ、金融不安を助長して、いまだに異常な超低金利を続けざるを得ないでおります。しかも、その結果、金融機関の貸し渋りによって企業経営を一層困難にしております。今後さらに、保険業界、証券界、ゼネコン業界等には、破綻の危機を迎えそうな企業が数多く存在していると言われております。
環境整備をしないままに行うこれらの措置は、信用の収縮を一層招き、金融不安を助長させた結果、金融機関だけでなく産業界全体に経営危機を招いて、経済情勢を悪化させているのであります。我が国経済が立ち直らない一番の原因がここにあります。失政をどこまで続ければ気が済むのか。当事者は怒りを通り越して悲鳴を上げているのが実情であります。
しかも、山一証券だけにとどまらず、証券・金融界には、不正利益提供事件など、国民の目からは信じられないような不祥事が相も変わらず続出しております。その体質は一向に変わりありません。
二つ目は、橋本内閣の無責任、無定見なデフレ強行政策であります。
世界史上初めてと言える異常な超低金利は、既に三年目に入っております。金融機関に対して、史上最大の業務純益を提供するなどの経営支援を行ったにもかかわらず、その他の適切な経済対策は一切講じておりません。このため、いたずらに消費を冷やしただけで、国民の生活設計を狂わせた上に、年金生活者などの生活を不安に陥れております。
さらに、今年度、消費税率引き上げや特別減税の廃止、医療の保険料や自己負担の引き上げなど、空前のデフレ予算を編成して、国民に約九兆円の負担増を強いた上に、公共投資を削減して、せっかく芽生えかけていた景気回復の芽を摘んでしまいました。
しかも、今臨時国会に財政構造改革推進特別措置法案を提出し、二〇〇三年までの間、毎年毎年赤字削減を義務づけた結果、経済の先行き感を一層暗くして、企業の設備投資や国民の消費意欲を一段と萎縮させております。内外からの内需拡大の声に背を向けて、歳出の量的削減を実施すれば景気への影響もなく、財政構造改革も促進すると強弁することは、国民に対するだけでなく、国際社会に対しても重大な背信行為であります。財政構造改革推進法案は、名称とその実体とは全く逆の、まさに財政を破綻させ日本経済を破綻に導く、政策不況だめ押し法案と言わざるを得ません。(拍手)
加えて、我々新進党が二年も前から要求してきた土地流動化や証券活性化策についても、一切握りつぶし、放置してきました。今になってやっと、これら税制の改革に取り組もうとしております。
自社さきがけ連立政権は、村山内閣の成立以来一貫して経済無策を続けております。この政権の枠組みでは、すべての分野において抜本的な構造改革は期待できず、先行き不透明感から経済活動を冷やすだけであると言わざるを得ません。
不信任の第二の理由は、政治倫理軽視の橋本総理の姿勢が、政治を行う上で不可欠な、橋本内閣に対する国民の信頼を失わせてしまったことであります。
橋本総理は、第二次橋本改造内閣の組閣に当たって、当初、佐藤孝行氏を総務庁長官に任命いたしました。総理は、国民の批判を覚悟の上、一度過ちを犯した人は、そのレッテルを一生背負っていなければいけないのか、批判があればあるほど、佐藤氏にはその声を吹き飛ばす活躍をしていただきたいと述べ、まさに開き直って総務庁長官に任命したのであります。
しかし、そのことが国民世論の激しい反発に遭うと、その信念を貫くこともなく、任命権者としての責務を果たすこともなく、責任回避の姿勢に終始しました。政治の最高責任者としては、醜態のきわみであります。
閣僚としての任命のよしあしの判断もできず佐藤孝行氏を任命した判断力の乏しさ、任命後の混乱の中で明らかになった危機に際しての収拾能力のなさ、国民の利益より自民党の党内論理を優先するその姿勢。佐藤孝行氏の任命問題は、橋本総理に国政の最高責任者としての資質、能力がないことを明白にしたのであります。
また、政治倫理を軽視する橋本総理の姿勢は、自民党の悪質な利権政治への対応の面でも明らかであります。
橋本内閣の誕生以後、与党の立場を利用した自民党の党利党略むき出しの政治は、目に余るものがあります。大型プロジェクトの予算は選挙の結果を考えて配分すべきだ、自民党の議員を支援しない業者は指名から外すといった議論が公然と行われ、公共事業の補助金を申請する際は、申請書に小選挙区名を書き込ませるというように、予算や公共事業を利用した政治の私物化はますますエスカレートしております。しかるに、橋本総理は、これを放置し、自民党の利権政治の復活に手をかしているのであります。
さらに、今国会は、石油卸商泉井被告の政治献金疑惑の解明が最大の焦点の一つでありました。橋本総理は、その真相解明に積極的に協力するどころか、泉井氏の証人喚問をおくらせ、疑惑隠しを図ろうとする自民党に対し、総裁として何らの指導力も発揮しなかったのであります。このことも、総理の政治倫理観の欠如を端的に示したものであります。
不信任の第三の理由は、橋本内閣では本当の改革は不可能であり、我が国を立て直すために、速やかな退陣が必要であるということであります。
橋本総理は、行政改革について、火だるまになってもやり抜くと大見えを切りました。また、佐藤孝行氏の任命問題の際には、国民が納得できる行政改革をなし遂げることによって責任を果たしたいと公言されました。しかるに、橋本総理みずからが会長となってまとめた行政改革会議の最終報告は、行政改革の基本を忘れ、単なる機構いじり、看板のかけかえに終始し、理念も哲学もない橋本内閣の行革の実態を白日のもとにさらけ出したものであります。橋本総理の行政改革がいかに国民の期待を裏切ったかは、最近の世論調査が明確に示しております。
橋本内閣に我が国を立て直す改革の断行を求めることは不可能であり、日本再建のためには、唯一、退陣の道しかないと信ずるものであります。(拍手)
不信任の第四の理由は、国の安全保障政策の推進に関する橋本総理の国会軽視の姿勢であります。
政府は、本年九月、米国との間に、新たな日米防衛協力のための指針、いわゆる新ガイドラインを策定いたしました。新ガイドラインは、極東地域から周辺事態へ、また基地提供義務から広範なオペレーションへと、これまでの日米安全保障条約の義務を超えて踏み出すことは明らかであり、日本の安全保障の根幹にかかわる基本方針を変更するものであります。安全保障の根幹にかかわるガイドラインの策定に当たり、政府は、国会をないがしろにし、全くのノーチェックで済まそうとしております。
新進党は新ガイドラインの国会承認を求めておりますが、全く耳をかそうとしておりません。これではガイドラインを国会が認めたのか否かあいまいなままで施策を推進されることになり、このような姿勢は国会軽視も甚だしいと言わなければなりません。
また、本年七月、カンボジア情勢が緊迫した折に、政府は、自衛隊法百条の八の準備行為として、タイのウタパオに自衛隊機を派遣しました
が、法律の規定に基づかずに自衛隊の海外派遣を政府が独断で実施したことは、法治国家としてあるまじき姿勢であります。
国会閉会中のことでもあり、緊急やむを得ぬ事態として百歩譲ってこれを認めたとしても、政府みずから法律の欠陥を認め、自衛隊法の改正案をこの臨時国会に提出することが責任ある姿勢であったはずであります。しかし、政府は一向に改正案を提出する気配を見せませんでした。橋本内閣の国会軽視、すなわち国民軽視の姿勢を断じて認めるわけにはいきません。
不信任の第五の理由は、総理みずから国益に反する行為を行い、全くその責任を自覚していないことであります。
我が党は、橋本総理が厚生大臣などの公職にあったとき、中国北京市の公安局に勤めていた女性と交際していた疑惑を指摘し、総理もその女性との交際を認めました。およそ政府の閣僚と深く接触する人物が、外国の諜報部員もしくはそれと関係のある人物であるかどうかは国家の機密にかかわる問題であり、国益上重大な問題であります。
それは、スパイとの接触が明らかになり、時の首相あるいは大蔵大臣が辞任に追い込まれたイギリスのプロヒューモ事件、西ドイツのブラント首相事件などから明らかであります。
しかるに橋本総理は、衆議院予算委員会やその後の記者会見において、中国の諜報部員であったか調べようがない、そんなの調べようがない、それでわかるようなら諜報部員と言えるかと述べたのであります。これは、総理みずから我が国の国家機構の調査能力のなさを世界に公言し、我が国がスパイ天国であることを認めたことであり、我が国の対外的信頼を総理みずから失墜させたのであります。
この点だけを取り上げても、橋本総理は国政の最高責任者として失格であると断言せざるを得ません。(拍手)
理由の第六は、世界と国民が注視し、今最も重要な金融政策を審議するこの国会において、数の暴力による議会運営を行うという暴挙についてであります。
先般、与党は、大蔵委員会において、質疑が続行中であり、質疑の続行を求める野党委員の要求を一切無視し、突然、質疑打ち切り・採決の動議を提出し、同法案を強行可決いたしました。その際、野党委員が委員長席を取り囲み、抗議したため、慌てて、速記者が着席しないうちに一方的に採決、散会を宣して退席いたしました。しかし、採決無効ということに気がつき、再度、何と十五分後に、再び、新進、民主、太陽の野党委員が欠席のまま採決をやり直すというように、一度ならず二度までも採決を強行するという暴挙をなしたのであります。
しかも、大蔵委員会での採決は無効であり、採決のやり直しを求める我々野党の要求を無視し、本会議を強引に開会し、衆議院の通過を図ったのであります。民主的な手続を踏みにじる数の暴力と言うほかありません。
政府・自民党の中にさえ、法案の出し直し論さえあった欠陥法案を、みずからのメンツにこだわって数の暴力で成立させる、それが橋本内閣の偽らざる姿であります。
以上が橋本内閣不信任の理由であります。
このままでは、やがて日本は滅びてしまいます。私は、我が国と国民の未来をかけて、橋本内閣の速やかな退陣を求めるものであります。皆様の御賛同をお願いし、趣旨弁明を終わります。(拍手)
…………………………………発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/6
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007・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。虎島和夫君。
〔虎島和夫君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/7
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008・虎島和夫
○虎島和夫君 私は、自由民主党、社会民主党・市民連合、新党さきがけを代表して、ただいま議題となりました内閣不信任決議案に対し、断固として反対の討論を行うものであります。(拍手)
激動する今日、橋本内閣は、新しい時代、新しい日本の創造に向けて、内政面では六つの改革に取り組み、さらに、ポスト冷戦期における新発想に基づく外交の展開や沖縄問題解決に全力で当たっております。行政改革では、既にその大もとを決し、経済構造改革、金融システム改革でも、逐次、法制定など具体化し、着実な歩みを進めているところであります。加えるに、直近の変転きわまりない国内外の経済の実態を踏まえ、緊急金融対策、経済対策を講じつつあることは御高承のとおりであります。
外交では、内閣一致結束のもとに首相みずから東奔西走を重ね、我が国外交の基軸である日米関係を安定的に、能動的に推移させるとともに、日中首脳会談、APEC、そして地球温暖化防止京都会議では、議長国首相として多面的かつ高度な各国間調整を行い、けさの報道各紙には、日米欧の思惑が交錯し、妥結は難航するも、橋本首相の貢献には各国好感を持って評価、の見出しが躍っておるのであります。(拍手)
次いで、議定書は先ほど採択されましたが、京都会議の成功は地球規模での人類の明るい未来のための偉大な第一歩であり、終始果敢な指揮と行動をとられた総理を初め関係閣僚各位の労苦を多とするものであります。日本国京都の名は、二十一世紀を通じて世界での指標を提供し続けることを信じて疑わないのであります。
また、第二次橋本内閣発足時に総理がみずからに課した使命、すなわち日ロ関係の改善は、エリツィン・ロシア大統領との会談で、両国関係を質的にも量的にも拡大、発展させ、二十一世紀に向けた積極的な関係をつくる中で、北方領土問題を含め、平和条約の締結へ全力を尽くすことが合意され、国民の皆様から深い感動を持って歓迎されたことは記憶に新しいところであります。
こうした内外にわたる成果は、もとより国民の協力があって初めて実現したのでありますが、総理の政治姿勢として、多様な意見にも謙虚に耳を傾けながら政策構想を練り上げ、果断な決定を下してきたその指導力に負うところが第一であることは申すまでもありません。(拍手)
今、我が国はかつてない困難に直面しておりますが、今こそ我々は、一致協力してこの難局を克服しなければ、日本の未来は危うい。今、苦しみながらも国民とともに後世の歴史の評価にたえ得る改革と前進の国づくりに当たっている自覚を持たなければなりません。
特に、広く国民の共感を得ながら政治を進めるためには、高い倫理性に支えられた政治を基本として事に当たっているところであり、我々は内閣のみにとどまらず、新しい政治家倫理、政党倫理の確立に向け、実効ある与党協議を真剣に続けていることを、この際、御披露申し上げておきます。
政治にはいっときの遅滞も許されません。にもかかわらず、今回野党から乱発される各種不信任案、解任決議案。その一つとしての内閣不信任決議案が、内閣の実績を歪曲し否定する中で、ばり雑言とともに提出されている暴挙は、全く許されないところであります。
急迫する現状に目をふさぎ、党利党略を優先させる野党諸君。国民から負託された審議権を放棄し、国会で審議拒否はしないとかつて公約した諸君も含め、本会議を欠席し、各委員会をボイコットして国会運営を停滞させる無軌道、無責任こそ、国民と国会の名において糾弾されるべきであります。(拍手)
野党諸君、委員会は、あるいは各種国会の会合は整々と開きましょう。そこで、国民に向かって、開かれた場所で、お互いが政策論争を行うべきであります。国会は、野党諸君にも開かれております。そのことは、改めて申し上げるまでもありません。その審議をみずから封じているのが野党の皆さんではありませんか。
国民の幸せを外に置き、党利党略のみの理念なきこの内閣不信任決議案に断固反対し、賢明で勇気ある議員各位の圧倒的多数で本決議案を否決されますよう強く望みまして、討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/8
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009・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 石田幸四郎君。
〔石田幸四郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/9
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010・石田幸四郎
○石田幸四郎君 私は、新進党を代表して、ただいま議題となりました橋本内閣不信任決議案に、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
国家の危急存亡のとき、国政の最高責任者に求められるものは、未来への先見性と的確な判断、高い倫理観、そして最後まで貫く実行力であります。これまでの国政を見る限り、橋本総理の行政知識の豊富さには敬意を表しますが、先見性と判断力、倫理観、実行力には、全く疑問を抱かざるを得ません。
平成八年一月、橋本内閣が村山内閣を引き継いで約二年になろうとしています。その間、橋本内閣は自民、社民、さきがけ三与党体制のもと、六つの改革を掲げてスタートいたしました。しかし、六つの改革とふろしきを広げてはみたものの、実行性は極めて乏しく、やったことといえば、財政再建、行政改革どころか経済破綻ではなかったでしょうか。(拍手)
日産生命、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券、徳陽シティ銀行などの破綻に象徴されるように、今日の我が国の金融不安はまさに頂点に達しようとしています。日本の金融機関の国際評価は次々と低下し、株価の暴落と百三十円台への円安が進行しています。
政府はこの二年間、景気は緩やかに回復している、不良債権の処理は順調に進んでいると誤った認識ばかりを繰り返すだけで、景気刺激策をとるどころか、逆に景気冷却策をとり続けてきました。すなわち消費税の五%への引き上げ、特別減税の打ち切り、医療保険料負担の引き上げなど、総額九兆円に上る国民への負担増がそれであります。私ども新進党の景気回復優先、その後の財政再建という意見は全く無視してきたのであります。
これに加えて政府は、財政構造改革推進法案を国会に提出しました。これは、本年度七兆五千億にも上る赤字国債発行額を来年から六年間で新規赤字国債の発行をゼロにするため、毎年毎年歳出を圧縮させるというものであります。まさに集中治療室に入るべき病人を水おけにつけるような政策をとったのであります。これで経済が悪くならないはずがありません。
金融機関がばたばた倒れ、ついに十二月九日の月例経済報告では、九六年二月から使ってきた「回復」の二字を削除せざるを得なくなったのであります。
今、日本経済はまさに恐慌直前の様相を呈しております。現在の不況はまさしく橋本内閣による政策不況以外の何物でもありません。
当然のことながら、本年度の税収の落ち込みは確実であり、来年度赤字国債の減額目標を断念するとの報道すら行われています。反対意見を無視し、法案成立を強行しておいて、初年度から法案の実行さえおぼつかないというこの一点だけでも、内閣総辞職に値するものであります。(拍手)
そもそも、今日の金融機関破綻の原因は、預金者のいない住専の不良債権処理に六千八百五十億円もの巨額の公的資金を投入する一方、金融機関全体の不良債権の現状にほおかむりし、他の銀行などの再建を放置してきた結果であります。
新進党は、預金者を何としても保護するとの方針に立ち、そのセーフティーネットとして日本版RTCの具体策を提案しました。しかし、政府は、この提案にも全く耳を傾けようとせず、金融機関の不良債権処理を泥沼化させ、金融不安を増大させているのであります。
このような一連の橋本内閣の経済無策と誤った行政の責任はきちんととらなければなりません。
日本の経済政策への不満は世界各国に渦巻いております。このまま橋本内閣が続き、デフレ経済政策が続くならば、国内のみならず、日本が世界恐慌の引き金を引くことになりかねません。バブルの崩壊による経済危機を恐慌状態にまで追い込んだ橋本内閣の責任は極めて重大であり、総辞職に値します。(拍手)
次に指摘しなければならないのは、倫理問題についてであります。
総理の閣僚任免権は、内閣の性格、命運を左右する、総理の重要権限の一つであります。それゆえに、慎重の上にも慎重に、熟慮を重ねて決定すべきであるし、一たん決めた総理の決定もまた極めて重いものであります。
ロッキード事件において、運輸政務次官としてわいろを受け取り、有罪となりながら、その罪を受け入れるどころか、司法批判を繰り返してきた佐藤孝行氏を行革担当の大臣に任命するという、その神経こそが既に総理としての識見に欠けていたと言わざるを得ません。
ところが、総理は、一度誤りを犯した人はそのレッテルを一生背負っていかなければならないのか、批判があればあるほど、その声を吹き飛ばす活躍をしていただきたいと述べ、総務庁長官に任命したのであります。しかし、国民世論の厳しい批判を浴びるや、一転して辞任させざるを得ない結果となり、任命権者としての総理の失態をさらけ出したのであります。
このような橋本内閣の政治倫理の欠如感覚は、その後次々に表面化した倫理問題にも露呈されているのであります。
すなわち、脱税と贈収賄事件で起訴された石油卸商泉井被告から多額のやみ献金を受け取ったとされる政治家に自民党の現職幹部、現職閣僚がいたにもかかわらず、橋本総理は、総理・総裁として、その実態解明と政治倫理の確立には全く指導力を示しておりません。
さらに、住専への公的資金投入の見返りとして、総理を初めとする与党政治家が農協関係団体から受けた献金疑惑についても何の反省もなく、世に李下に冠を正さずと言いますが、この倫理観、道徳観は橋本内閣には全く通用していません。
政治汚職と戦おうとしない内閣は、みずからその資格を喪失していると申し上げざるを得ないのであります。(拍手)
次に、外交・防衛問題でも橋本内閣の政治責任は極めて重大であります。
ペルー大使公邸人質事件においては、人命第一を繰り返すだけで、テロリストに対する断固たる姿勢はみじんもありませんでした。危機管理能力の欠如を世界に露呈したという結果になりました。
また、カンボジア情勢の悪化に際し、何ら法的裏づけのない自衛隊法百条の八の準備行為として、タイに自衛隊機を派遣しました。結果は、完全に時期おくれで、全く役割を果たすことなく帰還せざるを得なかったのであります。この自衛隊の海外派遣は、総理が消極的な外務、防衛当局を押し切って派遣を強行したと言われております。失態を犯した橋本総理の責任は厳しく問われなければなりません。
さらに指摘しなければならないのは、行政改革についてであります。
政治家はみずからの言葉に責任を持たなければ、国民の政治への信頼は喪失します。政治は成り立ちません。総理は、この行政改革を火だるまになってもやり抜くということを国民に宣言されました。ところが、総理自身が会長となり、一年有余の検討を得てようやく出てきた行政改革会議の最終報告は、全く中身のない省庁の看板のかけかえ、単なる機構いじりにすぎません。この行革によって、行政のスリム化、行政経費の削減など、国民にはどんなメリットが与えられるのか、全く見えておらないのであります。何の哲学も方向性も示されておらず、総理のリーダーシップも陰りを見せただけに終わってしまったのではないでしょうか。この報告書の中に、どこに火だるまの跡があるでしょうか、決意があるでしょうか。
そもそも、今日の日本、二十一世紀の日本に求められている行政のあるべき姿は、行政権限をできるだけ縮小し、自由で活力ある社会を実現することであります。そして、これまで中央がすべてをコントロールしてきた仕組みを改革して、地方が主体となって新しい自主性のある地方自治を築くこと、これにあると思います。これは既成の中央省庁の権限を奪うものであって、大きな抵抗があることは、また言うべくして実行が困難であることはつとに指摘されてきたところであります。この困難と戦わずして、何の改革でありましょうか。口先だけで何も責任をとらないこうした橋本内閣に改革の断行を求めることは不可能と申し上げておきたいのであります。(拍手)
最後は、このたびの自民、社民、さきがけの与党三党による預金保険法案についてであります。
与党三党は、衆議院大蔵委員会の審議において、委員長職権で委員会を一方的に開会し、速記者も入れずに採決を強行し、無効と判明するや、新進、民主、太陽の委員に連絡もせず、改めて採決をやり直すという前代未聞、破廉恥きわまりない手法で委員会の強行採決を行いました。さらに、議院運営委員会においてこの無効採決を全く不問にしたまま本会議で強硬に採決を行うなど、まさに議会制民主主義を冒涜する暴挙を行ったのであります。我々は、このような議会制民主主義のルールを無視した横暴な政府・与党の姿勢を断じて容認はできません。
そもそも、今回内閣提出による預金保険法案なるものは、これまで認められてこなかった不良銀行同士の合併に、預金保険機構を通じて国民の血税である公的資金を導入しようというものであります。これは、金融機関の経営責任をあいまいにし、大蔵省の裁量行政を温存するという従来の発想と何ら変わりないばかりか、不況に苦しむ国民の貴重な税金を金融機関に野方図につぎ込むという市場経済の大原則をねじ曲げるものであり、内閣が決めたビッグバンの方針にも逆行する法案であります。一行だけでも経営再建が困難な銀行を不良銀行と合併させてよくなるはずがないではありませんか。このような悪法を強行した与党と法案を提出した橋本内閣の責任はまさに重大で、日本の経済と財政を収拾のつかない泥沼に陥れるものと言わざるを得ません。
以上、私は約二年間にわたる橋本内閣の重大な政治責任を指摘してまいりましたが、どれ一つをとっても不信任に値する重大問題であります。
橋本内閣は即時退陣することを強く要求し、橋本内閣不信任決議案に対する私の討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/10
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011・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 石橋大吉君。
〔石橋大吉君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/11
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012・石橋大吉
○石橋大吉君 私は、民主党を代表して、ただいま提案のありました橋本内閣不信任決議案に対し、賛成の立場から討論を行うものであります。(拍手)
橋本内閣が問われるべき責任は、経済、金融、財政、そして行政改革、政治倫理といった政治、行政に求められている根幹的な施策において大失態を演じ、国民の生活と政治、行政に対する国民の信頼を危機的状況におとしめている点であります。
第一に、今日の危機的状況においてなお無責任体質を温存する金融政策について申し上げます。
三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券、徳陽シティ銀行等の相次ぐ経営破綻、今日の金融不安は、政府の誤った金融政策にその責任があることは明白であります。不良債権が金融機関の致命傷に結びついたのは、バブル崩壊後の日本経済が悪質な債務デフレーションに見舞われることを全く予測できず、また、この期に及んでもなお金く適切な対応をしていない政府、行政の責任であります。民主党が事あるごとに金融機関の不良債権の実態を過小に見積もり過ぎていると指摘したにもかかわらず、不良債権処理は順調に進んでいるとの答弁を繰り返してきた橋本内閣の政治責任は極めて重いものであります。
北海道拓殖銀行の経営破綻は、二十行の大手銀行は一行たりともつぶさないとしてきた政府の公約の破綻であり、大蔵省の護送船団行政自体の破綻を示すものにほかなりません。金融機関経営者の経営責任は言うまでもなく、同時に、なれ合いの検査によって不良債権の実態を押し隠し、利用者よりも金融機関保護を優先してモラルハザードをもたらし、相変わらずのぬるま湯経営を許してきた橋本内閣、大蔵行政は、経営破綻を招いた責任において同罪以上と言って過言ではないのであります。
しかしながら、大蔵大臣は、いざ拓銀が経営破綻すると、国際業務から撤退しているし、金融機能は受け皿銀行に引き継がれるので公約違反ではないと開き直りの発言に終始しております。常にこのような詭弁や意味不明の答弁で乗り切ろうとする監督責任者の無責任な姿勢こそ、我が国の金融システムに対する内外の信頼を損なってきた最大の原因というべきではないでしょうか。(拍手)
その上、政府・与党が国会の手続、民主主義の根幹のルールを踏みにじってまで成立を図ろうとしている預金保険法改正案は、金融機関経営者のモラルハザードをさらに加速するものであり、一層の恣意的な裁量行政を招くおそれが強く、加えて、最近の金融不安の深刻化等の経済情勢を踏ま
えると、預金保険機構の資金不足等の問題に対する抜本的対策を全く欠いております。このような不完全な法案に固執し国会を不正常な状態に陥らせた現状こそ、真摯な議論に基づく的確な対応策づくりを行う当事者能力の欠如を露呈するものにほかなりません。
第二に、本末転倒の財政構造改革について申し上げます。
橋本内閣は、構造改革に値しない財政構造改革法を成立させようとし、消費の急激な冷え込み、株価の大暴落など今日の日本経済の混迷を招いた責任も厳しく問われなければなりません。
橋本内閣が提出した財政構造改革法は、およそ構造改革の名に値するものとは言えず、新聞では、財政構造温存法であるとまでやゆされております。国と地方財政のあり方や公共事業のあり方といった本質的な構造改革には全く触れず、医療、年金、雇用保険等の改革の具体的方向性も示さないままに、予算の抑制だけを法律で先に決めるという今回の法案のやり方は、余りに無責任と言わざるを得ません。
この法律に基づけば、財政構造改革の実効は何ら上がらぬ一方で、景気の足を引っ張る悪影響だけは確実にあらわれること、火を見るよりも明らかであります。
第三に、経済、景気対策の無為無策について申し上げます。
橋本内閣は、長期的な経済財政改革はもとより、短期的な景気対策に対しても全く適切な対応を示すことができずにおります。今、地方の、地域の町々を、そして商店街を歩いてみれば、永田町、霞が関からは想像もできないようなやり場のない憤りがうっせきしております。
そんな中で、やみくもに金融機関救済のための公的資金導入が議論されております。しかしながら、徹底した情報開示と経営者及び監督当局の厳格な責任追及もなく不良銀行を税金で救済することには、国民は大きな怒りを持っております。苦しい生活、経営を耐え忍んでいる庶民、中小零細企業にこそ公的資金の導入、すなわち減税をまず行うべきというのが国民の率直な声であります。
総理を初め閣僚の皆さんには、この年の瀬に、低迷する景気、金融不安にあえぐ町の声は届いていないのでしょうか。もはや橋本内閣に日本の経済政策を託すことは到底できないと言わざるを得ません。(拍手)
第四に、かけ声倒れも甚だしい行政改革のてんまつについて申し上げます。
総理は、みずから火だるまになってもやるという強い決意を示して臨んだ行政改革においても失態を重ねております。臨時国会直前の組閣に当たっては、行政改革の所管大臣にロッキード事件において有罪が確定した佐藤孝行氏を任命するなど、国民の不信と怒りを爆発させるものとなりました。その反省と責任を明確に示さないまま取り組まれた結果も茶番劇に終わり、その過程では、官僚とその代弁者である族議員の結びつきを国民の前に明らかにすることになりました。
総理が座長を務める行政改革会議の最終報告の内容は、この官僚とその代弁者である族議員の連動により、役所の中身をそのままにして単に渡り廊下でつないだだけにとどまっています。このような省庁再編成では国民の御理解を得ることができず、それを行う意味はないと我々は判断せざるを得ません。
総理は、我々が以前から懸念していた官僚と族議員の横暴をとめられず、それ自体不十分な中間報告からさえも後退を招いたこの結果に対し、みずからの指導性の欠如を厳しく問われなければなりません。この改革案を行革だと称することは国民に対する裏切りであり、その責任は重大であります。総理自身、本臨時国会の所信表明で、行革なくして国民の支持はないと言い切っておられますが、まさにその言葉どおり、今や橋本内閣に国民の信はないものと言わざるを得ません。(拍手)
そして第五に、政治、行政の場にある者として、まず取り組むべき倫理の確立について、何らの取り組みも行わない消極姿勢について申し上げます。
政治倫理の点でも、さきに述べた佐藤孝行氏入閣問題を初め、相次ぐ自民党議員の選挙違反事件の有罪判決、泉井氏による閣僚への献金疑惑の一層の高まりなどから、国民から倫理確立を強く求められております。
民主党は、既に、政治家の地位利用利得罪法案提出の準備を整え、また、政治資金収支報告書の保存期間の延長やコピーの解禁といった透明化法案や公務員倫理法案の準備にも取りかかるなど、政治倫理確立への取り組みを進めておりますが、橋本内閣は、何ら積極的な対応を示しておりません。このような橋本内閣の姿勢は、政権に対する国民の不信感を高めるばかりか、政治、行政全体の信頼を損なう結果をもたらしていると言って過言ではなく、その責任は極めて重いものがあります。
今や、橋本内閣が我が国のためにでき得る唯一の選択は、潔く退陣される以外にないと断ぜざるを得ません。
以上を申し上げ、橋本内閣不信任案に対する賛成の討論とするとともに、改めまして、各党各議員の御賛同を呼びかけるものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/12
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013・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 松本善明君。
〔松本善明君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/13
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014・松本善明
○松本善明君 私は、日本共産党を代表して、橋本内閣不信任決議案に賛成の討論を行うものであります。(拍手)
今、国民の中では、橋本内閣に対する失望と抗議の声が満ち満ちて、内閣支持率は日に日に下落をしております。本院では、銀行業界救済のための預金保険法改悪案の採決が、前代未聞の暴挙に暴挙を重ねる事態で行われました。これは、国民に背を向けた悪法の成立のために、議会制民主主義の原則を破壊して省みない橋本内閣の方針の実行のためであり、同時に、橋本内閣の追い詰められた姿をみずから暴露したものにほかなりません。(拍手)
橋本内閣を信任しない第一の理由は、消費税増税、医療改悪など、九兆円という未曾有の負担増を強行し、国民を耐えがたい生活苦に追い込んで、決定的な景気の悪化をもたらしたことであります。
この負担増は、サラリーマン一人当たり月額一万六千円以上になります。これが個人消費を冷え込ませ、現在の景気悪化をもたらした原因だということは、内外のマスコミがこぞって指摘しているところであります。手術しろとか入院しろと言われているが、お金が心配でできない、こういっ
た切実な声が私たちのところに無数に届いているのであります。
我が党は、九七年度予算審議で、史上空前の九兆円負担増を強行すれば、底冷えの日本経済に個人消費の冷え込みが加わり、国民経済を底割れさせてしまうと警告し続けてまいりましたが、それが現実の問題となったのであります。
その上、追い打ちをかけるように、今回の医療費の負担増をさらに上回る医療費の負担増を三年連続で行うことを初め、年金などの社会保障、教育、中小企業、農業、地方財政など、国民生活関連予算を集中的に削減するという財政構造改革法を強行成立させました。政府の赤字国債をなくす計画の中には、消費税の再値上げも見え隠れしているのであります。さらに、罰則つきで保険料を納入させる、文字どおり保険あって介護なしの介護保険法の成立も強行いたしました。
これでは国民が政治に期待も展望も持てなくなり、個人消費は氷河のように冷え込みます。政治不況と言われ、橋本内閣の退陣こそが最大の景気対策だと言われるわけであります。(拍手)
これは、銀行の貸し渋り、資金回収で資金繰りに苦しむ中小企業、大型店の無軌道な進出で苦しむ商店街、米価の暴落で途方に暮れている農民にとってとりわけ深刻であります。しかも一方で、ゼネコン向けの公共事業費や軍事費にはメスを入れないのでありますから、国民の怒りが膨れ上がるのは当然のことであります。
それに加えて金融不安です。三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券と、金融・証券の大型倒産が相次ぎ、国民の金融と雇用に対する不安が頂点に達しております。ところが、金融システムを守るためと称して、公的資金投入の大合唱であります。金融破綻に国民は何の責任もありません。企業グループ、関係業界の責任で解決せずに、国民の税金を投入して金融機関の救済を行うなど断じて許すことができません。悪政の連続は、もはや国民の我慢の限界をとっくに超えておるのであります。
その上、今慌てて政策の急転換をして、金融機関救済に十兆円の新型国債の発行を検討しているということであります。これが赤字国債であり、結局は国民の負担増になることは明白であります。もはや政権担当能力は完全になくなったと言っても決して過言ではありません。橋本内閣がみずからの経済失政と金融不安をもたらした責任を認めて、国民に謝罪し、退陣することが日本経済を立ち直らせる第一歩になるのであります。(拍手)
橋本内閣不信任の第二の理由は、六〇年安保改定を上回る日米安保条約の大改悪であるガイドラインの見直し、アメリカの軍事介入に我が国を自動的に参戦させる体制づくりの問題であります。
これは、日本が武力攻撃を受けたり、受けるおそれすらないにもかかわらず、日本周辺事態という名目で、自衛隊がアメリカ軍に協力し、機雷掃海、臨検、情報提供、武器、弾薬、兵員の輸送などの軍事協力を行うというものであります。アメリカが専ら独自の判断で起こす軍事介入に自動的に参戦する体制であることは明白であります。
このことは、米側関係者の新ガイドラインについての発言でも裏づけられております。例えば、日米同盟再定義のプロセスは、ある意味でNATO拡大のアジア太平洋地域における帰結だ、朝鮮半島で一九九四年のような危機が生じた場合、今度こそ日本の首相は明確に、我々は米軍の後方支援をすると言えるようになった、日本が集団自衛権の行使を容認することが最善だが、現実問題としては、我々の求める九九%が新ガイドラインに含まれているなどなどであります。
私は外務委員会でこれらを引用して質問をいたしましたが、小渕外務大臣はこれに何の反論もいたしませんでした。新ガイドラインが自動参戦体制だということが事実だからこそ、アジア諸国からこれへの厳しい警戒と批判の声が沸き起こっているのであります。
日本のように駐留米軍の主力部隊が海兵隊のような海外出撃部隊である国は、世界に例がありません。それが単なる米軍への基地提供にとどまらず、応援部隊までつけて、海外遠征部隊の基地として強化しようとしているのでありますから、重大であります。これは、日本国憲法の恒久平和の原則に真っ向から反することはもとより、日米安保条約にも国際法にも根拠を持たない、恐るべき無法の体制であります。
さらに重大なのは、米軍基地を強化拡大し、二十一世紀にわたって基地の固定化を図ろうとしていることであります。
その焦点にあるのが、沖縄県名護市沖の海上基地建設であります。これは、老朽化した普天間基地にかわって、二十一世紀のはるか先まで使える最新鋭の基地の建設をすることであり、海兵隊を無期限に沖縄に居座らせる足場をつくるものであります。海上基地建設の是非を問う名護市の住民投票に、防衛庁長官が長官名の文書を自衛官に出したり、二百名もの防衛施設庁職員を介入させるなどは、常軌を逸した地方自治への国家権力の介入であり、断じて許すことはできません。
第三の理由は、金権政治、政官財の癒着を断ち切る問題であります。
住専問題での大銀行と大蔵省の癒着、エイズ薬害問題での製薬会社と厚生省の癒着の問題が起こり、真に国民に奉仕する行政にするということが国民的要求になりました。ところが、橋本内閣は、この国民の期待を機構いじりにすりかえたばかりか、大企業奉仕、国民生活切り捨てを一層強化しようとしております。
これは、総理が会長を務める行政改革会議の最終報告で明らかであります。国民の求める行政改革のためには、企業・団体献金の禁止、高級官僚の天下り禁止、国民の知る権利を保障した情報公開、これらが避けて通れない問題でありますが、最終報告書ではこれらをまともに検討した形跡すらありません。
一方、山一証券問題で、証券業界と大蔵省の癒着が大きな問題としてまたまた浮上し、政官財の癒着を断ち切ることが急務であることを証明いたしました。
こういう事態になったことは、何よりも橋本総理の責任であります。それは、佐藤孝行総務庁長官問題であります。総理は、行政改革という内閣の最重要課題の責任者に、事もあろうに、収賄罪で有罪が確定し、何の反省もしていない人物を据えたのであります。このことは、総理自身が金権政治にどっぶりつかっていて、国民の求める行政改革をやる意思も力もないことを証明したのであります。
だから、泉井疑惑のようなことが後を絶たないのであります。泉井疑惑では、特に渡辺元副総理へということで山崎政調会長に渡された二億円の行方など、全く解明されない疑惑があるにもかかわらず、山崎政調会長の証人喚問が拒否され、真相が隠ぺいされようとしております。
買収の選挙違反に連座する議員が自民党から二人も出ていることも金権政治の病の重さを示しているのであります。これでは、橋本内閣が続く限り政治不信が増幅されるだけであります。
以上、三点にわたって橋本内閣を信任しない理由を述べましたが、私は、戦後五十年の自民党的政治によって失敗が明白となった日本の政治を民主的に大きく転換し、国民主権、平和と福祉の日本にするために全力を尽くす決意を最後に述べて、橋本内閣不信任決議案賛成の討論を終わるものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/14
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015・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 前田武志君。
〔前田武志君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/15
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016・前田武志
○前田武志君 私は、太陽党を代表して、ただいま提案されております橋本内閣不信任案に対し、賛成の立場から討論を行うものであります。(拍手)
我が国の経済財政状況は危機的な状態にあります。国、地方を通じての財政赤字は、ストックにおいてもフローにおいても、先進国中最悪の状態にあり、財政再建は現下の急務であります。
最近の一連の金融機関の経営破綻は、日本の金融システムが崩壊の危機に直面していることの何よりの証拠であります。金融システムの不安解消は日本経済にとって優先課題であります。橋本内閣は、この課題に対し、厳しい認識がないばかりか、みずからの経済運営の失敗がこのような事態を招いた大きな要因の一つであることを謙虚に認めようともしておりません。
このまま橋本内閣が続けば我が国が直面する危機を加速することは明らかであり、政権担当能力を失った無策無責任内閣にこれ以上この国のかじ取りを任せることは到底できるものではありません。我々太陽党は、即刻退陣を要求するものであります。(拍手)
各種の調査でも明らかなように、国民は景気の先行きに大きな不安を持っております。政府は、景気拡大が九三年十一月以来既に四十七カ月も続いているとしておりましたが、ようやく十二月の月例経済報告で、日本経済は緩やかな回復から、景気は足踏み状態にあるとの認識だけを盛り込んで、景気判断を大きく後退させました。橋本内閣の今までの景気回復のかけ声は何だったのでありましょうか。一部の輸出産業等を除けば企業の経営実態は低迷を続けており、長期にわたる不況で企業は体力を消耗し尽くし、デフレ政策に対する怨嗟の声が満ち満ちております。
堅実に生業を営んできた中小零細企業の中には、政府の金融政策失敗のしわ寄せで急に資金繰りがっかなくなり、倒産に追い込まれる例が多発しております。このことは、政府の経済見通しとは実態が大きく乖離していた証拠であり、今日まで続く景気低迷の責任は、政府の楽観的な景気判断とその場しのぎの無責任経済運営にあったと言えます。不況の波に洗われ、日々の生活にあえぎながら必死の思いで働き続けている多くの人たちの実態をどれほど把握されておられるのでしょうか。今必要なのは景気対策であります。
橋本政権は、大多数の一般国民に対し、今まで一体何をしてきたのでしょうか。国民が切望する政策は何一つ実行せず、政治の失敗のツケをすべて国民と中小零細企業に押しつけるばかりです。その象徴が消費税の五%へのアップ、二兆円の特別減税の廃止、医療費の負担増の苦しみ三点セットであります。これにより、国民は九兆円にも及ぶ負担増を押しつけられたのであります。
さらに、超低金利政策により、一般の預金者の得られるべき金利収入を金融機関の不良債権処理のために注ぎ込み続けてまいりました。大多数の国民からの莫大なお金を吸い上げ、それを一部の業界や既得権に浸り切った集団のために注ぎ続けているのが橋本内閣であります。
もともと理念も政策も全く水と油のような自民党、社民党、この二つの政党が政権維持だけのために与党を形成しているわけですから、何かを決めようとしてもまとまるわけがありません。(拍手)国民の目にも、右へ行くのか左へ行くのか、さっぱり方向が見えてまいりません。右往左往政権ではありませんか。その結果、懸案や難問はすべて先送りにされ、事態は悪化する一方であります。
十二月三日に出された行革会議の最終報告でも、行政改革の進め方に対する未来の展望が見えず、これでは単なる機構いじりと数合わせとなり、必然性も感じられません。省庁の数だけを半減しても、人員、機構が肥大化すれば、むしろ焼け太りになり、役所に権限が集中し、行政の透明性が低下するだけであります。本来ならば、地方分権を先行させ、規制緩和によって市場に任せる分野を拡大する、これに対応して中央省庁の再編を行うべきであります。
財政構造改革にしても同様であります。財政構造改革法の中身は、量的な圧縮のみで、質的な改革が全くなされておりません。財政の構造を変えなければ日本は立ち直れないことがはっきりしているのに、その道筋を明らかにせず、ここでもまた問題を先送りしております。
現在の後退局面にある危機的経済状態に対しても、政府はいまだに明確な対策を示しておらず、経済成長に伴う税収増の必要性や経済への配慮が全く欠けております。最近の一連の金融破綻の現状をかんがみれば、今後政府は、本法案により自縄自縛に陥り、財政の機動的な対応ができなくなり、かえって本法律案は財政再建の道を閉ざすものであります。
橋本内閣は、金融システム安定の美名のもとに、公約に反して国民の税金を投入しようとしております。橋本政権は、どこまでみずからの失敗のツケを国民に押しつけようとするのでありましょうか。
国民が信用していた大銀行、大会社の最高幹部が、裏社会の非合法組織に汚染されている。法に基づき各分野を秩序立て、公正な社会を実現していくべき官僚トップが、権力におぼれ、不祥事件を引き起こす。政治家の不祥事も枚挙にいとまがありません。その最大の原因は、失敗を繰り返しても責任をとらない政治そのものにあると私は考えます。
日本の正しい方向を示し、誇るべき歴史を築いていくためにも、橋本内閣は、その責任を明らかにして、即刻総辞職すべきことを申し上げ、賛成討論といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/16
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017・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/17
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018・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
この採決は記名投票をもって行います。
本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
氏名点呼を命じます。
〔参事氏名を点呼〕
〔各員投票〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/18
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019・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
投票を計算させます。
〔参事投票を計算〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/19
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020・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
〔事務総長報告〕
投票総数 四百八十七
可とする者(白票) 二百十九
否とする者(青票) 二百六十八
〔拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/20
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021・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 右の結果、橋本内閣不信任決議案は否決されました。(拍手)
―――――――――――――
小沢一郎君外四名提出橋本内閣不信任決議案を可とする議員の氏名
安倍 基雄君 愛野興一郎君
青木 宏之君 青山 丘君
青山 二三君 赤羽 一嘉君
赤松 正雄君 東 祥三君
井上 喜一君 井上 義久君
伊藤 英成君 池坊 保子君
石井 啓一君 石井 一君
石垣 一夫君 石田 勝之君
石田幸四郎君 一川 保夫君
市川 雄一君 岩浅 嘉仁君
上田 勇君 漆原 良夫君
江崎 鐵磨君 遠藤 乙彦君
遠藤 和良君 小沢 一郎君
小沢 辰男君 大口 善徳君
大野由利子君 太田 昭宏君
近江巳記夫君 岡島 正之君
岡田 克也君 長内 順一君
加藤 六月君 鹿野 道彦君
海部 俊樹君 鍵田 節哉君
川端 達夫君 河合 正智君
河上 覃雄君 河村たかし君
神崎 武法君 神田 厚君
木村 太郎君 北側 一雄君
北脇 保之君 旭道山和泰君
久保 哲司君 草川 昭三君
倉田 栄喜君 小池百合子君
木幡 弘道君 古賀 一成君
古賀 正浩君 今田 保典君
権藤 恒夫君 左藤 恵君
佐々木洋平君 佐藤 茂樹君
佐藤 敬夫君 斉藤 鉄夫君
坂口 力君 坂本 剛二君
笹木 竜三君 笹山 登生君
塩田 晋君 島 聡君
島津 尚純君 城島 正光君
白保 台一君 菅原喜重郎君
鈴木 淑夫君 田中 慶秋君
田端 正広君 高木 義明君
武山百合子君 達増 拓也君
谷口 隆義君 玉置 一弥君
冨沢 篤紘君 富田 茂之君
中井 洽君 中川 正春君
中田 宏君 中西 啓介君
中野 寛成君 中野 清君
中村 鋭一君 永井 英慈君
並木 正芳君 二階 俊博君
西 博義君 西岡 武夫君
西川太一郎君 西川 知雄君
西田 猛君 西野 陽君
西村 章三君 西村 眞悟君
野田 毅君 原口 一博君
平田 米男君 福岡 宗也君
福島 豊君 福留 泰蔵君
藤井 裕久君 藤村 修君
二見 伸明君 冬柴 鐵三君
前田 正君 桝屋 敬悟君
松崎 公昭君 松沢 成文君
松浪健四郎君 丸谷 佳織君
三沢 淳君 宮地 正介君
宮本 一三君 山中 燁子君
山本 孝史君 吉田 治君
吉田 幸弘君 米津 等史君
若松 謙維君 鰐淵 俊之君
安住 淳君 赤松 広隆君
伊藤 忠治君 家西 悟君
池田 元久君 池端 清一君
石井 紘基君 石毛 鍈子君
石橋 大吉君 岩田 順介君
生方 幸夫君 枝野 幸男君
小沢 鋭仁君 大畠 章宏君
海江田万里君 金田 誠一君
川内 博史君 菅 直人君
北村 哲男君 桑原 豊君
玄葉光一郎君 小平 忠正君
小林 守君 五島 正規君
近藤 昭一君 佐々木秀典君
佐藤謙一郎君 坂上 富男君
末松 義規君 仙谷 由人君
田中 甲君 辻 一彦君
中桐 伸五君 中沢 健次君
葉山 峻君 鉢呂 吉雄君
鳩山 邦夫君 鳩山由紀夫君
日野 市朗君 肥田美代子君
藤田 幸久君 古川 元久君
細川 律夫君 前原 誠司君
松本 惟子君 松本 龍君
山花 貞夫君 山元 勉君
山本 譲司君 横路 孝弘君
渡辺 周君 石井 郁子君
大森 猛君 金子 満広君
木島日出夫君 児玉 健次君
穀田 恵二君 佐々木憲昭君
佐々木陸海君 志位 和夫君
瀬古由起子君 辻 第一君
寺前 巖君 中路 雅弘君
中島 武敏君 中林よし子君
春名 直章君 東中 光雄君
平賀 高成君 不破 哲三君
藤木 洋子君 藤田 スミ君
松本 善明君 矢島 恒夫君
山原健二郎君 吉井 英勝君
粟屋 敏信君 岩國 哲人君
奥田 敬和君 熊谷 弘君
小坂 憲次君 羽田 孜君
畑 英次郎君 堀込 征雄君
前田 武志君 吉田 公一君
上田 清司君 北橋 健治君
樽床 伸二君 土肥 隆一君
平野 博文君 細川 護煕君
渡部 恒三君
否とする議員の氏名
相沢 英之君 逢沢 一郎君
愛知 和男君 赤城 徳彦君
浅野 勝人君 麻生 太郎君
甘利 明君 荒井 広幸君
新井 将敬君 井奥 貞雄君
伊藤 公介君 伊吹 文明君
飯島 忠義君 池田 行彦君
石川 要三君 石崎 岳君
石破 茂君 石橋 一弥君
石原 伸晃君 稲垣 実男君
稲葉 大和君 今井 宏君
今村 雅弘君 岩永 峯一君
植竹 繁雄君 臼井日出男君
江口 一雄君 江渡 聡徳君
江藤 隆美君 衛藤征士郎君
衛藤 晟一君 遠藤 武彦君
遠藤 利明君 小川 元君
小此木八郎君 小里 貞利君
小澤 潔君 小野 晋也君
小渕 恵三君 尾身 幸次君
越智 伊平君 越智 通雄君
大石 秀政君 大島 理森君
大野 松茂君 大野 功統君
大原 一三君 大村 秀章君
太田 誠一君 奥田 幹生君
奥野 誠亮君 奥山 茂彦君
加藤 紘一君 加藤 卓二君
嘉数 知賢君 柿澤 弘治君
梶山 静六君 粕谷 茂君
金子 一義君 金子原二郎君
金田 英行君 亀井 静香君
亀井 久興君 亀井 善之君
川崎 二郎君 河井 克行君
河村 建夫君 瓦 力君
木部 佳昭君 木村 隆秀君
木村 義雄君 岸田 文雄君
岸本 光造君 北村 直人君
久間 章生君 久野統一郎君
鯨岡 兵輔君 熊谷 市雄君
熊代 昭彦君 栗原 博久君
栗原 裕康君 栗本慎一郎君
小泉純一郎君 小杉 隆君
小林 興起君 小林 多門君
古賀 誠君 河野 太郎君
河野 洋平君 河本 三郎君
佐田玄一郎君 佐藤 孝行君
佐藤 静雄君 佐藤 信二君
佐藤 剛男君 佐藤 勉君
斉藤斗志二君 坂井 隆憲君
坂本三十次君 阪上 善秀君
桜井 郁三君 桜井 新君
櫻内 義雄君 桜田 義孝君
笹川 堯君 自見庄三郎君
実川 幸夫君 島村 宜伸君
下地 幹郎君 下村 博文君
白川 勝彦君 新藤 義孝君
菅 義偉君 杉浦 正健君
杉山 憲夫君 鈴木 俊一君
鈴木 恒夫君 鈴木 宗男君
砂田 圭佑君 住 博司君
関谷 勝嗣君 園田 修光君
田中 和徳君 田中 昭一君
田中眞紀子君 田邉 國男君
田野瀬良太郎君 田村 憲久君
高市 早苗君 高鳥 修君
高橋 一郎君 滝 実君
竹下 登君 竹本 直一君
武部 勤君 橘 康太郎君
棚橋 泰文君 谷 洋一君
谷垣 禎一君 谷川 和穗君
谷畑 孝君 玉沢徳一郎君
近岡理一郎君 中馬 弘毅君
津島 雄二君 戸井田 徹君
東家 嘉幸君 虎島 和夫君
中尾 栄一君 中川 昭一君
中川 秀直君 中島洋次郎君
中曽根康弘君 中谷 元君
中村正三郎君 中山 太郎君
中山 利生君 中山 成彬君
中山 正暉君 仲村 正治君
長勢 甚遠君 丹羽 雄哉君
西川 公也君 西田 司君
額賀福志郎君 根本 匠君
能勢 和子君 野田 聖子君
野田 実君 野中 広務君
野呂田芳成君 葉梨 信行君
萩山 教嚴君 橋本龍太郎君
蓮実 進君 浜田 靖一君
林 幹雄君 林 義郎君
原 健三郎君 原田昇左右君
原田 義昭君 桧田 仁君
平沢 勝栄君 平沼 赳夫君
平林 鴻三君 深谷 隆司君
福田 康夫君 藤井 孝男君
藤波 孝生君 藤本 孝雄君
二田 孝治君 船田 元君
古屋 圭司君 保利 耕輔君
穂積 良行君 細田 博之君
堀内 光雄君 堀之内久男君
牧野 隆守君 増田 敏男君
町村 信孝君 松岡 利勝君
松下 忠洋君 松永 光君
松本 和那君 松本 純君
三ツ林弥太郎君 三塚 博君
御法川英文君 宮澤 喜一君
宮路 和明君 宮下 創平君
武藤 嘉文君 村岡 兼造君
村上誠一郎君 村田敬次郎君
村田 吉隆君 村山 達雄君
目片 信君 持永 和見君
望月 義夫君 茂木 敏充君
森 英介君 森 喜朗君
森田 一君 森山 眞弓君
八代 英太君 谷津 義男君
保岡 興治君 柳沢 伯夫君
柳本 卓治君 山口 俊一君
山口 泰明君 山崎 拓君
山下 徳夫君 山中 貞則君
山本 公一君 山本 有二君
与謝野 馨君 横内 正明君
吉川 貴盛君 吉田六左エ門君
米田 建三君 渡辺 具能君
渡辺 博道君 渡辺 喜美君
綿貫 民輔君 萩野 浩基君
秋葉 忠利君 伊藤 茂君
上原 康助君 北沢 清功君
辻元 清美君 土井たか子君
中川 智子君 中西 績介君
畠山健治郎君 濱田 健一君
深田 肇君 保坂 展人君
前島 秀行君 村山 富市君
横光 克彦君 鴨下 一郎君
園田 博之君 武村 正義君
土屋 品子君 山本 幸三君
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/21
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022・田野瀬良太郎
○田野瀬良太郎君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
議院運営委員長提出、国会法等の一部を改正する法律案及び衆議院規則の一部を改正する規則案の両案は、委員会の審査を省略し、参議院提出、国会法の一部を改正する法律案とともに、三案を一括議題とし、委員長の趣旨弁明及び報告を求め、その審議を進められることを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/22
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023・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 田野瀬良太郎君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/23
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024・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。
―――――――――――――
国会法等の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
衆議院規則の一部を改正する規則案(議院運営委員長提出)
国会法の一部を改正する法律案(参議院提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/24
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025・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 国会法等の一部を改正する法律案、衆議院規則の一部を改正する規則案、参議院提出、国会法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
委員長の趣旨弁明及び報告を求めます。議院運営委員長亀井善之君。
―――――――――――――
国会法等の一部を改正する法律案
衆議院規則の一部を改正する規則案
国会法の一部を改正する法律案及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
〔亀井善之君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/25
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026・亀井善之
○亀井善之君 ただいま議題となりました三案につきまして、その提案の趣旨並びに審査の経過及び結果を御説明申し上げます。
まず、国会法等の一部を改正する法律案についてであります。
改正の第一は、衆議院における行政監視機能の充実及び強化を図るため、衆議院の常任委員会として、現在の決算委員会を改組して、新たに決算行政監視委員会を設置することであります。
第二は、各議院または各議院の委員会から、内閣または官公署に対し報告・記録の提出要求があった場合において、内閣または官公署がその要求に応じない場合、その理由を疎明しなければならないこととするとともに、その議院または委員会がその理由を受諾することができない場合には、その報告または記録の提出が国家の重大な利益に悪影響を及ぼす旨の内閣の声明を要求することができることとするものであります。
このほか、会計検査院に対する特定事項の検査の要請に関する規定を設けるとともに、衆議院事務局に調査局及び法制局に法制企画調整部を設置する等、所要の改正を行うこととしております。
次に、衆議院規則の一部を改正する規則案についてであります。
その第一は、新たに設置される決算行政監視委員会について、その委員の員数を四十人とし、その所管事項として所要の事項を定めることとしております。
第二は、予備的調査の制度の新設についてであります。
委員会は、審査または調査のため、調査局長または法制局長に対し、その審査または調査のために必要な予備的調査を行うよう命ずることができることとしております。また、四十人以上の議員は、委員会が予備的調査の命令を発するよう要請することができることとしております。
なお、以上の改正は、次の常会の召集の日から施行することとしております。
両案につきましては、国政の健全な発展に資するため、国会の行政監視機能を充実強化する必要があるとして、議会制度に関する協議会において、議論を重ねてまいったところであります。
その中で、民主党からは、国会の行政監視・評価機能の強化のための仕組みや機構の設置等について、両案とは異なる独自の考え方が示されました。また、日本共産党からは、できる限り少数の議員数で予備的調査を提起できることとすべき等の意見が述べられました。
両案は、本日の議院運営委員会において、自由民主党、新進党、社会民主党・市民連合、太陽党の賛成多数で起草、提出したものであります。
なお、議院運営委員会において、両案の運用に関する申し合わせを行ったことを申し添えます。
次に、参議院提出の国会法の一部を改正する法律案について御報告申し上げます。
参議院におきましては、かねてから、二院制下における参議院のあり方に関する諸問題とその改善策について検討を進め、また、時代の変化に対応した行政の監査のあり方について調査を重ねた結果、参議院の第一種常任委員会、すなわち内閣委員会から建設委員会までの十三の委員会を、「外交・防衛」、「文教・科学」、「国土・環境」のような基本政策別の十二の委員会に再編するとともに、参議院に新たにオンブズマン的機能を備えた行政監視委員会を、予算、決算、議院運営、懲罰の各委員会と並ぶ第二種常任委員会として設置しようとするものであります。なお、本法律案は、次の常会の召集の日から施行することとしております。
本法律案は、去る五日、当委員会に付託され、本日、提出者の参議院議院運営委員長中曽根弘文君から提案理由の説明を聴取した後、採決の結果、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/26
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027・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
まず、国会法等の一部を改正する法律案、衆議院規則の一部を改正する規則案の両案を一括して採決いたします。
両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/27
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028・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、両案とも可決いたしました。
次に、参議院提出、国会法の一部を改正する法律案につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/28
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029・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/29
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030・伊藤宗一郎
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
午後三時二十二分散会
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114105254X02019971211/30
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