1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成九年十二月十日(水曜日)
午後八時一分開議
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○議事日程 第十号
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平成九年十二月十日
午前十時 本会議
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第一 預金保険法の一部を改正する法律案(趣
旨説明)
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○本日の会議に付した案件
議事日程のとおり
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001・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
日程第一 預金保険法の一部を改正する法律案趣旨説明)
本案について提出者の趣旨説明を求めます。三塚大蔵大臣。
〔国務大臣三塚博君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01019971210/1
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002・三塚博
○国務大臣(三塚博君) ただいま議題となりました預金保険法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
本法律案は、最近における我が国の金融環境の変化に対応して、金融システム改革の制度的な環境整備として、預金保険機構が行う資金援助の多様化を図る等の措置を講ずるものであります。
以下、その大要を申し上げます。
第一に、現行法で預金保険機構の資金援助の対象とされている健全な存続金融機関による吸収合併、営業譲り受け及び株式取得に加え、健全な金融機関と破綻金融機関の新設合併についても、新たに資金援助が可能となるよう所要の措置を講ずることとしております。
第二に、平成十二年度末までの時限的措置として、二以上の破綻金融機関の新設合併に対し、金融機関の経営規律の低下を防止する観点から、厳格な制度的歯どめを設けた上で、預金保険機構の資金援助が可能となるよう所要の措置を講ずることといたしております。
以上、預金保険法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
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003・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。楢崎泰昌君。
〔楢崎泰昌君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01019971210/3
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004・楢崎泰昌
○楢崎泰昌君 自由民主党の楢崎泰昌であります。
私は、自由民主党を代表して、ただいま提案されました預金保険法の一部改正案について質問申し上げます。
日本全体が貧しく戦後の何もないところから出発し、欧米に追いつけ追い越せのキャッチアップの政策のもとに今日の豊かな経済社会が築き上げられてまいりました。その間、ニクソン・ショックや第一次、第二次の石油危機を経験しながらも、国民の勤勉な努力の結果、今や日本は世界の国民総生産の二〇%近くを占めるようになりました。世界経済に与える影響は重大なものがあります。アジア経済、ひいては世界経済の安定のためにも、日本の経済や金融が国民の信頼を得て活力に満ちたものでなければなりません。
しかしながら、十一月三日の三洋証券の会社更生法の適用申請に始まり、十七日に北海道拓殖銀行の営業譲渡を前提とした業務停止命令、二十四日の山一証券の自主廃業に向けた営業停止と、一カ月の間に大手の金融機関が倒産するという大きな衝撃に見舞われました。
総理の唱えられる六つの改革のうち、行政改革の骨格が決まり、さらに財政構造改革法が成立し、加えて金融システム改革のための金融持ち株会社の解禁等の制度が今や整えられつつあります。
今回提出されました預金保険法は、金融システムの安定のため重要な内容を含んだものであります。それにもかかわらず、衆議院においては、新進党、民主党、太陽党が欠席するという異常事態の中で採決されたことはまことに遺憾とするところであります。反対であれば、その趣旨を明らかにし、堂々と態度に示すことが民主主義ではないでしょうか。国民の信託を受けた国会議員としての責任を放棄したものと言わざるを得ないと思います。
さて、金融システムの改革は、日本版ビッグバンに備えて、フリー、フェア、グローバルの理念のもとに、利用者の視点に立った諸改革を行おうとするものであります。この改革の実現に当たっては、金融機関の抱える不良債権の速やかな処理、ディスクロージャーの拡充、早期是正措置等を通じた金融機関の健全性が求められているところであります。
まず、不良債権の処理についてお伺いします。
今回の預金保険法の改正案は、健全な金融機関と破綻金融機関の合併及び平成十二年度までの臨時的な措置として破綻金融機関同士の合併にも資金援助が行われる措置となっています。これは預金者等の保護と金融システムの安定が主な目的でありますが、これを結果的には破綻金融機関の救済であるということを前面に出して批判する向きもあります。この点について、国民にわかりやすく改正の趣旨及びこの法案の重要性を総理に説明していただきたいと思います。
次に、今回の預金保険法の改正に伴って、財源問題についてお伺いします。
平成八年度から平成十二年度までの五年間の保険料収入は、保険料を七倍に引き上げた結果、財源見込みは二兆七千億円、このうち既に実行されたものが一兆四千億円になります。今後使用可能な額は一兆三千億円しか残っておりません。のみならず、現時点のフローの勘定としましては、短期資金が不足をして、その借入金が約四千億円であると聞いています。今後、木津信用組合のように一兆円にも及ぶ資金援助が出た場合には、資金的にはこれに対応ができないということになってしまいます。そこで、保険料の引き上げというような議論、さらには保険機構の借入金を政府保証すべしというような議論もありますが、資金ショートをするおそれのある場合、どのように対応されるつもりか、大蔵大臣にお尋ねいたしたい。
次に、ディスクロージャーについてお伺いします。
二〇〇一年のペイオフに備え、金融機関のディスクロージャーの環境整備を行うというスケジュールと聞いておりますが、三洋証券はムーディーズの勝手格付で投資不適格とされたことにより短期コール市場での資金調達ができなかったことが破綻の大きな原因になったと聞いております。市場が判断できる十分なデータがディスクロージャーされていないため、勝手な格付に反論できなかったためではないでしょうか。
また、山一証券では、簿外債務の存在がうわさされ、市場の信認を失ったことが破綻の大きな原因となっております。このように、金融機関の倒産が続発すると種々の情報不足が不安の増大につながりかねません。
そこで、二〇〇一年までのディスクロージャーを行うというスケジュールの前倒しができないでしょうか。前倒しをして市場の不安に備えるべきではないかと考えます。これからやるべき情報開示の対応を大蔵大臣にお聞かせを願いたいと思います。
このように、コール市場における円滑な資金の流動化が損なわれれば、他の健全な金融機関や中堅の金融機関までおかしくなります。短期コール市場の安定化のため、制度的な枠組みについて検討するお考えはありませんか。大蔵大臣に御見解を承ります。
預金者保護のために預金保険機構があるよう.に、生命保険会社には保険契約者保護基金、証券会社には寄託証券補償基金があります。金融ビッグバンでは、銀行・証券・保険業界の垣根がなくなり、相互参入が可能となります。そこで、保険契約者保護基金及び寄託証券補償基金の内容を充実強化するための環境整備が必要であると考えますが、大きな立場から総理の御見解を承りたいと思います。
次に、今回の北海道拓殖銀行や山一証券会社の破綻処理についてお伺いします。
北海道拓殖銀行は、道内向けの貸し出しが三兆円、うち中小企業向けの貸し出し比率が七〇%にもなります。道内の企業に対する倒産の影響ははかり知れないものがあると思います。北洋銀行の協力のもと営業譲渡されるにしても、今まで北海道拓殖銀行をメーンバンクとしていた企業は従来の取引ができるのかどうか不安を持っております。このような不安に対して、政府としてどのような対応が考えられるのか、大蔵大臣にお尋ねいたしたいと思います。
次に、北海道以外の営業譲渡はまだ決まっておりませんが、大蔵省としてどのように支援されるつもりか、これもお伺いしたいと思います。
さらに、北海道拓殖銀行の劣後債の問題があります。
北海道拓殖銀行は劣後債を九百五十億円余り発行しております。うち信用金庫等には三百六十億円発行をしております。これは信用金庫等では深刻な問題であり、仮にこれが償還されないとすれば中小金融機関にゆゆしき事態が想定され、地元企業に対する影響もはかり知れないものがあります。劣後債は金融債の一種であり、破綻に際しては預金保険機構で保証されると思っておりますが、大蔵大臣に御見解を伺います。
山一証券では解散に向けて整理が行われているところでありますが、いわゆる飛ばしの処理、デリバティブの失敗等の処理に伴って簿外債務が指摘されております。すなわち、粉飾決算ということであります。これについてどのように監督官庁として御認識をされているか、また、それらの経営者の責任についてどのように考えているか、御見解を承りたいと思います。大蔵大臣にお伺いいたしたい。次に、梶山前官房長官の十兆円構想、いわゆるNTTなどの株式を償還財源の担保として新型の国債を十兆円発行し、金融システムや景気対策の財源とする提案に対し、総理は前向きな検討を指示されたと承っております。これは形を変えた赤字国債であるとの批判がありますが、このような批判を乗り越えても本当に実行するお気持ちがあるのか、総理にお伺いいたします。
いずれにせよ、我が国経済を力強く生き返らせるために、景気回復、金融安定化を図るべく強力な手法で対応することを全国民、全世界に示されることが緊要であり、総理の御決意を承って、私の質問を終わりといたします。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01019971210/4
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005・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 楢崎議員にお答えを申し上げます。
まず、今回の預金保険法改正の趣旨についてのお尋ねがございました。
現行法では、債務超過には陥っておりませんものの、多額の不良債権を抱えております金融機関を適切に処理する方策がございません。このため、こうした金融機関について、モラルハザードを起こさないようにした上で、合併を可能にすることによりまして預金者保護と金融システムの安定を図るとともに、地域経済の混乱を防止するという公共的な必要性を踏まえこの法改正をお願い申し上げました。破綻金融機関の救済のものではないということを申し添えておきます。
次に、保険契約者保護基金、寄託証券補償基金についてのお尋ねがございました。
保険契約者保護基金につきましては、その増額を大蔵省より生保業界に要請したところであり、さらに支払い保証制度について整備を検討いたしております。また、現在、財団法人であります寄託証券補償基金につきましては、証券取引法上の法人に改めるなど、その整備拡充を図ることを検討いたしております。
次に、新型国債構想についてお尋ねがございました。
金融システムの安定のための真剣な一つの御提案であり、自由民主党における検討を指示いたしたところであります。金融システム安定につきましては、財政構造改革の基本を踏まえながら、強い決意を持ってその確保のために必要な施策を実施してまいります。
次に、景気回復、金融安定化の対応についてのお尋ねがございました。
既に御承知のとおり、十一月十八日の経済対策閣僚会議におきまして経済対策を決定いたしており、四つのポイントに重点を置きながら充実した内容の対策をまとめたところでございます。
政府としては、企業や消費者の景気の先行きに関する不透明感を払拭し、我が国経済を民間需要中心の自律的な安定成長軌道に乗せていくためにこうした施策を強力に進めてまいります。
また、金融システムの安定につきましては、預金者保護を目的として、公的支援を含め具体案を早急に得、強い決意を持って金融システムの安定性確保に全力を挙げて取り組んでまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣三塚博君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01019971210/5
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006・三塚博
○国務大臣(三塚博君) 楢崎議員にお答え申し上げます。
私に対する御質問は七点でございます。
まず、預金保険機構の財源と公的支援についてのお尋ねでございます。
仮に、現在見込まれている財源では対応が困難な状況が発生いたしました場合には、平成十年度末までに保険料の負担のあり方について検討を行うことといたし、充足してまいります。
また、金融システム安定の強化を図るため、公的支援を伴ういろいろな考え方が出されておりますが、公的支援によるセーフティーネットの完備、また預金者を保護することが重要であります。公的支援により利用可能な資金を拡充していくことを今後検討すべきではないかと考えておるところであります。
金融機関の経営状況に関するディスクロージャーについてのお尋ねでございます。
今後、金融システム改革の進展を考えますれば、金融機関がその経営実態についてさらに積極的に国民への開示を進めていく姿勢が重要であります。
大蔵省としては、各金融機関に対し、より一段のディスクロージャーの拡充を促したいと考えておるところであります。
短期コール市場についてのお尋ねであります。
十一月二十四日の談話の中でインターバンク取引等の安全を確保すること等について申し上げ、また、二十六日にも日本銀行総裁とともに改めて決意を表明いたしたところであります。いずれにいたしましても、大蔵省としては、内外の金融市場のあらゆる事態にも対応し得るように、日本銀行とともに市場への流動性供給に万全を期し、金融システムの安定を図ってまいりたいと考えておるところであります。
拓銀取引先企業への対応についての御質問であります。
拓銀の金融機能が受け皿銀行へ承継されますとともに、承継までの間、拓銀は通常どおりの営業を継続することといたしておりますが、この間の資金については、必要に応じ日銀が日銀特融によって供給することといたしておるところであります。
さらに、大蔵省としても、政府系金融機関を含めまして地域の金融機関に対して必要な協力要請を行ってまいっております。また、北海道庁等においても制度融資の充実拡大等の対策を講じているところであり、今後とも万全を期してまいる決意であります。
拓銀の本州部分の営業譲渡先についての御質問であります。
現在、関係者におきまして具体的な受け皿銀行を決めるための努力が行われておるところでありますが、大蔵省としても、本州部分の営業譲渡が円滑に進むよう支援をしてまいりたいと存じます。
次に、劣後債の保護についての御質問であります。
劣後債に係る発行者の契約上の義務は、破産等の劣後事由が発生しない限りは他の債務と変わることはございません。これまで、預金保険の対象となる預金等以外の預金取扱金融機関の債務についても、金融システムの安定を確保するとの観点に立った破綻処理の中で保全されてきたところであります。今後におきましても、金融システムの安定性確保には万全を期してまいりたいと存じます。
最後に、山一証券の簿外債務、そして経営者責任についてのお尋ねでございます。
山一証券の簿外債務につきましては、現在、関係部局において実態解明が行われておるところであります。今後、ディスクロージャー上の問題が明らかになれば適切に対処してまいる所存であります。
また、経営者責任の問題については、刑事上の問題を含め、事実関係に基づき厳正に対処してまいります。(拍手)
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007・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 上山和人君。
〔上山和人君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01019971210/7
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008・上山和人
○上山和人君 先ほど趣旨説明のありました預金保険法の一部を改正する法律案につきまして、社会民主党・護憲連合を代表して御質問を申し上げます。
現行の預金保険法は、健全な金融機関が破綻した金融機関を救済する場合、預金保険機構が資金援助を行うことができることと規定をいたしております。今回の改正案は、健全な金融機関が存在しない場合、破綻金融機関同士であっても大蔵大臣等が合併のあっせんをした場合、預金保険機構からの資金援助を行うことができることとされているのでございます。預金保険機構の資金援助の多様化を図り、金融システムの安定化、そして地域経済への配慮といった側面があるものと理解をいたしておりますが、以下、順次数点にわたって総理及び大蔵大臣に御質問を申し上げます。
第一の問題は、今回の改正案が経営に失敗した金融機関の延命策に手をかすことになるのではないかという懸念がある問題でございます。
経営が破綻した金融機関が市場から淘汰されるのはまさに市場の原理そのものであります。もちろん、金融機関でありますから預金者保護に万全を期すべきであることは言うまでもないことであります。しかし、経営が破綻して債務超過に陥った金融機関は直ちに業務を停止することが常識ではないでしょうか。しかるに、バブル経営に失敗した経営者の責任をあいまいにしたまま金融機関の延命を図ることは、金融機関の経営に大きなモラルハザードをもたらし、ひいては経営努力へのインセンティブを大きくそぐことになりかねないと思うのでございます。
政府は合併の条件として金融機関のリストラを要求する方針のようでありますが、そのリストラの具体的な内容について、総理、大蔵大臣ともに明らかにお示しいただきたいのでございます。
第二の問題は、相変わらず大蔵省、金融当局の裁量行政が温存されることになるのではないかという問題でございます。
現在の我が国の経済にとりまして、金融システムの不安の解消はまさに喫緊の課題でございますが、それはだれが見てもわかりやすい透明なルールに基づくものでなければならないと思うのでございます。
今回の改正法は、破綻金融機関が業務を行っている地域または分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生じるおそれのあると認められる場合に合併のあっせん等が行われた場合、預金保険機構から資金援助を行うこととしているのでございます。
しかるに、この場合、破綻した金融機関とはどういう金融機関を指すのか、また地域経済への配慮とはどういう状態を指しているのか。大蔵省があっせんすることで金融行政が再び従来型の護送船団方式に逆戻りするのではないかという懸念について、総理大臣の明確な御見解を承りたいのでございます。
第三に預金保険機構の責任準備金が既に枯渇してしまっているという重大な問題がございます。
相次いで破綻する金融機関に対して資金援助を行ったことにより、預金保険機構の責任準備金残高は平成九年三月末現在、実にマイナス三千九百五十一億円になってしまっているのでございます。不足する分につきましては、現在、日銀と民間金融機関からの借入金によってしのいでいるのが現状でございます。これからも金融機関の破綻が続くものと予想されるのでございますが、資金援助のための財源の確保をどのようにお考えになっているのか。預金保険料の引き上げも避けられないと思うのでございますが、どのようにお考えになっていらっしゃるのか。
現在、日銀及び民間金融機関からの借入枠については、一般勘定、特別勘定合わせて二兆円ございます。この限度額は政令事項となっておりますが、限度額を引き上げるおつもりがあるのか。
そして、とりわけ日銀からの借り入れにつきましては、日銀資金が公的資金であることと日銀の健全性が確保されなければならないという観点から慎重に対処しなければならないと思うのでございますが、どのようにお考えでございましょうか。それとも、将来的には公的資金の導入になるのか、それについても総理の明確な御答弁をお願い申し上げたいのでございます。
ここに来て、金融システムの安定化対策としてNTT株式等を償還財源の担保とした新型国債の構想が浮上しておりますが、この点につきましては総理の明確な御見解を承りたいのでございます。
第四の問題は、預金保険料のあり方に関する問題でございます。
現在、預金保険料につきましては、対象金融商品の残高に一定率を掛け合わせた同一の保険料率が各金融機関に適用されているのでございます。現在の一般保険料率は〇・〇四八%、特別保険料率は〇・〇三六%となっているのでございます。これでは経営合理化に懸命に努力した金融機関の保険料が経営破綻した金融機関の延命のために使われることになるのでございまして、金融機関全体にモラルハザードを大きくもたらしかねないと思うのでございます。現在、米国においては可変保険料率が導入されているのでございますが、我が国においては可変保険料率の導入についてどのようにお考えになっているのか、大蔵大臣の御見解を承りたいのでございます。
また、預金保険機構が平成十三年三月末までに期間を限定して金融機関から一時的に上乗せ徴収している特別保険料について、その期限を延長することを大蔵省が検討し始めたという報道が行われましたが、これについても大蔵大臣の明確な御答弁をお願い申し上げたいのでございます。
最後に、現在の預金保険制度につきまして国民が十分に理解していないという重要な問題がございます。
先般、貯蓄広報委員会が貯蓄と消費に関する世論調査を行いましたが、預金保険制度については「全く知らない」と答えた世帯が半数近くに上るのでございます。預金保険制度の「内容まで知っている」と答えた世帯はわずかに一割強にすぎないのでございます。
これから金融機関の淘汰が進展し、国民に自己責任が求められる時代を迎えようとしている今、預金保険制度について国民に十分理解させる必要があるのではないでしょうか。
我が国の超低金利状況のもとで、最近、特に外債、外貨預金等が高金利であるがゆえに人気を集めているのでありますけれども、これらの金融商品は預金保険の対象にはなっていないのでございます。これらの問題について国民がどのように、あるいはどの程度に認識しているかが懸念されるのでございます。国民に自己責任を要請するのであれば、どのような金融商品が預金保険の対象になっているか、そしてまた預金保険の対象になっていない金融商品はどういうものであるかなどについて、預金保険制度の内容を十分知らしめることが大変重要だと思うのでございますが、その方策について、総理、大蔵大臣はどのようにお考えか、お聞かせいただきたいのでございます。
これまで我が国の金融行政は後手後手に陥り、傷口を広げ、その結果として、昨年の住専処理に見られたような公的資金の導入に追い込まれたのでございます。この際、金融機関の不良債権については、すべてディスクローズし、そしてすべてのうみを出し切って、金融ビッグバンに向かう環境整備を急ぐことが極めて肝要なことであることを最後に御指摘申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01019971210/8
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009・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 上山議員にお答えを申し上げます。
まず、最初に金融機関の合併の条件についてのお尋ねがございました。
今回の措置におきましては、新たに設立されます金融機関の業務の健全かっ適切な運営を確保するために、大胆なリストラ等の計画につきましては当局の承認にかからしめる、これは御指摘のとおりでありまして、個別具体のケースに即して適切に判断されるべきものだと思います。
特に、あっせんを行う場合等についてのお尋ねがございました。今回の改正案では、ある地域に経営の悪化いたしました金融機関が複数存在をする、それらが連鎖的に預金払い戻し停止に陥るおそれがあり、取引先企業に対する貸し付け停止等、地域経済に重大な影響が及ぶおそれがある場合、これを未然に防止するという公共的な観点から合併のあっせんを行うものであります。また、厳格な制度的歯どめを金融機関に課した上で行われるものでありまして、護送船団方式という御指摘は当たらないと私は考えております。
なお、今回の法案における特定合併、これは時限措置であります。現下の金融状況のもとにおきまして、破綻処理の手法の多様化を図るものであることもつけ加え、ぜひ御理解をいただきたいと思うのであります。
また、預金保険機構の財源、公的支援についてのお尋ねがございました。
仮に、現在見込まれる財源では対処が困難な状況が発生いたしました場合には、遅くとも平成十年度末までに保険料率の検討を行うこととしております。また、預金保険機構の借入限度額及び日銀借り入れにつきましては、預金保険機構の業務の円滑な実施の観点から、返済財源を勘案しながら弾力的に対応する必要があると考えております。
また、新型国債構想につきましては、金融システム安定化のための一つの真剣な御提案であり、私から自由民主党に対し検討を指示いたしました。金融システムの安定につきましては、預金者保護を目的として、公的支援を含め具体案を早急に得て、強い決意を持って金融システムの安定性確保に全力を挙げて取り組んでまいるつもりであります。
最後に、預金保険制度の内容を国民に周知徹底すべきであるという御意見をちょうだいいたしました。
政府といたしましては、さまざまな金融制度全般につき広く国民の皆様にお知らせをするよう努めてまいったところでありまして、預金保険制度につきましても、預金保険機構や金融機関にも協力を呼びかけながら、今後ともより一層その周知徹底を図っていきたい、そのように考えております。
残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣三塚博君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01019971210/9
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010・三塚博
○国務大臣(三塚博君) 上山議員にお答えしますが、総理と重複する御質問もございました。三問について簡明にお答えをさせていただきます。
まず、金融機関の合併の条件についてのお尋ねでございます。
新たに設立される金融機関の業務の健全かつ適切な運営を確保するために、大胆なリストラ等の計画について当局の承認にかからしめることといたしております。個別具体のケースに即し、適切に判断されるべきものと考えておるところであります。いずれにいたしましても、今回の措置の発動に当たりましては、厳格な制度的歯どめを設けている趣旨にかんがみ、厳正に対処してまいりたいと考えておるところであります。
次に、あっせんを行う場合等についてのお尋ねであります。
ただいま総理からもお答えしたとおりで、その意は尽くされておると思うのでありますが、本改正案は新しい手法を預金保険機構に与えるものでございます。そのことは、ある地域に経営の悪化いたしました金融機関が複数存在をしておること、それらが連鎖的に預金払い戻し停止に陥るおそれがありますこと、取引先企業に対する貸し付け停止等地域経済に重大な影響を及ぼすおそれがある際、これを未然に防止するという公共的な観点から合併のあっせんをするものでございます。
護送船団ということではなく、公正、公平、厳正に地域経済に貢献をし、ひいては預金者保護の徹底を図り、日本の金融システム健全なり、こういうことを期してまいりたいということであります。
また、破綻金融機関は法的に消滅する上、新設される金融機関につきましても、経営体制の整備や思い切ったリストラ等について当局の承認にかからしめる等、厳格な制度的歯どめを金融機関に課した上で行われるものでございます。
最後に、可変保険料率制度の導入と特別保険料の期限延長についてのお尋ねでございます。
いわゆる可変保険料率方式につきましては、平成七年の金融制度調査会答申におきまして、経営内容が悪化した金融機関に高い保険料率を適用いたしますと、かえって自主的な再建を困難とすること等から、現下の経済情勢のもとでは導入は困難とされたところでございます。また、特別保険料につきましては、遅くとも平成十年度末までに保険料の負担のあり方について検討を行うことといたしております。
議員御指摘のとおり、その御指摘を踏まえ万全を期してまいるつもりであります。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01019971210/10
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011・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 笠井亮君。
〔笠井亮君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01019971210/11
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012・笠井亮
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました預金保険法の一部改正案につきまして、総理及び大蔵大臣に質問いたします。
質問に先立って、私は、昨日の衆議院本会議での不正常な採決強行に続いて、本日の本会議が職権によって強行開会されたことに強く抗議するものであります。
本法案は、山一証券や北海道拓殖銀行など相次ぐ金融機関の経営破綻と、今後の対策にも深くかかわる今国会の重要法案の一つであることは明白であります。会期末を控えた今日、十分な審議時間が保証される見込みもないのに、あえて本法案を強行成立させようとすることは、議会制民主主義と参議院の慣例を無視した余りにも理不尽な態度であると言わねばなりません。
今回の法案は、昨年の改定に続いて、預金保険機構による金融機関救済のための資金援助の手法を一層拡大しようとするものであります。今回の改定の中心は、健全な金融機関と経営の悪化した金融機関が合併して新銀行をつくる場合あるいは経営の悪化した銀行同士が合併して新銀行をつくる場合に、それらの銀行が債務超過に至る以前の段階で預金保険機構がその不良債権を買い取ることによって資金援助ができるようにするものです。
これでは預金保険機構は、ますます銀行の不良債権を始末する、いわば廃棄物処理場とされ、最後に穴があけば税金投入ということにならざるを得ないではありませんか。総理、これは預金者保護という預金保険機構の本来の機能を金融機関救済のための機関にさらに大きく変質させるものではありませんか。
既に、昨年の改悪によって預金保険機構の機能は大きく変質しています。それまでは金融機関の破綻処理に際して、その責任に応じて関係金融機関が処理費用を負担するというルールが基本的には確立していました。ところが、昨年の法改定によって預金保険機構の金融機関への資金援助が青天井になったため、関係金融機関はその責任と負担をすべて預金保険機構に押しつけ、みずからは責任逃れに終始してきました。現にこの改悪以降、関係金融機関の資金負担は、木津信用組合に対する百二十二億円の資金援助以外は一件もなされていないのが現実であります。
今回の改定により、ますます金融機関が責任をとらず、負担もしなくなることは明らかであります。総理自身、これまで、金融機関の破綻処理は金融システム内の負担により賄われることが原則とまで明言してきましたが、その立場と明白に矛盾するではありませんか。責任ある答弁を求めます。
金融機関の破綻のたびに預金保険機構にそのしわ寄せが安易に行われ、その結果、預金保険機構の収支は深刻な状況にあります。北海道拓殖銀行の破綻処理でも、拓銀の膨大な不良債権はすべて預金保険機構が買い取ることとされていますが、その額が幾らになるか、いまだにその全容がわかりません。大蔵大臣、預金保険機構の資金計画について今後どうするのかを明確にしないままずるずると資金を流出させれば、場当たり的で際限がなくなることになるのは明らかではありませんか。
今回の改定による破綻処理も、経営者や株主に十分な責任をとらせようとするものではありません。合併によりもとの銀行は消滅しますが、新銀行をつくるとなると、少なくとも株主は残ることになります。一般株主はともかく、系列銀行や株式持ち合いをしている銀行や企業などの大株主の責任が何も問われないまま資金援助が行われることを容認するというのですか。
本案において、大蔵大臣のあっせんによって行われる特定合併は、その地域または分野における資金の円滑な需給などの場合とされているだけで、具体的な発動条件は規定されておりません。これは今後の金融行政を明確なルールに基づいて行うと言明してきた政府自身の方針に反して、大蔵省の裁量次第で限定的条件なしに際限なく広く適用しようということであります。これは従来の大蔵行政で最も批判されてきた銀行業界との癒着による密室の不明朗な行政を何の反省もなしに形を変えて続けようとするものではありませんか。総理、いかがですか。
また、本法案は、特定合併による資金援助の条件として、リストラ実施計画の提出と大蔵大臣の承認を求めています。既に、いわゆるビッグバンが推し進められようとしているもとで、金融機関の労働者は人員整理や労働条件の切り下げなど厳しい状況に直面しています。本法案は、政府みずからが金融機関に働く労働者に一層過酷なリストラを迫るものになりかねません。経営破綻の責任は経営者がとるべきは当然であり、大蔵省がその責任を労働者にしわ寄せすることがあってよいのでしょうか。
今起きている金融機関の破綻は、一九八〇年代後半、政府の低金利政策のもと、規制緩和や金融の自由化が生み出したバブル経済によって引き起こされたものであり、その中で金融機関がみずから不動産や株式等の投機的ビジネスに乗り出し、乱脈な経営をほしいままにしてきたことから起きているものです。
この間、大銀行は内部留保を大きく膨らませてきました。バブル崩壊後においても超低金利政策のもとで、年間八兆円という史上最高の業務純益を上げ続けております。不良債権の処理は金融機関みずからの努力で行うべきものであり、またできるはずであります。その体力と負担能力を金融業界は十分持っているではありませんか。
ところが政府は、金融機関破綻の原因や責任の究明が不十分なまま、不良債権問題の解決のために税金など公的資金を導入する計画を進めているのであります。そこでは、預金保険機構を利用した一般金融機関への新たな公的資金導入が検討されています。さらに、経営の悪化した金融機関の優先株式を公的資金で買い取るなどの案も出ております。これらは乱脈経営で経営が悪化した金融機関を税金投入で政府が救済する以外の何物でもないではありませんか。総理の答弁を求めるものであります。
このような公的資金投入は、何の責任もない国民に負担を押しつけるものであり、断じて認めるわけにはまいりません。この際もう一度、経営者、関係金融機関及び金融界全体の責任と負担で処理するという原点に戻るべきであります。
その立場から、今起こっている相次ぐ金融機関の破綻の原因と責任を明確にし、大蔵省の金融行政と経営者の経営責任を追及すること、また、経営の内容の徹底的なディスクロージャーを図ることが必要であり、その上で明確な破綻処理のルールをつくり、国民的な合意の上で解決を図るべきではありませんか。
以上について明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01019971210/12
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013・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 笠井議員にお答え申し上げます。
まず、預金保険機構の機能についてのお尋ねがございました。
今回の改正案におきましても、ある地域に経営の悪化した金融機関が複数存在し、それらが連鎖的に預金払い戻し停止に陥るおそれがあるという状況において、合併によって新銀行を設立することにより預金者の保護を図るものでありまして、これまでの預金保険機構の機能を何ら変えるものではないと考えております。
また、金融機関の負担についてのお尋ねがございました。
昨年成立した金融三法によりまして、それまでの七倍の保険料負担を金融機関に求めることにより、ペイオフコストを上回る預金保険による資金援助を可能とし、もって預金者保護、金融システムの安定確保に万全を期しております。
また、不良債権の処理についてのお尋ねがございました。
金融機関の不良債権処理は、まず金融機関の最大限の自助努力により行われることが基本であり、現に各金融機関はその早期処理に取り組んでいるところであります。他方、不良債権の償却は、金融機関の内部留保の取り崩しなど財務内容の悪化をもたらす面があることにも留意が必要であると考えております。
次に、経営が悪化した金融機関に対する対応についてお尋ねがございました。
金融システムの安定は経済の根幹をなすものであり、個別金融機関の破綻が他の金融機関に伝播しないようにすることにより、内外のマーケットの信認を維持することが重要であります。預金者保護を目的として、公的支援を含め、具体案を早急に得、強い決意を持って金融システムの安定性確保に全力を挙げて取り組んでまいるつもりであります。
また、金融機関の破綻処理の責任についてのお尋ねがございました。
金融機関の破綻処理に当たり、経営者の責任を厳格に追及するというこれまでの一貫した方針を今後も堅持し、また、今後とも金融機関に対し一段のディスクロージャーの拡充を促してまいります。
いずれにいたしましても、金融機関の破綻処理に当たりまして、いわゆる金融三法により整備された制度の基本的な考え方を踏まえ、預金等の全額を保護するとともに、インターバンク取引等の安全を確保するなどの対応を行い、金融システムの安定性確保に万全を期すことが政府としての責務であると考えております。
残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣三塚博君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01019971210/13
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014・三塚博
○国務大臣(三塚博君) 私に対する質問は四問でございます。
まず、預金保険機構の財源についてのお尋ねでございます。
今回の改正が預金保険機構の財源の状況を悪化させる要因となるものではないと考えております。むしろ、機構の今後の財源状況は、今後どの程度の数の金融機関がどの程度の規模で破綻するかによって決まってくるものであると考える次第であります。
仮に、現在見込まれる財源で対応が困難な状況が発生した場合にはいかんと、こういうことであります。平成十年度末までに保険料の負担のあり方について検討を加え、ただいま三党の中におきましても補てんの道がないかということで御協議いただき、結論を待って対処してまいります。
預金保険法改正案における株主の責任についてのお尋ねでございますが、今回の措置の発動に当たりましては、当局の検査や監査法人の監査により適正に資産の評価を行った上で、その際発生する損失については、資本で充当するものでございまして、適正な処理の結果として最大限の株主負担を求めることといたしているものであります。
次に、預金保険法案における計画の承認についてのお尋ねでございます。
経営が悪化いたしました金融機関同士が新設合併する場合に、預金者保護を図るためには、新設金融機関の経営が健全に行われるための体制の整備等を確保する必要があります。このために、今回の措置におきましては、新設金融機関の業務の健全かつ適切な運営を確保するための計画を策定させまして、これを当局の承認にかからしめることといたしたところでございます。
最後に、総理の質疑と同様で、答弁を申し上げますが、不良債権の処理についてのお尋ねであります。
総理が言われたとおりであります。私からは、金融機関の不良債権処理は、金融機関が経営合理化等を行う上におきまして最大限の自助努力によって対応することが基本でなければならぬと思います。各金融機関も現にその早期処理に努めるといたしておるところであります。他方、不良債権の償却は、金融機関の内部留保の取り崩しなど、財務内容の悪化をもたらす面があることにも御留意いただきたいと存じます。
大蔵省としては、預金者保護と金融システムの安定性確保に万全を期しまして、今後とも不良債権問題に適切に取り組んでまいりたいと存じます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01019971210/14
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015・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 答弁の補足があります。橋本内閣総理大臣。
〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01019971210/15
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016・橋本龍太郎
○国務大臣(橋本龍太郎君) 笠井議員におわびをし、答弁の追加をさせていただきます。
具体的発動条件についてのお尋ねがございました。
今回の改正案では、ある地域に経営の悪化した金融機関が複数存在をし、それらが連鎖的に預金払い戻し停止に陥るおそれがあり、取引先企業に対する貸し付け停止等地域経済に重大な影響が及ぶおそれがある際に、これを未然に防止するという公共的な観点から特定合併のあっせんを行うこととしております。また、厳格な制度的歯どめを金融機関に課した上で厳正に行われるものであり、護送船団方式という御指摘は私は当たらないと考えております。
なお、今回の法案における特定合併が時限措置であること、現下の金融状況下におきまして破綻処理手法の多様化を図るものであることもつけ加えさせていただきます。
大変失礼しました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01019971210/16
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017・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後九時二分散会
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