1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成九年十二月十二日(金曜日)
午後一時四分開議
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○議事日程 第十一号
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平成九年十二月十二日
午後一時 本会議
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第一 精神保健福祉士法案(第百四十回国会内
閣提出、第百四十一回国会衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、日程第一
一、言語聴覚士法案(内閣提出、衆議院送付)
一、農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送付)
一、預金保険法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
一、議長不信任決議案(平井卓志君外四名発議
)(委員会審査省略要求事件)
一、外国等による本邦外航船舶運航事業者に対
する不利益な取扱いに対する特別措置に関す
る法律の一部を改正する法律案(衆議院提出
)
一、国会法等の一部を改正する法律案(衆議院
提出)
一、参議院規則の一部を改正する規則案(中曽
根弘文君外七名発議)(委員会審査省略要求
事件)
一、元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関
する請願外三百二十二件の請願
一、委員会及び調査会の審査及び調査を閉会中
も継続するの件
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/0
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001・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
日程第一 精神保健福祉士法案(第百四十回国会内閣提出、第百四十一回国会衆議院送付)及び本日委員長から報告書が提出されました
言語聴覚士法案(内閣提出、衆議院送付)を日程に追加し、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/1
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002・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。厚生委員長山本正和君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔山本正和君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/2
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003・山本正和
○山本正和君 大変御迷惑をおかけいたしまして、まず冒頭におわび申し上げます。
ただいま議題となりました二法律案につきまして、厚生委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、精神保健福祉士法案は、近時の精神障害者の社会復帰をめぐる状況にかんがみ、精神障害者の社会復帰を促進するための相談及び援助の業務に従事する者の資質の向上及びその業務の適正を図るため、精神保健福祉士の資格を定めようとするものであります。
次に、言語聴覚士法案は、人口の高齢化等に伴い、リハビリテーション医療の分野において、言語機能及び聴覚に障害を持つ者に対して訓練等を行う専門技術者の果たす役割が重要になってきたことにかんがみ、新たに言語聴覚士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律しようとするものであります。
なお、衆議院におきまして、言語聴覚士法案に対し、言語聴覚士の資格に係る欠格事由のあり方についての検討規定を加える修正が行われております。
委員会におきましては、両案を一括して審査し、精神保健福祉士を独立の資格として制度化する理由、精神障害者社会復帰施設の着実な整備、言語聴覚士に係る診療の補助行為の内容、両資格制度に係る診療報酬上の適切な位置づけ等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終わり、順次採決の結果、両案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、両案に対し、それぞれ附帯決議が付されております。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/3
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004・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより両案を一括して採決いたします。
両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/4
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005・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 総員起立と認めます。
よって、両案は全会一致をもって可決されました。
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006・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/6
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007・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長松谷蒼一郎君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔松谷蒼一郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/7
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008・松谷蒼一郎
○松谷蒼一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、最近における我が国の金融を取り巻く環境の変化に対応し、経営の困難な農水産業協同組合について、適時適切な処理を図るため、合併により設立される農水産業協同組合等を、農水産業協同組合貯金保険機構の資金援助の対象に加える等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、今回の法改正の必要性、農漁協系統信用事業の現状と課題、新設合併に際しての理事等の経営責任、責任準備金の積み立て状況と保険料率のあり方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して須藤委員より、本法律案に反対である旨の意見が述べられました。
討論を終わり、採決の結果、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/8
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009・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/9
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010・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/10
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011・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
預金保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/11
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012・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長石川弘君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔石川弘君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/12
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013・石川弘
○石川弘君 ただいま議題となりました預金保険法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本法律案は、最近における我が国の金融環境の変化に対応し、破綻金融機関に係る合併等に対し、預金保険機構が資金援助を行えるよう、その資金援助の対象となる救済方法の範囲を拡大する等所要の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、内閣総理大臣の出席を求めるとともに、参考人からの意見を聴取し、特定合併に対する資金援助の具体的基準、預金保険機構の財政状況及び保険料率のあり方、金融システム安定化のための公的資金導入の可能性等各般にわたる熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して笠井亮委員より本法律案に反対、自由民主党、社会民主党・護憲連合を代表して金田勝年委員より本法律案に賛成する旨の意見がそれぞれ述べられました。
討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/13
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014・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/14
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015・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
よって、本案は可決されました。
これにて休憩いたします。
午後一時十四分休憩
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午後二時十六分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/15
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016・松尾官平
○副議長(松尾官平君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
この際、お諮りいたします。
平井卓志君外四名発議に係る議長不信任決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/16
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017・松尾官平
○副議長(松尾官平君) 御異議ないと認めます。
よって、本決議案を議題といたします。
まず、発議者の趣旨説明を求めます。平井卓志君。
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〔議案は本号末尾に掲載〕
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〔平井卓志君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/17
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018・平井卓志
○平井卓志君 私は、平成会を代表して、斎藤十朗議長の不信任決議案について提案の趣旨を説明いたします。
まず、決議案の案文を朗読いたします。
議長不信任決議案
本院は、議長斎藤十朗君を信任しない。
右決議する。
以下、その理由を申し述べます。
参議院は、常に国民の信頼と負託にこたえ、国民の幸せを実現するという重大な責務を担っておりますことは言うまでもありません。
そのために、参議院は議会制民主主義を尊重し、民主的に議会運営を遂行するという崇高な目標と理念を持っているのであります。そのことを具体的な例で申しますと、与党と野党がお互いの立場を尊重しながら、信頼感に基づいてできるだけ合意形成を図っていくということであります。
しかしながら、斎藤議長はその原点をみずから打ち破ったのであります。一昨日十日午後八時、斎藤議長は本会議開催のベルを理不尽にも押してしまったのであります。我々野党三党が欠席しているのにもかかわらず、主に与党だけで開会を強行したのであります。
本来、公正中立であるべき議長が一方的に与党にくみし、結果として与党の言いなりになってしまいました。平成会、民主党・新緑風会並びに太陽三会派の言い分には決して耳をかしませんでした。
その間、与党の意向を受けた議長が何回か私どもを招いて話し合いを持ちました。しかし、その都度審議に参加してほしいと言うだけで、具体的な話や打開策を一切出してこなかったのであります。ただ、話し合いの格好をつけただけに終わりました。
斎藤議長はこのように真剣に汗をかこうとしませんでした。この姿勢は、議会のリーダーとして決して許せることではありません。
議会制民主主義の基本は、議長が少数野党の意見を最大限に聞くことにあるのであります。斎藤議長はそれを踏みにじってしまいました。
問題の預金保険法改正案は、必ず金融界を混乱させることが必至な悪法であります。その悪法を衆議院では、自民党、社民党などの与党が不正常な形で強行採決をいたしました。
我々参議院は、このような事態のときこそ独自の立場から良識の府として慎重な態度をとらなければならないのであります。にもかかわらず斎藤議長は、党利党略に走る自民党などの主張に押し切られ、平成会など健全野党の意見を無視してしまったのであります。
とりわけ斎藤議長は、参議院の権威を高めようとみずから参議院改革の音頭をとってこられたのであります。私どもは、その趣旨を当然理解し、これまでできるだけの協力をしてきたのであります。
その議長が参議院の権威をおとしめる行為をみずから行ったのであります。崇高な理想とごり押し開会をしたそのギャップの開きはまことに甚だしいと言わざるを得ない。今回の事態と行動でその斎藤議長をもはや信頼することができません。よって平成会は、参議院に良識を呼び戻し、議会制民主主義を健全な軌道に乗せるため、それらを妨げた斎藤議長の不信任案を提案いたします。
特に、参議院のあり方を憂える良識ある議員の皆さんの御賛同をぜひお願いいたします。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/18
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019・松尾官平
○副議長(松尾官平君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。佐々木満君。
〔佐々木満君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/19
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020・佐々木満
○佐々木満君 私は、自由民主党、社会民主党・護憲連合、新党さきがけを代表いたしまして、ただいま議題となりました斎藤参議院議長に対する不信任決議案に対し、反対の討論を行うものであります。
我が斎藤議長におかれては、平成七年八月、全会派賛成のもとに議長に選任されまして以来、常に公平、公正、中立を旨とされ、終始円満、適正な議会運営に当たってまいられました。
また、長年の懸案でありました参議院制度の改革につきましても、みずから先頭に立ってその実現に努力され、目覚ましい成果を上げつつありますことは、諸君よく御承知のところであります。
我が斎藤議長は、本院議員としての長い御活動の中で数多くの要職を歴任され、さらに国務大臣の重責にも任ぜられ、この間、輝かしい業績を積み上げてこられました。
さらに、参議院改革にはつとに情熱を持って取り組んでこられましたが、特に議院運営委員長、改革協議会の座長として、新しく本院独自の調査会の設置を取りまとめられたのであります。これは参議院の権威高揚のための画期的な改革でありまして、我が国憲政史を飾る快挙と申すべきだと思います。
さらに、推されて参議院議長に就任されますや、早速、制度改革検討会に対して、委員会制度の根本的見直しや国会テレビの活用など、本院改革についての基本的かつ広範な課題をみずから提起されました。
検討会におきましては、斎藤議長の意を体して真剣活発な意見交換、協議が重ねられました結果、昨年十二月、委員会審査及び調査の充実、決算審査の充実、押しボタン方式の導入、議員立法の充実、情報の一層の公開などについて具体策の答申を見るに至ったのであります。そのうち、押しボタン方式については来通常国会からの導入が決定されるなど、着々その成果を上げつつあることは諸君よく御案内のところであります。
また、委員会再編につきましては、作業小委員会での慎重かつ精力的な調整検討を経て、先日の国会法の改正により実現することになりましたが、これは行政改革における中央省庁の再編にも比すべき大改革であります。これが実現を見たことは、議員各位の御努力、御協力によるものであることはもちろんでありますが、同時に、これをよく取りまとめられました斎藤議長のすぐれた先見性と決断力、そして改革への強いリーダーシップの成果でもあり、まさに絶賛に値するものであります。
この間、各会派の代表者懇談会や個別の話し合いも粘り強く積み重ねられましたが、斎藤議長におかれましては、その高潔な人柄をもって各会派の意見によく耳を傾けられ、円満解決をモットーにその取りまとめに努力されたのであります。
このように考えてまいりますと、今回不信任案を提出された会派の諸君におかれましても、参議院改革に寄せる斎藤議長の熱意と誠意ある取り組みについては十分御理解、御評価をいただいておるものと確信いたすものであります。
今回、衆議院から送付されました預金保険法改正案は、我が国の金融システムの安定、預金者保護に必要な緊急措置を定めようとするものであり、仮に今国会で不成立となるがごとき事態ともなれば、我が国はもとより、アジア、世界経済に深刻な影響を及ぼしかねないものであります。
去る十日の本会議は、残された会期が極めて少ないという状況の中において、野党の理解を求めるべく誠意ある努力をぎりぎりまでされた上で開催されたものでありまして、大局に立たれた議長の決断としてはまことにやむを得ないものであり、まさに苦渋の選択だったと信ずるものであります。私は、斎藤議長の御心中に思いをいたすとき、まことに頭の下がる思いがいたすのでございます。
内外ともかつてない重要な局面にある今日、我々は尊敬する斎藤議長のもとで新しい時代にふさわしい参議院改革を断行し、開かれた活力ある効率的な審議を通じて国民の負託にこたえ、もって新しい時代を切り開いていかなければなりません。
我々は、全力を挙げて斎藤議長を支えてまいります。議員諸君におかれましても不信任案の不当性に十分御理解をいただき、我が斎藤議長を温かく、そして力強く信任してくださるよう心よりお願いを申し上げます。
以上、自由民主党、社会民主党・護憲連合、新党さきがけを代表して、私の反対討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/20
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021・松尾官平
○副議長(松尾官平君) 猪熊重二君。
〔猪熊重二君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/21
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022・猪熊重二
○猪熊重二君 私は、平成会を代表して、ただいま議題となりました斎藤議長不信任決議案に賛成の討論を行うものであります。
賛成する第一の理由は、議長が去る十日行った本会議の開会は、幾十年にわたる参議院の重要法案審議期間二十日間確保という悲願をいとも安易に否定したものであって、本院議長にあるまじき暴挙であると言わなければなりません。
議員各位も御承知のとおり、従前から、衆議院は多くの重要法案を会期末に一括参議院に送付してきており、参議院はこれらの法案の審議時間を確保するために、会期終了との時間の戦いの中で苦しんでまいりました。
このような状況を解消し、参議院が真に参議院らしい審議ができるよう河野議長以来今日まで、歴代議長が衆議院に対し、重要法案については少なくとも参議院における二十日間の審議時間確保を見込んで送付してくるようにと要望し、その実現のために全力を傾けてきたところであります。
今回、衆議院から送付された預金保険法改正案は、まさにこの審議二十日間を相当とする重要法案であります。
この法案は、預金者保護を本来の法の目的として制定され運用されてきた預金保険法の法的性質を百八十度転換し、破綻金融機関相互が合併した場合にも公的支援が可能となるよう改正しようとするものであります。
したがって、この法案は、従前の政府の破綻金融機関の救済のために公的資金は投入しないとの国会答弁と矛盾する重大問題を抱えた法案であり、また、当事者金融機関の責任追及をすることもなく、監督官庁たる大蔵省の職務怠慢、無為無策を究明することもないままに国民の血税を投入しようとするものであって、到底国民の理解を得ることのできない不公平、不公正な内容であります。
この法案審議に際しては、国民の信託による貴重な財産をかかる破綻金融機関救済のために投入することの是非につき、当然に国民の意見を聞かなければならず、また、委員会において当該施策の妥当性、相当性につき慎重な審議が要求されることは当然であります。
議長が十日夜の同法案趣旨説明のための本会議開催を強行したことは、わずか一日の審議で本法案を成立させることを企図した行為であり、かかる重要対決法案を二十日どころかたったの一日の審議で成立させることをもくろんだ本会議運営は、歴代参議院議長の長年にわたる慎重審議の悲願を一挙に否定、消失せしめる行為であって、到底容認することはできないのであります。
不信任案に賛成する第二の理由は、議長が本法案の衆議院における審議、採決の違法、不当、すなわち瑕疵につき故意に目をつむり、あたかも正常な衆議院送付案のごとく安易に処理したことの不当性にあります。
本法律案は、衆議院において、本月五日大蔵委員会において大混乱の中に強行採決され、その後、この委員会運営の違法性が何ら打開されないままに、本月九日夜の本会議において与党単独で変則強行議決されたものであります。
もちろん、当参議院が衆議院の右のような審議、採決の議事手続の当否につき直接批判、介入すべきものでないことは各院の独立性から当然のことであります。しかし、各院の独自性、独立性の問題と、他院の審議の実態を客観的に把握した上で当院としていかに対処することが適切であるかを検討するということとは全く別個の次元の問題であります。
かかる観点に立脚し、当院の運営に関する最高の権威と指揮権を有する議長としては、衆議院の右のような審議、採決の状態を深く検討し、これを他山の石として、本院においてはかかる事態を回避し円満、慎重な審議を企図すべきは当然であります。
しかるに、議長の本件に対する対応は、衆議院の異常事態を見きわめた上で本院のあり方を考えるということとまさに逆行するものであって、本院においても衆議院における暴挙の追認、後追いをするにすぎない無残なことと相なりました。
かくしては、衆議院の誤りを是正し抑制機関として参議院が作用することをみずから放棄し、また衆議院の足らざるところを補完して国政に遺漏なきを期すという補完機能をも放棄したものと言わざるを得ません。
議長の今回の本会議開会の措置は、参議院の抑制・補完・是正機能の放棄であり、参議院みずからによる二院制の憲法的意義の抹殺であります。参議院の存在意義を根本的に問わなければならない事態を招来した議長の責任は、職を辞してもなお回復し得ないほどに重大な誤りであると言わざるを得ません。
不信任案に賛成する第三の理由は、本会議開会に至るまでの議長の事態解決に対する無為無策であります。
衆議院から右法案が強行採決の法案として送付されてきた時点から、議長は、事態の重大性にかんがみ、各派の対応を見守りつつ円満妥当な解決を模索すべきでありました。
しかるに、議長の対応は各派を対等に招致し、各派に打開策の検討を指示したのみであります。しかし、このような方策は、事態解決の責任を負担している与党の責任を見逃すものであって、到底事態打開の糸口を見出すことは不可能であります。かかる議長の行為は、事態解決への議長としての識見も先見性も全く持ち合わせていないものと非難されてもやむを得ないところであります。
議長としては、本法律案の内容からしても、与党の衆議院での強行採決の事態から考えても、本院においてとるべき唯一の方策は、与党、特に自由民主党に対する慎重審議の説得でなければなりません。さらに言うならば、議長がとり得る唯一の解決策は、与党、特に自由民主党に対し、当法案を慎重審議するため本案を次期通常国会まで継続審議にすべしと説得することであります。
しかるに、議長は、与党の一方的、利己的、党派的見解にくみし、継続審議という公正妥当な道を全く求めることもせずに、単に与党の強行採決路線に盲従したにすぎないのであります。
議長の今回の本会議開催の権限行使は、議長としての公正公平な職分、権限を忘失し、単に自由民主党の水先案内人の務めを果たしたにすぎず、議会制民主主義の根本的破壊の第一歩と言うべきであります。
議会制民主主義は、民主主義が相対主義の原理に基づくものであること、またその具体的方策がやむを得ない多数決原理であることを前提として、構成員の自由な討議による意見の変動、集約を期待するところに成り立っております。
議長の今回の本会議開会、一日だけの審議による重要法案与党単独による強行議決の路線は、議会制民主主義を実質的に否定するものであって、到底容認することはできないのであります。
私は、議長が就任以来今日まで誠実に公平に妥当に議長としての職務を執行してこられたことに深甚の敬意と感謝を申し上げるものであります。しかし、今回のような議長の行為は、議長の長きにわたる栄光と識見に全く逆行するものであって、まことに遺憾のきわみであります。
以上、私は本不信任決議案に賛成する事由を述べ、討論を終わります。
どうもありがとうございました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/22
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023・松尾官平
○副議長(松尾官平君) 伊藤基隆君。
〔伊藤基隆君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/23
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024・伊藤基隆
○伊藤基隆君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま提案のありました斎藤議長不信任決議案に対し、賛成の立場から討論を行うものであります。
我が国は今、不安と不信に覆われています。相次ぐ金融機関の経営破綻、そして不景気に、庶民、町々の商店街、中小零細企業経営者の方々にはやり場のない怒りがうっせきしております。議員各位、地元を初め、実際に自分の足で町を歩かれれば、その悲鳴とも言える切実な声に身も引き締まる思いになられることと確信いたします。
かかる中、本第百四十一臨時国会は実に重大な使命と国民の期待を背負ったものでありました。ビッグバンを視座に据えた抜本的な金融対策、そして切迫した財政を構造から改革する青写真を示し、国民の不安感を一掃し、経済社会の安定化を図ることが求められていることは当然であります。
しかしながら、政府・与党は、構造改革の名に値しないばかりか、消費の急激な冷え込み、株価の大暴落など、今日の日本経済の一層の混迷を招いた財政構造改革法、そして、金融機関経営者のモラルハザードをさらに加速し、一層の恣意的な裁量行政を招くおそれが強く、預金保険機構の資金不足等の問題に対する抜本的対策を全く欠いた預金保険法改正案を、国会の手続、民主主義の根幹のルールを踏みにじってまで成立を図っております。この姿に国民の怒りと不信は高まるばかりであります。
そして参議院に身を置く私たちが最も憂慮し、残念でならないことは、このような不正常な事態、混乱に参議院議長みずからも手をかし、参議院の使命と国民からの負託を放棄する結果となってしまっていることであります。混乱と対立の中で衆議院から送付された案件だからこそ、私たち参議院は、冷静かつ真摯に政策議論を重ね、国民の意思を施策に反映させるべきであり、それこそが良識の府としての存在意義と、そして誇りのゆえんでありました。
我々は、参議院としての主体性を持って正常化を図り、十分な審議をすべく申し入れを行いましたが、与党は何らの誠意を持った対応を行いませんでした。そして議長は、このような事態の中にあってもみずから議会を正常化する努力を怠り、不正常なままでの本会議開会を強行いたしました。
そもそも、重要法案は二十日間の審議期間をもって慎重審議することが慣例であります。しかし、九月二十九日以来七十五日の会期がありながら、預金保険法改正案は、本日を含め三日間しかない中で衆議院から送付されたことは周知のとおりであります。また、国民から厳しく政治倫理の確立を求められているにもかかわらず、衆議院予算委員会で行われた泉井氏の証人喚問が参議院予算委員会では行われないなど、参議院軽視としか思えない事態が相次いでおります。
本来、議長を先頭に、参議院の総意としてこのような事態に対処すべきでありますが、斎藤議長は全く適切な対応を放棄しております。もはや斎藤議長は良識の府たる参議院の議長を務めるにあたわざると言わざるを得ないばかりか、このように国民から負託された参議院の責務をみずから放棄し、また、院の権威と信頼関係を損なう結果をもたらしたことに対し、厳しく責任を問われなければなりません。
以上を申し上げ、斎藤議長不信任決議案に対する賛成の討論といたしますとともに、各党会派、議員各位の御賛同を呼びかけるものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/24
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025・松尾官平
○副議長(松尾官平君) 立木洋君。
〔立木洋君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/25
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026・立木洋
○立木洋君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました斎藤議長不信任案に対して賛成の討論を行うものであります。
賛成する理由は、斎藤議長が、重要法案については十分な審議日程を確保し、審議充実を図るという職責を果たさない点において、議長としてふさわしくないからであります。
以下、その理由を申し述べます。
問題となっている預金保険法は、そもそも日本版ビッグバンを推進するもとで、預金保険機構による資金援助の手法を一層拡大し、合併して新銀行をつくる場合、債務超過に至る以前の段階においても、機構がその不良債権を買い取ることができるようにするというものであります。これは預金者保護という預金保険機構の本来の機能を大きく変質させ、公的資金の際限なき投入につながるなどの重大な問題点を持つもので、今日、山一証券を初めとする金融機関の経営破綻が続発する中、その対策の方向にも深くかかわる今国会の重要法案の一つでありました。
ところが、衆議院では自民党など与党が、我が党などの強い反対を押し切って強行採決を繰り返すなどの暴挙を重ね、本院に預金保険法案が送付されたのは会期末のわずか三日前のことでありました。
参議院はこれまで、重要法案については二十日間の審議期間を確保するということが参議院改革の一貫した主要項目の一つであるとして全会派によって再三合意され、議長の諮問機関として設置されていた参議院制度改革検討会答申にも、昨年わざわざこのことを盛り込んだばかりなのであります。
この答申などの基本精神に従えば、このような重大な法案は、まさに参議院本来の意義と役割に照らせば審議不十分となることは明白であり、もはや廃案とするのが至当であり、斎藤議長がそのために必要な措置をとることは当然のことであったのであります。
しかるに斎藤議長は、この自民党など与党の意向に沿って、衆議院から送付されてきた翌日に、一部野党の欠席という不正常な事態が解決されないまま法案の趣旨説明、質疑の本会議を開き、本日の採決強行に至る道を開いたのであります。
その結果、いよいよ会期末を迎えた本日に至り、重要法案にふさわしい十分な審議も尽くされないまま、与党多数で大蔵委員会での採決を強行するに至ったため、我が党は、議長が本院の役割に照らし本法案を廃案にするよう強く申し入れてまいりました。
ところが、議長は、我が党のこの道理のある提案を顧みず、与党の言うまま、預金保険機構法案採決のための本会議開会のベルを押し、法案が成立するに至ったのであります。このような行為は議長の職責に反するものと指摘せざるを得ません。
暴挙に暴挙を重ねた衆議院の審議でさえ、五日間の審議が行われたのであります。本院においてわずか三日の審議で重要法案を成立させるなどということは、衆議院の行き過ぎを抑制し、誤りがあれば慎重な審議の中でそれを正すという二院制における参議院本来の役割を否定することとなり、その責任は極めて重大であります。
それはまた、本院の進めてきた参議院改革の基本理念にも根本から反し、参議院開設五十年に当たるこの年の締めくくりとしてまことにふさわしくない運営であり、まさに不信任に値するものと言わざるを得ないのであります。
以上のとおり、参議院が国民の期待にこたえて、重要法案について十分な審議を尽くす国会となることを改めて強く要求し、不信任に対する賛成の討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/26
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027・松尾官平
○副議長(松尾官平君) これにて討論は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/27
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028・松尾官平
○副議長(松尾官平君) これより採決をいたします。
表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
〔議場閉鎖〕
〔参事氏名を点呼〕
〔投票執行〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/28
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029・松尾官平
○副議長(松尾官平君) 投票漏れはございませんか。——投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
〔投票箱閉鎖〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/29
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030・松尾官平
○副議長(松尾官平君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
〔議場開鎖〕
〔参事投票を計算〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/30
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031・松尾官平
○副議長(松尾官平君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十九票
白色票 九十六票
青色票 百四十三票
よって、本決議案は否決されました。(拍手)
—————・—————
〔参照〕
賛成者(白色票)氏名 九十六名
足立 良平君 阿曽田 清君
荒木 清寛君 石田 美栄君
泉 信也君 猪熊 重二君
今泉 昭君 岩瀬 良三君
魚住裕一郎君 牛嶋 正君
海野 義孝君 及川 順郎君
大久保直彦君 大森 礼子君
扇 千景君 加藤 修一君
風間 昶君 片上 公人君
勝木 健司君 小林 元君
木暮 山人君 木庭健太郎君
白浜 一良君 菅川 健二君
田村 秀昭君 高野 博師君
高橋 令則君 武田 節子君
但馬 久美君 都築 譲君
続 訓弘君 鶴岡 洋君
寺崎 昭久君 寺澤 芳男君
戸田 邦司君 直嶋 正行君
永野 茂門君 長谷 川清君
浜四津敏子君 平井 卓志君
平田 健二君 平野 貞夫君
広中和歌子君 福本 潤一君
星野 朋市君 益田 洋介君
松あ きら君 円よ り子君
水島 裕君 山崎 力君
山下 栄一君 山本 保君
吉田 之久君 和田 洋子君
渡辺 孝男君 朝日 俊弘君
伊藤 基隆君 一井 淳治君
今井 澄君 小川 勝也君
岡崎トミ子君 萱野 茂君
川橋 幸子君 久保 亘君
国井 正幸君 小島 慶三君
齋藤 勁君 笹野 貞子君
菅野 久光君 竹村 泰子君
千葉 景子君 角田 義一君
中尾 則幸君 前川 忠夫君
松前 達郎君 峰崎 直樹君
本岡 昭次君 藁科 滿治君
阿部 幸代君 有働 正治君
上田耕一郎君 緒方 靖夫君
笠井 亮君 聴濤 弘君
須藤美也子君 立木 洋君
西山登紀子君 橋本 敦君
筆坂 秀世君 山下 芳生君
吉岡 吉典君 吉川 春子君
山田 俊昭君 北澤 俊美君
釘宮 磐君 小山 峰男君
—————————————
反対者(青色票)氏名 百四十三名
阿部 正俊君 青木 幹雄君
芦尾 長司君 井上 吉夫君
井上 孝君 井上 裕君
石井 道子君 石川 弘君
石渡 清元君 板垣 正君
岩井 國臣君 岩崎 純三君
岩永 浩美君 上杉 光弘君
上野 公成君 浦田 勝君
海老原義彦君 遠藤 要君
小野 清子君 尾辻 秀久君
大河原太一郎君 大木 浩君
大島 慶久君 大野つや子君
太田 豊秋君 岡 利定君
岡野 裕君 岡部 三郎君
加藤 紀文君 狩野 安君
鹿熊 安正君 景山俊太郎君
笠原 潤一君 片山虎之助君
金田 勝年君 釜本 邦茂君
鎌田 要人君 上吉原一天君
亀谷 博昭君 河本 英典君
木宮 和彦君 北岡 秀二君
久世 公堯君 沓掛 哲男君
倉田 寛之君 小山 孝雄君
鴻池 祥肇君 佐々木 満君
佐藤 静雄君 佐藤 泰三君
斎藤 文夫君 坂野 重信君
清水嘉与子君 清水 達雄君
塩崎 恭久君 下稲葉耕吉君
陣内 孝雄君 須藤良太郎君
鈴木 政二君 鈴木 貞敏君
鈴木 正孝君 世耕 政隆君
関根 則之君 田浦 直君
田沢 智治君 田村 公平君
高木 正明君 竹山 裕君
武見 敬三君 谷川 秀善君
常田 享詳君 坪井 一宇君
中島 眞人君 中曽根弘文君
中原 爽君 永田 良雄君
長尾 立子君 長峯 基君
楢崎 泰昌君 成瀬 守重君
西田 吉宏君 野沢 太三君
野間 赳君 野村 五男君
南野知惠子君 橋本 聖子君
馳 浩君 畑 恵君
服部三男雄君 林 芳正君
林田悠紀夫君 平田 耕一君
二木 秀夫君 保坂 三蔵君
真島 一男君 真鍋 賢二君
前田 勲男君 松浦 功君
松浦 孝治君 松谷蒼一郎君
松村 龍二君 三浦 一水君
溝手 顕正君 宮崎 秀樹君
宮澤 弘君 村上 正邦君
守住 有信君 森田 健作君
矢野 哲朗君 山崎 正昭君
山本 一太君 依田 智治君
吉川 芳男君 吉村剛太郎君
石井 一二君 赤桐 操君
及川 一夫君 大渕 絹子君
大脇 雅子君 梶原 敬義君
上山 和人君 菅野 壽君
日下部禧代子君 志苫 裕君
清水 澄子君 瀬谷 英行君
谷本 巍君 照屋 寛徳君
田 英夫君 渕上 貞雄君
三重野栄子君 村沢 牧君
山本 正和君 渡辺 四郎君
西川きよし君 江本 孟紀君
椎名 素夫君 末広まきこ君
奥村 展三君 堂本 暁子君
水野 誠一君 武田邦太郎君
長谷川道郎君
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/31
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032・松尾官平
○副議長(松尾官平君) これにて休憩いたします。
午後三時七分休憩
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午後四時五十一分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/32
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033・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
大蔵大臣から発言を求められております。発言を許します。三塚大蔵大臣。
〔国務大臣三塚博君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/33
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034・三塚博
○国務大臣(三塚博君) 去る十二月五日の本院本会議質疑に際しましては、前日夕刻から再三にわたり本院から本会議の予定並びに質疑予定時間が繰り上がる旨の連絡があったにもかかわりませず、出席がおくれました。議員各位にお待たせを申し上げ、三分間にわたって本院本会議を中断せしめ、御迷惑をおかけいたしましたことに対し、深くおわびを申し上げます。
今後、このような事態が生じませんよう十分心を戒めてまいりますと同時に、緊密な省内の連絡体制の徹底を図ります。(拍手)
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/34
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035・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
外国等による本邦外航船舶運航事業者に対する不利益な取扱いに対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/35
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036・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長泉信也君。
—————————————
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
—————————————
〔泉信也君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/36
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037・泉信也
○泉信也君 ただいま議題となりました法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本法律案は、外国等が本邦外航船舶運航事業者に対し、不当に差別的な負担金の納付を義務づけ、もしくは本邦外航船舶運航事業者の使用する船舶の当該外国の港への入出港を制限する等の措置を実施し、または決定する場合において、当該措置により生ずる事態に緊急に対処するため、当該外国に係る外国外航船舶運航事業者に対し、その使用する船舶の本邦の港への入港の禁止等を命ずることができることとする等の措置を講じようとするものであります。
委員会におきましては、提出者の衆議院運輸委員長から趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/37
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038・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/38
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039・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 総員起立と認めます。
よって、本案は全会一致をもって可決されました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/39
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040・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
国会法等の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/40
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041・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長中曽根弘文君。
—————————————
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
—————————————
〔中曽根弘文君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/41
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042・中曽根弘文
○中曽根弘文君 ただいま議題となりました法律案につきまして、議院運営委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本法律案は、衆議院提出によるものでございまして、その主な内容は、衆議院の決算委員会を改組して決算行政監視委員会を設置すること、各議院または各議院の委員会の内閣等に対する報告または記録の提出要求に関する規定の整備を図ること、各議院または各議院の委員会は会計検査院に対して特定事項の検査の要請を行うことができるものとすること、会計検査院の機能強化のための会計検査の観点を明記すること、衆議院事務局に、委員会の命を受けて行う予備的調査の事務等を分掌するため調査局を置き、衆議院法制局に法制企画調整部を置くこと等の措置を講ずるものであります。
委員会におきましては、提出者の亀井衆議院議院運営委員長から趣旨説明を聴取した後、自由民主党、平成会、民主党・新緑風会、社会民主党・護憲連合の各会派を代表して西田理事より、会計検査院に対する特定事項の検査の要請は参議院の調査会からも行えるようにする旨の修正案が提出されました。
採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも多数をもって可決され、本法律案は修正議決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/42
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043・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/43
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044・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
よって、本案は委員長報告のとおり修正議決されました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/44
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045・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) この際、お諮りいたします。
中曽根弘文君外七名発議に係る参議院規則の一部を改正する規則案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/45
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046・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
よって、本規則案を議題といたします。
まず、発議者の趣旨説明を求めます。中曽根弘文君。
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〔議案は本号末尾に掲載〕
—————————————
〔中曽根弘文君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/46
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047・中曽根弘文
○中曽根弘文君 ただいま議題となりました参議院規則の一部を改正する規則案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
本規則案は、今般の国会法の一部改正により再編される常任委員会及び新設される行政監視委員会の委員の数及び所管について定めること、本会議における押しボタン式投票方式を採用するため、所要の規定の整備を行うこと、委員会及び調査会が会計検査院に対し特定事項の検査の要請を行う場合の手続を定めることの三点から成るものでございます。
以下、その内容を御説明申し上げます。
改正の第一は、常任委員会の委員の数及び所管についてでございます。
まず、第一種常任委員会の委員の数でございますが、議員定数の二百五十二人を十二の委員会に均等に配分し、各委員会とも二十一人とすることといたしております。再編される第一種委員会の所管でございますが、基本政策別に新たに規定することといたしております。
また、新設される行政監視委員会でございますが、委員の数は三十人とし、所管を行政監視に関する事項、行政監察に関する事項、行政に対する苦情に関する事項の三項目とすることといたしております。
また、常任委員を兼ねることのできる場合に行政監視委員を追加することといたしております。
改正の第二は、本会議における押しボタン式投票方式の採用についてでございます。
現在、本会議におきましては起立採決、記名投票、異議の有無による採決の三種類の採決方式が採用されておりますが、今般新たに押しボタン式投票装置を導入し、議長は必要と認めたときは押しボタン式投票によって採決することができることといたしております。
押しボタン式投票の方法でございますが、問題を可とする議員は投票機の賛成ボタンを、問題を否とする議員は投票機の反対ボタンを押すことによって投票することといたしております。
また、起立採決において議長が起立者の多少を認定しがたいとき、または議長の宣告に対し出席議員の五分の一以上から異議の申し立てがあったときには、現行規則におきましては記名投票によって採決することとなっておりますが、新たに押しボタン式投票の方法によることもできることといたしております。
改正の第三は、委員会及び調査会から会計検査院に対し特定事項の検査の要請を行う場合の手続についてでございます。
今般の国会法の一部改正に伴いまして、国会から審査または調査のため会計検査院に対して特定事項について検査の要請を行うことができることとなりますが、委員会または調査会から求める場合には議長を経て行うことといたしております。
なお、附則において本改正は次の常会の召集の日から施行することといたしております。
以上が本規則案の提案の趣旨及びその内容でございます。
何とぞ御賛同くださるようお願い申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/47
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048・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
本規則案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/48
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049・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
よって、本規則案は可決されました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/49
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050・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
本日内閣委員長外十委員長から報告書が提出されました元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関する請願外三百二十二件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/50
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051・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
—————————————
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〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/51
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052・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) これらの請願は、各委員長の報告を省略して、各委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/52
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053・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
よって、これらの請願は各委員会決定のとおり採択することに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/53
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054・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) この際、委員会及び調査会の審査及び調査を閉会中も継続するの件についてお諮りいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/54
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055・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) まず、文教委員会において審査中のスポーツ振興投票の実施等に関する法律案、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案及びスポーツ振興法の一部を改正する法律案について採決をいたします。
三案の委員会審査を閉会中も継続することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/55
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056・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
よって、三案の委員会審査を閉会中も継続することに決しました。
次に、各委員長及び各調査会長要求に係るその他の案件について採決をいたします。
これらの案件は、いずれも委員会及び調査会の審査または調査を閉会中も継続することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/56
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057・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
よって、いずれも委員会及び調査会の審査または調査を閉会中も継続することに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/57
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058・斎藤十朗
○議長(斎藤十朗君) 今期国会の議事を終了するに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
去る九月二十九日に召集されました今臨時国会も、本日の議事をもって終了する運びとなりました。
今会期中、議員各位におかれましては、財政構造改革推進法案や介護保険法案など重要議案の審査に当たられ、また景気対策、金融問題、外交・安全保障等、国政の重要かつ緊急の諸課題について、真摯な議論を重ねてこられました。
終盤に至り、一時不正常な状態となりましたことは遺憾に存じますが、参議院の円満な運営のため、今後一層心してまりたいと存じます。
ここに、この間の各位の御尽力、御苦労に対しまして、心から敬意と謝意を表するものであります。
また、今国会におきましては、かねてより取り組んでまいりました常任委員会の全面的再編並びに行政監視委員会設置のための国会法改正案が成立し、次期常会から施行される運びとなりました。さらに常会からは、本会議における押しボタン投票が導入される予定となっております。
こうした改革の実現に向け、皆様から賜りました御理解と御協力に対し、ここに厚く御礼申し上げますとともに、この改革により、来年は参議院が開設五十一年目の新たな年をより充実した体制で迎えることができるものと信じます。
内外の時局ますます多端な折から、議員各位におかれましては、一層御自愛の上、御活躍をいただきますよう、またよき新年を迎えられますようお祈り申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
これにて休憩いたします。
午後五時八分休憩
〔休憩後開議に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114115254X01119971212/58
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