1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十年一月二十二日(木曜日)
午前十時二分開会
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平成十年一月十二日議長において本委員を左のと
おり指名した。
石渡 清元君
上杉 光弘君
海老原義彦君
狩野 安君
鹿熊 安正君
小山 孝雄君
佐々木 満君
佐藤 静雄君
坪井 一宇君
橋本 聖子君
勝木 健司君
笹野 貞子君
長谷川 清君
木庭健太郎君
山本 保君
大脇 雅子君
菅野 壽君
聴濤 弘君
吉川 春子君
都築 譲君
堂本 暁子君
同日議院において左の者を委員長に選任した。
鹿熊 安正君
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出席者は左のとおり。
委員長 鹿熊 安正君
理 事
海老原義彦君
狩野 安君
笹野 貞子君
大脇 雅子君
吉川 春子君
委 員
石渡 清元君
小山 孝雄君
佐々木 満君
佐藤 静雄君
坪井 一宇君
橋本 聖子君
勝木 健司君
長谷川 清君
木庭健太郎君
山本 保君
菅野 壽君
聴濤 弘君
都築 譲君
堂本 暁子君
発 議 者 吉川 春子君
発 議 者 山本 保君
発 議 者 都築 譲君
委員以外の議員
発 議 者 笠井 亮君
発 議 者 吉岡 吉典君
発 議 者 戸田 邦司君
衆議院議員
発 議 者 小川 元君
発 議 者 辻元 清美君
修正案提出者 金田 誠一君
政府委員
経済企画庁国民
生活局長 井出 亜夫君
労働大臣官房長 渡邊 信君
事務局側
常任委員会専門
員 山岸 完治君
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本日の会議に付した案件
○理事選任の件
○国政調査に関する件
○市民活動促進法案(第百三十九回国会衆議院提
出)(継続案件)
○非営利法人特例法案(第百四十一回国会笠井亮
君外二名発議)(継続案件)
○市民公益活動法人法案(第百四十一回国会山本
保君外三名発議)(継続案件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114215285X00119980122/0
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001・鹿熊安正
○委員長(鹿熊安正君) ただいまから労働・社会政策委員会を開会いたします。
議事に先立ち、一言ごあいさつを申し上げます。
去る十二日の本会議におきまして、労働・社会政策委員長に選任されました鹿熊安正でございます。
今回の委員会再編に伴い新設されました本委員会は、従来の労働委員会が担っていた労働問題という国民生活に密接にかかわる問題に関する事項を引き継いだのみならず、新たにボランティアあるいは家族及び余暇に関する事項を所管に加え、その重要性はますます高まっております。
委員各位の御指導、御協力を賜り、公正かつ円満な委員会運営に努め、この重責を担ってまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114215285X00119980122/1
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002・鹿熊安正
○委員長(鹿熊安正君) ただいまから理事の選任を行います。
本委員会の理事の数は五名でございます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114215285X00119980122/2
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003・鹿熊安正
○委員長(鹿熊安正君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に海老原義彦君、狩野安君、笹野貞子君、大脇雅子君及び吉川春子君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114215285X00119980122/3
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004・鹿熊安正
○委員長(鹿熊安正君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
本委員会は、今期国会におきまして、労働問題及び社会政策に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114215285X00119980122/4
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005・鹿熊安正
○委員長(鹿熊安正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114215285X00119980122/5
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006・鹿熊安正
○委員長(鹿熊安正君) 速記を起こしてください。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114215285X00119980122/6
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007・鹿熊安正
○委員長(鹿熊安正君) 市民活動促進法案、非営利法人特例法案及び市民公益活動法人法案を一括して議題といたします。
発議者から順次趣旨説明を聴取いたします。発議者衆議院議員小川元君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114215285X00119980122/7
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008・小川元
○衆議院議員(小川元君) 衆議院議員の小川元でございます。
ただいま議題となりました市民活動促進法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
近年、多様で健全な価値観に立脚して行われる自律的な社会参加活動に対する意識が市民の中で高まり、さまざまな分野において市民活動を行う団体がふえてきております。
皆様も御記憶のとおり、平成七年一月、阪神・淡路大震災が発生したときには、全国的なボランティア活動並びに国際的な協力、支援が積極的に展開され、また平素においても地域における高齢者介護等福祉の分野や、海外で発生した災害時等の市民によるボランティア活動が積極的に行われ、多くの国民がこの活動の重要性を認識したところでございます。
また、ボランティア活動を初めとする市民活動は、我が国の少子・高齢社会、国際化の進展などのもとで、今後二十一世紀に向けて、我が国がより活力があり、豊かな安心できる社会を構築していく上で重要な役割を果たしていくものと確信するものでございます。
したがって、こうした市民活動を活性化するための環境整備を図ることにより、政府部門、民間営利部門とともに自主、自律の民間公益部門の発展が促進され、社会が直面する諸課題を解決する手段が多様かつ豊かになることが重要でございます。
しかし、現在、多くの市民活動を行う団体は任意団体として活動を行っており、法人格がないことから、団体名での契約を結ぶことが困難であり、また不動産登記や銀行口座の開設が不可能であります。さらには、国際的に認められるリーガルステータスがないため、国際的活動において不利な扱いを受け、また社会的信用を得にくいなどの活動上の障害が生じており、各方面からその対策を早急に行うよう要請されております。
今回の法律案は、このような要請にこたえるべく、市民活動を促進するための基盤整備の一環として、市民活動を行う団体に簡易、迅速な手続のもとで広く法人格を付与すること等により、ボランティア活動を初めとする開かれた自由な社会貢献活動としての市民活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的とするものであり、多くの市民活動団体がその早期成立を心待ちにいたしております。
次に、この法律案の内容の概要につきまして御説明を申し上げます。
まず第一に、この法律案は、市民に開かれた自由な社会貢献活動を行う団体が法人格を取得できるようにして、これら団体の社会的信用を高めるなど、活動基盤を整備し、市民活動が健全に発展することを目的といたしております。推計によれば、全国で約八万六千の市民活動団体が活動をいたしております。本法律案により、これらの団体の基盤が整備、強化されることは、我が国社会の公益の増進に大きく寄与するものと期待をされております。
第二に、市民活動は自由かつ多様に展開されることがその活動力の源泉であります。このような観点から、法人格の取得に当たっては、できる限り簡便でかつ活動の自由を妨げないような方法をとることが肝要でございます。そのため、本法律案では、法人格の取得は許認可方式ではなく認証方式によることといたしております。
第三に、市民活動の多様性にかんがみ、所轄庁を、一つの都道府県の区域内にのみ事務所を有する団体は都道府県知事、二つ以上の都道府県の区域内に事務所を有する団体は経済企画庁長官といたしております。そして、いずれの所轄庁で認証を得た法人も、日本国じゅうはもちろんのこと、全世界を舞台として活動することができることといたしております。
第四に、市民活動法人に対する行政庁の監督は必要最小限のものにとどめ、その活動の是非は団体の私的自治及び団体情報の開示による市民の判断にゆだねることといたしております。市民活動法人は、まさに市民に開かれた存在としてみずからを開示していくことによりその信用を高めるものと考え、所轄庁に対する定期的な報告及びその公開を義務づけるものでございます。
第五に、市民活動法人の税法上の取り扱いを基本的に「人格のない社団等」と同じ扱いとすることを明確にいたしております。
最後に、本法律案は附則において検討規定を設け、施行の日から起算して三年以内に市民活動法人の活動の実態等を踏まえつつ検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずることといたしております。市民活動法人制度の運用の検討とともに、これに関連する法人制度、公共的な活動に関する税制の整備などを検討することがこの規定の趣旨でございます。
以上が市民活動促進法案の趣旨であります。
なお、本法律案における衆議院での主な修正部分につきましてその趣旨を御説明申し上げます。
まず、社員の無報酬要件、名簿提出及び閲覧規定や会員の規定を削除いたします。ただし、社員名簿の提出及び閲覧については、設立要件たる十人以上に関するものは残すことといたしております。
次に、所轄庁において認証または不認証の決定までの期間を公告期間を含めて三カ月以内に短縮するとともに、公告内容を簡略化し、詳細については所轄庁の指定した場所で縦覧させるよう改めます。また、不認証の決定の際の書面による申請者への通知規定を追加し、その場合は理由を付すことといたしております。
さらに、別表の活動分野の一部修正、追加を行いました。
最後に、その他修正に伴い、所要の規定の整理を行ったものでございます。
以上が修正の概要でございます。
何とぞ、委員長を初め委員の皆様方御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114215285X00119980122/8
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009・鹿熊安正
○委員長(鹿熊安正君) 次に、発議者笠井亮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114215285X00119980122/9
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010・笠井亮
○委員以外の議員(笠井亮君) 日本共産党を代表しまして、ただいま議題となりました私外二名提出の非営利法人特例法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
本法案は、個人の自発的参加に基づく自主的な非営利団体の活動の健全な発達を促進するために、これらの団体の法律上の地位を明らかにするなど必要な環境整備を行おうとするものであります。
今日、我が国においても民間非営利分野の活動が、政府、地方自治体や営利企業の分野と並ぶ重要な社会的役割を担いつつあります。この分野を構成する民間非営利団体の存在に法的根拠を与え、その活動への適切な支援を行うことは、社会の民主的な発展と公共の福祉の増進に大きく寄与するものと確信いたします。したがって、本法案では、活動分野の限定や行政機関の許認可などの条件をつけずに、営利を目的としない自主的な民間団体全般を対象としております。
現在、公益目的の法人制度を定めている民法二十四条は旧憲法下で制定されたものであります。それ以来、百年余が過ぎた今日、従来の体系にとらわれることなく、社会のニーズに合った制度をつくることが時代の要請であると考えます。
そこで、本法案におきましては、この民法の条文を含む非営利法人制度全般の整備を展望しながら、それまでの当分の間の措置として、非営利団体への法人格の付与を行うこととしております。これにより、民法の改正を待たずとも準則主義による法人格付与が可能であることを明確にしたものです。
続きまして、法案の概要について御説明申し上げます。
第一に、営利を目的とせず構成員一人一票の議決権に基づいて運営される団体は、設立の登記を行うことにより法人となることとし、その際、官庁の許認可等の必要はないものとしております。法律によって活動分野を限定することは、個人の自発的参加に依拠するという民間非営利団体の特質になじまないことにかんがみ、条文では目的とする活動内容には触れておりません。したがって、収益は本来目的のために使用し構成員に分配しないこと、また構成員の総会の議決に基づいて活動するという運営の形態のみに着目して適用対象を規定しております。
第二に、民間非営利団体の運営に当たっては、その自主性が尊重されることが肝要であることを踏まえ、行政官庁の関与は最小限とし、不正の防止は情報公開に基づく社会的監視によって行うこととしております。そのため、法人の目的や所在地、活動報告書及び役員名簿等の公開を義務づけています。
第三に、情報公開の業務を担うとともに法人の監督を行うための行政から独立した機関として、各都道府県ごとに非営利法人委員会を設けることとしております。非営利法人委員会の委員は知事が任命いたしますが、その際、定数の三分の二は、この法律によって設立され当該の都道府県内に主たる事務所を置く法人が推薦する者の中から任命することとしております。この非営利法人委員会は、調査のための資料請求権、活動改善の勧告権などを付与されますが、法人の解散を命ずることはできず、解散命令は裁判所が行うこととしております。
なお、法人に対する税制等の措置については指針のみを示し、法人税率の軽減、企業の寄附金の損金算入、個人寄附金の所得控除などの優遇措置などにつきましては別途の法律により適切に行うこととしています。法人への具体的な優遇措置の適用の可否については、非営利法人委員会において個々に判断することを予定しております。
以上が非営利法人特例法案の趣旨並びに概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114215285X00119980122/10
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011・鹿熊安正
○委員長(鹿熊安正君) それでは次に、発議者山本保君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114215285X00119980122/11
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012・山本保
○山本保君 提案者私、公明・山本保の外、民友連・北澤俊美、自由党・戸田邦司、都築譲君を代表しまして、市民公益活動法人法案について、提案理由と法案の概要を申し上げます。
本委員会において、二十一世紀の日本の国家像に深くかかわる法案の御審議をいただくことは、市民団体の皆様を初め広く国民の待望するところのものと確信いたします。
現在、我が国は財政再建と行政改革が待ったなしの状況にあります。行財政改革を進めるに当たり、欠かすことのできない視点は、国民のニーズが多様化しており、これまでのような国家主導型の予算配分と公務員による公共的なサービス供給体制では十分にこたえることができないという認識であります。
そこで、これまでの国や地方政府による公共サービス提供にかわって、多様な価値観を有する市民による自覚と責任に基づき、自主的にさまざまな公益活動を行う団体に、簡易に法人格を与える法整備を行うことが喫緊の課題なのであります。このことによりまして、公的セクターと民間との競争が始まり、新しい雇用分野が生まれ、さらに多元的な価値観を有する自主的な市民社会を実現することが可能となるのであります。
これらの活動を行うに当たっては、この団体構成員への思想、信条、表現の自由が保障されなければならないことは言うまでもありません。国や県など行政に都合のいい団体だけを選んだり、活動に介入することは許されないのであります。
思い起こしますと、三年前、平成七年一月十七日に発生した阪神・淡路大震災において、市民の自主的、自発的な活動が迅速、円滑、柔軟といった行政にない利点を発揮し、こうした市民活動を社会的に支援する枠組みを整備する必要、意味、重要性を提起いたしました。私どもは、行政補完的なボランティアを超える新しい社会セクターとしてのNPO、非営利公益活動分野を我が国に確立する必要に目覚めたのであります。
以上の観点から、多様な活動を対象とし、いかなる分野の公益活動も排除せず、思想、信条、言論の自由を守り、なおかつ簡易に法人格を付与するためにこの法案を構成したところであります。
以下、法案の概要と特徴について御説明申し上げます。
第一に、法の基本理念として、市民公益活動を行う団体の自主性及び自立性を尊重して公正に運用されるべきこと。また、その透明性が確保されるように組織が運営されることであります。
第二に、市民公益活動の分野は、教育もしくは科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献、環境の保全または国際社会における交流もしくは協力を目的とする活動、これらの活動に関する連絡または助成を行う活動、その他の社会一般の利益増進に寄与することを目的とするものであり、いかなる分野の活動も排除しないものとしております。
第三に、法人の運営基準として、会員数が十人以上であり、取引の安全を確保し法人の信用を担保するために五十万円以上の財産を基本基金として保有することとしております。
また第四に、法人の設立要件は、十人以上の発起人が定款を作成し、設立に賛同する者の設立寄附を募ることとし、設立寄附は一万円以上の寄附をする者の数が二十人以上であり、寄附の総額が百万円以上であることを要することとしております。これにより、市民団体の自由を制限することなく、恣意的判断を擁し、客観的かつ簡易な要件により法人が設立できるものとしております。
第五に、法人格の認証は、主たる事務所を管轄する都道府県が申請後三カ月以内に認証しなければならないものとし、その通知なき場合は認証されたものとみなすこととしております。なお、他の都道府県で活動している場合の法人の監督は、その当該都道府県が行うことができることとし、さらに都道府県間の連絡と協力を義務づけております。これにより、地方の時代の到来を踏まえ、市民の多様な活動は地方が責任を持って管轄するものであり、中央官庁の関与を不要としているのであります。
第六に、法人はその活動が適正に行われていることを市民に公開し、市民によるチェックを受けるものとしております。そのために事業報告や役員報酬等について、都道府県は情報公開することとしております。
第七に、税制上の優遇措置については、国及び地方公共団体は、市民公益活動の推進及び支援のため、市民公益活動法人が一般からの寄附金を募集することを容易にするための措置等必要な措置を講ずるように努めなければならないとしております。
第八に、国は、公益法人制度その他営利を目的としない法人制度全般に関する検討を行い、その結果に基づいて民法を改正する等の必要な措置を講ずる旨を規定しております。
なお、この法律につきましては、制度の周知及び実施準備のため、公布の日から六カ月以内に政令で定める日に施行することとしております。
以上が市民公益活動法人法案の趣旨であります。
何とぞ、この趣旨に賛同され、御可決いただきますようお願い申し上げ、説明といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114215285X00119980122/12
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013・鹿熊安正
○委員長(鹿熊安正君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。
三案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十時二十五分散会
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