1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十一年八月十一日(水曜日)
午後八時十三分開議
出席委員
委員長 桜井 新君
理事 鴨下 一郎君 理事 田中 和徳君
理事 細田 博之君 理事 山本 有二君
理事 遠藤 和良君 理事 西野 陽君
安倍 晋三君 浅野 勝人君
遠藤 武彦君 小野寺五典君
尾身 幸次君 奥谷 通君
奥山 茂彦君 小林 多門君
河本 三郎君 佐田玄一郎君
桜井 郁三君 中谷 元君
原田 義昭君 松本 純君
御法川英文君 米田 建三君
渡辺 博道君 井上 義久君
太田 昭宏君 前田 正君
小池百合子君 達増 拓也君
鰐淵 俊之君
出席政府委員
自治省行政局選
挙部長 片木 淳君
委員外の出席者
議員 冬柴 鐵三君
議員 衛藤征士郎君
議員 細田 博之君
議員 井上 喜一君
衆議院法制局第
一部長 横田 猛雄君
衆議院調査局第
二特別調査室長 牧之内隆久君
委員の異動
八月十一日
辞任 補欠選任
葉梨 信行君 浅野 勝人君
若松 謙維君 太田 昭宏君
鰐淵 俊之君 小池百合子君
同日
辞任 補欠選任
浅野 勝人君 葉梨 信行君
太田 昭宏君 若松 謙維君
小池百合子君 鰐淵 俊之君
同日
理事田中和徳君七月二十七日委員辞任につき、その補欠として田中和徳君が理事に当選した。
八月六日
十八歳選挙権の早期実現に関する請願(春名直章君紹介)(第七〇三三号)
は本委員会に付託された。
八月九日
永住外国人の地方参政権確立のための法制化に関する陳情書(第四三三号)
は本委員会に参考送付された。
本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等の付与に関する法律案(冬柴鐵三君外十九名提出、第百四十三回国会衆法第一二号)
公職選挙法の一部を改正する法律案(衛藤征士郎君外五名提出、衆法第二六号)
午後八時十三分開議
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/0
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001・桜井新
○桜井委員長 これより会議を開きます。
開会に先立ち、民主党、日本共産党及び社会民主党・市民連合所属委員に御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。
再度理事をして御出席を要請いたさせますので、しばらくの間お待ちをいただきたいと思います。
速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/1
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002・桜井新
○桜井委員長 それでは、速記を起こしてください。
再度御出席を要請いたさせましたが、民主党、日本共産党及び社会民主党・市民連合所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
第百四十三回国会、冬柴鐵三君外十九名提出、永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等の付与に関する法律案を議題といたします。
提出者より趣旨の説明を聴取いたします。冬柴鐵三君。
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永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等の付与に関する法律案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/2
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003・冬柴鐵三
○冬柴議員 ただいま議題となりました永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等の付与に関する法律案について、その趣旨及び主な内容について御説明申し上げます。
外国人のうち、我が国の永住権を持つ者は、平成十年末現在において、一般永住者九万三千三百六十四名、特別永住者五十三万三千三百九十六名の計六十二万六千七百六十名に達しますが、この法案は、これら永住外国人に対し地方選挙権を付与することを目的として制定しようとするものであります。
その思想的根拠としては、地方のことはその地域に住む住民が自主的、自律的に決定するのが好ましいこと、成熟した民主主義国家としてこの住民には、地域に特段に密接な関係を持つに至ったと認められる外国人たる住民の意思がその決定に反映すべきものであること、特に、日本で生まれ、育ち、生計を営み、そして骨をこの国に埋めていこうとしている在日韓国・朝鮮人や中国、台湾出身の人など特別な歴史的背景のある人々に対しては、その人たちが望むならば、限りなく日本国民に近い扱いがされてしかるべきであること等の判断に基づくものであります。
しかし、周知のとおり、現行地方自治法及び公職選挙法は、国政選挙はもとより、地方選挙においても、我が国が重い歴史を担うこれら永住外国人たる住民に対し、選挙権すら与えていません。
これに対し、日本社会に深く根差し、既に在日四世が二万人も永住権を持ち、もちろん租税も負担して我が国の発展に寄与し、日本国民とともに地域においてコミュニティーを構成しているいわゆる在日の人々について地方参政権を付与すべきであるとの意見が、地方自治体の議会からほうはいとして起こり、平成十一年七月十九日現在でその数は千四百団体に及び、それに属する住民は国民の七割に達している事実とともに、大韓民国民団の地方参政権獲得に向けての長年の地道な運動や、日韓両国の国会議員間の交流である日韓議員連盟総会の数次にわたる共同声明等において明確に表明されてきたものであります。
重ねて、昨年十月、大韓民国金大中大統領の公式訪日に当たり行われた我が国の国会における演説の中において、「私は六十万在日韓国人の未来を考えないわけにはまいりません。特に、地方参政権の獲得が早期に実現できれば、在日韓国人だけではなく、韓国国民も大いに喜び、世界もまた、日本のそのような開かれた政策を積極的に歓迎してやまないでしょう。」と切々と述べ、その必要性を強く要請されたことは周知のとおりであります。
私ども本法案提出者は、以上のような背景及び思想的根拠をもとに本法案を提案したものでありますが、本法案は、その構成上、二点について特に配慮して起草した点がありますので、まずそれを御説明申し上げます。
第一点は、被選挙権を付与の対象から除外したことであります。
これは、被選挙権の付与が許されないという理論的結論を前提に立案したものではなく、現時点における国民感情等をおもんぱかり、本法の早期成立ということを何よりも優先させ、その付与は将来の議論にゆだねようとする政策判断に基づくものであります。
もっとも、地方公共団体の長や議員が国家意思の形成、遂行に直接参与することを考慮すれば、定住外国人に被選挙権を与えることが憲法上可能であるか相当疑問があるとの説や、平成七年二月二十八日最高裁判所判決が被選挙権の付与については何ら言及していないことも、右政策判断に影響があったことは明らかにしておきます。
第二点は、選挙権の付与に申請主義を採用し、永住外国人選挙人名簿への登録を取得の要件としたことであります。
永住外国人への選挙権の付与を強く求める声があることはさきに述べたところでありますが、永住外国人のすべてがそれを望んでいるわけではなく、逆に、日本国への取り込みであるとして強く反対する人々もいます。自国民の取り込みであるとして反発する国があるとすれば、そのような国の国民は、選挙権を取得すると本国において不利益扱いを受けることになるおそれがあります。
そこで、真に選挙権の取得を望み、かつ有権者として日本の地域社会で一定の役割を果たしていく意思のある定住外国人に限りこれを与えることとし、一律に選挙権を与えるのではなく、具体的には、永住外国人選挙人名簿への登録申請をし、これが認められ登録されて初めて選挙権が付与されるという形の申請主義を採用したものであります。
次に、法案の主な内容について御説明申し上げます。
第一に、永住外国人に対し地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を付与するため、地方自治法及び公職選挙法の特例を定めることを目的とするものであります。
第二に、選挙権を付与される者の要件は、一、出入国管理及び難民認定法別表第二の上欄の永住者、または日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国に関する特例法に定める特別永住者であること。二、永住外国人選挙人名簿に登録された年齢満二十年以上の永住外国人で引き続き三カ月以上市町村の区域に住所を有する者であることとするものであります。
第三に、選挙権を要件とする各種資格の取り扱いについては、国政に直接的に影響を及ぼすものでない限り認めることといたしております。
そのほか、詐偽登録及び所定の届け出義務を行わなかった者に対する罰則を規定する等、所要の規定を定めております。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げ、趣旨の説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/3
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004・桜井新
○桜井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/4
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005・桜井新
○桜井委員長 次に、衛藤征士郎君外五名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本有二君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/5
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006・山本有二
○山本(有)委員 比例定数の五十人削減法案につきまして、提案者にお伺いをいたします。
まず、この五十人を減らすという物の考え方、その基本的な理念というものをお聞かせください。どなたでも結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/6
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007・衛藤征士郎
○衛藤(征)議員 お答えを申し上げます。
御案内のとおり、我が国は少子高齢化社会を目前にしておるわけでありまして、そのことは、経済の成長を見ましてもすべて横ばい、こういう状況にあります。こういうときにありまして、行政府にありましても、中央省庁の改革、また特殊法人等のそれぞれの合理化あるいは撤廃、廃止、そういう方向に進みつつあることは御案内のとおりでありまして、また経済を取り巻く環境は極めて厳しいものがあります。中小企業を初め大企業含めまして、すべてがリストラをせざるを得ない、こういうときにあるわけでありまして、また地方の議会におきましてもそれぞれのリストラを進めておる、こういうときであります。
私ども立法府にありましても、特に国会の改革が待たれるわけでありまして、国民の立法府に対する改革への期待というものもほうはいとしてございます。
こういうときにありまして、先般の衆議院選挙のときに、各党におかれましても、選挙制度の改革あるいは国会議員の定数問題等につきまして、それぞれ公約あるいは選挙におけるアピール等をしてきた経緯もございます。
選挙後、自社さの三党の新しい政権に向けての政策合意におきましても、御案内のとおり、政治改革につきましては、特に選挙制度については議員定数の削減を前提にする、そして民意がよりよく国政に反映されるよう早急に選挙制度見直しを開始する、このようにうたい上げておりますし、また御案内のとおり、あの選挙後、さきがけの政党におきましては百人の定数削減を打ち出しましたし、また太陽党におきましても同じように百人の削減を打ち出しておったわけでございまして、このように、国会議員の定数削減を当然すべきである、そういう声が高まってきておったことも事実であります。
また、直近におきましては、御案内のとおり、自自連立政権に当たりまして、自自両党の党首間におきまして五十の定数削減の合意がなされたことも極めて重い厳粛たる事実でもあります。
このように、小さな政府、簡素な政府を目指して国が進んでおりますときに、私ども立法府としても当然それに対応すべきである、こういうことで今回定数削減法案を議員立法で提案したような次第でございます。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/7
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008・山本有二
○山本(有)委員 衛藤議員のその御説明、また理念的な背景等、すべて私も賛同いたす立場でございます。特に、この国会会期末になりましても、衛藤議員のその情熱あふれる提案というものに対して、心より敬意を表します。
そこで、私といたしましては、なお衛藤議員のその強い、削減しようという理念に、さらにもっともっと強固なものを加えたい、こういう考え方から、批判的な論あるいは反対意見、こういったものを紹介しながら御質問をさせていただきたいというように思っております。
特に、単純小選挙区、これになりますと死に票が多いという弊害がある反面、国論というのは統一できます。また逆に、徹底的な、全面的な比例ということになりますと、価値観をすべて国会に反映することができても、やがて少数政党がもうばらばらに乱立いたしまして、結局国論は統一できないというような、いわば安定政権を選ぶか不安定政権を選ぶかという、そんな小選挙区と比例の関係もございます。
その中で、日本の現行制度の小選挙区比例並立というのは、三百と二百という選択をあえていたしました。これを、小選挙区の比重を高くする、比例を五十減らして小選挙区の比重を高くするということは国論を強固なものにする、そういうような御趣旨じゃないかというように承ったわけでございますが、しかしながら、ここで問題がございます。
従来、各国の比例というのは全国比例でございます。全国の価値観を吸収するわけでありますが、日本の比例はブロックでございます。したがいまして、ブロック単位にその民意を比例で吸収していく、政党ごとに吸収していく、それだけでも少し異例のところがあろうかと思いますが、それをさらにもっと減らしていくということになりますと、いわゆる現代の価値観の多様化、こういったものに対して、提案者は、果たしてこの民意を多く吸収し価値観を国会に反映する、こういう面につきましての批判についてはどうお考えか、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/8
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009・衛藤征士郎
○衛藤(征)議員 五十の削減につきましては、比例区十一ブロックそれぞれ若干の数を減らすわけでありまして、特定のブロックを特定の数だけ減らすというわけではなくて、満遍なく平均的にヘア方式をもって減らす、こういうことでございますから、私は、小選挙区比例並立制の制度そのものの根幹は損なわれない、このように思っております。
また、御案内のとおり、三百、二百の小選挙区比例並立制というものは、ある意味ではあのときの政党間のそれぞれの話し合いの結果もたらされたものでありまして、当然、議論の中には完全小選挙区制の方が望ましいという意見も多々あったわけでありまして、そのことを思いますときに、今回の比例区の五十削減というものは妥当なものではないか、かように考えております。
また、中選挙区におきましては、御案内のとおり、各党から、大きな政党におきましては中選挙区二人、三人と候補者を立てるわけでありますが、どうしても、その候補者が政党の公約からはみ出た形で有権者にアピールして当選をしてくるケースもありました。消費税のときがそうでありますが、公認候補である以上は、当然、消費税については党の決めたとおりに公約を掲げるべきところを、あいまいにして当選をしてくるというようなこともありました。有権者にとっては極めて見えにくい、ある意味では有権者にとって極めて不親切な選挙活動も展開されたわけであります。
今回の小選挙区制度になりまして、各党一人ずつそれぞれ公認候補として、政策本意の、政党中心の選挙活動が展開されるわけでありまして、そういう意味では、死票の問題もありますが、確かな手ごたえを感じる選挙制度になってきた、私はかように考えておりますし、また政策そのものが極めてクリア、手ごたえを感じる、透明度が高まってきた、このように考えておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/9
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010・山本有二
○山本(有)委員 議会というのは、我が国は議院内閣制、アメリカであれば大統領制、議会のそれぞれの機能というのは各国において微妙に違うわけでございますが、しかしながら、会社で見てまいりますと、取締役会、あるいは代表取締役の権限をチェックする監査役というのがありますが、それと似たようないわばチェックや検査や監査、こういったものをして、その執行部の緊張感を高めて、国民のいわば民意を執行部が着実に反映しながらいくという、そういう監視機能がうんと大事だろうというように思います。
そういう意味におきまして、まず行政改革があるから、世間でリストラがあるから、だからこの国会も小さくしてしまおうということは確かに一理はございます。先生のおっしゃるとおりだと私も思います。しかし反面、もし自由勝手に政府がしたならば議会がいるぞというような強い監視機能というものは、数が多くなければできないということも言えようかと思います。
そこで思いますのに、例えば毎年毎年の一般歳出予算、これらはもう七十兆円から八十兆円へどんどん向かっています。この予算の額が減らない、行政改革も、地方分権と中央省庁のあの再編、平成十三年一月一日、これを迎えなければまだ実現ができないというようなことからすると、いまだ議員の数を減らすには時期尚早じゃないかという議論がございますが、この点につきましてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/10
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011・衛藤征士郎
○衛藤(征)議員 御案内のとおり、アメリカ合衆国におきましては人口が約二億六千万でありますが、下院議員の定数に対しまする人口比例は約六十万人。我が国は一億二千五百万でありますが、衆議院議員定数に対する人口比例は二十五万、かようになっております。米国は、人口が二億六千万で下院議員の数は四百三十五、上院議員の数は百、こういうことで十分に機能していることは御案内のとおりでありまして、面積比例、人口比例からいたしましても、我が国で五十削減されたからといってそれに対応できないはずはないと思うのであります。
ただ、米国におきましては、それぞれの上院、下院議員に対するいわゆるスタッフというものが極めて充実しておるわけでありまして、我が国では、そういうスタッフの面においてアメリカに劣る面は多々あるな、こういうような制度上の問題もあわせてこれからは考えていく必要もあるのではないか、そういう点が補完されれば私は五十の削減というものは決して無理な数字ではない、かように考えておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/11
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012・山本有二
○山本(有)委員 自治省にお伺いします。
せっかく衛藤議員から各国の人口と下院議員の数、それの割合の話題が出ました。そこで自治省に、少なくともG7の各国で、一体、日本が各国に比例して議員の数が多いのか少ないのか、これを検証するために、下院と人口、これの割合についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/12
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013・片木淳
○片木政府委員 お答えいたします。
G7諸国の下院議員一人当たりの人口でございます。日本は約二十五万人でございますが、これに対しまして、ただいまお話にもございましたが、アメリカは約六十二万人、イギリスは約九万人、ドイツは約十二万人、フランスは約十万人、イタリアは約九万人、カナダは約十万人となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/13
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014・山本有二
○山本(有)委員 この下院での人口比から見ますと、我が国はアメリカとあるいはイギリス、ちょうど間にある、こういうことが言えるので、決定的な論拠にはならないわけでございます。
さて、しかしながら、みずからの議員活動を振り返ってみて、あえてまた提案者の方々にお伺いをするわけでございますが、私のように選挙がなかなか厳しいものがある者にとっては、週末は必ず田舎に帰る、そしてまた東京に出てくれば出てきたで常任委員会がある、さらに特別委員会がある、さらに党の活動がある、さらに地方から上京されてきた陳情団の皆さんとそれぞれ話し合いをしたりするというようなことがたくさんある。いわば、今でもなかなか議員というのは忙しいというように、およそ与野党問わず、恐らく皆さんそう思っておられるだろう、こういうように思います。
時あたかも副大臣制度あるいは政務官制度、答弁を自分でしなきゃいかぬ、もう役人に任せられないというようなこととなりますと、ますます議員というのは忙しくなる。さらにそこへ五十人削減して、数まで減らせ、こうなると、もう残った者にとってはさらに重労働を強いられて、週休二日制どころではないというようなことになりがちではないかというように思いますが、そういう点、我々、過重労働を強いることが果たして適切な民主主義になり得るかどうか、この点について提案者にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/14
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015・細田博之
○細田議員 山本議員がおっしゃった点、我々も実際実感しておるわけでございます。
国民世論あるいはマスコミの議論の中で一番間違っておりますのは、国会議員が全員同じ方向で議論をすれば、それぞれ外交問題や防衛問題、あるいは産業の問題とか財政の問題とか、割り算すればかなり仕事が悠々できるんではないかという論があるわけでございますが、そうではなくて、我々は、民主主義そして国民の世論を体して、それぞれが幾つかの政党に分かれてそれぞれの政策に取り組んで、最もいい政策が採用されるように政府にも働きかけ、政策を立案するわけでございますから、例えば我が自由民主党においても、全体でいうと五百人かもしれませんが、我が党としては、衆議院では二百数十名の議員がそれぞれ手分けして政策をやっているわけでございます。
そういった中で、また政権政党ということになると、先ほどおっしゃったように新しい制度で、副大臣制、政務官、その他政務次官、もちろん国務大臣、党三役等々に分かれてそれぞれ担当していかなければならない。国会の委員会組織もあるということになりますと、やはり本来適正規模というものはあるのではないかと私も考えているわけでございます。
そういった中で、この五十人削減が適当かどうかというのは、政党のそれぞれの分布も調べなければなりません。前回の選挙では、小選挙区の初めての制度の結果、比例区では五大政党、当時の新進党は今は分かれましたが、もう五大政党に限られて、それ以下の政党は当選しておりませんし、そして、それぞれこの中で比例の数を少なくする。そして、小選挙区では一選挙区当たり四十二、三万人の有権者を抱えておるということで、選挙区の意見を代表しなければなりませんから、今おっしゃったように、地元の意見それぞれの代表として政策に反映していかなければなりません。
したがって、政党によって随分ニュアンスは違うと思いますけれども、最もよい民主主義の発露である代議制といいますか、民主主義の議会制というものはいかにあるべきかということは、まじめに議論をして、そして最も適正な数を決めていかなければならないものだと思いますので、山本議員の御提案は、我々国会議員が全員感じております問題点でございますので、さらに議論していく必要があると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/15
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016・山本有二
○山本(有)委員 提案者の方々の中で、井上先生もいらっしゃいます。自由党を代表されまして答弁席にいらっしゃるわけでありますので、あえて御質問をさせていただきたい向きがございます。
やや誤解を恐れずに、そしてまた意地悪な質問と思われるかもしれませんが、さて、その五十という数は一体那辺から出てきた数字なりやと。確かに、日本の国の国会議員、衆議院五百人というのも、そんなものを尋ねてみましても、どこに根拠があるかは、それはわかりません。しかしながら、もし減らすことが善なり、こうなった場合は、どんどん減らせば一人でもいいという極論になっていくわけでありまして、そうすると、会議体とは一体何なのかな。会議体というのは、グループで議論をして、そこから何か、議論することによる所産が生まれる。こういうことになりますと、そこに適正規模というものがおのずから出てくるわけであります。
さて、そういう場合に、この公選委員会だとかあるいは法務委員会だとか、そういう委員会での適正規模、さらに常任委員会がいっぱいある、そういう中で、全体としての国会議員の数というのがおのずからそこで決まってくるだろうというように思いますが、今回何ゆえ五十人という数が出てきたのか。もし井上先生にそういうお心あるいは理由がございますればお聞かせいただきたい、こういうように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/16
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017・井上喜一
○井上(喜)議員 衆議院の定数をどういう規模にするのがいいかという議論が出発点になっているように思うのでありますけれども、議員というのは、国民の皆さんから選出をされて国会で活動をするわけでありますけれども、私は、今衆議院の五百人というこの定数は決して少なくない、そういう定数だと思います。
私も、かつてアメリカの方に何回か参りまして、下院議員の皆さん方と議論をする機会もありましたけれども、彼らも日本と同じように、週末は選挙区に帰りまして議員としての活動をやっているのでありますし、また議会におきましても大変ハードな仕事をこなしているわけでございます。一概にアメリカの議員定数と比較をするということはいかがかと思いますけれども、私は、アメリカの議員の活動、またアメリカ議会のアメリカ政府に対するチェック機能を、決して議員が少ないからというようなことで不十分なものがあるというふうには考えていないわけでございます。私も、これは機械的に何人がいいとはなかなか出にくいとは思うのでありますけれども、五十人ぐらい、あるいは我が党は基本的にもう五十人、合計百人ぐらいの定数減は可能じゃないか、それぐらいはやるべきである、こういう考え方をいたしているわけでありまして、四百人ぐらいの規模の定数で積極的な議会活動をやっていくべきだろう、こんなふうに思うのです。
私どもの基本の考え方は、四百人を小選挙区で選出するという考えでありますけれども、しかし、こうなりますと非常に大きな制度の変更になりますし、そんなことを議論しておりますとなかなか、五十名の定数削減ですらできないわけでございます。当初、我が党と自由民主党との間の協議では百人規模の定数削減の話が出たようでありますけれども、話し合いの結果、現実的にはやはり五十名ぐらいじゃないか、こういうことで合意をしたように考えるわけでございますし、また五十名の比例区の削減ということでありますれば、現行の制度を基本的にそんなに大きく変更しないでこの定数減が可能でございますし、また比例区での定数減といいますのは、究極的にやはり小選挙区を目指すという方向とも一致をしている。こういうことで、我が党といたしましては、衆議院の比例区五十名削減を提案いたした、自由民主党と合意をいたした、こういう次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/17
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018・山本有二
○山本(有)委員 提案者の皆さんの真摯な御答弁に感謝を申し上げ、質問を終了させていただきます。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/18
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019・桜井新
○桜井委員長 次に、小池百合子君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/19
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020・小池百合子
○小池委員 自由党の小池百合子でございます。
夜も九時が近くなってまいりましたけれども、本日、これまでも懸案でございましたこの定員削減の法案に対しまして審議を行っていただくということに関しまして、関係各位の御努力にまず心から敬意を表したいと思っております。
この定数削減の問題に入ります前に、まず、先ほど御提案がございました永住外国人に対します選挙権の付与に関する法律案、せっかく冬柴さんがお残りでございますので、ぜひともお伺いをしておきたいと思っております。
冬柴議員とは、私、同じ兵庫県でございまして、隣り合わせということから、非常に地域性など私もわかっているつもりでございます。関西地域には大変多くの永住外国人が住んでおられ、そこで業を営み、納税をし、まじめに働きという方々が多いことも、私どもよく理解をしているところでございます。自由党とすれば、まだまだいろいろな問題を含んでいるということで、このことにつきましては悩みも多いところではございますが、しかし、そういった多くの外国人の方がお暮らしになる地域の議員といたしまして、このように提案をなさったことについては敬意を表したいと思っております。
ということで、先ほどもお述べになりましたけれども、この法案をまとめるに至っての冬柴議員個人の思いなどもお語りいただければと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/20
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021・冬柴鐵三
○冬柴議員 小池議員から御指摘をいただきましたように、私も関西の人間であります。関西には、ほかの地域以上にたくさんの在日韓国・朝鮮人の方がお住まいでございます。その一例を申しますと、大阪市の南西部分に大阪市生野区という区があります。この生野区の人口は約十五万人でございますが、そこにお住まいの在日韓国・朝鮮人の方々は実に三万七千人に及んでおりまして、四分の一強を占めております。
なぜ一つの地域にこのように多くの在日韓国・朝鮮人の方がお住まいになることになったのか、このようなことを調べたことがあります。
この地域は大阪市の南西部で、近くに平野川という比較的大きな川が流れております。大正時代以前、この地で大雨が降りますとこの平野川がはんらんをいたしまして、大阪市が洪水に見舞われるということがしばしばあったわけでございます。そのようなことから、平野川の治水工事ということが大変重要な作業になりました。
当時、日韓を併合いたしまして、現在の朝鮮半島から屈強の若者を日本へ移住させまして、そして現在生野区となっているところに飯場をつくり、そしてこの平野川の改修及び治水工事を行わせたという歴史があります。そして、そのために、大阪市は自後、平野川のはんらんによる水害を免れて今日に至っているわけでございます。
このような方々がその後その地に定住をして、生野区民として現在に至るわけでありまして、この人たちは朝鮮半島から連れてこられたわけですけれども、その後その子孫がここに定住をし、そして日本人と混在をして生野区のコミュニティーを形成し、そして独特の文化をけんらんと形成しているのが現状でございます。
このようなことを考えたときに、私どもは、もう今や在日四世というのが二万人いらっしゃいます。日本で生まれ、育ち、そして日本に骨を埋め、そして日本語しか話せない。母国へ帰ればキョッポという、これは侮べつではないと思いますけれども、そのように呼ばれて区別をされます。そのような人たちが今日本で、日本の経済を支え、繁栄を支え、そしてもちろん納税をし、そしてここへ来ているわけであります。
私は、代表なくして課税なしという法諺があることを知っております。税を納めた場合に、その税の使われ方に対して、代表がその使い道について意見を述べ、そしてそれが反映する、それが民主主義の原点であろうと思っております。私は、日本人にとって非常に重い歴史を担うこのような人々に対して、通過外国人とは区別して、通過外国人というのは、日本に一定の目的、すなわち留学あるいは就職、そのような目的を持って入国をしてくる外国人とは区別をして、日本人と限りなく等しい扱いを受けてしかるべきではないかというふうに考えるに至っているわけであります。そのようなことから、この法案を提案いたしました。
いろいろとありますが、時間もありますので、そのことだけを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/21
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022・小池百合子
○小池委員 ありがとうございました。
永住外国人、現在の朝鮮半島情勢などもかんがみまして、我が国の安全保障という点からも、今後真剣に考えていかなければならない問題だというふうにとらえております。
さて、今回のこの定数削減五十名、比例代表から五十名の議員を減らすということでございますけれども、ここに至るまでにはいろいろな道のりがございました。ちなみに、きょう本会議場で、我が党の、自由党の安倍基雄議員の反対討論の中で、不信任案に対します反対討論でございますが、その中に、自民党との合意の中で、衆議院議員の定数削減の問題等が特別委員会で審議されている、この問題は、我が国経済の立て直しや行政改革などの改革に国民の協力を求めている以上、政治家みずからが率先して、みずからの改革に取り組む姿勢を示す必要があるとの高い視点に立てば、おのずと各党の合意を得て解決されるものと信じますというふうに述べております。
また、記録にとどめるという意味でも、改めてこれまでの流れを確認いたしておきますと、これは平成十年十一月十九日、内閣総理大臣・自由民主党総裁小渕恵三、そして自由党党首小沢一郎、両名の名前で合意書がつくられております。その中に、「自由党党首提案の政策については、両党党首間で基本的方向で一致した。これに基づき直ちに両党間で協議を開始する。」という項目がございます。
それは何かと申しますと、「いま直ちに実行する政策」で、まず第一といたしまして「政治を国民の手に取り戻すために」というタイトルのもとで、ここは政治、行政改革を意味いたしております。五項目ございます。まず、「政治が責任を持って諸改革を推進する体制を確立するとともに、効率的で小さな政府を実現する。」その一といたしまして、政府委員制度の廃止。二として、副大臣制度の導入。そして三番目に、行政改革の一環である中央省庁の再編を一府十二省とし、なお現行二十人の閣僚の数を十七人に削減する。現実は十八名でございます。そして四番目には、国家公務員の数を平成十一年度採用分から減らして、十年間で二五%削減する。五番目でございますが、衆参とも当面議員定数を五十ずつ削減することを目標として、自由民主党、自由両党間で協議を行い、次の通常国会において公職選挙法の改正を行うという政策の合意でございます。
これを踏まえまして、定数削減に関する協議会が合意事項をまとめておられます。六項目から成っております。
一、当協議会は、昨年十一月十九日に自由民主党・自由党両党の党首会談で合意され、また、十二月十八日両党幹事長・政策責任者会談により合意された事項を遵守し、履行する。
二、衆議院議員の比例代表定数を、五十人削減する。その際、平成七年の国勢調査人口に基づき人口比例配分する。
三、参議院の議員定数削減に関しては、現在、議長の下で各会派が協議しているため、その独自性を尊重する。
四、現行の小選挙区比例代表並立制の制度は変更しない。
五、小選挙区については、「衆議院議員選挙区画定審議会が、平成十二年の国勢調査人口を踏まえ、見直しを検討する」となっているため、その見直しは行わない。
六、公職選挙法の一部を改正する法律案は、次期通常国会に議員立法で提出し成立を期す。また、次回衆議院選挙から施行する。
以上の項目について、自由民主党・自由党両党は、合意する。
平成十一年一月十二日
自由民主党
中山 正暉 衛藤征士郎
細田 博之
それぞれサインが入っております。同じく
自由党
中西 啓介 西野あきら
米津 等史
というふうになっているわけでございます。
この定数削減でございますが、先ほど自由党の井上議員の方からのお話もございましたが、我が党、自由党の日本再興へのシナリオの中に、「衆議院議員の選挙制度の改革」といたしまして「衆議院議員の定数を二割削減し、四百人とする。」ということで、本来私どもは、百人の削減を提案させていただいていたところでございます。と申しましても、新進党の時代に日本再構築宣言をつくって政策をつくったところでございますが、そこの三十三ページに「第三 選挙制度の改革 ①衆議院議員の議員定数を二割削減する改革を行うとともに、現行衆議院選挙制度を整備する。」というふうになっております。急に思いついたわけではございませんで、これまでさまざまな積み重ねを経まして、今回自由民主党との合意を経て、この議員立法提出に至ったわけでございます。
いずれにいたしましても、現在の我が国の状況を見てまいりますと、失業率は戦後最悪の四・九%を記録いたしております。また最近は、アメリカ型と申しましょうか、リストラを行った企業の株価が上がるというような状況が続いてきております。また、こういったリストラの恐怖、不安、そういったものが消費を低迷させているという原因にもなっているところでございます。そうすれば、リストラを促進するという意味ではございませんで、こういった、国民が非常に痛み、苦しみを感じているときに、むしろ政治姿勢として、私ども政治家が身を削って、そしてさらにいい仕事をしていくということが、何よりも改革のあかしではないかという思いで今回の議員立法にまで至ったと、私はそのメンバーの一人として承知をしているところでございます。
また、公務員の削減につきましても、十年間で二五%ということも既に各種のところに盛り込まれ、さらにはそういう方向で既に動いております。
この公務員でございますけれども、公務員はそもそも、リストラというか、首は切れないということになっておりまして、十年間で二五%を順次、そのうちやればいいじゃないかというような御発言もどこかでありましたけれども、しかし、公務員の立場と政治家みずからの立場とは全く異なるわけでございます。政治家はみずからが決断して、みずからで実行するということでございまして、今回のこの削減の問題につきましても、政治家みずからが決断すればできることでございます。ということを踏まえまして、これからの審議をお願いしたいと思っております。
また、先ほど山本議員の方からもございましたが、ただでさえ忙しいのに、数を削ってもっと忙しくなって、これは大変だということでございます。政府委員制度の廃止、そして副大臣制の導入ということはございますが、これはまさに政治の力、本来持つべき力を取り戻すということがそのフィロソフィーの根源にあるわけでございます。ここで議員の数を減らしつつ秘書の数をふやせというのは、非常に言いにくい話ではございますが、私ども政治家、立法者といたしましては、その力をどうやって今後、数は減ってもその分パワフルになるという方法も考え出していかなければならないと思っております。
それでは、提案者に具体的に質問をさせていただきますが、何でこの時期、この期に及んで、この通常国会で衆議院の定数削減、これをやらなくちゃいけないのかという声もまだまだ聞かれるところではございますが、その理由についてお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/22
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023・井上喜一
○井上(喜)議員 私がお答えするまでもなく、今の御質問といいますか、御質問に至る御説明の中でるる説明をされておりまして、それに尽きていると思いますし、また山本議員に対する衛藤議員からの御答弁の中にも、そういったことが触れられていたと思うのでございます。
背景といたしましては、経済界におきましても現下の大変厳しい状況である、あるいは行財政改革も、苦しい中ではありますけれども、これまた強力に推進していかなくてはいけないというようなことで、公務員の定数を向こう十年間に二五%減らしていくというようなことも決断をしたわけでございます。そんなことを考えますと、できるだけ早い機会に、我々国会議員といたしましても、できるだけのそういう努力、少数でより効率的な仕事をしていくような体制をつくっていく必要がある、こんなふうに思うわけでございまして、そういったことで今回のこの法律の提案に至った、こんなふうに理解するものでございます。
概して、選挙制度といいますのは、成立をいたしますとその次の選挙から適用されるというものが大部分だと思うのでありまして、多少の例外があるものもあろうかと思うのでありますが、私は定数削減などはその最たるものだ、こんなふうに思うのでございます。
御承知のとおり、私どもの任期は四年でありますけれども、いつ総選挙があるかわからない、こういう状況でありますので、今国会でぜひとも成立をしてそのときに備える、こういうことだと思います。自由民主党、自由党の両党首の合意もまさにそういうところにあった、こんなふうに理解するものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/23
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024・小池百合子
○小池委員 また、先ほど御紹介いたしました定数削減に関する自自の協議会の合意事項の中にも含まれてございますが、「現行の小選挙区比例代表並立制の制度は変更しない。」というふうになっておりますが、その意味はどういうところにあるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/24
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025・井上喜一
○井上(喜)議員 現行の選挙制度の特徴といいますのは、小選挙区比例代表並立制でございまして、今、小選挙区三百、比例区二百ということになっておりますけれども、この基本の形は変更しないということでございます。その基本の形を前提にしながら、比例区について五十名の削減をしていくということでございまして、やはり根本的な変更になりますと、審議の時間もかかりましょうし、あるいは合意に至るまで相当な時間を要するんじゃないかと思うのでございます。
もとより、この五十名の比例区の定数削減も大事な問題でありまして、議論するのは当然でございますけれども、根本的な改正というのに比べますと皆さん方の合意が得られやすい、そういう中身じゃないか、こんなふうに考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/25
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026・小池百合子
○小池委員 また、今回の定数削減でございますが、自由党の最初の案では衆参と言っていたわけでございます。しかし、今回は衆議院のみの定数削減をうたっているわけでございますが、参議院の定数削減、これについては、自自の協議会の中でも、各会派の協議中ということも出ておりますが、全く触れないでいくということなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/26
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027・井上喜一
○井上(喜)議員 これは、小池議員のお話にありましたように、衆議院、参議院それぞれ独自性があり、この選挙制度につきましても、それぞれで検討して削減を決定していった方がよろしいということで、私どもといたしましては、衆議院の定数削減だけに限定をして立法いたしたものでございます。
念のために申し上げますと、私どものこの考え方は、小池議員御存じだと思うのでありますけれども、大体五%から一〇%程度の定数削減をするということを考えておりますし、また参議院議員の定数を二百として、比例区を排除いたしまして、百三十人の地方区の選出議員と、それから五つの広域ブロックからの直接選挙をされる議員七十名とで構成をする、こういうことでございます。
私どもの基本の考え方は、参議院の党派性を極力なくしていく、薄くしていくというようなことを視点に置いて考えるべきじゃないか。つまり、党名を書くということは、あくまでやはり党の支配というのを強めるものですから、名前を書く、そういった選挙に切りかえていく、こういうのが基本でございます。
ただし、これは参議院で今後検討されることでございまして、我が党が当初こういうことを考え、皆さん方に申し上げたということでございまして、決してこういうことでないといけないと固執をしていくものでないことを申し添えておく次第でございます。今後の協議によって中身が決まってくる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/27
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028・小池百合子
○小池委員 参議院の改革につきましては、また自由党小沢党首が今月号の文芸春秋に極めて大胆な案も述べておられます。いずれにいたしましても、衆参それぞれ独自の役割、その責務が果たせる機能的な状況をつくっていくということにほかならないのではないかと思います。
それでは、質問を続けたいと思うんですが、比例代表のみの定数削減ということでございますが、小選挙区の定数の削減、例えば一票の格差の問題などもございますが、今回のこの削減の中には小選挙区が含まれておりません。これについての理由をお述べください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/28
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029・細田博之
○細田議員 私は、自民党、自由党の協議に当初から参画しておりましたので、そのときの経緯をお話し申し上げますが、自由党さんは、できればこれは、小選挙区も比例区も同じように定数削減すべきではないかというお考えをお持ちでございました。しかしながら、小池委員も御存じのように、例えば東京は二十五人、二十五の小選挙区がございますし、大阪は十九の選挙区に分かれておりますので、これを、例えば人口が変化してきた、しかし、ふやさなきゃならない場面もあるでしょうが、とりあえず減らそうという場合には、これを十九人を十七人にしようと思うと、全部いじり直さないとやはりうまくいかないわけでございます。したがいまして、法律の規定に基づきまして、格差その他を見ながら手直しをしていくようになっておりますので、そちらにゆだねようではないかというふうになったというのが現実でございます。
また、人口格差がどんどん一票の重みとして拡大してきております。大都市部と過疎地域において拡大してきております。それは、二倍を超えるところがふえておりますが、つぶさに見ますと、実は大都市における割り方の問題でもございまして、大都市においてかなり割り方が不均等でございますので、二倍をはるかに超えるところが出ておりますが、都道府県格差を単純に人口で見ますと、一・八倍強、一・九倍を若干超えるほどになっておりまして、二倍よりは下でございますが、やはり地域割りが、例えば東京都何区、大阪府何区というふうに分けてまいりますと、どうしても大きいところと小さいところが出るということで、格差が拡大しております。
これは、人口の小さいところを処理すれば直るという問題でございまして、これはこれから区割りの委員会で検討していかないと、どうしても二倍を超える選挙区が出てくるということで、格差の問題は格差の問題で単独で考え得る問題であるというふうに考えておりまして、一般に言われている議論とは少し違うように見えますけれども、つぶさに見ていきますと、そういうふうに割り切れるのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/29
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030・小池百合子
○小池委員 また一方で、いろいろな声の一つといたしまして、今回の比例代表の定数を削減するということについては、特定の政党にとって不利ではないかというようなことが言われているわけでございます。それぞれプラス、マイナスなどもあるのかなと思うわけでございますけれども、その辺のことはどのようにお考えになっておられますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/30
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031・井上喜一
○井上(喜)議員 これは、かなりの期間を経過いたしましてデータを検証してみないと、何とも申し上げることもできないかと思うのでありますが、一般的に言いますと、比例区でありますから、各党ともおおむね同じような影響を受けてくるんじゃないか、特別に、ある党が有利になり、ある党が不利になる、こういうことにはならないんじゃないかと思うのですね。各党の得票数を基本にいたしまして、当選者が決まってくるわけであります。
五十名を削減するということでありますので、原則的には、そんなに大きな各党間への影響に、バランスが崩れる、大きな差が出る、こんなようなことは考えられないんじゃないか、こんなふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/31
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032・小池百合子
○小池委員 パイ全体が小さくなるわけでございますから、これはまさに痛み分けということになるのではないかと思っております。
先ほどの自自の、自由民主党総裁小渕恵三総理と、そして我が党の小沢一郎党首との間での合意書の一番頭の部分をもう一度読ませていただきますと、
いま、日本は国家的危機の中にある。世界経済の先行き不安やアジアの経済の混迷を背景に、わが国経済の停滞と不況の深刻化は、戦後、最大の経済危機に至った。政治への不信、行政の肥大化、北東アジアの安全保障の不安など、緊急に解決しなければならない課題が山積している。
わが国は、急速な少子・高齢化、情報化、国際化などが進展する中で大きな変革期に直面し、国民の間に国や社会の将来に対する不安感が生じている。これを払拭し、人々に自信と誇りと希望を与えることが政治の責任である。そのためには大胆な構造改革を断行しなければならない。
かかる危機を乗り切り、国家の発展と国民生活の安定を図るため、自由民主党と自由党の両党は、政権を共にし、次の諸事項を確認し、日本国と国民のために責任ある政治を行うことで合意する。
というのが最初の文でございます。
今回の議員定数の削減問題でございますけれども、みずからのこともできないようでは、その政治に希望を託すわけにはいかないということが、国民の多くの思いではないかと思うわけでございます。みずからのことを正すことのできない政治に願いを託すことはできない、この国をゆだねるわけにはいかないという国民の思いは、私どものホームページにもメールでたくさん、本当にたくさんの数が届いているところでございます。
そういった思いで、みずからのことをみずからが決するという思いで、この法案が大きく進展することを期待いたしまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/32
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033・桜井新
○桜井委員長 次に、理事の補欠選任につきましてお諮りいたします。
委員の異動により、現在理事が一名欠員になっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/33
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034・桜井新
○桜井委員長 御異議なしと認めます。
それでは、理事に田中和徳君を指名いたします。
次回は、明十二日木曜日午後二時理事会、午後二時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後九時二十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504577X00519990811/34
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