1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十一年三月十六日(火曜日)
午後五時四十分開議
出席委員
委員長 坂井 隆憲君
理事 谷 洋一君 理事 平林 鴻三君
理事 宮路 和明君 理事 山本 公一君
理事 古賀 一成君 理事 土肥 隆一君
理事 桝屋 敬悟君 理事 鰐淵 俊之君
小島 敏男君 滝 実君
西川 公也君 萩野 浩基君
平沢 勝栄君 藤井 孝男君
藤本 孝雄君 松本 純君
水野 賢一君 宮島 大典君
持永 和見君 保岡 興治君
桑原 豊君 葉山 峻君
細川 律夫君 松崎 公昭君
白保 台一君 富田 茂之君
西村 章三君 穀田 恵二君
春名 直章君 知久馬二三子君
出席国務大臣
自治大臣 野田 毅君
出席政府委員
運輸省航空局長 岩村 敬君
自治大臣官房長 嶋津 昭君
自治省財政局長 二橋 正弘君
消防庁長官 谷合 靖夫君
委員外の出席者
参考人
(新東京国際空
港公団総裁) 中村 徹君
地方行政委員会
専門員 蓼沼 朗寿君
委員の異動
三月十六日
補欠選任
水野 賢一君
同日
辞任 補欠選任
滝 実君 萩野 浩基君
中野 正志君 松本 純君
同日
辞任 補欠選任
萩野 浩基君 滝 実君
松本 純君 中野 正志君
三月十六日
道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出第五八号)
三月十二日
地方の公債費負担の軽減に関する請願(堀込征雄君紹介)(第一一六四号)
犯罪被害者救済制度の充実に関する請願(堀込征雄君紹介)(第一一六五号)
は本委員会に付託された。
本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)
消防施設強化促進法の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)
午後五時四十分開議
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/0
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001・坂井隆憲
○坂井委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び消防施設強化促進法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
両案中、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案審査のため、本日、参考人として新東京国際空港公団総裁中村徹君の出席を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/1
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002・坂井隆憲
○坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/2
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003・坂井隆憲
○坂井委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松崎公昭君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/3
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004・松崎公昭
○松崎委員 民主党の松崎公昭でございます。
議題に上りました、いわゆる成田財特法と消防施設強化促進法の一部改正、この二つを御質問させていただきますが、まず最初に、成田財特法に関係しましてお聞きをさせていただきます。
私は千葉県出身なものですから、この成田問題、小さいときから承知をしておりました。昭和四十一年の佐藤総理の閣議決定以前、御料牧場として、あの地域は私ども若い人間にとりましては大変緑の豊かなすばらしい環境でございました。それが突然閣議決定をされ、そして、さまざまな経過を経て昭和五十三年に新東京国際空港ができ上がった。
いろいろな経過があります。その果てに、現在は国際空港、日本の窓口として、年間二千五百万人という膨大な数の利用客、そして十二万五千回の発着ということで、一応堂々たる国際空港になっているわけであります。この間に公団を中心とした空港の投資額だけでも一兆五千億、大変な金額でございます。
しかし、片肺飛行とは言いませんけれども、今まだ完璧な空港になっていないというところで、多くの方々の御苦労が現在も続いている。財特法そのものは周辺の問題でありますけれども、空港そのものをもう一度ここでしっかりと検証していきませんと、この財特法が果たしてあと五年間で済むものかどうか、その辺のことをもう一度、私は千葉県人ということもありまして、おさらいと同時に確認をしておきたいということで、きょうは中村総裁にもお見えいただいたということで大変恐縮をしております。
さて、三月十日には、二十一年ぶりということで華やかしく北ウイングとか中央ビルの新築オープン、こういったこともやられまして、極めて一見華やかに見えているわけでありますけれども、その陰には大変な犠牲があったわけであります。成田闘争の死亡者も、わかっただけでも十四名という、私の関係者も、身内も死にかかったということもございまして、非常な血と汗と涙、お金、そういったものがこの成田空港の中にはしみ込んでいる。いまだにゲリラは続いております。今までで五百五十八件というゲリラの数もあった。ですから、千葉県議会でも成田の問題に触れると身が危ないということで、私も慎重に質問しなきゃならないという現実があるわけであります。
ただ、大変たくさんの方々の御努力、特に亡くなりました奥田敬和運輸大臣の、平成三年の第一回のシンポジウム、これが私はこの空港の問題を大きく転換した一つの契機だったというふうに思っております。そして、隅谷調査団長を初め、円卓会議というものを十二回やった、あるいはその前のシンポジウムは十五回もやった。そして、今日では共生型のエコ・エアポート基本構想まで行き、そして地域と共生する空港づくり大綱、そんなところまで今ようやくたどり着いた。
さてしかし、この成田の問題は、私は現状の日本の政治、行政のいろいろなひずみが出ている問題だろうと思っております。つまり、国が決めて押しつけてきたというのが、あの当時、若い私も千葉県人の一人でもそういう感じがいたしました。あの緑豊かな三里塚、そして御料牧場、あそこを一気に空港にしていく、その辺の内容はよくわかりませんけれども、果たしてどうなんだろうということを千葉県の人たちも多分考えたと思います。
つまり、何が言いたいかといいますと、今、公共工事の見直し、あるいは北海道の知事さんが言い出しまして実行されております時のアセスメント、そして最近では諫早湾の干拓工事、まああれはやってしまったわけでありますけれども、あるいは北海道の苫東の中止といいましょうか停滞、そして藤前干潟はこの前中止になったということでございます。そして、ダムの問題も十八カ所は中止になる。近々の話では、千歳川の放水路の建設を中止するようにならざるを得ない。
つまり、こういう国が決めた大きな工事あるいは公共工事、それをこの成田の教訓から、たくさんのそういう問題のある公共工事等、上からの押しつけだった、こういう問題に対してまず私は、自治大臣あるいは自由党の代表閣僚としても野田先生に、この辺の押しつけてきた大きな工事に対して、公共工事に対して今見直しがいろいろな意味で起こっている、これは成田のことも教訓にしながら大臣はどんなふうに今後お考えか、私見をお尋ねしたいということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/4
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005・野田毅
○野田(毅)国務大臣 千葉県選出の松崎委員が、いろいろ地元における状況を肌で感じながら、今日まで成田空港建設問題にいろいろ御尽力をいただいてきたお話を伺いました。
本当に御指摘のとおり、この新東京国際空港の候補地の検討から始まって、いろいろな経緯がありました。ようやく平成に入って、今御指摘のような円卓会議の終結以降、話し合い路線が定着をして、今、平行滑走路の建設に向けて着々と進んでおるわけでございますが、この間における地権者を初め地元の地域住民の皆様の理解や協力、そして地元の市町村、さらには千葉県、運輸省、関係者の大変な血と涙と汗と言うと語弊があるかもしれませんが、まさにそういったことの積み重ねによって今日に至っているということに、改めて関係者の皆さんに敬意を表したいと思います。
何といいましても、日本国としての今最大の外国との玄関口であり、そういう意味で、その機能が十二分に発揮できるように、さらに整備が進捗することを心から我々も期待をし、努力をしていかなければならぬと思っております。
そこで、今御指摘がありましたように、こういう大きなプロジェクトを進めていく上で、最初の、建設を決定するそもそもの過程からいろいろ反省すべき点もあったのではないか、そんな思いを込めてのお話もありましたが、私は、その点は、まさに勝手に国が決めて一方的に押しつけたというイメージを与えたとすれば、大変それは後の円滑な進行のために反省すべき点がいろいろあったんだろう。
その中で、ただ、当時なかったいわゆる環境アセスメントの手法であるとか、いろいろな手法が、その後、公共工事、特に大型の公共工事についての決定なり進捗に当たって、問題が起きてから出戻りをするというのではなくて、事前にいろいろな環境、特に環境面からのアセスメントであったり、あるいは地権者の同意その他の地元自治体なりの協力の枠組み、スキームというものがいろいろな形で生かされてきたということは、これは発電所の立地その他においてもそうだったと思いますけれども、かなり進んできているようには思います。
しかし、なお、反省とともに参考にしながら、これからナショナルプロジェクトを進めていく上で、地元の受け入れ態勢といいますか、地元の自治体、住民の意思をどの程度事前に把握してやっていくかということについては、十分に勉強していかなければならぬ、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/5
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006・松崎公昭
○松崎委員 今も実際にたくさんの、かつてから動いております、あるいはとまりかけたそういう公共工事があるわけであります。ですから、ぜひ今後も、特に分権の時代になってまいりますので、地方と中央との関係の間に立つ自治省、主に建設省中心のいろいろな工事なんですけれども、やはりその辺は、その間に立つ自治省としては、こういう問題に関しましてはしっかりと省全体で位置づけをして、基本的な考え方を、必要のなさそうな公共工事云々に関してはしっかりと見詰め直す、自治体にもその指導性を発揮していただきたい、そんなふうに思います。
さて、具体的な問題でございますけれども、当面の目標は平行滑走路の二〇〇〇年完成、これができませんと一人前の空港ではないということもございますけれども、実際にこの平行滑走路の二〇〇〇年度完成目標、最近は随分、各団体、住民組織も、二〇〇〇年早期に向けて頑張ってくれ、そういう声がたくさん出ておりますけれども、幾つかまだまだ問題点があるようです、東峰地区の問題あるいはまだ八百数十人もおります一坪地主でありますとか。この辺の二〇〇〇年度完成目標の達成は、総裁、どうでしょうか。
同時に、大臣からことしの一月二十日に督励も出ておりますけれども、総裁はどのようにお受けとめになっていらっしゃるか、あわせてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/6
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007・中村徹
○中村参考人 成田空港の平行滑走路を二〇〇〇年度に完成させるという目標は、私どもにとって政府から与えられた大変重要な課題だというふうに認識しておりまして、目標を達成するように今最大限の努力をいたしておるところでございます。
やはりこれは、用地が買えなければいけないわけでございますので、そういう意味では、やはり用地を持っていらっしゃる地権者の方の御協力、御理解がなければ実現できないことでございますので、そういう御協力、御理解が得られるように懸命に努力しているわけでございますが、そういう観点から申しますと、目標が達成できるということをここで私がはっきり申し上げるということはできないわけでありますが、しかし、そのようなことが実現できるべく私どもとしては最大限に努力しており、何とかその目標は実現できるんではないか、そういう強い信念を持って努力いたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/7
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008・松崎公昭
○松崎委員 担当の方でも結構でありますけれども、もうあと数人の方ということでありますけれども、具体的にどのような状況になっていて、そして見通しが具体的にどうなんだと、先ほど言いました一坪地主云々とか、そういう具体的なことをお尋ねしておりますので、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/8
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009・岩村敬
○岩村政府委員 成田空港の建設問題につきましては、先ほど先生から御指摘ございましたように、平成三年にシンポジウムが始まりまして、平成六年には成田空港問題円卓会議が終結したということで、これまでの力と力による対立構造、地権者と国、公団との対立構造というのが解消したというふうに考えております。
そして、その後、話し合いによります用地取得を進めてまいったところでございます。現在、残る未買収地は約六ヘクタール、空港用地全体の約〇・六%に当たります。また、用地内に居住いたします地権者は残り二戸、面積にいたしまして約一・六ヘクタールという状況になっておるところでございます。
この用地買収をどう進めるかということにつきましては、本年一月に、運輸省の政務、事務の両次官、そして空港公団総裁に対して、話し合いによる二〇〇〇年度の平行滑走路の完成という目標に向けて全力を挙げて取り組むようにという指示が改めて大臣からされたところでございます。
現在、運輸省、そして空港公団の幹部が、これまた先ほど先生御指摘ありました東峰地区、すなわち成田市の東峰地区でございますが、ここはちょうど平行滑走路の予定地にも当たっておるわけでございますが、そこの地区の地権者等に対しまして話し合いを呼びかけます大臣名での手紙、これを直接持参いたしまして、話し合いによる解決にあらゆる努力を傾注いたしておるところでございます。今後とも、二〇〇〇年度の目標に向けまして、引き続き最大限の努力を重ねてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
また、一坪の共有地がございますが、一坪共有地については、農民の空港反対運動を支援するものということでございますので、まず地権者でございます農家が話し合いにより解決されるということになれば、本来おのずから解決されるべきものであろうかと考えておるところでございます。
いずれにいたしましても、まずは地権者であります農家の方々と誠心誠意の話し合いによりまして、用地問題の解決に全力を尽くしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/9
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010・松崎公昭
○松崎委員 地元の林政務次官もいらっしゃって、確かに精力的に頑張っていらっしゃることは承知しております。しかし、最近の声明でも、反対派の方々は、二〇〇〇年目標を取り消せという声明を出したり、まだまだ実態的には反対派の方々の勢力というのは、私はよくわかっておりませんけれども、果たして二〇〇〇年にできるのかなという非常な不安を持っております。
そこで、これだけこじれましたけれども、最近では随分、今まで反対していた方々が土地を協力して売っていらっしゃる。これはやはり、このシンポ、円卓会議、そして地球的課題の実験村構想でありますとか、大変な知恵がようやく生まれてきた。そして、エコ・エアポート基本構想というなかなかすばらしい、環境に配慮した空港づくり、こういうものまで出ている。そして最後は、共生する空港づくり大綱。今までこじれて、そしてたくさんの犠牲者のもとで今日まで来た成田空港ですから、最後のところで本当にこの構想をしっかりと生かしていくべきだろう。それを忠実に、誠実に、速やかにやることが、残された反対派を説得する材料になるんではないか。
ただ、行って手紙を出しても、きょうあたりの報道ですと、だれかにお願いして先ほどのお手紙を持っていったら、受け取っただけで中身を見ないで返送するなんということをおっしゃっている方々もいるわけであります。せっかく成田がここまで築き上げた新しい構想、そして、先ほどから言っておりますように、血と汗と涙の上に新しい空港づくりというせっかくの合意点、これをやはり生かすべきだろうと私は思っておりますけれども、その円卓会議の基本であります合意事項、これはどんなふうに実施されていらっしゃるか、お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/10
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011・中村徹
○中村参考人 先生御指摘のとおり、成田の問題というのは、やはり多くは地域の問題ということで、地域の人たちとの合意の上に立って成田問題というのは解決されるものだというふうに私ども思っておりますし、地権者の方々の心を動かすのもやはりそういうことを通じてしかあり得ないだろう、こういうふうに考えております。
そういう意味で、地域の方々とのお話し合いの結論である円卓会議の合意事項、二十二項目あるわけでございますが、これは誠実に実施しなければいけない。主として騒音問題を初め環境問題が多いわけでございますが、その二十二項目の大半について我々としては誠実に努力しておりまして、昨年の九月には、地域共生委員会という第三者機関でございますが、この地域共生委員会から、合意事項の多くは既に実効を上げていると認められ、さらに共生策を着実に前進させつつあることは評価できるという御評価をいただいて、私どもとしては報われた気持ちがいたしておりますが、このようなことでおしまいというようなことでは決してなくて、これからも一歩一歩、空港づくりは地域づくりという考え方に従ってこれを実施していきたいと思っております。
その中でも、主として騒音問題でございますが、騒音問題につきましては、全国の空港に先駆けまして、民家の防音工事を最優先に取り組む、あるいは騒音地域と騒音地域、二本の平行滑走路がありますので谷間地域といっている地域でございますが、そういったところへの助成というのを成田空港周辺地域共生財団というものを設立して実施するとか、いわゆる成田方式ということで、できるだけ我々としては誠意を尽くして合意事項を実現してまいりたい、こういうふうに考えて努力しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/11
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012・松崎公昭
○松崎委員 私も最近、少しじっくり実験村の件でありますとか見てみたんですけれども、大変哲学的な、しかも今の現代工業文明の象徴である空港をあの地に持ってこられた、そのことを単なる今までの反対のぶつかり合いじゃなくて、それを契機にしながら新しい文明の方向性を見出そう。非常に哲学的なことも含めて、私は、役人さんが皆さん入ってやっていらっしゃるのにこういう哲学的なところまで踏み込んでいらっしゃるとは思っていなかったんですけれども、現代社会を問い直して、実験村をつくってチャレンジをしていく。農的価値の回復、ある意味ではこれは物すごい理念なんですね。
ですから、これをやはり皆さん、農家の方々も反対派の方々も、学習をこの三十年ぐらいの間にされたわけですから、次の文明をつくっていくんだ、成田の犠牲をただの犠牲にしないんだ、さらに次の世代に生かそう、そういう意気込みで、私は今回の地球的課題の実験村という、最初はえらい大きなテーマだなと思ったら、やはりそれなりの中身を持って頑張っていらっしゃる。本当にこれはすばらしいことだと私は思っております。
そこで、その意思を受けてエコ・エアポート基本構想というものをつくったわけであります。これは環境への負荷でありますとか、エネルギー消費でありますとか、そういったものをなるべく小さくして循環型の空港をつくろうということでやったんですけれども、さて、最近できました第一旅客ターミナルとか新しい建物、これはそういうものが生かされたものなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/12
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013・中村徹
○中村参考人 共生大綱にございますような循環型の空港づくりというのは、当然第一旅客ターミナルビルを改修していく上でも我々としては十分考えてきておりまして、一、二の例を申し上げれば、中水利用といいましょうか、厨房等から出てまいります水から油分を取り去りまして、そしてそれをトイレに使うというような中水の利用を盛り込んだり、あるいはまた太陽光発電というようなことをいたしまして、それをターミナルの中で活用するというようなことをやっております。
もちろん、ターミナルビルだけじゃなくてほかのところでも、こういうエコ・エアポート構想というのをいろいろな形で進めておりますけれども、ターミナルビルの中でも、そういった形でできるだけ循環型の空港づくりを進めるということで対処しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/13
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014・松崎公昭
○松崎委員 まだ私見てなくて申しわけなかったんですけれども、大分生かされてきているというふうには聞いております。
さて、先ほどから言いましたように、これだけの犠牲の上で、すばらしい発想のもとに新しい空港をつくろうという理念までつくられたわけでありますから、この総合的な空港対策理念、これを私は成田だけで終わらせるのはもったいないんじゃないか。これは世界のレベルでいってどの辺かは私わかりませんけれども、今後、中部国際空港でありますとか、あるいはもしこれが本当にすばらしいものであれば、海外へもある意味では理念を輸出してどんどん手本にしてもらう、そんなようなところまでやることが今までの犠牲者のためにもなると私は思うんですけれども、今後どのようにほかの空港等に生かされるか、お聞きをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/14
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015・岩村敬
○岩村政府委員 ただいま御指摘の中部国際空港の例をとってまいりますと、成田空港の場合とは違いまして、空港計画の立案段階から地域の三県一市、すなわち岐阜、愛知、三重の三県それと名古屋市でございますが、そこと地元の経済界、さらには国が連携いたしまして、この空港計画につきまして検討を進めてまいりました。そしてその中で、先ほど御指摘のあったような地域との共生の問題、これについても十分考慮しながら案を練ってまいったところでございます。
今後、他の空港につきましても、空港が地域と共生していくという考え方、これは非常に大事だ、大事というよりは不可欠だろうというふうに認識をいたしておりまして、今後の個別具体的な空港整備の中で、こういったものを生かしながら空港整備に取り組んでいく所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/15
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016・松崎公昭
○松崎委員 ひとつ、犠牲の中ででき上がったこの新しい空港づくりという理念をよく生かしていただきたいと思います。
さて、成田財特法そのものに一点だけ戻りますが、千葉県では空港周辺地域整備計画というものをやって、これに対して財特法がかつて三回でしょうか、既に十年、五年、五年延長をしておりまして、今回この法案をあと五年間延長するんだということでありますけれども、果たしてその周辺整備事業というのは、もとであります先ほどの平行滑走路の建設が、意気込みはわかりますけれども、どうもはっきりしない、本当に二〇〇〇年にどうかということはあります。
ですから、そうなりますと、そことの関連も出てくるので、これはなかなか自治省さんの方ですぐお答えはできないかもしれませんけれども、現実の周辺整備事業、これはかなり進んでいるふうには見ております。しかし、成田市側というのは大分進んでいるんですけれども、反対側の地域というのは、かつて私、二、三年前にその地域をずっと回ったことがあるんですけれども、非常に不満が多かった。今はわかりませんよ。しかし南側の町は、騒音ばかり来てさっぱり整備が進まないんだ、そんなような話も聞いております。
ですから、現在の進捗状況、自治省さんの方でしょうか、お手元にあります認識と、そして今の公団の、あるいは運輸省の取り組みを踏まえながら、あと五年で完了するかどうか、その辺の見通しも含めてお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/16
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017・二橋正弘
○二橋政府委員 空港周辺整備の進捗状況でございますが、空港周辺整備計画に計上された事業費の平成十年度末見込みの進捗率で見ますと、この計画がスタートいたしました昭和四十五年度から、現在の計画の満了期間でございます平成十年度末までの二十九年間、この間におきます都心との連絡道路あるいは鉄道の整備なども含んだ全体事業費は約五千四百十億でございまして、これに対して実施済み事業費は五千百四十億円、進捗率が約九五%になっております。
なお、このうちに、前回の法延長時におきまして、直近の平成六年度から十年度までの五年間で実施が予定された事業費は約四百五十一億でございましたが、これに対しましては実施済みは三百三十七億円、進捗率が約七五%というふうになっております。
具体的なこれからの空港周辺地域の整備計画の対象事業につきましては、千葉県及び関係市町の要望を踏まえて、関係省庁と必要な連絡調整を行った結果に基づいて同計画に盛り込まれておるところでございまして、今御指摘のございました平行滑走路側の地域につきましても、引き続きこの計画に基づいて整備が進められるものと私どもも認識いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/17
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018・松崎公昭
○松崎委員 ぜひ五年で完了するように、五年後にまた延長のないように、これは自治省にお話ししても、むしろ地元千葉県あるいは空港公団さん、運輸省さんが一番責を負うのかもしれませんけれども、頑張っていただきたい。そして、エコ・エアポート構想ですとか大綱を生かして、必死に二〇〇〇年開港を目指して頑張っていただきたいと思います。
続きまして、この成田に極めて関係の深い羽田空港問題を、どうしても千葉県側からいきますと、ただしておかないと大変に困る状況に今なっておりますので、羽田空港の国際化でありますとか、この辺の問題を、成田の立場から非常に問題点があるという姿勢の中で御質問をしたいと思います。
まず、羽田空港の国際化のよって来る経過、二十四時間化、沖合展開、この辺の原点は何だったのか、ひもといていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/18
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019・岩村敬
○岩村政府委員 羽田空港の利用をめぐって、国際線を入れるというような議論が今あるわけでございますが、そのよって来るところでございますが、これは歴史をさかのぼりますが、羽田空港の沖合展開事業というのをこれまで進めております。
目的として、一つは、首都圏におきます国内航空需要が非常に増大する、その受け皿として将来にわたって羽田空港が十分な機能を果たせるということ、それから二番目は、地元の大田、品川区を中心に航空機の騒音問題が、非常に激しい問題があったわけですが、これの抜本的解消を図るという、この二つの目的で、東京都が造成をいたしておりました羽田沖の廃棄物埋立地を活用して空港を沖合に展開するという事業を始めたわけでございます。
そして、これは全体を三期に分けて整備を進めておりますが、第一期計画においては、昭和六十三年の七月に新A滑走路が供用されました。そして平成九年の三月に、三期計画の一部でございますが、新C滑走路が供用されたわけでございます。この新C滑走路というのは、実は従来の滑走路よりずっと沖合に位置しておるわけでございまして、騒音問題について、特に地元、品川、大田区にとって、深夜帯を飛行しても騒音問題が起こらない、そういった環境上非常にすぐれた滑走路として供用がされたわけでございます。
そして今、最後の段階として、横風用の滑走路でございます新B滑走路が、今年度末の供用を目指して工事を進めておるところでございます。
今申し上げましたように、平成九年に新C滑走路が供用されて騒音問題が抜本的に解決されたということを契機に、国内線は深夜帯はそう需要も多くないだろうから、そこに国際便が飛んではどうかという、そんな議論がされたというふうに承知をしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/19
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020・松崎公昭
○松崎委員 どうしてかというと、やはり大田区の方の騒音から、同時にまた国内便の拡充という二つを兼ねながら、今まででたしか一兆五千億ぐらい、ちょうどこれは成田空港と同じようなお金がかかっているわけであります。
三千メートルにもなったので、一部国際化ができるというふうにもなってきたのではないかと思いますけれども、沖合展開後、羽田空港はどんな状況になったのか。それから、羽田の国際化が出てきておりますけれども、運輸省としてはそれはどういうふうに受けとめていらっしゃるのか。以上二点を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/20
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021・岩村敬
○岩村政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、平成九年の三月に新C滑走路の供用がございました。それで現在、年間にいたしまして約二十四万回の飛行機が離発着をしておるところでございます。
これを国内の定期便の便数の方で申し上げますと、現在羽田空港におきます国内定期便の運航便数はおおむね三百十五往復でございます。この整備が始まります前、すなわち新A滑走路の供用開始以前は一日当たり約二百十往復でございましたので、約百往復の増便がなされておるということでございます。
それから、先ほども申し上げましたように、新C滑走路ができましてから深夜帯の発着を認めておりますので、従来は運航便のございませんでした五時台そして二十三時台の時間帯におきまして、これは日によって少しずつ変動がございますが、一日当たりにいたしますと、五時台で四便、二十三時台では六便、これは片道でございますが、飛んでおるという状況にございます。
それから第二点目の国際化の問題でございますが、先ほどちょっと申し上げましたように、深夜帯に国内の定期便も飛んでいない、あいておるじゃないか、せめてその時間帯にでも国際便が飛んだらいいじゃないかということを主張される方がいらっしゃるわけでございます。
この点につきましては、これまでにも国会での審議を含め、いろいろな機会に関係者に申し上げておりますが、従来から、羽田空港は国内航空のため、そして成田空港は国際航空のための拠点空港と位置づけて整備をしてきておるところでございます。
また、こういう国際便を入れるということの影響でございますが、一つは騒音問題。なるほど東京側の品川、大田のサイドの騒音問題は非常に軽減されましたが、いまだ千葉側には、環境基準には合っているとはいいながら、やはり特に深夜帯ともなると騒音の問題があるということもございます。そういった問題。それから、今我々が成田の平行滑走路の整備にまさに全力を挙げているわけでございまして、この現状。こういったことを考えますと、羽田空港におきます国際線の利用というのは困難であるというのが我々の考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/21
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022・松崎公昭
○松崎委員 そうしますと、再三衆議院の予算委員会でも総理大臣も答弁されておりますが、国際線は成田なんだ、国内線は羽田である、そういう機能分担をしっかり位置づけをしているんだと言っているんですが、やはり国際化が出てくる。それから、私どもも非常に気になるのは、今行われようとしております都知事選候補のほとんどの方が公約しているんですね。平成九年の七月の都議会選挙のときも、大田区を中心にこういう公約をしているんですね。
私は、それなりの方々がこれだけ言っているということは、どうもどこかで密約しているんじゃないか、運輸省はどこかでそんな話を漏らしているんじゃないか。地元に言っているのか東京都に言っているのか。これは鳩山さんも言っているのでちょっと困るんですけれども、みんな言っている。密約はないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/22
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023・岩村敬
○岩村政府委員 そのようなことは決してございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/23
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024・松崎公昭
○松崎委員 先ほどの答弁でもわかりますように、今、沖合に出しておいて、自分のところの騒音はなくしておいて、全部千葉県に来ているんですね。木更津の方面でありますとかディズニーランドのある浦安の周辺でありますとか。それも国内線という軽量級のところで、七十Wというんですか、基準があるんですね、それでかなり来ているわけですよ。
これを国際便にしますと、幾ら近距離の国際線だといっても今より重量が重くなりますから音が大きくなる。しかも、国内便はどうもいっぱいですね、五時から十一時は。まして国内便は、飛ばしていったって相手が国内じゃ夜中に着いたって使い物にならない。だから、夜中の十一時から朝の五時、ちょうど飛んでいくと、相手が東南アジアでも何でも何とか使えるだろう、そこがつけ目だろうと思いますけれども、その音は全部千葉県に来ちゃうんですよ。
だから、これは確かに経済効果、それから羽田空港の有効な活用、地元の雇用、いろいろな点でやりたいと思いますよ。ですから私は、百歩譲っても飛ばせるんなら飛ばして結構だ、しかし東京へ持っていってください。そういうコースはとれませんか。それだったらオーケーなんですけれどもね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/24
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025・岩村敬
○岩村政府委員 先生御指摘のとおり、長距離を飛行する国際線の航空機、燃料の問題もございまして、非常に重量が重うございます。ということは、離陸後なかなか高度が上がらない、また旋回する角度もそう急には旋回できないということもありまして、どうしても国内線と比較して騒音値が大きくなる、この点は御指摘のとおりでございます。
現在、先ほども御説明していますように、新C滑走路供用後に深夜帯に国内線が運用しておりますが、その際も、千葉側の騒音への配慮ということで、木更津、ここは羽田の空港へ入ってくる場合の進入のポイントになっておりますが、木更津のポイントにつきまして、二十二時から二十三時にかけまして、従来ですと三千フィートまで降下してきておるわけでございますが、これを四千五百フィートの高度からおりてくるように高度を上げておること、それから、二十二時以降朝の六時までは木更津を避けるような形での進入ルートを設定いたしておること。それから、また同じく浦安でございますが、これは出発の経路に当たりますが、出発のルートにつきまして、先ほど申し上げた深夜帯につきましては角度にして十度ほど海側に針路を振っております。ということは、従来ですと浦安の市街地に若干近づくわけですが、それを南の方に十度振ることによって市街地を避けて海の上で旋回をするような、そういった航法を指定しておるところでございます。
〔委員長退席、山本(公)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/25
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026・松崎公昭
○松崎委員 技術的な細かい話はなかなか難しいのでわかりませんけれども、ただ、深夜になれば恐らくこの基準も違ってくるはずですし、幾ら振っても、夜中静かになれば、二十三時から翌朝の五時まで七十五になるんですか、それでももっと騒音は激しく聞こえると思うんですね。
だから、どう考えても今の状態で、騒音の問題一つとっても、国際化はわかりますけれども、特に深夜の羽田空港の国際便を使うということは私は難しいと思うんですよ。それはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/26
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027・岩村敬
○岩村政府委員 御指摘のとおり、重量の重い飛行機が今のような形で飛ぶとすれば、今以上に騒音の問題が激しくなるわけでございまして、そういうことでは環境上許されないということになりますので、少なくとも今、先ほど申し上げたような対策はとっておりますが、今の形では、深夜帯の重量の重い飛行機の飛行というのは困難であろうかというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/27
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028・松崎公昭
○松崎委員 そうしますと、各都知事候補はうそを言っているということになりますので、その辺は、これからひとつそれぞれ政治家の方々は、非現実的なことをばらまくような、そんなことはお互いにやらない方がよろしい、私はそう思うわけであります。ぜひひとつこの基本姿勢を、千葉県だけの問題じゃないわけですね、やはり全体的な問題で、そういうできそうもないことを言ってはいけないと私は思うわけであります。
同時に、先ほどからテーマにしております成田空港、これがぎりぎりのところへ、協力をしていただけるかどうかというところへ今来ているんですね。ここに、羽田の国際化、中身はどうであれ羽田で国際化は少しできるんじゃないかというようなことになりますと、これは反対派の方々が勢いづいちゃうというか、必要ないじゃないかというところまでエスカレートしちゃうんですね。だから、物すごく成田にとっては今大事なところなんです、この大事なところに余り選挙だからといってそんなことをがんがんやられてしまいますと、本当に迷惑するのは千葉県であり、あと一歩というところの成田問題の重要なところに影響が出ちゃう。
ですから、私は、先ほどから密約説云々、あるのかと言いましたけれども、ないと思いますけれども、その辺の線引きを、成田と羽田の役割分担こうですよということは運輸省はしっかり言わなきゃいけないと思うんですね。はっきりさせてないから各候補者がよさそうな話をして、大田区の票を欲しいんだか何だかわかりませんけれども、そんなふうになっちゃうわけですよ。
ぜひひとつそこは、線引きを明確にするんだ、それが成田問題の本当の解決の妨げにならないように、同時に騒音問題という大変重要な問題にもかかわるということで、もう一回しっかりとその辺運輸省が明確に意思表示をしていただきたい。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/28
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029・岩村敬
○岩村政府委員 先ほども御答弁を申し上げましたように、従来から、羽田空港は国内航空のため、そして成田空港は国際航空のためと、そのための拠点空港と位置づけをいたしまして整備をしておるところでございます。この点につきましては、先ほど御説明した騒音の問題も含めまして、関係方面には御説明を申し上げておるところでございます。
これは一つは、議会でも当然大臣以下の答弁もございますし、また我々としても、ニュースキャスターとかそういう雑誌に書かれたときには、その著者に対してお手紙を差し上げて、誤解がございますよ、こういう現状ですよということを御通知といいますか、お話を申し上げておることも申し添えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/29
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030・松崎公昭
○松崎委員 ありがとうございました。
千葉県は、経済団体から市長会から議会から、総力で羽田の国際化の問題に反対だということで取り組んでおります。単に地域エゴイズムじゃなくて、先ほどから言いました成田の汗と涙と血と、あれだけの歴史を持ったところを何とか完成させたい、ここが主眼でありますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
続きまして、時間がなくなりましたが、消防法の消防施設強化の問題を少し伺いますが、この法律そのものは特に質問等はないのでありますが、消防に関係することを少し、防災に関係することでお聞きしたいと思います。
阪神・淡路以降、特に防災関係に関しましては、強く我々国民全体が意識をして、みんなで何とか対応しなければいかぬ、そういうことが国民みんなのテーマになっていると思いますが、特にちょっと心配なのは、地方のレベルにおいて、災害のときに司令塔がなくなってしまったり、そういう確保でありますとか、あとは危機管理体制そのものの整備は、阪神・淡路以降どんなふうに改善されたのか。
それから、地域防災計画というのはかなりおくれているというふうにも聞いておりますけれども、見直し、修正、この辺のことはいつ起こってもいいようにやらなければいけませんので、現在どこら辺まで地域防災計画の見直し、修正が行われているか、その二点をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/30
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031・谷合靖夫
○谷合政府委員 阪神・淡路大震災以後の取り組みでございますが、平成七年には災害対策基本法が改正をされまして、今までは、災害対策本部を設置するときには地方防災会議の意見聴取ということが手続的にあったわけですが、機動的に対応するために直ちに設置をできるとか、あるいは現地の災害対策本部の設置も法定化をされるというようなことで、全体的なそういう指揮命令体制づくりというのは相当機動的になったというふうに考えております。
ただ、問題は、それを具体的に運用するいわば応急対策ということだろうと思いますけれども、これにつきましては、地域防災計画ないしはそれをさらにブレークダウンをしました応急対策マニュアルというものを作成していただいております。
具体的には、職員の動員、配備体制についての参集基準を明確にする、いついかなるときにどういうメンバーが集まるか、あるいはその連絡手段、参集手段ということについても明確に書いていただく、あるいは、情報の収集、伝達体制などにつきましても、例えば休日、夜間のときにどうするかというようなこと、さらには、やはり災害規模を早期に把握をする必要がありますので、例えば高所監視カメラであるとか画像伝送システムとか、そういうようなものの導入も具体的に進めるというようなことで、計画ないし実質的な施設設備というものをより実践的、具体的になるように地方公共団体の方でも準備を進めているというのが現状でございます。
それから、こうした総合的な防災対策をやる場合の基本となりますのは、地域防災計画でございます。これにつきましては、阪神・淡路大震災後に国の基本計画というものが大幅に修正になりまして、それを踏まえて見直しをお願いしておったわけでございますが、都道府県レベルではすべて終わっております。それから、市町村レベルでも、修正済みあるいは検討中のを含めれば、おおむね九割以上のところがそうした形で着手に入っているという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/31
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032・松崎公昭
○松崎委員 時間がなくなったので、はしょって御質問いたします。その辺は、今のことはしっかりやっていただきたいと思います。
それから、今大変気になるのは消防団なんですね。阪神でも相当の消防団の方々が活躍した。これは当たり前のことでありまして、日本の中のボランティア団体では最大の、一番歴史の古いものだと思って私は高い評価をしているんですけれども、今大分減っておりますね。昭和三十年のピークで百九十四万人いた。平成九年は九十七万人に、半分以下になってしまったということで、消防団の育成というのはどうしたらいいか。
これは、いろいろな社会状況がありますので難しいとは思いますけれども、今日的な役割とか意義、これは非常に大事だろうということ。そして、消防団そのものがこれだけ減ってきますと非常に心配なんですけれども、今後のあり方と育成策、この辺を大臣はどんなふうに考えていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/32
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033・野田毅
○野田(毅)国務大臣 御指摘のとおり、消防団の構成メンバーもどんどん高齢化が進んできております。特に最近また、女性は大分ふえつつはあるんですけれども、どうしても従来の、職業的にいうと農業なりあるいは中小企業なりという方々が主体になって消防団を構成して、まさに地域の仕事を一生懸命責任を持ってやってもらったんですが、だんだんそういう方々も少なくなる。率直に言って、各地域、なかなか頭を痛めていることだと思います。
そういう中で、ボランティアというだけでなくて、今現在やっていただいている事柄は、もうちょっときちっとした、消防組織法に基づく消防機関であって組織、階級などの定めがあるわけで、俗に言うボランティア活動とは同一には位置づけられない、それだけの責任、役割を果たしていただいておる存在である、こういうふうに考えております。基本的には、自分たちの地域を自分たちで守っていくんだという、言うなら自治にとっての一番の原点的な活動でもあるわけですから、これらがさらにより魅力のある消防団になるような工夫もしていかなきゃならぬ。
そこで今、消防庁では、青年層、女性層への消防団への参加促進を図るために、消防団啓発ポスターとかパンフレットの作成、配布、さまざまな広報活動を通じて努力をいたしておる状況にあります。これからも、これらの努力を積極的にしてまいりたいと思います。
また、必要ならば消防庁の方からさらに詳しいところを申し上げたいと思いますが、服制の問題だとかいろいろあるんですが、もう少し詳しく言いましょうか。よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/33
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034・松崎公昭
○松崎委員 通告をたくさんしていましたから答弁が大分たくさんあったようでございますけれども、今服制の問題を言いましたけれども、確かに、イメージからいうと随分いいんだということを、私の地元でも最近アポロキャップをつくったら、非常に若い人がいいと。ただ、いろいろあるんですね。都市と農村の違いがあったり個人の差はありますから、はんてんがいいという人と、ださいという人とあるんですね。だから、なかなか一概に、全国共通でどうしろというのは難しいかもしれません。
ただ、これから若い人たちや女性が入ってくるには、やはりそういう服装なんかも、これは枝葉末節に聞こえるかもしれませんけれども、非常に大事なことだろう。やはり格好よさというのを非常に若者は求めますので、ありとあらゆることをやって消防団の総量を少しでもまた復活できるように、ぜひこれはお願いをしたいなと思っております。
時間がないんですけれども、一点だけ最後に、国際緊急援助隊というのが阪神・淡路以来特に注目され、もっとも、もっと前からあったと思うんですけれども、非常に注目されております。もう既に九回派遣されたということですね。JICAが世界の各地区でそれを受け入れるということなんですけれども。
最近、一月二十六日に南米のコロンビアで災害があったときに、即日行かれた、非常に早かった、日本の国際緊急援助隊ですね。でも、ガソリンの調達ができなくて発電機が動かなかった、大事な道具が使えなかったんだ、そんなニュースがあったものですから、せっかくいいことをやっていても、何か問題があるんじゃないか。
JICAというのはどの辺に、世界にどのくらいあるのかちょっと私も細かくわかりませんけれども、やはり災害があったところでガソリンの供給が難しいのはわかっているわけです。燃料は、民間飛行機で行くものですから持っていかれないということだったようですけれども、何かそこは工夫をするべきだろう。
燃料は向こうで調達すればいい、JICAがやればいいんだというだけでは、やはりちょっとこれは片手落ちで、この辺は私は、既に国際的なそういう緊急援助組織、これを日本が、ODAもたくさんやっているわけですけれども、世界に先駆けてそういうことを、声をかけて組織づくりをする、その中でそういう燃料問題等も世界どこへ行ってもある程度対応できるという形にすべきではないかと思いますけれども、こんな考えは、大臣、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/34
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035・野田毅
○野田(毅)国務大臣 コロンビア地震に際してのいろいろなお話もございましたが、このときには、救助活動に必要な資機材を四十品目余り日本から携行していったわけです。ただ、御指摘の件は、救助用の資機材を動かすためのガソリン、オイルなどの燃料を携行できなかった、こういうことなんですが、これは今御指摘のとおり、民間航空機を使用するための積載制限があって、それがかなわなかった。そこで現地調達ということになったわけですが、JICAに二時間程度で燃料を調達してもらったので、確かに最初着いてすぐということではなかったんですが、二時間後には調達ができたということです。
それから、国際的な連携なんですが、今までも被災国の政府と活動区域、活動方法などについて十分協議、調整を行って、必要があれば現地で他国の救助隊と合同して活動を行ってきているというふうにも聞いておりますので、あらかじめ国際機関的なものを別途つくるというやり方がいいかどうか。どうかなと、検討したいとは思いますけれども、むしろ今までの例では、インドネシアで森林火災が発生しましたときにはオーストラリア隊と協力をし、また今回の派遣ではスペイン隊と連携して活動を現に行っているというようなことであります。
現地において、各国の救助隊が被災国と協議をして、必要に応じてお互いに連携をしていくという方がかえって迅速で有効な救助活動ができるんではないかというのが、今日までの経験に基づくところの判断であるというふうに報告を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/35
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036・松崎公昭
○松崎委員 時間ですから終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/36
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037・山本公一
○山本(公)委員長代理 次に、桝屋敬悟君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/37
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038・桝屋敬悟
○桝屋委員 公明党・改革クラブの桝屋敬悟でございます。
地行は、どうも夜の癖がついたような気がしてならぬわけでありますが、我々も少しわがままを言いましたので、しっかりと審議をしたいと思っております。
さて、先ほど松崎委員は成田財特法の関係を相当時間をかけて議論されましたので、私は、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案、こちらの内容から入りたいと思います。
最初に、この消防施設強化促進法の一部を改正する法律案、概要を勉強させていただき、あるいはまた今までの経緯というものを考えますと、我が党としても特に反対をするということはないのでありますけれども、今までの経過、経緯を見ますと、当然、人口急増市町村においてかさ上げ補助等の特別の措置を行う、こういうものでございますけれども、かさ上げの実際の市町村数が、資料をいただきましたら十年度で四十八とか、十一年度の補助金額でもかさ上げ額が一億二千万、大体こういうもので果たして特別の法律が要るのかな。
私、福祉の仕事が長かったものですから、大体こんなものは政府の中でどうにでもなるんじゃないか。ありていに言うと、やはり法律がなければ根拠法がないわけでありますから、予算で対応できないこともないけれども財政当局とやり合うときには、やはり法律があった方がやりやすいというこの理屈はわからぬことはないのでありますけれども、そろそろ整理されてもいいのではないかというふうに思いもするわけであります。
しかし、今までの経緯もありますから、あえてここでやめろなんということは今は申し上げませんけれども、そんな素朴な疑問を感じつつ、本日は、自治体消防全体について、議論を何点かについてさせていただきたい、こういうふうに思います。
私も自治体消防については余り土地カンがないわけでありまして、本日を迎えるに当たりまして、現場でもいろいろな関係者の声も聞いてまいりました。確かに、先ほど話が出ましたけれども、阪神・淡路大震災以降、市町村の消防防災体制というのは格段に拡充をされてきた。こういう言い方は避けた方がいいかもしれませんけれども、ああいう大きな、国を挙げての災害があったわけでありまして、その効果というのはある意味では大きいかな、しかし、時とともにまた災害というのは忘れられるわけでありまして、やはり不断の努力は必要なんだということを、現場を回りまして改めて感じさせていただきました。
さてそこで、地元の消防本部の状況を見ますと、相当な格差が見られるという実感を感じました。確かに、全国三千三百の市町村の中で現在消防本部数が九百十七ですか、したがって、相当広域化が図られているということは理解できるのでありますが、しかし、実態を見ますと、私の地元でも、消防本部の中には十九人ぐらいの職員、消防吏員、十九人というところもありまして、当然ながら過疎地域でありまして、先ほど消防団員の高齢化の話がありましたが、消防職員の高齢化も実は大きな懸案になっているようでございます。
そういう意味では、組織面での消防の対応力強化ということが大事でありまして、やはり広域な再編ということが必要なんだなというふうに思っております。今、私の地元の十九という話を申し上げましたけれども、できることなら広域でやってやれなくもないな、実はそこにさまざまな問題があって簡単にできないわけでありますけれども、この点については、消防庁におかれても、消防の対応力強化方策検討委員会の報告書を受けてさまざまな取り組みをされておられるようですが、消防の広域化について、簡単で結構ですが、御報告をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/38
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039・谷合靖夫
○谷合政府委員 消防の広域再編ということについての必要性の認識は、先生が御指摘になったとおりでございます。
平成五年度にそうした委員会を立ち上げて、いろいろな対応策を検討していただいたわけでございますが、簡単に申し上げますと、具体的な広域再編に向けてのいわば手法とか考え方が整理をされておりまして、都道府県では基本的な計画をつくる、そしてそれを誘導するための財政支援措置を講ずる、こういうような一つの提言を受けまして、平成六年度、七年度にはモデル広域圏をつくって、二十三件指定をしております。
それを、いわばある意味ではモデル的に、優先的に広域化をするということでいろいろな施策を進めてきた、そういう過程の中で、現実には、十年の四月一日現在では九百二十という消防本部の数になっております。ただ、昨年の十月に四つの消防本部が一つの消防本部になりましたので、今先生の御指摘の九百十七というのは、現時点ではそのような形に進捗をしてきております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/39
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040・桝屋敬悟
○桝屋委員 一点、確認でありますが、今の平成六年、七年ですか、モデルでやられた、これが二十三団体。これは、いわゆる二十三地域を重点的にやってみようということでお取り組みになったと思うんですけれども、その成果というのは今の九百十七の中にあらわれているというふうに理解をしてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/40
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041・谷合靖夫
○谷合政府委員 それは、その中に取り込まれております。
現実的には、モデルとして設定をした二十三地域のうち、十六圏がそういう組合化になっております。昨年の十月の埼玉の四市でございますが、これもモデル圏に入っていた一つでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/41
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042・桝屋敬悟
○桝屋委員 消防の広域化というのは着実に進められているというふうに報告があったと思うんですね。私もその方向は理解をしておりますし、結構なことだなというふうに思います。ただ、さっき申し上げましたように、地域的に見ると非常にまだ小規模の消防本部もあるということでありまして、その辺を今言われたモデルを指定してということでおやりになったようであります。そこは理解をするのであります。これは各県で広域計画をつくって取り組もうということだろうと思うのです。
私どもの地元の状況を見ますと、もちろん計画もできておりますし、取り組みをしようという気持ちもありますし、流れはそうなんでありますが、実は大臣、消防の一部事務組合、消防の組合の広域化ということになるわけでありまして、やはり市町村の合併という問題も背景に横たわっているところがあるように感じました、明確にはなかなか皆さんおっしゃらないけれども。私は、何としてもやれということではなくて、あくまで市町村の自主性ということはもちろん大事だと思いますけれども、いかんせん小規模なところを見ると、何とかできないのかな、こう思うわけであります。
そういう意味では、これから進められていく、補助金なんかも用意されてお取り組みをされておられるようでありますけれども、やはり大臣、これは消防だけではなくて、母体の市町村の広域化、市町村行政の広域化、さらには合併へ向けての流れというものが必要だな、こういうことも感じます。これは消防だけではやはり結論が出ない部分もあるわけでありまして、ぜひこれはあわせてお取り組みをいただきたいな、こう思うわけでありますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/42
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043・野田毅
○野田(毅)国務大臣 御指摘のとおりでございまして、既に事消防という分野においてはかなり早くから広域行政、消防組合という形で広域的な取り組みがなされてきているわけですが、昨今の状況は、消防のみならず、やはりより幅広い分野においてそういう広域的な取り組みをしていかなければ、それだけのニーズといいますか、質の高いサービスを供給できないというような状況に立ち至っているというふうに認識をいたしておりまして、かねてから申し上げておりますとおり、市町村の合併を推進をしていくということで、それに対する体制を強化していく、サービスの内容を充実強化していくための体制をさらに強化していくということで努力をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/43
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044・桝屋敬悟
○桝屋委員 何度も申しますけれども、それこそ今の九百幾つという数は、私ども、段階的にこれから、市町村の数が幾つぐらいがいいのかということになると、大体千という数字もあるわけでありまして、ある意味では消防を見習ってやらなきゃいかぬところもあるわけであります。ただ、実際に個別に見ていくと、まだまだ現場には問題があるということをきょうは指摘をさせていただいた次第であります。
さて、もう一点は、市町村の自治体の消防の基盤の整備でありますけれども、昭和三十六年に消防力の基準というもの、これは消防庁の告示のようでございますけれども、これに則して進められておる。五十年には大きな改正があったということも伺わせていただきました。しかし、五十年以降、相当時代は変わっておりますし、地域の問題も変わっております。
今回の法律は市町村の人口の急増地域ということでありますけれども、今私の頭にあるのは、むしろ人口が急激に減っている地域、過疎の地域あたりが私はさらに気になるわけであります。そうした地域の変化あるいは都市環境の変化とかいろいろな状況に合わせて、私は、消防力の基準の見直しということは不断に必要なんだろう。やはりそろそろ時期ではないかな。その検討をされているということも伺っておりまして、この消防力の基準の見直しについて、具体的な日程、今後どういうふうに進められていくのか、その辺を御教示いただきたいと思います。
〔山本(公)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/44
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045・谷合靖夫
○谷合政府委員 消防力の基準は、御指摘のとおり昭和三十六年に制定をされておりまして、これは、制定当時、やはり全国で大規模な火災が続発をしていた、こういう時代要請を受けてつくられたというふうに承知をいたしております。
この消防力の基準は、そういうことで、今日の消防力の水準と当時を比べますと、格段に消防力の水準は向上していますので、その基準というものが大きな役割を果たしてきたというふうには認識をいたしております。ただ、御指摘がございましたように、もう四十年近くたっておりますし、五十年の改正は、実は救急業務が基準上に位置づけられておりませんので、そういう救急業務を位置づけることを主たる形で改正をしたわけでございますが、それからも二十年を超えているという状況でございます。
それで、今言われましたように、やはり消防を取り巻く環境というものが随分変わってきておりますから、現状から見ると、どうしてもその基準がそごを来しているということが目につくわけでございます。具体的に申し上げますと、現在の基準は、市街地が普通木造住宅平家建てということで構成をされておるというようなことを前提にしているとか、それから救急の方も、平成九年の統計では全国で大体三百五十万件ぐらいの出動があるんですが、五十年の改正当時では約百五十万件、こういうことを前提につくられているわけですね。
このような都市構造の変化とか増加する救急需要等が基準に十分反映をされていないということで、やはり私どもも見直しが必要だということで、昨年の十月の十九日に消防審議会に見直しを諮問をいたしておるわけでございます。
消防審議会の方では、それ以降、「消防力の基準」に関する小委員会というものをつくられまして、そこで鋭意いろいろな御議論をいただいておるんですが、その中間報告がことしの二月十八日に出されました。その報告によりますと、やはり消防力の基準というのは、現在の消防を取り巻く環境を十分に反映するとともに、地域における消防力の標準的なあるべき姿を、実態に即してできる限り客観的、合理的に示すことができるように見直しをすべきだ、こういう指摘もなされております。
現在、まだ小委員会で具体的な改正の方向性について検討が行われているところでありまして、実は十八日にそうした審議会を開くということになっておりますが、少なくとも今年度いっぱいには審議会で何らかの結論をまとめていただければ、こういうふうに思っておりますし、私どもとしては、そうした答申をいただければ、それに沿って具体的な基準改正、先ほど言われましたように告示形式をとっておりますが、そうしたものの作業に着手をしたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/45
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046・桝屋敬悟
○桝屋委員 間違っているかもしれませんが、消防は自治体の事務でありますから、この基準が恐らく交付税あたりの算定ベースにも当然影響を与えてくるだろうというふうに思います。
それから、今報告がありました報告書の中でも、本当に自治体消防というのは随分地域差があるんだろう、これから、その地域の実情というものを十分反映した基盤整備ができるような、そういう基準でなきゃいかぬ、言うのはたやすいですけれども、なかなかこれは悩ましい話だろうと私は思います。そこは、我々もぜひ注視をしていきたい、こんなふうに思っているところであります。
さて、もう一点きょうは議論をしたいのでありますが、災害弱者対策の話であります。消防の現場の話を聞きましても、火災でお亡くなりになる方の半数以上はやはり高齢者だという実態があるわけでありまして、私は、毎年出初め式に出るたびに、この実態は何とかならぬのか、こういつも思うわけであります。当然高齢者だからいつかお亡くなりになるのだからというようなことだけでは済まない、やはり災害弱者対策は不断に努力をしなければならぬだろう、こういうふうに思います。
そこで、きょうは、これは福祉サイドと連携して、あるいは警察サイドとも絡んでくるかもしれませんが、緊急通報システムというものがあります。虚弱なお年寄りの方とかひとり暮らしのお年寄りの方、常時やはりだれかが見守ってあげなければならない方に、場合によってはボタン式のペンダントをかけまして、それで、何かあるときに、倒れたときにぴっとこのボタンを押しますと電話回線を使ってその急を知らせる、そして、場合によっては、それは消防本部あたりにセンターをお持ちいただいて、そこでキャッチしていただける、こういう仕組みが最近は全市町村で整備が進んでいるように私は理解をしておるのであります。
災害弱者対策としてのこの緊急通報システムの整備というものは、関係機関との連携が極めて大事でありますけれども、有効な手だてだろうというふうに思っております。関係機関との連携はもちろん、福祉、それから警察の連携が必要なのでありますが、消防庁としてはどのようにこのシステムをお考えになって、どういうお取り組みをされてこられたのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/46
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047・谷合靖夫
○谷合政府委員 消防庁といたしましては、先ほど御指摘がありました緊急通報システム、これについては、平成元年度から災害弱者緊急通報システムモデル事業というもの、これを防災町づくりの一貫として取り上げて、所要の財政措置を行って整備の促進を図ってきておるところでございます。
それで、具体的なシステムとしては、簡単に申し上げれば、大体先生も触れられましたが、ペンダントを一定のお年寄りの方につけていただいて、緊急の場合はそのボタンを押していただく、消防庁のこの事業は、それがまず消防本部に一一九番通報と同じようにすぐ入る。そして、消防本部の方では、あらかじめこうしたペンダントを持っていただく方々のかかりつけのお医者さんとか、あるいはその担当の民生委員の方とか、あるいはそういう地域の協力員の方とか、そうしたものを自発的に申告をしていただいて、それをデータとして持っております。
そして、通報があったら直ちに本人に電話連絡をして、もしも電話に出ないと、協力員の方に行っていただくとか、あるいは場合によったら、すぐ救急車なり消防車なりを派遣する、こういうふうないろいろな措置対応を、事態に応じて対応できるような形になっております。平成七年度からは、ペンダントに連動しまして、いわば自動火災警報機といいますか、そうしたものもあわせてセットできるような、そういった事業にも一応、拡張しております。
そういうことで、より火災が起こりそうなときの自動通報というのは、ボタンを押さなくてもすぐ消防本部に連絡ができるように、こんなシステムで現在進めておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/47
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048・桝屋敬悟
○桝屋委員 ありがとうございます。
今消防庁のお考えを伺ったわけでありますが、今の御説明のように動いていれば私も安心なのです。ところが、私の記憶では、なかなか簡単にいかぬというのがあるのじゃないかという気がします。
それはどういうことかというと、全国三千三百の市町村、あるいは九百十七の消防本部、それぞれ地域でどういうふうに行われているのかというのが実は気になるところでありまして、実はいろいろデータも聞いたのですが、厚生省もやっているし、消防庁さんもおやりになっているから、実態はなかなかわからぬのでありますが、これは基本的には、現場が、市町村がおやりになることでそれはいいと思うのですけれども、その大体の傾向はどうなのかということをぜひ私は知りたいと思います。
それは何かといいますと、通報システムで、今長官おっしゃったように、急を知らせる、その情報が一義的に消防本部でキャッチングしていただければ、これは大丈夫であります。安心できますね。ところが、自治体でいろいろやられている現場を見ますと、最初に消防ではなくて近隣の協力者あるいは福祉の施設で請け負う、福祉の施設も二十四時間なんだから受けようじゃないか、こういうこともあって、私は、この制度発足時に随分現場で悩んだことがあるのでありますけれども、福祉サイドでやろうとしても、確かに、最近は厚生省は介護保険の議論の中で二十四時間サービスというようなことを言いますから、あれは多分に厚生省はリップサービスもありまして、二十四時間というのはなかなか二十四時間にならぬのであります。
私は、生命財産を守るという観点では、一番安心できる二十四時間はやはり消防だろうと。警察もいいかもしれません。福祉は確かに二十四時間体制ではあるのでありますけれども、そこは、何といいますか、ほかの仕事をしながらというケースもありますし、なかなか待っているわけにはいかぬ、単に待つだけで人の手当てをするわけにもいきませんから。端的に言いますと、そういう第一義的に受けるところ、キャッチングするところを消防本部のセンターがおやりになる、機材もそろえる、それで受けていただいて、必要であれば福祉等の協力者と連携をする、こういうことであれば安心ができるのであります。
やはり消防の方も、それはそれで受けるとなると大変でありまして、恐らく今から御説明があるでしょうけれども、半分は誤報があるのですね。誤報とか、寂しいからついこのペンダントを持ったら押してみたくなる。あるいは、押してみて、電話で何事ですかと言ったら、いや、実は私は余り嫁と仲がよくないとか、いろいろな悩み事やそんなことを聞かなきゃならぬようなこともあるようでありまして、本当に必要なときだけということは、消防サイドからそれはそれで理解できる。
したがって、なかなかこれは現場ではうまくいっていないと思うのでありますが、相当うまくいくようになったようでありますが、どうなんでしょうか、実際、さっき御説明があった、一義的に消防で受ける、こういうことがどのぐらい行われているか、雰囲気でも結構ですから、お示しをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/48
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049・谷合靖夫
○谷合政府委員 こうした緊急システムにつきましては、実は消防庁のこうしたモデル事業以外にも、かねてから厚生省の補助事業で行われているとか、あるいは市町村が本当に単独で実施しているというようなケースもいろいろあるようでございます。私どものこうした緊急通報システムを採択している市町村では、その通報者も第一通報先というのは消防機関にしなさいということでお願いしておるものですから、こうした事業を既に行っているところの数だけ申し上げますと、二十二の道府県の六十二本部がこういうシステムで動いておるわけでございます。
それで、実は厚生省の補助事業の中身を私ども十分把握をしておりませんけれども、実際には市町村レベルでは、第一通報先を福祉関係部門にするのかあるいは消防関係の方にするのかということについてはいろいろ協議をしておるようでございまして、補助事業の中でも、そうした形で消防本部が第一報を受けるというような市町村もあるようでございます。
それから、誤報の話がございましたけれども、確かにその問題は消防本部でもいろいろ悩んでおるようでございますが、最近では、例えばペンダントに二つのボタンを設けて、そしていわゆる相談ボタンと緊急ボタン、そういうふうにして、まあ、そこを適切に判断をし得るような余裕があればいいわけでございますが、そういう相談ボタンを押せば福祉機関の方にホットラインになっている、このような工夫も凝らしているようでございますので、いろいろな福祉関係との協調、連絡をとりながら、よりこうした緊急システムというものがさらに普及をするように私ども期待をしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/49
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050・桝屋敬悟
○桝屋委員 ありがとうございます。
今の長官の御説明の中で、おおむね理解できるのですが、ちょっと気になる御発言をされたのですけれども、その厚生省サイドの事業についてはよくわからぬ、こうおっしゃった。それはそうだと思いますが、私はこの事業、システムは、すぐれてやはり福祉サイドと、消防の今の六十二のモデル事業ですか、これだってしょせんは基礎データを集めるのは福祉の関係者とよく連携しなきゃ絶対できない作業だろうと思うんですね、したがって連携するようにとなっていると思います。
そう考えますと、やはり向こうがやっていることもちょっと気にしていただいて、お互いに何をやっているかというのをよくわかった上で、災害弱者対策ですから、少なくとも私がきょう聞きたいのは、モデル事業でそういう哲学をお持ちだというのは当たり前であって結構であります。そこは了解をしました。モデル事業以外のところはどうなのか。実は問題になっているのはその辺なんですよ。
それは、消防庁さんがモデルにしてお取り組みになったのは、当然基本的な哲学というのはきちっとあるでしょう。しかし、それ以外の地域では、こういう事業を組み立てる場合にどうするかというのが多分に問題になるわけでありまして、そのときに消防庁としては、できることなら、生命財産を守るのは我々の第一義の役割だから、一番我々が向いているんだから、こういう環境が整えばこっちで受けましょうねというような哲学をお持ちいただきたい。それをまた市町村にお示しをしていただいてもいいのじゃないか。
そのために、実際現場がどうなっておるのかということを一度やはり研究もしてみていただきたい。そろそろそういうときではないのか。災害弱者対策というのはそういうことではないのかというふうに思うわけでありますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/50
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051・谷合靖夫
○谷合政府委員 確かに、消防庁のモデル事業であっても、これを円滑に運営をするためにはそういう福祉医療関係機関と綿密な連携をしていかなければうまくいかないわけでございますから、そうした意味で、今後とも消防機関とそういう福祉医療機関との連携というものが円滑に行われるように私どもも十分注意をしなきゃいかぬと思いますし、また、そうした類似のいろいろな市町村の補助事業であれ、単独事業であれ、そういった実態についても私どももう少し状況を把握しながら、最終目的としてはやはり弱者対策に資する、そういう制度になるような形であればいいわけでございますから、十分関心を持ちながら、今後、より実態を把握してみたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/51
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052・桝屋敬悟
○桝屋委員 ありがとうございます。ぜひお願いします。六十二というのは決して多い数ではないということを申し上げておきたいと思います。
再度のお願いになりますけれども、私はやはり実態をよく調べていただいて、このシステムについては相当研究会等で、あるいは地域のいろいろな関係者の方で研究をされているということは十分私も理解しております。しかし、それをそろそろまとめて、次の段階を検討するときに来ているのではないか、こんなことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/52
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053・坂井隆憲
○坂井委員長 次に、春名直章君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/53
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054・春名直章
○春名委員 日本共産党の春名直章です。
消防庁長官に中心的にお伺いしたいと思いますので、消防職員委員会について伺っていきたいと思います。
九六年の七月五日の消防庁次長の通知で、「消防職員間の意思疎通を図るとともに、消防事務の運営に職員の意見を反映しやすくなることにより、職員の士気を高め、もって消防事務の円滑な運営に資する」、こういう目的で、団結権の代償という位置づけで設置をされております。それから、九五年の十月十九日、当委員会の我が党の穀田議員への当時の秋本消防庁長官の答弁の中では、制度の趣旨にのっとって適切に運用されることによりまして、職員の方からは自由に意見が出されるというようになることを私どもも期待している、こういうふうにもお述べになっております。
そこで、実施後二年半たちました。幾つか運用の実際の姿を現場の職員の方々等々から私も調査をし、聞いてまいりました。今申した目的とか、ねらいに照らしても、改善すべき点が私は浮き彫りになっているように思います。そういう角度から具体的な改善提案を含めて質問をさせていただきたいと思います。
まず第一に、職員の意見の委員会への反映についてなんですが、法律では、1消防職員の給与、勤務時間その他の勤務条件及び厚生福利に関すること、2消防職員の職務遂行上必要な被服及び装備品に関すること、3消防の用に供する設備、機械器具その他の施設に関すること、これらが委員会の審議の対象とされることになっていますが、これは確認でございます、間違いございませんね、長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/54
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055・谷合靖夫
○谷合政府委員 法律にそのように書いてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/55
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056・春名直章
○春名委員 そこで、実際の運用についてなんですが、この三つの審議の対象となっている項目でも、取り上げられないままにやられている事態、こういう事態があるのじゃないかと思うんですね。この点をどのように把握されていらっしゃるでしょうか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/56
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057・谷合靖夫
○谷合政府委員 現在もう既に全消防本部でそうした委員会が設置をされ、委員会が運営をされておるわけでございますが、平成十年度末までに、各消防職員委員会におきましては、総計約一万五千件、先ほど先生から指摘がありました三項目について、そうした勤務条件等に関する意見が出され、審議が行われたという経緯をたどっております。それで、その審議結果につきましては、集計的には実施することが適当であるとされたものが約四割を超えているというふうに承知をしております。
それで、これらに対する消防長の処置結果でございますが、中身は、正直に言って、いろいろな検討に時間を要する事項もございますので、私ども全体的な把握をしていないのが現状でございますけれども、消防長としては、やはり職員委員会の意見の趣旨を尊重して処置をするように努めるようにするというふうにされておりますので、消防長の権限と責任において実施できるものについてはそれなりの対応をしていただいていると思いますし、また、やはり予算措置を伴うというようなものについては消防長限りでは実施をできないわけでございますので、こうしたものについては、予算措置あるいは関係部局への働きかけというようなことについて、消防長の責任においていろいろな努力をさせていただいているのではないかというふうに思っております。
ただ、いずれにせよ、こういうような消防長の対応につきましては、私ども全国消防長会主宰の研修会でありますとか、あるいは消防大学校におけるトップセミナーというようなものについて消防長の御出席をいただけるような機会では、いわゆる消防職員委員会の趣旨がこういうことでございますから、今申し上げましたようなその後のフォローというものをきちんとやっていただきたい旨は常に申し上げているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/57
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058・春名直章
○春名委員 一万五千件取り上げられたということは事前に私もお聞きをしましたが、最初に質問したのは、その一万五千件取り上げられる以前に、三つの項目にかかわる質問でも実際に取り上げられずに門前払いされているというような事態があるのじゃないですか、そういうことは把握されておられませんかとお聞きをしているんですが、その点は長官はお聞きになっていませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/58
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059・谷合靖夫
○谷合政府委員 私どもが承知をしている件数というのはやはりその取り上げられた件数でございますので、それ以前がどのような形なのかは正直言って承知をしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/59
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060・春名直章
○春名委員 わかりました。
ある職場の方の話では、二番、三番については比較的取り上げられるんだそうです。しかし、1の給与とか勤務時間などの団結権の代償としては最も大切な労働条件の問題が、しばしば取り上げられないで事務局レベルで門前払いになって、委員会審議に付託されなかった、こういう事例があります。それから、ある職場では、こういう勤務は危険だから新しい手当を創設してほしいという意見を出されたそうですが、討議になじまないと、これも却下されたそうです。それから別の職場では、平成八年度には取り上げられた一にかかわる意見で、平成九年度には同じ意見だったけれども取り上げられなかった、こういう例。その中身は、救急隊員の若返りを計画的に進める、多発する緊急出動に対して救急隊を増隊してほしいということが平成八年には取り上げられたが、九年には取り上げられていない、そういう事例もあるんですね。
だから、今承知していないというふうにおっしゃられましたので、大切な意見を委員会にかける前に門前払いするような運営がもしやられていたとすれば、職員委員会の存在意義が問われることになりかねません。ですから、こういう事態があることをもし御存じないのであれば、即調査もしていただいて、是正をしていただくということを約束していただけたらいいのじゃないかと思うんですが、長官、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/60
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061・谷合靖夫
○谷合政府委員 消防職員委員会の運営につきましては、消防組織法の十四条の五の四項に基づいて、私ども消防職員委員会の組織及び運営の基準というものを示しておるわけでございます。そこでは、やはり委員会自体が適切に目的を達しますように、会議を開く前の二週間前までには、そういう会議の日時、場所とか審議時間、それから、いろいろ御指摘がなされておりますけれども、審議の対象となる職員から提出された意見の概要というものをあらかじめ委員に通知をするということも示しているわけでございます。
したがいまして、こうした基準に基づきまして、適切な委員会の運営が今後とも行われるというようなことを私どもとしては期待をしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/61
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062・春名直章
○春名委員 期待をされることは非常に大事だと思うのですけれども、実際、さっきの、二週間前に項目を委員にお知らせするというのは確かにありますね。その問題で見ても、ある職場ではその意見が委員に審議されるその場に初めて提出されて、説明資料も何もないので答えようがない、いいのか悪いのか答えようがない、そういう経験をされているという委員の方もいらっしゃいましたよ。
だから、通知でそういうふうに、二週間前に日時、場所それから中身の概要は伝えるということになっているけれども、運用でそのようにされていなくて、非常に形骸化しているということも私は聞いています。長官、そんなことを聞いていませんか。そういうことがあれば正していただきたいと私は思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/62
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063・谷合靖夫
○谷合政府委員 具体的な中身について全部把握しているわけではございませんが、私ども大都市、政令市を中心に聞いた限りにおきましては、大部分、大部分といいますか、ほとんどが大体この基準に沿った形での事前の通告をしておる、こういうふうに承知をしておりますし、ある市におきましては、むしろ事前研究会、勉強会といいますか、そうしたこともやっておるというところもあるというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/63
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064・春名直章
○春名委員 その政令市のお話を聞かれたということですので、もう少し掘り下げていろいろ聞いてみたいのですが、消防庁は、ILOへの年次報告の中で、川崎市と名古屋市の例をお挙げになって、消防職員委員会が三日間にわたって審議をしているということを報告なさっていらっしゃいます。数ある委員会の中で、この二つを挙げて報告をILOにされているわけですが、これはどういう意図といいますか、二つを挙げているのはどういう趣旨からかということをお示しいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/64
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065・谷合靖夫
○谷合政府委員 実は、これはILOに対して年次報告をいたすことになるわけでございますが、消防職員委員会の問題については、そうした形でILOも関心を持っておられるわけでございますから、審議状況について、私ども把握をしておる中で、いわば非常に熱心にお取り組みになった事例ということで承知しておるのが、その一番典型的なのが二例だったものですから、それを御報告した、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/65
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066・春名直章
○春名委員 わかりました。
こういう例を、三日間議論されたことについてILOに御報告されているということでいいますと、やはりその他の委員会でも、長官、こういう熱心な審議がされることを私たちも希望していますし、皆さんも希望されていることだと思うのですね。それはそうだと思うのです。ところが、私がお聞きすると、三日間かけて行っているのはこの二つだけなんですね、九百二十消防委員会あるのですけれども。その一方で、多くの職員委員会では、年一回の貴重な議論の場も、審議時間が非常に短くて、形式的なものになっているところが非常に多いというふうに私は思っております。
例えば、ある消防本部のお話を聞きますと、三十件の意見が二時間で処理をされた、一件の審議時間は平均四分だというのですね。別の職場では、二十項目を二時間で終えて、委員長がこの意見について意見がある人と聞いて、次々と多数決で例の四つの分類に分けていく、一項目六分であります。一丁上がりというような感じで議論が次々と多数決で決められていく、こういう事態もその一方であるのですね。
三日間審議して非常に熱心だと二つのことを御報告されているのは結構なことだと思うのですが、しかし、多くの委員会は、その一方で、こういう一丁上がり形式の議論で形骸化しているという面も、両面をちゃんと見ないと、不十分な認識になるのではないかと私は思っているのです。
ILOに熱心な例として御報告されているのですから、こうした事例をもっと積極的に全国に普及するような努力だとか、全国の委員会が川崎や名古屋のようになるように消防庁自身がもっと積極的な役割を果たしていただくだとか、そういう努力を現状の認識の上に立ってぜひやるべきだと思います。その点についての長官の認識をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/66
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067・谷合靖夫
○谷合政府委員 審議項目の多寡、多い少ないとか、そうした中身については、各消防、規模の大小もございますし、各消防本部でいろいろ異なる事情があろうかと思いますが、基本的には、こうしたせっかくつくられた職員委員会でございますので、その趣旨に沿った形の運営がなされるということは、私どもも一番期待しておるところでございます。
先ほども申し上げましたように、こうした種々の問題については、やはり全国消防長会のいわゆる消防長研修会でありますとか消防大学校におけるトップセミナー等においても、消防長に直接そういう説明もいたしておりますので、今後とも、そうした消防職員委員会の設置趣旨、そして運営の円滑なあり方というようなものについては、いろいろな機会にお話をさせていただきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/67
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068・春名直章
○春名委員 そういうふうに徹底をされるということには賛成でありますけれども、二年半たっていますので、二年半たって実際そういう効果が出ているのかどうかについてきちっとした御認識を持たれて、改善すべき点については積極的なイニシアチブが要ると思うのですよ。
そういうことを私は問題提起をしていまして、現場から聞いたお話を一つ一つ御報告していますので、そのことを聞いた上で、再度議論していきたいと思うのです。
例えば、職員委員会の会議は傍聴ができませんね。それから、議事録を職場に知らせることができませんね。そういうことはしないというふうになっているのですね。委員会で話されたことを外でしゃべってはならない、こういうふうにもなっていますね。括弧つき非公開といいますか、そういう事態にもあるわけです。私は、こういうふうなしゃくし定規な運営をしますと、充実した審議に逆行してしまう可能性もあるというふうに思うのですよ。
だから、ぜひ積極的に議事録を、職場にはどんな議論をされているのかをお知らせするということぐらいはやりましょう、それから、傍聴ももちろんしてもらって、意見を出した人が例えばその委員会に来て意見を、どうしてそういう意見が出たのかを述べるとか、そういうふうな議論をすると一層審議が充実しますので。そういうことは実際はやられておりません。そういう点について、長官、改善する意思はないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/68
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069・谷合靖夫
○谷合政府委員 先ほど先生次長通知というのをお引きになりましたけれども、そのいわゆる八年の七月五日付の消防庁次長の通知では、「消防長は、委員会の消防長に対する意見及び消防長の処置の結果の要旨を職員に周知するものであること。」という内容は伝えておるわけでございます。
ただ、この職員委員会そのものが、先生も何遍も言われていますように、こうした職員の意思疎通を図る、そして、職員の意見をできる限り消防事務に反映するということで設けられたものでございまして、そのことを通じて、士気を高めるとか、あるいは消防事務を円滑に進める、こういう目的でつくられた委員会でございます。
そうした委員会設置の趣旨は、あるいはスタートしてまだ間がないといいますか、まだスタートして相当年月が過ぎておるわけではございませんので、今後の運営状況とかそうしたものをやはり見きわめながら、これはやはり各消防本部の御意見等も伺わないといかぬわけでございますので、こうしたいわば内容の周知をどう図るかというようなことについては、これから考えなければいけない課題ではあろうか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/69
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070・春名直章
○春名委員 いろいろえぐい話をして申しわけないんだけれども、中には会議中にメモをとっていた委員が終了後それを取り上げられてしまったという事態まであるんですよ。行き過ぎですよね。今事態を、何といいますか、できたばかりなので今後の運営を見きわめていくというふうにおっしゃいました。その点で、その趣旨に沿って、その目的を達成するためにももっと改善できることがあるし、実態はそうなっていない面がありますよ。そこのところを実際もう少し調べていただきたい。
政令指定都市のお話は時々聞いているということを聞いていますけれども、委員会は九百二十あるんですから、その中には今言ったような例もあるでしょうし、もう少し頑張っておられる例もあるかもしれない。もう少し実態をリアルにつかんでいただいて、二年半たっておりますので、ふさわしく改善すべきところはするということは私は長官の責任としてぜひやっていただきたいと思うんですよ。その点はいかがでしょうか、長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/70
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071・谷合靖夫
○谷合政府委員 そうした職員委員会の運営の実態については、私どもも、先ほど一万五千件がそういうことになっておりますとか、あるいは四割くらいが改善をすることが適当であるとか、そういう全体的なデータはとっておりますけれども、なおそうした機会に、より詳細なデータがとれるように今後努めていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/71
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072・春名直章
○春名委員 詳細にお調べになるということをお約束していただきました。
それで、私が言った事例は例外的なことじゃないというふうに私思っているんです。全国消防職員ネットワークの会というのがございます。ここが九八年の九月に消防職員の皆さんだけにアンケートを実施したんです。その回収の数は七百六十八名分でございます。「消防職員委員会について」という設問に対して、画期的な制度だというふうに答えたのが百六十四名で二二%です。形式だけの制度じゃないかというふうにお答えになっている職員が五百七十二名で七四%です。それから「意見に対する改善措置の期待度」では、期待しているというのが百三十一名で一七%です。どちらともいえないが三六%、全く期待していないというのが三百五十八名で四六%です、五〇%という一つのアンケートですけれども、八百人分のアンケートですので十五万人の数からいえば少ない数かもしれませんけれども、しかし一つの指標になります。
せっかくつくった制度を形式だけの制度にしないということが私大事だと思います。その目的のとおり役割が果たせるようにしていただきたい。消防庁長官に、今、形式的だというふうなアンケートもお示ししましたので、改めて、形式的にしないということでの一層の決意をお伺いしておきたいと思いますので、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/72
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073・谷合靖夫
○谷合政府委員 消防職員委員会につきましては、制度の趣旨に沿って円滑かつ適正な運営が図れますように今後とも私どもとしても十分配慮してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/73
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074・春名直章
○春名委員 時間が参りました。
短い時間でしたけれども、実態に即して問題点や改善点を私指摘させていただいたつもりですけれども、団結権の問題がこれで解決したとはとても言えない状況だと私は思います。基本的な解決方向は、地方公務員法の五十二条を改正して団結権を保障することだと私は思います。しかし、それを待たなくても、代償的な組織だという位置づけをするのであれば改善すべきことがあるということをきょうは議論したわけでありますので、ぜひとも前向きに御検討いただきたい。また、実態調査もしていただきたいということを要望しまして、質問を終わらせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/74
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075・坂井隆憲
○坂井委員長 次に、知久馬二三子君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/75
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076・知久馬二三子
○知久馬委員 社会民主党・市民連合の知久馬二三子でございます。
消防施設強化促進法に直接に関係はございませんが、私は、非常勤消防団員等の損害補償における休業補償の適用範囲の拡大についてお伺いしたいと思います。
消防庁におかれましては、消防団の活性化対策の一つとして、女性の消防団への加入を呼びかけておられるとただいまも聞きましたけれども、私の周り、地域の中でも女性の消防団員の方が陰の力となって住民の安全のために日夜活躍しておられます。その姿を見て本当に感謝しておるものでございます。
そこでお伺いしますけれども、現在の消防団員数について、常勤、非常勤の内訳、それぞれ男女別の数はどうなっておりますでしょうか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/76
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077・谷合靖夫
○谷合政府委員 現在の消防団員の数でございますが、常勤の消防団、いわゆる常備消防本部というのは既にございませんので非常勤でございますが、昨年の四月一日でございますが、九十六万二千六百二十五人が総数でございます。そのうち女性消防団員は八千四百八十五人となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/77
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078・知久馬二三子
○知久馬委員 そこで、非常勤消防団員の損害補償における休業補償の適用範囲の拡大についてお尋ねするわけなんですけれども、非常勤消防団員が公務によって、あるいは消防作業に協力したことにより負傷等した場合、市町村ごとに制定している消防団員等に対する公務災害補償条例によりその損害を補償しています。
現行の条例の中で休業補償の対象となるのは、非常勤消防団員や消防作業従事者、救急業務協力者等が負傷し、あるいは疾病となったため、勤務その他の業務に従事することができない場合において、給与その他の業務上の収入を得ることができないときと規定されています。このとき、収入を得る方法は、給料や売り上げだけでなく、パートやアルバイトで得た収入でもよいとされています。
言いかえますと、これは日常全く収入がない者、例えば専業主婦が消防作業従事者として負傷などをしたことによって家事ができなくなったとしても、補償されるのは治療費等の療養補償に限られているとなります。収入の減少という明確な損害はないものの、これも立派な損害であると考えられることから、その補償がされるべきではないかと思うのでございます。現実に、交通事故の被害者である主婦、すなわち家事従事者が負傷のため家事に従事できなかった期間の損害を裁判所が認めた事例があると聞いておりますが、どうでしょうか。
先ほどお答えがありましたように、消防団員には約八千五百人の女性がおられます。今後、家事従事者等が損害補償の対象となるケースがふえてくると考えます。私は、非常勤消防団員の休業補償の制度について改めて検討する必要があるのではないかと考えるのでございますが、消防庁長官の御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/78
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079・谷合靖夫
○谷合政府委員 非常勤の消防団員のいわゆる公務災害補償でございますが、正確に申し上げますと、消防組織法の十五条の七というところにおきまして、市町村は、政令で定める基準に従い、先ほどお触れになりましたように、条例で定めるところによりまして、その消防団員またはその者の遺族が公務による死亡、負傷もしくは疾病等によって受ける損害を補償しなければならない、こういうふうに規定がされておりまして、具体的には各市町村の条例でそうした補償が定められておるわけでございますが、七種類のうちの休業補償もその一つとして位置づけられているわけでございます。
そこで、その休業補償につきましては、先ほどの政令の五条の中で規定がありまして、「療養のため勤務その他の業務に従事することができない場合において、給与その他の業務上の収入を得ることができないとき、」ということが要件になっておるわけでございます。したがいまして、実際の収入を得ていない人につきましては休業補償が支給し得ない、こういう状況になっておるわけでございまして、例えば、消防団員が専業主婦ということで実際の収入を得ていないというケースの場合は支給対象外になっているというのが現状でございます。
ただ、これはいわゆる非常勤の消防団員だけではなくて、いわゆる消防作業、いわば一般の方が消防作業に協力をするという場合の消防作業に従事し被災をした、そうした場合についても全く同じような考え方がとられているわけでございます。
そして、こうした消防における取り扱いにつきましては、やはり消防以外の分野における公務の協力者といいますか、そうした者に対する休業補償についても同様の扱いになっているというふうに私ども承知をしておるわけでございますので、先ほど判例を引かれましたけれども、確かにそうした逸失利益というものをどういうふうに反映させるかということについてはいろいろな考え方があるようでございますが、私どもとしては、確かに今後のことを考えれば、女性消防団員というものが増加をしてきておりますし、それは消防団の活性化のためにも非常にありがたいことだというふうに思っておりますけれども、事御指摘のそういう補償の問題につきましては、やはり他の各種の損害補償制度との関連も見ながら、幅広く今後検討すべき課題なのではないだろうかというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/79
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080・知久馬二三子
○知久馬委員 ありがとうございました。
確かに、今おっしゃったようなことだろうとは思いますけれども、これからだんだんと女性の社会進出が進められてくると思います。そうした中で、やはり女性消防団や婦人消防クラブ等の方が本当に年々増加してくると思うわけですが、ただそれを単にボランティアとして扱うということ自体にもやはり問題があるんじゃないかなということを常々思っております。この点につきましても御検討願えたらなと思っておるところでございます。
これはこれまででいいんですけれども、時間がまだあるようですので、先ほども触れられたと思いますが、消防審議会が去る二月の十八日に消防力の基準に関する中間報告をまとめられたということを聞きましたけれども、現行の基準が昭和五十年に改正されて以来二十数年たちました。先ほどもありましたけれども、見直しに当たっての基本的な考え方を、簡単なことでいいですけれども、もし時間がありましたら説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/80
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081・谷合靖夫
○谷合政府委員 現在、消防審議会の中に小委員会を設けて具体的な御検討をしていただいている状況でございますが、基本的な認識としては、三十六年当時につくったいわば仕組みの根本が、市街地が普通木造住宅平家建てで構成をされているということを前提にいろいろな組み立てをしておるとか、それから、いわゆる救急業務というのが、九年でも既に三百五十万件近くになっておるわけですが、ちょうど五十年の改正時が百五十万ということでございましたので、倍以上になっているんですね。
ただ、そうした五十年における救急の件数を前提に組み立てておりますから、そうしたことは幾ら何でもやはり現状にそぐわないのではないか、だから、それをより現状にそぐう形でもう一度見直しをして、それに応じていろいろな細かい基準を決めていくべきではないか、こういう大まかな流れの中で審議が今されているというふうに理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/81
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082・知久馬二三子
○知久馬委員 ありがとうございました。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/82
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083・坂井隆憲
○坂井委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/83
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084・坂井隆憲
○坂井委員長 これより両案について討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
まず、新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/84
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085・坂井隆憲
○坂井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、消防施設強化促進法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/85
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086・坂井隆憲
○坂井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/86
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087・坂井隆憲
○坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/87
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088・坂井隆憲
○坂井委員長 次回は、来る十八日木曜日午後四時五十分理事会、午後五時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後七時四十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X00819990316/88
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