1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十一年六月八日(火曜日)
午後一時開議
出席委員
委員長 坂井 隆憲君
理事 谷 洋一君 理事 平林 鴻三君
理事 宮路 和明君 理事 山本 公一君
理事 古賀 一成君 理事 土肥 隆一君
理事 桝屋 敬悟君 理事 鰐淵 俊之君
奥谷 通君 小島 敏男君
滝 実君 西川 公也君
平沢 勝栄君 藤井 孝男君
藤本 孝雄君 宮腰 光寛君
持永 和見君 保岡 興治君
吉川 貴盛君 桑原 豊君
葉山 峻君 細川 律夫君
松崎 公昭君 白保 台一君
富田 茂之君 西村 章三君
穀田 恵二君 春名 直章君
知久馬二三子君
出席国務大臣
自治大臣 野田 毅君
出席政府委員
警察庁交通局長 玉造 敏夫君
社会保険庁次長 宮島 彰君
自治大臣官房長 嶋津 昭君
自治省行政局長
兼内閣審議官 鈴木 正明君
委員外の出席者
衆議院法制局第
一部長 横田 猛雄君
総務庁恩給局総
務課長 香川 弘明君
国税庁課税部課
税企画官 齋藤 哲哉君
建設大臣官房審
議官 三沢 真君
地方行政委員会
専門員 蓼沼 朗寿君
委員の異動
六月四日
辞任 補欠選任
西村 章三君 小池百合子君
同日
辞任 補欠選任
小池百合子君 西村 章三君
同月八日
辞任 補欠選任
中野 正志君 吉川 貴盛君
水野 賢一君 奥谷 通君
宮島 大典君 宮腰 光寛君
同日
辞任 補欠選任
奥谷 通君 水野 賢一君
宮腰 光寛君 宮島 大典君
吉川 貴盛君 中野 正志君
六月一日
高金利政府債の繰り上げ償還、低金利借りかえに関する陳情書(第二二三号)
は本委員会に参考送付された。
本日の会議に付した案件
住民基本台帳法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百四十二回国会閣法第七九号)
午後一時開議
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/0
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001・坂井隆憲
○坂井委員長 これより会議を開きます。
第百四十二回国会、内閣提出、住民基本台帳法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、本案に対し、宮路和明君外二名から、自由民主党、公明党・改革クラブ及び自由党の三派共同提案による修正案が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。宮路和明君。
―――――――――――――
住民基本台帳法の一部を改正する法律案に対する修正案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/1
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002・宮路和明
○宮路委員 私は、自由民主党、公明党・改革クラブ及び自由党を代表いたしまして、ただいま議題となりました住民基本台帳法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
政府原案におきましては、住民基本台帳ネットワークシステムの情報保護に関し、市町村長、都道府県知事、指定情報処理機関及び国の機関等は、本人確認情報の安全確保措置を講じることとし、定められた目的以外での本人確認情報の利用または提供を禁止するほか、関係職員等に秘密保持義務を課すことといたしております。
また、何人も自己の本人確認情報の開示を請求することができ、苦情処理についても、本人確認情報保護委員会及び都道府県審議会が設置されるほか、民間において住民票コードが利用されることを制限するため、住民票コードの告知要求及び住民票コードの記録されたデータベースの構成をいずれも禁止するなど、民間部門を含めた個人情報保護に関する対応が講じられているところであります。
しかしながら、法案の審議の中で、政府側からは、現時点で可能な限りの個人情報保護措置を講ずるなどの説明が繰り返しなされましたが、なおプライバシー保護に対する漠然とした不安、懸念が残っていることも事実であります。
また、急激な情報化社会、ネットワーク社会の進展の中で、民間部門を含めた個人情報保護に関する法整備を早期に進めていく必要性が高まっているとの御議論が委員会においてあったところであり、諸外国においても、何らかの民間部門を対象とする個人情報保護に関する法整備がなされているところであります。
今後、地方公共団体が主体となって、全国民を対象にしたこのネットワークシステムを円滑に導入していくためには、このようなプライバシー保護に対する不安や懸念を払拭し、国民の十分な理解を得ることが必要であります。
このため、本修正案では、法施行に当たっては、個人情報の保護に万全を期するための施策の充実を図ることが不可欠であるとの認識から、政府原案の附則に新たに一項を追加することといたしております。すなわち、「この法律の施行に当たっては、政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずるものとする。」というものであります。
以上が、本修正案の趣旨及び内容であります。
何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/2
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003・坂井隆憲
○坂井委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/3
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004・坂井隆憲
○坂井委員長 これより原案及び修正案を一括して質疑を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古賀一成君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/4
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005・古賀一成
○古賀(一)委員 民主党の古賀一成でございます。
たびたび住民基本台帳法の質疑に立たせていただいておりますが、きょうは修正案が提案されたということで、これを含めて質問申し上げますが、かねてより申し上げておりましたとおり、この法案については、私なりに分析しますと、八つのカテゴリーの、大変奥深いそして幅の広い問題があるということを指摘してまいりました。まだ私自身は論議は尽くされていない、こう思うわけであります。修正案ということで出ましたが、それは後ほど質問するといたしまして、これまで申し上げておりました積み残しの論議で、たくさんあるわけでありますが、とりわけ重要な点に限りまして質問をさせていただきたいと思います。
きょうは、答弁者席に思いもしなかった方がお座りでございます。しかもきょうは、なぜかしら大変質問者と答弁者の席が遠うございまして、寂しいなという気持ちがしておりますが、これは委員長の御配慮なのか何なのか、できればあの懐かしき下の委員会室でやった方がよかったな、こう思いながら、遠くから、宮路理事、桝屋理事、鰐淵理事に後ほど質問を申し上げたいと思います。
まず、原案に対する積み残しの論議でございます。
きょうはどういう展開になるか私もよくわかりませんので、自治省以外の関係省庁お見えでございます、来ていただいておりますので、まずそちらの方に質問させていただきたいと思います。
御承知のとおり、本住基法の改正案では、十六省庁九十二の事務につきまして、オンラインなのかあるいはフロッピーなのかディスクなのかわかりませんが、しかるべき情報が恐らく大量に流れていく、こういうシステムになっておるわけであります。これにつきましては、私もコンピューターを随分勉強させてもらった中で、これは何度も申し上げましたけれども、一般回線とつなげば漏れる、これがいわばコンピューターの世界の常識と思ってかからなければならないよという話を聞きました。
しかも、これはちょっとしたデータベースではございませんで、一億二千五百万人の本人確認情報、すなわち番号つきの個人情報が大量に管理され、そして提供されるということでございます。かつまた、一億二千五百万人分の文書を持ち歩くというのは大変なことであります、持ち出すことは大変なことでありますけれども、コンピューターの世界というのはいわゆるシステムホールというものがございまして、いろいろな小さい穴がある、その小さい穴から、それにたどり着いたら相当大量なデータがとられるという、本当にアナログの世界ではあり得ない現象があるのがこのサイバーの世界だろうとも思うのですね。そういう意味で、大変私はその点を心配する論議をしてきたわけであります。
そこで、きょうは国税庁、厚生省の社会保険庁、総理府恩給局にお見えをいただいておりますけれども、それぞれにお聞きをいたしたいと思います。
まず、総理府の恩給局にお聞きをしたいんですが、恩給業務につきましては、もう皆さんも御承知のとおり、この法案別表で、十六省庁のうちの一つ、九十二事務の一つとして明確にこの本人確認情報を使う、こういう位置づけになっております。恐らくオンラインで恩給局と財団法人が結ばれるということになると思うのですが、お聞きしたいのは、この財団法人の受け皿となるコンピューターが恐らくできます、それと、当然恩給業務の遂行上そのコンピューターは他のいろいろなコンピューターと接続をされるのではないか、かように思います。
そうした場合、現在の恩給業務の中で、あるいは今度の法改正を頭に置いて、この個人情報が他に漏れないような設定あるいは管理システム等々、どういうふうに講じてあるのか。そしてまた、これまで恩給業務に関連して他からの侵入、つまりハッカーですね、こういう事件がなかったのか。そして、この本人確認情報を使うことによって今抱えている恩給行政の問題のどこが解決するのか、どれだけのメリットを感じておられるのか。こういった点につきまして、ひとつ恩給局の方からの御説明をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/5
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006・香川弘明
○香川説明員 お答え申し上げます。
まず、現在の状況でございますけれども、恩給受給者データベースでございますが、これは、恩給受給者個人に関する裁定、支給等の固有の情報を大型コンピューターによって管理しております。そしてまた、この大型コンピューターは一般回線とはつながっておりませんので、これからハッカー等によって漏れるということはないというふうに考えております。
また、当然のことながら、先生御指摘のとおりいろいろプライバシーの保護といった問題がございますので、今後住民基本台帳ネットワークシステムを利用するに当たりましては、セキュリティーそれからプライバシーの保護につきましては万全を期してまいりたいというふうに考えております。
続きまして、これまで漏えいしたことはないかという御質問でございますけれども、恩給受給者データベースでございますが、これは昭和六十年に完成したものでございますけれども、いまだかつて情報が外部に漏えいしたといったことはございません。これは先ほど申しましたとおり、一般回線とつながっていないということもあろうかと思います。
三点目でございますけれども、どういった点でこれを導入するのかという御質問でございますが、恩給局におきましては、今後具体的にどのような事務に利用するかにつきましては、関係省庁と協議してまいりたいと考えているところでございますが、現在のところ考えておりますのは、毎年、受給者の誕生月に受給権調査というものを行っております。これは先生御案内のとおりかと思います。これは、毎年、誕生月に受給者一人一人に質問状を出しまして本人の生存の確認をするものでございます。本人がそれぞれ役場に出向いていかれまして、そして市町村長の証明を得た上でこちらにその報告をするというやり方でございます。
ところが、この住民基本台帳ネットワークシステムが利用可能となりましたら、わざわざ御本人が役場に出向きまして市町村長の証明を受けて恩給局に出すという手間が省かれるわけでございます。この点が大きなメリットになろうかと思います。
もう一点付言させてもらいますと、受給者あるいはその遺族の中には、失権した場合、死亡でございますが、死亡された場合に遺族が恩給局への届け出を怠るということが間々ございます。その際には、こちらは死亡がわかりませんので、翌年のその受給権調査が終わるまでは生存しているものということで、恩給を支給し続けるということがございます。これは過払いということで後でもちろん返納していただくわけでございますけれども、ただ、それにはそれだけの手続もかかりますし、また、場合によってはなかなかうまくいかないという場合もあり得るわけでございますが、このシステムを利用することによりまして、それを未然に防ぐということも可能かというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/6
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007・古賀一成
○古賀(一)委員 私は、この恩給業務の事務が別表に載っているときに、今の過払い、これは確かにこの住基のシステムに乗せれば国民に対していいメリットだなとは思っておりました。
ただ、後ほど申し上げますけれども、これは三省庁関係しますが、今後このシステムを使った場合の新たな問題で、いわゆる一覧表示。コンピューターがやりますと、名簿なんかは一覧リストで表示するか、あるいは一件表示をするかと、必ずなりますね。問題は、一件一件のデータというのを持っていくのは容易じゃないですけれども、恩給業務の中で、いわゆる住民票コードを列記した一覧表示というものが恐らくいろいろな事務の関係で、今後庁内でいろいろな形でつくられるんじゃないか、あるいはコンピューター上も、あるいはプリンティングされた後も、これを私は大変心配するわけでございます。
何度も指摘したことでありますから、今後これはしっかりと恩給局も関係省庁も、一覧表示というものをやったときに、外部からこういうペーパーをくれというような話が一番怖いわけでありまして、それは本当に留意しなければならぬなと思います、これは時間の関係で多くを追及しませんが。
では二番目に、厚生省の社会保険庁さんにお聞きします。
基礎年金番号、法律に基づかずにこのシステムを構築した、住基法は違います、こういうことがよく言われるわけでありますが、法律をつくらずに基礎年金番号というのがもうスタートしております。一説によりますと、入力をする、あるいは死亡、転入転出をフォローするのが大変だ、今でも追いついていない、こういう話もございまして、今後どうするんだろう。その中にこの住基法のシステムが出てきました。
別表に入っておりませんが、これまでの国会審議の中で自治大臣からも、ほかの事務に今後拡大していくということの示唆もあったように私は思うし、とりわけ政務次官の冒頭の答弁では、それ行けどんどんとは言いませんが、納税者番号等々、この住基法のデータベースを使って拡大していくという方向が示されたのではないかと私は判断しております。
社会保険庁、現在における事務の大変さ、そして新たにこういうシステムができる、それを踏まえて、今後住基法システムに乗っていく御予定があるのかどうかと、現在の社会保険庁の基礎年金番号の管理について、どれだけ今入力され、年間どのぐらいあって、どういう大変さなのか、そこら辺のところを御報告いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/7
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008・宮島彰
○宮島政府委員 お答えいたします。
基礎年金番号は、御案内のように、従来、公的年金制度の加入記録が各制度ごとの年金番号によって別々に管理されてきたというものを、年金事業の運営の適正化、効率化を図るために、すべての公的年金制度によって共通して使用する基礎年金番号という形で平成九年一月から導入したものでございます。約一年かけて付番を順次してまいりまして、十年三月末現在で九千二百六十五万人の付番を終了しているところでございます。
この付番の作業におきましては、当然、一人一番という形を確立していくために、二重の付番がないかどうかいろいろチェックしながら作業を進めるという意味で、先生の御指摘にあったいろいろな大変さもあったわけでございますけれども、その作業も一応完了いたしまして、現在一定の軌道に乗った作業が進んでおるというところでございます。
これによりまして、従来いろいろな制度ごとに届け出なりがあったものが、一つの届け出で各制度共通して使えるということとか、あるいは、届け出忘れといったものがありましても、基礎年金番号でそれを追いかけることが可能になりましたので、そういった未届け出者に対して届け出の監視を行うということも可能になってきたわけでございます。
今御指摘の住基のネットワークとの関係でございますけれども、今申し上げましたように、社会保険庁におきましては、約九千万人の付番を終えて、ようやく今軌道に乗せて業務を進めているところでございますけれども、一方、住基のネットワークの方も、約一億二千万人の方々に住基コードを振るということで、ある意味では両者は非常に膨大な情報量を持っておるということでございます。
したがいまして、こういった膨大な情報量をどのように連動させ、かつ、私どもとしましては、年金業務の効率性なり有効性をいかに発揮していくかというあたりを踏まえ、特にまた費用対効果という点もございますので、そういった点も十分検討しながら対応していきたいというふうに思っておるところでございます。
それから、年金の番号のいわゆる管理の関係でございますけれども、基本的には、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律、いわゆる個人情報保護法によって保有目的以外の利用、提供を規制しているということでございます。それから、当然のことながら、年金関係業務に従事する職員については、公務員法の守秘義務がかかるということでございます。
それから、社会保険庁独自のものといたしましては、データ保護の管理規程を設けまして、いわゆる電算室への入退室の厳格な管理とかデータの保護管理といったものを行っておりますし、いわゆる行政機関以外では、特に厚生年金、健康保険の場合は事業主とのやりとりもございますので、そういった事業主等につきましては、厚生年金保険法の施行規則に、基礎年金番号が記載された年金手帳などの適正な取り扱いというものの規定を入れております。
それから、年金関係個人情報の保護に関するガイドラインというものを策定いたしまして、各都道府県を通じまして市町村等関係方面に周知してプライバシー保護等の徹底を図っておるというところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/8
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009・古賀一成
○古賀(一)委員 今の話でも、興味深いというか、もっと詰めて聞きたいという論点は幾つかありましたけれども、ちょっと時間の関係で、社会保険庁にとりあえず今回は聞いたということで了承いたしたいと思います。
それでは、国税庁でございます。
今までの税調の記録あるいはいろいろ各界の論文等を見ましても、住民基本台帳のネットワークは、あるいはデータベースは、将来納税者番号に発展していく可能性を持っているという指摘があり、また税調の資料からも読み取れると私は思うんです。
現在、大蔵省としては、国税庁、納税者のデータを膨大な量で入れてある。一説によると、政治家の関係は、週刊誌であろうが新聞であろうがいろいろ入力してあるという話も何か巷間聞いたことがありまして、どんなデータベースなんだということを私は非常に関心があるわけであります。現在、納税者番号という論議がちょっとさたやみになった感じがしますけれども、この住基法、このデータベースを将来納税者番号に発展させるんじゃないかと私は思っておるんですが、現在までの国税庁の納税者のデータの入力状況、概略で結構ですから、どういうふうになっておるのかちょっとお示しをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/9
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010・齋藤哲哉
○齋藤説明員 国税庁が持っております納税者情報のデータベースについて御説明を申し上げます。
国税庁におきましては、提出されました申告書などに基づきまして、個人と法人に分けた情報データベースを持っておるわけですけれども、個人につきましては、納税額のある方は、人数的には、平成九年分で八百二十七万人、平成十年分で申し上げますと六百二十二万人、こうした方を中心としまして、課税上必要な情報、住所、氏名、生年月日、申告所得税に係る各種所得の所得金額、申告納税額、消費税に係る課税標準額、消費税額などを電算システムに入力いたしまして管理をしてきているところであります。
また、法人につきましては、申告義務を有する法人、平成九事務年度で約二百九十万社を中心といたしまして、課税上必要な情報、所在地、法人名、設立年月日、資本金額、法人税に係る所得金額、法人税額、消費税に係る課税標準額、消費税額などを同じように電算システムに入力をいたしまして管理をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/10
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011・古賀一成
○古賀(一)委員 個人で、これは一けた少ない八百二十七万人ということでございまして、要するに、サラリーマンは源泉徴収でもうつかまえたも同然と、入れる必要もないという中で、こういう数字になっておるんじゃないかと思います。国税庁、これも議論したらいろいろおもしろいことはあるんですが、恐らく、税調だ、あるいは国税局のマターだということで、幾ら詰めても住基法の関連というのは明らかにされないと思いますので、もう時間の関係で、これはこれでもう結構でございます。
それでは、質問に入りたいと思います。まず、局長にお伺いをいたしたいわけでありますが、積み残った論点で大きいところだけを以下質問したいと思います。大変強い疑念を持つところだけに絞って申し上げますので、はっきりとした御答弁をお願い申し上げます。
まず第一点は、細かい話でありますが、指定情報処理機関がさらに本人確認情報の電子計算処理を外部に委託するということになっておるのが今でも気になるわけでありまして、せんだっての宇治市の二十一万七千六百人のデータ、これは幸いにも住民基本台帳法データではありませんでしたけれども、要するに住民基本台帳法と同じ数のデータというのが漏れた。これも委託関連でございました。恐らくそれは、乳幼児の健診データというものですら相当のお金が動いて外に漏れたんですね。NTTのものも、一件当たり相当の単価で漏れた。
今度の情報というのは、いわゆるデータマッチングができる、全国民に付された十けたの番号が入ったデータでありまして、私は大変魅力的な、いわば人の秘密を寄せ集めるかぎのような番号が付されるのがこのシステムになるわけであります。そうしますと、この扱いというのは大変重要視しなきゃならぬと僕は思います。(発言する者あり)ちょっとちょっと、まだ質問しているんだから。
私は、そういう面で、指定情報処理機関というものも問題だと思うんです。一億二千五百万人のそういった魅力的なデータ、プライバシーの根幹にかかわる基礎情報を何と財団法人が全部集計するというところに、最後まで私は疑問が残っているんです。
ところが、その財団が処理をせずに再委託をするといいますね。これは、要するに指定情報処理機関はとりあえず財団法人でつくりますよ、しかし能力がないから、やはりどこかには丸投げする道を設けておかなければいけないなというふうに、私は国民情報なりデータというものを非常に軽く見た、その本音といいますか、それがこの指定情報処理機関が委託をするという、三十条の十七第二項でありますけれども、こういう規定になったんではないかということを危惧いたします。
委託こそ私は危険だと思うんです。指定情報処理機関に能力がないからなのか、どういう理由でこういう重要な情報を財団がさらに委託するという構成にされたのか質問をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/11
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012・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
指定情報処理機関は、高度な秘密事項でございます住民票コードを含む本人確認情報に係る事務を処理することとなりますので、その組織、職員の体制が事務を行うに当たって十分信頼し得るものを指定するということといたしております。法律上も、第三者機関としての本人確認情報保護委員会の設置、または本人確認情報管理規程の策定、役職員のみなし公務員規定、それから秘密保持義務、本人確認情報の安全確保措置の実施義務ということを規定いたしておりまして、個人情報保護の観点からの問題は、指定情報処理機関についてはないものと考えております。
お尋ねの点でございますが、改正法案におきましては、専門的技術の活用あるいは事務処理の効率性の確保の観点から、指定情報処理機関が、本人確認情報の電算機処理、情報の入力のための準備作業、磁気ディスクの保管などの委託をすることを認めているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/12
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013・古賀一成
○古賀(一)委員 私は委託について申し上げましたけれども、根源的には、やはり冒頭申し上げました、いわゆる財団法人にこれを任せるということ自身は本当におかしいと思うのですね。一億二千五百万人の情報を財団法人が管理をする、それを流す情報の提出先というものは、先ほど言いました、きょうお見えになっている恩給局であるとか、いわゆる大臣を抱える各省庁である。一方は財団法人でありますから大臣の認可を受ける、指導を受けるということで、当然法律上は省庁が上、財団は下なんですね。そこがそういう管理を任される。
行革、それはわかります。でも国民情報の重要性、このデジタル世界の怖さというものから見るならば、もう自治省関係であろうが政府全体であろうが、省庁とは言いません、いろいろな関係機関を一つや二つ統廃合して、それでもなおかつ国民の情報は大切だから、国家行政機関の組織を一部やりくってでも、これは責任ある国の機関で対応するというのが私は正論だと思うのですね。財団法人に一億二千万人の国民情報、しかもそれが委託先にも任せられる。それはもう条文上の管理規程あるいはこういう保護措置、それで済む問題じゃない。
そもそも国民の情報はどれだけ重いか、極端に言うと、国家にとって国民とは何なんだ、財団法人に全部情報を託していいぐらいの存在か、実は大げさに言えばそういう感じすら私は持っておりまして、この点につきましては、私は非常に、技術論ではなくて、そもそも国民と国家とは何ぞや、国民の情報というのはどれだけ重いかというその哲学に対して、何かそんな大げさに考えなくてもいい、単なる情報じゃないですかと言わんばかりの条文に読めるわけであります。
ついでに、もうこれは質問をしませんが、この委託先については、みだりに情報を流しちゃならぬという、たしか「みだりに」という言葉がございまして、罰則がかかる条件もかなり弱くなっております。法文上はそうなっております。これも何か非常にしり抜けだなという感じがいたすところであります。
ちょっと重大な問題が後に控えておりますので急ぎますが、次に指摘したい二点目でございますが、これもせんだって一端を質問させていただきました。
市町村によって入力された情報、しかもこれは、もうるる答弁がありましたように、地方自治体の固有事務に関する住民の基礎情報を市町村が固有事務としてずっと入れてきたものであります。これを今回、全国センターなる財団をつくって、途中にトンネル機関とも思えますけれども都道府県を配置して、今度は使うのは十六省庁九十二事務ということでございます。何か固有事務で営々と地方自治体が、市町村がつくり上げてきたデータベースに、いわゆるピラミッド、全国センター、都道府県の専用線というものでつくられる情報集権型ピラミッドをつくってやるわけなんですが、これは負担の問題、コストの問題、費用の問題というのが私は大いに問題だろうと思うのですね。
これは、当然ながら自治体が自分で入れてきたものを国が使う、財団を通じて各省庁が本人確認のために使わせてもらうという構成だろうと思うのですね。これは一つ一つ条文を読みますと、たくさんの規定がありますけれども、総体として、わかりやすく私は説明をいただきたい。
市町村はこの負担を、どこから財源をいただき、そして本人確認事務の情報をもらう中央省庁からはどうもらい、都道府県にはどう渡っていくのか。今までの質問からいうと、地方交付税等で市町村は措置しているはずだ、それで条文を見ますと、全国センターは要するに都道府県から逆に金を取る、それでその手数料の額というものは、何と受託を受けた、下請をしていることに論理上なっている指定情報処理機関が手数料は決めると書いてあるのです。
そうしてみると、この前、梶原岐阜県知事参考人が、いわば市町村、地方自治体の下請を自治省にしてもらうんだ、本人確認情報については国道みたいなものだから、その分だけは全国統一しなきゃならぬ、その分を国に、つまり自治省に下請してもらうんだ、我々が施主であり自治省は請負人だ、こういうことを言われたのです。それは確かに概念的にはなるほどと私は思いました。
しかし、金の流れを見る限り、市町村はただで入力させられ、そしてそれを介する都道府県は、本当は都道府県、あなたが中央省庁の本人確認の事務にこたえていないといけないのよ、しかししないでしょう、委託都道府県知事はその場合全国センターに金を払いなさい、こうなっているのです。ここのお金の流れの中に、いわば情報の中央集権構造だけではなくて、いわゆる金の面でも、従来の自治体は要するに我々の手先、今回は入力の端末装置を担ってもらおう、そういう思想で貫いているのじゃないかと私は思うのです。
今、隣の委員会では地方分権法をやっております。私はこの前質問に立ちました。野田大臣にも質問をさせていただきましたけれども、これとて地方分権という名に値しない、私は機関委任事務の区分のし直しに伴う各法整理法じゃないかと申し上げましたけれども、これもよく似ている話なんですね。私は、やはり本当の意味での分権というものが問われているわけでありまして、そういう仮説といいますか、見せかけというか、そういうものでない法律に構成していくべきだと思うのです。
局長にお伺いしますけれども、本法に伴いますいわゆる地方自治体、市町村、都道府県、全国センター、そしてデータをもらう中央省庁との手数料なり委託費なり、あるいは交付税なのか、そこら辺の一連の金の動きというものを、こういう思想でこういう流れですというのを端的に御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/13
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014・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
従来から、住民基本台帳事務は市町村の団体事務とされてきたところでございます。この住民基本台帳ネットワークシステムにつきましては、市町村がこの住民基本台帳制度を運営するという制度の基本的な枠組みは変更することなく、その上で、全国的に市町村の区域を越えた本人確認ができるような仕組みを付加するものでございます。このため、このシステムは市町村を越えた広域的な団体である都道府県と市町村が連携をして構築する分散分権型システムというものでございまして、地方分権の流れに沿ったものと考えております。
そこで、都道府県は市町村と同様、このシステムの構築主体ということでございます。そういう意味で経費を負担するというものでございまして、本人確認情報の利用に際しまして市町村に対しまして手数料を払うといった関係ではございません。このシステムの構成、構築主体ではない国の機関等、提供いたしますその受領機関、国の機関等が本人確認情報を利用する場合には、所要の経費を都道府県に対して支払うことといたしております。
この場合の都道府県におきましては、指定情報処理機関に事務を委任いたしますので、委任した場合におきましては、先ほどお話しのように、指定情報機関の収入として収受させることが都道府県知事はできるということになっております。また、その手数料の額につきましては、委任都道府県知事の統括する都道府県の条例で定めるところにより、指定情報処理機関が定める、こういうことになっておりまして、それから、指定情報処理機関は手数料の額についてあらかじめ都道府県知事の承認を受けなければならないということでございまして、基本的に都道府県が手数料を定めるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/14
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015・古賀一成
○古賀(一)委員 今の質問でちょっとわからないところがあったんですが……(発言する者あり)ちょっと質問していますから、重要なことですから。
中央省庁ですね。例えば、きょう早速予定されております恩給局がお見えでございますが、恩給局にオンラインで結んで毎日のように膨大なそういうデータを送った場合、恩給局と指定情報機関との関係ではお金はどういうふうになるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/15
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016・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
指定情報処理機関に国の機関等は手数料を支払っていただくということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/16
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017・古賀一成
○古賀(一)委員 そうすると、指定情報機関というものは恩給局なりそういうところから料金をもらう。もらうんですね。そして、恩給局が都道府県に直接頼んだときも都道府県はもらうんですね。もらう。ところが、指定情報機関に丸ごと委託をした場合、これが私は大半だと思うんですね。その場合は、今度は都道府県が何もしない料を、何もしない料ですよね、手数料というか何もしない分を要するに指定情報機関に払う、こういうことになるんですよね。何かちょっと私は解せない感じがするんですね。
都道府県が行った場合はお金が入ってくる。労働に見合うだけのものが指定情報機関から来る。都道府県がもう指定情報機関に任せましたとなったら、何もしないけれども、今度はその分の委託料を指定情報機関に納める、こういう構成になっておるように私は法律を読んでもそう思ったんです。
何か負担の関係で言うとちぐはぐだなという感じがしてなりませんが、それはちょっとややこしい話なんで、これは負担の関係で言うとどこかで何かバランスが大変崩れておると思うし、論理的にもおかしいと思うんですが、それは後ほどちょっと――御答弁を今できますか。説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/17
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018・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
都道府県は、通常の場合、今お話しのように指定情報処理機関に都道府県知事の仕事を委任するわけでございますから、それに伴う経費につきましては県の方が指定情報処理機関に負担をするということでございまして、三十条の二十で、委任都道府県知事の統括する都道府県は、指定情報処理機関に対して、行わせることとした本人確認情報処理事務に要する費用の全部または一部に相当する金額を交付金として交付するということといたしているわけでございます。
したがいまして、指定情報処理機関からいいますと、県からの交付金が入ってくるということのほかに、国の機関等に情報を提供した場合にはそこからまた手数料として料金をいただく、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/18
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019・古賀一成
○古賀(一)委員 だから、指定情報機関にはしっかりと入ってくるような仕組みになっているんです。入れてくれた市町村に対しては、これでこの財団を運営する、市町村も今財政が厳しいわけでありますけれども、もとのデータを営々と一億二千五百万人入れたところについては何か配慮せんといかぬなという気配はこの法律にはない。どちらかというと、まずは財団の財政基盤を構築せんと大変だという思いが――私もこれは全部条文を読んだわけですね、最近この二週間読んでいませんが、若干忘れたところもありますけれども、あの法案を読んだときにそういうにおいがぷんぷんした。
私は、そういう思想でこの法律がつくられておるんではないかということを本当に心配しているわけで、普通の経済活動を規制する法律あるいは行政間の権限調整を行う法律ならともかくも、まさに国民の情報を扱う巨大なるこのシステムを初めて、しかもデジタルで行うというところに、もう少し原点に戻ったといいますか、あるいはその原点まで見詰めるというか、そういう発想が希薄じゃないかという気がいたします。
これも、もう何度言っても同じことでございますから、我々はこう考えるということを申し上げまして、次に移りたいと思います。私は、このシステムは片務契約的なにおいが非常に強い、こう申し上げて、次に移ります。
それで、これもちょっと事務的な話ですが、非常に重要な論点であろうと思うのであえて聞きますが、局長にお伺いをいたします。
官庁九十二の事務について指定情報機関から提供をするという条文が、これは何条でしたっけ、ございましたね。私、一回ちらっと申し上げました。これは指定情報機関からデータをもらったところが、例えば恩給局がその部内でこれを使うというのは利用という言葉なんですね。ところが、または提供することができると書いてあるんですね。そうすると、データをもらった恩給局あるいは各省庁がもらったデータは、九十二の事務にセンターからばんばん情報が、オンラインかディスクか知りませんが流れていく、それを利用するというのはわかるんですね。あと、それをもらった受領者が提供することができる、だれに提供するんだろう。
私が心配するのは、例えばうちのこの業務に関してある業種の講習会を委託している、あるいはその出版を依頼している財団があります。そういう身内の財団とかそういうところに手軽に、いい情報が入った、これはおもしろい、便利だ、安いということで、この提供というのは、十六省庁が自分の関連の財団法人であるとか特殊法人であるとか関連団体に流すというふうにしか読めないんですね。
もしそうであるならば、これはもう大変この情報というものを、国民情報を軽く見ているというあかしだと私は思うんですが、提供するとあえて書いた意味、そして、具体的に提供するというのは役所はどこに提供しようとしているか、一つの例を挙げながらでも結構ですが、御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/19
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020・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
お話の点は三十条の三十四で、「受領者の本人確認情報の利用及び提供の制限」ということでございまして、受領者はこの本人確認情報を得た国の機関等でございますが、「受領者は、その者が処理する事務であつてこの法律の定めるところにより」「提供を求めることができることとされているものの遂行に必要な範囲内で、受領した本人確認情報を利用し、又は提供するものとし、当該事務の処理以外の目的のために受領した本人確認情報の全部又は一部を利用し、又は提供してはならない。」こういうことでございまして、個人情報保護対策の基本原則の一つといたしまして、本人確認情報の受領者につきましても、本人確認情報を目的以外に利用し提供することを禁止する規定を設けているわけでございます。
具体的な利用の例としては、給付行政にかかわるものとして恩給等の支給や共済年金の支給、また、資格付与にかかわるものとして不動産鑑定士の登録や建設業の許可などが予想されているところでございます。
今回の改正法案においては、利用事務ということを念頭に置いて別表において規定しているところでございまして、御指摘の提供については想定をいたしておりません。
なお、この三十条の三十四の規定は、ほかの規定とも同様でございますが、国の行政機関についての個人情報保護法、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律の処理情報の利用及び提供の制限に係る規定を参考として設けているものでございまして、「利用し、又は提供して」という規定にいたしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/20
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021・古賀一成
○古賀(一)委員 そうしますと、例えば恩給局が恩給の制度に関する世論調査をする。そうした場合、これは恩給に関する事務だ。ひとつ例の住民票コードもあるし、住所も全部書いてある、男女も書いてあるし年齢もわかる、ちょっとこれで無作為に使ってみようじゃないかというようなたぐいの利用というのはあるんですか、世論調査。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/21
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022・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
恩給についてのお尋ねでございますが、そのために他に提供するということは別表では想定をいたしておりません。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/22
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023・古賀一成
○古賀(一)委員 ちょっと、私が質問しているんですから。
あと、では関連の財団法人とか社団法人、特殊法人に流れることは決してないと言ってよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/23
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024・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
今回の改正法案においては、国の機関等受領機関が利用することを念頭に置いて別表に規定しておりますので、そこから提供するということは想定をいたしておりません。(発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/24
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025・坂井隆憲
○坂井委員長 御静粛にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/25
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026・古賀一成
○古賀(一)委員 それでは、民主党の時間も結構ありますけれども、あと、私のみならず合計三人で質問することになっております。
次に、お待たせをいたしましたけれども、大臣に対する質問も総括的に最後にさせていただきたい面もございますが、ぜひとも、修正案が出されましたので、大変重要な修正案だと思います。時間の関係もありますので、割り込む形で、懐かしい皆様方へ御質問をさせていただきたいと思うところであります。
先ほど修正案の趣旨が説明をされまして、案文もいただきました。自民党、明改の桝屋さん、そして自由党の鰐淵先生、三先生、理事、お並びでございますが、まず、端的にお聞きいたしますが、私は、先週の金曜日、六月四日に、二週間以上待たされたわけでありますけれども、この修正案のたたき台といいますか、修正案を見せてもらいました。宮路理事及び桝屋理事、そして鰐淵理事、これは修正案はいつお手元に届いてお知りになったんでありましょうか。それぞれお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/26
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027・宮路和明
○宮路委員 修正案については、私ども、公明党さん、それから自由党さんと相談をいろいろとしておったわけでございまして、そしてそれがまとまりましたのは先週の金曜日であったというふうに記憶をいたしておるところであります。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/27
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028・桝屋敬悟
○桝屋委員 お答えをいたします。
その前に、この舞台にこういう形で立たせていただくことを大変に緊張いたしておりますし、おしりがむずむずする気がするわけでありますが、最初に御指摘ありました、まさに五月十八日以降、当委員会、坂井委員長の御努力もいただきながら、夜っぴきの審議になりましたけれども、二十五時間以上の審議を続けてまいりまして、その後、それぞれ野党各党が大体党の方針といいますか、そうしたものが決まっていく中で、我が党が態度をなかなか決め切れないでいた。
それが、五月十八日からずっと、先ほど法案も忘れたと言われて御指摘を受けたわけでありますが、二週間ぐらいまさに検討の時間を我が党は要したということで、このことは法案の内容として、性格として、私ども引くに引けないところがあったということで、ひとつ、何としても御理解を賜りたいと思っておるのであります。我が党もいろいろマスコミでも書かれましたけれども、現場、この委員会に所属する部会のメンバーはなかなか結論が出ずに、政審会長に処理方をお願いし、実は政審会長の段階でずっと議論をしていたというふうに理解をしております。
今の質問が、党に正式に来たということなのか、私自身に来たのかという、私自身が完全に修正案の形を理解したのは、まさに皆さん理事会で提示された実は前の日でありまして、内容についてはそうした内容ということも聞いておりましたけれども、正式な文書を見たのはあの理事会が初めてでありまして、それを見させていただいて、今までの政審会長を中心とした協議、これを踏まえたものであるということを踏まえて共同提案させていただいた、こういう次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/28
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029・鰐淵俊之
○鰐淵委員 古賀理事さんの質問にお答えをいたします。
私ども、自由民主党と自由党の協議ということで、この修正案を私が見たのは、今宮路理事が申し上げたと同じ時期でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/29
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030・古賀一成
○古賀(一)委員 六月四日金曜日と記憶して、認識しております。認識というのは大体一年前とか二年前の話を言うわけで、先週の話でございます。ほんのこの前でございまして、私もそうでございました。
それで、三人にお聞きしますと非常に時間がかかるので、では宮路議員と桝屋議員、お二人にちょっとお聞きしますけれども、この修正案文作成プロセスに関与しておられたのか、それをちょっと再度。大体今お話で、待っておったという感じであるし、あの二週間以上、もうしょっちゅうお二方と私もお話をしておりましたから、その感じでいうと待たされておったということで、修正プロセスには参加しておらなかったと思いますが、その点いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/30
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031・宮路和明
○宮路委員 私は、現場、つまりこの地方行政委員会の運営を預かる自民党の理事として、当然この委員会における審議を尊重する、この委員会における論議を踏まえてプライバシーの保護についてどういったことを担保することにして、そして、より幅広い皆様方の御支援、御支援というか御支持、御理解をいただいてこの法案を通していくかという観点から修正問題をやっていくということであったわけであります。
当然、それは現場の理事としてこの問題にタッチしたわけでございまして、最終的にはもちろん我が党も現場の意見のみならずもっと政調全体としてどうやるかということもあったわけでありますが、私自身がタッチしておったことは、これは先ほど申し上げたとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/31
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032・桝屋敬悟
○桝屋委員 先ほど経緯についてはあらまし申し上げましたけれども、ただ、最終の文案について見させていただいたのは、また文案が変わったりいたしましたから、それを見たのは前の日だというふうに私は申し上げましたけれども、我が党内、やはり政審会長も、地方行政部会、この委員会に所属するメンバーを初め部会を持っておりまして、この部会の議論というものを一番大事にしたいという気持ちでずっと議論をしてまいりました。
もちろん、その現場で結論が出なかったということもあるのでありますけれども、それぞれ、政府・与党との交渉の経緯については逐次現場に御報告をいただきながら、いろいろマスコミでも言われました、ふたをするとかかぎをかけるとか、いろいろな議論があったわけでありますけれども、それは逐一、一応現場には御報告をいただき、現場で議論もしながらやってきたという経緯であります。
さらには、先週の木曜日でありますが、我が党内、政審の全体会議でも政審会長から御報告がありまして、党内で議論をさせていただいた、こういう状況であります。内容について、私が全く了知していないということではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/32
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033・古賀一成
○古賀(一)委員 新聞報道によれば、自民党は丹羽政調会長代理、そして公明党さんは坂口政審会長という話が何度も何度も載っておりました。それは、この修正案が六月四日に我々の手元に届く前に、何度も出ておったのですね。
では具体的にちょっと、これは非常に重要だと思うのでお聞きしますが、桝屋さんについては坂口政審会長、そして宮路議員については丹羽政調会長代理に、何度ぐらいこの地方行政委員会の審議の状況、論点をお伝えになったのか、その会話の回数といいますか、それをちょっとお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/33
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034・宮路和明
○宮路委員 私も先ほど答弁で、そういうぐあいに記憶をしておりますと申し上げたところ、ついこの間なのに記憶とは何事かというようなおしかりもいただいたわけでありますが、古賀理事御案内のように、先週も理事会を、毎日毎日理事懇をやらせていただいておったわけでありまして、その前からも、先々週ぐらいもそうだったかと思います。
そういう中で、当然、この委員会における論議あるいはまた委員会における今の運営の状況、これは我々としても政調にその都度、国対にもそうでありますが、お話をして、そしてやっていくというのが常でございますから、私も、何回ぐらいやったかと言われますとちょっと、手帳にも書いていないものですからはっきりとお示しすることができないわけでありますが、とにかく何回も何回もやった、お話しを申し上げてきたということは間違いないところであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/34
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035・桝屋敬悟
○桝屋委員 私も定かに覚えておりませんけれども、我が党内、この法案は党内で大変に議論があるテーマでありましたから、四月十三日に委員会におりてまいりましてから、二十日、二十七日、それから六日、十一日、十三日、十八日、これほど委員会をやってきまして、合計一、二、三、四、五、六回、その都度もちろん政審会長には報告をしておりますし、それから、毎週一回私どもは部会をやっております。それから政審の全体会議もやっておりますから、大体一月ありますので、両方合わせますと八回ぐらいあるわけでありまして、それぐらいの数字は政審会長とぎりぎりの部分でこの内容について議論はしてまいりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/35
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036・古賀一成
○古賀(一)委員 私も、この法案の行方といいますか、法案がかかる前から大変注目もし、そしてきょうで恐らく三百分ぐらい質問することになるのですが、必死の思いで勉強してきたと思っています。それはやはり、これは重要な法案で、しかも先ほどるる言ってきましたように、これがいわば情報化社会の健全なる発展のあしき前例になって、やはりコンピューターはだめだ、役所は信用ならないということにもなりかねない脆弱性を持つからだということで、私はずっと関心を持ってきたのです。
それで、この二週間以上、三週間近くなるかもしれませんけれども、公明党さんがこの法案にどう対応するかということで、我々理事懇を何度もお待ちをして、私も、どうぞ、ゆっくり悩むのが常識だということできたわけですね。私は、確かに公明党さんで党内論議があっていることはよく知っておりました。その中に立って桝屋さんが苦労していたことも知っております。それでまた宮路理事が、国対からの指示の中で、はざまでいろいろ御苦労されていることもわかります。
でも、私は、私の知る限り、この法律修正案をつくったと言われるお二人は、この法案を絶対読んでいないと思う。私はそう思いますよ。逐条で皆さんが説明されたこともないと思う。私は、あの感じからいって、もう要するに、上の空中戦に任されておったと。理事といえども、実はこの修文はこういう論議があった、民主党はこう言っている、この論点は重要だから修文に当たってはこの一項もひとつ考えてくれといった中身についての論議は、私は、公明党さんも自民党さんもなかったと見ているのですよ。私はそう思うのです。
そういう意味で、本当に修正案としてこういう一条がいいのか、地行での論議、委員会でのこの長きにわたる論議の論点として、政調会長代理あるいは政審会長、現場から見ればこれは一つのポイントですよという論議は、そういう論議はあったのですか。まあ、きょうの理事会は流れました、あすどうですかといった、それはいいです。中身ですよ。法の、修正案が出たわけですから、その修正案についてそういう論議を本当にされたのか、それを再度お聞きをいたします。簡潔にあった、なかったとお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/36
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037・宮路和明
○宮路委員 大変厳しい問い詰めでございますけれども、先ほど提案理由説明の中で申し上げましたように、この委員会における審議、二十五時間ぐらいこれまでやってきておるわけでありますが、その中で、やはり一番議論が激しかった、あるいは意見が闘わされた重要な柱がこのプライバシーの保護であったことは間違いのないところであるわけであります。
そこで、我が与党として、この法案を何としても今国会で成立を図りたい、去年の三月からずっと塩漬けになってきておった法案であり、どんどんと民間部門においては高度情報通信が進む中で、何としても成立を図るためには、修正をしてでもどうやってここを切り抜けるかということで腐心した結果、いろいろと検討した結果、ここがやはり一つの落としどころだ、こういうことで、我が党として、政調のトップまで含めていろいろと議論する中でこれは生まれてきた、そういう案であるわけであります。
大変産みの苦しみをいろいろと経ながらここに至った、こういうことでございますので、そう簡単にこれが出てきたものでもない、大変苦労に苦労をして、そしてその所産としてここに提示させていただいておる、こういうものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/37
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038・桝屋敬悟
○桝屋委員 厳しいお尋ねでありますけれども、我が党内、公明党・改革クラブの中で、この法案に対する最初の状況は古賀委員もよく御承知だろうと思います。
それで、我が党内で一番問題になりましたのは、修正案という話でありますけれども、今回の改正案によりまして行政の高度情報化が進むということは認めているわけでありまして、その必要性も感じつつも、たとえ四情報たりといえども、やはり全国一律のネットワークシステムをつくるという以上は、我が党内でも、あるいは国民の間でも、個人情報の流出あるいは悪用の危険性を指摘する声というのは大変強いわけであります。
我が党内でも一番そのことが大きな声でありまして、その意味では、個人のプライバシーを守るために、あるいはこの改正案を円滑に運営するためには、地方自治体や民間も含めた個人情報保護法がどうしても必要だという議論が我が党内ぎりぎりの部分でありまして、このことを政府・与党に申し上げ続けてきた、こういう経緯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/38
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039・古賀一成
○古賀(一)委員 今の私の質問は非常に単純でございまして、二十五時間にわたる審議というものが、最終段階で、しかも政局絡みといいますか、政権の枠組みが変わるような流れの中で、一条のこの条文で二十五時間の論議もこれでオーケーになるかという、その修正案が出たんです。それに私は、両理事が、この案文をつくったと言われる、あるいは政治的決着を話し合われたと言われる、上層部といいますか、政調会長代理及び政審会長に何回会って何を提言されたか、その一点を聞きたいわけで、この法律が重要である、あるいは去年から云々という話はもう結構でございまして、その点を聞きたいんです。
その点に絞ってもう一回はっきり、私はこれは非常に重要だと思うので、くどいようでありますが、再度お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/39
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040・宮路和明
○宮路委員 これは我々、先ほど申し上げたように政調のトップの方へも何回も話をしておりまして、また我々の意見もいろいろと聞いてもらい、また政府の原案についてのいろいろな問題点も、政府の方も、当然政権与党でありますから我が政調も、改めて現行法の姿、それから仕組み、そしてその問題点となるべきようなそういった箇所等々を、何回もしっかりとお互いに勉強して、そしてここに結論が到達をした、そういうことでありまして、その点で十分なる議論をし、そして勉強をしてここへやってきた、こういうことで御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/40
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041・桝屋敬悟
○桝屋委員 重ねてのお尋ねでございますけれども、私の答えは同じでありまして、我が党内は、実はこの法案は私の前任の理事からずっと取り組んできた経緯がありまして、そうした観点からは、やはり個人情報保護法、これは民間をも含めたという観点でこの整備が大前提だ、議論をそこに一点尽くして今日まで来た、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/41
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042・古賀一成
○古賀(一)委員 いや、何か答弁がぼかされておると私は思いますが、私の場合において考えれば、これだけの法案でありまして、内容も初めての分野がある、委員会は忙しい、まして理事でありますから、あしたどうなる、あさってどうなるで大変だったと思うんですね。私の場合で言うと、例えば民主党は修正案の作成に向かう、だからそれはもう中野政調会長お任せしますとはならぬですよ、ならぬ。
ところが、私はこの新聞報道なり、一連の情報を聞くにつけ、これは新聞で書いてあったとおり、いわゆる坂口政審会長及び丹羽雄哉政調会長代理が、いろいろなところの情報を何となく聞いて、個人情報保護法制を附則に書いたぐらいで政治的な落としどころはつくんじゃないか、私はそういう判断だと思うんですよ。両理事のこの間における私との会話、それは別に暴くわけでも何でもないんですが、本当に同志としてやってきましたから、いや、なかなかどこにボールがあるんだというのも私は一回理事会で聞いた。
そうなりますと、私は何を言いたいかというと、私も一生懸命やってきたし、とりわけ今国会はガイドラインもある、予算委員会もあるということで、みんなが大半は夜、大臣の都合に合わせてこの法案の審議をやってきて、二十五時間、もう八週間に及ぶ、待ったり、論議したり、夜やったりの議論をしてきたんです。
そして、私自身もコンピューターは決してプロじゃありません。この中じゃ桝屋さんが一番詳しいと思う。私は大変おくれておったけれども、やはりこの際コンピューターは勉強してでもやらぬといかぬということで、私は友人のつてを頼って、ハッカーとは何ぞや、ICカードとICカードが会話するにはどういうことをやるんだ、暗証番号というのはどうやったら市町村間で解読できるんだと、全部一生懸命やったんです。それを私もきのうまで百九十五分やっています。それだけ一生懸命やったんです。
それで、論点については、きのうも私は、これまでの桝屋議員なり私への答弁を、政府答弁なり質問を見ましたよ。私は、今までの答弁についても、今後に任せるとか、あやふやな答弁というのも相当あったと思う。あったんです。それは桝屋さんも身にしみて感じていると思う。
これだけ一生懸命やってきたところが、極論すれば、これだけの法案をこれだけやってきたにもかかわらず、法案を読んだことがない、地方行政委員会の中身を来て見たわけでもない、つまり、この委員会、それだけ一生懸命みんなやった委員会の論議というものとかけ離れた場所で、その人たちが政治的落としどころでこういう修正案をつくって、これで済むという話には、私の今までの思いから見ると私は納得できないんです。できませんよ。
私は、今宮路さんなり桝屋さんがおっしゃった、要するに、はっきりこの修正案についての協議のリーダーシップはとっていなかったと思うんです。これはもう間違いなくとっていない。そうなると、委員会というのは何だ、何で夜やったんだと。
委員長だってそうですよ。苦労しながら、長い時間そこに座ってやった論議の中身というものが、全然関係ない人がぱっと政治的落としどころでつくって、はい、これよと言うならば、何のために私はこの二カ月なり論議をしたんだ。それなら不正アクセス防止法だって、ああ、もめるかもしれぬぞ、何か上の方でどんな修正案が飛んでくるかもわからぬ、ではそれが出てくるまで審議は待とうじゃないかと。
私は、この委員会に出てこなかった委員、彼が一番賢い。夜遅くちゃんと、眠たいにもかかわらず審議につき合った人は愚か者、そして一生懸命質問した人間は本当の大ばかだという言い方じゃないかと私は思うんですよ。
だから、本当にこういう国会の権威、委員会の存在意義という面から見て、私はそれを高く買って、だからおれは国会議員になったんだという自負でやってきたんです。それがこういう条文で、政治的落としどころで関係ない人が修正案をつくって、これできょう上げてくれというようなことは、私は、地方行政委員会なりあるいは委員会の質疑というものを無視した話、そうとしか思えないんです。だから非常に不愉快千万であるし、私は禍根を残すと思うんです。
そういう面で、本当に、つくった方が、ここの宮路さんにかわって丹羽雄哉さん、桝屋さんにかわって坂口政審会長が、政治的にこういう決着でこの中身はこうなると答えてもらうべきだと私は思うんです。
私は、この点、委員長に御感想もいただきたいわけでございますが、いかがでございますか。諮っていただきたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/42
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043・宮路和明
○宮路委員 大変古賀理事から激励をいただいたというような思いなんでありますが、実は我々、最初に申し上げたように、現場の理事でありますから、現場の雰囲気をまず伝え、そして現場の意見をしっかりと伝えて、そしてこの法律を委員会を通していくというのが現場の理事に与えられた大きな役割でありますから、そのためにはどういうふうなことをやったらいいのかということをまずやはり現場から考えていく、そして政策責任者として我が党の党のトップにも相談していく、これは当然のことだろうと思います。
そういう意味で、名前は、新聞の取り上げ方があるいはよくないのかもしれませんが、坂口政審会長と丹羽さんの名前だけが躍っている、おまえたちはさっぱり顔も形も見えないじゃないか、こういうおしかりあるいは激励であったかと思うんです。ちょっと名前がそこまで、我々、私も桝屋さんもあるいは高くなかった、有名でなかった、そこがやはりいけなかったのかな、力量不足かな、こうも思います。
しかし、現実は、我々現場がしっかりと現場の空気を、現場の状況を伝えて、そこから物事が始まっている。日本社会というのは、上から下へじゃなくて、下から上へ積み上がっていく、それがやはり日本社会の意思決定の特徴だと思いますが、そういうようなことでやってきておる。(発言する者あり)ちょっと黙ってよ、あなた。
そういうことでございまして、実は、この委員会では、おととしも地方自治法の議員修正をやらせていただきました。まさにそのときも、政府の案で、外部監査の資格者が弁護士と公認会計士に限られておったものを、税理士までこれを広げるということを現場でやったわけでありますけれども、そのときもやり方としては同じやり方だった、こういうようにあのときを振り返りながら私は思っておるところであります。
我が政策責任者たる人たちが現場とかかわりなく政治的妥協でやった、そういうことは決してこの場合も当てはまらない、このように私は理解をいたしているところでありますので、どうか、さようひとつ御理解を賜りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/43
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044・桝屋敬悟
○桝屋委員 厳しい御指摘をいただきましたけれども、この法案の処理をめぐっては、各党とも本当に――うちの党が一番激しかったのかもしれません、いまだにそうでありますから。けんけんがくがくの議論をずっとしているわけであります。
実は、坂口政審会長がここへ出てきてという話がありましたけれども、それには及ばないというふうに私は思うわけでありまして、坂口政審会長と私が違う意識を持っておるということもありませんし、私はこの委員会で審議してきたこともすべて政審会長には報告しております。私が議論したことあるいは我が党内で議論したこともすべて、自分でこういう資料をつくりまして、政審会長に土曜、日曜もあけていただいて、しっかり議論の内容も聞いていただいて、ぎりぎりのところで我が党はどうするかと。古賀先生の党でもあったと思いますが、当初はもっと具体的な内容の検討もしたかった、修正もしたいという思いも正直この場で私は申し上げていいと思います。
ただ、こうした状況の中で、これからの二十一世紀の高度情報通信社会を考えると、やはりインフラ整備はやりたい、しかし、個人情報保護ということは余りにも我が国はずさんだ、ここはやはり我が党として引けないところがあるということで、これは何も政審会長の独断でやっているわけではなくて、党内の統一した見解で政審会長にそれはおっしゃっていただいたわけでありまして、決してこの委員会の審議を我が公明党・改革クラブが軽視したわけでもありません。
お待ちいただいたことは大変に御迷惑をおかけしたとおわびをいたしますけれども、三党の事情は、党内、各党同じ状況があるのではないかということを申し上げてお許しをいただきながら、我が党が一生懸命やった、議論をしてきたということは御理解いただきたいと思います。
〔委員長退席、山本(公)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/44
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045・古賀一成
○古賀(一)委員 実は、この議事録をきのう、きょう読んで、とりわけ桝屋さんにはもっとしつこくねちっこくと思っておりましたけれども、住基法の論点をお互い洗い出し、そしてお互い協力し合いながらやろうじゃないかということで仲よくやってきました。まあ、桝屋さんのことですから、坂口さんにもこうやられたんでしょう。そう善意に、本当はもっと言いたいんですが、私は、この法案の修正案の問題点もはっきりたださなきゃならぬことがありますし、時間はあともう十分ちょっとしかないような気もしますので、もっと突っ込みたい気もしますが、ここでとりあえず話題を変えます。
それで、この修正案について大きな疑問があります。お答えをいただきたいと思います。
これは、私はかねてから言っておったんですが、市町村の固有事務である住民基本台帳ですよね。これはもうだれもが知っておることであります。この市町村の固有事務である住民基本台帳、戦後ずっと、営々と地方自治体が工夫しながら条例もつくっていろいろなことをやってきたこの事務に、今回、その法律、つまり住民基本台帳法に、今度は政府全体、他省庁にかかわる事柄である個人情報保護法制、これは国が言われながらもなかなかしようとしなかった一大論点の、いわば国政全般にわたる重要問題、しかも他省庁にかかわる大きい問題のこの法律制定といいますか、措置に関する規定を、縛りを、何で固有事務を扱うこの法律の附則に書けるのか。
私はおかしいと思う。こんなことが許されるなら、介護保険が今問題になっていますけれども、介護保険の財政が問題になった、それなら介護保険法の改正法附則に、例えば地方交付税に関する法制度の整備なんというのを附則で書けるんですか。あるいは、自治省設置法の改正案に、国の行革、全体に関する所要の将来の措置なんということを書けるのか。
私は、他省庁に関することを書くということもおかしいけれども、とりわけ地方の固有事務に関する法律である住民基本台帳法に附則で、こういう個人情報保護の法制が入るのかどうか知りません、後で聞きますけれども、少なくともここに書いてあります「個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずるものとする。」という規定を入れることは間違いではないか。これは、法案をつつがなく、そして具体の責任を負わずに明示せずに通す、座りは悪いけれどもこの程度の条文ならばという、一つの政治的妥協の思惑の条文じゃないかと私は思います。
筋が違うんじゃないかと思うんですが、この点、どなたがお答えになるかはお任せしますけれども、ひとつ、法制局的な、理屈的な観点からお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/45
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046・横田猛雄
○横田法制局参事 法制的な問題でございますので私の方からお答え申し上げますが、固有事務でありましても、それは法律で制度的な枠組みをつくることはもちろんできるわけでございますし、法律の施行に当たりまして、いろいろな問題が生ずることにつきまして政府が将来的に義務を課せられるという附則の規定は、これまでにも例もありますし、特に法制上の問題があるとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/46
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047・古賀一成
○古賀(一)委員 それでは、例を一つ、今あるとおっしゃいましたけれども、どういう例があるんですか、教えてください。私も後で見てみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/47
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048・横田猛雄
○横田法制局参事 先生の御指摘とぴったりかどうかちょっとわかりませんけれども、介護保険法に、もろもろ書いてあるんですが、政府は、費用の動向、その他、介護給付等の割合とかいろいろありますが、それについて「検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」というのが附則の三条にございます。
〔山本(公)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/48
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049・古賀一成
○古賀(一)委員 今、条文の途中をはしょられましたからわかりませんが、それは、給付の内容云々についてはどうのこうのというのは、それは介護保険の範囲であれば当然書きますよ。
では、介護保険法で、先ほど言いましたように地方交付税を将来どうするとか、将来地方交付税の措置を拡充するとか書けるのか。あるいは介護保険の法律の中で、例えば、政府全体にかかわる医療を含めた負担の総合的見直しをするなんということを書けるんですか。今のはしょった読み方では全然わかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/49
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050・横田猛雄
○横田法制局参事 先生の御趣旨がそういうことでございますれば、この案文そのものも、「政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずる」ということでございまして、政府に対する、これは住民基本台帳法の附則でございますが、かなりの幅の広い書き方で将来に対して所要の措置の義務づけをしているということでございまして、政府の権能として、特に私どもから見てこれが無理な感じを与えるという認識はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/50
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051・古賀一成
○古賀(一)委員 私も、若いころ、よく法律をつくっていまして、いろいろ内閣法制局に持っていって、参事官、部長さんからいろいろな指摘を受けて、まあやはりえらいきついなと思っておったんですが、そういう感覚からいうと、昔は昔、今は今、今は相当ずぼらになっているというのはともかくも、こういうことで一つの法が、これまで二十五時間やったいろいろな法律の論点というものが、とりあえずふたをしてよと、将来措置を講ずるからということで閉じようとしているわけですよ。それをこういう場違いの附則に、まあ附則ぐらいならよかろう、そういう感じで入れることに関しては、私は非常に安直な気がする。それはこの法案全体について、いいことなんだけれども甘いという分野もある、そういういろいろなにおいがする、疑いがある、その一つだと私は思うんです。
では、聞きますよ。そうなりますと、それに関連して出てくる問題は、所要の措置の――その前に聞かなきゃならぬことがありますね。所要の措置というものは何でありましょうか。具体的に、例えばこういうものがあります、こういうものがありますというのを教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/51
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052・宮路和明
○宮路委員 それでは、先ほど、一体附則でこんな余りかかわりのないようなことを書けるのか、今の古賀理事の御質問はそういうことだと思うんですが、今法制局の横田部長からしかと答弁していただいたわけでありますが、その点も、実は我々もよく検討いたしました。
そして、例えば今の改正法三十条の三十三なんかをごらんいただいても、ここでもちゃんと「本人確認情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。」とか、それから三十条の三十五なんかを見ましても、「本人確認情報に関する秘密又は本人確認情報の電子計算機処理等に関する秘密を漏らしてはならない。」とか、そういう個人情報保護という面から、いろいろな措置だとかあるいは秘密をどうしろとか、こういうことをこの法律の中でもしっかり書いておるわけですね。
ですから、これとやはり密接不可分な役割を持つ規定でありますから、私どもも、これは附則に書いても何ら、先ほどおっしゃったように、介護の保険法の中で……(発言する者あり)ちょっと黙っておいて、あなた。介護保険法の中で地方財政法のことを書いてどうだとか、そういうほど関連性がないということとは全然別の問題であるというふうに私は理解しておるところであり、そういう議論もして、このような規定を入れさせていただいたということでありますから、そのことをまず最初に申し上げさせていただきたいと思います。
そして、次に、この「速やかに、所要の措置を講ずるものとする。」という「所要の措置」であります。
これは、私ども、政府にいわばそういう義務を課してあるという規定を盛り込ませていただいたということでありますから、政府にこれからどういったことをやっていただくかということは今後の政府の検討にまたなければならないわけでありますけれども、我々、議員修正を提案する者として期待しておりますことはどういうことかということを申し上げさせていただくならば、これも我々、先ほど、おまえたちはこの修正案について全く蚊帳の外におったんではないかというふうな御指摘を受けましたので、そうじゃないということをここで立証するためにもちょっと申し上げさせていただきたいわけであります。
一つは、やはり政府においても昨年、高度情報通信社会推進に向けた基本方針というのを総理が本部長をしておられるところで決定をして、これからいろいろなことをやっていくんだ、プライバシーの保護の問題、こういうことも既にこの中で決めておられるわけですね。そういうぐあいに、プライバシー保護についての法制を整備していかなきゃならないというのは喫緊の課題になりつつあるということは、我々も、この場における論議を踏まえてもよく理解できるところであるわけでありまして、そうしたプライバシー保護に関する法制をやはり整備していくということが一つ。
それから、それにあわせて、今の住民基本台帳法それ自体といえども、例えばカードの問題なんかについてもいろいろな議論がありました。そういうところにおいて、これからさらに高いプライバシー保護のための手だてを将来講じていくとするならば、この住民基本台帳法自体の世界においても、それにやはり準拠した、よりレベルの高い個人情報保護のシステムというものもあってしかるべきではないかというふうに思われるわけでありまして、そこのところもやはり一つはやっていただきたい。
それからまた、これは条例でもって市町村あるいは都道府県が、このネットワークシステム、運営をしていく主体になるわけでありますので、そこで、そうした地方自治体においてちゃんとした、プライバシーの保護に十分配慮した措置をもろもろ講じていってもらわなきゃならない。システムにおいてもそうですし、あるいはまた条例を定める場合によってもそうだというふうに思うわけでありますが、そういったところも具体的に検討して、そして自治省の方で、政府の方でしっかりと地方自治体に指導していってもらいたい。
こういったもろもろのことが頭の中にございまして、そして所要の措置というふうに規定させていただくことにした、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/52
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053・古賀一成
○古賀(一)委員 いや、私は、今の所要の措置というのはいろいろあるということで、法制も含むというようなお話もありましたけれども、冒頭申し上げましたように、この修正案が出てきたプロセスにも問題があるし、それがひいてはこの地方行政委員会なり我々の今の審議というものをいわば無視するというか、そういう懸念もある。そういう体質が今の政治と行政の関係で問われておるわけでありまして、きょう配られたこの一条をもって修正ということには、私は納得できません。
では、今までの論議が、例えばたくさんあるわけですよ。ネットワークの問題、暗証番号の問題あるいは十六省庁との事務、データをもらうところの服務規律の問題あるいは受託先の問題、もっと言うならICカードの問題もある。そして、何よりもでかいのは、例えば財団法人が一億二千五百万人を扱うというこの基本システムの問題。いろいろな問題が、桝屋さんも問うた、我々も問うた、みんな、自民党さんでも一部問われたわけです。
だから、それが入るのかどうかというのが問題でありまして、私は、全部入るはずがないと思うんです。全部入らぬですよ。しかし、省庁を超えて、大変困難な問題であるこの問題、これまでも実際はできなかった問題でありますから、少なくともこれは採決前に、所要の措置ということで政府が責任を持つ、例えば包括的個人情報保護法制の立案あるいはその技術開発等の、それは考えられることをやはり項目で委員に、委員会に出すべきですよ。私は出すべきだと思う。
ただ、この所要の措置というのは極めて普通、どこにでもある言葉でございまして、いみじくも宮路議員がおっしゃったように、この法律だって、それはもう措置の大きさが違いますよ。各条文に、措置、措置、措置と書いてある。ここに言う措置はその束ねた措置じゃないんです。もっと大きい政治的意味を持つ、そういう措置なんですから、この所要の措置というのはおおむねこういうものですというものを私はやはり委員会の委員に示すべきだと思う。それでなければ大変私は失礼だと思うんですよ。私はそう思います。それは後ほど、私は理事会でぜひ諮っていただきたいと思います。
次に行きます。
それでは、所要の措置を政府は講ずる、こうなるんですね。主務大臣はどなたになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/53
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054・宮路和明
○宮路委員 私が答弁すべきことなのかどうなのかちょっとよくわかりませんが、今現在、先ほど申し上げたように、この高度情報通信社会推進に向けた基本方針、政府の方で本部を設けて、そしてそういうことを決めておられる。これは内閣の方でやっておられるというふうに承知をいたしております。
ですから、具体的には内政審議室あたりが、この全体のプライバシー保護の法制をどうしていくかということについて幅広く、関係各省物すごいかかわりがあるわけでございますので、何といいましょうか、その調整役といいましょうか元締めといいましょうか、そういうことになっていくとすれば、これはやはり内閣全体として取り組んでいただくことになるわけでありましょうから、内閣そしてその窓口は内政審議室ということになるのかな。これはあくまで私が答弁すべきことかどうかわかりませんが、私の知っている限りのことで申し上げるとそんなところじゃないかなと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/54
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055・古賀一成
○古賀(一)委員 私は、主務大臣とお聞きしたわけでありまして、内政審議室はその窓口の役所ということですね。そうすると、官房長官、こういうふうになるんでしょうか。――わからないんですか。では、わかりました。その程度であるということがわかりました。では、この件については、要するにまだ決まっていないんでしょう。ところが、この手の話が一番問題なんです。
私は、役人のころ、今でもよく皆さんに嫌みを言いますが、例えば組閣がありますと、経済企画庁長官(総合交通担当大臣)と出ているんですね。今でも出ますよ。あれは歴史的経緯がありまして、あれは自動車重量税の配分の関係でもめにもめたものだから、建設省と運輸省が大げんかしておる、まあ今度、総合官庁である、調整官庁である経企庁長官に総合交通担当大臣をやってもらおうといって今日までずっと来ているわけです。
経済企画庁長官が交通の話をしたためしがない、ないですよ。単に政治的セレモニーで、ごたごたを決着させるために担当大臣を決めますと。当時田中角栄さんでしょう、決めて、何と仰々しく、経済企画庁長官何の何々君、あわせ総合交通担当大臣と今でもやっているんですね。ところが、恐らくだれも、今まで自分が何で総合交通大臣かわかった大臣もいないと私思うんですよ。まあ、大臣も経企庁長官やられましたから、そのこともお聞きしたいんですが、そんなもので実は担当というのは決まっていく。
これはその担当も決まっていないんですよ。こんな難しい仕事を、要するに今の段階で、大臣と言わずしてだれがやりますか。だれだろう、だれかな、こんな程度で過ぎていく、こういう総合的な調整に関する仕事というのはこうなんです。
それでは、今行革特で中央省庁再編をやっています。中央省庁再編後はこれはどうなるんですか。
もう時間がありませんからあわせて言いますが、いいですか、中央省庁再編法案が今論議され、恐らく通るんでしょう。通って、霞が関は、おらが省庁は何年にこうなって、うちの局はこうなって、あそこの役所と一緒になるから、権限争いでこうだこうだ、人事はどうだ、来年の採用はどれだけ採るか、どこに配置するかと大騒ぎが続くんですよ。そのときにそのタイミングで、どこの省庁が、三年以内、国家国民のため、個人情報保護法制は我が省で音頭をとって、困難な仕事でもやるぞとだれが言いますか。できませんよ。中央省庁再編という、霞が関が自己保存を図り、新しい秩序をつくり上げようとしのぎを削るこの時代に、こんな話をやろうと思ってもやれない、私はこう思う。
主務大臣は中央省庁再編の後だれなのか、そして、これは宮路さんに聞いたってしようがない、恐らく総理大臣に聞いたって無理なような話であります。だれに聞けばいいのか私は非常に悩みますけれども、こういう論点があるということについての御印象と、主務大臣についての宮路構想があればお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/55
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056・宮路和明
○宮路委員 先ほど申し上げたように、これは内閣全体の喫緊の課題として取り組んでいっていただかなきゃならない、こういうふうに思っておるわけでありますから、事務的には内政審議室ですが、担当とすれば内閣総理大臣あるいは官房長官の所管、こういうことになるというふうに私は理解しております。
そして、今度の省庁再編の中で、内閣の機能のレベルアップということがこれは大きな課題になっておるわけでありまして、まさにそれを目指して省庁再編が行われるわけでありますから、内閣のリーダーシップが今以上に強力なものになっていくことは間違いない、またそうでなければならない、私はそう思っております。
そして、我々も与党として、そしてまた共同提案をさせていただいた我が党並びに自由党、公明党・改革クラブとしてあえて申し上げさせていただくならば、三党でちゃんとこのことについては責任を持ってやっていくということで、ここに持ってきておるわけでありますけれども、こういう確認書もきちっととって、そして、この問題に向けて今国会中に検討会を設置して、そして法制化の検討に着手し、年内に基本的枠組みの取り組みを行い、三年以内に法制化を図る、ここまで我々も腹をくくってこの問題に取り組んでいく、こういうかたい決意でやっていこうとしているわけでありますので、どうかまた我々をそういう意味では叱咤激励していただきたい、このことを古賀理事にお願いを申し上げたいと思う次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/56
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057・古賀一成
○古賀(一)委員 三党でそういうことでサインまでしてという話がございましたけれども、こういう何党と何党の枠組みなんというのは大体当てにならないというのが最近わかってきておりますので、問題は、その党のあれというよりも、やはり事柄の本質をだれが責任を持って見て、指摘に対してだれが本当に誠実に応ずるかという問題であって、私はそういう面でそれが今問われていると思うんですね。
私はそういう面で、ぜひ、最後に申し上げました論点は、特に桝屋理事お見えでございますが、やはり合意した以上はやってもらわなきゃならぬ、そうでしょう。それはそうですよ。ところが、三年以内に個人情報保護法制をつくるという思いで、公明新聞もここにあります、そういう思いがにじみ出ておりますが、私は、この中央省庁再編の大騒ぎのときにこんな話は、あと法案が通って一週間もすれば吹き飛ぶんじゃないかということを心配しておりますので、本当に言葉ではそう、修正案ではこうだろうけれども、実際は中央省庁再編の流れの中でこれは極めて危ない約束になりかねないということを、私はこういう論議があったことをお伝えいただきたいとお願いを申し上げまして、次の同僚議員が待っておりますので、バッターを下がります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/57
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058・桝屋敬悟
○桝屋委員 私に特段の御要請でありますから、一言だけ。
もう古賀理事に多く言う必要はないと思いますけれども、今の宮路理事から報告がありました確認書、これは仰せのとおり、容易なことではない、容易ならざる内容だというふうに私どもも重く受けとめておりますし、現に我が党も、今まで取り組んできて今日まで手がつかなかったということも正直に申し上げて、その上で、何としても今回のこの改正法案をてこに私どもは一歩前へ進めなきゃならぬ、こういう決意で取り組みをさせていただく、このことを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/58
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059・古賀一成
○古賀(一)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/59
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060・坂井隆憲
○坂井委員長 次に、葉山峻君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/60
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061・葉山峻
○葉山委員 去る四月十三日の、趣旨説明に対する民主党を代表する私の質問において、私は、大づかみに言って六つの問題点を指摘させていただきました。
第一に、住民基本台帳は全国民を網羅するものであり、そのすべてに住民票コードという重複しない番号をつけることは共通番号制度に道を開くことになる。第二に、個人情報保護の不備。第三に、利用範囲の歯どめが不明確である。民間利用への禁止は何の歯どめもない。第四に、膨大な経費がかかる。ネットワークシステムの維持、管理、更新には、自治省が少な目に見積もった試算でも、初期投資四百億円、年間経費二百億円もかかる。行政にとっては便利でも、国民にはほとんど利点がない。費用対効果の面からも認められない。
第五には、八千字の容量あるいはICカードの問題。導入時は任意と言いながら、ひいては、保持の義務化等、国内版パスポートのように常時携帯の義務までエスカレートしかねない。本人確認への疑問。第六に、国家の中央管理にほかならない点。地方自治を踏みにじるこのような法案を事もあろうに自治省が推進することは言語道断である。以上の問題点を指摘させていただきました。
四月二十日以来、この委員会で質疑を重ねてきましたけれども、質疑を聞けば聞くほど、この改正案の持つ危険性が明らかになってまいりました。それは今後十分検討しますという答弁ばかりで、ただただ法案を通してしまおうという姿勢しか見られなかったことは、非常に残念であります。これまでの質疑でその危険性が指摘されても、そういう残念なことが起きていたわけであります。
そこで質問でありますが、第一に、コード番号を拒否する自由が個人にあるのか、改めて大臣にその確認をしたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/61
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062・野田毅
○野田(毅)国務大臣 住民票コードを住民票に記載するということは、住民基本台帳ネットワークシステムにおいて関係情報の通信を行うための必要条件でございます。そのため、住民票コードが住民票に記載されない場合には、その住民の関係情報はこのシステム上に乗ってこないということになってしまうわけであります。
しかし、住民基本台帳に記録されているもののうちに、このシステム上に乗るものと乗らないものとの両者が存在をするということとなれば、オンラインに接続されたコンピューターの利用による市町村の区域を越えた住民基本台帳に関する事務処理や国の行政機関等への本人確認情報の提供等が極めて非効率なものになっていってしまうわけであります。
したがって、住民基本台帳ネットワークシステムにおいては、住民票コードを住民票の記載事項とし、他の記載事項である氏名、住所等と同様に必ず住民票に記載されることとしておるものでありまして、住民票コードの記載を拒否するということはできないという考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/62
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063・葉山峻
○葉山委員 できないということでありますね。
この法案が国民に何物をも強制しないような印象が振りまかれておりますけれども、個人情報が危機にさらされたら絶対に嫌だという人間にも強制的に付番する、プライバシーの危機だけでなくて、これは重大な人権侵害だというふうに思います。
そこで、確認をしたいのでありますが、国民にコード番号をつけるのは一体いつなのかということですね。このことをお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/63
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064・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
住民票コードにつきましては、公布の日から一年以内の政令で定める日から市町村長への住民票コードの指定というものが施行されますので、その意味では、制度実施に、準備に必要な事項として、都道府県知事による市町村長への住民票コードの指定というものは、公布の日から一年以内の政令で定める日以降になります。
また、公布の日から三年以内の政令で定める日以降、市町村長による住民票コードの住民票への記載、これが行われますので、住民票への住民票コードの記載は、公布の日から三年以内の政令で定める日から施行されるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/64
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065・葉山峻
○葉山委員 三年以内ということですが、いつから始めるんですか。お答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/65
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066・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
この法案の成立後、公布の日から三年以内で政令で定める日から施行ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/66
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067・葉山峻
○葉山委員 次に、先ほど古賀委員からも質問がありましたが、修正提案について伺いたいというふうに思います。
「この法律の施行に当たっては、政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずる」ということだけでありました。この「個人情報の保護に万全を期するため、」わざわざここで言わなければならないのは語るに落ちると思うんであります。このままでは万全でないということですかね。それぞれ各党の提案者にまず伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/67
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068・桝屋敬悟
○桝屋委員 各党にということですが、最初にお答えをしたいと思います。
修正案の内容についてのお尋ねでありまして、「所要の措置」、こう書いてあるわけで、所要の措置が必要なということは、それだけ原案に問題があるんじゃないか、こういう厳しい御指摘でありますけれども、先ほど古賀先生からも随分厳しい御指摘をいただいて、自民党の宮路理事の方から、所要の措置の内容について、我々提案側として期待をする三点についてお話をさせていただきました。
もう一回、同じ共同提案者の一人として確認をさせていただきますと、所要の措置につきましては、一点は、民間部門をも対象とした個人情報保護法、この問題が一点あります。ぜひ民間も含めた個人情報保護に関する法整備をやってもらいたいという我々の願いであります。
それから二点目は、そうした新しい法整備ができるのであれば、そうしたことも踏まえて、住民基本台帳法、今回の改正案、その後におけるさらなる個人情報保護措置を講じていただきたい、この必要性も出てくるんじゃないか、その所要の法改正も期待をするところでございます。
それからさらには、これも一番大きな問題でありますが、ICカードの部分でありまして、市町村あるいは都道府県での条例で行われるこのICカードの部分、この運用について、自治省としても、しっかりその条例のありよう、あり方について、特に個人情報保護の観点からも特段の指導をしていただかなければならぬだろう、こんなふうに思っているわけでありまして、そうした内容を実は我々提案側としては期待をしながら、所要の措置ということを入れさせていただいた、こういう次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/68
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069・鰐淵俊之
○鰐淵委員 御答弁を申し上げます。
葉山委員が、所要の措置ということについて何を指すのか、本案は不備なのか、こういう御質問でございましたが、本案につきましては、いろいろな歯どめ措置を講じ、守秘義務を講じ、あるいはまた万が一そういったものが漏れるということがあれば厳罰を処す、そういった形で、法案としては可能な限り盛っておると私は思うのであります。
しかし、長い時間の審議の中で、各党のそれぞれの御主張の中には、まだ十分ではない、もう少し、もっとしっかりとしたプライバシーの保護というのが必要ではないか、こういう主張をされる多くの委員もおられたわけであります。さすれば、私どもは三党におきまして、一層個人のプライバシーというものを保護でき得るような措置を政府の方にひとつ督励をし実施させることが必要ではないか、こういうことで合意を見ることができたわけでございます。
この保護のやり方は、御案内のとおりいろいろな方式があると思います。諸外国でも大体三つの方式で、オムニバス方式ですとか、あるいはセクトラル方式ですとかいろいろあるわけでございますが、これらも十分政府におかれましては検討していただいて、一層プライバシー保護が保たれ、この住民基本台帳が国民のいわゆるサービスのために使われるように私どもは期待しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/69
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070・宮路和明
○宮路委員 お二人から既にお話があったとおりでございます。我々としては、今申し上げたような各般の措置がしっかりと、先ほど古賀理事から余り当てにならぬのじゃないかというような、そんな厳しい御指摘もございましたけれども、そういったことのないようにこれはしっかりとやり抜いていかなきゃならない、そしてこの委員会における論議にこたえていかなきゃならない、このように思っているところでございます。
葉山先生におかれても、また我々とともにそうしたことの実現に向けて御支援を、御指導を賜りますよう、どうかよろしくお願いを申し上げるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/70
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071・葉山峻
○葉山委員 先ほど古賀委員も指摘されましたけれども、全国の自治体は、かなり国に先駆けて個人情報保護条例というものを、情報公開と一緒に条例を制定している自治体もかなり数多くあるわけであります。私が住んでおります藤沢でも、市長時代に条例を制定いたしました。
これはやはり、情報公開と同時に車の両輪のように、個人情報の保護ということは非常に大切な問題だというふうに思っておりまして、例えば、図書館なら図書館の利用者については、その図書館で何を借りたか、その問題については、貸し出すときにそれをコンピューターで入れても、本については全部消去をするというような形で、慎重な配慮をとりながら、プライバシーの問題というのはそれぞれの自治体が実施しているところでございます。
ともあれ、こういう問題でありますが、なかなかこれは絵にかいたもちになる可能性が私は率直に言って大きいと思う。財金分離の問題がございますけれども、そういうことになる可能性が非常に強い、こういうふうに思っておるところであります。
そういう意味で、これからの中でこの問題はまだまだ、住民基本台帳法というのは本当に大切な問題でありますから、特にそれが国民の個人のプライバシーと、そして基本的人権と人間の尊厳にかかわる問題であるだけに、慎重な上にも慎重な審議を尽くすべきであるというふうに思っておりますが、ともあれ、私、もう時間が参りましたので、質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/71
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072・坂井隆憲
○坂井委員長 次に、土肥隆一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/72
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073・土肥隆一
○土肥委員 いっぱい質問は流しましたけれども、もう時間も限られておりますから、ごく部分的なもの、しかし非常に重要なものについてお聞きをしたいと思います。
まず、三人の答弁者の宮路、桝屋、鰐淵、三先生にお聞きいたしたいんですけれども、皆さんは、自分の個人的な、プライバシーと一般に言われておりますけれども、プライバシーというものをどういうふうに受けとめておられるのか。つまり、例えば何かの署名を求められたときに、名前、住所、そして生年月日、電話番号、こう時々答えますけれども、そのときに、自分は署名したくないな、こういう署名はやめておこう、あるいはうそを書いておこうというくらい、思いがそれぞれ違うんですね。
今回の法案は、そうした個人の内面的な思いを伴ったことに触れる法案だと思うんでありますが、宮路先生の方から、先生は自分のプライバシーはどのように日常的に考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/73
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074・宮路和明
○宮路委員 大変難しい御質問だというふうに思いますが、プライバシーというのは、まさに個人個人によってその価値観といいましょうか、あるいはプライバシーとは一体何ぞやというその哲学といいましょうか、それは濃淡いろいろあるんじゃないかなと私も思います。ですから、プライバシーの保護法というものをつくろうということについてもいろいろ難しい局面が予想されるという、その辺のゆえんのものもそこらにもまた一つの要素があるのかな、こう思っております。
したがって、おまえのプライバシーは何だと言われてもなかなか一概に私もぱっと答えることができないのでありますが、今回のネットワークシステムの根幹をなす四情報、四項目といいましょうか、こういったものは、私個人の問題として言うならば、それはプライバシーの対象というものからするともう関係ないのかな、私個人はそう思っております。ですから、電話帳に自分の電話番号を載せたがらないというか、載せていない人も結構いらっしゃるようでありますが、私は決してそういうことはなくて、自分の自宅の電話番号も全部ぴしゃっと、あるいは宿舎の電話番号もみんなちゃんと電話帳に載せ、あるいは国会事務局にもちゃんと登録してぴしっとしておるということでございまして、そういうぐあいに日常心がけてやっておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/74
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075・土肥隆一
○土肥委員 ちょうどいいぐあいに宮路先生、お答えいただきましたので、自分にコード番号を打たれるということ、だから四情報は何でもないんだ、プライバシーではない。コード番号も含めて、コード番号も何でもないんですね、宮路先生。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/75
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076・宮路和明
○宮路委員 私は、コード番号も大したことないというふうに、実は、土肥先生、いかがわしいところから、いい取引物があるとかいい商品があるとか、あるいはいい雑誌をつくっておまえさんの名前を登載するからどうだとか、いろいろやってまいります。しかし、これはぴしっと断るものは断っておけばいいわけでありまして、そういう意味で、コード番号も先ほど申し上げた四情報と変わらないのかな、そんな個人的見解を持っておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/76
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077・桝屋敬悟
○桝屋委員 短くお答えしますけれども、私も、この法律をこの国会で担当するに当たりまして、家族で話し合いをいたしました。私にとってのプライバシーは何なのかということで女房と話をしましたけれども、我が家におけるプライバシーは何もない、すべて出ておりまして、ないのだろうと。先週の話でありますが、うちの女房も、あと外へ出て困るものは本当に何もないねと、もちろんそれはこの仕事をやっているからだろうと思います。
自分自身のプライバシーの問題につきましては、私は、この法案を勉強するに当たりまして、同僚の富田議員あたりからも随分教えてもらったわけでありますが、やはり自分に係る情報は自分が管理できる、どこへ流れているかというのは極力そうは言っても知りたい、そして嫌なときはそれをコントロールできる、そうしたものであるべきだな、こんなふうに最近は思っております。
今回の十けたの番号については、乱数群でもありますし、それで特定されるわけではありませんから、四情報と同じでありまして、私もそんなに抵抗はございません。以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/77
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078・鰐淵俊之
○鰐淵委員 私のプライバシーに関しましては、一つは、そのことが知れることによって家庭の不和が起きたり、あるいはまた非常に精神的不安を感ずる、こういったことについては、やはり知られるとまずいと思います。
これは、私は市長時代に電話番号をつけておきました。そうすると、毎日かかってくるんですね、夜の夜中。一回だけじゃない、多いときは二十回くらいかかってくる。もう私はとてもこれじゃ寝られませんので、番号は消しました。電話帳に載せませんでした。これはやはり健康的な面もありますし、家庭の不和もある、これはやはりいけないと思います。
ところが、今の住民基本台帳の四つの情報は、これはもう原則開示、いわゆる閲覧手数料を出しますと、どなたも、日本人であれば、あるいは外国人でも、全部見られるんです。ですから、これは何もプライバシーではないわけですね。
それからもう一つ、コードというのは、やはりコンピューターを活用するということになりますと、これはコードがなくちゃコンピューターというのは全然入っていかないわけです。したがって、やはりコードがあることによって国民の権利義務というものが非常に活用されていく。
そして、自分たちの中央のいろいろな利用でも、これはあくまでも個人の、例えば年金ですとかあるいは国保ですとか、あるいは住民の転入転出でもそうですが、いわゆる国民の権利義務に非常にかかわってくるものでございますので、きちっとした保護の、先ほど言いましたような法律で可能な限りのそういった保護の担保を今しているわけでございますので、私は、ぜひこういった法案は通していただきまして、国民のために活用していただければ、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/78
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079・土肥隆一
○土肥委員 野田大臣にも聞いてみたいと思うのですが、大体同じだろうと思いますので、あるいは鈴木局長にも聞いてみたい、こう思うくらいでございますが、大臣やら役所の看板を担いでいらっしゃいますから、聞くのはやぼだと思いますのでやめておきますが、そこは非常に大事なところだというふうに認識する者もいる、私はその一人でございます。
今、この個人情報をどう蓄積し、それを市場に使って、物品販売からあらゆる分野で、貸金業者もそうでございますけれども、すべての情報はすべて本人確認に行き着くわけですね。本人確認がずれたら、本人確認ができなかったら、これはもう古い名簿になるし、古い情報になるわけでありますから、絶えず本人確認のデータをリニューアルする必要があるわけです。ですから、すべては本人確認に行くのですね。もう間違いないことであります。それはどんな情報であれ、個人に関するものであればそうだろう。
だから、いや四情報だけですよ、自由に閲覧できるのですよ、だから、コンピューターでびゅうっとつないで、国、県、そして市町村、一体化してこのネットワークシステムをやろう。これはもう行政にとってはこんな便利なシステムはない。まずは本人確認ですから、本人確認をしてから、この人に年金を払うべきかどうかとかいうことは全部始まるわけでありまして、言ってみれば、壮大な行政機構における本人確認を徹底してやろう、むだなくやろう、効率的にやろうという法案だろうというふうに私は思うのです。
だから、初めから、とても便利なんです、とても役に立つのです、個人情報は守りますから使わせてくださいと正直に言えばいいのですけれども、なかなか、それは国民の利益にもなりますよ、メリットデメリットとか、市場的な計算もなさる。そんなこと余計なことで、要するに、国が一億二千五百万人の本人確認をしたい、それには何もICカードを持たせる必要も何もない。ネットワーク化して、ひそかにとは言いませんけれども、幾つかの法律が必要ならば最小限法律を決めて、プライバシーだけは絶対に保護しますというふうにしないと、やはり憶測が出てくるのです。
私、きょう建設省に来ていただいておりますが、建設省はこの個人情報のネットワークに参加しようというので、幾つかの仕事を列挙していらっしゃいます。例えば、建設業法による技術検定の実施とか、監理技術者資格証の発行だとか、宅地建物取引業の免許だとか、いろいろ挙げていらっしゃいます。もう一々聞く時間がありませんから端的に聞きますけれども、こういう免許をお与えになって、その免許を持った人が何らかの意味で免許を喪失する、つまり欠格者になるという場合はどういう場合ですか、おっしゃってください。建設省。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/79
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080・三沢真
○三沢説明員 今先生おっしゃいました、その三つでそれぞれ性格の違いがございまして、技術検定は、これは要するに資格と申しますよりも、一定の試験を行いまして、一定の技能、知識を有するかどうかを見るというものでございますので、これについてはいわゆる欠格条項とかそういうものはございません。
それからもう一つ、監理技術者でございますが、これも監理技術者講習というものを受講いたしまして、受講した者に対して監理技術者資格証を交付するというものでございますので、これもいわゆる欠格条項というものはなくて、一定の講習を受けて知識を有すればいいというものでございます。
最後の宅建業法の免許でございますが、これにつきましては、例えば役員等が一定の刑罰に処せられた経歴があるとか、いわゆる欠格条項的なものがございまして、この場合には、その免許を与えられない、あるいはその免許が失効するというものがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/80
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081・土肥隆一
○土肥委員 犯罪者がその資格を持った宅建業者の中に出た場合にはどうやって知るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/81
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082・三沢真
○三沢説明員 これはいわゆる刑罰に処せられたということでございますので、ただ、自動的に刑罰に処せられたという事実が必ずしも把握できるというものではございませんで、いろいろな形で、警察当局から情報をいただいたり、新聞等で見た上で、その上で失格になるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/82
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083・土肥隆一
○土肥委員 今、警察から情報をとるとおっしゃいましたけれども、どうやってとるのですか。定期的に警察から情報があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/83
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084・三沢真
○三沢説明員 定期的なものではございません。
したがいまして、いわゆる免許当局が気づいた範囲で、問い合わせをした上でということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/84
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085・土肥隆一
○土肥委員 随分ずさんなというか、犯罪者であろうが何であろうが、わからなきゃずっと宅建業を続けられるということになるのでしょうね。
警察庁おいでになっていますね。警察庁に聞きますが、今回、この九十二事務に参加なさらなかった。免許証などの事務も持っていらっしゃる。今の建設省の、宅建業で犯罪者などが出た場合、これは犯罪を犯して宅建業の資格を喪失しますよというようなことの情報は流しておられないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/85
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086・玉造敏夫
○玉造政府委員 今の答弁、恐らく誤解に基づくものであろうと思います。
警察は、何のたれがしが刑に処せられたというのを確定的に判定する役所ではございません。したがって、そういう情報は流せません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/86
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087・土肥隆一
○土肥委員 そうすると、警察から情報をとるというのは、建設省、どういうふうにとるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/87
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088・三沢真
○三沢説明員 大変申しわけございません。訂正させていただきます。
警察から情報をとるということではなくて、あくまで免許当局が調べた上で、その上でということでございます。大変申しわけございませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/88
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089・土肥隆一
○土肥委員 何件、宅建業者の免許証を出していらっしゃるのですか、発行数は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/89
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090・三沢真
○三沢説明員 現在まで宅建業者の免許数、免許を受けた宅建業者数でございますが、約十三万九千件でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/90
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091・土肥隆一
○土肥委員 質問通告しておりませんが、毎年何人ぐらい処分をしておられるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/91
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092・三沢真
○三沢説明員 いわゆる監督処分件数でございますが、五百四十二件でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/92
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093・土肥隆一
○土肥委員 自治省に聞きます。
先ほど御答弁もあったのですが、三十条の三十四で、全部読むと長くなりますから。「必要な範囲内で、受領した本人確認情報を利用し、」これはいいです。「又は提供するものとし、」というのは、この「提供」は、だれに何を提供するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/93
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094・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
御指摘の規定で、利用し、提供することという表現を使っております。利用とは、通常みずからの機関において利用する。それから提供というのは、他の機関に提供ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/94
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095・土肥隆一
○土肥委員 さあ、そこで、他の機関にというところがみそでして、例えば建設省が警察庁に、警察庁じゃないということで、では法務省、犯罪者リストはどこにあるのですか、よくわかりませんが、要するに、政府機関に毎年でもあるいは一年に一回でもいいから犯罪者のリストを送ってもらう、警察庁が入っておりませんから、これはまた法改正しなければいけませんけれども。そうすると、例えばこういう人が犯罪を犯したらしいけれどもどうなんですかというような、そういう情報交換はできるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/95
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096・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
本人確認情報ですから、住民票コードと四情報と付随情報に限られております。まず第一点。
それから、国の機関等の受領者においては、別表に掲げる事務の範囲内で行うわけでございますから、別表においては利用事務というものを前提にして、念頭に置いて今回の改正法案で書いておりまして、提供については想定をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/96
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097・土肥隆一
○土肥委員 もう時間が来ておりますから。
では、今度、これから警察庁も入りたいというふうに言ってきた場合には、これはどういう基準でお受けになるか知らないし、警察庁がどういう考えでお入りになるか知らないけれども、そのときに議論すればいいことかもしれませんけれども、いわば本人確認が必要な省庁は全部将来は入ってくるだろう。九十二事務一々聞きたいところでございますけれども、そういうふうな懸念も持たれるということを申し上げて、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/97
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098・坂井隆憲
○坂井委員長 次に、富田茂之君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/98
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099・富田茂之
○富田委員 公明党・改革クラブの富田でございます。ほかの野党から、頑張れという声が飛んでおりますが。
修正案を含めて質疑をさせていただきたいと思います。
まず初めに、修正案の共同提案者の三人の理事の方にお伺いいたします。
先ほど古賀理事の質問の中でも、大分詳しく修正案提出に至る経緯についてお話をされておりましたけれども、どのような経緯で修正案提出に至ったのか、これを簡単に、そして修正の趣旨についてより詳しく御説明を、まず宮路理事にいただきたいと思います。よろしくお願いします。
〔委員長退席、山本(公)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/99
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100・宮路和明
○宮路委員 もう富田先生重々御承知の上で御質問をなさっておられるのかなということを思いますときに、私の答弁で納得していただけるものだろうかどうかという不安も抱きながらここに立ったわけであります。
まず、その経過、経緯でありますけれども、これは、先ほど来申し上げておりますように、あるいは提案理由説明の中でも申し上げたように、ここの審議を通じて、光と影の部分があるというお話、これは古賀委員のお言葉でありますが、言葉は違えどもそういうような趣の御発言が多くの委員からもございました。それが一般的なこの審議の状況だったのじゃないかなというふうにも、今審議の過程を思い起こす中でそう思っております。
したがって、プライバシーの保護、この問題をどうやって克服して、そしてこの法案を我々として通していくにはどうしたらいいかということで、先ほど申し上げたように腐心いたした結果、我が党、公明・改革クラブそれから自由党さんで熱心な協議を重ねる中で、こういった結論に到達をした、こういうことであります。
そして、その中身は、先ほど古賀委員の御質問にもお答えしましたように、我々としては、政府に幅広い総合的な検討をいただく中から、具体的な、有効な措置をひとつ見出して、そしてそれを実行していってもらいたい、こういう願いを込めておるわけであります。
我々として期待するところは、一つは、民間部門をも当然対象としたプライバシー保護のための法整備をしっかりと図っていくということであり、もう一つは、それに応じて住民基本台帳のネットワークシステムそれ自体においても、よりハイレベルの個人情報保護の仕組みと申しますか、措置というものを今後の課題として、要すれば、そういうものもやっていってもらいたい。また、地方自治体におけるネットワークシステムの運用に当たってしっかりした保護措置を講ずるべく、政府としても先ほど申し上げた総合的な幅広い検討の中からしっかりしたものをひとつ見出して、そして自治体に誤りなきを期していくように徹底した指導を図ってもらいたい。
こういったことを念頭に置きつつ、期待しながらこうした規定ぶりにさせていただいているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/100
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101・富田茂之
○富田委員 今の宮路理事の答弁ではちょっとまだあやふやなんですよ。我が党は、共同提案者に桝屋理事がいますから、桝屋理事はもう十分御承知だと思うんですが、今の宮路理事の答弁ではちょっと賛成できないですよ、これは。
なぜかというと、今最初に言われた、民間部門をも対象にしたプライバシー保護のための法整備をする。法整備はいいんですよ。では、私たち公明党・改革クラブがずっと要求してきた包括的な個人情報保護法、これを必ずつくる、これをまずつくって、それからネットワークシステムの運用に入る、そういう手順を踏むというふうに自民党さんは考えているのかどうか、そこをまず宮路委員にお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/101
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102・宮路和明
○宮路委員 今御指摘のあった、包括的な個人情報保護法というものがどういうことを意味するか。これは解釈として、定義としてきちっとしたものもあるというわけじゃないわけでありますが、そのことは、弁護士であられます富田先生も御専門でございますので、あえて申し上げるまでもないというふうに思うわけであります。
我々として、今現にあります個人情報保護の法律としては、御案内のように政府機関のコンピューター処理に関連した個人情報保護法があるわけでありますけれども、こうした政府機関のみならず、民間部門あるいはまた地方自治体、そういうものも含めて総合的な、全体をカバーする、そういうやはり個人情報保護のシステム、法制というものを、政府機関に限らず、もっと幅広くやっていかなきゃならない、そういうことが重要な課題になっている、そういう状況にあるということは我々も十分認識をいたしているわけであります。
そういう意味では、包括的な個人情報保護法といいますか、そういうものも当然視野に入れてやっていかなきゃならない、このように思っておるところでございます。これから政府においてももちろん検討いたしますが、我が党それから公明党さんそして自由党さん、先ほど申し上げたとおり、三党においてもこの国会中にも検討の場を設置し、そして年内には基本的な枠組みをつくっていく、そして三年以内に法制化を図るということを目指してやっていくわけであります。
そういう不退転の決意で取り組んでいくわけでありますから、今おっしゃったところはまさにその基本的な枠組みをどうするかというところの問題に帰着するんじゃないかというふうに思っておるわけでありますが、今富田先生から御指摘のあった点、重々頭のど真ん中に置いて取り組んでまいりたい、このように思っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/102
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103・富田茂之
○富田委員 宮路先生の頭のど真ん中に置いていただくとかなり発言力はあると思うんですが、やはり党としてきちんと取り組んでいただかないと、政党間で合意しているわけですから。
その点について私が桝屋理事に質問するというのも変なものですが、提案者として桝屋理事の方は、個人情報保護法にどういうふうに取り組んで、ネットワークシステムの運用等の関係についてどのように考えているのか、ぜひ御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/103
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104・桝屋敬悟
○桝屋委員 富田委員の質問に答えるのもまたいい経験だなと思いつつ。我が党内は、先ほどからずっと議論が出ておりますけれども、随分この点を議論してまいりました。今の自民党の宮路委員の回答は、後ろから、非常に重大な関心を持って私も聞いておったわけでありますけれども、今のお尋ねは、今回の住基のネットワークシステム構築と、そして私どもが目指しております民間部門をも含めた個人情報保護法制、これがどういう形になるかということです。
先ほどの古賀委員の質問でもありましたが、そんな簡単に法律ができることではない、その重さというのはもう重々我々もわかっておりますし、だれよりもまた、長年取り組んでこられた富田委員が一番それは御承知だろう、こう思います。
にもかかわらず、私どもがぎりぎりの部分で、やはりネットワークシステムをスタートさせるについてはその前提としてそうした法整備がどうしても必要だというふうに考えましたのは、現状の日本の個人情報保護に対する状況が余りにも厳しい、そしてそれがわかっていながらいまだにできない、政府においてもなかなか手がつかない、いろいろな理由があるわけでありますけれども手がつかない。何としてもこの住基というネットワークシステムを本当にてこにして、我が党としては、長年の懸案でありますそうした個人情報保護法制をやっていきたい。それはもうぎりぎりの部分で同時スタートさせなきゃだめだ、こういうことでぎりぎり与党に申し入れをして今日を迎えた、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/104
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105・富田茂之
○富田委員 提案者の意思は大体これで確認できたと思うんですが、大臣にちょっとお尋ねしたいんです。
大臣、修正案が、政府提案ではありませんので、この附則第一条第二項の所要の措置ということについて、自治大臣としてこれに書かれている所要の措置というのはどういうものがイメージとして出てくるのか。この所要の措置に対して現段階で大臣がどのような認識でいらっしゃるのか、ぜひ具体的にお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/105
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106・野田毅
○野田(毅)国務大臣 今修正案提案者のお二人の理事さんからかなり精緻に御答弁があったと思います。基本的には共通認識をいたしておりますが、本当にこの最大のポイントは、政府原案におきましても、システム面あるいは制度面、運用面で、現状において可能な限りの個人情報の保護措置というか、保護の観点から御提案を申し上げておるのでありますけれども、しかし、いろいろ技術がこれから実際にここ数年の間にさらにどんどん進展していく可能性も十分ある。したがって、そういったことに対しても、この法案を成立させていただいた後でも十分それにきちんとした対応をしていかなければいけないという側面もございます。
それから、この法案を御議論いただいている過程の中でいろいろな御意見をちょうだいいたしましたが、特に個人情報の保護という部分について、まだまだ十分な懸念払拭という形まで至っていない先生方もおられるし、そういう指摘もある。そういった中から三党の修正案が出てきたわけでありますから、私たちもまた政府としても、自治省としてできること、それから自治省だけでできないこと、政府全体として対応しなければならないこと、幾つかその辺はあると思います。
しかし、いずれにせよ、政府全体として、これはもちろん自治省も含めてでありますが、一つの法案という形ではないけれども、所要の措置というのは、まさに自治省としてできるものなり、あるいは政府全体としてやるべきものなり、いずれにしても、個人情報の保護、プライバシーの保護ということに実効性が上がるような対応措置をきちんと手当てしていきたいというふうに考えております。その際に大事なのは、民間部門をも含めた個人情報の保護に関するシステムをつくることであるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/106
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107・富田茂之
○富田委員 今大臣の方から、技術もこれから進歩していくし、この委員会でもいろいろ懸念が出されたというふうにおっしゃられました。せっかくこの修正案が出てきたんですから、この委員会で、多分自治省も気がつかなかったような問題点、そういうのも鋭く指摘されたと思うんですね。各委員から、こういう問題があると、随分出てまいりました。
そういう点も、もともと政府案として出した原案が最善のものだという考えじゃなくて、各委員みんな勉強して、いろいろな観点から、こういう点がまずいというのが出ておりますので、今後、一たんこれが仮に成立したとしても、運用に至るまでに直せる部分はきちんと直していく、本当に個人情報保護を全体として万全なものにしていく。技術的な措置も必要ですし、法制度としてもぜひそういうふうに積極的に法改正を、恥ずかしがらずにどんどんやっていくことがこの法案については特に大事なんじゃないかと思うんですが、その点どうですか、大臣。
〔山本(公)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/107
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108・野田毅
○野田(毅)国務大臣 ざっくばらんに言って、余り頼りないようなイメージじゃ困るんですけれども、これから、御指摘のとおり本当にこの世界の技術の進歩は極めて激しいわけでありまして、それにどう対応していくかというのは非常に切実な問題であります。そういう点で、かたくなにならないで必要な手当ては今後においてもやっていくというこの姿勢は、私も保ちながら対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/108
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109・富田茂之
○富田委員 これまで三回ほど質問させていただいて、個別の問題点について、大臣、局長の方から今後検討したいとかいろいろあったんですが、実は私のところに、この委員会の審議を聞いて、実際に傍聴されたり、インターネットで流れているようですので、いろいろそれで見聞きして、ファクスを下さる方が大勢いらっしゃいます。この法案はやはりかなり注目を浴びている。
これまでは、いい質問をした、頑張れ、そういうのが多かったんですが、ここに来まして、住基法改悪の政府原案を廃案にしてください、こういうファクスが多数寄せられています。これはまたいろいろな考えの方がいらっしゃるから、そのとおりだと思うんですが、ちょっとファクスをいただいた方の御了解をとっていないので名前は伏せますが、こういう表現でファクスをいただきました。ちょっと御紹介させていただきます。
地行委での審議が進めば進むほど、住基法改悪案のでたらめさが明らかになっています。野田自治大臣や鈴木行政局長の答弁は、法案成立後検討しますばかり。事前に十分な検討もしないままいいかげんな法案を提案するような自治大臣、自治省官僚が、法案成立後にきちんと検討するわけがありません。たとえ条件つきであろうとも、改悪案が成立したら、住基ネット等国民総背番号制(住民票コード)、ICカードは自治省の思いどおりひとり歩きを始めます。そうなったら手おくれです。とめるのは今。
こういうような御提言をされています。こういう考え方も十分ある。大臣も局長も一生懸命答弁されていたので、全部このとおりだとは思いませんけれども、やはり問題点が出てきたときに、今後の検討課題として残るというような部分が大分あったんじゃないかなというふうに正直言って思います。
せっかく三党で修正案を出して、これから所要の措置を講じていくというのですから、こういう意見にも謙虚に耳を傾けて、直すべきところは直していかないとだめじゃないかなというふうに私は思います。こういう意見も、何言っているんだじゃなくて、大臣も鈴木局長も、ぜひ真剣に聞いていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/109
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110・野田毅
○野田(毅)国務大臣 ファクスですか、何かあったというのは、多分どこかで傍聴しておられた方だったと僕は思うんですけれども、大変謙虚に私は申し上げ過ぎたのかもしれません。ただ、先ほど来言っていますように、制度面、システム面、運用面、やはりこの点について、他の法規にないような厳格な形での個人情報保護の仕組みを本法案においてつくっておるということだけははっきり申し上げさせていただきたい。
しかし、システム面、技術の世界においてはまだまだ進歩するであろうから、あえてそのことを今からかたくなに、一切これで、あとは絶対変えないんですというようなかたくななことは言いませんと言っているんであって、余りあやふやだというようなイメージであるのなら私は困るんですけれども、そこはおわかりいただけることだと思っております。
もう一つ、この問題は、何といっても、システムをつくっていく作業に着手していくということがまず大事であるということもぜひ御理解をいただきたい。システムを形成していくのに着手してから時間がかかっていくという、このこともひとつぜひ御理解もいただきたい。このこともあわせてこの機会にお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/110
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111・富田茂之
○富田委員 ちょっと観点を変えた質問をしたいと思うんです。
このシステムが、この法案が仮に成立して動き出すとしても、私個人としては、ICカード化には重大な懸念を持っております。やはりどうなっていくのかなという不安をいまだに払拭できません。この委員会でも質問が出たかもしれませんが、カードの発行を申請するか否かの意思決定のできない行為無能力者、小さなお子さんとか精神に障害のある方、そういう自分で判断できない方、そういう人たちについてもカードが発行される可能性がありますよね。例えばお子さんのカードについては、お父さん、お母さんが便利だということでカードを持ってしまう。幾ら任意で発行されるんですというふうに自治省の方で言われても、そこに意思はないわけですよね。こういう意思がないわけですから、そういう本当に小さな子供さんとか。
そういう方たちに対してカードが発行される、自分の意思で持っていない人がいる。そういう状況がどんどん広まっていくと、参考人で来られた石村先生もおっしゃっていましたけれども、ICカードが国内パスポート化するんじゃないか、結局、持っていないと何もできなくなってしまう、そういう事態にならないかという懸念はやはりまだ残っていると思うんですよ。
そういうことを考えると、ICカード化、仮にこの法案が成立して進めるにしても、相当慎重な取り扱いをする。韓国では、この前御紹介しましたように、果川という市でモデル事業をやった。モデル事業で、住民の皆さんにICカードが本当にいいのかどうか判断していただいた。韓国の果川では六〇%の方が便利だと言っていたそうです。本当にそれはやってみないとわからない。
そういうことをきちんと、一個実験的にやるとか、実際に動き出すまでにそういうような慎重な取り扱いも必要だと思うんですが、本当にカードの発行の任意性というものは担保できるのかという点と、ICカード化を進めるに当たっても、やはりモデル事業等をやって慎重な取り扱いをすべきじゃないか、この二点についてぜひ御意見をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/111
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112・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
住民基本台帳カードについては、御指摘のように、住民の任意の請求に応じて発行するということで、任意性というものを重視しております。交付申請を義務づけられるものではありません。
現実の運用においても、そういったことが、十分趣旨が理解されるように、これから、市町村主体でありますから市町村、それから都道府県に十分理解していただく努力が必要だと思います。
行為無能力者のお話がございましたけれども、通常は小さい子供さんの場合には親権者という形になりましょうから、そういう方が例えば成人して、自分は、もし親権者の方でそういうことになっていて、カードは要らないという方は返納していただくということですし、そういうことで任意性というものを重視いたしまして、その趣旨を徹底してまいりたいと考えております。(富田委員「モデル事業等は」と呼ぶ)
モデル事業との御提案でございますが、この法律案の施行につきまして、特にカードにつきましては五年以内で政令で定める日から施行ということでございまして、その間の準備期間におきまして、十分そういった点も踏まえまして、実施主体であります都道府県、市町村と協議をして、万遺漏なきを期してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/112
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113・富田茂之
○富田委員 ぜひ、市町村との協議の中で、モデル事業ができるのであれば実施していただきたいと思います。
もう一点、カードについて確認しておきたいのですが、カードが偽造されたり盗用されたときにどうするのかというのがこれまでの審議の中でちょっとまだはっきりしていません。
なぜそういう質問をするかといいますと、ここに一枚のカードがあるんですが、実は、先々週の金曜日、私家に帰りましたら、このカード会社から全然使ったこともない、覚えのない件について請求書が来ていました。四十万を超える金額の請求書が来ていまして、一体これは何だと。私の家内が勝手にカードを使ったのかなと一瞬家内を疑ったんですが、次の日の朝聞きましたら、全然覚えがない。カードは私の手元にあるんですよね。それでも実際に四月の五日にどこかで使われている。それで四十万を超える請求書が送られてきました。
こういうことが実際に、この法案を審議しているときに我が身に起ころうとは思ってもおりませんで、これは磁気カードですからICカードと違うというふうに自治省は言われるでしょうけれども、磁気カードでさえ、磁気カードが出てきたときに、そんなことがあるというのはだれも思わなかったんですよね。ICカードだって、ICカードを導入したときに、ICチップの中に入っている情報が取られないとは限らない、リーダーがいろいろなところに置かれるわけですから。そうすると、やはりこのカード化というのは、そういう意味で、偽造、盗用されたときにどうするんだということを本当によく考えておかないと大変なことになる。
実際、四十万を超える金額を請求されまして、私はアリバイ証明ができたのでよかったんですよね。四月五日、統一地方選挙の応援で朝から晩まで街頭演説をやっておりましたので、どこにいたというのが全部わかりました。そうじゃないと、一般の方に送られてきて自分は使っていないと言っても、カードもあるのに、このカードと同じものをどこかで使うわけですよね。そういうことが現実にあり得るんだ。我が身に起きて初めて、やはりここまでこういうカードの偽造、盗用というのは進んでいるんだなというふうに思いました。
この法案で、ICカードが偽造や盗用されたときにどういう担保を、偽造や盗用されたらどうするんだということを考えている部分があるんでしょうか。ぜひ教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/113
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114・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
住民基本台帳カードにICカードを使用することといたしておりますが、その基本的考え方は、ICカードは高いセキュリティー機能を持つということに着目して、ICカードを使用するということでございます。ICカードの特性を生かしまして、ICカードですと、第三者が不正にカード情報の読み取りとか書き込みを行おうとした場合に、それを自動的に防げる機能がございます。その他の機能もございますが、そういったICカードの特性というものを生かして住民基本台帳カードの偽造が防止できるということで考えております。
また、カードの使用に当たりましては、カード所持者の暗証番号の照合を行いまして第三者による不正使用というものを防止する、また、紛失の届け出があった場合に速やかに全国の端末機での利用を停止する措置を講じる、こういうことで、盗難された場合のカードの悪用防止もできるというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/114
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115・富田茂之
○富田委員 ぜひ万全な体制をとっていただきたいと思います。
それと、時間もあと十分ぐらいしかありませんので、プライバシーの権利とネットワークシステムの関係について何点か確認をしておきたいと思います。
プライバシーの権利の法的性格については、私の方で質問しましたら、鈴木局長の方で明確に、プライバシーの権利というのは、個人の秘密の情報が公開されないこと、また、誤ったあるいは不完全な情報によって自己に関して誤った判断がなされないこと、自己の情報を知りコントロールすること、こういうふうに三つ挙げられて、今プライバシーの権利というのはこういうふうに理解されているという御答弁がございました。
突然で申しわけないんですが、宮路理事、プライバシーの権利というのをどのように理解されていますか。修正案でこれから個人情報保護法の整備をしようという各党の理事さんが、どんな考えでこの個人情報保護法に取り組むのか。プライバシーの権利について全然考え方が違っていたら、せっかくつくられる個人情報保護法も全然また概念の違うものになってしまうと思いますので、ちょっと突然で申しわけないんですが、どのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/115
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116・宮路和明
○宮路委員 プライバシーの権利については、OECDの八原則のああいったこともあったりいたしますが、今御指摘のあった法的性格、どのようなものかということにつきましては、富田先生の御指摘の三つですね、それが通説として、一般的にそういうことが認識されているということは私も承知をいたしておるところでございます。
先ほど、個人としてどういうぐあいに考えるかと土肥先生からお話がありまして、あのときは、私の四情報あるいはコードについてはプライバシーの問題というぐあいにさほど深く認識してはいない、こういうことを申し上げましたけれども、今御指摘のその三点については、そのように理解をいたしておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/116
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117・富田茂之
○富田委員 ぜひプライバシーの権利をそのようにとらえて、個人情報保護法の成立に向けて三党できっちり取り組んでいただきたいと思います。
鈴木局長が、これまでの法案の答弁で、かなり積極的にいろいろ答弁していただいた点があります。それをちょっと再確認しておきたいんですが、本人確認情報の提供を受けた者がデータベースの構築を行うというのは、これがこの法案では許されているんじゃないかというような懸念があるという質問をしましたら、それは目的外使用に当たるから本法案でも禁止されているんだというふうに明確に答弁されました、前々回だと思うんですが。その点、そういうふうに理解していいのか。
また、使用済みの本人確認情報等については指定情報処理機関等それぞれの機関で、内部的な規定だと思うんですが、情報管理規程等を設ける、その中できちんと消去をするように定めるというふうな御答弁がありました。そのように理解していいのか。
この二点について、ちょっと確認させてもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/117
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118・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
第一点目でございますが、法律の別表に掲げられました国の機関等が本人確認情報を受け取って、その機関等はそれを取り扱う権限を有するものでございますから、住民票コードが記録されたデータベースを構成することは禁止していない、このように考えております。
法令で定められた事務処理以外の目的のためにデータベース化することは禁止されておりますが、事務処理の範囲内の場合には、それは住民票コードが記録されたデータベースを構成することは禁止していないということでございます。法令で定められた事務処理以外の目的のために住民票コードなどの本人確認情報をデータベース化することは禁止されているということでございます。
それから、二点目はおっしゃるとおりでございまして、それぞれの機関において本人確認情報の管理規程を定める際には、情報の消去に関する事項も内容に含むべきものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/118
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119・富田茂之
○富田委員 ちょっとこれは提案者にもお尋ねしたいのですが、これまでの審議の中で出てきて、自治省から余り積極的な答弁が出なかったのですが、先ほどの宮路理事のようにプライバシーの権利の法的性格を考えるとすると、例えばこれまでネットワークシステムに関して、国民からの中止請求権、差しとめですね、自分の情報について誤ったものが流されないようにというような、そういう中止請求権についても、この修正案で言う個人情報保護に万全を期するための所要の措置として、今後三党で協議を進めると思うのですが、検討対象になる、すべきじゃないかというふうに私は思うのです。
プライバシーの権利を自己の情報をコントロールする権利というなら、必ずそこから中止請求権、差しとめ請求権というのが出てくると思うのですね、法的に。これもぜひ検討対象にしていただきたい。この点、検討対象に加わるというふうに理解してよいのか、それが一点。
仮に違法な本人確認情報流出が起きた場合に、国民がこれをチェックする手段が今の法案にはありません。ここを整備すること。あるいは、都道府県知事、指定情報処理機関について開示訂正要求が法案にあります。応じなければならないとなっていますけれども、応じなかった場合、都道府県知事や指定情報処理機関が国民からの開示要求に応じなかった場合の規定がこの法案にはないのですね。そういうことについても所要の措置の中に法改正としての検討対象に、私は三党でやるべきだと思うのですが、その点どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/119
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120・宮路和明
○宮路委員 先ほど自治大臣からも、今の改正法案の中において、現在においては考えられる最高の水準のプライバシー保護の規定あるいは措置を盛り込んである、こういうお話もございました。ですから、今の法体系全体のいろいろバランスを考えたときに、今の提案されていますものの中身がしっかりしたものであるということは私もそのとおりだというふうに思っております。
確かに、プライバシーというものについての認識がきちっと富田先生が言われるところまで、あるいは先ほど私が一般通説としてそういうことであるということも申し上げたところでありますが、そこまで国民の認識も高まり、そしてそれに対応した保護措置というものがこれから政府においても検討されますし、また我々三党においても検討していくわけであります。
その過程において、そういうものであるということまで、これからどんどん情報通信の社会が進展していくわけでありますから、先ほどお話がありましたとおり、日進月歩で進んでいくわけでありますから、そういう中にあってプライバシーの保護というのはそういうものだということになるならば、またなってほしいという期待もありますが、おっしゃるようなことで、住民基本台帳法の体系においてもそうしたものを目指していくべきことは当然じゃないかな。私も、今富田先生のうんちくのあるお話をお聞きする中で、そういうぐあいに認識をさせていただいた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/120
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121・富田茂之
○富田委員 もう時間がなくなりますので、最後に桝屋理事に、今の二点と、もう一つ、ずっとこの審議の中で、民間利用の禁止の条文が実効性がないんじゃないかという質疑が大分各委員から出ていました。そういう意味で、任意提供それ自体を禁止するとか、任意提供を受けた者に対する制裁規定、そういうものが必要じゃないかと日弁連が意見書の中でかなり詳しく言っていました。そういうものもぜひ桝屋理事の立場で三党の協議の中に盛り込んでいっていただきたいと思うのですが、その決意をお聞きして質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/121
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122・桝屋敬悟
○桝屋委員 こうした委員会の議事録の残る席でお尋ねをいただいたことに感謝しつつ、これは今のまさに我が党の悩みでありまして、重く受けとめて頑張っていきたいと思いますが、一つは、所要の措置は、これは先ほど三点、宮路理事の方からもお答えがありました。その中で、当然ながら最初の個人情報保護に関する法整備、この形がどうでき上がるかによるわけでありますが、その中で、でき上がった法整備に基づいて、今回の住基のネットワークシステム、そのありようも当然ながら変えていく必要がある、所要の措置の中には私は入っていくのだろう。
そういう意味で、先ほどおっしゃった中止請求権でありますとか、それから開示請求を断られた場合の取り扱いとか、それから今の三点目が中止……(富田委員「民間利用、任意提供」と呼ぶ)任意提供、これは極めて難しい問題を私は含んでいると思いますが、御指摘を受けてしっかり検討していきたい、こんなふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/122
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123・富田茂之
○富田委員 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/123
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124・坂井隆憲
○坂井委員長 次に、春名直章君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/124
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125・春名直章
○春名委員 いつも理事会で御指導いただいている三人の皆さんに質問をさせていただくので、恐縮しています。ただ、質問は質問ですので、フランクにやらせていただきたいと思いますので、まず修正案について日本共産党の立場から質問させてもらいたいと思います。
議論が大分詰まってきているわけなんですけれども、私自身もこの議論を通じて大分認識も深めてきたつもりです。包括的なプライバシー保護法が我が国にはない、個人情報オンブズマン制度がない、プライバシー保護の整備が極めて立ちおくれているわけですね。そういう認識を持っているからこそ、万全の措置ということが今言われているんだと思うのですけれども、そのもとで、多少の利便の向上はあるかと思うのですけれども、プライバシー権の侵害の危険を格段に広げていくという本法案を、改正を急ぐ必要はないという立場で私たちは質問をしてきたわけであります。
修正案が出された段階ですので、私は改めてその感を強くしておりまして、三つの角度から、宮路さん、桝屋さん、鰐淵さん、お三名に、三党に、そして政府に御質問をさせていただきたいと思っています。
その第一は、今急いでこの法案を通過させる根拠自身がなくなってきているのではないか、こういう問題意識でございます。
今の質問の中で、所要の措置とは何かということが議論になりまして、三点ということが言われました。法制を整備していくという問題と、改正案そのもののさらなる個人情報保護措置をしていく、改正案そのものの改善、それからICカードなどの条例で決める運用についてのありようについて特段の指導をするという、三つの中身が所要の措置の中身としてはあるんだということを今お話しいただきました。
そこで、ちょっと確認をしておきたいと思うのですけれども、プライバシーを権利としてしっかり守っていくという基本法が日本にないわけですね。だから、今富田さんの質問にもありましたけれども、地方自治体を含めた、民間を含めた包括的な保護法をしっかりつくるんだということは、選択肢の中の一つであって、やれるかどうかはわからないというような認識なのか。それとも、それは必ずやるんだ。ここが僕は一番のかぎだと思っていますので、包括的なプライバシー保護法は必ずやるんだ。いろいろある中の一つだ、それができるかどうかわからないけれども所要の措置の中の一つの検討課題、そういうふうになっているのでは、ちょっとよろしくないと思うのですね。
そういう点についての各党の御認識、とりわけ自民党、公明党の御認識を確認をしておく必要があると思いますので、その点について御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/125
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126・宮路和明
○宮路委員 先ほど所要の措置というものの中身、どういうことを考えているかということで、我々提案者側として主に三つのことを取り上げてお話をさせてもらいました。
一つは、個人情報保護のための民間部門をも対象とした法整備をきちっとやること。二つ目は、住民基本台帳それ自体あるいは住民基本台帳ネットワークそれ自体としても、これからどんどんと技術的な進歩が図られていく、そしてまた個人情報保護についての意識も高まっていく、そういうことに対応して、足らざるところあればさらなる今以上の保護措置を追加的に講じていくということ。そしてまた、地方自治体がこのネットワークシステムの運営主体でありますので、そこにおけるまた個人情報保護をきちっとしたものとして構築していく。そのための政府としての責任あるいは義務といいましょうか、そういったことなどを申し上げたわけであります。
したがって、イの一番に個人情報保護の法整備を民間部門も含めてきちっとやっていくということを取り上げておるわけであります。
そして、それに向けては、政府は当然この修正案の部分を受けて、それこそ政府全体として懸命な取り組みをしていただけるというふうに確信をしておりますが、我々、党としても、先ほど申し上げたように、三党でかちっと確認をし合って、そして三年以内の法制化を図るということまでその中に盛り込んでやっておるわけでありますから、生半可な気持ちでは決してないということをひとつ御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/126
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127・桝屋敬悟
○桝屋委員 お尋ねでありますが、私は一番いい答えになると思いますのは、先ほどから言っております三党の確認書であります。何もこの三党で今枠組みを決めておるということではないのでありますけれども、この問題に関しましては、内容としては私どもも署名をさせていただいておりまして、個人情報保護に関する法律については、法制化の検討に着手し、三年以内に法制化を図る、こう言っているわけでありますから、御党が、春名先生もこの席で、やはり前提として個人情報保護法制が必要だ、こういうふうに御主張もされておられますし、この点は御理解いただけるのではないか、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/127
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128・春名直章
○春名委員 今桝屋さんからお話が出たのですけれども、所要の措置の中身はそういうことが入っているということで、必ずそれはやるということだと思うのですけれども、その所要の措置を講じることがこの改正案を施行する上での前提である。要するに、この法律の中にはそういうことが何もないので、だから私たちは蚊帳の外で議論しているわけですから。前提である、こういう措置、とりわけ包括的プライバシー保護法については必ずつくるということについて、それが前提であって、施行はそれがなければできない、しない、そういう認識でいいのかどうかですね。
この法律の中では、所要の措置を速やかに講じるとしかありませんから、何もありませんので、これだけで信用せいということはできません。ですから、その点は前提として必ずつくる、これができなければ、民間部門を含めた包括的なプライバシー保護法ができなければこれは実施をしないということで一致をされているのかどうか、改めて御確認を。では、宮路先生からお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/128
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129・宮路和明
○宮路委員 先ほどから申し上げておりますように、この規定は、政府に対して所要の措置を講ずるよう求めているということであり、そしてこの法律の施行も、これまた法律として成立するならば、その施行も政府の責任において施行が決まっていくということでありますから、あくまでこれは最終的な権限を持っておるといいましょうか、あるいは責任を負っているというのは政府であるということだと私は理解をいたしております。
したがって、きょうは自治大臣御出席でありますが、この間、私ども理事会であるいは理事懇で、総理の御出席もいただいて、これはきちっと締めくくり総括をさせていただいて、そして採決に臨むのだ、臨ませてほしいということを何回もお願いをしておるわけであります。
したがって、これは先ほどから所管はどこだというお話もありまして、所管は内閣総理大臣あるいは内閣官房長官ではないかということを私は申し上げたわけでありますけれども、まさにその部分にこれは深くかかわることでありまして、私がどうこうと言う立場にないわけでありますが、あえて修正案の提案者として申し上げさせていただくならば、我々も、先ほど提案理由の中でも申し上げましたとおり、個人情報保護に係る法整備が図られることがこれは極めて重要であるという認識に立っての修正案の提案、こういうことであるわけであります。
したがって、私どもとしては、そうした法体制の整備も三年以内に図る、こういうことを言っておりますこととの兼ね合いも踏まえて申し上げさせていただくならば、これは法整備、それからこのネットワークシステムの本格稼働がやはり同時に進行していくべきものではないかなという期待を持っておる、こういうことは言えようかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/129
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130・桝屋敬悟
○桝屋委員 個人情報保護法が前提かどうかというお尋ねでありますけれども、今の宮路理事の答弁とほぼ同じ、全く同じだろうというふうに思っております。私どもは、個人情報保護のシステムがぜひとも必要であるというふうに考えると同時に、やはりこの住基ネットワークシステムの必要性も考えているわけでありまして、ネットワークの立ち上がりというのは時間のかかる作業でもございますし、私どもは準備作業は進めなくてはならぬのだろう、こう思っております。
したがって、先ほども言いましたけれども、住民基本台帳ネットワークシステムと個人情報保護法制、ぎりぎりのところで同時決着かなと。今回は「所要の措置」の前に「速やかに、」と入っておりますので、私どもも全力を挙げて政治の舞台でも頑張りますし、またそのことを政府に強く期待をしているということでございます。
〔委員長退席、山本(公)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/130
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131・春名直章
○春名委員 今桝屋さんがおっしゃった話の続きになるのですけれども、どうも私がわからないのは、こういう所要の措置、万全を期すためのいろいろな対策が必要だ、これは御認識は一緒ですし、その大きな柱は包括的なプライバシー保護法であるということであれば、私は、その法をつくって、その上に立ってこのネットワークシステムを構築したって全然不思議じゃないのですよ、前提だというふうにおっしゃるわけだから。
個人情報保護についてのさまざまな弱点が今日本にはある、問題点があるということが随分議論されてきた。そして、民間の、そして地方自治体を含めた個人情報保護法をつくるということの重要性は私も認識は一致していますので、それが前提であるというお話だったと思うので、そうであれば、今急いでこの法改正そのものを採択する必要はないんじゃないかと私は思うのですね。国民が急いで望んでいるわけでもないと思います。そして、地方自治体から、必ずすぐやってくれ、そういうごうごうたる声があるわけでもありません。まあ、政府は急いでくれという願いはあるわけですけれども。しかし、議論すればするほど、国民の間に危惧の念、不安の念が広がっているということもこれまた事実のことです。
ですから、前提としてそういう条件が必要なんだという御認識であれば、三党のそういう御認識でもあれば、今急いで、この附則条項を一行つけ加えてこの法律を、ネットワークシステムを決めてしまうということをするのは、私は拙速ではないかなと思うのですね。
だから、さっき一番目の質問と言ったのは、今急いでこの法案を通過させる根拠がいみじくもなくなってきているんじゃないかと私は思っているわけであります。その点についてはどうなんでしょうか。今桝屋さんが少しその辺のことをお話しになりましたけれども、桝屋さんで結構ですけれども、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/131
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132・桝屋敬悟
○桝屋委員 答弁になれておりませんから、答弁が要を得ないかもしれませんが、まさにこれは自転車に乗れるようになったら乗ろう、いつ乗れるのかということ、そんな冗談を、我が党内でも随分議論をして、御指摘の趣旨は痛いほどわかるわけであります。
ただ、よく春名委員にもお考えいただきたいのですが、今回の住民基本台帳の改正案の議論の中でどんなことを我々は把握することができたかといいますと、これほど国民の中で個人情報の保護ということを本気になって議論したこともなかなかないでしょうし、この法案が大変な扉を開いたのも事実でありまして、参考人からも今の年金の、きょうも社会保険庁が来ておられましたけれども、年金の世界が法律の世界でもない、法律でもないところでどんどん運用されているという実態も明らかになったわけでありますし、あるいは、地方自治体におけるICカードのさまざまな運用の実態ということも明らかになったわけであります。
私どもは、まさに先ほど言いましたように、同時決着、日本はそうでなくても、EUにできて、あるいはアメリカにできて日本にできないわけはない、こういうふうに我が党内でも議論をしたわけでありますけれども、確かに個人情報の保護という体制ではおくれている、御指摘のとおりでありまして、それを前に進めつつも、なお二十一世紀の少子高齢化社会に向かって私どもは行政の高度情報化ということも同時に進めなければならぬのではないか、そういうぎりぎりのところで、我が党内でも何とか同時スタートができるように頑張っていこう、こういうふうに決意をさせていただいているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/132
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133・春名直章
○春名委員 私の認識が間違っていたらあれなんですけれども、要するに、現在、所要の措置が必要だという認識は一致しているわけです。そして、それがないもとでこの改正案は実行しないというお話まで進んでいるわけです。それならば、この所要の措置をしっかりとつくり上げて、その所要の措置の中身がこの法案の問題点、危惧されている点を本当にカバーできるものができたのかどうか、そのことを確認して、そしてシステムづくりということに踏み出すというのであれば順序はわかるわけですよ。
しかし、どのような所要の措置がとられるかということは法案には書いてないわけです。それは政治の舞台だというお話になるのかもしれない。いろいろなテーマがあるということもおっしゃられた。それは国民には見えない、やみといったら失礼ですけれども、そういうものですから。それを勘案しないで、所要の措置をとるからこの法案をとにかく通しておいてくれないかということでは、私は納得できないんじゃないかと思うのですね。
自民党の宮路先生、どうでしょうか。私の順序は間違っているでしょうか。ぜひその点の御見解をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/133
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134・宮路和明
○宮路委員 私は、聡明な春名先生の御議論は、耳をよく傾けてお聞きしておったのですが、やはりそこのところはどうも私どもと意見が大分食い違うなということを思ったわけであります。
なぜならば、先ほど、所要の措置の中に三つのことがあるということを申し上げました。春名先生に対する私の答弁の中でも申し上げたわけであります。
それで、住民基本台帳法あるいは住民基本台帳ネットワークでもいいのですが、それの改正、さらなる改正については、先ほど富田先生からも、中止の請求権の問題だとか、あるいは開示請求を拒んだ場合の取り扱いはどうするんだとか、あるいはまたカードのところはどうかというようなお話がございました。そして、それについては、将来の問題として、一般的な個人情報保護法の整備、法体系の整備、そういうものにあわせて、もし要すれば、これからの技術進歩なりあるいはプライバシーの権利の高まりといったものに対応して、ネットワークシステムそのものもさらなる情報保護のレベルを上げていくということを申し上げたわけであります。
それとは別に、包括的なということを今おっしゃいましたけれども、全体的な検討をする中で、民間部門を含めた個人情報保護の法体系というものを整備していくということを申し上げておるわけでありまして、住民基本台帳ネットワークのシステムのさらなる追加的な補完というものとは別に言っておるわけであります。
これは、先ほど桝屋理事からもお話がありましたように、我が国で個人情報保護についての法整備というものが欧米に比べておくれている、これを今度の住民基本台帳法の成立といいましょうか、これを一つの大きなきっかけとして、これに拍車をかけて何としてもいい法整備を図っていきたい、そういう思いが我々の中にはあるわけであります。ですから、それはそれ、住民基本台帳ネットワークのさらなる追加的なものは追加的なものとしてやっていくということを私ども念頭に置いておるわけです。
ですから、そういう意味で、それがなければそもそも法律をつくるというのはおかしいんじゃないかということは我々は考えていないわけでありまして、住民基本台帳法改正案の成立そのものを図ると同時に、その施行についてはまだ大分時間もあるわけでありますので、それまでに国民の皆さんの懸念なり、あるいは不安と申しますか、そういったものも払拭すべく法体系の整備を同時進行という形でもってやり遂げていきたい。そして、その上でさらに、おっしゃるような、先ほど富田先生から御指摘があったような点も含めて、またネットワークシステムにおける個人情報保護のレベルアップを図るべきものは図っていきたい、こういうことを申し上げておるところでございます。
以上、私の説明が雑駁であるいはわかりにくいかもしれませんが、基本的に我々は、先生がおっしゃるようなことを描いておるわけではない、そういうふうにひとつよく御理解を賜りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/134
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135・春名直章
○春名委員 私は、順序としては私が言っている方向でやることが国民にとっても一番納得できるものだというふうに思っているのですね。だから、見解を異にするということになるのかもしれませんけれども。時間がもうあれですので、第二の論点です。
所要の措置の中身の二番目の話なのですけれども、この点では、要するに、今この改正案が持っているいろいろな弱点、不十分さについて改正していく、その話が所要の措置の中身の中に入っているというのをきょう初めて聞きましたので、ああ、そうかと思っているわけですけれども、そうであれば、この修正案で今の欠陥をなぜ出さなかったのでしょうかというのが私の疑問であります。
例えば、民主党の議員さんも私も社民党の議員さんも公明党の富田議員さんも、繰り返しこの問題を質問してきました。プライバシー権というのは自己の情報をコントロールする権利だ、この点は当委員会では一致した認識になっています。ところが、そういうプライバシー権への考え方の到達点から見ると、私がざっとめくっただけですけれども、五つぐらいのポイントで問題があるということが議論されたと思うのです。
一つは、情報の消去規定が法文上明記されていない。管理規程には入れますということになっていますけれども、法文上ないという問題。二は、その情報が不当に使われることへの国民の中止請求権が明記されていないという問題。先ほど指摘もありました。三は、目的外使用に対する行政機関への刑罰規定がないという問題。四は、民間利用については禁止しているというけれども、任意の提供などの対策が非常にお粗末であるという問題。五は、これは古賀先生の質問で明らかになりましたが、ICカードの中の条例で盛り込んだ情報も含めた個人情報の所有権が一体どこにあるのか、これも明確ではない。これから検討するなどという答弁もありました。ICカードの中の個人情報の所有権の問題ですね。
ちょっと頭に浮かんだだけなのですけれども、例えばそういう五つの問題点が、この二十数時間の議論の中で非常に浮き彫りになったわけなのですね。
ですから、こういう問題を今のこの法改正案の中できちっと修正していくという手だてが当然あってしかるべきだと思うのですね。包括的プライバシー保護法がないからこういう中身は入れられないんだ、そういう意見もあるかもしれません。だから一緒にやっていくというふうな話になるのかもしれません。しかし、ないからこそ、問題点が明らかになっているこの不十分さのところを修正していくという委員会の責任があるんじゃないかと私は思うのですね。
それは一切おいておく、附則の中に所要の措置を講じるという一行は入る、こうなっているわけなのですよ。だから、私は、その点がいま一つ解せないなという思いがしてならないわけです。三年以内にそういうことも含めて検討するということをきょう初めて聞きましたので、そうですけれども、修正案そのものとして、こういう問題にもメスを入れるという検討はされなかったのでしょうか。それ自身については三党はどんな御検討をされたのか、御認識をお聞かせいただきたいと思いますが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/135
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136・桝屋敬悟
○桝屋委員 私どもからお答えをいたしますけれども、まず一つは、私個人としては、ここはお答えがなかなか難しいところでありますが、しかし申し上げなければならぬのですが、私どもは、今回の住基法のネットワークシステムについてのセキュリティーといいますか、いろいろな体制というのは、かなりよくできているという認識にまず立っているわけですね。
それで、では所要の措置の二番目が、今の制度そのものを見直す、こういう内容を御指摘ありましたけれども、それはどういう趣旨かといいますと、まさに民間をも含めた個人情報保護法制というものをつくり上げる。その一般法ができた暁には、その過程においては、当然ながら、そのレベルの法整備をするということは、三年というふうに時間が区切られておりますけれども、やらなければいかぬことは、国、地方、民間を通じての話でありますから、大変な作業になると私は思うのですね。
それでできた法律の法整備のレベル、そのレベルから見て、今の住基ネットワークシステム、ここに見直しをかける必要があるということであれば、それはやりましょう、こういう意味合いでありまして、先ほどの富田委員からの指摘はまさにその部分に該当するものではないかな、このように思っております。
なお、一般法を整備するに当たりましては、私どもが一番悩んでおりますのは、では守らなければいけない個人のプライバシー、個人情報というのは何なのか。あるいは、さっき自己の情報のコントロール権という話がありましたけれども、これとても、広く今の日本の国民に定着している概念かどうかというのは十分検討する必要がある。その定義づけということも、まことに難しい作業だろうと思っております。
そうした一般法の形をきちっと整えた上で、再度この住基ネットワークシステムを見直そう、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/136
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137・春名直章
○春名委員 宮路先生にたびたび聞いて恐縮ですけれども、今のお話で、共通認識かどうかなのですけれども、包括的プライバシー保護法がしっかりでき上がって、そのレベルに達して、その作業が大変だということは事実だと思うのですよ。物すごく大変だと思いますね。そのレベルから見て、このネットワークシステムの法改正案はさらに見直さなければいけないということで、今の法改正の修正はその次の段階の話だということだったと思うのですけれども、そういうことなのですか。自民党としてもそういう御認識なのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/137
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138・宮路和明
○宮路委員 結論から言うと、今の桝屋先生の御答弁と同じでございます。
つまり、先ほどから御指摘のあった中止の請求権の問題だとか、開示請求に国や都道府県が応じなかった場合のそれに対する対抗措置の問題とか、それからもう一つは、公務員の目的外利用の場合の罰則の話をされましたけれども、そこは、今のところ、まだそこまでどうかなという感じがいたすわけであります。
先ほど自治大臣の方からも、今の保護措置は、現在考えられる技術水準なり、あるいはまた他の法律とのそうした罰則等々についてのバランス、いろいろ考えた場合、一番最高のレベルのものをちゃんと盛り込んであるという御答弁だった。桝屋先生のお話も、今そういう御答弁でした。私もそのように思っておりますが、今後、将来の問題として、先ほど御指摘の点は検討の対象になり得るであろうと。
それは、一般の個人情報保護というものについての法体系の整備がなされていく中で、この住民基本台帳ネットワークの世界がそれに見劣りがするということであってはいかぬ、そういう意味で、それも当然、所要の措置を講ずる中の一環としてとらまえるべき問題である、こういうぐあいに認識をいたしているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/138
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139・春名直章
○春名委員 私は、率直な、単純な人間ですので、今浮き彫りになっている問題にきちっと手をつけて、それを解決していく。将来どうなるかわからないということにゆだねてしまうのじゃなくて、今浮き彫りになっている問題、それは所要の措置を講じなければいけないということで同じ認識をしているわけですけれども、その法案の問題を解決していくという姿勢こそが、国民に納得を得る一番の力になるというふうに私は改めて申しておきたい。
それから、この間の議論を通じて、この間の議論が一変してしまうような問題意識を僕は持っていることがありますので、あと一点、三番目の問題で、どうしても政府、行政局長にお話を聞いておきたいと思います。
四月二十日の私の質問に対して、この法律案について、本人確認情報の保護措置というものを制度的に十分講じている、これを導入する前提としては、民間部門も含めた包括的な個人情報保護法の制定を要するものではないと。つまり、ネットワークシステムの中で十分保護措置を講じていて、民間利用を禁止しているから、民間部門を含めた包括的な個人情報保護法の制定は必要ではない、別個の問題であると。これは繰り返し言っております。何回も言っております。大臣も言われております。この考えに政府は今も変わりがないのかどうか、この点をまず確認したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/139
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140・鈴木正明
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。
このネットワークシステムにおきましては、本人確認情報の民間利用を禁止するとともに、制度面、システム面などあらゆる個人情報保護措置を講ずることとしていることから、このシステムの導入の前提としては、民間部門を含めた個人情報保護に関する法整備は基本的には不要であると認識をいたしております。
しかし、法案審議などにおきまして、現時点で可能な限りの個人情報保護措置を講ずるという説明を繰り返し行ってきたわけでございますが、なおプライバシー保護に対する漠然とした不安、懸念が残っているのも事実でございます。
他方で、急激な情報化社会、ネットワーク社会の進展の中で、民間部門を含めた個人情報保護に関する法整備を早期に進めていく必要性が一層高まっているとの御議論が当委員会においてもあったところでございます。今後、地方団体が主体となって、全国民を対象としたこのシステムを円滑に導入していくためには、国民の皆さんの十分な理解が不可欠だと考えております。
こうした状況の中で、このシステムが実施されるまでに、民間部門を含めた個人情報に対するこのような不安、懸念を払拭するよう努めるとともに、このシステムの円滑な導入を目指していくことといたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/140
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141・春名直章
○春名委員 時間が来ましたので。保護措置を講じているから導入の前提としては必要ないということは変わらないという御答弁をされたのですね。違うのですよ、三人の認識と、三党の方と。もっと十分やらなければいけない、万全の措置をとるのだということが必要だから、そして、まだ懸念が、私らみたいな人間がいるので、もっと万全の措置をとらなければいかぬというようなことをおっしゃっているようにしか聞こえません。
その点は私は非常に疑念を持つといいますか、今まで二十数時間、まだまだ少ないと思いますけれども、そういう議論を通じて、万全の措置をとってきた、民間に対しては特にそういう厳しい規定を設けてきたので前提にする必要は一切ないとおっしゃってきたのですね。しかし、それが一変して覆されて、いや、そうではないから前提としてやらなければいけないというような話になると、そのことを私がにわかに理解するというのはなかなか難しいということを私は最後に申し上げまして、さらに審議をしていきたいという決意を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
〔山本(公)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/141
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142・坂井隆憲
○坂井委員長 次に、知久馬二三子君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/142
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143・知久馬二三子
○知久馬委員 社会民主党・市民連合の知久馬二三子でございます。
私も、この改正案につきましては、本会議でも質問させていただき、この委員会でも質問させていただいておりますけれども、先ほどからずっと聞いていますが、聞けば聞くほどに、いつも言いますように理解に苦しむようなことばかりが、問題点が浮かび上がっているということです。住民基本台帳ネットワークシステムの導入が住民票コードという国民総背番号制につながる本当に大きな怪物ですね、モンスターですか、そういうものが生まれてきはせぬかというぐらい疑っているというか、そういうような疑念を持っております。
最初に、時間が少ないものですから、提案者の皆様には本当に日ごろから大変お世話になっておりまして、ありがとうございます。それで、一言だけ、先がたと重複するとは思うのですけれども、私の場合は、修正案が出されたのが金曜日でしたから、その前に新聞報道等では、三年以内に包括的個人情報保護法を制定するということで合意されたということを見たわけなのでして、ではそういうことで合意されたのならわかるな、保護法が整備されるということになればと思ったのです。
今お聞きしますと、個人情報保護を満足する所要の措置の内容について、先ほど自治大臣もおっしゃっていましたけれども、民間部門を対象とした個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを整えるということも言われたのですけれども、非常に抽象的なことで、先がたたくさん話されましたけれども、NHKの「こどもニュース」というのがあります。その中でとてもよくわかるように説明されるのです。私単純な頭でしてなかなか理解ができないので、簡単に、包括的個人情報保護法を制定します、それに合わせて住民基本台帳ネットワークシステムをそれができた上にそのシステムを導入するのだということがなぜ言えないかなということをお聞きしたいのです。
もう一度、重なるかもしれませんが、なぜ包括的個人情報保護法を制定しますということが言えないかなということでございます。そのことについてお伺いしたいのですけれども。お三方にお願いします。御教示をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/143
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144・宮路和明
○宮路委員 所要の措置の中身でありますが、そこで我々が提案者として政府に期待しておりますこと、先ほど申し上げたように、法文が、政府は速やかに所要の措置を講ずることというふうに書いてありますから、政府に所要の措置を講ずることの義務を課している。
ですから、これは政府の方で最終的にはお考えいただくということなのでありますが、あえて私ども提案者としてどんなことを期待しているかということを申し上げさせていただきたいということで、先ほど三つばかりのことを申し上げさせていただいた。
最初に申し上げた三つのうちの一つが、個人情報保護に関する法整備を含むシステムを整えること、こういうことなのでありますが、その中には先ほど御指摘のありました包括的な個人情報保護法というのですか、それは仮称ですね仮称、一体それもどういうものかということについては、先ほどどなたかの御質問の際に申し上げたように、包括的個人情報保護法というのは一体どういうものなのかという定義は、その人その人によっていろいろまちまちだと思うのです。解釈も。
ただ、我々としては、さはさりながら、今ありますのは役所のコンピューター処理に係る情報の保護については、総務庁の方で提案されてつくった法律がございまして、政府部門は一応ある。しかし、それでは足りないのであって、民間部門なりあるいはまた地方自治体の部門なりあるいは特殊法人の部門もあるかもしれません、そういったことで、より幅広い総合的な個人情報保護の仕組み、法整備ということは当然視野に入れて検討して整備を図っていってもらいたい、こういうことをその中で期待いたしておるということが今の一番目のことでございます。
そういったことでおわかりいただけるか、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/144
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145・桝屋敬悟
○桝屋委員 長いお答えだったものですから質問の趣旨がわからなくなってしまいましたけれども、先ほどの知久馬先生のお話は、包括的な個人情報保護法が前提というならば、なぜそれをはっきり言わないのか、明文の規定をしないのか、こういうお尋ねかなという気もするのであります。
お答えになるかどうかでありますが、今回の住民基本台帳法の一部改正案は、参考人の質疑でもありましたけれども、言ってみればまさに本人確認情報の個人情報保護法みたいな役割があるわけでありまして、それはそれで一つの完結をしているわけです。厳しい御指摘もありましたけれども、私は相当きちっと精査されたものだと思っておるわけで、今先生お尋ねの包括的な民間をも含む個人情報保護法ということになりますと、それは全くまた違うジャンルの話でありまして、大きい話になりますから、例えば、この法律の中であわせて明文の規定をするということもいかがかな、こういう気がしているわけであります。
ただし、現在までの委員会審議の議論を踏まえて、政府全体で取り組んでいただく課題として附則の修正ということがなされたというふうに私どもは理解しているわけであります。
先生のせっかくのお尋ねでありますから、私ども、まだ野党でありまして、総理のお話もぜひ伺ってみたいというふうにまだ今日思っているところでありまして、御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/145
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146・鰐淵俊之
○鰐淵委員 それでは、今二人の理事さんから詳しくお話ありましたので、そう変わりはないのですが、この一部改正する法律案、政府として相当万難を排して提案された、このように思います。それだけに、いろいろな規定も設けながら、ぜひひとつ国民のサービスにこたえていく、こういう趣旨があったんだと思います。
しかし、この委員会で議論する中で、まだまだ特にプライバシーに関する問題については欠けておるんではないか、こういう御指摘が多々あった。そういう中で、私どもは、三党におきまして、「速やかに、所要の措置を講ずる」、こういうことで、早急に国や地方公共団体や民間、検討会を設けて三年以内にそういった法整備ができる、そして住民基本台帳法がきっと施行される、こういうぐあいに期待をしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/146
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147・知久馬二三子
○知久馬委員 この点についてはまだまだ聞きたいことがあるのですけれども、ここで終わりにしまして、自治大臣にお伺いしたいと思うのです。
これまた重ねてになるとは思うのですけれども、今回の最も重大な問題は、このシステムが住民票コードを各省庁共通の個人認識番号として使用することよりも、将来すべての行政機関をオンラインで結ぶことによりデータマッチングの危険性が生まれるという点にあると思うのです。これは前にも言ったことなんですけれども、出生と同時に単一の番号がつけられ、その人が全国どこへ移転しても、あるいは姓を変更しても変わらない番号となるということですね。各行政機関がこの番号に統一化したり併用したりすることは十分考えられます。また、この番号によって他の行政機関が保有する情報にアクセスしてさらに情報を結合することも起こり得ます。そういう意味で、この住民票コードは情報結合のマスターキーの役割を果たすことになると思うのです。
自治大臣の方では、住民票コードの利用拡大については国会で新たな立法措置を行うこととするから歯どめがあるとお答えになっております、これまでの中で。私は、それだけでは全く不十分であると思うのです。このシステムが一たん導入されれば、利用拡大は必至の流れになると考えるものでございます。ですから、包括的な個人情報保護法の制定、とりわけデータマッチングの規制の法的な措置が必要と考えられます。
それで、私がちょっと理解できないのは、これほど問題がある法案をなぜ今急いで成立していかなければいけないかということについての、なぜ急ぐのかということが、まだ私には理解できないのであります。とにかく今回システムをつくってしまえばいいという政府、自治省の姿勢に本当に危険なものを感じておるというところです。住民基本台帳ネットワークシステムづくりに、先がたもあったと思うのですけれども、果たして国民の合意があったかどうかということですね。私は、まだまだ国民的な議論というのが不足しているんじゃないかと思うのです。
例えば、私この間、土曜日の日にはちょっと田植えをしてきたのですけれども、子供たちと一緒に。その中で、この子供たちまでずっと将来的に番号がつくのだろうかと思ったら、何か恐ろしいように感じてきたようなことです。そうした中で、本当に国民の理解というのはどこまで進んでいるか、本当に個人がどこまであるかなということをいま一度お聞きしたいと思いますので、国民的な合意、その辺について自治大臣の御見解を承りたいと思いますので、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/147
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148・野田毅
○野田(毅)国務大臣 たくさんのことを、主として二つの面からおっしゃったと思うのです。急いでとおっしゃったのですけれども、私は、随分のんびりしていると思っているのです。もともとこの問題、四年間かけて幅広く検討してこられたわけでありまして、国会への提案も昨年三月に提案されているわけでありまして、だから国会においては一年三カ月現に国会にかかっているのですから、審議不十分というのは私はちょっといただけないと思っていますよ。私は、そういった意味で、何でも先に延ばせばいいという話ではないと思います。
それで、これはもう余り細かいことは言いませんが、平成八年三月に住民記録システムのネットワークの構築に関する研究会の最終報告書が公表され、同じく平成八年十二月に住民基本台帳ネットワークシステム懇談会での意見の概要が公表されて、これらの報告書が出たときには、当時の新聞でも大きく現に取り上げられてきておったわけですし、懇談会の意見の概要についてはインターネットのホームページへの掲載を行ったり、各方面にいろいろ説明をしてこられた。
これらを基礎に、国会での論議、関係方面の意見等を踏まえた検討が行われて、平成九年の六月ですから二年前でございますが、「住民基本台帳ネットワークシステムの構築について」、これは住民基本台帳法一部改正試案、これが公表されたわけでありまして、そこで自治省としての考え方が提示をされて、そこから幅広く御議論をお願いしますということで、問題提起をしてきているわけです。
その後、平成十年、昨年の二月ですが、その試案に寄せられた意見などをベースにして、さらに個人情報保護措置を加えた上で、この法律案の骨子を公表して、昨年三月に法案を国会に提出をしてきている。したがって、かなり行政当局として手順は踏んできている、私はそう思っています。
ただ、残念ながら、国会における論議が余り、私は余り立法府のことをどうのこうのということはいけませんが、もう少しきちんと当時から、一年以上そういったことをきちっと突っ込んでいろいろ御議論いただいてきてくれるともっとよかったのになという思いが率直にしております、この点は同じ国会議員の一員として。
それから、国民的合意云々ということは非常に大事であります。しかし、やはり直接民主主義制ではございませんで、やはり国会において一体どうするかということをぜひ踏まえて御判断を願いたいと思っております。もちろん、国民の声を十分に参考にするというのは、これは当然の、政治としての当たり前の姿だと思っていますけれども、最終的には、国会議員のそれぞれの御判断、見識において、各党の御判断において決せられるべき事柄である。
それから、いま一つ申し上げたいのは、現在の国、地方を通ずる行政の簡素化、コストダウンということは、効率化、簡素化ということは、私は非常に幅広い国民的合意があると思っております。きょうの御議論でもいろいろありました。関係の役所、総理府初めいろいろ呼んでお聞きをいただいたわけでありますが、総理府の恩給関係の話にしても、やはりどれだけ今手間暇をかけているのか、むだなことに随分費やしているのかということはおわかりいただいていることだと思います。そういう意味で、今本当にこれだけ地方財政だって非常に危機的な状況で、いかにしてそれをコストダウンを図っていくかというのは私は当然の今日こたえなければならない政治の責務の一つであると思っています。そういったことを一体本当にどう考えていくのかということもあわせて御議論もいただきたいし、今日のデジタル化した、デジタル革命と言われるぐらいの中で、単に行政側だけではなくて、住民側にとっても、細かくは言いませんが、利便性がうんと飛躍的に向上していくのじゃないかということも現にあるということです。
それからいま一つ、データマッチングの話があります。
これはもう既に何回か答弁で申し上げておりますが、この住民基本台帳ネットワークシステムにおいては、都道府県あるいは指定情報処理機関、いわゆる全国センター、それから本人確認情報の提供を受けた国の機関、こういったところはその目的外利用を禁じられているわけであります。だから、そういう意味で、そのデータマッチングというのは、自分の所管する、まさにその提供を受けて、それを利用するということの目的でいろいろおやりになることは、それはあると思います。しかし、それ以外の目的でデータベースをつくってみたり、あるいはそれ以外の目的でデータマッチングをやろうということ自体、目的外利用に該当をするわけでありまして、禁止されておるわけであります。
ですから、私は個人情報の保護ということに非常に神経質であるべきは当然だと思います。これから、この高度情報社会において、これは非常に致命的に大事な部分であるということは十分理解をいたしておりますが、ただ、必要以上に、何かすごくプライバシーが侵されてというような、何か情緒的、ムード的な不安感だけがあおられるということは私は不幸なことであるというふうに思います。
重ねて言いますけれども、もう時間の関係上、それ以上言いませんが、システム面、制度面、運用面において、今日可能な限りの保護措置を講じている、ほかの体系にはないハイレベルの個人情報保護措置をここには規定をしておるということもしっかりと念頭に置いて御判断をいただきたいと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/148
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149・知久馬二三子
○知久馬委員 ありがとうございました。
時間がもう来ましたけれども、これまでの説明の中でよくわかりましたが、確かに行政の簡素化などというのはとてもいいことだと私は思います。だけれども、ずっとありますように、これからだって、転入転出なんかは窓口に行かなければならない。国民の負担の、二百七十億の減額になるというような試算も出ておりますけれども、ここら辺あたりが本当にどのような形の中でこういうふうになったか。初期の予算に四百億円、年間の費用が二百億円というものとの整合性みたいなものが、この辺もちょっとまだ問題があるなという感じがいたします。
本当に行政のシステムとしては、確かに簡素化されてとてもいい面がありますし、中には、脱税なんかがなくなっていいではないかという人もあるわけなんです。そうした、ちゃんとコードに載ってしまえば、そういうことがなくなるからいいわという人もありますけれども、やはり総背番号制につながるということに対しては、非常に心配というか、そういう人たちもありますので、その辺のことを、プライバシー保護の問題をしっかり討論していくことをこれからお願いしておきたいなと思います。
どうもありがとうございました。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/149
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150・坂井隆憲
○坂井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504720X01819990608/150
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