1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十一年六月十五日(火曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 二田 孝治君
理事 植竹 繁雄君 理事 小此木八郎君
理事 小林 興起君 理事 萩野 浩基君
理事 北村 哲男君 理事 佐々木秀典君
理事 河合 正智君 理事 三沢 淳君
大石 秀政君 佐藤 信二君
桜井 郁三君 桜田 義孝君
谷川 和穗君 近岡理一郎君
虎島 和夫君 桧田 仁君
矢上 雅義君 河村たかし君
藤村 修君 山元 勉君
石田幸四郎君 倉田 栄喜君
鰐淵 俊之君 瀬古由起子君
中路 雅弘君 深田 肇君
笹木 竜三君
委員外の出席者
参議院総務委員
長 竹村 泰子君
参議院議員 海老原義彦君
参議院議員 江田 五月君
内閣委員会専門
員 新倉 紀一君
委員の異動
六月十五日
辞任 補欠選任
越智 伊平君 大石 秀政君
平沢 勝栄君 桜田 義孝君
武藤 嘉文君 桜井 郁三君
同日
辞任 補欠選任
大石 秀政君 越智 伊平君
桜井 郁三君 武藤 嘉文君
桜田 義孝君 平沢 勝栄君
本日の会議に付した案件
国立公文書館法案(参議院提出、参法第一五号)
午前十時開議
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504889X00819990615/0
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001・二田孝治
○二田委員長 これより会議を開きます。
参議院提出、国立公文書館法案を議題といたします。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。参議院総務委員長竹村泰子君。
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国立公文書館法案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504889X00819990615/1
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002・竹村泰子
○竹村参議院議員 ただいま議題となりました国立公文書館法案につきまして、提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
本年の六月一日で、参議院の議員立法として制定されました公文書館法が施行されて十一年となります。この間、公文書館、文書館の設立促進等の一定の成果が見られました。
しかし、公文書館法は、基本法的あるいは精神規定的な色彩が濃く、公文書等の保存、利用に関し、実際どのような措置をとるかは今後の課題とされておりました。
この点について、国におきましては国立公文書館が置かれているところでありますが、現在は行政に関する公文書等のみを保存する機関となっております。
また、いわゆる行政情報公開法の制定に伴い、各機関における文書管理の体制が整備されることが予想されます。この場合、各機関で保管期間が満了した公文書等をどのように保存するかという問題も考える必要が出てまいります。
そこで、歴史資料として重要な公文書等の国立公文書館等における適切な保存及び利用に資するための法律を制定しようと考えました。
次に、本法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、この法律の目的についてであります。
この法律は、公文書館法の精神にのっとり、国立公文書館の組織、公文書等の保存のために必要な措置等を定めることにより、歴史資料として重要な公文書等の適切な保存及び利用に資することを目的とするものとしております。
第二に、国立公文書館の設置及びその所掌事務についてであります。
現在、政令に基づき総理府に設置されている国立公文書館を、法律に基づき設置するものとしております。
さらに、国立公文書館は、歴史資料として重要な公文書等を保存し、閲覧に供するとともに、歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関する情報の収集、整理及び提供、専門的、技術的な助言、調査研究並びに研修その他の事業を行い、あわせて総理府の所管行政に関し図書の管理を行う機関とすることとしております。
第三に、国の公文書等の保存に関する事項についてであります。
国の機関は、内閣総理大臣と当該国の機関とが協議して定めるところにより、歴史資料として重要な公文書等の適切な保存のために必要な措置を講ずるものとしております。
さらに、内閣総理大臣は、この協議による定めに基づき、歴史資料として重要な公文書等について、国立公文書館において保存する必要があると認めるときは、当該公文書等を保存する国の機関との合意により、その移管を受けることができるものとしております。
第四に、国立公文書館における公文書等の閲覧についてであります。
国立公文書館において保存する公文書等は、原則として、一般の閲覧に供するものとしております。ただし、個人の秘密の保持その他の合理的な理由により一般の閲覧に供することが適当でない公文書等については、一般の閲覧に供さなくてもよいこととしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504889X00819990615/2
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003・二田孝治
○二田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504889X00819990615/3
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004・二田孝治
○二田委員長 これより質疑に入ります。
この際、委員長から、理事会等における各党の御意見を踏まえながら、委員会を代表して、確認の意味も込めまして、以下の三点について、本法案提出者に対して御質問を申し上げたいと思います。
その第一は、本法案第五条に規定する内閣総理大臣と国の機関との協議においては、国全体の歴史資料として重要な公文書等の管理の統一を図る観点から、歴史資料として重要な公文書等についてどのような文書を保存すべきか、また、その場合の判断基準はいかにあるべきか、さらに、そのほかどのような非現用文書を国立公文書館に移管するか、その場合の手続はどのような手続によることになるのか等の基本的な事項について、政府において必要な検討がなされ、かつ、その上で各種必要な取り決めが定められ、その適切な運用が政府においてなされるものと考えておりますが、そのように理解してよろしいか、お伺いいたします。
その第二は、国立公文書館が保存する公文書等の中にも、公開することによって、私的な権利利益を害し、または国の安全や他国との信頼関係などの公共の利益を損なうおそれを生ずるものがあると考えられますが、具体的にどのような範囲の公文書等を非公開とするかについては、客観的かつ明確な基準を政府において策定され、その適切な運用がなされるものと考えており、さらに、個別具体の案件についても、この基準に適合することを中立かつ公正な見地から確認する適正な手続の検討が政府においてなされるものと考えておりますが、そのとおりでよろしいか、お伺いいたします。
その第三は、本法案第六条には「国立公文書館において保存する公文書等は、一般の閲覧に供するものとする。」と規定されておりますが、写しの交付、電磁的記録の利用等閲覧以外の利用方法は認められないでしょうか、お伺いいたします。
なお、同条において「国立公文書館において保存する公文書等は、一般の閲覧に供するものとする。」とありますが、これは何人にも閲覧が可能なものと理解してよいか、お伺いいたします。
以上申し上げましたように、本法案の基本的な考え方は、総じて、さきに成立した情報公開法と同じであると理解しておりますが、それでよろしいか、最後に御確認をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504889X00819990615/4
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005・海老原義彦
○海老原参議院議員 二田委員長の御質問にお答えいたします。
まず、第一のお尋ねでありますが、法案の第五条は、歴史資料として重要な公文書等を適切に保存するための基本的な枠組みを規定したものでございます。したがいまして、歴史資料として重要な公文書等が適切に保存されるためには、内閣総理大臣と国の機関との協議におきまして各種の取り決めを定めることが必要でございます。
提案者といたしましても、この取り決めを定めるに当たりましては、国全体の歴史資料として重要な公文書等の管理の統一を図る観点から、歴史資料として重要な公文書等についてどのようなものを保存すべきか、その場合の判断基準はいかにあるべきか、どのようなものを国立公文書館に移管するか、その場合の手続はどのような手続によることになるか等の基本的な事項についての検討が必要であると考えており、御趣旨のとおりだと思います。
次に、第二のお尋ねでありますが、国立公文書館が保存をいたしております公文書等につきましては、公開が原則となっておりますが、例外的に非公開とされます場合については、その要件を定めた明確かつ客観的な基準の策定が政府において検討されるものと考えております。
また、個別の案件についてのこの基準の適用については、政府において、基準に適合することを中立かつ公正な見地から確認をするための手続を検討することを含め、運用の客観性を担保するための措置が講じられるものと考えております。
なお、去る四月二十七日の参議院総務委員会におきまして、内閣官房長官から同旨の発言があり、さらに、基準の策定後はその適切な運用をいたしてまいりたいと考えている旨の発言がされているところであり、御趣旨のような運用がなされると存じます。
また、第三のお尋ね、すなわち、写しの交付、電磁的記録の利用等閲覧以外の利用方法は認められないのかとのお尋ねですが、本法案第六条には、「国立公文書館において保存する公文書等は、一般の閲覧に供するものとする。」と規定されております。これは、国立公文書館の所掌事務を規定した第四条第一項の規定が、公文書館法第四条第一項を受けて、「国立公文書館は、歴史資料として重要な公文書等を保存し、閲覧に供する」としているため、この規定ぶりに合わせたものでございます。
そこで、写しの交付、電磁的記録の利用等閲覧以外の利用方法が認められないのかという御質問でございますが、現在も、公文書館法第一条に「公文書等を歴史資料として保存し、利用に供することの重要性」が規定されていることを受けて、国立公文書館利用規則において、閲覧のほか、複写、参考調査、貸し出し及び展示の方法による利用が認められているところでございます。この取り扱いは、本法案の第一条にも「歴史資料として重要な公文書等の適切な保存及び利用に資する」と規定されているところから、今後も維持されていくものと考えております。したがいまして、写しの交付については、複写による利用として認められることとなると理解しております。
また、今後受け入れが予想されます電磁的記録につきましては、その種別、情報化の進展状況等を勘案し、適切な利用方法が国立公文書館利用規則において定められるものと考えております。
なお、国立公文書館において保存する公文書等は何人にも閲覧可能かとのお尋ねですが、提案者としては、国立公文書館において保存する公文書等の閲覧については、国立国会図書館と同様、ある程度の年齢制限はありますが、その範囲内では何人にも閲覧が可能なものと考えております。
最後に、本法案の基本的な考え方は、総じて、さきに成立した情報公開法と同じであると理解してよろしいかとのお尋ねですが、提案者としては、国立公文書館において保存する公文書等の公開については、御趣旨のように、いわゆる行政情報公開法と同じであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504889X00819990615/5
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006・二田孝治
○二田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504889X00819990615/6
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007・二田孝治
○二田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
参議院提出、国立公文書館法案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504889X00819990615/7
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008・二田孝治
○二田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504889X00819990615/8
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009・二田孝治
○二田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504889X00819990615/9
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010・二田孝治
○二田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十時十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114504889X00819990615/10
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