1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十一年五月十一日(火曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 杉浦 正健君
理事 橘 康太郎君 理事 八代 英太君
理事 山本 幸三君 理事 山本 有二君
理事 坂上 富男君 理事 日野 市朗君
理事 上田 勇君 理事 達増 拓也君
奥野 誠亮君 加藤 卓二君
河村 建夫君 小島 敏男君
小杉 隆君 桜井 郁三君
笹川 堯君 西田 司君
宮腰 光寛君 保岡 興治君
枝野 幸男君 佐々木秀典君
漆原 良夫君 安倍 基雄君
権藤 恒夫君 木島日出夫君
保坂 展人君 鯨岡 兵輔君
出席政府委員
法務大臣官房長 但木 敬一君
法務省刑事局長 松尾 邦弘君
委員外の出席者
参議院議員 清水嘉与子君
参議院議員 円 より子君
参議院議員 大森 礼子君
参議院議員 吉川 春子君
参議院議員 清水 澄子君
参議院議員 平野 貞夫君
参議院議員 堂本 暁子君
法務委員会専門
員 海老原良宗君
委員の異動
五月十一日
辞任 補欠選任
加藤 紘一君 宮腰 光寛君
菅 義偉君 桜井 郁三君
渡辺 喜美君 小島 敏男君
同日
辞任 補欠選任
小島 敏男君 渡辺 喜美君
桜井 郁三君 菅 義偉君
宮腰 光寛君 加藤 紘一君
五月十一日
組織的犯罪対策法制定反対に関する請願(松本善明君紹介)(第三一三四号)
法制審議会の公開に関する請願(中川智子君紹介)(第三一三五号)
同(生方幸夫君紹介)(第三二一九号)
法制審議会委員の一般国民採用に関する請願(中川智子君紹介)(第三一三六号)
同(生方幸夫君紹介)(第三二二〇号)
子供の視点からの少年法論議に関する請願(中川智子君紹介)(第三一三七号)
裁判所速記官制度を守り、司法の充実・強化に関する請願(保坂展人君紹介)(第三一三八号)
同(保坂展人君紹介)(第三二二一号)
テロ事件再発防止に関する請願(北沢清功君紹介)(第三一三九号)
は本委員会に付託された。
本日の会議に付した案件
児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律案(参議院提出、参法第一四号)
午前十時開議
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505206X01019990511/0
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001・杉浦正健
○杉浦委員長 これより会議を開きます。
参議院提出、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。参議院議員清水嘉与子君。
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児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505206X01019990511/1
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002・清水嘉与子
○清水(嘉)参議院議員 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
平成六年に批准されました児童の権利に関する条約では、児童はあらゆる形態の性的搾取及び性的虐待から保護されることが定められております。
しかしながら、国内における援助交際あるいは東南アジアにおける買春ツアーのように、対償を供与して児童と性交等をすることが社会問題となっております。また、児童の性的な姿態を描写した写真、ビデオテープ等の製造及び販売も問題となっているところであります。
諸外国の多くは、立法によってこれらの行為を厳しく処罰しております。しかしながら、我が国の現行の法律では、刑法の強姦罪、強制わいせつ罪またはわいせつ図画頒布罪によって一定範囲で処罰されることはありますが、対償を供与して児童と性交等をすることは、十三歳以上の者に対しては暴行または脅迫を用いない場合には原則として処罰対象にはなっておりませんし、児童の性的な姿態を描写した写真等であって諸外国においては児童ポルノとして取り締まられているものすべてが刑法上のわいせつ図画に該当するものではないのが現状であります。
そこで、児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害していることの重大性にかんがみ、児童の権利の擁護に資するため、児童買春、児童ポルノに係る行為等を処罰するとともに、児童の保護のための措置等を定めるこの法律案を提案した次第でございます。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、この法律で保護される児童を、十八歳未満の者としております。
第二は、児童買春の処罰であります。児童等に対償を供与して児童と性交、性交類似行為または自己の性的好奇心を満たす目的で児童の性器等、すなわち性器、肛門または乳首をさわり、もしくは児童に自己の性器等をさわらせることを児童買春として処罰するとともに、児童買春の周旋や周旋目的での勧誘を処罰することとしております。
第三は、児童ポルノに係る行為の処罰であります。児童ポルノとは、写真、ビデオテープその他の物であって、児童を相手方とするもしくは児童による性交もしくは性交類似行為に係る児童の姿態、他人が児童の性器等をさわる行為もしくは児童が他人の性器等をさわる行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させもしくは刺激するものまたは衣服の全部もしくは一部をつけない児童の姿態であって性欲を興奮させもしくは刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したものをいい、児童ポルノの頒布、販売、業としての貸与、公然陳列またはこれらの目的での製造等を処罰することとしております。
第四は、児童の人身売買の処罰であります。児童を児童買春における性交等の相手方とさせまたは児童の姿態を描写して児童ポルノを製造する目的で、児童を売買した者等を処罰することとしております。
第五は、捜査及び公判における配慮等であります。この法律で処罰される犯罪の事件の捜査及び公判に職務上関係のある者は、児童の人権及び特性に配慮するとともに、その名誉及び尊厳を害しないよう注意しなければならないこととしております。
第六は、記事等の掲載等の禁止であります。氏名、年齢、職業、就学する学校の名称、住居、容貌等により児童がこの法律で処罰される犯罪の事件に係る者であることを推知することができるような記事もしくは写真または放送番組の出版物への掲載または放送を禁ずることとしております。
第七は、児童の保護のための措置であります。児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童に対し、関係行政機関は、必要な保護のための措置を適切に講ずるものとしております。また、このような児童の保護を専門的知識に基づき適切に行うことができるよう、国及び地方公共団体は、必要な体制の整備に努めるものとしております。
第八は、国際協力の推進であります。国は、この法律で処罰される犯罪の防止及び事件の適正かつ迅速な捜査のため、国際的な緊密な連携の確保、国際的な調査研究の推進等の国際協力の推進に努めるものとしております。
第九は、検討条項であります。児童買春及び児童ポルノの規制その他の児童を性的搾取及び性的虐待から守るための制度については、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行状況、児童の権利の擁護に関する国際的動向等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505206X01019990511/2
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003・杉浦正健
○杉浦委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十時六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114505206X01019990511/3
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