1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成十一年四月二十七日(火曜日)
午前十時開会
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出席者は左のとおり。
委員長 小山 峰男君
理 事
釜本 邦茂君
松村 龍二君
輿石 東君
山下八洲夫君
富樫 練三君
委 員
井上 吉夫君
鎌田 要人君
木村 仁君
久世 公堯君
谷川 秀善君
高嶋 良充君
藤井 俊男君
魚住裕一郎君
白浜 一良君
八田ひろ子君
照屋 寛徳君
高橋 令則君
松岡滿壽男君
岩瀬 良三君
国務大臣
自治大臣
国務大臣
(国家公安委員
会委員長) 野田 毅君
政府委員
警察庁長官 関口 祐弘君
警察庁交通局長 玉造 敏夫君
総務庁長官官房
審議官 大坪 正彦君
大蔵省主税局長 尾原 榮夫君
通商産業省機械
情報産業局長 広瀬 勝貞君
工業技術院長 佐藤 壮郎君
建設省道路局長 井上 啓一君
自治省税務局長 成瀬 宣孝君
事務局側
常任委員会専門
員 入内島 修君
説明員
運輸省自動車交
通局技術安全部
長 下平 隆君
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本日の会議に付した案件
〇道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出
、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/0
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001・小山峰男
○委員長(小山峰男君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。
道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/1
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002・山下八洲夫
○山下八洲夫君 おはようございます。
きょう、道交法の一部改正で若干の質問をさせていただきたいと思います。
まず、チャイルドシートの件でございますが、それに入る前にちょっと国家公安委員長とそれから交通局長さんにお尋ねしたいわけでございますけれども、きょうきっと公安委員長さんもこの国会へお見えになるときには大臣専用車で、私の想像するところによりますと後ろにカーテンのついた専用車でお見えになったのではないかな、また交通局長さんも公用車できょうこちらへお見えになったんだろうと思います。後部座席というのは特にシートベルトをしなくてもいいわけでございますが、本日お見えになるときにシートベルトを着用して登庁されたのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/2
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003・野田毅
○国務大臣(野田毅君) つけていませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/3
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004・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) そういう御質問があるであろうということを予想いたしまして、つけてまいりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/4
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005・山下八洲夫
○山下八洲夫君 大変正直な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
シートベルトは昭和六十年九月から着用が義務化になったわけでございますし、私もきのうきょうと意識的にどれぐらいの皆さんが着用して運転なさっているかな、あるいは助手席に乗っていらっしゃるかな、こう見ておりますと、八割から九割ぐらいの方はもうきちっと着用しているなというような感じはいたしました。かなり高い着用率だというふうに私も判断したわけでございます。
そういう中で、シートベルトというのは自分自身が不幸にして事故に遭ったときでも少しでも身を守る、そのために着用するものだと思っております。他人のために着用するのではなくて、自分自身を少しでもけがから守っていきたい、そういう趣旨のものだと思うんです。
そういう中で、せっかく今日の乗用車につきましては後部座席もほとんどシートベルトがセットされているわけでございますが、なぜ後部座席はシートベルトを着用しなくてもいいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/5
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006・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 現行法でいきますと、七十一条の三第三項になるわけでございまして、運転者は後部座席の同乗者に対しましてシートベルトを着用させるように努めなければいけないという、いわゆる努力義務を課しておるところでございます。
シートベルトを義務づけいたしましたときに、運転席、助手席と後部座席について、その辺を担保を伴った義務と努力義務に分けて設計したわけでございますが、それはその当時のシートベルト導入という時期の国民への受け入れやすさというのが一つあったろうと思います。それともう一つは、事故実態といたしまして、前部の座席と後部の座席で事故に遭ったときの致死率等々に有意な差があったということ等によるものであろうと思います。
そのようなものによってそういう制度設計がなされた、それを今も維持しておるということであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/6
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007・山下八洲夫
○山下八洲夫君 確かに、シートベルト着用が導入された当時から比べますと、今日は普通の大衆車と言われる乗用車でも運転席だけでなくて助手席までエアバッグ等がつきまして、相当、前は安全性が確保されているわけですね。
最近ワゴン車というのも随分はやっておりまして、あのワゴン車なんか事故を起こしますと、普通の乗用車より横転率等もかなり高いと思うんです。そういう中で、逆に今どちらかといいますと、衝突をしますと前の席より後部座席の方が私は安全的には低くなっているんではないか、そのような気もいたしているんです。そういうことを考えますと、私は当然後部座席も前席と同じように、どちらかというときちっと義務化した方がいいんではないか、こういう判断をしておるんです。
なぜならといいますと、これから質問に入らせていただきますが、チャイルドシートについては、チャイルドシートベルトといった方がいいのかな、につきましては、後部座席も義務化されているんです。しかも六歳未満の方が義務化されているんです。そうしますと、なぜ六歳未満と六歳以上とを後部座席の場合、峻別しないといけないのか、その辺についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/7
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008・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) シートベルトの方も一応お尋ねということで、そちらの分をまずお答えいたします。
シートベルトの装着、非装着時の事故等々を見ますと、現状におきましても非装着の場合に乗車位置別の致死率を見ますと、依然として後部座席は運転席あるいは助手席に比べまして格段に低いということが数字としては出ております。また、後部座席におけるシートベルト非装着の死者数も年々減少しているという状況もあるところではございます。
一方で、後部座席のシートベルト、それは締めた場合にはより事故に遭ったときの被害が低減されるということもそのとおりでございます。したがいまして、後部座席におけるシートベルトの装着義務につきましては、今後の交通事故の発生状況等々を見きわめつつ、検討課題としてまいりたいというふうに考えております。
それから続いて、六歳未満でチャイルドシートについて切った、六歳未満の者については運転者に使用させることを義務づけたという点についてでございますけれども、シートベルトを適正に着用できる年代に至るまでは基本的にチャイルドシートをつけることが安全上必要なことあるいは望ましいことというふうにまず考えております。
その段階で、どの年齢層で義務づけをするかということになるわけでございますけれども、一つには六歳未満の幼児の自動車乗車中の交通事故による死傷者数が最近五年間で五二%と急増しておるというような点、それから我が国では就学の前後というのが子どもの成長の一つの区切りとして定着しておって、六歳未満と六歳以上を境とするのが子どもにとってあるいは国民にとってもわかりやすく受け入れやすいんではないかというふうに考えたこと、それから本年一月から二月にかけてパブリックコメントを聴取したわけでございますけれども、その中でも六歳未満の幼児を対象とすることにつきまして格別の異論等は出ていないこと等々の理由によるものでございます。
六歳以上の者についても課すのが望ましいのではないかという判断ももちろんあるわけでございますけれども、今回の法案におきましては、現在チャイルドシートというものがそれなりに国民に経済的負担を課すものであるということも考慮いたしまして、子どもの安全確保の必要性と国民にかかる負担の兼ね合いを考慮した結果、六歳未満の幼児に対して運転者に義務づけをするということにしたわけでございます。
もちろん、法案においては使用されるべき対象となっておりませんけれども、六歳以上の児童であっても座席ベルトを適切に装着させることができるようになるまでは、冒頭申し上げましたようにチャイルドシートを使用させることは極めて望ましいことでございますので、引き続きこれらの児童についてもチャイルドシートを使用させるよう広報、啓発には努めてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/8
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009・山下八洲夫
○山下八洲夫君 アメリカは州によってかなりばらつきがあるんです。三歳のところもあれば、四歳未満というのが大変多いようでございます。また、ヨーロッパにおいてもドイツとかイギリスとかあるいはECとか、それぞれいろんな年齢になっているわけでございますが、高いところとなると十二歳ぐらいというところまであるわけでございます。
結局、六歳未満の方のチャイルドシートを運転者に義務づけされてしまう、大体そういうのはファミリーで遊びに行かれる、あるいはファミリーで買い物に行かれる、そういう方が義務化されているんです。
先ほど申し上げましたように、今日の自動車の安全性は率直に申し上げまして相当高くなってきております。そうしますと、六歳未満を義務化するのであれば、この際六歳未満ではなくて当然後部座席も全員義務化していく、これがやはり法の上の平等ではないか、その方がまた安全性の上でもより安全性が高まるわけですから、私は早急に検討すべきだと思うんです。
私は、シートベルトが導入されましたときも同じような質問をさせていただいたわけでございますが、そのときの私の感想では、きっと後部座席には比較的地位の高い方が運転手つきで乗っていらっしゃるものだから、運転手がなかなか着用してくださいと注意ができない、そういうことを大きく配慮されているのではないか、そういう気がしてならないんです。これは、今日でもその気持ちは変わりありません。特に、専用の会社のオーナー車とかだと大体社長さんなんかが乗られる、そういうものについてそこの社員である運転手さんもなかなか社長に注意ができない、そういうことから私は後部座席全員まで行っていないんじゃないかというような気がしているんです。
特に、後部座席というのは前と違いまして、多分統計はとっていらっしゃらないと思いますが、二割も着用していないんじゃないかと、私はそう思います。私自身も反省しないといけないんですが、まず後部座席に乗ってもシートベルトを着用しておりません。
人間というのは変なところがありまして、ある程度法規制されますと、このシートベルトだってそうだったんですね、法規制されて急に九〇%台に上がっていったわけでございます。安全性の問題ですから、ぜひその辺は前向きに早急に検討していただきたいと強く要望したいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/9
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010・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 先ほども申し上げましたとおり、後部座席といえどもシートベルトを着用することの効果というのは明らかなところでございます。現行法上いわゆる努力義務となっているわけでございますけれども、今申しましたような安全性の見地から、後部座席におけるシートベルトの装着につきましても広報、啓発に努めておるところでございまして、実は今回の全国交通安全運動におきましても、シートベルトの着用徹底につきましては前席同乗者のみならず後席同乗者についても正しい着用を促すということを特記しておるようなところでございます。
なお、法制化といいましょうか、義務の強化ということにつきましては、これも先ほど申し上げましたけれども、今後の交通事故の発生状況等を勘案しながら検討課題とさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/10
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011・山下八洲夫
○山下八洲夫君 余りこの問題にいつまでも執着するわけではございませんが、交通事故の発生を勘案してではなくて、事前に防ぐのが一番いいわけでございますので、その辺につきましてはより一層の御検討をいただきたいと思います。
なぜかと申しますと、六歳未満は自己責任がないから親に義務づけするのかな、では十二歳だったら自己責任はとれるのかな、私はさっぱりそういうことはわかりません。あくまでも六歳未満ということになるのなら六歳未満は装着しないといけない、以上はしなくてもいいというのは国民にはなかなか理解されないと思います。そのことをぜひ今後検討いただきたいと思います。
そういう中で、二十二日に参考人の方においでいただきまして、いろいろと質問をさせていただきました。その中で、参考人の国民生活センターの島野さんはチャイルドシートの着用の苦情が大変多いと。危険や危害にかかわる苦情やら、品質、機能あるいは適合性にかかわる苦情とか、表示や修理にかかわる苦情、かなり苦情があるようでございます。これは、義務化されてきますとメーカーも努力されて、こういう問題はかなりこれから解決されていくと思うわけでございます。
JAFメイト社の岩越参考人はモニターをされたそうでございます。女性モニター七人による装着テストでは、どのメーカーのものも時間をかければ装着することができるが確実につけられたかという点では全員落第だ、こういうような参考人発言があったわけです。予想以上にかなり複雑で、きちっと装着をしたというふうに判断してもなかなか実際は専門家から見ると装着されていないというようなことのようでございます。
最近になりまして欧米で研究開発されましたISOFIX、ことし一月に国際標準化機構が決定した固定方式の差し込み式の国際規格、これは自動車メーカーと一体でないと進まないと思いますが、こういう問題につきましてもだんだんと簡単に女性でも装着できるというふうに改善はされると思うんですが、早急にその辺についてはだれでも装着できるよう、これはぜひ考えないといけないと思うんです。
それから、運輸省にも申しわけないんですが、運輸省としてもそういうような今後の行政指導と申しますか、何かお考えがあればちょっとお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/11
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012・下平隆
○説明員(下平隆君) 運輸省といたしましても、チャイルドシートは幼児、少年を守るためには大変に有効な装置であるというふうに考えておりまして、昭和六十年にチャイルドシートの構造上の安全基準を定めておりまして、この基準に従ってどういう装置が基準に合っているか型式の指定をするというふうな制度を運用してまいってきております。
しかしながら、今御指摘ございましたように、チャイルドシートの中には自動車につける場合に大変に苦労しなければいけない、あるいは中にはごく一部でございますけれども取りつけられない車もある、こういうふうな現状もございますので、現在、チャイルドシートメーカー、自動車メーカー等に対し、きちんとした取りつけができるために必要な情報の提供を行うような指導を行っておりますし、また運輸省自身もそういう情報提供をしているところでございます。
またさらに今後、今お話がございましたように、より使いやすいチャイルドシートの開発、普及ということについても取り組んでまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/12
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013・山下八洲夫
○山下八洲夫君 それから、これは一つは運輸省、そして一つは警察になろうかと思うんですが、今回のチャイルドシートで申し上げますと、タクシー及びバスは除外されているわけですが、幼稚園の送迎バスというのはほとんど六歳未満の方なんです。そして、チャイルドシートといったらちょっと峻別しにくいんですけれども、もともと幼稚園の送迎バスはチャイルド、子供に合わせた座席がつくってあるんです。あれに普通の乗用車と同じように三点セットのシートベルトを組み込めば、席がもともとチャイルド用なんですから、もう簡単にチャイルドシートになっちゃうんです、簡単に言いますと。
この辺につきましては、一つは運輸省としましても、幼稚園の送迎用バスを購入するときにはそういういすをつけてシートベルトもちゃんと装着するようにという考えはないのか。同時に、警察もせっかく六歳未満で、それこそ六歳未満の方を専用に乗せますあの幼稚園の送迎バスはその辺はもう義務化してもいいんではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/13
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014・下平隆
○説明員(下平隆君) 幼児専用バスにつきましては、車体の外側に幼児専用車である旨を表示するなど非常に安全対策が講じられておりますし、また使われる場所が幼稚園の周辺ということで、いわゆる高速道路を走る機会も非常に少ない、こういう観点から、これまで幼児用の専用車にはシートベルトの装備、車につけることでございますけれども、その義務づけはしてこなかったという経緯がございます。
しかし、今まさに六歳未満の子供についてもチャイルドシートの使用の義務づけということを御議論されているわけでございますから、今後、私どもとしましても、幼児用専用車にかかわる事故の状況とかあるいは諸外国のこうした車に対する規制の状況、そうしたものも十分に検討した上で、幼児に適したシートベルトを幼児専用車につけるということについて、これから検討してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/14
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015・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 本法案との関連で申しますと、幼稚園の送迎バスにつきましてはいわゆる幼児専用車が用いられているわけでございますけれども、このタイプの自動車の場合には座席ベルトが備えられていないという現状がございまして、その場合にチャイルドシートを固定することが現在のチャイルドシートですとできないということから、今回の法案との兼ね合いでいきますと政令におきまして使用義務を免除ということに考えております。
ただ、基本的に幼児の場合に、委員御指摘のようなチャイルド用のシートベルトと申しましょうか、そうしたものが今後出てくる等々、幼児の安全を確保するための新しい装置が普及した場合には、それに合わせて所要の制度の見直しを当然行うことになりますし、また仮に、今後チャイルドシートの技術革新が進みまして、その取りつけに当たってシートベルトをそもそも必要としないというふうな場合におきましても、その場合に幼児専用車たる幼稚園バスにつきましてチャイルドシートの使用の義務づけを検討する、そういったケースもあろうかと思います。
いずれにいたしましても、そういう装備が現実のものとなったときには、制度の方もそれに合わせて検討し、見直しを行うということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/15
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016・山下八洲夫
○山下八洲夫君 現実のものになったらと、そんなことぐらいは、開発は一晩ぐらいで私はできると思うんです。というのは、乗用車にあれだけ普及しているんですから、それから観光バスなんかにも普及しているんですから、そんなことはもう簡単にできると思います。ただ、あすから行えとか一年後から行え、これは酷かもわかりません。
今日使っている幼稚園の送迎バスのシートを全部大改造しないといけない可能性もありますので、それはある程度、一定の猶予期間も与えながら順次チャイルドシートを送迎バスには必ずつけるということは私は決して難しい話ではないと思いますので、それは前向きに検討いただきたいと思います。それがだんだんとすべての層が後部座席に座られてもシートベルトを着用するという教育にもなっていくんでしょう。
特に、正直言いまして、これは公安委員長にお尋ねした方がいいのかもわかりませんが、ファミリーで乗っていまして六歳未満の人はチャイルドシートを着用しないといけない、隣で母親はしなくていいといった場合、大変な私は矛盾を感じるんです。大体子供は親の後ろ姿を見て育つんですから、母親はしていない、そして子供にしろしろと命令しても、これはなかなか六歳未満の子供は理解しないと思います。そうすると、おのずと母親もシートベルトを後部座席でも着用して、子供につけなさいよと、こうなってくるから、子供から逆に見習って教育を親がされるという逆転現象でございます。
いずれにしましても、将来的に後部座席も着用を義務化すべきだと思いますが、国家公安委員長はその辺につきましてどのようにお考えをお持ちでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/16
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017・野田毅
○国務大臣(野田毅君) いろいろ話をお伺いしておりますと、なるほどなと思うこともたくさんあるわけで、できるだけ事故がない方がいいんですが、もし仮に不幸にして遭った場合にでもどうすれば被害を最小限に食いとめることができるかという中で、後部座席においても極めてそれが有効であるというようなことがだんだんわかってきたわけですから、十分検討に値する課題であるというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/17
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018・山下八洲夫
○山下八洲夫君 それでは、運輸省にせっかくおいでいただきましたので、余り時間がありませんので移らせていただきたいと思います。
自動車損害賠償責任保険、自賠責とメーカーの製造物責任、PL法の関係についてお尋ねしたいと思うんです。
せんだっての参考人質問のときにも、参考人の国民生活センターの島野さんが「論壇」に書かれたことを参考人にお尋ねしたんですが、特に
興味ある事実も判明した。チャイルドシートの欠陥が原因で幼児が死亡したとしても、事故に遭った乳幼児の損害額が三千万円として、その額が自賠責で補償されれば、メーカーは損害賠償をしなくても済んでしまうのである。
メーカーの製造物責任(PL)を問う訴訟を提起することはもちろんできるが、判決までに二年以上を費やすと自賠責の方は時効にかかってしまう。私は、自賠責は被害者を救済するには優れた制度であると思っているが、PLの観点から見ると、こうした不合理が生じてしまう一面もあることを指摘しておきたい。
ということで記されているわけです。
確かに、これ見ていきますと、自賠法の第十六条一項、第十七条一項で二年を経過すれば時効になる。それから、民法の第六章第一節で救済措置はあるんですが、たとえチャイルドシートだけではなくて、自動車にしても同じなんですが、これはPL法でメーカー責任を問おう、その欠陥で問おうとした場合二年間で時効になってしまうという、ここちょっと矛盾があると思うんですが、この矛盾をある意味では解消して、やっぱり事故をやった場合、これは自分の過失なのか、いや製造物責任なのか、これは考え方が随分相反する考え方ですから、特にメーカーなんかなかなかPLを認めようとしませんから、当然裁判も長くなると思いますので、この辺につきまして、今後改善するようなお考えがないのかどうか、その辺についてお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/18
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019・下平隆
○説明員(下平隆君) 今、お話がございましたように、自賠責保険の請求権にかかわる時効は二年でございます。現在の制度では、PL法の訴訟でメーカーの責任を問うているという場合であっても、自賠責の請求をいたしまして中断の手続をいたしますと時効の中断ということが可能でございます。
それで、今お話がございました特に自動車メーカーの製造物責任との関係でございますけれども、まず、自賠責は被害者の迅速な補償というのがその大きな目的でございますので、被害者から請求があれば保険会社は支払い義務に応ずるという制度になっております。したがいまして、自賠責保険は被害者に一たん支払うということは可能でございます。例えばメーカーが絡む場合でございますが、これはもう既にある事例でございますけれども、被害者から請求を受けて保険会社が被害者に自賠責の支払いをした後にメーカーに責任があるというふうに判明した場合には、保険会社からメーカーに求償権を発動して請求をするということが可能でございますし、現にこういう事例がございますので、こうした形でその間の整理ができるのではないかなというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/19
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020・山下八洲夫
○山下八洲夫君 今の御答弁、納得はしていないんですけれども、もう時間がありませんので終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/20
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021・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
今般、道交法の一部を改正する法律案が審議されておりますけれども、チャイルドシートの着用の義務化が中心内容でございます。我が党も古くから交通戦争に真正面から取り組んできたところでございまして、この方向性は我が党においても是認し得るところでございますが、若干ちょっとわかりにくい点もございますので、短時間でございますが、何点か質問させていただきます。
お経読みの段階でも所要の規定の整備等言われて、ちょっとわかりづらいところから先にお聞きしたいんですが、今般、百十三条の四という規定が挿入されます。この法律に基づく国家公安委員会の権限に属する事務を長官の方に委任するよと、一項目だけ除いて委任するという内容でございます。
調べたら、道交法上、約二十項目、権限の規定がございまして、一項目だけ除いて十九項目を委任すると。衆議院の審議を見ておりますと、局長の方から、いや、今予定しているのは二項目だけですと。では、あと十七項目はまるで白紙委任のような状況になるわけでございますけれども、せっかく道交法上、法律で国家公安委員会の権限としなさいと言っているものを何でこういうふうに白紙委任状態に持っていくのかよくわからないので、簡潔に説明していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/21
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022・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 国家公安委員会におきましては、道路交通法の規定に基づきまして、その権限に属する事務を行っているところでございます。この事務は、道路交通をめぐる情勢に対応した法改正によりまして次第に増加しておるところでございます。
そういうことから、このたび国家公安委員会の事務負担の軽減という観点から、引き続き国家公安委員会の判断を要する重要な事項、あるいは複雑な事項につきましてはこれまでどおりみずからが行い、それ以外の単純、軽微なものにつきましては国家公安委員会の管理のもとにある警察庁長官にその権限を委任し、警察庁長官の権限としてこれを行うということにしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/22
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023・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 ちょっと質問の趣旨に答えていないようですが。
要するに、一項目を除いてあと全部委任すると。今、局長は二つだけを委任する予定ですということですけれども、ではあとは白紙委任でお任せになっちゃうのかという趣旨なんです。今予定されている二つといっても、例の百六条と百七条の六でございますけれども、ではどのぐらいの案件があるのか、事前に説明を受けました。
国家公安委員会への報告あるいは都道府県委員会への通報、平成十年度で年間三千百万件。三千万件を超えたら、これは委員会でもできませんね。かといって、では長官も全部一件一件できるのか、それはできやしないと。事実上、総枠としての報告を受けたりするだけだと思うんです。また、百七条の六、これは運転禁止等の報告の受理でございますけれども、これも平成十年は五百件。一方は三千百万件、一方は五百件。これは別に長官にお任せしなくても委員会でできるのではないのか。そうすると、一体何のために二つだけやるのかと。一方、その二つをやるために何であと十七項目もあらかじめ政令にお任せするような規定ぶりをつくるのか。この辺がわからないものですからお聞きしているのですが、簡潔に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/23
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024・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 先ほども申し上げましたように、国家公安委員会の事務というのが非常にふえてきたということで、一部極めて簡易なものといいましょうか、単純、軽微な事務についてはこれを委任するという規定を設けたものでございますけれども、実際に何を委任するのかということにつきましては政令事項として内閣の判断ということになりますし、その前提として当然のことながら国家公安委員会がそれを御判断になるところでございまして、当面考えられるのは今委員も御指摘になられました二つであろうと。今ある十数項目を精査しても恐らくその二つだけであろうというふうに考えているところでございます。
ところで、どうしてこういう規定を設けたかということになるわけでございますけれども、警察庁の所管法令の例えばいわゆる暴対法あるいは風適法の中にも同様の規定が設けられておりまして、言うなればこの改正案はそれと並べたといいましょうか、これに倣ったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/24
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025・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 警察の方の趣味と言ったら怒られちゃいますけれども、そういうふうに横並びの規定ぶりをしようということだと思いますけれども、ただ、国家公安委員会の委員も国会の同意人事になっていまして、要するにそういう大事な委員会の権限を何で長官に任せちゃうのかなというのがもう一つまだわからないんです。その点について国家公安委員長はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/25
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026・野田毅
○国務大臣(野田毅君) いろんな考え方があると思うんですが、大体、本来国家公安委員会という、形としては通常の役所の、中央省庁のやり方とは違うシステムになっている。その最大の趣旨は、特に治安関係について、より民主的な警察に対する管理という側面からこういう制度になっているわけで、そういう意味で、交通安全の問題というのは、できるだけ、軽微なものであれば警察庁の方に、実動の方により実効あるやり方でやってもらうという方がいいのかもしれない。むしろ、そういう意味で、国家公安委員会の仕事のメーンのものがなぜそういう仕組みをとっているかという趣旨からいくと、交通安全の問題と治安関係ではちょっと違うんじゃないかというのが、この御質問がある問題意識を魚住先生が持っておられることについて私なりに考えてみると率直にそういうことかなと。
そうであれば、中央対地方ということでいえば中央の権限をできるだけ地方に任せていくし、あるいは、同じシステムの中でも上の方で判断しなきゃならぬことは、できるだけ地方に任せていく。例えば、国の出先機関と本省における仕事にしてもできるだけ実動部隊の方にゆだねていくという形の方がより実践的なのではないか、そんなことがあって、私は、この部分に限っての権限を国家公安委員会から警察庁長官の方に移していくということは、ある意味では時代の流れに沿ったことなのかなというふうに思っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/26
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027・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 確かに交通安全と治安とはまた別かもしれませんけれども、ただ免許に関する事務についても、今は車社会になっておりまして、やはり治安の問題にも直結する問題だろうと私は思っております。
一方、受ける側としての警察庁長官にお聞きしたいんですけれども、公安委員会でもこの三千百万件なんて実際に全部目を通すわけにはいきません。長官が幾ら超人的なパワーを発揮しても三千百万件なんて全部見られるわけではないわけです。実質的な運用としては実態は変わらないだろうと私は思っております。
また一方、今、公安委員長からもお話がございましたけれども、民主警察ということを言われておりますが、ただこの方向性は逆に民主警察から遠のいているというふうに私には見えるわけでございます。長官はどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/27
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028・関口祐弘
○政府委員(関口祐弘君) 大臣あるいは交通局長から御答弁申し上げたことに尽きるわけでございますけれども、委員御案内のように、現在、警察の制度は、警察の民主的な管理を保障する、また政治的な中立性を確保するというふうな見地から、国及び地方におきまして公安委員会制度というものがつくられているわけでございます。道交法に関する権限につきましても当然のことながら公安委員会、国家公安委員会の事務とされているものがございますし、またその事務が最近の道路交通情勢の上からますます多くなってきているということも事実でございます。
しからば、それをすべて公安委員会の負担ということにしますとかなりの過重な部分もあるということで、ある部分につきまして警察庁長官に委任をしていただくというのが極めて合理的であろう、これは他の所管法令との関係におきましてもそうしたことがよろしかろうという御判断で今回の法改正をお願いいたしているという次第でございますので、よろしく御理解のほどお願いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/28
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029・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 ここで十分かかってしまうとあと聞けませんので、大事なチャイルドシートの方に移ります。
今回、法的義務とするわけですが、免除例が何点かあるようです。ずっと審議を見ていろんなことを想定しながら考えますが、例えば、孫がおじいさんのところへ行った、近くの河原まで車で孫を遊びに行かせようかといったような場合はこれは免除されないというふうになっています。老夫婦だけだったらチャイルドシートはないと思いますけれども、そういうような家族団らんの場合でもチャイルドシートがないとだめよと、それは大事な孫だから命を大事にしてちょうだいよと、こういう乗りだと思うんです。
では、AさんとBさんがいて、幼児二人ずついる、一台の車で遊びに行きましょう、幼児四人になるわけです。交通法規上これは乗れます。この場合は免除になるんでしょうか、局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/29
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030・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 要するに乗車定員の範囲内で乗った場合でチャイルドシートをつけようとしても物理的につかないケースがあるのではないかというお尋ねであろうと思いますが、乗車中の幼児の安全を確保するという観点からしますれば、可能な限りチャイルドシートを使用させることが望ましいわけでございますけれども、これを法律をもって義務づけるということになりますれば、義務づけによる国民の負担というものも十分考慮する必要があるわけでございまして、この場合、あくまでも幼児の安全を貫徹するということでございましたらば、多人数が乗車するときには幼児にチャイルドシートを使用させることができない場合にその幼児を乗せてはならないというようなことにもなるわけでございます。しかしそうなると家族全体が一台の車に乗れないというケースがあり得る。その場合にマイカーを大型のものに買いかえろというようなところまでいってしまうかというと、それは余りに酷であるわけでございまして、そういうことから、多人数で乗車する場合には義務を免除することになることがあってもそれはやむを得ないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/30
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031・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 そうしますと、じゃ、幼稚園に子供を送っていく、子供の友達がいた、それはチャイルドシートは一個しかないから乗せられないよとなるわけですけれども、じゃ、友達が三人いて後ろに四人乗りましょう、そういった場合も免除されるというふうに考えていいわけですね、今の御答弁の内容ですと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/31
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032・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 家族の場合にいいといいましょうか、そういう場合に免除するということもやむを得ないと考えますと、その波及効果としてそういうケースの場合もあろうかというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/32
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033・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 非常に何か具体的な事例に詰めていくと破綻を来すなというような法的義務化なんです。次に、タクシーが除外されるようなんですが、昨年十一月に交通局の方でおまとめになりましたいろんなアンケートとかありました。調査研究の結果概要というのを出しておられますが、その中で、タクシーの運転手についてもどうかと聞いた段階で、猶予期間が必要だというものも含めて七〇%の方がこれはタクシーも義務化すべきであるというふうに答えているということが結果に出ております。
また、同じ結果概要の報告の中で、諸外国の事例が出ておりますけれども、例えばアメリカの場合、ニューヨーク州でバス、タクシー、レンタカーが除外されています。あとの州は全部タクシーも義務化になっている。それから、ヨーロッパを見ますと、フランスだけタクシーが除外されていまして、あと全部タクシーも義務化になっているんです。諸外国にいっぱいあるからというようなお話でございますけれども、何で我が日本ではタクシーが除外されるのか。また、第一当事者となるタクシーが乗り合い、営業用乗用車の場合、これは登録台数で比較しますとバスの事故率よりもタクシーの方が三倍以上事故が起こっているんです。
そういうことを総合勘案すると、やはりタクシーはきちんとやらなきゃいけないんじゃないか、この点見ますと警察はタクシーだけ甘いなと、次にお聞きしたい携帯無線とかそういうことを考えると、タクシー業界だけ守っているのかというようにしか見えない。この点、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/33
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034・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) タクシーにつきましては、政令でチャイルドシートの使用義務を免除することを考えております。これはタクシーの場合にいつ何人の幼児を乗車させるかわからないという状況になるわけでございまして、その場合にチャイルドシートの使用を義務づけるということにいたしますと、この義務を履行するためにあらかじめ現状では多数のチャイルドシートを車に搭載しておく必要があるということになるわけでございまして、それは運転者に対しては過度の負担を課することになるのではないかというふうに考えたからでございます。
一方で、いわゆる車庫待ちの営業を行っているタクシー業者の中には、既に客からの要望にこたえまして要望があった場合にはチャイルドシートを用意してこれに対処する、対応するといったものも既に出ておりますし、また事業者の中にはチャイルドシート組み込み式の車両を導入するという動きも見られるところから、こうした事業者のまず自主的な努力を促すということを優先させてまいりたいというふうに考えております。
基本的に、日本の場合に、いわゆる流しのタクシーが主でございます。欧米の場合にはどちらかというと車庫待ちといいましょうか、そういう形で対応することが多いということ、アメリカの場合などにはむしろチャイルドシートは親が持って乗り込むというようなケースもかなり多いというようなこともございまして、日本の今の状況からしますれば、タクシーにつきましては当面は少なくとも免除するということで考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/34
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035・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 今の御答弁ですと外国には流しがないという御認識なんだなというふうに思わざるを得ないし、また政令で定める場合も、流しじゃない客待ちの場合のタクシーは義務化するんだなと、そういう規定ぶりをされるのかなというふうに私は想像したいと思います。
次に、義務化になりますから、チャイルドシートの安全性の問題なんですけれども、先ほども山下先生からいろいろ御指摘ございました金具によるやけどなんというのがかなり改善されたかもしれませんけれども、衝撃に遭って折れちゃったというようなそういう苦情も上がってきているというお話でございます。
諸外国というかアメリカあるいはヨーロッパと比べて安全性の基準というのが、先ほど御紹介になりましたけれども、非常に緩いというか何も規定をしていないと同じような感じに見えちゃうんです、横並びにしますと。例えば、構造等についても、ヨーロッパでは肩ストラップは首の幅以上にならなきゃいけない。これを見ると首でつって、つってというか首の回りになって窒息死するのを防ぐんだなということがわかります。これはヨーロッパです。また、チャイルドシートの手の届く範囲では玩具の毒性に関する基準も適用になっている。こういうのは全然日本ではないんですね。また、非常に取りつけ方が難しいというふうに話題になっておりますけれども、取り扱い説明書の義務づけというのもなっていないんです。アメリカあるいはヨーロッパではそれは当然のごとく書いてあるわけでございます。
この間のJAFメイトの方の御報告でございますが、女性がいろんなタイプのチャイルドシート装着の実験をやってみても、長さにばらつきがあって実際にうまく取りつけられるのかと非常に不安になるわけですが、この安全性の基準の改正方向といいますか、これについて運輸省としてはどのようにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/35
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036・下平隆
○説明員(下平隆君) 御指摘ございましたように、チャイルドシートの安全基準は日本、米国、欧州にそれぞれございます。その基準の中身は、幾つか今紹介がございましたけれども、基本的には、幼児を衝突の際保護するという基本的な性能については、その内容はほぼ同一のものではないかというふうに思っております。
今後、チャイルドシートが我が国の国内で生産して使われるということだけではなく、欧米でつくられたものを我が国でも使う、あるいは我が国のものが欧米に行くというふうな国際流通をすることによってユーザーのチャイルドシートの選択肢も広がる、あるいはコストの低減にもつながるということもございますので、できる限りこの基準は国際的に整合する、統一するということが大切ではないかというふうに思っております。
運輸省も、既にこうした基準の統一化を図るための国連の協定に入っておりまして、早急にこうした基準の統一化を図って整合化を図り、そうしたチャイルドシートの国際的な流通の促進を図ってまいりたい、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/36
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037・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 それはいつごろ国際的な基準になるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/37
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038・下平隆
○説明員(下平隆君) 時期はまだ申せませんけれども、日米欧三極の基本的な合意が必要でございますけれども、日本としては車先進国としてできる限り早期に合意が得られますよう努力をしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/38
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039・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 これはかなり早く施行になりますので、よろしくお願いしたいと思います。
このチャイルドシートは子供の命を守るというのが大前提というかその目的でございますが、やはり普及というのが非常に大事だと思うんです。幼児がいるというのは、若年層というか、私より見ても若年層というか、二十代、三十代だろうと思うんですが、所得構造の中でやはりそんなに高くないだろうと思います。出産して費用もかかるということも含めまして。
そこで、普及策、リサイクルとかいろいろ考えられると思うんですが、やはり子供に合ったものを買っていただくということが大事かと思うんです。その促進策で、例えばそれを税法上控除したらどうかとかいろんなアイデアが考えられるんです。そう思っているんですが、大蔵省、その点はいかがでしょうか。購入費用についての所得控除。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/39
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040・尾原榮夫
○政府委員(尾原榮夫君) 今、先生の方からチャイルドシートの普及促進のために所得控除のようなものを考えてみたらどうかというお話であったと思います。
所得税でございますけれども、どのような所得の処分がなされるかということを全く問わずに、所得ということだけに着目して課税するというのが所得税でございまして、そういう意味で、先生のおっしゃられることはよくわかるわけですけれども、所得税の課税対象から特定の消費支出を控除するというのは、どうも所得税の基本的な考え方に反してくる面があるわけでございます。
実は、同じように新規の控除の要求というのをたくさんこれまでもいただいているところですが、税制調査会でも、制度がいたずらに複雑になるということのほか、やはりいろんな特定の支出を税制上しんしゃくしていくというのは無理があるんじゃないかという指摘がなされております。
なお、ことしの税制改正でございますが、やはり小さなお子様を抱えている家庭の負担に着目いたしまして、いわゆる年少扶養控除といいましょうか、十六歳未満のお子様をお持ちの場合には三十八万円から四十八万円にするというような改正をやっていることも御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/40
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041・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 私も、確定申告をやるときに控除項目がないかと領収書を集めたりいろいろします、医療費控除であるとか保険であるとか。別に、これ特定のものがあってもいいんじゃないかと私は思っておるんですが、自治省の方、住民税の関係はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/41
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042・野田毅
○国務大臣(野田毅君) 国税に関しては主税局長から今申されたとおりだと思います。
物事の考え方として、やっぱり何でもかんでも必要なことだからというのでそういうものを、住民税にせよ、所得税にせよそれを一件一件還付したりというような手続をやっているということは、所得税の体系として実際面を考えると大変容易なことじゃない、これははっきり言えることだと私は思います。
むしろ、今お話がありましたように子育て減税といいますか、そういう形で全体的な扶養控除の世界の中でどうするかというのが私は正攻法だと。やっぱり税制というのは簡素をもって旨とすべきという原点にもう一遍立ち返るべきであると。余り複雑なことを税の世界でいろいろやるということは結果的に不公平を何らかの形で生む余地をもたらすのではないか、これは基本論でございます。
なお、この問題で私が地元でよく言っていたのは、特に地域振興券、そういう子供たちのことも念頭に置いて出したわけですから、どういうものに使いますかという話があったので、ぜひそういうものにチャイルドシートをお買い上げいただくと結構なことでございますという話はしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/42
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043・魚住裕一郎
○魚住裕一郎君 久しぶりに野田先生の税の関係の御高説を承ったわけでございますけれども、自治体でも購入者への助成とかそういうのをいろいろやっておられるようでして、そういう事例もございます。また、リサイクル等も大事になってくると思いますが、その点もぜひ普及を警察としても図っていただきたいというふうにお願いをいたしまして質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/43
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044・富樫練三
○富樫練三君 私は日本共産党の富樫練三でございますが、最初にチャイルドシートの義務化の問題について伺います。
チャイルドシートの普及や義務化については私ども日本共産党も以前から主張してきたわけでありますけれども、チャイルドシートを使うことによって安全を守るという点についてはもう既に実験によっても証明済みであります。今さらそのことの是非を議論する余地はないだろうというふうに思うんです。今度の法改正について基本的には私どもも賛成でありますけれども、法律で義務化することに伴って、いかにこれを実効性あるものにするかというところが問題なんだろうというふうに感じております。
そこで、新聞や雑誌などでも全国の状況などが報道されているわけですけれども、現在、無料貸し出しを行っております埼玉県の交通安全協会、埼玉県警、浦和警察署の実態を伺ってまいりました。
埼玉県下では四十地区の交通安全協会で無償貸与を実施しているわけなんです。全県の保有台数が九十八台で、貸し出し回数は平成十年で三百七十三回、大体一日一台平均。貸出期間は十四日間、二週間ということにしているんですけれども、実際には平均利用期間は二十二・六日ということでありました。利用者からどういう希望が出ているのかという点については、長期の貸し出しをぜひやってもらいたい、こういう御意見が一番多い、こういうことでありました。それから、価格が高いので安く売っているところはないか、こういう問い合わせが非常に多い、こういうことでありました。
そういう点から、この法律を実効性あるものにするために幾つかの改善が必要だろうというふうに思うんです。一つは価格の問題。使用期間が限られている割には価格が高いということ。もう一つは、取りつけが面倒だし、車を買いかえてもその後使えるかどうかわからない、あるいはかさばるということで不便だ、こういう御意見ですね。三つ目は、子供が嫌がるので持っているけれども使わないという人が全体の四〇%、これはタカタというところの調査であります。交通安全協会の責任者の意見を伺いましたところ、二歳や三歳になってからチャイルドシートに座らせることは難しい、生まれたときからチャイルドシートに座るという習慣をつけなければ難しいだろうと、こういうふうに実感を持っておっしゃっておりました。
そこで、一つ価格の問題についてでありますけれども、価格を引き上げている要素は何かというと、例えばワンタッチで台座が回転するとか、やわらか五層クッションだとかいうことが新聞でも報道されております。価格が高い方が安全なのではないかという消費者心理も一方で働くということなんですね。
そこで伺うわけですけれども、現在、国産品の場合には運輸省の認定マークがついている。この認定マークがついているものは安くても安全なんだという点についてきちんとPRする、利用者に徹底する必要があるのではないかというふうに思うんです。この安全基準を厳しくする、国際的な統一ということももちろん今後の問題としてあるわけですけれども、国が責任を持って安全なんだということを、安くても大丈夫ですよと、ここのところが大事だと思うんですけれども、どういうふうにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/44
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045・下平隆
○説明員(下平隆君) 自動車ユーザーの皆さんにチャイルドレストレイントが非常に有効であるということを知ってもらうこと、かつそのシートを選ぶ場合には、安全なものとして運輸省が今認定を行っておりますマークのついたものは基準に適合しているのでこれを選ばれるといいですよということ、こうしたことを私どももPRする必要があるというふうに常々思っておりまして、私どももいろいろ対外的な広報等の機会にPRをさせていただいておりますけれども、これからもこの点は十分に充実をしていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/45
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046・富樫練三
○富樫練三君 この点、大いに徹底をしていただきたいというふうに思うんです。
もう一つ、義務化ということになると一〇〇%実施をしなければなりません。そうなった場合に、現在でも、例えば子供がいる運転者のうち五七%は一個以上チャイルドシートを保有しているという発表があります。今後一層、義務化に伴って保有率は高くなるだろうというふうに思うんですけれども、一〇〇%ということになった場合には、レンタルあるいはリサイクルの普及、これはやっぱり欠かせないものだろうというふうに思うんです。
具体的な促進対策をどういうふうに考えているのか、構想がありましたらぜひ教えていただきたいわけなんですけれども、現在は交通安全協会とかあるいは自治体がやっているということで、警察庁そのものが直接これを促進するというふうにはなっていないようなんですね。ですから、法律を守らせる方の側が主体的にこの促進策をとることが必要だろう、他人任せではなくてということ、ここの対策についてはどうお考えなのかをお聞かせいただきたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/46
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047・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 法制化ということになりますれば、それと足並みをそろえてまさに普及対策というのが急務となるわけでございまして、既に委員も御指摘になりましたように、県あるいは市町村といった自治体の事業、あるいは県レベルでは県警と交通安全協会等々がタイアップしての普及促進活動等々やっているわけでございます。
警察庁といたしましては、そのようなことで大いに普及促進活動を行え、しかも極めてきめ細かな形で行えということを県警に対しては指導しておるところでございますし、広報、啓発という観点では警察庁みずからができることもあるわけでございますので、そういった観点も強化してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/47
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048・富樫練三
○富樫練三君 これは広報だけではなくて、かけ声だけではなくて、みずから実施をするという点についてもっと工夫が必要だろう。全国的にやるわけでありますから、実施主体の問題はあるだろうと思うんです、具体的な窓口は。ただ、警察庁が責任を負うという点についてぜひ御検討いただきたいというふうに思うんです。
同時に、例えば車を買ったときにメーカーまたは自動車販売店が無償で貸与する、そういう方法とか、これはもちろん希望者に対してですけれども、あるいは車を買いかえない場合でも子供がいるので必要だと、今まで持っている車につけるという場合、そういう場合にはむしろ警察署や自治体、安全協会とか、そういうところからお借りをするということが大事だろうというふうに思うんですけれども、この点については財源も必要なんです。
交通安全協会に聞いてみましたら、埼玉の場合ですけれども、一台四万円前後のものを二万五千円ぐらいでカバーも含めて買ってきて、これを県内の四十交通安全協会に支給して、それを無償で貸与する、こういう方法をとっているんです。交通安全協会の場合は財源が非常に少ないわけですから、その数をふやすというのは大変だ、こういうお話もありました。
こういう点で、自治体やそれぞれ実施しているところに財政的な援助、これは必要だろうというふうに思うんですけれども、そういうことによってレンタルやそういうことを普及していく、この点はどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/48
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049・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 警察の国の予算からというようなお含みであろうかと思いますが、それは、要するにチャイルドシートというのは基本的にはあくまでも個人が運転者の義務としてそれを使用させるというものでございます。そして、あくまでもそういう普及促進のための事業ということを大いに各県等々において努め、また私どもも広報、啓発を行っているということでございまして、警察の性格から、チャイルドシート自体について警察関係の予算で補助というのはちょっとなじまないかなという気がいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/49
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050・富樫練三
○富樫練三君 警察の予算でなくても別にいいんです。物がちゃんと用意されれば、それで普及できればいいわけですので、これは、国家公安委員長、自治大臣でもあるわけですから、自治体がやる場合にそれなりの体制をとるとか、あるいは公安委員会全体としてどういうふうにするのか、こういう点について、警察の予算ということであれば警察庁からということもあり得るかもしれません。しかし、例えばそれぞれの都道府県レベルで検討するとか、こういうことも含めて、市町村がやる場合にはそれに対する財源の一定の裏づけを持たせるという点も含めて、自治大臣としてはこの点についてはどうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/50
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051・野田毅
○国務大臣(野田毅君) ここは、警察だけでなくて自治体としてもできるだけこの普及のために御協力をいただかなきゃならぬというのは当然のことでございますが、大体それはどの程度の資金が必要になってくるのか、どういうやり方をするのか、そのあたりも一応もう少し見定めた上で検討してみたいとは思います。
ただ、基本的に行政サイドの方で何でもかんでも用意しなきゃならぬということで本当にいいんだろうかということもございます。先ほど来いろいろ御議論がございましたが、そもそも技術的にも車自身に装備というんですか、装着されるというか、そういうような開発がなされていくとか、いろんなことが同時並行的に進んでいくだろうと思います。そういう中で自治体としてどこまでそういう仕事をしていくのかということとの兼ね合いの問題がありますので、その辺、今ここですぐ、いや、これは財政上の手当てを交付税なりなんなりで面倒見ますよということまで果たして言い切っていいかどうか、ちょっと検討させてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/51
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052・富樫練三
○富樫練三君 今後の問題としてぜひ御検討いただきたいというふうに思います。
今も大臣からお話がありましたが、車そのものを改善していくという方向、これは大変大事なことだろうというふうに思います。現在ではシートベルトはもう一〇〇%の車についているわけなんです。それをちゃんと着用するかどうかというのは運転者の責任、こういうことになるわけなんです。条件は整っている。ところが、チャイルドシートの場合は現在まだ条件が整っていないという状況なんです。ですから、本人が着用するかどうか以前の問題として、車そのものをそういう車につくりかえていく、基準を変えていく、こういうことも必要だろうというふうに思います。
衆議院での委員会の中で、チャイルドシート内蔵車、これを標準仕様にしたらどうかという質問があって、この質問に対してこういう答弁があるんです。「チャイルドシートを必要としない自動車ユーザーもおられますので、すべての自動車に義務づけるということは各国でも行われておりませんので適当でないと考えております。」というふうに答えているんですけれども、車の後部座席に内蔵する場合、必要じゃない場合は、子供が乗らない場合は使わなきゃそれでいいわけで、子供が乗った場合はその後部座席の背もたれの部分を前に倒せばチャイルドシートになる、こういう構造は可能なんです。少なくとも後部座席二つは、普通の乗用車の場合、これはできるということだと思うんですけれども、将来の課題として、今ある車を全部改造するとなったらこれは大ごとですから、しかし買いかえを含めて新しい車を提供する場合には、全部後部座席については少なくとも内蔵車にしていく、こういう車の基準を定めていくことも今後の問題として必要なのではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/52
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053・下平隆
○説明員(下平隆君) 車にチャイルドシートを内蔵するあるいは組み込むということは、現在もう既に技術的にできておりますし、そうした車も一部売られ始めております。
これをすべての車に標準装備として義務づけをしたらいいじゃないかと、こういうお尋ねでございますけれども、先ほど衆議院の方の答弁の御引用がございましたけれども、そう答弁させていただきましたのは、やはりチャイルドシートを車に内蔵したものを義務づけいたしますと、その分車両価格が当然上がります。その車両価格の上がった分を、すべてのユーザーさんがその車を買わなければいけないということになりまして、すべてのユーザーの負担ということになります。したがいまして、チャイルドシートを必要としないというユーザーがどのくらいいるかという話にもなるわけでございますが、そういうユーザーさんが多くいらっしゃるという状況ですべて義務づけをするというのは、少し基準としては行き過ぎなのかなという感じを持っている、そういうことを申し上げたつもりでございます。
したがいまして、私ども今考えておりますのは、特にファミリーカーのようにお子様を乗せる機会の多い車、こういう車をお買いになりたいというユーザーさんがいらした場合に、組み込み式の車を買いたいといったときに、オプションといいましょうか、そういう車を選択できる、少なくともそういう環境整備はする必要があるのではないかなと思っておりまして、ディーラーに行きまして車を買うときに、この車で組み込み式のものも欲しいといったときに、そういう装備、スペックのものはございませんと、こういうふうな対応にはならないようにメーカーにそういう組み込み式のシートがあるものを、標準装備ではないですけれども、オプション設定するように、そういうふうな指導をしてまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/53
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054・富樫練三
○富樫練三君 次に、携帯電話の運転中の使用禁止の問題について伺います。
運輸一般労働組合という労働組合があるんです。これは輸送関係の組合なんですけれども、運転中の携帯電話の使用は九三%に上っているわけなんです。運転中の使用で危険を感じた運転者七〇%、運転中の使用がハンドルやブレーキの操作に影響があると答えた運転者が八六%。運輸省や労働省の通達に基づく指導については七九%の運転者が、会社からは特別注意は受けていない。こういうふうな回答が寄せられているわけなんです。
運転者は危険だというふうに思っても、会社からかかってきた電話については出ざるを得ないということなんです。その結果、道路における交通の危険を生じさせた場合は、安全運転義務違反と同様の罰則、反則金、点数、こういうことになるわけなんです。罰則は三カ月以内の懲役または五万円以下の罰金で、反則金は大型車の場合は一万二千円、点数は二点。
問題なのは、運転中の運転者には会社からは電話をしないということを安全運転管理者及び運行管理者に徹底すること、ここが先決ではないのかというふうに思うんです。運転者に対する指導ももちろん必要なんだけれども、それ以前の問題、会社側の問題としてこの点はきちんとしておかなきゃならないだろうというふうに思うんですけれども、この点についてどう徹底する予定ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/54
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055・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 法改正となりました場合には、企業の安全運転管理者等が運転者に対する教育を徹底して、またみずからも運転者に対して不要な電話といいましょうか、運転中、走行中に電話をかけるということを慎むように、すなわちこの規定が確実に遵守されるように関係行政機関とも緊密に連携を図って、また直接実効ある指導も行ってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/55
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056・富樫練三
○富樫練三君 平成八年九月に運輸省から通達が出ました。それから平成九年一月には労働省から通達が出たんです。だけれどもこれは徹底されていないというのが現状です。
例えば労働省の通達ではこういうふうになっているんです。運転中は電源を切るなどして運転中の運転者に受信させないようにする。これくらいのことはやらないと、会社の方は営業ですからどんどんやっぱり電話が入ってしまうと思うんです、緊急の場合なども含めて。ですから、ここまで徹底させるということが大事だと思うんです。
例えば過積載については、かつて運転者の責任であったものがその後の法改正によって管理者及び荷主の責任、ここが明確に法律上もはっきりしたわけなんです。この問題と同様に、安全運転管理者や運行管理者の責任、ここが大事だというふうに思うんです。関係各省庁と連絡をとってやるというのは、それはそれで大事なんだと思うんですけれども、連絡をとった結果、通達を出しました、後は企業者の責任です、最後には運転者がすべて罰則も反則金も点数も負わなければならない。これでは、せっかく法律をつくっても本当に徹底できるのかという問題があるんです。
ですから、会社、管理者に対する指導、ここはもっと具体的にやらなければならないというふうに思うんですけれども、それぞれ関連するところ、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/56
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057・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 会社について申し上げますれば、各安全運転管理者に対する講習といった機会もございますし、その他会社の責任ある立場の方に対して警察として訴えかける機会というのがあるわけでございます。そういう場で、今回法が改正されるということになりますれば、走行中の携帯電話の使用というものは要するに違法なんであるということでございますから、そういうことですよということを含めまして、各企業においても運転者にそういう違法な行為をさせないように具体的に指導をするようにということを繰り返しまた厳しくお願いいたすこととしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/57
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058・下平隆
○説明員(下平隆君) 運輸省といたしましては、先ほどお話がございましたように平成八年に一度指導をしておりますが、これが不十分だというお話でございます。
今回、この道交法が改正をいたしました場合には、事業者、運行管理者に対してさらに指導を強化いたしますし、道交法も含めまして関係法令を遵守するということが運送事業者の大前提でございますから、その違反があった場合には当然処分対象にもなりますので、厳しく処分もしてまいりたいというふうに思っております。
また、運行管理者、事業者が運転者に十分な教育をしない場合、あるいは事業者が強要をした場合、こういう場合も指導監督にかかわる問題として法令に抵触することになりますので、この点についても事業者の責任を問えるわけでございますので、この道交法によります携帯電話の使用については一層厳しく事業者、関係者を指導してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/58
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059・富樫練三
○富樫練三君 問題は、運転者に対する管理者からの指導や徹底が大事なのではなくて、法律をきちっとやるためには、安全運転管理者や運行管理者に対する指導が大事なんだと、ここがポイントなんです。ですから、そういう角度でここのところはきちんと厳しくやっていただきたいというふうに思うんです。
余り時間がありませんけれども、最後に、これらも含めて交通事故防止対策全体についてちょっと伺いたいと思うんです。
年間八十万件もの交通事故が発生するということで、平成八年度から特定交通安全施設等整備事業七カ年計画をスタートさせて、その主要な施策として事故多発地点緊急対策事業が行われております。
この事故多発地点緊急対策事業についてなんですけれども、これの対象箇所は全国で何カ所あって、そのうち八年度から十年度までにおよそ何カ所ぐらい緊急対策が行われたのか。あわせて、その緊急対策をやる前とやった後で交通事故がどのぐらい減っているのか。例えば、交差点の改良とかがやられていると思うんですけれども、交差点部ではどのぐらい事故が減って、さらに単路部というか真っすぐの道路のところ、交差点じゃないところではどのぐらい事故件数が減少しているのかということです。
あわせて、公安委員会がやっている部分と道路管理者がやっている部分と工事は二種類あるようなんですけれども、それぞれこの間の予算の概算、およそこのぐらいかかりましたという概算で結構ですけれども、お願いしたいと思うんです。
なお、最終年度は平成十四年度ということになっているわけなんですけれども、今後どの程度の工事を何カ所ぐらい、さらに予算の概算としては大体どの程度の規模の予算を予定しているのか、この辺をお知らせいただければと思いますが、よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/59
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060・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 交通事故多発地点対策につきましては、警察庁と建設省が共同して行っているものであります。
七カ年計画の予算でございますが、警察庁について申し上げますと、特定事業で千九百億円、地方単独事業で六千三百億円、計八千二百億円でございます。事故実態を踏まえた対策を両省庁が共同いたしまして総合的かつ計画的に推進していくこととしているところでございます。
対象とする事故多発地点でございますが、交通事故総合分析センターの統計的かつ科学的な手法にのっとりまして全国三千百九十六カ所を選定いたしました。この箇所につきまして、それぞれ両者が連携をしながら対策を実施しているところでございます。
平成十年度末までに完了した箇所数でございますが、約千五百カ所でございます。これは安全施設等整備事業全体の事業費の一部として行っているわけでございます。また、平成十一年度につきましては約千二百カ所、これもまた交通安全施設等整備事業全体の事業費、平成十一年度でございますとトータルで千百億円でございますが、その一部として行っているものでございます。十二年度から十四年度にかけましては、先ほど挙げました三千百九十六カ所すべてについて対策が完了するように努めてまいる所存でございます。
なお、交通事故多発地点対策の効果でございますけれども、対策の実施前後の事故件数の比較が可能な約二百五十カ所につきまして、すなわち平成八年度中に対策が完了したものにつきまして、その前後で比較いたしました。そうしましたところ、単路部では車両単独の事故が七六%、車両相互の事故が一五%減少しております。また、交差点部では人対車両の事故が六〇%、車両相互の事故が二六%これまた減少しているということで、相当の成果が見られるところでございます。
今後とも、この事業というものには力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/60
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061・井上啓一
○政府委員(井上啓一君) 今、警察庁の方から御説明がありましたように、三千百九十六カ所につきまして、道路の方では交差点改良とか歩道の整備あるいは道路照明の設置等をやっております。
八年度から平成十年度まで特定交通安全施設等整備事業、それと金額が多くかかるようなものについては改築事業も含めてやっております。累計で六千三百億円の事業費でもって二千五百カ所の事業を手がけておりまして、十年度までにおおむね概成したところが千五百カ所ございます。十一年度におきましては、二千五百四十億円の事業費をもって今まだ残っている部分を含めまして千二百カ所の対策を実施する予定にしておりまして、今警察庁の方と連携をとっておりまして、十四年の七カ年計画中に三千百九十六カ所すべてを完了させたいというふうに考えているところであります。
その効果でございますが、これは事故分析センター等でやっておりますので、八年度の事業が終わったところ、その事業の効果というのは九年度、十年度を見なければなりませんので、八年度までのものが今分析できておりまして、今警察庁の方から御報告があったとおりでございます。九年度が終わったところについては、去年の成果等も見まして今年度の半ばぐらいにはまとまってくるというふうに思っております。
いずれにしても、こういう対策を行ったところについての効果は非常に顕著であるというふうに考えております。今申しましたように、十四年度までに事故多発地点について全部やるように事業費等を計上していきたいというふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/61
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062・富樫練三
○富樫練三君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/62
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063・照屋寛徳
○照屋寛徳君 社会民主党の照屋寛徳でございます。
私の方からも何点か質問をさせていただきたいと思います。
最初に、必ずしも通告の順序どおりではございませんけれども、運転中の携帯電話の使用禁止の問題についてお伺いをさせていただきます。
けさ、宿舎で朝飯を食べながらちらちらとテレビを見ておりましたら、日本の携帯電話の普及が世界で第四位だというふうなことを報道いたしておりました。御案内のように爆発的な勢いで携帯電話が普及をしているわけでありますが、運転中の携帯電話の使用にとどまらず、携帯電話の使用の場所の問題というのは基本的にはマナーの問題かもしれません。私はそういうふうに思うわけです。運転中の携帯電話もそうですが、今はもう歩きながら携帯電話を使っておって、その方も交通事故の被害者になったりあるいは加害者になったりするんじゃないかなというふうに考える場合もあるわけであります。
私は、今度の法改正に伴って、当然、使用禁止については必要な法改正だというふうに思いますけれども、一方で、これだけ電話が普及しますと、文明の発達に従って危険へ接近する理論と一緒で、運転する車の中に携帯電話を持ち込まないというのは恐らくそれはもう不可能なことじゃないかと思います。そういう点では、使用禁止の一方でハンズフリーの使用についての指導の問題、これは警察庁が、取り締まる側がそれをやれというのも言いにくいのかもしれませんが、例えばオーストラリアかどこかでは運輸省がそういう指導をやっているというふうな資料を読んだこともあるんです。
いかがでございますか、このハンズフリーの使用の指導ということについては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/63
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064・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 今、委員御指摘のとおり、まさに爆発的な携帯電話の普及でございます。そういうことから、それに伴いまして事故もふえておるということで、これに対処するためにある意味で運転者の守るべきルールを法律上明確化したというのが今回の法案の性格でございます。
御指摘のハンズフリー装置でございますが、これを併用するか否かにかかわらず、基本的に走行中は携帯電話を使用しないというのが望ましいわけでございますが、併用して携帯電話を使用する場合は併用しない場合と比べますと操作の際に視線を前方から外すという機会も少なく、また電話機を手に持って通話することによる危険性も基本的にないということで、規制の対象としないこととしたところでございます。
警察庁としてこれを推奨すべきではないかということにつきましては、既に御理解をいただいたような御発言でございましたけれども、なかなかこれを推奨するという立場ではなくて、むしろ使っていただきたくないという立場であるわけでございます。
いずれにしましても、この規定によりましてハンズフリーは対象から外れるわけでございますので、恐らく、事業者においては乗車中にはハンズフリー装置をお使いくださいと今注意書きで書いてございますが、その文字は一段と大きくなるであろうということにつきましては、これは期待をいたしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/64
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065・照屋寛徳
○照屋寛徳君 それで、この運転中の携帯電話の使用禁止、この法改正を準備する過程で、ちょっといろんな資料を見ておりますと意識のわき見という概念というか言葉が出てまいりまして、要するに、運転中に携帯電話を使用することによって、前方を見ているのに実際には見えていない状態というふうに説明をされておりました。
そうすると、この意識のわき見ということから恐らくこの法改正をお考えになったんだと思いますけれども、例えば現行法上も運転者の前方注視義務との関係で、過失の内容として、例えば漫然運転だとか、あるいはわき見運転というふうなのがあるわけですね、漫然と運転をするという。そういう従来の道交法の構成要件の中で言う、あるいはその過失の内容で言う運転中の漫然という状態と意識のわき見というのは同じなのか、違うのか。意識のわき見というのが道交法上の過失の一つの形態とするならば、その使用禁止を法改正で定めなくても、現行法上も仮に事故を惹起した場合には過失内容、過失責任を意識のわき見ということで問うことができるのではないか、あるいはできないのか。
そこらあたり、もしおわかりであればお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/65
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066・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 意識のわき見という言葉を用いておられる学者先生もおられるわけでございまして、基本的に携帯電話の場合の問題点というのは、まず物理的にわき見をすること、それともう一つは片手ハンドル等になってふらつきが出てくる、そしてさらに今御指摘の意識のわき見といいましょうか、そういった分野等の危険性がそれぞれあり得るということから、そのうちの一定のものについて切り出しをしたわけでございます。
ところで、その意識のわき見自体の問題でございますけれども、例えば考え事をしていたとか、いろんな形での意識のわき見ということはあり得るんだと思います。その結果としまして、道路交通の安全に具体的に危険をもたらしたということでございますれば、現在の安全運転義務違反ということに問うことが可能であると思います。
それで、私どもがこのたびこの携帯電話等について特記するという形で切り出しましたのは、委員も御指摘のとおり、まさに爆発的な極めて急速な携帯電話等の普及がある、そしてさらに今カーナビということで始まりましたけれども、このたぐいのマルチメディア機器が車載という形でこれもまた既に急激に伸びておりまして、さらに伸びていくであろうということも予想がつくわけでございます。
そういう中で事故も当然起きてくるであろうということで、そういう普及実態、そして事故も伸びてきておるということをとらえまして、言うなれば七十条の安全運転義務違反から切り出しまして枠組みをつくった。これによってこの問題がいかに現在重要であり、今後ともさらに重要になり続けるかということをある意味で警鐘を鳴らすといいましょうか、広報啓発に努める、そしてさらにまた、具体的な指導の手がかりにする、あるいは企業等におきましても管理者側から運転者側に対してあるいは管理者みずからこの問題について自己規制をしていただく、あるいは指導していただく、あるいは運転者についてもみずから律していただくというその手がかりになるであろう、あるいはするために切り出したということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/66
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067・照屋寛徳
○照屋寛徳君 よくわかりましたと言っておきたいと思います。
ただ、意識のわき見というのは、そうすると新しく出てきた概念じゃなくして、本来は携帯電話を使わない場合でも運転者のいわゆる意識のわき見というのは生ずる場合があるわけですね。恋人のことを考えながら運転をしておったとか、夕食のおかずのことを考えながら運転をしておったとか。だから、そういう点では何かやたら参考資料を読むと意識のわき見というのが殊さら強調されているものですから、お伺いをさせていただきました。
一方では、やっぱり情報通信関連産業というのはもう日進月歩の勢いでさまざまな技術発展があるし、さまざまなそのための手段としての器具、道具が開発されるわけですから、恐らくまた新意識のわき見みたいなものが出てくるかもしれませんね。よくわかりました。
それでは次に、せんだって当委員会で参考人から御意見を聴取いたしまして、国民生活センターの島野参考人にもお尋ねをしたところでありますが、チャイルドシートの安全性の苦情相談で、バックル金具によるやけど事故がかなりある、こういう報告がありました。これは幾つかの資料にも出ておるのであります。
そうすると、私の住んでいる沖縄のようなところはもう年じゅう暑いわけですから、夏場なんかは本当に、参考人にもお伺いしましたけれども、ハンドルがつかめないぐらい熱くなるんですね。そうすると、バックル金具によるやけど事故がまた多く発生するのかな、こういう危惧もしておるわけであります。
島野さんの御意見だと、かなり改善をされて、コーティングをしたりしてほとんど今はそういうむき出しの金具はないのではないかというお話でありましたが、実態はどうなっておるのでしょうか。お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/67
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068・下平隆
○説明員(下平隆君) 数年前まではバックルが金具でございまして、今お話がございましたように、直射日光に当たった金具に直接触れやけどをするという事故が数件あったというふうに把握をいたしておりますけれども、その後チャイルドシートメーカーはバックルそのものを樹脂製にする、あるいはバックルの上に樹脂のカバーをかける等の措置をいたしまして、ここ二、三年やけどによる事故というものは発生をしていない状況でございます。
あわせまして、こうした事故が起きるということについて、使用上の注意としてユーザーの皆さんにも知っていただくよう取り扱い説明書等にこういった旨も記載をし、注意を喚起しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/68
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069・照屋寛徳
○照屋寛徳君 それでは最後に、このチャイルドシートの装着義務との関係で、「療養上適当でない幼児を乗車させる」場合とか、「その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。」、こういう改正法の趣旨になっているわけでありますが、この「政令で定めるやむを得ない理由」、これはどういった形態を予想しておられるのでしょうか。最後にお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/69
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070・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 「政令で定めるやむを得ない理由」でございますが、例えば物理的な問題といたしまして、座席ベルトまたは取りつけ装置を備えていないためにチャイルドシートを座席に固定することができないようなケースが一つございます。
また、座席にチャイルドシートを固定するに足る余地がない場合、要するに一家でそろって乗せるためにはだれかがおりなければチャイルドシートを積み込めないとかいうようなケースが物理的な問題としてございます。
それから、身体的な問題といたしましては、例えば著しく肥満している等の理由で適切にチャイルドシートを使用させることができない幼児を乗車させるような場合、これはシートベルトの場合でも成人の場合に同様な規定がございますが、そのようなもの。
あるいは、バス、タクシー関係でいいますと、乗り合いバスまたはタクシーの運転者が旅客である幼児を乗車させるようなケース等が主なものかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/70
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071・照屋寛徳
○照屋寛徳君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/71
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072・高橋令則
○高橋令則君 自由党の高橋でございます。二点ほどお伺いしたいと思います。
まず最初はチャイルドシートの問題でありますけれども、その前にシートベルト自体の問題です。
御承知のとおり、シートベルトの着用状況を見てみますと、制度化されたときには非常に高かったんですね。ところが、例えば平成三年では七四・三という、これはボトム、一番低いところですね。それから、今一般道路のことを申し上げたんですけれども、高速では平成四年に八五%というふうなことで、それが今ではまた若干上がってきまして、九年は八五%、そしてまた高速では九三%ですか、ところが、運転手ではなくて隣の助手席、これは七八・三というふうになぜか低いんですね。
チャイルドシートをやっても、着用率の関係等、見通しとして、このシートベルトの経過を見て、対策というのはなかなか面倒ではないのかなというような感じを持っておるわけですけれども、まず最初にシートベルトの経過について、そしてまた、今それについて対策というんですか、これをどういうふうに考えておられるのか、これをまずお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/72
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073・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) シートベルトの着用率の変化につきましては、委員御指摘のとおりでございまして、義務化の前極めて低かったものが、義務化によって急激に一たん着用率が伸び、その後若干ずつ減少をし、また最近伸びてきたということでございます。私どもは一貫してシートベルトの着用について広報啓発活動を繰り返してまいったわけでございますし、また必要な取り締まりを行ってきたところでございます。
最近の交通事故の実態を見ますと、死亡あるいは重傷事故が着実に減少しております。それの背景には、最近のシートベルトの着用率がまた徐々に上がってきているということが顕著に反映しているというふうに思っているところでございまして、シートベルトの着用につきましては、引き続いて着用率のさらなる向上ということに努力してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/73
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074・高橋令則
○高橋令則君 何といいますか、制度化されているわけですから、きちんとやってもらわなきゃならぬわけです。おっしゃるとおりですけれども、残念ながら助手席が非常に低いんです。これ、後に申し上げる危険性を見る恣意的なあれと違って、やっていないわけですから、これはやっぱり取り締まり上、もう少し、もう時間も経過していることですから、徹底的にやられたらいいんじゃないかなというふうに思います。
次の問題ですけれども、やっぱりシートベルトに関連して、これを制度化した後に、着用率を上げるためには技術的な改善が大事ではないかと思うんです。各委員もおっしゃっているので、それは省きます。
お聞きすると、EUの型式とアメリカの型式はちょっと違うというふうな説明を受けたんですけれども、我が国はEUに合わせてやりたいということで検討している、その関係もあって時間がかかるというふうなことを言われたように私は思っておるんですけれども、この対応はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/74
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075・下平隆
○説明員(下平隆君) チャイルドシートの利用を促進するためには、構造上の改善というのは大変大切だというふうに思っております。それゆえに、チャイルドシートを取りつける場合の簡便さ、あるいは確実に取りつけられるということが求められると思っております。
これから私どもが取り組む方向といたしましては、現在、国際的な規格、ISOで議論をされておりますISOFIXという形のチャイルドシートがございます。これは車についておりますベルトで固定をしない形でございまして、金具で自動車についている金具にカチンと固定をするようなそういうタイプのものでございます。現在、このISOの方式のチャイルドシートの規格が、まだ案でございますけれども、検討中でございまして、今後、近くこれが正式に決定をされる予定でございますけれども、そうなりました場合には、我が国においてもこうした方式を普及するような措置について検討してまいりたいというふうに思っております。
それからもう一つは、先ほど来お話がございますように、自動車のシートの中にチャイルドシートを内蔵する組み込み式のチャイルドシート、これも大変有効でございますので、これの自動車へのオプション装備化ということについて取り組んでまいりたい、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/75
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076・高橋令則
○高橋令則君 お聞きのとおりだと思います。したがって、私は、できるだけ早く型式を改善して、そしてこれを促進していただきたいというふうに思います。
次に、チャイルドシートの負担の問題ですけれども、負担といっても、これは税制とかそういうことを私は申し上げません。
私の地元でも、例えば紫波とか花巻というところがありますけれども、調べてみたら、花巻の方は協会でやっているんですね。それから、紫波は紫波警察署が一生懸命やっているらしいんですよね。もちろん、お金は税金ではなくて、亡くなられた方の寄附のような形でやられているケースがあるようです。
私が申し上げることは、要するに協会なり警察の啓蒙というんですか、そういう努力というふうなことが、こういう例を申し上げたように実現できないのかなというふうに思っているわけです。したがって、そういう問題についての積極的な取り組みについては局長、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/76
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077・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 現在、各県において県警察のみならず交通関係の諸団体あるいは自治体が、チャイルドシートの普及につきまして、さまざまな工夫を凝らしながら、具体的な経済的な負担の軽減という観点も含めまして普及促進活動を行っているところでございます。
その中には、特に早期の段階でこれに取り組んでおる自治体等の中には、今、委員御指摘ございましたように、交通事故に遭って、例えば自分はシートベルトをしていたけれどもお子さんがチャイルドシートをしていなかったために亡くなられたと、そういうことから親御さんが自治体等に寄附をなされてチャイルドシートの貸し出し等の活動が始まったというのが複数の自治体であるというふうに承知しておるところでございます。
いずれにいたしましても、そういういろいろな形で始まってきたこの普及促進のための活動あるいは呼び水としての活動でございますが、自治体、そして警察、さらには交通安全のために活動しておられる諸団体、あるいは医師会であるとかあるいは産婦人科の先生方等々、幅広くいろいろのネットワークをめぐらせまして普及促進に努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/77
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078・高橋令則
○高橋令則君 次に、ナビゲーションの注視の問題です。パネルの位置とかそういうことが場所によってかなり違うような感じがするんです。
まず最初に、それなりの指導をしているように資料を見ていますけれども、今後の取り組みについては運輸省はどういうふうに考えておられますか。そのパネル、私自身はやっているんですけれども、下の方なんです。私のはメーカーオプションですから下なんです。変えられないんです。したがって、今後は、やっぱりやるためにはもっと上の方にやらなきゃだめじゃないのかなと思っておりますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/78
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079・下平隆
○説明員(下平隆君) ナビゲーションと事故の関係について懸念を持ちまして、運輸省としましては、以前から附属の交通安全公害研究所というところで調査研究を行ってまいりました。
その結果、ナビゲーションを使いまして、これを見ているとどうしてもブレーキ操作等がおくれるという問題が起きまして、画像を見る時間は必要最小限にする。それから、ナビゲーション装置を取りつける位置、これはセンターパネルの上部につけることが望ましい、こういうふうな研究結果を発表いたしておりまして、こうした注意喚起は既にユーザーの皆さんにしているところでございます。
今お尋ねのこれからの方向でございますが、現在は自動車メーカーに対して、例えば走行中はテレビが映らないようにとか、あるいは一画面当たりに表示をされる文字数の制限をするとか、あるいは煩雑な操作をしなくてもナビゲーションが動くようにするとかというふうな指導はいたしておりますけれども、今のナビゲーション装置の取りつけ位置については、可能な限りセンターパネルの上部に持っていくような、そういった方向でこれから指導をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/79
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080・高橋令則
○高橋令則君 時間も来ましたので、最後になりますけれども、第一点は、国家公安委員長である大臣にちょっとお聞きしたい。それからもう一つは、総務庁にお聞きしたいわけです。連続ですが。
私は、実は、昭和四十六年に担当していたときがありまして、御承知のとおり最悪の年が昭和四十五年でございまして、ピークが一万六千七百六十五人ですか、いわゆる死者がそれだけになったんです。現在は、平成十年では九千二百十一ですか、かなり低くなったんです。当時を考えると、よく下がったものだというふうに思っておりますし、喜んでいる一人ですけれども、それなりにやっぱり一つは啓蒙指導、これを徹底的にやった。それから、それなりに技術的な対応もあった。それからまた、いわゆる車とそれから道路の構造の問題、総合的な取り組みとしてこうなったと思うんです。したがって、この問題は全体的に内閣が非常に重要な問題として高い立場でやっていかなきゃならぬ、これが第一点。
それからもう一つは、例の計画がありますね、総務庁の担当ですね。したがって、前段の方については大臣から所信をお聞きしたいと思いますし、それから、全体的な各省庁にまたがるこの問題についての総務庁の今後の取り組みをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/80
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081・野田毅
○国務大臣(野田毅君) 御指摘のとおり、今回の道路交通法の改正によりますチャイルドシートの使用の義務づけや、携帯電話などの走行中の使用の禁止などについて交通安全思想の普及が重要であるということを十分認識もいたしております。この問題のみならず、全体として交通安全思想の普及徹底ということの重要性、なお一層今日の状態において私たちは再認識をいたしておるわけです。
このため、警察におきましては、御承知のとおり春、秋、全国交通安全運動あるいは交通安全教育を通じて交通安全思想の普及に取り組んできたわけでございます。特に本年の春の全国交通安全運動におきましては、チャイルドシートの着用の促進を全国重点目標として位置づけをして、そして携帯電話の使用抑制にも取り組んでいきたいと考えておるわけであります。
今後とも関係行政機関と密接な連絡をとりまして、連携をとりながら民間の御協力もちょうだいをして、改正事項を含め交通安全思想の普及に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/81
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082・大坪正彦
○政府委員(大坪正彦君) 先生、ただいま四十六年当時のお話をされたわけでございますが、実は、政府全体としまして交通安全対策の進め方は、昭和四十五年にできました交通安全対策基本法、これに基づいて進めてきているわけでございまして、制定されました四十五年というのがそういう意味で死者数のピークの時期にあったという、非常に象徴的な時期に制定された法律でございます。
具体的には、基本法に基づきまして、総理大臣を長といたします関係閣僚をメンバーとします中央交通安全対策会議、ここにおきまして先ほど先生も言われました交通安全基本計画、五年ごとに見直しながら関係省庁ともども進めてきているわけでございますが、この基本計画の実施を通しまして、各省庁、総合的かつ一体的な施策の推進に努めてきているところでございます。
特に最近の話としましては、今後の方向性といたしまして、この基本計画におきましては、高齢者の問題に加えましてシートベルトの着用の徹底というのを大きい目標といたしております。そういう意味において普及啓発ということが非常に大事になるわけでございまして、これにつきましては関係省庁だけではうまくいきませんので、私どもの方で関係省庁と民間の団体、二十数団体あったと思いますが、これで連絡協議会を設けまして、シートベルトの着用の推進ということにつきましてさまざま相談しながら啓発を進めてきております。
チャイルドシートにつきましても、その一環として取り組んできているというのが今の実態でございますし、さらに大臣が先ほど申しましたように、今度の春の交通安全運動、これにつきましてもチャイルドシートの徹底という大きい目標を掲げておるところでございまして、今後ともその辺を充実させていきたいというふうに思っている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/82
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083・松岡滿壽男
○松岡滿壽男君 参議院の会の松岡滿壽男です。
まず、チャイルドシートの義務化の問題ですけれども、今の高橋議員との質疑の中でお話がありましたように、これを義務づけするということは一つの行政の大きな目標となって、交通安全思想の徹底のためにはそれは役には立つだろうというふうに思いますし、交通事故から子供を守るということにつきまして当然異論があるはずはないわけであります。
しかしながら、この前も参考人からいろいろ意見を聞きましたけれども、PL法のときのような、これの法制化についての世論とか、そういうものは全然背景としてはなかったわけですよね。そういう話がありました。我々から見ると、今回の法制化については非常に唐突な感じが実はするわけです。
しかし、それに反対するわけじゃないけれども、一つの流れの中で何か不自然なものがあるし、いろんな面で受け皿自身ができていない。じゃ、チャイルドシートを買いなさいということになったら一体どこへ行ってどうしたらいいんだと。それの取りつけについても非常に問題点がある、あり過ぎるわけです。値段についても二千円ぐらいから十何万円という値段がある。だから、非常に無理があるんじゃないかという感じがするんですが、もう少し段階的に何か手だてがなかったのかどうか、その辺からまずお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/83
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084・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 自動車乗車中の幼児の交通事故がこのところ急激にふえておるという事故実態があるわけでございまして、平成十年中の場合でございますれば、平成六年と比較しまして五二%の増加となっておるところでございます。死傷者総数にしまして九千五百四十八人というのが平成十年の数字でございます。極めて急激な勢いで幼児の交通事故被害がふえておるということでございます。まさにその意味で、自動車に乗車する幼児を交通事故による被害から守るということが喫緊の課題であろうということが申せようかと思います。
この傾向は既に数年前からあらわれておりまして、それを受けた形であろうと思いますが、平成九年の道路交通法改正の際に、両院の地方行政委員会における附帯決議としましても、この問題についての検討を急ぐようにということがあったわけでございます。その後、さらにまたふえてきておるというのが事故の実態でございます。そういうことが一つあるということなんでございます。
次に、受け皿といいましょうか、もろもろの準備が必要ではないかということでございますが、一つ私どもが実は意外に受けとめましたのは、昨年の夏に国際交通安全学会が全国規模のアンケート調査をしましたところ、子供を乗車させる機会のある運転者の四五%、そして小学生以下の子供がある運転者の五七%が実はそれぞれチャイルドシートを一つ以上持っていると。持っているけれども、着用率が高くない。逆に言いますと、着用率は高くないものの普及自体は相当進んでいるということがございます。
最近、この問題がマスコミに取り上げられて以降の報道ぶりあるいは新聞への投稿等々を見ますと、法制化の時期といったものも熟してきたのではないかというふうに判断いたしまして、このたびお諮りをしたところでございます。また、施行までには一年の周知期間といったものを考えておるわけでございまして、受け皿の問題あるいは値段の問題あるいは安全性の問題、これをさらに解決すべく、警察としてあるいは関係の行政機関さらには自治体等々民間の皆様方と協力しながら、今まで以上に問題の解決も急ぎたいというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/84
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085・松岡滿壽男
○松岡滿壽男君 この前も参考人が言っておりましたけれども、法案提出以降はマスコミが非常に大きく取り上げているし、非常に待ってましたという感じだということですから、それはそれで私もいいとは思っているんです。
だけれども、例えば飛行機に乗りましてシートベルト着用ということになると、親御さんに、幼児はひざの上へ抱えてくださいということをきちっとやっています。そういうふうに、法案提出の背景を見ますると、例えば実際、六歳未満の幼児でシートベルト着用時には死者二名だと、非着用では六十三人の死者が出ていると。これは非常にそういうことだろうと思うんですけれども、例えばいろいろ飛行機に乗っている子供たちを見ても、赤ちゃんが乗っている。それは親の都合だろうと思いますけれども、やっぱり三半規管がまだ十分でき上がっておらぬわけですから耳がおかしくなって泣き出す。
そういう状況ですから、例えば外出のときも、ファミリーで行くときも、幼児はできるだけやっぱり自動車に乗せない方法がないのかとか、あるいはしっかり親御さんが抱えておくとか、そういう形のものがやっぱり今の日本の社会には少し欠落しているんじゃないかという印象を受けるわけです。
ですから、そういう状況のところで罰則もないわけでしょう、チャイルドシートについては。義務化するけれども、どうもこれを見てみますと、政令により点数を一点減らすかもわからぬという感じでしょう。諸外国を見ると全部罰金です。そういうものについてどのように考えておられるのか、ちょっと伺っておきたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/85
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086・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) チャイルドシートの使用義務づけの担保としまして罰則ではなくて点数を採用したということでございますが、一つ、チャイルドシートを考える際には、類似のものとしてシートベルトあるいはヘルメットの着用義務というのがございます。それがいずれも点数一点ということがございますので、それとの横並びも考えたところでございます。
なお、委員のお話の中で、自動車に乗せないというのはまことにそのとおりだと思うんですが、前に抱えてという話でございますが、これは極めて危険でございます。衝突のときに子供が親のクッションになってしまうことはあっても、まず衝突のときに子供を支え切れないということで、実はこういう形で子供さんをひざにだっこしておられるお母様方というのは多いわけでございますけれども、これは極めて危険、子供にとっては何の安全にもならない、親の安全には若干なるかもしれませんが子供の安全にはならないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/86
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087・松岡滿壽男
○松岡滿壽男君 大変つまらぬことを申し上げて申しわけないです。
それで、実際にこれを購入する場合、利用者にとっての負担にもなるわけです。だから、公的なリサイクル制度とか公的な助成制度とかそういう制度を、先ほど地域振興券の話が出ましたが、チャイルドシート券でも発行するぐらいの、そういうインパクトを与える方が私は非常にいいと思うんですが、その点についてのお考えをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/87
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088・小山峰男
○委員長(小山峰男君) できるだけ簡潔にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/88
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089・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) チャイルドシートの価格につきましては非常に幅があるということでございます。一万円を切るものから十万円を超すようなものまであるということでございます。
チャイルドシートの普及ということにつきましては、既に一部の県あるいは市町村等におきまして無償レンタル等もございますし、一部にはたしか助成金といったものを出している町村もあるようでございます。また、都道府県警察におきましても関連団体等々と連携しましてこれを推進しているということでございますけれども、基本的にはチャイルドシートの使用というのは運転者の義務であり、それを購入するのは基本的には運転者であろうとは思いますが、呼び水として、さらに経済的負担の軽減として、もろもろの措置につきまして関係行政機関、団体と連携しながら進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/89
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090・松岡滿壽男
○松岡滿壽男君 かなり欠陥品があるのじゃないかというような、この前も参考人の方からの話もあったんですけれども、安全基準が一体どうなっているのか。JIS規格についてはどうなっているのかということをちょっとお伺いしたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/90
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091・下平隆
○説明員(下平隆君) 運輸省ではチャイルドシートに必要な安全基準を昭和六十年から定めておりまして、この基準に適合したものを型式認定を行っております。こうした今チャイルドシートが使われておりますので、構造的な欠陥があるようなシートが多いというふうには思っておりませんけれども、むしろ使い方を間違えまして、誤使用をして事故あるいは苦情に至るというものも中にあると思います。
したがいまして、きちんとした扱い方をしてもらう、そのためのPRはぜひしていきたいと、こう思っております。
それから、お尋ねのJISとの関係でございますが、JISは流通あるいは製品の標準化のための規格でございます。一方、今申し上げました自動車の安全基準、保安基準は安全のための基準でございますので目的が違います。現在、道路交通法の方でも、チャイルドシートとしてはこの保安基準に適合したものというふうにされておりますので、ぜひこの保安基準に適合し認定を受けまして認定を受けたマークのついているチャイルドシートをお使いいただくようにPRをしてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/91
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092・松岡滿壽男
○松岡滿壽男君 携帯電話の関係ですけれども、細川内閣について功罪いろいろな議論もありますが、経済的な効果としては、一つはやはりこの携帯電話、これの規制緩和をやったと。当時たしか百万台ぐらいしかなかったのが今三千万か四千万ぐらいになっていると思うんですが、それとビールの規制緩和ですかね。あれで地ビールができていろんな産業ができたということだと思うんですけれども、その結果として携帯電話が町じゅうあふれていますよね。だから、飛行機に乗るときには携帯電話の電源を切ってくださいと、いろんな機械操作にいろんな妨害的な部分が出てくると。それから、病院に行きましても携帯電話を切れと言いますね。
さっき意識のわき見という話が出ましたけれども、実際に警察の方は既にイヤホンか何かで電話のやつをやっているんですか。要するに手で持たないでそういう形のものをやっておるようですけれども、それでもやはり意識のわき見はあるだろうと思うんですね。だから、自動車に乗るときに電源を切るということについての発想はなかったんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/92
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093・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 現実の売られ方としましては、注意書き等には運転中には使用しないでください、使用する場合にはいわゆるハンズフリー装置を用いてくださいというような形で売っているようではございます。したがいまして、売る方もそういう意識は持っておるということではございます。
私どもの方で今度制度設計をいたしましたその書き方としては、走行中は使用しないということにしたわけでして、電源を切るという言い方ではないわけでございますけれども、使用しないというふうにしたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/93
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094・松岡滿壽男
○松岡滿壽男君 これは確かに、地元の方で秘書が運転してくれたりします、私が自動車電話、備えつけのそれで話しておってもやっぱり気にしているわけですね。だから、私も自動車電話自体も使わないように、できるだけ安全のために集中してすると、運転にですね。私自身が運転しているときにかかってくるとこれはどうにもならぬですね、やっぱり我々の年代ですと。これはやっぱり乗ったら絶対使わぬという方が、僕はこれが一番確実だろうと実は思うんです。
ただ、カーナビの方は、これは道路がわからぬから見ておるわけですから、だからこれ見やすい位置にシフトしていくということが大切だろうというふうに思うんですが、この携帯電話の問題について、そういうしっかりした指導をする。そういうことに対するこれも罰則がないわけですよね。罰則がない。だからそれにかわる指導をやれといったってなかなかそれはもう徹底しないと思うんですが、その辺をどうしたらいいのかなという思いがいたすんですが、今の私の意見に対するお考えがありましたらひとつお話をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/94
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095・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 携帯電話の問題は比較的新しい問題でございますけれども、交通安全に関する教則等々におきましても盛り込みまして、さまざまな場で啓発活動に努めておるところでございます。その基本は運転中は使わないということで、広報あるいは啓発活動を行っているところでございます。
今度の法案の枠組みでいわゆる担保措置というものをとっていないわけでございますが、これによって携帯電話等々について一定の規制の枠組みはするわけでございまして、これは要するに国家として法に触れる行為であるということを宣明するということでございますから、私どもとしましては、警察の指導の大きな手がかりになるわけでございますし、また企業等々の安全運転管理に携わっている者にとりましてもこれに基づいて運転に携わる者に対する指導に努めなければいけないわけでございますし、また個々の運転者にとりましても自己を律する一つのよすがとなるわけでございます。
その意味合いにおきまして、直に罰則をつけてございませんけれども、これを手がかりとしていろいろな形でその徹底には努めてまいりたい、また現場における警察官による指導にも努めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/95
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096・松岡滿壽男
○松岡滿壽男君 ぜひそのようにお願いをいたしたいと思います。
それで、この法案提出の背景のところに一番その事故の増加率が多いのは七十歳以上の者だというのが書いてありますね、その次が六歳未満の幼児だと。この七十歳以上に対する対応というのは考えておられるのかどうかというのが一点と、それがこの運転免許取得者教育につながっているのかなという思いがするんですが、これをやった場合にやっぱりこれの教育を受けた人たちに対して識別できる方法がないのかなと。若葉マークと今度はもみじマークでもつけて、そういう方策を考えておられるかどうか、ちょっとお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/96
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097・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 認定制度の関係でございますけれども、今、現実の問題として、これは自動車教習所であるとかあるいはメーカー系列の運転を教えるさまざまな機関等において実質的に行われておるわけでございますが、そういう場においては教育の受講者に対しまして修了証といったものを交付している場合もあるというふうには承知しておりますが、具体的にそれについて、修了証であるとかあるいはマークといったものについて私どもとして何かを示すことが必要であるかどうかという点につきましては、今後の教育の実施状況を見きわめた上で検討いたしたいと思います。
なお、高齢者の関係でございますが、これは高齢歩行者そして高齢運転者が、特に今運転者自体が増加しておりますので、両面にわたって、しかも教育の面と安全施設等のあり方の問題等々絡めまして進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/97
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098・岩瀬良三
○岩瀬良三君 安全の面から御質問させていただきたいと思いますが、各委員から多方面からの質問でかなりダブっておりますので、間を抜きながら質問させていただきたいと存じます。
今、お話がありましたように、チャイルドシートの着用そのものはやるということは賛成でございますし、統計も出ておるわけでございますけれども、ただ、そういう有効だということはいろいろな調査でも有効だということを皆さん言っておるわけでございますけれども、チャイルドシートの着用率がそれにもかかわらず八・三%と一番新しいところで低いわけでございます。今、松岡委員の話にもありましたように、子供を抱いていた方が安全じゃないかとかいろいろ考え方の差があるわけでございまして、こういうことについてはもう本当にこれそのものが罰則をもってやらせるというようなたぐいのものじゃございませんので、皆さんの理解を得ることが必要だろうというふうに思うわけでございまして、この広報が一番大事じゃないかというふうに思うわけでございますので、この広報、法律を適用になるよということも一つの大事なそういう理解の幅を広げることになるわけですが、それとともにまたいろんな点を通じて周知していかなければならないんだろうというふうに思うわけでございます。
殊にまた、一般的な広報もそうですけれども、政令に委任されているような事柄につきましてはなお国民はわかりにくいわけでございますので、先ほど来話がありました子供の皆さんを三人乗せる、四人乗せるというような場合とかいろいろあると思うんですけれども、ぜひこの点についてはもう大々的にと申しましょうか、各方面を通じて広報をしていかなければならないんだろうと思います。この点について局長の方からひとつお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/98
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099・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 現在、警察におきましては、チャイルドシートの普及促進を図るために全国交通安全運動におけるチャイルドシートの呼びかけあるいは交通の教則にチャイルドシートの使用を奨励する内容を盛り込むなど、普及促進のための広報啓発活動を行ってきたところでございますけれども、委員御指摘のとおり、現実の着用率というのはいまだ高くない状況にございます。一方で、先ほど私申し上げましたけれども、実際の保有率というのは意外と持っておられる方が多いということも事実でございます。
そのような状況のもとで、チャイルドシートの着用率を向上させるためには、一方で使用義務の法制化というのが大きなてこになる、これは事実でございます。他方で、それとあわせて運転者にチャイルドシートの必要性あるいは有効性といったものを真に理解していただきませんと、一たん形だけ上がっても使用の率というものが定着するというのは、これまた極めて難しいものがございますし、それを取り締まりによって担保するということはもちろん背景にあるわけでございますが、取り締まりを主にして担保するというものでないこともこれまた事実でございます。まさに運転者が真にこの趣旨を理解した上で、みずから自発的に着用させるということが問題の根幹であるというふうに認識しております。
そういう面での広報啓発活動、これを具体的な形で積極的に展開してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/99
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100・岩瀬良三
○岩瀬良三君 それから、運輸省の方にお聞きいたします。
先ほど来話がありましたように、JIS規格やいろいろあるわけですけれども、安全基準というものは道路運送車両法の保安基準でもって決められておるようでございますし、先ほどもお話がありましたけれども、この保安基準、安全基準、これは一言で言われておるわけですけれども、どのような基準なのか、主要点で結構でございますが、その点ちょっとお話し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/100
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101・下平隆
○説明員(下平隆君) 基準の内容といたしましては、その目的でございます衝突をした場合に幼児をきちんと保護できるかどうか、あるいはベルトの耐久性、これはベルトを常に使用いたしますので耐久性があるかどうか、あるいは脱着をする場合、幼児を拘束装置に乗せて脱着をいたしますが、ベルトの脱着の容易性の観点からバックルの解離力、こういうふうなものについて規定をいたしておりまして、チャイルドシートに必要な基本的な性能についての規定であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/101
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102・岩瀬良三
○岩瀬良三君 アメリカでもクリントン大統領がチャイルドシートの基準を制定したというようなことも言われておるわけでございます。
〔委員長退席、理事松村龍二君着席〕
また、日本の基準については衝撃性や何かについて、まだその点については欠けている点があるんじゃないか、こういうような不十分な点があるんじゃないかというようなことも言われておるわけでございまして、こういうアメリカの基準に合ったような、幼児のものでございますけれども、こういうような形での基準を制定するようになるのかどうか、今後の、別にアメリカに倣うことはないわけですけれども、そういう方向にあるのかどうか、その点についてどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/102
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103・下平隆
○説明員(下平隆君) 現在、国際標準化機構、ISOにおきまして、チャイルドシートを容易かつ確実に取りつけるための国際規格がことしの一月末に国際的に合意された案として提示されております。現在、各国がこれを投票いたしまして、近く正式に決定されるところでございます。
これは、この装置を用いますと、特別な知識あるいは経験がなくてもきちんと使用できるということで大変にすぐれたものでございますけれども、私どもとしましては、この国際規格が正式に決定された場合には、チャイルドシートの使用の実態や海外の動向なども踏まえまして、チャイルドシートを容易に固定できるこのISO方式の普及のための措置を講じてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/103
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104・岩瀬良三
○岩瀬良三君 大変結構な話で、その辺のところを進めていただきたいというふうに思うわけですけれども、ただ、それが全部の車両になるまでにはなかなか時間もかかってくるんだろうと思いますし、私としては、先ほど来お話がありましたけれども、車の中にもう据えつけるというような形が一番いいんじゃないかというふうに思っておるわけですけれども、それまでの間、またはそれ以外のものについてもやっぱり簡便さというのが非常に求められているわけでございまして、そういう簡便さ、それからもう一つは、国会でこういうチャイルドシートのものが論議されましたら、リサイクルショップで売っていたチャイルドシートなどがすぐ売り切れてしまったというようなことを聞いております。
〔理事松村龍二君退席、委員長着席〕
ただ、売り切れてしまったのはいいんですけれども、なかなか車にぴったり合うのかどうかという点が後で問題になったようでございますので、現在の状況を考えると、そういうことから、どういう車にはどういうものが合うんだというようなことを皆さんにお知らせすることが必要なんじゃないか、現在状態では。将来はいろいろなそういう簡便さを持った装置がつけられるにしても、現在はそういう形でいろいろなPRをしておく必要があるんじゃないか、こう思うわけでございます。
また、この間の参考人のところの「ジャフメイト」というような中では、どの車にどれが一番適合しているかというのを発表しているようですけれども、なかなかこれは一般の方が見る時間が少ないし、目に触れていないと思うわけでございます。
そういう点で運輸省の方、または業者の方でそれを行うべきことかもしれませんが、その辺の広報というものが求められておると思いますので、その辺についての御指導をいかがされるのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/104
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105・下平隆
○説明員(下平隆君) 現在のチャイルドシートは、大半の自動車につくようにはなっておりますけれども、残念ながら車によりましては車とチャイルドシートの適合関係が悪いためにつかないものもございます。こういうことがあるということをきちんとユーザーの皆さんに知っていただくような努力を現在いたしております。
特にこの点につきましては、チャイルドシートメーカーが取り扱い説明書をそれぞれ販売の際につけておりますけれども、その中に取りつけが可能なもの可能でない車の車種を明記するように指導をさせていただいております。
さらに大切だと思っておりますのは、チャイルドシートの販売の現場、それぞれのショップにおいてユーザーの皆さんと直接に車につくかつかないかきちんとお話をいただくことが大事だと思っておりまして、この点についてはこれからさらに指導をさせていただきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/105
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106・岩瀬良三
○岩瀬良三君 それではあと一つ、携帯電話のことについて御質問させていただきます。
携帯電話については、こういう形で規定されるのが一番ベストだというふうに私も思っております。ただ、携帯電話にしてもカーナビにしても、非常に一面では文明の利器でありますので、これを全然なくしてしまうということもおかしな話でございまして、これを利用しながらしかもいい利用をしていくような形でやっていかなきゃならないんだろうというふうに思うわけでございます。
そういう意味で、携帯電話は走行中は使ってはいけないということでなくて、ひとつ携帯電話はこういう点ではこうするんだというようなガイドラインみたいなものもやっぱりつくって、皆さんにお示しすることも必要なんじゃないかというふうにも私は思うわけでございます。
これは質問ではございませんが、そういう中で、携帯電話の走行中の使用の規制に関する規定に違反しても、罰則規定もなく点数が付加されないというようなことであるとすると、余り規定の意味がないんではないかと思うわけでございますが、これをやられた趣旨というのがあろうかと思いますので、その趣旨をひとつお聞きして質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/106
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107・玉造敏夫
○政府委員(玉造敏夫君) 携帯電話あるいはカーナビゲーション装置等のマルチメディア機器の急速な普及ということを背景といたしまして、現実に特に携帯電話等の場合に事故が急増しておるわけでございます。そうした観点から、交通事故の防止を図るということで、携帯電話等の走行中の使用に係る運転者の遵守義務に係る規定を設けまして、運転者の守るべきルールを法律上明確化するということとした次第でございます。
いわゆる担保措置というのがないわけではございますが、この規定によりまして、警察官が違反行為の是正を指導することができる、さらに企業の安全運転管理者等が運転者等に対して適正な指導を徹底することになる、また利用者もルールの遵守を励行することになるということが期待されるわけでございまして、そういう観点から、違反するだけでは罰則の対象とせず点数もつけてございませんが、法律上ルールを明確化し、ここで禁じた行為は違法であるということを国の意思として宣明するということを期待したものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/107
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108・岩瀬良三
○岩瀬良三君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/108
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109・小山峰男
○委員長(小山峰男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
道路交通法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/109
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110・小山峰男
○委員長(小山峰男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
輿石君から発言を求められておりますので、これを許します。輿石東君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/110
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111・輿石東
○輿石東君 私は、ただいま可決されました道路交通法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合、自由党及び参議院の会の各派並びに各派に属しない議員岩瀬良三君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
道路交通法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法施行に当たり、次の点に留意し、その実効に遺憾なきを期すべきである。
一、幼児の自動車乗車中の交通事故による死傷者数が急増する中、チャイルドシートの適切な使用方法、効果についての広報啓発活動を一層推進するとともに、現場における指導に当たっては、国民の要請にかなった助言等に努めること。
二、チャイルドシートの使用義務化に当たり、国民の経済負担の軽減を図るため、リサイクル、レンタル活動の普及・支援及び価格の低廉化について、関係期間、団体等への協力を求めること。また、安全性と使い易さの観点から、チャイルドシートの機能性の向上が図られるよう積極的に努めること。
三、チャイルドシートの使用義務については、本法の施行までに周知徹底に努めるとともに、本法の施行後においても、指導期間を設けるなど国民の理解と納得が得られるよう配意すること。
四、自動車等の走行中の携帯電話等の使用及びカーナビゲーション装置等の注視の危険性について、広報啓発活動を積極的に推進するとともに、交通安全教育においても運転者のマナーの向上等に一層努めること。
五、本法の施行後、自動車等の走行中の携帯電話等の使用に係る交通事故の発生状況等からみて必要が生じた場合には、当該行為の規制に関する規定の違反に対する措置の在り方について検討すること。
六、チャイルドシートの使用義務及び携帯電話の走行中の使用規制に関する違反等の指導取締りに当たっては、公正かつ効果的に行われるよう、都道府県警察の第一線に明確な基準を示し、周知徹底を行い、適正な執行に努めること。
七、運転免許取得者教育の認定基準を定めるに当たっては、当該教育が任意の教育であることに留意すること。
八、本法の施行に当たっては、その内容が国民の日常生活に密接に関連するものであることにかんがみ、政令等の制定及び運用に際しては、本委員会における議論を十分尊重するとともに、国民への周知徹底を図ること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/111
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112・小山峰男
○委員長(小山峰男君) ただいま輿石君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/112
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113・小山峰男
○委員長(小山峰男君) 全会一致と認めます。よって、輿石君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、野田国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、これを許します。野田国家公安委員会委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/113
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114・野田毅
○国務大臣(野田毅君) 道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、大変御熱心な御審議をいただき、速やかに御可決いただきましたことを厚く御礼申し上げます。
政府といたしましては、審議経過における御意見並びにただいまの附帯決議の御趣旨を十分尊重いたしまして、交通安全対策の推進に万全の措置を講じてまいる所存でございます。
今後とも御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願いを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/114
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115・小山峰男
○委員長(小山峰男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/115
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116・小山峰男
○委員長(小山峰男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/114514700X01019990427/116
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